JP2010088015A - 放射線画像撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな回路を設けずに、撮像素子から読み出された電荷を電気信号に変換する読み出し回路ごとに電気信号を補正するための補正データを取得することが可能な放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線の照射により電荷を発生させる撮像素子7が二次元状に配列された放射線画像撮影装置1において、撮像素子7から読み出した電荷を電気信号Dに変換する読み出し回路17と、撮像素子7に蓄積された電荷の信号線6に放出させるスイッチ素子8と、撮像素子7に印加される逆バイアス電圧Vbiasを制御し、スイッチ素子8のオン/オフを制御する制御手段22と、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasの値を変化させた場合の逆バイアス電圧Vbiasと読み出し回路17から出力された電気信号V(m,n)の値とから、読み出し回路17ごとに電気信号Dを補正するための補正データr(m)を演算する演算手段22とを備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に、二次元状に配列された撮像素子で発生した各電荷を読み出し回路で読み出す放射線画像撮影装置に関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波の光エネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて撮像素子という。
このような放射線画像撮影装置(FPD(Flat Panel Detector)ともいう。)では、通常、例えばガラス基板上に複数の走査線と複数の信号線とを互いに交差するように配設して、走査線や信号線で区画された基板上の各領域に撮像素子を設け、放射線や放射線から変換された電磁波の照射により各撮像素子に蓄積された電荷が信号線を介して読み出され、増幅回路等を含む読み出し回路で増幅等の処理が行われて電気信号として出力されるようになっている。
そして、1本の信号線には複数の撮像素子が薄膜トランジスタ等のスイッチ素子を介して接続され、また、1本の信号線ごとに1個の読み出し回路が設けられる。すなわち、1本の信号線に接続された複数の撮像素子からそれぞれ電荷が1個の読み出し回路で順次読み出されて増幅等の処理が施されて電気信号として出力される。
ところで、読み出し回路は、通常、1個の読み出しIC内に複数形成されるが、読み出しICは、通常、各読み出しICごとに部品ばらつきを持つ。また、1個の読み出しIC内でも各読み出し回路ごとに特性ばらつきがあるのが通常である。そこで、一般的には、信号線を介して接続される各撮像素子と読み出し回路とを1つのセットとして、放射線画像撮影装置のキャリブレーション時に読み出し回路から出力される電気信号を補正するための補正データが各セットごとに求められる。
しかし、このようにして各撮像素子と読み出し回路とのセットごとに補正データを求めると、各読み出し回路ごとに算出されるべき真の補正データとの微妙な誤差を生じる。
放射線画像撮影時に放射線画像撮影装置に照射される放射線の線量が大きい場合には、読み出し回路から出力される電気信号自体が大きな値となるため、上記の誤差は最終的に得られる画像データに目立った影響を及ぼさず、良好な放射線画像が得られる。しかし、放射線画像撮影時に放射線画像撮影装置に照射される放射線の線量が低線量の場合に、読み出し回路から出力される電気信号が小さな値となる。そのため、上記の誤差が強調されて、読み出し回路に対応する信号線ごとに、放射線画像にいわゆるラインノイズによる線状の濃度変化が生じてしまい、得られる放射線画像の画質が低下するという問題があった。
そこで、例えば特許文献1に記載のX線検出装置では、装置内に擬似信号入力装置を設けて、各読み出し回路に一定の電荷を与えるように構成し、その擬似的に入力された電荷に対して出力される電気信号の値を測定することで、各読み出し回路ごとに電気信号を補正するための補正データを取得することが提案されている。
特開2005−245507号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、読み出し回路に擬似信号入力装置を接続し、特に読み出し回路の増幅器の入力側に擬似信号入力装置等の新たな回路を接続してしまうと、放射線画像撮影の際に、各撮像素子から読み出される電荷に擬似信号入力装置からのノイズがのってしまう場合があった。
このように、せっかく擬似信号入力装置を設けて各読み出し回路ごとに電気信号を補正するための補正データを取得したとしても、擬似信号入力装置等の新たに設けた回路自体が新たなノイズの発生源として作用してしまい、得られる放射線画像の画質が低下するという問題があった。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、新たな回路を設けずに、撮像素子から読み出された電荷を電気信号に変換する読み出し回路ごとに電気信号を補正するための補正データを取得することが可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
放射線の照射により電荷を発生させる撮像素子が二次元状に配列された放射線画像撮影装置において、
前記撮像素子から信号線を通じて電荷を読み出し、前記撮像素子ごとに前記電荷を電気信号に変換する読み出し回路と、
オン状態とされることにより前記撮像素子に蓄積された前記電荷の前記信号線に放出させるスイッチ素子と、
前記撮像素子に印加する逆バイアス電圧を供給する逆バイアス電源と、
前記逆バイアス電源から前記撮像素子に印加される前記逆バイアス電圧を制御し、前記スイッチ素子のオン/オフを制御する制御手段と、
前記撮像素子に印加する前記逆バイアス電圧の値を変化させた場合の前記逆バイアス電圧と前記読み出し回路から出力された前記電気信号の値とから、前記読み出し回路ごとに前記電気信号を補正するための補正データを演算する演算手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、所定の等価寄生容量を有する撮像素子を一種のコンデンサとして用い、逆バイアス電圧やその変化量の絶対値があまり大きくならない範囲では、コンデンサとしての撮像素子に印加する逆バイアス電圧の変化量に比例した量の電荷が撮像素子の電極に新たに発生し、それに付随して読み出し回路の増幅回路に電荷が供給されることを利用して、逆バイアス電圧の変化量を制御して、読み出し回路の増幅回路に供給する電荷の量を前記変化量に比例した量に制御する。
そのため、撮像素子に印加する逆バイアス電圧の値を的確に変化させることで、読み出し回路の増幅回路に供給される電荷の量を的確に制御することが可能となるとともに、読み出し回路の増幅回路から出力される電気信号を、逆バイアス電圧の変化量に比例して容易かつ的確に変化させることが可能となる。また、それにより、補正データを定量的に演算して的確に取得することが可能となる。
また、放射線画像撮影装置に既に設置されている撮像素子や逆バイアス電源等を用いて補正データを取得することができるため、読み出し回路の増幅回路の入力側に擬似信号入力装置等の新たな回路を接続する必要がなく、新たな回路からノイズが混入することを的確に防止することが可能となり、得られる放射線画像の画質が低下することを確実に防止することが可能となる。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置がシンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納されたカセッテ型の装置として構成されている。
筐体2は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面(放射線入射面)2aが放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板51とバック板52とで形成された、いわば弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を一体的に形成するいわばモノコック型とすることも可能である。
また、図1に示すように、筐体2の側面部分には、LED等で構成されたインジケータ53や蓋部材54、電源スイッチ55等が配置されている。また、蓋部材54の側面部には、外部と無線で情報の送受信を行うための無線通信手段であるアンテナ装置56が埋め込まれている。
また、図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台57が配置され、基台57には、電子部品58等が配設されたPCB基板59や緩衝部材60等が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面2aには、それらを保護するためのガラス基板61が配設されている。
