以下、本発明に係る遊技機の好適な実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下では遊技機をパチンコ遊技機としている。
<<<パチンコ遊技機の機能の概略>>>
図1は、本発明による遊技機の一実施の形態の機能の概略を示すブロック図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機は、主に、ゲーム制御手段と演出手段とからなる。ゲーム制御手段では、パチンコゲームの進行が制御される。パチンコゲームは、ユーザの操作に応じて遊技球が発射され、その遊技球が各種の入賞口や始動口などに入賞したときに、入賞口の種類の応じた数の遊技球が払い出されるゲームである。このパチンコゲームには、後述する特別図柄を用いた特別図柄ゲームや、普通図柄を用いた普通図柄ゲームも含まれる。
図1に示した例では、遊技球の入賞は、一般入賞口への入賞、特定領域の通過、始動口への入賞の3種類の入賞がある。一般入賞口への入賞や始動口への入賞は、遊技盤に形成された貫通孔に遊技球が入るような態様を意味する。また、特定領域の通過とは、遊技盤上に設けられた通過ゲートなどの特定領域を、遊技盤に沿って移動している遊技球が通過するような態様を意味し、このような特定領域の通過も入賞に含める。なお、特定領域の通過にせず、一般入賞口や始動口と同様に、遊技盤に形成された貫通孔への入賞のみにしてもよい。以下では、遊技球が特定領域を通過することによる入賞を、普通図柄始動入賞と称する。また、始動口への入賞を特別図柄始動入賞と称する。この始動口が、「始動領域」に対応する。
<<一般入賞>>
一般入賞口への入賞は、一般入賞口として遊技盤に形成された貫通孔に遊技球が入ったときに、一般入賞口の種類に応じて予め定められた数の遊技球を払い出すものである。
<<普通図柄ゲーム>>
遊技盤上に設けられた通過ゲートなどの特定領域を遊技球が通過したことを契機にして普通図柄ゲームが開始される。普通図柄ゲームは、普通図柄表示手段に表示した普通図柄を用いたゲームであり、普通図柄ゲーム手段によって制御されて進行される。この普通図柄ゲームの結果が当りになったときには、始動口の状態を、遊技球が入賞しやすい状態(以下、入賞容易状態と称する。)に変化させる。これにより、遊技者が遊技球を始動口に入賞させることができる可能性が高くなり、その結果として、払い出される遊技球の数を多くすることができる。
普通図柄ゲーム手段における制御は、以下のように行われる。
まず、上述したように、普通図柄ゲーム制御は、遊技球が特定領域を通過したことによる普通図柄始動入賞を契機にして開始される。すなわち、この普通図柄始動入賞は、普通図柄ゲームを開始するために、普通図柄の可変表示を行うための一つの条件である。普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用のカウンタから抽出した乱数値(以下、当り判定用乱数値と称する。)が抽出され、普通図柄ゲーム手段の記憶手段(図示せず)の所定の記憶領域に記憶される。
次いで、当り判定用乱数値が、記憶領域に既に記憶されているか否かを判断する。当り判定用乱数値が記憶されていると判別した場合には、普通図柄表示制御によって、普通図柄の可変表示が開始される。これによって、普通図柄ゲームが開始される。このように、普通図柄ゲームは、普通図柄始動入賞があり、それによって、当り判定用乱数値が記憶されているときに開始される。なお、普通図柄が既に可変表示しているときに、新たに普通図柄始動入賞があった場合には、所定の数の遊技球、例えば、最大で4個の遊技球の分まで、普通図柄始動入賞がある度に、当り判定用のカウンタから抽出した当り判定用乱数値が抽出され、各々の当り判定用乱数値が所定の記憶領域に記憶される。
次に、当り判定用乱数値を参照して、普通図柄ゲームの結果を当りにするか否かの当り判定を行う。さらに、この当り判定の結果を参照して、普通図柄の変動パターンを決定する。その後、当り判定の結果と普通図柄の変動パターンとを参照して、普通図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御と、所定の演出を行う演出表示制御とを実行する。
次いで、上述した可変表示制御と演出表示制御とが終了した後、普通図柄ゲームの結果を当りにするか否かを判断し、当りにする場合には、当り遊技を行うために、始動口制御を実行する。この始動口制御をすることによって、始動口の状態を、遊技球が始動口に入賞しやすい入賞容易状態にする。このようにすることで、遊技者が遊技球を始動口に入賞させることができる可能性を高くできる。一方、普通図柄ゲームの結果を当りにしない場合には、始動口制御は実行されない。
さらにこの後、再度、遊技盤上に設けられた通過ゲートなどの特定領域を遊技球が通過したか否かの判断が繰り返し実行される。
<<特別図柄ゲーム>>
始動口に遊技球が入賞したことを契機にして特別図柄ゲームが開始される。特別図柄ゲームは、特別図柄表示手段に表示した特別図柄を用いたゲームであり、特別図柄ゲーム手段によって制御されて進行される。この特別図柄ゲームの結果が大当りになったときには、大入賞口の状態を、遊技球が入賞しやすい状態(以下、入賞容易状態と称する。)に変化させる。これにより、遊技者が遊技球を大入賞口に入賞させることができる可能性が高くなり、その結果として、払い出される遊技球の数を多くすることができる。
特別図柄ゲーム手段における制御は、以下のように行われる。
まず、上述したように、特別図柄ゲーム制御は、遊技球が始動口に入賞したことによる特別図柄始動入賞を契機にして開始される。すなわち、この特別図柄始動入賞は、特別図柄ゲームを開始するために、特別図柄の可変表示を行うための一つの条件である。特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用のカウンタから乱数値(以下、大当り判定用乱数値と称する。)が抽出されるとともに、図柄決定用のカウンタから抽出した乱数値(以下、大当り図柄決定用乱数値と称する。)が抽出され、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との双方は、特別図柄ゲーム手段の記憶手段(図示せず)の所定の記憶領域に記憶される。
次いで、大当り判定用乱数値が、記憶領域に既に記憶されているか否かを判断する。大当り判定用乱数値が記憶されていると判別した場合には、特別図柄表示制御によって、特別図柄の可変表示が開始される。これによって、特別図柄ゲームが開始される。このように、特別図柄ゲームは、特別図柄始動入賞があり、それによって、大当り判定用乱数値が記憶されているときに開始される。なお、特別図柄が既に可変表示しているときに、新たに特別図柄始動入賞があった場合には、所定の数の遊技球、例えば、最大で4個の遊技球の分まで、特別図柄始動入賞がある度に、当り判定用のカウンタから抽出した当り判定用乱数値が抽出され、各々の当り判定用乱数値が所定の記憶領域に記憶される。
次に、大当り判定用乱数値を参照して、特別図柄ゲームの結果を大当りにするか否かの大当り判定を行う。さらに、この大当り判定の結果と、図柄決定用のカウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値とを参照して、停止表示させる特別図柄を決定する。この処理によって、遊技領域の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者にとって有利な大当り遊技状態へ移行するか否かの大当り抽選を所定の抽選条件で行う処理ができる。これにより、「大当り抽選手段」を構成することができる。
次いで、変動パターン決定用のカウンタから乱数値(以下、変動パターン決定用乱数値と称する。)を抽出し、変動パターン決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果と、停止表示させる特別図柄とを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。次に、演出パターン決定用のカウンタから乱数値(以下、演出パターン決定用乱数値と称する。)を抽出し、その演出パターン決定用乱数値と、上述した大当り判定結果と、停止表示させる特別図柄と、上述した変動パターンと、が参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンが決定される。
次に、大当り判定の結果と、停止表示させる特別図柄と、特別図柄の変動パターンと、特別図柄に伴う演出パターンとが参照され、特別図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御と、所定の演出を行う演出制御とが実行される。この処理によって、大当り抽選の結果に基づいて、特別図柄を所定期間変動表示した後に停止表示する処理ができる。
さらに、特別図柄ゲームの結果を大当りにする場合には、可変表示制御と演出表示制御とが終了した後に、大当り遊技を行う大当り遊技制御が実行される。この大当り遊技制御をすることによって、大入賞口の状態を、遊技球が入賞しやすい入賞容易状態にする。このようにすることで、遊技者が遊技球を大入賞口に入賞させることができる可能性を高くできる。一方、特別図柄ゲームの結果を大当りにしない場合には、大当り遊技制御は実行されない。
さらにまた、大当り遊技制御が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御が行われる。この遊技状態移行制御は、大当り遊技状態とは異なる通常時における遊技状態の管理が行われる。例えば、上述した大当り判定で大当りと判定される確率が高くなる確変状態に遊技状態を移行させたり、特別図柄や普通図柄の可変表示の時間を短縮させる時短状態に遊技状態を移行させたりして、各種の遊技状態に移行させる。
さらにその後、再度、遊技球が始動口に入賞したか否かが繰り返し判定されることとなる。
このように、パチンコゲームは、遊技者の操作に応じて発射された遊技球が各種の入賞をすることのほかに、特別図柄ゲームで大当りとなったり、遊技状態が移行したり、普通図柄ゲームで当りとなったりして、遊技球が払い出され易くなる可能性がゲームである。
ゲーム制御手段は、所定のタイミングごとに、各種コマンドを演出手段に送信する。例えば、大当り判定の結果や、停止表示させる特別図柄や、特別図柄の変動パターンなどの情報を含んだコマンドを、これらのコマンドを送信すべきタイミングになるたびに、演出手段に送信する。
<<演出手段>>
演出手段は、演出制御手段と演出実行手段とを含む。演出手段は、ゲーム制御手段から送信された各種コマンドを受信する。上述したように、各種コマンドには、例えば、大当り判定の結果や、停止表示させる特別図柄や、特別図柄の変動パターンなどの情報を含んだコマンドがある。
演出制御手段は、受信した各種コマンドに基づいて、可変表示映像や演出映像を選択し、選択した結果に対応する演出データを読み出し、演出表示手段(例えば、液晶表示ディスプレイ)に表示映像信号を出力する。また、演出制御手段は、音声発生手段(例えば、スピーカ)に音声信号を出力する。これによって、表示手段では、各種の映像が表示されるともに、音声発生手段では、各種の音声が発生される。また、受信した各種コマンドに基づいて、発光手段(例えば、ランプ)の点灯、消灯、点滅の制御パターンを示す演出データを読み出し、そのデータに応じて、発光手段を点灯させたり、消灯させたり、点滅させたりする。
なお、本実施形態においては、各種の乱数値を抽出する処理は、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いているが、これに限らず、例えば、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備え、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆるリングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。この場合において、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
さらに、本発明の一の実施形態であるパチンコ遊技機10は、以下の特徴を有する。
本発明の実施の形態にパチンコ遊技機10は、
遊技球が転動する遊技領域と前記遊技領域に形成され遊技球の通過を検出するための検出領域(例えば、後述する始動口25、通過ゲート54)とを備えた遊技盤14と、
前記検出領域を遊技球が通過したことを契機にして、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行させるか否かの抽選処理を実行する抽選手段(C1−2、例えば、後述する主制御回路60)と、
前記抽選処理の結果に基づいて、識別情報(例えば、後述する特別図柄、演出用図柄、普通図柄)が、所定期間変動表示された後に、停止表示される識別情報表示手段(C1−3、例えば、後述する特別図柄表示装置33、普通図柄表示装置35、液晶表示装置32)と、
前記識別情報が変動表示しているときに前記検出領域を通過した遊技球を保留球として、前記保留球に対する前記抽選処理の結果を記憶する保留球結果記憶手段(C1−4、例えば、後述するメインRAM70)と、
前記保留球に対する前記抽選処理の結果が連続してはずれとなったときに、前記識別情報表示手段において、前記識別情報の変動表示及び停止表示が複数回にわたって行われている間に、所定のはずれ演出を継続的に実行するはずれ演出制御手段(C1−5、メインCPU66、サブCPU206)と、を有することを特徴とする。
このように、抽選処理の結果が連続してはずれとなったときには、はずれ演出を継続的に実行するので、遊技球を保留させるために、少しでも多くの遊技球を発射すべきことを遊技者に促すことによって、遊技球の消費を増やすことができ、遊技店における遊技球の交換量を増やすことができる。
上述した抽選手段は、例えば、後述する特別抽選手段や、普通抽選手段に対応する。また、抽選処理は、例えば、後述する特別抽選処理や、普通抽選処理に対応する。さらに、識別情報表示手段は、例えば、後述する特別図柄表示手段や、演出用図柄表示手段や、普通図柄表示手段に対応する。さらにまた、保留球結果記憶手段は、例えば、後述する特別保留球結果記憶手段や、普通保留球結果記憶手段に対応する。また、保留球は、例えば、後述する特別保留球や、普通保留球に対応する。さらに、はずれ演出制御手段は、例えば、後述する特別はずれ演出制御手段や、装飾はずれ演出制御手段や、普通はずれ演出制御手段に対応する。
また、本発明の実施の形態にパチンコ遊技機10は、
遊技球が転動する遊技領域と前記遊技領域に形成され遊技球の通過を検出するための始動領域(例えば、後述する始動口25)とを備えた遊技盤14と、
前記始動領域を遊技球が通過したことを契機にして、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行させるか否かの特別抽選処理を実行する特別抽選手段(C1−2、C2−2、例えば、後述する主制御回路60)と、
前記特別抽選処理の結果に基づいて、特別図柄が、所定期間変動表示された後に、停止表示される特別図柄表示手段(C1−3、C2−3−1、例えば、後述する特別図柄表示装置33)と、
前記特別図柄の変動表示の開始に基づいて、前記特別図柄とは異なる演出用図柄が、変動表示及び停止表示される演出用表示手段(C2−3−2、例えば、後述する液晶表示装置32)と、
前記特別図柄が変動表示しているときに前記始動領域を通過した遊技球を特別保留球として、前記特別保留球に対する前記特別抽選処理の結果を記憶する特別保留球結果記憶手段(C2−4、例えば、後述するメインRAM70やワークRAM210)と、
前記特別保留球に対する前記特別抽選処理の結果が連続してはずれとなったときに、前記特別図柄の変動表示及び停止表示が前記特別図柄表示手段において複数回にわたって行われている間に、所定の装飾はずれ演出を前記演出用表示手段において継続的に実行する装飾はずれ演出制御手段(C2−5、例えば、後述するサブCPU206)と、を有することを特徴とする。
「特別抽選手段」は、いわゆる「大当り抽選手段」を意味する。例えば、始動口に遊技球が入賞したことを契機にして行なわれる抽選処理を実行するためのものである。「特別保留球」は、通常の保留球を意味する。例えば、始動口に遊技球が入賞したときに保留される保留球を意味する。「装飾はずれ演出」は、演出用表示手段(例えば、液晶表示装置)において行われるはずれ演出を意味する。はずれ演出は、特別抽選手段による抽選処理の結果がはずれであるときに行われる演出であり、はずれになったことを、遊技者に示したり、示唆したりする内容からなるものが好ましい。
このようにしたことにより、装飾はずれ演出を継続的に実行するので、遊技球を常に保留させるように、遊技球を発射させるように遊技者に促すことができ、遊技球の消費を増やすことで、遊技店における遊技球の交換量を増やすことができる。また、演出用表示手段(たとえば、液晶表示装置など)において、演出用図柄の変動表示及び停止表示とともに装飾はずれ演出を行うので、遊技者に判りやすい演出にすることができる。
さらに、本発明の実施の形態にパチンコ遊技機10は、
前記特別抽選手段(C2−2、例えば、後述する主制御回路60)は、前記特別保留球に対する前記特別抽選処理をする毎に、前記特別抽選処理の結果を発し、
前記特別保留球結果記憶手段(C2−4、例えば、後述するメインRAM70やワークRAM210)は、前記特別抽選処理の結果が前記特別抽選手段C2−2から発せられる毎に、前記当り抽選処理の結果を記憶し、
前記装飾はずれ演出制御手段(C2−5、例えば、後述するサブCPU206)は、前記特別保留球結果記憶手段C2−4(C2−4、例えば、後述するメインRAM70やワークRAM210)に記憶された複数の前記特別抽選処理の結果が所定の条件を満たすと判別したときに、前記装飾はずれ演出を継続的に実行するか否かを決定することを特徴とする。
このようにしたことで、特別抽選処理の結果、はずれが複数連続しても、直ちに、装飾はずれ演出を継続して実行するわけではないので、一義的でなく、多岐にわたった演出を実行でき、遊技者を飽きさせずに遊技を進めさせることができる。
さらにまた、本発明の実施の形態にパチンコ遊技機10は、
前記装飾はずれ演出制御手段(C2−5、例えば、後述するサブCPU206)は、前記特別抽選処理によって、所定の回数、連続してはずれになったことに基づいて前記装飾はずれ演出を継続的に実行すると決定した後に、前記特別抽選処理によって新たにはずれになったときは、前記所定の回数に応じて、前記装飾はずれ演出を継続させることを特徴とする。
このようにしたことで、新たにはずれにあったときには、過去に決定した装飾はずれ演出に続けて、装飾はずれ演出を実行することができ、演出の整合性をとることができる。
また、本発明の実施の形態にパチンコ遊技機10は、
前記特別保留球に対する前記特別抽選処理の結果が連続してはずれとなったときに、前記特別図柄の変動表示及び停止表示が前記特別図柄表示手段(C1−3、C2−3−1、例えば、後述する特別図柄表示装置33)において複数回にわたって行われている間に、所定の特別はずれ演出を前記特別図柄表示手段(C1−3、C2−3−1、例えば、後述する特別図柄表示装置33)において継続的に実行する特別はずれ演出制御手段(C5−5、例えば、後述するメインCPU66)を有することを特徴とする。
さらに、本発明の実施の形態にパチンコ遊技機10は、
遊技球が転動する遊技領域と前記遊技領域に形成され遊技球の通過を検出するための始動領域(例えば、後述する始動口25)と通過ゲート領域(例えば、後述する通過ゲート54)とを備えた遊技盤14と、
前記始動領域(例えば、後述する始動口25)を遊技球が通過したことを契機にして、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行させるか否かの特別抽選処理を実行する特別抽選手段(C1−2、C2−2、例えば、後述する主制御回路60)と、
前記特別抽選処理の結果に基づいて、特別図柄が、所定期間変動表示された後に、停止表示される特別図柄表示手段(C1−3、C2−3−1、例えば、後述する特別図柄表示装置33)と、
前記特別図柄の変動表示の開始に基づいて、前記特別図柄とは異なる演出用図柄が、変動表示及び停止表示される演出用表示手段(C2−3−2、例えば、後述する液晶表示装置32)と、
前記通過ゲート領域(例えば、後述する通過ゲート54)遊技球が通過したことを契機にして、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行させるか否かの普通抽選処理を実行する普通抽選手段(D1−2、例えば、後述する主制御回路)と、
前記普通抽選処理の結果に基づいて、普通図柄が、所定期間変動表示された後に、停止表示される普通図柄表示手段(D1−3、例えば、後述する普通図柄表示装置35)と、
前記普通図柄が変動表示しているときに前記通過ゲート領域を通過した遊技球を普通保留球として、前記普通保留球に対する前記普通抽選処理の結果を記憶する普通保留球結果記憶手段(D1−4、例えば、後述するメインRAM70)と、
前記普通保留球に対する前記普通抽選処理の結果が連続してはずれとなったときに、前記普通図柄の変動表示及び停止表示が前記普通図柄表示手段において複数回にわたって行われている間に、所定の装飾はずれ演出を前記演出用表示手段において継続的に実行する装飾はずれ演出制御手段(C2−5、例えば、後述するサブCPU206)と、を有することを特徴とする。
このようにしたことで、普通抽選処理の結果が連続してはずれになった場合にも、装飾はずれ演出が継続的に行われるので、通過ゲート領域を通過させる遊技球についても保留させるために、少しでも多くの遊技球を発射すべきことを遊技者に促すことによって、その遊技機における遊技球の消費を増やすことができ、遊技店における遊技球の交換量を増やすことができる。
さらにまた、本発明の実施の形態にパチンコ遊技機10は、
前記普通保留球に対する前記普通抽選処理の結果が連続してはずれとなったときに、前記普通図柄の変動表示及び停止表示が前記普通図柄表示手段において複数回にわたって行われている間に、所定の普通はずれ演出を前記普通図柄表示手段において継続的に実行する普通はずれ演出制御手段(D2−5、例えば、後述するメインCPU66)を有することを特徴とする。
このようにしたことで、普通抽選処理の結果が連続してはずれになった場合には、普通はずれ演出を普通図柄表示手段においても継続的に実行するので、通過ゲート領域を通過させる遊技球についても保留させるために、少しでも多くの遊技球を発射すべきことを遊技者により明確に促すことができる。
また、本発明の実施の形態にパチンコ遊技機10は、
前記はずれ演出制御手段(C1−5、例えば、後述するメインCPU66、サブCPU206)は、前記保留球の数に応じて、前記はずれ演出を継続させる回数を決定することを特徴とする。
「はずれ演出」は、「装飾はずれ演出」や、「特別はずれ演出」や、「普通はずれ演出」があるので、具体的には、
(1)「前記装飾はずれ演出制御手段は、前記特別保留球の数に応じて、前記装飾はずれ演出を継続させる回数を決定する」
(2)「前記特別はずれ演出制御手段は、前記特別保留球の数に応じて、前記特別はずれ演出を継続させる回数を決定する」
(3)「前記普通はずれ演出制御手段は、前記普通保留球の数に応じて、前記普通はずれ演出を継続させる回数を決定する」
ものが好ましい。
このようにすることで、連続してはずれになった程度を遊技者に報知することができるので、遊技球を保留すべき緊急性や重要性を遊技者に報知することができる。
前記検出領域に設けられ、遊技球の通過を検出して検出信号を発する遊技球検出手段(P−6、例えば、後述する通過球センサ114や始動口入賞球センサ117)を有し、
前記抽選手段は、前記遊技球検出手段から検出信号が発せられたことを契機にして、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行するか否かの抽選処理を実行するものが好ましい。
このように、検出信号を発する遊技球検出手段を用いたことで、的確に抽選処理を実行すべきタイミングを決定することができる。
前記大当り抽選処理の結果に基づいて、前記特別図柄表示手段において、前記特別図柄を、所定期間変動表示させた後に、停止表示させるとともに、
前記特別図柄の変動表示の開始に基づいて、前記特別図柄とは異なる演出用図柄を、変動表示及び停止表示させる特別遊技制御手段(P2−7、例えば、後述するメインCPU66)を有するものが好ましい。
このようにすることで、特別遊技制御手段によって、特別図柄の変動表示のタイミングと、演出用図柄の変動表示のタイミングとの調整を的確に図ることができる。
前記遊技球検出手段は、前記検出領域として前記始動領域に設けられ、遊技球の通過を検出して前記検出信号として入賞検出信号を発する遊技球入賞検出手段(P3−8、例えば、後述する始動口入賞球センサ117)を含み、
前記特別遊技制御手段は、
前記特別図柄が変動表示されていないときに、前記遊技球入賞検出手段から入賞検出信号が発せられた場合には、前記特別図柄表示手段において前記特別図柄の変動表示を実行させ、かつ、
前記特別図柄が変動表示されているときに、前記遊技球入賞検出手段から入賞検出信号が発せられた場合には、入賞検出信号が発せられる契機になった遊技球を前記保留球とし、発せられた検出信号に基づく前記特別図柄の変動表示を保留するように前記特別図柄表示手段を制御する特別図柄表示制御手段(P3−9、例えば、後述するメインCPU66)を有するものが好ましい。
このようにしたことで、特別図柄が変動表示されているときであっても、特別図柄の変動表示を保留するので、遊技者によって発射された遊技球を無駄にすることなく、遊技の進行に用いることができる。
前記特別図柄表示制御手段P3−9が、前記特別保留球結果記憶手段C2−4に記憶されている一の特別抽選処理の結果を読み出し、前記一の特別抽選処理の結果に基づいて、前記特別図柄の変動表示を開始するよりも前に、前記装飾はずれ演出制御手段C2−5が、前記一の特別抽選処理の結果を前記特別保留球結果記憶手段C2−4から読み出し、前記一の特別抽選処理の結果に基づいて、所定の装飾はずれ演出を前記演出用表示手段C2−3−2において継続的に実行するものが好ましい。
このようにすることで、一の特別抽選処理の結果を、特別図柄の変動表示に用いるよりも前に先読みするので、装飾はずれ演出に用いることができ、予告演出を可能にすることができる。
前記装飾はずれ演出制御手段C2−5は、前記特別図柄表示制御手段P3−9が、前記特別保留球結果記憶手段C2−4に記憶されている一の特別抽選処理の結果を読み出し、前記一の特別抽選処理の結果に基づいて、前記特別図柄の変動表示を開始するよりも前に、前記装飾はずれ演出制御手段C2−5が、前記一の特別抽選処理の結果を前記特別保留球結果記憶手段C2−4から読み出したときには、前記一の特別抽選処理の結果を事前に読み出したことを示す先読み済み情報を記憶する先読み済み情報記憶手段(P4−10、例えば後述するメインRAM70やワークRAM210)を有するものが好ましい。
このように先読み済み情報記憶手段を有するので、一の特別抽選処理の結果を、既に先読みしたのか、未だに先読みしていないのかを明確に保存するとともに判断することができるため、先読み済み情報を用いることによって、先読みしていない一の特別抽選処理の結果のみを用いて、装飾はずれ演出を的確に決定することができる。
[遊技機の構成]
遊技機について、図2〜図5を用いて説明する。図2は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図、図3はパチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図、図4は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図である。また、図5は電飾ユニット53の説明図である。
図2及び図3に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された前面扉11とから構成されている。そして、前面扉11の上部略半分は、開閉自在に軸着された扉11aが設けられている。そして、図2に示すように、通常の遊技状態では、前面扉11は開口12aを前面から閉鎖し、扉11aも閉鎖された状態で遊技が行われる。また、前面扉11の下方前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26等が配設されている。さらに、上皿20の上面右側の遊技者が操作し易い位置に、操作パネル27が配設されている。
本体枠12の開口12a内部には、画像を表示する表示手段としての液晶表示装置32と遊技盤14とスペーサ31等が配設されている。なお、遊技盤14、スペーサ31、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
本実施形態に係る遊技盤14は、その全部が透光性を有する板形状の樹脂(透光性を有する部材)によって形成されている。この透光性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14は、その正面(前面)側に、発射された遊技球が転動する遊技領域15を有している。この遊技領域15はガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域であり、ガイドレール30の外側には遊技領域外域16が形成されている。なお、遊技領域15には図3に示すように、複数の遊技釘13が打ちこまれている。なお、本実施形態では、遊技釘13は各種の遊技部材の一つに含まれるものとしている。また、図3においては複数の遊技釘13を一部省略して示している。
遊技に関する演出画像を表示する表示手段の一例である液晶表示装置32は、スペーサ31を挟んで遊技盤14の背後に設けられている。なお、本実施形態では、遊技盤14の全部が透光性を有する材料で形成されているが、透光性を有する材料が遊技盤14の一部に用いられていてもよく、その場合、液晶表示装置32は遊技盤14の透光性を有する部材の背後に配置されることになる。
そして、この液晶表示装置32は、液晶ディスプレイパネル等で構成され、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有しており、この表示領域32aは、スペーサ31及び遊技領域15の全部又は一部、あるいは遊技領域外域16の全部又は一部を透して遊技者側から視認可能となっている。なお、表示領域32aに表示される遊技に関する画像とは、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像等の各種の画像を指す。
スペーサ31は、これも前述の透光性を有する部材で形成されているが、液晶表示装置32の視認性を向上させるために、少なくとも遊技盤14の遊技領域15に相当する大きさの孔部31aを形成している。
このように、本実施形態においては、遊技盤14における透光性領域の背後に液晶表示装置32などの表示手段を設けており、例えば、遊技釘13の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくできるため、レイアウトの自由度も更に大きくすることが可能となっている。
遊技盤14の外側となる扉11aの所定位置には、発光表示手段としての装飾ランプ133a,133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。
また、この扉11aには、ガラス板などからなる透光性を有する保護板19が取付けられている。この保護板19は、扉11aが閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。また、保護板19の上方位置には、スピーカ46R,46Lが左右に配設されている。
発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射され、遊技が進められる。
次に、図4及び図5を参照しながら、パチンコ遊技機10の構成についてさらに詳細に説明する。なお、図4を用いたパチンコ遊技機10の概観の以下の説明では、図2及び図3を用いた説明と重複する部分を省略することがある。なお、図4においては遊技釘13を省略している。
図4に示すように、遊技盤14には、2つのガイドレール30(30a及び30b)、第1遊技部材57、第2遊技部材55、通過ゲート54、羽根部材23が付設された始動口25、開閉自在のシャッタ40を備えた大入賞口39、一般入賞口56a,56b,56c,56d、アウト口38が設けられている。
遊技盤14の左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技領域15の上部に移動し、複数の遊技釘13(図3参照)、遊技領域15上に設けられた第1遊技部材57等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技領域15の下方に向かって流下する。そして、遊技領域15に設けられた各種入賞口(始動口25、大入賞口39、一般入賞口56a〜56d等)に入賞しなかった遊技球は、遊技領域15の下端中央に設けられたアウト口38で回収されて遊技盤14の外部に排出される。
第1遊技部材57が、左右端が中央付近よりも下方に位置する傘状に形成されているのに対し、第2遊技部材55は左右端が中央付近よりも僅かに上方に位置して湾曲形成されたステージ状に構成されており、遊技領域15を転動した遊技球の一部は、この第2遊技部材55に一旦受け止められて、第2遊技部材55の中央部に凹状に形成された案内溝55aを通過して、始動口25に向かって流下するようになっている。
始動口25は本実施形態における特定領域を有する入賞口に規定されており、遊技領域15の略中央に設けられた第2遊技部材55の下部かつ大入賞口39の上方に設けられるとともに、ソレノイドなどで駆動する可変部材としての羽根部材23が付設されている。
そして、遊技領域15に設置された第2遊技部材55や遊技釘13との衝突しながら転動した遊技球がこの始動口25へ入賞(つまり、特定領域を通過)すると、後述する特別図柄ゲーム(可変表示ゲーム)及び大当り抽選が開始される。すなわち、始動口25は、特別図柄ゲーム及び大当り抽選の契機となる特定の入賞口である。
上述した始動口25が、「検出領域」に対応する。
また、始動口25の下部に設けられた大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、後に詳述する特別図柄表示装置33(図5)において特別図柄として特定の数字図柄がそれぞれ停止表示され、停止表示態様が、遊技状態が特別遊技である大当り遊技に移行されることを示す態様であった場合に、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39の内部には、カウントセンサ104(図6参照)が設けられ、遊技球を所定個数(例えば10個)検知するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームと呼び、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。本実施形態では、このラウンドゲームを実行する遊技を大当り遊技という。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数されるため、大当り遊技における1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は、所定時間(例えば、1秒)経過後に再度開放状態に駆動される。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまで継続した遊技状態を大当り遊技状態という。大当り遊技状態は、多数の賞球を獲得可能であることから、遊技者にとって極めて有利な遊技状態である。
また、前述した始動口25、一般入賞口56a,56b,56c,56d、大入賞口39における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が遊技球貯留部である上皿20又は下皿22に賞球として払い出される。
また、扉11aの下端部近傍には電飾ユニット53が設けられている。本実施形態に係る電飾ユニット53は、図5に示すように、その中央に配置された表示器ケース37に、始動口25に対応した特別図柄表示装置33を収容している。特別図柄表示装置33は、7セグメントLEDで構成されており、この7セグメントLEDは、始動口25に遊技球が入賞した場合に、特別図柄表示装置33の7セグメントLEDが点灯・消灯することによって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が異なってくるゲームを、本実施形態では「特別図柄ゲーム」という。
