JP2010090694A - 下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成る無機組成物、及び、それを基盤とする緑化複合システム - Google Patents

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Abstract

【課題】下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから或る無機組成物、及び、それを基盤する緑化複合システムの提供。
【解決手段】下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーは、断熱・遮熱性を有するポーラスで多孔質な結晶構造を有するエトリンガイト,炭酸カルシウム,珪酸カルシウムなどが生成されると共に、広範な粘性(低シェアー粘度,中シェアー粘精度,高シェアー粘度)を有するスラリーとされ、且つ、保水・離水性の高い結晶構造の無機鉱物が生成される。また、下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成形された緑化用基盤材であって、断熱・遮熱性を有すると共に、広範な粘性を有するスラリーとされ、且つ、保水・離水性の高い基盤材の上に、セダム,モスのような緑化装飾体を有する緑化複合システムとする。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
この発明は、特に建材として用いるのに好適であり、断熱・遮熱性に優れると共に、粘性に優れ、且つ、保水・離水性の吸放湿性から成る気化熱による保冷効果並びに下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成る多孔質でCO吸着分解機能も有する無機組成物に関するものである。
近年、社会のグローバル化が急速に進んだ結果、地球温暖化防止が叫ばれ始めている。地球温暖化防止のためには、個人をはじめとして地域社会や産業界などあらゆる分野で様々な取り組みが必要とされており、現今では、スケールメリットの観点からも、特に、産業界での二酸化炭素の排出量の削減が急務な課題とされてきている。
産業界における二酸化炭素の削減策としては、例えば、建材として用いるものとして工場や倉庫などの屋根・壁材料が有るが、この屋根・壁材料としては鋼板やコンクリートなどの素材が使用されることが多い。しかしながら、これらの素材は著しく加熱され易く蓄熱され易い素材であるため、冷暖房設備の整った施設ではともかくとして、冷暖房設備の整わない多くの一般的な工場や倉庫において、加熱・蓄熱の問題は省エネ面やコスト面の双方で深刻な問題であった。また、冷暖房設備の整った施設であっても、保温・保冷を如何に効率よく確保し省エネ効果・コスト削減を達成するかは深刻な問題であった。
その他、公園などの遊歩道や自転車道,駐車場あるいは小学校を始めとする校庭などのように、コンクリートを使用した箇所は数多くあり、このようなコンクリートジャングル化され箇所は、あらゆる分野でヒートアイランド現象が顕在化している。これは、鋼板やコンクリートなどの素材は、かつての土壁や自然のままの地面と異なり保水・離水性が悪く、すなわち、特に吸放湿性の点で悪いという事情がある。
ところで、本特許出願人は、特許文献1のように、塗装ローラ,刷毛,吹き付け塗装よって施工性よく、ボード,パネル,壁等の表面に表面層を形成することができる建材用組成物を市場に提供して好評を得ている。
この建材用組成物は、粉末状消石灰100重量部に対して、白セメントを80〜90重量部、粉末状焼成白色珪藻土50〜60重量部を含む配合関係により、調湿性の向上を図ると共に、粉末状焼成白色珪藻土における多孔質組織の調湿作用をもよりよく発揮させることができ、有効な結露防止作用が得られるとの効果を有している。
また、粉末状粘土質材料を11〜67重量部含む配合関係により、その粘り性によって、従来のコテのように圧力をかける場合は勿論のこと、圧力をかけない刷毛,ローラ,吹き付けガンによる吹き付け塗装でも、塗装作業中のダレが生じないとの効果を有している。