シンチレータ3は、基板4の検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光線を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域Rには、それぞれ本実施形態では光電変換素子である撮像素子7がそれぞれ設けられている。
このように、撮像素子7は基板4上に二次元状に配列されている。また、撮像素子7が設けられた領域R全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
本実施形態では、撮像素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも、例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各撮像素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ素子である薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、オン状態とされることにより、すなわちゲート電極8gに信号読み出し用の電圧が印加されてTFT8のゲートが開かれることにより、撮像素子7に蓄積された電荷を信号線6に放出させるようになっている。
ここで、本実施形態における撮像素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるX−X線に沿う断面図である。
基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiN)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層82を介して、撮像素子7の第1電極74と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiN)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
また、撮像素子7の部分では、基板4の面4a上に前記ゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上にAlやCr等が積層されて補助電極72が形成されており、補助電極72上に前記第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層73を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極74が積層されている。第1電極74は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
第1電極74の上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層75、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層76、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層77が下方から順に積層されて形成されている。
放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面2aから放射線が入射し、シンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が図中上方から照射されると、電磁波は撮像素子7のi層76に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。撮像素子7は、このようにして、シンチレータ3から照射された電磁波を電荷に変換するようになっている。なお、p層77、i層76、n層75の積層の順番は上下逆であってもよい。
p層77の上には、ITO等の透明電極とされた第2電極78が積層されて形成されており、照射された電磁波がi層76等に到達するように構成されている。以上のようにして撮像素子7が形成されている。
また、撮像素子7の第2電極78の上面には、第2電極78を介して撮像素子7に逆バイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、撮像素子7の第2電極78やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極74、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち撮像素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiN)等からなる第2パッシベーション層79で被覆されている。
図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の撮像素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。バイアス線9や結線10は、電気抵抗が小さい金属線で形成されている。
本実施形態では、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図6に示すように、IC12a等のチップが組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板59に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路図であり、図8はその中の基板4の検出部Pを構成する1画素分についての等価回路図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各撮像素子7は、その第2電極78がそれぞれバイアス線9および結線10に接続されており、結線10は逆バイアス電源14に接続されている。逆バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各撮像素子7に印加する逆バイアス電圧を供給するようになっている。
また、逆バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22は、逆バイアス電源14から各撮像素子7に印加する逆バイアス電圧を制御し、変化させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、撮像素子7のp層77側に第2電極78を介してバイアス線9が接続されていることからも分かるように、逆バイアス電源14からは、撮像素子7の第2電極78にバイアス線9を介して逆バイアス電圧として撮像素子7の第1電極74側にかかる電圧よりも低い電圧が印加されるようになっている。
また、撮像素子7のp層77、i層76、n層75の積層順を逆に形成して第2電極78を介してn層75にバイアス線9を接続する場合には、逆バイアス電源14からは第2電極に逆バイアス電圧として第1電極74側にかかる電圧よりも高い電圧が印加される。なお、その場合には、図7や図8における撮像素子7の逆バイアス電源14に対する接続の向きが逆向きになる。
なお、本実施形態では、撮像素子7として、上記のようにp層77、i層76、n層75の順に積層されて形成されたいわゆるpin型の撮像素子を用いる場合が説明されているが、撮像素子7は、このようなpin型の撮像素子に限定されず、逆バイアス電圧が印加されて内部に電位勾配が形成される撮像素子であれば、本発明を適用することが可能である。
各撮像素子7の第1電極74はTFT8のソース電極8s(図7、図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7、図8中ではGと表記されている。)は走査駆動回路15から延びる各走査線5にそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7、図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査線5を介して走査駆動回路15からTFT8のゲート電極8gに信号読み出し用の電圧が印加されるとTFT8のゲートがオン状態とされて、撮像素子7に蓄積された電荷がTFT8のソース電極8sを介してドレイン電極8dから信号線6に読み出されるようになっている。
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、読み出しIC16には所定個数の読み出し回路17が設けられており、読み出しIC16が複数設けられることにより、信号線6の本数分の読み出し回路17が設けられるようになっている。