表示器ケース37の左右両側には、この表示器ケース37を挟んで始動口25に対応した特別図柄保留ランプ33a〜33dが設けられている。この特別図柄保留ランプ33a〜33dは、特別図柄表示装置33において、既に特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合に、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行を保留する回数(いわゆる、「可変表示ゲームの保留数」)を点灯によって表示するものである。そして、変動表示していた特別図柄が停止表示されると、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
具体的に説明すると、特別図柄保留ランプ33a〜33dは、特別図柄の変動表示の実行が保留された回数に対応して左から順番に点灯され、特別図柄の変動表示が一旦停止表示され、次の保留されていた特別図柄の変動表示が開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、始動口25への遊技球の入賞に対して4回(個)を上限として特別図柄の変動表示は保留される。
また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、前述した始動口25に遊技球が入賞した場合には、本実施形態における可変表示ゲームが特別図柄の変動表示の開始にあわせて、例えば数字などを含む演出用の演出用図柄の変動表示により開始される。また、特別図柄に関する変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の演出用の演出用図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく演出用の演出用図柄の変動表示(つまり、可変表示ゲーム)の実行(開始)は保留される。その後、変動表示していた演出用の演出用図柄が停止表示された場合には、保留されていた演出用の演出用図柄の変動表示が開始される。つまり、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行われる演出用の演出用図柄の変動表示と、特別図柄の変動表示とは同期しており、その変動開始及び変動停止は同じタイミングで行なわれることとなる。
すなわち、本実施形態では、特別図柄及び演出用図柄は、共に識別情報として機能するものであり、特別図柄の変動表示から停止表示までを単位ゲームとした特別図柄ゲームと、特別図柄と同期して行われる演出用図柄の変動表示から停止表示までを単位ゲームとした可変表示ゲームが同時に実行される構成としている。そして、この可変表示ゲームを行う遊技を通常遊技と呼ぶ。
また、遊技領域15の略中央の左側に設けられた通過ゲート54(図4参照)を遊技球が通過すると、特別図柄表示装置33の右側に設けられた普通図柄表示装置35において、普通図柄を示す“○”、“×”等の記号で構成された2つの表示用ランプが、交互に点灯・消灯を繰り返すことによって変動表示される。
上述した通過ゲート54が、「検出領域」に対応する。
さらに、表示器ケース37の下側には、普通図柄保留ランプ35a〜35dが設けられている。この普通図柄保留ランプ35a〜35dは、前述した普通図柄(本実施形態では“○”、“×”等の記号)の変動中に、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、点灯又は消灯によって、保留されている普通図柄の変動表示の実行可能な回数(いわゆる、「普通図柄の保留球数」)を表示する。つまり、普通図柄保留ランプ35a〜35dは、保留された普通図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止表示されると、次の保留されていた普通図柄の変動表示が開始され、それに対応した普通図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として保留される。
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、始動口25の左右の両側に可変部材として設けられた羽根部材(いわゆる「普通電動役物」)23が閉鎖状態から開放状態に変動して、始動口25に遊技球が入りやすくなる。また、羽根部材23を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
以上説明してきたように、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、始動口25へ遊技球が入賞したことを契機として、大当り遊技へ移行するか否かの大当り抽選処理が行なわれるとともに、その抽選結果に基づいて、特別図柄表示装置33において特別図柄の変動表示及び停止表示が行われる。
そして、液晶表示装置32の表示領域32aにおいては、停止表示される特別図柄に対応した複数の演出用図柄が、変動表示された後に所定の組み合わせで停止表示される可変表示ゲームが実行されるとともに、この可変表示ゲームに伴う演出画像(識別情報を含む)などを用いた演出表示等が行われる。そして、抽選結果が当選の場合、通常遊技から大当り遊技に移行するのである。
ここで、本実施形態においては、役物の一例として、大当り遊技時に用いられる大入賞口39の役物が記載されているが、本発明はこれに限定されず、遊技盤上に2つ以上のいかなる数の役物が設けられていてもよい。
なお、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、EL(Electro Luminescence)、プラズマ等、他の形態からなるものであってもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技全般の制御を行うものであり、副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものに位置付けられている。
主制御回路60は、図示するように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、大当り遊技実行手段や大当り抽選手段など、後述する各種の手段として機能することになる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の遊技の進行を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り抽選テーブル(図7参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。
そして、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。なお、シリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
さらに、主制御回路60には、電飾ユニット53(図5参照)の各種表示器、表示ランプを制御する表示器制御回路76を備えている。この表示器制御回路76はメインCPU66からの指示に従い、パチンコ遊技機10の遊技状態に応じて、特別図柄表示装置33、普通図柄表示装置35の変動の制御(例えば、変動の開始及び所定の図柄での表示停止)を行い、さらに、特別図柄保留ランプ33a〜33d、普通図柄保留ランプ35a〜35dの点灯及び消灯の制御を行うものである。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。例えば、図示するように、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106,108,110,112、通過球センサ114、始動口入賞球センサ117、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120が接続されている。
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106,108,110,112は、一般入賞口56a,56b,56c,56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106,108,110,112は、一般入賞口56a,56b,56c,56dの各々へ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、通過ゲート54に設けられている。この通過球センサ114は、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
遊技球検出手段である始動口入賞球センサ117は、始動口25に設けられている。始動口入賞球センサ117は、始動口25に遊技球が入賞したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材23に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、シャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
操作パネルセンサ125は、操作パネル27に接続されており、操作パネル27に設けられている各種操作スイッチ(図6参照)を遊技者が操作したことを検知すると、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行なう払出装置128、遊技球の発射を行なう発射装置130、カードユニット150が接続されている。
また、本実施形態における払出・発射制御回路126は、遊技場で遊技者が購入可能な所定の記憶媒体(磁気カード、ICチップが埋め込まれたコイン等)又は紙幣等の現金をカードユニット150に投入して、遊技者が所定の貸し玉ボタン(図示せず)を操作すると、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に所定金額(例えば、千円単位)の貸し玉をパチンコ遊技機10の上皿20に払い出させる。つまり、遊技球の貸出制御を実行するものである。なお、カードユニット150は、遊技者が投入した記憶媒体や現金等の残り(残度数)があった場合は、遊技者が返却ボタン(図示せず)を操作することにより、残度数が記憶された記憶媒体を遊技者に返却する。
また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御も行なうものである。
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14に順次発射される。
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46R,46Lから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133a,133bの制御等を行なう。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成してもよい。
副制御回路200は、可変表示制御手段、音発生制御手段等の各種制御手段として機能するサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46R,46Lから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ133a,133bの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。そして、副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、主制御回路60から供給される各種コマンド信号に従って、各種演出制御を行う。そして、サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、パチンコ遊技機10の特別図柄の変動表示に関連してサブCPU206により実行される液晶表示装置32の画像表示に伴う複数種類の演出画像データや、大当り遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像データが記憶されており、その他には、演出表示期間を定めた時間テーブル等各種のテーブルも記憶されている。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。ここで、本実施形態におけるリーチとは、変動中の一の演出用図柄が、他の停止表示されている演出用図柄と同一図柄で停止表示されると、前述の大当り遊技に移行する状態を指す。通常、変動中の演出用図柄が停止するまでの間、液晶表示装置32上では、このリーチ状態に応じた特別のリーチ演出表示がなされる。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に伴う複数種類の演出パターンや、大当り遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターン等の演出画像データ等を、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うものである。
音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピーカ46R,46Lから音声を発生させるものである。
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a,133bの発光制御を行うものである。
なお、本実施形態においては、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成しているが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成してもかまわない。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等が記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでもよい。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
[遊技機の動作]
ここで、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技について簡潔に説明する。本実施形態においては、パチンコ遊技機10の遊技は、大別して通常遊技(大当り抽選を行いながら遊技球を消費する遊技であり、大当り遊技に比べて遊技者には相対的に不利な遊技)と大当り遊技(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、いわゆる遊技者にとって有利な遊技)とに分かれる。
さらに、大当り遊技においては、後述の特別図柄制御処理において抽選された、特別図柄表示装置33に停止表示される特定の数字図柄により、15R確変大当り遊技、2R確変大当り遊技(いわゆる「突確」と呼ばれる大当り遊技)又は10R通常大当り遊技の3種類の大当り遊技が決定する。
そして、3種類の大当り遊技(15R確変大当り遊技、2R確変大当り遊技又は10R通常大当り遊技)は、後述の特別図柄記憶チェック処理(図11参照)において、大当り抽選テーブル(図7参照)を参照し、通常遊技の通常モード又は確変モードに応じてそれぞれ異なる抽選確率で抽選される。
このとき、大当り遊技に当選すると、特別図柄表示装置33(図5参照)に停止表示される特別図柄は、15R確変大当り遊技の場合は、例えば、“7”の特別図柄が表示され、2R確変大当り遊技の場合は、例えば、“3”の特別図柄が表示される。また、10R通常大当り遊技の場合は、例えば、“5”の特別図柄が表示される。
さらに、3種類の大当り遊技のいずれか一つに当選した場合に、特別図柄表示装置33(図5参照)に特別図柄が停止表示されるのと同じタイミングで、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、識別情報としての専用の演出用図柄(例えば、数字図柄の三つ揃い)によって、15R確変大当り遊技の場合は、例えば、“777”などの特定の数字の三つ揃いの演出用図柄が表示され、2R確変大当り遊技の場合は、例えば、“333”などの特定の数字の三つ揃いの演出用図柄が表示される。また、10R通常大当り遊技の場合は、例えば、“444”などの特定の数字の三つ揃いの演出用図柄が表示される。
また、3種類の大当り遊技のいずれかが実行されると、3種類の大当り遊技にそれぞれ応じた所定の回数を上限として(2R確変大当り遊技では2回、15R確変大当り遊技では15回、10R通常大当り遊技では10回)、大入賞口39に付設されたシャッタ40(図4参照)が、所定時間(例えば、30秒)の開放を繰り返すラウンドゲームを実行することにより、遊技領域15に発射された遊技球の大入賞口39への入賞が容易となり、遊技者は短時間で大量の賞球を獲得することが可能となる。かかる大当り遊技の獲得(大当り遊技への当選)は、一般の遊技者の最大の目的であり、パチンコ遊技の醍醐味ともいえる。
なお、本実施形態では、当選した大当り遊技の種類に応じて、ラウンドゲームの実行回数を、15ラウンド、10ラウンド、2ラウンドとしているが、ラウンドゲームの実行回数はこれに限定されるものではない。例えば、ラウンド数抽選手段(後述するメインCPU66を含む主制御回路60(図6参照))による抽選処理により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるなど、任意の実行回数であって構わない。
他方、本実施形態における通常遊技は、通常モード(通常低確率遊技状態)、確変モード(特別高確率遊技状態)、時短モード(特別遊技モード)の3種類の遊技モードの下で実行される。ここで、3種類の通常遊技(通常モード、確変モード、時短モード)のモードの移行及びそれぞれの特徴を、以下に簡単に説明する。
通常モードは、パチンコ遊技機10における基本モードであり、パチンコ遊技機10に電源を投入すると、この通常モードから遊技が開始される。なお、この通常モードは、確変モードにおける大当りの抽選確率よりも大当りの抽選確率が低確率に設定される。
確変モードは、通常遊技において、3種類の大当り遊技のうち15R確変大当り遊技又は2R確変大当りに当選すると、当該大当り遊技の終了後に移行する特別高確率遊技状態であり、この確変モードの特徴は、通常モードにおける大当りの抽選確率よりも確変モードにおける大当りの抽選確率の方が相対的に高確率に設定される。具体的に説明すると、本実施形態においては、通常モードにおける大当りの抽選確率は「1/300」であるのに対して、確変モードにおける大当りの抽選確率は「1/30」と10倍の抽選確率が設定(図7、大当り抽選テーブル参照)されている。
つまり、確変モードでは通常モードと比較して、10倍の頻度で大当り遊技が発生することになるので遊技者にとって有利な遊技状態であり、特に、15R確変大当り遊技は、ラウンドゲームが最大15ラウンド継続されることで、遊技者が獲得できる賞球数が最も多いため、遊技者に最も有利な遊技といえる。一方、2R確変大当り遊技は、ラウンドゲームが2ラウンドしかなく、さらに、ラウンドゲームの実行中に開放される大入賞口の開放時間も短時間(例えば、0.3秒)に設定されているため、大当り遊技終了後の通常遊技が確変モードになるとはいえ、遊技者にとっては、15R確変大当り遊技と比べると、好ましい大当り遊技であるとは言えない。つまり、本実施形態における2R確変大当り遊技は、大当り遊技の実行時に遊技者が獲得できる賞球は殆ど期待できないが、当該大当り遊技の終了後に通常遊技が確変モードに設定されるため、いわゆる突然確変(略して、突確)と称される大当り遊技である。
最後に、時短モード(特別遊技モード)は、3種類の大当り遊技のいずれに当選した場合でも、当該大当り遊技の終了後に設定される遊技モードである。この通常遊技における時短モードとは、特別図柄及び普通図柄が変動表示を開始して停止表示されるまでの変動時間が、通常モードよりも短く設定され、さらに、普通図柄の抽選の結果が“当り”の場合(つまり、前述した普通図柄表示装置35(図5参照)において、表示用ランプが“○”で停止表示された場合)、始動口25に付設された羽根部材23の開放時間が通常モードよりも長く設定される。なお、かかる制御を、本実施形態では、「電チューサポート」と呼ぶ場合がある。
このように、「電チューサポート」が実行されると、始動口25に遊技球が入賞し易くなるので、単位時間当りの大当り抽選回数が通常モードに比べて著しく増加し、かつ始動口25への入賞に対する賞球の払い出しも増加するため、遊技球の目減りが少なく(いわゆる「球持ち」がよい状態となる)、遊技者にとって有利な状態といえる。
また、この時短モードは、3種類の大当り遊技に対応して、継続期間が定められる。大当り遊技が10R通常大当り遊技の場合は、当該大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数(例えば、50回又は100回)が継続期間として設定される。一方、大当り遊技が15R確変大当り遊技又は2R確変大当り遊技の場合の継続期間は、当該大当り遊技終了後、実質的に次回の大当り遊技への当選が期待できる特別図柄の変動回数(例えば、10000回)に設定される。
以上説明したように、本実施形態においては、「通常モード」、「確変モード」、「通常モード+時短モード」及び「確変モード+時短モード」の4つの遊技モードの下で通常遊技が行われることになり、パチンコ遊技機10の遊技状態の変化(つまり、3種類の大当り遊技の発生等)に応じて遊技状態が変化してゆくことになる。
以下、上述した遊技状態の変化に合わせてパチンコ遊技機10で実行される基本的な処理を図8〜図19に示す。
[メイン処理]
図8に示すように、最初に、主制御回路60のメインCPU66は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS811)。そして、詳しくは図10を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行と、特別図柄表示装置33への特別図柄の表示と、液晶表示装置32において、始動口25に対応した演出用図柄による演出表示とに関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS812)。そして、詳しくは、図12を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行と、普通図柄表示装置35に表示される普通図柄とに関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS813)。このように、メイン処理においては、ステップS811の初期設定処理が終了した後、ステップS812〜ステップS813の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図9を用いて説明する。
図9に示すように、最初に、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、当り判定用乱数カウンタ、当り図柄決定用乱数カウンタなどの乱数値抽出用に設けられた各種のカウンタの値を、所定の範囲内で、“1”だけ増加させるように乱数更新処理を実行する(ステップS921)。なお、カウンタの値を“1”だけ増したときに、所定の範囲を超えた場合には、カウンタの値を初期値に戻せばよい。
なお、大当り判定用乱数カウンタは、大当り判定用乱数値を抽出するためのカウンタである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、大当り図柄決定用乱数値を抽出するためのカウンタである。当り判定用乱数カウンタは、当り判定用乱数値を抽出するためのカウンタである。当り図柄決定用乱数カウンタは、当り図柄決定用乱数値を抽出するためのカウンタである。
大当り判定用乱数値は、特別図柄ゲームの結果を大当りにするか否かの大当り判定を行うための乱数値であり、大当り図柄決定用乱数値は、停止表示させる特別図柄を決定するための乱数値である。また、当り判定用乱数値は、普通図柄ゲームの結果を当りにするか否かの当り判定を行うための乱数値であり、当り図柄決定用乱数値は、停止表示させる普通図柄を決定するための乱数値である。
そして、メインCPU66は、後述する図14に示す入力検出処理のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS922)。この入力検出処理は、始動口25や通過ゲート54等の検出領域への遊技球の入賞を検知する。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。
さらに、この入力検出処理(ステップS922)において、メインCPU66は、始動口25への遊技球の入賞を検出すると、乱数更新処理(ステップS921)において更新された大当り判定用乱数値を読み出して、最大4個を保留個数の上限として、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ここでメインRAM70の所定の領域に記憶された始動口25への遊技球の入賞と大当り判定用乱数値は、後述の特別図柄記憶チェック処理(図11参照)の大当り抽選処理(ステップS64)において参照される。
後述するように、上述したメインRAM70が、「保留球結果記憶手段」や「特別保留球結果記憶手段」に対応する。また、上述したメインRAM70の所定の領域に記憶される大当り判定用乱数値に対応する遊技球が、「保留球」や「特別保留球」に対応する。
さらにまた、上述したステップS922の入力検出処理では、メインCPU66は、遊技球が通過ゲート54を通過したことを検出したときにも、乱数更新処理(ステップS921)において更新された当り判定用乱数値を読み出して、最大4個を保留個数の上限として、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ここでメインRAM70の所定の領域に記憶された通過ゲート54への遊技球の入賞と当り判定用乱数値は、後述の普通図柄記憶チェック処理(図13参照)の判定処理(ステップS1305)において参照される。
上述したメインRAM70が、「保留球結果記憶手段」や「普通保留球結果記憶手段」に対応する。また、上述したメインRAM70の所定の領域に記憶される大当り判定用乱数値に対応する遊技球が、「保留球」や「普通保留球」に対応する。
ステップS923においては、タイマ更新処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当り遊技が発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する。そして、この処理が終了するとステップS924へ処理を移す。
ステップS924においては出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定の領域に記憶されている各種の出力要求に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給する。すなわち、後述する各処理において、メインCPU66は、各種駆動遊技部材(パチンコ遊技機10の遊技領域15に配設されており、なおかつ遊技状態に応じて、その形態を変化させる遊技部材)に対する信号出力要求がメインRAM70の所定領域に記憶された場合は、それに応じた信号を出力する。例えば、始動口25に付設されている羽根部材23を開放又は閉鎖するための普通電動役物ソレノイド118、大入賞口39に付設されているシャッタ40を開放又は閉鎖するための大入賞口ソレノイド120などの各ソレノイドの駆動要求があった場合、制御信号を出力して、各種駆動遊技部材を駆動させる処理を行なう。
さらに、この出力処理において、メインCPU66は、電飾ユニット53(図5参照)に設置されている各種表示器類(始動口25に対応した特別図柄表示装置33、普通図柄表示装置35、始動口25に対応した特別図柄保留ランプ33a〜33d、普通図柄保留ランプ35a〜35d)のそれぞれに対応した図柄の変動要求又は停止要求、或いはランプの点灯要求又は消灯要求がメインRAM70の所定の領域に記憶されていた場合は、それに対応した電飾ユニット53(図5参照)に設置されている各種表示器類の、図柄の変動又は停止、或いはランプの点灯又は消灯を制御する。そして、この処理が終了した場合には、ステップS925に処理を移す。
ステップS925においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンド信号を副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンド信号としては、例えば、液晶表示装置32に導出表示されるデモ表示コマンドや、始動口25に対応した演出用図柄の種類を指定する導出図柄指定コマンド等が含まれる。さらに、各種のコマンド信号には、このようなコマンドのみならず、大当り判定用乱数値を示す大当り判定用乱数値情報や当り判定用乱数値を示す当り判定用乱数値情報等の情報も含まれる。
ステップS926の処理において、メインCPU66は、賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理では、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを契機として、予め定められた数の賞球払出を行うための賞球制御コマンド信号を払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了すると本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
ここで、本実施形態においては、上述した乱数更新処理(ステップS921)(抽選処理や特別抽選処理)においては、所定の範囲(例えば1〜65535)内でカウンタ処理をしてカウンタの値を順次更新しつつ、始動口25へ遊技球が入賞したタイミングで、カウンタの値を抽出し、このカウンタの値を大当り抽選にかかる乱数値(大当り判定用乱数値や大当り図柄決定用乱数値)として用いている。しかし、これらの大当り判定用乱数値や大当り図柄決定用乱数値の取得手段は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、専用の乱数発生器等を主制御回路60に備え、そこで所定の範囲(例えば1〜65535)内でランダムに順次更新される値を、始動口25へ遊技球が入賞したタイミングで読み出し、これを大当り抽選にかかる乱数値(大当り判定用乱数値や大当り図柄決定用乱数値)として用いるようにしてもよい。
また、同様に、上述した乱数更新処理(ステップS921)(抽選処理や普通抽選処理)においては、所定の範囲(例えば1〜65535)内でカウンタ処理をしてカウンタの値を順次更新しつつ、通過ゲート54を遊技球が通過したタイミングで、カウンタの値を抽出し、このカウンタの値を当り抽選にかかる乱数値(当り判定用乱数値や当り図柄決定用乱数値)として用いている。しかし、これらの当り判定用乱数値や当り図柄決定用乱数値の取得手段は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、専用の乱数発生器等を主制御回路60に備え、そこで所定の範囲(例えば1〜65535)内でランダムに順次更新される値を、通過ゲート54を遊技球が通過したタイミングで読み出し、これを当り抽選にかかる乱数値(当り判定用乱数値や当り図柄決定用乱数値)として用いるようにしてもよい。
[特別図柄制御処理]
図8のステップS812において実行される特別図柄制御処理について、図10を用いて説明する。
最初に、ステップS1001の処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを読み出しステップS1002に処理を移す。
なお、この特別図柄制御フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、本サブルーチンが呼び出される度に、特別図柄制御フラグの数値に対応する一つのステップを実行することによって、特別図柄ゲームの進行を制御することができる。すなわち、メインCPU66は、後述するように、特別図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断して、特別図柄ゲームの進行を制御する。さらに、メインCPU66は、特別図柄制御フラグのみならず、各ステップに対して待ち時間を設定しておき、設定された待ち時間によって決定される所定のタイミングに応じて、以下に示す各ステップの処理を実行するようにしてもよい。すなわち、特別図柄制御フラグの数値と、予め設定された待ち時間とに応じて、処理すべき一つのステップを実行するようにすることによって、各ステップにおける各種の処理を、所望するタイミングで実行することができる。
ステップS1002においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(00)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS1004に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(00)の場合には、ステップS1003へ処理を移し、後述する図11に示す特別図柄記憶チェック処理のサブルーチンを呼び出して実行する。ステップS1003では、メインCPU66は、特別図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、“大当り”の抽選、特別図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。なお、この特別図柄記憶チェック処理については、後で詳述する。
ステップS1004においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(01)でない場合には、ステップS1010に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理を行う。すなわち、ステップS1005において、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS1006へ処理を移す。
ステップS1006においては、メインCPU66は、後述する図28に示す特別図柄停止処理のサブルーチンを呼び出して実行する。後述するように、この特別図柄停止処理では、メインCPU66は、変動表示中の特別図柄の変動停止要求をセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、この処理でメインRAM70の所定の領域に記憶された特別図柄の変動停止要求は、上述したシステムタイマ割込処理の出力処理(図9のステップS924)において電飾ユニット53(図5参照)へ出力され、始動口25に対応して変動表示中の特別図柄の変動表示が停止されて、停止表示される。この処理が終了するとステップS1007へ処理を移す。
そして、メインCPU66は、ステップS1007において特別図柄が大当りか否かを判断し、大当りでなければステップS1009に処理を移す。一方、大当りであった場合は、ステップS1008の大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして本サブルーチンを終了する。
ステップS1009においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
ステップS1010においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(02)でない場合には、ステップS1013に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、まず、メインCPU66は、ステップS1011で大入賞口開放待ちタイマがタイムアップ(つまり“0”)かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS1012で大入賞口開放処理を行う。この大入賞口開放処理では、メインCPU66は、まず、大入賞口39の開放をセット(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の開放指示を記憶する)し、次に大入賞口開放タイマに大入賞口39の開放時間(例えば、2R確変大当り遊技の場合は0.3秒、10R通常大当り遊技又は15R確変大当り遊技の場合は30秒)をセットする。そして、特別図柄制御フラグに大入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
