JP7207689B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
従来、識別情報の変動表示を行い、変動表示の表示結果が特定表示結果となることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機が広く知られている。この種の遊技機において、特別遊技の連続発生(所謂「連チャン」)に対する遊技者の期待感を高めるべく、特別遊技の実行に伴って開始した演出を、特別遊技終了後の識別情報の変動表示に伴う演出として継続させるように構成したものがある(例えば特許文献1を参照)。
特開2007-29587号公報
しかしながら、特許文献1の遊技機では、特別遊技の開始から、特別遊技後の識別情報の変動表示が行われる遊技にかけて同様の演出が継続して実行されることとなるため、演出が単調になって遊技者に飽きられやすいものとなる虞がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特別遊技後の演出効果を高め、遊技興趣の向上を図ることにある。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、手段1の遊技機は、
識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
演出内容が異なる複数の演出モードのいずれかに制御可能な演出モード制御手段と、
前記特別遊技後の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、
所定条件の成立に基づいて取得された取得情報を所定の上限数まで記憶可能な取得情報記憶手段と、を備え、
前記複数の演出モードには、少なくとも第1演出モードと第2演出モードと第3演出モードとがあり、
前記遊技状態には、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態とがあり、
前記取得情報に基づいて識別情報の変動表示が実行可能であり、
前記取得情報には、少なくとも、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果とする特定取得情報と、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果としない非特定取得情報とがあり、
前記演出モード制御手段は、
前記特別遊技が終了してからの所定期間における演出モードを前記第1演出モードに設定可能であるとともに、前記所定期間の経過により、演出モードを前記第1演出モードから前記第2演出モードまたは前記第3演出モードに切り替え可能であって、
前記特別遊技後の遊技状態が前記第1遊技状態である場合、演出モードを前記第3演出モードに切り替え不能であり、
前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態であって、前記所定期間の経過に際して、最先に記憶されたものから順に所定数の前記非特定取得情報が前記取得情報記憶手段に記憶されている場合、前記所定期間の経過により、演出モードを前記第1演出モードから前記第2演出モードに切り替え可能であるとともに、当該切り替え後、前記所定数の前記非特定取得情報に基づく識別情報の変動表示が終了するまでに、演出モードを前記第2演出モードから前記第3演出モードに切り替え可能である
ことを要旨とする。
また、手段2の遊技機は、
識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
演出内容が異なる複数の演出モードのいずれかに制御可能な演出モード制御手段と、
前記特別遊技後の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、
所定条件の成立に基づいて取得された取得情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、を備え、
前記複数の演出モードには、少なくとも第1演出モードと第2演出モードと第3演出モードとがあり、
前記遊技状態には、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態とがあり、
前記取得情報に基づいて識別情報の変動表示が実行可能であり、
前記取得情報には、少なくとも、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果とする特定取得情報と、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果としない非特定取得情報とがあり、
前記演出モード制御手段は、
前記特別遊技が終了してからの所定期間における演出モードを前記第1演出モードに設定可能であるとともに、前記所定期間の経過により、演出モードを前記第1演出モードから前記第2演出モードまたは前記第3演出モードに切り替え可能であって、
前記特別遊技後の遊技状態が前記第1遊技状態である場合、演出モードを前記第3演出モードに切り替え不能であり、
前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態であって、前記所定期間の経過に際して、前記特定取得情報が前記取得情報記憶手段に記憶されている場合、前記所定期間の経過により演出モードを前記第1演出モードから前記第3演出モードに切り替え可能である
ことを要旨とする。
以上の本発明によれば、特別遊技後の演出効果を高め、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例に係る遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 大当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 始動入球時処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2乱数シフト処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(大当り遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 保留球数処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 保留予告設定処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 右打ち指示画像表示処理のフローチャートである。 大当り終了時演出モード設定処理のフローチャートである。 演出モード移行処理のフローチャートである。 コメント予告設定処理のフローチャートである。 (a)は特図1保留予告演出パターン決定テーブルAであり、(b)は特図1保留予告演出パターン決定テーブルBであり、(c)は特図1保留予告演出パターン決定テーブルCである。 (a)は特図2保留予告演出パターン決定テーブルAであり、(b)は特図2保留予告演出パターン決定テーブルBであり、(c)は特図2保留予告演出パターン決定テーブルCであり、(d)は特図2保留予告演出パターン決定テーブルDである。 (a)は第1演出保留の通常表示態様の一例を示す図であり、(b)は特図1保留予告種AのパターンA1に基づく特図1保留予告演出の一例を示す図であり、(c)は特図1保留予告種BのパターンB1に基づく特図1保留予告演出の一例を示す図であり、(d)は特図1保留予告種CのパターンC5に基づく特図1保留予告演出の一例を示す図である。 (a)は第2演出保留の通常表示態様の一例を示す図であり、(b)は特図2保留予告種AのパターンA1に基づく特図2保留予告演出の一例を示す図であり、(c)は特図2保留予告種BのパターンB1に基づく特図2保留予告演出の一例を示す図であり、(d)は特図2保留予告種CのパターンC5に基づく特図2保留予告演出の一例を示す図であり、(e)は特図2保留予告種DのパターンD4に基づく特図2保留予告演出の一例を示す図である。 (a)は特別遊技状態におけるラウンド演出中の表示画面の一例を示す図であり、(b)は高ベース状態における演出図柄の変動表示中の表示画面の一例を示す図であり、(c)は高ベース状態から低ベース状態に移行したときの表示画面の一例を示す図である。 (a)は演出モードCの表示画面の一例を示す図であり、(b)は演出モードDの表示画面の一例を示す図であり、(c)は演出モードDの表示画面の一例を示す図である。 (a)は低ベース状態用のリーチ演出パターン決定テーブルAであり、(b)は高ベース状態用のリーチ演出パターン決定テーブルBである。 (a)はリーチA~C(ノーマルリーチ演出)の表示画面の一例を示す図であり、(b)はSPリーチA~C(スーパーリーチ演出)の表示画面の一例を示す図である。 (a)は第1可動装飾部材および第2可動装飾部材の非動作状態(待機位置)を示す説明図であり、(b)は可動役物予告パターン決定テーブルである。 (a)は第1可動役物予告を実行したときの状態(第1可動装飾部材の動作状態)を示す説明図であり、(b)は第2可動役物予告を実行したときの状態(第2可動装飾部材の動作状態)を示す説明図である。 (a)はコメント予告の表示画面の一例を示す図であり、(b1)はコメント予告パターン決定テーブルであり、(b2)は低ベース状態用のコメント表示パターン決定テーブルAであり、(b3)は高ベース状態用のコメント表示パターン決定テーブルBである。 実施例2の大当り終了時演出モード設定処理のフローチャートである。
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。尚、以下の実施例に係るパチンコ遊技機は、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機である。
また、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の裏面側(背面側)のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1~図3に示すように、本実施例(実施例1)のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。パチンコ遊技機1が稼働する際(遊技者が遊技する際)、前面枠51は閉じた状態となるが、前面枠51には、本体枠52に取り付けられた遊技盤2の表面(遊技盤面)を外部から視認可能とする窓部(視認窓)が設けられているため、遊技者は、その窓部(視認窓)を通じて遊技盤面を見ることができる。
遊技盤2や前面枠51には、遊技の実行に際して遊技者が見たり触れたりすることが可能な様々なパーツ(遊技部品、遊技機構成部品)が設けられている。具体的に、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。さらに、前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。本実施例では、上皿61の上面(天面)の中央手前側に第1演出ボタン63aが設けられており、前面枠51の正面左下側に第2演出ボタン63bが設けられているので、これらを状況に応じて使い分けることとなる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7(演出表示装置)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8R(識別情報)は、それぞれ「1」~「9」までの数字図柄(識別情報種、図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で演出図柄を縦方向(本例では上から下)にスクロール表示(「縦スクロール」ともいう)させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。また、本実施例では、「1」~「9」の図柄のそれぞれに色の情報を含ませており、各図柄を色によって分類できるものとしている。具体的には、奇数図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)としており、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)としている。また、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。
演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組合せ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。尚、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
また、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。さらに、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」、特別図柄のことを「特図」、第1特別図柄のことを「特図1」や「第1特図」、第2特別図柄のことを「特図2」や「第2特図」ともいう。また、演出図柄8を表示する画像表示装置7や第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bのことを「識別情報表示手段」ともいう。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「222」や「777」などの3桁同一のゾロ目(特定態様、特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目(非特定態様、非特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、本実施例では、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合に停止表示される演出図柄8の表示態様(特定態様、特定表示結果)を通じて、当該大当りの種類(種別)が後述する「確変大当り」なのか「非確変大当り」なのかを把握することができる場合とできない場合とがあるものとなっている。この点についての詳細は後述する。
ここで、演出図柄8の停止表示態様(図柄組み合わせ)のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」、「特定態様」または「特定表示結果」ということがあり、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」、「非特定態様」または「非特定表示結果」ということがある。また、演出図柄8の停止表示態様は、演出図柄8の変動表示の結果を示すものであるといえることから、当該演出図柄8の停止表示態様のことを「結果表示態様」ということがある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などの他の遊技演出が表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。尚、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
さらに、本実施例の画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(図3を参照)。変動保留表示領域9eには、特別図柄の変動表示の開始に伴い、当該変動表示に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)が、それまで表示されていた演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9cまたは第2演出保留表示領域9d)から移動してくるもので、その移動後、所定の表示終了条件が成立するまで、変動保留表示領域9eに演出保留が表示される。本実施例では、表示画面7a上で後述のスーパーリーチ演出が開始されるか、表示画面7a上で後述のリーチ演出を行うことなく(リーチ成立とならずに)変動表示が終了して外れ演出図柄が停止表示されることで、変動保留表示領域9eに表示(移動)した演出保留が消去されるものとなっている。尚、変動保留表示領域9eでの演出保留の表示終了条件は本実施例で示すものに限定されるものではなく、任意に定めることが可能である。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、遊技状態に応じて、後述の左打ち指示画像70を表示する左打ち表示領域70c(左打ち指示画像表示部)、および、後述の右打ち指示画像71を表示する右打ち表示領域71c(右打ち指示画像表示部)が設けられている(図52を参照)。尚、左打ち指示画像70と右打ち指示画像71を総じて「発射指示画像」ともいう。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)を取り囲むセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能となる。
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられており、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3(左遊技領域3A)を流下する遊技球をワープ入口から受け入れてワープ出口から排出することで、当該遊技球をステージ部11へ誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。
また、センター装飾体10の上部には、遊技演出に伴って動作可能な第1可動装飾部材13が、常時、遊技者から視認可能となるように設けられている。本実施例の第1可動装飾部材13は、主として、外周に凹凸を形成した1つの円形の可動体(可動部材)によって構成されるものであり、普段(非動作時)は、センター装飾体10の上部左側(左上)の待機位置に位置して、画像表示装置7の表示画面7aに被らないようになっている。これに対し、第1可動装飾部材13を動作させる可動演出(「第1可動演出」ともいう)の実行条件が成立すると、第1可動装飾部材13が動作を開始して、待機位置から所定の動作位置に向かって移動する。
本実施例では、第1可動演出の実行により、第1可動装飾部材13が右斜め下方に向かって移動し、表示画面7aの中央上方部分を覆う位置(動作位置)で停止するものとなっている。第1可動装飾部材13が待機位置から動作位置まで移動すると、第1可動装飾部材13は、図57(a)に示すように、表示画面7aの手前側に位置して、表示画面7aの一部(本例では中演出図柄8Cが表示される領域の一部)を覆う状態となる。また、第1可動装飾部材13(可動体)には複数のLEDからなる電飾が設けられており、第1可動演出の実行に際しては、その電飾が発光するものとなっている。さらに、第1可動装飾部材13は、動作位置に移動した状態で(表示画面7aの手前側で)、表示画面7aと平行な時計回り方向に回転するものとなっている(図57(a)を参照)。本実施例では、このような第1可動演出を、演出図柄8の変動表示中の予告演出として行ったり、リーチ演出の一部として行ったりすることが可能となっている。このため、遊技者は、第1可動演出の実行により、大当りへの期待感を高めることとなる。尚、第1可動演出の終了に伴い、第1可動装飾部材13はもとの待機位置に戻る動作を行う。
さらに、図3では図示していないが、センター装飾体10の後方(裏側)には、遊技演出に伴って動作可能な第2可動装飾部材14が設けられている。第2可動装飾部材14は、普段(非動作時)は、センター装飾体10を構成する枠(フレーム)に隠れており、全体を視認できない状態となっている。本実施例の第2可動装飾部材14は、主に、3つの板状(プレート状)の可動体(可動部材)14a,14b,14cから構成されており、これら3つの可動体14a~14cが、普段(非作動時)は、画像表示装置7の表示画面7aに被らないよう、その外周側に位置している(図56(a)を参照)。具体的には、第2可動装飾部材14(可動体14a~14c)は、遊技盤2とその後方(裏側)に配置される画像表示装置7との間に形成される空間に設けられるもので、普段(非動作時)は、図56(a)に示すように、画像表示装置7(表示画面7a)の上方に可動体14a、画像表示装置7(表示画面7a)の右下に可動体14b、画像表示装置7(表示画面7a)の左下に可動体14cが、それぞれ位置(待機)している。図56(a)では、待機位置にある(視認不可能な)可動体14a,14b,14cを点線で示している。
これに対し、第2可動装飾部材14を動作させる可動演出(「第2可動演出」ともいう)の実行条件が成立すると、第2可動装飾部材14が動作を開始して、3つの可動体14a,14b,14cが、それぞれ待機位置から所定の動作位置に向かって移動する。本実施例では、第2可動演出の実行により、可動体14a,14b,14cが、それぞれ表示画面7aの中央側に向かって一斉に移動し、すべてが画面手前側で近接した状態となる位置(動作位置)で停止するものとなっている。可動体14a,14b,14cが、それぞれ待機位置から動作位置まで移動すると、図57(b)に示すように、各可動体(第2可動装飾部材14)が表示画面7aの手前側で合体(一体化)して、表示画面7aの大半(略全域)を覆う状態となる。また、第2可動装飾部材14(可動体14a~14c)の表面(手前側)には、一つのモチーフ(形状、模様等。本例では所定のキャラクタ。)を表す造形処理を施してあり、可動体14a,14b,14cが表示画面7aの手前側に出現して動作位置まで移動し、各々が近接した状態となることで、そのモチーフが完成するものとなっている(図57(b)を参照)。本実施例では、このような第2可動演出を、演出図柄8の変動表示中の予告演出として行ったり、リーチ演出の一部として行ったりすることが可能となっている。このため、遊技者は、第2可動演出の実行により、大当りへの期待感を高めることとなる。尚、第2可動演出の終了に伴い、第2可動装飾部材14(可動体14a~14c)はもとの待機位置に一斉に移動する(戻る)動作を行う。
ここで、特図保留に応じた演出保留9a,9bを表示することが可能な演出保留表示領域9c,9dのことを「演出保留表示手段」ともいい、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで表示演出を行うことが可能な画像表示装置7のことを「表示演出手段」ともいう。また、遊技演出に伴って動作することで第1可動演出を行うことが可能な第1可動装飾部材13のことを「第1可動役物」や「第1可動演出手段」ともいい、遊技演出に伴って動作することで第2可動演出を行うことが可能な第2可動装飾部材14(可動体14a~14c)のことを「第2可動役物」や「第2可動演出手段」ともいう。また、第1可動装飾部材13と第2可動装飾部材14を総じて「可動役物」や「可動装飾部材」ともいい、第1可動演出手段と第2可動演出手段を総じて(つまり、可動装飾部材のことを)「可動演出手段」ともいう。尚、可動装飾部材14以外にも、例えば、演出ボタン63が遊技演出に伴って上下動や振動等する場合、演出ボタン63も「可動演出手段」といえる。さらに、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで音演出を行うことが可能なスピーカ67のことを「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで光演出を行うことが可能な盤面ランプ5や枠ランプ66(電飾部材)のことを「光演出手段」ともいう。尚、これら盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が、装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。また、これら「演出保留表示手段」、「表示演出手段」、「第1可動演出手段」、「第2可動演出手段」、「音演出手段」および「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
尚、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」や「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」や「非特定変動」ともいう。
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口30(「可変入球口」ともいう)を備えた大入賞装置31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、大入賞口30(大入賞装置31)は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。尚、大入賞口30または大入賞装置31のことを「アタッカー」ともいう。
遊技領域3のうち右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、大入賞口30の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央(センター装飾体10)より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、大入賞口30、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が特別遊技状態等に変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、大入賞口30への入球を狙うこととなる。
また、図3および図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態(例えば後述の高ベース状態)か左打ちを行うべき状態(例えば後述の低ベース状態)かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示した特別図柄(停止図柄)によって、第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当り図柄(特定特別図柄、特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当り遊技(特別遊技)が行われる。大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。尚、特別図柄の停止表示時間は「0.5秒~1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」の3種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら3種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第3大当り図柄)。また、外れとなった場合には「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
また、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第4大当り」および「16R第5大当り」の2種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第4大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第4大当り図柄)、16R第5大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(16R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)や大当りの種類(ラウンド数の種類、大当りの数など)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報(取得情報)は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。このため、各特図保留記憶部には、始動口への入球に基づき取得される取得情報を、取得順に最大4個まで記憶しておくことが可能となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本実施例では4)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
ここで、盤面ランプ5、画像表示装置7、センター装飾体10、可動装飾部材13,14(可動役物)、固定入賞装置19(第1始動口20)、可変入賞装置22(第2始動口21)、ゲート28、大入賞装置31(大入賞口30)等、遊技盤側に設けられる各種遊技部品のことを「盤部品」や「盤側部品」ともいう。また、発射ハンドル60、演出ボタン63、枠ランプ66、スピーカ67、さらには後述する各種制御基板類(基板ケース含む)や払出装置(払出モータ)等、枠側(前面枠51や本体枠52)に設けられる各種遊技部品のことを「枠部品」や「枠側部品」ともいう。尚、画像表示装置7が本体枠2に設けられる(組み付けられる)構成の場合、画像表示装置7を枠部品(枠側部品)として捉えることも可能である。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、遊技球を検知可能なセンサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサのことを「検知センサ」や「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。尚、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。また、識別情報(特別図柄や演出図柄)の変動表示に関する情報を示唆する種々の予告演出(示唆演出)を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる予告演出実行手段としても機能する。
ここで、予告演出とは、例えば、変動表示の表示結果が大当りとなる可能性(信頼度、期待度)やリーチ演出の実行有無(実行可能性)等、変動表示の表示結果や当該表示結果の導出表示に至るまでの過程に関する情報を事前に示唆する演出(示唆演出)のことをいう。予告演出は、大別すると、特別図柄の保留の事前判定結果に基づく保留に関する予告演出と、実行中の変動表示(変動演出)に関する予告演出に分けられ、前者を「保留先読み予告」ともいい、後者を「当該変動予告」ともいう。本実施例では、これら両方の予告演出を実行することが可能となっている。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の一部または略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された第1可動装飾部材13や第2可動装飾部材14を動作させる。前述したように、第1可動装飾部材13および第2可動装飾部材14は、何れもセンター装飾体10の周辺に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、第1可動演出の実行に際し、第1可動装飾部材13を所定の動作態様で動作させるための第1動作パターンデータ(「第1駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した第1動作パターンデータに基づいて第1可動装飾部材13の動作を制御する。また、演出制御用マイコン91は、第2可動演出の実行に際し、第2可動装飾部材14(可動体14a~14c)を所定の動作態様で動作させるための第2動作パターンデータ(「第2駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した第2動作パターンデータに基づいて第2可動装飾部材14(可動体14a~14c)の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
ここで、第1可動装飾部材13や第2可動装飾部材14の動作は、ステッピングモータ等の電気的駆動源を含む駆動機構(図示せず)により行われる。したがって、前述の第1動作パターンデータ(第1駆動データ)や第2動作パターンデータ(第2駆動データ)は、それら電気的駆動源を駆動させるための駆動パターンともいえる。また、第1可動装飾部材13を動作させる駆動機構(図示せず)を含めて「第1可動演出手段」ということができ、同様に、第2可動装飾部材14を動作させる駆動機構(図示せず)を含めて「第2可動演出手段」ということができる。尚、第1可動装飾部材13の動作には、待機位置と動作位置との間の移動だけでなく、動作位置での回転動作や複数のLED(電飾)の発光動作も含まれる。したがって、第1動作パターンデータ(第1駆動データ)には、第1可動装飾部材13の移動の他、回転動作や発光動作に係るパターンデータも含まれる。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号(検知信号)がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」ともいう。大当り遊技(特別遊技)は、大入賞口30への遊技球の入球によって多量の賞球を得ることが可能な遊技者とって有利な遊技であり、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」ともいう。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」の計5種類を設けている。これらの大当りのうち、「16R第1大当り」、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」は第1特別図柄に係る大当りであり、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」は第2特別図柄に係る大当りである。特別図柄表示部41には、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
具体的には、「16R第1大当り」、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」は、何れも、ラウンド数が「16」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。また、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」は、何れも、ラウンド数が「6」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。但し、大入賞口30が開放して、その開放時間が経過する前に、予め定められた数(以下「規定数」ともいう。)の遊技球が大入賞口30に入球した場合には、開放時間が経過していなくても、規定数の入球があった時点で、大入賞口30は閉鎖する。本実施例では、その規定数が「10個」となっている。
尚、大当り遊技を構成するラウンドのことを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。また、6R第2大当り及び6R第3大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、16R第1大当り、16R第4大当り及び16R第5大当りのことを総じて「16R大当り」ともいう。さらに、6R大当りに係る大当り遊技(6R大当り遊技)のことを「第1特別遊技」ともいい、16R大当りに係る大当り遊技(16R大当り遊技)のことを「第2特別遊技」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態(特別遊技後の遊技状態)を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3大当り及び16R第5大当りは「非確変大当り」(「通常大当り」または「時短大当り」ともいう。)として捉えることができる。
第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが50%、6R第3大当りが45%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第4大当りが55%、16R第5大当りが45%となっている。すなわち、第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)により大当りとなった場合には、16R大当りの出現率(振分確率)が100%となっており、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる後述の開放延長機能の作動中(高ベース状態の発生中)においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0~198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0~240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。尚、確率変動機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能するものである。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」や「短縮変動状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」や「通常変動状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。尚、変動時間短縮機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態を設定可能な短縮変動状態設定手段として機能するものである。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、遊技者にとってはいわゆる「確変遊技状態」となる。以下、高確高ベース状態のことを単に「確変遊技状態」ともいう。
