JP3565231B2 - 光ファイバ温度センサおよび固定具 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、近接あるいは遠隔にある温度計測位置における温度を測定する光ファイバ温度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバのコア部に大強度の干渉縞光を照射することにより回折格子を形成する技術の開発に伴い、回折格子が形成された光ファイバを用いた応用品が提案されている。こうした、応用品の1つに光ファイバ温度センサがある。こうした光ファイバ温度センサの例が、「P. R. Forman et. al., Rev. Sci. Instrum. 61(10), Octorber 1990, pp.2970−2972」に開示されている。
【0003】
上記のP. R. Formanらが提案する光ファイバ温度センサは、▲1▼ゲルマニウムを添加した石英系ガラスから成り、2つの紫外光の干渉光を照射して光導波方向に屈折率の周期的な分布を回折格子を形成したコア部を有する光ファイバと、▲2▼この光ファイバを進行する、所定の波長範囲で強度が連続的に分布する光を発生する光源と、▲3▼光の波長−強度分布を測定するスペクトラムアナライザなどの光計測器を備える。
【0004】
この光ファイバ温度センサで使用する光ファイバでは、回折格子の光学的な縞間隔L(T)は温度Tにおいて、
L(T)=n(T)・Λ(T) …(1)
ここで、n(T):コア部中の回折格子部の実効屈折率
Λ(T):縞間の距離
となる。そして、コア部を進行する光の内、波長λが、
λ=2N・L(T) …(2)
ここで、N:自然数
の条件を満足すると、形成された回折格子によって効率良く反射される。ところで、回折格子の光学的な縞間隔Lの温度依存性は、
Figure 0003565231
ここで、β:光ファイバの線膨脹率
である。ゲルマニウムを添加した石英系ガラスでは、(dn(T)/dT)は温度依存性が小さく、且つ、(dn(T)/dT)/n(T)は1よりも十分に小さいとともに、線膨脹率βは温度依存性が小さいので、
Figure 0003565231
ここで、C:定数
となり、効率良く反射される光の波長λ(T=T+ΔT)は、
λ(T+ΔT)=λ(T)(1+Cλ・ΔT) …(5)
ここで、Cλ:定数
となる。したがって、事前に特定の温度Tでの反射波長λ(T)と定数Cλとを求め、温度測定位置に配置された回折格子部に、光源で発生した既知の
波長−強度分布の光を照射し、反射光あるいは透過光の波長−強度分布をスペクトラムアナライザによって検出する。そして、反射された光の波長を観測し、 (5)式より温度T(=T+ΔT)を算出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光ファイバ温度センサは上記のように構成され、光ファイバのコア部に形成された回折格子によって効率良く反射された光の波長の値を直接スペクトラムアナライザなどの計測器で測定するので、測定温度の精度はスペクトラムアナライザなどの計測器の波長の絶対値の測定精度で決まる。通常のスペクトラムアナライザの波長測定精度は約0.1nm程度であり、上記のCλはゲルマニウム添加の石英系ガラスでは10−5のオーダなので、1μm程度の波長の光を使用した場合には温度分解能は高々10℃程度である。
【0006】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、設置された温度計測位置の温度の測定にあたって測定精度を向上することができる光ファイバ温度センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の固定具は、コア部の屈折率の周期的な変化により回折格子が一部に形成された石英系ガラスからなる光ファイバを固定する固定具であって、(a)光ファイバより高い剛性を有し、回折格子の一端側の第1の固定点で光ファイバを固定する第1の固定部材と、(b)光ファイバより高い剛性を有し、回折格子の他端側の第2の固定点で光ファイバを固定する第2の固定部材と、(c)第1の固定部材と第2の固定部材とを固定するベース部材と、を備えることを特徴とする。さらに、ベース部材の熱膨張率が、第1の固定部材の熱膨張率および第2の固定部材の熱膨張率のいずれか一方より大きいことを特徴し、或いは、第1の固定部材の熱膨張率および第2の固定部材の熱膨張率のいずれか一方が、ベース部材の熱膨張率より大きいことを特徴とする。
本発明の第1の型の光ファイバ温度センサは、(a)連続的な波長を有する光を発生する光源と、(b)光源から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により第1の回折格子が一部に形成され、第1の回折格子の縞間隔に応じた波長の光を反射する第1の光ファイバと、(c)第1の光ファイバの第1の回折格子部を固定する、第1の光ファイバよりも高い剛性を有する第1の固定具と、(d)第1の回折格子で反射された光の波長を計測する波長計測器と、を備えることを特徴とする。ここで、第1の固定具は、上記の本発明に係る固定具と同様の構成を有する。
【0008】
ここで、第1の光ファイバおよび前記第1の固定具を1組の温度計測単位として、更に1つ以上の温度計測単位を備え、各温度計測単位が個々に温度計測位置に配置されることを特徴としてもよい。
【0009】
本発明の第2の型の光ファイバ温度センサは、(a)連続的な波長を有する光を発生する光源と、(b)光源から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により第1の回折格子が一部に形成され、第1の回折格子の縞間隔に応じた波長の光を反射する第1の光ファイバと、(c)第1の光ファイバの第1の回折格子部を固定する、第1の光ファイバよりも高い剛性を有するとともに、第1の熱膨脹係数を有する第1の部材からなる第1の固定具と、(d)光源から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により第2の回折格子が一部に形成され、第2の回折格子の縞間隔に応じた波長の光を反射する第2の光ファイバと、(d)第1の固定具の配設位置に近接した位置に配設された、第2の光ファイバの第2の回折格子部を固定し、第2の光ファイバよりも高い剛性を有するとともに、第1の熱膨脹係数とは異なる第2の熱膨脹係数を有する第2の部材からなる第2の固定具と、(e)第1の回折格子で反射された光の波長と第2の回折格子で反射された光の波長とを計測する波長計測器とを備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、▲1▼第1の光ファイバと第2の光ファイバとは光路上直列に接続されるとともに、測定温度範囲で、前記第1の回折格子部で反射される光の波長範囲と前記第2の回折格子部で反射される光の波長範囲とは重複範囲がないこととしてもよいし、▲2▼光源から出射された光を第1の端子から入力し、分岐後に第2の端子および第3の端子から出力するとともに、前記第2の端子から入力した光と前記第3の端子から入力した光とを前記第の端子から出力する第1の光結合器を更に備えるとともに、第2の端子と第1の光ファイバとは光学的に接続され、第3の端子と第2の光ファイバとは光学的に接続されることとしてもよい。
【0011】
また、第1の部材をアルミニウムとし、第2の部材と鉄とすることが可能である。
【0012】
更に、第1の光ファイバ、前記第1の固定具、前記第2の光ファイバ、および前記第2の固定具を1組の計測単位として、更に1つ以上の計測単位を備え、各計測単位が個々に温度計測位置に配置されることを特徴としてもよい。