ステップS1013においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(03)でない場合には、ステップS1019に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(03)の場合には、大入賞口開放監視処理を行う。大入賞口開放監視処理では、まずメインCPU66は、ステップS1014で大入賞口開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したか、又は、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞したか否かを判断する。そして大入賞口開放タイマのタイムアップ、同時に、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞していなければ処理を終了する。そして入賞口開放タイマのタイムアップ、又は、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞のいずれか一方の条件を満たしたことで、ステップS1015へ処理を移行する。
ステップS1015においては、メインCPU66は、大入賞口閉鎖処理(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の閉鎖指示を記憶する)を実行してステップS1016へ処理を移す。
ステップS1016においては、メインCPU66は、大入賞口開放回数(いわゆるラウンド数)をカウントし、規定回数(たとえば、10R通常大当り遊技では10回、15R確変大当り遊技では15回、2R確変大当り遊技では2回)に達したか否かを判断し、規定回数に達した場合はステップS1018で特別図柄制御フラグに大当り終了処理を要求する値(04)をセットし処理を終了する。また、メインCPU66は、大入賞口開放回数が規定回数に達していなかった場合は、ステップS1017において、メインCPU66は、大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、特別図柄制御フラグに、再度、大入賞口39の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS1019においては、メインCPU66は、大当り終了処理を行う。大当り終了処理では、たとえば、大当り図柄が15R確変大当り又は2R確変大当りの場合は、通常遊技を「確変モード+時短モード」とするとともに、時短モードの継続期間として、所定の特別図柄の変動回数(例えば、10000回)を、メインRAM70の所定の領域に記憶する。一方、大当り図柄が10R通常大当りの場合には、通常遊技を「通常モード+時短モード」とするとともに、所定の特別図柄の変動回数(例えば、100回)を、メインRAM70の所定の領域に記憶する。
そして、最後にメインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して特別図柄制御処理を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図11は、上述した図10のステップS1003において呼び出されて実行される特別図柄記憶チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、図15に示すように、特別図柄制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS1101)、特別図柄制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS1102に処理を移し、特別図柄制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS1102においては、特別図柄記憶領域データが記憶されているか否かの判断を行い、特別図柄記憶領域データが記憶されていると判別した場合には、ステップS1103に処理を移し、特別図柄記憶領域データが記憶されていないと判別した場合には、ステップS1104に処理を移す。
ステップS1103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行う旨のデータをメインRAM70の所定領域にセットする。このようにセットされたデモ表示を行う旨のデータは、特別図柄表示装置33に供給され、特別図柄表示装置33においてデモ表示が行われ、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1104においては、特別図柄制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を特別図柄制御状態フラグに記憶する。
次に、後述する図20に示す特別図柄保留球テーブル処理のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS1105)。この特別図柄保留球テーブル処理では、特別図柄保留球テーブルの1番目に記憶されている大当り判定用乱数値を読み出すとともに、特別図柄保留球テーブルを更新する処理を行う。この特別図柄保留球テーブル処理については、後で詳述する。
次いで、大当り判断処理を実行する(ステップS1106)。このステップS1106の処理では、メインCPU66は、ステップS1105の処理で特別図柄保留球テーブルから読み出した大当り判定用乱数値を用いて、図7に示した大当り抽選テーブル(特別図柄テーブル)を参照する。メインCPU66は、大当り判定用乱数値を用いて、この大当り抽選テーブルを参照することによって、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行う。
このステップS1106の大当り判断処理について、以下に詳述する。
まず、メインCPU66は、パチンコ遊技機10の現在の遊技モード(通常モード、確変モード)に基づいて、大当りの抽選値が異なる複数の大当り抽選テーブル(図7参照)から1つの大当り抽選テーブルを選択する。次いで、ステップS1105の処理で特別図柄保留球テーブルから読み出した大当り判定用乱数値を用いて、選択した大当り抽選テーブルを参照することによって、大当り判定用乱数値を判定する処理(大当り判定処理)をする。この大当り判定処理によって、例えば、15R確変大当り遊技、2R確変大当り遊技、10R通常大当り遊技、又は“はずれ”のうちのいずれかを決定する。
本実施形態に係る大当り抽選テーブルは、図7に示したように、例えば、通常モードにおける大当り抽選テーブルと確変モードにおける大当り抽選テーブルでは、乱数値を1〜65535に設定した中で、大当りの抽選値は、通常モードでは「535/65535」に設定されているのに対し、確変モードでは「1535/30000」と設定されている。
すなわち、大当り遊技に当選する確率は、遊技モード(通常モードと確変モード)によって、大当り遊技に移行する確率が異なっており、通常遊技が確変モードの下で行われている場合には、大当り遊技に移行する確率は、通常モードよりも向上することとなるので、確変モードは、遊技者にとって極めて有利な状態となる。
後述する図15のステップS1505の乱数値抽出の処理と、上述したステップS1106の大当り判定処理とによって、抽選処理(特別抽選処理)が構成される。このような処理をすることによって、メインCPU66は、始動口25への遊技球の入球(通過、入賞)を検知したことを契機にして、抽選処理(特別抽選処理)を行い、その抽選処理の結果に基づいて、通常遊技状態(一般遊技状態)から大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させるか否かを決定することができる。
上述したステップS1106の処理が終了したときには、ステップS1107に処理を移す。
ステップS1107においては、ステップS1106の処理の結果、すなわち、大当り判定用乱数値を判定する処理(大当り判定処理)の結果が大当りであるか否かの判断を行う。この処理は、メインCPU66は、ステップS1106の判定の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断する。メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、ステップS1108に処理を移し、大当りであるとは判別しなかった場合には、ステップS1109に処理を移す。
ステップS1108において、メインCPU66は、上述した図9のステップS921の処理によって決定された大当り図柄決定用乱数値を参照して、特別図柄を大当り図柄(例えば、“7”など)として決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する大当り図柄の決定を行う。
例えば、「15R確変大当り遊技」に対しては、特別図柄は“7”が決定され、「2R確変大当り遊技」に対しては、特別図柄は“3”、「10R通常大当り遊技」に対しては、特別図柄は“5”というように、それぞれの大当りに対応して、大当り図柄としての特別図柄が決定される。そして、決定された特別図柄は、メインRAM70の所定の領域に記憶される。これによって、電飾ユニット53(図5参照)に設置されている始動口25に対応した特別図柄表示装置33において、大当りに対応した特別図柄が導出表示される。この処理が終了した場合には、ステップS1110に処理を移す。
一方、ステップS1109においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄(例えば“7”、“3”、“5”以外の数字)を、特別図柄に決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶するこのように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が導出表示される。この処理が終了した場合には、ステップS1110に処理を移す。
次に、後述する図22の特別はずれ演出処理のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS1110)。この特別はずれ演出処理は、特別図柄を用いて行う演出であり、上述した特別抽選処理の結果が連続してはずれになったときに、特別はずれ演出を実行するための処理である。この特別はずれ演出処理については、後で詳述する。
ステップS1111においては、特別図柄の変動パターン決定処理を実行する。このステップS1111の処理では、以下のような処理が行われる。
まず、メインCPU66は、所定の範囲(例えば1〜65535)内でカウンタ処理をしてカウンタの値を順次更新しつつ、所定のタイミングで、カウンタの値を抽出し、このカウンタの値を演出条件選択用乱数値とする。
次に、メインCPU66は、ステップS1108及びステップS1109により決定された特別図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。なお、ステップS1110の処理によって、特別はずれ演出を実行すると決定されたときには、メインCPU66は、ステップS1108及びステップS1109により決定された特別図柄と、特別はずれ演出を実行することとの双方に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。この場合には、変動パターン振分テーブルは、特別はずれ演出を実行するための変動パターンが含まれたものが選択される。
さらに、メインCPU66は、抽出した演出条件選択用乱数値と、選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。次いで、メインCPU66は、決定された変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定する。このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示される。また、特別はずれ演出を実行するときには、特別はずれ演出を実行するための変動パターンで特別図柄は変動表示される。
なお、特別はずれ演出を実行するための変動パターンは、例えば、通常、表示されない文字や記号を特別図柄として表示したり、特定の特別図柄が自転するように変動表示させたり、特定の特別図柄が点滅するように、変動表示させたり、特定の特別図柄が、他の特別図柄とは異なる色で表示されて変動表示させたりするようなパターンである。このような変動パターンで特別図柄を変動表示することで、特別はずれ演出を実行することができ、特別はずれ演出が実行されていることを遊技者に示すことができる。
このステップS1111の処理が終了した場合には、ステップS1112に処理を移す。
ステップS1112においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS1111の処理により決定された変動パターンによる特別図柄の変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶させる。
このステップS1112の処理によって、待ち時間タイマにセットされた変動時間にあわせて、始動口25に対応した特別図柄表示装置33において特別図柄の変動表示が行なわれ、所定時間経過後(待ち時間タイマがタイムアップした後)、ステップS1108又はステップS1109で決定された“大当り図柄”又は“はずれ図柄”が、特別図柄として停止表示(導出表示)される。
次いで、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS1113)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
なお、上述したステップS72処理で、メインRAM70の所定の領域に記憶された液晶表示装置32に演出表示される演出用図柄(識別情報や装飾図柄)や、その演出時間は、システムタイマ割込処理(図9参照)のコマンド出力処理(ステップS925)によって、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、始動口25に対応した演出用図柄が液晶表示装置32に導出表示されるとともに、演出用図柄の変動時間も決定される。つまり、始動口25に対応した特別図柄表示装置33で導出表示される特別図柄の変動時間と、液晶表示装置32に導出表示される演出用図柄の変動時間は、同期して行われることとなる。
[普通図柄制御処理]
図8のステップS813において実行されるサブルーチンについて図12を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS1201において、普通図柄制御状態フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS1202に処理を移す。
なお、この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、本サブルーチンが呼び出される度に、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する一つのステップを実行することによって、普通図柄ゲームの進行を制御することができる。すなわち、メインCPU66は、後述するように、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断して、普通図柄ゲームの進行を制御する。さらに、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグのみならず、各ステップに対して待ち時間を設定しておき、設定された待ち時間によって決定される所定のタイミングに応じて、以下に示す各ステップの処理を実行するようにしてもよい。すなわち、普通図柄制御状態フラグの数値と、予め設定された待ち時間とに応じて、処理すべき一つのステップを実行するようにすることによって、各ステップにおける各種の処理を、所望するタイミングで実行することができる。
ステップS1202においては、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック要求を示す値(00)であるか否か判断し、普通図柄制御状態フラグが(00)でない場合はステップS1204へ処理を移す。また、普通図柄制御状態フラグが(00)の場合は、後述する図13に示す普通図柄記憶チェック処理のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS1203)。ステップS1203では、メインCPU66は、普通図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、普通図柄の当り判定、普通図柄の変動開始、普通図柄の変動タイマのセット等を行い、普通図柄制御状態フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。なお、この普通図柄記憶チェック処理については、後で詳述する。
ステップS1204においては、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが(01)であるか否かを判断し、普通図柄制御状態フラグが(01)でない場合は、ステップS1207へ処理を移す。また、普通図柄制御状態フラグが(01)である場合は、ステップS1205において、普通図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断し、タイムアップしていなかった場合は処理を終了する。一方、普通図柄変動タイマがタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS1206へ処理を移す。
ステップS1206においては、メインCPU66は、後述する図34に示す普通図柄停止処理のサブルーチンを呼び出して実行する。後述するように、この普通図柄停止処理では、メインCPU66は、変動表示中の普通図柄の変動停止要求をセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これにより、普通図柄の変動表示を停止して、普通図柄表示装置35において、後述する図13に示す普通図柄記憶チェック処理で判定された、普通図柄の“当り”又は“はずれ”の判定結果が表示されて、普通図柄が停止表示されることになる。この処理が終了すると、メインRAM70の所定の領域に記憶されている普通図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。そして、普通図柄制御状態フラグに(02)をセットして処理を終了する。
ステップS1207においては、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが(02)であるか否かを判断し、普通図柄制御状態フラグが(02)でない場合は、ステップS1212へ処理を移す。また、普通図柄制御状態フラグが(02)であった場合は、ステップS1208へ処理を移し、普通図柄が当りか否かを判断する。そして、メインCPU66は、普通図柄が当りであると判断した場合は、ステップS1209の普通電動役物開放処理に処理を移す。一方、メインCPU66は、普通図柄が当りではないと判断すると、ステップS1211において、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェックを要求する値(00)をセットして処理を終了する。
ステップS1209における普通電動役物開放処理では、メインCPU66は、普通電動役物である羽根部材23の開放処理(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の開放を記憶する)を行う。さらに遊技台の遊技状態に合わせて、普通電動役物(羽根部材23)の開放時間(例えば、遊技モードが時短モードの場合は3秒、確変モード又は通常モードの場合は0.2秒)を普通電動役物開放タイマにセットし、普通図柄制御状態フラグに(03)をセットして(ステップS1210)、処理を終了する。
ステップS1212においては、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが(03)であるか否かを判断し、普通図柄制御状態フラグが(03)でない場合は、ステップS1215へ処理を移す。また、普通図柄制御状態フラグが(03)であった場合は、ステップS1213へ処理を移し、普通電動役物開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断する。そして、普通電動役物開放タイマがタイムアップしていない場合は処理を終了する。一方、普通電動役物開放タイマがタイムアップしたと判断した場合は、ステップS1214の普通電動役物閉鎖処理において、普通電動役物である羽根部材23を閉鎖状態(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の閉鎖を記憶する)にさせる。そして普通図柄制御状態フラグに(04)をセットして処理を終了する。
このように処理することによって、普通電動役物である羽根部材23を、所定時間、開放状態にした後、閉鎖状態に戻すことできる。
ステップS1215においては、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグをクリア(つまり普通図柄の記憶チェックを要求する値“00”をセット)して処理を終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図13は、図12のステップS1203において呼び出されて実行される普通図柄記憶チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS1301)、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS1302に処理を移し、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS1302においては、メインCPU66は、普通図柄に関する保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、普通図柄に関する保留個数が“0”であると判別した場合には、普通図柄デモ表示処理を実行する(ステップS1303)。この処理において、メインCPU66は、普通図柄デモ表示を行わせるために普通図柄表示装置35に普通図柄デモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、普通図柄表示装置35において、普通図柄デモ演出が実行されることとなる。また、メインCPU66は、この普通図柄デモ表示コマンドを副制御回路200に供給することによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。尚、この普通図柄に関する保留個数は、通過ゲート54を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば“4”)を上限として“1”増加され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算される。一方、メインCPU66は、普通図柄に関する保留個数が“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS514に処理を移す。
次に、後述する図29に示す普通図柄保留球テーブル処理のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS1304)。この普通図柄保留球テーブル処理では、普通図柄保留球テーブルの1番目に記憶されている当り判定用乱数値を読み出すとともに、普通図柄保留球テーブルを更新する処理を行う。この普通図柄保留球テーブル処理については、後で詳述する。
次いで、当り判断処理を実行する(ステップS1305)。このステップS1305の処理では、メインCPU66は、ステップS1304の処理で普通図柄保留球テーブルから読み出した当り判定用乱数値を用いて、当り抽選テーブル(図示せず)を参照する。メインCPU66は、当り判定用乱数値を用いて、この当り抽選テーブルを参照することによって、遊技者に有利になる当り遊技状態とするか否かの判定を行う。
このステップS1305の当り判断処理について、以下に詳述する。
まず、メインCPU66は、パチンコ遊技機10の現在の遊技モード(例えば、通常モード、確変モード)に基づいて、当りの抽選値が異なる複数の当り抽選テーブル(図示せず)から1つの当り抽選テーブルを選択する。次いで、ステップS1304の処理で普通図柄保留球テーブルから読み出した当り判定用乱数値を用いて、選択した当り抽選テーブルを参照することによって、当り判定用乱数値を判定する処理(当り判定処理)をする。この判定処理によって、”当り遊技”又は“はずれ”のうちのいずれかを決定する。
後述する図16のステップS1603の乱数値抽出の処理と、上述したステップS1305の当り判定処理とによって、抽選処理(普通抽選処理)が構成される。このような処理をすることによって、メインCPU66は、通過ゲート54への遊技球の通過(入球、入賞)を検知したことを契機にして、抽選処理(普通抽選処理)を行い、その抽選処理の結果に基づいて、羽根部材23の開放状態又は閉鎖状態を決定することができる。
ステップS1306において、メインCPU66は、上述した図9のステップS921の処理によって決定された当り図柄決定用乱数値を参照して、当り図柄(例えば、“7”など)又ははずれ図柄(例えば“7”など以外の数字)を、普通図柄として決定し、その普通図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶するこのように記憶された普通図柄を示すデータは、普通図柄表示装置35に供給される。これによって、普通図柄表示装置35に、普通図柄が導出表示される。この処理が終了した場合には、ステップS1307に処理を移す。
次に、後述する図31に示す普通はずれ演出のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS1307)。この普通はずれ演出処理は、普通図柄を用いて行う演出であり、上述した普通抽選処理によって、連続してはずれになったときには、この普通はずれ演出のサブルーチンによって、継続して普通はずれ演出が実行される。この普通はずれ演出処理については、後で詳述する。
ステップS1308においては、普通図柄の変動パターン決定処理を実行する。このステップS1308の処理では、以下のような処理が行われる。
まず、メインCPU66は、所定の範囲(例えば1〜65535)内でカウンタ処理をしてカウンタの値を順次更新しつつ、所定のタイミングで、カウンタの値を抽出し、このカウンタの値を演出条件選択用乱数値とする。
次に、メインCPU66は、ステップS1306により決定された普通図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。なお、ステップS1307の処理によって、普通はずれ演出を実行すると決定されたときには、メインCPU66は、ステップS1306により決定された普通図柄と、普通はずれ演出を実行することとの双方に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。この場合には、変動パターン振分テーブルは、普通はずれ演出を実行するための変動パターンが含まれたものが選択される。
さらに、メインCPU66は、抽出した演出条件選択用乱数値と、選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。次いで、メインCPU66は、決定された変動パターンを示すデータに基づいて、普通図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定する。このように記憶された変動パターンを示すデータは、普通図柄表示装置35に供給される。これによって、普通図柄表示装置35に、普通図柄が決定した変動パターンで変動表示される。また、普通はずれ演出を実行するときには、普通はずれ演出を実行するための変動パターンで普通図柄は変動表示される。
なお、普通はずれ演出を実行するための変動パターンは、例えば、通常、表示されない文字や記号を普通図柄として表示したり、特定の普通図柄が自転するように変動表示させたり、特定の普通図柄が点滅するように、変動表示させたり、特定の普通図柄が、他の普通図柄とは異なる色で表示されて変動表示させたりするようなパターンである。このような変動パターンで普通図柄を変動表示することで、普通はずれ演出を実行することができ、普通はずれ演出が実行されていることを遊技者に示すことができる。
本実施の形態では、上述したように、普通図柄表示装置35は、普通図柄を示す“○”、“×”等の記号を示す2つの表示用ランプによって構成されている。このような普通図柄表示装置35で、普通はずれ演出を実行するための変動パターンは、2つの表示用ランプの点滅の態様を通常とは異なるものにしたり、2つの表示用ランプの点滅や点灯の発光色を通常とは異なるものにしたりすることができる。
このステップS1308の処理が終了した場合には、ステップS1309に処理を移す。
ステップS1309においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS1308の処理により決定された変動パターンによる普通図柄の変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。
このステップS1309の処理によって、待ち時間タイマにセットされた変動時間にあわせて、普通図柄表示装置35において普通図柄の変動表示が行なわれ、所定時間経過後(待ち時間タイマがタイムアップした後)、ステップS1306で決定された“当り図柄”又は“はずれ図柄”が、普通図柄として停止表示(導出表示)される。
次に、普通図制御状態フラグとして普通図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄変動時間管理を示す値を普通図柄制御状態フラグに記憶する。
次いで、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS1311)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[入力検出処理]
図14は、上述した図9のステップS22で呼び出されて実行される入力検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU66は、賞球関連スイッチチェック処理を実行する(ステップS1401)。この処理において、メインCPU66は、賞球に関連するスイッチである各種のセンサより、所定の検知信号が供給されているかを検出する。そして、これら所定の信号の検出処理を行ったメインCPU66は、信号を供給したセンサに応じて、賞球の数を決定し、メインRAM70に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS1402に処理を移す。
ステップS1402においては、特別図柄関連スイッチ入力処理を実行する。詳しくは図15を用いて後述するが、特別図柄に関連する始動口入賞球センサ117等は、所定の検知信号をメインCPU66に供給する。これら所定の信号を受け取ったメインCPU66は、後述するような特別図柄等に関する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1403に処理を移す。
ステップS1403においては、普通図柄関連スイッチ入力処理を実行する。詳しくは図16を用いて後述するが、通過球センサ114等は、所定の検知信号をメインCPU66に供給する。これら所定の信号を受け取ったメインCPU66は、普通図柄等に関する処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチ入力処理]
図15は、上述した図14のステップS1402の処理で呼び出されて実行される特別図柄関連スイッチ入力処理のサブルーチン示すフローチャートである。
最初に、カウントスイッチ入力があるか否かの判断を行う(ステップS1501)。この処理において、メインCPU66は、各種のセンサから供給される所定の信号に応じて、スイッチ入力があると判別した場合には、その入力に対応するカウントスイッチ検出時処理を実行し(ステップS1502)、ステップS1503に処理を移す。一方、メインCPU66は、カウントスイッチ入力があると判別しなかった場合には、ステップS1502を実行することなく、ステップS1503に処理を移す。
ステップS1503においては、特別図柄始動口スイッチ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、始動口入賞球センサ117から発せられる所定の信号を受け取ることにより、特別図柄始動口スイッチ入力があるか否かを判断する。メインCPU66は、特別図柄始動口スイッチ入力があると判別した場合には、変数c_sp_reserve_maxの値が4以上であるか否かを判断する(ステップS1504)。この変数c_sp_reserve_maxは、始動口25への遊技球(特別保留球)の入賞に基づく保留個数を示す変数である。この保留個数に関しては後述する。
上述したステップS1504の判断処理で、変数c_sp_reserve_maxの値が4以上であると判別したときには、後述するステップS1510に処理を移す。
一方、ステップS1504の判断処理で、変数c_sp_reserve_maxの値が4以上でないと判別したときには、大当り判定用乱数カウンタの値から大当り判定用乱数値を抽出し、大当り図柄決定用乱数カウンタの値から、大当り図柄決定用乱数値を抽出する(ステップS1505)。次いで、ステップS1505の処理で抽出した大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを、メインRAM70の所定の領域に記憶させる(ステップS1506)。具体的には、メインRAM70の所定の領域に形成された特別図柄保留球テーブル(図21参照)の記憶領域に、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを記憶させる。この特別図柄保留球テーブルは、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを一時的に記憶するためのテーブルである。
上述したように、始動口25に遊技球が入賞したことを契機にして、すなわち、始動口入賞球センサ117から発せられたことを契機にして、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが抽出される。これらの大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とは、メインRAM70の所定の領域に形成された特別図柄保留球テーブルに記憶される。上述したように、特別図柄保留球テーブルは、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを一時的に記憶するためのテーブルである。後述するように、1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値とを組にしたものは、所定の条件を満たしたときに、特別図柄保留球テーブルから読み出され(図20に示すステップS2012)、その後、その1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値とは、特別図柄保留球テーブルからクリアされる(図20に示すステップS2014)。
特別図柄保留球テーブルは、1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値との組を、最大4組まで記憶させることができる。上述したように、ステップS1506の処理によって、1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値との組を、特別図柄保留球テーブルに記憶させ、図20に示すステップS2012によって、読み出した1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値とを、特別図柄保留球テーブルからクリアする。このように、特別図柄保留球テーブルは、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを、特別図柄の変動表示と停止表示との制御に用いるために読み出すまでの間、一時的に記憶する、すなわち、保留するためのものである。大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との一時的な記憶を「保留」と称する。
このように、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との一時的な記憶である「保留」の契機となった遊技球、すなわち、始動口25に遊技球が入賞して大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった遊技球が、「保留球」や「特別保留球」と称する。また、このメインRAM70や、メインRAM70の所定の領域に形成された特別図柄保留球テーブルが、「特別保留球結果記憶手段」に対応する。