読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング回路19と、A/D変換器20とで構成されており、1本の信号線6ごとに1回路ずつ設けられている。そして、読み出し回路17は、撮像素子7から信号線6を通じて電荷を読み出し、撮像素子7ごとに電荷を増幅する等して電気信号に変換するようになっている。なお、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19は、図7や図8中および後述する図9中ではCDSと表記されている。
読み出し回路17内の増幅回路18の入力側には、信号線6が接続されている。増幅回路18は、各撮像素子7から読み出された電荷を増幅するようになっている。本実施形態では、増幅回路18はチャージアンプ回路で構成されている。すなわち、増幅回路18は、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続されて構成されている。電荷リセット用スイッチ18cは制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。
また、増幅回路18では、電荷リセット用スイッチ18cがオフの状態で、撮像素子7のTFT8のゲートがオン状態とされると(すなわち、TFT8のゲート電極8gに信号読み出し用の電圧が印加されると)、コンデンサ18bに当該撮像素子7から読み出された電荷が蓄積され、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっている。
増幅回路18は、このようにして、撮像素子7から出力された電荷量に応じて電圧値を出力して電荷を増幅するようになっている。また、電荷リセット用スイッチ18cがオン状態とされると、増幅回路18の入力側と出力側とが短絡され、コンデンサの電荷が放電される。
なお、増幅回路18を、撮像素子7から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。また、本実施形態では、電荷リセット用スイッチ18cはFETで構成されており、制御手段22は電荷リセット用スイッチ18cの図示しないゲート電極に電圧を印加し或いは電圧の印加を停止して電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御するようになっている。
増幅回路18の出力側には、相関二重サンプリング回路(CDS)19が接続されている。相関二重サンプリング回路19は、本実施形態では、サンプルホールド機能を有しており、この相関二重サンプリング回路19におけるサンプルホールド機能は、制御手段22から送信されるパルス信号によりそのオン/オフが制御されるようになっている。すなわち、相関二重サンプリング回路19は、制御手段22からのパルス信号を受信すると、サンプルホールド機能を機能させて、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値を保持するようになっている。
なお、相関二重サンプリング回路19における二重サンプリングがどのように作動されるかについては、後で詳しく説明する。
各相関二重サンプリング回路19から出力された電気信号は、本実施形態では、図7に示すように、アナログマルチプレクサ21を介して撮像素子7ごとに順次A/D変換器20に送信されて、A/D変換器20でデジタル値に変換されるようになっている。そして、A/D変換器20は、デジタル値に変換した各撮像素子7の電気信号を制御手段22に順次出力するようになっている。
制御手段22は、マイクロコンピュータや専用の制御回路で構成されており、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、制御手段22には、RAM(Random Access Memory)等で構成される記憶手段23が接続されている。
また、前述したように、制御手段22は、逆バイアス電源14を制御して各撮像素子7に印加する逆バイアス電圧を変化させたり、読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御し、相関二重サンプリング回路19にパルス信号を送信して、そのサンプルホールド機能のオン/オフを制御するようになっている。
ここで、通常の放射線画像撮影時における制御手段22による各撮像素子7からの電気信号の読み出し制御について説明する。
放射線画像撮影に先立って、制御手段22は、各読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cをオン状態として短絡させて、コンデンサ18bに蓄積されている電荷をリセットする。その際、走査駆動回路15から各走査線5を介して信号読み出し用の電圧を各撮像素子7のTFT8のゲート電極8gに印加して各TFT8をオン状態とし、各撮像素子7や各TFT8部分に溜まっている電荷をリセットする。
続いて、制御手段22は、各TFT8のゲート電極8gへの信号読み出し用の電圧の印加を停止して各TFT8をオフ状態とする。そして、放射線画像撮影が行われる。放射線画像撮影では、被写体を透過した放射線がシンチレータ3に入射し、シンチレータ3で放射線が電磁波に変換されて、対応する位置の撮像素子7に照射される。撮像素子7内では、入射した電磁波のエネルギにより電子正孔対が発生する。
撮像素子7には、制御手段22により制御された逆バイアス電源14から結線10やバイアス線9を介して所定の電圧値の逆バイアス電圧が印加されており、各撮像素子7内には所定の電位勾配が形成されているため、各撮像素子7内で発生した電子正孔対は、電子と正孔のうちの一方の電荷(本実施形態では正孔)がバイアス線9を伝って流出し、他方の電荷(本実施形態では電子)が撮像素子7内に蓄積される。その際、撮像素子7内に蓄積される電荷の量は、当該撮像素子7に入射した電磁波のエネルギの量に比例して大きくなる。
制御手段22は、放射線画像撮影が終了すると、図9に示すように、各読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cをオフ状態として(図9では「18coff」と表示)、電気信号の読み出しのスタンバイ状態とする。そして、制御手段22は、この段階で、各読み出し回路17の相関二重サンプリング回路19に1回目のパルス信号を送信して、その時点(図9では「CDS保持」(左側)と表示)で増幅回路18から出力されている電圧値Vinを保持させる。
続いて、制御手段22は、走査駆動回路15から1本の走査線5に信号読み出し用の電圧を印加して、その走査線5にゲート電極8gが接続されているTFT8をオン状態とする(図9では「TFTon」と表示)。そして、これらのTFT8が接続されている各撮像素子7から蓄積された電荷を各信号線6にそれぞれ読み出す。各撮像素子から読み出された電荷は、各読み出し回路17の増幅回路18のコンデンサ18bに蓄積され、コンデンサ18bに蓄積された電荷量に応じてオペアンプ18aの出力側から出力される電圧値が上昇していく。
そして、制御手段22は、所定時間が経過すると、走査駆動回路15から当該走査線5に印加している信号読み出し用の電圧の印加を停止してその走査線5にゲート電極8gが接続されているTFT8をオフ状態とし(図9では「TFToff」と表示)、この段階で、各相関二重サンプリング回路19に2回目のパルス信号を送信して、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vfiを保持させる(図9では「CDS保持」(右側)と表示)。
各相関二重サンプリング回路19は、2回目のパルス信号で電圧値Vfiを保持すると、電圧値の差Vfi−Vinを算出し、算出した差Vfi−Vinを電気信号D(すなわちD=Vfi−Vin)として出力する。そして、各相関二重サンプリング回路19から出力された電気信号Dは、アナログマルチプレクサ21を介して順次A/D変換器20に送信され、すなわち各撮像素子7の各電気信号DごとにA/D変換器20に送信され、A/D変換器20で順次デジタル値に変換されて制御手段22に送信される。
なお、図9において、Vは、後述するように増幅回路18の出力端子から出力されるオフセット分の初期電圧Vであるが、電圧値Vinにも電圧値Vfiにも同じ値の初期電圧Vが含まれており、初期電圧Vは、上記のように、電圧値Vin、電圧値Vfiの差Vfi−Vinすなわち電気信号Dを算出する際に相殺される。
制御手段22は、A/D変換器20から各撮像素子7ごとの電気信号Dが送信されてくると、それらを撮像素子7と対応付けながら順次記憶手段23に記憶させていく。そして、制御手段22は、走査駆動回路15から信号読み出し用の電圧を印加する走査線5を順次切り替えながら(すなわち走査しながら)、上記の処理を繰り返して、全ての撮像素子7について電気信号Dを読み出して記憶手段23に記憶させる。制御手段22は、以上のようにして、通常の放射線画像撮影時における各撮像素子7からの電気信号Dの読み出し制御を行うようになっている。