さらに、助剤として、下地材に対する接着性を促進する粉末状アクリル剤を6〜7重寮部を含むので、水との混練物とした際に下地材への良好な接着性を有し、保水性増粘剤である水溶性非イオンセルロースエーテルを4〜6重量部を含むので、塗装作業における渇きを意図的に遅くして表面のわれを防止し、消泡剤を1〜2重量部を含むので、圧力を加えない刷毛,ローラ,吹き付け塗装時においても塗装面に泡を生じさせないなどの効果を有する。
一方、近年は、下水処理場から発生する下水汚泥の増加に伴い、下水汚泥焼却灰の有効利用の要請がさらに高まっている。特許文献2に記載されているように、下水汚泥焼却灰を原料として建材を製造する技術などが提案されている。
この下水汚泥焼却灰は、一般には水分94〜99%の下水汚泥を凝集剤で凝集させ、これを濾過し脱水して水分60〜80%の脱水ケーキを得ると共に、この脱水ケーキを焼却して得られるものである。また、その組成は、酸化珪素(SiO)と酸化アルミニウム(Al)を主成分として、その他酸化鉄(Fe)、酸化リン(P)酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カリウム(KO)、酸化ナトリウム(NaO)などを少量として含むものであり、これに凝集剤の無機物が付加されている。
なお、下水汚泥焼却灰を凝集させる方法には、高分子凝集剤(主としてカチオン系凝集剤等を用いる)を使用する方法、無機の消石灰を主体に少量の塩化第二鉄を使用する方法、無機の過酸化水素と硫酸第一鉄を使用する方法が知られている。
特許第3460077号 特開平7−69705号
ところで、本特許出願人は、特許文献1に開示された技術をベースとし、且つ、その有効利用の要請が高まっている下水汚泥焼却灰を主成分とした技術をベースとし、省エネ性能並びにヒートアイランド抑制性能がもたらす地球温暖化防止効果を併せ持つ最適配合の組成物を鋭意研究したものである。また、その組成物に対する添加物として、天然固形剤,バインダー剤,遮熱剤などの最適配合の組成物を鋭意研究したものである。
省エネ効果を有する保温・保冷材とは、断熱・遮熱を可能とする保温・保冷材効果をもたらすものであり、ポーラスで比表面の大きい表面構造を持ち、かつ針状・多孔質の内部構造を持つ構造体である。これらの特徴は、下水汚泥焼却灰の成分からも得られることが判明した。すなわち、下水汚泥焼却灰と既に特許取得済の建材用組成物特許第3460077号(特許文献1)(ブランド名:ケイソウくん)、両方ともVOID(空間)はありますが、焼却灰と組成物の両成分が相まって(化学的に反応してポーラスで多孔質な結晶構造を持つ、エトリンガイトや炭酸カルシウム,珪酸カルシウムなどができ、その結果、断熱、保温・保冷の両面での効果が期待できる。
また、下水汚泥焼却灰は、粘性が高く、原料の粘性が適度に保たれ特殊のバインダー等を混ぜることなく、吹き付け・コテ練り等の施工性を改善し、粘性があるため他の素材との付着性もよくなることが判明した。このことは、鏝以外の吹き付け施工、ローラー施工を可能にするものである。
さらに、下水汚泥焼却灰は、粘性がある割には保水・離水性が高いので、製品の吸放湿性にも好適であり気化熱による保冷効果など様々な効果が判明したものである。
このように、珪藻土を含む多孔質無機鉱物と下水汚泥焼却灰の特質に対する研究の結果、省エネ効果とヒートアイランド抑制効果を併せ持つ最適配合の組成物を知見したものである。また、その組成物の有効利用の可能性として、特に、当面の課題として建材として用いるのに好適な無機組成物を得んとするものである。
例えば、従来の下水汚泥焼却灰の利用は、セメントの骨材・増量材や土壌改良剤やコンクリートブロックとされる。しかしながら、この発明による開発製品によれば、熱環境を改善することができる製品で、その用途としては屋根材,外壁材,歩道・自転車道・駐車場,土間などの舖装材としても活用することができ、しかも製造時の負荷エネルギーが非常に少ないという新規性を有している。
この発明は、上記のような目的を達成するために、各種の素材として用いるのに好適であり、断熱・遮熱性に優れると共に、粘性に優れ、且つ、保水・離水性の吸放湿性に優れ気化熱による保冷効果を有する下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物、及び、それを基盤とする緑化複合システムを提供するものである。