上述したように、特別図柄保留球テーブルには、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが一時的に記憶される、すなわち、「保留」される。また、特別図柄保留球テーブルは、1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値との組を、最大4組まで記憶(保留)させることができる。このように、特別図柄保留球テーブルに記憶させた1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値との組の数を、その時点における「保留数」と称し、この保留数が、上述した変数c_sp_reserve_maxの値である。また、このように「保留数」と変数c_sp_reserve_maxとを定めたことにより、「保留数」や変数c_sp_reserve_maxの値は、始動口25に遊技球が入賞することによって、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった遊技球の数、すなわち、「保留球」の数や「特別保留球」の数をも意味する。
したがって、例えば、変数c_sp_reserve_maxの値は1であるときには、特別図柄保留球テーブルには、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが1組だけ記憶されている状態であるとともに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で1個だけであることを意味する。また、変数c_sp_reserve_maxの値は2であるときには、特別図柄保留球テーブルには、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが2組、記憶されている状態であるとともに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で2個であることを意味する。さらに、変数c_sp_reserve_maxの値は3であるときには、特別図柄保留球テーブルには、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが3組、記憶されている状態であるとともに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で3個であることを意味する。さらにまた、変数c_sp_reserve_maxの値は4であるときには、特別図柄保留球テーブルには、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが4組、記憶されている状態であるとともに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で4個であることを意味する。
上述した図11のS1106の大当り判定処理と、上述したステップS1505の乱数値抽出の処理とが、「抽選処理」や「特別抽選処理」に対応する。また、大当り判定用乱数値が、「抽選処理の結果」や「特別抽選処理の結果」に対応する。
特別図柄保留球テーブルの1つの例を図21(a)〜(c)に示す。なお、例えば、上述したステップS1506が実行される前には、図21(a)に示す特別図柄保留球テーブルになっていたとする。すなわち、3つの大当り抽選用乱数値(大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値)が、特別図柄保留球テーブルに既に記憶されている状態であり、変数c_sp_reserve_maxの値が3になっている状態である。具体的には、1番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値として「123」が記憶され、大当り図柄決定用乱数値として「6」が記憶されている。また、2番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値として「38824」が記憶され、大当り図柄決定用乱数値として「4」が記憶されている。さらに、3番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値として「51245」が記憶され、大当り図柄決定用乱数値として「8」が記憶されている。
このような状態の後に、上述したステップS1506の処理が実行されることによって、図21(b)に示すように、4番目の記憶領域に、抽出された大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが、新たに記憶される。すなわち、大当り判定用乱数値として「9502」が記憶され、大当り図柄決定用乱数値として「3」が、新たに記憶される。
上述したステップS1506の処理を実行した後、先読みフラグを示す記憶領域に1を記憶させる(ステップS1507)。図21(a)〜(c)に示した特別図柄保留球テーブルの表の右端に示すように、特別図柄保留球テーブルには、「FLG」という記憶領域も形成されている。このFLGは、先読みフラグの値を記憶させるための記憶領域である。特別図柄ゲームの当り又ははずれを決定するための処理とは別に、後述する特別はずれ演出を実行するために、特別図柄保留球テーブルに記憶されている大当り判定用乱数値を予め読み出す処理をする。この先読みフラグは、特別はずれ演出を実行するために、図20ステップS2012の処理による大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値と読み出しよりも前に、大当り判定用乱数値を予め読み出した(先読みした)か否かを示すフラグである。この先読みフラグの値は、大当り判定用乱数値を未だ先読みしていないときには、先読みフラグの値は1であり、大当り判定用乱数値を既に先読みしたときには、先読みフラグの値は0である。
ステップS1507の処理を実行した後、変数c_sp_reserve_maxの値を1だけ増やす(ステップS1508)。上述したように、ステップS1506の処理によって、特別図柄保留球テーブルの記憶領域に、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを新たに記憶させているので、変数c_sp_reserve_maxの値を変更する必要があるからである。
次いで、上述したステップS1505の処理によって、抽出した大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを副制御回路200に送信する(ステップS1509)。後述するように、副制御回路200は、送信された大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを用いて、演出用図柄や、変動パターンや、その他の演出、例えば、装飾はずれ演出を決定して実行する。
一方、上述したステップS1503の判断処理で、メインCPU66は、特別図柄始動口スイッチ入力があると判別しなかった場合には、直ちに、本サブルーチンを終了する。
また、メインCPU66は、これら各種の役物に遊技球が入球、通過した場合には、その入球、通過に基づくコマンドをメインRAM70の所定領域にセットする。このようなコマンドは、図9のステップS25の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給される。これによって、副制御回路200において、遊技球の入球、通過が認識可能となる。
[普通図柄関連スイッチ入力処理]
図16は、上述した図14のステップS1403の処理で呼び出されて実行される普通図柄関連スイッチ入力処理のサブルーチン示すフローチャートである。
最初に、図16に示すように、通過ゲート54を遊技球が通過したか否かの判断を行う(ステップS1601)。この処理において、メインCPU66は、通過球センサ114から発せられる所定の信号に応じて、通過ゲート54を遊技球が通過したか否かの判断を行う。メインCPU66は、通過ゲート54を遊技球が通過したと判別した場合には、変数c_nm_reserve_maxの値が4以上であるか否かを判断する(ステップS1602)。この変数c_nm_reserve_maxは、通過ゲート54の遊技球(普通保留球)の通過に基づく保留個数を示す変数である。この保留個数に関しては後述する。
上述したステップS1602の判断処理で、変数c_nm_reserve_maxの値が4以上であると判別したときには、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS1602の判断処理で、変数c_nm_reserve_maxの値が4以上でないと判別したときには、当り判定用乱数カウンタの値から当り判定用乱数値を抽出し、当り図柄決定用乱数カウンタの値から、当り図柄決定用乱数値を抽出する(ステップS1603)。次いで、ステップS1603の処理で抽出した当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とを、メインRAM70の所定の領域に記憶させる(ステップS1604)。具体的には、メインRAM70の所定の領域に形成された普通図柄保留球テーブル(図30参照)の記憶領域に、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とを記憶させる。この普通図柄保留球テーブルは、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とを一時的に記憶するためのテーブルである。
上述したように、通過ゲート54に遊技球が通過したことを契機にして、すなわち、通過球センサ114から発せられたことを契機にして、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが抽出される。これらの当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とは、メインRAM70の所定の領域に形成された普通図柄保留球テーブルに記憶される。上述したように、普通図柄保留球テーブルは、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とを一時的に記憶するためのテーブルである。後述するように、1つの当り判定用乱数値と1つの当り図柄決定用乱数値とを組にしたものは、所定の条件を満たしたときに、普通図柄保留球テーブルから読み出され(図29に示すステップS2912)、その後、その1つの当り判定用乱数値と1つの当り図柄決定用乱数値とは、普通図柄保留球テーブルからクリアされる(図29に示すステップS2914)。
普通図柄保留球テーブルは、1つの当り判定用乱数値と1つの当り図柄決定用乱数値との組を、最大4組まで記憶させることができる。上述したように、ステップS1506の処理によって、1つの当り判定用乱数値と1つの当り図柄決定用乱数値との組を、普通図柄保留球テーブルに記憶させ、図29に示すステップS2912によって、読み出した1つの当り判定用乱数値と1つの当り図柄決定用乱数値とを、普通図柄保留球テーブルからクリアする。このように、普通図柄保留球テーブルは、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とを、普通図柄の変動表示と停止表示との制御に用いるために読み出すまでの間、一時的に記憶する、すなわち、保留するためのものである。当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との一時的な記憶を「保留」と称する。
このように、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との一時的な記憶である「保留」の契機となった遊技球、すなわち、通過ゲート54を遊技球が通過して当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった遊技球が、「保留球」や「普通保留球」と称する。また、このメインRAM70や、メインRAM70の所定の領域に形成された普通図柄保留球テーブルが、「普通保留球結果記憶手段」に対応する。
上述したように、普通図柄保留球テーブルには、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが一時的に記憶される、すなわち、「保留」される。また、普通図柄保留球テーブルは、1つの当り判定用乱数値と1つの当り図柄決定用乱数値との組を、最大4組まで記憶(保留)させることができる。このように、普通図柄保留球テーブルに記憶させた1つの当り判定用乱数値と1つの当り図柄決定用乱数値との組の数を、その時点における「保留数」と称し、この保留数が、上述した変数c_nm_reserve_maxの値である。また、このように「保留数」と変数c_nm_reserve_maxとを定めたことにより、「保留数」や変数c_nm_reserve_maxの値は、通過ゲート54を遊技球が通過することによって、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった遊技球の数、すなわち、「保留球」の数や「普通保留球」の数をも意味する。
したがって、例えば、変数c_nm_reserve_maxの値は1であるときには、普通図柄保留球テーブルには、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが1組だけ記憶されている状態であるとともに、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で1個だけであることを意味する。また、変数c_nm_reserve_maxの値は2であるときには、普通図柄保留球テーブルには、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが2組、記憶されている状態であるとともに、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で2個であることを意味する。さらに、変数c_nm_reserve_maxの値は3であるときには、普通図柄保留球テーブルには、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが3組、記憶されている状態であるとともに、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で3個であることを意味する。さらにまた、変数c_nm_reserve_maxの値は4であるときには、普通図柄保留球テーブルには、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが4組、記憶されている状態であるとともに、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で4個であることを意味する。
上述した図13のS1305の当り判定処理と、上述したステップS1603の乱数値抽出の処理とが、「抽選処理」や「普通抽選処理」に対応する。また、当り判定用乱数値が、「抽選処理の結果」や「普通抽選処理の結果」に対応する。
普通図柄保留球テーブルの1つの例を図30(a)〜(c)に示す。例えば、上述したステップS1604が実行される前には、図30(a)に示す普通図柄保留球テーブルになっていたとする。すなわち、3つの当り抽選用乱数値(当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値)が既に記憶されている状態であり、変数c_nm_reserve_maxの値が3になっている状態である。具体的には、1番目の記憶領域には、当り判定用乱数値として「4512」が記憶され、当り図柄決定用乱数値として「8」が記憶されている。また、2番目の記憶領域には、当り判定用乱数値として「182」が記憶され、当り図柄決定用乱数値として「6」が記憶されている。さらに、3番目の記憶領域には、当り判定用乱数値として「27269」が記憶され、当り図柄決定用乱数値として「2」が記憶されている。
このような状態の後に、ステップS1604の処理が実行されることによって、図30(b)に示すように、4番目の記憶領域に、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが、新たに記憶される。すなわち、当り判定用乱数値として「2509」が記憶され、当り図柄決定用乱数値として「5」が、新たに記憶される。
上述したステップS1604の処理を実行した後、先読みフラグを示す記憶領域に1を記憶させる(ステップS1605)。これは、図30(a)〜(c)に示した普通図柄保留球テーブルの表の右端に示すように、普通図柄保留球テーブルには、「FLG」という記憶領域も形成されている。このFLGは、先読みフラグの値を記憶させるための記憶領域である。普通図柄ゲームの当り又ははずれを決定するための処理とは別に、後述する普通はずれ演出を実行するために、普通図柄保留球テーブルに記憶されている当り判定用乱数値を予め読み出す処理をする。この先読みフラグは、普通はずれ演出を実行するために、図29ステップS2912の処理による当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値と読み出しよりも前に、当り判定用乱数値を予め読み出した(先読みした)か否かを示すフラグである。この先読みフラグの値は、当り判定用乱数値を未だに先読みしていないときには、先読みフラグの値は1であり、当り判定用乱数値を既に先読みしたときには、先読みフラグの値は0である。
ステップS1605の処理を実行した後、変数c_nm_reserve_maxの値を1だけ増やす(ステップS1606)。上述したように、ステップS1604の処理によって、普通図柄保留球テーブルの記憶領域に、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とを新たに記憶させているので、変数c_nm_reserve_maxの値を変更する必要があるからである。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図17を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、ステップS1701において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、サブCPU206は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS1701を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS1702に処理を移す。
ステップS1702において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS1703に処理を移す。
ステップS1703において、サブCPU206は、後述する図18に示すコマンド解析処理のサブルーチンを呼び出して実行する。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60のメインCPU66から送られてきた各種コマンド(例えば、導出図柄指定コマンドや、乱数値コマンド等)を解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS1704に処理を移す。
ステップS1704において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、コマンド解析処理において、主制御回路60のメインCPU66からの導出図柄指定コマンドを受信した場合に、その導出図柄指定コマンドに応じた演出用図柄等の画像表示制御を、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行うこととなる。
そして、サブCPU206は、スピーカ46R,46Lから発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS1705)、各種の装飾ランプ133a,133bの発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS1706)。この処理が終了した場合には、ステップS1702に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS1701の初期設定処理が終了した後、ステップS1702〜ステップS1706の処理を繰り返し実行することとなる。
[コマンド解析処理]
図18は、上述した図17のステップS1703の処理で呼び出されて実行されるコマンド解析処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU206は、受信コマンドがあるか否かを判断する(ステップS1801)。この処理において、サブCPU206は、後述する図19に示すコマンド割込処理のステップS1902の処理によってコマンドバッファにコマンドが格納されているか否かにより、受信コマンドがあるか否かを判断する。
ステップS1801の判断処理において、サブCPU206は、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出し(ステップS1802)、ステップS1803に処理を移す。一方、サブCPU206は、受信コマンドがないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
このようにすることで、サブCPU206は、主制御回路60や、払出・発射制御回路126から送信された各種のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド(変動パターン)や、特別図柄指定コマンドや、特別抽選処理の結果や、抽選値など)を受信することとなる。
ステップS1803において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS1802において読み出したコマンドデータに基づいて、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、後述する図36に示す演出開始処理サブルーチンを呼び出して実行し(ステップS1804)、演出を開始して、本サブルーチンを終了する。
一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合には、サブCPU206は、ステップS1802において読み出したコマンドデータに基づいて、乱数値コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1805)。乱数値コマンドは、上述した図15のステップS1505の処理によって抽出された大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを示す情報が含まれている。このステップS1505の処理によって抽出された大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを示す情報は、上述した図15のステップS1509の処理によって、主制御回路60から副制御回路200に送信され、副制御回路200は、後述する図19のステップS1902の処理によって、受信する。このようにすることで、副制御回路200は、ステップS1505の処理のよって抽出された大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを取得して、後述する演出用図柄を停止表示させたときの停止表示用図柄を決定するとともに、装飾はずれ演出の内容や、装飾はずれ演出を継続して実行する回数を決定することができる。
ステップS1805の判断処理で、乱数値コマンドを受信したと判別したときには、後述する図35に示す演出用図柄保留球テーブル記憶処理を呼び出して実行し(ステップS1806)、本サブルーチンを終了する。
一方、乱数値コマンドを受信していないと判別したときには、受信コマンドに対応するその他の処理を実行し(ステップS1807)、本サブルーチンを終了する。
[コマンド割込処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、コマンドを受信したタイミングなど)によりコマンド割込処理を実行することとなる。このコマンド割込処理について図19を用いて説明する。
最初に、サブCPU206は、レジスタの退避(ステップS1901)を行い、主制御回路60から受信した各種の受信コマンドを、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファに格納する(ステップS1902)。
次いで、後述する図42に示す演出終了のサブルーチンを呼び出して実行し(ステップS1903)、サブCPU206は、ステップS221において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS1904)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄保留球テーブル処理]
図20は、上述した図11のステップS1105の処理で呼び出されて実行される特別図柄保留球テーブル処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンによって、図21に示すような特別図柄保留球テーブルに記憶されている大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが読み出され、特別図柄保留球テーブルの内容が更新される。
最初に、変数c_sp_reserve_maxの値が0より大きいか否かを判断する(ステップS2010)。上述したように、変数c_sp_reserve_maxは、始動口25への遊技球(特別保留球)の入賞に基づく保留個数を示す変数である。
ステップS2010の判断処理で、変数c_sp_reserve_maxの値が0以下であると判別したとき(NO)、すなわち、保留個数が0であると判別したとき、具体的には、特別図柄保留球テーブルに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との組が、記憶されていないと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS2010の判断処理で、変数c_sp_reserve_maxの値が0以上であると判別したとき(YES)、すなわち、保留個数が0でないと判別したとき、具体的には、特別図柄保留球テーブルに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との組が、少なくとも1組記憶されていると判別したときには、特別図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを読み出す(ステップS2012)。例えば、図21に示す特別図柄保留球テーブルの例では、「No.」が「1」である大当り判定用乱数値「123」と大当り図柄決定用乱数値「6」とを読み出す。
上述したステップS2012の処理によって、読み出された大当り判定用乱数値は、図11のステップS1106の処理で、判定するために用いられる。また、大当り図柄決定用乱数値は、図11のステップS1108や1109の処理で、図柄を決定するために用いられる。
次に、特別図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域をクリアして、大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とを消去する(ステップS2014)。次いで、特別図柄保留球テーブルの第2番目以降の記憶領域の内容を1つずつシフトさせることによって、大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とを記憶させるべき記憶領域を1つ前に変更する(ステップS2016)。
具体的には、特別図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが記憶されていれば、特別図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第1番目の記憶領域に移動させる。また、特別図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが記憶されていれば、特別図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第2番目の記憶領域に移動させる。
同様に、特別図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域に大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが記憶されていれば、特別図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第3番目の記憶領域に移動させる。なお、特別図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第3番目の記憶領域に移動させたときには、特別図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域をクリアする。
例えば、図21に示した特別図柄保留球テーブルの例の場合では、図21(b)に示した特別図柄保留球テーブルが、ステップS2012〜S2016の処理を実行する前の状態であったとする。すなわち、特別図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値「123」及び大当り図柄決定用乱数値「6」と、先読みフラグの値「1」とが記憶され、特別図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値「38824」及び大当り図柄決定用乱数値「4」と、先読みフラグの値「1」とが記憶され、特別図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値「51245」及び大当り図柄決定用乱数値「8」と、先読みフラグの値「1」とが記憶され、特別図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値「9502」及び大当り図柄決定用乱数値「3」と、先読みフラグの値「1」とが記憶されている。
特別図柄保留球テーブルが、図21(b)に示した状態であるときに、上述したステップS2012〜S2016の処理を実行することによって、特別図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域がクリアされるとともに、特別図柄保留球テーブルの第2番目以降の記憶領域の内容が1つずつ前の記憶領域にシフトされる。すなわち、図21(c)に示すように、特別図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「38824」及び大当り図柄決定用乱数値「4」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶され、特別図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「51245」及び大当り図柄決定用乱数値「8」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶され、特別図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「9502」及び大当り図柄決定用乱数値「3」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶される。さらに、特別図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域では、大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とがクリアされる。
このように、ステップS2016の処理を実行することによって、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とをシフトさせるだけでなく、先読みフラグの値もシフトさせるので、先読みを、既に実行したか又は未だに実行していないかを示す情報もシフトさせて、特別図柄保留球テーブルに記憶させ、特別図柄の変動表示と停止表示との制御とは別個に、特別はずれ演出の制御も的確に処理することができる。
次に、変数c_sp_reserve_maxの値を1だけ減ずる(ステップS2018)。次いで、変数c_sp_reserve_maxの値が0になったか否か、すなわち、保留個数が0になったか否かを判断する(ステップS2020)。変数c_sp_reserve_maxの値が0になったと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、変数c_sp_reserve_maxの値が0になっていないと判別したとき(YES)、すなわち、特別図柄保留球テーブルに大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との組が、少なくとも1組記憶されていると判別したときには、フラグF_sp_continueの値を0にするとともに(ステップS2022)、変数c_sp_effectの値を0にし(ステップS2024)、本サブルーチンを終了する。
フラグF_sp_continueは、後述する特別はずれ演出を継続して実行しているか否かを示すフラグであり、フラグF_sp_continueの値が1であるときには、特別はずれ演出を継続して実行していることを示し、フラグF_sp_continueの値が0であるときには、特別はずれ演出を実行していないことを示す。また、変数c_sp_effectは、特別はずれ演出を継続して実行している回数を示す。なお、これらのフラグF_sp_continueや、変数c_sp_effectについては、後で詳述する。
上述したように、変数c_sp_reserve_maxの値が0になったとき、すなわち、保留個数が0になったとき、具体的には、特別図柄保留球テーブルに大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが、1組も記憶されていないときには、フラグF_sp_continueの値を0にして、変数c_sp_effectの値を0にすることで、継続して実行していた特別はずれ演出を終了させる。
このように処理することで、保留個数を一旦ゼロにすることによって、特別はずれ演出の継続を中止することができる。すなわち、遊技者が、遊技球を始動口25に一時的に入賞させないようにすることで、特別はずれ演出の継続を中止することができる。したがって、遊技者が、特別はずれ演出の継続を中止したいときには、遊技球を始動口25に意図的に入賞させないようにすることで、遊技者の意思を反映させることができる。
さらに、上述したステップS2020の判断処理では、変数c_sp_reserve_maxの値が0になっているか否かのみで判断したが、遊技者が遊技球を発射させているか否かも合せて判断するのが好ましい。たとえば、遊技者が発射ハンドル26をある程度の角度まで回動させているか否かを検出したり、遊技球が通過する度に検出信号を発するセンサをガイドレール30などの遊技球の通過経路に設けて遊技球が実際に発射されていることを検出したりすることで、遊技者が遊技球を発射させているか否かを判断することができる。
このようにすることで、遊技者が遊技球を発射させていない場合であって、保留個数が0になった場合には、特別はずれ演出の継続を遊技者が積極的に中止したい意思を有しているとして、変数c_sp_reserve_maxの値を0にすることで、継続して実行していた特別はずれ演出を終了させることができ、遊技者の意思を反映させることができる。
一方、遊技者が遊技球を発射させていた場合であって、保留個数が0になった場合は、特別はずれ演出を終了させる意思がないにもかかわらず、始動口25に遊技球を入賞させることができなかった結果として、保留個数がゼロになった場合である。このような場合は、特別はずれ演出を終了させる意思を遊技者は有していなかった、すなわち、特別はずれ演出を継続させたいという意思を遊技者は有していたとすることができるので、フラグF_sp_continueの値を0にせず、変数c_sp_effectの値も初期化しないよういすることで、特別はずれ演出を継続して実行する状態を維持することができる。このような場合にも、遊技者の意思を的確に反映させることができる。
上述したように、遊技者が遊技球を発射させているか否かも合せて判断するので、遊技を進める技術、すなわち、始動口25への入賞が、上手・下手にかかわらず、楽しむことができる遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者が遊技球を発射させているにもかかわらず、始動口25に遊技球を入賞させることができなかった場合は、技術不足によるもので、遊技者は、初心者であると考えられる。このような場合には、変数F_sp_continueなどの値を初期化せずに、特別はずれ演出を継続して実行する状態を維持できる。