また、6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。この低確高ベース状態は、遊技者にとってはいわゆる「時短遊技状態」となる。以下、低確高ベース状態のことを単に「時短遊技状態」ともいう。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。ここで、高ベース状態での遊技者にとって有利度合の差異の観点から、低確高ベース状態(時短遊技状態)のことを「第1遊技状態」ともいい、高確高ベース状態(確変遊技状態)のことを「第2遊技状態」ともいう。また、低ベース状態と高ベース状態との対比の観点から、低ベース状態(低確低ベース状態、高確低ベース状態)のことを「第1遊技状態」ともいい、高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)のことを「第2遊技状態」ともいう。
低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっている(第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっている(第2始動口よりも第1始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とすることで、遊技球を左遊技領域3Aに向けて発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様とすることで、遊技球を右遊技領域3Bに向けて発射すべきことを報知することができる。
また、本実施例では、遊技領域3のうち左遊技領域3Aと右遊技領域3Bの何れに向けて遊技球を発射するかを指示する発射指示報知を、発射方向表示器47におけるLEDの表示態様だけでなく、画像表示装置7(表示画面7a)における発射指示画像(左打ち指示画像70、右打ち指示画像71)の表示によっても行うこととしている。一般に、遊技者にしてみれば、発射方向表示器47に比べ画像表示装置7(表示画面7a)の方が、表示内容を視認しやすく把握(理解)しやすいといえる。したがって、遊技者は、一般的には、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される発射指示画像を見て、「左打ち」と「右打ち」の何れを行うべきなのか、つまり、現在の遊技状態が左打ちを行う「左打ち遊技状態」なのか、右打ちを行う「右打ち遊技状態」なのかを把握する。
尚、本実施例では、前述のように、遊技状態が特別遊技状態(大当り遊技状態)や高ベース状態(高確高ベース状態、低確低ベース状態)にあるときに「右打ち」を行うことから、「右打ち遊技状態」は特別遊技状態や高ベース状態を指す。この「右打ち遊技状態」のことを「所定遊技状態」ともいい、「特別遊技状態」のことを「第1所定遊技状態」ともいい、「高ベース状態」のことを「第2所定遊技状態」ともいう。
[主制御メイン処理]
次に、図10~図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン、各種入球口(始動口、大入賞口等)への遊技球の入球、ラウンド遊技の進行等に関する種々の情報が含まれる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a等、図5を参照)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、大入賞口センサ30aが遊技球を検知した場合、大入賞口入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する。さらに、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、図7(B)を参照)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
ここで、第1始動口20や第2始動口21への遊技球の入球に基づいて取得される各種の取得乱数値(取得情報)のうち、特別図柄当否判定において大当りと判定される値のことを「特定取得情報」ともいい、特別図柄当否判定において大当りと判定されない値(本実施例では外れと判定される値)のことを「非特定取得情報」ともいう。また、高確率状態の設定契機とならない大当り(例えば6R第3大当り、16R第5大当り)やラウンド数が相対的に少ない大当り(例えば6R大当り)等、遊技者にとっての有利度合が相対的に低い大当りと判定される値のことを「第1特定取得情報」ともいい、高確率状態の設定契機とならない大当りとの比較で高確率状態の設定契機となる大当り(例えば16R第1大当り、6R第2大当り、16R第4大当り)や、ラウンド数が相対的に少ない大当りとの比較でラウンド数が相対的に多い大当り(例えば16R大当り)等、遊技者にとっての有利度合が相対的に高い大当りと判定される値のことを「第2特定取得情報」ともいう。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
また、本実施例では、大当りか否かの事前判定に関し、現在(始動入球時)の遊技状態(確率状態)に応じた事前判定に加え、現在の遊技状態(確率状態)とは別の本パチンコ遊技機1が制御可能な遊技状態(確率状態)に応じた事前判定を行うことも可能となっている。すなわち、現在の遊技状態が低確率状態であるときには、遊技状態が高確率状態である場合を想定した事前判定を行うことが可能となっており、現在の遊技状態が高確率状態であるときには、遊技状態が低確率状態である場合を想定した事前判定を行うことが可能となっている。具体的に、現在の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、通常状態用の大当り判定テーブルにより大当り判定値と一致するか否かを判定するとともに、高確率状態用の大当り判定テーブルによっても大当り判定値と一致するか否かを判定し、現在の遊技状態が高確率状態であれば、高確率状態用の大当り判定テーブルにより大当り判定値と一致するか否かを判定するとともに、通常状態用の大当り判定テーブルによっても大当り判定値と一致するか否かを判定する。これにより、事前判定が行われるときの遊技状態と、その後に事前判定の対象となった取得乱数値(取得情報)に基づく特別図柄当否判定が行われるとき(すなわち、特図保留消化時)の遊技状態とが異なるとしても、それを見越した事前判定を行うことが可能となり、その結果を、事前判定結果に基づく演出(保留先読み演出)に反映することが可能となっている。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
本実施例では、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理(始動入球時処理)を終えることとしている。
S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
ここで、高ベース状態では、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態、換言すると、第2特別図柄の変動表示が高頻度で実行される状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。
そこで、本実施例では、現在の遊技状態が高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わないこととしている。つまり、特図1保留に係る事前判定(特図1事前判定)を、高ベース状態では行わずに低ベース状態で行うこととし、特図2保留に係る事前判定(特図2事前判定)については、低ベース状態であるか高ベース状態であるかを問わず行うこととしている。また、本実施例のパチンコ遊技機1では、後述するように、大当り遊技中は低確低ベース状態に制御されるが、大当り遊技中に遊技球が第1始動口20に入球して特図1保留球数が「1」増加したとしても、S321~S323の処理(特図1事前判定処理)は行わないものとなっている。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。待機画面設定処理では、待機画面(デモ画面)の表示開始(客待ち開始)を指示する客待ち開始コマンドをRAMの出力バッファにセットする。当該客待ち開始コマンドが出力処理(S201)によってサブ制御基板90に出力(送信)されると、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)が画像制御基板100(画像制御用マイコン101)に対して待機画面の表示を指示し、これにより画像表示装置7の表示画面7aに待機画面(図示せず)が表示される。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、図8(A)に示す大当り判定テーブルのうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブルのうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、6R用ランプ及び16R用ランプの2個のLEDで構成されている(図4を参照)。そして、例えば6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6▲16△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6△16▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1~P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4~P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8~P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12~P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15~P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」~「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19~P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701~S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFして(S1906)、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
ここで、S1906にて確変フラグをOFFにした場合、遊技状態が高確高ベース状態(確変遊技状態)から低確低ベース状態(通常遊技状態)に移行(変化)することを示す状態変化コマンド(遊技状態変化情報)を、次の特別図柄の変動表示の開始に係る変動開始コマンドに含めてRAMの出力バッファにセットする。但し、本実施例では、確変大当りに係る大当り遊技の終了に伴って後述のS2203の処理にて確変カウンタにセットする値(設定値)を「10,000」としているため、当該確変カウンタの値が特別図柄の変動停止(変動終了)に伴って「0」となることはまず無い。尚、状態変化コマンドを、変動開始コマンドと別コマンドとしてRAMの出力バッファにセットする(サブ制御基板に送信する)ことも可能である。
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)、時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
ここで、S1910にて時短フラグをOFFにした場合、遊技状態が低確高ベース状態(時短遊技状態)から低確低ベース状態(通常遊技状態)に移行(変化)することを示す状態変化コマンド(遊技状態変化情報)を、次の特別図柄の変動表示の開始に係る変動開始コマンドに含めてRAMの出力バッファにセットする。本実施例では、非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技の終了に伴って後述のS2207の処理にて時短カウンタにセットする値(設定値)を「100」としているため、非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技の終了後、次の大当りが発生することなく特別図柄の変動表示が100回行われると、時短カウンタの値が「0」となる。尚、遊技状態が時短遊技状態から通常状態に移行する場合においても、前述したように、状態変化コマンドを変動開始コマンドと別コマンドとしてRAMの出力バッファにセットする(サブ制御基板に送信する)ことも可能である。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別は6R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2004)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口30の開放動作が実行される。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2大当りに対応する第2オープニングコマンド、6R第3大当りに対応する第3オープニングコマンド、16R第4大当りに対応する第4オープニングコマンドおよび16R第5大当りに対応する第5オープニングコマンドの計5種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。尚、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。尚、以上の特別図柄確定処理(S1106)において、遊技状態を特別遊技状態(大当り遊技を実行する状態)とするための処理(S2002~S2012)を実行する遊技制御用マイコン81は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置31の動作処理(大入賞口30の開放処理)が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了(インターバル時間が経過)している否かによって判定する。
S2106においてラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2108では、主に、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知を有効化する処理と、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口30を開放させるべく、開閉部材32を開動作させる処理を行い、一のラウンド遊技を開始させる。
ここで、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知に関し、「有効(有効化)」とは、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が発生した場合、その検知を、大入賞口30への正常な入球として扱う(処理する)ことを意味する。これに対し、「無効(無効化)」とは、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が発生した場合、その検知を、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)として扱う(処理する)ことを意味する。本実施例では、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が有効とされるのは、原則、ラウンド遊技の開始から当該ラウンド遊技終了後、所定時間(本実施例では1秒)が経過するまでの期間であり、当該期間が、大入賞口センサ30aによる遊技球検知の有効期間として設定される。このような大入賞口センサ30aによる遊技球検知の有効期間を設定に係る処理を行う遊技制御用マイコン81は「有効期間設定手段」として機能するものである。尚、有効期間でないとき(無効期間)に、大入賞口センサ30aが遊技球を検知した場合、当該検知は無効となり、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)が発生した旨を示すコマンド(大入賞口エラーコマンド)が主制御部80からサブ制御部90に送信される。これを受けて、サブ制御部90では、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)の発生を外部に知らせるエラー報知の実行に係る処理が行われる。
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば「25秒」)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば「10個」)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が先に成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。尚、大当り遊技中(ラウンド遊技中)において、遊技球の発射が不能になるエラーやトラブル等が発生することなく、遊技球発射が滞りなく行われる限り、(2)の条件の成立によりラウンド終了条件が成立するのが通常である。
S2113にて、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終え、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、大入賞口閉鎖処理を行う(S2115)。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口30の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口30は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、以上の特別電動役物処理(S1107)を実行する遊技制御用マイコン81は「特別遊技実行手段」および「ラウンド遊技実行手段」として機能するものである。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)では、まず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16第4大当りの3種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら3種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。つまり、確変大当りに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「高確高ベース状態」となる。尚、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3大当り及び16R第5大当りの2種類を非確変大当り(通常大当り)としているので、これら2種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「低確高ベース状態」となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。尚、以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する遊技制御用マイコン81は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。当該保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9e(図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37~図46に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、第1可動装飾部材13や第2可動装飾部材を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。最後に、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、駆動データ(第1可動装飾部材13や第2可動装飾部材14の動作を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4390)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4390でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4390でYES)、演出保留情報記憶処理(S4395)と保留予告設定処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。
演出保留情報記憶処理(S4395)は、S4390で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。前述したように、主制御基板80から送られてくる始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド、特図2始動入球コマンド)には、始動入球に基づく事前判定(図13を参照)が行われた際の当該事前判定の結果に関する情報(「保留先読み情報」ともいう)、具体的には、特別図柄当否判定に係る当否情報や大当り種別決定用乱数値を示す大当り種別情報、変動パターン乱数値を示す変動パターン情報等が含まれているので、これらの情報を演出保留情報として記憶する。
例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
また、保留予告設定処理(S4400)は、画像表示装置7の表示画面7a上の演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)や変動保留表示領域9eに表示される演出保留(第1演出保留9a、第2演出保留9b)を用いて行う予告演出(保留予告演出)に関する設定を行う処理である。ここで、本実施例では、保留予告演出として、演出保留の表示態様を通常と異なる表示態様(予告表示態様)に変化させる保留変化予告を実行することが可能となっている。すなわち、演出保留表示領域等に表示可能な演出保留として、表示態様が異なる複数の演出保留を有しており、複数の演出保留には、通常の表示態様とされる通常演出保留(通常記憶表示)と、通常の表示態様とは異なる予告表示態様とされる特定演出保留(特定記憶表示)が含まれている。そして、始動入球により特図保留(第1特図保留または第2特図保留)が記憶された場合、演出保留表示領域には、普段、演出保留として通常演出保留が表示されるのであるが、保留予告演出(保留変化予告)の実行により、演出保留として特定演出保留が表示されるものとなっている。本実施例では、第1演出保留9aと第2演出保留9bの夫々について、通常演出保留および特定演出保留を設けており、第1演出保留9aを対象にした保留変化予告と、第1演出保留9aを対象にした保留変化予告を、実行することが可能となっている。このような本実施例の保留予告演出(保留変化予告)および保留予告設定処理(S4400)についての詳細は後述する。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。尚、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4405)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、遊技制御用マイコン81(主制御部80)により制御される遊技状態が特別遊技状態となり、当該特別遊技状態における大当り遊技(ラウンド遊技)の実行にあたり、主制御基板80から送信されるコマンドのことである。具体的には、大当り遊技(特別遊技状態)の開始に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドでの大入賞口30への入球に基づき送信される大入賞口入球コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技(特別遊技)の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた種々の大当り遊技演出の実行に係る大当り遊技関連演出処理を行う(S4406)。
S4406では、例えば、受信した大当り遊技関連コマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドの開始に応じた演出(ラウンド開始対応演出)を指定するラウンド開始演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、大入賞口入球コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大入賞口30への遊技球の入球に応じた入球演出を指定する入球演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。また、受信した大当り遊技関連コマンドがラウンド終了コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドの終了に応じた演出(ラウンド終了対応演出)を指定するラウンド終了演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。
こうしてサブ出力バッファにセットした大当り遊技関連コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技(特別遊技状態)やラウンドの進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出(大当り遊技演出)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
ここで、本実施例では、遊技状態が低確低ベース状態(通常遊技状態)にあるとき、すなわち「左打ち遊技状態」にあるときに、特別図柄当否判定の結果が大当りとなって(所謂「初当り」)、当該大当り(初当り)に係るオープニングコマンドをサブ制御基板90が受信すると、これに対応する初当りオープニング演出コマンドが画像制御基板100に送信される。これを受けて、画像表示装置7の表示画面7aでは、大入賞口30に遊技球を入球させるべく右打ちを行うことを遊技者に指示する右打ち指示報知を含むオープニング演出(「初当りオープニング演出」ともいう)が実行される。本実施例の初当りオープニング演出(図示せず)では、初当りに係る大当り遊技開始時の右打ち指示報知(「初当り用右打ち指示報知」ともいう)が実行される。本実施例の初当り用右打ち指示報知は、右遊技領域3Bの下部に位置する大入賞口30に遊技球が入球する様子を描いた動画像を表示画面7aの略中央に表示することにより行うものとしている。これにより、低ベース状態で左打ちを行って遊技(図柄変動遊技)を進めていた遊技者に対し、特別遊技状態(大当り遊技)では右打ちを行うこと(右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射すること)を、積極的に促すことが可能となる。
また、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始に際して、当該1ラウンド目のラウンド開始コマンド(1R開始コマンド)をサブ制御基板90が受信すると、これに対応する1R開始演出コマンドが画像制御基板100に送信される。これを受けて、画像表示装置7の表示画面7aでは、ラウンド数表示を含むラウンド演出表示が開始(実行)されるとともに、大当り遊技中(特別遊技状態中)の右打ち指示報知として右打ち指示画像71の表示が開始(実行)される(図52(a)を参照)。右打ち指示画像71は、初当りに係る大当り遊技が終了した後の高確高ベース状態や低確高ベース状態(つまり、右打ち遊技状態)においても継続して表示される(図52(b)を参照)。右打ち指示画像71の表示を開始する処理(右打ち指示画像表示処理)については後述する。尚、右打ち指示画像71の表示による右打ち指示報知のことを「所定指示報知」ともいう。
さらに、初当りに係る大当り遊技が終了した後の高確高ベース状態や低確高ベース状態(つまり、右打ち遊技状態)にて大当りが発生し(所謂「連チャン」)、当該大当り(連チャン)に係るオープニングコマンドをサブ制御基板90が受信すると、これに対応する連チャンオープニング演出コマンドが画像制御基板100に送信される。これを受けて、画像表示装置7の表示画面7aでは、前述の初当りオープニング演出とは異なる内容のオープニング演出(「連チャンオープニング演出」ともいう)が実行される。連チャンオープニング演出(図示せず)では、前述した初当りオープニング演出のような初当り用右打ち指示報知、すなわち、大入賞口30に遊技球が入球する様子を描いた動画像の表示が実行されず、高ベース状態での遊技中に表示する右打ち指示画像71(図52(b)を参照)が、そのまま継続して表示される。高ベース状態は「右打ち遊技状態」であり、連チャンに係る大当り遊技の実行に際して遊技球の発射方向を変更する必要はないからである。
最後にS4407の処理を行い、本処理(受信コマンド解析処理)を終える。S4407では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う。
[保留予告設定処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される保留予告設定処理(S4400)について説明する。本実施例では、前述したように、表示画面7a上の演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)や変動保留表示領域9eに表示される演出保留(第1演出保留9a、第2演出保留9b)を用いた保留予告演出(本例では保留変化予告)を行うことが可能となっている。保留予告設定処理(S4400)は、その保留予告演出に関し、実行するか否かの決定および実行する場合の実行パターン(保留予告演出パターン)の選択・設定を行う処理である。
図42に示すように、保留予告設定処理(S4400)では、まず、現在の遊技状態が低ベース状態であるか否かを判定する(S4451)。この判定は、例えば、後述のS4503で参照するモードステータス(図43を参照)に基づいて行うことが可能である。詳細には後述するが、S4503で参照するモードステータスは、現在の演出モードを示すものであり、本実施例では、演出モードA~Eの5つのモードのうち、演出モードA,Bを遊技状態が低ベース状態に制御されているときに実行し、演出モードC~Eを遊技状態が高ベース状態に制御されているときに実行するものとしている。これに準じて、S4451では、モードステータスを参照して現在の演出モードを特定し、それを基に現在の遊技状態が低ベース状態であるのか高ベース状態であるのかを判別する。
S4451にて、現在の遊技状態が低ベース状態であると判定した場合(S4451でYES)、先のS4390で受信した始動入球コマンドが特図1始動入球コマンドであるか否かを判定し(S4452)、特図1始動入球コマンドでなければ(S4452でNO)、S4454以降の処理を行うことなく本処理を終え、特図1始動入球コマンドであれば(S4452でYES)、S4454に進む。また、S4451にて、現在の遊技状態が低ベース状態でないと判定した場合(S4451でNO)、すなわち、現在の遊技状態が高ベース状態である場合、先のS4390で受信した始動入球コマンドが特図2始動入球コマンドであるか否かを判定し(S4453)、特図2始動入球コマンドでなければ(S4453でNO)、S4454以降の処理を行うことなく本処理を終え、特図2始動入球コマンドであれば(S4453でYES)、S4454に進む。
ここで、低ベース状態は、左打ちにより遊技を進める遊技状態(左打ち遊技状態)であり、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の変動表示を主として進行する遊技状態である。したがって、低ベース状態にて受信した始動入球コマンドが特図1始動入球コマンドでない場合、すなわち特図2始動入球コマンドである場合(S4452でNO)、その始動入球は、低ベース状態では通常発生する可能性が低い第2始動口21への入球となり、いわばイレギュラー(例外的)な始動入球であるといえる。また、高ベース状態は、右打ちにより遊技を進める遊技状態(右打ち遊技状態)であり、第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の変動表示を主として進行する遊技状態である。したがって、高ベース状態にて受信した始動入球コマンドが特図2始動入球コマンドでない場合、すなわち特図1始動入球コマンドである場合(S4452でNO)、その始動入球は、高ベース状態では通常発生する可能性が低い第1始動口20への入球となり、いわばイレギュラー(例外的)な始動入球であるといえる。本実施例では、そのような遊技状態に即さないイレギュラー(例外的)な始動入球に基づく特図保留について、これを対象とした保留予告演出を行わないようにすべく、S4452やS4453の処理を行うこととしている。尚、高ベース状態での特図1始動入球コマンドの受信に基づく保留予告演出を行わないこと(S4453でNO)については、特図1保留に係る事前判定(特図1事前判定)を高ベース状態では行わずに低ベース状態で行うこととした前述の始動入球時処理(S205)と合致するものである。
次いで、S4454では、保留予告演出の実行判定を行う(S4454)。この実行判定は、保留予告演出を実行可能とする条件(実行条件)を満たしているか否に基づいて行われるものである。本実施例では、保留予告演出の実行条件として2つの条件を設けており、そのうちの1つとして、今回の始動入球コマンドの受信(始動入球)が保留予告禁止期間中に発生したものでないことを定めている。詳細には後述するが、本実施例では、大当り遊技が終了した後の高ベース状態(低確高ベース状態または高確高ベース状態)にて、当該大当り遊技が終了してからの所定期間(本例では特別図柄の変動表示が所定回数行われるまで)を、遊技状態が低確高ベース状態(時短遊技状態)なのか高確高ベース状態(確変遊技状態)なのかを示さない演出モード(「状態非報知モード」ともいう)に設定するものとなっており、当該演出モード(本例では「演出モードC」)では、保留予告演出の実行を禁止するものとしている。つまり、大当り遊技後の演出モードCが設定される期間は保留予告禁止期間となっている。また、スーパーリーチ演出を伴う外れ変動(「外れスーパーリーチ変動」ともいう)に該当する特図保留を対象に保留予告演出を実行した場合、当該保留予告演出の対象となった外れスーパーリーチ変動してからの所定期間において、新たな保留予告演出の実行を禁止するものとしている。つまり、保留予告演出の対象となった外れスーパーリーチ変動が終了した後の所定期間は保留予告禁止期間となっている。
そこで、S4454では、まず、今回の始動入球コマンドの受信(始動入球)が保留予告禁止期間中のものであるか否か、すなわち、現在、保留予告禁止期間中であるか否かを判定する。その結果、保留予告禁止期間中であれば、保留予告演出の実行条件は成立しなかったもの(不成立)として(S4455でNO)、S4456以降の処理を行うことなく、本処理を終える。この場合、今回の始動入球に基づく保留予告演出は実行されないこととなる。
ここで、保留予告禁止期間に関し、大当り遊技の終了に続いて設定される状態非報知モード(本例では「演出モードC」)において保留予告演出の実行を禁止しているのは、遊技者にとって、現在の遊技状態を把握(判別)することが困難(不可能)な状況下での遊技は、相対的に有利な遊技状態(本例では確変遊技状態)であるかも知れないという期待と、相対的に不利な遊技状態(本例では時短遊技状態)であるかも知れないという不安とが入り混じった緊張感のある遊技となり、そのような緊張感のある遊技を予告演出によって損なわないようにするためである。つまり、大当り遊技の終了からしばらくの間は、遊技状態の判別が困難な緊張感のある遊技に遊技者を集中させるために、敢えて保留予告演出を行わないようにしているのである。したがって、S4454では、前述のようにモードステータスを参照して現在の演出モードを特定し、その結果、演出モードC(状態非報知モード)であれば、現在、保留予告禁止期間中であるとして、保留予告演出を実行しないものとしている(S4455でNO)。尚、本実施例では、演出モードが「C」(状態非報知モード)に設定されている場合、保留予告演出だけでなく、他の予告演出についても実行しない(発生させない)ものとしている。
また、保留予告演出の対象となった外れスーパーリーチ変動が終了した後に保留予告演出の実行を禁止する(保留予告禁止期間を設定する)のは次の理由による。すなわち、特別図柄の変動表示に伴う演出図柄8の変動表示(変動演出)では、遊技者の大当りに対する期待感を高めるための様々な演出が実行され得るものとなっており、その代表的な演出としてリーチ演出がある。リーチ演出とは、例えば、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことである。本実施例のリーチ演出は、大別すると、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出に分けられ、後者の方が前者に比べ大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高い演出となっている。