この発明は、上記のような目的を達成するために、請求項1記載のように、下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーは、断熱・遮熱性を有するボーラスで多孔質な結晶構造を有するエトリンガイト,炭酸カルシウム,珪酸カルシウムなどが生成されると共に、広範な粘性(低シェアー粘度,中シェアー粘度,高シェアー粘度)を有するスラリーとされ、且つ、保水・離水性の高い結晶構造の無機鉱物が生成されていることを特徴とする。
また、請求項2記載のように、上記混合スラリーから成る無機組成物と、上記混合スラリーよりも少ない混合率よりなる無機組成物との2種の少なくとも2層構造よりなることを特徴とする。
また、請求項3記載のように、上記混合スラリーよりも少ない混合率よりなる混合スラリーから成る無機組成物は、高い遮光性を有するホタテ貝粉末を含む各種貝殻並びに卵の殻の粉末を含有することを特徴とする。
また、請求項4記載のように、上記無機組成物は、簡易に敷設するだけで活用可能な防草材とされることを特徴とする。
また、請求項5記載のように、助剤として、断熱・遮熱性を促進するパーライト,寒水石などの無機鉱物であることを特徴とする。
また、請求項6記載のように、無機組成物は、鏝、吹き付け、流し込みのあらゆる施工に対応可能であることを特徴とする。
また、請求項7記載のように、請求項1乃至請求項5記載の下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成る無機組成を基盤とし、その基盤上にこけ,セダム(メキシコ百年草)などのような断熱・遮熱並びに保水・離水性能による気化熱に優れ、緑化と保冷効果を促進する装飾体を形成することを特徴とする緑化複合システム。
請求項1,4,5の発明によれば、珪藻土を含む多孔質無機鉱物の特質と下水汚泥焼却灰の特質とを併せ持つ最適配合な組成物とされ、混合した混合スラリーよりなる基盤上であって、断熱・遮熱性に優れると共に、広範な粘性を有するスラリーとされ、且つ、保水・離水性の高い保冷効果を促進する無機組成物を屋根材・外壁材・歩道や自転車道あるいは駐車場などの舗装材・土間の用途に提供することでコンクリートジャングルから開放され低炭素社会の一助とすることができる。
請求項2、3の発明によれば、上記効果と共に、特に遮光性と断熱性に優れた無機鉱物を提供することができる。
請求項4の発明によれば、上記効果と共に、ばら撒き少し平らにしてホースで水を張るだけの簡易に敷設するだけで活用可能な防草材を提供することができる。
また、請求項6記載の発明によれば、下水汚泥焼却灰と無機多孔質鉱物を含む珪藻土を主成分として混合した混合スラリーにより成形され、断熱・遮熱性を有すると共に、広範な粘性を有するスラリーとされ、且つ、保水・離水性の高い基盤材の上に、セダム,モスのような緑化と保冷効果を促進する装飾体を有することができ、低炭素社会を構築する一助となる緑化複合システムを提映することができる。
以下、この発明を詳細に説明する。
図1は、検体の表面温度の測定方法を示す説明図、図2は、検体の温度測定記録を示す説明図、図3は、スラリーの離水率の測定結果を示す説明図である。
まず、この発明の技術を絞り込むために、本特許出願人に係る外壁グレード(特許文献1)などをベースとして、下水汚泥焼却灰、並びに、組成物配合(無機多孔質鉱物を含む珪藻土、天然固化剤、バインダー、遮熱材料など)の割合と種類を変えて、100種類の配合について簡易的に塗布と吸放湿性のテストを行なった。
その結束から、最終的には下表の4種類(A〜D群)の配合群に絞り、断熱性能の詳細な評価を行うこととした。
そして、この4種類の配合をベースにした開発製品を、厚さ3mmにて塗布した鋼板118枚、厚さ5mmの鋼板16枚の計34校の鋼板を製作し、3.2mmx200mmx300mmの鋼板に塗布、乾燥したものを検体とし、断熱性能の測定を行なった。
なお、測定方法は、台上に1cmの空間を空けて検体を乗せ、100ワット白熱電球の光を20cmの高さより照射した。当初の照射時間は1時間は各10分、以後3時間は30分ごとに合計4時間、検体の表面温度を測定した。
その他、無塗布の鋼板も同時計測を行なった(図1参照)。
実験結果は、選別した34校(全てに下水汚泥焼却灰は含まれている)の検体結果から、省エネ効果はもちろん強弱はあるが概ね想定範回の満足できる、次のような結果が判明した。
1.34枚とも鋼板単体と比べて裏面の温度差が15度−約20度あり、34枚自身の表裏面に温度差は約20度−30度あった。
2.遮熱材料を含ませた配合開発製品は、その期待通りの結果がでており、遮熱材料を含まない配合開発製品より裏面の温度差が数度低い結果となっている。