[特別はずれ演出処理]
図22は、図11のステップS1110の処理で呼び出されて実行される特別はずれ演出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンを実行することにより、大当り判定用乱数値を用いて判定した結果が、保留球(特別保留球)によって連続してはずれとなったときには、特別はずれ演出が継続して行われることになる。
最初に、フラグF_sp_continueの値が1であるか否かを判断する(ステップS2210)。このフラグF_sp_continueは、本サブルーチンによって、特別はずれ演出を継続して実行している最中であるか否かを示すフラグである。フラグF_sp_continueの値が1であるときには、特別はずれ演出を継続して実行している最中であることを示し、フラグF_sp_continueの値が0であるときには、特別はずれ演出を実行していないことを示す。
ステップS2210の判断処理で、フラグF_sp_continueの値が1でないと判別したとき(NO)には、特別図柄保留球テーブルを参照して、先読みフラグの値が1になっているものが存在か否か、すなわち、その時点で、未だに先読みをしていない大当り判定用乱数値が存在するか否かを判断する(ステップS2212)。先読みフラグの値が1になっているものが存在しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS2212の判断処理で、先読みフラグの値が1になっているものが存在すると判別したとき(NO)には、その先読みフラグの値が1になっている大当り判定用乱数値の全てを読み出し(ステップS2214)、読み出した全ての大当り判定用乱数値に対応する先読みフラグの値を「0」にする(ステップS2216)。すなわち、その時点で、未だに先読みされていない大当り判定用乱数値の全てを特別図柄保留球テーブルから読み出し、その読み出した全ての大当り判定用乱数値に対応する「FLG」の記憶領域に「0」を書き込む。このようにすることで、読み出した全ての大当り判定用乱数値に対応する先読みフラグを、「先読み済み」の状態にすることができる。
例えば、図23(a)に示した特別図柄保留球テーブルの例の場合で、この図23(a)に示した状態のときに、上述したステップS2214の処理によって、先読みフラグの値が1になっている大当り判定用乱数値の全てを読み出したときには、図23(b)に示すように、ステップS2216の処理により、その読み出した全ての大当り判定用乱数値に対応する「FLG」の記憶領域に「0」を書き込む。
なお、特別図柄保留球テーブルが図23(b)に示した状態となった後に、始動口25に遊技球が新たに入賞したときには、上述した図15のサブルーチンのステップS1503〜S1507が実行されて、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが抽出されて(ステップS1505)、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが特別図柄保留球テーブルに記憶されるとともに(ステップS1506)、これらの大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とに対応する先読みフラグの値を0にする(ステップS1507)。これらの処理が実行されることによって、例えば、図23(c)に示すように、特別図柄保留球テーブルの4番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値として「9502」が記憶されるとともに、大当り図柄決定用乱数値として「3」が記憶される。さらに、これらに対応する「FLG」(先読みフラグ)の記憶領域には「1」が記憶されることになる。
このように、特別図柄保留球テーブルの「FLG」(先読みフラグ)の記憶領域を設けるとともに、先読みフラグの値を、変更したり新たに記憶させたりすることで、先読み処理が既にされた大当り図柄決定用乱数値と、先読み処理が未だにされていない大当り図柄決定用乱数値とを区別することができ、先読み処理を的確に実行することができる。
さらに、特別図柄保留球テーブルが図23(b)に示した状態となった後に、特別図柄ゲームを開始するために、図11のステップS1105の処理で図20のサブルーチンが呼び出されて実行されたときには、図20のステップS2012及びS2016の処理によって、特別図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域の大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが読み出された後、その特別図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域がクリアされ、特別図柄保留球テーブルの2番目以降の記憶領域の大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とが、1つずつ前の記憶領域に移動して記憶される。
例えば、図20のステップS2012及びS2014の処理を実行することによって、図23(d)に示すように、特別図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域の大当り判定用乱数値「123」及び大当り図柄決定用乱数値「6」と、「FLG」(先読みフラグ)の値「0」が読み出された後に、特別図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域がクリアされる。さらに、図20のステップS2016の処理を実行することによって、図23(e)に示すように、特別図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「38824」及び大当り図柄決定用乱数値「4」と、先読みフラグの値「0」とが、移動して記憶され、特別図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「51245」及び大当り図柄決定用乱数値「8」と、先読みフラグの値「0」とが、移動して記憶され、特別図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「9502」及び大当り図柄決定用乱数値「3」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶される。さらに、特別図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域では、大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とがクリアされる。
上述したステップS2216の処理を実行した後、ステップS2214の処理で読み出した大当り判定用乱数値の全てを判定する(ステップS2218)。なお、この判定は、後述するように、特別はずれ演出を実行するか否かを定めるためのものであるので、読み出した大当り判定用乱数値に対応する判定結果がはずれであることを定めることができればよく、判定結果が大当りであることを定める必要はない。また、このステップS2218の判定処理の結果、連続してはずれになった回数も計数する。この連続してはずれになった回数は、後述するステップS2226で用いる回数である。
次いで、ステップS2218の判定結果が、連続してはずれになったか否かを判断する(ステップS2220)。この連続してはずれになったか否かの判断は、例えば、特別図柄保留球テーブルの1番目と2番目との記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値の判定結果が、共にはずれであるような場合や、特別図柄保留球テーブルの2番目と3番目との記憶領域の大当り判定用乱数値の判定結果が、共にはずれであるような場合などがある。いずれにしても、特別図柄保留球テーブルの少なくとも2つ以上連続した記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値の判定結果が、全てはずれであることを意味する。したがって、特別図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値の判定結果がはずれであり、特別図柄保留球テーブルの2番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値の判定結果が大当りであり、特別図柄保留球テーブルの3番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値の判定結果がはずれである場合は、連続してはずれになっていないと判別される。
ステップS2220の判断処理で、判定結果が連続してはずれになっていないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。一方、判定結果が連続してはずれになったと判別したとき(YES)には、特別はずれ演出用乱数カウンタの値から特別はずれ演出用乱数値を抽出する(ステップS2222)。なお、この特別はずれ演出用乱数カウンタも、上述した図9のステップS921の処理が実行される度に、その値が更新されるカウンタである。この特別はずれ演出用乱数は、特別はずれ演出を実行するか否かを定めるためのものであり、特別はずれ演出用乱数が、第1の範囲に含まれている場合には、特別はずれ演出を実行すると定め、第1の範囲とは異なる第2の範囲に含まれている場合には、特別はずれ演出を実行しないと定める。
このように、特別はずれ演出用乱数の値で、特別はずれ演出を実行するか否かを定めることによって、判定結果が連続してはずれになっている場合であっても、直ちに、特別はずれ演出が実行されるわけではなく、判定結果の全てを遊技者に報知するわけではないので、遊技の進行について、疑問に感じさせたり驚かせたりすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次に、特別はずれ演出を実行するか否かを判断する(ステップS2224)。上述したように、特別はずれ演出用乱数が、第1の範囲に含まれている場合には、特別はずれ演出を実行する。一方、特別はずれ演出用乱数が、第1の範囲とは異なる第2の範囲に含まれている場合には、特別はずれ演出を実行しないと定める。ステップS2224の判断処理で、特別はずれ演出を実行しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS2224の判断処理で、特別はずれ演出を実行すると判別したとき(YES)には、変数c_max_sp_effectの値を、「連続してはずれになった回数」に設定する(ステップS2226)。変数c_max_sp_effectは、特別はずれ演出を継続して実行すべき最大回数を定める変数である。この「連続してはずれになった回数」は、上述したステップS2218の処理によって計数された回数である。このステップS2226の処理を実行することによって、大当り判定用乱数値の全てを判定した結果、「連続してはずれになった回数」を、特別はずれ演出を継続して実行すべき回数にすることができる。
ステップS2226の処理を実行した後、変数c_max_sp_effectの値に応じて、特別はずれ演出を選択する(ステップS2228)。例えば、変数c_max_sp_effectの値が2であれば、特別はずれ演出を2回だけ継続して実行するようにするために、2回分の特別はずれ演出からなるものを選択する。
ステップS2228の処理を実行した後、変数c_sp_effectの値を初期化、例えば、1に設定し(ステップS2230)、変数c_sp_effectの値に応じた特別はずれ演出データを読み出し(ステップS2232)、本サブルーチンを終了する。上述した変数c_sp_effectは、特別はずれ演出が継続して行われた回数を示すカウンタである。なお、上述したステップS2232の処理で用いる特別はずれ演出データについては後述する。
また、上述したステップS2210の判断処理で、フラグF_sp_continueの値が1であると判別したとき(YES)、すなわち、特別はずれ演出を、既に継続して実行しているときには、変数c_sp_effectの値を1だけ増やし(ステップS2234)、変数c_sp_effectの値に応じた特別はずれ演出データを読み出す(ステップS2236)。
上述したステップS2232又はS2236の処理は、具体的には、図24に示すような特別はずれ演出データを、変数c_max_sp_effectの値(図24に示す最大継続回数)に応じて選択する処理である。図24は、特別はずれ演出を実行するときに用いる特別はずれ演出データが、変数c_max_sp_effectの値に応じて記憶された特別はずれ演出データテーブルを示す表である。
図24に示した特別はずれ演出データテーブルから、特別はずれ演出データを変数c_sp_effectの値に応じて読み出すことによって、特別図柄表示装置33において、特別図柄を用いた特別はずれ演出を継続して実行することができる。図24に示したはずれ特別演出データの各々を「はずれ演出データm(n)」と表現したときのmが、変数c_max_sp_effectの値に対応し、nが、変数c_sp_effectの値に対応する。
例えば、「連続してはずれになった回数」が2回であるときには、上述したステップS2226の処理によって、変数c_max_sp_effectの値が2に定められる。したがって、この場合には、m=2であり、n=1,2であるので、図24に示した特別はずれ演出データテーブルの最大継続回数が2(「No」が「1」)の記憶領域に記憶されているはずれ演出データ2(1)と、はずれ演出データ2(2)とが用いられる。具体的には、1回目の特別はずれ演出を実行するときには、変数c_sp_effectの値は1となるので(図22のステップS2230)、はずれ演出データ2(1)が読み出されて(図22のステップS2232)、特別図柄表示装置33において、特別図柄を用いた特別はずれ演出が実行される。次いで、2回目の特別はずれ演出を実行するときには、変数c_sp_effectの値は2となるので(図22のステップS2234)、はずれ演出データ2(2)が読み出されて(図22のステップS2236)、特別図柄表示装置33において、特別図柄を用いた特別はずれ演出が実行される。
同様に、「連続してはずれになった回数」が11回であるときには、上述したステップS2226の処理によって、変数c_max_sp_effectの値が11に定められる。したがって、この場合には、m=1であり、n=1〜11であるので、図24に示した特別はずれ演出データテーブルの最大継続回数が11(「No」が「10」)の記憶領域に記憶されているはずれ演出データ11(1)〜はずれ演出データ11(11)が用いられる。具体的には、1回目の特別はずれ演出を実行するときには、変数c_sp_effectの値は1となるので(図22のステップS2230)、はずれ演出データ11(1)が読み出され(図22のステップS2232)、2回目の特別はずれ演出を実行するときには、変数c_sp_effectの値は2となるので(図22のステップS2234)、はずれ演出データ11(2)によって、が読み出されて(図22のステップS2236)、特別図柄表示装置33において、特別図柄を用いた特別はずれ演出が実行される。
この後、図22のステップS2234の処理によって、変数c_sp_effectの値が、順次1ずつ増え、図22のステップS2236の処理によって、順次、演出データ11(3)〜演出データ11(11)のデータが読み出されて、特別図柄表示装置33において、特別図柄を用いた特別はずれ演出が実行される。このようにすることで、特別はずれ演出が11回継続して実行される。
図24に示した特別はずれ演出データは、上述したように、特別図柄表示装置33において、特別図柄を用いた特別はずれ演出を実行するためのデータである。この特別はずれ演出データは、例えば、通常、表示されない文字や記号を特別図柄として表示したり、特定の特別図柄が自転するように変動表示させたり、特定の特別図柄が点滅するように変動表示させたり、特定の特別図柄が、他の特別図柄とは異なる色で表示されて変動表示させたりするために、特別図柄表示装置33を制御するデータである。この特別はずれ演出データは、上述したステップS2232又はS2236の処理で読み出され、読み出された特別はずれ演出データによって、上述した図11のステップS1111の処理で決定する変動パターンが定められる。上述したような各種の変動パターンで特別図柄を変動表示させることによって、特別はずれ演出を実行することができ、特別はずれ演出が実行されていることを遊技者に示すことができる。
上述したステップS2212〜S2236の処理することによって、図25のタイムチャートに示すようなタイミングで、特別図柄の変動表示の開始と停止表示(導出表示)と、特別はずれ演出とを実行することができる。
まず、図25のタイムチャートの最上段のタイムチャートに示すように、遊技球が始動口25に入賞することによって(図15のステップS1503)、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが抽出され(図15のステップS1505)、記憶される(図15のステップS1506)。図25に示したタイムチャートでは、連続して、4個の遊技球が始動口25に入賞したことによって、4組の大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが抽出され、特別図柄保留球テーブルに記憶されたものとする。なお、以下では、図25に示したように、4つの入賞を、入賞1、入賞2、入賞3、入賞4と称する。また、これらの入賞1と入賞2と入賞3と入賞4とに基づく判定結果は、全てはずれになったものとする。
入賞1に基づいて、特別図柄は、時刻T1に変動表示が開始され(図10のステップS1003)、時刻T2で変動表示が停止される(図10のステップS1006)。その後、入賞2に基づいて、特別図柄は、時刻T3に変動表示が開始され(図10のステップS1003)、時刻T4で変動表示が停止される(図10のステップS1006)。さらにその後、入賞3に基づいて、特別図柄は、時刻T5に変動表示が開始され(図10のステップS1003)、時刻T6で変動表示が停止される(図10のステップS1006)。次いで、入賞4に基づいて、特別図柄は、時刻T7に変動表示が開始され(図10のステップS1003)、時刻T8で変動表示が停止される(図10のステップS1006)。
これに対して、時刻T0において、入賞1と入賞2と入賞3と入賞4とに基づいて抽出された4つの大当り図柄決定用乱数値を先読みし(図22のステップS2214)、これらの4つの大当り図柄決定用乱数値の判定結果の全てがはずれになり(連続して4回はずれになり)、これによって、特別はずれ演出が4回行うことが、時刻T0において、決定される(図22のステップS2220〜S2228)。この場合には、図24に示した特別はずれ演出データテーブルの最大継続回数が4(「No」が「3」)の記憶領域に記憶されているはずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(4)が読み出される。
これによって、時刻T1で、はずれ演出データ4(1)が読み出され(図22のステップS2230〜S2232)、これによって、第1回目の特別はずれ演出が開始され、時刻T2で終了する。次いで、時刻T3で、はずれ演出データ4(2)が読み出され(図22のステップS2234〜S2236)、これによって、第2回目の特別はずれ演出が開始され、時刻T4で終了する。その後、時刻T5で、はずれ演出データ4(3)が読み出され(図22のステップS2234〜S2236)、これによって、第3回目の特別はずれ演出が開始され、時刻T6で終了する。最後に、時刻T7で、はずれ演出データ4(4)が読み出され(図22のステップS2234〜S2236)、これによって、第4回目の特別はずれ演出が開始され、時刻T8で終了する。
上述したように、特別図柄を用いた特別はずれ演出は、所定の変動パターンで特別図柄を変動表示させることによって実行される。このため、時刻T1で、入賞1に基づく特別図柄の変動表示が開始されるとともに、第1回目の特別はずれ演出が開始される。時刻T2で、入賞1に基づく特別図柄の変動表示が停止されるとともに、第1回目の特別はずれ演出が終了する。また、時刻T3で、入賞2に基づく特別図柄の変動表示が開始されるとともに、第2回目の特別はずれ演出が開始される。時刻T4で、入賞2に基づく特別図柄の変動表示が停止されるとともに、第2回目の特別はずれ演出が終了する。さらに、時刻T5で、入賞3に基づく特別図柄の変動表示が開始されるとともに、第3回目の特別はずれ演出が開始される。時刻T6で、入賞3に基づく特別図柄の変動表示が停止されるとともに、第3回目の特別はずれ演出が終了する。さらにまた、時刻T7で、入賞4に基づく特別図柄の変動表示が開始されるとともに、第4回目の特別はずれ演出が開始される。時刻T8で、入賞4に基づく特別図柄の変動表示が停止されるとともに、第4回目の特別はずれ演出が終了する。
上述したように、特別図柄の変動と特別はずれ演出とのタイミングは一致することになる。このように、特別図柄の変動と特別はずれ演出とのタイミングは一致するように実行されることから、特別はずれ演出は、時間的に連続して実行されるわけではなく、一時的に中断する時間が存在するので、断続的に実行される演出になる場合がある。なお、特別図柄の変動表示のタイミングによっては、変動表示が停止した後に、直ちに連続して次の変動表示が開始される場合もあり、このような場合には、特別はずれ演出も時間的に連続して実行されることになる。
上述した図22のステップS2236の処理を実行した後、特別図柄保留球テーブルを検索して、「FLG」の記憶領域を読み出し(ステップS2238)、未だに先読みしていない大当り判定用乱数値が存在するか否かを判断する(ステップS2240)。
このステップS2240の判断処理で、先読みしていない大当り判定用乱数値が存在しないと判別したとき(NO)、すなわち、特別図柄保留球テーブルに、現在記憶されている大当り判定用乱数値は、全て先読みしていると判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS2240の判断処理で、先読みしていない大当り判定用乱数値が存在したと判別したとき(YES)には、「先読みしていない大当り判定用乱数値」の総数を計数する(ステップS2242)。次いで、「先読みしていない大当り判定用乱数値」の全てを、特別図柄保留球テーブルから読み出し(ステップS2244)、特別図柄保留球テーブルから読み出した全ての大当り判定用乱数値を判定する(ステップS2246)。
次に、上述したステップS2246の判定処理の結果に、はずれが少なくとも1つ存在するか否かを判断する(ステップS2248)。ステップS2248の判断処理の結果、はずれが1つも存在しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS2248の判断処理の結果、はずれが少なくとも1つ存在すると判別したとき(YES)には、大当りが2つ以上連続して存在するか否かを判断する(ステップS2250)。このステップS2250の判断処理で、大当りが2つ以上連続して存在すると判別したとき(YES)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS2250の判断処理で、大当りが2つ以上連続して存在しないと判別したとき(YES)、すなわち、大当りが1つしか存在しないと判別したときには、ステップS2242の処理で計数した「先読みしていない大当り判定用乱数値」の総数を、変数c_max_sp_effectの値に加算して、変数c_max_sp_effectの値を更新する(ステップS2252)。次いで、更新した変数c_max_sp_effectの値に応じて、改めてはずれ演出データを選択し直し(ステップS2254)、本サブルーチンを終了する。
例えば、更新前の変数c_max_sp_effectの値が4であるときには、はずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(4)が用いられることになっているが、ステップS2248及びS2250の処理によって、変数c_max_sp_effectの値を更新することになり、ステップS2242の処理によって、先読みしていない大当り判定用乱数値の総数が7である場合には、ステップS2252の処理によって、変数c_max_sp_effectの値は、11(=4+7)に更新される。この場合には、ステップS2254の処理によって、はずれ演出データ11(1)〜はずれ演出データ11(11)が改めて選択され、このはずれ演出データによって、特別はずれ演出が実行される。
なお、使用するはずれ演出データは、変数c_sp_effectの値に応じて用いればよい。例えば、上述した例において、更新前の変数c_max_sp_effectの値が4であるときには、はずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(4)が用いられる。この場合、変数c_sp_effectの値が、1から始まって、順次、3まで増加したときには、はずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(3)が、順次読み出されて、特別はずれ演出が実行される。この後、変数c_max_sp_effectの値が更新されて、11になったときには、上述したように、はずれ演出データ11(1)〜はずれ演出データ11(11)が改めて選択される。しかし、この時点で、変数c_sp_effectの値は、既に3まで増えて、はずれ演出データ4(3)が用いられた後であるので、次に、特別はずれ演出が実行されるときには、変数c_sp_effectの値は4となり、その後、はずれ演出データ11(4)〜はずれ演出データ11(11)が、順次、読み出されて、特別はずれ演出が実行されることにある。このようにすることで、特別はずれ演出は、はずれ演出データ4(1)→はずれ演出データ4(2)→はずれ演出データ4(3)→はずれ演出データ11(4)→・・・→はずれ演出データ11(11)の順で、読み出されて実行されることになる。更新された変数c_max_sp_effectの値と、変数c_max_sp_effectの値を更新するときまでに増加した変数c_sp_effectの値との整合を図った特別はずれ演出を実行することができるとともに、変数c_sp_effectの値を変更せずに処理を進めることができるので、特別はずれ演出のための処理を簡便にすることができる。
このようにすることで、大当り判定用乱数値の判定の結果、はずれとはずれとの間に大当りが1つあるような場合には、大当り判定用乱数値の判定の過去の結果によって実行すると決定した特別はずれ演出に、大当り判定用乱数値の判定の新たな結果を累積させることにより、はずれとはずれとの間の1回の大当りに基づいて、変動表示された後に特別図柄である大当り図柄が停止表示されるときでも、特別はずれ演出を継続して実行することができる。すなわち、大当りに対応した大当り図柄が、特別図柄として、変動表示を開始してから停止表示されるまでの間であっても、特別はずれ演出が継続して実行されることになる。
具体的には、図26に示すように、入賞1と入賞2と入賞4とに対応する大当り図柄決定用乱数値の判定結果の全てがはずれになり、入賞1に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄であり、時刻T2ではずれ図柄が停止表示され、入賞2に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄であり、時刻T4で、はずれ図柄が停止表示され、入賞4に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄であり、時刻T8で、はずれ図柄が停止表示される。これに対して、入賞2と入賞4との間の入賞3に対応する大当り図柄決定用乱数値の判定結果は大当りであり、この入賞3に対応して停止表示される図柄は、大当り図柄であり、時刻T6で、大当り図柄が停止表示される。
また、図26に示した例では、入賞2と入賞4との間で、1つの大当りが存在する。この場合には、上述したように、はずれとはずれとの間に大当りが1つあるような場合であっても、大当り判定用乱数値の判定の過去の結果によって実行すると決定した特別はずれ演出に、大当り判定用乱数値の判定の新たな結果を累積させるので、入賞3に対応した図柄の変動表示のときにも、特別はずれ演出(第3回)が、時刻T5〜T6の間に実行される。このようにすることで、途中で大当りが1つあるような場合でも、特別はずれ演出を継続して実行することができるので、特別図柄による特別はずれ演出を円滑に続けることができる。また、大当り図柄が停止表示されたにもかかわらず、特別はずれ演出を継続して実行することによって、違和感を感じさせたり、疑問に感じさせたりすることができ、遊技者を惹きつける可能性を高めることができる。
なお、上述した例では、はずれとはずれとの間に大当りが1つあるような場合を示したが、はずれとはずれとの間に大当りが2つ以上あるようにしてもよい。特に、大当りのときに変動時間や大当り演出を実行するための時間が短いような場合には、特別はずれ演出の円滑性を保つことができる。
一方、はずれとはずれとの間に大当りが2つ以上存在する場合には、特別はずれ演出は継続して実行されず、大当りに対応した特別図柄が停止表示されるような場合には、大当り演出が実行されることになる。
具体的には、図27に示すように、入賞1と入賞4とに対応する大当り図柄決定用乱数値の判定結果の全てがはずれになり、入賞1に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄であり、時刻T2ではずれ図柄が停止表示され、入賞4に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄であり、時刻T8で、はずれ図柄が停止表示される。これに対して、入賞1と入賞4との間の入賞2と入賞3とに対応する大当り図柄決定用乱数値の判定結果は大当りであり、この入賞2に対応して停止表示される図柄は、大当り図柄であり、時刻T4で、大当り図柄が停止表示され、入賞3に対応して停止表示される図柄は、大当り図柄であり、時刻T6で、大当り図柄が停止表示される。
また、図27に示した例では、入賞1と入賞4との間で、2つの大当りが存在する。上述したように、はずれとはずれとの間に大当りが2つ以上あるような場合には、特別はずれ演出を中止して、別個に大当り演出を実行するので、入賞1に対応した図柄の変動表示では、時刻T1〜T2で、特別はずれ演出を実行した後、特別はずれ演出を中止して、入賞2に対応した図柄の変動表示では、時刻T3〜T4で、大当り演出を実行し、さらに、入賞3に対応した図柄の変動表示では、時刻T5〜T6で、大当り演出を実行する。その後、入賞4に対応した図柄の変動表示では、時刻T7〜T8で、はずれ演出を実行する。このようにすることで、途中で大当りが2つ以上ある場合には、特別はずれ演出を実行せずに、大当り演出を実行することによって、大当り図柄決定用乱数値の判定結果に応じた演出を、特別図柄の変動パターンによって実行することができる。
なお、上述した例では、はずれとはずれとの間に大当りが2つあるような場合を示したが、はずれとはずれとの間に大当りが3つ以上あるようにしてもよい。特に、大当りのときに変動時間や大当り演出を実行するための時間が長いような場合には、大当り図柄決定用乱数値の判定結果と演出との整合を図ることができる。
なお、特別はずれ演出を継続させる回数は、変数c_max_sp_effectの値に応じて定めることができるので、保留数の数(最大4個)にかかわらず、継続して実行することができる。すなわち、大当り図柄決定用乱数値の判定結果が、連続してはずれになった回数に応じて、特別はずれ演出を継続して実行することができる。このようにしたことで、大当り図柄決定用乱数値の判定結果が、連続してはずれになっている状態であることを遊技者に報知することができ、大当り図柄決定用乱数値の判定結果が大当りになるようにするために、始動口25に継続的に遊技球を入賞させるように遊技者に動機付けることができるので、遊技球を継続的に発射させるようにすることができる。このように、大当り図柄決定用乱数値の判定結果が、連続してはずれになっていることを遊技者に報知するようにしたことにより、遊技店における遊技球への交換量を増やすことができる。これに対して、例えば、大当り図柄決定用乱数値の判定結果が、大当りになったことを遊技者に報知した場合には、遊技者は、安心するので、遊技球の発射を一時的に中断する可能性が高い。したがって、このような構成にした場合には、遊技店における遊技球への交換量を減らす可能性が生ずることになる。
[特別図柄停止処理]
図28は、図10のステップS1006の処理で呼び出されて実行される特別図柄停止処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理を実行することによって、所定の時間、所定の変動パターンによる特別図柄の変動表示を終了し、図11のステップS1108又はS1109の処理で定められた図柄で停止表示(導出表示)させることができる。
最初に、特別図柄の変動表示を終了して、図11のステップS1108又はS1109の処理で定められた図柄で停止表示(導出表示)する(ステップS2810)。次に、特別はずれ演出の継続を終了させるか否かを判断する(ステップS2812)。この判断は、c_sp_effectの値が、c_max_sp_effect以上になったか否かで判断すればよい。ステップS2812の判断処理で、特別はずれ演出の継続を終了させないと判別したとき(NO)には、直ちに、本サブルーチンを終了する。
ステップS2812の判断処理で、特別はずれ演出の継続を終了させると判別したとき(YES)には、フラグF_sp_continueの値を初期化し(ステップS2814)、変数c_sp_effectの値を初期化し(ステップS2816)、特別図柄制御状態フラグの値に"02"をセットし(ステップS2818)、本サブルーチンを終了する。このように、フラグF_sp_continueの値を初期化することによって、特別はずれ演出の実行を終了することができる。
[普通図柄保留球テーブル処理]
図29は、上述した図13のステップS1304の処理で呼び出されて実行される普通図柄保留球テーブル処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンによって、図30に示すような普通図柄保留球テーブルに記憶されている当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが読み出され、普通図柄保留球テーブルの内容が更新される。
最初に、変数c_nm_reserve_maxの値が0より大きいか否かを判断する(ステップS2910)。上述したように、変数c_nm_reserve_maxは、通過ゲート54の遊技球(普通保留球)の通過に基づく保留個数を示す変数である。
ステップS2910の判断処理で、変数c_nm_reserve_maxの値が0以下であると判別したとき(NO)、すなわち、保留個数が0であると判別したとき、具体的には、普通図柄保留球テーブルに、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との組が、記憶されていないと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS2910の判断処理で、変数c_nm_reserve_maxの値が0以上であると判別したとき(YES)、すなわち、保留個数が0でないと判別したとき、具体的には、普通図柄保留球テーブルに、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との組が、少なくとも1組記憶されていると判別したときには、普通図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とを読み出す(ステップS2912)。例えば、図30に示す普通図柄保留球テーブルの例では、「No.」が「1」である当り判定用乱数値「4512」と当り図柄決定用乱数値「8」とを読み出す。
上述したステップS2912の処理によって、読み出された当り判定用乱数値は、図13のステップS1305の処理で、判定するために用いられる。また、当り図柄決定用乱数値は、図13のステップS1306の処理で、図柄を決定するために用いられる。
次に、普通図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域をクリアして、当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とを消去する(ステップS2914)。次いで、普通図柄保留球テーブルの第2番目以降の記憶領域の内容を1つずつシフトさせることによって、当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とを記憶させるべき記憶領域を1つ前に変更する(ステップS2916)。