本実施例では、変動時間が450000ms以上の特別図柄の変動表示(図9を参照)が行われる場合に、当該変動表示に伴ってスーパーリーチ演出を実行するものとなっており、当該変動表示は外れ変動の場合もあれば、大当り変動の場合もある。このような変動時間(演出時間)の比較的長いスーパーリーチ演出が行われたにもかかわらず、そのスーパーリーチ演出が外れ変動によるものであって最終的に外れ図柄が確定表示された場合には、遊技者にしてみれば、リーチ演出なしで外れ確定となる場合やノーマルリーチ演出を経て外れ確定となる場合に比べ、落胆は大きいと考えられる。そこで、スーパーリーチ演出が行われることとなる外れ変動(「外れスーパーリーチ変動」ともいう)に該当する特図保留を対象に保留予告演出を実行した場合、その保留予告演出の対象となった外れスーパーリーチ変動が終了した後の所定期間は、新たな保留予告演出の実行を禁止するものとしている。スーパーリーチ演出を経て外れ確定となった場合、保留予告演出により期待感を煽られた遊技者にしてみれば、保留予告演出による期待が裏切られた印象を受けやすく、保留予告演出に対する興趣が低下している可能性があり、このような状況下ですぐさま新たな保留予告演出を実行したとしても、十分な演出効果が得られる可能性は低いからである。
ここで、本実施例では、保留予告演出の対象となった外れスーパーリーチ変動が終了してからの変動回数を計数する減算式のカウンタ(「制限カウンタ」ともいう)を演出制御用マイコン91(サブ制御基板90)のRAMに設けており、当該制限カウンタが所定回数を計数するまで(カウント値が「0」になるまで)を、新たな保留予告演出の実行を禁止する保留予告禁止期間としている。演出制御用マイコン91は、外れスーパーリーチ変動を対象とする保留予告演出の実行パターンの設定(後述のS4456)を契機として、制限カウンタに所定値(所定回数)をセットするものとなっている。また、演出制御用マイコン91は、制限カウンタに所定値をセットした場合、当該所定値をセットする契機となった外れスーパーリーチ変動が終了した後、特別図柄(演出図柄8)の変動表示が行われる毎(例えば変動停止コマンドを受信する毎)に、制限カウンタの値を1減算するものとなっている。したがって、S4454では、その制限カウンタを参照して、現在、保留予告禁止期間中であるか否かを判定し、その結果、保留予告禁止期間中であれば、保留予告演出を実行しないものとしている(S4455でNO)。
尚、本実施例では、制限カウンタにセットする所定値(所定回数)を、外れスーパーリーチ変動の変動時間に応じた値(可変値)としている。具体的に、低ベース状態において、外れスーパーリーチ変動の変動時間が45000msである場合には「10」としており、75000msである場合には「20」としている。また、高ベース状態において、外れスーパーリーチ変動の変動時間が45000msである場合には「5」としており、75000msである場合には「10」としている。このため、低ベース状態において、保留予告演出の対象となった外れスーパーリーチ変動の変動時間が45000msであった場合には、その変動終了後、少なくとも10回の変動表示が行われる間、新たに保留予告演出が行われることはなく、75000msであった場合には、その変動終了後、少なくとも20回の変動表示が行われる間、保留予告演出が行われることはない。また、高ベース状態において、保留予告演出の対象となった外れスーパーリーチ変動の変動時間が45000msであった場合には、その変動終了後、少なくとも5回の変動表示が行われる間、新たに保留予告演出が行われることはなく、75000msであった場合には、その変動終了後、少なくとも10回の変動表示が行われる間、保留予告演出が行われることはない。
ここで、変動時間の長短によって制限カウンタにセットする値(外れスーパーリーチ後変動回数)を異ならせているのは、変動時間(演出時間)の長い変動演出の方が大当り信頼度の高い演出とされるのが一般的であり、そのような大当り信頼度がより高い変動演出で外れ確定となった場合には、遊技者に与える落胆もより大きくなると考えられるからである。また、遊技状態(低ベース状態、高ベース状態)によって制限カウンタにセットする値(外れスーパーリーチ後変動回数)を異ならせているのは、高ベース状態の方が低ベース状態に比べて変動表示の実行頻度が高くなり、特図保留の消化ペースが速いからである。
尚、制限カウンタをセットするにあたっての特図保留に係る変動パターン(変動時間)の種別の判断は、主制御基板80からの始動入球コマンドに含まれる変動パターン乱数値を示す情報(始動入球時に取得した変動パターン乱数の値)に基づいて行うことが可能である。また、制限カウンタにセットする値(保留予告禁止期間の長さ)は本実施例で示すものに限られるものではなく、任意に定めることが可能である。さらに、保留予告禁止期間は、特別図柄(演出図柄)の変動回数以外にも、例えば時間経過や所定演出の実行回数など期間設定に相応しい条件に基づき定めることが可能である。さらに、本実施例では、保留予告禁止期間中(制限カウンタ>0の場合)に大当りとなった場合、当該大当りに係る大当り遊技の実行を契機に制限カウンタをゼロクリア(初期化)する。
一方、S4454にて、現在、保留予告禁止期間中でないと判定した場合、S4454では、さらに保留予告演出の実行抽選を行う。つまり、保留予告演出の実行条件として、保留予告禁止期間中でないこと(第1条件)に加え、保留予告演出の実行抽選に当選すること(第2条件)を定めている。本実施例では、演出決定用乱数として、保留予告演出実行決定用乱数を設けており、当該乱数をS4454で取得して、その取得した乱数値を図示しない抽選テーブルに基づいて判定することで、保留予告演出の実行抽選(乱数抽選)を行う。当該抽選で用いる抽選テーブル(図示せず)は、例えば、今回の始動入球を契機とする新たな特図保留についての当否情報(大当り又は外れ)や変動パターン情報(変動時間の長短)に応じて(つまり、事前判定結果に応じて)、保留予告演出の実行可能性、すなわち当選確率が異なるように定められる。具体的に、例えば、新たに発生した(記憶された)特図保留が、16R大当りに係る保留(16R大当り保留)である場合には、6R大当りや外れに係る保留である場合に比べて、保留予告演出の実行可能性が高くなるように定められる。また、新たに発生した(記憶された)特図保留が、変動時間が相対的に長い変動パターン(例えば45000ms以上)に係る保留である場合には、変動時間が相対的に短い変動パターン(例えば30000ms以下)に係る保留である場合に比べて、保留予告演出の実行可能性が高くなるように定められる。
そして、保留予告演出の実行抽選に落選した場合、保留予告演出の実行条件は成立しなかったもの(不成立)として(S4455でNO)、S4456以降の処理を行うことなく、本処理を終える。この場合、今回の始動入球に基づく保留予告演出は実行(開始)されないこととなる。一方、保留予告演出の実行抽選に当選した場合には、保留予告演出の実行条件をすべて満たしたこととなるので、この場合、保留予告演出の実行条件が成立したものとして(S4455でYES)、その保留予告演出の実行パターン(保留予告演出パターン)を決定(選択)し、これを設定する(S4456)。
尚、保留予告演出の実行条件を満たして保留予告演出の実行契機となった特図保留のことを「予告対象保留」ともいい、予告対象保留に係る取得情報のことを「予告対象取得情報」ともいう。また、上記した保留予告演出の実行条件はあくまでも一例であり、上記した条件以外の条件を定めることは勿論可能であり、条件の数(種類)も任意である。さらに、遊技状態(低ベース状態、高ベース状態等)に応じて、保留予告演出の実行条件を異ならせることも可能である。
S4456における保留予告演出の実行パターン(保留予告演出パターン)の決定(選択)および設定は、図48及び図49に示す保留予告演出パターン決定テーブルと、S4456にて取得する保留予告演出決定用乱数とに基づいて行う。保留予告演出決定用乱数は、前述した予告演出決定用乱数の一種であり、本実施例では「0~99」の範囲で値をとるものとなっている。現在の遊技状態が低ベース状態であり(S4451でYES)、今回受信した始動入球コマンドが特図1始動入球コマンドである場合(S4452でYES)、図48に示す特図1保留予告演出パターン決定テーブルA~Cの何れかを用いて(参照して)特図1保留予告演出の実行パターンを決定(選択)する。一方、現在の遊技状態が高ベース状態であり(S4451でNO)、今回受信した始動入球コマンドが特図2始動入球コマンドである場合(S4453でYES)、図49に示す特図2保留予告演出パターン決定テーブルA~Dの何れかを用いて(参照して)特図2保留予告演出の実行パターンを決定(選択)する。
図48及び図49に示すように、特図1保留予告演出パターン決定テーブル(単に「特図1保留予告テーブル」ともいう)と、特図2保留予告演出パターン決定テーブル(単に「特図2保留予告テーブル」ともいう)は、ともにテーブルA~Cを備える点で共通しており、特図2保留予告テーブルが、特図1保留予告テーブルには存在しないテーブルDを備えている点で相違している。これらのテーブルは、何れも、先のS4390で受信した始動入球コマンドや先のS4395で記憶した演出保留情報(つまり、事前判定結果)に基づいて特定可能な「特別図柄当否判定の結果」(外れ、大当り)および「外れの場合のリーチ有無」の各々について、保留予告演出決定用乱数値(0~99)を、選択可能な複数の保留予告演出パターンの何れかに割り当てたデータ構造となっている。
また、図48に示す特図1保留予告テーブルA~Cと、図49に示す特図2保留予告テーブルA~Cとでは、データ構造が同様となっており、それぞれ選択可能な保留予告演出パターンの種類、数および保留予告演出決定用乱数の振分率(乱数値の割り当て個数)は同様となっている。これに対し、図49に示す特図2保留予告テーブルDについては、他の保留予告テーブルでは選択されることのない他の保留予告演出パターンが選択可能(選択対象)となっている。尚、図48及び図49に示すテーブルのうち、「-」は乱数値を割り当てていないことを示しており、この部分については選択対象とならない(選択されない)ことを意味する(以下同様)。
具体的に、特図1保留予告テーブルで選択可能な特図1保留予告演出パターンの種類(「特図1保留予告種」ともいう)は、大別すると、特図1保留予告種A~Cの3種類に分けられる。特図1保留予告種Aは、図48(a)に示す特図1保留予告テーブルAに基づき選択可能な保留予告演出パターンによって構成されるもので、本実施例では「パターンA1~A4」によって構成される。また、特図1保留予告種Bは、図48(b)に示す特図1保留予告テーブルBに基づき選択可能な保留予告演出パターンによって構成されるもので、本実施例では「パターンB1~B4」によって構成される。さらに、特図1保留予告種Cは、図48(c)に示す特図1保留予告テーブルCに基づき選択可能な保留予告演出パターンによって構成されるもので、本実施例では「パターンC1~C7」によって構成される。
一方、特図2保留予告テーブルで選択可能な特図2保留予告演出パターンの種類(「特図2保留予告種」ともいう)は、大別すると、特図2保留予告種A~Dの4種類に分けられる。特図2保留予告種Aは、図49(a)に示す特図2保留予告テーブルAに基づき選択可能な保留予告演出パターンによって構成されるもので、本実施例では「パターンA1~A4」によって構成される。また、特図2保留予告種Bは、図49(b)に示す特図2保留予告テーブルBに基づき選択可能な保留予告演出パターンによって構成されるもので、本実施例では「パターンB1~B4」によって構成される。さらに、特図2保留予告種Cは、図49(c)に示す特図2保留予告テーブルCに基づき選択可能な保留予告演出パターンによって構成されるもので、本実施例ではパターン「C1~C7」によって構成される。また、特図2保留予告種Dは、図49(d)に示す特図2保留予告テーブルDに基づき選択可能な保留予告演出パターンによって構成されるもので、本実施例では「パターンD1~D5」によって構成される。
特図1保留予告演出の実行に際しては(S4452でYES→S4454→S4455でYES)、S4456にて図48(a)~(c)に示す特図1保留予告テーブルA~Cの何れかをセットし、当該セットしたテーブルと、S4456にて取得した保留予告演出決定用乱数値とに基づいて、一の特図1保留予告演出パターンを選択し、これを設定する(S4456)。特図1保留予告テーブルA~Cの何れをセットする(用いる)かは、第1始動入球の発生に伴い1増加した後の特図1保留球数が「1」であるのか「2」以上であるのかによって異なってくる。特図1保留球数が「1」である場合、特図1保留予告テーブルAをセットし、特図1保留球数が「2」以上である場合、特図1保留予告テーブルBまたはCをセットする。したがって、第1始動入球により特図1保留球数が「1」となり、これに伴い特図1保留予告演出を行う場合、その保留予告演出パターンは「パターンA1~A4」のうちの何れか一のパターンとなる(S4456)。一方、第1始動入球により特図1保留球数が「2」以上となり、これに伴い特図1保留予告演出を行う場合、その保留予告演出パターンは「パターンB1~B4」および「パターンC1~C7」のうちの何れか一のパターンとなる(S4456)。
ここで、特図1保留球数が「2」以上である場合に、特図1保留予告テーブルBおよびCの何れをセットする(用いる)かは、例えば、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)で生成されるテーブル選択用乱数による乱数抽選によって決定したり、所定の使用順(交互、所定回数毎に交替など)に従って決定したりすることが可能であり、本例では乱数抽選により決定するものとしている。
また、特図2保留予告の実行に際しては(S4453でYES→S4454→S4455でYES)、S4456にて図49(a)~(d)に示す特図2保留予告テーブルA~Dの何れかをセットし、当該セットしたテーブルと、S4456にて取得した保留予告演出決定用乱数値とに基づいて、一の特図2保留予告演出パターンを選択し、これを設定する(S4456)。特図2保留予告テーブルA~Dの何れをセットする(用いる)かは、第2始動入球の発生に伴い1増加した後の特図2保留球数が「1」であるのか「2」以上であるのかによって異なってくる。特図2保留球数が「1」である場合、特図2保留予告テーブルAまたはDをセットし、特図2保留球数が「2」以上である場合、特図2保留予告テーブルB~Dの何れかをセットする。したがって、第2始動入球により特図2保留球数が「1」となり、これに伴い特図2保留予告演出を行う場合、その保留予告演出パターンは「パターンA1~A4」および「パターンD1~D5」のうちの何れか一のパターンとなる(S4456)。一方、第2始動入球により特図2保留球数が「2」以上となり、これに伴い特図2保留予告演出を行う場合、その保留予告演出パターンは「パターンB1~B4」、「パターンC1~C7」および「パターンD1~D5」のうちの何れか一のパターンとなる(S4456)。
ここで、特図2保留球数が「1」である場合に、特図2保留予告テーブルAおよびDの何れをセットする(用いる)かや、特図2保留球数が「2」以上である場合に、特図2保留予告テーブルB~Dの何れをセットする(用いる)かは、例えば、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)で生成されるテーブル選択用乱数による乱数抽選によって決定したり、所定の使用順(交互、所定回数毎に交替など)に従って決定したりすることが可能であり、本例では乱数抽選により決定するものとしている。
次いで、S4457では、S4456で設定した保留予告演出パターンの実行を指示する保留予告演出コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4457)。S4457でセットした保留予告演出コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信した保留予告演出コマンドに基づき特定される保留予告演出パターン、すなわちS4456で設定された保留予告演出パターンに対応する保留予告演出用の画像データ(演出保留画像データ等)を画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる保留予告演出(保留変化予告)を、保留予告演出パターンにしたがって画像表示装置7の表示画面7a上(演出保留表示領域、変動保留表示領域)で実行する。すなわち、画像制御用マイコン101は、当該保留予告演出の実行(開始)契機となった予告対象保留が消化されるまで、演出図柄8(特別図柄)の変動表示の開始(例えば変動演出開始コマンドの受信)毎に演出保留の表示位置を移動させたり演出保留の表示態様を変化させたりする等の演出保留の表示制御を、保留予告演出パターンにしたがって実行する。表示画面7a上で実行される保留予告演出の内容については後述する。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図43に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1~P22)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
また、受信した変動開始コマンドに前述の「状態変化コマンド」が含まれている場合、遊技状態が変化したことを示す情報(遊技状態変化情報)が含まれていることとなる。ここで、状態変化コマンドは、前述したように、遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)から低ベース状態(本例では低確低ベース状態)に移行(変化)することを示すコマンドであり、高ベース状態の終了契機となる特別図柄の変動表示(例えば時短遊技状態での100回目の変動表示)に続く次の変動表示が開始されるタイミングで、主制御部80から送信されるものである。したがって、S4502による変動開始コマンドの解析の結果、当該変動開始コマンドに遊技状態変化情報が含まれているか否かによって、今回開始する特別図柄の変動表示(演出図柄の変動表示)が、高ベース状態から低ベース状態に移行した後の最初の変動表示に該当するか否かを判別することが可能となる。この結果、低ベース状態に移行後の最初の変動表示に該当する場合には、後述のS4507にて、左打ち指示画像の表示を指定するコマンド(左打ち指示画像表示コマンド)を変動演出開始コマンドに含めてサブ出力バッファにセットすべく、不図示の左打ち指示フラグをONにする。
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで、演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出内容(演出態様)の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される演出画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出、ラウンド演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。
本実施例では、演出モードAおよび演出モードBを低確低ベース状態に対応する演出モードとし、演出モードCを低確高ベース状態と高確高ベース状態の何れにも対応する演出モードとし、演出モードDを低確高ベース状態に対応する演出モードとし、演出モードEを高確高ベース状態に対応する演出モードとしている。従って、演出モードが「C」以外(「A」、「B」、「D」、「E」の何れか)である場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態、低確高ベース状態(時短遊技状態)および高確高ベース状態(確変遊技状態)の何れであるのかを把握することが可能となる。一方、演出モードが「C」である場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短遊技状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握(判別)することは困難(不可能)である。その意味において演出モードCは「状態非報知モード」といえる。
尚、本実施例では、大当り遊技が終了した後の高ベース状態(低確高ベース状態または高確高ベース状態)において、当初は演出モードCとなり、その後、所定回数の特別図柄の変動表示が行われると、演出モードCから演出モードDまたはEに演出モードが切り替わるようになっている。このような演出モードの切り替えについての詳細は後述する。また、演出モードAおよび演出モードBのことを「通常演出モード」ともいい、演出モードCのことを「特殊演出モード」や「第1演出モード」ともいい、演出モードDのことを「時短演出モード」や「第2演出モード」ともいい、演出モードEのことを「確変演出モード」や「第3演出モード」ともいう。
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)等が決定される。
ここで、リーチ演出のことを「特定演出」ともいう。また、リーチ演出を実行する演出図柄遊技演出(変動演出)のことを「リーチ変動」や「リーチ変動演出」ともいい、キャラクタ演出を実行する演出図柄遊技演出(変動演出)のことを「キャラクタ変動」や「キャラクタ変動演出」ともいい、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない演出図柄遊技演出(変動演出)のことを「ノーマル変動」や「ノーマル変動演出」ともいう。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチ有り外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、当該大当りが低確低ベース状態での16R第1大当りの場合は「777」のゾロ目とされ、低確低ベース状態での6R大当り(6R第2大当り、6R第3大当り)の場合は「777」以外のゾロ目とされ、高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)での16R大当り(16R第4大当り、16R第5大当り)の場合は「111」~「999」の何れかのゾロ目とされる。つまり、低確低ベース状態で演出図柄8が「777」のゾロ目で停止表示される場合を除いて、演出図柄8の停止表示態様から今回の大当りが「確変大当り」であるか否かを把握することは不能となっている。尚、本実施例で示す演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わないかが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出としてスーパーリーチ演出(SPリーチA~Cの何れか)が実行される場合には、ノーマルリーチ演出(リーチA~Cの何れか)が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はノーマルリーチ演出と比較して大当りの期待度(大当り信頼度)の高い遊技演出であるといえる。尚、スーパーリーチ演出のことを「特別特定演出」や「特別演出表示」ともいう。また、本実施例では、リーチ演出として、リーチA、リーチB、リーチC、SPリーチA、SPリーチBおよびSPリーチCの6種類を備えるものとしているが、本実施例より多くのリーチ演出を設けることも可能であり、あるいは、リーチ演出の種類(数)を本実施例より減らす(少なくする)ことも可能である。
本実施例のリーチ演出のうち、ノーマルリーチ演出(リーチA~C)は、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得るものとなっており、スーパーリーチ演出(SPリーチA~C)は、変動時間が450000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得るものとなっている。
ここで、演出図柄8の変動表示は、基本的に次のようにして行われる。すなわち、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した後、全演出図柄の変動速度が高速で略一定となり、その後、所定時間が経過したタイミングで、第1停止図柄(本例では左演出図柄8L)の変動速度が低下して第1停止図柄が停止(仮停止)する。これに次いで第2停止図柄(本例では右演出図柄8R)の変動速度が低下して第2停止図柄が停止(仮停止)し、最後に第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)の変動速度が低下して第3停止図柄が停止(仮停止)する。この後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが確定停止することで、変動表示の表示結果が導出表示され、これをもって1回の変動表示が終了する。このような変動表示の開始から終了までの流れをベースとして、ノーマル変動演出やリーチ演出等が行われる。
具体的に、例えば、特図保留球数や遊技状態に応じた特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(変動時間短縮機能非作動時)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した場合、当該変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)し、これに続いて右演出図柄8R(第2停止図柄)が停止(仮停止)する。このとき、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字の図柄で停止してリーチが成立すればリーチ演出に発展し、リーチが成立しなければ(つまり、ノーマル変動であれば)、右演出図柄8R(第2停止図柄)の停止(仮停止)に続いて中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)する。
本実施例において、特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(つまり低ベース状態)のノーマル変動では、演出図柄8の変動開始から第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が11秒となっている。これに対し、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している場合(つまり高ベース状態)のノーマル変動では、変動表示の開始から左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が通常(変動時間短縮機能非作動時)よりも短くなり、これに伴って、右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間も短くなる。また、リーチ変動において、リーチ成立後、中演出図柄8C(第3停止図柄)が変動表示を終了して演出図柄8が確定停止するまでにかかる時間は、前述のノーマルリーチやSPリーチ等のリーチ種別によって異なるものとなっており、その時間は、ノーマルリーチに比べSPリーチの方が長いものとなっている。このようなリーチ成立から確定停止までの時間は、演出図柄8の総変動時間、すなわち、特別図柄の変動パターンにより特定される変動時間(図9を参照)に依存するものとなる。
次いで、S4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。本実施例では、S4395で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について変動演出中に実行するか否か(実行有無)を判定したり、変動演出中に実行する予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定したりする。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、サブ制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブルとに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
尚、変動演出に伴って実行可能な予告演出(「変動時予告演出」ともいう)としては、例えば、表示画面7aに予告用の背景画像を表示する背景予告、複数の予告画像をそれぞれ段階的に表示するステップアップ予告、予告用のコメント画像を表示するコメント予告、可動装飾部材を動作させる可動役物予告などが設けられる。また、S4395で記憶される演出保留情報の記憶内容(演出保留情報記憶領域の記憶内容)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示に係る当否判定の結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示に係る変動パターンや停止図柄)によって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等は異なるものとなる。さらに、変動演出中に予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を行うこともあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を複合して行うこと、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで行うこともある。
また、本実施例では、前述のS4503でモードステータスを参照するが、当該モードステータスが「3」である場合、現在、演出モードは「C」であり、前述の保留予告禁止期間中ということになる。前述したように、保留予告禁止期間中は保留予告演出が実行されることはない。これに伴い、本実施例では、演出モードが「C」に設定されている場合、S4506の処理、すなわち、変動演出中に実行する予告演出(変動時予告演出)の設定に係る処理を行わないこととしている。具体的に、S4506の処理の実行に際し、始めに、現在の演出モードが演出モードC(モードステータス=「3」)であるか否かを判定し、演出モードCであれば、予告演出の設定に係るS4506の処理を行わず、演出モードCでなければ、予告演出の設定に係るS4506の処理を行うこととしている。これにより、演出モードCの設定期間中(保留予告禁止期間中)は、保留予告演出をはじめとする一切の予告演出が実行されないこととなる。
次いで、S4507では、S4505で設定した変動演出パターン及びS4506で設定した予告演出パターン(予告演出パターンは演出モードC以外の演出モードのときに限り設定)に基づいて演出図柄遊技演出(変動演出、予告演出等)を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止等を示す画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
また、S4507では、左打ち指示フラグがONであるか否かを判定し、ONであれば、左打ち指示画像表示コマンドを変動演出開始コマンドに含めてサブ出力バッファにセットする。ここで、左打ち指示フラグは、前述のS4502にて変動開始コマンドを解析した結果、当該変動開始コマンドに遊技状態変化情報が含まれている場合、すなわち、遊技状態が高ベース状態(右打ち遊技状態)から低ベース状態(左打ち遊技状態)に移行(変化)する場合に、ONとなるフラグである。変動演出開始コマンドとともに左打ち指示画像表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、前述の変動演出用画像データや予告演出用画像データに加え、左打ち指示報知用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出、左打ち指示報知等を、画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、左打ち指示報知の実行(開始)に伴い、それまでの高ベース状態で表示していた右打ち指示画像71(図52(b)を参照)を、表示画面7a上から消去する。
尚、前述のS4502における変動開始コマンドの解析結果に基づきONとなった左打ち指示フラグは、左打ち指示画像表示コマンド(変動開始コマンド)をサブ出力バッファにセットすること、または、左打ち指示画像表示コマンド(変動開始コマンド)を画像制御基板100に送信することに基づいて、OFFとなる。また、これに伴い、演出制御用マイコン91は、後述する右打ち表示フラグをOFFにする。
ここで、本実施例の画像表示装置7(表示画面7a)で行われる左打ち指示報知は、図52(c)に示すように、表示画面7aに設けられる左打ち表示領域70cに、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射することを指示する左打ち指示画像70を表示することにより行われる。左打ち指示画像70は、「左打ちに戻してください」の文字を表す左打ち文字画像70aと、左打ち文字画像70aの上方に位置する3つの左矢印画像70bとからなる。本実施例では、この左打ち指示画像70を、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に移行して最初の演出図柄8の変動開始に伴って、表示画面7aの中央近傍(左打ち表示領域70c)に表示する。これにより、それまで高ベース状態にて右打ちを行って遊技(図柄変動遊技)を進めていた遊技者に対し、低ベース状態への移行に伴い左打ちを行う(左打ちに戻す)ことを積極的に促すものとなっている。尚、左打ち指示画像70は、表示画面7a(左打ち表示領域70c)に表示した後、所定時間(例えば5秒)が経過することで消去される(左打ち指示報知が終了する)。
[右打ち指示画像表示処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)における大当り遊技関連演出処理(S4406)の一処理として実行される右打ち指示画像表示処理(S4600)について説明する。図44に示すように、右打ち指示画像表示処理(S4600)では、まず、右打ち表示フラグがOFFであるか否かを判定する(S4601)。ここで、右打ち表示フラグとは、右打ち指示画像71を画像表示装置7の表示画面7a(右打ち表示領域71c)に表示中であるか否かを示す(判別する)ためのフラグであり、OFFの場合は表示していないことを示し、ONの場合は表示中であることを示す。S4601にて右打ち表示フラグがOFFでないと判定した場合(S4601でNO)、すなわち、右打ち表示フラグがONである場合には、右打ち指示画像71を表示中であるため、S4602以降の処理を行うことなく本処理を終える。
一方、S4601にて右打ち表示フラグがOFFであると判定した場合(S4601でYES)、先のS4405で受信した大当り遊技関連コマンドが1R開始コマンドであるか否かを判定する(S4602)。大当り遊技関連演出処理(S4406)は、前述のように大当り遊技関連コマンドの受信(S4405でYES)を契機として実行されるので、S4602では、そのS4406の処理の実行契機となった大当り遊技関連コマンドが1R開始コマンドであるか否かを判定する。その結果、1R開始コマンドでない場合は(S4602でNO)、S4603以降の処理を行うことなく本処理を終える。
一方、S4602にて1R開始コマンドであると判定した場合(S4602でYES)、右打ち指示画像表示開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4603)、右打ち表示フラグをONにして(S4604)、本処理を終える。S4603でセットした右打ち指示画像表示開始コマンドは、1R開始コマンドの受信に基づくS4406の処理でサブ出力バッファにセットされる1R開始演出コマンドとともに、コマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信される。これにより、画像表示装置7の表示画面7aでは、図52(a)に示すように、画面略全体でラウンド演出表示が行われるとともに、画面左上に設けられるラウンド数表示領域72aに現在のラウンド数を示すラウンド数画像72(ここでは「1R」)が表示され、画面右上に設けられる右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71が表示される。ここで、本実施例の右打ち指示画像71は、図52(a),(b)に示すように、「右打ち」の文字を表す右打ち文字画像71aと、右打ち文字画像71aの下方に位置する1つの右矢印画像71bとからなる。この右打ち指示画像71は、前述した初当り用右打ち指示報知の動画像表示や左打ち指示画像70に比して表示サイズが小さいものとなっている。
また、本実施例の右打ち指示画像71は、前述のS4602およびS4603の処理により、大当り遊技の1ラウンド目の開始に伴って表示が開始された後、S4604の処理でONとなった右打ち表示フラグがOFFになるまで、その表示が継続される。右打ち表示フラグは、前述したように、高ベース状態にて特別図柄の変動表示が行われるなか、当該高ベース状態が終了することとなる回数の特別図柄の変動表示(例えば時短遊技状態での100回の変動表示)が行われ、遊技状態が低ベース状態(低確低ベース状態)となって最初の特別図柄の変動表示が開始されるタイミングでOFFとなる。したがって、本実施例における右打ち指示画像71の表示(画像表示装置7による右打ち指示報知)は、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始から、その後に高ベース状態が所定回数の特別図柄の変動表示の実行に基づき終了するまで、表示画面7a上の右打ち表示領域71cにて行われる。本実施例では、大当り遊技後の遊技状態は、その大当りが確変大当りであれば確変遊技状態となり、非確変大当り(通常大当り)であれば時短遊技状態となるので、結局のところ、大当り遊技後は必ず高ベース状態となる。よって、初当り後、高ベース状態にて大当りが発生することなく高ベース状態が終了するまでは、右打ち指示画像71の表示(画像表示装置7による右打ち指示報知)が右打ち表示領域71cにて継続的に行われる。
