JP2010086219A - 遠隔の機械を保守するための情報処理装置、プログラム、および方法 - Google Patents

遠隔の機械を保守するための情報処理装置、プログラム、および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機械の保守に適した保守員を割り当てることができるようにする。
【解決手段】遠隔の機械10を保守するための情報処理装置20は、時間に対する機械の複数項目の状態情報を含む複数の実例保守問題を生成して保守用端末40に送信し、解答(推定故障発生日)を収集して解答を正解(故障発生日)に基づいて評価する保守問題生成・解答収集手段と、複数の実例保守問題の間の類似性を表すデータを生成しその類似性に従って複数の実例保守問題の中から相互間の類似性の高い複数の保守問題を選択してクラスタを生成して、クラスタの識別情報をデータベース2220,2222に格納するクラスタ生成手段と、を具える。クラスタ生成手段は、クラスタの複数の保守問題の解答に対して或る閾値以上の評価を獲得した保守員の保守員識別情報を抽出してクラスタの識別情報に対応づけてデータベースに格納する。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械または装置の遠隔的保守に関し、特に、保守対象の遠隔の機械または装置から収集した状態情報に基づく機械の故障へ対処の効率化に関する。
例えば現金自動預入支払機、自動券売機、自動販売機、POS(販売時点情報管理)用端末、ゲーム機またはプリンタのような保守対象の遠隔の機械または装置から、遠隔監視装置に、その機械から各部品の状態を知らせる状態情報メッセージまたは電文が送信される。保守作業員は、機械が設置されている現場に定期的に出向いて、その機械に関して受信した状態情報メッセージの過去の経緯の情報を遠隔監視装置から取得して、機械の動作状態を把握し、不調な部品の点検または調整などの保守作業を行う。一方、ユーザによって機械が故障したと報告されたとき、保守作業員は、その機械に関して受信した状態情報メッセージの過去の経緯の情報を遠隔監視装置から取得して、機械の故障状態を把握し、その機械の設置されている現場に出向いて不調な部品の点検、調整または交換などの保守作業を行う。
公知の保全作業能力向上支援システムは、作業員の能力診断課題データベース、作業員の能力を分析して判定する能力判定手段、能力診断課題を付与する能力診断課題出力部、受けるべき教育を指示する教育メニュー選定手段、具体的な能力向上策を提示する能力向上指導出力部、現場作業員に情報を伝達するための通信手段、現場作業員が情報の入出力を行う保全作業支援端末、能力診断課題に対する解答を基に現場作業員の能力を評価する能力評価手段、を備えている。それによって、設備機器を安定した状態で維持するために必要な知識・技術を持つ現場作業員を通常予定作業の中で育成するシステムが提供される。
公知の余寿命予測装置は、余寿命予測対象機器の時系列データを計測する手段と、当該計測手段により計測された信号から最大エントロピー法を用いて自己回帰モデルに基づく反射係数を求める信号処理部とを備える。また、その余寿命予測装置は、予め正常データの反射係数を基に統計分布によりカテゴリ境界を設定し前記信号処理部による演算反射係数を入力して正常データによる反射係数との偏差を0〜1の範囲で出力するニューラルネットワークを設け、このニューラルネットワークの出力トレンドを関数でカーブフィッティングしその関数の出力値を計算して当該出力値が設定値を下回るまでの時点と現時点との差を余寿命として出力する余寿命予測部とから構成される。
特開2005−339030号公報 特開2002−90266号公報
保守対象の機械または装置の各部品の状態の過去から現在までの時間的変化と機械の故障との間の因果関係は明確でなく、将来においていつ機械または装置が重大なレベルの動作異常を発生しまたは動作停止するかを任意のいずれかの保守員に推定させるのは困難である。
発明者たちは、保守員の蓄積された知識や経験に応じて、機械の部品の状態の現在までの時間的変化(経緯)に基づいて、保守対象の機械または装置が重大なレベルの不良または故障を示す日を正確に予測できれば、現場の機械または装置への保守員の割り当ておよび派遣を効率的に行うことができ、信頼性の低い予測に基づく無駄な派遣や部品交換を大
幅に減らすことができるであろう、と認識した。また、発明者たちは、実際の機械の状態情報の経緯について保守員に故障を推定させ、その推定の正確さに基づいて保守員の保守能力を判定し、その保守能力に応じて機械の故障に対して適した保守員を割り当てれば、各機械に対して効率的に保守作業を行うことができる、と認識した。
本発明の目的は、保守を必要とする機械の保守に適した保守員を割り当てることができるようにすることである。
本発明の別の目的は、保守を必要とする機械に対して効率的に保守員を割り当てることができるようにすることである。
本発明の特徴によれば、保守用端末と遠隔の機械とに接続され、前記遠隔の機械を保守するための情報処理装置は、前記遠隔の機械の識別情報、保守員の識別情報、前記遠隔の機械から受信した前記遠隔の機械の複数項目の状態情報、および前記遠隔の機械の保守の記録情報を格納する保守情報データベースと、前記遠隔の機械の識別情報、前記遠隔の機械の前記複数項目の状態情報および前記遠隔の機械の前記保守の記録情報に基づいて、時間に対する前記遠隔の機械の複数項目の状態情報を含む複数の実例保守問題データを生成して前記保守用端末に送信し、前記保守員による前記複数の実例保守問題データに対する第1群の解答データとしての推定故障発生日を収集して前記収集した解答データを正解データとしての故障発生日に基づいて点数で評価する保守問題生成および解答収集手段と、前記複数の実例保守問題データの間の類似性を表す類似性データを生成しその類似性データに従って前記複数の実例保守問題データの中から相互間の類似性の高い複数の保守問題データを選択してクラスタを生成して、前記生成されたクラスタの識別情報をクラスタ・データベースに格納するクラスタ生成手段と、を具えている。前記クラスタ生成手段は、前記生成されたクラスタの複数の保守問題データの解答データに対して或る閾値以上の評価を獲得した保守員の保守員識別情報を抽出して前記生成されたクラスタの識別情報に対応づけてクラスタ・データベースに格納する。
本発明によれば、守を必要とする機械の保守に適した保守員を割り当てることができ、また、保守を必要とする機械に対して効率的に保守員を割り当てることができるようになる。
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図1は、本発明の実施形態による、監視制御用の保守サーバ20の構成を示している。保守サーバ20は、ネットワークまたは専用回線を介して、対象となる遠隔の機械または装置10と、保守端末40とに接続されている。
保守サーバ20は、保守端末40に接続された保守業務支援部202、機械状態提示部204、情報関連性作成管理部206、問題計画実行管理部208、保守情報管理部210、作成情報管理部220、クラスタ生成部230、固有情報収集管理部234、実際問題割当部236、モデル生成管理部240、およびネットワーク・インタフェース(NW/IF)を具えている。保守サーバ20は、さらに、プロセッサ22、およびプログラムおよび所要データ(データベースを含む)を格納するメモリ24を含んでいる。構成要素202〜240(特に、230、234、236、240)の機能の少なくとも一部は、ハードウェアまたはソフトウェアの形態でプロセッサ22上に実装されてもよい。
保守業務支援部202は、保守サーバ20の構成要素204〜240と保守端末40の間で情報の入出力を行う。機械状態提示部204は、特定の現場の機械10から受信した状態情報メッセージおよび部品交換等の保守情報を例えば機械識別情報毎におよび/または時間順に、保守端末40に表示する。保守情報管理部210は、保守員や対象の機械10に関する識別情報、および受信・記録等の様々な事象の発生に関する情報を管理する。
情報関連性作成管理部206は、保守情報管理部210のデータベースにおける各対象(機械、ユーザ、保守員)について、対象の識別情報、分類、類似性等に基づいて相互の関連性の情報を生成する。問題計画実行管理部208は、計画データベース2210における処理手順および各種情報に基づいて、所要の時点(例えば、定期的日時)において、各機械に関する実例保守問題等の保守問題の生成を計画し、その生成の実行を管理する。問題計画実行管理部208は、例えば、生成した保守問題の送付先、解答の収集、送付・収集のスケジュール等を管理する。
保守サーバ20は、ネットワーク・インターフェース(NW/IF)を介して、機械10から、機械10の各部品の現在の状態および/または実行された調整項目を表すメッセージ(電文)を受信し、保守端末40から機械10に対する保守(例えば、調整および制御)のためのメッセージまたは電文を受信して機械10に転送する。
保守情報管理部210は、対象機械データベース2110、メッセージ・データベース2112、メッセージ属性データベース2114、故障・保守履歴データベース2116、故障・保守属性データベース2118、保守員データベース2120、部品データベース2122、ユーザ(顧客)データベース2124、および関連性データベース2126を有する。保守情報管理部210は、保守サーバ20と対象機械10の間の前述の送受信メッセージ(電文)を分類してメッセージ・データベース2112に格納して管理する。