具体的には、普通図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが記憶されていれば、普通図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第1番目の記憶領域に移動させる。また、普通図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが記憶されていれば、普通図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第2番目の記憶領域に移動させる。
同様に、普通図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域に当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが記憶されていれば、普通図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第3番目の記憶領域に移動させる。なお、普通図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第3番目の記憶領域に移動させたときには、普通図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域をクリアする。
例えば、図30に示した普通図柄保留球テーブルの例の場合では、図30(b)に示した普通図柄保留球テーブルが、ステップS2912〜S2916の処理を実行する前の状態であったとする。すなわち、普通図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域には、当り判定用乱数値「4512」及び当り図柄決定用乱数値「8」と、先読みフラグの値「1」とが記憶され、普通図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域には、当り判定用乱数値「182」及び当り図柄決定用乱数値「6」と、先読みフラグの値「1」とが記憶され、普通図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域には、当り判定用乱数値「27269」及び当り図柄決定用乱数値「2」と、先読みフラグの値「1」とが記憶され、普通図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域には、当り判定用乱数値「2509」及び当り図柄決定用乱数値「5」と、先読みフラグの値「1」とが記憶されている。
普通図柄保留球テーブルが、図30(b)に示した状態であるときに、上述したステップS2912〜S2916の処理を実行することによって、普通図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域がクリアされるとともに、普通図柄保留球テーブルの第2番目以降の記憶領域の内容が1つずつ前の記憶領域にシフトされる。すなわち、図30(c)に示すように、普通図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域に、当り判定用乱数値「182」及び当り図柄決定用乱数値「6」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶され、普通図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に、当り判定用乱数値「27269」及び当り図柄決定用乱数値「2」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶され、普通図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に、当り判定用乱数値「2509」及び当り図柄決定用乱数値「5」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶される。さらに、普通図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域では、当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とがクリアされる。
このように、ステップS2916の処理を実行することによって、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とをシフトさせるだけでなく、先読みフラグの値もシフトさせるので、先読みを、既に実行したか又は未だに実行していないかを示す情報もシフトさせて、普通図柄保留球テーブルに記憶させ、普通図柄の変動表示と停止表示との制御とは別個に、普通はずれ演出の制御も的確に処理することができる。
次に、変数c_nm_reserve_maxの値を1だけ減ずる(ステップS2918)。次いで、変数c_nm_reserve_maxの値が0になったか否か、すなわち、保留個数が0になったか否かを判断する(ステップS2920)。変数c_nm_reserve_maxの値が0になったと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、変数c_nm_reserve_maxの値が0になっていないと判別したとき(YES)、すなわち、普通図柄保留球テーブルに当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値との組が、少なくとも1組記憶されていると判別したときには、フラグF_nm_continueの値を0にするとともに(ステップS2922)、変数c_nm_effectの値を0にし(ステップS2924)、本サブルーチンを終了する。
フラグF_nm_continueは、後述する普通はずれ演出を継続して実行しているか否かを示すフラグであり、フラグF_nm_continueの値が1であるときには、普通はずれ演出を継続して実行していることを示し、フラグF_nm_continueの値が0であるときには、普通はずれ演出を実行していないことを示す。また、変数c_nm_effectは、普通はずれ演出を継続して実行している回数を示す。なお、これらのフラグF_nm_continueや、変数c_nm_effectについては、後で詳述する。
上述したように、変数c_nm_reserve_maxの値が0になったとき、すなわち、保留個数が0になったとき、具体的には、普通図柄保留球テーブルに当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが、1組も記憶されていないときには、フラグF_nm_continueの値を0にして、変数c_nm_effectの値を0にすることで、継続して実行していた普通はずれ演出を終了させる。
このように処理することで、保留個数を一旦ゼロにすることによって、普通はずれ演出の継続を中止することができる。すなわち、遊技者が、遊技球を通過ゲート54に一時的に通過させないようにすることで、普通はずれ演出の継続を中止することができる。したがって、遊技者が、普通はずれ演出の継続を中止したいときには、遊技球を通過ゲート54に意図的に通過させないようにすることで、遊技者の意思を反映させることができる。
さらに、上述したステップS2920の判断処理では、変数c_nm_reserve_maxの値が0になっているか否かのみで判断したが、遊技者が遊技球を発射させているか否かも合せて判断するのが好ましい。たとえば、遊技者が発射ハンドル26をある程度の角度まで回動させているか否かを検出したり、遊技球が通過する度に検出信号を発するセンサをガイドレール30などの遊技球の通過経路に設けて遊技球が実際に発射されていることを検出したりすることで、遊技者が遊技球を発射させているか否かを判断することができる。
このようにすることで、遊技者が遊技球を発射させていない場合であって、保留個数が0になった場合には、普通はずれ演出の継続を遊技者が積極的に中止したい意思を有しているとして、変数c_nm_reserve_maxの値を0にすることで、継続して実行していた普通はずれ演出を終了させることができ、遊技者の意思を反映させることができる。
一方、遊技者が遊技球を発射させていた場合であって、保留個数が0になった場合は、普通はずれ演出を終了させる意思がないにもかかわらず、通過ゲート54に遊技球を通過させることができなかった結果として、保留個数がゼロになった場合である。このような場合は、普通はずれ演出を終了させる意思を遊技者は有していなかった、すなわち、普通はずれ演出を継続させたいという意思を遊技者は有していたとすることができるので、フラグF_nm_continueの値を0にせず、変数c_nm_effectの値も初期化しないよういすることで、普通はずれ演出を継続して実行する状態を維持することができる。このような場合にも、遊技者の意思を的確に反映させることができる。
上述したように、遊技者が遊技球を発射させているか否かも合せて判断するので、遊技を進める技術、すなわち、通過ゲート54への通過が、上手・下手にかかわらず、楽しむことができる遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者が遊技球を発射させているにもかかわらず、通過ゲート54に遊技球を通過させることができなかった場合は、技術不足によるもので、遊技者は、初心者であると考えられる。このような場合には、変数F_nm_continueなどの値を初期化せずに、普通はずれ演出を継続して実行する状態を維持できる。
[普通はずれ演出処理]
図31は、図13のステップS1307の処理で呼び出されて実行される普通はずれ演出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンを実行することにより、当り判定用乱数値を用いて判定した結果が、保留球(普通保留球)によって連続してはずれとなったときには、普通はずれ演出が継続して行われることになる。
最初に、フラグF_nm_continueの値が1であるか否かを判断する(ステップS3110)。このフラグF_nm_continueは、本サブルーチンによって、普通はずれ演出を継続して実行している最中であるか否かを示すフラグである。フラグF_nm_continueの値が1であるときには、普通はずれ演出を継続して実行している最中であることを示し、フラグF_nm_continueの値が0であるときには、普通はずれ演出を実行していないことを示す。
ステップS3110の判断処理で、フラグF_nm_continueの値が1でないと判別したとき(NO)には、普通図柄保留球テーブルを参照して、先読みフラグの値が1になっているものが存在か否か、すなわち、その時点で、未だに先読みをしていない当り判定用乱数値が存在するか否かを判断する(ステップS3112)。先読みフラグの値が1になっているものが存在しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3112の判断処理で、先読みフラグの値が1になっているものが存在すると判別したとき(NO)には、その先読みフラグの値が1になっている当り判定用乱数値の全てを読み出し(ステップS3114)、読み出した全ての当り判定用乱数値に対応する先読みフラグの値を0にする(ステップS3116)。すなわち、その時点で、未だに先読みされていない当り判定用乱数値の全てを普通図柄保留球テーブルから読み出し、その読み出した全ての当り判定用乱数値に対応する「FLG」の記憶領域に「0」を書き込む。このようにすることで、読み出した全ての当り判定用乱数値に対応する先読みフラグを、「先読み済み」の状態にすることができる。
例えば、図33(a)に示した普通図柄保留球テーブルの例の場合で、この図33(a)に示した状態のときに、上述したステップS3114の処理によって、先読みフラグの値が1になっている当り判定用乱数値の全てを読み出したときには、図33(b)に示すように、ステップS3116の処理によって、その読み出した全ての当り判定用乱数値に対応する「FLG」の記憶領域に「0」を書き込む。
なお、普通図柄保留球テーブルが図33(b)に示した状態となった後に、通過ゲート54に遊技球が新たに通過したときには、上述した図16のサブルーチンのステップS1601〜S1605が実行されて、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが抽出されて(ステップS1603)、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが普通図柄保留球テーブルに記憶されるとともに(ステップS1604)、これらの当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とに対応する先読みフラグの値を0にする(ステップS1605)。これらの処理が実行されることによって、例えば、図33(c)に示すように、普通図柄保留球テーブルの4番目の記憶領域には、当り判定用乱数値として「2509」が記憶されるとともに、当り図柄決定用乱数値として「5」が記憶される。さらに、これらに対応する「FLG」(先読みフラグ)の記憶領域には「1」が記憶されることになる。
このように、普通図柄保留球テーブルの「FLG」(先読みフラグ)の記憶領域を設けるとともに、先読みフラグの値を、変更したり新たに記憶させたりすることで、先読み処理が既にされた当り図柄決定用乱数値と、先読み処理が未だにされていない当り図柄決定用乱数値とを区別することができ、先読み処理を的確に実行することができる。
さらに、普通図柄保留球テーブルが図33(b)に示した状態となった後に、普通図柄ゲームを開始するために、図13のステップS1304の処理で図29のサブルーチンが呼び出されて実行されたときには、図29のステップS2912及びS2916の処理によって、普通図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域の当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが読み出された後、その普通図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域がクリアされ、普通図柄保留球テーブルの2番目以降の記憶領域の当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とが、1つずつ前の記憶領域に移動して記憶される。
例えば、図29のステップS2912及びS2914の処理を実行することによって、図33(d)に示すように、普通図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域の当り判定用乱数値「4512」及び当り図柄決定用乱数値「8」と、「FLG」(先読みフラグ)の値「0」とが読み出された後に、普通図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域がクリアされる。さらに、図29のステップS2916の処理を実行することによって、図33(e)に示すように、普通図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域に、当り判定用乱数値「182」及び当り図柄決定用乱数値「6」と、先読みフラグの値「0」とが、移動して記憶され、普通図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に、当り判定用乱数値「27269」及び当り図柄決定用乱数値「2」と、先読みフラグの値「0」とが、移動して記憶され、普通図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に、当り判定用乱数値「2509」及び当り図柄決定用乱数値「5」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶される。さらに、普通図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域では、当り判定用乱数値及び当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とがクリアされる。
上述したステップS3116の処理を実行した後、ステップS3114の処理で読み出した当り判定用乱数値の全てを判定する(ステップS3118)。なお、この判定は、後述するように、普通はずれ演出を実行するか否かを定めるためのものであるので、読み出した当り判定用乱数値に対応する判定結果がはずれであることを定めることができればよく、判定結果が当りであることを定める必要はない。また、このステップS3118の判定処理の結果、連続してはずれになった回数も計数する。この連続してはずれになった回数は、後述するステップS3126で用いる回数である。
次いで、ステップS3118の判定結果が、連続してはずれになったか否かを判断する(ステップS3120)。この連続してはずれになったか否かの判断は、例えば、普通図柄保留球テーブルの1番目と2番目との記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値の判定結果が、共にはずれであるような場合や、普通図柄保留球テーブルの2番目と3番目との記憶領域の当り判定用乱数値の判定結果が、共にはずれであるような場合などがある。いずれにしても、普通図柄保留球テーブルの少なくとも2つ以上連続した記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値の判定結果が、全てはずれであることを意味する。したがって、普通図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値の判定結果がはずれであり、普通図柄保留球テーブルの2番目の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値の判定結果が当りであり、普通図柄保留球テーブルの3番目の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値の判定結果がはずれである場合は、連続してはずれになっていないと判別される。
ステップS3120の判断処理で、判定結果が連続してはずれになっていないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。一方、判定結果が連続してはずれになったと判別したとき(YES)には、普通はずれ演出用乱数カウンタの値から普通はずれ演出用乱数値を抽出する(ステップS3122)。なお、この普通はずれ演出用乱数カウンタも、上述した図9のステップS921の処理が実行される度に、その値が更新されるカウンタである。この普通はずれ演出用乱数は、普通はずれ演出を実行するか否かを定めるためのものであり、普通はずれ演出用乱数が、第1の範囲に含まれている場合には、普通はずれ演出を実行すると定め、第1の範囲とは異なる第2の範囲に含まれている場合には、普通はずれ演出を実行しないと定める。
このように、普通はずれ演出用乱数の値で、普通はずれ演出を実行するか否かを定めることによって、判定結果が連続してはずれになっている場合であっても、直ちに、普通はずれ演出が実行されるわけではなく、判定結果の全てを遊技者に報知するわけではないので、遊技の進行について、疑問に感じさせたり驚かせたりすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次に、普通はずれ演出を実行するか否かを判断する(ステップS3124)。上述したように、普通はずれ演出用乱数が、第1の範囲に含まれている場合には、普通はずれ演出を実行する。一方、普通はずれ演出用乱数が、第1の範囲とは異なる第2の範囲に含まれている場合には、普通はずれ演出を実行しないと定める。ステップS3124の判断処理で、普通はずれ演出を実行しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3124の判断処理で、普通はずれ演出を実行すると判別したとき(YES)には、変数c_max_sp_effectの値を、「連続してはずれになった回数」に設定する(ステップS3126)。変数c_max_sp_effectは、普通はずれ演出を継続して実行すべき最大回数を定める変数である。この「連続してはずれになった回数」は、上述したステップS3118の処理によって計数された回数である。このステップS3126の処理を実行することによって、当り判定用乱数値の全てを判定した結果、「連続してはずれになった回数」を、普通はずれ演出を継続して実行すべき回数にすることができる。
ステップS3126の処理を実行した後、変数c_max_nm_effectの値に応じて、普通はずれ演出を選択する(ステップS3128)。例えば、変数c_max_nm_effectの値が2であれば、普通はずれ演出を2回だけ継続して実行するようにするために、2回分の普通はずれ演出からなるものを選択する。
ステップS3128の処理を実行した後、変数c_nm_effectの値を初期化、例えば、1に設定し(ステップS3130)、変数c_nm_effectの値に応じた普通はずれ演出データを読み出し(ステップS3132)、本サブルーチンを終了する。上述した変数c_nm_effectは、普通はずれ演出が継続して行われた回数を示すカウンタである。なお、上述したステップS3132の処理で用いる普通はずれ演出データについては後述する。
また、上述したステップS3110の判断処理で、フラグF_nm_continueの値が1であると判別したとき(YES)、すなわち、普通はずれ演出を、既に継続して実行しているときには、変数c_nm_effectの値を1だけ増やし(ステップS3134)、変数c_nm_effectの値に応じた普通はずれ演出データを読み出す(ステップS3136)。
上述したステップS3132又はS3136の処理は、具体的には、図32に示すような普通はずれ演出データを、変数c_max_nm_effectの値(図32に示す最大継続回数)に応じて選択する処理である。図32は、普通はずれ演出を実行するときに用いる普通はずれ演出データが、変数c_max_nm_effectの値に応じて記憶された普通はずれ演出データテーブルを示す表である。
図32に示した普通はずれ演出データテーブルから、普通はずれ演出データを変数c_nm_effectの値に応じて読み出すことによって、普通図柄表示装置35において、普通図柄を用いた普通はずれ演出を継続して実行することができる。図32に示したはずれ普通演出データの各々を「はずれ演出データm(n)」と表現したときのmが、変数c_max_nm_effectの値に対応し、nが、変数c_sp_effectの値に対応する。
例えば、「連続してはずれになった回数」が2回であるときには、上述したステップS3126の処理によって、変数c_max_nm_effectの値が2に定められる。したがって、この場合には、m=2であり、n=1,2であるので、図32に示した普通はずれ演出データテーブルの最大継続回数が2(「No」が「1」)の記憶領域に記憶されているはずれ演出データ2(1)と、はずれ演出データ2(2)とが用いられる。具体的には、1回目の普通はずれ演出を実行するときには、変数c_nm_effectの値は1となるので(図31のステップS3130)、はずれ演出データ2(1)が読み出されて(図31のステップS3132)、普通図柄表示装置35において、普通図柄を用いた普通はずれ演出が実行される。次いで、2回目の普通はずれ演出を実行するときには、変数c_nm_effectの値は2となるので(図31のステップS3134)、はずれ演出データ2(2)が読み出されて(図31のステップS3136)、普通図柄表示装置35において、普通図柄を用いた普通はずれ演出が実行される。
同様に、「連続してはずれになった回数」が11回であるときには、上述したステップS3126の処理によって、変数c_max_nm_effectの値が11に定められる。したがって、この場合には、m=1であり、n=1〜11であるので、図32に示した普通はずれ演出データテーブルの最大継続回数が11(「No」が「10」)の記憶領域に記憶されているはずれ演出データ11(1)〜はずれ演出データ11(11)が用いられる。具体的には、1回目の普通はずれ演出を実行するときには、変数c_nm_effectの値は1となるので(図31のステップS3130)、はずれ演出データ11(1)が読み出され(図31のステップS3132)、2回目の普通はずれ演出を実行するときには、変数c_nm_effectの値は2となるので(図31のステップS3134)、はずれ演出データ11(2)によって、が読み出されて(図31のステップS3136)、普通図柄表示装置35において、普通図柄を用いた普通はずれ演出が実行される。
この後、図31のステップS3134の処理によって、変数c_nm_effectの値が、順次1ずつ増え、図31のステップS3136の処理によって、順次、演出データ11(3)〜演出データ11(11)のデータが読み出されて、普通図柄表示装置35において、普通図柄を用いた普通はずれ演出が実行される。このようにすることで、普通はずれ演出が11回継続して実行される。
図32に示した普通はずれ演出データは、上述したように、普通図柄表示装置35において、普通図柄を用いた普通はずれ演出を実行するためのデータである。この普通はずれ演出データは、例えば、通常、表示されない文字や記号を普通図柄として表示したり、特定の普通図柄が自転するように変動表示させたり、特定の普通図柄が点滅するように変動表示させたり、特定の普通図柄が、他の普通図柄とは異なる色で表示されて変動表示させたりするために、普通図柄表示装置35を制御するデータである。この普通はずれ演出データは、上述したステップS3132又はS3136の処理で読み出され、読み出された普通はずれ演出データによって、上述した図13のステップS1308の処理で決定する変動パターンが定められる。上述したような各種の変動パターンで普通図柄を変動表示させることによって、普通はずれ演出を実行することができ、普通はずれ演出が実行されていることを遊技者に示すことができる。
上述したステップS3112〜S3136の処理することによって、図25のタイムチャートに示すようなタイミングで、普通図柄の変動表示の開始と停止表示(導出表示)と、普通はずれ演出とを実行することができる。なお、図25〜図27では、上述した普通図柄を特別図柄と併記して示し、普通はずれ演出を特別はずれ演出と併記して示した。
まず、図25のタイムチャートの最上段のタイムチャートに示すように、遊技球が通過ゲート54を通過することによって(図16のステップS1601)、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが抽出され(図16のステップS1603)、記憶される(図16のステップS1604)。図25に示したタイムチャートでは、連続して、4個の遊技球が通過ゲート54を通過したことによって、4組の当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とが抽出され、普通図柄保留球テーブルに記憶されたものとする。なお、以下では、図25に示したように、4個の遊技球の通過ゲート54の通過を、4つの入賞として示し、入賞1、入賞2、入賞3、入賞4と称した。また、これらの入賞1と入賞2と入賞3と入賞4とに基づく判定結果は、全てはずれになったものとする。
入賞1に基づいて、普通図柄は、時刻T1に変動表示が開始され(図12のステップS1203)、時刻T2で変動表示が停止される(図12のステップS1206)。その後、入賞2に基づいて、普通図柄は、時刻T3に変動表示が開始され(図12のステップS1203)、時刻T4で変動表示が停止される(図12のステップS1206)。さらにその後、入賞3に基づいて、普通図柄は、時刻T5に変動表示が開始され(図12のステップS1203)、時刻T6で変動表示が停止される(図12のステップS1206)。次いで、入賞4に基づいて、普通図柄は、時刻T7に変動表示が開始され(図12のステップS1203)、時刻T8で変動表示が停止される(図12のステップS1206)。
これに対して、時刻T0において、入賞1と入賞2と入賞3と入賞4とに基づいて抽出された4つの当り図柄決定用乱数値を先読みし(図31のステップS3114)、これらの4つの当り図柄決定用乱数値の判定結果の全てがはずれになり(連続して4回はずれになり)、これによって、普通はずれ演出が4回行うことが、時刻T0において、決定される(図31のステップS3120〜S3128)。この場合には、図32に示した普通はずれ演出データテーブルの最大継続回数が4(「No」が「3」)の記憶領域に記憶されているはずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(4)が読み出される。
これによって、時刻T1で、はずれ演出データ4(1)が読み出され(図31のステップS3130〜S3132)、これによって、第1回目の普通はずれ演出が開始され、時刻T2で終了する。次いで、時刻T3で、はずれ演出データ4(2)が読み出され(図31のステップS3134〜S3136)、これによって、第2回目の普通はずれ演出が開始され、時刻T4で終了する。その後、時刻T5で、はずれ演出データ4(3)が読み出され(図31のステップS3134〜S3136)、これによって、第3回目の普通はずれ演出が開始され、時刻T6で終了する。最後に、時刻T7で、はずれ演出データ4(4)が読み出され(図31のステップS3134〜S3136)、これによって、第4回目の普通はずれ演出が開始され、時刻T8で終了する。
上述したように、普通図柄を用いた普通はずれ演出は、所定の変動パターンで普通図柄を変動表示させることによって実行される。このため、時刻T1で、入賞1に基づく普通図柄の変動表示が開始されるとともに、第1回目の普通はずれ演出が開始される。時刻T2で、入賞1に基づく普通図柄の変動表示が停止されるとともに、第1回目の普通はずれ演出が終了する。また、時刻T3で、入賞2に基づく普通図柄の変動表示が開始されるとともに、第2回目の普通はずれ演出が開始される。時刻T4で、入賞2に基づく普通図柄の変動表示が停止されるとともに、第2回目の普通はずれ演出が終了する。さらに、時刻T5で、入賞3に基づく普通図柄の変動表示が開始されるとともに、第3回目の普通はずれ演出が開始される。時刻T6で、入賞3に基づく普通図柄の変動表示が停止されるとともに、第3回目の普通はずれ演出が終了する。さらにまた、時刻T7で、入賞4に基づく普通図柄の変動表示が開始されるとともに、第4回目の普通はずれ演出が開始される。時刻T8で、入賞4に基づく普通図柄の変動表示が停止されるとともに、第4回目の普通はずれ演出が終了する。
上述したように、普通図柄の変動と普通はずれ演出とのタイミングは一致することになる。このように、普通図柄の変動と普通はずれ演出とのタイミングは一致するように実行されることから、普通はずれ演出は、時間的に連続して実行されるわけではなく、一時的に中断する時間が存在するので、断続的に実行される演出になる場合がある。なお、普通図柄の変動表示のタイミングによっては、変動表示が停止した後に、直ちに連続して次の変動表示が開始される場合もあり、このような場合には、普通はずれ演出も時間的に連続して実行されることになる。
上述した図31のステップS3136の処理を実行した後、普通図柄保留球テーブルを検索して、「FLG」の記憶領域を読み出し(ステップS3138)、未だに先読みしていない当り判定用乱数値が存在するか否かを判断する(ステップS3140)。
このステップS3140の判断処理で、先読みしていない当り判定用乱数値が存在しないと判別したとき(NO)、すなわち、普通図柄保留球テーブルに、現在記憶されている当り判定用乱数値は、全て先読みしていると判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3140の判断処理で、先読みしていない当り判定用乱数値が存在したと判別したとき(YES)には、「先読みしていない当り判定用乱数値」の総数を計数する(ステップS3142)。次いで、「先読みしていない当り判定用乱数値」の全てを、普通図柄保留球テーブルから読み出し(ステップS3144)、普通図柄保留球テーブルから読み出した全ての当り判定用乱数値を判定する(ステップS3146)。
次に、上述したステップS3146の判定処理の結果に、はずれが少なくとも1つ存在するか否かを判断する(ステップS3148)。ステップS3148の判断処理の結果、はずれが1つも存在しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3148の判断処理の結果、はずれが少なくとも1つ存在すると判別したとき(YES)には、当りが2つ以上連続して存在するか否かを判断する(ステップS3150)。このステップS3150の判断処理で、当りが2つ以上連続して存在すると判別したとき(YES)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3150の判断処理で、当りが2つ以上連続して存在しないと判別したとき(YES)、すなわち、当りが1つしか存在しないと判別したときには、ステップS3142の処理で計数した「先読みしていない当り判定用乱数値」の総数を、変数c_max_nm_effectの値に加算して、変数c_max_nm_effectの値を更新する(ステップS3152)。次いで、更新した変数c_max_nm_effectの値に応じて、改めてはずれ演出データを選択し直し(ステップS3154)、本サブルーチンを終了する。
例えば、更新前の変数c_max_nm_effectの値が4であるときには、はずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(4)が用いられることになっているが、ステップS3148及びS3150の処理によって、変数c_max_nm_effectの値を更新することになり、ステップS3142の処理によって、先読みしていない当り判定用乱数値の総数が7である場合には、ステップS3152の処理によって、変数c_max_nm_effectの値は、11(=4+7)に更新される。この場合には、ステップS3154の処理によって、はずれ演出データ11(1)〜はずれ演出データ11(11)が改めて選択され、このはずれ演出データによって、普通はずれ演出が実行される。
なお、使用するはずれ演出データは、変数c_sp_effectの値に応じて用いればよい。例えば、上述した例において、更新前の変数c_max_nm_effectの値が4であるときには、はずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(4)が用いられる。この場合、変数c_sp_effectの値が、1から始まって、順次、3まで増加したときには、はずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(3)が、順次読み出されて、普通はずれ演出が実行される。この後、変数c_max_nm_effectの値が更新されて、11になったときには、上述したように、はずれ演出データ11(1)〜はずれ演出データ11(11)が改めて選択される。しかし、この時点で、変数c_sp_effectの値は、既に3まで増えて、はずれ演出データ4(3)が用いられた後であるので、次に、普通はずれ演出が実行されるときには、変数c_sp_effectの値は4となり、その後、はずれ演出データ11(4)〜はずれ演出データ11(11)が、順次、読み出されて、普通はずれ演出が実行されることにある。このようにすることで、普通はずれ演出は、はずれ演出データ4(1)→はずれ演出データ4(2)→はずれ演出データ4(3)→はずれ演出データ11(4)→・・・→はずれ演出データ11(11)の順で、読み出されて実行されることになる。更新された変数c_max_nm_effectの値と、変数c_max_nm_effectの値を更新するときまでに増加した変数c_sp_effectの値との整合を図った普通はずれ演出を実行することができるとともに、変数c_sp_effectの値を変更せずに処理を進めることができるので、普通はずれ演出のための処理を簡便にすることができる。
このようにすることで、当り判定用乱数値の判定の結果、はずれとはずれとの間に当りが1つあるような場合には、当り判定用乱数値の判定の過去の結果によって実行すると決定した普通はずれ演出に、当り判定用乱数値の判定の新たな結果を累積させることによって、はずれとはずれとの間の1回の当りに基づいて、変動表示された後に普通図柄である当り図柄が停止表示されるときでも、普通はずれ演出を継続して実行することができる。すなわち、当りに対応した当り図柄が、普通図柄として、変動表示を開始してから停止表示されるまでの間であっても、普通はずれ演出が継続して実行されることになる。