具体的には、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始に伴って右打ち表示領域71cにて右打ち指示画像71の表示が開始されると(図52(a)を参照)、この右打ち指示画像71の表示は、大当り遊技後の高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)においても継続される(図52(b)を参照)。その後、例えば、高ベース状態で大当り(つまり「連チャン」)となった場合、初当りに係る1ラウンド目から継続中の右打ち指示画像71の表示は、連チャンに係る大当り遊技のファンファーレ演出、ラウンド演出およびエンディング演出が画像表示装置7(表示画面7a)で実行される間も継続され、その後の高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)においても継続される。また、高ベース状態で大当りが発生することなく、高ベース状態の終了条件が成立した場合、例えば、高ベース状態が時短遊技状態(低確高ベース状態)であって該時短遊技状態にて特別図柄の変動表示が100回行われた場合(図31のS1909,S1910を参照)、次の変動表示の開始に伴い右打ち指示画像71の表示が終了する(右打ち指示画像71が消去される)とともに、左打ち表示領域70cにて左打ち指示画像70の表示(画像表示装置7による左打ち指示報知)が行われる(図52(c)を参照)。
[大当り終了時演出モード設定処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)における大当り遊技関連演出処理(S4406)の一処理として実行される大当り終了時演出モード設定処理(S4700)について説明する。図45に示すように、大当り終了時演出モード設定処理(S4700)では、まず、先のS4405で受信した大当り遊技関連コマンドがエンディングコマンドであるか否かを判定し(S4701)、エンディングコマンドでなければ(S4701でNO)、S4702以降の処理を行うことなく本処理を終え、エンディングコマンドであれば(S4701でYES)、S4702の処理に進む。エンディングコマンドは、前述したように、大当り遊技の終了に際して主制御部80から送信されるコマンドであるため、エンディングコマンドを受信したということは、大当り遊技の終了タイミングということになる。したがって、S4701の処理は、大当り遊技の終了タイミングであるか否かを判定するものである。
次いで、S4702では、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係る大当り遊技であるか否かを判定する(S4702)。本実施例では、エンディングコマンドとして、大当り種別に応じたエンディングコマンドを設けており、大当り遊技の終了時には、主制御部80(遊技制御用マイコン81)が、当該終了する大当り遊技に係る大当りの種別に応じたエンディングコマンドをサブ制御部90に向けて送信(出力)するものとなっている。したがって、S4702では、受信したエンディングコマンドに基づいて、今回終了した大当りの種別(ここでは確変大当り又は非確変大当り)を判定する。その結果、確変大当りである場合(S4702でYES)、今回の大当り遊技が終了した後の遊技状態は高確高ベース状態(確変遊技状態)となるので、高確率状態であることをサブ制御側で判別可能とするための高確率フラグをONにして(S4703)、S4704の処理に進む。これに対し、終了した大当りが確変大当りでない場合(S4702でNO)、すなわち、非確変大当りである場合、今回の大当り遊技が終了した後の遊技状態は低確高ベース状態(時短遊技状態)となるので、S4703の処理を行うことなく(高確率フラグをONにすることなく)、S4704の処理に進む。
次いで、S4704では、今回終了した大当り遊技が「16R第1大当り」に係る大当り遊技であるか否かを判定する(S4704)。この判定は、S4702と同様、受信したエンディングコマンドに基づいて行うことが可能である。ここで、本実施例では、第1特別図柄に係る大当りのうち、16R大当りは「16R第1大当り」の1種類しかなく、当該大当りは確変大当りである(図6を参照)。そして、16R第1大当りとなった場合、演出図柄8は「777」の大当り態様で停止表示されるものとなっている。一方、第1特別図柄に係る大当りである6R大当りと、第2特別図柄に係る大当りである16R大当りには、それぞれ確変大当りと非確変大当り(6R第2,第3大当り及び16R第4,第5大当り)があり(図6を参照)、これら大当りのうち6R大当りについては演出図柄8が「777」以外の大当り態様(ゾロ目)で停止表示され、16R大当りについては「111」~「999」の何れかの大当り態様で停止表示されるものとなっている。このため、例えば、第1特別図柄の変動表示が主となる低確低ベース状態にて第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなって、演出図柄8がの大当り態様で停止表示されて16R大当り遊技が行われた場合、遊技者にとっては、停止表示された演出図柄8の大当り態様から当該大当りが確変大当りであることは明らかとなる。これに対し、16R第1大当り以外の大当りとなって、演出図柄8が大当り態様で停止表示されて6R大当り遊技または16R大当り遊技が行われたとしても、遊技者にとっては、停止表示された演出図柄8の大当り態様や実行された大当り遊技の態様だけでは、当該大当りが確変大当りであるか否かを判別すること困難(不可能)である。
S4704にて、今回終了した大当りが16R第1大当りであると判定した場合(S4704でYES)、モードステータスを「5」にセットする(S4705)。前述したように、モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものであり、本実施例では、モードステータス「5」が演出モードEに対応するものとなっている。したがって、S4705にてモードステータスを「5」にセットすることで、大当り遊技の終了に続いて特別図柄の変動表示(演出図柄8の変動表示)が実行可能な遊技状態に移行した際の演出モードは「E」となる。演出モードEは高確高ベース状態に対応するものであるため、この場合の大当り遊技後の演出モードは本来の遊技状態に即したものとなる。S4705にてモードステータスを「5」にセットしたら、演出モードEを指定する演出モードE指定コマンドをサブ出力バッファに設定して(S4706)、本処理を終える。
S4706でセットした演出モードE指定コマンドは、エンディングコマンドの受信(S4405)に基づいてサブ出力バッファにセットされるエンディング演出コマンドとともに、コマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信される。これを受けて、画像制御用マイコン101は、エンディング演出用の画像データと演出モードE用の画像データ(本例では背景画像データ)を画像制御基板100のROMから読み出し、画像表示装置7の表示画面7a上で、読み出した画像データに基づいてエンディング演出を実行した後、演出モードEに対応する背景を表示する。本実施例では、図53(c)に示すように、演出モードEに対応する表示画面7aの背景として、赤色をベースとして描いた背景(「赤背景」ともいう)を表示するものとしている。この赤背景は、高確高ベース状態に対応するものであり、現在の遊技状態が高確高ベース状態(確変遊技状態)であることを示す文字(本例では「確変中」の文字)を併せて表示する状態報知用の背景となっている。尚、図53では背景の具体的な内容の図示を省略しているが、背景の内容は、例えば、機種のモチーフに応じた背景画像とする等、任意に定めることが可能である。
一方、S4704にて、今回終了した大当りが16R第1大当りでないと判定した場合(S4704でNO)、モードステータスを「3」にセットする(S4707)。前述したように、本実施例では、モードステータス「3」が演出モードCに対応するものとなっている。したがって、モードステータスを「3」にセットすることで、大当り遊技の終了に続いて特別図柄の変動表示(演出図柄8の変動表示)が実行可能な遊技状態に移行した際の当初の演出モードは「C」となる。S4707にてモードステータスをセットしたら、第1モードカウンタに「20」をセットするとともに(S4708)、演出モードCを指定する演出モードC指定コマンドをサブ出力バッファに設定して(S4709)、本処理を終える。
ここで、第1モードカウンタは、大当り遊技後の演出モードC(第1演出モード)の設定期間を定めるためのものであり、演出制御用マイコン91(サブ制御基板90)のRAMに設けられている。本実施例では、第1モードカウンタを、大当り遊技が終了してからの特別図柄の変動回数を計数可能な減算式のカウンタとしており、第1モードカウンタの値が「0」になるまで、演出モードCが設定された状態(演出モードC設定期間)となる。演出制御用マイコン91は、大当り遊技が終了した後の演出モードCにおいて、特別図柄(演出図柄8)の変動表示が行われる毎(例えば変動停止コマンドを受信する毎)に、第1モードカウンタの値を1減算するものとなっている。したがって、本実施例では、大当り遊技終了後、特別図柄の変動表示が20回行われる間(大当り遊技後の1回目~20回目の変動まで)、演出モードは「C」となる。尚、大当り遊技後の演出モードCの設定期間中(第1モードカウンタの値がゼロになる前)に大当りとなった場合、すなわち、後述の演出モード移行処理(S4800)により演出モードが「C」から「D」または「E」に変化(移行)する前に大当りとなった場合、第1モードカウンタはゼロクリア(初期化)される。
また、S4709でセットした演出モードC指定コマンドは、エンディングコマンドの受信(S4405)に基づいてサブ出力バッファにセットされるエンディング演出コマンドとともに、コマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信される。これを受けて、画像制御用マイコン101は、エンディング演出用の画像データと演出モードC用の画像データ(本例では背景画像データ)を画像制御基板100のROMから読み出し、画像表示装置7の表示画面7a上で、読み出した画像データに基づいてエンディング演出を実行した後、演出モードCに対応する背景を表示する。本実施例では、図53(a)に示すように、演出モードCに対応する表示画面7aの背景として、緑色をベースとして描いた背景(「緑背景」ともいう)を表示するものとしている。この緑背景は、低確高ベース状態と高確高ベース状態の何れにも対応するものであり、現在の遊技状態を明示することのない状態非報知用の背景となっている。
[演出モード移行処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて変動開始コマンドを受信した場合(S4401でYES)に変動演出開始処理(S4402)の中で実行される演出モード移行処理(S4800)について説明する。演出モード移行処理(S4800)は、高ベース状態(低確高ベース状態または高確高ベース状態)における演出モードの制御に係る処理であり、変動演出開始処理(S4402)のS4503でモードステータスを参照することに伴って実行されるものである。
図46に示すように、演出モード移行処理(S4800)では、まず、これから開始する変動演出が外れ変動であるか否かを判定する(S4801)。この判定は、先のS4502の処理による変動開始コマンドの解析結果に基づいて行うことが可能である。その結果、外れ変動でないと判定した場合(S4801でNO)、すなわち、これから開始する変動演出が大当り変動である場合には、S4802以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、外れ変動であると判定した場合(S4801でYES)、現在のモードステータスが「3」であるか否か、すなわち、現在の演出モードが「C」であるか否かを判定する(S4802)。前述のように、大当り遊技後の当初演出モードは、前述のS4704の処理によって演出モードCとなるので、S4802では、大当り遊技が終了してからの演出モードCの設定期間中であるか否かを判定する。
S4802にて現在のモードステータスが「3」であると判定した場合(S4802でYES)、すなわち、現在の演出モードが「C」である場合、第1モードカウンタの値がゼロであるか否かを判定し(S4803)、ゼロでなければ(S4803でNO)、S4804以降の処理を行うことなく本処理を終える。この場合、演出モードは未だ「C」のままとなる。一方、第1モードカウンタの値がゼロである場合(S4803でYES)、すなわち、大当り遊技後の演出モードCにおいて特別図柄の変動表示が20回行われ、これに続く21回目の特別図柄の変動表示の開始タイミングである場合、高確率フラグがONであるか否かを判定し(S4804)、ONであれば(S4804でYES)、演出モードを「C」から「D」に移行させる(切り替える)か否かを判定する(S4805)。
ここで、S4804にて高確率フラグがONであると判定した場合、現在の遊技状態は高確高ベース状態ということになるが、演出モードDは、前述したように低確高ベース状態に対応する演出モードであるため、演出モードを「C」から「D」に移行させると、本来の遊技状態と異なる演出モードに移行する(切り替わる)こととなる。本実施例では、このような本来の遊技状態と異なる演出モードへの移行処理(切り替え処理)、すなわち、本来は高確高ベース状態であるにもかかわらず、敢えて、低確高ベース状態に対応する演出モード(本例では演出モードD)に移行させる処理を、所定の移行条件(切り替え条件)を満たしているとS4805で判定した場合に行うこととしている。具体的に、移行条件(切り替え条件)として、(1)今回の外れ変動に続く次回以降の特図変動として「連続3回以上の外れ変動」が確保されていること、(2)移行抽選に当選すること、の2つの条件を定めている。
前述の移行条件のうち、(1)連続3回以上の外れ変動が確保されていることについては、例えば、高ベース状態での主たる変動表示の対象となる第2特別図柄の保留(特図2保留)が3個以上記憶されており(特図2保留球数≧3)、そのうち、少なくとも、最先に記憶された(最も古い)1個目の特図2保留と、これに続く2個目、3個目の特図2保留が、何れも事前判定結果が「外れ」である外れ保留に該当すれば、当該条件を満たすこととなる。具体的に、例えば、現在の特図2保留球数が「4」であり、そのうちの特図2保留球数「1」~「3」に対応する特図2保留がすべて外れ保留である場合、当該条件を満たすこととなる。高ベース状態は、第2始動口21への遊技球の入球頻度が低ベース状態に比して格段に高くなるので、特図2保留が確保されやすい状況となる。このため、特図2保留球数に係る条件(本例では3個以上)は比較的成立しやすいといえる。尚、当該(1)に係る条件を満たさない場合としては、例えば、記憶されている特図2保留が2個以下(特図2保留球数≦2)であることや、特図2保留が3個以上記憶されているもののその中に連続3回以上の外れ変動の妨げとなる大当り保留が含まれていること等が挙げられる。
また、前述の移行条件のうち、(2)移行抽選に当選することについては、本実施例では、演出決定用乱数としてモード移行決定用乱数を設けており、当該乱数を前述のS4501で取得して、その取得した乱数値を図示しない抽選テーブルに基づいて判定することで、演出モードの移行抽選(乱数抽選)を行う。当該移行抽選はS4805で実行することとしており、本実施例では約50%の確率で移行抽選に当選するものとしている。尚、これらの移行条件はあくまでも一例であり、上記した条件以外の条件を定めることは勿論可能であり、条件の数(種類)も任意である。
S4805では、以上の2つの移行条件を満たしているか否かを判定し、2つとも満たしている場合には(S4805でYES)、演出モードDへの移行条件が成立したものとして、演出モードを「C」から「D」に移行させる(切り替える)ための処理(S4806~S4808)を行う。具体的に、まず、S4806にて、第2モードカウンタに値Mをセットする(S4806)。第2モードカウンタは、遊技状態が高確高ベース状態であるときに、演出モードC(第1演出モード)から演出モードD(第2演出モード)に移行した場合の当該演出モードEの設定期間を定めるためのものであり、演出制御用マイコン91(サブ制御基板90)のRAMに設けられている。本実施例では、第2モードカウンタを、演出モードDに移行してからの特別図柄の変動回数を計数可能な減算式のカウンタとしており、第2モードカウンタの値が「0」になるまで、演出モードDが設定された状態となる。第2モードカウンタの減算処理は、前述した第1モードカウンタと同様にして行われる。
また、第2モードカウンタにセットする値Mは、前述の移行条件(1)を満たしていると判断したときの外れ保留の個数から1を引いた値としている。例えば、移行条件(1)の判断時における特図2外れ保留の個数が「4」である場合、第2モードカウンタに「3」をセットし、移行条件(1)の判断時における特図2外れ保留の個数が「3」である場合、第2モードカウンタに「2」をセットする。当該値Mについては、後述する演出モードDから演出モードEへの移行を大当りとなる前に確実に実行することが可能となる値であればよく、少なくとも演出モードDでの外れ変動を1回行った上で、これに続く後の外れ変動で演出モードEに移行させることが可能な値であればよい。また、第2モードカウンタにセットする値Mを、例えば、移行条件(1)の判断時における特図2保留球数(つまり、現在の特図2保留球数)から1を引いた値とするなど、演出モードCから演出モードDに移行したときに記憶されている(残っている)特図2保留内で演出モードEに移行させることが可能な値とすることも可能である。
次いで、S4807では、モードステータスを「4」にセットする(S4807)。前述したように、本実施例では、モードステータス「4」が演出モードDに対応するものとなっている。したがって、S4807にてモードステータスを「4」にセットすることで、今回の変動演出の実行(開始)に際し、演出モードが「D」となる。こうしてモードステータスを「4」にセットしたら、演出モードDを指定する演出モードD指定コマンドをサブ出力バッファに設定して(S4808)、本処理を終える。
S4808でセットした演出モードD指定コマンドは、S4507にてサブ出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドとともに、コマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信される。これを受けて、画像制御用マイコン101は、変動演出用の画像データと演出モードD用の画像データ(本例では背景画像データ)を画像制御基板100のROMから読み出し、画像表示装置7の表示画面7a上で、読み出した画像データに基づいて変動演出等を実行するとともに、当該変動演出の実行(開始)に伴って演出モードDに対応する背景を表示する。本実施例では、図53(b)に示すように、演出モードDに対応する表示画面7aの背景として、青色をベースとして描いた背景(「青背景」ともいう)を表示するものとしている。この青背景は、原則、低確高ベース状態に対応するものであり、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短遊技状態)であることを示す文字(本例では「チャンスタイム」の文字)を併せて表示する状態報知用の背景となっている。
一方、前述のS4804にて高確率フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S4804でNO)、S4805およびS4806の処理を行うことなく、S4807およびS4808の処理を行う。この場合、大当り遊技後の遊技状態は低確高ベース状態であるため、これに応じた演出モードEに移行する(切り替わる)こととなり、以後、低確高ベース状態が終了するまでの残り80回の特別図柄の変動表示が行われるか、その間に大当りが発生するまで、演出モードDの設定が維持される。尚、大当りが発生することなく低確高ベース状態が終了して低確低ベース状態になると、これに伴って演出モードが「D」から「A」(または「B」)に移行する(切り替わる)。
また、前述のS4805にて演出モードを「C」から「D」に移行させない(切り替えない)と判定した場合(S4805でNO)、すなわち、前述した2つの移行条件(1)、(2)のうち少なくとも1つを満たさなかった場合、演出モードを「C」から「E」に移行させる(切り替える)ための処理(S4812,S4813)を行う。具体的に、S4812では、モードステータスを「5」にセットする(S4812)。前述したように、本実施例では、モードステータス「5」が演出モードEに対応するものとなっている。したがって、S4812にてモードステータスを「5」にセットすることで、今回の変動演出の実行(開始)に際し、演出モードが「E」となる。演出モードEは高確高ベース状態に対応するものであるため、今回の演出モードC(第1演出モード)から演出モードE(第3演出モード)への移行(切り替わり)により、演出モードが本来の遊技状態に即したものとなる。こうしてモードステータスを「5」にセットしたら、演出モードEを指定する演出モードE指定コマンドをサブ出力バッファに設定して(S4813)、本処理を終える。
S4813でセットした演出モードE指定コマンドは、S4507にてサブ出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドとともに、コマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信される。これを受けて、画像制御用マイコン101は、変動演出用の画像データと演出モードE用の画像データ(本例では背景画像データ)を画像制御基板100のROMから読み出し、画像表示装置7の表示画面7a上で、読み出した画像データに基づいて変動演出等を実行するとともに、当該変動演出の実行(開始)に伴って演出モードEに対応する背景を表示する。演出モードEに対応する表示画面7aの背景は、前述したように、高確高ベース状態に対応する赤背景である(図53(c)を参照)。
以上は、大当り遊技が終了してからの演出モードCを、所定期間の経過(本例では20回の特別図柄の変動表示の実行)に基づいて演出モードD又はEに移行させる(切り替える)場合の処理であるが、これに対し、前述のS4802にて、現在のモードステータスが「3」でないと判定した場合(S4802でNO)、すなわち、現在の演出モードが「C」でない場合には、S4809の処理に進む。
S4809では、現在のモードステータスが「4」であるか否か、すなわち、現在の演出モードが「D」であるか否かを判定する(S4809)。前述したように、演出モードが「D」(モードステータス「4」)になるのは、大当り遊技後の演出モードC(モードステータス「3」)にて20回の特別図柄の変動表示が行われた場合であって(S4803でYES)、遊技状態が低確高ベース状態であるか(S4804でNO→S4807)、遊技状態が高確高ベースであって移行条件を満たした場合である(S4804でYES→S4805でYES→S4806→S4807)。
S4809にて、モードステータスが「4」でないと判定した場合(S4809でNO)、S4810以降の処理を行うことなく本処理を終え、モードステータスが「4」である(演出モードが「D」である)と判定した場合(S4809でYES)、高確率フラグがONであるか否かを判定する(S4810)。S4810にて、高確率フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S4810でNO)、現在の演出モードDは、大当り遊技後の遊技状態が低確高ベース状態であることに起因して演出モードCを経て設定されたこととなり、これ以降、低確高ベース状態が終了するまで演出モードの移行(切り替え)を行うことはないので、S4811以降の処理を行うことなく、本処理を終える。
一方、S4810にて、高確率フラグがONであると判定した場合(S4810でYES)、第2モードカウンタの値がゼロであるか否かを判定し(S4811)、ゼロでなければ(S4811でNO)、S4812以降の処理を行うことなく本処理を終える。この場合、遊技状態は高確高ベース状態であるにもかかわらず、演出モードは未だ「D」のままとなる。これに対して、第2モードカウンタの値がゼロである場合(S4811でYES)、すなわち、高確高ベース状態であるにもかかわらず演出モードが「C」から「D」に移行した(切り替わった)後、演出モードDにおいて、前述のS4807でセットした値Mに相当する回数の特別図柄の変動表示が行われた場合、以降の演出モードを、本来の遊技状態に即した演出モード(本例では演出モードE)とすべく、S4812およびS4813の処理を行って、本処理を終える。S4812およびS4813の処理は前述の通りであり、演出モードが「D」から「E」に移行する(切り替わる)ことで、表示画面7aの表示内容(背景)は青背景から赤背景に切り替わる(図53(b)、(c)を参照)。
[保留予告演出]
次に、前述の保留予告設定処理(S4400)によって実現される本実施例の保留予告演出について説明する。まず、第1特別保留に対応する第1演出保留9a(第1保留図柄)に関し、保留予告演出が行われていない通常(デフォルト)の第1演出保留9aは、図50(a)に示すように、表示色が「白色」の円形図柄となっている。第1演出保留9aは、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて特図1保留球数が増加することにより、画像表示装置7の表示画面7aにおける第1演出保留表示領域9cに追加表示される。一方、第1特別図柄の変動表示の開始(第1特図保留の消化)に伴い、第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aのうち、記憶順が最も古い第1特図保留に対応する第1演出保留9a(本例では第1演出保留表示領域9cの左端に表示される第1演出保留9a)が変動保留表示領域9eに移動表示されるとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている他の第1演出保留9aがぞれぞれ左側に1つ移動表示(シフト表示)される(図50(a)を参照)。変動保留表示領域9eに表示される演出保留は、新たに変動表示を開始した当該変動表示中の特別図柄(「当該変動」ともいう)に対応するものであり、当該変動に係る変動表示が終了する前の所定時期に表示画面7a上(変動保留表示領域9e)から消去される。この消去については、例えば、前述した変動保留表示領域9eでの演出保留の表示終了条件の成立に基づいて行うことが可能である。
これに対し、第1演出保留9aを用いた保留予告演出(特図1保留予告演出)が行われる場合には、第1演出保留9aの表示色が、通常色(本例では白色)とは異なる所定の予告色(予告表示態様)に変化する。予告表示態様で表示される第1演出保留9aの表示色によって、これに対応する第1特図保留(予告対象保留)に基づく変動表示の表示結果が大当り(特定表示結果)となる可能性を示唆するものとなっている。本実施例の特図1保留予告演出では、第1演出保留9aの表示色が、通常の「白色」から、「青色」、「緑色」、「赤色」および「金色」の4色の何れかに変化して表示されるものとなっている。そして、4色の予告色(予告表示態様)のうち「金色」を大当り信頼度が最も高いものとしており、以下、「赤色」、「緑色」、「青色」の順で大当り信頼度が低くなるようにしている。本実施例では、このような演出保留の表示色変化による大当り信頼度の予告(保留変化予告)を保留予告演出として実行するものとなっており、この点は、第2演出保留9bを用いた保留予告演出(特図2保留予告演出)も共通している。
特図1保留予告演出パターンのうち「パターンA1~A4」(特図1保留予告種A)および「パターンB1~B4」(特図1保留予告種B)は、何れも、新たな第1始動入球(予告対象保留)の発生に基づいて、これに対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに表示(追加表示)する場合、その表示態様を、通常(本例では「白色」)と異なる「青色」、「緑色」、「赤色」および「金色」の何れかに変化させて表示するとともに、当該予告対象保留が消化されるまで、その表示態様を維持するパターンである。つまり、特図1保留予告種A,Bは、何れも「始動入球時保留変化予告」である。本実施例では、図48(a)及び(b)に示すように、第1演出保留9aを「青色」で表示するパターンを「パターンA1,B1」としており、第1演出保留9aを「緑色」で表示するパターンを「パターンA2,B2」としており、第1演出保留9aを「赤色」で表示するパターンを「パターンA3,B3」としており、第1演出保留9aを「金色」で表示するパターンを「パターンA4,B4」としている。
特図1保留予告種A(パターンA1~A4)と特図1保留予告種B(パターンB1~B4)とでは、各予告種を構成する個々の保留予告演出パターンに基づく保留予告演出(保留変化)の内容(実行態様、表示態様)が同様となっている。具体的に、例えば、第1始動入球が発生して特図1保留球数が「1」となり、これに伴って特図1保留予告演出がパターンA1(特図1保留予告種A)で実行される場合、図50(b)に示すように、第1演出保留表示領域9cの特図1保留球数「1」に対応する位置(ここでは左端)に、第1演出保留9aが「青色」で表示される。このような始動入球に伴う予告色(ここでは「青色」)による演出保留の表示は、保留予告演出の発生(開始)を意味する(以下同様)。 その後、当該第1演出保留9aに対応する第1特別図柄の変動表示の開始(予告対象保留の消化)に伴い、「青色」の第1演出保留9aがそのまま第1演出保留表示領域9cから変動保留表示領域9eに移動して表示される(図50(b)の下欄を参照)。また、例えば、第1始動入球が発生して特図1保留球数が「3」となり、これに伴って特図1保留予告演出がパターンB1(特図1保留予告種B)で実行される場合、図50(c)に示すように、第1演出保留表示領域9cの特図1保留球数「3」に対応する位置(ここでは左端から3番目の位置)に、第1演出保留9aが「青色」で表示される。その後、当該「青色」の第1演出保留9aより前に発生した2つの第1特図保留が消化される間も、「青色」の第1演出保留9aの表示態様は変化することなくその表示位置が移動(シフト)するだけである。そして、予告対象保留の消化に伴い、当該予告対象保留に対応する「青色」の第1演出保留9aがそのまま第1演出保留表示領域9cから変動保留表示領域9eに移動して表示される(図50(c)の下欄を参照)。
また、特図1保留予告演出パターンのうち「パターンC1~C7」(特図1保留予告種C)は、第1始動入球に基づき新たに発生した(取得された)予告対象保留に係る第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに表示(追加表示)する場合、その表示態様を、通常の「白色」か、あるいは、予告表示態様の「青色」、「緑色」および「赤色」の何れかに変化させて表示するとともに、当該予告対象保留の消化前までに、その表示態様を、当初よりも大当り信頼度の高い旨を示唆する色(「青色」、「緑色」、「赤色」および「金色」の何れか)に変化させるパターンである。つまり、特図1保留予告種Cは「始動入球時及び/又は消化時保留変化予告」である。本実施例では、図48(c)に示すように、第1演出保留9aを当初「白色」で表示した後に「青色」に変化させるパターンを「パターンC1」としており、第1演出保留9aを当初「白色」で表示した後に「緑色」に変化させるパターンを「パターンC2」としており、第1演出保留9aを当初「白色」で表示した後に「赤色」に変化させるパターンを「パターンC3」としており、第1演出保留9aを当初「青色」で表示した後に「緑色」に変化させるパターンを「パターンC4」としており、第1演出保留9aを当初「青色」で表示した後に「赤色」に変化させるパターンを「パターンC5」としており、第1演出保留9aを当初「緑色」で表示した後に「赤色」に変化させるパターンを「パターンC6」としており、第1演出保留9aを当初「赤色」で表示した後に「金色」に変化させるパターンを「パターンC7」としている。
具体的に、例えば、第1始動入球が発生して特図1保留球数が「3」となり、これに伴って特図1保留予告演出がパターンC5(特図1保留予告種C)で実行される場合、図50(d)に示すように、第1演出保留表示領域9cの特図1保留球数「3」に対応する位置に、第1演出保留9aが「青色」で表示される。その後、当該「青色」の第1演出保留9aより前に発生した2つの第1特図保留が消化されるまでに、第1演出保留9aの表示色が「青色」から「赤色」に変化する。すなわち、第1演出保留表示領域9c内で第1演出保留9aの表示色が「青色」から「赤色」に変化する(図50(d)の中欄を参照)。そして、予告対象保留の消化に伴い、当該予告対象保留に対応する「赤色」の第1演出保留9aがそのまま第1演出保留表示領域9cから変動保留表示領域9eに移動して表示される(図50(d)の下欄を参照)。尚、演出保留表示領域内で演出保留の表示色が変化する場合の変化時期(タイミング)は、保留予告演出パターンに予め定めておいたり、演出制御用マイコン91や画像制御用マイコン101の制御下でその都度決定したりすることが可能である(以下同様)。
特図1保留予告演出の実行に際しては、図48(a)~(c)に示す特図1保留予告テーブルA~Cの何れかに基づいて、上述した特図1保留予告演出パターンのうちの何れか一つが選択されるのであるが、各テーブルにおいて、第1演出保留9aの表示色が「金色」となるパターンは、予告対象保留に係る事前判定結果(保留先読み結果)が大当りである場合に限り選択され得るものとなっている。つまり、第1演出保留9aの表示色が「金色」となるパターンA4,B4,C7は大当り確定パターンとなっている。また、各テーブルにおいて、「金色」以外の特図1保留予告演出パターンについては、予告対象保留に係る事前判定結果が大当りである場合には、第1演出保留9aの表示色が「赤色」となるパターンの選択可能性(選択率)が他のパターンに比して高くなるようになっており、以下、「緑色」となるパターン、「青色」となるパターンの順に選択可能性が低くなっている。
これに対し、予告対象保留に係る事前判定結果が外れである場合には、第1演出保留9aの表示色が「青色」となるパターンの選択可能性(選択率)が他のパターンに比して高くなるようになっており、以下、「緑色」となるパターン、「赤色」となるパターンの順に選択可能性が低くなっている。また、予告対象保留に係る事前判定結果が「リーチ無しの外れ」である場合には、第1演出保留9aの表示色が「青色」となるパターン及び「緑色」となるパターンの何れかが選択され得るものとなっており、それ以外のパターンは選択されないものとなっている。これにより、4色の予告色(予告表示態様)のうち「金色」は大当り信頼度「100%」(大当り確定)となり、「金色」以外の大当り信頼度は「赤色」が最も高く、以下、「緑色」、「青色」の順で大当り信頼度が低くなるように設定される。
次に、第2特別保留に対応する第2演出保留9b(第2保留図柄)に関し、保留予告演出が行われていない通常(デフォルト)の第2演出保留9bは、図51(a)に示すように、表示色が「白色」の三角形図柄となっている。この他、特図2保留球数の増減に伴う通常の第2演出保留9bの表示態様(追加表示、移動表示、消去等)は、前述した第1演出保留9aの場合(図50(a)を参照)と同様であるので、説明を省略する。
また、第2演出保留9bを用いた保留予告演出(特図2保留予告演出)に関し、特図2保留予告種A~Dのうち、特図2保留予告種A~Cについては、保留予告演出パターンの種類(予告色の種類、数)、保留予告演出パターンに基づく保留予告演出の実行態様(表示色の変化態様)および保留予告演出パターンを選択するためのテーブル構造(各保留予告演出パターンの選択可能性)が、前述した特図1保留予告演出種A~Cと同様であるので(図48(a)~(c)、図49(a)~(c)を参照)、これらの同様な部分についての説明は省略する。
一方、特図2保留予告演出に関し、特図1保留予告演出と異なる部分について説明すると、まず、特図2保留予告演出パターンに基づく保留予告演出の表示態様(特定記憶表示の表示態様)が、特図1保留予告演出パターンに基づく保留予告演出の表示態様(特定記憶表示の表示態様)と異なるものとなっている。すなわち、本実施例の特図2保留予告演出では、第2演出保留9bの表示色を保留予告演出パターンに基づく予告色とするだけでなく、図51(b)~(d)に示すように、第2演出保留9bに対して所定画像を付加して表示するものとしている。本実施例では、その所定画像を、第2演出保留9bから煙(スモーク)が発生している様子を表現した煙画像Sとしている。この煙画像Sは、特図2保留予告演出の実行に際して、第2演出保留9bの表示色として設定される予告色と同色で表示されるものである(図51(b)~(d)を参照)。このため、特図2保留予告演出では、特図1保留予告演出に比べ、表示色変化を伴う演出保留(特定演出保留)がより目立つ態様で表示されるものとなっている。
このように、特図2保留予告演出の表示態様(特定記憶表示の表示態様)を、特図1保留予告演出の表示態様(特定記憶表示の表示態様)に比べ目立たせる態様(強調表示態様)としているのは、特図2保留予告演出が実行される場合の遊技状態が高ベース状態であり、高ベース状態では第2特別図柄の変動表示の実行頻度が低ベース状態よりも高くなり、その結果、第2特図保留の消化スピードが、低ベース状態での第1特図保留の消化スピードよりも速くなるからである。つまり、特図2保留予告演出において、予告対象保留が消化されるまでの当該保留に対応する第2演出保留9bの表示期間は、特図1保留予告演出でのそれに比べて短いからである。