一方、本実施形態では、放射線画像撮影に先立って、放射線画像撮影の際に各撮像素子7から得られる上記の電気信号Dを補正して最終的な画像データを生成するための各読み出し回路17ごとの補正データが予め演算されて算出されるようになっている。なお、各読み出し回路17ごとの補正データを放射線画像撮影の後に演算するように構成することも可能である。
本実施形態では、制御手段22が、この各読み出し回路17ごとの補正データを演算する演算手段を兼ねている。制御手段22は、各撮像素子7に印加した逆バイアス電圧の値と、各読み出し回路17から出力された電気信号Dの値とから、各読み出し回路17ごとに電気信号Dを補正するための補正データを演算するようになっている。
具体的には、演算手段である制御手段22は、撮像素子7に対して種々の異なる値の逆バイアス電圧Vbiasを印加し、各逆バイアス電圧Vbiasを印加した場合に撮像素子7から読み出され読み出し回路17で増幅される等して出力される電気信号Dの変化率aを算出するようになっており、さらに、予め設定された読み出し回路17に求められる、いわば理想的な変化率aと、算出した変化率aとの比r(=a/a)を当該読み出し回路17の補正データrとして演算するようになっている。
なお、以下の説明では、読み出し回路17の番号を1〜Mとし、逆バイアス電圧VbiasとしてN種類の異なる値の電圧を印加するものとし、個々の読み出し回路17を読み出し回路17(m)(ただしm=1〜M)と表し、各逆バイアス電圧Vbiasを逆バイアス電圧Vbias(n)(ただしn=1〜N)と表す。また、各読み出し回路17(m)ごとに算出される変化率aと補正データrをそれぞれ変化率a(m)、補正データr(m)と表す。
さらに、以下の演算手法において各読み出し回路17(m)の相関二重サンプリング回路19から出力される電気信号(すなわち電圧値の差Vfi−Vin)は、通常の放射線画像撮影の際のように放射線画像撮影装置1に放射線を照射することで撮像素子7で発生した電荷に対応するものではないため、以下の演算手法において相関二重サンプリング回路19から出力される電気信号(すなわち電圧値の差Vfi−Vin)については、読み出し電圧V(すなわちV=Vfi−Vin)と言い換えて説明する。また、逆バイアス電圧Vbias(n)が印加された撮像素子7から出力され、読み出し回路17(m)から出力される読み出し電圧Vを読み出し電圧V(m,n)と表す。
各読み出し回路17(m)についての補正データr(m)の演算手法は、いくつかの手法を採用することが可能である。以下、演算手段である制御手段22における各読み出し回路17(m)についての補正データr(m)の演算手法について説明する。
[第1の演算手法]
制御手段22における各読み出し回路17(m)についての補正データr(m)の第1の演算手法は、各部材に通常の放射線画像撮影における電気信号Dの読み出し動作と同様の動作で読み出し電圧V(m,n)を読み出して演算を行う場合について説明する。
なお、ここでは、読み出し回路17(m)に信号線6を介して接続されている複数の撮像素子7のうち、1つの撮像素子7を用いて読み出し回路17(m)についての補正データr(m)を演算する場合について説明する。その際、当該1つの撮像素子7としては、異常な電気信号を出力したり或いは電気信号を全く出力しない等の欠陥が有しないことが予め分かっている撮像素子7が用いられる。
具体的には、まず、制御手段22は、図10(D)に示すように、逆バイアス電源14(図8参照)を制御して、逆バイアス電源14から上記の1つの撮像素子7に対して逆バイアス電圧Vbiasの基準電圧値として0[V]の電圧を印加する。なお、本実施形態では、図3や図4に示したように、上記の1つの撮像素子7に逆バイアス電圧Vbiasを印加する際、当該撮像素子7を含む全撮像素子7に逆バイアス電圧Vbiasが印加される状態になる。
そして、制御手段22は、その状態で、図10(A)に示すように、読み出し回路17(m)の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cをオンの状態とし(すなわち短絡させ)、図10(B)に示すように、撮像素子7のスイッチ素子であるTFT8のゲート電極8gに信号読み出し用の電圧を印加してTFT8をオン状態として、撮像素子7内に蓄積されている電荷を放出させる。すなわち、いわゆる撮像素子7の空読み出しを行う。
なお、この段階での読み出し回路17(m)の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン動作とTFT8のオン動作とはいずれが先に行われてもよい。また、この段階で、撮像素子7や読み出し回路17(m)の強制的なリセット処理を行ってもよい。
この状態では、読み出し回路17(m)の増幅回路18の入力側および出力側と、信号線6、TFT8のソース電極8sおよびドレイン電極8d、撮像素子7の第1電極74は導通されており、増幅回路18の入力側の反転入力端子すなわち信号線6が接続されている端子に加わるオフセット分の初期電圧Vが印加されている状態になっている。図8に示すように、初期電圧Vは、増幅回路18の入力側の非反転入力端子電圧に印加されることにより適宜の値に設定される。初期電圧Vを0[V](GND)に設定するように構成することも可能である。
また、撮像素子7は、等価寄生容量Cを有する誘電体と見なすことができ、その第1電極74と第2電極78との間に初期電圧Vと逆バイアス電圧(0[V])とがかかっている状態であるため、撮像素子7の第1電極74には初期のオフセット分の電荷として電荷+Qが発生する。
なお、撮像素子7の等価寄生容量Cと、初期電圧Vと、撮像素子7の第1電極74に発生する初期のオフセット分の電荷として電荷Qとの間には、
=C・V …(1)
の関係が成り立っている。
続いて、制御手段22は、図10(B)に示すように、TFT8のゲート電極8gへの信号読み出し用の電圧の印加を停止してTFT8をオフ状態とする。そして、この状態で、図10(D)に示すように、逆バイアス電源14を制御して、逆バイアス電源14から撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasの電圧を0[V]から例えば−1[V]に変化させる。
この状態では、撮像素子7の第1電極74と第2電極78との電位差は上記の初期電圧Vのままであるが、TFT8のソース電極8sとドレイン電極8dとの間に1[V]の電位差が発生する(ソース電極8s側が低電位)。すなわち、撮像素子7の第2電極78の電位は−1[V]、撮像素子7の第1電極74およびTFT8のソース電極8sの電位は(−1+V)[V]、TFT8のドレイン電極8dの電位はV[V]となる。
なお、TFT8のソース電極8sとドレイン電極8dとの間に電位差が生じるため、ソース電極8sとドレイン電極8dにはそれぞれ電荷が発生するが、それらの電荷は後の操作でTFT8がオン状態とされる際に相殺される。また、撮像素子7の第1電極74と第2電極78との電位差はV[V]であるから、撮像素子7の第1電極74に生じている電荷は上記の電荷+Qのまま変わらない。
制御手段22は、この状態で、図10(A)に示すように、読み出し回路17(m)の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cをオフの状態にする。すると、その瞬間に電荷リセット用スイッチ18cからkTCノイズが発生して、増幅回路18のコンデンサ18bにkTCノイズに起因する電荷qが溜まり、図9に示したように、増幅回路18から出力される電圧値が電圧値Vから電圧値Vinに変わる。
なお、読み出し回路17(m)の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cをオフ状態にした後で、TFT8のゲート電極8gへの信号読み出し用の電圧の印加を停止してTFT8をオフ状態とするように構成してもよい。
また、増幅回路18のコンデンサ18bの容量をCfとすると、kTCノイズに起因する電荷qが溜まることにより、コンデンサ18bの両電極間には、
v=q/Cf …(2)
で表される電圧vがかかる。そして、この電圧vが増幅回路18のオペアンプ18aに反転入力されるため、kTCノイズ発生後に増幅回路18から出力される電圧値Vinは、
Vin=V+v
=V+q/Cf …(3)
となる。
続いて、制御手段22は、図10(C)に示すように、この状態で読み出し回路17(m)の相関二重サンプリング回路19に1回目のパルス信号Sp1を送信して、相関二重サンプリング回路19にその時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vinを保持させる(図9の「CDS保持」(左側)参照)。