【0013】
また、本発明の第1、2の光ファイバ温度センサでは、光源から出射された光を第1の端子から入力し第2の端子から出力するとともに、第2の端子から入力した光を第3の端子から出力する方向性結合器を更に備え、第3の端子と光計測器とは光学的に接続された構成とすることが可能である。
【0014】
また、固定した温度環境下に設置あるいは固定した温度に設定されるとともに、光源から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により第3回折格子が一部に形成され、第3の回折格子の縞間隔に応じた波長の光を反射する第3の光ファイバを更に備え、計測器は、第1の回折格子で反射された光の波長および第2の回折格子で反射された光の波長に加えて、第3の回折格子で反射された光の波長を計測することを特徴としてもよい。
【0015】
また、複数の計測単位は光路上直列に接続され、一つの温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲と、他の温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲とは重複範囲がない、ことを特徴としてもよい。
【0016】
また、複数の計測単位は計測器を中心として光路上放射状に接続され、一つの温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲と、他の温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲とは重複範囲がない、ことを特徴としてもよい。
【0017】
また、複数の計測単位は計測器を中心として光路上放射状に接続され、光源から出射された光が複数の計測単位を経由して計測器に至る光路の光学的な距離が夫々異なることを特徴としてもよい。
【0018】
本発明の第3の型の光ファイバ温度センサは、(a)連続的な波長を有する光を発生する光源と、(b)光源から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により第1の回折格子が一部に形成され、第1の回折格子の縞間隔に応じた波長の光を反射する第1の光ファイバと、(b)第1の光ファイバの第1の回折格子部を固定する、第1の光ファイバよりも高い剛性を有するとともに、第1の熱膨脹係数を有する第1の部材からなる第1の固定具と、(c)固定した温度環境下に設置あるいは固定した温度に設定されるとともに、光源から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により第2の回折格子が一部に形成され、第2の回折格子の縞間隔に応じた波長の光を反射する第2の光ファイバと、(c)第1の回折格子で反射された光の波長と第2の回折格子で反射された光の波長とを計測する波長計測器と、を備えることを特徴とする。
【0019】
ここで、光源から出射された光を第1の端子から入力し第2の端子から出力するとともに、第2の端子から入力した光を第3の端子から出力する方向性結合器を更に備え、第3の端子と前記光計測器とを光学的に接続して構成することが可能である。
【0020】
また、第1の光ファイバおよび前記第1の固定具を1つの計測単位として、更に1つ以上の計測単位を備え、各計測単位が個々に温度計測位置に配置されることを特徴としてもよい。
【0021】
ここで、複数の計測単位は光路上直列に接続され、一つの温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲と、他の温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲とは重複範囲がない、ことを特徴としてもよい。
【0022】
また、複数の計測単位は前記計測器を中心として光路上放射状に接続され、一つの温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲と、他の温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲とは重複範囲がない、ことを特徴としてもよい。
【0023】
また、複数の計測単位は前記計測器を中心として光路上放射状に接続され、光源から出射された光が複数の計測単位を経由して計測器に至る光路の光学的な距離が夫々異なることを特徴としてもよい。
【0032】
また、本発明の第1、2、3の光ファイバ温度センサでは、第1の回折格子は、張力が付与された状態で第1の固定具に固定されいることを特徴としてもよい。
【0033】
また、本発明の第2の光ファイバ温度センサでは、第2の回折格子は、張力が付与された状態で前記第2の固定具に固定されいることを特徴としてもよい。
【0034】
【作用】
本発明の第1の光ファイバ温度センサでは、第1の光ファイバの第1の回折格子部が第1の固定具に固定され、これらが温度計測位置に設置され、温度計測にあたっての計測単位となる。
【0035】
この状態では、第1の回折格子で反射される光の波長λは、
λ(T)=λ(T)+CR1・λ(T)・(T−T)…(6)
と表される。
【0036】
ところで、反射波長λ(T)が温度Tに関して一意的に決まるには、温度Tの増加に対して単調増加(あるいは単調減少)が保証される必要がある。こうした単調増加(あるいは単調減少)の保証は、第1の光ファイバの材料の選択、第1の回折格子の縞間隔の選択、および固定具の材料の選択によって達成される。
【0037】
以上のようにして、測定温度範囲において、反射波長λ(T)と温度Tとが1対1に対応するように光ファイバや固定具を選択して、実際の温度測定に先立って(6)式のλ(T)およびCR1・λ(T)を事前測定で求め、実測定で得られたλ(T)に基づき(6)式に従って温度計測位置における温度を算出する。
【0038】
本発明の第2の光ファイバ温度センサでは、第1の光ファイバの第1の回折格子部が第1の固定具に固定されるとともに、第2の光ファイバの第2の回折格子部が第2の固定具に固定され、これらが温度計測位置に設置され、温度計測にあたっての計測単位となる。
【0039】
この状態では、第1の回折格子で反射される光の波長λおよび第2の回折格子で反射される光の波長λは、
λ(T)=λ(T)+CR1・λ(T)・(T−T)…(6)
λ(T)=λ(T)+CR2・λ(T)・(T−T)…(7)
と表され、波長の差Δλ(T)は、
Figure 0003565231
と表される。
【0040】
ところで、波長の差Δλ(T)が温度Tに関して一意的に決まるには、波長の差Δλ(T)が正(あるいは負)であり、温度Tの増加に対して単調増加(あるいは単調減少)が保証される必要がある。こうした単調増加(あるいは単調減少)の保証は、第1および第2の光ファイバの材料の選択、第1および第2の回折格子の縞間隔の選択、および固定具の材料の選択によって達成される。最も簡単に、例えば単調増加を保証するためには、測定温度範囲がTMIN ≦T≦TMAX として、次の条件を満たすようにすればよい。
【0041】
▲1▼ 第1の光ファイバのコア部と第2の光ファイバのコア部とを同一の材料構成とする(すなわち、第1の光ファイバのコア部の実効屈折率nと第2の光ファイバのコア部の実効屈折率nとを略同一とする)。
【0042】
▲2▼ 温度TMIN において、第1の回折格子の縞間隔L(TMIN )を第2の回折格子の縞間隔L(TMIN )よりも大きく設定する。
【0043】
▲3▼ 第1の固定具の材料の熱膨張率(線膨脹率β)を第2の固定具の材料の熱膨張率(線膨脹率β)よりも大きく設定する。
【0044】