3.下水汚泥焼却灰は増量すればするほどよいと言うことではない。
なお、上記3の「下水汚泥焼却灰は増量すればするほどよいと言うことではない」とのことは、熱伝導率と可視領域での反射率に係ることであり、建材などの高い断熱性と遮熱性を得る上で重要であり、詳細には後述する。
すなわち、下水汚泥焼却灰には、後述するように
1.ポーラスで多孔質
2 粘性
3.保水・離水性
の3つの利点がある。
しかしながら、一方では、光の反射率、遮光性、熱伝導率、蓄熱性、ではマイナスの影響も予測され、用途ごとに他物質とのベストの配合から推測して、10〜50%が最適添加量であると予測できる。
以上の結果、及び、全体のデータを踏まえて、以後の詳細な検討の配合はA群に絞ることとなった。代表例として、鋼板及び検体1、検体2の測定結果を図2に示す。
以上の測定結果かち下水汚泥焼却灰と無機多孔質鉱物を含む珪藻土の効果としで、次の事項が判明した。
▲1▼断熱・遮熱性
下水汚泥焼却灰と特許出願人の<ケイソウ<ん>(特許文献1参照)とは、組成物を生成するに際してよきパートナーである。具体的には、両方ともVOID(空間)はあるが、下水汚泥焼却灰と<ケイソウ<ん>配合材の両成分が相まって、すなわち化学的に反応して、下記顕微鏡写真(写真1)のように、ボーラスで多孔質な結晶構造を持つ鉱物、エトリンガイトや珪酸カルシウム、炭酸カルシウムなどが生成され、その結果として、断熱・遮光性など保温・保冷の両面での効果を実現される。
▲2▼粘性
下水汚泥焼却灰サンプルに水を混ぜ、固形分濃度53‰のスラリーを作成し、LOW SHEAR粘土計及びHIGH SHEAR粘土計でこの混合スラリーの中でローターをOから4400回転させ、その際に発生するせん断力を測定して粘土を推定した。その結果を、図3に示す。
比較のために、紙・自動車塗装で使われている炭酸カルシウムスラリー及びそれに二酸化チタンを加えたもののデータを記したが、下水汚泥焼却灰スラリーは低シェアー粘度が高く、かつ高シェアー粘度も比較的高い。
このことは、壁材等に下水汚泥焼却灰を混合することにより、次のことが判明される。
1)原料の粘度が適度に保たれ、特殊なバインダー等を混ぜることなく、吹き付け(高シェアー粘度)施工性、鏝塗り(中シェアー粘度)施工性に優れ、かつ、吹き付け叉は鏝塗り施工後のたれ(低シェアー粘度)がないという総合面的に優れた施工性が期待できる。
2)適当な粘度があるため、他の素材との付着性もよくなり、複合材の成形、表面化粧性にも好結果が期待できる。
▲3▼保水・離水性
同じ下水汚泥焼却灰と無機多孔質鉱物を合物珪藻土のスラリーのサンプルで「GRAVIMETRIC WATER RETENTIONMETER」を使用し、粘土測定に使用したスラリーの0.5Kg/cm2の圧力を30秒かけフィルターを介して、ろ紙に水分を吸わせ、スラリーの離水平を測定した。結果は図3に示す。
下水汚泥焼却灰と無機多孔質鉱物を含む珪藻土のスラリーは、粘性がある割には離水度が高く、製品の吸放湿性にも好影響を及ぼすことが判明した。
次に、この発明に係る下水汚泥焼却灰の熱伝導率について考察する。
まず、試料形状は100×100×25mmの壁材のもので測定し、温度範囲は室温から250℃程度とした。
ケイソウくん外壁材と下水汚泥焼却灰を10%、20%、30%配合させた試料(下記表)を作成した。その測定結果を、図4に示す。
横軸は時間の自然対数、縦軸はヒーター温度T[℃]を発熱量q[Wm−1]で割った値であり、それぞれの測定値に対して直線を最小自乗法で最適化し傾きを求めた。
それぞれの試料と測定の傾きΔ(T/q)/Δ(ln(t))[W−1mK]および傾きから求められる熱伝導率を、配合試料とともに表1にまとめた。なお、試料中の水分はよく除去し、試料の乾燥を十分に行う必要がある。
この結果、下水汚泥焼却灰を配合することによって、ケイソウくん外壁材の熱伝導率が減少することがわかる。
すなわち、下水汚泥焼却灰を配合することで建材としての断熱効果が高まることが判明した。したがって、40%および50%の汚泥焼却灰配合試料でもほぼ同様の熱伝導率の変化が予測される。
次に、この発明に係る下水汚泥焼却灰の反射率について考察する。
すなわち、ケイソウくん外壁材とそれに汚泥焼却灰を10%、20%、30%、40%配合させた試料の可視光域の反射率を測定する。
