JP2010097699A - ショートアークランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】窓部材から反射される戻り光による陰極加熱を防止し、高輝度で長寿命のショートアークキセノンランプを提供すること。
【解決手段】絶縁部材からなり、内部に窪みが形成されて一端が開口し、反射面1aと放電空間Dとを有する胴体1と、該放電空間内に配置された一対の陰極4と陽極5と、該陰極を支持するとともに給電する支持部材3と、該支持部材が接続された、該胴体の開口縁1bに配置される給電リング2と、該放電空間を密閉する、透光性を有する窓部材11とこれを保持する金属製のフランジ10を備えるショートアークランプにおいて、前記窓部材11は、反射面1aの光軸Xに垂直な面Yに対し、一定の傾斜角を有して傾斜し、前記窓部材内面11aと前記フランジの内周面10aとのなす角Cが、光軸を軸とした回転方向の全周にわたって90度以上であること。
【選択図】図1
【解決手段】絶縁部材からなり、内部に窪みが形成されて一端が開口し、反射面1aと放電空間Dとを有する胴体1と、該放電空間内に配置された一対の陰極4と陽極5と、該陰極を支持するとともに給電する支持部材3と、該支持部材が接続された、該胴体の開口縁1bに配置される給電リング2と、該放電空間を密閉する、透光性を有する窓部材11とこれを保持する金属製のフランジ10を備えるショートアークランプにおいて、前記窓部材11は、反射面1aの光軸Xに垂直な面Yに対し、一定の傾斜角を有して傾斜し、前記窓部材内面11aと前記フランジの内周面10aとのなす角Cが、光軸を軸とした回転方向の全周にわたって90度以上であること。
【選択図】図1
Description
本発明は、ショートアークランプに係わり、特に内視鏡の光源のように強力な点光源の光を微小面積に集光し光ファイバーを通して照明する分野に用いられるショートアークランプに関する。
ショートアークランプは、一般的には透明セラミックスや石英ガラス、その他のガラス材を発光管に使用しているが、特殊な用途にはランプ本体を不透明セラミックスで作り、光取り出し部のみに透光性材料を用いているランプが知られている。このようなショートアークランプはきわめて頑丈で取り扱いやすく、また安全性が高いので医療用ランプとして使われている。
図7(a)は従来のショートアークランプの断面図であり、図7(b)は、図7(a)に示すショートアークランプの給電リング22と支持部材23と陰極24のみを取り出した説明図である。
このショートアークランプ200は、胴体21が円柱状の絶縁部材から構成されており、その内部には反射面21aを有する凹部放電空間Dが形成されている。この凹部放電空間Dには、反射面21aの開口に続く胴体21の先端縁には、セラミックリング29を介して胴体21の外径とほぼ等しい外径を有する金属製の給電リング22が配置されている。この給電リング22に重ねてフランジ保持リング34とフランジ30が配置され、フランジ30の内周面には透明な窓部材31が接合されている。この窓部材31は断面円形の平板状であり、平行光を出射するためにその厚みは一定である。給電リング22とフランジ保持リング34、フランジ30および窓部材31を胴体21に固定するために、前方金属部材26が設けられている。
凹部放電空間Dの給電リング22の半径方向には支持部材23が延在しており、その一端は給電リング22に、他端は陰極24に接続されている。すなわち、支持部材23は陰極24に電流を流すための経路を形成するとともに、陰極24を凹部放電空間D内において所定の位置に配置するよう支持している。
このショートアークランプ200は、胴体21が円柱状の絶縁部材から構成されており、その内部には反射面21aを有する凹部放電空間Dが形成されている。この凹部放電空間Dには、反射面21aの開口に続く胴体21の先端縁には、セラミックリング29を介して胴体21の外径とほぼ等しい外径を有する金属製の給電リング22が配置されている。この給電リング22に重ねてフランジ保持リング34とフランジ30が配置され、フランジ30の内周面には透明な窓部材31が接合されている。この窓部材31は断面円形の平板状であり、平行光を出射するためにその厚みは一定である。給電リング22とフランジ保持リング34、フランジ30および窓部材31を胴体21に固定するために、前方金属部材26が設けられている。