作成情報管理部220は、実例保守問題およびクラスタ生成を計画するのに使用される処理手順およびその処理に必要な各種情報を格納する計画データベース2210、実例問題データベース2212、派生問題データベース2214、選別問題データベース2216、解答データベース2218、仮クラスタ・データベース2220、および決定クラスタ・データベース2212を有する。
モデル生成管理部240は、各クラスタの保守問題のモデルを格納するモデル・データベース2410を有する。
監視・保守対象の機械10は、使用とともに摩耗する機械的部品16、使用とともに変化して調整状態が変化する機械的部品16、および各部品16用の各センサ18を含んでいる。それらの部品16は、その機能や状態が低下した場合には保守員またはユーザによって調整することが必要となり、故障した場合には保守員によって部品を交換する必要がある。機械10は、例えば現金自動預入支払機、自動券売機、自動販売機、POS(販売時点情報管理)用端末、ゲーム機またはプリンタのような機械である。機械10は、プロセッサ12、メモリ14およびネットワーク・インタフェース(NW/IF)を含んでいる。
図2は、本発明の実施形態の原理による、保守サーバ20によって実行される、機械10に関する実際の状態情報および/または調整記録情報から生成(作成)された複数の実例の保守問題データについて相互の類似性に基づいて保守問題のクラスタを生成し(保守問題のクラスタ化)、各クラスタについて保守モデルを生成し、特定の保守員から機械の保守に関する固有情報を取得し、実際の保守問題データ(保守要求)とクラスタの対応保
守問題との類似性に基づいて適した保守員を選択してその実際の保守問題を割り当てるためのフローチャートを示している。
図2を参照すると、ステップ302において、保守サーバ20のクラスタ生成部230(その実例保守問題生成および解答収集機能)は、問題計画実行管理部208から受け取った制御情報およびデータ情報に従って、故障・保守履歴データベース2116の中の特定の機械に関する故障の記録データに基づいて、メッセージ・データベース2112から時間に対する状態情報の経緯(変化、推移、履歴)のデータを取得して実例保守問題データを生成して実例問題データベース2212に格納し、さらに実例問題データベース2212中の実例保守問題データを保守端末40に送信し、保守端末40から保守員による解答データを収集して解答データベース2218に格納する。
ステップ304において、クラスタ生成部230(クラスタ生成機能)は、保守員の解答成績データ、保守員および機械の属性に関する絞り込み条件、実例保守問題データ相互間の類似度または類似性の距離に基づいて、多数の実例保守問題データの中から互いに近い複数の実例保守問題データを選択して1つのクラスタとしてクラスタ化し、クラスタ識別情報に対応づけて仮クラスタ・データベース2220に格納する。
ステップ306において、クラスタ生成部230(クラスタ生成機能)は、それぞれの保守員の解答の成績データに基づいて優れた成績(閾値以上の成績)を獲得した保守員(識別情報)を選択して、各仮クラスタの識別情報に保守員の識別情報を対応づける。その保守員の選択において、上述の絞り込み条件を適用してもよい。
ステップ308において、クラスタ生成部230(クラスタ生成機能)は、同じクラスタにおける実例保守問題データの時間的経緯における状態および/または調整のフラグ値(FLG=1または0)を加算して合成保守問題データを生成し、合成保守問題データから複数の派生保守問題データを順次生成して派生問題データベース2214に格納し、派生問題データベース2214中の各派生保守問題データを順次保守端末40に送信して保守端末40から対象となる保守員による解答データを収集し、その解答データを採点または評価して成績を付与して成績データを生成し、それぞれの派生保守問題データに対するその保守員の解答データと成績データを解答データベース2218に格納する。代替構成として、フラグ値の代わりに、状態項目および/または調整項目に関する状態および/または調整のレベルを表す多値(例えば、0、1、2;0.1〜1.0)の指示情報を用いてもよい。
ステップ310において、クラスタ生成部230は、1つのクラスタに関して、一連の複数の派生保守問題データに対する保守員の成績データに基づいて或る閾値以上の成績の保守員(識別情報)を選別し、その選別された保守員全員が閾値以上の成績を得た派生保守問題データをそのクラスタに対応づけて選別保守問題データとしてその選別保守問題データの識別情報を決定クラスタ・データベース2222に格納する。それによって、特定の機械10に関してその保守により適した保守員の識別情報のリストを予め生成することができる。
ステップ312において、モデル生成管理部240は、各クラスタについて、選別された派生保守問題データとそれに関連する他の派生保守問題データを実例保守問題データに適用して解答データを得て、実例保守問題データの正解データ(故障発生日、および場合によって故障内容(部品、機能のカテゴリ))とそれぞれの派生保守問題データの解答データ(推定の故障発生日、および場合によって故障内容)と間の誤差が許容誤差の範囲にある派生保守問題データを、そのクラスタの保守問題モデル(モデル保守問題)としてクラスタに対応づけて記録する。それによって、保守問題モデルを或る機械10の実際の保
守問題に適用して、その機械10の故障発生日および故障内容をより正確に自動的に推定することができる。
ステップ314において、固有情報収集管理部234は、各クラスタについて特に最も優れた成績を獲得した保守員の識別情報からクラスタにおける機械10に関する選別保守問題データまたはモデルの保守問題データに対する推定方法のノウハウの情報の入力を依頼するメッセージを保守端末40に送信し、機械10に関するそのノウハウの情報を固有情報として収集してデータベース2342に格納する。全ての保守員は、保守端末40によってデータベース2342から固有情報を検索して見ることができる。それによって、優れた保守員のノウハウを多数の保守員の間で供給することができる。
ステップ316において、実際問題割当て部236は、故障・保守データベース2116を検索して各クラスタの選別保守問題データに類似した新しく発生した実際の仮の保守問題データ(即ち保守要求)について、その選別保守問題データのクラスタの保守員(識別情報)に宛ててその仮の保守問題データを保守端末40に送信してその問題(保守要求)への対処の依頼を割り当てる。それによって、特定の機械10に関する実際の保守問題データまたは保守要求に対して適した保守員を効率的に割り当てることができる。
代替構成として、ステップ308〜310を実行せずに、ステップ308において決定されたクラスタを決定クラスタとし、そのクラスタに対応づけた保守員の識別情報を選別保守員の識別情報としてもよい。ステップ310、312および314の実行の順序は任意である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
図3Aは、メッセージ・データベース2112に格納された、機械10(MachineID=1、2)の各部品(PartsID=1、2、3)に関する状態情報(MsgID=M101〜301)に関する受信メッセージのリストの例を示している。それらの受信メッセージは、監視対象の同じまたは異なるタイプの複数の特定の機械10から送信され、保守サーバ20によって受信されて、メッセージ・データベース2112に格納されたものである。受信メッセージは、機械識別情報(MachineID)、検出対象の部品識別情報(PartsID)、発生の時間(日付、時刻)(Time)、部品の状態を表すメッセージ識別情報(MsgID)のフィールドを含んでいる。
図3Bは、ユーザ(顧客)から報告された特定の機械10の故障の発生日時および修理依頼の記録(履歴)のリストを示している。この記録は、ユーザの操作によって機械10から保守サーバ20に送信されて故障・保守履歴データベース2116に格納されても、またはユーザからの連絡に応じて保守員によって保守端末40において作成されて保守端末40から故障・保守履歴データベース2116に格納されてもよい。機械の故障の発生日時と修理依頼の記録は、機械識別情報(MachineID)、発生の時間(日付、時刻)(Time)、故障または障害の内容の種類を表す故障識別情報(TroubleID)のフィールドを含んでいる。
クラスタ生成部230は、故障・保守履歴データベース2116中の上述の実際の故障発生の記録に従って、対応する機械10の各部品の状態情報の時間的経緯の情報を収集して実例の保守問題(図4A〜7B)を生成する。
図4Aは、或る機械10(ID=1)の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報を含む実例保守問題(ID=Q1)の例を示している。図4Bは、図4Aの実例保守問題における機械10の実際の故障発生日(10月27日)の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日(10月25日〜29日)に対する得点(配点)の例とを示している。実
例保守問題について、実際の故障発生日が正解となる。
ここで、故障とは、例えば、ユーザから、機械の故障および修理依頼を受けたことを表す。故障は、動作停止や誤動作によって機械が正常に動作せず、または所要の機能を達成せず、保守員による本格的に保守または部品交換を必要とすることを表す。故障の発生日は、ユーザの判断による故障発生日であり、機械10が故障して保守員による修理が必要となるような故障が機械10に発生した日である。
