JP2010095541A - 標的化部位特異的薬物送達組成物および使用方法 - Google Patents

標的化部位特異的薬物送達組成物および使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生物製剤、特にポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドの送達のためにより有効な標的化薬物送達系を提供すること。
【解決手段】本発明は、治療剤の送達のための薬学的組成物および方法に関する。本発明の方法および組成物は、治療物質の部位特異的送達を達成し得、特に必要な治療レベルでの標的化部位に到達する際の問題を提示したオリゴヌクレオチドのような薬剤のためのより低い用量および改善された効力を可能にする。超音波の標的化導入を用いて、治療剤の放出を促進し得る。送達系としては、N2枯渇またはN2を含まない環境下で形成されるタンパク質でカプセル化されたガス充填微小泡が挙げられる。これらの微小泡は、空気の存在下で超音波処理された微小泡よりも小さくかつ安定している。
【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、生物活性物質の送達のための薬学的組成物および方法に関する。本発明の方法および組成物を使用して、生物学的に活性な物質の部位特異的送達を達成し得る。この特異性は、より低い薬物用量かつ改善された効力を可能にし、標的化された器官における治療濃度の達成の問題に代表的に悩まされるオリゴヌクレオチドのような薬剤について特により低い薬物用量かつ改善された効力を可能にする。
(発明の背景)
薬物送達技術は、薬物利用可能性を増大するために、薬物用量を減少させるために、および結果的に薬物が誘導する副作用を減少させるために薬物治療において用いられる。これらの技術は、身体中の薬物の放出を制御、調節、および標的するように働く。目下の薬物送達の目標は、より少ない頻度の薬物投与、全身性循環もしくは特定の標的器官部位における薬物の一定かつ継続した治療レベルの維持、望ましくない副作用の減少、ならびに所望の治療利益を実現するのに必要な量および用量濃度の減少を含んでいた。最終的には、所望の薬物の標的器官への送達を非侵襲的に標的とした方法が所望される。
今日まで、薬物送達系としては、タンパク質、多糖、合成ポリマー、赤血球、DNAおよびリポソームに基づく薬物キャリアが挙げられた。新世代の生物製剤(例えば、モノクローナル抗体、遺伝子治療用ベクター、抗癌剤(例えば、タキソール)、ウイルスベースの薬物、およびオリゴヌクレオチド(ODN)およびポリヌクレオチド)は、送達に関していくつかの問題を提示している。実際、薬物送達は、これらの薬剤の主流の治療的用途を達成するための主な障害であり得、これらの薬剤の当初の可能性は、無制限であるように見えたが、それらの治療パラメーターは、完全な利益の実現を妨げた。
化学的に改変してヌクレアーゼ耐性を付与された合成オリゴデオキシリボヌクレオチド(ODN)の使用は、薬物治療に対して基本的に異なるアプローチを示す。今日までの最も一般的な適用は、特定の標的化mRNA配列に相補的な配列を有するアンチセンスODNを使用する。治療へのアンチセンスオリゴヌクレオチドのアプローチは、単純かつ特異的な薬物設計の着想を含み、その着想において、ODNは、翻訳またはより初期のプロセシング事象の過程において機械的な介入を引き起こす。このアプローチの利点は、遺伝子特異的作用についての能力であり、この作用は、比較的低い用量、そして最小の非標的化副作用に反映されるはずである。しかし、生物学的研究において現在最も一般的に使用されるアナログである、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、タンパク質に対する非特異的結合を頻繁に提示する。一般的に、アンチセンスアプローチの主な潜在的利点(低用量および最小の副作用)は、期待はずれであった。
オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの薬物送達は、2つの重要なチャレンジに集中していた:細胞中へのオリゴヌクレオチドのトランスフェクションおよびインビボでのオリゴヌクレオチドの分布の変化。トランスフェクションに関して、インビトロでの細胞取り込みを改善するための生物学的アプローチは、リポソームおよびウイルスベクター(例えば、再構成されたウイスルおよび偽ビリオン)のようなビヒクルの使用を含んでいた。体内分布を改善するための方法は、カチオン性脂質のような薬剤に焦点を当てていた。このカチオン性脂質は、大部分の細胞の負に荷電した表面への正に荷電した脂質の引力に起因して、薬物の細胞取り込みを増大させると想定される。
カチオン性リポソームは、カテーテルにより投与される場合、インビボでの脈管細胞中への遺伝子の移入を増強することが報告されている(Muller,D.W.ら、Circ.Res.75(6):1039〜49、1994)。カチオン性脂質DNA複合体もまた、気管投与後マウスの肺への効果的な遺伝子移入をもたらすことが報告されている。アシアログリコプロテインポリ(L)−リジン複合体は、センダイウイルスコートタンパク質を含有するリポソームとの複合体化と同様に限定された成功を経験した。毒性および体内分布は、重要な問題のままである。
前述より、生物製剤、特にポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドの送達のためにより有効な標的化薬物送達系は、これらの薬物がそれらの完全な能力を達成するために必要とされることが理解され得る。
(発明の要旨)
1つの局面において、本発明は、生物学的薬剤を特定の組織部位へ送達するための方法を提供する。この方法は、(a)タンパク質でカプセル化され、不溶性ガスを含有する複数の微小泡(microbubble)の水性懸濁液を形成する工程であって、ここで、この生物学的薬剤が、空気中での超音波処理を介して得られる微小泡内のN2分圧よりも低いこの微小泡内のN2分圧を生じる条件下で、そのタンパク質と結合体化される、工程;および(b)この懸濁液を動物に投与し、その結果このタンパク質が、タンパク質のバイオプロセシングの部位へとこの微小泡結合体化剤を指向し、そしてこの微小泡の消散の際、この生物学的薬剤を放出する工程、を包含する。好ましくは、この微小泡は、N2枯渇環境、およびより好ましくはN2を含まない環境(例えば、酸素)で形成される。
好ましい実施態様において、微小泡をカプセルするタンパク質は、アルブミン、ヒトγグロブリン、ヒトアポトランスフェリン、β−ラクトースおよびウレアーゼからなる群より選択され、アルブミンが特に好ましい。不溶性ガスは、好ましくはペルフルオロカーボン(例えば、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、またはペルフルオロペンタン)であり、ペルフルオロプロパンおよびペルフルオロブタンが特に好ましい。組織部位は、例えば、動物の肝臓または腎臓であり得る。
タンパク質と結合体化される好ましい生物学的薬剤としては、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、およびリボザイム、ならびにナプロキセン、ピロキシカム、ワルファリン、フロセミド、フェニルブタゾン、バルプロ酸、スルフイソキサゾール、セフトリアキソン、およびミコナゾールが挙げられる。選択された実施態様において、生物学的薬剤は、ポリヌクレオチド、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アンチジーンオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプローブ、ベクター、ウイルスベクターまたはプラスミドである。好ましいポリヌクレオチドのクラスは、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを含む。
本発明はまた、生物学的薬剤を特定の組織部位に送達するための関連方法を提供し、この方法は、(a)タンパク質でカプセル化され不溶性ガスを含有する微小泡の水性懸濁液を形成する工程であって、ここで、この生物学的薬剤がそのタンパク質に結合体化される、工程;(b)この懸濁液を動物に投与する工程;および(c)その組織部位を超音波に曝露する工程、を包含する。好ましくは、微小泡は、空気中での超音波処理を介して得られる微小泡内のN2分圧よりも低いこの微小泡内のN2分圧を生じる条件下で形成される。従って、この微小泡は、好ましくは、N2枯渇環境において形成され、そしてより好ましくはN2を含まない環境、例えば、酸素中で形成される。
任意のこれらの方法の実践において、微小泡の懸濁液は、好ましくは以下の工程を実行することにより形成される:(a)5重量%〜50重量%、好ましくは約5重量%のデキストロースを含むデキストロース水溶液を用いて、約2重量%〜約10重量%、好ましくは約5重量%のヒト血清アルブミンを含むアルブミン水溶液を、約2倍〜約8倍、好ましくは約3倍に希釈する工程;(b)この溶液を不溶性ガスで攪拌する工程;および(c)好ましくはN2枯渇環境において、この溶液を超音波処理ホーン(sonication horn)に曝露し、溶液中で微粒子部位に空洞を作製し、それによって直径約0.1〜10ミクロンの安定した微小泡を生成する工程。好ましくは、工程(b)のN2枯渇環境とは、N2を含まない環境(例えば、酸素)であり、これは超音波処理ホーン(sonicating horn)とこの溶液との間の界面に吹き込まれる。
別の局面において、本発明は、超音波画像化に有用な微小泡組成物を提供し、この組成物は、タンパク質でカプセル化され不溶性ガスを含有する複数の微小泡の水性懸濁液を含み、ここで、その微小泡中のN2分圧は、空気中で超音波処理された微小泡のN2分圧より低い。関連した局面において、本発明は、生物学的薬剤の標的部位への送達に有用な組成物を提供する。この組成物は、このタンパク質に結合体化された生物学的薬剤を有するような微小泡の水性懸濁液を含む。好ましくは、この微小泡は、N2なしである。この微小泡の好ましいサイズは、直径0.1〜10ミクロンである。
これらの組成物において、タンパク質は、好ましくは、アルブミン、ヒトγグロブリン、ヒトアポトランスフェリン、β−ラクトースおよびウレアーゼから選択され、アルブミンが特に好ましい。不溶性ガスは、好ましくはペルフルオロカーボン(例えば、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、およびペルフルオロペンタン)であり、ペルフルオロブタンおよびペルフルオロプロパンが特に好ましい。微小泡をカプセル化するタンパク質への結合体化に適切な生物学的薬剤としては、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、およびリボザイム、ならびにナプロキセン、ピロキシカム、ワルファリン、フロセミド、フェニルブタゾン、バルプロ酸、スルフイソキサゾール、セフトリアキソン、およびミコナゾールが挙げられる。オリゴヌクレオチドが特に好ましい。
本発明はまた、特に、血管の外傷を受けた動物において頸動脈狭窄形成を防ぐ方法を提供する。この方法は、(a)アルブミンでカプセル化された、不溶性ガスを含有する微小泡の水性懸濁液を形成する工程であって、ここで、この微小泡を満たしているガスが、N2枯渇もしくは、好ましくはN2なしであり、そしてこのアルブミンが、平滑筋の増殖を媒介する調節酵素をコードする遺伝子の発現を阻害する核酸生物学的薬剤に結合体化されている、工程、および(b)この懸濁液を動物に投与する工程、を包含する。好ましい方法としては、(c)外傷部位を超音波に曝露し、生物学的薬剤の放出を促進する工程をさらに包含する。この阻害される遺伝子は、好ましくはc−mycまたはc−mybである。
上記のように、これらの組成物および方法を用いて、生物学的薬剤の有効な投薬量を有意に減少させ得、治療指標を増大させ、そして生物学的利用能を改善させる。用量におけるこの減少は、同様に薬物の細胞傷害性および副作用を減少させ得る。さらに、本発明は、他の血漿結合薬物(例えば、ヘパリン、ジルチアゼム、リドカイン、プロパノロール(propanolol)、シクロスポリン、および血液プール活性化を必要とする化学療法剤)の有効性を増強し得る。例えば、ヘパリンの抗凝固特性は、その薬物を、オロソムコイド標識ペルフルオロカーボンに曝露されて超音波処理されたデキストロース/アルブミンと最初に組合わせ、次いでその組合わせを静脈内に投与することによって、劇的に増強され得ることが本明細書中で示される。