凹部放電空間Dの給電リング22の半径方向には支持部材23が延在しており、その一端は給電リング22に、他端は陰極24に接続されている。すなわち、支持部材23は陰極24に電流を流すための経路を形成するとともに、陰極24を凹部放電空間D内において所定の位置に配置するよう支持している。
上記のような構成により、ランプから発せられる光は、反射面により光軸に対して平行光として直線的に放射される。そのため、光源が平行光であることが要求される内視鏡用のランプなどに用いられる。このようなショートアークランプは、例えば特開2008−16389号に記載されている。
特開2008−16389号
ところで、このようなショートアークランプの光源にはさらなる輝度の向上と長寿命化が要求されている。
このショートアークランプにおいては、光が反射面の光軸に対して平行に出射される。光がランプの内部から外部へ出射される際に通過する窓部材は、透光性を有するものではあるが、平行光の一部は窓部材に入射する際にその表面で反射する。反射した光は真逆に戻る光となり、焦点位置にそのまま回帰する。
したがって、焦点位置近傍に配置される陰極先端が戻り光によって熱せられて陰極温度が上昇し、電極の蒸発による損耗が促進される。すなわち、この戻り光による加熱のために陰極の損耗はより著しくなり、ランプの寿命が低下することとなった。
以上により本発明は、窓部材から反射される戻り光による陰極加熱を防止し、高輝度で長寿命のショートアークキセノンランプを提供することを目的とする。
このショートアークランプにおいては、光が反射面の光軸に対して平行に出射される。光がランプの内部から外部へ出射される際に通過する窓部材は、透光性を有するものではあるが、平行光の一部は窓部材に入射する際にその表面で反射する。反射した光は真逆に戻る光となり、焦点位置にそのまま回帰する。
したがって、焦点位置近傍に配置される陰極先端が戻り光によって熱せられて陰極温度が上昇し、電極の蒸発による損耗が促進される。すなわち、この戻り光による加熱のために陰極の損耗はより著しくなり、ランプの寿命が低下することとなった。
以上により本発明は、窓部材から反射される戻り光による陰極加熱を防止し、高輝度で長寿命のショートアークキセノンランプを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、絶縁部材からなり、内部に窪みが形成されて一端が開口し、反射面と放電空間とを有する胴体と、該放電空間内に配置された一対の陰極と陽極と、該陰極を支持するとともに給電する支持部材と、該支持部材が接続された、該胴体の開口縁に配置される給電リングと、
該放電空間を密閉する、透光性を有する窓部材とこれを保持する金属製のフランジを備えるショートアークランプにおいて、前記窓部材は、反射面の光軸に垂直な面に対し、一定の傾斜角を有して傾斜し、前記窓部材内面と前記フランジの内周面とのなす角が90度以上であることを特徴とする。
該放電空間を密閉する、透光性を有する窓部材とこれを保持する金属製のフランジを備えるショートアークランプにおいて、前記窓部材は、反射面の光軸に垂直な面に対し、一定の傾斜角を有して傾斜し、前記窓部材内面と前記フランジの内周面とのなす角が90度以上であることを特徴とする。
また、本発明は、絶縁部材からなり、内部に窪みが形成されて一端が開口し、反射面と放電空間とを有する胴体と、該放電空間内に配置された一対の陰極と陽極と、該陰極を支持するとともに給電する支持部材と、該支持部材が接続された、該胴体の開口縁に配置される給電リングと、該放電空間を密閉する、透光性を有する窓部材とこれを保持する金属製のフランジを備えるショートアークランプにおいて、
前記窓部材は、一定の厚みを有し、窓部材内面と窓部材外面とが同じ中心を共有し、光出射方向に突出する半球面形状であることを特徴とする。
前記窓部材は、一定の厚みを有し、窓部材内面と窓部材外面とが同じ中心を共有し、光出射方向に突出する半球面形状であることを特徴とする。