各部品の状態項目は、部品の物理的な量や状態を検出するセンサ、部品の機能の正常性を判定する手段、等によって検出された状態に関するものであり、例えば、部品としての計測部(例えば、紙幣情報認識部、カード情報認識部、個人情報認証部)の判別機能の低下、計測部の光軸のずれ、加工部(例えば、チケット、カード、賞品、記録媒体等の加工部)のオイル(潤滑油)不足、加工部の押圧板の摩耗、搬送部の圧力の不足、搬送部のローラの摩耗である。
保守員は、保守端末40上で、図4Aの実例保守問題(ID=Q1)における機械10の機械識別情報(ID=1)とその各状態項目の日単位の時間軸に対する経過情報を見て、その機械10において故障が発生する日および場合によっては故障部品名を推定して解答する。解答に対する得点(配点)は、典型的には、実際の故障発生日時に対して、実際の発生日(10月27日)が正解の100点であり、その1日前後が幾分低く(70点、72点)、さらにその2日前後がより低く(48点、50点)設定される。故障発生日時(時刻)に近いほど、得点が高くなるように設定される。機械10の故障発生日(および場合によっては故障部品)を正確に推定できれば、今後予測される機械10の故障に対して、適正なタイミングでまたは保守上効率的な時期に、その機械10の保守に適した保守員によって修理できるように予め準備することができる。
図5Aは、或る機械10(ID=1)の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報を含む実例の保守問題(ID=Q2)の例を示している。図5Bは、図5Aの実例保守問題において機械10の実際の故障発生日(10月27日)の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日(10月25日〜29日)に対する得点(配点)の例とを示している。
図6Aは、或る機械10(ID=7)の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報を含む実例の保守問題(ID=Q3)の例を示している。図6Bは、図6Aの実例保守問題において機械10の実際の故障発生日(11月5日)の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日(11月3日〜7日)に対する得点(配点)の例とを示している。
図7Aは、或る機械10(ID=11)の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報を含む実例の保守問題(ID=Q4)の例を示している。図7Bは、図7Aの実例保守問題において機械10の実際の故障発生日(10月31日)の例と、保守員による解答の故障発生日(10月29日〜11月2日)に対する得点(配点)の例とを示している。
このようにして、実例保守問題を生成し保守員の解答を収集した後、クラスタ生成部230は、実例保守問題に解答した保守作業員の中から良好な成績を獲得した保守員(例えば、解答の故障発生日が正解(実際の発生日)に許容誤差範囲(閾値の範囲)で近い解答が多い保守員)およびその良好な成績を獲得した実例保守問題だけを抽出する。その際、さらに、次の条件のうちのいずれかまたは双方の組み合わせを加えて、実例保守問題および保守員を抽出してもよい。
(1)対象の機械を限定する。例えば、機械の種類による限定、機械を使うユーザの業種または規模による限定、機械の設置場所(例えば、都市部かどうか、温度湿度の高い地域かどうか)。
(2)選別する保守員を成績以外の属性の観点で限定する(例えば、ベテラン保守員、有資格者保守員、或る地域の保守員)。
このようにして抽出された実例保守問題に類似する別の保守問題を、次のようにして生成してもよい。
図8Aは、互いに類似した例えば図5A、6Aおよび7Aのような複数の実例保守問題(Q=2、3、4)を合成して生成された合成保守問題を示している。ここで、各状態項目について、対応する状態情報の発生日のフラグ値FLG=1が加算されている。図8Bは、互いに類似した図5B、6Bおよび7Bの実例保守問題Q=2〜4における解答としての各故障発生日に対する得点(配点)の平均値を示している。
ここで、保守問題(Q=2〜4)相互間の類似性は、後で説明する保守問題間の相互の距離が或る閾値より小さいまたは以下のものをいう。
図9Aおよび9Bは、図8Aの合成保守問題(ID=Q21)に基づいて生成または検索された類似保守問題の例を示している。図9Aの保守問題は、図8Aの合成保守問題(ID=Q21)を閾値で処理(閾値処理)して人工的に生成された類似保守問題であっても、またはメッセージ・データベース2112から検索して収集した、図8Aの合成保守問題に類似する保守問題であってもよい。
図9Aの類似保守問題の生成方法として、例えば、図8Aの合成保守問題において、或る閾値(例えば、2)以上のフラグ値(2、3)を“1”と決定し、閾値より小さいフラグ値(例えば、1)を乱数に従って“0”または“1”(下線付きの“”、“”)と決定して、そのような類似保守問題が生成される。代替構成として、図9Aの類似保守問題の別の生成方法として、同じ機械10(ID=1)に関して、実際に発生した故障の記録の有無に関係なく(実際に故障が発生したかどうかに関係なく)、図8Aの合成保守問題のフラグ値の配置パターンに類似した状態項目のフラグ値の経緯の情報を、メッセージ・データベース2112から検索して収集して、類似保守問題として決定してもよい。この場合、故障が未発生のものである場合には、その正解の得点は100点でなくてよい。
図10は、このようにして生成された実例保守問題(図4〜7、9)に基づく一連の保守問題の集合体を示している。
図11は、実例に基づく複数の保守問題Q1〜Q8の間の計算された類似性の距離、即ち各状態項目と時間的経緯のマトリックス(行列)におけるフラグ値のパターンの類似性の距離を示している。ここで、距離は、各行と各列の対応する2つの保守問題の間の類似性の距離を表し、0〜1の値に正規化されており、0に近づくほど相互の距離が遠くまたは相互の類似性が低く、1に近づくほど相互の距離が近くまたは相互の類似性が高いことを示している。相互の距離が近い保守問題を同じクラスタに属するものとして決定する。
図11において、破線で囲まれた距離の値に基づいて、保守問題Q1〜3が第1のクラスタとして、保守問題Q5〜Q8が第2のクラスタとして、クラスタ化または分類される。
図12は、類似性距離空間で示した保守問題Q1〜Q9間の距離を表す概念図である。この距離空間は、2次元で表現されても、または3次元以上の空間で表現されてもよい。
2つの保守問題間の類似性の距離の算出法として、例えば、次のような手順で算出してもよい。
(1)保守問題の状態(および調整)項目と日付のマトリックス間の各行列における一致フラグおよび不一致フラグの数を計数する。
(2)各項目(状態項目、調整項目)毎の各行をベクトルとみなしてベクトル毎に相関係数を計算し、その平均値を距離とみなす。
別の方法として、それぞれの保守問題の状態(および調整)項目と日付のマトリックスの論理積(AND)をとったマトリックスにおけるフラグの総数(NF_AND)を、それらのマトリックスの論理和(OR)をとったマトリックスにおけるフラグの総数(NF_OR)で除算した値(NF_AND/NF_OR)を、類似性の距離としてもよい。例えば、図4Aにおける一致フラグ数はNF_AND=9であり、いずれかのマトリックスにおけるフラグが位置する共通の要素位置の数はNF_OR=17(一致フラグ数9+不一致フラグ数8)であり、距離は9/17となる。
さらに、他のクラスタの生成法として、次の2つの計算法がある。
−Everett, M.G., Borgatti. S.P. Analyzing clique overlap. CONNECTION 21(1): 49-61, 1998
−Girvan, M. and Newman, M.E.J Community structure in social and biological networks. Proceedings of the Natiolan Academy of Sciences of the United States of America(PNAS), 99(12): 7821-7826. 2002
前者の方法では、中心性概念(centrality)に基づいてクラスタを形成する。後者の方法では、媒介中心性(betweeness)に基づいてクラスタを形成する。
図13は、クラスタ生成部230(クラスタ生成機能)によって実行される、複数の保守問題をクラスタ化するためのフローチャートを示している。
ステップ402において、クラスタ生成部230は、保守問題データ(Q1、Q2、...Qm)の全てについて、抽出された全ての組合せの2つの保守問題データ(Q1とQ2、Q1とQ3、...)間の類似性の距離を計算して、図11のような距離の表またはマトリックスを生成する。保守問題データの間の類似性の距離は、例示した上述の方法で求めることができる。
ステップ404において、クラスタ生成部230は、類似性の距離の表(図11)において、各行(Qi)について距離が閾値より近い列番号の保守問題識別情報(Qj)を記録する。図11の表の場合、距離として閾値0.5より大きい値を有する(即ち閾値より近い距離を表す)保守問題識別情報が記録される。例えば、問題Q1の行について問題Q2、Q3が記録され、問題Q2の行について問題Q1、Q3が記録され、問題Q3の行について問題Q1、Q2が記録される。また、例えば、問題Q5の行について問題Q6、Q7、Q8が記録され、問題Q6の行について問題Q5、Q7、Q8が記録され、問題Q7の行について問題Q5、Q6、Q8が記録され、問題Q8の行について問題Q5、Q6、Q7が記録される。