以上のようにして、測定温度範囲において、反射波長の差Δλ(T)と温度Tとが1対1に対応するように光ファイバや固定具を選択して、実際の温度測定に先立って(8)式のΔλ(T)およびCΔλを事前測定で求め、実測定で得られたΔλ(T)に基づき(8)式に従って温度計測位置における温度を算出する。
【0045】
光の波長の計測に携わる発明者の知見によれば、波長の絶対値計測が可能なスペクトラムアナライザなどの通常の波長測定器は所定の波長範囲に亘って1走査で夫々の波長の光の強度測定を行い、波長の絶対値の測定の精度に比べて波長の差は精度良く測定可能である。したがって、上記の(8)では、波長計測器による波長の絶対値の測定値の間の差のみを使用するので、本発明の第1の光ファイバ温度センサは精度良く温度の測定をする。
【0046】
上記の計測単位に加えて、第3の回折格子がコア部に形成された第3の光ファイバを固定した温度(T)環境下に設置あるいは固定した温度(T)に設定した場合には、上記(8)式の関係を含めて以下の波長の差が計測できる。
【0047】
Figure 0003565231
(8′)式と計測値Δλ12(T)、(9)式と計測値Δλ13(T)および、(10)式と計測値Δλ23(T)の夫々から算出される温度計測位置における温度は、各波長の計測値λ(T)に含まれる測定誤差が同じならば一致するが、こうした測定誤差は同一とすることが一般にはできない。したがって、各式から算出した温度の平均値を採用すれば、上記の(8)式のみから算出した温度値よりも精度が向上する。
【0048】
本発明の第3の光ファイバ温度センサでは、第1の光ファイバの第1の回折格子部が第1の固定具に固定されるとともに、第2の光ファイバの第2の回折格子部が第2の固定具に固定され、第1の光ファイバが計測単位として温度計測位置に設置されるとともに、第2の光ファイバが固定した温度(T)環境下に設置あるいは固定した温度(T)に設定される。
【0049】
この状態では、第1の回折格子で反射される光の波長λおよび第2の回折格子で反射される光の波長λは、
λ(T)=λ(T)+CR1・λ(T)・(T−T)…(11)
λ(T)=λ(T) …(12)
と表され、波長の差Δλ(T)は、
Figure 0003565231
と表される。したがって、波長の差Δλ(T)は温度Tに対して一意的に決まる。そして、実際の温度測定に先立って(13)式のΔλ(T)およびCΔλを事前測定で求め、実測定で得られたΔλ(T)に基づき(13)式に従って温度計測位置における温度を算出する。
【0050】
上記の(13)では、波長計測器による波長の絶対値の測定値の間の差のみを使用するので、本発明の第2の光ファイバ温度センサは精度良く温度の測定をする。
【0051】
【実施例】
以下、添付図面を参照して、本発明の光ファイバ温度センサの実施例を説明する。なお、図面の説明にあたって同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0052】
(第1実施例)
図1は、本発明の光ファイバ温度センサの第1実施例の構成図である。図2に示すように、この装置は、(a)連続的な波長を有する光を発生する光源100と、(b)光源100から出射された光を端子601から入力し端子602から出力するとともに、端子602から入力した光を端子603から出力する方向性結合器600と、(c)温度計測位置に設置された、光源100から出射された光を入力して温度計測位置の温度に応じた波長(波長=λ)の光を反射する温度計測単位450と、(d)回折格子219で反射された光の波長(λ)を計測するスペクトラムアナライザ500と、を備える。そして、光源100と端子601とは光ファイバ701で、端子602と温度計測単位410とは光ファイバ702で、端子603とスペクトラムアナライザ500とは光ファイバ703で接続される。
【0053】
ここで、計測単位450は、▲1▼光源100から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により回折格子219が一部に形成され、回折格子219の縞間隔に応じた波長の光を反射する光ファイバ215(コアの基本屈折率=n)と、▲2▼光ファイバ215の回折格子219部を固定する、光ファイバ215よりも高い剛性を有するとともに、熱膨脹係数(線膨脹率)αを有する固定具350とから構成される。
【0054】
図2は、本実施例で使用できる固定具350の構成図である。
図2(a)に示す固定具は、▲1▼光ファイバ215をA点で固定する、熱膨張率=α11の部材351と、▲2▼光ファイバ215をB点で固定する、熱膨張率=α12の部材352と、▲3▼部材351と部材352とを固定する、熱膨張率=α13の部材353とを備える。この固定具としてのA点とB点との間の熱膨張率αは、
α=(L・α13−L11・α11−L12・α12)/(L13・α13
となる。なお、L,L11,L12,L13は、図2(a)に示すように定義される。部材351と部材352とは、夫々、部材353の端に近い位置に固定することが望ましい。
【0055】
ここで、α13>α12かつα13>α11とすれば、α>0となり、温度上昇とともに反射波長が大きくなる。また、α13<α12かつα13<α11とすれば、α<0となる。α<0の場合には、光ファイバに張力を付与した状態で固定することにより、温度の降下で光ファイバの張力が増加するとともに、温度の上昇で張力が緩和されるので、温度上昇とともに反射波長が小さくなる。
【0056】
部材351をアルミニウムで形成し、部材352および部材353をインバールで形成するとともに、L=100mm、L11=40mm、L12=40mm、L13=20mmとすると、1550nmに対して約0.23nm/℃の熱膨張が発生する。したがって、1.55μm帯の光を使用し、回折格子の間隔を1.55μm/(2n)付近として、0.1nmの分解能のスペクトラムアナライザを使用すれば、温度分解能<0.5℃が実現される。
【0057】
図2(b)に示す固定具は、▲1▼光ファイバ215をC点で固定する、熱膨張率=α21の部材354と、▲2▼光ファイバ215をD点で固定する、熱膨張率=α22の部材355と、▲3▼部材354と部材355とを固定する、熱膨張率=α23の部材353とを備える。この固定具としてのC点とD点との間の熱膨張率αは、
α=(L21・α21+L22・α22−L・α23)/(L23・α23
となる。なお、L,L21,L22,L23は、図2(b)に示すように定義される。
【0058】
ここで、α23<α22かつα23<α21とすれば、α>0となり、温度上昇とともに反射波長が大きくなる。また、α23>α22かつα23>α21とすれば、α<0となる。α<0の場合には、光ファイバに張力を付与した状態で固定することにより、温度の降下で光ファイバの張力が増加するとともに、温度の上昇で張力が緩和されるので、温度上昇とともに反射波長が小さくなる。
【0059】
部材354をインバールで形成し、部材355および部材356をアルミニウムで形成するとともに、L=110mm、L21=70mm、L22=70mm、L23=30mmとすると、1550nmに対して約0.14nm/℃の熱膨張が発生する。したがって、1.55μm帯の光を使用し、回折格子の間隔を1.55μm/(2n)付近として、0.1nmの分解能のスペクトラムアナライザを使用すれば、温度分解能<1℃が実現される。
【0060】
以下、本装置による温度測定動作を説明する。
【0061】
まず、上記の装置構成で、温度計測単位450を、内部温度の調節が可能な同一の恒温槽内に設置する。次に、恒温槽内の温度を一定値に設定し、光ファイバおよび固定具がこの一定値の温度に安定した後、光源から光を出射し、回折格子で反射された光の波長を測定を計測する。そして、この波長差を設定温度値とともに記録する。次いで、恒温槽内の温度を変化させつつ、回折格子で反射された光の波長を測定して、波長値を設定温度とともに記録する。引き続き、記録結果から(6)式のλ(T)およびCR1・λ(T)とを求める。
