JP2010090920A - 曲線運動案内装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軌道面12に沿ってスライダー20が摺動する曲線軌道レール10を備えた曲線運動案内装置100であって、前記曲線軌道レール10は、無端環状の一体構造となっていると共に、少なくとも前記スライダー20が摺動する軌道面12に高周波焼入による焼入部が連続して形成されており、かつ、前記焼入部の始点と終点との間に非焼入部を有する。これによって、軌道面12に形成された焼入部の始点と終点とが重ならないため、軌道面12の割れの発生を防止できる。
【選択図】 図3
Description
そして、この曲線軌道レール両側にそれぞれ形成された溝状の軌道面とスライダーの内側との間に、そのスライダー内部を循環する多数の転動体を転動自在に配設することでそのスライダーが曲線軌道レール上を円滑に摺動(曲線運動)するようになっている。
この熱処理は、鋼材に対する一般的な熱処理である浸炭焼入れやスブ焼入れなどによって行われているが、その曲線軌道レールの径が大きい場合には、その大きさに対応した大型の熱処理設備(熱処理炉)を用いることになるため、莫大な設備投資が必要となってくる。
例えば、以下の特許文献4では、環状のワークの内周面および外周面を熱処理するに際してそのワークの内側及び外側に配置した円弧状の誘電加熱コイルによる高周波焼入れ方法が開示されている。
そこで、本発明は前記のような従来技術が有する問題点を解決するために案出されたものであり、その主な目的は曲線軌道レールの軌道面などに割れが生じない新規な曲線運動案内装置を提供するものである。
軌道面に沿ってスライダーが摺動する曲線軌道レールを備えた曲線運動案内装置であって、前記曲線軌道レールは、無端環状の一体構造となっていると共に、少なくとも前記スライダーが摺動する軌道面に高周波焼入れによる焼入部が連続して形成されており、かつ、前記焼入部の始点と終点との間に非焼入部を有することを特徴とする曲線運動案内装置である。
ここで、本発明でいう「焼入部の始点と終点」とは、必ずしも時間を伴う概念でなく、単に連続した1つの焼入部の一端と他端、あるいは隣接する2つ以上の焼入部の端部と端部との意味を含み、非焼入部とは不完全焼入部の意味も含む。
第1の発明において、前記軌道面は、前記曲線軌道レールの内周側と外周側とに形成されていると共に、前記非焼入部は、それぞれ前記曲線軌道レールの内周側と外周側とでほぼ同位相に形成されていることを特徴とする曲線運動案内装置である。
このような構成によれば、熱処理時における前記曲線軌道レールの変形を考慮することがなくなるため、熱処理が容易となる。
第1または第2の発明において、前記非焼入部の周方向長さは、前記スライダーの周方向の長さよりも短いことを特徴とする曲線運動案内装置である。
このような構成によれば、焼入部に比べて機械的強度が低い非焼入部にスライダーが達したときでも、その非焼入部に対してスライダーの全荷重が掛かることがなくなる。これによって、その非焼入部の早期剥離や摩耗を防止することができる。
第1〜3のいずれかの発明において、前記軌道面の非焼入部を含む範囲に、前記スライダーの荷重が作用しない逃げ部が形成されていることを特徴とする曲線運動案内装置である。
焼入部に比べて機械的強度が低い非焼入部をスライダーの転動体が荷重を支持しながら転動すると、その硬さや強度不足によって、この非焼入部に早期に剥離や摩耗が生ずる。従って、本発明のように前記軌道面の非焼入部を含む範囲に、前記スライダーの荷重が作用しない逃げ部が形成すれば、非焼入部にスライダーが達したときでも、その非焼入部に対してスライダーの全荷重が作用することがなくなる。これによって、さらにその非焼入部の剥離や摩耗を防止することができる
軌道面に形成された焼入部の始点と終点とが重ならないため、焼入れの重なりを原因とする割れの発生を防止することができる。
また、熱処理時における前記曲線軌道レールの変形を考慮することがなくなるため、熱処理が容易となる。
また、さらに非焼入部の早期剥離や摩耗を防止することができる。
また、さらに膨大な設備投資が不要となると共に、生産場所の省スペース化も図ることができる。
図1〜図3は、本発明に係る曲線運動案内装置100の実施の一形態を示したものである。
図示するようにこの曲線運動案内装置100は、無端環状をした鋼製の曲線軌道レール10と、この曲線軌道レール10上にこれを跨ぐようにスライド移動自在に係合された下向きコ字形のスライダー20とから構成されている。
この曲線軌道レール10は、図2に示すように断面矩形状に形成されたレール本体11の両側面、すなわちレール本体11の内周面と外周面とに、それぞれ断面円弧溝状をしたレール側上段軌道面12a、12aと、レール側下段軌道面12b、12bとがそれぞれその長手方向に沿って連続かつ平行に形成されている。
また、このスライダー本体20内には、その長手方向に貫通するように上段通過孔24a、24a(同じく図2では一方のみ図示)と、下段通過孔24b、24b(同じく図2では一方のみ図示)が形成されている。
さらに、このような構成をした曲線運動案内装置100にあっては、図3に示すように曲線軌道レール10の少なくともスライダー20が摺動する軌道面12a、12a、12b、12bを含む部分には、熱処理による焼入部がその周方向に沿って連続して形成されていると共に、この焼入部の始点と終点との間には熱処理が行われていない非焼入部を有する構造となっている。