具体的には、図26に示すように、入賞1と入賞2と入賞4とに対応する当り図柄決定用乱数値の判定結果の全てがはずれになり、入賞1に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄であり、時刻T2ではずれ図柄が停止表示され、入賞2に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄であり、時刻T4で、はずれ図柄が停止表示され、入賞4に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄であり、時刻T8で、はずれ図柄が停止表示される。これに対して、入賞2と入賞4との間の入賞3に対応する当り図柄決定用乱数値の判定結果は当りであり、この入賞3に対応して停止表示される図柄は、当り図柄であり、時刻T6で、当り図柄が停止表示される。
また、図26に示した例では、入賞2と入賞4との間で、1つの当りが存在する。この場合には、上述したように、はずれとはずれとの間に当りが1つあるような場合にであっても、当り判定用乱数値の判定の過去の結果によって実行すると決定した普通はずれ演出に、当り判定用乱数値の判定の新たな結果を累積させるので、入賞3に対応した図柄の変動表示のときにも、普通はずれ演出(第3回)が、時刻T5〜T6の間に実行される。このようにすることで、途中で当りが1つあるような場合でも、普通はずれ演出を継続して実行することができるので、普通図柄による普通はずれ演出を円滑に続けることができる。
一方、はずれとはずれとの間に当りが2つ以上存在する場合には、普通はずれ演出は継続して実行されず、当りに対応した普通図柄が停止表示されるような場合には、当り演出が実行されることになる。
具体的には、図27に示すように、入賞1と入賞4とに対応する当り図柄決定用乱数値の判定結果の全てがはずれになり、入賞1に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄であり、時刻T2ではずれ図柄が停止表示され、入賞4に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄であり、時刻T8で、はずれ図柄が停止表示される。これに対して、入賞1と入賞4との間の入賞2と入賞3とに対応する当り図柄決定用乱数値の判定結果は当りであり、この入賞2に対応して停止表示される図柄は、当り図柄であり、時刻T4で、当り図柄が停止表示され、入賞3に対応して停止表示される図柄は、当り図柄であり、時刻T6で、当り図柄が停止表示される。
また、図27に示した例では、入賞1と入賞4との間で、2つの当りが存在する。上述したように、はずれとはずれとの間に当りが2つ以上あるような場合には、普通はずれ演出を中止して、別個に当り演出を実行するので、入賞1に対応した図柄の変動表示では、時刻T1〜T2で、普通はずれ演出を実行した後、普通はずれ演出を中止して、入賞2に対応した図柄の変動表示では、時刻T3〜T4で、当り演出を実行し、さらに、入賞3に対応した図柄の変動表示では、時刻T5〜T6で、当り演出を実行する。その後、入賞4に対応した図柄の変動表示では、時刻T7〜T8で、普通はずれ演出を実行する。このようにすることで、途中で当りが2つ以上ある場合には、普通はずれ演出を実行せずに、当り演出を実行することによって、当り図柄決定用乱数値の判定結果に応じた演出を、普通図柄の変動パターンによって実行することができる。
なお、普通はずれ演出を継続させる回数は、変数c_max_nm_effectの値に応じて定めることができるので、保留数の数(最大4個)にかかわらず、継続して実行することができる。すなわち、当り図柄決定用乱数値の判定結果が、連続してはずれになった回数に応じて、普通はずれ演出を継続して実行することができる。このようにしたことで、当り図柄決定用乱数値の判定結果が、連続してはずれになっている状態であることを遊技者に報知することができ、当り図柄決定用乱数値の判定結果が当りになるようにするために、通過ゲート54に継続的に遊技球を通過させるように遊技者に動機付けることができるので、遊技球を継続的に発射させるようにすることができる。このように、当り図柄決定用乱数値の判定結果が、連続してはずれになっていることを遊技者に報知するようにしたことにより、遊技店における遊技球への交換量を増やすことができる。これに対して、例えば、当り図柄決定用乱数値の判定結果が、当りになったことを遊技者に報知した場合には、遊技者は、安心するので、遊技球の発射を一時的に中断する可能性が高い。したがって、このような構成にした場合には、遊技店における遊技球への交換量を減らす可能性が生ずることになる。
図34は、図12のステップS1206の処理で呼び出されて実行される普通図柄停止処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理を実行することによって、所定の時間、所定の変動パターンによる普通図柄の変動表示を終了し、図13のステップS1306の処理で定められた図柄で停止表示(導出表示)させることができる。
最初に、普通図柄の変動表示を終了して、図13のステップS1306の処理で定められた図柄で停止表示(導出表示)する(ステップS3410)。次に、普通はずれ演出の継続を終了させるか否かを判断する(ステップS3412)。この判断は、c_nm_effectの値が、c_max_nm_effect以上になったか否かで判断すればよい。ステップS3412の判断処理で、普通はずれ演出の継続を終了させないと判別したとき(NO)には、直ちに、本サブルーチンを終了する。
ステップS3412の判断処理で、普通はずれ演出の継続を終了させると判別したとき(YES)には、フラグF_nm_continueの値を初期化し(ステップS3414)、変数c_nm_effectの値を初期化し(ステップS3416)、普通図柄制御状態フラグの値に"02"をセットし(ステップS3418)、本サブルーチンを終了する。このように、フラグF_nm_continueの値を初期化することによって、普通はずれ演出の実行を終了することができる。
<<演出用図柄の変動表示・停止表示(導出表示)、装飾はずれ演出の実行>>
以下では、副制御回路200の制御によって実行される演出用図柄の変動表示・停止表示(導出表示)や、装飾はずれ演出について説明する。この演出用図柄の変動表示・停止表示は、上述した図15のステップS1505の処理(主制御回路60における処理)によって、抽出された大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを用いて定められる。また、装飾はずれ演出は、演出用図柄の変動表示の開始と共に開始され、演出用図柄の停止表示と共に終了する。この装飾はずれ演出は、大当り判定用乱数値を先読みすることによって定められる。このように、演出用図柄の制御についても、装飾はずれ演出についても、大当り判定用乱数値が用いられる。すなわち、演出用図柄も装飾はずれ演出も、遊技球が始動口25に入賞したことを契機して制御される。また、以下では、演出用図柄の変動表示と停止表示とによって行われるゲームを「演出用図柄ゲーム」と称する。
[演出用図柄保留球テーブル記憶処理]
図35は、図18のステップS1806の処理で呼び出されて実行される演出用図柄保留球テーブル記憶処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、変数c_sub_reserve_maxの値が4以上であるか否かを判断する(ステップS3510)。変数c_sub_reserve_maxは、この変数c_sub_reserve_maxは、始動口25への遊技球(特別保留球)の入賞に基づく保留個数を示す変数である。上述したように、演出用図柄も装飾はずれ演出も、遊技球が始動口25に入賞したことを契機して制御されるのであり、変数c_sub_reserve_maxの値も、始動口25に遊技球(特別保留球)が入賞した数(その時点で保留している数)を用いる。
上述したステップS3510判断処理で、変数c_sub_reserve_maxの値が4以上であると判別したとき(YES)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3510判断処理で、変数c_sub_reserve_maxの値が4未満であると判別したとき(NO)には、上述した図15のステップS1509の処理によって、主制御回路60から送信された大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを、演出用図柄保留球テーブルの処理の記憶領域に記憶させる(ステップS3512)。この演出用図柄保留球テーブルは、副制御回路200のワークRAM210の所定の領域に形成されたテーブルであり、主制御回路60から送信された大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを、送信される度に、順次、一時的に記憶(保留)するためのテーブルである。
後述するように、1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値とを組にしたものは、演出用図柄の変動表示と停止表示との制御をするときに、演出用図柄保留球テーブルから読み出され(図37に示すステップS3712)、その後、その1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値とは、演出用図柄保留球テーブルからクリアされる(図37に示すステップS3714)。
演出用図柄保留球テーブルは、1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値との組を、最大4組まで記憶させることができる。上述したように、ステップS3512の処理によって、1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値との組を、演出用図柄保留球テーブルに記憶させ、図37に示すステップS3712によって、読み出した1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値とを、演出用図柄保留球テーブルからクリアする。このように、演出用図柄保留球テーブルは、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを、演出用図柄の変動表示と停止表示との制御に用いるために読み出すまでの間、一時的に記憶する、すなわち、保留するためのものである。大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との一時的な記憶を「保留」と称する。
このように、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との一時的な記憶である「保留」の契機となった遊技球、すなわち、始動口25に遊技球が入賞して大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった遊技球が、「保留球」や「特別保留球」と称する。また、副制御回路200のワークRAM210や、ワークRAM210の所定の領域に形成された演出用図柄保留球テーブルが、「特別保留球結果記憶手段」に対応する。
上述したように、演出用図柄保留球テーブルには、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが一時的に記憶される、すなわち、「保留」される。また、演出用図柄保留球テーブルは、1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値との組を、最大4組まで記憶(保留)させることができる。このように、演出用図柄保留球テーブルに記憶させた1つの大当り判定用乱数値と1つの大当り図柄決定用乱数値との組の数を、その時点における「保留数」と称し、この保留数が、上述した変数c_sub_reserve_maxの値である。また、このように「保留数」と変数c_sub_reserve_maxとを定めたことにより、「保留数」や変数c_sub_reserve_maxの値は、始動口25に遊技球が入賞することによって、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった遊技球の数、すなわち、「保留球」の数や「特別保留球」の数をも意味する。
したがって、例えば、変数c_sub_reserve_maxの値は1であるときには、演出用図柄保留球テーブルには、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが1組だけ記憶されている状態であるとともに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で1個だけであることを意味する。また、変数c_sub_reserve_maxの値は2であるときには、演出用図柄保留球テーブルには、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが2組、記憶されている状態であるとともに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で2個であることを意味する。さらに、変数c_sub_reserve_maxの値は3であるときには、演出用図柄保留球テーブルには、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが3組、記憶されている状態であるとともに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で3個であることを意味する。さらにまた、変数c_sub_reserve_maxの値は4であるときには、演出用図柄保留球テーブルには、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが4組、記憶されている状態であるとともに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との抽出の契機の対象となった「保留球」の数が、その時点で4個であることを意味する。
上述したように、演出用図柄の制御についても、装飾はずれ演出についても、大当り判定用乱数値を用いるので、演出用図柄の制御や装飾はずれ演出においても、図11のS1106の大当り判定処理と、上述したステップS1505の乱数値抽出の処理とが、「抽選処理」や「特別抽選処理」に対応する。また、大当り判定用乱数値が、「抽選処理の結果」や「特別抽選処理の結果」に対応する。
演出用図柄保留球テーブルの1つの例を図38(a)〜(c)に示す。上述したように、演出用図柄保留球テーブルは、副制御回路200のワークRAM210の所定の領域に形成されたものであるが、演出用図柄保留球テーブルに記憶させるデータは、図15のステップS1505の処理によって、抽出された大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とである。
なお、例えば、上述したステップS3512が実行される前には、図38(a)に示す演出用図柄保留球テーブルになっていたとする。すなわち、3つの大当り抽選用乱数値(大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値)が、演出用図柄保留球テーブルに既に記憶されている状態であり、変数c_sub_reserve_maxの値が3になっている状態である。具体的には、1番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値として「2154」が記憶され、大当り図柄決定用乱数値として「8」が記憶されている。また、2番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値として「31182」が記憶され、大当り図柄決定用乱数値として「2」が記憶されている。さらに、3番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値として「7269」が記憶され、大当り図柄決定用乱数値として「6」が記憶されている。
このような状態の後に、上述したステップS3512の処理が新たに実行されることによって、図38(b)に示すように、4番目の記憶領域に、抽出された大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが、新たに記憶される。すなわち、大当り判定用乱数値として「15092」が記憶され、大当り図柄決定用乱数値として「7」が、新たに記憶される。
上述したステップS3512の処理を実行した後、先読みフラグを示す記憶領域に1を記憶させる(ステップS3514)。図38(a)〜(c)に示した演出用図柄保留球テーブルの表の右端に示すように、演出用図柄保留球テーブルには、「FLG」という記憶領域も形成されている。このFLGは、先読みフラグの値を記憶させるための記憶領域である。演出用図柄ゲームの当り又ははずれを決定するための処理とは別に、後述する装飾はずれ演出を実行するために、演出用図柄保留球テーブルに記憶されている大当り判定用乱数値を予め読み出す処理をする。この先読みフラグは、装飾はずれ演出を実行するために、図37に示すステップS3712の処理による大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値と読み出しよりも前に、大当り判定用乱数値を予め読み出した(先読みした)か否かを示すフラグである。この先読みフラグの値は、大当り判定用乱数値を未だ先読みしていないときには、先読みフラグの値は1であり、大当り判定用乱数値を既に先読みしたときには、先読みフラグの値は0である。
ステップS3514の処理を実行した後、変数c_sub_reserve_maxの値を1だけ増やす(ステップS3516)。上述したように、ステップS3512の処理によって、演出用図柄保留球テーブルの記憶領域に、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを新たに記憶させているので、変数c_sub_reserve_maxの値を変更する必要があるからである。
[演出開始処理]
図36は、図18のステップS1804の処理で呼び出されて実行される演出開始処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、主制御回路60から送信された変動パターン指定コマンドに対するデータをセットする(ステップS3610)。このステップS3610の処理では、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドに対応するデータをワークRAM210に記憶させる。変動パターン指定コマンドに対応するデータは、ステップS1704の処理によって、表示制御回路250に送信される。このようにすることで、液晶表示装置32において、演出用図柄が、変動パターン指定コマンドが示す変動パターンに従って、変動表示される。
次いで、後述する図37に示す演出用図柄保留球テーブル処理のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS3612)。この演出用図柄保留球テーブル処理は、この演出用図柄保留球テーブル処理では、演出用図柄保留球テーブルの1番目に記憶されている大当り判定用乱数値を読み出すとともに、演出用図柄保留球テーブルを更新する処理を行う。この演出用図柄保留球テーブル処理については、後で詳述する。
次いで、大当り判断処理を実行する(ステップS3614)。このステップS3614の処理では、ステップS3612の処理で演出用図柄保留球テーブルから読み出した大当り判定用乱数値を用いて、図7に示した大当り抽選テーブル(特別図柄テーブル)と同様のテーブル(図示せず)を参照する。なお、本サブルーチンは、副制御回路200で実行されるものであり、図7に示した大当り抽選テーブル(特別図柄テーブル)と同様のテーブルは、上述したプログラムROM208に予め記憶されている。このようにして、大当り判定用乱数値を用いて、この大当り抽選テーブルと同様のテーブルを参照することによって、遊技者に有利な大当りになるかはずれになる否かの判定を行うことができる。
さらに、上述したステップS3614の処理の判定結果に基づいて、演出用図柄を決定する(ステップS3616)。このステップS3616の処理によって、決定される演出用図柄は、演出用図柄が変動表示された後の停止表示(導出表示)するための図柄(以下、停止表示用図柄と称する。)である。
このステップS3616の処理では、ステップS3614の処理の判定結果が大当りであるときには、大当りを示す演出用大当り図柄を、上述した停止表示用図柄とし、判定結果がはずれであるときには、はずれを示す演出用はずれ図柄を、上述した停止表示用図柄とするように定めてもよい。このように定めることによって、主制御回路60で行われた特別抽選処理(図15のステップS1505の乱数値抽出の処理、及び図11のステップS1106の大当り判定処理)の結果を、そのまま遊技者に報知することができる。
これに対して、ステップS3614の処理の判定結果に基づいて、更なる停止表示用図柄決定抽選処理を実行して、その停止表示用図柄決定抽選処理の結果で、大当りを示す演出用大当り図柄(例えば、“7”などの数値や記号や絵柄)を停止表示用図柄とするか、はずれを示す演出用はずれ図柄(例えば“7”、“3”、“5”以外の数値や記号や絵柄)を停止表示用図柄とするかを定めてもよい。具体的は、ステップS3614の処理の判定結果が、大当りであるときには、第1の抽選テーブルを選択して、停止表示用図柄決定抽選処理を実行する。第1の抽選テーブルは、演出用はずれ図柄よりも演出用大当り図柄が選択されやすいように構成されたものである。一方、ステップS3614の処理の判定結果が、はずれであるときには、第1の抽選テーブルとは異なる第2の抽選テーブルを選択して、停止表示用図柄決定抽選処理を実行する。第2の抽選テーブルは、演出用大当り図柄よりも演出用はずれ図柄が選択されやすいように構成されたものである。
このように停止表示用図柄決定抽選処理を実行することによって、特別抽選処理の結果が、大当りであっても、演出用はずれ図柄を停止表示用図柄として定めることができ、特別抽選処理の結果が、はずれであっても、演出用大当り図柄を停止表示用図柄として定めることができる。このようにすることで、特別抽選処理の結果を示す停止表示用図柄が表示される場合と、特別抽選処理の結果を示す停止表示用図柄が表示さない場合との双方の場合を構成することができ、遊技者は、停止表示用図柄を視認することで、特別抽選処理の結果を想像させたり興味をもたせたりすることで、遊技に惹きこんで、遊技を続けて行わせるようにすることができる。
上述したステップS3616の処理を実行した後、後述する図39に示す装飾はずれ演出のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS3618)。後述するように、装飾はずれ演出は、特別抽選処理の判定結果が、連続してはずれになったときに、装飾はずれ演出を継続して実行する。装飾はずれ演出は、例えば、キャラクタの画像や背景の画像などを、演出用図柄の変動表示や停止表示と合せて、液晶表示装置32に表示するものである。
さらに、ステップS3618の処理を実行した後、上述したステップS3610の処理によってセットされた変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する(ステップS3620)。この処理によって、ステップS3620の処理により決定された変動パターンによる演出用図柄の変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶させて、タイマを起動し(ステップS3622)、本サブルーチンを終了する。
このステップS3620及び3622の処理によって、待ち時間タイマにセットされた変動時間にあわせて、液晶表示装置32において演出用図柄の変動表示が行なわれ、所定時間経過後(待ち時間タイマがタイムアップした後)、ステップS3616の処理によって決定された演出用大当り図柄又は演出用はずれ図柄が、停止表示用図柄停止表示(導出表示)される。
[演出用図柄保留球テーブル処理]
図37は、上述した図36のステップS3612の処理で呼び出されて実行される演出用図柄保留球テーブル処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンによって、図38に示すような演出用図柄保留球テーブルに記憶されている大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが読み出され、演出用図柄保留球テーブルの内容が更新される。
最初に、変数c_sub_reserve_maxの値が0より大きいか否かを判断する(ステップS3710)。上述したように、変数c_sub_reserve_maxは、始動口25への遊技球(特別保留球)の入賞に基づく保留個数を示す変数である。
ステップS3710の判断処理で、変数c_sub_reserve_maxの値が0以下であると判別したとき(NO)、すなわち、保留個数が0であると判別したとき、具体的には、演出用図柄保留球テーブルに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との組が、記憶されていないと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3710の判断処理で、変数c_sub_reserve_maxの値が0以上であると判別したとき(YES)、すなわち、保留個数が0でないと判別したとき、具体的には、演出用図柄保留球テーブルに、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との組が、少なくとも1組記憶されていると判別したときには、演出用図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とを読み出す(ステップS3712)。例えば、図38に示す演出用図柄保留球テーブルの例では、「No.」が「1」である大当り判定用乱数値「2154」と大当り図柄決定用乱数値「8」とを読み出す。
上述したステップS3712の処理によって、読み出された大当り判定用乱数値は、図36のステップS3614の処理で、判定するために用いられる。また、大当り図柄決定用乱数値は、図36のステップS3616の処理で、図柄を決定するために用いられる。
次に、演出用図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域をクリアして、大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とを消去する(ステップS3714)。次いで、演出用図柄保留球テーブルの第2番目以降の記憶領域の内容を1つずつシフトさせることによって、大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とを記憶させるべき記憶領域を1つ前に変更する(ステップS3716)。
具体的には、演出用図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが記憶されていれば、演出用図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第1番目の記憶領域に移動させる。また、演出用図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが記憶されていれば、演出用図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第2番目の記憶領域に移動させる。
同様に、演出用図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域に大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが記憶されていれば、演出用図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第3番目の記憶領域に移動させる。なお、演出用図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と先読みフラグの値とを、第3番目の記憶領域に移動させたときには、演出用図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域をクリアする。
例えば、図38に示した演出用図柄保留球テーブルの例の場合では、図38(b)に示した演出用図柄保留球テーブルが、ステップS3712〜S3716の処理を実行する前の状態であったとする。すなわち、演出用図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値「2154」及び大当り図柄決定用乱数値「8」と、先読みフラグの値「1」とが記憶され、演出用図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値「31182」及び大当り図柄決定用乱数値「2」と、先読みフラグの値「1」とが記憶され、演出用図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値「7269」及び大当り図柄決定用乱数値「6」と、先読みフラグの値「1」とが記憶され、演出用図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値「15092」及び大当り図柄決定用乱数値「7」と、先読みフラグの値「1」とが記憶されている。
演出用図柄保留球テーブルが、図38(b)に示した状態であるときに、上述したステップS3712〜S3716の処理を実行することによって、演出用図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域がクリアされるとともに、演出用図柄保留球テーブルの第2番目以降の記憶領域の内容が1つずつ前の記憶領域にシフトされる。すなわち、図38(c)に示すように、演出用図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「31182」及び大当り図柄決定用乱数値「2」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶され、演出用図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「7269」及び大当り図柄決定用乱数値「6」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶され、演出用図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「15092」及び大当り図柄決定用乱数値「7」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶される。さらに、演出用図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域では、大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とがクリアされる。
このように、ステップS3716の処理を実行することによって、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とをシフトさせるだけでなく、先読みフラグの値もシフトさせるので、先読みを、既に実行したか又は未だに実行していないかを示す情報もシフトさせて、演出用図柄保留球テーブルに記憶させ、演出用図柄の変動表示と停止表示との制御とは別個に、装飾はずれ演出の制御も的確に処理することができる。
次に、変数c_sub_reserve_maxの値を1だけ減ずる(ステップS3718)。次いで、変数c_sub_reserve_maxの値が0になったか否か、すなわち、保留個数が0になったか否かを判断する(ステップS3720)。変数c_sub_reserve_maxの値が0になったと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、変数c_sub_reserve_maxの値が0になっていないと判別したとき(YES)、すなわち、演出用図柄保留球テーブルに大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値との組が、少なくとも1組記憶されていると判別したときには、フラグF_sub_continueの値を0にするとともに(ステップS3722)、変数c_sub_effectの値を0にし(ステップS3724)、本サブルーチンを終了する。
フラグF_sub_continueは、後述する装飾はずれ演出を継続して実行しているか否かを示すフラグであり、フラグF_sub_continueの値が1であるときには、装飾はずれ演出を継続して実行していることを示し、フラグF_sub_continueの値が0であるときには、装飾はずれ演出を実行していないことを示す。また、変数c_sub_effectは、装飾はずれ演出を継続して実行している回数を示す。なお、これらのフラグF_sub_continueや、変数c_sub_effectについては、後で詳述する。
上述したように、変数c_sub_reserve_maxの値が0になったとき、すなわち、保留個数が0になったとき、具体的には、演出用図柄保留球テーブルに大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが、1組も記憶されていないときには、フラグF_sub_continueの値を0にして、変数c_sub_effectの値を0にすることで、継続して実行していた装飾はずれ演出を終了させる。
このように処理することで、保留個数を一旦ゼロにすることによって、装飾はずれ演出の継続を中止することができる。すなわち、遊技者が、遊技球を始動口25に一時的に入賞させないようにすることで、装飾はずれ演出の継続を中止することができる。したがって、遊技者が、装飾はずれ演出の継続を中止したいときには、遊技球を始動口25に意図的に入賞させないようにすることで、遊技者の意思を反映させることができる。
さらに、上述したステップS3720の判断処理では、変数c_sub_reserve_maxの値が0になっているか否かのみで判断したが、遊技者が遊技球を発射させているか否かも合せて判断するのが好ましい。たとえば、遊技者が発射ハンドル26をある程度の角度まで回動させているか否かを検出したり、遊技球が通過する度に検出信号を発するセンサをガイドレール30などの遊技球の通過経路に設けて遊技球が実際に発射されていることを検出したりすることで、遊技者が遊技球を発射させているか否かを判断することができる。なお、これらの遊技者が遊技球を発射させているか否かの情報、例えば、遊技者が発射ハンドル26をある程度の角度まで回動させているか否かの情報や、遊技球が実際に発射されているか否かの情報は、図9のステップS925の処理のコマンドとして、主制御回路60から副制御回路200に送信することで、副制御回路200は、これらの情報を取得することができる。
このようにすることで、遊技者が遊技球を発射させていない場合であって、保留個数が0になった場合には、装飾はずれ演出の継続を遊技者が積極的に中止したい意思を有しているとして、変数c_sub_reserve_maxの値を0にすることで、継続して実行していた装飾はずれ演出を終了させることができ、遊技者の意思を反映させることができる。
一方、遊技者が遊技球を発射させていた場合であって、保留個数が0になった場合は、装飾はずれ演出を終了させる意思がないにもかかわらず、始動口25に遊技球を入賞させることができなかった結果として、保留個数がゼロになった場合である。このような場合は、装飾はずれ演出を終了させる意思を遊技者は有していなかった、すなわち、装飾はずれ演出を継続させたいという意思を遊技者は有していたとすることができるので、フラグF_sub_continueの値を0にせず、変数c_sub_effectの値も初期化しないよういすることで、装飾はずれ演出を継続して実行する状態を維持することができる。このような場合にも、遊技者の意思を的確に反映させることができる。
上述したように、遊技者が遊技球を発射させているか否かも合せて判断するので、遊技を進める技術、すなわち、始動口25への入賞が、上手・下手にかかわらず、楽しむことができる遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者が遊技球を発射させているにもかかわらず、始動口25に遊技球を入賞させることができなかった場合は、技術不足によるもので、遊技者は、初心者であると考えられる。このような場合には、変数F_sub_continueなどの値を初期化せずに、装飾はずれ演出を継続して実行する状態を維持できる。
[装飾はずれ演出処理]