結合体は、水性懸濁液として非経口投与のために設計される。投与後、そして目的の部位で注入されたボーラスの到着と一致するように時間を合わせた後、エネルギーが、音波の形態で投与され得、微小泡の空洞の生成をもたらし得;次いで、薬剤は、放出されそして目的の器官または他の部位へ送達される。アルブミンでカプセル化された微小泡または他のタンパク質でカプセル化された微小泡と生物製剤との結合体化は、生物製剤の特定の組織(タンパク質と伝統的に相互作用する組織を含む)への標的化送達を可能にし得る。
改良されたガス充填微小泡は、N2枯渇環境またはN2を含まない環境の存在下で微小泡を形成することによって達成される。そのような環境は、より小さいが、静脈血および動脈血中でより安定である微小泡を生成する。これらのより小さい微小泡は、心筋においてより大きな診断用超音波のコントラストを生じ、そして治療実施態様において、より大きな効力を有した状態で、薬物をこれらの領域に運び得る。
本発明は、診断超音波画像化において伝統的に使用される薬剤および方法を使用し、そして同様に治療剤の送達のためにその標的部位で治療剤の可視化のための手段を提供する。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
生物学的薬剤を特定の組織部位に送達するための方法であって、以下:
(a)タンパク質でカプセル化され不溶性ガスを含有する複数の微小泡の水性懸濁液を形成する工程であって、該生物学的薬剤が、空気中での超音波処理を介して得られる微小泡内のN 2 分圧よりも低い該微小泡内のN 2 分圧を生じる条件下で、該タンパク質に結合体化される、工程;ならびに、
(b)該懸濁液を動物に投与し、その結果該タンパク質が、該微小泡が結合体化した薬剤を該タンパク質のバイオプロセシング部位に指向させ、そして該微小泡の消散の際に該薬剤を放出する、工程、
を包含する、方法。
(項目2)
前記微小泡がN 2 枯渇環境で形成される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記微小泡がN 2 を含まない環境で形成される、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記環境が酸素からなる、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記タンパク質が、アルブミン、ヒトγグロブリン、ヒトアポトランスフェリン、β−ラクトースおよびウレアーゼからなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記タンパク質がアルブミンである、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記不溶性ガスが、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、およびペルフルオロペンタンからなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記組織部位が前記動物の肝臓または腎臓である、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記生物学的薬剤が、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、リボザイム、ナプロキセン、ピロキシカム、ワルファリン、フロセミド、フェニルブタゾン、バルプロ酸、スルフイソキサゾール、セフトリアキソンおよびミコナゾールからなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記生物学的薬剤が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アンチジーンオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプローブ、ベクター、ウイルスベクター、およびプラスミドからなる群より選択されるポリヌクレオチドである、項目9に記載の方法。
(項目11)
生物学的薬剤を特定の組織部位へ送達するための方法であって、以下:
(a)タンパク質でカプセル化され不溶性ガスを含有する複数の微小泡の水性懸濁液を形成する工程であって、該生物学的薬剤が、該タンパク質に結合体化される、工程;
(b)該懸濁液を動物に投与する工程、および
(c)該組織部位を超音波に曝露する工程、
を包含する、方法。
(項目12)
前記微小泡が、空気中での超音波処理を介して得られる微小泡内のN 2 分圧よりも低い該微小泡内のN 2 分圧を生じる条件下で形成される、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記微小泡がN 2 枯渇環境で形成される、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記微小泡がN 2 を含まない環境で形成される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記微小泡が以下:
(a)5重量%〜50重量%のデキストロースを含むデキストロース水溶液を用いて、約2重量%〜約10重量%のヒト血清アルブミンを含むアルブミン水溶液を、約2倍〜約8倍に希釈する工程;
(b)該溶液を前記不溶性ガスで攪拌する工程;および
(c)N 2 枯渇環境において、該溶液を超音波処理ホーンに曝露し、該溶液中で微粒子部位に空洞を作製し、それによって直径約0.1〜10ミクロンの安定した微小泡を生成する工程、
によって形成される、項目1に記載の方法。
(項目16)
工程(b)における前記N 2 枯渇環境がN 2 を含まない、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記環境が酸素からなる、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記酸素が、前記超音波処理ホーンと前記溶液との間の界面に吹き込まれる、項目17に記載の方法。
(項目19)
超音波画像化に有用な微小泡組成物であって、タンパク質でカプセル化され不溶性ガスを含有する微小泡の水性懸濁液を含み、該微小泡内のN 2 分圧が、空気中で超音波処理された微小泡内のN 2 分圧よりも低い、微小泡組成物。
(項目20)
生物学的薬剤の標的部位への送達に有用な組成物であって、タンパク質でカプセル化され不溶性ガスを含有する微小泡と、該タンパク質に結合体化された生物学的薬剤とを含む水性懸濁液を含み、該微小泡内のN 2 分圧が、空気中で超音波処理された微小泡内のN 2 分圧よりも低い、組成物。
(項目21)
前記微小泡が実質的にN 2 を含まない、項目20に記載の組成物。
(項目22)
前記タンパク質が、アルブミン、ヒトγグロブリン、ヒトアポトランスフェリン、β−ラクトースおよびウレアーゼからなる群より選択される、項目20に記載の組成物。
(項目23)
前記タンパク質がアルブミンである、項目20に記載の組成物。
(項目24)
前記ガスがペルフルオロカーボンである、項目20に記載の組成物。
(項目25)
前記ガスが、ペルフルオロメタン、ペルフルオロエタン、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、およびペルフルオロペンタンからなる群より選択される、項目24に記載の組成物。
(項目26)
前記生物学的薬剤が、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、リボザイム、ナプロキセン、ピロキシカム、ワルファリン、フロセミド、フェニルブタゾン、バルプロ酸、スルフイソキサゾール、セフトリアキソンおよびミコナゾールからなる群より選択される、項目20に記載の組成物。
(項目27)
前記生物学的薬剤がオリゴヌクレオチドである、項目26に記載の組成物。
(項目28)
前記微小泡が直径0.1〜10ミクロンである、項目20に記載の組成物。
(項目29)
血管の外傷を受けた動物における頸動脈狭窄形成を防ぐための方法であって、該方法は:
アルブミンでカプセル化され不溶性ガスを含有する複数の微小泡の水性懸濁液を形成する工程であって、ここで該微小泡を満たすガスがN 2 枯渇状態であり、該微小泡が、平滑筋の増殖を媒介する調節酵素をコードする遺伝子の発現を阻害するオリゴヌクレオチドに結合体化される、工程;
該懸濁液を該動物に投与する工程;および
該外傷部位を超音波に曝露する工程
を包含する、方法。
(項目30)
前記微小泡が実質的にN 2 を含まない、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記遺伝子がc−mycである、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記遺伝子がc−mybである、項目29に記載の方法。
これらおよび他の本発明の目的および特徴は、以下の発明の詳細な説明を添付の図面とともに読むと、より完全に明らかになる。
図1は、PESDA(ペルフルオロカーボンに曝露された超音波処理したデキストロース/アルブミン)微小泡についてのPS−ODNとの結合データのラインウィーバー−バークプロットである。微小泡への結合についての平衡解離定数Km(二連で行った7つの濃度について算出した;実施例5を参照のこと)は、1.76×10-5Mであった。配列5’d(AAC GTT GAG GGG CAT)−3’;配列番号1を有する15マーのPS−ODNの、溶液中のヒト血清アルブミンとの結合について報告されたこの値は、ほとんど3.7〜4.8×10-5Mの範囲内である(Srinivasan,S.K.ら、「Characterization of Binding Sites,Extent of Binding,and Drug Interactions of Oligonucleotides with Albumin」、Antisense Res.Devel.5:131、1995)。
(発明の詳細な説明)
(I.超音波の治療用途)
超音波画像化は、治療手順を補助するための診断ツールとして長く使用されている。これは、音波エネルギーが目的の領域に集束され得、そして反射して画像が生じるという原理に基づく。一般的に、超音波変換器は、画像化される領域の上に横たわる身体の表面上に配置され、そして音波を発生および受容することにより生じる超音波エネルギーが伝達される。超音波エネルギーは、変換器に対して後方へ反射され、ここで超音波エネルギーは超音波画像へと翻訳される。反射されたエネルギーの量および特徴は、組織の音響特性に依存する。好ましくは、エコー源性である造影剤を使用して、目的の領域における超音波エネルギーを生じ、そして受容される画像化を改善する。超音波造影心臓図検査計測器の考察については、DeJong、「Acoustic Properties of Ultrasound Contrast Agents」、Cip−Gegevens Koninklijke Bibliotheek、Denhag(1993)、120頁(以下参照)を参照のこと。
超音波造影心臓図検査を用いて心臓内の構造の描写、弁の完全性の評価、および心臓内吻合の実証が行われている。心筋超音波造影心臓図検査(MCE)を使用して、ヒトにおける冠状動脈の血流予備力を測定している。MCEは、心筋灌流における相対変化の評価および危険性のある領域の描写に安全でかつ有用な技術であることが見出されている。
超音波振動はまた、種々の薬物の吸収を増大させるために、医療分野において治療レベルで使用されている。例えば、日本国特許公開第52−115591号には、薬物の経皮吸収が超音波振動により増強されることが開示されている。米国特許第4,953,545号および同第5,007,438号はまた、超音波振動の補助による薬物の経皮吸収の技術を開示する。米国特許第5,315,998号は、薬物の拡散および浸透を可能にするための、超音波エネルギーと組合わせて微小泡を含む薬物治療のためのブースターを開示する。この参考文献は、本発明の特定の実施態様とは対象的に、20分間までの超音波の治療レベルの使用を開示する。本発明の特定の実施態様は、よりずっと短い時間で曝露する、診断レベルの超音波を使用して、結合体化された生物活性剤の放出を促進する。