【0062】
上記の事前測定の後、本実施例の光ファイバ温度センサは以下のようにして、温度計測位置の温度を測定する。
【0063】
まず、上記の装置構成で温度計測単位450を温度計測位置に設置し、光源100から連続的な波長分布を有する光を出射する。光源100から出射された光は、光ファイバ701、方向性結合器600、および光ファイバ702を順次経由して温度測定単位450に入射する。温度測定単位450では、光ファイバ215に光源100から出射された光が入射して、光ファイバ215内を進行し、回折格子219で温度測定位置の温度(T)における縞間隔Λ(T)・(2n)と略同一の波長(λ(T))の光が反射される。その他の波長の光は光ファイバ215を透過する。
【0064】
回折格子219で反射された光は、光ファイバ702、方向性結合器600、および光ファイバ703を順次経由してスペクトラムアナライザ500に入射し波長(λ(T))が計測される。こうして計測された波長値(λ(T))と事前測定で求めたλ(T)およびCR1・λ(T)とを使用し、(8)式に基づいて温度Tを算出する。
【0065】
(第2実施例)
図3は、本発明の光ファイバ温度センサの第2実施例の構成図である。この装置は、第1実施例の装置構成に温度計測単位を追加して光学的に直列に接続し、複数の温度計測位置の温度を同時に測定することを可能としたものである。温度計測単位の数(すなわち、温度計測位置の数)は制限されないが、説明の簡単の簡単のため、以下では計測単位が2つの場合を代表して説明する。
【0066】
図3に示すように、この装置は、第3実施例の装置の構成要素である、光源100、方向性結合器600、温度計測単位450、およびスペクトラムアナライザ500に加えて、第2の温度計測位置に設置された温度計測単位460を備える。そして、計測単位450と計測単位460とは光ファイバ704で接続される。
【0067】
ここで、計測単位460は、▲1▼計測単位450を介した光源100から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により回折格子229が一部に形成され、回折格子229の縞間隔に応じた波長の光を反射する光ファイバ225(コアの基本屈折率=n)と、▲2▼光ファイバ225の回折格子216部を固定する、光ファイバ225よりも高い剛性を有するとともに、熱膨脹係数(線膨脹率)αを有する固定具360とから構成される。
【0068】
以下、本装置による温度測定動作を説明する。
【0069】
まず、上記の装置構成で、温度計測単位450および温度計測単位460を、内部温度の調節が可能な同一の恒温槽内に設置する。次に、恒温槽内の温度を一定値に設定した後、光源から光を出射し、各回折格子で反射された光の波長を測定を計測する。そして、この波長値を設定温度値とともに記録する。次いで、恒温槽内の温度を変化させつつ、各回折格子で反射された光の波長を測定して温度計測単位ごとに、波長差値を設定温度とともに記録する。引き続き、記録結果に基づき温度計測単位ごとに(6)式のλ(T)およびCR1・λ(T)と上記の事前測定の後、本実施例の光ファイバ温度センサは以下のようにして、温度計測位置の温度を測定する。
【0070】
温度計測単位450を使用した温度測定は第1実施例と同様に行われる。この温度計測単位450を使用した温度測定と同時に温度計測単位460を使用した温度測定が次のようにして行われる。
【0071】
温度計測単位450で反射されなかった光は、光ファイバ704を経由して温度測定単位460に入射する。温度測定単位460では、まず、光ファイバ225に光源100から出射された光が入射して、光ファイバ225内を進行し、回折格子229で温度測定位置の温度(T′)における縞間隔Λ′(T′)・(2n)と略同一の波長(λ′(T′))の光が反射される。その他の波長の光は光ファイバ225を透過する。
【0072】
回折格子229で反射された光は、温度計測単位450、光ファイバ702、方向性結合器600、および光ファイバ703を順次経由してスペクトラムアナライザ500に入射し波長(λ′(T′))が計測される。こうして計測された波長値(λ′(T′))と事前測定で求めた温度計測単位460に関するλ′(T)およびCR1・λ′(T)とを使用し、(6)式に基づいて温度T′を算出する。
【0073】
なお、温度計測単位を3つ以上使用して温度計測する場合には、各温度計測単位での反射され得る光の波長に重複が無いように設定する。このように設定すれば、各温度計測単位を光ファイバで光学的に直列に接続した構成で、上記と同様にして、各温度計測位置での温度を同時に測定することができる。
【0074】
(第3実施例)
図4は、本発明の光ファイバ温度センサの第3実施例の構成図である。図4に示すように、この装置は、(a)連続的な波長を有する光を発生する光源100と、(b)光源100から出射された光を端子601から入力し端子602から出力するとともに、端子602から入力した光を端子603から出力する方向性結合器600と、(c)温度計測位置に設置された、光源100から出射された光を入力して温度計測位置の温度に応じた2種の波長(波長=λ,λ)の光を反射する温度計測単位410と、(d)回折格子216で反射された光の波長(λ)と回折格子226で反射された光の波長(λ)との差(Δλ=λ−λ)を計測するスペクトラムアナライザ500と、を備える。そして、光源100と端子601とは光ファイバ701で、端子602と温度計測単位410とは光ファイバ702で、端子603とスペクトラムアナライザ500とは光ファイバ703で接続される。
【0075】
ここで、計測単位410は、▲1▼光源100から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により回折格子216が一部に形成され、回折格子216の縞間隔に応じた波長の光を反射する光ファイバ211(コアの基本屈折率=n)と、▲2▼光ファイバ211の回折格子216部を固定する、光ファイバ211よりも高い剛性を有するとともに、熱膨脹係数(線膨脹率)βを有するアルミニウム(Al)からなる固定具310と、▲3▼光源100から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により回折格子226が一部に形成され、回折格子226の縞間隔に応じた波長の光を反射する光ファイバ221(コアの基本屈折率=n)と、▲4▼固定具310の配設位置に近接した位置に配設された、光ファイバ221の回折格子226部を固定し、光ファイバ221よりも高い剛性を有するとともに、熱膨脹係数(線膨脹率)βとは異なる熱膨脹係数(線膨脹率)βを有する鉄(Fe)からなる固定具320と、から構成される。そして、計測単位410は、測定対象温度範囲を20℃≦T≦80℃とする。回折格子216の縞間隔Λ(T)と回折格子226の縞間隔Λ(T)とは、T=20℃において、
Λ(T=20℃)〜1558.5nm/(2n)≧1549.9nm/(2n)〜Λ(T=20℃)
で作成され、T=20℃で、光ファイバ211は固定具310に、光ファイバ221は固定具320に固定される。また、β≧βなので同一の温度環境下に設置された温度計測単位410で反射される2種の波長の光の波長差Δλ(T)は、温度T(20℃≦T≦80℃)に対して単調増加関数となる。
【0076】
以下、本装置による温度測定動作を説明する。
【0077】
