JP2010097763A - Ｌｅｄ照明装置 - Google Patents

Abstract

【課題】放熱性が高く、過度に眩しいと感じることのないＬＥＤ照明装置を提供する。
【解決手段】ＬＥＤ照明装置１は、ガラス、アクリル樹脂等からなる透光ケース１３と、
この透光ケース１３の内部にＬＥＤ基板１０を備える。ＬＥＤ基板１０の主面上には、Ｌ
ＥＤ照明装置１の長手方向に向かって所定の間隔を置いて一列に複数のＬＥＤ素子１１が
実装される。封止材１４が透光ケース１３内において少なくともＬＥＤ基板１０上に封止
される。封止材１４は、シリコン樹脂などの液状もしくは半液状または硬化物の伝熱性樹
脂からなる。封止材１４のシリコン樹脂が中空封止の場合よりも高い熱伝導性を有するの
で、透光ケース１３の表面のすべてを放熱面とすることができる。また、封止材１４中に
は酸化チタン粉等の拡散剤が分散されている。これにより、ＬＥＤ照明装置１の光源とし
ての眩しさを低減することができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、光源にＬＥＤ素子を用いたＬＥＤ照明装置に関し、特に、従来用いられてい
る蛍光管や電球の代替となるＬＥＤ照明装置に関する。

家庭用照明装置として従来用いられていた蛍光灯を備えた蛍光ランプを代替するものと
して、光源にＬＥＤ素子を用いた照明装置（ＬＥＤ照明装置）が提案されている（例えば
、特許文献１参照）。

特許文献１に開示される照明装置では、商用電源等から供給された外部電力を内部電源
で変換してからＬＥＤ素子に供給することにより、適切な電流電圧でＬＥＤ素子を駆動さ
せることができる。この照明装置では、ＬＥＤ素子が設けられた基板を熱伝導性に優れた
銅から形成することにより、ＬＥＤ素子から発生する熱を逃がすような構成となっている
。
特開２００７−１１５５９５号公報

しかしながら、特許文献１に開示される照明装置では、上述のように、放熱のために熱
伝導性に優れた材料（銅）からなる基板が用いられているが、ケース（透光ケース）内部
は中空封止（希ガスや混合希ガスの透光ケース内への封入）となっている。このような基
板のみからその発熱量を放熱するような構成では、ＬＥＤ素子の数が増加するにつれてＬ
ＥＤ素子の発熱量が増大した場合には、希ガス等の気体は熱伝導性が低いため、特に基板
と電極または透光ケースとの接続部分に熱的負荷がかかってしまう。そのため、このよう
な構成では、ＬＥＤ素子からの放熱経路として不十分であるという問題がある。

また、ＬＥＤ素子としてパワーＬＥＤ（ハイパワーＬＥＤ）のような収束光源を用いる
場合には、照明装置によって得られる照度以上に光源が眩しいと感じてしまうという問題
がある。

本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ＬＥＤ素子から発生する
熱をＬＥＤ照明装置外へ放熱するための放熱性が高く、ＬＥＤ照明装置としての実用照度
を確保しつつ過度に眩しいと感じさせることのないＬＥＤ照明装置を提供することにある
。

上記の課題を解決するために、本発明のＬＥＤ照明装置は、透光ケース（１３、２３、
３３）と、透光ケース（１３、２３、３３）内に保持されるようにその内部に収容され、
複数のＬＥＤ素子（１１、２１、３１）がその主面上に実装されるＬＥＤ基板（１０、２
０、３０）と、少なくとも透光ケース（１３、２３、３３）内のＬＥＤ基板（１０、２０
、３０）上に封止される封止材（１４、２４、３４）とを備え、この封止材（１４、２４
、３４）には、拡散剤（１６）または蛍光体（３６）が分散されていることを特徴とする
。

本発明のＬＥＤ照明装置によれば、拡散剤または蛍光体が分散された封止材を透光ケー
ス内に設けることにより、封止材を介してＬＥＤ素子から発生する熱を透光ケースの外表
面全体を用いて放熱することができるとともに、ＬＥＤ素子から発せられる光を拡散剤ま
たは蛍光体により乱反射させることにより、ＬＥＤ照明装置としての実用照度を確保しつ
つ白色光源としての眩しさを低減することができる。

本発明のＬＥＤ照明装置では、透光ケース（１３、２３、３３）は、その長手方向にヒ
ダ山が延びるヒダ形状を有していてもよい。これにより、透光ケースの断面が波形となり
、円筒状の透光ケースの場合に比べ、透光ケースの外表面の面積を大きくすることができ
るので、ＬＥＤ照明装置の放熱性（放熱効率）をさらに高めることができる。