本発明に従って、伝統的な診断用超音波治療の造影剤を使用して治療剤を特異的に指定された目的の部位に結合させ、次いでこの治療剤を特異的に指定された目的の部位に放出させ、それによって薬物の分布を変更し得る。この目的は、造影剤を単独で用いて、および任意の診断用超音波の使用なしで達成され得る。そのような造影剤が伝統的な診断超音波治療(例えば、0.1〜3.5MPaの範囲のピーク陰圧、および1.0〜40MHzの範囲の送信周波数を含む)と組み合わされて用いられ、目的の部位にて治療剤の放出を促進し得ることもまた本明細書中で実証される。この方法の好ましい実施態様において、低周波数の超音波、すなわち1MHz未満の周波数、最も好ましくは約10kHz〜約40kHzの周波数が使用される。
(II.治療用組成物)
本発明の薬学的組成物は、血液不溶性ガスを含み、好ましくは0.1〜10ミクロンの直径を有する微小泡の液体懸濁物、好ましくは水性懸濁物を含む。この微小泡は、そのようなガスの微小泡を液体へ包括することによって形成される。この微小泡は、フッ化炭素または六フッ化硫黄ガスのような様々な血液不溶性ガスを含み得る。一般には、体温で非毒性でありかつガス状である任意の不溶性ガスが使用され得る。このガスはまた、この薬学的組成物が、微小泡を形成するように超音波処理される場合、約0.1ミクロンと10ミクロンとの間の平均サイズの直径を有する、安定な微小泡を形成しなければならない。この範囲の平均直径を有する微小泡は、経肺通過に適切であり、そして静脈内注射後および標的部位への移行の間に、微小泡内でガスの有意な拡散を防止するに十分安定である。
不溶性ガスもまた、窒素または酸素よりも低い拡散係数および血液可溶性を有さなければならず、これは、血管の内部圧で拡散する。有用なガスの例は、フッ化炭素ガスおよび六フッ化硫黄である。一般に、過フッ化炭素ガス(例えば、過フッ化メタン、過フッ化エタン、過フッ化プロパン、過フッ化ブタン、および過フッ化ペンタン)が好ましい。これらのガスの過フッ化プロパンおよび過フッ化ブタンは、ヒトにおける眼内注射のための安全性が実証されているので、特に好ましい(例えば、WongおよびThompson,Ophthalmology 95:609−613を参照のこと)。
ガス状の微小泡は、被膜原性(filmogenic)タンパク質コーティングによって安定化される。適切なタンパク質としては、アルブミン、ヒトγグロブリン、ヒトアポトランスフェリン、β−ラクトースおよびウレアーゼのような天然に存在するタンパク質が挙げられる。本発明は、好ましくは、天然に存在するタンパク質を使用するが、合成タンパク質もまた使用され得る。特に好ましいのは、ヒト血清アルブミンである。このタンパク質は、体内で容易に代謝され、そして造影剤として幅広く使用されている。
薬学的に受容可能な糖類(例えば、デキストロース)の混合物を含む水溶液を、先に記載されたタンパク質と組み合わせて使用することが好ましい。本発明の使用に適した他の糖類の例は、単糖類(式C6126を有するもの(例えば、ヘキソース糖、デキストロース、フルクトース、またはそれらの混合物))、二糖類(式C122211を有するもの(例えば、スクロース、ラクトース、もしくはマルトース、またはそれらの混合物))、または多糖類(例えば、式(C6105nを有する可溶性デンプン(ここで、nは、20と約200との間の全ての数である)(例えば、アミラーゼもしくはデキストランまたはそれらの混合物))である。しかし、糖類は、本発明の結果を達成するために必須ではない。
本発明の治療用薬剤は、宿主への末梢投与のために薬学的に有効な投薬量形態で、必要に応じて、超音波治療と組み合わせて処方される。一般に、このような宿主sはヒト宿主であるが、他の哺乳動物宿主(例えば、イヌまたはウマ)もまた、この治療に供され得る。
(III.微小泡組成物の調製)
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、市販のアルブミン(ヒト)、U.S.P.溶液(一般に、5重量%または20重量%の滅菌水溶液として供給される)、および市販のデキストロース(静脈内投与のためのU.S.P.)の混合物から処方される。最も好ましい実施態様において、この混合物は、ヒト血清アルブミンの2重量%〜10重量%の溶液の2倍から8倍の希釈物を、デキストロースの5重量%〜50重量%溶液とともに含む。
微小泡は、代表的には、超音波処理ホーンを用いて、室温および大気圧にて超音波処理することによって形成される。このような超音波処理は、流体中の粒子状物質またはガスの部位で、デキストロース/アルブミン溶液中に空洞化を引き起こす。これらの空洞化部位は、最終的に共鳴し、そして崩壊しておらずかつ安定な小さな微小泡を生成する。超音波処置の間、この溶液は、不溶性ガス、好ましくは過フッ化炭素ガスで、約80秒間灌流される。一般的には、約4×108Mより大きな濃度の約0.1〜10μmの間の微小泡および好ましくは、5〜6μmの直径を生成する超音波処理条件が好ましい。得られた微小泡は、室温にて、少なくとも約120±5分間濃縮され、ここで過剰な溶液は、超音波用シリンジ(sonicating syringe)に納まる。
調製の代替法において、実施例2に記載されるように、15±2mlの超音波処理したデキストロース/アルブミンは、超音波処理の前に8±2mlの過フッ化炭素ガスとともに手で攪拌される。次いで、超音波処理を、80±5秒間進行させる。
調製の第3の方法(多くの血漿結合薬物についての微小泡の親和性を改善するように設計された)は、超音波処理の前の、5〜30mgのオロソムコイド(α−酸糖タンパク質)のアルブミン/デキストロース溶液への添加を含む。
本発明に従って、微小泡は、好ましくは、N2枯渇、好ましくはN2を含まない環境で、代表的にはN2枯渇(空気に対する比較において)またはN2なしのガスを超音波処理ホーンと溶液との間の境界へと誘導することによって形成される。以下にさらに議論されるように、この方法で形成される微小泡は、空気中で形成される微小泡より有意に小さい。これらのより小さい微小泡はより安定であり、そして治療薬および診断薬の送達の改善をもたらす。
次いで、微小泡は、生物学的に活性な薬剤とともにインキュベートされ、その結果、その医薬は、タンパク質にコートされた微小泡と結合体化する(代表的には、非共有結合により)。オリゴヌクレオチドのアルブミンにコートされた微小泡への結合研究は、実施例4〜7に記載される。これらの研究は、例えば、その結合が飽和可能であり、従って、非特異的相互作用が制限されることを示した(実施例6)。実施例7において、微小泡の形態のフィルム原性タンパク質(造影剤において従来的に使用されるような)は、微小泡が不溶性ガスで満たされる場合、化合物を結合するそれらの能力を保持することが実証される。この発見は、このような微小泡造影剤において、タンパク質球が変成したタンパク質から構成されるという先の報告とは反対である。例えば、米国特許第4,572,203号、米国特許第4,718,433号、および米国特許第4,774,958号を参照のこと。本明細書中で実証されるように、空気よりもむしろ不溶性ガス(例えば、過フッ化炭素)が微小泡のために使用される場合、タンパク質はその結合活性を保持する。この効果は、おそらく、超音波処理エネルギーのほとんどが不溶性ガスによって吸収されるという事実に起因する。従って、タンパク質(例えば、アルブミン)は、生物学的に活性な医薬に結合して、微小泡/薬剤結合体を形成し得る。一方、空気を満たした微小泡は、おそらく、あまりそれらの結合能力を保持しない。
(IV.治療用薬剤)
本発明に有用な治療用薬剤は、フィルム原性タンパク質と結合するそれらの能力を介して選択され、そして逆もまた同様である。例えば、このフィルム原性タンパク質がアルブミンである場合、この治療薬は、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、またはリボザイムを含み得、これらの全てはアルブミンに結合し得、そしてそれ自体、微小泡との結合体を形成し得る。部位1(これは、本発明の組成物および方法においてインタクトなままであることが確認されている)でアルブミンに結合に結合する薬物の一覧表は、以下の通りである:
Figure 2010095541
オロソムコイドがデキストロース/アルブミンに添加されるならば、増強され得る薬物の列挙としてはまた、以下が挙げられる:エリスロマイシン(抗生物質)、リドカイン(抗不整脈薬)、メペリジン(鎮痛薬)、メサドン(鎮痛薬)、ベラパミルおよびジルチアゼム(抗狭心症薬)、シクロスポリン(免疫抑制剤)、プロパノール(propanolol)(抗高血圧薬および抗狭心症薬)、ならびにキニジン(抗不整脈薬)。
アルブミンと、特に部位1で結合する他の薬物もまた、この実施態様において有用であり、そして薬物相互作用および当該分野で標準的な薬学の教科書(例えば、「Drug Information」AHFS 1999(American Society of Health System)または「Drug Facts and Comparisons」(Berney Olinによって出版され、そして4年ごとに改訂される))を通じて当業者によって確認され得る。適切なタンパク質−生物学的薬剤の組み合わせを決定するためのアッセイが、それらの中に開示され、そして本発明の方法を用いて研究するその能力のついての任意の組み合わせを試験するために使用され得る。
以下に実証されるように、本発明は、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチド治療について特に関連する。なぜなら、有効なアンチセンス、抗遺伝子、プローブ診断薬またはウイルスもしくはプラスミドヌクレオチド送達を使用する遺伝子療法に対する一次障害物は、治療薬の治療効果を達成するに十分な高濃度で標的部位に到達する能力であるからである。本発明は、遺伝子療法ベクター、診断用ヌクレオチドプローブの形態でヌクレオチド配列の送達に特に有用であるか、あるいはアンチセンスまたは抗遺伝子型のストラテジーでヌクレオチド配列を送達して、最終的に標的細胞における遺伝子発現を変更するかまたは検出するために特に有用である。
本発明に使用されるオリゴヌクレオチドは、核酸塩基、糖部分、ヌクレオシド間リン酸結合、またはこれらの部位での改変の組み合わせの1つ以上の改変を含み得る。このヌクレオシド間リン酸結合は、例えば、ホスホロチオエート、ホスホルアミデート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、または(混合骨格で改変されたオリゴヌクレオチドを生成するための)このような類似の結合の組み合わせであり得る。他のオリゴヌクレオチドアナログとしては、モルホリノオリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、2’−O−アリルまたは2’−O−アルキル改変オリゴヌクレオチド、およびN3’→P5’ホスホルアミデートが挙げられる。好ましい実施態様において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドである。
オリゴヌクレオチド合成のための任意の公知の方法は、オリゴヌクレオチドを調製するために使用され得る。これらは、任意の市販の自動化核酸合成装置(例えば、Applied Biosystems,Inc.,DNA合成装置(Model 380B)を使用して、ホスホルアミデート化学を使用して、製造業者のプロトコルに従って、最も都合良く調製される。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、StekおよびZon(J.Chromatography,326:263−280)に記載される方法に従って、そして、Applied Biosystems DNA Synthesizer User Bulletin,Models 380A−380B−381A−391−EP(1989年12月)において合成されそして精製され得る。ODNは、当業者に公知の方法によって細胞に導入される。例えば、Iversen,1991,「In vivo Studies with Phosphorothioate Oligonucleotides:Pharmacokinetics Prologue」、Anticancer Drug Des.6:531−8を参照のこと。