本発明によれば、窓部材は、反射面の光軸に垂直な面に対し、一定の傾斜角を有して傾斜し、窓部材内面とフランジの内周面とのなす角が、光軸を軸とした回転方向の全周にわたって90度以上であることにより、陰極損耗量を低減し、ランプ寿命の低下を防ぐことが出来る。そして、窓部材内面とフランジの内周面とのなす角が90度以上であるので、内部のガス圧力によりランプが破損するおそれもない。
また、本発明によれば、窓部材は、一定の厚みを有し、窓部材内面と窓部材外面とが同じ中心を共有し、光出射方向に突出する半球面形状であるにより、陰極損耗量を低減し、ランプ寿命の低下を防ぐことができる。
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるショートアークランプの概略を示す断面図であり、図2(a)は、ショートアークランプの陰極の給電にかかわる部材の配置について示す図である。
図1において、ショートアークランプ100の胴部1はアルミナ製の絶縁部材からなり、外径が約30mmの略円柱状体である。この胴部1の内部には凹状の窪みが形成され、湾曲した反射面1aが形成されている。この反射面1aは、反射光が光軸に対して平行な光となるように設計され、例えば、回転した放物線によって形成される放物面状であることが好ましい。反射面1aには反射効率を高めるために銀やアルミニウムなどの金属が蒸着されている。あるいは、金属蒸着膜の代わりに誘電体多層膜を設けてもよい。
図1において、ショートアークランプ100の胴部1はアルミナ製の絶縁部材からなり、外径が約30mmの略円柱状体である。この胴部1の内部には凹状の窪みが形成され、湾曲した反射面1aが形成されている。この反射面1aは、反射光が光軸に対して平行な光となるように設計され、例えば、回転した放物線によって形成される放物面状であることが好ましい。反射面1aには反射効率を高めるために銀やアルミニウムなどの金属が蒸着されている。あるいは、金属蒸着膜の代わりに誘電体多層膜を設けてもよい。
反射面1aに囲繞される胴体1の内側は放電空間Dであり、放電ガスとして例えばキセノンが20〜40KPa封入される。放電空間D内には、反射面1aの焦点を通る光軸X上に陰極4と陽極5が間隙をもって対向配置されている。陰極4の先端は、反射面1aの焦点近傍に配置される。陰極4と陽極5は例えばタングステン製であり、陰極4と陽極5との間隙は例えば1.0mmである。陰極4の先端は電子放射を良好にするために約30°〜50°のテーパ角が付けられている。
反射面1aの開口に続く胴体1の開口縁1bには、胴体1の外径とほぼ等しい外径を有するセラミックリング9が重ねられて配置されている。そして、このセラミックリング9には、胴体1と等しい外径を有するコバール製の給電リング2が重ねられて配置されている。さらに給電リング2には、胴体1とほぼ同じ外径を有するフランジ保持リング14が当接して配置されている。
このフランジ保持リング14にリング状のフランジ10が溶接されて固定されている。フランジ10の内周面には、透明な円板状の窓部材11が嵌めこまれ、ロウ付けにより固定されている。この窓部材11は、可視光を透過し、強度が高く割れにくいという理由でサファイアより構成される。このフランジ10にはサファイアと熱膨張率が近い金属であるコバールが用いられる。窓部材11とフランジ14については後に詳述する。
前方金属部材6は、例えばコバール製の筒状体であり、給電リング2と、フランジ保持リング14とを覆い、内周面に当接させて胴体1に固定するためのものである。この前方金属部材6によって覆われた胴体1の外周には、モリブデンマンガン法によるメタライズ処理が施されており、この部分にロウ付けされて固定されている。前方金属部材6の寸法は、例えば幅が約10mmであり、厚さが約1mmである。つまり、前方金属部材6と、給電リング2と、フランジ保持リング14と、フランジ10および窓部材11によって、内部の放電空間Dの密封状態が保たれている。また、前方金属部材6は、給電リング2と導電性の支持部材3を経て陰極4に電流を供給するための給電機構も兼ねている。