ステップ406において、クラスタ生成部230は、各行について、互いに閾値より近い保守問題データ(識別情報)の集合を求め、各集合をクラスタ候補とする。
ステップ408において、クラスタ生成部230は、各クラスタ候補について、各集合内の全ての組合せの保守問題データ間の距離が閾値より小さいかどうかを調べ、それらの距離が閾値より小さければ、仮クラスタとして決定し、その決定されたクラスタの識別情報および対応する保守問題の識別情報を仮クラスタ・データベース2220に格納する。
図14は、クラスタ生成部230によって実行される、求めようとする2つの保守問題
データの間の類似性または類似性の距離を決定するためのフローチャートを示している。
ステップ422において、クラスタ生成部230は、全ての保守問題データの中の2つの保守問題データを抽出する。
ステップ424において、クラスタ生成部230は、各保守問題の実際の故障発生日(年月日)または最も点数の高い故障発生日(年月日)を基準として、保守問題データにおける項目の発生日の相対的な日(第1日、第2日)を決定する。
ステップ426において、クラスタ生成部230は、2つの保守問題データについて、各同じ項目の同じ日の双方のフラグ値の一致、不一致を決定する。
ステップ428において、クラスタ生成部230は、2つの保守問題データの間の類似性の距離を計算して一時的に保持する。
ステップ430において、クラスタ生成部230は、相対的な日を、所定の範囲(例えば、抽出した最初の状態から2日)内で左または右に(1日)ずらすことは可能かどうかを判定する。それが可能であると判定された場合は、手順はステップ352に進む。それが可能でないと判定された場合は、手順はステップ356に進む。
ステップ432において、クラスタ生成部230は、一方の保守問題データにおける相対的な日を左または右に移動させる。その後、手順はステップ344に戻る。
ステップ434において、クラスタ生成部230は、2つの保守問題データの算出された複数の距離の中で最も小さい距離(最も高い類似性を表すもの)を2つの保守問題データの間の距離として記録する。
図15は、図2のステップ306における詳細なフローチャートであり、クラスタ生成部230(クラスタ生成機能)によって実行される、或るクラスタに対して保守員(識別情報)を対応づけるためのフローチャートを示している。
ステップ452において、クラスタ生成部230は、仮クラスタ・データベース2220から1つのクラスタ(識別情報)を選択して、そのクラスタに関する情報(実例保守問題識別情報、等)を取り出す。
ステップ454において、クラスタ生成部230は、実例問題データベース2212からそのクラスタの実例保守問題データ、類似保守問題データ、保守員の成績データ、等を取り出す。
ステップ456において、クラスタ生成部230は、そのクラスタに関して保守員の成績等を統計処理して、各保守員の解答数、成績の平均値、偏差値を求める。
ステップ458において、クラスタ生成部230は、各保守員の解答数、成績の平均値、偏差値をそれぞれの閾値で処理して、全ての成績について閾値以上の成績を獲得した保守員(識別情報)を決定または選択する。
ステップ460において、クラスタ生成部230は、決定または選択された保守員(識別情報)をそのクラスタ識別情報に対応づけて、(さらに以下で説明するように加工された派生保守問題を生成して選別された保守員を対応づけるために)仮クラスタ情報として仮クラスタ・データベース2220に格納しても、またはクラスタ識別情報とともに決定
クラスタ情報として決定クラスタ・データベース2222に格納する。それによって、実例および類似保守問題をクラスタ化し、それぞれのクラスタに適した保守員(識別情報)を対応づけることができる。
次に、図2のステップ308の派生保守問題データを生成する手順について説明する。
図16Aは、同じクラスタに属する複数の実例保守問題データおよび場合によって類似保守問題データ(例えば、ID=Q5〜Q8)のマトリックスを合成または加算して生成した合成保守問題データ(ID=30)の例を示している。ここで、保守問題データの各マトリックスの各状態項目に関する発生日の(同じ行列位置の)フラグFLG=1が加算されている。図16Bは、互いに類似した実例保守問題データ(Q5〜Q8)における故障発生日に対する得点の平均値の例を示している。従って、この場合、発生の可能性が最も高い発生日の得点は100点とは限らず、典型的には100点より低い。
図17Aおよび17Bは、図16Aの合成保守問題(ID=Q30)を閾値処理して作成された基本派生保守問題(Q40)の例を示している。基本派生保守問題(Q40)の内容(フラグ分布)は、例えば、図17Aの合成保守問題において、或る最低の閾値(例えば、1)以上の値(1、2、3)を“1”と決定し(“1”に置換し)、閾値より低い値(例えば、0)を“0”と決定することによって、生成される。
図18Aおよび18Bは、図16Aの合成保守問題(ID=Q30)を閾値処理して作成された第2の派生保守問題(Q41)の例を示している。第2の派生保守問題(Q41)の内容は、例えば、図17の合成保守問題において、或る最低の閾値(例えば、2)以上の値(2、3)を“1”と決定し(“1”に置換し)、閾値より低い値(例えば、0、1)を“0”と決定する(“0”に置換する)ことによって、生成される。
同様に、閾値をより高く変更して、第3の派生保守問題、第4の派生保守問題、・・・を生成することができる。派生保守問題は、類似した多数の実例保守問題を統計的に処理して作成されたものであり、より洗練された保守問題であるといえる。従って、この洗練された派生保守問題に従って、各クラスタに保守員を対応づけなおすことが好ましい。
このようにして各クラスタについて生成された派生保守問題データは、クラスタ生成部230によって、図2のステップ306において生成され、保守端末40に送信されて、全ての保守員または各クラスタに対応づけられた保守員に出題されて保守員から解答データが収集される。各発生保守問題Qd0〜Qd9は、それぞれ別々の日時に保守員(識別情報)に対して一斉に送信される。
次に、図3A〜12、16A〜18Bの実施形態を変形した、別の実施形態について説明する。
図19Aは、図3Aと同様の受信メッセージのリストの例を示している。
図19Bは、図3Bと同様の故障の発生日時および修理依頼の記録(履歴)のリストを示している。
図19Cは、図19Bのユーザからの故障の発生および修理依頼に関係なく、保守員が部品状態の経緯に基づいて自己の判断で、自分でまたはユーザに依頼して行った機械10の部品の所要の調整の発生日時と調整項目の記録のリストを示している。この記録は、部品の所要の調整の後、保守端末40において保守員によって生成または記録された調整メッセージに従って、故障・保守履歴データベース2116に格納される。
図20Aは、或る機械10(ID=1)の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報および部品調整項目に関する記録の経緯の情報を含む実例の保守問題(ID=Q1)の例
を示している。図20Bは、図20Aの実例保守問題における機械10の実際の故障発生日(10月27日)の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日(10月25日〜29日)に対する得点(配点)の例とを示している。
図20Aにおいて、実例保守問題は、図4Aの部品の状態の項目に加えて、保守員またはユーザが機械に対して行った部品の調整の項目の経緯を含んでいる。機械10に対して行った部品の調整によって機械10の故障の発生日が延びることがあり、また、保守員は、その調整の発生日時と調整内容を知ることによって故障の発生の日をより正確に推定できる。
図21Aは、或る機械10(ID=1)の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報および部品調整項目に関する記録の経緯の情報を含む実例の保守問題(ID=Q2)の例を示している。図21Bは、図21Aの実例保守問題において機械10の実際の故障発生日(10月27日)の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日(10月25日〜29日)に対する得点(配点)の例とを示している。
図22Aは、或る機械10(ID=7)の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報および部品調整項目に関する記録の経緯の情報を含む実例の保守問題(ID=Q3)の例を示している。図22Bは、図22Aの実例保守問題において機械10の実際の故障発生日(11月5日)の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日(11月3日〜7日)に対する得点(配点)の例とを示している。
図23は、或る機械10(ID=11)の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報をおよび部品調整項目に関する記録の経緯の情報含む実例の保守問題(ID=Q4)の例を示している。図23Bは、図23Aの実例保守問題において機械10の実際の故障発生日(10月31日)の例と、保守員による解答の故障発生日(10月29日〜11月2日)に対する得点(配点)の例とを示している。