また、特図2保留予告演出パターンには、特図1保留予告演出パターンに存在しない特図2保留予告種Dの保留予告演出パターン(パターンD1~D5)が含まれている(図49(d)を参照)。「パターンD1~D5」(特図2保留予告種D)は、第2始動入球に基づき新たに発生した(取得された)予告対象保留に係る第2演出保留9bを第2演出保留表示領域9dに表示(追加表示)する場合、その表示態様を、通常の三角形から「星形」に変化させて表示するとともに、予告対象保留が消化されるまで「星形」の表示態様を維持し、予告対象保留の消化に際して第2演出保留9bが第2演出保留表示領域9dから変動保留表示領域9eに移動したタイミングで、星形の第2演出保留9bに対して稲妻が放たれる演出表示(稲妻画像Gの表示)を行い、それに伴って第2演出保留9bの表示態様を「星形」のままとするか、「青色」、「緑色」、「赤色」および「金色」の何れか)に変化させるパターンである(図51(e)を参照)。つまり、特図2保留予告種Dは「始動入球時保留変化予告」と「当該変動保留変化予告」との組合せによる保留予告演出である。尚、この場合、始動入球に伴う「星形」の演出保留の表示は、保留予告演出の発生(開始)を意味する。
本実施例では、図49(d)に示すように、第2演出保留9bを第2演出保留表示領域9dと変動保留表示領域9eの双方で「星形」として表示するパターンを「パターンD1」としており、第2演出保留9bを第2演出保留表示領域9dで「星形」として表示するとともに変動保留表示領域9eで「青色」として表示するパターンを「パターンD2」としており、第2演出保留9bを第2演出保留表示領域9dで「星形」として表示するとともに変動保留表示領域9eで「緑色」として表示するパターンを「パターンD3」としており、第2演出保留9bを第2演出保留表示領域9dで「星形」として表示するとともに変動保留表示領域9eで「赤色」として表示するパターンを「パターンD4」としており、第2演出保留9bを第2演出保留表示領域9dで「星形」として表示するとともに変動保留表示領域9eで「金色」として表示するパターンを「パターンD5」としている。
具体的に、例えば、第2始動入球が発生して特図2保留球数が「3」となり、これに伴って特図2保留予告演出がパターンD4(特図2保留予告種D)で実行される場合、図51(e)に示すように、第2演出保留表示領域9dの特図2保留球数「3」に対応する位置に、第2演出保留9bが「星形」で表示される。その後、当該「星形」の第2演出保留9bより前に発生した2つの第2特図保留が消化されるまで、第2演出保留9bが「星形」に維持される。すなわち、少なくとも第2演出保留表示領域9d内では第2演出保留9aの表示態様が「星形」に維持される(図51(e)の上から2番目を参照)。そして、予告対象保留の消化に伴い、当該予告対象保留に対応する「星形」の第2演出保留9bがそのまま第2演出保留表示領域9dから変動保留表示領域9eに移動すると、変動保留表示領域9eに表示された「星形」の第2演出保留9bに対して稲妻が放たれる演出表示(稲妻画像Gの表示)が行われ(図51(e)の上から3番目を参照)、その稲妻により星形が破壊されて、変動保留表示領域9e上に第2演出保留9bが三角形の「赤色」で表示される(図51(e)の上から4番目を参照)。尚、パターンD1では、変動保留表示領域9eに表示された「星形」の第2演出保留9bに対して稲妻が放たれる演出表示(稲妻画像Gの表示)が行われるものの、その稲妻により星形が破壊されずに維持されるものとなっている。
特図2保留予告演出の実行に際しては、図49(a)~(d)に示す特図2保留予告テーブルA~Dの何れかに基づいて、複数ある特図2保留予告演出パターンのうちの何れか一つが選択されるのであるが、そのうち、特図2保留予告テーブルDにおいて、第2演出保留9bの表示色が最終的に「金色」となるパターンは、予告対象保留に係る事前判定結果が大当りである場合に限り選択され得るものとなっている。つまり、第2演出保留9bの表示色が「金色」となるパターンD5は大当り確定パターンとなっている。また、特図2保留予告テーブルDにおいて、「金色」以外のパターンD1~D4については、予告対象保留に係る事前判定結果が大当りである場合には、第2演出保留9bの表示色が「赤色」となるパターンD4の選択可能性(選択率)が他のパターンに比して高くなるようになっており、以下、「緑色」となるパターンD3、「青色」となるパターンD2の順に選択可能性が低くなっており、さらに、第2演出保留9bが最後まで星形に維持されるパターンD1は選択されないものとなっている。
これに対し、特図2保留予告テーブルDにおいて、予告対象保留に係る事前判定結果が「リーチ有り外れ」である場合には、それぞれ、第1演出保留9aの表示色が「青色」となるパターンD2の選択可能性(選択率)が他のパターンに比して高くなるようになっており、以下、「緑色」となるパターンD3、「赤色」となるパターンD4の順に選択可能性が低くなっている。また、予告対象保留に係る事前判定結果が「リーチ無しの外れ」である場合には、第2演出保留9bが最後まで星形に維持されるパターンD1が選択され、それ以外のパターンは選択されないものとなっている。このパターンD1は、予告対象保留に係る事前判定結果が「リーチ無しの外れ」である場合にのみ選択されるものである。つまり、パターンD1は、いわゆる「ガセ」の保留予告演出である。
以上が本実施例に係る保留予告演出の一態様であるが、本実施例では、保留予告演出の実行中、その実行契機となった予告対象保留より前に消化される特図保留で大当りとなった場合、すなわち、演出保留を予告表示態様で表示している状態で大当りが発生した場合、当該大当りの発生を契機として保留予告演出を終了して、大当り遊技中はすべての演出保留を非表示とするように構成している。そして、大当り発生まで予告表示態様で表示していた演出保留については、大当り遊技の終了後、通常の表示態様で表示するものとしている。また、本実施例では、大当りの発生に伴い、少なくとも、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域の記憶内容(保留先読み情報)をすべて初期化するものとしている。このように大当りの発生を契機として演出保留情報記憶領域の初期化を行うのは、本パチンコ遊技機1が、特図2保留の消化を特図1保留の消化に優先して行う特図2保留優先消化(特図2優先変動)を採用していることから、遊技の公平性を担保するためである。尚、演出保留情報記憶領域の初期化は、本実施例のように、特図1保留に対応する特図1演出保留情報と特図2保留に対応する特図2演出保留情報のすべてを対象としたり、あるいは、優先消化されない特図保留に対応する演出保留情報(本実施例では特図1演出保留情報)だけを対象としたりすることが可能である。
ここで、通常の表示態様(本例では円形白色および三角形白色)で表示される演出保留(第1演出保留9a、第2演出保留9b)のことを「通常記憶表示」ともいい、予告表示態様(本例では青・緑・赤・金の4色、星形、煙画像S等)で表示される演出保留(第1演出保留9a、第2演出保留9b)のことを「特定記憶表示」ともいう。また、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)に表示される演出保留の表示態様が予告表示態様に変化する保留予告演出(例えば、図50(b)~(d)、図51(b)~(e)を参照)のことを「第1予告演出」ともいい、変動保留表示領域9eで演出保留の表示態様が変化する保留予告演出(例えば、図51(e)を参照)のことを「第2予告演出」ともいう。さらに、第2予告演出に関する態様として、第2予告演出が実行されない特図1保留予告種(低ベース状態での保留予告演出の態様)のことを「第1態様」ともいい、第2予告演出が実行され得る特図2保留予告種(高ベース状態での保留予告演出の態様)のことを「第2態様」ともいう。また、変動保留表示領域9eに表示される演出保留のことを「対応表示」ともいい、変動保留表示領域9eのことを「対応表示手段」ともいう。
[リーチ演出]
次に、本実施例のリーチ演出について説明する。本実施例では、前述のS4502にて変動開始コマンドを解析した結果、当該変動開始コマンドに含まれる変動パターン指定コマンドが、変動時間30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定するものである場合に、当該特別図柄の変動表示にてリーチ演出が実行されるものとなっている。このことに対応して、変動時間30000ms以上の変動パターンを指定する情報(コマンド)を含む変動開始コマンドを受信した場合、演出制御用マイコン91は、前述のS4504において、リーチ変動演出の演出パターン(リーチ演出パターン)を決定するためのテーブルをセットし、これに続く前述のS4505において、そのセットしたテーブルを参照してリーチ演出パターンを決定し、これを設定する。こうして設定されたリーチ演出パターン(変動演出パターン)を含む変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、そのリーチ演出パターンに基づくリーチ変動演出が画像表示装置7の表示画面7a上で実行される。
本実施例では、リーチ変動演出に係る変動演出パターン決定テーブルとして、図54(a)に示す低ベース状態用(時短状態用)のリーチ演出パターン決定テーブルA(以下「リーチテーブルA」ともいう)と、図54(b)に示す高ベース状態用(時短状態用)のリーチ演出パターン決定テーブルB(以下「リーチテーブルB」ともいう)とが設けられている。これらテーブルのうち、受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターン指定コマンドが、低ベース状態(非時短状態)における変動時間30000ms以上の変動パターン(P1~P6,P8~P10の何れか)である場合には、図54(a)に示す「リーチテーブルA」がセットされ、高ベース状態(時短状態)における変動時間30000ms以上の変動パターン(P12~P17、P19~P21の何れか)である場合には、図54(a)に示す「リーチテーブルB」がセットされる。
そして、演出制御用マイコン91は、低確低ベース状態にてリーチ変動演出を実行する場合には、リーチテーブルAを用いてリーチ演出パターンを決定し(S4505)、低確高ベース状態にてリーチ変動演出を実行する場合と、高確高ベース状態にてリーチ変動演出を実行する場合には、リーチテーブルBを用いてリーチ演出パターンを決定する(S4505)。換言すると、演出図柄8の変動表示が行われる際の演出モードが「演出モードA」または「演出モードB」であるときにリーチ変動演出を実行する場合には、リーチテーブルAを用いてリーチ演出パターンを決定し(S4505)、「演出モードC」、「演出モードD」または「演出モードE」であるときにリーチ変動演出を実行する場合には、リーチテーブルBを用いてリーチ演出パターンを決定する(S4505)。
本実施例では、前述したように、3種類のノーマルリーチ演出(リーチA~C)と、3種類のスーパーリーチ演出(SPリーチA~C)との計6種類のリーチ演出を備えるものとなっている。このことに対応して、図54(a),(b)に示す各テーブルは、前述のS4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される今回の特別図柄の変動表示に係る変動パターンと、前述のS4501で取得される変動演出決定用乱数とに基づいて、リーチ演出パターンを、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「SPリーチA」、「SPリーチB」および「SPリーチC」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。本実施例の変動演出決定用乱数は「0~99」の範囲で値をとるものである。
具体的には、低ベース状態用のリーチテーブルAは、特別図柄の変動パターン「P1」、「P2」、「P3」、「P4,P8」、「P5,P9」および「P6,P10」(図9を参照)の各々について、変動演出決定用乱数値(0~99)を、前述した6種類のリーチ演出のうちの何れかに割り当てたものとなっている。また、高ベース状態用のリーチテーブルBは、特別図柄の変動パターン「P12」、「P13」、「P14」、「P15,P19」、「P16,P20」および「P17,P21」(図9を参照)の各々について、変動演出決定用乱数値(0~99)を、前述した6種類のリーチ演出のうちの何れかに割り当てたものとなっている。尚、図54(a),(b)に示すテーブルのうち、「-」は乱数値を割り当てていないことを示しており、この部分は選択対象とならない(選択されない)。
ここで、本実施例に係る6種類のリーチ演出の内容について説明する。リーチA~CおよびSPリーチA~Cの各リーチ演出の演出内容(演出態様)には、ぞれぞれ、特別図柄当否判定の結果が大当り(つまり、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターン)である場合に対応するものと、外れ(つまり、特別図柄の変動パターンが外れ変動パターン)である場合に対応するものとが含まれている。また、低ベース状態における「リーチA」と高ベース状態における「リーチA」や、低ベース状態における「SPリーチC」と高ベース状態における「SPリーチC」といったように、低ベース状態と高ベース状態とで同種のリーチ演出について、遊技状態にかかわらず、それぞれの演出の基本的な流れ(骨格部分)は同様となっており、SPリーチで登場するキャラクタや発展演出のストーリー等も同様となっている。すなわち、本実施例では、リーチ演出の実行に際して使用する演出用画像データを、低ベース状態と高ベース状態とで共通(同様)としている。但し、リーチ演出の基本を同様として、背景の一部やリーチ中に登場するキャラクタの一部等の細部を、遊技状態によって異ならせることも可能である。この場合、同種のリーチ演出であっても、リーチ演出の実行に際して使用する演出用画像データは、遊技状態によって異なるものとすることができる。
リーチA~Cは、何れも変動時間が30000msの変動パターン(大当り:「P3」「P14」、外れ:「P6」「P10」「P17」「P21」)に対応するノーマルリーチ演出である。具体的に、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動開始してスクロール表示(縦スクロール)を行うなか、所定のタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ図柄で停止(仮停止)すると、リーチが成立する。当該リーチ成立までは、リーチA~Cの各リーチ演出で同様の変動態様となっている。尚、後述するSPリーチA~Cの各リーチ演出についても、リーチ成立までは同様の変動態様となっている。
そして、図55(a)に示すように、リーチAでは、リーチ成立後、中演出図柄8C(最終停止図柄)が縦スクロールを変動終了まで継続して行い(a1を参照)、該スクロール表示の終了により中演出図柄8C(最終停止図柄)が停止した後、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する。また、リーチBでは、リーチ成立後、中演出図柄8C(最終停止図柄)の変動表示の態様が縦スクロール態様から縦回転の切替態様に変化して、中演出図柄8Cが縦回転の切替表示を行う。その後、縦回転の切替表示の終了により中演出図柄8C(最終停止図柄)が停止した後、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する。さらに、リーチCでは、リーチ成立後、中演出図柄8C(最終停止図柄)の変動表示の態様が縦スクロール態様から横回転の切替態様に変化して、中演出図柄8Cが横回転の切替表示を行う。その後、横回転の切替表示の終了により中演出図柄8C(最終停止図柄)が停止した後、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する。
次に、SPリーチAおよびSPリーチBは、変動時間が45000ms以上の変動パターンに対応するスーパーリーチ演出であり、変動時間45000ms(大当り:「P2」「P13」、外れ:「P5」「P9」「P16」「P20」)に対応するものと、変動時間75000ms(大当り:「P1」「P12」、外れ:「P4」「P8」「P15」「P19」)に対応するものとが存在する。SPリーチAは、変動時間45000msに対応するものと、変動時間75000msに対応するものとで、SPリーチ演出中に登場するキャラクタや当該演出のストーリー(展開)等は基本的に同様となっている。すなわち、図55(b)に示すように、左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ図柄で停止(仮停止)してリーチ成立となった後(b1)、当該リーチ状態にある3つの演出図柄8L,8C,8Rが表示画面7aの右上に移動して縮小表示されるとともに、表示画面7aでSPリーチA用の演出動画の表示が開始される(b2)。そして、変動時間45000msに対応するSPリーチAでは、変動開始から45000msが経過するタイミングに合わせて、中演出図柄8C(最終停止図柄)が停止した後、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する。このとき、SPリーチA用の演出動画による演出表示が、大当りまたは外れに応じた態様で完結する。
一方、変動時間75000msに対応するSPリーチAでは、変動開始から45000msが経過するタイミングで中演出図柄8C(最終停止図柄)が一旦外れ態様を構成する図柄で停止(仮停止)した後、中演出図柄8Cの変動表示を再開し、SPリーチA用の発展演出(演出動画の表示)を更に行う。つまり、一旦外れと見せかけて発展演出に進む。その後、変動開始から75000msが経過するタイミングに合わせて、中演出図柄8C(最終停止図柄)が停止した後、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する。このとき、SPリーチA用の発展演出による演出表示が、大当りまたは外れに応じた態様で完結する。尚、中演出図柄8Cの一旦停止後の変動表示の再開については、中演出図柄8Cだけでなく、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rも変動表示を再開するようにしてもよい。すなわち、3つの演出図柄8L,8C,8Rのすべてについて変動表示を再開するようにしてもよい。
また、SPリーチBについても、変動時間45000msに対応するものと、変動時間75000msに対応するものとで、SPリーチ演出中に登場するキャラクタや当該演出のストーリー(展開)等は基本的に同様となっている。すなわち、図55(b)に示すように、左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ図柄で停止(仮停止)してリーチ成立となった後(b1)、当該リーチ状態にある3つの演出図柄8L,8C,8Rが表示画面7aの右上に移動して縮小表示されるとともに、表示画面7aでSPリーチB用の演出動画の表示が開始される(b3)。そして、変動時間45000msに対応するSPリーチBでは、変動開始から45000msが経過するタイミングに合わせて、中演出図柄8C(最終停止図柄)が停止した後、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する。このとき、SPリーチB用の演出動画による演出表示が、大当りまたは外れに応じた態様で完結する。
一方、変動時間75000msに対応するSPリーチBでは、変動開始から45000msが経過するタイミングで中演出図柄8C(最終停止図柄)が一旦外れ態様を構成する図柄で停止した後、中演出図柄8Cの変動表示を再開し、SPリーチB用の発展演出(演出動画の表示)を更に行う。つまり、一旦外れと見せかけて発展演出に進む。その後、変動開始から75000msが経過するタイミングに合わせて、中演出図柄8C(最終停止図柄)が停止した後、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する。このとき、SPリーチB用の発展演出による演出表示が、大当りまたは外れに応じた態様で完結する。尚、SPリーチBにおける中演出図柄8Cの一旦停止後の変動表示の再開についても、前述のSPリーチAの場合と同様に、3つの演出図柄8L,8C,8Rのすべてについて変動表示を再開するようにしてもよい
最後に、SPリーチCは、変動時間が75000msの変動パターン(大当り:「P1」「P12」、外れ:「P4」「P8」「P15」「P19」)に対応するスーパーリーチ演出である。具体的に、図55(b)に示すように、左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ図柄で停止(仮停止)してリーチ成立となった後(b1)、当該リーチ状態にある3つの演出図柄8L,8C,8Rが表示画面7aの右上に移動して縮小表示されるとともに、表示画面7aでSPリーチC用の演出動画の表示が開始される(b4)。そして、変動開始から75000msが経過するタイミングに合わせて、中演出図柄8C(最終停止図柄)が停止した後、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する。このとき、SPリーチC用の演出動画による演出表示が、大当りまたは外れに応じた態様で完結する。
以上のようなリーチA~CおよびSPリーチA~Dのうちの何れかを、図54(a)または(b)に示すリーチ演出パターン決定テーブル(リーチテーブルAまたはB)を用いて選択することが可能となっている。リーチ演出パターン決定テーブルでは、特別図柄の変動時間の長短や当否判定結果(つまり、特別図柄の変動パターン)を考慮して、変動演出決定用乱数値(0~99)を夫々のリーチ演出に割り当てており、これにより、リーチ演出パターンの選択率(出現率、実行確率)や大当り信頼度等が定まっている。
ここで、低ベース状態用のリーチテーブルAと、高ベース状態用のリーチテーブルBとでは、変動時間75000msの変動パターン以外の変動パターン(変動時間45000ms、30000ms)に対して選択可能とされるリーチ演出パターンについて、変動演出決定用乱数の振分が同様となっている。すなわち、図54(a),(b)に示すように、リーチテーブルAおよびリーチテーブルBのうち、特別図柄の変動パターンが「P3(大当り)」、「P6,P10(外れ)」、「P14(大当り)」および「P17,P21(外れ)」の何れかである場合に選択可能とされるリーチ演出パターン(リーチA~C)の選択率は、大当りの場合、リーチA「25%」、リーチB「35%」、リーチC「40%」となっており、外れの場合、リーチA「40%」、リーチB「35%」、リーチC「25%」となっている。つまり、遊技状態が低ベース状態(演出モードAまたはB)である場合と高ベース状態(演出モードC,D,Eの何れか)である場合とで、変動時間30000msの変動パターンに基づく変動演出が実行される場合のリーチA~Cの各リーチ演出パターンの選択率(出現率)は同様となっており、その選択率(出現率)の関係は、大当りの場合が「リーチA<リーチB<リーチC」、外れの場合が「リーチC<リーチB<リーチA」となっている。
また、特別図柄の変動パターンが「P2(大当り)」、「P5,P9(外れ)」、「P13(大当り)」、「P15,P19(外れ)」の何れかである場合に選択可能とされるリーチ演出パターン(SPリーチA,B)の選択率は、大当りの場合、SPリーチA「40%」、SPリーチB「60%」となっており、外れの場合、SPリーチA「60%」、SPリーチB「40%」となっている。つまり、遊技状態が低ベース状態(演出モードAまたはB)である場合と高ベース状態(演出モードC,D,Eの何れか)である場合とで、変動時間45000msの変動パターンに基づく変動演出が実行される場合のSPリーチA,Bの各リーチ演出パターンの選択率(出現率)は同様となっており、その選択率の関係は、大当りの場合が「SPリーチA<SPリーチB」、外れの場合が「SPリーチB<SPリーチA」となっている。
一方、リーチテーブルAとリーチテーブルBとでは、変動時間75000msの変動パターンに対して選択可能とされるリーチ演出パターンについて、変動演出決定用乱数の振分が異なるものとなっている。すなわち、図54(a)に示すように、リーチテーブルAのうち、特別図柄の変動パターンが「P1(大当り)」および「P4,P8(外れ)」の何れかである場合に選択可能とされるリーチ演出パターン(SPリーチA~C)の選択率は、大当りの場合、SPリーチA「15%」、SPリーチB「40%」、SPリーチC「45%」となっており、外れの場合、リーチA「50%」、SPリーチB「35%」、SPリーチC「15%」となっている。
これに対し、図54(b)に示すように、リーチテーブルBのうち、特別図柄の変動パターンが「P12(大当り)」および「P15,P19(外れ)」の何れかである場合に選択可能とされるリーチ演出パターン(SPリーチA~C)の選択率は、大当りの場合、SPリーチA「14%」、SPリーチB「39%」、SPリーチC「47%」となっており、外れの場合、リーチA「53%」、SPリーチB「37%」、SPリーチC「10%」となっている。
つまり、遊技状態が低ベース状態(演出モードAまたはB)である場合と高ベース状態(演出モードC,D,Eの何れか)である場合とで、変動時間75000msの変動パターンに基づく変動演出が実行される場合の「SPリーチA~C」の各リーチ演出パターンの選択率(出現率)は若干異なるものの、その選択率の関係は各遊技状態で同様であり、大当りの場合が「SPリーチA<SPリーチB<SPリーチC」、外れの場合が「SPリーチC<SPリーチB<SPリーチA」となっている。
このようなリーチ演出パターン決定テーブルにより、本パチンコ遊技機1では、ノーマルリーチ演出であるリーチA~Cについては、リーチAよりもリーチBの方が大当り信頼度(期待度)の高いリーチ演出となっており、リーチBよりもリーチCの方が大当り信頼度の高いリーチ演出となっている。また、スーパーリーチ演出であるSPリーチA~Cについては、SPリーチAよりもSPリーチBの方が大当り信頼度の高いリーチ演出となっており、SPリーチBよりもSPリーチCの方が大当り信頼度の高いリーチ演出となっている。こうした各リーチ演出に係る大当り信頼度の関係は、遊技状態(演出モード)に関係なく同様である。
また、本パチンコ遊技機1において、SPリーチ種の中で最も大当り信頼度が高いSPリーチCに関して、高ベース状態(演出モードC,D,E)における外れ変動(P15,P19)での選択率(出現率)は、低ベース状態(演出モードA,B)における外れ変動(P4,P8)での選択率(出現率)に比べて低くなっており、一方、高ベース状態(演出モードC,D,E)における大当り変動(P12)での選択率(出現率)は、低ベース状態(演出モードA,B)における外れ変動(P1)での選択率(出現率)に比べて高くなっている(図54(a),(b)を参照)。このため、SPリーチCに係るスーパーリーチ演出は、低ベース状態(演出モードA,B)にて実行される場合よりも、高ベース状態(演出モードC,D,E)にて実行される場合の方が、大当り信頼度が高くなる。つまり、SPリーチCに係るスーパーリーチ演出は、当該演出が実行されるときの遊技状態によって、演出内容は同様であるものの、大当り信頼度が異なる演出となる。ここで、低ベース状態(演出モードA,B)にて実行され得るSPリーチCに係るスーパーリーチ演出のことを「第1演出」ともいい、高ベース状態(演出モードC,D,E)にて実行され得るSPリーチCに係るスーパーリーチ演出のことを「第2演出」ともいう。
[変動時予告演出]
次に、本実施例の変動演出に伴って実行可能な予告演出(変動時予告演出)について説明する。前述したように、本実施例では、事前判定結果に基づく保留先読み予告や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る当該変動予告等の種々の予告演出を、変動時予告演出として実行することが可能となっている。以下では、本実施例で実行可能な変動時予告演出のうち、当該変動予告である「可動役物予告」と「コメント予告」について説明する。尚、「可動役物予告」および「コメント予告」は、演出モードCを除いた他の演出モード(演出モードA、B、DおよびE)で実行され得るものである。
本実施例では、演出図柄8(演出図柄8L,8C,8R)が変動表示を開始してから、全図柄の変動表示速度が高速で略一定となった後に減速して第1停止図柄(左演出図柄8L)または第2停止図柄(右演出図柄8R)が停止表示(仮停止)するまでの期間(以下「第1期間」ともいう)と、リーチ成立から所定のリーチ演出を経て3つ演出図柄8L,8C,8Rが一旦仮停止(仮停止表示)するまでの期間(以下「第2期間」ともいう)と、仮停止後に変動表示を再開してから確定停止(確定停止表示)するまでの期間(以下「第3期間」ともいう)と、の各タイミングで、当該変動表示に関する予告演出(当該変動予告)を実行することが可能となっている。この第1期間から第3期間のうち、第1期間にて実行する予告演出のことを「第1期間予告」や「変動序盤予告」ともいい、第2期間にて実行する予告演出のことを「第2期間予告」や「変動中盤予告」ともいい、第3期間にて実行する予告演出のことを「第3期間予告」や「変動終盤予告」ともいう。
可動役物予告は、前述の第1可動装飾部材13(第1可動役物)や第2可動装飾部材14(第2可動役物)を動作させるものである(図56(a)、図57(a),(b)を参照)。すなわち、可動役物予告は、第1可動演出や第2可動演出によって構成される予告演出である。本実施例の可動役物予告は、その実行態様(可動役物予告パターン)によって、前述の第1期間にて実行される場合(第1期間予告)と、前述の第2期間にて実行される場合(第2期間予告)と、前述の第3期間にて実行される場合(第3期間予告)とがある。遊技者は、可動役物予告によって動作する第1可動装飾部材13(第1可動役物)や第2可動装飾部材14(第2可動役物)を見て、当該変動に係る大当り信頼度や演出パターン等を推測(予想)することが可能となる。
可動役物予告の実行パターン(可動役物予告パターン)は、その予告の実行有無も含めて、前述のS4506(図43を参照)にて決定(設定)される。すなわち、演出制御用マイコン91は、図56(b)に示す可動役物予告パターン決定テーブルと、前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数の一種である可動予告決定用乱数とに基づいて、可動役物予告の実行パターンを、その実行有無も含めて決定(設定)する(S4506)。本実施例の可動予告決定用乱数は「0~99」の範囲で値をとるものである。S4506にて可動役物予告の実行パターンが設定されると、その実行パターン(予告演出パターン)に基づく可動役物予告が、当該可動役物予告の設定対象となった演出図柄8の変動表示中に実行される。可動役物予告の実行により、演出図柄8を変動表示している画像表示装置7の表示画面7aが、第1可動装飾部材13または第2可動装飾部材14により覆われた状態となる(図57(a),(b)を参照)。
図56(b)に示すように、本実施例の可動役物予告パターン決定テーブル(以下「可動役物予告テーブル」ともいう)は、前述のS4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される今回の特別図柄の変動表示に係る変動パターン(P1~P22の何れか)と、前述のS4501で取得される可動予告決定用乱数とに基づいて、可動役物予告パターンを、「可動役物予告A~C」の何れか、または、可動役物予告を実行しないこととなる「なし」に決定することが可能なデータ構造となっている。
具体的に、特別図柄の変動パターン「P1,P12(大当り)」、「P2,P13(大当り)」、「P3,P14(大当り)」、「P4,P8,P15,P19(外れ)」、「P5,P9,P16,P20(外れ)」、「P6,P10,P17,P21(外れ)」、「P7,P18(外れ)」、「P11,P22(外れ)」(図9を参照)の各々について、可動予告決定用乱数値(0~99)を、特別図柄当否判定の結果(大当り又は外れ)を考慮して、「なし」および「可動役物予告A~C」の夫々に割り当てたものとなっている。これにより、可動役物予告パターンの選択率(出現率、実行確率)や大当り信頼度等が定められる。
ここで、可動役物予告A~Cの3種類の可動役物予告パターンのうち、可動役物予告Aは、前述の第1期間(変動序盤)にて第1可動装飾部材13(第1可動役物)を動作させるもので、第1期間予告(変動序盤予告)として実行されるものである。また、可動役物予告Bは、前述の第1期間(変動序盤)にて第1可動装飾部材13(第1可動役物)を動作させて当該動作をリーチ成立前に(所定時間経過に基づき)終えた後、前述の第3期間(変動終盤)にて第2可動装飾部材14(第2可動役物)を動作させるもので、第1期間予告(変動序盤予告)と第3期間予告(変動終盤予告)との組合せによるものである。さらに、可動役物予告Cは、前述の第2期間(変動中盤)にて第2可動装飾部材14(第2可動役物)を動作させるもので、第2期間予告(変動中盤予告)として実行されるものである。
本実施例の可動役物予告テーブルでは、特別図柄の変動パターンが「P11,P22」(外れ)である場合、「0~99」の可動予告決定用乱数値は全て「なし」に割り当てられており、可動役物予告は選択(実行)されないものとなっている。これは、外れ変動パターンP11,P22が、短縮変動用の変動時間(短変動時間)に対応するものであり、可動役物予告の実行時間を十分に確保することが難しいからである。また、特別図柄の変動パターンが「P11,P22」以外の外れ変動パターンである場合、「0~99」の可動予告決定用乱数値は「なし」と「可動役物予告A」に割り当てられており、「可動役物予告B」と「可動役物予告C」には割り当てられていない。このため、外れ変動では「可動役物予告B」および「可動役物予告C」は選択(実行)されないものとなっている。さらに、「P11,P22」以外の外れ変動パターンの何れについては、「可動役物予告A」の選択率よりも「なし」の選択率の方が高くなるように設定してある。
これに対し、特別図柄の変動パターンが「P3,P14」(大当り)である場合、「0~99」の可動予告決定用乱数値は、「可動役物予告B」を除いた全てのパターン(「なし」を含む)に割り当てられており、可動役物予告Bは選択(実行)されないものとなっている。これは、大当り変動パターンP3,P14が、他の大当り変動パターンに比して変動時間が短く、一変動中に第1可動装飾部材13と第2可動装飾部材14を動作させるには変動時間(演出時間)が不足だからである。すなわち、変動時間が然程長くない一変動中に「第1可動演出による第1期間予告」と「第2可動演出による第3期間予告」を行うと、当該変動中の演出が煩雑となってしまい、却って演出効果が得られなくなる虞があるからである。また、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合には、外れ変動パターンである場合に比べ、「なし」の選択率が低くなるように設定してあり、さらに、外れの場合には選択(実行)されない「可動役物予告B」および「可動役物予告C」が選択可能となっており、何れも「可動役物予告A」に比べ選択率が高くなるように設定してある。可動役物予告が実行されやすくなっている。
このような可動役物予告テーブルによれば、可動役物予告の大当り信頼度は、「可動役物予告A」よりも「可動役物予告B,C」の方が高く、また、「可動役物予告B,C」は何れも外れの場合に選択されないことから、大当り確定を示唆する可動役物予告となる。したがって、遊技者にしてみれば、演出図柄8の変動表示中に、可動役物予告として第2可動装飾部材14(第2可動役物)が動作して、第2可動装飾部材14を構成する3つの可動体14a~14cが、図57(b)に示すように表示画面7aの手前側で合体して一つのモチーフ(本例ではキャラクタ)を完成されることで、大当り確定であることを認識し得ることとなる。
次に、コメント予告は、前述の第1期間にて実行可能な第1期間予告(変動序盤予告)に含まれる。具体的には、図58(a)に示すように、表示画面7a上で演出図柄8の変動表示が開始されてから間もなくして、所定の人物をモチーフとしたキャラクタ(例えば人物キャラクタA、人物キャラクタB等)が発するコメントに係る画像(以下「コメント画像KG」ともいう)を表示画面7aの下部に表示するものである。コメント画像KGは、その表示後、所定時間(例えば3秒)が経過することで画面上から消去され、これによりコメント予告が終了する。遊技者は、このコメント画像KGによって示されるコメントの内容(つまり、コメント予告の内容)を見て、当該変動に係る大当り信頼度や演出パターン等を推測(予想)することが可能となる。
演出制御用マイコン91は、前述のS4506にて、図47に示すコメント予告設定処理(S5000)を行うことにより、コメント予告の実行パターンを、その実行有無も含めて決定(設定)する。コメント予告設定処理(S5000)は、予告演出設定処理(S4506)の一処理として実行される処理である。尚、演出モードCでは、前述したように、予告演出設定処理(S4506)が実行されないので、これに伴いコメント予告設定処理(S5000)も実行されない。
図47に示すように、コメント予告設定処理(S5000)では、まず、図58(b1)に示すコメント予告パターン決定テーブルをセットする(S5001)。当該テーブルは、コメント予告を実行するか否か及び実行する場合のコメント予告の内容(コメント予告パターン)を決定するためのテーブルであり、低ベース状態(演出モードA,B)と高ベース状態(演出モードD,E)の何れにおいても使用することが可能な共通のテーブルデータとされている。また、当該テーブルは、前述のS4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターンと、前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数の一種であるコメント予告決定乱数とに基づいて、コメント予告パターンを、それぞれコメントの内容(種類)が異なる「コメントA~D」の何れか、または、コメント予告を実行しないこととなる「なし」に決定することが可能なデータ構造となっている。本実施例のコメント予告決定用乱数は「0~99」の範囲で値をとるものである。