金属ブロック7の一部は、胴体1とほぼ同じ外径であり、後方金属部材8によって、胴体1に当接して固定されている。金属ブロック7は、その中心に陽極5が貫通してロウ付けにより固定されており、陽極5と電気的に接続される。つまり、後方金属部材8は、金属ブロック7を経て陽極5に電気を供給するための給電機構も兼ねている。この後方金属部材8の寸法は、例えば幅が約8mmであり、厚さが1mmである。
金属ブロック7は胴体1の熱吸収体としても働き、放電空間D内が過剰に昇温することを防止している。したがって、金属ブロック7には、導電性に優れ、なおかつ熱伝導率が高くて熱吸収作用を奏することが好ましく、例えば鉄が用いられる。
金属ブロック7は胴体1の熱吸収体としても働き、放電空間D内が過剰に昇温することを防止している。したがって、金属ブロック7には、導電性に優れ、なおかつ熱伝導率が高くて熱吸収作用を奏することが好ましく、例えば鉄が用いられる。
支持部材3は矩形の板状材であり、例えば通電性と耐熱性に優れたモリブデンが用いられ、図2(a)に示すように、放電空間D内において長手方向が給電リング2の半径方向に延在している。この支持部材3の一端は給電リング2に、他端は陰極4にロウ付けによって接続されている。すなわち、支持部材3は陰極4に電流を供給するための経路であるとともに、陰極4を放電空間Dにおいて、所定の位置に配置するように支持している。この支持部材3は板状材であるので、幅を有する短手方向が光軸Xに平行になるように配置することで、反射面1aからの反射光を遮らないようにしている。
ここで、窓部材11とフランジ10について詳述する。
図2(b)は、フランジを光軸に沿って切断した断面図であり、図2(c)はフランジを光軸方向からみた正面図である。図2(b)に示すように、フランジ10はコバールによって構成される略円筒状の部材であり、前方縁部10cと後方縁部10bを有し、この両縁部間の距離は周方向で異なるように構成されている。例えば、最短部10dの両縁部間の距離Lmが最小であり、ここから周方向に向かって両縁部間の距離を増長していき、最短部10dから180度回転して対向する最長部10eにおける両縁部間の距離LMが最大となるように構成する。このフランジによれば、平板状の窓部材を傾斜して配置することができる。
図2(b)は、フランジを光軸に沿って切断した断面図であり、図2(c)はフランジを光軸方向からみた正面図である。図2(b)に示すように、フランジ10はコバールによって構成される略円筒状の部材であり、前方縁部10cと後方縁部10bを有し、この両縁部間の距離は周方向で異なるように構成されている。例えば、最短部10dの両縁部間の距離Lmが最小であり、ここから周方向に向かって両縁部間の距離を増長していき、最短部10dから180度回転して対向する最長部10eにおける両縁部間の距離LMが最大となるように構成する。このフランジによれば、平板状の窓部材を傾斜して配置することができる。
図3はこの窓部材11の役割について説明するために図1から種々の部材を取り除いた模式図である。
窓部材11は反射面1aの光軸Xに対する垂直面Yから傾斜角B度傾斜して配置される。このように窓部材11が垂直面Yより傾斜している場合においても、窓部材11は一定の厚みを有する平板状であるので、光軸Xに対して平行な光が窓部材内面11aに入射する際に屈折し、窓部材11の内部を進行して、窓部材外面11bから外方に出射する際に再び屈折することで、再びもとの光に対して平行となる。すなわち、平行光は窓部材11への入射前と変わらない角度で平行のまま出射させることができる。
そして、窓部材内面11aで反射された光はそのまま陰極先端近傍へは回帰せず、もとの入射光の光路に対して一定の傾斜角を有して反射される。したがって、陰極先端に反射光がそのまま回帰することがない。これにより陰極先端への戻り光は低減され、陰極の温度上昇を抑制することができる。
なお、放電空間D内に配置された部材の中で、陰極先端が最も温度上昇に弱くランプ寿命に影響のある部分であるので、光が反射して他の部材に照射される分にはランプの寿命低下という点で問題がない。