(V.送達方法)
本発明の送達療法を実施するための好ましい方法において、本発明の薬学的液体薬剤は、静脈内注射、静脈内的(i.v.注入)、経皮的、または筋肉内的に、好ましくはこの薬剤の活性の標的部位付近で、哺乳動物宿主に導入される。治療部位は、特定の腫瘍の位置、特定の感染の位置、差次的な遺伝子活性化に起因して特定の遺伝子産物を発現する器官、損傷または血栓の部位、治療薬のさらなる進行および分布のための部位のような部位を含み得る。
(A.超音波なし)
本発明の実施態様に従って、タンパク質(例えば、アルブミン)でコートされた、不溶性(例えば、過フッ化炭素)ガスの微小泡は、オリゴヌクレオチドとの安定な結合体を形成することが示された(実施例4〜6を参照のこと)。ODN結合体化泡は、動物に導入され、それにより、このタンパク質コーティングは、結合体化薬剤を相互作用部位に指向させ得る。最終的には、泡散逸として、この薬剤は、組織部位で放出される。本発明者らは、超音波の適用が、タンパク質コーティングのバイオプロセシングの部位への生物製剤の標的化送達には必要ではないことを示した。このことは、実施例9に示され、ここでは、ODN結合体化微小泡は、肝臓および腎臓に指向され、そしてヘキソバルビタールの代謝を変更するに有効であった。このタンパク質は、微小泡および結合体を、プロセシング部位に通過させ、そして泡散逸として、オリゴヌクレオチドまたは他の生物製剤が放出されてその部位で相互作用し、生物学的薬剤の画分が、従来の投与と比較して、同じ生物学的効果を達成することを可能にする。
一般に、標的部位は、フィルム原性タンパク質のバイオプロセシングに基づいて選択される。例えば、腎臓および肝臓は、アルブミンを取り込み、そしてアルブミン微小泡は、結合体化生体活性薬剤のこれらの領域への投与を特異的に指向させるために使用され得る。この生体分布は、上記のように、実施例9で実証される。他のフィルム原性タンパク質の代謝およびバイオプロセシングは、標準的な薬理学の教科書(例えば、「Basic and Clinical Pharmacology」、第7版、Bertram G.Katzung編、Appleton&Lange,1997)に記載される。
(B.超音波あり)
本発明の1つの実施態様において、診断用超音波フィールドは、注射されたボーラスが標的部位に到達するときに導入される。実施例8に実証されるように、PS−ODN標識した過フッ化炭素含有微小泡の診断用超音波への曝露は、PS−ODNの強度を変更しないが、そのアルブミン結合からはODNを放出する。
超音波の適用は、様々な方法によって達成され得る。例えば、超音波変換器は、標的部位の上に直接配置され得る。従来の超音波デバイスは、20kHzから数Mhzの超音波シグナルを供給し得る。このシグナルは、一般的に、診断用超音波のために約3〜約5MHz、および治療用超音波のために1MHz未満、好ましくは約20kHzのレベルで適用される。超音波によって供給されるエネルギーは、微小泡を生じて、治療用部位で、または血液プールに薬剤を放出する。この方法はまた、ボーラスが超音波フィールドに侵入するように、可視化させる。
あるいは、超音波変換器は、血液プール中の部位にわたって配置され得、循環を通過するように、微小泡の一定の曝露を可能にする。この手順は、実施例13に示されるように、特定の薬物(例えば、ヘパリン)の全身性の効果を増強する。
超音波増強が使用され得る配置部位の例としては、腎臓、心室(heart chamber)、大動脈または大静脈が挙げられる。実施例12は、標識したODN結合体化微小泡の送達と組み合わせた、腎臓の標的化超音波処理を記載する。1つの腎臓に限定される超音波処理は、この部位で検出されるODNにおける有意な増加をもたらした。以下の節VIでさらに記載されるのは、罹患した領域の超音波処理に伴うアンチセンスのc−mycへの投与による、動脈再狭窄の阻害における標的化超音波処理の使用である。
別の実施態様において、注入物(injectate)は、標的領域に到達するまで、モニターされるかまたは時間調節され得る。対照の薬剤は単独で使用されて、投与から治療部位への伝達を時間調節する。治療薬の投与後、低周波数(20kHzから約2MHz)の超音波は、標的部位で、適切な時間間隔後に、適切なドップラーエコーまたは超音波エコー装置を用いて導入され、その結果、超音波のフィールドは、標的部位を包含し、そして医薬は、微小泡から放出される。この時点は、一般的に、目的の器官ならびに注射部位に従って変化する。
(VI.再狭窄の阻害)
(A.背景)
何人かの研究者が、平滑筋細胞の移動および増殖の結果としての血管バルーン損傷後に新内膜(neointimal)過形成が生じることを示した(Austin,G.E.ら、「Intimal Proliferation of Smooth Muscle Cells as on Explanation for Recurrent Coronary Artery Stenosis After Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty」、J Am.Coll.Cardiol.6:369−75,1985;Libby,P.ら、「A Cascade Model for Restenosis:A Special Case of Atherosclerosis Progression」、Circulation 86:III47−III52,1992;Clowes,A.W.ら、「Regulation of Smooth Muscle Cell Growth in Injured Artery」、J.Cardiovasc.Pharmacol.14:S12−S15,1989)。この新内膜形成は、バルーン損傷および血管内ステント挿入(stenting)の両方の後の再狭窄の血管造影観察において、役割を果たす(Mintz,G.S.ら、「Intravascular Ultrasound Insights into Mechanisms of Stenosis Formation And Restenosis」、Cardiol.−Clin.15:1:17−29,1997)。血管平滑筋の増殖を担うプロトオンコジーンの合成を阻害する合成アンチセンスオリゴヌクレオチド(ODN)は、冠状動静脈または頸動脈の損傷後の狭窄形成を首尾良く阻害した(Shi,Y.ら、「Transcatheter Delivery of C−Myc Antisense Oligomers Reduces Neointimal Formation in a Porcine Model of Coronary Artery Balloon Injury」、Circulation 90:944−51,1994;Morishita,R.ら、「Intimal Hyperplasia After Vascular Injury is Inhibited by Antisense CDK2 Kinase Oligonucleotides」、J.Clin.Invest.93:1458−64,1994)。この時点まで、このような処置は、血管内または外膜周囲(periadventitial)への直接送達を必要とした。本発明者らは、ODN(詳細には、c−mycおよびc−mybへ)が過フッ化炭素を曝露されて超音波処理されたデキストロース/アルブミン(PESDA)微小泡に結合することを実証した(Porter,T.R.ら、「Interaction of Diagnostic Ultrasound with Synthetic Oligonucleotide−Labeled Perfluorocarbon−Exposed Sonicated Dextrose Microbubbles」、J.Ultrasound.Med.15:577−584,1996)。続く研究は、経皮的低周波数超音波は、音波を作り出さない(insonification)フィールド内に含まれる血管へのODNの堆積を増加させることを示した(Porter,T.R.ら、「The Effect of Microbubble Gas Composition and External Ultrasound Frequency on the Non−Invasive Enhancement of Antisense Oligonucleotide Delivery to the Vascular Wall in Pigs」、Circulation Suppl.2249,1997)。実施例14に記載される研究は、低周波数の超音波およびPESDA微小泡に結合したc−mycに静脈内注射されたODNに伴うこの増強された血管堆積は、頸動脈のバルーン損傷後の新内膜形成を阻害し得るか否かを決定するために行われた。
以前の研究における動脈損傷後の以前のODNの送達方法は、直接動脈送達または外膜周囲適用のいずれかを必要とした(Shiら、1994(上記に引用);Morishita,R.ら、1994(上記に引用);Bennett,M.R.ら、「Effect of Phosphorothioated Oligonucleotides on Neointimal Formation in the Rat Carotid Artery」、Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.17:2326−32,1997)。
(B.本研究)
実施例14は、本明細書中に記載される経皮的超音波および静脈内微小泡送達系(c−mycプロトオンコジーンに対するアンチセンスを含む)を使用するブタにおける頸動脈新内膜形成の阻害を記載する。右頸動脈にわたる領域は、バルーン拡張直後および3日後の両方に、合計6分間、各注射の前後に音波を作り出さなかった。実施例に実証されるように、PESDA微小泡に結合した、静脈投与されたODNの超音波標的化堆積は、内膜過形成を阻害すること、ならびに管腔直径に対して有意に小さな内膜厚の比を作製することにより、狭窄形成を阻害した。
非侵襲性であることに加えて、超音波標的化アプローチは有利である。なぜなら、損傷後の様々な時間間隔で繰り返され得るからである。c−mycに対するアンチセンスの外膜周囲適用は内側の複製を抑制したが、この抑制は、もはやラットにおける頸動脈損傷の4日後では証拠ではない(Bennett M.R.ら、1997(上記に引用))。本研究において、実施例12に記載されるように、PESDAに結合した第2の0.5ミリグラムの用量のODNは、損傷の3日後に静脈内投与された。減少した内膜過形成およびより大きな血管管腔の両方が、ODN−PESDA群において30日で観察された。より大きな管腔サイズが、ODN−PESDA群における血管成長またはコントロール群における収縮に起因するか否かは未知である。なぜなら、バルーン前損傷IVUSデータが利用可能ではなかったからである。
血管拡張は、バルーン損傷後の狭窄形成の程度を決定することにおける重要な因子であり、生じる内膜過形成の量よりも重要であることが示されている(Kakuta,T.ら、「Differences in Compensatory Vessel Enlargement,Not Intimal Formation,Account for Restenosis After Angioplasty in the Hypercholesterolemic Rabbit Model」、Circulation 89:2809−15、1994)。超音波標的化送達で処置した被験体におけるより大きな管腔面積は、c−mycに対するODNの重要な効果が、アテローム性動脈硬化症に応答する不適切な補償拡大(compensatory enlargement)を予防することであることを示し得る。ODNが管腔拡大を生じ得る1つの方法は、培地のc−myc媒介性細胞移動を妨害することによってであり、c−ycに対するアンチセンスの直接適用によって阻害されたプロセスである(Bennett M.R.ら、1997(上記に引用);Biro,Sら、「Inhibitory Effects of Antisense Oligonucleotides Targeting c−myc mRNA on Smooth Muscle Cell Proliferation and
Migration」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:654−58,1993)。ODNが血管サイズを変更し得る別の機構は、エンドセリン−1の産生(強力な血管収縮薬およびマイトジェン物質)を刺激するc−mycの能力を阻害することによる(Shichiri.M.ら、「Biphasic Regulation of the Preproendothelin−1 Gene by c−myc」、Endocrinology