具体的に、特別図柄の変動パターン「P1,P12(大当り)」、「P2,P13(大当り)」、「P3,P14(大当り)」、「P4,P8,P15,P19(外れ)」、「P5,P9,P16,P20(外れ)」、「P6,P10,P17,P21(外れ)」、「P7,P18(外れ)」、「P11,P22(外れ)」(図9を参照)の各々について、コメント予告決定用乱数値(0~99)を、特別図柄当否判定の結果(大当り又は外れ)を考慮して、「なし」および「コメントA~D」の夫々に割り当てたものとなっている。これにより、コメント予告パターンの選択率(出現率、実行確率)や大当り信頼度等が定められる。尚、「コメントA~D」の各コメントの内容についての具体的な説明は省略するが、当該コメントの内容は、演出で登場するキャラクタや遊技性等を考慮して任意に定めることが可能である。
図58(b1)に示すように、本実施例では、特別図柄の変動パターンが「P11,P22」(外れ)である場合、「0~99」のコメント予告決定用乱数値は全て「なし」に割り当てられており、コメント予告は選択(実行)されないものとなっている。これは、前述した可動役物予告の場合と同様に、外れ変動パターンP11,P22が短縮変動用の変動時間(短変動時間)に対応するものだからである。また、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合には、外れ変動パターンである場合に比べ「なし」の選択率が低くなるように設定してあり、コメント予告が実行されやすくなっている。さらに、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合には、「コメントD」の選択率が高く、以下、「コメントC」、「コメントB」、「コメントA」の順で選択率が低くなるように設定してある。一方、特別図柄の変動パターンが外れ変動パターンである場合には、「コメントA」の選択率が高く、以下、「コメントB」、「コメントC」、「コメントD」の順で選択率が低くなるように設定してある。このため、コメント予告の大当り信頼度は「コメントD」が最も高く、以下、「コメントC」、「コメントB」、「コメントA」の順で低くなる。
このようなコメント予告パターン決定テーブルをセットしたら(S5001)、当該テーブルを参照して、今回の特別図柄の変動パターンとコメント予告決定用乱数値とに基づいて、コメント予告パターンを選択する(S5002)。この結果、コメント予告を実行しない場合(S5003でNO)、すなわち、S5002での選択結果が「なし」である場合、S5004~S5006の処理(コメント予告パターンの設定に係る処理)を行うことなく、本処理を終える。
これに対し、コメント予告を実行する場合(S5003でYES)、すなわち、S5002での選択結果が「コメントA~D」の何れかである場合、現在の遊技状態(演出モード)が低ベース状態(演出モードA,B)であれば、図58(b2)に示すコメント表示パターン決定テーブルAをセットし、高ベース状態(演出モードD,E)であれば、図58(b3)に示すコメント表示パターン決定テーブルBをセットする(S5004)。当該テーブルは、コメント予告の実行に際して表示するコメント画像KG(図58(a)を参照)に含まれるコメントの表示色(以下「コメント画像KGの表示色」ともいう)を決定するために参照するテーブルである。コメント表示パターン決定テーブルは、コメント予告の実行契機となる特別図柄の変動パターンと、前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数の一種であるコメント色決定用乱数とに基づいて、コメント画像KGの表示色(コメント表示パターン)を、それぞれ「通常色」、「特別色1」、「特別色2」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。本実施例のコメント色決定用乱数は「0~99」の範囲で値をとるものである。
具体的に、コメント表示パターン決定テーブルA,Bでは、大当り変動パターンおよび外れ変動パターンの各々について、コメント色決定乱数値(0~99)を、特別図柄当否判定の結果(大当り又は外れ)を考慮して、「通常色」、「特別色1」、「特別色2」の夫々に割り当てたものとなっている。これにより、コメント予告におけるコメント画像KGの表示色についての大当り信頼度が定められる。本実施例では、通常色を「白色」、特別色1を「赤色」、特別色2を「金色」としている(以下同じ)。また、本実施例では、コメント表示パターン決定テーブルBのうち、外れ変動パターンに対応する「特別色2」については、コメント色決定乱数値を割り当てないものとしている。尚、本実施例では、コメント表示パターンを、コメント画像KGに含まれるコメントの表示色としているが、これに代えて又はこれに加えて、コメント画像KGの周囲を飾る枠部分(コメント枠)の表示色としたり、コメントの背景部分の表示色としたりすることも可能である。
図58(b2)示すように、コメント表示パターン決定テーブルAでは、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合には、「特別色2」の選択率が高く、以下、「特別色1」、「通常色」の順で選択率が低くなるように設定してある。一方、外れ変動パターンである場合には、「通常色」の選択率が高く、以下、「特別色1」、「特別色2」の順で選択率が低くなるように設定してある。このため、低ベース状態(演出モードA,B)にてコメント予告が実行される場合のコメント画像KGの表示色による大当り信頼度は、「特別色2(金色)」が最も高く、以下、「特別色1(赤色)」、「通常色(白色)」の順で低くなる。
また、図58(b3)示すように、コメント表示パターン決定テーブルBでは、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合には、「特別色2」の選択率が高く、以下、「特別色1」、「通常色」の順で選択率が低くなるように設定してある。一方、外れ変動パターンである場合には、「通常色」の選択率が「特別色1」の選択率よりも高くなるように設定してあり、「特別色2」については選択されないよう(選択率0%)に設定してある。さらに、コメント表示パターン決定テーブルBでは、コメント表示パターン決定テーブルAと比較して、大当り変動パターンの場合、「特別色2」の選択率が低くなっており(本例では2%)、その分、「特別色1」および「通常色」の選択率がそれぞれ高くなっている。
このため、高ベース状態にてコメント予告が実行される場合のコメント画像KGの表示色による大当り信頼度は、「特別色2(金色)」が100%(大当り確定)となり、大当り確定パターン以外では、「特別色1(赤色)」の方が「通常色(白色)」よりも高くなる。また、高ベース状態における「特別色1(赤色)」および「通常色(白色)」は、低ベース状態における「特別色1(赤色)」および「通常色(白色)」に比べて、いずれも大当り信頼度が高くなる。
このようなコメント表示パターン決定テーブルをセットしたら(S5004)、当該テーブルを参照して、今回の特別図柄の変動パターン(大当り又は外れ)とコメント色決定用乱数値とに基づいて、コメント表示パターンを選択する(S5005)。次いで、S5006では、前述のS5002で選択したコメント予告パターンとS5005で選択したコメント表示パターンとに基づいて、今回実行するコメント予告の態様(コメントの種類、色)を設定する(S5006)。こうして設定されたコメント予告の演出パターンを含む変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、その予告演出パターンに基づくコメント予告が画像表示装置7の表示画面7a上で実行される。
このようにして実行される本実施例のコメント予告のうち、コメント画像KGの表示色が金色(特別色2)のコメント予告は、その実行時の遊技状態が低ベース状態(演出モードA,B)である場合には、外れの可能性があるものの大当り信頼度が最も高い位置付けとなっているのに対し、高ベース状態(演出モードD,E)である場合には、外れの可能性がない大当り確定の位置付けとなっている。このように、本実施例の「金色のコメント予告」は、遊技状態にかかわらず表示態様(演出内容)が同様(本例では同じ金色)であるのの、遊技状態によって示唆する内容(高信頼度なのか大当り確定なのか)が異なるものなっている。ここで、低ベース状態(本例では演出モードAまたはB)にて実行され得る「金色のコメント予告」のことを「第1演出」ともいい、高ベース状態(本例では演出モードDまたはE)にて実行され得る「金色のコメント予告」のことを「第2演出」ともいう。
[実施例1の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、16R第1大当り以外の大当り(6R第2大当り、6R第3大当り、16R第4大当り及び16R第5大当り)について、大当り遊技が終了してからの所定期間(本例では20回の変動表示が行われる間)における演出モードを「C」(第1演出モード)に設定可能であるとともに、所定期間の経過により、演出モードを「C」(第1演出モード)から「D」(第2演出モード)または「E」(第3演出モード)に切り替える(移行させる)ことが可能となっている。このため、大当り遊技後は、所定期間が経過する前と後とで演出モードが変化し、これに伴って演出内容が変化することとなる。これにより、大当り遊技後の演出内容(演出モードの切り替わり)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
特に、本実施例では、大当り遊技後の遊技状態が低確高ベース状態(第1遊技状態)または高確高ベース状態(第2遊技状態)に制御されるが、演出モードC(第1演出モード)はいずれの遊技状態にも対応する状態非報知モードとなっている。一方、演出モードD(第2演出モード)は低確高ベース状態に対応するものとなっており、演出モードE(第3演出モード)は高確高ベース状態に対応するものとなっている。そして、演出モードCでは表示画面7aの背景を「緑背景」とし、演出モードDでは表示画面7aの背景を「青背景」とし、演出モードEでは表示画面7aの背景を「赤背景」としている(図53(a)~(c)を参照)。このため、遊技者にとっては、大当り遊技が終了してからの所定期間(演出モードCの設定期間中)は、実際の遊技状態を把握することが困難(不可能)な状況下で遊技を進めることとなり、所定期間の経過により演出モードが「C」から「D」または「E」に移行する(切り替わる)することで、その背景を通じて遊技状態を容易に把握することが可能となる。
そして、大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態である場合には、演出モードEに移行させることで、遊技状態が高確高ベース状態である旨を遊技者に報知することになるが、本実施例では、演出モードEに移行する前に、一旦、実際の遊技状態とは異なる低確高ベース状態に対応する演出モードDに移行させる場合があるものとなっている。つまり、偽りの状態報知を行った上で、その後に正しい状態報知を行う場合があるものとなっている。このため、遊技者にしてみれば、大当り遊技後、所定期間の経過により演出モードDに移行したとしても、そこから更に演出モードEに移行する可能性があるので、高確高ベース状態に対する期待を持ち続けることが可能となる。これにより、大当り遊技後の演出モードの移行(切り替わり)に遊技者の興味を惹きつけて、大当り遊技後の興趣を高めることが可能となる。また、大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態である場合に、演出モードCから演出モードDを経由して演出モードEに移行させることで、高確高ベース状態であることに期待を寄せていた遊技者の気持ちを落胆させた上で、その気持ちを高揚させるといった演出効果が得られるようになる。これにより、大当り遊技後の興趣を一層高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態である場合、当該大当り遊技が終了してからの所定期間(演出モードCの設定期間)が経過するときに記憶されている特図保留(本例では特図2保留)の記憶状況が所定の記憶状況(所定記憶態様)となっている場合に、演出モードを一旦、実際の遊技状態と異なる演出モード(本例では演出モードD)に移行させた上で、実際の遊技状態に即した演出モード(本例では演出モードE)に移行させることが可能となっている。具体的に、所定期間が経過するときに、特図2保留として、少なくとも、最先に記憶された保留から数えて所定数(本例では3つ)の外れ保留が記憶されている場合、すなわち、記憶されている特図2保留のうち1個目から3個目までがすべて外れ保留である場合に、演出モードCから演出モードDに移行させることが可能となっている。そして、その所定数の外れ保留(本例では3つの外れ保留)に基づく外れ変動が終了するまでに、演出モードDから演出モードEに移行することが可能となっている。このため、大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態であって、大当り遊技後の所定期間の経過により演出モードを「C」から「D」に移行させた場合、その後、演出モードを「D」から「E」に移行させる前に大当りが発生することはないので、演出モードEへの移行を必ず実行することが可能となる。これにより、大当り遊技後の遊技状態が低確高ベース状態であると見せかけて実際は高確高ベース状態であることを後から示すことによる演出効果を確保することが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、高確高ベース状態において演出モードが「C」から「D」に移行した場合、その移行タイミングの際(演出モードCでの所定期間が経過するとき)に記憶されていた外れ保留の個数から「1」を引いた数に相当する回数の特別図柄の変動表示が行われると、これに続く変動表示(外れ変動)で演出モードが「D」から「E」に移行するものとなっている。このため、遊技者にしてみれば、演出モードが「C」から「D」に移行した後、その移行の際に記憶されていた特図保留(外れ保留)のすべてが消化されるまでに、演出モードが「D」から「E」に移行すれば、大当り遊技後の実際の遊技状態は高確高ベース状態であり、演出モードが「D」から「E」に移行しなければ、大当り遊技後の実際の遊技状態は低確高ベース状態であることを、それぞれ知ることが可能となる。つまり、演出モードが「C」から「D」に移行したときに記憶されていた特図保留分(残保留分)の変動表示が行われることで、実際の遊技状態が必ず明らかになる。これにより、演出モードが「C」から「D」に移行した場合に、実際の遊技状態が明らかになる時期を徒に遅らせることなく、その時期を遊技者にとって分かりやすいものとすることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技後の演出モードCにおいて、保留予告演出等の予告演出が一切実行されないものとなっており、その後の演出モードDや演出モードEでは、保留予告演出等の予告演出が実行可能となっている。このため、例えば、大当り遊技が終了してからの演出モードCは、遊技状態が不明で緊張感のある遊技に遊技者を集中させる演出モードとし、演出モードCを終えた後の演出モードDおよび演出モードEは、遊技状態が明らかになった状況下で大当りの発生を遊技者に期待させる演出モードとするといったように、演出モードCと演出モードD,Eを、それぞれ性格の異なる演出モードとすることが可能となる。これにより、大当り遊技後の演出を変化に富んだものとして、大当り遊技後の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、16R第1大当り(確変大当り)に係る大当り遊技が終了して遊技状態が高確高ベース状態になると、当初から高確高ベース状態に対応する演出モードE(赤背景)が設定されるものとなっている。このため、低確低ベース状態での所謂「初当り」として16R第1大当りが発生した場合、遊技者は、大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態であることを認識して遊技を進めることが可能となる。一方、16R第1大当り以外の大当りが発生した場合、遊技者は、少なくとも、大当り遊技後の当初演出モードCの設定期間が経過するまで、遊技状態が不明のまま遊技を進めることとなる。このように、発生した大当りの種類によって大当り遊技後の遊技の進行態様に差異を生じさせることにより、遊技にメリハリを持たせることが可能となり、遊技者を飽きさせ難い遊技性を得ることが可能となる。
さらに、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態が低ベース状態(低確低ベース状態または高確低ベース状態)に制御されているときと、遊技状態が高ベース状態(低確高ベース状態または高確高ベース状態)に制御されているときとで、実行され得る保留予告演出の態様が異なるものとなっている。すなわち、低ベース状態において実行され得る特図1保留予告演出では、第1演出保留9aを、通常の表示態様に対して表示色が異なる態様で表示するものとなっている(図50を参照)。一方、高ベース状態において実行され得る特図2保留予告演出では、演出保留表示領域に表示される第2演出保留9bを、通常の表示態様に対して表示色が異なるとともに所定画像(本例では煙画像S)を含んだ態様で表示するものとなっており(図51(a)~(d)を参照)、また、低ベース状態での特図1保留予告演出には存在しない変動保留表示領域9eでの演出保留の表示態様変化(第2予告演出)を含んだものとなっている(図51(e)を参照)。これにより、低ベース状態と高ベース状態とで、保留予告演出の差別化を図ることが可能となり、各遊技状態で保留予告演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
特に、本実施例では、低ベース状態での特図1保留予告演出は、第1演出保留9aの表示態様変化(色変化)を主として行うものであり、第1演出表示領域9cから変動保留表示領域9eに移動した第1演出保留9aの表示態様変化(第2予告演出)を実行しない態様(第1態様)となっているのに対し、高ベース状態での特図2保留予告演出は、所定画像(本例では煙画像S)を含んだ第2演出保留9bの表示態様変化(本例では色変化)を主として行うとともに、これに加え、第2演出表示領域9dから変動保留表示領域9eに移動した第2演出保留9bの表示態様変化(第2予告演出)を実行することがある態様(第2態様)となっている。このため、低ベース状態における保留予告演出(特図1保留予告演出)と、高ベース状態における保留予告演出(特図2保留予告演出)とでは、前者に比べ後者の方が遊技者にインパクトを与えやすいものとなり、低ベース状態と高ベース状態とで保留予告演出の差別化をしっかりと図れるようになる。これにより、各遊技状態における保留予告演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となり、延いては、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、低ベース状態に比して特図保留の消化ペースが速くなる高ベース状態で保留予告演出を行う場合の演出保留(第2演出保留9b)の表示態様が、低ベース状態における保留予告演出での演出保留(第1演出保留9a)の表示態様に比して、より目立つ態様(強調表示態様)となっており、また、低ベース状態における保留予告演出では実行されることのない変動保留表示領域9eでの演出保留の表示態様変化(第2予告演出)が実行され得るものとなっている。このため、高ベース状態では、遊技者の興味をより保留予告演出に惹きつけやすくなり、飽きの生じ難い遊技を実現することが可能となる。これにより、特別図柄(演出図柄)の変動表示が短縮変動で繰り返されることで遊技が単調になりがちな高ベース状態の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、予告対象保留が外れスーパーリーチ変動に該当する場合、当該外れスーパーリーチ変動が終了した後の所定期間を保留予告禁止期間とし、その期間中は保留予告演出を実行(開始)しないものとなっている。このため、例えば、保留予告演出を伴って実行された高信頼度のスーパーリーチ演出で外れとなり、当該外れによって遊技者に大きな落胆を与えたとしても、その後しばらくの間は保留予告演出を実行しないようにすることで、保留予告演出に対する遊技者の信頼感や期待感が著しく損なわれることのないようにすることが可能となる。これにより、保留予告演出の演出効果が低下するのを抑制して、保留予告演出に対する興趣を持続させることが可能となる。
さらに、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態が低ベース状態に制御されているときと、高ベース状態に制御されているときにおいて、同様の演出内容を含む「SPリーチCのスーパーリーチ演出」や「金色のコメント予告」が、特別図柄の変動表示中(演出図柄8の変動表示中)に実行され得るものとなっている。このうち、低ベース状態における「SPリーチCのスーパーリーチ演出」(第1演出)と、高ベース状態における「SPリーチCのスーパーリーチ演出」(第2演出)とでは、互いに同様の演出内容であるものの、前者に比べ後者の方が、大当り信頼度の高いリーチ演出となっている。また、低ベース状態における「金色のコメント予告」(第1演出)と、高ベース状態における「金色のコメント予告」(第2演出)とでは、互いに同様の表示態様(演出内容)であるものの、前者は大当り確定ではなく信頼度が相対的に高い旨を示唆し、後者は大当り確定を示唆するものとなっている。
このように、低ベース状態と高ベース状態とで同様の演出内容を含むSPリーチ演出や予告演出を実行可能としつつ、それら演出が示唆する内容を、当該演出が実行されるときの遊技状態によって異なるものとすることで、演出が持つ機能(役割)を遊技状態や演出モードによって異ならせることが可能となる。これにより、各遊技状態あるいは各演出モードで実行される演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
特に、本実施例では、低ベース状態と高ベース状態とで同様に実行され得る信頼度(期待度)の高い演出(SPリーチC、金色のコメント予告)に関し、遊技者にとってより有利な状況下で遊技を進めることが可能となる高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)で実行される方が、より大当りに対する期待度が高まるものとなっている。これにより、もともと信頼度(期待度)の高い演出に対する遊技者の関心を、より一層高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、センター装飾体10に囲まれる画像表示装置7の表示画面7aの周囲に、第1可動装飾部材13(第1可動演出手段)と第2可動装飾部材14(第2可動演出手段)を設けてあり(図56(a)を参照)、これら可動装飾部材(可動役物)を動作させる可動役物予告が、特別図柄の変動表示中(演出図柄8の変動表示中)に実行され得るものとなっている。可動役物予告にて第1可動装飾部材13が動作する場合には、その第1可動装飾部材13が表示画面7aの手前側に移動して当該画面の一部(本例では中演出図柄8Cが表示される領域の一部)を覆い隠すものとなっている(図57(a)を参照)。また、可動役物予告にて第2可動装飾部材14が動作する場合には、その第2可動装飾部材14を構成する3つの可動体14a~14cが表示画面7aの手前側に移動して互いに近接(合体)した状態となり、表示画面7aの略全体を覆い隠すものとなっている(図57(b)を参照)。
そして、第1可動装飾部材13が動作して画面手前側に出現した場合には、大当りと外れの何れにもなり得るが、大当り信頼度は相対的に低いものとなっている。一方、第2可動装飾部材14(可動体14a~14c)が動作して画面手前側に出現した場合、大当りが確定するものとなっている。つまり、可動役物予告(可動演出)を実行した際に可動装飾部材が覆う表示画面7aの範囲の大小によって、大当り信頼度を示唆することが可能となっている。これにより、可動役物予告(可動演出)による演出効果を高め、動作する可動装飾部材の種類に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
特に、本実施例では、1つの可動体からなる第1可動装飾部材13が動作して表示画面7aの一部を覆う態様の可動役物予告よりも、3つの可動体からなる第2可動装飾部材14が動作し、それらが合体して表示画面7aの略全体を覆う態様の可動役物予告の方が、大当り信頼度が高いもの(本例では100%)となっている。このような第1可動装飾部材13が動作した場合の大当り信頼度と、第2可動装飾部材14が動作した場合の大当り信頼度との関係は、表示画面7aの手前側に可動装飾部材が出現することで遊技者に与えるインパクトの大きさに比例するといえる。これにより、可動役物予告(可動演出)による大当り信頼度の示唆が、遊技者にとって分かりやすいものとなる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、演出図柄8の変動表示中(変動期間中)に実行され得る可動役物予告の実行態様として、(1)変動序盤(第1期間)に第1可動装飾部材13が動作する態様(第1可動演出による可動役物予告A)と、(2)変動序盤に第1可動装飾部材13が動作するとともに、その動作が終了した後の変動終盤(第3期間)に第2可動装飾部材14が動作する態様(第1可動演出と第2可動演出による可動役物予告B)と、(3)変動中盤(第2期間)に第2可動装飾部材14が動作する態様(第2可動演出による可動役物予告C)と、の3つの態様を備えており(図56(b)を参照)、そのうちの何れかの態様で可動役物予告を実行することが可能となっている。このため、可動役物予告(可動演出)の実行に際しては、少なくとも3つの態様のうち何れの態様で実行されるのかを遊技者に注目させることが可能となる。また、本実施例では、可動役物予告にて第2可動装飾部材14が動作することで大当り確定となるところ、第1可動装飾部材13が動作したとしても、その後に第2可動装飾部材14が動作する可能性が残されているので(可動役物予告B)、可動役物予告に対する遊技者の関心の持続性を高めることが可能となり、可動役物予告による演出効果は十分得られるものとなる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、第1可動装飾部材13の動作パターン(第1動作パターン)が、待機位置と動作位置との間の移動(スライド移動)、動作位置での回転および複数のLED(電飾)の発光を行うパターンとなっており、第2可動装飾部材14の動作パターン(第2動作パターン)が、待機位置と動作位置との間における3つの可動体14a~14cの一斉移動(スライド移動)を行うパターンとなっており、それぞれ全く異なるパターンとなっている。このため、第1可動装飾部材13を動作させる可動役物予告(第1可動演出)と、第2可動装飾部材14を動作させる可動役物予告(第2可動演出)とで、両者ともに可動役物が動作する可動役物予告(可動演出)であるとしても、全く違った印象を遊技者に与えることが可能となる。特に、本実施例では、第2可動装飾部材14(可動体14a~14c)の表面に一のモチーフ(本例ではキャラクタ)を表す造形処理を施して、可動体14a~14cが動作位置まで一斉に移動して各々が合体(近接)した状態になることで、そのモチーフが完成するものとしており(図57(b)を参照)、このような第2可動装飾部材14による可動演出は、第1可動装飾部材13による可動演出に比して、より大きなインパクトを遊技者に与えるものとなっている。このように、第1可動装飾部材13の動作と第2可動装飾部材14の動作を、それぞれの動作パターンにしたがって別々に制御(管理)するように構成することで、可動装飾部材を用いた可動演出の設計の自由度が増したり、可動装飾部材の動作パターンの多様化が図り易くなったりする。その結果、可動役物予告(可動演出)による演出効果を高めやすくすることが可能となる。
さらに、本実施例のパチンコ遊技機1では遊技領域3のうち右遊技領域3B(所定の領域)に向けて遊技球を発射(右打ち)して遊技を行う右打ち遊技状態(所定遊技状態)として、少なくとも、特別遊技状態(第1所定遊技状態)と高ベース状態(第2所定遊技状態)とを備えるものとなっている。また、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射することを指示する右打ち指示報知(所定指示報知)を、特別遊技状態(大当り遊技)と高ベース状態(確変遊技状態、時短遊技状態)とで、同様の態様で実行することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、特別遊技状態と高ベース状態とで遊技状態は異なるものの、右打ち指示報知が同様の態様で実行されるので、特別遊技状態と高ベース状態の何れの遊技状態であっても、右打ち指示報知を認識し易いものとなる。
特に、本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技の1ラウンド目開始に伴って、画像表示装置7(表示画面7a)の右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示し、右打ち指示報知を開始(実行)するものとなっている。そして、当該右打ち指示報知(右打ち表示領域71cでの右打ち指示画像71の表示)を、大当り遊技が終了するまで(本例ではエンディング演出が終了するまで)継続して実行するとともに、大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)に移行した後も、継続して実行するものとなっている。つまり、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示する態様(所定の態様)の右打ち指示報知を、大当り遊技の開始(1ラウンド目)から高ベース状態中にかけて継続的に実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が特別遊技状態から高ベース状態に移行したとしても、その移行前後で右打ち指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、右打ち指示報知を認識し易いものとなる。特に、特別遊技状態と高ベース状態とで、同じ右打ち指示画像71が同じ表示位置(右打ち表示領域71c)に表示されるので、右打ち指示報知の認識のし易さは、より顕著なものとなる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、高ベース状態にて大当り(連チャン)となり、当該大当り(連チャン)に係る大当り遊技の実行に際し、高ベース状態中に行っていた右打ち指示報知(右打ち表示領域71cでの右打ち指示画像71の表示)を、その連チャンに係る大当り遊技においても継続して実行するものとなっている。つまり、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示する態様(所定の態様)の右打ち指示報知を、高ベース状態から大当り遊技中にかけて継続的に実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が高ベース状態から特別遊技状態に移行したとしても、その移行前後で右打ち指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、右打ち指示報知を認識し易いものとなる。特に、高ベース状態と特別遊技状態とで、同じ右打ち指示画像71が同じ表示位置(右打ち表示領域71c)に表示されるので、右打ち指示報知の認識のし易さは、より顕著なものとなる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、低確低ベース状態にて大当り(初当り)となった場合のオープニング演出として、初当り用右打ち指示報知を含む初当りオープニング演出を行うものとなっている。初当り用右打ち指示報知は、右遊技領域3Bの下部に位置する大入賞口30に遊技球が入球する様子を描いた動画像を表示画面7aの略中央に表示するものであり、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示する右打ち指示報知に比して目立つ態様となっている。このため、低ベース状態で左打ちを行って遊技を進めてきた遊技者に対しは、大当り遊技の開始に際して右打ちを行うことを、積極的に促すことが可能となる。
一方、高ベース状態にて大当り(連チャン)となった場合のオープニング演出(連チャンオープニング演出)では、初当りオープニング演出のような初当り用右打ち指示報知(画面略中央での右打ちを促す動画像表示)を行わず、高ベース状態中に行っていた右打ち指示報知(右打ち表示領域71cでの右打ち指示画像71の表示)をそのまま行うものとなっている。これにより、連チャンを繰り返すことで大袈裟な右打ち指示報知が何度も行われることを回避して、遊技者に煩わしさを感じさせないようにすることが可能となる。特に、高ベース状態中の右打ち指示報知は、その高ベース状態に移行する前の特別遊技状態(大当り遊技時)から同じ態様(同じ画像、同じ表示位置)で継続して実行されているものなので、遊技者にしてみれば、連チャンが発生した時点では、右打ちを行うことを十分に認識している状況にあるといえる。このことからも、連チャンオープニング演出にて、初当りオープニング演出と同様な右打ち指示報知を行うことなく、高ベース状態中の右打ち指示報知をそのまま行うことは、遊技者心理を考慮した有効な指示報知であるといえる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、初当りに係る大当り遊技の開始を契機として、その1ラウンド目の開始から、その後の高ベース状態が所定回数の特別図柄の変動表示の実行に基づき終了するまで、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示し続けるものとなっている。つまり、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目開始から連チャン期間の終了まで一貫して、表示画面7aの隅の方(本例では画面右上)に右打ち指示画像を画面サイズに比して小さく表示して、右打ち指示報知を目立ち過ぎない態様で行うものとなっている。これにより、画像表示装置7の表示画面7aで実行される大当り遊技演出や高ベース状態中の演出図柄遊技演出等の妨げになることを回避しつつ、遊技者に右打ちを行う遊技状態であることを十分に認識させる(印象付ける)ことが可能となる。
次に、本発明の実施例2のパチンコ遊技機1について説明する。前述の実施例1では、大当り遊技後の演出モードC(モードステータス「3」)の設定期間を予め定められた一の期間(固定期間)としていたが、本実施例(実施例2)では、演出モードCの設定期間を、予め定められた複数の期間のうちの何れかとするように構成したものである。以下では、実施例1と異なる点(構成、作用効果等)を中心に説明し、実施例1と共通する点(構成、作用効果等)についての説明は省略する。
本実施例では、演出制御用マイコン91(サブ制御部)が大当り遊技の終了に際して実行する大当り終了時演出モード設定処理(S4700)を、図59に示すフローチャートによるものとしている。尚、図59では、実施例1と同じ処理についてはそのまま同じステップ番号を付し、実施例1と異なる処理について異なるステップ数を付している。したがって、実施例1と同じ処理についての説明は省略する。
本実施例の大当り終了時演出モード設定処理(S4700)では、演出モードC(モードステータス「3」)の設定期間を定める第1モードカウンタのセットに係る処理が、前述の実施例1と異なるものとなっている。具体的に、演出制御用マイコン91は、S4707にてモードステータスを「3」にセットすると、第1モードカウンタに値Nをセットする(S4708a)。ここで、演出制御用マイコン91は、S4708aの処理を実行する都度、予め定められた複数の値の中から一の値を選択して、これを値Nとしてセットする。本実施例では、値Nとしてセットすることが可能な複数の値として、「5」、「10」、「15」、「20」および「25」の5種類の値を設けており、これら5種類のうちのいずれかを値Nとしてセットする。本実施例では、サブ制御部90に値N決定用の乱数カウンタを備えており、例えば、16R第1大当り以外の大当りに係る大当り遊技の終了(エンディングコマンドの受信)を契機に当該乱数カウンタのカウント値を取得して、当該取得したカウント値(値N決定乱数値)と不図示の値N決定テーブルとに基づいて、S4708aにてセットする値Nを決定する。
こうして第1モードカウンタに値Nをセットした後は、前述の実施例1と同様である。すなわち、大当り遊技が終了してからの演出モードは、第1モードカウンタにセットした値がゼロになるまで「C」となる。そして、図46に示した演出モード移行処理(S4800)により、第1モードカウンタがゼロになると(S4803でYES)、演出モードが「C」から「D」または「E」に移行する(S4807,S4812等を参照)。
尚、値Nの選択対象となる5種類の値の選択率に関して、それぞれの値の選択率を均等としたり、値によって選択率を異なせたりすることが可能である。選択率を異ならせる場合、例えば、終了した大当り遊技が確変大当りであれば、値Nの選択対象となる「5」、「10」、「15」、「20」および「25」のうち値の大きいものほど選択率が高くなるようにしたり、あるいは、それとは逆に、値の大きいものほど選択率が低くなるようにしたりすることが可能である。こうすれば、演出モードCに設定期間の長短により高確率状態の可能性を示唆する(遊技者に推測させる)ことが可能となる。
[実施例2の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、16R第1大当り以外の大当り(6R第2大当り、6R第3大当り、16R第4大当り及び16R第5大当り)について、大当り遊技が終了してからの演出モードC(第1演出モード)の設定期間が、大当りの都度、変化し得るものとなっている。具体的に、前述のS4708aにて、第1モードカウンタに「5」をセットした場合、大当り遊技が終了してから特別図柄の変動表示が5回行われるまで演出モードCとなり、第1モードカウンタに「10」をセットした場合、大当り遊技が終了してから特別図柄の変動表示が10回行われるまで演出モードCとなり、第1モードカウンタに「15」をセットした場合、大当り遊技が終了してから特別図柄の変動表示が15回行われるまで演出モードCとなり、第1モードカウンタに「20」をセットした場合、大当り遊技が終了してから特別図柄の変動表示が20回行われるまで演出モードCとなり、第1モードカウンタに「25」をセットした場合、大当り遊技が終了してから特別図柄の変動表示が25回行われるまで演出モードCとなる。
