JP2010091294A - 光ファイバセンサ装置および温度とひずみの計測方法と光ファイバセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、OFDR方式に適用される光ファイバセンサ装置であって、光ファイバのコアに形成したFBGからなるひずみ検知用のセンサ部3と、該ひずみ検知用のセンサ部に接続されてその端部に反射部を備えた温度検知用光ファイバからなる温度検知用のセンサ部7とを具備した光ファイバセンサSと、参照用反射端16と、光源12と、受光器13とが備えられ、前記温度検知用光ファイバの光路長の変化量から温度変化を計測し、前記FBGのブラッグ波長のシフト量から前記計測された温度変化に相当するブラッグ波長のシフト量を減算することによりひずみを計測する。
【選択図】図2
Description
これら構造物の健全性評価を行うための光ファイバセンサに求められる性能として、ひずみ分解能が高いこと、多点のセンサを有すること(検知範囲が広いこと)、リアルタイムで計測できること、などが挙げられる。
FBGとは、光ファイバのコアに周期的な屈折率変化を持たせた光ファイバ型デバイスであり、コアの屈折率変化の周期と実効屈折率によって定まる特定の波長の光を反射する特性を有する。この反射光がブラッグ反射光であり、その反射波長はブラッグ波長と呼ばれる。
このFBGに温度変化やひずみなどが生じると、これに応じてコアの屈折率変化の周期や実効屈折率が変化し、ブラッグ波長がシフトする。このブラッグ波長のシフト量と温度変化量やひずみ量との関係を予め測定しておくことで、ブラッグ波長のシフト量から温度変化やひずみを計測することができる。このFBGからなる光ファイバセンサには、ブラッグ波長のシフト量を計測する手段の測定精度にもよるが、極めて高い分解能で温度変化とひずみを計測することができる特徴がある。
以上説明したとおり、FBGからなる光ファイバセンサは、FBGに生じた温度変化やひずみを高い分解能で計測できるのが最大の特徴であり、この温度変化やひずみを計測する手段も豊富にあるという利点を有している。
しかしながら、この特許文献2に記載されている光ファイバセンサは、ひずみ量と測定光の強度変動(光ファイバの曲がり)に定量的な相関関係が無いので、FBGをセンサとした光ファイバセンサのような正確なひずみ測定ができない問題がある。この特許文献2との比較からも、FBGからなる光ファイバセンサの有用性は明らかである。
このような光ファイバセンサおよびその計測方法として、特許文献1に記載の技術では、複数個配置されたFBGのうち、1つをひずみが作用しない(無ひずみ)状態とし、このFBGのブラッグ波長のシフト量を計測することで、光源の波長掃引の不安定性を取り除くとともに、全てのFBGが同一の温度である場合に限り、ひずみ検知用のFBGの温度補正(つまり、ひずみ検知用のFBGに生じる温度変化の計測)を行えることが記載されている。
更に、特許文献3に記載されているひずみ検知用のFBGでは、温度無依存性構造とするために光ファイバセンサが高価となる上に、ひずみ検知用のFBGに生じる温度変化を計測できない問題がある。
本発明において、前記温度検知用のセンサ部となる光ファイバはチューブに遊挿されていることを特徴とする。
本発明において、前記ひずみ検知用のセンサ部となるFBGと、温度検知用のセンサ部となる光ファイバの一端あるいは両端は面状体に取り付けられてなることを特徴とする。
本発明において、前記面状体は金属薄板でも良い。
本発明において、前記ひずみ検知用のセンサ部となるFBGの一端部あるいは両端部と、前記温度検知用のセンサ部となる光ファイバの一端部あるいは両端部が接着層により前記面状体に固定されてなる構造でも良い。
本発明において、前記光ファイバの光路長の計測結果を基に、温度検知用のセンサとなる光ファイバの光路長の変化から温度変化量を計測するとともに、ひずみ検知用のセンサとなるFBGのブラッグ波長のシフト量から温度検知用のセンサとなる光ファイバで計測した温度変化に相当するブラッグ波長のシフト量を減算してひずみを測定する制御装置は、前記受光器と前記光源に接続した状態で設けられてなる構造でも良い。