このようにして、実例保守問題を生成し保守員の解答を収集した後、クラスタ生成部230は、前述の実施形態の場合と同様に、実例保守問題に解答した保守作業員の中から良好な成績を獲得した保守員(例えば、解答の故障発生日が正解(実際の発生日)に許容誤差範囲(閾値の範囲)で近い解答が多い保守員)およびその良好な成績を獲得した実例保守問題だけを抽出する。
このようにして抽出された実例保守問題に類似する別の保守問題を、次のようにして生成してもよい。
図24Aは、互いに類似した例えば図18A、19Aおよび20Aのような複数の実例保守問題(Q=2、3、4)を合成して生成された合成保守問題を示している。ここで、各状態項目および各調整項目について、対応する状態情報の発生日のフラグ値FLG=1が加算されている。図24Bは、互いに類似した図21B、22Bおよび23Bの実例保守問題Q=2〜4における解答としての各故障発生日に対する得点(配点)の平均値を示している。
図25Aおよび25Bは、図24Aの合成保守問題(ID=Q21)に基づいて生成または検索された類似保守問題を示している。図25Aの保守問題は、図24Aの合成問題(ID=Q21)を閾値で処理(閾値処理)して人工的に生成された類似保守問題であっても、またはメッセージ・データベース2112および故障・保守履歴データベース2116から検索して収集した、図8Aの合成保守問題に類似する保守問題であってもよい。
図25Aの類似保守問題の生成方法として、例えば、図24Aの合成保守問題において、或る閾値(例えば、2)以上のフラグ値(2、3)を“1”と決定し、閾値より小さいフラグ値(例えば、1)を乱数に従って“0”または“1”(下線付きの“”、“”)と決定して、そのような類似保守問題が生成される。代替構成として、図25Aの類似保守問題の別の生成方法として、同じ機械10(ID=1)に関して、実際に発生した故障の有無に関係なく、図8Aの合成保守問題のフラグ値のパターンに類似した状態項目のフラグ値の経緯の情報を、メッセージ・データベース2112および故障・保守履歴データベース2116から検索して収集して、類似保守問題として決定してもよい。この場合、故障が未発生のものであってもよく、その正解の得点は100点でなくてよい。
図26は、このようにして生成された実例保守問題(図19〜22、24)に基づく一連の保守問題の集合体を示している。
図27は、図11と同様の、実例に基づく複数の保守問題Q1〜Q8の間の計算された類似性の距離、即ち各状態項目と時間的経緯のマトリックス(行列)におけるフラグ値のパターンの類似性の距離を示している。
図27において、破線で囲まれた距離の値に基づいて、保守問題Q1〜3が第1のクラスタとして、保守問題Q5〜Q8が第2のクラスタとして、クラスタ化または分類される。
図28は、類似性距離空間で示した保守問題Q1〜Q9間の距離を表す概念図である。この距離空間は、2次元で表現されても、3次元以上の空間で表現されてもよい。
図13〜15のフローチャートは、図26の一連の保守問題の集合体にも適用される。
次に、図2のステップ308の派生保守問題を生成する手順について説明する。
図29Aは、図16Aと同様の、同じクラスタに属する複数の実例保守問題(例えば、ID=Q5〜Q8)のマトリックスを合成または加算して生成した合成保守問題(ID=30)の例を示している。ここで、保守問題の各マトリックスの各状態項目および各調整項目に関する発生日の(同じ行列位置の)フラグFLG=1が加算されている。図29Bは、互いに類似した実例保守問題(Q5〜Q8)における故障発生日に対する得点の平均値の例を示している。
図30Aおよび30Bは、図29Aの合成保守問題(ID=Q30)を閾値処理して作成された基本派生保守問題(Q40)の例を示している。基本派生保守問題(Q40)の内容(フラグ分布)は、例えば、図17Aの合成保守問題において、或る最低の閾値(例えば、1)以上の値(1、2、3)を“1”と決定し(“1”に置換し)、閾値より低い値(例えば、0)を“0”と決定することによって、生成される。
図31Aおよび31Bは、図29Aの合成保守問題(ID=Q30)を閾値処理して作成された第2の派生保守問題(Q41)の例を示している。第2の派生保守問題(Q41)の内容は、例えば、図17の合成保守問題において、或る最低の閾値(例えば、2)以上の値(2、3)を“1”と決定し(“1”に置換し)、閾値より低い値(例えば、0、1)を“0”と決定する(“0”に置換する)ことによって、生成される。
同様に、閾値をより高く変更して、第3の派生保守問題、第4の派生保守問題、・・・を生成することができる。派生保守問題は、類似した多数の実例保守問題を統計的に処理して作成されたものであり、より洗練された保守問題であるといえる。従って、この洗練された派生保守問題に従って、各クラスタに保守員を対応づけなおすことが好ましい。
このようにして各クラスタについて生成された派生保守問題データは、クラスタ生成部230によって、図2のステップ306において生成され、保守端末40に送信されて、全ての保守員または各クラスタに対応づけられた保守員に出題されて保守員から解答データが収集される。各発生保守問題Qd0〜Qd9は、それぞれ別々の日時に保守員に対して一斉に送信される。
図32は、例えば上述の2つの実施形態における図17A、17B、18A、18Bおよび図30A、30B、31A、31Bのような或るクラスタの各派生保守問題Qd0〜Qd9に対する解答として収集された、複数の保守員(CEID=1〜)の解答成績のリストの例を示している。
派生保守問題Qd0〜Qd9は、番号が大きくなるに従って、それぞれの問題における表示されるフラグの数が少なくなり、判断するための情報が減少し、従って問題の内容が難しくなる。従って、このような場合、一般的に、派生保守問題の番号Qdiが大きくなるに従って(Qd0→Qd9)、保守員の成績が低下する(例えば、100→40または0)。従って、或る保守員の成績が閾値(例えば、40)以下になった時点で、その保守員に対する次の番号の派生保守問題の送信(出題)を停止してもよい。
別の事例として、派生保守問題Qd0〜Qd9は、番号が大きくなるに従って、それぞれの問題における表示されるフラグの数が少なくなり、判断するための情報が減少し、それによって問題の内容が簡単になることもあり得る。このような場合、一般的に、派生保守問題の番号Qdiが小さくなるに従って(Qd9→Qd0)、保守員の成績が低下する(例えば、100→40または0)。
このようにして得られた成績のリストにおいて、或る閾値(例えば、40点)を設定した場合にその閾値以上の成績を獲得した保守員の数が所定の割合(例えば、P=50%)を切った位置で、該当する保守員を、優れた成績を獲得した保守員として選別する。閾値以上の成績を獲得した好成績の所定の割合の保守員(例えば、CEID=1〜6)を選別して、選別された保守員としてそのクラスタに対応づけて決定クラスタ・データベース2222に格納する。
上記保守員を選別する際の別の例としては、例えば次の手法を用いてもよい。即ち、上述の得られた成績のリストに、項目反応理論(Item Response Theory)を適用して、問題
に対する解答の正答率と問題の難易度の間の相関関係を算出し、問題に対する解答の正答率が急激に下がるポイント(位置)を閾値として求め、問題に対する解答の正答率が、その求めた閾値以上である保守員を優れた保守員として選別してもよい。
図33は、図2のステップ308における詳細なフローチャートであり、クラスタ生成部230によって実行される、或るクラスタに対して保守員を対応づけるためのフローチャートを示している。
ステップ502において、クラスタ生成部230は、仮クラスタ・データベース2220から1つのクラスタを選択して、そのクラスタに関する情報(合成保守問題識別情報、対応する保守員識別情報、等)を取り出す。
ステップ504において、クラスタ生成部230は、次の派生保守問題データ(Qdi)を生成可能かどうか(i+1>m?)を判定する。可能でないと判定された場合は、手順はステップ512に進む。可能であると判定された場合は、手順はステップ514に進む。
ステップ506において、クラスタ生成部230は、合成保守問題データQd0に関して、フラグ閾値Fth=Fth+1(初期値はFth=0+1=1)と設定し、合成保守問題データのマトリックスの各要素における閾値より小さい加算フラグFsum(<Fth(=初期値1))をFsum=0と設定し、各要素における閾値以上の加算フラグFsum(≧Fth(=初期値1))をFsum=1と設定して、新しい派生保守問題データQdj(j=j+1)を生成する。
ステップ508において、クラスタ生成部230は、派生保守問題データQdjを、前記保守員またはクラスタの保守員(識別情報)に宛てて保守端末40に送り、解答データを受け取って成績データを生成する。
ステップ510において、クラスタ生成部230は、成績データが所定の閾値以下の保守員(識別情報)を次ぎの派生保守問題データの送付対象者リストから除外する。但し、このステップを実行しなくてもよい。即ち、成績が所定の閾値以下であっても次の問題データを送付し続けてもよい。ステップ510を繰り返すことによって、図32のようなクラスタの保守員(CEID=1〜)の解答成績のリストのデータが生成される。