138(11):4584−90、1997)。
この研究は、超音波の存在下で、PESDA微小泡に結合したODNの増強した取り込みが、頸動脈バルーン損傷後の狭窄形成に対する重要な効果を有することを確認し、そして送達系としての超音波および微小泡の生理学的な有効性を実証する。
超音波は、オリゴヌクレオチドがカチオン性リポソームのようなほかのキャリア系に対して送達される場合に、培養したHeLa細胞における遺伝子発現を増強することが示されている(Unger,E.C.ら、「Ultrasound
Enhances Gene Expression of Liposomal Transfection」、Invest.Radiol.32:723−27、1997)。超音波の存在下でのこの増強された細胞取り込みの機構は、細胞膜の空洞化誘導性二重層障害であると仮定されている(Mitragotri,S.ら、「Transdermal Drug Delivery Using Low−Frequency Sonophoresis」、Pharmaceutical Research 13:411−20、1996)。それゆえ、微小泡は、この空洞化の閾値をより低くするその能力のために、他のキャリア系を超える固有の利点を有し得る(Holland,C.K.ら、「Thresholds for Transient Cavitation Produced by Pulsed Ultrasound in a Controlled Nuclei Environment」、J.Acoust.Soc.Am.88:2059−69,1990)。空洞化がODNの増強された取り込みのための機構である場合、微小泡の存在およびこの研究で使用されるより低周波数の超音波(20kHz)の両方は、改善された取り込みを有し得る。
結論として、静脈内ODN−PESDAおよび経皮的低周波数超音波は、バルーン損傷後の血管壁に対するアンチセンスの直接適用と類似の様式において頸動脈狭窄形成を阻害することが示されている。これらのデータは、超音波およびODNを含む微小泡送達系が、バルーン血管形成術または血管内ステント挿入後の狭窄形成を阻害するための強力な非侵襲性方法であり得ることを実証する。
(VII.N2枯渇環境における微小泡調製の利点)
アルブミン殻を含む微小泡は、それらの膜を通過する可溶性ガスの迅速な拡散を可能にする。過フッ化炭素含有微小泡は、より高分子量のガスの拡散の低速度および血中におけるその不溶性に起因して、同じ膜を有する空気含有微小泡よりも長く残存する。
しかし、過フッ化炭素含有微小泡はなお、空気中での超音波処理によって調製される(すなわち、超音波処理環境のいずれの改変も伴わない)場合、空気ガスの有意な量を含み得る。この意味において、「不溶性ガス含有」とは、本明細書中で使用される場合、血液不溶性ガス(例えば、過フッ化炭素)とともに攪拌することによって形成される微小泡をいうが、超音波処理の間に存在する他のガスを含むこともまた意図される。従って、空気で超音波処理された微小泡は、アルブミン膜を通過して存在する濃度勾配によって影響され得る。
数学的モデルは、不溶性のガスを含む微小泡が、組織および血液が窒素を含有する場合により長く持続することを示唆した(Burkard,M.E.ら、「Oxygen Transport to Tissue by Persistent Bubbles:Theory and Simulations」,J.Appl.Physiol.2874−8,1994)。血中窒素の非存在下では(すなわち、酸素化された血液)、PCMB中からの窒素は、PCMBから拡散し、それらのサイズを減少させることが予測される。
従って、実施例10に示されるように、100%酸素化された動脈血に曝されたPCMBは、空気血に曝されたPCMBよりもサイズが有意に小さかった(表4、実施例10を参照のこと)。このインビトロの研究は、窒素が微小泡から酸素化された血液に拡散した場合に、酸素化血液が、正常な血液と比較して過フルオロカーボン含有MBのサイズを減少させたことを確証する。しかし、酸素化された血液は、純粋な空気を含有するアルブミン微小泡を用いて示されたように、微小泡からの可溶性ガスの迅速な拡散に起因して、過フルオロカーボン含有微小泡を完全には破壊しなかった(Wible J.Jr.ら、「Effects of Inspired Gas on the Efficacy of Albunex(登録商標) in Dogs」、Circulation 88(補遺):1−401(1993))。
表面張力および吸収圧力は、微小泡の直径が減少するにつれて増加するので、静脈内のPCMBによって産生される画像強度はまた、微小泡の内側および外側の窒素および酸素濃度における変化によって影響を受けることが仮定された。微小泡酸素含量を増大することによって(従って、微小泡中のN2の分圧を下げることによって)、血液中の微小泡の残存が延長され得ることが仮定された。これは、N2枯渇環境またはN2を含まない環境において微小泡を形成することによって達成される。
本明細書中で使用される場合、用語「N2枯渇」または「窒素枯渇」とは、空気のN2含量よりも少ないN2含量をいい。その結果、このような環境の存在下における超音波処理によって形成されたガスで満ちた微小泡中のN2の分圧は、空気の存在下での超音波処理によって達成されたN2の分圧よりも低い。(空気は、代表的には、重量で約75.5%、体積で約78%の窒素を含む)。代表的には、N2枯渇環境は、空気の酸素含量よりも高い酸素含量を有する。N2枯渇環境は、それが実質的にN2を含まない場合(例えば、商業的に供給される純粋な酸素)に、「N2を含まない」。
従って、微小泡は、代表的には、N2枯渇ガスまたはN2を含まないガス(例えば、酸素)を、超音波処理ホーンと溶液との間の界面に吹き付けることによって、N2枯渇環境またはN2を含まない環境において超音波処理される。この場合において、「不溶性ガス含有」微小泡は、不溶性ガス(例えば、過フルオロカーボン)を含有し、そしてN2枯渇ガスまたはN2を含まないガスのいくらかの量を含有することが予測される。(いくらかの少量の空気が、これらの条件下でさえ微小泡に入り得るが、微小泡に含まれるガスは、実質的にN2を含まないと見なされる。)
この改変は、実質的により小さな微小泡を作ることが見出された。この微小泡は、血流中でより安定であり、コントラストおよび薬物送達の改善を生じた。このような効果は、実施例11において記載される非開胸研究において一貫して観察され、空気の存在下で超音波処理されたPCMBよりもより大きな心筋のコントラストを生じた。100ミリ秒までの短いパルス間隔を使用する間欠性の画像化(10ヘルツ画像化)を用いてでさえ、視覚的に明白な心筋のコントラストは、N2を含まない環境中で超音波処理した微小泡を用いてもなお達成された。
本発明は、標的化された送達系として、薬学的組成物中のこのような造影剤の使用および超音波の適用を包含する。造影剤の製造におけるN2枯渇環境またはN2を含まない環境の使用はまた、心筋の画像化における造影剤の効果の改善である。
(実施例)
以下の実施例は、例示目的のみのためであって、いかなる場合においても本発明を限定することを意図しない。多数の他のタンパク質生物活性薬剤の組合せが本発明において使用され得、そして本明細書中で意図されることが当業者によって理解される。例えば、フィルモーゲンタンパク質(filmogenic protein)が、α1酸 糖タンパク質である場合、生物活性薬剤は、リドカイン、インデラル、またはヘパリンであり得る。
以下のすべての実施例において、すべての部および割合は、別に特定されない限りは重量によるものであり、そしてすべての希釈は容積によるものである。
(実施例1.ホスホロチオエートオリゴヌクレオチド合成)
鎖伸長合成を、ABI Model391 DNAシンセサイザー(Perkin Elmer,Foster City,CA)の1μmolカラム支持体上で実行するか、または、これは、Lynx Therapeutics,Inc.(Hayward CA)によって提供された。1μmol合成は、ABIユーザーブレティン58により、シアノエチルホスホルアミダイトおよび二硫化テトラエチルチウラムを用いるイオウ処理を使用した。放射性標識されたオリゴヌクレオチドを、Glen Research(Bethesda,MD)による亜リン酸水素原料として合成した。
(実施例2.微小泡懸濁物の調製)
5%ヒト血清アルブミンおよび5%デキストロースを、商業的な供給源より入手した。5%デキストロース溶液の3部および5%ヒト血清アルブミン溶液の1部(総計16ml)を、35ml Monojet(登録商標)シリンジに引き上げた。各々のデキストロース/アルブミンサンプルを、デカフルオロブタンまたは空気のいずれかの8±2mlで、手で攪拌し、次いで、そのサンプルを20キロヘルツでの80±5秒間の電気機械的超音波処理に曝した。この様式によって作製された4つの連続した、過フルオロカーボンに曝され超音波処理したデキストロース/アルブミン(PESDA)微小泡のサンプルの平均サイズは、血球計数によって測定されるように、4.6±0.4ミクロンであった。そして平均濃度は、Coulter計数器によって測定されるように、1.4×109泡/mLであった。
(実施例3.微小泡/ODN結合体の調製)
配列5’−TAT GCT GTG CCG GGG TCT TCG GGC3’(c−mybに相補的な24mer)(配列番号2)および5’TTAGGG(配列番号3)を有する、均一に35S標識されたPS−ODN(ホスホロチオエートオリゴヌクレオチド)を、過フルオロカーボンに曝された、超音波処理したデキストロース/アルブミン(PESDA)微小泡サンプル溶液と、0.5mlの最終容量中で、37℃で30分間インキュベートした。その溶液を、微小泡が上端に生じ得るように立てた;次いで、サンプルを、底の清澄な溶液または微小泡を含む上端層のいずれかから、取り除き得た。
(実施例4.洗浄したかまたは洗浄していないPESDA微小泡へのホスホロチオエートODN結合)
洗浄した微小泡を作製するために、実施例1において調製したような微小泡の溶液を、5%デキストロースの1000倍過剰容量で洗浄して、微小泡と結合していないアルブミンを除去した。微小泡を4時間発生させた。次いで、低位の溶液を除去し、洗浄した泡を残し、次いで0.9%塩化ナトリウムと共に混合した。洗浄した微小泡中のアルブミンタンパク質濃度は、Bradfordアッセイ(Bradford,M.ら、「A Rapid and Sensitive Method for the Quantification of Microgram Quantities of Protein Utilizing the Principle of Protein−Dye Binding」、Anal.Biochem.72:248,1976)によって決定されるように、0.28±0.04mg/mlであった。
放射性標識された24mer PS−ODNを、洗浄したかまたは洗浄していないPESDA微小泡の懸濁物に、5nMの濃度で添加した。溶液中の放射能を、液体シンチレーションカウンター(モデルLSC7500;Beckman Instruments GmbH,Munich,Germany)を用いて測定した。Hydrocount生分解性シンチレーションカクテル(5ml)を100μlサンプルに添加した。サンプルを各実験の後すぐに計数し、次いで24時間後に、化学発光およびクエンチングの影響を減少させるために再び計数した。
液体シンチレーション計数によって計数された、PS−ODNの、PESDA微小泡(上端層)、洗浄した低層(アルブミンを含まない)、洗浄していない低層(アルブミンを含む)への分配を表1に示す。表1に報告されている実験における全放射能の回収率は、約96%であった。
Figure 2010095541
このデータは、微小泡を伴わない洗浄していない溶液におけるアルブミンが、PS−ODNに結合することを示す。微小泡を伴わないアルブミンの除去(洗浄した泡)は、PESDA微小泡とのPS−ODNの分配の増加を生じた(比は、TTAGGG PS−ODNについて1.67、およびc−myb PS−ODNについて2.16である)。