本発明の温度とひずみの計測方法において、前記温度検知用のセンサ部となる光ファイバのファイバ長の変化量から温度変化を計測するに際し、温度検知用のセンサ部となる光ファイバ端面に設けた反射部からの反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化を利用して温度検知用のセンサ部となる光ファイバ端面の反射部位置を特定して該光ファイバの光路長を計測し、この光路長の変化から温度変化量を計測することができる。
光ファイバのコアに形成したFBGからなるひずみ検知用のセンサ部と、該ひずみ検知用のセンサ部に接続されてその端部に反射部を備えた温度検知用光ファイバからなる温度検知用のセンサ部とを具備した光ファイバセンサが備えられ、
前記温度検知用光ファイバの光路長の変化量から温度変化を計測し、前記FBGのブラッグ波長のシフト量から前記計測された温度変化に相当するブラッグ波長のシフト量を減算することによりひずみを計測することを特徴とする。
本発明の光ファイバセンサ装置において、温度検知用のセンサとなる光ファイバをチューブに遊挿してなる構造にすると、温度検知用のセンサ部にひずみが生じても、チューブのみが伸縮し、その内部に収容されている温度検知用のセンサとなる光ファイバにひずみが作用し難いので、温度検知用のセンサ部となる光ファイバはひずみによる光路長変化が生じない。これにより、正確な温度検知ができる。
更に、本発明の光ファイバセンサ装置において、温度検知用のセンサ部となる光ファイバをチューブに遊挿した状態で検知部もしくは面状体に固定するので、ひずみの影響を受けることなく温度計測することができる。
本発明の光ファイバセンサ装置において、コネクタを用いて複数の光ファイバセンサを連設している構造であるので、多点にわたる温度とひずみのセンシングが容易に実施できる。また、コネクタの着脱によってセンシングしたい点数の調整が容易にできる。
従って本発明の光ファイバセンサによれば、温度検知用のセンサ部としてFBGを用いる光ファイバセンサや、温度無依存構造を有する光ファイバセンサと比較して安価な光ファイバセンサとして提供することができる。即ち、安価な光ファイバを温度検知用のセンサとして用い、温度補償した状態でFBGにてひずみを計測することができる光ファイバセンサを提供することができる。
図1は、本発明に係る温度変化とひずみを計測する光ファイバセンサ(温度ひずみ計測センサ)の基本構造を示す構成図である。図1において本実施形態の光ファイバセンサSは、FBG(ファイバブラッググレーティング)1をコアに備えた光ファイバ2からなるひずみ検知用のセンサ部3と、このセンサ部3に光接続された光ファイバ5の端部に反射部6を形成してなる温度検知用のセンサ部7を備えて構成されている。
この実施形態の光ファイバセンサ装置10は、光カプラ(ファイバカプラ)11と、チューナブルレーザ(TLS;波長可変光源)12と、フォトダイオード(PD;光検出器)13と、参照用反射端16と、先の構造の光ファイバセンサSを備えて概略構成され、チューナブルレーザ12は光ファイバ14を介し、フォトダイオード13は光ファイバ15を介し光カプラ11に光接続され、参照用反射端16は光ファイバ17を介し、光ファイバセンサSは光ファイバ18を介して光カプラ11に光接続されている。即ち、チューナブルレーザ12とフォトダイオード13と参照用反射端16と光ファイバセンサSは光ファイバ14、15、17、18によって光カプラ11を介し連設された構造とされていて、チューナブルレーザ12から出射した測定光を光カプラ11を介して光ファイバ17と光ファイバセンサSに入射できるように構成されている。また、光ファイバ17と光ファイバセンサSに入射した測定光の一部はそれぞれ反射されるので、光カプラ11を介してフォトダイオード13で干渉光として計測することができる。
本発明に係る温度とひずみの計測方法において、ひずみ検知用のFBG1からのブラッグ反射光と、参照用反射端16からの反射光の干渉強度の周期的変化を利用して、該FBG1の位置を特定するとともに、ブラッグ波長のシフト量を計測し、それらと同時に、温度検知用のセンサ部7となる光ファイバ5の端面の反射部6と参照用反射端16からの干渉光強度の周期的変化を利用して温度検知用のセンサ部7となる光ファイバ5の端面の反射部位置を特定して該光ファイバ5の光路長を計測する。