まず、上記の装置構成で、温度計測単位410を、内部温度の調節が可能な同一の恒温槽内に設置する。次に、恒温槽内の温度を一定値に設定し、双方の光ファイバおよび双方の固定具がこの一定値の温度に安定した後、光源から光を出射し、双方の回折格子で反射された光の波長を測定して2つの反射光波長値の差を計測する。そして、この波長差値を設定温度値とともに記録する。次いで、恒温槽内の温度を変化させつつ、双方の回折格子で反射された光の波長を測定して2つの反射光波長値の差を計測し、波長差値を設定温度とともに記録する。図5は、この測定結果を示したグラフである。引き続き、記録結果から(8)式のΔλとCΔλとを求める。
【0078】
上記の事前測定の後、本実施例の光ファイバ温度センサは以下のようにして、温度計測位置の温度を測定する。
【0079】
まず、上記の装置構成で温度計測単位410を温度計測位置に設置し、光源100から連続的な波長分布を有する光を出射する。光源100から出射された光は、光ファイバ701、方向性結合器600、および光ファイバ702を順次経由して温度測定単位410に入射する。温度測定単位410では、まず、光ファイバ211に光源100から出射された光が入射して、光ファイバ211内を進行し、回折格子216で温度測定位置の温度(T)における縞間隔Λ(T)・(2n)と略同一の波長(λ(T))の光が反射される。その他の波長の光は光ファイバ211を透過して、光ファイバ221に入射後、光ファイバ221内を進行し、回折格子226で温度測定位置の温度(T)における縞間隔Λ(T)・(2n)と略同一の波長(λ(T))の光が反射される。回折格子216あるいは回折格子226で反射されなかった光は、光ファイバ221を透過する。
【0080】
回折格子216で反射された光は、光ファイバ702、方向性結合器600、および光ファイバ703を順次経由してスペクトラムアナライザ500に入射し波長(λ(T))が計測される。回折格子226で反射された光は、光ファイバ211、光ファイバ702、方向性結合器600、および光ファイバ703を順次経由してスペクトラムアナライザ500に入射し波長(λ(T))が計測される。こうして計測された2種の波長値(λ(T),λ(T))と事前測定で求めたΔλおよびCΔλとを使用し、(8)式に基づいて温度Tを算出する。
【0081】
なお、本実施例は2つの固定具は、夫々単一部材から構成したが、一方あるいは双方ともに第1実施例のような複数の部材から構成することも可能である。
【0082】
(第4実施例)
図6は、本発明の光ファイバ温度センサの第4実施例の構成図である。この装置は、第3実施例の装置構成に温度計測単位を追加して光学的に直列に接続し、複数の温度計測位置の温度を同時に測定することを可能としたものである。温度計測単位の数(すなわち、温度計測位置の数)は制限されないが、説明の簡単の簡単のため、以下では計測単位が2つの場合を代表して説明する。
【0083】
図6に示すように、この装置は、第3実施例の装置の構成要素である、光源100、方向性結合器600、温度計測単位410、およびスペクトラムアナライザ500に加えて、第2の温度計測位置に設置された温度計測単位420を備える。そして、計測単位410と計測単位420とは光ファイバ704で接続される。
【0084】
ここで、計測単位420は、▲1▼温度計測単位410を介した光源100から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により回折格子217が一部に形成され、回折格子217の縞間隔に応じた波長の光を反射する光ファイバ212(コアの基本屈折率=n)と、▲2▼光ファイバ212の回折格子217部を固定する、光ファイバ211よりも高い剛性を有するとともに、の熱膨脹係数(線膨脹率)βを有するアルミニウム(Al)からなる固定具310と、▲3▼温度計測単位410を介した光源100から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により回折格子227が一部に形成され、回折格子227の縞間隔に応じた波長の光を反射する光ファイバ222(コアの基本屈折率=n)と、▲4▼固定具310の配設位置に近接した位置に配設された、光ファイバ222の回折格子227部を固定し、光ファイバ222よりも高い剛性を有するとともに、熱膨脹係数(線膨脹率)βとは異なる熱膨脹係数 (線膨脹率)βを有する鉄(Fe)からなる固定具320と、から構成される。そして、温度計測単位420では、温度計測単位410と同様に測定対象温度範囲をTMIN ≦T≦TMAX とした場合、回折格子217の縞間隔Λ′(T)と回折格子227の縞間隔Λ′(T)とは、T=TMIN において、
Λ′(T=TMIN )≧Λ′(T=TMIN
となるように作成および固定具310、320への固定がなされる。この結果、第3実施例と同様にβ≧βなので同一の温度環境下に設置された温度計測単位420で反射される2種の波長の光の波長差Δλ′(T)は、温度T(TMIN ≦T≦TMAX )に対して単調増加関数となる。なお、温度計測単位420で反射され得る光の波長範囲は、温度計測単位410で反射され得る光の波長範囲とは重複が無いように設定される。すなわち、温度計測単位420で反射され得る光の波長範囲は、1549.9nm以下あるいは1559.9nm以上の波長領域に設定される。
【0085】
以下、本装置による温度測定動作を説明する。
【0086】
まず、上記の装置構成で、温度計測単位410および温度計測単位420を、内部温度の調節が可能な同一の恒温槽内に設置する。次に、恒温槽内の温度を一定値に設定した後、光源から光を出射し、各回折格子で反射された光の波長を測定して温度計測単位ごとに反射光波長値の差を計測する。そして、この波長差値を設定温度値とともに記録する。次いで、恒温槽内の温度を変化させつつ、各回折格子で反射された光の波長を測定して温度計測単位ごとに反射光波長値の差を計測し、波長差値を設定温度とともに記録する。引き続き、記録結果に基づき温度計測単位ごとに(8)式のΔλとCΔλとを求める。
【0087】
上記の事前測定の後、本実施例の光ファイバ温度センサは以下のようにして、温度計測位置の温度を測定する。
【0088】
温度計測単位410を使用した温度測定は第3実施例と同様に行われる。この温度計測単位410を使用した温度測定と同時に温度計測単位420を使用した温度測定が次のようにして行われる。
【0089】
温度計測単位410で反射されなかった光は、光ファイバ704を経由して温度測定単位410に入射する。温度測定単位420では、まず、光ファイバ212に光源100から出射された光が入射して、光ファイバ212内を進行し、回折格子217で温度測定位置の温度(T′)における縞間隔Λ′(T′)・ (2n)と略同一の波長(λ′(T′))の光が反射される。その他の波長の光は光ファイバ212を透過して、光ファイバ222に入射後、光ファイバ222内を進行し、回折格子227で温度測定位置の温度(T′)における縞間隔Λ′(T′)・(2n)と略同一の波長(λ′(T′))の光が反射される。回折格子217あるいは回折格子227で反射されなかった光は、光ファイバ222を透過する。
【0090】
回折格子217で反射された光は、温度計測単位410、光ファイバ702、方向性結合器600、および光ファイバ703を順次経由してスペクトラムアナライザ500に入射し波長(λ′(T′))が計測される。回折格子227で反射された光は、光ファイバ212、温度計測単位410、光ファイバ702、方向性結合器600、および光ファイバ703を順次経由してスペクトラムアナライザ500に入射し波長(λ′(T′))が計測される。こうして計測された2種の波長値(λ′(T′),λ′(T′))と事前測定で求めた温度計測単位420に関するΔλおよびCΔλとを使用し、(8)式に基づいて温度Tを算出する。
【0091】