太陽の温度は5760Kで、太陽光は大気を通して地表面に届くが、大気を通過中に散乱や吸収を受けるので、大気圏外の値よりも地表に届く光は弱くなる。なお、この減衰量は、大気の状態によって大きく影響を受けることとなり、また太陽光の波長によっても影響の大きさが違うこととなる。
図5にJISで規定している基準太陽光の波長分布、すなわち地表面の太陽光の波長分布のグラフを示す。
同図により、地表付近の構造物の温度を上昇させる波長は、500nmをピークとした可視光域の波長であることがわかる。
したがって、可視光域を反射率を測定したが、測定装置は日本分光株式会社製V−650紫外可視近赤外分光光度計(波長範囲190〜900nm)を用い、建材試料の表面の粗さを考慮して散乱光が測定できるように、ISV−722積分球ユニットをオプションとして導入して測定した。
波長200〜890nmでのケイソウくん外壁材に、汚泥焼却灰を配合した試料の反射率の測定結果を示す(図6参照)。
汚泥焼却灰の配合していないケイソウくん外壁材では波長500nm付近で75%程の高い反射率を示し、可視域から近赤外にわたってその高い反射率を維持しているが、汚泥焼却灰を配合していくと全波長領域で反射率が単調に減少していくことがわかる。
すなわち、汚泥焼却灰を配合することでケイソウくん外壁材の反射率が明らかに低下しており、汚泥焼却灰が建材の遮光性の悪くしてしまうことがわかる。
したがって、下水汚泥焼却灰を配合した建材の伝熱効果を利用するためには、2層構造にして表面での反射率を上げる必要があることがわかる。
次に、ホタテ貝粉末の反射率についての実験を行った。
波長200nmから890nmの範囲で、▲1▼AFT95(高級紙の光沢のためのコーティング剤)、▲2▼ホタテ貝粉末、▲3▼AFT95とホタテ貝粉末の等分配合、▲4▼遮光塗料の4種類の試料の反射率の測定を行った。
すべての試料は、アクリル板の上に塗布されたものであるが、▲1▼と▲2▼はケイソウくん外壁材に各10%内付けで配合塗付、▲3▼はケイソウくん外壁材に各5%内付けで配合塗付、▲4▼はアクリル板に直接塗布したものである。
結果は、試料▲1▼、▲2▼、▲3▼はどれも波長500nmで75%程度の高い反射率を示した。また、400nmより短い紫外光の領域で30%から50%程度の反射率があり、ケイソウくん外壁材単体に比較して、紫外域領域での反射率の高さがわかる。
さらに、ケイソウくん外壁材と同様に400nmから近赤外領域にかけて、高い反射率を維持していることがわかった。
検体として用いた遮光塗料では、400nm付近では近い反射率であるが、紫外域領域では5%程度しか反射率がないことがわかった。
AFT95とホタテ貝粉末で反射率においてほとんど差がないことがわかり、ホタテ貝粉末の遮光剤としての有用性が認められる。
結果として、下水汚泥焼却灰を配合することで、断熱性が高まることがわかるが、同時に反射率を下げてしまうことも認められた。
このため、下水汚泥焼却灰の断熱性を利用するためには、建材を2層構造にする必要があり、表面には反射率の高いものを塗布することで遮光性を上げる必要があり、ホタテ貝は高い遮光性を示しており、これを用いた2層構造とすることで、遮光性と断熱性の高い建材ができることが期待できる。
駐車場並びに天井をサーモカメラ写真で示す。
写真 普通のコンクリート駐車場と下水汚泥焼却灰を活用した4種類の駐車場
写真 手前の真っ赤部分が普通のコンクリート駐車場50度から55度。一方、下水汚泥焼却灰入りの4種類の駐車場は左から2番目が一番温度が低く30度前後。
写真 薄板鋼板で出来ている倉庫の屋根裏の天井部分を写す。この屋根(表側)の一部に開発製品を吹き付け塗布している。
写真 天井部分の一部が橙色で38度から40度前後、その他は真っ赤で42度から44度の間。
しかも、この発明においては、下水汚泥焼却灰は外部に使用することが多いので雨などによる有害物質が溶出することを防止し安全性が確保されている。すなわち、神奈川県産業技術センターによる「汚泥焼却灰入りケイソウくん外壁用塗壁材」の分析・試験等成績書(平成20年7月3日)によると、<溶出及び分析測定>について、「溶出方法は環境庁告示第46号及び(社)土壌環境センターの酸添加溶出試験法、アルカリ添加溶出試験法を参考に検液を作成した」とされ、その結果は次のようなものであった。