窓部材11は反射面1aの光軸Xに対する垂直面Yから傾斜角B度傾斜して配置される。このように窓部材11が垂直面Yより傾斜している場合においても、窓部材11は一定の厚みを有する平板状であるので、光軸Xに対して平行な光が窓部材内面11aに入射する際に屈折し、窓部材11の内部を進行して、窓部材外面11bから外方に出射する際に再び屈折することで、再びもとの光に対して平行となる。すなわち、平行光は窓部材11への入射前と変わらない角度で平行のまま出射させることができる。
そして、窓部材内面11aで反射された光はそのまま陰極先端近傍へは回帰せず、もとの入射光の光路に対して一定の傾斜角を有して反射される。したがって、陰極先端に反射光がそのまま回帰することがない。これにより陰極先端への戻り光は低減され、陰極の温度上昇を抑制することができる。
なお、放電空間D内に配置された部材の中で、陰極先端が最も温度上昇に弱くランプ寿命に影響のある部分であるので、光が反射して他の部材に照射される分にはランプの寿命低下という点で問題がない。
窓部材11の傾斜角Bが光軸Xの垂直面Yに対して大きすぎると、屈折による光の損失が大きくなってしまう。よって、傾斜角Bは2度〜20度であることが好ましく、例えば5度である。
このショートアークランプ100には、点灯時において20〜40KPaとなるよう放電ガスが封入されるものである。
図5に窓部材11のみを傾斜させて配置したショートアークランプの模式図を示す。
窓部材11は前述したように密封である放電空間Dを形成するために必要な蓋部材でもある。したがって、従来はこの窓部材11とフランジ14とがなす整合角Cを90度として、点灯時にもランプの密封を保持できる充分な強度を備えていた。
しかし、単に窓部材11のみ傾斜させて配置すると、放電空間D内の一部においてはこの窓部材11とフランジとのなす整合角Cが鋭角になる。図5には、整合角Cが鋭角になった場合と鈍角になった場合について、フランジ10と窓部材11とがロウ付けにより接合される接合部19の近傍にかかる内部のガス圧力による圧力を矢印により図示した。
図5に窓部材11のみを傾斜させて配置したショートアークランプの模式図を示す。
窓部材11は前述したように密封である放電空間Dを形成するために必要な蓋部材でもある。したがって、従来はこの窓部材11とフランジ14とがなす整合角Cを90度として、点灯時にもランプの密封を保持できる充分な強度を備えていた。
しかし、単に窓部材11のみ傾斜させて配置すると、放電空間D内の一部においてはこの窓部材11とフランジとのなす整合角Cが鋭角になる。図5には、整合角Cが鋭角になった場合と鈍角になった場合について、フランジ10と窓部材11とがロウ付けにより接合される接合部19の近傍にかかる内部のガス圧力による圧力を矢印により図示した。
ランプ内部のガスによる圧力はフランジ10と窓部材11に対する負担となり、窓部材11を傾斜させた場合には、窓部材11に対して光軸と垂直な方向に別の圧力が発生する。これにより、接合部19にも応力による負担がかかる。フランジ10はフランジ保持リング14によって保持されるが、窓部材11は、フランジ10に形成された窓部材保持部10fによって保持できない方向に力がかかるときには接合部19によって保持しなければならない。
整合角Cが90度よりも鈍角になった場合には、窓部材11を傾斜したことによって発生する光軸に対して垂直方向の圧力が窓部材11にかかるが、フランジ10によって保持される。また、光軸方向の圧力は従来よりも減少する。したがって、ランプの密封を保持する強度が従来よりも高くなる。
しかし、整合角Cが90度よりもが鋭角になった場合には、窓部材11を傾斜したことによって発生する光軸に対して垂直な別の圧力は、フランジ10と窓部材11とが脱離する方向に働くこととなる。これにより、接合部19の接着が外れやすくなり、従来よりもランプの強度が低下する。
したがって、内部ガス圧力に対抗するためのランプの強度を保持して、ランプが破損したりしないようにするためには、放電空間D内において、光軸Xを軸とした回転方向の全周にわたってフランジの内周面10aと窓部材内面11aとがなす整合角Cが90度以上であることが好ましい。
