JP2010095943A - サンドイッチパネル - Google Patents

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法吉 澤田
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Abstract

【課題】
木質系材料を芯材としたサンドイッチパネルを製造する場合に、目止作業が容易に行え、更に芯材の耐火性能を向上させ、ひいてはサンドイッチパネルの耐火性を向上させる。
【解決手段】
木質系芯材1の表面に難燃剤を混合した合成樹脂を塗布してコーティング層2を形成したサンドイッチパネル用芯材を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は芯材の表面に、表面材を接着し、或は繊維強化プラスチック層を形成したサンドイッチパネルに関するものである。
木質系芯材等可燃性の芯材、例えばバルサ材の表面にアルミ等の表面材を接着してサンドイッチパネルが製造され、或は芯材の表面に繊維強化プラスチック層を形成して繊維強化プラスチックサンドイッチパネルが製造される。
芯材の表面に、繊維強化プラスチック層を形成する方法としてVaRTM法がある。VaRTM法ではガラスファイバや炭素繊維等の強化繊維を芯材の表面に敷き、液状のプラスチック樹脂を強化繊維に含浸、硬化させ、繊維強化プラスチック層とするものである。
木質系芯材は、導管等の微小な空間を有する為、表面に繊維強化プラスチック層を形成する際に、液状のプラスチックが芯材に染込み、形成後の繊維強化プラスチック層が樹脂不足となり、繊維強化プラスチックサンドイッチパネルの強度低下の原因となる。
木質系芯材としてバルサ材が、軽量で入手し易いということで、広く用いられているが、バルサ材を用いた場合、バルサ材は内部を走る導管が表面に対して垂直となる状態で使用されることが多く、液状のプラスチックが前記導管に染込み易い状態となっている。
従来より、液状のプラスチックが芯材に染込むのを防ぐ為、芯材表面に目止用のコーティング樹脂を塗布し、コーティング樹脂が硬化、或は乾燥した後に繊維強化プラスチック層を形成することが行われている。
又、従来の目止作業では、コーティング樹脂が芯材に染込むことを考慮し、完全な目止が得られる様、コーティング樹脂塗布作業を複数回実行している。この為、目止作業は煩雑なものとなっている。
又、芯材に木質系材料を用いた場合では、芯材が可燃性であるので、耐火性に乏しいという問題があった。
特開2007−176098号公報
本発明は斯かる実情に鑑み、木質系材料を芯材としたサンドイッチパネルを製造する場合に、目止作業が容易に行え、更に芯材の耐火性能を向上させ、ひいてはサンドイッチパネルの耐火性を向上させようとするものである。
本発明は、木質系芯材の表面に難燃剤を混合した合成樹脂を塗布してコーティング層を形成したサンドイッチパネル用芯材を具備するサンドイッチパネルに係るものである。
又本発明は、木質系芯材の表面に難燃剤を混合した合成樹脂を塗布してコーティング層を形成し、前記芯材の表面に前記コーティング層を介して繊維強化プラスチック層を形成したサンドイッチパネルに係るものである。
又本発明は、前記難燃剤の粒径は0.1μm〜100μmの範囲で選択され、前記難燃剤の混合比は10wt%〜80wt%の範囲で選択されるサンドイッチパネルに係るものである。
更に又本発明は、前記コーティング層の樹脂と前記繊維強化プラスチック層の樹脂とを同一材質としたサンドイッチパネルに係るものである。
本発明によれば、木質系芯材の表面に難燃剤を混合した合成樹脂を塗布してコーティング層を形成したサンドイッチパネル用芯材を具備するので、コーティング樹脂が適度な粘度を有し、且つサンドイッチパネルの耐火性を向上させることができる。
又本発明によれば、木質系芯材の表面に難燃剤を混合した合成樹脂を塗布してコーティング層を形成し、前記芯材の表面に前記コーティング層を介して繊維強化プラスチック層を形成したので、可燃性の芯材を用い、芯材の目止を行うコーティング樹脂を適度な粘度としつつ、耐火性を向上させたサンドイッチパネルとすることができる。
又本発明によれば、前記コーティング層の樹脂と前記繊維強化プラスチック層の樹脂とを同一材質としたので、芯材と繊維強化プラスチック層との結合が強固となり、強度の高いサンドイッチパネルとすることができる等の優れた効果を発揮する。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
図1は、本発明により製造される繊維強化プラスチックサンドイッチパネルの模式断面図を示しており、図1中、1はバルサ材から成る芯材、2は該芯材1の表面に塗布されたコーティング層、3は該コーティング層2を介在して前記芯材1の両面に形成された繊維強化プラスチック層を示している。尚、4は導管を示している。
目止用のコーティング樹脂としては、前記繊維強化プラスチック層3との親和性を考慮し、該繊維強化プラスチック層3のプラスチックと同材料、又は組成が近い材料が好ましい。
或は、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