図39は、図36のステップS3616の処理で呼び出されて実行される装飾はずれ演出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンを実行することにより、大当り判定用乱数値を用いて判定した結果が、保留球(特別保留球)によって連続してはずれとなったときには、装飾はずれ演出が継続して行われることになる。
最初に、フラグF_sub_continueの値が1であるか否かを判断する(ステップS3910)。このフラグF_sub_continueは、本サブルーチンによって、装飾はずれ演出を継続して実行している最中であるか否かを示すフラグである。フラグF_sub_continueの値が1であるときには、装飾はずれ演出を継続して実行している最中であることを示し、フラグF_sub_continueの値が0であるときには、装飾はずれ演出を実行していないことを示す。
ステップS3910の判断処理で、フラグF_sub_continueの値が1でないと判別したとき(NO)には、演出用図柄保留球テーブルを参照して、先読みフラグの値が1になっているものが存在か否か、すなわち、その時点で、未だに先読みをしていない大当り判定用乱数値が存在するか否かを判断する(ステップS3912)。先読みフラグの値が1になっているものが存在しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3912の判断処理で、先読みフラグの値が1になっているものが存在すると判別したとき(NO)には、その先読みフラグの値が1になっている大当り判定用乱数値の全てを読み出し(ステップS3914)、読み出した全ての大当り判定用乱数値に対応する先読みフラグの値を「0」にする(ステップS3916)。すなわち、その時点で、未だに先読みされていない大当り判定用乱数値の全てを演出用図柄保留球テーブルから読み出し、その読み出した全ての大当り判定用乱数値に対応する「FLG」の記憶領域に「0」を書き込む。このようにすることで、読み出した全ての大当り判定用乱数値に対応する先読みフラグを、「先読み済み」の状態にすることができる。
例えば、図40(a)に示した演出用図柄保留球テーブルの例の場合で、この図40(a)に示した状態のときに、上述したステップS3914の処理によって、先読みフラグの値が1になっている大当り判定用乱数値の全てを読み出したときには、図40(b)に示すように、ステップS3916の処理によって、その読み出した全ての大当り判定用乱数値に対応する「FLG」の記憶領域に「0」を書き込む。
なお、演出用図柄保留球テーブルが図40(b)に示した状態となった後に、始動口25に遊技球が新たに入賞したときには、上述した図15のサブルーチンのステップS1503〜S1507が実行されて、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが抽出された後(ステップS1505)、図15のステップS1509の処理と、図19のステップS1902の処理とを介して、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが、主制御回路60から副制御回路200に送信され、図18のステップS1806の処理(図35のサブルーチンの処理のステップS3512)によって、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが演出用図柄保留球テーブルに記憶される。
さらに、上述した大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とに対応する先読みフラグの値を0にする(ステップS3514)。これらの処理が実行されることによって、例えば、図40(c)に示すように、演出用図柄保留球テーブルの4番目の記憶領域には、大当り判定用乱数値として「5092」が記憶されるとともに、大当り図柄決定用乱数値として「5」が記憶される。さらに、これらに対応する「FLG」(先読みフラグ)の記憶領域には「1」が記憶されることになる。
このように、演出用図柄保留球テーブルの「FLG」(先読みフラグ)の記憶領域を設けるとともに、先読みフラグの値を、変更したり新たに記憶させたりすることで、先読み処理が既にされた大当り図柄決定用乱数値と、先読み処理が未だにされていない大当り図柄決定用乱数値とを区別することができ、先読み処理を的確に実行することができる。
さらに、演出用図柄保留球テーブルが図40(b)に示した状態となった後に、演出用図柄ゲームを開始するために、図36のステップS3612の処理で図37のサブルーチンが呼び出されて実行されたときには、図37のステップS3712及びS3716の処理によって、演出用図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域の大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが読み出された後、その演出用図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域がクリアされ、演出用図柄保留球テーブルの2番目以降の記憶領域の大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とが、1つずつ前の記憶領域に移動して記憶される。
例えば、図37のステップS3712及びS3714の処理を実行することによって、図40(d)に示すように、演出用図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域の大当り判定用乱数値「2154」及び大当り図柄決定用乱数値「8」と、「FLG」(先読みフラグ)の値「0」が読み出された後に、演出用図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域がクリアされる。さらに、図37のステップS3716の処理を実行することによって、図40(e)に示すように、演出用図柄保留球テーブルの第1番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「31182」及び大当り図柄決定用乱数値「2」と、先読みフラグの値「0」とが、移動して記憶され、演出用図柄保留球テーブルの第2番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「7269」及び大当り図柄決定用乱数値「6」と、先読みフラグの値「0」とが、移動して記憶され、演出用図柄保留球テーブルの第3番目の記憶領域に、大当り判定用乱数値「5092」及び大当り図柄決定用乱数値「5」と、先読みフラグの値「1」とが、移動して記憶される。さらに、演出用図柄保留球テーブルの第4番目の記憶領域では、大当り判定用乱数値及び大当り図柄決定用乱数値と、先読みフラグの値とがクリアされる。
上述したステップS3916の処理を実行した後、ステップS3914の処理で読み出した大当り判定用乱数値の全てを判定する(ステップS3918)。なお、この判定は、後述するように、装飾はずれ演出を実行するか否かを定めるためのものであるので、読み出した大当り判定用乱数値に対応する判定結果がはずれであることを定めることができればよく、判定結果が大当りであることを定める必要はない。また、このステップS3918の判定処理の結果、連続してはずれになった回数も計数する。この連続してはずれになった回数は、後述するステップS3926で用いる回数である。
次いで、ステップS3918の判定結果が、連続してはずれになったか否かを判断する(ステップS3920)。この連続してはずれになったか否かの判断は、例えば、演出用図柄保留球テーブルの1番目と2番目との記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値の判定結果が、共にはずれであるような場合や、演出用図柄保留球テーブルの2番目と3番目との記憶領域の大当り判定用乱数値の判定結果が、共にはずれであるような場合などがある。いずれにしても、演出用図柄保留球テーブルの少なくとも2つ以上連続した記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値の判定結果が、全てはずれであることを意味する。したがって、演出用図柄保留球テーブルの1番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値の判定結果がはずれであり、演出用図柄保留球テーブルの2番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値の判定結果が大当りであり、演出用図柄保留球テーブルの3番目の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値の判定結果がはずれである場合は、連続してはずれになっていないと判別される。
ステップS3920の判断処理で、判定結果が連続してはずれになっていないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。一方、判定結果が連続してはずれになったと判別したとき(YES)には、装飾はずれ演出用乱数カウンタの値から装飾はずれ演出用乱数値を抽出する(ステップS3922)。なお、この装飾はずれ演出用乱数カウンタも、上述した図9のステップS921の処理が実行される度に、その値が更新されるカウンタである。この装飾はずれ演出用乱数は、装飾はずれ演出を実行するか否かを定めるためのものであり、装飾はずれ演出用乱数が、第1の範囲に含まれている場合には、装飾はずれ演出を実行すると定め、第1の範囲とは異なる第2の範囲に含まれている場合には、装飾はずれ演出を実行しないと定める。
このように、装飾はずれ演出用乱数の値で、装飾はずれ演出を実行するか否かを定めることによって、判定結果が連続してはずれになっている場合であっても、直ちに、装飾はずれ演出が実行されるわけではなく、判定結果の全てを遊技者に報知するわけではないので、遊技の進行について、疑問に感じさせたり驚かせたりすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次に、装飾はずれ演出を実行するか否かを判断する(ステップS3924)。上述したように、装飾はずれ演出用乱数が、第1の範囲に含まれている場合には、装飾はずれ演出を実行する。一方、装飾はずれ演出用乱数が、第1の範囲とは異なる第2の範囲に含まれている場合には、装飾はずれ演出を実行しないと定める。ステップS3924の判断処理で、装飾はずれ演出を実行しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3924の判断処理で、装飾はずれ演出を実行すると判別したとき(YES)には、変数c_max_sub_effectの値を、「連続してはずれになった回数」に設定する(ステップS3926)。変数c_max_sub_effectは、装飾はずれ演出を継続して実行すべき最大回数を定める変数である。この「連続してはずれになった回数」は、上述したステップS3918の処理によって計数された回数である。このステップS3926の処理を実行することによって、大当り判定用乱数値の全てを判定した結果、「連続してはずれになった回数」を、装飾はずれ演出を継続して実行すべき回数にすることができる。
ステップS3926の処理を実行した後、変数c_max_sub_effectの値に応じて、装飾はずれ演出を選択する(ステップS3928)。例えば、変数c_max_sub_effectの値が2であれば、装飾はずれ演出を2回だけ継続して実行するようにするために、2回分の装飾はずれ演出からなるものを選択する。
ステップS3928の処理を実行した後、変数c_sub_effectの値を初期化、例えば、1に設定し(ステップS3930)、変数c_sub_effectの値に応じた装飾はずれ演出データを読み出し(ステップS3932)、本サブルーチンを終了する。上述した変数c_sub_effectは、装飾はずれ演出が継続して行われた回数を示すカウンタである。なお、上述したステップS3932の処理で用いる装飾はずれ演出データについては後述する。
また、上述したステップS3910の判断処理で、フラグF_sub_continueの値が1であると判別したとき(YES)、すなわち、装飾はずれ演出を、既に継続して実行しているときには、変数c_sub_effectの値を1だけ増やし(ステップS3934)、変数c_sub_effectの値に応じた装飾はずれ演出データを読み出す(ステップS3936)。
上述したステップS2232又はS3936の処理は、具体的には、図41に示すような装飾はずれ演出データを、変数c_max_sub_effectの値(図41に示す最大継続回数)に応じて選択する処理である。図41は、装飾はずれ演出を実行するときに用いる装飾はずれ演出データが、変数c_max_sub_effectの値に応じて記憶された装飾はずれ演出データテーブルを示す表である。
図41に示した装飾はずれ演出データテーブルから、装飾はずれ演出データを変数c_sub_effectの値に応じて読み出すことによって、液晶表示装置32や、スピーカ46R,46Lや、装飾ランプ133a,133bにおいて、装飾はずれ演出を継続して実行することができる。図41に示したはずれ特別演出データの各々を「はずれ演出データm(n)」と表現したときのmが、変数c_max_sub_effectの値に対応し、nが、変数c_sub_effectの値に対応する。
なお、装飾はずれ演出を継続して実行するための「はずれ演出データm(n)」の各々は、液晶表示装置32において表示される画像のためのデータや、スピーカ46R,46Lから発せられる音声のためのデータや、装飾ランプ133a,133bを点灯、点滅、消灯させるパターンのためのデータなどからなる。液晶表示装置32において表示される画像は、演出用画像と合せて表示されるキャラクタの画像や背景の画像などからなるものが好ましい。さらに、スピーカ46R,46Lから発せられる音声のためのデータは、このようなキャラクタの動作や背景の変化などに合せた音楽や効果音などを発するためのデータが好ましい。さらに、装飾ランプ133a,133bを点灯、点滅、消灯させるパターンのためのデータは、このようなキャラクタの動作や背景の変化などや、音楽や効果音などに合せたパターンのためのデータが好ましい。このようにすることで、液晶表示装置32や、スピーカ46R,46Lや、装飾ランプ133a,133bを用いて、複数回数に亘って継続して実行される装飾はずれ演出を、連続性のあるものや、物語性のあるものにすることができる。このように構成することによって、主制御回路60で抽出された大当り判定用乱数値が、連続してはずれになるものであることを遊技者に的確にかつ絶えず報知することができ、大当り判定用乱数値が、大当りになるものが生ずるまで、遊技球を発射させるように遊技者に動機付けを与えることができ、継続的に遊技球を発射させるようにできるため、遊技店における遊技球の交換量を増やしたり維持したりすることができる。
例えば、「連続してはずれになった回数」が2回であるときには、上述したステップS3926の処理によって、変数c_max_sub_effectの値が2に定められる。したがって、この場合には、m=2であり、n=1,2であるので、図41に示した装飾はずれ演出データテーブルの最大継続回数が2(「No」が「1」)の記憶領域に記憶されているはずれ演出データ2(1)と、はずれ演出データ2(2)とが用いられる。具体的には、1回目の装飾はずれ演出を実行するときには、変数c_sub_effectの値は1となるので(図39のステップS3930)、はずれ演出データ2(1)が読み出されて(図39のステップS3932)、液晶表示装置32や、スピーカ46R,46Lや、装飾ランプ133a,133bにおいて、装飾はずれ演出が実行される。次いで、2回目の装飾はずれ演出を実行するときには、変数c_sub_effectの値は2となるので(図39のステップS3934)、はずれ演出データ2(2)が読み出されて(図39のステップS3936)、液晶表示装置32や、スピーカ46R,46Lや、装飾ランプ133a,133bにおいて、装飾はずれ演出が実行される。
同様に、「連続してはずれになった回数」が11回であるときには、上述したステップS3926の処理によって、変数c_max_sub_effectの値が11に定められる。したがって、この場合には、m=1であり、n=1〜11であるので、図41に示した装飾はずれ演出データテーブルの最大継続回数が11(「No」が「10」)の記憶領域に記憶されているはずれ演出データ11(1)〜はずれ演出データ11(11)が用いられる。具体的には、1回目の装飾はずれ演出を実行するときには、変数c_sub_effectの値は1となるので(図39のステップS3930)、はずれ演出データ11(1)が読み出され(図39のステップS3932)、2回目の装飾はずれ演出を実行するときには、変数c_sub_effectの値は2となるので(図39のステップS3934)、はずれ演出データ11(2)によって、が読み出されて(図39のステップS3936)、液晶表示装置32や、スピーカ46R,46Lや、装飾ランプ133a,133bにおいて、装飾はずれ演出が実行される。
この後、図39のステップS3934の処理によって、変数c_sub_effectの値が、順次1ずつ増え、図39のステップS3936の処理によって、順次、演出データ11(3)〜演出データ11(11)のデータが読み出されて、液晶表示装置32や、スピーカ46R,46Lや、装飾ランプ133a,133bにおいて、装飾はずれ演出が実行される。このようにすることで、装飾はずれ演出が11回継続して実行される。
上述したステップS3912〜S3936の処理することによって、図25のタイムチャートに示すようなタイミングで、演出用別図柄の変動表示の開始と停止表示(導出表示)と、装飾はずれ演出とを実行することができる。なお、図25〜図27では、上述した演出用図柄を特別図柄や普通図柄と併記して示し、装飾はずれ演出を特別はずれ演出や普通はずれ演出と併記して示した。また、上述したように、大当り判定用乱数値の判定の結果が大当りであっても、演出用大当り図柄が停止表示用図柄として定められない場合あるとともに、大当り判定用乱数値の判定の結果がはずれであっても、演出用はずれ図柄が停止表示用図柄として定められない場合あるが、図25〜図27に示した例では、説明を簡略化するため、大当り判定用乱数値の判定の結果が大当りになったときには、演出用大当り図柄が停止表示用図柄として定められ、大当り判定用乱数値の判定の結果がはずれになったときには、演出用はずれ図柄が停止表示用図柄として定められるものとする。
まず、図25のタイムチャートの最上段のタイムチャートに示すように、遊技球が始動口25に入賞することによって(図15のステップS1503)、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが抽出され(図15のステップS1505)、図15のステップS1509の処理と、図19のステップS1902の処理とを介して、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが、主制御回路60から副制御回路200に送信され、図18のステップS1806の処理(図35のサブルーチンの処理のステップS3512)によって、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが演出用図柄保留球テーブルに記憶される。
図25に示したタイムチャートでは、連続して、4個の遊技球が始動口25に入賞したことによって、4組の大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値とが抽出され、演出用図柄保留球テーブルに記憶されたものとする。なお、以下では、図25に示したように、4つの入賞を、入賞1、入賞2、入賞3、入賞4と称する。また、これらの入賞1と入賞2と入賞3と入賞4とに基づく判定結果は、全てはずれになったものとする。
入賞1に基づいて、演出用図柄は、時刻T1に変動表示が開始され(図10のステップS1003)、時刻T2で変動表示が停止される(図10のステップS1006)。その後、入賞2に基づいて、演出用図柄は、時刻T3に変動表示が開始され(図10のステップS1003)、時刻T4で変動表示が停止される(図10のステップS1006)。さらにその後、入賞3に基づいて、演出用図柄は、時刻T5に変動表示が開始され(図10のステップS1003)、時刻T6で変動表示が停止される(図10のステップS1006)。次いで、入賞4に基づいて、演出用図柄は、時刻T7に変動表示が開始され(図10のステップS1003)、時刻T8で変動表示が停止される(図10のステップS1006)。
これに対して、時刻T0において、入賞1と入賞2と入賞3と入賞4とに基づいて抽出された4つの大当り図柄決定用乱数値を先読みし(図39のステップS3914)、これらの4つの大当り図柄決定用乱数値の判定結果の全てがはずれになり(連続して4回はずれになり)、これによって、装飾はずれ演出が4回行うことが、時刻T0において、決定される(図39のステップS3920〜S3928)。この場合には、図41に示した装飾はずれ演出データテーブルの最大継続回数が4(「No」が「3」)の記憶領域に記憶されているはずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(4)が読み出される。
これによって、時刻T1で、はずれ演出データ4(1)が読み出され(図39のステップS3930〜S3932)、これによって、第1回目の装飾はずれ演出が開始され、時刻T2で終了する。次いで、時刻T3で、はずれ演出データ4(2)が読み出され(図39のステップS3934〜S3936)、これによって、第2回目の装飾はずれ演出が開始され、時刻T4で終了する。その後、時刻T5で、はずれ演出データ4(3)が読み出され(図39のステップS3934〜S3936)、これによって、第3回目の装飾はずれ演出が開始され、時刻T6で終了する。最後に、時刻T7で、はずれ演出データ4(4)が読み出され(図39のステップS3934〜S3936)、これによって、第4回目の装飾はずれ演出が開始され、時刻T8で終了する。
また、時刻T1で、入賞1に基づく演出用図柄の変動表示が開始されるとともに、第1回目の装飾はずれ演出が開始される。時刻T2で、入賞1に基づく演出用図柄の変動表示が停止されるとともに、第1回目の装飾はずれ演出が終了する。また、時刻T3で、入賞2に基づく演出用図柄の変動表示が開始されるとともに、第2回目の装飾はずれ演出が開始される。時刻T4で、入賞2に基づく演出用図柄の変動表示が停止されるとともに、第2回目の装飾はずれ演出が終了する。さらに、時刻T5で、入賞3に基づく演出用図柄の変動表示が開始されるとともに、第3回目の装飾はずれ演出が開始される。時刻T6で、入賞3に基づく演出用図柄の変動表示が停止されるとともに、第3回目の装飾はずれ演出が終了する。さらにまた、時刻T7で、入賞4に基づく演出用図柄の変動表示が開始されるとともに、第4回目の装飾はずれ演出が開始される。時刻T8で、入賞4に基づく演出用図柄の変動表示が停止されるとともに、第4回目の装飾はずれ演出が終了する。
上述したように、演出用図柄の変動と装飾はずれ演出とのタイミングは一致することになる。このように、演出用図柄の変動と装飾はずれ演出とのタイミングは一致するように実行されることから、装飾はずれ演出は、時間的に連続して実行されるわけではなく、一時的に中断する時間が存在するので、断続的に実行される演出になる場合がある。なお、演出用図柄の変動表示のタイミングによっては、変動表示が停止した後に、直ちに連続して次の変動表示が開始される場合もあり、このような場合には、装飾はずれ演出も時間的に連続して実行されることになる。
上述した図39のステップS3936の処理を実行した後、演出用図柄保留球テーブルを検索して、「FLG」の記憶領域を読み出し(ステップS3938)、未だに先読みしていない大当り判定用乱数値が存在するか否かを判断する(ステップS3940)。
このステップS3940の判断処理で、先読みしていない大当り判定用乱数値が存在しないと判別したとき(NO)、すなわち、演出用図柄保留球テーブルに、現在記憶されている大当り判定用乱数値は、全て先読みしていると判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3940の判断処理で、先読みしていない大当り判定用乱数値が存在したと判別したとき(YES)には、「先読みしていない大当り判定用乱数値」の総数を計数する(ステップS3942)。次いで、「先読みしていない大当り判定用乱数値」の全てを、演出用図柄保留球テーブルから読み出し(ステップS3944)、演出用図柄保留球テーブルから読み出した全ての大当り判定用乱数値を判定する(ステップS3946)。
次に、上述したステップS3946の判定処理の結果に、はずれが少なくとも1つ存在するか否かを判断する(ステップS3948)。ステップS3948の判断処理の結果、はずれが1つも存在しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3948の判断処理の結果、はずれが少なくとも1つ存在すると判別したとき(YES)には、大当りが2つ以上連続して存在するか否かを判断する(ステップS3950)。このステップS3950の判断処理で、大当りが2つ以上連続して存在すると判別したとき(YES)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS3950の判断処理で、大当りが2つ以上連続して存在しないと判別したとき(YES)、すなわち、大当りが1つしか存在しないと判別したときには、ステップS3942の処理で計数した「先読みしていない大当り判定用乱数値」の総数を、変数c_max_sub_effectの値に加算して、変数c_max_sub_effectの値を更新する(ステップS3952)。次いで、更新した変数c_max_sub_effectの値に応じて、改めてはずれ演出データを選択し直し(ステップS3954)、本サブルーチンを終了する。
例えば、更新前の変数c_max_sub_effectの値が4であるときには、はずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(4)が用いられることになっているが、ステップS3948及びS3950の処理によって、変数c_max_sub_effectの値を更新することになり、ステップS3942の処理によって、先読みしていない大当り判定用乱数値の総数が7である場合には、ステップS3952の処理によって、変数c_max_sub_effectの値は、11(=4+7)に更新される。この場合には、ステップS3954の処理によって、はずれ演出データ11(1)〜はずれ演出データ11(11)が改めて選択され、このはずれ演出データによって、装飾はずれ演出が実行される。
なお、使用するはずれ演出データは、変数c_sub_effectの値に応じて用いればよい。例えば、上述した例において、更新前の変数c_max_sub_effectの値が4であるときには、はずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(4)が用いられる。この場合、変数c_sub_effectの値が、1から始まって、順次、3まで増加したときには、はずれ演出データ4(1)〜はずれ演出データ4(3)が、順次読み出されて、装飾はずれ演出が実行される。この後、変数c_max_sub_effectの値が更新されて、11になったときには、上述したように、はずれ演出データ11(1)〜はずれ演出データ11(11)が改めて選択される。しかし、この時点で、変数c_sub_effectの値は、既に3まで増えて、はずれ演出データ4(3)が用いられた後であるので、次に、装飾はずれ演出が実行されるときには、変数c_sub_effectの値は4となり、その後、はずれ演出データ11(4)〜はずれ演出データ11(11)が、順次、読み出されて、装飾はずれ演出が実行されることにある。このようにすることで、装飾はずれ演出は、はずれ演出データ4(1)→はずれ演出データ4(2)→はずれ演出データ4(3)→はずれ演出データ11(4)→・・・→はずれ演出データ11(11)の順で、読み出されて実行されることになる。更新された変数c_max_sub_effectの値と、変数c_max_sub_effectの値を更新するときまでに増加した変数c_sub_effectの値との整合を図った装飾はずれ演出を実行することができるとともに、変数c_sub_effectの値を変更せずに処理を進めることができるので、装飾はずれ演出のための処理を簡便にすることができる。
このようにすることで、大当り判定用乱数値の判定の結果、はずれとはずれとの間に大当りが1つあるような場合には、大当り判定用乱数値の判定の過去の結果によって実行すると決定した装飾はずれ演出に、大当り判定用乱数値の判定の新たな結果を累積させることによって、はずれとはずれとの間の1回の大当りに基づいて、変動表示された後に演出用図柄である大当り図柄(演出用大当り図柄)が停止表示されるときでも、装飾はずれ演出を継続して実行することができる。すなわち、大当りに対応した大当り図柄(演出用大当り図柄)が、演出用図柄として、変動表示を開始してから停止表示されるまでの間であっても、装飾はずれ演出が継続して実行されることになる。
具体的には、図26に示すように、入賞1と入賞2と入賞4とに対応する大当り図柄決定用乱数値の判定結果の全てがはずれになり、入賞1に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄(演出用はずれ図柄)であり、時刻T2ではずれ図柄(演出用はずれ図柄)が停止表示され、入賞2に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄(演出用はずれ図柄)であり、時刻T4で、はずれ図柄(演出用はずれ図柄)が停止表示され、入賞4に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄(演出用はずれ図柄)であり、時刻T8で、はずれ図柄(演出用はずれ図柄)が停止表示される。これに対して、入賞2と入賞4との間の入賞3に対応する大当り図柄決定用乱数値の判定結果は大当りであり、この入賞3に対応して停止表示される図柄は、大当り図柄(演出用大当り図柄)であり、時刻T6で、大当り図柄(演出用大当り図柄)が停止表示される。
また、図26に示した例では、入賞2と入賞4との間で、1つの大当りが存在する。この場合には、上述したように、はずれとはずれとの間に大当りが1つあるような場合であっても、大当り判定用乱数値の判定の過去の結果によって実行すると決定した装飾はずれ演出に、大当り判定用乱数値の判定の新たな結果を累積させるので、入賞3に対応した図柄の変動表示のときにも、装飾はずれ演出(第3回)が、時刻T5〜T6の間に実行される。このようにすることで、途中で大当りが1つあるような場合でも、装飾はずれ演出を継続して実行することができるので、装飾はずれ演出を円滑に続けることができる。また、大当り図柄が停止表示されたにもかかわらず、装飾はずれ演出を継続して実行することによって、違和感を感じさせたり、疑問に感じさせたりすることができ、遊技者を惹きつける可能性を高めることができる。
なお、上述した例では、はずれとはずれとの間に大当りが1つあるような場合を示したが、はずれとはずれとの間に大当りが2つ以上あるようにしてもよい。特に、大当りのときに変動時間や大当り演出を実行するための時間が短いような場合には、装飾はずれ演出の円滑性を保つことができる。
一方、はずれとはずれとの間に大当りが2つ以上存在する場合には、装飾はずれ演出は継続して実行されず、大当りに対応した演出用図柄が停止表示されるような場合には、大当り演出が実行されることになる。
具体的には、図27に示すように、入賞1と入賞4とに対応する大当り図柄決定用乱数値の判定結果の全てがはずれになり、入賞1に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄(演出用はずれ図柄)であり、時刻T2ではずれ図柄(演出用はずれ図柄)が停止表示され、入賞4に対応して停止表示される図柄は、はずれ図柄(演出用はずれ図柄)であり、時刻T8で、はずれ図柄(演出用はずれ図柄)が停止表示される。これに対して、入賞1と入賞4との間の入賞2と入賞3とに対応する大当り図柄決定用乱数値の判定結果は大当りであり、この入賞2に対応して停止表示される図柄は、大当り図柄(演出用大当り図柄)であり、時刻T4で、大当り図柄(演出用大当り図柄)が停止表示され、入賞3に対応して停止表示される図柄は、大当り図柄(演出用大当り図柄)であり、時刻T6で、大当り図柄(演出用大当り図柄)が停止表示される。
また、図27に示した例では、入賞1と入賞4との間で、2つの大当りが存在する。上述したように、はずれとはずれとの間に大当りが2つ以上あるような場合には、装飾はずれ演出を中止して、別個に大当り演出を実行するので、入賞1に対応した図柄の変動表示では、時刻T1〜T2で、装飾はずれ演出を実行した後、装飾はずれ演出を中止して、入賞2に対応した図柄の変動表示では、時刻T3〜T4で、大当り演出を実行し、さらに、入賞3に対応した図柄の変動表示では、時刻T5〜T6で、大当り演出を実行する。その後、入賞4に対応した図柄の変動表示では、時刻T7〜T8で、はずれ演出を実行する。このようにすることで、途中で大当りが2つ以上ある場合には、装飾はずれ演出を実行せずに、大当り演出を実行することによって、大当り図柄決定用乱数値の判定結果に応じた演出を、特別図柄の変動パターンによって実行することができる。
なお、上述した例では、はずれとはずれとの間に大当りが2つあるような場合を示したが、はずれとはずれとの間に大当りが3つ以上あるようにしてもよい。特に、大当りのときに変動時間や大当り演出を実行するための時間が長いような場合には、大当り図柄決定用乱数値の判定結果と演出との整合を図ることができる。
なお、装飾はずれ演出を継続させる回数は、変数c_max_sub_effectの値に応じて定めることができるので、保留数の数(最大4個)にかかわらず、継続して実行することができる。すなわち、大当り図柄決定用乱数値の判定結果が、連続してはずれになった回数に応じて、装飾はずれ演出を継続して実行することができる。このようにしたことで、大当り図柄決定用乱数値の判定結果が、連続してはずれになっている状態であることを遊技者に報知することができ、大当り図柄決定用乱数値の判定結果が大当りになるようにするために、始動口25に継続的に遊技球を入賞させるように遊技者に動機付けることができるので、遊技球を継続的に発射させるようにすることができる。このように、大当り図柄決定用乱数値の判定結果が、連続してはずれになっていることを遊技者に報知するようにしたことにより、遊技店における遊技球への交換量を増やすことができる。これに対して、例えば、大当り図柄決定用乱数値の判定結果が、大当りになったことを遊技者に報知した場合には、遊技者は、安心するので、遊技球の発射を一時的に中断する可能性が高い。したがって、このような構成にした場合には、遊技店における遊技球への交換量を減らす可能性が生ずることになる。
[演出終了処理]
図42は、図19のステップS1903の処理で呼び出されて実行される演出終了処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理を実行することによって、所定の時間、所定の変動パターンによる演出用図柄の変動表示を終了し、図36のステップS3614の処理で定められた演出用大当り図柄や演出用はずれ図柄で停止表示(導出表示)させることができる。
最初に、変動時間を終了するタイミングであるか否かを判断する(ステップS4210)。この判断は、上述した図36のステップS3620の処理で起動したタイマのタイマ値に基づいて判断すればよい。
ステップS4210の判断処理で、変動時間を終了するタイミングでないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。一方、ステップS4210の判断処理で、変動時間を終了するタイミングであると判別したとき(YES)には、演出用図柄の変動表示を終了して、図36のステップS3614の処理で定められた図柄で停止表示(導出表示)する(ステップS4212)。次に、装飾はずれ演出の継続を終了させるか否かを判断する(ステップS4214)。この判断は、c_sub_effectの値が、c_max_ub_effect以上になったか否かで判断すればよい。ステップS4214の判断処理で、装飾はずれ演出の継続を終了させないと判別したとき(NO)には、直ちに、本サブルーチンを終了する。
ステップS4214の判断処理で、装飾はずれ演出の継続を終了させると判別したとき(YES)には、フラグF_sub_continueの値を初期化し(ステップS4216)、変数c_sub_effectの値を初期化し(ステップS4218)、本サブルーチンを終了する。このように、フラグF_sub_continueの値を初期化することによって、装飾はずれ演出の実行を終了することができる。