このため、大当り遊技後、遊技状態が不明のまま遊技を進める期間(演出モードCの設定期間)が、大当りの都度、変化し得るものとなり、これに伴い、演出モードCから演出モードDまたは演出モードEに移行する(切り替わる)時期も変化し得るものとなる。これにより、大当り遊技後の演出モードの移行(切り替わり)にバラツキを持たせることが可能となり、大当り遊技後の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、演出モードCの設定期間が変化し得るものとなることに伴い、保留予告演出等の予告演出が実行されない期間も変化し得るものとなる。このため、大当り遊技後の各種予告演出の実行が解禁される時期にも変化をもたらすことが可能となる。これにより、大当り遊技後の演出を変化に富んだものとして、大当り遊技後の遊技興趣を高めることが可能となる。
以上、本発明の実施形態として実施例1,2を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例では、大当り遊技後の演出モードCにおいて所定回数の特別図柄の変動表示が終了し、次の変動表示(変動演出)が外れ変動である場合に、当該外れ変動の開始に伴って、演出モードを「C」から「D」または「E」に移行させるものとなっていたが(図46を参照)、演出モードの移行を伴う変動表示は外れ変動とする必要性は無く、大当り変動(大当り変動演出)の開始に伴って演出モードを「C」から「D」または「E」に移行させることも可能である。
具体的に、演出モード移行処理(S4800)におけるS4802以降の処理を、大当り変動の開始に際しても実行可能とする。そして、S4804で高確率フラグがONであると判定した場合(S4804でYES)、これに続いてS4812の処理とS4813の処理を行い、S4804で高確率フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S4804でNO)、これに続いてS4807の処理とS4808の処理を行うように構成すればよい。こうすれば、演出モードCの設定期間を終えて、これに続く次の大当り変動の開始に伴って、演出モードDまたは演出モードEに移行するので、遊技者にとっては、変動開始の段階で実際の遊技状態を把握した上で、大当りを得ることが可能となる。また、高確高ベース状態であるにもかかわらず演出モードDとなった後、演出モードEに移行する場合(S4809~S4813)も同様に、大当り変動(大当り変動演出)の開始に伴って演出モードを「D」から「E」に移行させることが可能である。この場合においても、高確高ベース状態での演出モードDの設定期間を終えて、これに続く次の大当り変動の開始に伴って、演出モードEに移行するので、遊技者にとっては、変動開始の段階で実際の遊技状態を把握した上で、大当りを得ることが可能となる。
また、前述の実施例では、大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態である場合の演出モードCにて、所定回数の特別図柄の変動表示が行われて第1モードカウンタがゼロとなったときに、少なくとも「連続3回以上の外れ変動が確保されている」こと、すなわち、最先に記憶された(最も古い)特図保留(本例では特図2保留)から数えて3個以上の外れ保留が記憶されていることを条件に(前述の移行条件(1)を参照)、演出モードを「C」から「D」に移行させることが可能となっており、当該条件を満たさない場合に、演出モードを「C」から「E」に移行させることが可能となっていた(図46を参照)。これに対して、第1モードカウンタがゼロとなったときに、特図保留(本例では特図2保留)として大当り保留が記憶されている場合には、最先の特図保留から数えて3個以上の外れ保留が記憶されているか否かに関係なく、演出モードを「C」から「E」に移行可能としてもよい。この場合、演出モードC(第1演出モード)から演出モードE(第3演出モード)への移行(切り替え)により、大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態(第2遊技状態)であることを遊技者に認識させた上で、大当り保留(特定取得情報)に基づく特別図柄の変動表示を行って大当り遊技の実行に繋げることが可能となる。これにより、大当り遊技後の演出モード移行による演出効果を確保することが可能となる。
また、前述の実施例では、大当り遊技後の演出モードCでの所定回数の特別図柄の変動表示が終了し、次の変動表示(変動演出)の開始に伴って演出モードを「C」から「D」または「E」に移行させるもの(背景が変化するもの)となっていたが、この演出モードの移行を伴う変動演出において、演出モードが「D」と「E」のいずれに移行するのかを示す移行演出(モード分岐演出)を行うようにしてもよい。この場合、例えば、第1モードカウンタがゼロになった後の次の変動表示(例えば実施例1では大当り遊技後21回目の変動表示)に係る特別図柄の変動パターンとして、変動時間30000ms(30秒)の変動パターンが必ず設定(選択)されるように、主制御部80(遊技制御用マイコン81)による特別図柄の変動パターン選択処理を構成することで、移行演出の演出時間を確保することが可能となる。こうすれば、演出モードCでの所定回数(本例では20回)の特別図柄の変動表示が終了した後、次の変動表示(変動演出)の開始に伴って背景が切り替わることで直ちに演出モードの移行先が判明する場合に比べ、遊技者の興味を惹きつけやすくなり、演出モード移行の演出効果を高めることが可能となる。
また、前述の実施例では、大当り遊技後の演出モードCにおいて、保留予告演出等の予告演出が一切実行されないものとなっており(実行可能性ゼロ)、その後の演出モードDや演出モードEでは、保留予告演出等の予告演出が実行可能となっていた。これに対して、演出モードCにおいても保留予告演出等の予告演出を実行可能とし、演出モードCにおける保留予告演出等の予告演出の実行可能性が、演出モードDや演出モードEにおける保留予告演出等の予告演出の実行可能性よりも低くなるようにしてもよい。あるいは、演出モードCで実行可能な保留予告演出等の予告演出の種類の数(演出モードC対応予告種の数)が、演出モードDや演出モードEで実行可能な保留予告演出等の予告演出の種類の数(演出モードD対応予告種の数や演出モードE対応予告種の数)よりも少なくなるようにしてもよい。さらに、演出モードDと演出モードEとの間で、保留予告演出等の予告演出の実行可能性を異ならせたり、実行可能な保留予告演出等の予告演出の種類の数を異ならせたりしてもよい。これによっても、大当り遊技後の演出を変化に富んだものとして、大当り遊技後の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、前述の実施例では、低ベース状態と高ベース状態において同様の内容(態様)で実行され得る演出(実施例1ではSPリーチC、金色のコメント予告)に関し、低ベース状態で実行される場合よりも、高ベース状態で実行される場合の方が、大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高まるものとなっていたが、これとは逆に、低ベース状態で実行される場合の方が、大当りに対する期待度(大当り信頼度)が高まるように構成してもよい。パチンコ遊技機等の遊技機による遊技は、一般に、大当り遊技や高ベース状態といった遊技者にとって有利な遊技状態での遊技期間よりも、そのような有利な遊技状態に至る前の通常の遊技状態(例えば、低確低ベース状態)での遊技期間の方が長くなる。したがって、そのように構成することで、通常の遊技状態における遊技興趣を高めることが可能となる。
また、前述の実施例では、第2可動装飾部材14を3つの可動体14a~14cによって構成し、第2可動装飾部材14の動作による可動役物予告(第2可動演出)を実行する場合、3つの可動体14a~14cを一斉に移動させるものとしていた。これに対して、3つの可動体14a~14cを一斉に移動させるのではなく、個々の可動体を所定の順序で移動させたり、3つのうち2つを同時に移動させて残り1つを別に移動させたり、動作位置から待機位置に移動する(戻る)場合のみ一斉に移動させたりする等、前述の実施例1とは異なる動作パターンを備えるように構成してもよい。また、第2可動装飾部材14を構成する可動体(可動部材)は3つである必要はなく、2つとしたり4つ以上としたりすることも可能であり、あるいは、1つの可動体により構成することも可能である。さらに、前述の実施例1では、第1可動装飾部材13を1つの可動体によって構成していたが、複数の可動体によって構成することも可能である。
また、前述の実施例では、第2可動装飾部材14を構成する3つの可動体14a~14cが表示画面7aの手前に出現し、動作位置で互いに近接した状態になる(合体する)ことで、第2可動装飾部材14(可動体14a~14c)の表面に描かれた一のモチーフ(形状、模様等)が完成するものとなっていた。つまり、第2可動装飾部材14を構成する個々の可動体は、それぞれが単なるモチーフの一部に過ぎず、一の可動体が単独で何かを表すもの(意味のあるもの)ではなかった。これに対し、可動装飾部材を構成する複数の可動体について、個々の可動体が単独で特定の形状や模様、図形、キャラクタ等を表すものとしてもよい。こうすれば、複数の可動体をすべて移動(動作)させる態様だけでなく、1つの可動体や2つの可動体など、すべての可動体のうちの幾つかを移動(動作)させる態様でも、可動演出を成立させることが可能となる。これにより、可動装飾部材の動作パターン(可動演出の演出パターン)の更なる多様化を図ることが可能となり、演出効果をより高めることが可能となる。
さらに、可動装飾部材を複数の可動体により構成する場合において、個々の可動体の大きさ(表示画面を覆うことが可能な範囲の広さ)を異ならせることも可能である。この場合、表示画面の手前側に移動した可動体の数の多少や大きさ(サイズ)の大小によって、表示画面を覆う範囲の大きさ(大小)を異ならせることが可能となる。具体的に、例えば、可動装飾部材を3つの可動体A,B,Cで構成することとし、各可動体の大きさの関係を「可動体A<可動体B<可動体C」とする。この場合、3つの可動体A,B,Cがすべて表示画面の手前側に移動したときには、可動装飾部材により覆われる表示画面の範囲が最大となり、可動体Aだけが表示画面の手前側に移動したときには、可動装飾部材により覆われる表示画面の範囲が最小となる。このような最小と最大の範囲内で、3つ可動体A,B,Cのうち、表示画面の手前側に移動する可動体の数や大きさの組合せ等によって、表示画面を覆う範囲の大きさを様々に定めることが可能となる。このことと大当り信頼度とを関連付けて、可動体の動作パターンを様々に設定することで、可動装飾部材(可動体)が表示画面の手前側に移動する可動演出により、大当り信頼度をより多彩に示唆することが可能となる。これにより、可動演出の演出パターンの更なる多様化を図ることが可能となり、演出効果をより高めることが可能となる。
また、前述の実施例では、画像表示装置7(表示画面7a)の周囲に可動装飾部材を設け、動作することで表示画面7aを覆うものとしていたが、可動装飾部材を設ける位置や、動作した可動装飾部材が覆う対象(遊技部品)は、実施例1に限定されるものではない。例えば、画像表示装置7(表示画面7a)の周りを囲むセンター装飾体10(センター役物)の前面の範囲内で可動装飾部材を待機位置と動作位置との間で移動可能とする。そして、可動装飾部材が待機位置にあるときに露出されているセンター装飾体10の所定部位が、可動装飾部材の動作位置への移動によって覆われるようにし、可動装飾部材の動作量(移動量)によって、その覆われる範囲が大小変化し得るように構成する。あるいは、前面枠51の前面上部(視認窓の上方)に可動装飾部材を設け、前面枠51の前面側における所定の待機位置と動作位置との間で可動装飾部材を移動可能とする。そして、可動装飾部材が待機位置にあるときに露出されている前面枠51や視認窓の所定部位が、可動装飾部材の動作位置への移動によって覆われるようにし、可動装飾部材の動作量(移動量)によって、その覆われる範囲が大小変化し得るように構成する。これらの構成においても、可動装飾部材によって覆われる範囲の大小により大当り信頼度を示唆すべく、可動装飾部材の動作パターンを種々定めることで、センター装飾体や前面枠に設けられた可動装飾部材による可動役物予告が可能となる。
また、前述の実施例では、特図保留の事前判定結果に基づく保留予告演出(保留変化予告)を、主として、演出保留の表示色の違い(本例では白色、青色、緑色、赤色、金色)によって大当り信頼度を示唆するものとしていたが、保留予告演出にて大当り信頼度を示唆する態様(つまり、保留予告演出の態様)は、これに限定されるものではない。例えば、演出保留に「チャンス」や「激熱」等の大当り信頼度を示唆する文字を表示したり、その他の大当り信頼度を示唆する記号や図形などを表示したりするようにしてもよい。この場合、例えば、保留消化ペースが相対的に遅い低ベース状態では、演出保留による大当り信頼度の示唆を文字や記号等の表示で行い、保留消化ペースが相対的に速い高ベース状態では、前述の実施例1のように大当り信頼度の示唆を演出保留の表示色で行う等、遊技状態に応じて演出保留におる大当り信頼度の示唆の態様(保留予告演出の実行態様)を異ならせてもよい。こうすれば、遊技状態に適した保留予告演出が可能になるとともに、各遊技状態での保留予告演出の差別化を顕著にすることが可能となる。
また、前述の実施例では、低ベース状態と高ベース状態とで、保留予告演出パターン(保留予告演出の実行態様)が一部同様となるように構成し(特図1保留予告種A~C及び特図2保留予告種A~C)、また、保留予告演出パターンを選択(決定)するためのテーブル(特図1保留予告テーブルA~C及び特図2保留予告テーブルA~C)についても、2R大当りの有無を除き、基本的には同様のデータ構造としていた(選択可能な保留予告演出パターンの種類、数、選択率など)。これに対し、低ベース状態と高ベース状態とで、保留予告演出パターンの設定(S4456)に際して用いる保留予告テーブルのデータ構造を異なるものとし、選択可能(実行可能)な保留予告演出パターンの種類を異ならせたり、選択可能(実行可能)な保留予告演出パターンの数を異ならせたり、保留予告演出パターンの選択率を異ならせたりしてもよい。この場合、例えば、保留消化ペースが相対的に遅い低ベース状態では、保留消化ペースが相対的に速い高ベース状態に比して選択可能(実行可能)な保留予告演出パターンの種類(数)を多くしたり、相体的に大当り信頼度の高い保留予告演出パターンの選択率を高くしたりすることが可能である。あるいは、これとは逆に、高ベース状態では、低ベース状態に比して選択可能(実行可能)な保留予告演出パターンの種類(数)を多くしたり、相体的に大当り信頼度の高い保留予告演出パターンの選択率を高くしたりすることも可能である。
また、前述の実施例では、変動保留表示領域9eでの演出保留の表示態様変化(第2予告演出)に関し、遊技状態が低ベース状態に制御されているときの特図1保留予告演出では、第1演出保留表示領域9cから変動保留表示領域9eに移動した第1演出保留9aの表示態様変化を変動保留表示領域9eで実行しない態様となっており、遊技状態が高ベース状態に制御されているときの特図2保留予告演出では、第2演出保留表示領域9dから変動保留表示領域9eに移動した第2演出保留9bの表示態様変化を変動保留表示領域9eで実行し得る態様となっている。つまり、低ベース状態での特図1保留予告演出は、変動保留表示領域9eでの演出保留の表示態様変化(第2予告演出)を実行しない態様(第1態様)となっており、高ベース状態での特図2保留予告演出は、変動保留表示領域9eでの演出保留の表示態様変化(第2予告演出)を実行し得る態様(第2態様)となっている。これに対して、低ベース状態での特図1保留予告演出を、変動保留表示領域9eでの演出保留の表示態様変化(第2予告演出)を実行し得る態様(第2態様)とし、高ベース状態での特図2保留予告演出を、変動保留表示領域9eでの演出保留の表示態様変化(第2予告演出)を実行しない態様(第1態様)とすることも可能である。こうすれば、高ベース状態に比べて特図保留の消化スピードが遅く、その結果、演出保留の表示期間(表示時間)が相対的に長くなる低ベース状態において、変動保留表示領域9eでの演出保留の表示態様変化(第2予告演出)にも遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
あるいは、低ベース状態での特図1保留予告演出と、高ベース状態での特図2保留予告演出との双方について、変動保留表示領域9eでの演出保留の表示態様変化(第2予告演出)を実行し得る態様(第2態様)とすることも可能である。この場合、低ベース状態と高ベース状態とで、変動保留表示領域9eでの演出保留の表示態様変化の態様(「変動保留変化態様」ともいう)が異なるように構成する。変動保留変化態様としては、例えば、「演出保留の表示色変化」、「演出保留の形状変化」、「演出保留のサイズ変化」等が挙げられ、低ベース状態では「演出保留の表示色変化」、高ベース状態では「演出保留の形状変化」とする等、遊技状態によって変動保留変化態様を異ならせることが可能である。また、図51(e)に示す稲妻画像Gの表示等の保留変化に関与する演出の有無によって変動保留変化態様を異ならせることも可能である。こうすれば、低ベース状態と高ベース状態とで、変動保留表示領域9eでの保留予告演出(保留変化)について差別化を図ることが可能となり、当該保留予告演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、前述の実施例では、右打ち指示画像71を、「右打ち」の文字を表す右打ち文字画像71aと、その上方に位置する1つの右矢印画像71bとからなるものとしていたが、右打ち指示画像71の態様はこれに限定されるものではなく、右打ち文字画像だけで構成したり、あるいは右矢印画像だけで構成したりすることも可能である。この場合、前述の実施例2,3における表示態様の変更(変化)は、右打ち指示報知を構成する一部画像の消去ではなく、表示中の画像そのものの態様(サイズ、色、形状、表示位置等)を変更する(変化させる)ものとすればよい。また、前述の実施例では、右打ち指示画像71の表示位置を表示画面7aの右上(右打ち表示領域71c)としていたが、右打ち指示画像71の表示位置はこれに限定されるものではなく、表示画面7a上の所定位置とすることが可能である。但し、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出(ラウンド演出等)の妨げになるのを回避すべく、表示画面7aのうち外周寄り(画面周縁側)に表示するのが望ましい。さらに、液晶表示装置等の表示装置を複数備える場合には、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出が行われる表示装置とは別の表示装置に、右打ち指示画像を表示するようにしてもよい。
また、前述の実施例では、左打ち指示画像70を、「左打ちに戻してください」の文字を表す左打ち文字画像70aと、その上方に位置する3つの左矢印画像70bとからなるものとしていたが、左打ち指示画像70の態様はこれに限定されるものではなく、前述の右打ち指示画像71と同様に、種々の態様を採ることが可能である。尚、左打ち指示画像70の表示(左打ち指示報知)は、高ベース状態(右打ち遊技状態)が終了して低ベース状態(左打ち遊技状態)に移行すること、すなわち、遊技球の発射を「右打ち」から「左打ち」に変更する(戻す)ことを、遊技者に分かり易く積極的に示す必要があることから、右打ち指示画像71の表示(右打ち指示報知)に比べ、表示サイズを大きくしたり表示位置を画面中央寄りにしたりする等、遊技者がより認識し易い態様(目立つ態様)で行うのが望ましい。
また、前述の実施例では、右打ち表示領域71cにおける右打ち指示画像71の表示を、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始から、その後の高ベース状態の終了(大当り遊技の実行に伴う終了を除く)まで継続して実行するものとなっており、その間の連チャンに係る大当り遊技が行われる場合にも、ファンファーレ演出、ラウンド演出およびエンディング演出の各演出の実行中を含め、継続して実行するものとなっていた。これに対し、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目から継続する右打ち指示画像71の表示を、その後の連チャンに係る大当り遊技でのファンファーレ演出やエンディング演出が行われる時期、すなわち、遊技状態が特別遊技状態に移行する時期や特別遊技後の高ベース状態に移行する時期に中断(一時的に消去)し、ファンファーレ演出やエンディング演出が終了したら、右打ち指示画像71の表示を同じ表示位置で再開するようにしてもよい。このように右打ち指示画像71の表示を一時的に中断したとしても、連チャン期間中の右打ち指示報知が遊技者にとって認識し難いものとなる可能性は極めて低く(可能性は無く)、前述した実施例と同様の効果を奏することは可能である。
また、前述の実施例では、大当り遊技(特別遊技状態)において作動する大入賞装置(大入賞口)を1つ備えるパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大入賞装置(大入賞口)を複数(例えば2つ)備えるパチンコ遊技機にも本発明を適用することが可能である。
また、前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが(「始動入球時処理(S205)」。図11、図13等を参照)、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。あるいは、特図保留記憶部に記憶した取得情報について事前判定するのではなく、始動入球に基づいて取得された取得情報について事前判定するものとしてもよい。つまり、取得情報を特図保留記憶部に記憶する前に事前判定するようにしてもよい。この場合、特図保留記憶部と別に、事前判定の対象となる取得情報を記憶する領域を設ける必要はなく、また、特図保留記憶部に記憶した取得情報を事前判定のために読み出す必要もない。
また、前述の実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先消化の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留と第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して実行可能な制御処理としてもよい。
また、前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
また、前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、識別情報の変動表示を行い、変動表示の表示結果が特定表示結果となることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機が広く知られている。この種の遊技機において、特別遊技の連続発生(所謂「連チャン」)に対する遊技者の期待感を高めるべく、特別遊技の実行に伴って開始した演出を、特別遊技終了後の識別情報の変動表示に伴う演出として継続させるように構成したものがある(例えば、特開2007-29587号公報を参照)。
しかしながら、従来の遊技機では、特別遊技の開始から、特別遊技後の識別情報の変動表示が行われる遊技にかけて同様の演出が継続して実行されることとなるため、演出が単調になって遊技者に飽きられやすいものとなる虞がある。本参考発明1は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特別遊技後の演出効果を高め、遊技興趣の向上を図ることにある。
前述の課題を解決するための参考発明1-1の遊技機は、
識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
演出内容が異なる複数の演出モードのいずれかに制御可能な演出モード制御手段を備え、
前記複数の演出モードには、少なくとも第1演出モードと第2演出モードと第3演出モードとがあり、
前記演出モード制御手段は、特別遊技が終了してからの所定期間における演出モードを前記第1演出モードに設定可能であるとともに、前記所定期間の経過により、演出モードを前記第1演出モードから前記第2演出モードまたは前記第3演出モードに切り替え可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、演出内容が異なる複数の演出モードのいずれかに制御可能な演出モード制御手段を備え、複数の演出モードには、少なくとも第1演出モードと第2演出モードと第3演出モードとが存在するものとなっている。そして、演出モード制御手段は、特別遊技が終了してからの所定期間における演出モードを第1演出モードに設定可能であるとともに、所定期間の経過により、演出モードを第1演出モードから第2演出モードまたは第3演出モードに切り替えることが可能となっている。このため、特別遊技後は、所定期間が経過する前と後とで演出モードが変化し、これに伴って演出内容が変化することとなる。これにより、特別遊技後の演出内容(演出モードの切り替わり)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。尚、特別遊技後の「所定期間」は、予め定められた一の期間としたり、予め定められた複数の期間の中から選択される期間としたりすることが可能である。
参考発明1-2の遊技機は、前述した参考発明1-1の遊技機において、
前記演出モード制御手段は、前記所定期間の経過により演出モードを前記第1演出モードから前記第2演出モードに切り替えた後、演出モードを前記第2演出モードから前記第3演出モードに切り替える場合がある
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、演出モード制御手段が、特別遊技後の所定期間の経過により演出モードを第1演出モードから第2演出モードに切り替えた後、演出モードを第2演出モードから第3演出モードに切り替える場合があるものとなっている。このため、特別遊技後の所定期間の経過により、演出モードが第1演出モードから第2演出モードに切り替わった場合、その後、さらに演出モードが第3演出モードに切り替わる可能性があるものとなる。これにより、特別遊技後の演出内容(演出モードの切り替わり)に遊技者の興味をより惹きつけることが可能となる。
参考発明1-3の遊技機は、前述した参考発明1-1または参考発明1-2の遊技機において、
特別遊技後の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段を備え、
前記遊技状態には、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態とがあり、
前記演出モード制御手段は、
特別遊技後の遊技状態が前記第1遊技状態である場合、演出モードを前記第3演出モードに切り替え不能であり、
特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態である場合、前記所定期間の経過により演出モードを前記第1演出モードから前記第2演出モードまたは前記第3演出モードに切り替え可能であるとともに、前記第2演出モードに切り替えた場合の当該切り替え後の所定時期に、演出モードを前記第2演出モードから前記第3演出モードに切り替え可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、特別遊技後の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段を備えており、特別遊技後の遊技状態には、少なくとも、第1遊技状態と、第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態とが存在するものとなっている。そして、特別遊技後の遊技状態が第1遊技状態である場合には、演出モードを第3演出モードに切り替えることが不可能となっており、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態である場合には、所定期間の経過により、演出モードを第1演出モードから第2演出モードまたは第3演出モードに切り替えることが可能となっているとともに、第2演出モードに切り替えた場合の当該切り替え後の所定時期に、演出モードを第2演出モードから第3演出モードに切り替えることが可能となっている。このため、特別遊技後の所定期間における第1演出モードは、特別遊技後の遊技状態が第1遊技状態と第2遊技状態の何れであるのかを示さない(不明とする)演出モードとなり、第2演出モードは、特別遊技後の遊技状態が第1遊技状態である旨を示す演出モードとなり、第3演出モードは、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態である旨を示す演出モードとなる。また、第2演出モードは、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態である場合にも実行可能であるため、第1演出モードから第2演出モードに切り替わった(移行)した後の所定時期(第3演出モードへの切り替わり時期)を過ぎるまでは、内部的に第2遊技状態である可能性を示唆する演出モードであるともいえる。これにより、特別遊技後の演出内容(演出モードの切り替わり)に遊技者の興味をより一層惹きつけることが可能となる。
参考発明1-4の遊技機は、前述した参考発明1-3の遊技機において、
所定条件の成立に基づいて取得された取得情報を所定の上限数まで記憶可能な取得情報記憶手段を備え、
前記取得情報に基づいて識別情報の変動表示が実行可能であり、
前記取得情報には、少なくとも、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果とする特定取得情報と、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果としない非特定取得情報とがあり、
前記演出モード制御手段は、特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態であって、前記所定期間の経過に際して、少なくとも、最先に記憶されたものから順に所定数の非特定取得情報が記憶されている場合に、前記所定期間の経過により演出モードを前記第1演出モードから前記第2演出モードに切り替え可能であるとともに、当該切り替え後、前記所定数の非特定取得情報に基づく識別情報の変動表示が終了するまでに、演出モードを前記第2演出モードから前記第3演出モードに切り替え可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、所定条件の成立により取得された取得情報を所定の上限数まで記憶することが可能となっている。識別情報の変動表示は、取得情報に基づいて実行されるものであり、その取得情報には、少なくとも、変動表示の表示結果を特定表示結果とする特定取得情報と、変動表示の表示結果を特定表示結果としない非特定取得情報とが存在するものとなっている。そして、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態であって、特別遊技後の所定期間の経過に際して、少なくとも、最先に記憶されたものから順に所定数の非特定取得情報が記憶されている場合に、当該所定期間の経過により、演出モードを第1演出モードから第2演出モードに切り替えることが可能となっているとともに、第2演出モードに切り替わってから、前述の所定数の非特定取得情報に基づく識別情報の変動表示が終了するまでに、演出モードを第2演出モードから第3演出モードに切り替えることが可能となっている。このため、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態であって、特別遊技後の所定期間の経過により演出モードを第1演出モードから第2演出モードに切り替えた場合、その後の第3演出モードへの切り替え前に、変動表示の表示結果が特定表示結果となって特別遊技が実行されることはないので、第3演出モードへの切り替え(移行)を必ず実行することが可能となる。これにより、特別遊技後の遊技状態が第1遊技状態であると見せかけて実際は第2遊技状態であることを後から示すことによる演出効果を確保することが可能となる。
参考発明1-5の遊技機は、前述した参考発明1-3または参考発明1-4の遊技機において、
所定条件の成立に基づいて取得された取得情報を記憶可能な取得情報記憶手段を備え、
前記取得情報に基づいて識別情報の変動表示が実行可能であり、
前記取得情報には、少なくとも、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果とする特定取得情報と、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果としない非特定取得情報とがあり、
前記演出モード制御手段は、特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態であって、前記所定期間の経過に際して、少なくとも特定取得情報が記憶されている場合に、前記所定期間の経過により演出モードを前記第1演出モードから前記第3演出モードに切り替え可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、所定条件の成立により取得された取得情報を記憶することが可能となっている。識別情報の変動表示は、取得情報に基づいて実行されるものであり、その取得情報には、少なくとも、変動表示の表示結果を特定表示結果とする特定取得情報と、変動表示の表示結果を特定表示結果としない非特定取得情報とが存在するものとなっている。そして、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態であって、特別遊技後の所定期間の経過に際して、少なくとも特定取得情報が記憶されている場合に、当該所定期間の経過により、演出モードを第1演出モードから第3演出モードに切り替えることが可能となっている。このため、第1演出モードから第3演出モードへの切り替え(移行)により、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態であることを遊技者に認識させた上で、特定取得情報に基づく識別情報の変動表示を行って特別遊技の実行に繋げることが可能となる。これにより、特別遊技後の演出モードの切り替わりによる演出効果を確保することが可能となる。
参考発明1-6の遊技機は、前述した参考発明1-1から参考発明1-5の何れか一つの遊技機において、
識別情報の変動表示に関する予告演出を実行可能であり、
前記第1演出モードでは、前記第2演出モードおよび前記第3演出モードに比して前記予告演出の実行可能性が低い
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示に関する予告演出を実行することが可能となっており、第1演出モードでは、第2演出モードおよび第3演出モードに比して、予告演出の実行可能性が低いものとなっている。このため、特別遊技後の所定期間が経過するまでの第1演出モードと、所定期間が経過した後の第2演出モードまたは第3演出モードとの差別化を図れるようになる。これにより、特別遊技後の演出を変化に富んだものとすることが可能となる。尚、「予告演出の実行可能性が低い」には、実行可能性がゼロである場合を含むものである。
以上の参考発明1によれば、特別遊技後の演出効果を高め、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(参考発明2)
従来、識別情報の変動表示を行い、当該変動表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機が広く知られている。この種の遊技機では、識別情報の変動表示に伴ってリーチや予告等の演出を行うことにより、遊技興趣の向上が図られている(例えば、特開2009-95470号公報を参照)。
しかしながら、従来の遊技機では、機種によって演出内容(例えば、モチーフや登場するキャラクタ等)は異なるものの、演出手法(例えば、演出の展開やパターン等)は然程変わらないため、演出が遊技者に飽きられやすいという問題があった。本参考発明2は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技者の興味を惹きつけることが可能な演出を実現して、遊技興趣の向上を図ることにある。
前述の課題を解決するための参考発明2-1の遊技機は、
識別情報の変動表示を行うことが可能な遊技機であって、
前記識別情報の変動表示が行われる際の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、
前記識別情報の変動表示に伴い所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記遊技状態には、少なくとも第1遊技状態と第2遊技状態とがあり、
前記所定の演出には、少なくとも第1演出と第2演出とがあり、
前記第1演出と前記第2演出には、同様の演出内容が含まれており、