ステップ512において、クラスタ生成部230は、クラスタの保守員の解答成績のリストにおいて保守員(識別情報)を選別するための成績データの閾値を決定する。その閾値は、選別される保守員が所定の割合(例えば、50%)になるように決定される。
ステップ514において、クラスタ生成部230は、閾値に従って、クラスタの保守員(識別情報)の解答成績のリストにおいて保守員を選別し、そのクラスタ(識別情報)に対応づける。
ステップ516において、クラスタ生成部230は、選別された保守員全員が閾値に近いかつ閾値以上の成績を獲得した派生保守問題データを選別保守問題データとして決定し、そのクラスタのクラスタ識別情報、およびその選別保守問題データをクラスタとして決定クラスタ・データベース2222に格納する。クラスタにおける選別された保守員(識別情報)は、図15においてクラスタに対応づけられた保守員の中から派生保守問題データの成績データによって絞り込まれた者であってもよい。
図14および15または図33の手順で生成されたクラスタと保守問題データおよび保守員(識別情報)を用いて、実際の保守問題データに対する故障発生日を予測するための保守のモデルを生成することができ、また実際の保守問題データをクラスタ情報に基づいて、適した保守員(識別情報)に宛ててその保守問題データへの対処を依頼することができる。
図34は、図2のステップ310における詳細なフローチャートであり、モデル生成管理部240によって実行される、或るクラスタのモデルを生成するためのフローチャートを示している。
ステップ522において、モデル生成管理部240は、1つのクラスタについて、その選別保守問題を初期モデルとして設定する。
ステップ524において、モデル生成管理部240は、モデルの改良の可能性(余地)があるかどうかを判定する。例えば、現在のモデルが修正前のいずれかの前のモデル(例えば選別保守問題)と一致した場合には、改良の可能性がないと判断できる。改良の可能性がないと判定された場合は、手順はステップ534に進む。改良の可能性があると判定された場合は、手順はステップ526に進む。
ステップ526において、モデル生成管理部240は、モデルを類似する実例保守問題データに適用して保守モデルにおける解答データ(発生日時)を得る。
ステップ528において、モデル生成管理部240は、その解答と実例保守問題データにおける正解データ(発生日時)とを比較して、その差が許容誤差の範囲内かどうかを判定する。その差が許容誤差の範囲内にあると判定された場合は、手順はステップ532に進む。その差が許容誤差の範囲内にないと判定された場合は、手順はステップ530に進む。
ステップ530において、モデル生成管理部240は、現在のモデルの保守問題データ(派生保守問題データまたは初期の選別保守問題データ)の生成に用いられた合成保守問題データにおける閾値Fthより1だけ低く閾値(Fth=Fth−1)を用いて生成された派生保守問題データをモデルとして設定しなおす。
ステップ532において、モデル生成管理部240は、現在の保守のモデルを決定クラスタに対応づけて決定クラスタ・データベース2222に格納する。
ステップ534において、モデル生成管理部240は、モデル生成の失敗の記録をその決定クラスタに対応づけて決定クラスタ・データベース2222に格納する。
モデル生成管理部240は、このモデルを用いて、メッセージ・データベース2112および/または故障・保守履歴データベース2116を検索して状態メッセージおよび調整の記録を収集して機械10に関する仮の保守問題を生成し、その仮の保守問題とモデルの類似性の距離が所定の範囲にある場合には、その仮の保守問題データにモデルを適用し、その仮の保守問題データが所定期間(例えば、10日)内に故障を発生する可能性のある場合には、その仮の保守問題データを新しい保守問題データとして設定して、その新しい保守問題データにモデルを適用して、機械10の故障の発生日を予測することができる。また、モデル生成管理部240は、そのモデルのクラスタに属する保守員を選択して、実際に故障が発生する前にその保守員(識別情報)に宛てて保守端末40に送信してその新しい保守問題データへの対処を依頼することができる。
図35は、図2のステップ314における詳細なフローチャートであり、実際問題割当部236によって実行される、実際に発生した保守問題データを類似するクラスタの保守員に割り当てて対処を依頼するためのフローチャートを示している。
ステップ542において、実際問題割当部236は、メッセージ・データベース2112および/または故障・保守履歴データベース2116を検索して様々な機械10の状態メッセージおよび/または調整記録を収集して複数のフラグが存在する場合には、機械の実際の部品状態・調整記録から仮の保守問題データ(A)を生成する。
ステップ544において、実際問題割当部236は、複数のクラスタ(識別情報)の中に未選択の1つのクラスタがあるかどうかを判定する。
ステップ546において、実際問題割当部236は、決定クラスタ・データベース2222の複数のクラスタの中から1つのクラスタを選択し、そのクラスタの選別保守問題データ(B)を取り出す。
ステップ548において、実際問題割当部236は、仮の保守問題データ(A)と選別問題データ(B)の間の類似性の距離を計算する。
ステップ550において、実際問題割当部236は、仮の保守問題データ(A)と選別保守問題データ(B)の間の類似性の距離は所定の類似の範囲内かどうかを判定する。距離が類似の範囲内であると判定された場合は、手順はステップ556に進む。類似の範囲内でないと判定された場合は、手順はステップ552に進む。
ステップ552において、実際問題割当部236は、現在の選別保守問題データ(派生保守問題)の生成に使用されたフラグ閾値Fthより1つ低いフラグ閾値Fth=Fth−1で生成された派生保守問題データがあるかどうかを判定する。それがないと判定された場合は、手順はステップ544に戻る。それがあると判定された場合は、手順はステップ544に進む。
ステップ554において、実際問題割当部236は、現在の選別保守問題データ(派生保守問題)の生成に使用されたフラグ閾値Fthより1つ低いフラグ閾値Fth=Fth−1で生成された派生保守問題データを選択保守問題データBとして設定する。その後、手順はステップ548に戻る。
ステップ556において、実際問題割当部236は、現在の選別保守問題データ(B)と距離を記録する。その後、手順はステップ544に戻る。
ステップ558において、実際問題割当部236は、類似の範囲内であると判定された選択保守問題データBの中で類似性の距離が最小のものを類似保守問題データBとして決定する。
ステップ560において、実際問題割当部236は、類似保守問題データBに対応する決定クラスタの情報からそれに属する適当な保守員を選択して、類似保守問題データBに類似する仮の保守問題データAへの対処をその保守員に依頼するメッセージを保守端末40に送信する。
その保守員は、保守端末40上で機械10に関する仮の保守問題データAへの対処を依頼するメッセージを見て、仮の保守問題データAへの対処し、即ち、機械10の故障発生日を推定し、その故障発生日までに現場へ出向いて、機械10の所要の部品を調整しまたは交換する。
このようにして、保守問題のクラスタの情報に基づいて、保守モデルを生成し、優れた保守員から機械の保守に関する固有情報を収集し、故障し得る機械に関して実際の保守問題を保守員に割り当てることができる。
上述の実施形態では解答および正解を故障発生日として説明したが、代替構成として、解答および正解は、故障発生日時であってもよく、または機械10の故障した機能または部品のカテゴリ(分類)であってもよい。後者の場合、例えば、部品のカテゴリには相互の類似度が予め付与されており、実際に故障した機能または部品のカテゴリと、解答として故障したと推定された機能または部品のカテゴリとの間の類似度に応じて解答に対して点数が付与される。
以上の実施例を含む実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 保守用端末と遠隔の機械とに接続され、前記遠隔の機械を保守するための情報処理装置であって、
前記遠隔の機械の識別情報、保守員の識別情報、前記遠隔の機械から受信した前記遠隔の機械の複数項目の状態情報、および前記遠隔の機械の保守の記録情報を格納する保守情
報データベースと、
前記遠隔の機械の識別情報、前記遠隔の機械の前記複数項目の状態情報および前記遠隔の機械の前記保守の記録情報に基づいて、時間に対する前記遠隔の機械の複数項目の状態情報を含む複数の実例保守問題データを生成して前記保守用端末に送信し、前記保守員による前記複数の実例保守問題データに対する解答データとしての推定故障発生日を収集して前記収集した解答データを正解データとしての故障発生日に基づいて点数で評価する保守問題生成および解答収集手段と、
前記複数の実例保守問題データの間の類似性を表す類似性データを生成しその類似性データに従って前記複数の実例保守問題データの中から相互間の類似性の高い複数の保守問題データを選択してクラスタを生成して、前記生成されたクラスタの識別情報をクラスタ・データベースに格納するクラスタ生成手段と、
を具え、
前記クラスタ生成手段は、前記生成されたクラスタの複数の保守問題データの解答データに対して或る閾値以上の評価を獲得した保守員の保守員識別情報を抽出して前記生成されたクラスタの識別情報に対応づけてクラスタ・データベースに格納するものであることを特徴とする、
情報処理装置。