そして、制御手段22は、走査駆動回路15から当該撮像素子7のTFT8に対応する走査線5に信号読み出し用の電圧を印加して、図10(B)に示すように、TFT8をオンの状態とする(図9の「TFTon」参照)。TFT8をオン状態とすると、TFT8のソース電極8sとドレイン電極8dの電圧が同電位になり、撮像素子7の第2電極78(図8参照)には−1[V]の逆バイアス電圧Vbiasが印加されているため、撮像素子7の第1電極74と第2電極78との間に電圧(−1+V)[V]がかかる状態となる。
そのため、もともと電荷+Qが生じていた撮像素子7の第1電極74には、新たに、
Q=C・(−1+V)−Q
=C・(−1)+C・V−Q
=C・(−1) …(4)
の電荷Qが発生する。なお、(4)式の計算では上記(1)式を用いた。
つまり、撮像素子7の第1電極74には、この状態で、(+Q+Q)[C]の電荷が生じている。
一方、撮像素子7の第1電極74に新たに電荷+Qが発生することに付随して、TFT8を介する孤立系の他端側に位置する増幅回路18のコンデンサ18bの一方の電極(図8中では左側の電極)には、新たに−Qの電荷が発生する。コンデンサ18bの当該電極には、前述したkTCノイズに起因して生じた電荷−qが溜まっているため、コンデンサ18bの当該電極に溜まった電荷は(−q−Q)[C]となる。
そのため、増幅回路18のコンデンサ18bの両電極間の電圧vは(q−Q)/Cfとなり、この電圧vが増幅回路18のオペアンプ18aに反転入力されるため、新たに−Qの電荷が発生した後に増幅回路18から出力される電圧値Vfiは、
Vfi=V−v
=V−(−q−Q)/Cf …(5)
となる(図9参照)。
制御手段22は、TFT8をオン状態としたまま所定時間放置して、撮像素子7や増幅回路18のコンデンサ18bに十分に電荷Qを生じさせた後、TFT8のゲート電極8gへの信号読み出し用の電圧の印加を停止してTFT8をオフ状態とし(図10(B)および図9の「TFToff」参照)、読み出し回路17(m)の相関二重サンプリング回路19に2回目のパルス信号Sp2を送信して(図10(C)参照)、相関二重サンプリング回路19にその時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vfiを保持させる(図9の「CDS保持」(右側)参照)。
相関二重サンプリング回路19は、2回目のパルス信号で電圧値Vfiを保持すると、電圧値の差Vfi−Vinすなわち読み出し電圧V(m,n)を算出して出力する。その際、読み出し電圧V(m,n)は上記(5)式および(3)式を用いて、
V(m,n)=Vfi−Vin
={V−(−q−Q)/Cf}−{V+q/Cf}
=Q/Cf …(6)
と算出される。
このように、相関二重サンプリング回路19で増幅回路18から出力される電圧値の差Vfi−Vinを算出し、読み出し電圧V(m,n)として出力することで、初期電圧Vや、kTCノイズに起因して生じた電荷qに起因する電圧が相殺され、読み出し電圧V(m,n)は、逆バイアス電圧Vbiasを0[V]から−1[V]に変化させたことにより撮像素子7に新たに発生した電荷Qのみに依存する値となる。
上記のようにN種類の異なる逆バイアス電圧Vbiasの変化量(上記の場合は−1[V])をΔVbias(n)とすると、上記(4)式は、新たに発生する電荷Qと、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)との間に、
Q=C・ΔVbias(n) …(7)
の関係が成り立つことを表している。
これを上記(6)式に代入すると、
V(m,n)=Q/Cf
=(C/Cf)・ΔVbias(n) …(8)
となる。このことから分かるように、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)は、読み出し回路17(m)でC/Cfの増幅率で増幅されて読み出し電圧V(m,n)として出力され、A/D変換器20でデジタル値に変換されて制御手段22に送信される。
なお、相関二重サンプリング回路19に送信するパルス信号Sp1とSp2は、TFT8が同じ状態である場合に送信されることが好ましい。本実施形態では、TFT8がともにオフ状態である時点でパルス信号Sp1、Sp2をそれぞれ送信する場合について説明したが、TFT8がオン状態の時点でパルス信号Sp1、Sp2を送信するように構成してもよく、TFT8がオン状態の時点でパルス信号Sp1を送信して増幅回路18から出力されている電圧値を保持させる場合には、TFT8が同じくオン状態である時点でパルス信号Sp2を送信して2回目のサンプルホールドを行うように構成することが好ましい。
このように、本実施形態と同様の効果を実現できるものであれば、TFT8のオン/オフやパルス信号Sp1、Sp2の送信等の処理の順序は、本実施形態の場合に限定されない。
制御手段22は、上記のように、逆バイアス電圧Vbiasが1種類目の変化量ΔVbias(1)(すなわち上記の場合は−1[V])で0[V]から変化された際に、読み出し回路17(m)から出力され送信されてきた読み出し電圧を、読み出し電圧V(m,1)として逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(1)(=−1[V])と対応付けて記憶手段23に記憶させる。
続いて、制御手段22は、図10(D)に示すように、逆バイアス電圧Vbiasを基準電圧値である0[V]に戻し、図10(A)、(B)に示すように、読み出し回路17(m)の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cや撮像素子7のスイッチ素子であるTFT8をオン状態として、撮像素子7の空読み出しを行って撮像素子7をリセットする。
そして、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)を変えて、上記と同様の処理を行う。すなわち、制御手段22は、図10(D)に示すように、今度は、例えば、逆バイアス電圧Vbiasを0[V]から−2[V]に変化させ、すなわち逆バイアス電圧Vbiasを2種類目の変化量ΔVbias(2)だけ変化させて上記と同様に処理を行う。
そして、逆バイアス電圧Vbiasを2種類目の変化量ΔVbias(2)(すなわちこの場合は−2[V])で変化させた際に、読み出し回路17(m)から出力され送信されてきた読み出し電圧を、読み出し電圧V(m,2)として逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(2)(=−2[V])と対応付けて記憶手段23に記憶させる。
制御手段22は、このようにして、予め設定されたN種類の変化量ΔVbias(n)(n=1〜N)で逆バイアス電圧Vbiasを0[V]からそれぞれ変化させ、逆バイアス電圧Vbiasの各変化量ΔVbias(n)と、各変化量ΔVbias(n)ごとの読み出し電圧V(m,n)とをそれぞれ対応付けて記憶手段23に記憶させる。
そして、上記の所定個の種類(すなわちN種類)の読み出し電圧V(m,n)の読み出し、および記憶手段23への保存が終了すると、制御手段22は、例えば図11に示すように、仮想的なグラフ上で逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)に対してそれらをプロットする。
上記(7)式、(8)式に示したように、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbias(n)を変化させたことにより撮像素子7の第1電極74に新たに発生する電荷Qは、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)の絶対値があまり大きくならない範囲では変化量ΔVbias(n)に比例し増減し、それに比例して読み出し電圧V(m,n)も増減する。
そのため、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)に対する各読み出し電圧V(m,n)の各プロットは、グラフ上でほぼ直線状に並ぶため、各プロットを直線近似することで、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)に対する読み出し電圧V(m,n)の変化率a(m)を算出することができる。
制御手段22は、このようにして、例えば最小二乗法等の手法を用いて各プロットを直線近似して各読み出し回路17(m)における変化率a(m)をそれぞれ算出する。そして、予め設定されたいわば理想的な変化率aと変化率a(m)との比r(m)、すなわち、
r(m)=a/a(m) …(9)