前記演出実行手段は、前記遊技状態が前記第1遊技状態に制御されている場合に前記第1演出を実行可能であり、前記遊技状態が前記第2遊技状態に制御されている場合に前記第2演出を実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示が行われる際の遊技状態として、少なくとも第1遊技状態と第2遊技状態とを有し、識別情報の変動表示に伴って実行可能な演出として、少なくとも第1演出と第2演出とを有し、第1演出と第2演出には同様の演出内容が含まれているものとなっている。そして、遊技状態が第1遊技状態に制御されている場合には、第1演出を実行することが可能となっており、第2遊技状態に制御されている場合には、第2演出を実行することが可能となっている。このため、第1遊技状態と第2遊技状態とで同様の演出内容を含む演出を実行可能としつつ、その演出の機能を遊技状態によって異なるものとすることが可能となる。これにより、各遊技状態で実行される演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
参考発明2-2の遊技機は、前述した参考発明2-1の遊技機において、
前記第2遊技状態は、前記識別情報の変動表示の実行頻度が前記第1遊技状態よりも高くなる高頻度状態である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第2遊技状態が、識別情報の変動表示の実行頻度が第1遊技状態よりも高くなる高頻度状態となっている。このため、第1遊技状態と第2遊技状態(高頻度状態)とで同様の演出内容を含む演出を実行可能としつつ、その演出の機能を高頻度状態であるか否かによって異なるものとすることが可能となる。これにより、各遊技状態で実行される演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
参考発明2-3の遊技機は、
識別情報の変動表示を行うことが可能な遊技機であって、
前記識別情報の変動表示が行われる際の演出モードを制御可能な演出モード制御手段と、
前記識別情報の変動表示に伴い所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出モードには、少なくとも第1演出モードと第2演出モードとがあり、
前記所定の演出には、少なくとも第1演出と第2演出とがあり、
前記第1演出と前記第2演出には、同様の演出内容が含まれており、
前記演出実行手段は、前記演出モードが前記第1演出モードに制御されている場合に前記第1演出を実行可能であり、前記演出モードが前記第2演出モードに制御されている場合に前記第2演出を実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示が行われる際の演出モードとして、少なくとも第1演出モードと第2演出モードとを有し、識別情報の変動表示に伴って実行可能な演出として、少なくとも第1演出と第2演出とを有し、第1演出と第2演出には同様の演出内容が含まれているものとなっている。そして、演出モードが第1演出モードに制御されている場合には、第1演出を実行することが可能となっており、第2演出モードに制御されている場合には、第2演出を実行することが可能となっている。このため、第1演出モードと第2演出モードとで同様の演出内容を含む演出を実行可能としつつ、その演出の機能を演出モードによって異なるものとすることが可能となる。これにより、各演出モードで実行される演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
参考発明2-4の遊技機は、前述した参考発明2-1から参考発明2-3の何れか一つの遊技機において、
識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技を実行可能であり、
前記識別情報の変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる場合に、前記演出実行手段が前記第1演出を実行する割合と前記第2演出を実行する割合とが異なる
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技を実行することが可能となっており、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となる場合における第1演出の実行割合(実行可能性)と第2演出の実行割合(実行可能性)とが異なるものとなっている。このため、遊技者にとっては、同様の演出内容を含む演出(第1演出または第2演出)が実行されたとしても、そのときの遊技状態または演出モードによって、演出の期待度(特別遊技の実行に対する期待度)が異なるものとなる。これにより、演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
参考発明2-5の遊技機は、前述した参考発明2-1から参考発明2-4の何れか一つの遊技機において、
前記演出実行手段は、前記第1演出および前記第2演出を、前記識別情報の変動表示に関する情報を示唆する演出として実行可能であり、
前記第1演出と前記第2演出とでは、示唆する情報の内容が異なる
ことを特徴とするものである。
参考発明2-5の遊技機では、第1演出および第2演出を、識別情報の変動表示に関する情報を示唆する演出として実行することが可能となっており、第1演出と第2演出とでは、示唆する情報の内容が異なるものとなっている。このため、遊技者にとっては、同様の演出内容を含む演出(第1演出または第2演出)が実行されたとしても、そのときの遊技状態または演出モードによって、示唆の内容が異なるものとなる。これにより、演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
以上の参考発明2によれば、遊技者の興味を惹きつけることが可能な演出を実現して、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(参考発明3)
従来、所定条件の成立に基づいて識別情報の変動表示を行い、変動表示の表示結果が特定表示結果になることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機が広く知られている。この種の遊技機において、演出用の可動体(可動役物)を動作させる演出(「可動演出」ともいう)を備えたものがある。演出用の可動体は、遊技領域の略中央に位置する演出表示用の表示画面の周囲に設けられることが多く、この場合の演出動作の一つとして、可動体が表示画面の手前側に出現するものがある(例えば、特開2005-34316号公報を参照)。
しかしながら、可動体(可動役物)が表示画面の手前側に出現する態様の可動演出は、既に多くの遊技機で採用されており、可動演出による演出効果を得るのが難しくなってきているという問題があった。本参考発明3は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、可動演出による演出効果を高めて、遊技興趣の向上を図ることにある。
前述の課題を解決するための参考発明3-1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて識別情報の変動表示を行い、変動表示の表示結果が特定表示結果となることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
遊技者が視認可能な遊技部品と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、所定の可動演出手段を動作させて前記遊技部品の手前側に位置させる可動演出を実行可能であり、
前記可動演出を実行することで前記遊技部品の手前側に位置する可動演出手段により覆われる前記遊技部品の範囲が大きいほど、識別情報の変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性が高い
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技を実行することが可能となっている。また、所定の可動演出手段を動作させて、当該可動演出手段を遊技者が視認可能な遊技部品の手前側に位置させる可動演出を実行することが可能となっている。可動演出を実行すると、可動演出手段が遊技部品の手前側に位置することとなるが、その際、可動演出手段により覆われる遊技部品の範囲が大きいほど、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となる可能性が高いものとなっている。このため、可動演出の実行に伴って可動演出手段が覆う遊技部品の範囲の大小によって、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となる期待度(特別遊技の実行に対する期待度)を示唆することが可能となる。これにより、可動演出による演出効果を高めて、可動演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となり、延いては遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
参考発明3-2の遊技機は、前述した参考発明3-1の遊技機において、
前記可動演出には、少なくとも、第1可動演出手段を動作させて前記遊技部品の手前側に位置させる第1可動演出と、第2可動演出手段を動作させて前記遊技部品の手前側に位置させる第2可動演出とがあり、
前記第1可動演出を実行することで前記遊技部品の手前側に位置する第1可動演出手段により覆われる前記遊技部品の範囲に比べ、前記第2可動演出を実行することで前記遊技部品の手前側に位置する第2可動演出手段により覆われる前記遊技部品の範囲の方が大きい
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、可動演出として、少なくとも、第1可動演出手段を動作させて遊技部品の手前側に位置させる第1可動演出と、第2可動演出手段を動作させて遊技部品の手前側に位置させる第2可動演出とを備えるものとなっている。そして、第1可動演出の実行により第1可動演出手段が遊技部品の手前側に位置したときの該第1可動演出手段により覆われる遊技部品の範囲に比べ、第2可動演出の実行により第2可動演出手段が遊技部品の手前側に位置したときの該第2可動演出手段により覆われる遊技部品の範囲の方が、大きい(広い)ものとなっている。このため、第2可動演出を、第1可動演出に比べて期待度の高い可動演出とすることが可能となる。これにより、可動演出による期待度の示唆を遊技者にとって分かりやすいものとすることが可能となる。
参考発明3-3の遊技機は、前述した参考発明3-2の遊技機において、
前記演出実行手段は、識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに前記可動演出を実行する場合、少なくとも、前記第1可動演出を実行して前記第2可動演出を実行しない態様、前記第1可動演出を実行した後に前記第2可動演出を実行する態様または前記第1可動演出を実行せずに前記第2可動演出を実行する態様で、前記可動演出を実行することが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに可動演出を実行する場合、少なくとも、第1可動演出を実行して第2可動演出を実行しない態様、第1可動演出を実行した後に第2可動演出を実行する態様または第1可動演出を実行せずに第2可動演出を実行する態様で、可動演出を実行することが可能となっている。このため、可動演出の実行に際しては、少なくとも3つの態様のうち何れの態様で実行されるのかを遊技者に注目させることが可能となる。これにより、可動演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
参考発明3-4の遊技機は、前述した参考発明3-2または参考発明3-3の遊技機において、
前記第1可動演出では、前記第1可動演出手段が所定の第1動作パターンに基づいて動作可能であり、
前記第2可動演出では、前記第2可動演出手段が所定の第2動作パターンに基づいて動作可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第1可動演出では、第1可動演出手段が所定の第1動作パターンに基づいて動作することが可能となっており、第2可動演出では、第2可動演出手段が所定の第2動作パターンに基づいて動作することが可能となっている。このため、第1可動演出における第1可動演出手段の動作パターンや第2可動演出における第2可動演出手段の動作パターンの設計の自由度が増し、動作パターンの多様化も容易となる。これにより、第1可動演出や第2可動演出による演出効果を高めやすくすることが可能となる。
参考発明3-5の遊技機は、前述した参考発明3-2から参考発明3-4の何れか一つの遊技機において、
前記第2可動演出手段は、複数の可動部材を含んで構成されており、
前記第2可動演出を実行していないとき、前記複数の可動部材は、それぞれ所定の待機位置に位置して離れた状態となり、
前記第2可動演出を実行したとき、前記複数の可動部材は、それぞれ前記遊技部品の手前側に移動して近接した状態となる
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第2可動演出手段が複数の可動部材を含んで構成されており、第2可動演出を実行していないとき、複数の可動部材は、それぞれ所定の待機位置に位置して離れた状態となり、第2可動演出を実行したとき、複数の可動部材は、それぞれ遊技部品の手前側に移動して近接した状態となるように構成されている。このため、第2可動演出における第2可動演出手段の動作は、複数の可動部材が、それぞれ待機位置から遊技部品の手前側(動作位置)へ移動して、その手前側で近接した状態となることによって実現される。そして、近接した状態となった複数の可動部材(第2可動演出手段)により遊技部品が覆われることとなる。これにより、第2可動演出をインパクトのある演出とすることが可能となる。
参考発明3-6の遊技機は、前述した参考発明3-1から参考発明3-5の何れか一つの遊技機において、
所定の画像を表示可能な画像表示装置を備え、
前記画像表示装置は、その表示画面を手前側に向けて配されており、
前記遊技部品は前記画像表示装置である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、所定の画像を表示可能な画像表示装置が、その表示画面を手前側に向けて配されており、この画像表示装置が、可動演出の実行に伴い可動演出手段によって覆われる対象(つまり、遊技部品)となっている。このため、可動演出の実行に伴って可動演出手段が覆う画像表示装置(表示画面)の範囲の大小によって、特別遊技の実行に対する期待度を示唆することが可能となる。これにより、画像表示装置(表示画面)に注目して遊技を行っている遊技者の興味を可動演出に惹きつけることが容易となる。
以上の参考発明3によれば、可動演出による演出効果を高めて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(参考発明4)
従来、識別情報(例えば特別図柄や演出図柄等)の変動表示を行い、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機が広く知られている。この種の遊技機では、識別情報の変動表示中に、遊技者の期待感を高めるための様々な演出を行うことにより、遊技興趣の向上が図られている。そのような演出として、現在実行中の識別情報の変動表示や後に実行されることが決まっている識別情報の変動表示に関する情報(例えば、表示結果が特定表示結果となる可能性(信頼度)や表示結果が導出されるまでの演出態様等)を予告する予告演出が知られている(例えば特開2003-164617号公報、特開2009-95470号公報を参照)。
しかしながら、前述した予告演出は既に多くの遊技機に採用されており、予告演出の態様も画一的となっている。このため、遊技興趣を高めることが難しくなってきている。本参考発明4は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技者の興味を惹きつけることが可能な予告演出を実現し、遊技興趣の向上を図ることにある。
前述の課題を解決するための参考発明4-1の遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、該変動表示の表示結果が特定表示結果となることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
識別情報の変動表示に関する予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、
識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
前記遊技状態には、少なくとも第1遊技状態と第2遊技状態とがあり、
前記遊技状態が前記第1遊技状態に制御されているときと前記第2遊技状態に制御されているときとで、予告演出の態様が異なる場合がある
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示に関する予告演出を実行することが可能となっており、また、識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも第1遊技状態と第2遊技状態に制御することが可能となっている。そして、遊技状態が第1遊技状態に制御されているときと第2遊技状態に制御されているときとで、予告演出の態様が異なる場合があるものとなっている。このため、第1遊技状態と第2遊技状態とで予告演出の差別化を図ることが可能となる。これにより、各遊技状態で予告演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明4-2の遊技機は、前述した参考発明4-1の遊技機において、
識別情報の変動表示は、所定条件の成立により取得された取得情報に基づいて実行されるものであり、
所定条件の成立により取得された取得情報を記憶可能な取得情報記憶手段を備え、
前記予告演出には、少なくとも、取得情報記憶手段に記憶された取得情報に基づく識別情報の変動表示の実行前に該変動表示に関する示唆を行う第1予告演出があり、
前記予告演出の態様は、少なくとも第1予告演出に関する態様である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、所定条件の成立により取得される取得情報に基づいて識別情報の変動表示が実行されるものとなっており、その取得された取得情報を記憶することが可能な取得情報記憶手段を備えるものとなっている。そして、予告演出として、少なくとも、取得情報記憶手段に記憶された取得情報に基づく識別情報の変動表示の実行前に該変動表示に関する示唆を行う第1予告演出を有しており、第1遊技状態と第2遊技状態とで予告演出の態様が異なる場合の当該態様が、少なくとも第1予告演出に関する態様となっている。このため、第1遊技状態と第2遊技状態とで第1予告演出の差別化を図ることが可能となる。これにより、各遊技状態で第1予告演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明4-3の遊技機は、前述した参考発明4-2の遊技機において、
取得情報記憶手段に取得情報が記憶されていることを示す記憶表示を表示可能な記憶表示手段を備え、
前記第1予告演出は、前記記憶表示を通常と異なる特定記憶表示に変化させるものであり、
前記第1予告演出に関する態様には、少なくとも、前記記憶表示を特定記憶表示に変化させる場合の当該特定記憶表示の表示態様があり、
前記遊技状態が前記第1遊技状態に制御されているときと前記第2遊技状態に制御されているときとで、前記表示態様が異なる
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、取得情報記憶手段に取得情報が記憶されていることを示す記憶表示を表示可能な記憶表示手段を備え、第1予告演出が、記憶表示を通常と異なる特定記憶表示に変化させるものとなっている。そして、第1予告演出に関する態様には、少なくとも、記憶表示を特定記憶表示に変化させる場合の当該特定記憶表示の表示態様があり、遊技状態が第1遊技状態に制御されているときと第2遊技状態に制御されているときとで、その特定記憶表示の表示態様が異なるものとなっている。このため、第1遊技状態と第2遊技状態とで第1予告演出に係る記憶表示(特定記憶表示)の表示態様の差別化を図ることが可能となる。これにより、各遊技状態で第1予告演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明4-4の遊技機は、前述した参考発明4-1から参考発明4-3の何れか一つの遊技機において、
識別情報の変動表示中に当該変動表示に対応する対応表示を表示可能な対応表示手段を備え、
前記予告演出には、少なくとも前記対応表示を用いた第2予告演出があり、
前記予告演出の態様は、少なくとも第2予告演出に関する態様である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示中に当該変動表示に対応する対応表示を表示可能な対応表示手段を備えており、予告演出として、少なくとも対応表示を用いた第2予告演出を有しており、第1遊技状態と第2遊技状態とで予告演出の態様が異なる場合の当該態様が、少なくとも第2予告演出に関する態様となっている。このため、第1遊技状態と第2遊技状態とで第2予告演出の差別化を図ることが可能となる。これにより、各遊技状態で第2予告演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明4-5の遊技機は、前述した参考発明4-4の遊技機において、
前記第2予告演出に関する態様には、少なくとも、前記第2予告演出を実行しない第1態様と、前記第2予告演出を実行する第2態様とがあり、
前記遊技状態が前記第1遊技状態に制御されているときの予告演出の態様と、前記遊技状態が前記第2遊技状態に制御されているときの予告演出の態様との何れか一方に前記第1態様が含まれ、他方に前記第2態様が含まれる
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第2予告演出に関する態様として、少なくとも、第2予告演出を実行しない第1態様と、第2予告演出を実行する第2態様と、を有しており、遊技状態が第1遊技状態に制御されているときの予告演出の態様と、遊技状態が第2遊技状態に制御されているときの予告演出の態様との何れか一方に第1態様が含まれ、他方に第2態様が含まれるものとなっている。このため、第1遊技状態と第2遊技状態の何れか一方を第2予告演出が実行され得る遊技状態とし、他方を第2予告演出が実行されない遊技状態とすることが可能となる。これにより、各遊技状態での第2予告演出の有無により予告演出の差別化を図ることが可能となる。
参考発明4-6の遊技機は、前述した参考発明4-1から参考発明4-5の何れか一つの遊技機において、
前記第2遊技状態は、識別情報の変動表示の実行頻度が前記第1遊技状態よりも高くなる高頻度状態である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第2遊技状態が、識別情報の変動表示の実行頻度が第1遊技状態よりも高くなる高頻度状態となっている。このため、第2遊技状態(高頻度状態)では、第1遊技状態に比して識別情報の変動表示の実行頻度が高くなる分、予告演出の実行機会も増えることとなる。これにより、第2遊技状態(高頻度状態)の遊技興趣を高めることが可能となる。
以上の参考発明4によれば、遊技者の興味を惹きつけることが可能な予告演出を実現し、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(参考発明5)
従来、遊技領域の略中央に液晶表示装置等を含むセンター役物(中央役物)を備え、通常の遊技状態では、センター役物より左側の遊技領域に向けて遊技球を発射(所謂「左打ち」)し、大当り遊技や確変遊技等の遊技者にとって有利な遊技が行われる遊技状態では、センター役物より右側の遊技領域に向けて遊技球を発射(所謂「右打ち」)するタイプの遊技機が知られている。この種の遊技機では、大当り遊技や確変遊技の実行に際し、遊技者に右打ちを促す指示報知を行うのが一般的である(例えば、特開2008-12185号公報を参照)。
近年の遊技機では、遊技興趣を向上させるべく、遊技中に行われる演出の派手さが増す傾向にある。このため、遊技中に行われる右打ちの指示報知が演出に紛れてしまい、遊技者にとって認識し難いものとなってしまう虞がある。本参考発明5は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技者にとって認識し易い発射の指示報知を実行可能な遊技機を提供することにある。
前述の課題を解決するための参考発明5-1の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して遊技を行う遊技機であって、
遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、
前記遊技領域のうち何れの領域に向けて遊技球を発射するかを指示する指示報知を実行可能な指示報知実行手段と、を備え、
前記遊技状態には、少なくとも、前記遊技領域のうち所定の領域に向けて遊技球を発射して遊技を行う所定遊技状態があり、
前記所定遊技状態には、少なくとも、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とがあり、
前記指示報知には、前記所定の領域に向けて遊技球を発射することを指示する所定指示報知があり、
前記指示報知実行手段は、前記第1所定遊技状態と前記第2所定遊技状態とで、前記所定指示報知を同様の態様で実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、遊技領域のうち所定の領域に向けて遊技球を発射して遊技を行う所定遊技状態として、少なくとも、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とを備えるものとなっている。また、遊技領域のうち所定の領域に向けて遊技球を発射することを指示する所定指示報知を、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで、同様の態様で実行することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで遊技状態は異なるものの、所定指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態の何れの遊技状態であっても、所定指示報知を認識し易いものとなる。
参考発明5-2の遊技機は、前述した参考発明5-1の遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、遊技状態を前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に制御可能であり、
前記指示報知実行手段は、前記第1所定遊技状態にて前記所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に移行した後も前記第1所定遊技状態での前記所定指示報知を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第1所定遊技状態にて所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が第1所定遊技状態から第2所定遊技状態に移行した場合には、当該移行後の第2所定遊技状態においても、移行前の第1所定遊技状態での所定指示報知を実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が第1所定遊技状態から第2所定遊技状態に移行したとしても、その移行前後で所定指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、所定指示報知を認識し易いものとなる。
参考発明5-3の遊技機は、前述した参考発明5-2の遊技機において、
前記指示報知実行手段は、遊技状態が前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に移行した後の前記所定指示報知の態様を、前記第2所定遊技状態中の所定時期に変更可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、遊技状態が第1所定遊技状態から第2所定遊技状態に移行した後も第1所定遊技状態での所定指示報知を実行する場合の当該所定指示報知の態様を、第2所定遊技状態中の所定時期に変更することが可能となっている。これにより、第1所定遊技状態から第2所定遊技状態への移行後に所定指示報知の態様が変化し得るものとなるので、遊技者を所定指示報知に注目させることが可能となる。
参考発明5-4の遊技機は、前述した参考発明5-1から参考発明5-3の何れか一つの遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、遊技状態を前記第2所定遊技状態から前記第1所定遊技状態に制御可能であり、
前記指示報知実行手段は、前記第2所定遊技状態にて前記所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が前記第2所定遊技状態から前記第1所定遊技状態に移行した後も前記第2所定遊技状態での前記所定指示報知を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第2所定遊技状態にて所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が第2所定遊技状態から第1所定遊技状態に移行した場合には、当該移行後の第1所定遊技状態においても、移行前の第1所定遊技状態での所定指示報知を実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が第2所定遊技状態から第1所定遊技状態に移行したとしても、その移行前後で所定指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、所定指示報知を認識し易いものとなる。
参考発明5-5の遊技機は、前述した参考発明5-4の遊技機において、
前記指示報知実行手段は、遊技状態が前記第2所定遊技状態から前記第1所定遊技状態に移行した後の前記所定指示報知の態様を、前記第1所定遊技状態中の所定時期に変更可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、遊技状態が第2所定遊技状態から第1所定遊技状態に移行した後も第2所定遊技状態での所定指示報知を実行する場合の当該所定指示報知の態様を、第1所定遊技状態中の所定時期に変更することが可能となっている。これにより、第2所定遊技状態から第1所定遊技状態への移行後に所定指示報知の態様が変化し得るものとなるので、遊技者を所定指示報知に注目させることが可能となる。
参考発明5-6の遊技機は、前述した参考発明5-1から参考発明5-5の何れか一つの遊技機において、
前記指示報知実行手段は、前記所定の領域に向けて遊技球を発射することを指示する所定指示画像を所定の表示手段に表示することにより前記所定指示報知を実行可能であり、
前記第1所定遊技状態と前記第2所定遊技状態とで、同一の前記所定指示画像を前記表示手段に表示可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、所定の表示手段に所定指示画像を表示することにより、所定指示報知を実行することが可能となっている。そして、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで、同一の所定指示画像を表示することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで遊技状態は異なるものの、所定指示画像は同一となるので、所定指示画像の表示(所定指示報知)を認識し易いものとなる。
参考発明5-7の遊技機は、前述した参考発明5-6の遊技機において、
前記指示報知実行手段は、前記第1所定遊技状態と前記第2所定遊技状態とで、同一の前記所定指示画像を前記表示手段の同一の表示部に表示可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで、同一の所定指示画像を表示手段の同一の表示部に表示することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで遊技状態は異なるものの、所定指示画像およびその表示位置は共に同一となるので、所定指示画像の表示(所定指示報知)を認識し易いものとなる。
以上の参考発明5によれば、遊技者にとって認識し易い発射の指示報知を実行することが可能となる。
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、4 レール部材、5 盤面ランプ、6 球戻り防止片、7 画像表示装置、7a 表示画面、8 演出図柄、9a 第1演出保留、9b 第2演出保留、9c 第1演出保留表示領域(第1演出保留表示部)、9d 第2演出保留表示領域(第2演出保留表示部)、9e 変動保留表示領域、13 第1可動装飾部材、14 第2可動装飾部材、14a,14b,14c 可動体、20 第1始動口、21 第2始動口、28 ゲート、30 大入賞口、31 大入賞装置、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、70 左打ち指示画像、70a 左打ち文字画像、70b 左矢印画像、70c 左打ち表示領域(左打ち指示画像表示部)、71 右打ち指示画像、71a 右打ち文字画像、71b 右矢印画像、71c 右打ち表示領域(右打ち指示画像表示部)、80 主制御基板(主制御部)、81 遊技制御用マイコン、90 サブ制御基板(サブ制御部)、91 演出制御用マイコン、100 画像制御基板(画像制御部)、101 画像制御用マイコン。

Claims (2)

  1. 識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
    演出内容が異なる複数の演出モードのいずれかに制御可能な演出モード制御手段と、
    前記特別遊技後の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、
    所定条件の成立に基づいて取得された取得情報を所定の上限数まで記憶可能な取得情報記憶手段と、を備え、
    前記複数の演出モードには、少なくとも第1演出モードと第2演出モードと第3演出モードとがあり、
    前記遊技状態には、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態とがあり、
    前記取得情報に基づいて識別情報の変動表示が実行可能であり、
    前記取得情報には、少なくとも、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果とする特定取得情報と、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果としない非特定取得情報とがあり、
    前記演出モード制御手段は、
    前記特別遊技が終了してからの所定期間における演出モードを前記第1演出モードに設定可能であるとともに、前記所定期間の経過により、演出モードを前記第1演出モードから前記第2演出モードまたは前記第3演出モードに切り替え可能であって、
    前記特別遊技後の遊技状態が前記第1遊技状態である場合、演出モードを前記第3演出モードに切り替え不能であり、
    前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態であって、前記所定期間の経過に際して、最先に記憶されたものから順に所定数の前記非特定取得情報が前記取得情報記憶手段に記憶されている場合、前記所定期間の経過により、演出モードを前記第1演出モードから前記第2演出モードに切り替え可能であるとともに、当該切り替え後、前記所定数の前記非特定取得情報に基づく識別情報の変動表示が終了するまでに、演出モードを前記第2演出モードから前記第3演出モードに切り替え可能である
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
    演出内容が異なる複数の演出モードのいずれかに制御可能な演出モード制御手段と、
    前記特別遊技後の遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、
    所定条件の成立に基づいて取得された取得情報を記憶可能な取得情報記憶手段と、を備え、
    前記複数の演出モードには、少なくとも第1演出モードと第2演出モードと第3演出モードとがあり、
    前記遊技状態には、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態とがあり、
    前記取得情報に基づいて識別情報の変動表示が実行可能であり、
    前記取得情報には、少なくとも、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果とする特定取得情報と、識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果としない非特定取得情報とがあり、
    前記演出モード制御手段は、
    前記特別遊技が終了してからの所定期間における演出モードを前記第1演出モードに設定可能であるとともに、前記所定期間の経過により、演出モードを前記第1演出モードから前記第2演出モードまたは前記第3演出モードに切り替え可能であって、
    前記特別遊技後の遊技状態が前記第1遊技状態である場合、演出モードを前記第3演出モードに切り替え不能であり、
    前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態であって、前記所定期間の経過に際して、前記特定取得情報が前記取得情報記憶手段に記憶されている場合、前記所定期間の経過により演出モードを前記第1演出モードから前記第3演出モードに切り替え可能である
    ことを特徴とする遊技機。
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