なお、温度計測単位を3つ以上使用して温度計測する場合には、各温度計測単位での反射され得る光の波長に重複が無いように設定する。このように設定すれば、各温度計測単位を光ファイバで光学的に直列に接続した構成で、上記と同様にして、各温度計測位置での温度を同時に測定することができる。
【0092】
なお、本実施例の固定具は、夫々単一部材から構成したが、夫々第1実施例のような複数の部材から構成することも可能である。
【0093】
(第5実施例)
図7は、本発明の光ファイバ温度センサの第5実施例の構成図である。この装置は、第4実施例の装置構成に基準計測単位を追加して、温度測定の精度の向上を図ったものである。
【0094】
図7示すように、この装置は、第4実施例の装置に加えて、基準計測単位490を一定温度(T)環境に設定された位置に設置した。そして、光源100から出射された光を基準計測単位490へ導くために、方向性結合器600に替えて、光源100から出射された光を端子691から入力して端子692および端子694から出力するとともに、端子692または端子694から入力した光を端子693から出力する方向性結合器690を採用した。端子691、692、693は、夫々、方向性結合器600の端子601、602、603と同様にして使用され、端子694は基準計測単位690と光ファイバ709で接続される。
【0095】
ここで、基準計測単位490は、▲1▼光源100から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により回折格子296が一部に形成され、回折格子296の縞間隔に応じた波長の光を反射する光ファイバ291と、▲2▼光ファイバ291の回折格子296部を固定する、光ファイバ291よりも高い剛性を有するとともに、熱膨脹係数(線膨脹率)βを有するインバールからなる固定具390と、から構成される。そして、温度Tの環境下では、回折格子296部で反射される光の波長(λ)は、どの温度計測単位で反射され得る光の波長範囲には含まれないように設定される。
【0096】
以下、本装置による温度測定動作を説明する。なお、説明の簡単のため第4実施例と同様に、温度計測単位は2つとして説明する。
【0097】
まず、上記の装置構成で、温度計測単位410および温度計測単位420を、内部温度の調節が可能な同一の恒温槽内に設置するとともに、基準計測単位490を周囲温度をTに保った環境下に設置する。次に、恒温槽内の温度を一定値に設定した後、光源から光を出射し、各回折格子で反射された光の波長を測定して温度計測単位ごとに、温度計測単位の各回折格子で反射された光の波長と基準計測単位490の回折格子296で反射された光の波長との差を計測する。そして、この波長差値を設定温度値とともに記録する。次いで、恒温槽内の温度を変化させつつ、各回折格子で反射された光の波長を測定して温度計測単位ごとに反射光波長値の差を計測し、波長差値を設定温度とともに記録する。引き続き、記録結果に基づき温度計測単位ごとに(8′)式のΔλ12とCΔλ、(9)式のΔλ13C とCΔλ13、(10)式のΔλ23C とCΔλ23を求める。
【0098】
上記の事前測定の後、本実施例の光ファイバ温度センサは以下のようにして、温度計測位置の温度を測定する。
【0099】
温度計測単位410および温度計測単位420の各回折格子で反射された光の波長(4種)の測定までは第4実施例と同様にして行われる。この時、同時に基準計測単位490で反射された光の波長λを測定する。
【0100】
こうして計測された5種の波長値(λ(T),λ(T),λ′(T′),λ′(T′),λ(T))と事前測定で求めた温度計測単位410、温度計測単位420、および基準計測単位490に関する(Δλ12(T),CΔλ12,Δλ13C ,CΔλ13,Δλ23C ,CΔλ23)とから、温度計測単位410の設置位置の温度Tと温度計測単位420の設置位置の温度T′と求める。すなわち、温度計測単位410に関する(Δλ12(T),CΔλ12)、温度計測単位410と基準計測単位490とに関する(Δλ13C ,CΔλ13)、および温度計測単位410と基準計測単位490とに関する(Δλ23C ,CΔλ23)とを使用して、(8′)式、(9)式、および(10)式から夫々温度Tを算出する。こうして算出したTについての3つの値の平均を演算して最終的に温度Tを求める。また、温度計測単位420に関する(Δλ12′(T),CΔλ12′)、温度計測単位420と基準計測単位490とに関する(Δλ13C ′,CΔλ13′)、および温度計測単位410と基準計測単位490とに関する(Δλ23C ′,CΔλ23′)とを使用して、(8′)式、(9)式、および(10)式から夫々温度T′を算出する。こうして算出したTについての3つの値の平均を演算して最終的に温度T′を求める。
【0101】
なお、第4実施例と同様に、温度計測単位を3つ以上使用して温度計測する場合には、各温度計測単位での反射され得る光の波長に重複が無いように設定する。このように設定すれば、各温度計測単位を光ファイバで光学的に直列に接続した構成で、上記と同様にして、各温度計測位置での温度を同時に測定することができる。
【0102】
また、本実施例の装置の構成において、温度計測単位を1種の光ファイバとその固定具で構成することも可能である。こうした装置では、(9)式(あるいは(10)式)によって温度計測位置の温度を換算する。この場合には、第4実施例と同様の精度で温度測定ができる。
【0103】
なお、本実施例の固定具は、夫々単一部材から構成したが、夫々第1実施例のような複数の部材から構成することも可能である。
【0104】
(第6実施例)
図8は、本発明の光ファイバ温度センサの第6実施例の構成図である。この装置は、第5実施例の装置では回折格子が形成された2つの光ファイバを光学的に直列に配置したもの温度計測単位410としたが、回折格子が形成された2つの光ファイバを光学的に並列に配置して温度計測単位430を構成した装置である。
【0105】
この並列接続を実現するため、方向性結合器600の端子602から出力された光を端子611から入力し、分岐後に端子612および端子613から出力するとともに、端子612から入力した光と端子613から入力した光とを端子611から出力する光カプラ610を、温度計測単位430の構成要素とし、方向性結合器600と光ファイバ211および光ファイバ221との間に配置した。なお、図7に示すように、本実施例の装置では、光ファイバ211および光ファイバ221で反射されなかった光源100の側から進行する光を、端子621および端子622から入力し、端子623から出力する光カプラ620を温度計測単位430の構成要素として設置している。そして、方向性結合器600と光カプラ610とは光ファイバ702で、光カプラ610と光ファイバ211とは光ファイバ711で、光カプラ610と光ファイバ221とは光ファイバ712で、光ファイバ211と光カプラ620とは光ファイバ713で、光ファイバ221と光カプラ620とは光ファイバ714で接続される。
【0106】
以下、本装置による温度測定動作を説明する。
【0107】
まず、上記の装置構成で、温度計測単位430を、内部温度の調節が可能な同一の恒温槽内に設置する。次に、第5実施例と同様に、恒温槽内の温度を一定値に設定し、双方の光ファイバおよび双方の固定具がこの一定値の温度に安定した後、光源から光を出射し、双方の回折格子で反射された光の波長を測定して2つの反射光波長値の差を計測する。そして、この波長差値を設定温度値とともに記録する。次いで、恒温槽内の温度を変化させつつ、双方の回折格子で反射された光の波長を測定して2つの反射光波長値の差を計測し、波長差値を設定温度とともに記録する。引き続き、記録結果から(8)式のΔλとCΔλとを求める。