本発明の概要は以上説明の通りであるが、本発明の具体例について以下の各実施例においてより詳細に説明する。
図3は本発明の実施例1に係る温度ひずみ計測用の光ファイバセンサの概略構成図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のA−B線に沿う断面図である。
図3に示す光ファイバセンサ20は、先に説明した光ファイバセンサSと同等構造の光ファイバセンサSを面状体21に取り付け、コネクタを備えて構成されている。即ち、本実施例の光ファイバセンサ20は、ひずみ検知用のFBG22とそれに光接続された温度検知用の光ファイバ23とFBG22の入力側となる端部側に光接続された端面をPC研磨したFCコネクタ(以下、FC/PCコネクタと略す)からなるコネクタ25と、光ファイバ23の終端部に光接続されたFC/PCコネクタからなる反射部26と、前記FBG22をその中央部に固定用樹脂にて取り付けた金属薄板等からなる面状体21と、前記温度検知用の光ファイバ23を遊挿したルースチューブ27を具備して構成されている。なお、光ファイバ23はループ状に巻かれて面状体21の上面側に設置されている。また、FBG22の部分がひずみ検知用センサ部30となり、光ファイバ23の部分が温度検知用センサ部31とされてなる。
本実施例では、このSMファイバからなる光ファイバ23のファイバ長を約40mとした。該光ファイバ23の端面に形成された反射部26は、フレネル反射(約3.4%の反射率)するファイバ端末やコネクタ端末、全反射(99%以上の反射率)する金属コーティングを施したファイバ端末など、その端面が適当な反射率を有するものが望ましい。
なお、適当な反射率とは、本発明の温度ひずみセンサを計測する計測器の性能にもよるが、0.001%以上の反射率であることが望ましい。本実施例では、温度検知用センサとなる光ファイバ23の端面にFC/PCコネクタ26を接続した。
図4は、本発明の温度とひずみの計測方法を実施するための光ファイバセンサ装置の具体例を示す概略構成図である。この例の光ファイバセンサ装置40は、3つのファイバカプラ(光カプラ)41、42、43と、チューナブルレーザ(波長可変光源;Agilent製8164A)44と、2つのフォトダイオード(光検出器; New Focus 製2117FC)45、46と、3つの参照用反射端R1、R2、R3と、先の構成の光ファイバセンサ20とから概略構成され、これらは光ファイバ51、52、53、54、55、56、57、58、59、60によって連設されている。これらの光ファイバ51〜60は、測定光の波長に対してシングルモード伝搬が可能なものであれば、いかなるものでも構わなく、一般的なSMファイバもしくはPANDA(Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)ファイバなどの偏波保持ファイバを用いることができる。本実施例では、光ファイバ23と同種のSMファイバを使用した。
チューナブルレーザ44から出射された測定光は光カプラ41に入射し、該光カプラ41にて光パワー分岐されて2つの光干渉計に入射する。
一方の光干渉計は、ファイバカプラ42、光ファイバ57とその反射端R1、光ファイバ58とその反射端R2および光ファイバ53、54とフォトダイオード45からなり、反射端R1と反射端R2のファィバ長差(光路長差)に応じたトリガを生成している。本実施例では、反射端R1と反射端R2のファイバ長差を200mとした。なお、このトリガは以下の方法で生成している。
チューナブルレーザ44から出射された測定光は一定速度で波長が変化しているので、フォトダイオード45から出力される電圧信号は、一定の光波数間隔で変動する正弦関数となる。従って、ある一定の電圧値をしきい値とし、システムコントローラ63上で該しきい値を超えるタイミング(しきい値以下の値からしきい値を上回るタイミング、もしくは、しきい値以上の値からしきい値を下回るタイミング)でトリガを生成することで、生成されたトリガは、ある一定の光波数間隔となる。