なお、この発明においては、下水汚泥焼却灰を活用して省エネ効果と地球温暖化効果を併せ持つ無機建材を高温焼成する事無く製造でき、無機建材の多孔質性も保持でき、保水・離水効果が維持できる。一般的に約1000度以上の高温焼成で造り上げたレンガ、タイル等々の無機建材はポーラスで無くなり保水・離水性能は消滅する。それ故、歩道等への敷き込みレンガは雨天時には滑りやすくなり、スリップ等の事故も発生している。しかし今回の無機多孔質鉱物を含む珪藻土を主成分とする混合スラリーから成る無機組成物は焼成エネルギーを使用せず製品を造る事ができ、製造時の二酸化炭素も発生せず且つポーラス状態を保つ事ができるので低炭素社会構築の一助を担う事ができる。尚、下水汚泥焼却灰は今までは増量材として、あるいは上述の如く高温焼成してのレンガ等々に使用されていたのが一般的でありますが今回の付加価値活用とは無機祖成物の製品製造時に焼成エネルギーを使用せず、尚且つ特許第3460077号製品“ケイソウくん″と下水汚泥焼却灰が一緒になることによりもたらされたのである。
この組成物は、上記のような効果を備えているのでパネルなどにも適しており、保冷効果を有するこの種のパネル面並びに吹き付け、あるいは流し込み等々の基板材の上に、セダム(メキシコ百年草)やモス(こけ)などを植する。すなわち、セダムはマンネングサ属に属し世界各地に分布し、岩盤面の隙間のような、乾燥かつ貧栄養状態にあるわずかな土壌でも生育可能な植物といわれ、石垣などの被覆に使われることも多く、乾燥、高低温、塩害、アルカリ性に強く、近年は屋上緑化に適した植物としても注目・利用されるで、保冷効果を有する装飾品とすることもできる。
検体の表面温度の測定方法を示す説明図である。 検体の温度測定記録を示す説明図である。 スラリーの離水率の測定結果を示す説明図である。 基準太陽光波長分布を示すグラフである。 反射率の汚泥焼却灰配合率依存性を示すグラフである。 ホタテ貝とAFTの反射率を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーは断熱・遮熱性を有するポーラスで多孔質な結晶構造を有するエトリンガイト,炭酸カルシウム 珪酸カルシウムなどが生成されると共に、広範な粘性(低シェアー粘度,中シェアー粘度,高シェアー粘度)を有するスラリーとされ、且つ、保水・離水性の高い結晶構造の無機鉱物が生成されていることを特徴とする下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成る無機組成物。
  2. 上記混合スラリーから成る無機組成物と、上記混合スラリーよりも少ない混合率よりなる混合スラリーから成る無機組成物との2種類の少なくとも2層構造よりなることを特徴とする請求項1記載の下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成る無機組成物。
  3. 上記混合スラリーよりも少ない混合率よりなる無機組成物は、高い遮光性を有するホタテ貝粉末を含む各種貝殻並びに卵の殻の粉末を含有することを特徴とする請求項2記載の下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成る無機組組成物。
  4. 上記無機組成物には、簡易に敷設するだけで活用可能な防草材を混在したことを特徴とする請求項1記載の下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成る無機組成物。
  5. 助剤として、断熱・遮熱性を促進するパーライト,寒水石や大谷石の屑などの無機鉱物であることを特徴とする請求項1記載の下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成る無機組成物。
  6. 無機組成物は、鏝、吹き付け、流し込みのあらゆる施工に対応可能であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成る無機組成物。
  7. 請求項1乃至請求項6記載の下水汚泥焼却灰と珪藻土を含む多孔質鉱物を主成分とする混合スラリーから成る無機組成を基盤とし、その基盤上にこけ,セダム(メキシコ百年草)などのような断熱・遮熱並びに保水・離水性能による気化熱に優れ、緑化と保冷効果を促進する装飾体を形成することを特徴とする緑化複合システム。
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