本発明のＬＥＤ照明装置では、複数のＬＥＤ素子（２１）は、赤色光、緑色光および青
色光をそれぞれ発するＲＧＢのＬＥＤ素子（２１Ｒ、２１Ｇ、２１Ｂ）からなるＬＥＤチ
ップ（２１）であり、封止材（１４、２４）には拡散剤（１６）が分散されていてもよい
。このように構成することにより、封止材を介してＬＥＤ素子から発生する熱を透光ケー
スの外表面全体を用いて放熱することができるとともに、ＬＥＤ素子から発せられる光を
拡散剤により乱反射させることにより、ＬＥＤ照明装置としての実用照度を確保しつつ白
色光源としての眩しさを低減することができる。

本発明のＬＥＤ照明装置では、複数のＬＥＤ素子（３１）は青色光を発する青色ＬＥＤ
素子（３１）であり、封止材（３４）には少なくとも蛍光体（３６）が分散されていても
よい。このような構成にした場合であっても、封止材を介してＬＥＤ素子から発生する熱
を透光ケースの外表面全体を用いて放熱することができるとともに、ＬＥＤ素子から発せ
られる青色光を蛍光体により白色光に変換して乱反射させることにより、ＬＥＤ照明装置
としての実用照度を確保しつつ白色光源としての眩しさを低減することができる。

本発明によれば、ＬＥＤ素子からＬＥＤ照明装置外への放熱性が高く、ＬＥＤ照明装置
としての実用照度を確保しつつ過度に眩しいと感じさせることのないＬＥＤ照明装置を提
供することができる。

以下、添付図面を参照して本発明のＬＥＤ照明装置の好適な実施形態を詳細に説明する
。

まず、本発明の一実施形態におけるＬＥＤ照明装置の構成を説明する。図１は、本発明
の一実施形態に係るＬＥＤ照明装置の部分断面図である。図１に示すように、ＬＥＤ照明
装置１は、ガラス、アクリル樹脂等からなる透光ケース１３と、この透光ケース１３の内
部に保持されるＬＥＤ基板１０とを備える。また、ＬＥＤ照明装置１は、ＬＥＤ基板１０
を従来の蛍光灯用の照明装置に適合させるための内部電極部１２と、そのような照明器具
に電気的に接続するための外部電極部１５とを備える。前記内部電極部１２は、商用電源
（例えば、ＡＣ１００Ｖ）から外部電極１５に供給された外部電力（交流電力）をＬＥＤ
基板１０上のＬＥＤ素子１１を発光（点灯）させるのに適した直流電源、直流電圧に変換
するものである。

透光ケース１３および外部電極部１５は、一般的な直管蛍光ランプに用いられているも
のと同様の機構で同寸法のものとなっている。これにより、ＬＥＤ照明装置１は、一般的
な直管蛍光ランプ用の支持具に支持され、外部電源から通電されるものである。

このＬＥＤ基板１０の主面上には、例えば、ＬＥＤ照明装置１の長手方向に向かって所
定の間隔を置いて一列に複数のＬＥＤ素子１１が実装される。本実施形態におけるＬＥＤ
照明装置１では、ＬＥＤ素子１１として白色光を発するいわゆるハイパワーＬＥＤの白色
発光ダイオードが用いられる。

また、ＬＥＤ照明装置１は、透光ケース１３内において少なくともＬＥＤ基板１０上に
封止される封止材１４をさらに備える。封止材１４は、シリコン樹脂などの液状もしくは
半液状または硬化物の伝熱性樹脂からなる。シリコン樹脂は透明性を有するので、封止剤
１４は高い透光性を有するものである。なお、硬化性のシリコン樹脂を用いる場合、封止
剤１４はＬＥＤ基板１０を固定するための保持部材としても利用可能である。

本実施形態では、封止材１４のシリコン樹脂が空気あるいは希ガスや混合希ガス等の不
活性ガス（すなわち、中空封止の場合）よりも高い熱伝導性を有するので、管外郭、すな
わち透光ケース１３の表面全体を放熱面とすることができる。これにより、ＬＥＤ照明装
置１の放熱性を従来に比べて高めることができる。

ここで、本実施形態では、図３（ａ）に示すように、この封止材１４中に拡散剤１６が
分散されている。拡散剤１６としては、例えば、ＬＥＤ素子１１が発光する白色光を乱反
射させるための酸化チタン粉等が用いられる。このような拡散剤は絶縁性（絶縁特性）を
有しているのが好ましい。これにより、ＬＥＤ照明装置１としての実用照度を確保しつつ
、ＬＥＤ素子１１のような点光源を用いるＬＥＤ照明装置１の光源としての眩しさを低減
することができる。したがって、ＬＥＤ照明装置１が上記のような構造を有するので、視
覚（ビジュアル）的にも優れたＬＥＤ照明装置１を形成することができる。