なお、このトリガ発生方法は、チューナブルレーザ44の掃引速度が一定でない場合でも、トリガが発生する光波数間隔は常に一定となる点で非常に効果的である。また、このトリガ発生方法でもチューナブルレーザ44の波長掃引の不安定性を取り除けない場合は、先の特許文献1に記載されているような波長補正用のFBGを用いても良い。(ただし、このFBGから温度補正は行わない。)
ここで光ファイバセンサ20からの反射光は、主にOFDR方式の計測器と接続したFC/PCコネクタ25、ひずみ検知用のセンサとなるFBG22および温度検知用のセンサとなる光ファイバ23の端末FC/PCコネクタ26の3箇所を起点としたものである。
D2=RFBG cos (k2nLFBG) + Rconnect cos (k2nLconnect) …(1)式
ただし、OFDR方式の計測器と接続したFC/PCコネクタ25と反射端R3とによる干渉光は、本発明で利用しないので無視する。
ここで、RFBGはFBG22と反射端R3の干渉光強度、Rconnectは温度検知用のセンサ部31となる光ファイバ23の端末FC/PCコネクタ26と反射端R3の干渉光強度、kは波数、nはSMファイバの実効屈折率、LFBGはFBG22と反射端R3のファイバ長差、Lconnectは温度検知用センサ部31となる光ファイバ23の端末FC/PCコネクタ26と反射端R3のファイバ長差を示す。本実施例では、LFBGを約2m、Lconnectを約42mとした。つまり、温度検知用のセンサ部31となる光ファイバ23のファイバ長は約40mである。
図5と図6に示すスペクトログラムは、横軸が波長、縦軸がファイバ位置(反射端R3を有する光ファイバの長さに相当する位置からのファイバ長差)、色調が反射強度を示す。図5においては、D2信号を解析した結果のうちファイバ位置1.9〜2.1mの範囲を表示したものであり、図6はD2信号を解析した結果のうちファイバ位置42.0〜42.2mの範囲を表示したものである。
図5に得られた全長98mmの反射がFBG22によるものであり、図6に得られた広波長帯域の反射が光ファイバ23の端末のFC/PCコネクタ26によるものである。FBG22による反射は1549.52nmで最大強度を示したので、該波長がブラッグ波長である。また、この計測結果よりFBG22とFC/PCコネクタ26とのファイバ長差は40.0050mであることがわかった(この値をFBG22末端からFC/PCコネクタ26までの距離と定義する)。
以下の説明において、光ファイバセンサ20で計測した上記の検知部の状態を基準温度(20℃)、基準ひずみ(0με)とする。
本実施例の光ファイバセンサ20では、最初に温度検知用のセンサ部となる光ファイバ23のOFDR方式の計測器で表される光ファイバ長から温度を計測する。例えば、基準温度では上記の通り40.0050mである。この光ファイバ長を基準光ファイバ長としたとき、本実施例のOFDR方式の計測器における検知部の温度変化にともなう光ファイバ長の変化量の関係は光ファイバ長に依存する。
図7は、OFDR方式の計測器における検知部の温度と光ファイバ長変化の関係を示すグラフである。この光ファイバ長変化は、光ファイバの実効屈折率の温度依存性および熱膨張による光ファイバ伸び、すなわち光路長変化に依存するものである。これらによる光ファイバ長の変化量は、同種の光ファイバに作製したFBGの温度変化によるブラッグ波長のシフト量から求めることができる。図8は、温度変化によるFBGのブラッグ波長のシフト量を示すグラフである。
λB=2nΛ … (2)式
ただし、(2)式において、λBはFBGのブラッグ波長、n は光ファイバの屈折率、Λは屈折率変化の周期を示す。
(2)式において、FBGが温度変化すると、光ファイバの実効屈折率の温度依存性によりnが変化し、光ファイバの熱膨張によるファイバ伸びによりΛが変化することになる。つまり、図8は、(2)式におけるnとΛの変化の総量をFBGの中心波長シフト量として求めた結果である。
一方、OFDR方式の計測器で求める光ファイバ長は、ある一定のnから光ファイバ長LFBG、Lconnectを計算するので、nの変化による光路長変化も光ファイバの熱膨張によるファイバ伸びとみなして計算していることになる。つまり、図7は、nとLFBG、Lconnectの変化の総量をLFBG、Lconnectのみの変化として計算した結果である。