整合角Cが90度よりも鈍角になった場合には、窓部材11を傾斜したことによって発生する光軸に対して垂直方向の圧力が窓部材11にかかるが、フランジ10によって保持される。また、光軸方向の圧力は従来よりも減少する。したがって、ランプの密封を保持する強度が従来よりも高くなる。
しかし、整合角Cが90度よりもが鋭角になった場合には、窓部材11を傾斜したことによって発生する光軸に対して垂直な別の圧力は、フランジ10と窓部材11とが脱離する方向に働くこととなる。これにより、接合部19の接着が外れやすくなり、従来よりもランプの強度が低下する。
したがって、内部ガス圧力に対抗するためのランプの強度を保持して、ランプが破損したりしないようにするためには、放電空間D内において、光軸Xを軸とした回転方向の全周にわたってフランジの内周面10aと窓部材内面11aとがなす整合角Cが90度以上であることが好ましい。
以上により、本発明にかかるショートアークランプによれば、平行光が窓部材によって反射する際に、一定の反射角を有して反射されるので、光が反射して輝点である陰極近傍にそのまま回帰することがなく、戻り光による陰極先端近傍の温度上昇を防ぐことができる。これにより、陰極の損耗量を低減でき、ショートアークランプの寿命低下を防ぐことができる。
そして、窓部材内面とフランジの内周面とのなす角が90度以上であるので、内部のガス圧力によってランプが破損することがない。
そして、窓部材内面とフランジの内周面とのなす角が90度以上であるので、内部のガス圧力によってランプが破損することがない。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4(a)は、本発明の第2の実施形態にかかるショートアークランプを、光軸に沿って切断した概略断面図であり、図4(b)は、窓部材の役割について説明するための模式図である。
この第2の実施形態においては、窓部材11とフランジ10以外の構成については第1の実施形態と同様であるから説明を省略する。
図4(a)は、本発明の第2の実施形態にかかるショートアークランプを、光軸に沿って切断した概略断面図であり、図4(b)は、窓部材の役割について説明するための模式図である。
この第2の実施形態においては、窓部材11とフランジ10以外の構成については第1の実施形態と同様であるから説明を省略する。
窓部材11は、一定の厚みを有する透光性部材であり、例えばサファイアより構成される。この窓部材11は中央が光出射方向に突出した凸状の半球面形であり、中心から半径方向の端部にかけて窓部材内面11aと窓部材外面11bとが同じ中心を共有する半球面状に胴体1方向に湾曲している。
図4(b)に示すとおり、この窓部材11によれば、窓は一定の厚みを有しているので、光軸Xに対して平行な光が窓部材内面11aに入射する際に屈折し、窓部材11の内部を進行して、窓部材外面11bから外方に出射する際に再び屈折することで、再びもとの光に対して平行となる。すなわち、平行光は窓部材11への入射前と変わらない角度で平行のまま出射させることができる。
このような構成によれば、11aでの反射光がもとの入射光より一定の傾斜角を有して反射されるので、そのまま戻り光となって陰極先端に回帰することがない。これにより、第1の実施形態と同様に陰極先端の温度上昇を抑制して陰極損耗量を低減し、ランプの寿命低下を防ぐことができる。
また、窓部材11は光出射方向へ突出するよう湾曲しているので、窓部材内面11aとフランジ内周面10aとがなす整合角Cが90度以上となり、前述したように内部ガス圧力による破損のおそれも無い。
図4(b)に示すとおり、この窓部材11によれば、窓は一定の厚みを有しているので、光軸Xに対して平行な光が窓部材内面11aに入射する際に屈折し、窓部材11の内部を進行して、窓部材外面11bから外方に出射する際に再び屈折することで、再びもとの光に対して平行となる。すなわち、平行光は窓部材11への入射前と変わらない角度で平行のまま出射させることができる。
このような構成によれば、11aでの反射光がもとの入射光より一定の傾斜角を有して反射されるので、そのまま戻り光となって陰極先端に回帰することがない。これにより、第1の実施形態と同様に陰極先端の温度上昇を抑制して陰極損耗量を低減し、ランプの寿命低下を防ぐことができる。