(付記2) 前記クラスタ生成手段は、さらに、前記クラスタの前記類似性の高い複数の実例保守問題データから複数の派生保守問題データを生成して前記保守用端末に送信し、前記抽出された保守員識別情報の保守員による前記複数の派生保守問題データの全てまたは一部に対する解答データを収集してこの解答データを点数で評価し、前記派生保守問題の前記解答データに対して或る閾値以上の評価を獲得した保守員の保守員識別情報を選択して前記生成されたクラスタの識別情報に対応づけてクラスタ・データベースに格納するものであることを特徴とする、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3) 前記選択された保守員全員が前記或る閾値以上の評価を獲得した1つの派生保守問題データの識別情報を前記クラスタの選別保守問題データの識別情報として前記クラスタ・データベースに格納するものであることを特徴とする、付記2に記載の情報処理装置。
(付記4) 前記クラスタ生成手段は、複数のクラスタを生成して前記生成された複数のクラスタの識別情報をクラスタ・データベースに格納し、
前記保守情報データベースの前記遠隔の機械の識別情報、前記遠隔の機械の複数項目の状態情報および前記遠隔の機械の前記保守の記録情報に基づいて、時間に対する前記遠隔の機械の複数項目の状態情報を含む1つの保守問題データを生成し、前記1つの保守問題データと前記複数のクラスタの派生保守問題との間の類似性を表す類似性データを生成し、前記複数のクラスタの中で類似性の最も高い派生保守問題のクラスタに対応づけられた保守員の保守員識別情報を選択して、前記保守員に宛てた前記1つの保守問題データへの対処を依頼するメッセージを前記保守用端末に送信する問題割り当て手段を具えることを特徴とする、付記2または3に記載の情報処理装置。
(付記5) 前記実例保守問題データは、所定の期間における各時点での前記遠隔の機械の複数の部品の状態を表すフラグを含み、
前記クラスタ生成手段は、前記複数の実例保守問題データにおける対応するフラグ間の類似性を表す距離データを生成しその距離データに従って前記複数の実例保守問題データの中から相互間の類似性の高い保守問題データのクラスタを生成するものであることを特徴とする、付記1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記6) 前記生成されたクラスタの前記複数の派生保守問題の中で、前記クラスタの或る実例保守問題に適用して得られた解答データと前記或る実例保守問題の正解データとの間の誤差が所定の許容範囲内にある派生保守問題を前記生成されたクラスタの保守問題のモデルとして決定するモデル生成手段を具えることを特徴とする、付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記7) 前記生成されたクラスタの抽出または選択された保守員の中で最も高い評価
を獲得した保守員に対して、前記機械に関する固有情報の入力を依頼するメッセージを前記保守用端末に送信し、前記固有情報を受信して固有情報としてデータベースに格納する固有情報収集管理手段を具えることを特徴とする、付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記8) 前記実例保守問題データは、時間に対する前記遠隔の機械の前記複数項目の状態情報および複数の保守の記録情報を含むものであることを特徴とする、付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記9) 保守用端末と遠隔の機械とに接続され、前記遠隔の機械を保守するための情報処理装置に用いられるプログラムであって、
保守情報データベースに格納されている前記遠隔の機械の識別情報、前記遠隔の機械の複数項目の状態情報および前記遠隔の機械の保守の記録情報に基づいて、時間に対する前記遠隔の機械の複数項目の状態情報を含む複数の実例保守問題データを生成して前記保守用端末に送信し、前記保守員による前記複数の実例保守問題データに対する解答データを収集して前記収集した解答データを正解データに基づいて点数で評価するステップと、
前記複数の実例保守問題データの間の類似性を表す類似性データを生成しその類似性データに従って前記複数の実例保守問題データの中から相互間の類似性の高い複数の保守問題データを選択してクラスタを生成して、前記生成されたクラスタの識別情報をクラスタ・データベースに格納するステップと、
前記生成されたクラスタの複数の保守問題データの解答データに対して或る閾値以上の評価を獲得した保守員の保守員識別情報を抽出して前記生成されたクラスタの識別情報に対応づけてクラスタ・データベースに格納するステップと、
を前記情報処理装置に実行させるためのプログラム。
(付記10) 保守用端末と遠隔の機械とに接続され、前記遠隔の機械を保守するための情報処理装置において、機械を保守するための保守問題のクラスタを生成する方法であって、
保守情報データベースに格納されている前記遠隔の機械の識別情報、前記遠隔の機械の複数項目の状態情報および前記遠隔の機械の保守の記録情報に基づいて、時間に対する前記遠隔の機械の複数項目の状態情報を含む複数の実例保守問題データを生成して前記保守用端末に送信し、前記保守員による前記複数の実例保守問題データに対する解答データを収集して前記収集した解答データを正解データに基づいて点数で評価する工程と、
前記複数の実例保守問題データの間の類似性を表す類似性データを生成しその類似性データに従って前記複数の実例保守問題データの中から相互間の類似性の高い複数の保守問題データを選択してクラスタを生成して、前記生成されたクラスタの識別情報をクラスタ・データベースに格納する工程と、
前記生成されたクラスタの複数の保守問題データの解答データに対して或る閾値以上の評価を獲得した保守員の保守員識別情報を抽出して前記生成されたクラスタの識別情報に対応づけてクラスタ・データベースに格納する工程と、
を含む方法。
図1は、本発明の実施形態による、監視制御用の保守サーバの構成を示している。 図2は、機械に関する実際の状態情報および/または調整記録情報から生成された複数の実例の守問題データについて相互の類似性に基づいて保守問題のクラスタを生成し、各クラスタについて保守モデルを生成し、特定の保守員から機械の保守に関する固有情報を取得し、実際の保守問題データとクラスタの対応保守問題との類似性に基づいて適した保守員を選択してその実際の保守問題を割り当てるためのフローチャートを示している。 図3Aは、メッセージ・データベースに格納された、機械の各部品に関する状態情報に関する受信メッセージのリストの例を示している。図3Bは、ユーザから報告された特定の機械の故障の発生日時および修理依頼の記録のリストを示している。 図4Aは、或る機械の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報を含む実例保守問題の例を示している。図4Bは、図4Aの実例保守問題における機械の実際の故障発生日の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日に対する得点の例とを示している。 図5Aは、或る機械の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報を含む実例の保守問題の例を示している。図5Bは、図5Aの実例保守問題において機械の実際の故障発生日の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日に対する得点の例とを示している。 図6Aは、或る機械の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報を含む実例の保守問題の例を示している。図6Bは、図6Aの実例保守問題において機械の実際の故障発生日の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日に対する得点の例とを示している。 図7Aは、或る機械の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報を含む実例の保守問題の例を示している。図7Bは、図7Aの実例保守問題において機械の実際の故障発生日の例と、保守員による解答の故障発生日に対する得点の例とを示している。 図8Aは、互いに類似した例えば図5A、6Aおよび7Aのような複数の実例保守問題を合成して生成された合成保守問題を示している図8Bは、互いに類似した図5B、6Bおよび7Bの実例保守問題における解答としての各故障発生日に対する得点の平均値を示している。 図9Aおよび9Bは、図8Aの合成保守問題に基づいて生成または検索された類似保守問題の例を示している。 図10は、生成された実例保守問題に基づく一連の保守問題の集合体を示している。 図11は、実例に基づく複数の保守問題の間の計算された類似性の距離、即ち各状態項目と時間的経緯のマトリックスにおけるフラグ値のパターンの類似性の距離を示している。 図12は、類似性距離空間で示した保守問題間の距離を表す概念図である。 図13は、クラスタ生成部によって実行される、複数の保守問題をクラスタ化するためのフローチャートを示している。 図14は、クラスタ生成部によって実行される、求めようとする2つの保守問題の間の類似性または類似性の距離を決定するためのフローチャートを示している。 図15は、図2のステップにおける詳細なフローチャートであり、クラスタ生成部によって実行される、或るクラスタに対して保守員を対応づけるためのフローチャートを示している。 