【0108】
上記の事前測定の後、本実施例の光ファイバ温度センサは以下のようにして、温度計測位置の温度を測定する。
【0109】
まず、上記の装置構成で温度計測単位430を温度計測位置に設置し、光源100から連続的な波長分布を有する光を出射する。光源100から出射された光は、光ファイバ701、方向性結合器600、および光ファイバ702を順次経由して温度測定単位430に入射する。温度測定単位430では、まず、光カプラ610に光源100から出射された光が入射し、2つに分岐される。2分岐された一方の光が光ファイバ211に入射して、光ファイバ211内を進行し、回折格子216で温度測定位置の温度(T)における縞間隔Λ(T)・(2n)と略同一の波長(λ(T))の光が反射される。その他の波長の光は光ファイバ211を透過する。また、2分岐された他方の光が光ファイバ221に入射して、光ファイバ221内を進行し、回折格子216で温度測定位置の温度(T)における縞間隔Λ(T)・(2n)と略同一の波長(λ(T))の光が反射される。その他の波長の光は光ファイバ221を透過する。
【0110】
回折格子216で反射された光は、光カプラ610、光ファイバ702、方向性結合器600、および光ファイバ703を順次経由してスペクトラムアナライザ500に入射し波長(λ(T))が計測される。回折格子226で反射された光は、光カプラ610、光ファイバ702、方向性結合器600、および光ファイバ703を順次経由してスペクトラムアナライザ500に入射し波長(λ(T))が計測される。こうして計測された2種の波長値(λ(T),λ(T))と事前測定で求めたΔλおよびCΔλとを使用し、(8)式に基づいて温度Tを算出する。
【0111】
なお、本実施例の固定具は、夫々単一部材から構成したが、夫々第1実施例のような複数の部材から構成することも可能である。
【0112】
(第7実施例)
図9は、本発明の光ファイバ温度センサの第7実施例の構成図である。この装置は、第6実施例の装置構成に並列型の温度計測単位を追加して光学的に直列に接続し、複数の温度計測位置の温度を同時に測定することを可能としたものである。第4実施例と同様に、温度計測単位の数(すなわち、温度計測位置の数)は制限されないが、説明の簡単の簡単のため、以下では計測単位が2つの場合を代表して説明する。
【0113】
図9に示すように、この装置は、第6実施例の装置の構成要素である、光源100、方向性結合器600、光カプラ610、温度計測単位430、光カプラ620、およびスペクトラムアナライザ500に加えて、第2の温度計測位置に設置された温度計測単位440を備える。そして、計測単位430と計測単位440とは光ファイバ704で接続される。
【0114】
ここで、計測単位440は、▲1▼温度計測単位430で反射されずに出力された光を入射して2分岐する光カプラ610と、▲2▼光カプラで分岐された一方の光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により回折格子217が一部に形成され、回折格子217の縞間隔に応じた波長の光を反射する光ファイバ212と、▲3▼光ファイバ212の回折格子217部を固定する、光ファイバ211よりも高い剛性を有するとともに、の熱膨脹係数(線膨脹率)βを有するアルミニウム(Al)からなる固定具310と、▲4▼光カプラ610で分岐された一方の光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により回折格子227が一部に形成され、回折格子227の縞間隔に応じた波長の光を反射する光ファイバ222と、▲5▼固定具310の配設位置に近接した位置に配設された、光ファイバ222の回折格子227部を固定し、光ファイバ222よりも高い剛性を有するとともに、熱膨脹係数(線膨脹率)βとは異なる熱膨脹係数(線膨脹率)βを有する鉄(Fe)からなる固定具320と、▲5▼光ファイバ211および光ファイバ221で反射されなかった光を、端子621および端子622から入力し、端子623から出力する光カプラ620と、から構成される。
【0115】
まず、上記の装置構成で、温度計測単位430および温度計測単位440を、内部温度の調節が可能な同一の恒温槽内に設置する。次に、第6実施例と同様に、恒温槽内の温度を一定値に設定した後、光源から光を出射し、各回折格子で反射された光の波長を測定して温度計測単位ごとに反射光波長値の差を計測する。そして、この波長差値を設定温度値とともに記録する。次いで、恒温槽内の温度を変化させつつ、各回折格子で反射された光の波長を測定して温度計測単位ごとに反射光波長値の差を計測し、波長差値を設定温度とともに記録する。引き続き、記録結果に基づき温度計測単位ごとに(8)式のΔλとCΔλとを求める。
【0116】
上記の事前測定の後、本実施例の光ファイバ温度センサは以下のようにして、温度計測位置の温度を測定する。
【0117】
温度計測単位430を使用した温度測定は第5実施例と同様に行われる。この温度計測単位430を使用した温度測定と同時に温度計測単位440を使用した温度測定が次のようにして行われる。
【0118】
温度計測単位430で反射されなかった光は、光ファイバ704を経由して温度測定単位440に入射する。温度測定単位440では、まず、光カプラ610に光源100から出射された光が入射し、2つに分岐される。2分岐された一方の光が光ファイバ212に入射して、光ファイバ212内を進行し、回折格子217で温度測定位置の温度(T′)における縞間隔Λ′(T′)・(2n)と略同一の波長(λ′(T′))の光が反射される。その他の波長の光は光ファイバ212を透過する。また、2分岐された他方の光が光ファイバ222に入射して、光ファイバ222内を進行し、回折格子227で温度測定位置の温度(T′)における縞間隔Λ′(T′)・(2n)と略同一の波長(λ′(T′))の光が反射される。その他の波長の光は光ファイバ222を透過する。
【0119】
回折格子217で反射された光は、光ファイバ212、温度計測単位430、光ファイバ702、方向性結合器600、および光ファイバ703を順次経由してスペクトラムアナライザ500に入射し波長(λ′(T′))が計測される。回折格子227で反射された光は、光ファイバ222、温度計測単位430、光ファイバ702、方向性結合器600、および光ファイバ703を順次経由してスペクトラムアナライザ500に入射し波長(λ′(T′))が計測される。こうして計測された2種の波長値(λ′(T′),λ′(T′))と事前測定で求めた温度計測単位440に関するΔλおよびCΔλとを使用し、(8)式に基づいて温度Tを算出する。
【0120】
なお、温度計測単位を3つ以上使用して温度計測する場合には、各温度計測単位での反射され得る光の波長に重複が無いように設定する。このように設定すれば、各温度計測単位を光ファイバで光学的に直列に接続した構成で、上記と同様にして、各温度計測位置での温度を同時に測定することができる。
【0121】
なお、本実施例の固定具は、夫々単一部材から構成したが、夫々第1実施例のような複数の部材から構成することも可能である。
【0122】
本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、変形が可能である。例えば、第4実施例に対する基準計測単位を追加する第5実施例への変形は、第2実施例や第7実施例に関しても同様に可能である。
【0123】