をそれぞれ算出して、各読み出し回路17(m)についてそれぞれ比r(m)を補正データr(m)として演算し、記憶手段23に記憶させる。
このように、第1の演算手法を用いれば、通常の放射線画像撮影における電気信号Dの読み出し動作と同様の動作で読み出し電圧V(m,n)を読み出して、各読み出し回路17(m)ごとに補正データr(m)を演算することが可能となる。
そのため、各読み出し回路17(m)から読み出し電圧V(m,n)を的確に読み出して補正データr(m)を的確に算出することが可能となるとともに、通常の放射線画像撮影における撮像素子7からの電気信号Dの読み出しと同様のプログラム構成により補正データr(m)の演算を行うことが可能となり、補正データr(m)の演算プログラムを容易に構築することが可能となる。
なお、上記の第1の演算手法および後述する第2の演算手法では、上記(8)式に示したように、撮像素子7から得られる読み出し電圧V(m,n)が逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)に比例して変化することを利用して、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasを変化させて、撮像素子7から種々の値の電荷Qを読み出し回路17(m,n)の増幅回路18に供給するようになっている。
そのため、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasを種々変化させることで、撮像素子7から読み出し回路17(m,n)の増幅回路18に供給する電荷Qを種々変化させた状態を形成することが可能となり、また、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasを種々変化させるだけで、容易かつ的確に撮像素子7から種々の読み出し電圧V(m,n)を読み出されるように構成されている。
また、上記の第1の演算手法では、実験等により等価寄生容量Cが予め分かっている撮像素子7を用いることが可能である。このように、等価寄生容量Cが予め分かっている撮像素子7を用いることで、読み出し回路17(m)の増幅回路18に新たに供給される電荷Qの大きさが分かった状態で補正データr(m)を算出することが可能となり、用いられる撮像素子7の等価寄生容量Cに応じて補正データr(m)をさらに補正することも可能となる。
[第2の演算手法]
上記の第1の演算手法では、通常の放射線画像撮影における電気信号Dの読み出し動作と同様の動作を行わせるために、図10に示したように、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasを0[V]として空読み出し等を行った後、逆バイアス電圧Vbiasを例えば−1[V]等に変化させる。
そして、読み出し回路17(m)の相関二重サンプリング回路19に対する1回目のパルス信号Sp1による増幅回路18からの出力電圧値Vinの保持と2回目のパルス信号Sp2による増幅回路18からの出力電圧値Vfiの保持との間すなわち二重サンプリングの間は撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasの値を変えずに、読み出し電圧V(m,n)を読み出す場合について説明した。
しかし、読み出し回路17(m)の相関二重サンプリング回路19における二重サンプリングの間に撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasを変化させることで、読み出し電圧V(m,n)の読み出しをより迅速に行うことが可能となる。以下、このようにして行う第2の演算手法について説明する。
なお、ここでも、読み出し回路17(m)に信号線6を介して接続されている複数の撮像素子7のうち、1つの撮像素子7を用いて読み出し回路17(m)についての補正データr(m)を演算する場合について説明する。その際、当該1つの撮像素子7としては、異常な電気信号を出力したり或いは電気信号を全く出力しない等の欠陥が有しないことが予め分かっている撮像素子7が用いられる。
具体的には、この第2の演算手法では、制御手段22は、図12に示すように、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasを0[V]とし(図12(D)参照)、当該撮像素子7のTFT8をオン状態とした状態で(図12(B)参照)、当該撮像素子7に信号線6を介して接続された読み出し回路17(m)の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cをオン状態として短絡させて(図12(A)参照)、撮像素子7の空読み出しを行う。
この状態で、増幅回路18の出力端子からはオフセット分の初期電圧Vが出力されており、等価寄生容量Cを有する撮像素子7の第1電極74と第2電極78との間に初期電圧Vと逆バイアス電圧(0[V])とがかかっている状態である。そのため、撮像素子7の第1電極74には初期のオフセット分の電荷として電荷+Q(=C・V。上記(1)式参照)が発生する。
上記の第1の演算手法では、ここでTFT8を一旦オフ状態とし、その後の処理で再度オン/オフされたが、第2の演算手法では、TFT8はオン状態のまま保持される。
そして、制御手段22は、読み出し回路17(m)の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cをオフ状態とする(図12(A)参照)。その際、前述したように、kTCノイズが発生し、増幅回路18のコンデンサ18bに電荷qが蓄積されるため、増幅回路18から電圧値Vin(=V+q/Cf。上記(3)式参照)が出力される。
制御手段22は、図12(C)に示すように、この状態で読み出し回路17(m)の相関二重サンプリング回路19に1回目のパルス信号Sp1を送信して、相関二重サンプリング回路19にその時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vinを保持させる。
続いて、制御手段22は、図12(D)に示すように、この状態で、すなわち撮像素子7のTFT8をオン状態とし、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは閉じた状態(オフ状態)で、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasの電圧を0[V]から所定の変化量ΔVbias(1)(例えば−1[V])だけ変化させる。
すると、撮像素子7の第1電極74と第2電極78との間に初期電圧V分だけかかっていた電圧が(ΔVbias(1)+V)[V]に変化し、撮像素子7の第1電極74には、もともと生じていた電荷+Qに加えて、新たに電荷Q(=C・ΔVbias(1)。上記(4)式、(7)式参照)が発生する。
そのため、増幅回路18のコンデンサ18bの一方の電極(図8中では左側の電極)には、新たに−Qの電荷が発生し、コンデンサ18bの当該電極に溜まった電荷は(−q−Q)[C]となり、増幅回路18から出力される電圧値Vfiは{V−(−q−Q)/Cf}[V](上記(5)式参照)となる。
そして、制御手段22は、図12(C)に示すように、この状態で読み出し回路17(m)の相関二重サンプリング回路19に2回目のパルス信号Sp2を送信して、相関二重サンプリング回路19にその時点で増幅回路18から出力されている電圧値Vfiを保持させる。
相関二重サンプリング回路19は、2回目のパルス信号で電圧値Vfiを保持すると、電圧値の差Vfi−Vinを算出して読み出し電圧V(m,1)として出力し、読み出し電圧V(m,1)はA/D変換器20でデジタル値に変換されて制御手段22に送信される。なお、読み出し電圧V(m,n)に関する上記(6)〜(8)式の関係は第2の演算手法においても満たされている。
制御手段22は、上記のように、逆バイアス電圧Vbiasが1種類目の変化量ΔVbias(1)(すなわち上記の場合は−1[V])で0[V]から変化された際に、読み出し回路17(m)から出力され送信されてきた読み出し電圧を、読み出し電圧V(m,1)として逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(1)(=−1[V])と対応付けて記憶手段23に記憶させる。
また、制御手段22は、読み出し回路17(m)の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cをオン状態として短絡させ(図12(A)参照)、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasを0[V]に戻して(図12(D)参照)、撮像素子7内に蓄積されている電荷を放出させて撮像素子7の空読み出しを行った後、再度読み出し回路17(m)の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cをオフ状態として(図12(A)参照)、上記の動作を繰り返す。