ΔL=6.4536×10−6・ΔT・L …(3)式
ここで、ΔLはOFDR方式の計測器で計算される光ファイバ長変化(mm)、ΔTは検知部温度と基準温度の差(℃)、Lは光ファイバ長(mm)を示す。係数6.4536×10−6は、使用したSMファイバの単位温度変化あたりの光路長変化量示すものであり、光ファイバ毎に違う値となる。
本実施例の光ファイバセンサでは、OFDR方式の計測器を用いて温度検知用のセンサ部となる光ファイバ23のファイバ長変化を計測し、該計測を(3)式に代入してΔTを求めることにより検知部の温度を計測する。
ΔλB=1.1206・ε …(4)式
ここで、ΔλBは、ひずみによるブラッグ波長のシフト量(nm)、εはひずみ量(με)を示す。係数1.1206は、使用したSMファイバの単位ひずみ量あたりのブラッグ波長シフト量を示すものであり、光ファイバ毎に異なる値となる。
温度検知用のセンサ部31となる光ファイバ23が40m以上のとき、温度変化によるブラッグ波長シフト量を差引いてひずみ計測すると0.01nmの精度でひずみ変化によるFBG22のブラッグ波長シフト量を計測することができる。つまり、本発明の光ファイバセンサ20において、温度検知用のセンサ部31となる光ファイバ23は40m以上とすることが望ましい。
係る構成において、OFDR方式の計測器に接続される光ファイバセンサ20を第1の光ファイバセンサとし、第1の光ファイバセンサに連設される光ファイバセンサを第2の光ファイバセンサとすると、第2の光ファイバセンサは、ひずみ検知用のセンサとなるFBG22に連設された接続点を第1の光ファイバセンサ20における温度検知用の光ファイバ23の端末の反射点に接続することが望ましい。
即ち、本発明の第1実施例における光ファイバセンサ20では、第1の光ファイバセンサと第2の光ファイバセンサがFC/PCコネクタで接続されることとなる。このFC/PCコネクタ接続点の反射率は0.01%であり、OFDR方式の計測器で反射点として計測することができる。つまり、第2の光ファイバセンサを接続しても第1の光ファイバセンサ20における温度変化を計測することが可能である。このように、本発明の光ファイバセンサおよびその計測方法によると、複数の光ファイバセンサを同時に計測することも可能となる。
以上説明した本発明に係る光ファイバセンサは、OFDR方式で計測する点で特許文献1に記載の技術と同等であるが、FBGのブラッグ波長のシフト量から温度変化を計測するのではなく、光ファイバの光路長の変化から温度変化を計測する点で特許文献1に記載の技術とは異なる発明であるといえる。
また、光ファイバ端面に形成した反射部を利用して物理量を計測する点が、特許文献2に記載の技術と同等であるが、特許文献2に記載の技術では、ひずみ(人物の通過)を定性的に計測する手段であり、本発明は温度変化を定量的に計測する手段であることから、これらは異なる発明である。これは、すでに説明したそれぞれの計測方式を鑑みても明白である。
Claims (11)
- 光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングをセンサとし、該センサからのブラッグ反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化から、前記センサの位置を特定するとともに、前記センサからのブラッグ反射光の波長のシフト量からセンサ部のひずみを計測する光周波数領域反射測定方式に適用される光ファイバセンサ装置であって、
光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングからなるひずみ検知用のセンサ部と、該ひずみ検知用のセンサ部に接続されてその端部に反射部を備えた温度検知用光ファイバからなる温度検知用のセンサ部とを具備した光ファイバセンサと、参照用反射端と、光源と、受光器とが備えられ、
前記温度検知用光ファイバの光路長の変化量から温度変化を計測し、前記ファイバブラッググレーティングのブラッグ波長のシフト量から前記計測された温度変化に相当するブラッグ波長のシフト量を減算することによりひずみを計測することを特徴とする光ファイバセンサ装置。 - 前記温度検知用のセンサ部となる光ファイバのファイバ長が40m以上であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバセンサ装置。