また、窓部材11は光出射方向へ突出するよう湾曲しているので、窓部材内面11aとフランジ内周面10aとがなす整合角Cが90度以上となり、前述したように内部ガス圧力による破損のおそれも無い。
本発明にかかるショートアークランプについて、点灯試験によりその効果を検証した。
図1に示した構成に基づいて、本願発明にかかる実施例としてショートアークランプを作製した。寸法はランプ外径33mm、陰極外径1.5mm、陽極外径4.0mmであり、電極間距離は1.0mmとした。窓部材の傾斜角は光軸に垂直な面に対して5度とした。また、従来例として図7に示した構成に基づいて、窓部材を傾斜させないショートアークランプを作製した。
本発明の実施例と従来例のショートアークランプについて、各々連続で500時間点灯させ、点灯後の陰極損耗量について測定した。陰極損耗量は点灯試験開始前の陰極の長さから、点灯500時間経過後の陰極の長さを引いた長さ(mm)を陰極損耗量とした。
図6は、本発明と従来例の陰極損耗量についての測定結果である。従来例は陰極損耗量が0.32mmであるのに対し、本発明では0.21mmであった。以上より、窓部材を傾斜させて配置することで陰極先端近傍への戻り光を低減し、陰極損耗量を減らすことができた。
図1に示した構成に基づいて、本願発明にかかる実施例としてショートアークランプを作製した。寸法はランプ外径33mm、陰極外径1.5mm、陽極外径4.0mmであり、電極間距離は1.0mmとした。窓部材の傾斜角は光軸に垂直な面に対して5度とした。また、従来例として図7に示した構成に基づいて、窓部材を傾斜させないショートアークランプを作製した。
本発明の実施例と従来例のショートアークランプについて、各々連続で500時間点灯させ、点灯後の陰極損耗量について測定した。陰極損耗量は点灯試験開始前の陰極の長さから、点灯500時間経過後の陰極の長さを引いた長さ(mm)を陰極損耗量とした。
図6は、本発明と従来例の陰極損耗量についての測定結果である。従来例は陰極損耗量が0.32mmであるのに対し、本発明では0.21mmであった。以上より、窓部材を傾斜させて配置することで陰極先端近傍への戻り光を低減し、陰極損耗量を減らすことができた。
1 胴部
1a 反射面
1b 開口縁
2 給電リング
3 支持部材
4 陰極
5 陽極
6 第一の金属部材
7 金属ブロック
8 第二の金属部材
9 セラミックリング
10 フランジ
10a フランジ内周面
10b 後方縁部
10c 前方縁部
10d 最短部
10e 最長部
10f 窓部材保持部
11 窓部材
11a 窓部材内面
11b 窓部材外面
14 フランジ保持リング
19 接合部
100 ショートアークランプ
21 胴部
21a 反射面
22 給電リング
23 支持部材
24 陰極
25 陽極
26 前方金属部材
27 金属ブロック
28 後方金属部材
29 セラミックリング
30 フランジ
31 窓部材
34 フランジ保持リング
200 ショートアークランプ
B 傾斜角
C 整合角
D 放電空間
F 焦点
X 光軸
Y 垂直面
1a 反射面
1b 開口縁
2 給電リング
3 支持部材
4 陰極
5 陽極
6 第一の金属部材
7 金属ブロック
8 第二の金属部材
9 セラミックリング
10 フランジ
10a フランジ内周面
10b 後方縁部
10c 前方縁部
10d 最短部
10e 最長部
10f 窓部材保持部
11 窓部材
11a 窓部材内面
11b 窓部材外面
14 フランジ保持リング
19 接合部
100 ショートアークランプ
21 胴部
21a 反射面
22 給電リング
23 支持部材
24 陰極
25 陽極
26 前方金属部材
27 金属ブロック
28 後方金属部材
29 セラミックリング
30 フランジ
31 窓部材
34 フランジ保持リング
200 ショートアークランプ
B 傾斜角
C 整合角
D 放電空間
F 焦点
X 光軸
Y 垂直面
Claims (2)
- 絶縁部材からなり、内部に窪みが形成されて一端が開口し、反射面と放電空間とを有する胴体と、
該放電空間内に配置された一対の陰極と陽極と、