しかし、次の動作では、読み出し回路17(m)の相関二重サンプリング回路19に1回目のパルス信号Sp1を送信して増幅回路18から出力されている電圧値Vinを保持させた後、前回の動作における変化量ΔVbias(1)とは異なる変化量ΔVbias(2)(すなわち例えば−2[V])で撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasの電圧を0[V]から変化させる。
制御手段22は、このようにして、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)を変えながら上記と同様の処理を行い、読み出し回路17(m)から出力され送信されてきた読み出し電圧V(m,n)を逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)と対応付けて記憶手段23に記憶させていく。
そして、上記の所定個の種類(すなわちN種類)の読み出し電圧V(m,n)の読み出し、および記憶手段23への保存が終了すると、制御手段22は、第1の演算手法の場合と同様にして、例えば図11に示すように、仮想的なグラフ上で逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)に対してそれらをプロットする。
そして、各プロットを直線近似し、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)に対する読み出し電圧V(m,n)の変化率a(m)を算出し、予め設定された変化率aと、各読み出し回路17(m)における変化率a(m)との比r(m)(=a/a(m)。上記(9)式参照)をそれぞれ算出する。
制御手段22は、このようにして、各読み出し回路17(m)についてそれぞれ比r(m)を補正データr(m)として演算し、記憶手段23に記憶させる。
このように、第2の演算手法を用いれば、撮像素子7の空読み出しと、各読み出し回路17(m)からの読み出し電圧V(m,n)の読み出しとを連続的に行うことが可能となる。そのため、各読み出し回路17(m)から読み出し電圧V(m,n)を的確に読み出して補正データr(m)を的確に算出することが可能となるとともに、読み出し電圧V(m,n)の読み出しをより迅速に行うことが可能となる。
[複数の撮像素子を用いた補正データの演算手法]
上記の第1の演算手法や第2の演算手法では、各読み出し回路17(m)についての補正データr(m)を演算する際に、信号線6を介して当該読み出し回路17(m)に接続されている複数の撮像素子7のうち、電荷Qを読み出す対象として1つの撮像素子7を用いて演算する場合について説明した。
これは、図5に示したように、各層を積層させて撮像素子7を形成し、しかも、全ての撮像素子7を同じプロセスで形成するため、撮像素子7が異常な電気信号を出力したり電気信号を全く出力しない等の欠陥が有しないものであれば、ほぼ同一の等価寄生容量Cを有するものとなり、ほぼ同一の電荷Qが読み出されるという知見に基づく。そして、各読み出し回路17(m)ごとに、信号線6を介してそれに接続された1つの撮像素子7のみを用いて補正データr(m)を演算することで、迅速に補正データr(m)を演算することが可能となるという効果が得られる。
しかし、撮像素子7の等価寄生容量Cがほぼ同一の値を有するものとなるとはいえ、ある程度のばらつきが生じる場合も多く、各撮像素子7から読み出される電荷Qが確実に同一の値となるとは必ずしも言い切れない。
そのため、そのような場合には、信号線6を介して各読み出し回路17(m)に接続されている複数の撮像素子7のうち、読み出し回路17(m)についての補正データr(m)を演算するために電荷Qを読み出す対象として、欠陥を有しない複数の撮像素子7を選択して用いるように構成することが可能である。
撮像素子7ごとの読み出し電圧V(m,n)の読み出しにおいては、上記の第1の演算手法や第2の演算手法における読み出しの手法を用いることができる。その際、図13に示すように、各撮像素子7からは、逆バイアス電圧Vbiasの各変化量ΔVbias(n)ごとに、選択された複数の撮像素子7の個数分の読み出し電圧V(m,n)が得られる。
そのため、例えば、逆バイアス電圧Vbiasの各変化量ΔVbias(n)ごとに、選択された複数の撮像素子7の個数分の読み出し電圧V(m,n)の平均値Vave(m,n)を算出し、その各平均値Vave(m,n)を逆バイアス電圧Vbiasの各変化量ΔVbias(n)に対する読み出し電圧の値とみなして、仮想的なグラフ上にプロットし、最小二乗法等の手法を用いて各プロットを直線近似して、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)に対する変化率a(m)を算出するように構成することが可能である。
そして、予め設定された変化率aと、この平均値Vave(m,n)の変化率a(m)との比r(m)(=a/a(m)。上記(9)式参照)を、それぞれ各読み出し回路17(m)についての補正データr(m)として演算し、記憶手段23に記憶させる。
このように、複数の撮像素子7を用いて各読み出し回路17(m)の補正データr(m)を演算するように構成すれば、各撮像素子7の等価寄生容量Cのばらつきが相殺されるため、各読み出し回路17(m)についてより的確な補正データr(m)を得ることが可能となる。
[補正データによる電気信号の補正]
本実施形態では、上記のようにして、放射線画像撮影装置1の演算手段である制御手段22により演算され算出された各読み出し回路17(m)について補正データr(m)が、記憶手段23に保存されるようになっている。
そして、制御手段23は、通常の放射線画像撮影時において、放射線画像撮影装置1に放射線が照射された後、各撮像素子7から読み出された電荷が読み出し回路17(m)で増幅される等して出力された電気信号Dを、当該読み出し回路17(m)について予め演算した前記補正データr(m)に基づいて補正するようになっている。
具体的には、制御手段23は、各撮像素子7から読み出し回路17(m)を介して出力された電気信号Dに対して、当該撮像素子7が信号線6を介して接続されている読み出し回路17(m)の補正データr(m)を記憶手段23から読み出して、
=D・r(m) …(10)
に従って撮像素子7ごとに補正し、電気信号Dを当該撮像素子7からの画像データDとして算出して、記憶手段23に記憶させたり、外部装置に送信したりするようになっている。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasの値を変化させた場合の逆バイアス電圧Vbias(逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n))と、読み出し回路17(m)から出力された電気信号(読み出し電圧V(m,n))の値とに基づいて、読み出し回路17(m)ごとに電気信号Dを補正するための補正データr(m)を演算するように構成した。
その際、所定の等価寄生容量Cを有する撮像素子7を一種のコンデンサとして用いると、逆バイアス電圧Vbiasやその変化量ΔVbias(n)の絶対値があまり大きくならない範囲では、コンデンサとしての撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbiasに比例した量の電荷Qが撮像素子7の第1電極74や第2電極78に新たに発生し、それに付随して読み出し回路17(m)の増幅回路18に電荷Qが供給される。
本発明では、これを利用して、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)を制御して、読み出し回路17(m)の増幅回路18に供給する電荷Qの量を逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)に比例した量に制御する。
そのため、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasの値を的確に変化させることで、読み出し回路17(m)の増幅回路18に供給される電荷Qの量を的確に制御することが可能となるとともに、読み出し回路17(m)の増幅回路18から出力される電気信号(読み出し電圧V(m,n))を、逆バイアス電圧Vbiasの変化量ΔVbias(n)に比例して容易かつ的確に変化させることが可能となる。
また、それにより、撮像素子7に印加する逆バイアス電圧Vbiasの値を的確に変化させて、読み出し回路17(m)の増幅回路18から出力される電気信号(読み出し電圧V(m,n))を定量的に解析することが可能となり、補正データr(m)を定量的に演算して的確に取得することが可能となる。