(実施例5.洗浄したアルブミンコート微小泡に対するODNの結合親和性)
実施例4の洗浄した微小泡に対するPS−ODNの接合親和性を評価するために、結合部位に対する競合リガンドとして過剰の非放射性PS−ODNの増加した量を含む混合物を調製した。配列5’−d(CCC TGC TCC CCC CTG GCT CC)−3’(配列番号4)を有する非放射性のPS−ODN 20merを、一連の増加する濃度(0、3.3、10、32.7、94.5、167、および626μM)の放射性24merを含むチューブに添加した。各々の泡の懸濁物を、反転することによって混合し、そして37℃で60分間インキュベートした。
観察した結合データをLineweaver−Burkeプロットとして図1に示す。微小泡に対する結合についての平衡解離定数Km(二連で行った7つの濃度について計算した)は、1.76×10-5Mであった。
(実施例6.ODN−微小泡競合結合研究)
サンプルの3つのグループを以下のように三連で調製し、そして各々のサンプルを室温で20分間インキュベートした。
グループA(コントロール):100μlの微小泡/900μLの生理食塩水+2μLの非標識20mer
グループB:100μlの微小泡/900μLの生理食塩水+2μLのFITC標識20mer(最終20mer濃度=151nM)
グループC:100μlの微小泡/800μLの生理食塩水+2μLのFITC標識20mer+100μLの非標識20mer。
フローサイトメトリー分析を、100mW空冷アルゴンレーザーおよびLysisII収集および分析ソフトウェアを備えたFACStar Plus(Becton Dickinson)を使用して行った。最小限104の収集した微小泡についてリストモードデータを使用し、そして各々のサンプルについて独立した分析を行った。FITC標識した微小泡の分布を、表2に提供する。
Figure 2010095541
PE=パーセント事象;MI=平均強度;SE=標準誤差
1平均はコントロールと有意に異なる;P<0.001
2平均は151nMサンプルと有意に異なる;P<0.001。
過剰の非標識PS−ODNを含むサンプル中の平均蛍光強度の有意な減少は、微小泡への結合が飽和し得ることを示す。結果として、微小泡表面とのPS−ODNの非特異的相互作用は制限される。
(実施例7.空気を含む微小泡へのODNの結合対過フルオロカーボンを含む微小泡へのODNの結合)
空気を含む超音波処理されたデキストロース/アルブミン微小泡へのPS−ODNの結合の均一性対過フルオロカーボンを含む超音波処理されたデキストロース/アルブミン微小泡へのPS−ODNの結合の均一性を、フローサイトメトリーによって測定した。洗浄したPESDA微小泡に対するPS−ODNのガウス分布(データは示さず)は、これらの微小泡のアルブミンが、オリゴヌクレオチドについてのその結合部位を保持したことを示した。洗浄したRA−SDA微小泡についてのガウス分布の非存在は、これらの微小泡の超音波処理の間に、このオリゴヌクレオチドについてのアルブミン結合部位1の損失が生じたことを示した。(アルブミン結合特性、特にそれらがオリゴヌクレオチドに関する場合については、Kumarら、「Characterization of Binding Sites,Extent of Binding,and Drug Interactions of Oligonucleotides with Albumin」Antisense Res.Dev.5:131−139(1995)を参照のこと)。
上述から、PS−ODNはPESDA微小泡中のアルブミンに結合することが観察され得、このことは、アルブミン上の結合部位1は、電気機械的な超音波処理によるこれらの泡の産生後、生物学的に活性であることを示す。しかし、この結合部位親和性は、電気機械的な超音波処理が空気のみを用いて行われる場合には失われる。さらに、洗浄によるPESDA微小泡を伴わないアルブミンの除去は、微小泡を有するPS−ODNの有意な分配を生じる(表1)。これらの観察は、アルブミンの変性が、空気の存在下での超音波処理で示唆されたように、超音波処理の間に過フルオロカーボン含有デキストロース/アルブミン溶液を用いては起こらないことを実証する。
PESDA微小泡中のアルブミンの保持された生物活性(とりわけ、部位1において)を、結合部位についてリガンドと競合するような増加した量の過剰の非放射性PS−ODNの存在下で、洗浄したPESDA微小泡へのPS−ODNの結合の親和性によって確証した(表2)。過剰の非標識PS−ODNを含むサンプル中での平均蛍光強度の有意な減少は、微小泡への結合が飽和し得ることを示す。
(実施例8.結合したオリゴヌクレオチドを有する微小泡の超音波への曝露)
以前に記載されたもの(Mor−Avi,V.ら、「Stability of Albunex(登録商標) Microspheres under Ultrasonic Irradiation;an in vitro Study」J.Am.Soc.Echocardiology 7:S29,1994)と同様の、可変流ミクロスフェアスキャニングチャンバーを使用した。このシステムは、Masterflex(登録商標)フローシステム(Microgon,Inc.,Laguna Hills,CA)に連結された環状のスキャニングチャンバーを含む。このスキャニングチャンバーは、各側を水で満たしたチャンバーで囲まれ、そして各側で音響学的に透明な物質で束縛されている。PS−ODN標識されたPESDA微小泡(0.1ml)を、スキャニングチャンバーに対して近位にボーラスとして1秒間にわたって注入し、次いで、水道水を満たしたスキャニングチャンバーに、100ml/分の制御された流速でプラスチックチュービングを通して流した。泡がスキャニングチャンバーを通過したときに、スキャナー(2.0MHz周波数、1.2MPaピーク陰圧)を、従来的な30ヘルツフレームレートで超音波を送達するために設定した。超音波が送達されないコントロールランもまた行った。
スキャニングチャンバーの通過後、その溶液は同じサイズのプラスチックチュービングを経由して、メモリ付きシリンダーに通した。最初の10mLを廃棄した。次の10mLを収集し、そしてサンプルのより低い部分に存在する任意の遊離のオリゴヌクレオチドから頂部の微小泡を分離するために放置した。
溶出物のより上方操作およびより下方操作の両方からの滴下物を、血球計スライド上に配置し、そして10倍の拡大率を用いて分析した。これらのスライドの写真を作製し、そして36平方センチメートルの視野にわたって微小泡の数を手で計数した。溶出物のより高い部分およびより低い部分もまた、ホルムアミドおよびEDTAの溶液で15倍(v/v)で混合し、そして95℃で5分間加熱した。次いで、これらのサンプルを、Applied Biosystems Model 373A DNAシークエンサーで、20%ポリアクリルアミドゲルを用いて試験した。データをGeneScanner(登録商標)ソフトウェアを用いて得て、そして曲線の下の蛍光強度領域を測定し得た。
Figure 2010095541
a頂部=超音波処理後の溶出物の頂部の層;底=超音波処理後の底の層
超音波に対する曝露後の頂部の層において微小泡の有意な損失が存在する(超音波なしで219±54微小泡に対し、診断的な超音波に曝露した場合、溶出液の上部の層において53±21微小泡)。この微小泡計数の損失は、上部の泡含有層における初期PS−ODN濃度に関わらず明白であった。泡を含まないより低い層におけるPS−ODN濃度は、ゲル電気泳動によって測定され、有意に増加した。このデータは、診断的超音波に対するPS−ODN標識PESDA微小泡の曝露がPS−ODNの完全性を変化させないが、そのアルブミン結合から遊離させることを示す。
(実施例9.アンチセンスオリゴの微小泡送達を介する変化した生物分布)
チトクロームP450 IIB1遺伝子配列に対するアンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを設計し、ヘキソバルビタールの代謝を変化させた(PBはCYP IIB1 mRNAを刺激し、そして結果として、ヘキソバルビタール(これはCYP IIB1によって水酸化される)は、より迅速に代謝され、そしてその鎮静的効果が減少する。このアンチセンスオリゴは、この効果と反作用することが期待される)。
オリゴヌクレオチドを、ラットチトクロームP450 IIB1の公知の配列に従って合成し、そしてこのオリゴヌクレオチドは以下の配列を有した:GGA GCA AGA TAC TGG GCT CCA T(配列番号5)およびAAA GAA GAG AGA GAG CAG GGA G(配列番号6)。これらのオリゴを、より初期に記載されたように、過フルオロカーボンに曝されて超音波処理されたデキストロース/アルブミン微小泡(PESDA)と結合体化し、そしてラットに静脈内送達した。210〜290グラムの間の雄性Sprague−Dawleyラット(Sasco,Omaha)をすべての研究のために使用した。これらは、AAALAC認定動物資源設備であるネブラスカ大学医学センターの動物区域で飼育された。これらの動物を、12時間の光/暗サイクルに曝し、そしてPurinaラット餌および水道水を自由に利用可能にした。
指定されたグループのラットに、80mg/kg/日で2日間、腹腔内にフェノバルビタール(PB)(Mallinckrodt,St.Louis)を注入した。PB注入をODN微小泡注入と同時に与えた。ホスホロチオエートODN注入は、1mg/kg/日で2日間であった。最初の注入の48時間後、睡眠時間を測定した。
各々のラットに、100mg/kgのヘキソバルビタール(Sigma,St.Louis)を、PBおよび/またはODNでの処理の2日目の最後に腹腔内に注入した。その動物を、背を下にして配置し、それらがなおヘキソバルビタールからの鎮静の下にあることを確実にし;そして睡眠時間を、それらが起きあがるときまでそれらが背中を下にして配置されている時間と規定した。
結果は、オリゴヌクレオチド結合体化微小泡の送達が、薬物の効力を非常に改善したことを示す。コントロールラットは、約23分間の睡眠時間を有した。PBの投与は、睡眠時間を11.4±4.5分間まで減少させた。しかし、1/20用量の微小泡結合体化オリゴを与えられたラットは、50分間より長い睡眠時間を経験した。比較すると、非微小泡結合体化オリゴは、睡眠時間にあまり変化をもたらさなかった(約13分間)。
オリゴの生体分布を決定するために、動物を最終的にエチルエーテルを用いて屠殺し、そしてミクロソームをFranklinおよびEstabrook(1971)によって記載されたように調製した。肝臓を、門脈を介して12mlの4%生理食塩水で灌流し、次いで動物から取り除いた。肝臓をみじん切りにし、0.25Mショ糖(Sigma)中でホモジナイズし、そしてSorvall RC2−B遠心管(Dupont,Wilmington,DE)中で8000×g、4℃で、20分間遠心分離した。上清を回収し、0.25Mショ糖に再懸濁し、そしてSorvall OTD55B超遠心管(Dupont)中で、100,000×g、4℃で、45分間遠心分離した。ペレットを1.15% KCl(Sigma)中で再懸濁し、そして100,000×gで1時間、4℃にて遠心分離した。最終的なペレットを等量の緩衝液(10mM Tris−酢酸、1mM EDTA、20% グリセロール;Sigma)中で再懸濁し、そして−80℃で凍結させた。
タンパク質濃度を、Bradfordアッセイ(Bradford,1976)によって決定した。ホモジネートのアリコート(80μl)を、96ウェルプレート(Becton,Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ)に添加した。次いで、Bradford試薬(20μl;Bio−Rad,Richmond,CA)を添加し、そしてプレートをマイクロプレートリーダー(Molecular Devices,Newport MN)上で595nmにおいて読みとった。データを、既知のウシ血清アルブミン(Sigma)を用いて生成された標準曲線と比較した。