該陰極を支持するとともに給電する支持部材と、
該支持部材が接続された、該胴体の開口縁に配置される給電リングと、
該放電空間を密閉する、透光性を有する窓部材とこれを保持する金属製のフランジを備えるショートアークランプにおいて、
前記窓部材は、反射面の光軸に垂直な面に対し、一定の傾斜角を有して傾斜し、
前記窓部材内面と前記フランジの内周面とのなす角が、光軸を軸とした回転方向の全周にわたって90度以上であることを特徴とするショートアークランプ。 - 絶縁部材からなり、内部に窪みが形成されて一端が開口し、反射面と放電空間とを有する胴体と、
該放電空間内に配置された一対の陰極と陽極と、
該陰極を支持するとともに給電する支持部材と、
該支持部材が接続された、該胴体の開口縁に配置される給電リングと、
該放電空間を密閉する、透光性を有する窓部材とこれを保持する金属製のフランジを備えるショートアークランプにおいて、
前記窓部材は、一定の厚みを有し、窓部材内面と窓部材外面とが同じ中心を共有し、光出射方向に突出する半球面形状であることを特徴とするショートアークランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008264992A JP2010097699A (ja) | 2008-10-14 | 2008-10-14 | ショートアークランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008264992A JP2010097699A (ja) | 2008-10-14 | 2008-10-14 | ショートアークランプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010097699A true JP2010097699A (ja) | 2010-04-30 |
Family
ID=42259250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008264992A Pending JP2010097699A (ja) | 2008-10-14 | 2008-10-14 | ショートアークランプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010097699A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014186887A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Kyocera Crystal Device Corp | 光学機器用窓部材 |
JP2017152117A (ja) * | 2016-02-23 | 2017-08-31 | ウシオ電機株式会社 | レーザ駆動ランプ |
WO2017145662A1 (ja) * | 2016-02-23 | 2017-08-31 | ウシオ電機株式会社 | レーザ駆動ランプ |
-
2008
- 2008-10-14 JP JP2008264992A patent/JP2010097699A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014186887A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Kyocera Crystal Device Corp | 光学機器用窓部材 |
JP2017152117A (ja) * | 2016-02-23 | 2017-08-31 | ウシオ電機株式会社 | レーザ駆動ランプ |
WO2017145662A1 (ja) * | 2016-02-23 | 2017-08-31 | ウシオ電機株式会社 | レーザ駆動ランプ |
CN108604531A (zh) * | 2016-02-23 | 2018-09-28 | 优志旺电机株式会社 | 激光驱动灯 |
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