次に、本発明の別の実施形態におけるＬＥＤ照明装置の構成を説明する。図２は、本発
明の別の実施形態に係るＬＥＤ照明装置の部分断面図である。図２に示すように、ＬＥＤ
照明装置２は、ＬＥＤ基板の構成を除き、図１に示すＬＥＤ照明装置１と同様の構成を有
する。なお、図１に示すＬＥＤ照明装置１と同様の構成要素については、その詳細な説明
を省略する。

ＬＥＤ照明装置２は、図２に示すように、図１のＬＥＤ照明装置１と同様に、ガラス、
アクリル樹脂等からなる透光ケース２３と、この透光ケース２３の内部に保持されるＬＥ
Ｄ基板２０と、ＬＥＤ基板２０を従来の蛍光灯用の照明装置に適合させるための内部電極
部２２と、そのような照明器具に電気的に接続するための外部電極部２５とを備える。ま
た、ＬＥＤ照明装置２は、透光ケース２３内において少なくともＬＥＤ基板２０上に封止
される封止材２４をさらに備える。

このＬＥＤ基板２０の主面上には、ＬＥＤ照明装置２の長手方向に向かって所定の間隔
を置いて一列に複数のＬＥＤチップ２１が実装される。ＬＥＤチップ２１は、赤色光を発
する赤ＬＥＤ素子２１Ｒと、緑色光を発する緑ＬＥＤ素子２１Ｇと、青色光を発する青Ｌ
ＥＤ素子２１Ｂとを含む。本実施形態では、このようなＲＧＢのＬＥＤ素子２１Ｒ、２１
Ｇおよび２１ＢからなるＬＥＤチップ２１を用いているので、ＬＥＤ照明装置２全体とし
て白色光を発することができる。

本実施形態のＬＥＤ照明装置２では、図１に示すＬＥＤ照明装置１と同様の構成を有し
ているので、従来に比べてＬＥＤ照明装置２の放熱性を高めることができるとともに、Ｌ
ＥＤ照明装置２の光源としての眩しさを低減することができる。

図３は、図１または図２のＡ−Ａ線断面図である。図３（ａ）に示すように、封止材１
４（２４）内には所定の割合で拡散剤１６が分散されている。なお、ＬＥＤ素子１１また
はＬＥＤチップ２１は、光を発する方向に指向性を有するので、ＬＥＤ素子１１またはＬ
ＥＤチップ２１の発光する方向に対するＬＥＤ基板１０（２０）上にのみ拡散剤１６を分
散するようにしてもよい。

また、図３（ｂ）に示すように、透光ケース１３’（２３’）は、その長手方向にヒダ
山１３１および谷部１３２が延びるヒダ形状を有していてもよい。すなわち、透光ケース
１３’の断面は、図３（ｂ）に示すように、ヒダ山１３１と谷部１３２が交互に配置され
る波形となっていてもよい。これにより、円筒状の透光ケース１３の場合に比べ、透光ケ
ース１３’の外表面の面積を大きくすることができるので、ＬＥＤ照明装置１または２の
放熱性（放熱効率）をさらに高めることができる。

なお、図３（ｂ）の透光ケース１３’では、ヒダ形状として半円を上下に反転させて繰
り返すことによりヒダ山１３１と谷部１３２とを交互に配置させるような構造となってい
るが、本発明では、透光ケース１３’の形状はこのような構造に限定されず、透光ケース
１３’の表面積が円筒状の透光ケース１３（２３）の場合よりも大きくなるものであれば
、例えば、透光ケース１３’の断面が正弦波や三角波のような形状から構成されてもよい
。

次に、本発明のさらに別の実施形態におけるＬＥＤ照明装置の構成を説明する。図４は
、本発明のさらに別の実施形態に係るＬＥＤ照明装置の部分断面図である。本実施形態の
ＬＥＤ照明装置３は、ＬＥＤ基板の構成および封止材の構成を除き、図１に示すＬＥＤ照
明装置１と同様の構成を有する。なお、図１に示すＬＥＤ照明装置１と同様の構成要素に
ついては、その詳細な説明を省略する。

ＬＥＤ照明装置３は、図４に示すように、図１のＬＥＤ照明装置１と同様に、ガラス、
アクリル樹脂等からなる透光ケース３３と、この透光ケース３３の内部に保持されるＬＥ
Ｄ基板３０と、ＬＥＤ基板３０を従来の蛍光灯用の照明装置に適合させるための内部電極
部３２と、そのような照明器具に電気的に接続するための外部電極部３５とを備える。ま
た、ＬＥＤ照明装置３は、透光ケース３３内において少なくともＬＥＤ基板３０上に封止
される封止材３４をさらに備える。

このＬＥＤ基板３０の主面上には、ＬＥＤ照明装置３の長手方向に向かって所定の間隔
を置いて一列に複数の青色ＬＥＤ素子３１が実装される。また、図５（ａ）に示すように
、封止材３４中には、上記実施形態のような拡散剤１６の代わりに、あるいは拡散剤１６
に加えて、蛍光体３６が分散されている。なお、図５は図４のＢ−Ｂ線断面図である。