また、上記の実施例では、温度計測単位を光源から出射された光の光路について直列に接続したが、光源に関して放射状に接続(すなわち、光源から出射された光が各温度計測単位に入力するにあたって、他の温度計測単位を経由せずに接続)することも可能である。この放射状接続を採用し、光源から各温度計測単位までの光学的な距離を夫々異なるものとし、光源からパルス状の光を出射して、夫々の光学的な距離に応じた時刻に波長計測を行うことにすれば、温度計測単位で反射される得る光の波長範囲が重複して設定されてもよい。
【0124】
また、上記実施例では、固定具の材料としてアルミニウム、鉄、インバールを使用したが、他の材料の組み合わせを採用することが可能である。
【0125】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、本発明の第1の光ファイバ温度センサによれば、回折格子が形成された光ファイバを、この光ファイバよりも高い剛性を有するとともに、複数の部材からなり、回折格子部の固定点間の熱膨張係数が所定の熱膨脹係数である固定具に固定するので、光ファイバ自身の熱膨張よりも大きな熱膨張が回折格子部で発生するので、回折格子での反射光波長を測定することにより、精度良く温度を測定することができる。
【0126】
また、本発明の第2および第3の光ファイバ温度センサによれば、互いに異なる回折格子が形成された2種の光ファイバを1組として温度計測位置に配置し、夫々の光ファイバで反射された光の波長の差の値から温度を算出するので、波長の絶対値の計測誤差があっても、精度良く温度を測定することができる。
【0127】
また、一定の温度環境下に設置された、回折格子が形成された光ファイバを更に加えることにより、1つの温度測定に3つの計測値を使用できることになり更に温度測定の精度を向上できる。
【0128】
更に、一定の温度環境下に設置された、回折格子が形成された光ファイバでの反射光の波長を基準として、温度計測位置に配置された、回折格子が形成された1種の光ファイバからの反射光の波長との差の値から温度を算出するので、波長の絶対値の計測誤差があっても、精度良く温度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の光ファイバ温度センサの構成図である。
【図2】第実施例の固定具の構成図である。
【図3】本発明の第2実施例の光ファイバ温度センサの構成図である。
【図4】本発明の第3実施例の光ファイバ温度センサの構成図である。
【図5】第3実施例の温度計測単位の特性を示すグラフである。
【図6】本発明の第4実施例の光ファイバ温度センサの構成図である。
【図7】本発明の第5実施例の光ファイバ温度センサの構成図である。
【図8】本発明の第6実施例の光ファイバ温度センサの構成図である。
【図9】本発明の第7実施例の光ファイバ温度センサの構成図である。
【符号の説明】
100…光源、211,212,215,221,222,225,291…回折格子付き光ファイバ、216,217,219,226,227,229,296…回折格子、310,320,350,360…固定具、351,352,353,354,355,356…固定具部材、410,420,430,440…温度計測単位、490…基準計測単位、500…スペクトラムアナライザ、600…方向性結合器、610,620…光カプラ。

Claims (11)

  1. コア部の屈折率の周期的な変化により回折格子が一部に形成された石英系ガラスからなる光ファイバを固定する固定具であって、
    前記光ファイバより高い剛性を有し、前記回折格子の一端側の第1の固定点で前記光ファイバを固定する第1の固定部材と、
    前記光ファイバより高い剛性を有し、前記回折格子の他端側の第2の固定点で前記光ファイバを固定する第2の固定部材と、
    前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを固定するベース部材と、
    を備え、
    前記ベース部材の熱膨張率が、前記第1の固定部材の熱膨張率および前記第2の固定部材の熱膨張率のいずれか一方より大きい、
    ことを特徴とする固定具。
  2. 前記ベース部材の熱膨張率が、前記第1の固定部材の熱膨張率および前記第2の固定部材の熱膨張率のいずれよりも大きい、ことを特徴とする請求項1記載の固定具。
  3. コア部の屈折率の周期的な変化により回折格子が一部に形成された石英系ガラスからなる光ファイバを固定する固定具であって、
    前記光ファイバより高い剛性を有し、前記回折格子の一端側の第1の固定点で前記光ファイバを固定する第1の固定部材と、
    前記光ファイバより高い剛性を有し、前記回折格子の他端側の第2の固定点で前記光ファイバを固定する第2の固定部材と、
    前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とを固定するベース部材と、
    を備え、
    前記第1の固定部材の熱膨張率および前記第2の固定部材の熱膨張率のいずれか一方が、前記ベース部材の熱膨張率より大きい、
    ことを特徴とする固定具。
  4. 前記第1の固定部材の熱膨張率および前記第2の固定部材の熱膨張率のいずれもが、前記ベース部材の熱膨張率より大きい、ことを特徴とする請求項3記載の固定具。
  5. 連続的な波長を有する光を発生する光源と、
    前記光源から出射された光を入力し、周期的なコア部の屈折率の変化により第1の回折格子が一部に形成され、前記第1の回折格子の縞間隔に応じた波長の光を反射する第1の光ファイバと、
    前記第1の光ファイバの第1の回折格子部を固定する、前記第1の光ファイバよりも高い剛性を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の固定具である第1の固定具と、
    前記第1の回折格子で反射された光の波長を計測する波長計測器と、
    を備えることを特徴とする光ファイバ温度センサ。
  6. 前記第1の光ファイバおよび前記第1の固定具を1組の温度計測単位として、更に1つ以上の温度計測単位を備え、
    各温度計測単位が個々に温度計測位置に配置されることを特徴とする請求項5記載の光ファイバ温度センサ。
  7. 前記光源から出射された光を第1の端子から入力し第2の端子から出力するとともに、前記第2の端子から入力した光を第3の端子から出力する方向性結合器を更に備え、
    前記第3の端子と前記光計測器とは光学的に接続されていることを特徴とする請求項5記載の光ファイバ温度センサ。
  8. 前記複数の温度計測単位は光路上直列に接続され、
    一つの温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲と、他の温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲とは重複範囲がない、
    ことを特徴とする請求項6記載の光ファイバ温度センサ。
  9. 前記複数の計測単位は、前記計測器を中心として光路上放射状に接続され、
    一つの温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲と、他の温度計測位置における測定温度範囲での計測単位で反射する光の波長範囲とは重複範囲がない、
    ことを特徴とする請求項6記載の光ファイバ温度センサ。
  10. 前記複数の計測単位は、前記計測器を中心として光路上放射状に接続され、
    前記光源から出射された光が前記複数の計測単位を経由して前記計測器に至る光路の光学的な距離が夫々異なることを特徴とする請求項6記載の光ファイバ温度センサ。
  11. 前記第1の回折格子は、張力が付与された状態で前記第1の固定具に固定されている、ことを特徴とする請求項5記載の光ファイバ温度センサ。
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