CYP IIB1含量は、ペントキシレゾルフィン(pentoxyresorufin)O−脱アルキル化(PROD)活性によって決定された(例えば、Lubet,R.A.ら、Arch.Biochem.Biophys.238(1):43−8,1985)。ミクロソームサンプルについて、1mlの0.1Mリン酸カリウム緩衝液中の1mgタンパク質、1mlの2μM 5−ペントキシレゾルフィン(Pierce,Rockford,IL)、および17μlの60mM NADPHを混合し、37℃で10分間インキュベートした。次いで、その混合物を、2mlキュベットに添加し、そしてRF5000U分光蛍光光度計(Shimadzu,Columbia,MD)で、530nmの励起波長および585nmの放射波長を用いて読みとった。未知のサンプルの濃度を、レゾルフィン(Pierce,Rockford,IL)の標準曲線から計算した。結果を、nmol レゾルフィン/mg タンパク質/分で記録した。
CYP IIB1タンパク質の直接測定を、CYP IB1タンパク質を指向する抗体を使用して、ELISAアッセイによって測定した(SchuursおよびVan Weeman,Clin.Chim.Acta 81(1):1−40,1977)。肝臓サンプル(ウェルあたり50μg)を、96ウェルnunc−immunoプレート(InterMed,Skokie,IL)上で100μlの0.35%炭酸水素ナトリウム緩衝液中に一晩プレーティングした。ミクロソームを、PBS中の1%ウシ血清アルブミン(PBS/BSA)で3回洗浄し、そして200μlのPBS/BSAと共に37℃で1時間インキュベートした。PBS/BSAを除去し、そして50μlのCYP IIB1抗体(Oxygene,Dallas,TX)を添加し、そして37℃で1時間インキュベートした。そのミクロソームを生理食塩水/Tween(登録商標)20(Sigma)で5回洗浄し、そして50μlの西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体(Bio−Rad)を添加した。そのミクロソームを、37℃で1時間インキュベートし、生理食塩水/Tween(登録商標)で5回洗浄し、そして85%生理食塩水で2回洗浄した。西洋ワサビペルオキシダーゼ基質(100μl;Kirkegaard&Perry Labs,Gaithersburg,MD)を添加し、そしてプレートを、マイクロプレートリーダー(Molecular Devices)で、1時間、405nmで連続して読みとった。結果を、mOD/分で、西洋ワサビペルオキシダーゼ活性として記録した。
結果は、オリゴ結合体化微小泡は、そのオリゴを、フェノバルビタール代謝の部位である肝臓および腎臓に方向付けたことを実証した。
(実施例10.正常および酸素富化動脈血中での超音波処理後のPESDA微小泡のサイズおよび濃度)
動脈血を、4匹のイヌおよび3匹の健常なブタから、屠殺する直前に空気吸入条件下で採取した。動物のうちの4匹において、さらなる動脈血を、動物が100%酸素を最低10分間にわたって吸入した後に得た。この血液を、60mlヘパリン処理注射器に収集し、そしてスキャニングチャンバ中に注射するまで温水浴中で37℃にて保持した。スキャニングチャンバ中への血液の注射の直前に、0.2mlのペルフルオロカーボン含有微小泡(PCMB)を、止め栓を通して60ml注射器中の血液に注射し、そしてこの注射器を手で穏やかに反転および回転させることによって混合した。
次いで、このサンプルを、スキャニングチャンバ中に50ml/分の流速で注射した。一旦このチャンバが満たされたら、注射のために用いられるプラスチックチュービングへとこのスキャニングチャンバを連結している、閉じられた止め栓を開け、そして超音波曝露(1Hzまたは従来の30〜45Hzのフレームレートで断続的)を開始した。超音波曝露の後、流出血液が、スキャニングチャンバから、メスシリンダーへと連結されたチュービングへと流れ出た。最初の10mlの血液を廃棄し、そして次の15mlの血液を、3個の5mlアリコートとして、反転させキャップをした注射器中へと採取した。最後の5mlのサンプルの採集の3分後、ツベルクリン注射器を最高レベルの溶出血液中に浸漬し、そして1滴を血球計算板スライドの上に置いた;この長さの時間を選択して、溶出血液中の微小泡が頂部に上昇して収集されることを可能にした。次いで、血球計算板スライドを、40倍の倍率で光学顕微鏡(Olympus BH−2,Olympus America Inc.,Woodbury,NY)を用いて検鏡し、そして最大濃度の微小泡を含む視野を血球計算板視野で撮影した。
後に写真を拡大し、そして25cm2視野を選択して、この視野における微小泡の濃度および平均直径を分析した。濃度を、スライド全体の小泡の総数を計数することによって決定した。この技術を用いて測定された微小泡濃度は、Coulterカウンターでの測定値と非常に密接に相関し、そしてこの技術でのサイズの測定値は、公知の5ミクロンスフェア(Coulter Size Standards Nominal 5μm Microspheres,Miami,FL)を用いて較正された。
(インビトロでのスキャニングチャンバ:)スキャニングチャンバシステムは、蠕動性Masterflexフローシステム(Microgon,Inc.,Laguna Hills,CA)に連結された35ml円柱状スキャニングチャンバからなっていた。スキャニングチャンバの両側に封止されているのは、厚さ6.6ミクロンの音響透過性ラテックス材料によって結合された、円柱状生理食塩水充填チャンバである(Safeskin,Inc.;Boca Raton,FL)。超音波曝露の間のスキャニングチャンバ内の圧力を、スキャニングチャンバの近位に配置された圧力変換器(モデル78304A;Hewlett
Packard Co.,Andover,MA)によって測定し、全ての試行を通じて平均7±3mmHgであった。
2つの異なる2.0メガヘルツ超音波変換器を、インビトロでの研究のために用いた(Hewlett Packard 1500;Andover,Massachusetts;およびHDI 3000,Advanced Technology Laboratories,Bothell,Washington)。生成されたピークの負の圧力は、Hewlett Packard変換器について1.1MPaであり、そしてHDI 3000スキャナーについて0.9MPaであった。全ての研究についての画像化深度は、8.2センチメートルであり、そして両方の変換器についての焦点は8センチメートルであった。各変換器についてのフレームレートは、従来(30〜42Hz)または断続的(1Hz)のいずれかであった。スキャニングチャンバからの全ての画像を、高忠実度ビデオテープに記録した。
(結果:)表3は、動脈血(空気および100%酸素)中で超音波に曝露した後のPCMBについての平均微小泡サイズにおける相違を実証する。PCMBを、100%酸素付加動脈血へと曝露した場合、インソネーション(insonation)後の平均微小泡サイズに有意な減少が存在した(p=0.01)。より小さな微小泡サイズは、断続的画像化後(7.3±3.7μm空気 対 6.4±3.2μm 100%酸素)および従来の画像化後(7.5±3.5μm空気 対 6.3±3.0μm 100%酸素)の両方で見られた。
微小泡濃度は、空気動脈血における断続的画像化と比較した場合、従来のフレームレートに曝露した後に有意に減少した(表3)。しかし、従来のフレームレートは、同じ変換器出力では、酸素付加した動脈血中で破壊した場合ほど多くのPCMBを破壊しなかった。
Figure 2010095541
微小泡濃度は、空気動脈血中での断続的画像化と比較した場合、従来のフレームレートに曝露した後に減少した(表4)。しかし、従来のフレームレートは、同じ変換器出力では、酸素付加した動脈血中で破壊した場合ほど多くのPCMBを破壊しなかった。
(実施例11.N2を含まない環境で形成された微小泡対空気環境で形成された微小泡のインビボ画像化研究)
ペルフルオロカーボン含有微小泡(PCMB)を、実施例1に記載の通りに調製した。1部の5%ヒト血清アルブミンおよび3部の5%デキストロース(計16ml)を、8mlのデカフルオロブタンを用いて手動で攪拌した。攪拌後、サンプルに、電気機械的超音波処理を80±2秒間行った。80秒間の超音波処理プロセスを、2つの異なる環境で行った:空気(RA)または100%酸素(N2を含まない環境)のいずれかを、超音波処理ホーンとペルフルオロカーボンデキストロース/アルブミン溶液との間の界面に超音波処理の間に吹き込んだ。
(インビボでの画像化:)タンパク質水溶液に超音波処理をすることによって形成される微小泡が哺乳動物に注射されて、所定の領域の音響特性を変更し、次いでその領域が超音波によってスキャンされて医学的手順における使用のための画像が得られる診断的超音波画像化方法が周知である。例えば、米国特許第4,572,203号、同第4,718,433号および同第4,774,958号を参照のこと。
超音波処理の間に100%酸素(O2 PCMB)または空気(RA PCMB)のいずれかに曝露された微小泡サンプルを、イヌに静脈内に注射した。画像化を、1.7MHz調波変換器(HDI 3000;Advanced Technology Laboratories;Bothell,Washington)を用いて行った。変換器出力を、0.3〜0.8MPaに設定し、そして2つの異なる微小泡サンプルからのビデオ強度(videointensity)の全ての比較のために一定に保った。バックグラウンドを差し引いた心筋ビデオ強度の比較のためのフレームレートは、43Hz(従来)または10Hz(断続的)のいずれかであった。全ての手順は、Institutional Animal Care and Use Committeeによって承認され、そしてPosition of the American Heart Association on Research Animal Useに従った。
RA(空気)PCMBおよびO2 PCMBのボーラス注射は、0.0025ml/kgまたは0.005ml/kgのいずれかであった。サンプル中の微小泡の濃度は、同じであると決定された。ピークの前壁ビデオ強度および後壁ビデオ強度を、Tom−Techレビューステーション(Louisville,Colorado)を用いてオフラインで得られた、デジタル化したスーパーVHSビデオテープ画像(Maxell,Japan)から測定した。Tom−Techレビューステーションは、1〜255のグレースケール範囲にわたってビデオ強度を定量する。目的の領域を、各セグメントの心筋層中央に配置した。
この定量分析に加えて、短軸視野からの前壁領域、隔膜領域、側壁領域、および後壁領域における局部的心筋コントラスト増強の視覚的評価を、2人の独立した調査者によって行った。各領域に、0(心筋コントラストなし)、1+(中程度の心筋コントラスト増強)または2+(腔の強度に近づいた明るい心筋コントラスト増強)を割り当てた。
2 PAMBとRA PCMBとの間のピーク心筋ビデオ強度の計6の比較を、3匹のイヌにおいて行った。表5では、注射前に、100%酸素の存在下で超音波処理したPCMBが、サイズおよび濃度において、空気の存在下で超音波処理したPCMBと類似したことがわかり得る。しかし、3匹全てのイヌでは、10ヘルツフレームレート(断続的画像化)を用いるピークの心筋ビデオ強度は、100%酸素の存在下で超音波処理したPCMBについて有意に高かった。
酸素付加したPCMBのみが、経胸壁画像化のために用いられる用量で一貫した均質な心筋コントラストを生じた。視覚的心筋コントラストは、RA PCMBの同じ用量の後で24のうち9の領域で2+であったのと比較して、静脈内O2 PCMB注射後に24のうち20の領域で2+であった(p=0.001)。
Figure 2010095541
酸素付加したPCMBのみが、経胸壁画像化のために用いられる用量で一貫した均質な心筋コントラストを生じた。視覚的心筋コントラストは、RA PCMBの同じ用量の後で24のうち9の領域で2+であったのと比較して、静脈内O2 PCMB注射後に24のうち20の領域で2+であった(p=0.001)。
予測された通り、空気血液中の微小泡濃度は、より高いフレームレートに曝露した場合、有意に減少した。しかし、より迅速なフレームレートによるこの破壊は、PCMBが酸素付加血液中にある場合、いくらか弱められた。この相違の理由は明らかではない。1つの可能性は、酸素付加された血液における微小泡からのより迅速な窒素の拡散が、より高い内部濃度のペルフルオロカーボンを生じ、従って不溶性ペルフルオロカーボンについての拡散勾配を増加させたことである。その低い溶解度に起因して、微小泡からのその増強された拡散は、より小さな、カプセル化されていないペルフルオロカーボン微小泡の形成に至る。血球計算の分解能は、カプセル化されていない微小泡とカプセル化された微小泡を区別することができず、従ってそれら両方を計算する。この説明はまた、100%酸素付加動脈血に曝露したPCMBについて観察された、より小さな平均微小泡サイズを説明し得る。