この高周波焼入装置200は、曲線軌道レール10をその周方向に沿って移動する移送ローラ30,30,30,30と、この曲線軌道レール10の内側および外側であって曲線軌道レール10の中心からみてその同位相上に配置される少なくとも一対の高周波(誘電加熱)コイル40,40と、この高周波コイル40,40の移送方向下流に配置された少なくとも一対の冷却手段と50,50と、これらを制御する図示しないコントローラとから構成されている。
また、この焼入部の始点と終点との間に形成される非焼入部は、それぞれ曲線軌道レール10の内周側と外周側とでほぼ同位相に形成されている。これは、同じ位相に配置することで両側軌道面12a、12a、12b、12bに焼入れを同時に行うことができるだけでなく、焼入れによる変形を無視することができるからである。すなわち、片面ごとに焼入れを行っても良いが、焼入れによって曲線軌道レール10が変形するため、他方の面を焼入れする際に再度高周波コイル40とのキャップ調整が必要となり、処理が面倒となるからである。
この高周波焼入れは、前述したように局部的な連続焼入れが可能であるため、浸炭焼入れやズブ焼入れのような大きな熱処理炉が不要となるものであるが、このような局部的な連続焼入れは、火炎焼入れによっても可能であるため、前述したような高周波焼入装置200に代えて火炎焼入れ装置を用いることも可能である。
また、さらに図5に示すように、この非焼入部を含む範囲にスライダー20の荷重が殆ど作用しない逃げ部(緩やかな凹み)を形成しても良い。
従って、この非焼入部を含む範囲にスライダー20の荷重が作用しない逃げ部が形成すれば、非焼入部にスライダー20が達したときでも、その非焼入部に対してスライダー20の全荷重が掛かることがなくなるため、さらにその非焼入部の剥離や摩耗を防止することができる
200…高周波焼入装置
10…曲線軌道レール
11…レール本体
12a、12a、12b、12b…軌道面
20…スライダー
30…送りローラ
40…高周波コイル
50…冷却手段
B…転動体
Claims (4)
- 軌道面に沿ってスライダーが摺動する曲線軌道レールを備えた曲線運動案内装置であって、
前記曲線軌道レールは、
無端環状の一体構造となっていると共に、少なくとも前記スライダーが摺動する軌道面に高周波焼入れによる焼入部が連続して形成されており、かつ、前記焼入部の始点と終点との間に非焼入部を有することを特徴とする曲線運動案内装置。 - 請求項1に記載の曲線運動案内装置において、
前記軌道面は、前記曲線軌道レールの内周側と外周側とに形成されていると共に、前記非焼入部は、それぞれ前記曲線軌道レールの内周側と外周側とでほぼ同位相に形成されていることを特徴とする曲線運動案内装置。 - 請求項1または2に記載の曲線運動案内装置において、
前記非焼入部の周方向長さは、前記スライダーの周方向の長さよりも短いことを特徴とする曲線運動案内装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の曲線運動案内装置において、
前記軌道面の非焼入部を含む範囲に、前記スライダーの荷重が作用しない逃げ部が形成されていることを特徴とする曲線運動案内装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008258799A JP2010090920A (ja) | 2008-10-03 | 2008-10-03 | 曲線運動案内装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008258799A JP2010090920A (ja) | 2008-10-03 | 2008-10-03 | 曲線運動案内装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2010090920A true JP2010090920A (ja) | 2010-04-22 |
Family
ID=42253861
Family Applications (1)
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JP2008258799A Pending JP2010090920A (ja) | 2008-10-03 | 2008-10-03 | 曲線運動案内装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2010090920A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015010619A (ja) * | 2013-06-26 | 2015-01-19 | 日本精工株式会社 | 曲線運動案内装置 |
KR101640521B1 (ko) * | 2015-12-14 | 2016-07-18 | 김은진 | 곡선형 레일 제조방법 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002174251A (ja) * | 2000-12-04 | 2002-06-21 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
JP2003184877A (ja) * | 2002-10-31 | 2003-07-03 | Nsk Ltd | リニアガイド装置の案内レール |
WO2005071690A1 (ja) * | 2004-01-23 | 2005-08-04 | Thk Co., Ltd | 回転テーブル装置 |
-
2008
- 2008-10-03 JP JP2008258799A patent/JP2010090920A/ja active Pending
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