又、コーティング樹脂に要求される性質の1つとして、粘度が挙げられ、微細な空隙に浸透しない粘度を有すれば、一度の塗布で前記コーティング層2が形成でき、作業性が著しく向上する。尚、コーティング樹脂の塗布の方法としては、はけ塗り、或はエアレスによるスプレー塗布が挙げられる。
一方、粘度があまりに大きくなると、塗布作業自体が困難となるので、塗布作業性を考慮した場合には、粘度の大きさには制約がある。尚、塗布可能な粘度は4000mPa・s〜6000mPa・s迄と考えられる。
そこで、本発明では、固形物の粉状体、又は粒状体を混合物としてコーティング樹脂に混合して粘度の増大を図っている。混合物は、混合した場合、粒度(粒径)が小さい程粘度の増大が大きく、又混合量が多い程粘度が増大する。
尚、粘度が増大する割合は、混合物の粒径が大きい程小さく、混合物の量を増大できるが、あまり粒径が大きいと、前記コーティング層2の表面に、混合物による凹凸が現れ、平滑性が損われる。
更に、混合物を難燃剤とすることで、前記芯材1の耐火性を向上させる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。又、耐火性は、難燃剤の混合量(即ち混合比)により決定され、難燃剤の混合量が多い程耐火性が向上する。
従って、粒径の大きい混合物をコーティング樹脂に混合することで所定の粘度とするには、粒径の小さい場合よりより多くの混合物が必要となり、又耐火性が増大する。
更に、コーティング樹脂の内、ビニルエステル樹脂、ポリエステル樹脂は粘度が低く、従って、所定の粘度とするには、粘度の高い樹脂に比べてより多くの混合物が添加可能である。換言すれば、より多くの難燃剤を混合することで、耐火性が向上する。
次に、混合物の粒径、混合比の関係を説明すると、混合物の粒径は、0.1μm〜100μmの範囲で選択される。粒径が0.1μm以下となると、混合物を少量添加しただけで、粘度が大きく上昇するので、混合物を難燃剤とした場合、所要の耐火性を得るだけの混合量を加えられない。又、粒径が100μm以上となると、前記コーティング層2の表面に混合物による凹凸が顕著となり、表面の平滑性が損われる。
混合物の混合比は、10wt%〜80wt%の間で選択される。
混合比10wt%以下では、難燃性効果即ち耐火性が充分得られなく、80wt%以上では樹脂の混合状態での粘度が5000mPa・s以上となる可能性が高く、コーティング樹脂を塗布する際の作業性が著しく低下することが予想される。
従って、前記芯材1に耐火性を発揮させ、コーティング作業性を確保するには、コーティング剤に混合する混合物の割合は30wt%〜70wt%であり、この場合、混合剤の粒径は0.1μm〜100μmの範囲で前記30wt%〜70wt%を実現できる値が選択される。
次に、前記芯材1に上記コーティング層2を形成した場合の、難燃効果について説明する。
前記コーティング層2について、前記芯材1をバルサ材とし、混合物を水酸化アルミニウム(粒径1.2μm)とし、ビニルエステル樹脂に50wt%添加したコーティング剤を使用した場合で、バーナ(炎の長さ50mm)で加熱し、着火する迄の時間を測定した。尚、この場合の樹脂の粘度は1800mPa・sであった。
バルサ材単体の場合、3秒で
バルサ材+ビニルエステル(混合物無し) 塗布量2.5g/cm:4秒
バルサ材+ビニルエステル(水酸化アルミニウム) 塗布量0.8g/cm:11秒
バルサ材+ビニルエステル(水酸化アルミニウム) 塗布量2.5g/cm:33秒
となり、前記コーティング層2を形成する場合に、コーティング剤に難燃剤を混合することで、前記芯材1自体の難燃性が増大する。
而して、本発明によれば、コーティング層2を形成する場合に、コーティング剤に難燃剤を混合物し、芯材1に塗布する様にすることで、難燃性を増大させると共に作業性を向上させる。
尚、コーティング層2を形成した芯材1は、繊維強化プラスチックサンドイッチパネル用の芯材以外にも適用可能であり、例えば、芯材1の表面に金属板、或は難燃性のプラスチック板を貼付けたサンドイッチパネルとしてもよい。
本発明の実施の形態を示す概略立断面図である。
符号の説明
1 芯材
2 コーティング層
3 繊維強化プラスチック層
4 導管

Claims (4)

  1. 木質系芯材の表面に難燃剤を混合した合成樹脂を塗布してコーティング層を形成したサンドイッチパネル用芯材を具備することを特徴とするサンドイッチパネル。
  2. 木質系芯材の表面に難燃剤を混合した合成樹脂を塗布してコーティング層を形成し、前記芯材の表面に前記コーティング層を介して繊維強化プラスチック層を形成したことを特徴とするサンドイッチパネル。
  3. 前記難燃剤の粒径は0.1μm〜100μmの範囲で選択され、前記難燃剤の混合比は10wt%〜80wt%の範囲で選択される請求項1又は請求項2のサンドイッチパネル。
  4. 前記コーティング層の樹脂と前記繊維強化プラスチック層の樹脂とを同一材質とした請求項2のサンドイッチパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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