(統計分析:)独立t検定を用いて、超音波処理の間に異なるガスに曝露したPCMBサンプルの微小泡のサイズおよび濃度を比較した。これをまた用いて、インビボ研究におけるピーク心筋ビデオ強度における差を比較した。データが正規分布していない場合、非パラメトリック検定を行った。静脈内O2 PCMBおよびRA PCMB後の視覚的心筋コントラスト増強の比較を、分割表(continency table)(Fisherの正確検定)を用いて行った。0.05よりも低いp値を、有意とみなした。
変動係数を用いて、インビトロでの研究における微小泡のサイズおよび濃度の測定における観察者間変動性を測定した。独立した調査者間平均差を用いて、ピーク心筋ビデオ強度における観察者間変動を比較した。
2人の独立した観察者が、断続的または従来のいずれかの超音波フレームレートに曝露された6つの異なるスライドの微小泡のサイズおよび濃度を測定した。6つの異なるサンプルにおける2人のs独立した観察者による微小泡のサイズの測定値についての変動係数は8%(r=0.95;p=0.004)であり、一方、微小泡濃度の独立した測定値についての変動係数は9%(r=0.99;p<0.001)であった。経胸壁画像化についての2人の独立した調査者によるピーク心筋ビデオ強度測定値において報告された平均差は、4±4単位(r=0.94、SEE=5単位;p<0.001;n=24比較)であり、これは、O2 PCMBとRA PCMBとの間の前壁ピーク心筋ビデオ強度における16単位の平均差および後壁ピーク心筋ビデオ強度における13単位の平均差よりも充分に低い。2人の調査者は、44のうちの37の領域(84%)におけるコントラスト増強の視覚的程度において一致した。5つの不一致は、RA PCMB心筋コントラスト増強の視覚的階級付けにおいてであった(2つの領域において0対1、3つの領域において1+対2+)。1+が存在するか2+が存在するかについての不一致が存在した3つの領域は、統計分析において2+を割り当てた。
(実施例12.微小泡からのODNの取り込みに対する、標的化された超音波処理の効果)
PS−ODN結合体化微小泡の腎臓取り込みに対する超音波処理の効果のインビボでの研究を、3匹のイヌにおいて行った。蛍光標識したPS−ODN PESDA微小泡(0.2ml)の静脈内注射を、大腿静脈において与えた。同時に、左腎臓を、外部に配置した2.0MHz〜2.5MHzの診断超音波変換器(ピークの負の圧力は1.1MPa)によってインソニファイ(insonify)した。この腎臓を、注射後、およびこの腎臓における視覚的に明らかなコントラスト出現の間、最低2分間にわたって30Hzフレームレートを用いてインソニファイした。各イヌでは、左心室動脈圧および肺動脈圧を、左心室および胚動脈にそれぞれ配置した生理食塩水を充填したカテーテルを用いた腎臓注射の前および後でモニタリングした。注射の約4時間後、このイヌを屠殺し、そして両方の腎臓を取り出した。切断切片を、腎皮質から得て、そしてPS−ODNについてのサンプルとし、上記の遺伝子スキャニング方法(実施例8)を用いて計数した。組織学的切片をまた、糸球体およびネフロンにおいて、蛍光の分析のために得た。
1匹のイヌでは、標識したPESDAにおける静脈内PS−ODN後の非インソニファイ腎臓と比較して10倍を超えて大きなPS−ODNの取り込みが、インソニファイした腎臓において存在した。3匹のうちの2匹のイヌでは、PS−ODN取り込みの、インソニファイした腎臓への分配が明らかであった。第1のイヌでは、非インソニファイ腎臓に対して、インソニファイした腎臓においてPS−ODNの3倍高い取り込みが存在した。第2のイヌでは、インソニファイした腎臓においてPS−ODNの9倍を超える高い取り込みが存在した。しかし、第3のイヌでは、2つの腎臓の間でPS−ODN取り込みの差は存在しなかった。PS−ODNで標識したPESDA微小泡の静脈内注射後、血行力学的な変化は存在しなかった。死後の腎臓の組織学的検査はまた、診断的超音波によって、いずれの糸球体にも管状細胞にも破壊がないことを示した。
(実施例13.微小泡からのヘパリン取り込みに対する超音波処理の効果)
静脈内ヘパリンを、3つの異なる設定で、1500単位のボーラス用量でイヌ被験体に投与した。設定1では、ヘパリンを、遊離の薬物として与えた。設定2では、1500単位のヘパリンを、オロソムコイドPESDAに結合させて与えたが、超音波は血液プールに適用しなかった。設定3では、オロソムコイドPESDAに結合させた同じ用量のヘパリン(1500単位)を与え、そして超音波を血液プールに適用した。活性化部分トロンボプラスチン時間(PTT)のベースライン測定を測定し、次いで各注射後に5分間の間隔で、最低15分間にわたって繰り返した。
設定1では、PTTは、5分では106秒を超えて増加したが、15分で30〜60秒に戻った。設定2では、PTTは10分後には106秒を超えて到達し、そして15分で60〜80秒に戻った。設定3では、PTTは、15分後に106秒を超えるままであった;さらなる測定は行わなかった。
(実施例14.経皮超音波およびc−mycプロトオンコジーンに対するアンチセンスを含む静脈内微小泡送達系を用いる頚動脈新生内膜形成の阻害)
全ての手順は、Institutional Animal Care and Use Committeeによって承認され、そしてPosition of the American Heart Association on Research Animal Useに従った。28匹の家畜ブタに、アスピリン(325mg PO)を前投薬した。次いで、ケタミン(20mg/kg)、キシラジン(4mg/kg)および補助的なペントバルビタールを用いて全身麻酔を投与した。このブタに挿管し、そして呼吸器の呼吸空気に置いた。Swan Ganzカテーテルを、肺動脈中へ前進させて肺の圧力をモニタリングした。静脈内ヘパリン(4,000〜5,000単位)、アトロピン(0.5〜1.0mg)、および舌下ニフェジピン(10〜30mg)を与えた。8Fガイドカテーテルを、右頚動脈の近位部分に配置した。大きすぎるバルーン(6.0mm〜10.5mm)で血管を平均107±34秒間(90〜240秒間の範囲)拡張することによってこの動脈を傷付けた。この介入を、ブタがその後どの処置を受けるかを知らない実験的介入心臓病専門医(U.D.)によって行った。損傷後の血管開存性を、HexabrixまたはRenographin−76の頚動脈内注射を用いる血管造影によって確認した。
最初の20動物を、ランダム化して、バルーン傷害の後に3つのうちの1つの処置を受けさせた:
(a)PESDAに結合したc−mycに対する静脈内ホスホロチオエートODN(0.5ミリグラム;Lynx Therapeutics;Hayward,California)(ODN−PESDA);
(b)c−myc単独に対する同じ用量の静脈内アンチセンス(ODN単独);または
(c)注射なし(コントロール)。
注射を、ODN−PESDAおよびODN単独のブタにおけるバルーン傷害の3日後に繰り返した。全ての動物は、ケトロラク(60mg)およびソルメドロール(Solumedrol)(40mg)を静脈内で与えられて、微小泡を受けるようにランダム化されたブタにおける肺高血圧反応を予防した。
最後の8匹のブタは、c−mycに対する異なるODNを受けた(モルホリノ(Morpholino);AVI Biopharma,Inc.;Corvallis,Oregon)。これらのブタでは、バルーン傷害後、第1の4匹は、PESDAに結合したODNを受け、そして最後の4匹は、ODN単独(n=2)または処理無し(n=2)のいずれかを受けた。
ODN−PESDAに対してランダム化された動物では、50ワット/cm2の出力で経皮20キロヘルツ超音波プローブ(Model XL2020;Heat Systems;Farmingdale,New York)によって、バルーン拡張の直後および3日目の両方において各注射の前および後に、計6分間、右頚動脈の上の領域にインソニファイした。プローブの加熱に起因する皮膚の刺激を避けるために、1.5〜2.0センチメートルのカップリングゲルを、倒置させた切断12ミリリットル注射器を用いて皮膚表面とプローブ先端との間に配置した。右頚動脈の位置を、診断用変換器(HDI3000;Advanced Technology Laboratory;Bothell,Washington)を用いて確認した。
(バルーン傷害30日後での測定:)バルーン傷害30日後にて、血管内超音波(IVUS)測定を行った後でブタを屠殺した。2.9または3.1 F 30 Megahertz IVUSカテーテル(CVIS;Sunnyvale,CA)を蛍光顕微鏡下で遠位頚動脈中へと前進させ、そしてカテーテルの電動化した引き戻しを行った。管腔面積、総血管面積(管腔+任意の脈管形成斑)、および血管直径のオフライン面積測定を、以前に傷付けた領域における最大の斑および最小の管腔の部位にて行った。次いでこのブタを屠殺し、そして頚動脈の連続切片を、固定後に行った。最大内膜厚さの部位を、デジタル面積測定(NIH Image 1.61;Bethesda,Maryland)によって測定した。この血管は、灌流固定を受けなかったので、最大内皮厚さの値は、IVUSによって測定されたバルーン傷害部位での血管直径を指標付けした。IVUSおよび組織学的測定の両方は、このブタがどの処置レジメンを受けるかを知らない調査者(それぞれ、W.H.およびS.R.)によって行われた。
(統計分析:)3つの群における、バルーン傷害部位での総血管面積、管腔面積、および管腔直径のIVUS測定における差、ならびに最大内皮厚さの組織学的測定を、分散分析(Student−Newmann−Keuls複数比較手順)を用いて比較した。IVUSは、ODN単独を受けた3匹のブタにおいて行われ得なかったので、ODN単独およびコントロールからのデータをまた合わせ、そしてStudent t検定またはMann−Whitney Rank Sum検定によってODN−PESDAと比較した。IVUSおよび組織学的測定における観察者間変動を、同じ調査者に異なる時点で測定を繰返し、そして測定値間の差のパーセントを計算をさせることにより計算した。
(結果:)2匹のブタが、バルーン傷害プロトコルの間に死んだ。5匹のブタ(3匹はODN−PESDA、1匹はIV ODN単独、および1匹はコントロール)では、傷害の30日後に傷害または内皮過形成の組織学的証拠は無かった。残りの21匹のブタのうち、8匹はODN−PESDAを受け、7匹は静脈内ODN単独を受け、そして6匹は何も受けなかった。20キロヘルツの超音波で処置されたブタは、適用した超音波の部位で表面剥離(superficial abrasion)を有していたが、この表面剥離は、30日の追跡ではもはや明らかでなかった。
表1は、3つの群における血管内超音波データおよび組織学的データを含む。血管内超音波は、16匹のブタにおいて可能であった。ODN単独を受けたブタのうち3匹においては、傷害30日後で血栓閉塞していることから、このことは行われ得ず、そしてODN−PESDAおよびODN単独を受けた各々1匹のブタでは、技術的理由から、このことは行われ得なかった。
IVUSで測定した傷害部位での総血管面積および管腔面積は、ODN−PESDA群において有意に大きかった。組織学での同じ群における有意に小さい最大内皮厚さにもかかわらず、このより大きな血管サイズが見られた。最大内皮厚さの組織学的測定がIVUS血管直径を指標付けした場合、3つの群の間に明確な区別が存在した(表1)。
コントロールブタは、超音波およびODN−PESDAで処置したブタと比較した場合、30日間よでより小さな血管を有したが、より大きな内膜厚さを有した。観察者間変動は、IVUS測定において3%(n=12比較)であり、そして反復組織学的測定について14%(n=25比較)であった。
Figure 2010095541

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  1. 本明細書中に記載の方法。
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