- 前記温度検知用のセンサ部となる光ファイバがチューブに遊挿されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバセンサ装置。
- 前記ひずみ検知用のセンサ部となるファイバブラッググレーティングと、温度検知用のセンサ部となる光ファイバの一端あるいは両端が面状体に取り付けられてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバセンサ装置。
- 前記面状体が金属薄板であることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバセンサ装置。
- 前記ひずみ検知用のセンサ部となるファイバブラッググレーティングの一端部あるいは両端部と、前記温度検知用のセンサ部となる光ファイバの一端部あるいは両端部が、接着層により前記面状体に固定されてなることを特徴とする請求項4または5に記載の光ファイバセンサ装置。
- 前記ひずみ検知用のセンサ部と温度検知用のセンサ部を備えた光ファイバセンサが、複数、コネクタを介し連接され、これら連接された複数の光ファイバセンサが個々にひずみと温度を計測することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
- 前記光ファイバの光路長の計測結果を基に、温度検知用のセンサとなる光ファイバの光路長の変化から温度変化量を計測するとともに、ひずみ検知用のセンサとなるファイバブラッググレーティングのブラッグ波長のシフト量から温度検知用のセンサとなる光ファイバで計測した温度変化に相当するブラッグ波長のシフト量を減算してひずみを測定する制御装置が、前記受光器と前記光源に接続した状態で設けられてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の光ファイバセンサ装置を用い、前記温度検知用のセンサ部となる光ファイバのファイバ長の変化量から温度変化を計測し、ひずみ検知用のセンサとなるファイバブラッググレーティングのブラッグ反射波長のシフト量から温度検知用センサ部で計測した温度変化によるブラッグ反射波長のシフト量を減算してひずみを計測することを特徴とする温度とひずみの計測方法。
- 前記温度検知用のセンサ部となる光ファイバのファイバ長の変化量から温度変化を計測するに際し、温度検知用のセンサ部となる光ファイバ端面に設けた反射部からの反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化を利用して温度検知用のセンサ部となる光ファイバ端面の反射部位置を特定して該光ファイバの光路長を計測し、この光路長の変化から温度変化量を計測することを特徴とする請求項9に記載の温度とひずみの計測方法。
- 光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングをセンサとし、該センサからのブラッグ反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化から、前記センサの位置を特定するとともに、前記センサからのブラッグ反射光の波長の変化量からセンサ部のひずみを計測する光周波数領域反射測定方式に適用される光ファイバセンサであって、
光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングからなるひずみ検知用のセンサ部と、該ひずみ検知用のセンサ部に接続されてその端部に反射部を備えた温度検知用光ファイバからなる温度検知用のセンサ部が備えられ、
前記温度検知用光ファイバの光路長の変化量から温度変化を計測し、前記ファイバブラッググレーティングのブラッグ波長のシフト量から前記計測された温度変化に相当するブラッグ波長のシフト量を減算することによりひずみを計測することを特徴とする光ファイバセンサ。
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