そして、撮像素子7の材質や製造プロセス等を考慮してその等価寄生容量Cを算出し、或いは実験的に撮像素子7の等価寄生容量Cを測定し、或いは読み出し回路17(m)に接続されている複数の撮像素子7について電気信号(読み出し電圧V(m,n))の平均値Vave(m,n)を算出する等すれば、補正データr(m)を定量的に演算してより的確な補正データr(m)を取得することが可能となる。
さらに、放射線画像撮影装置1に既設の撮像素子7や逆バイアス電源14を用いて補正データr(m)を取得することができるため、読み出し回路17(m)の増幅回路18の入力側に擬似信号入力装置等の新たな回路を接続する必要がなく、新たな回路からノイズが混入することを的確に防止することが可能となり、得られる放射線画像の画質が低下することを確実に防止することが可能となる。
なお、放射線画像撮影装置1では画像データDの算出を行わず、外部装置に対して、放射線画像撮影装置1から放射線画像撮影で各撮像素子7から得られた電気信号Dとともに読み出し回路17(m)ごとの各補正データr(m)を送信して、外部装置で当該放射線画像撮影装置1の各撮像素子7についての画像データDの算出を行うように構成することも可能である。
また、放射線画像撮影装置1で算出された読み出し回路17(m)ごとの各補正データr(m)を外部の記憶装置に送信して記憶させておき、放射線画像撮影時に、放射線画像撮影装置1から放射線画像撮影で各撮像素子7から得られた電気信号Dのみを送信して、外部装置で当該放射線画像撮影装置1の各撮像素子7についての画像データDの算出を行うように構成することも可能である。
なお、上記のように構成する場合でも、放射線画像撮影装置1で、例えば定期的に読み出し回路17(m)ごとの各補正データr(m)が算出されて更新されることは言うまでもない。
本実施形態に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。 図1におけるA−A線に沿う断面図である。 本実施形態に係る基板の構成を示す平面図である。 図3の基板上の小領域に形成された撮像素子と薄膜トランジスタ等の構成を示す拡大図である。 図4におけるX−X線に沿う断面図である。 COFやPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 本実施形態に係る放射線画像撮影装置の等価回路図を表す図である。 図7における1画素分についての等価回路図である。 相関二重サンプリング回路における二重サンプリングの手法を説明する図である。 (A)第1の演算手法における電荷リセット用スイッチのオン/オフ切り替え、(B)TFTのオン/オフ切り替え、(C)パルス信号の発信の各タイミングチャートを表す図である。 逆バイアス電圧の変化量に対する読み出し電圧(電気信号)のプロットの一例を示すグラフである。 (A)第2の演算手法における電荷リセット用スイッチのオン/オフ切り替え、(B)TFTのオン/オフ切り替え、(C)パルス信号の発信、(D)逆バイアス電圧の変化の各タイミングチャートを表す図である。 複数の撮像素子からの各読み出し電圧(電気信号)の平均値、および逆バイアス電圧の変化量に対する各平均値のプロットの一例を示すグラフである。
符号の説明
1 放射線画像撮影装置
6 信号線
7 撮像素子
8 TFT(スイッチ素子)
14 逆バイアス電源
17、17(m) 読み出し回路
18 増幅回路
19 相関二重サンプリング回路
22 制御手段(制御手段、演算手段)
a(m) 変化率
理想的な変化率(予め設定された読み出し回路に求められる変化率)
D 電気信号
画像データ
r(m) 補正データ、比
V(m,n) 読み出し電圧(読み出し回路から出力された電気信号)
Vave(m,n) 読み出し電圧の平均値(電気信号の平均値)
Vbias 逆バイアス電圧
ΔVbias(n) 逆バイアス電圧の変化量

Claims (8)

  1. 放射線の照射により電荷を発生させる撮像素子が二次元状に配列された放射線画像撮影装置において、
    前記撮像素子から信号線を通じて電荷を読み出し、前記撮像素子ごとに前記電荷を電気信号に変換する読み出し回路と、
    オン状態とされることにより前記撮像素子に蓄積された前記電荷の前記信号線に放出させるスイッチ素子と、
    前記撮像素子に印加する逆バイアス電圧を供給する逆バイアス電源と、
    前記逆バイアス電源から前記撮像素子に印加される前記逆バイアス電圧を制御し、前記スイッチ素子のオン/オフを制御する制御手段と、
    前記撮像素子に印加する前記逆バイアス電圧の値を変化させた場合の前記逆バイアス電圧と前記読み出し回路から出力された前記電気信号の値とから、前記読み出し回路ごとに前記電気信号を補正するための補正データを演算する演算手段と、
    を備えることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記演算手段は、前記制御手段の制御により前記撮像素子に異なる値の前記逆バイアス電圧が印加された場合の、前記読み出し回路から出力された前記電気信号の値の変化率を算出し、予め設定された前記読み出し回路に求められる変化率と算出した前記変化率との比を前記補正データとして演算することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記制御手段は、前記撮像素子に基準電圧値の前記逆バイアス電圧を印加し、前記スイッチ素子をオン状態とした後、前記スイッチ素子を一旦オフ状態とし、前記撮像素子に前記基準電圧値から所定の変化量だけ変化させた前記逆バイアス電圧を印加し、前記スイッチ素子を再度オン状態として前記読み出し回路から前記電気信号を出力させる処理を、前記撮像素子に印加する前記逆バイアス電圧の前記変化量を変化させて繰り返し行うことを特徴とする請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記読み出し回路は、前記撮像素子から出力された電荷に応じて電圧を出力する増幅回路と、前記増幅回路から出力される前記電圧値を保持するサンプルホールド機能を有する相関二重サンプリング回路を備え、
    前記制御手段は、さらに前記読み出し回路の前記相関二重サンプリング回路におけるサンプルホールド機能のオン/オフを制御するように構成されており、前記撮像素子に基準電圧値の前記逆バイアス電圧を印加し、前記スイッチ素子をオン状態とした状態で、前記相関二重サンプリング回路に1回目のサンプルホールドを行わせ、前記撮像素子に印加する前記逆バイアス電圧を前記基準電圧値所定の変化量だけ変化させた値に切り替えて前記相関二重サンプリング回路に2回目のサンプルホールドを行わせて、前記相関二重サンプリング回路に1回目と2回目のサンプルホールドで保持させた前記値の差を算出させて前記電気信号として出力させる処理を、前記撮像素子に印加する前記逆バイアス電圧の前記変化量を変化させて繰り返し行うことを特徴とする請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記読み出し回路は、前記信号線ごとに1回路ずつ設けられており、
    前記演算手段は、前記信号線に前記スイッチ素子を介して接続されている複数の前記撮像素子のうち、欠陥がない所定の1つの撮像素子を、当該読み出し回路の前記補正データの演算のために前記電荷を読み出す対象とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記読み出し回路は、前記信号線ごとに1回路ずつ設けられており、
    前記演算手段は、前記信号線に前記スイッチ素子を介して接続されている複数の前記撮像素子のうち、欠陥がない所定の複数の撮像素子を、当該読み出し回路の前記補正データの演算のために前記電荷を読み出す対象とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記演算手段は、前記読み出し回路が、前記欠陥がない所定の複数の撮像素子からそれぞれ電荷を読み出して変換して出力した各電気信号の平均値を、前記欠陥がない所定の複数の撮像素子に印加された前記逆バイアス電圧の値に対する電気信号の値とみなして、前記補正データを演算することを特徴とする請求項6に記載の放射線画像撮影装置。
  8. 前記演算手段は、放射線画像撮影時に、前記撮像素子から前記読み出し回路を介して出力された前記電気信号を、当該撮影素子が前記信号線を介して接続されている前記読み出し回路について予め演算した前記補正データに基づいて補正して、前記撮像素子ごとに画像データを算出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
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