このように、本実施形態では、光源として青色ＬＥＤ素子３１を用いるとともに、封止
材３４内に蛍光体３６（あるいは蛍光体３６および拡散剤１６）を分散しているので、Ｌ
ＥＤ照明装置３全体として白色光を発することができる。

なお、本実施形態のＬＥＤ照明装置３では、封止材３４内に蛍光体３６を分散する代わ
りに、例えば、図５（ｂ）に示すように、青色ＬＥＤ素子３１の照射方向上部３７に蛍光
体３６が封止されていてもよく、あるいは、青色ＬＥＤ素子３１の外表面に沿って蛍光体
３６をコーティングしてもよい（図示せず）。これにより、ＬＥＤ照明装置３が確実に白
色光を発することができる。

本実施形態のＬＥＤ照明装置３では、図１に示すＬＥＤ照明装置１と同様の構成を有し
ているので、従来に比べてＬＥＤ照明装置３の放熱性を高めることができるとともに、Ｌ
ＥＤ照明装置３の光源としての眩しさを低減することができる。

以上、本発明のＬＥＤ照明装置を添付図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は、こ
れらの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書および図面に記載された
技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書および図面に記
載のない形状・構造・機能を有するものであっても、本発明の作用・効果を奏する以上、
本発明の技術的思想の範囲内である。すなわち、ＬＥＤ照明装置を構成する各部（構成要
素）は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意
の構成物が付加されていてもよい。

上述の実施形態では、蛍光灯の代替照明装置としてのＬＥＤ照明装置１〜３を一例とし
て説明したが、本発明は、このような蛍光灯タイプの照明装置に限らず、例えば、電球形
状の照明装置にも適用することができる。この場合、ＬＥＤ基板の中央部分に集中的にＬ
ＥＤ素子を配置すればよい。これにより、蛍光灯タイプの電球や白熱灯タイプの電球に比
べ、上述のような放熱性を高め、眩しさを低減することができるとともに、省電力化する
ことができる。

また、上述の実施形態では、ＬＥＤ基板１０、２０、３０上に、ＬＥＤ素子（ＬＥＤチ
ップ）１１、２１、３１が所定の間隔を置いて一列に実装されているものとして説明した
が、ＬＥＤ素子１１、３１またはＬＥＤチップ２１のサイズ、ＬＥＤ基板１０、２０、３
０の幅等に応じて、ＬＥＤ素子１１、３１またはＬＥＤチップ２１が複数列で実装されて
もよい。

本発明の一実施形態に係るＬＥＤ照明装置の部分断面図である。 本発明の別の実施形態に係るＬＥＤ照明装置の部分断面図である。 図１または図２のＡ−Ａ線断面図である。 本発明のさらに別の実施形態に係るＬＥＤ照明装置の部分断面図である。 図４のＢ−Ｂ線断面図である。

符号の説明

１、２、３ ＬＥＤ照明装置
１０、２０、３０ ＬＥＤ基板
１１ ＬＥＤ素子
２１ ＬＥＤチップ
２１Ｂ 青色ＬＥＤ素子
２１Ｇ 緑色ＬＥＤ素子
２１Ｒ 赤色ＬＥＤ素子
３１ 青色ＬＥＤ素子
１２、２２、３２ 内部電極部
１３、１３’、２３、３３ 透光ケース
１３１ ヒダ山
１３２ 谷部
１４、２４、３４ 封止材
１５、２５、３５ 外部電極部
１６ 拡散剤
３６ 蛍光体
３７ 照射方向上部

Claims (4)

1. 透光ケースと、
   前記透光ケース内に保持されるようにその内部に収容され、複数のＬＥＤ素子がその主
   面上に実装されるＬＥＤ基板と、
   少なくとも前記透光ケース内の前記ＬＥＤ基板上に封止される封止材とを備え、
   前記封止材には、拡散剤または蛍光体が分散されていることを特徴とするＬＥＤ照明装
   置。
2. 前記透光ケースは、その長手方向にヒダ山が延びるヒダ形状を有することを特徴とする
   請求項１に記載のＬＥＤ照明装置。
3. 前記複数のＬＥＤ素子は、赤色光、緑色光および青色光をそれぞれ発するＲＧＢのＬＥ
   Ｄ素子からなるＬＥＤチップであり、前記封止材には拡散剤が分散されていることを特徴
   とする請求項１または２に記載のＬＥＤ照明装置。
4. 前記複数のＬＥＤ素子は青色光を発する青色ＬＥＤ素子であり、前記封止材には少なく
   とも蛍光体が分散されていることを特徴とする請求項１または２に記載のＬＥＤ照明装置
   。

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