図16Aは、同じクラスタに属する複数の実例保守問題および場合によって類似保守問題のマトリックスを合成または加算して生成した合成保守問題を示している。 図17Aおよび17Bは、図16Aの合成保守問題を閾値処理して作成された基本派生保守問題の例を示している。 図18Aおよび18Bは、図16Aの合成保守問題を閾値処理して作成された第2の派生保守問題の例を示している。 図19Aは、図3Aと同様の受信メッセージのリストの例を示している。図19Bは、図3Bと同様の故障の発生日時および修理依頼の記録のリストを示している。図19Cは、図19Bのユーザからの故障の発生および修理依頼に関係なく、保守員が部品状態の経緯に基づいて自己の判断で、自分でまたはユーザに依頼して行った機械の部品の所要の調整の発生日時と調整項目の記録のリストを示している。 図20Aは、或る機械の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報および部品調整項目に関する記録の経緯の情報を含む実例の保守問題の例を示している。図20Bは、図20Aの実例保守問題における機械の実際の故障発生日の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日に対する得点の例とを示している。 図21Aは、或る機械の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報および部品調整項目に関する記録の経緯の情報を含む実例の保守問題の例を示している。図21Bは、図21Aの実例保守問題において機械の実際の故障発生日の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日に対する得点の例とを示している。 図22Aは、或る機械の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報および部品調整項目に関する記録の経緯の情報を含む実例の保守問題の例を示している。図22Bは、図22Aの実例保守問題において機械の実際の故障発生日の例と、保守員が解答した解答としての故障発生日に対する得点の例とを示している。 図23は、或る機械の故障発生に関連する各状態項目の経緯の情報をおよび部品調整項目に関する記録の経緯の情報含む実例の保守問題の例を示している。図23Bは、図23Aの実例保守問題において機械の実際の故障発生日の例と、保守員による解答の故障発生日に対する得点の例とを示している。 図24Aは、互いに類似した例えば図18A、19Aおよび20Aのような複数の実例保守問題を合成して生成された合成保守問題を示している。図24Bは、互いに類似した図21B、22Bおよび23Bの実例保守問題における解答としての各故障発生日に対する得点の平均値を示している。 図25Aおよび25Bは、図24Aの合成保守問題に基づいて生成または検索された類似保守問題を示している。 図26は、生成された実例保守問題に基づく一連の保守問題の集合体を示している。 図27は、図11と同様の、実例に基づく複数の保守問題の間の計算された類似性の距離、即ち各状態項目と時間的経緯のマトリックスにおけるフラグ値のパターンの類似性の距離を示している。 図28は、類似性距離空間で示した保守問題間の距離を表す概念図である。 図29Aは、図16Aと同様の、同じクラスタに属する複数の実例保守問題のマトリックスを合成または加算して生成した合成保守問題の例を示している。図29Bは、互いに類似した実例保守問題における故障発生日に対する得点の平均値の例を示している。 図30Aおよび30Bは、図29Aの合成保守問題を閾値処理して作成された基本派生保守問題の例を示している。 図31Aおよび31Bは、図29Aの合成保守問題を閾値処理して作成された第2の派生保守問題の例を示している。 図32は、例えば図17A、17B、18A、18Bおよび図30A、30B、31A、31Bのような或るクラスタの各派生保守問題に対する解答として収集された、複数の保守員の解答成績のリストの例を示している。 図33は、図2のステップ308における詳細なフローチャートであり、クラスタ生成部によって実行される、或るクラスタに対して保守員を対応づけるためのフローチャートを示している。 図34は、図2のステップ310における詳細なフローチャートであり、モデル生成管理部によって実行される、或るクラスタのモデルを生成するためのフローチャートを示している。 図35は、図2のステップ314における詳細なフローチャートであり、実際問題割当部によって実行される、実際に発生した保守問題を類似するクラスタの保守員に割り当てて対処を依頼するためのフローチャートを示している。
符号の説明
10 機械
16 部品
18 センサ
20 保守サーバ
204 機械状態提示部
206 情報関連性作成管理部
208 問題計画実行管理部
210 保守情報管理部
220 作成情報管理部
230 クラスタ生成部
234 固有情報収集管理部
236 実際問題割当部
240 モデル精製管理部
40 保守端末

Claims (7)

  1. 保守用端末と遠隔の機械とに接続され、前記遠隔の機械を保守するための情報処理装置であって、
    前記遠隔の機械の識別情報、保守員の識別情報、前記遠隔の機械から受信した前記遠隔の機械の複数項目の状態情報、および前記遠隔の機械の保守の記録情報を格納する保守情報データベースと、
    前記遠隔の機械の識別情報、前記遠隔の機械の前記複数項目の状態情報および前記遠隔の機械の前記保守の記録情報に基づいて、時間に対する前記遠隔の機械の複数項目の状態情報を含む複数の実例保守問題データを生成して前記保守用端末に送信し、前記保守員による前記複数の実例保守問題データに対する解答データとしての推定故障発生日を収集して前記収集した解答データを正解データとしての故障発生日に基づいて点数で評価する保守問題生成および解答収集手段と、
    前記複数の実例保守問題データの間の類似性を表す類似性データを生成しその類似性データに従って前記複数の実例保守問題データの中から相互間の類似性の高い複数の保守問題データを選択してクラスタを生成して、前記生成されたクラスタの識別情報をクラスタ・データベースに格納するクラスタ生成手段と、
    を具え、
    前記クラスタ生成手段は、前記生成されたクラスタの複数の保守問題データの解答データに対して或る閾値以上の評価を獲得した保守員の保守員識別情報を抽出して前記生成されたクラスタの識別情報に対応づけてクラスタ・データベースに格納するものであることを特徴とする、
    情報処理装置。
  2. 前記クラスタ生成手段は、さらに、前記クラスタの前記類似性の高い複数の実例保守問題データから複数の派生保守問題データを生成して前記保守用端末に送信し、前記抽出された保守員識別情報の保守員による前記複数の派生保守問題データの全てまたは一部に対する解答データを収集してこの解答データを点数で評価し、前記派生保守問題の前記解答データに対して或る閾値以上の評価を獲得した保守員の保守員識別情報を選択して前記生成されたクラスタの識別情報に対応づけてクラスタ・データベースに格納するものであることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記選択された保守員全員が前記或る閾値以上の評価を獲得した1つの派生保守問題データの識別情報を前記クラスタの選別保守問題データの識別情報として前記クラスタ・データベースに格納するものであることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記クラスタ生成手段は、複数のクラスタを生成して前記生成された複数のクラスタの識別情報をクラスタ・データベースに格納し、
    前記保守情報データベースの前記遠隔の機械の識別情報、前記遠隔の機械の複数項目の状態情報および前記遠隔の機械の前記保守の記録情報に基づいて、時間に対する前記遠隔の機械の複数項目の状態情報を含む1つの保守問題データを生成し、前記1つの保守問題データと前記複数のクラスタの派生保守問題との間の類似性を表す類似性データを生成し、前記複数のクラスタの中で類似性の最も高い派生保守問題のクラスタに対応づけられた保守員の保守員識別情報を選択して、前記保守員に宛てた前記1つの保守問題データへの対処を依頼するメッセージを前記保守用端末に送信する問題割り当て手段を具えることを特徴とする、請求項2または3に記載の情報処理装置。
  5. 前記実例保守問題データは、所定の期間における各時点での前記遠隔の機械の複数の部品の状態を表すフラグを含み、
    前記クラスタ生成手段は、前記複数の実例保守問題データにおける対応するフラグ間の
    類似性を表す距離データを生成しその距離データに従って前記複数の実例保守問題データの中から相互間の類似性の高い保守問題データのクラスタを生成するものであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
  6. 保守用端末と遠隔の機械とに接続され、前記遠隔の機械を保守するための情報処理装置に用いられるプログラムであって、
    保守情報データベースに格納されている前記遠隔の機械の識別情報、前記遠隔の機械の複数項目の状態情報および前記遠隔の機械の保守の記録情報に基づいて、時間に対する前記遠隔の機械の複数項目の状態情報を含む複数の実例保守問題データを生成して前記保守用端末に送信し、前記保守員による前記複数の実例保守問題データに対する解答データを収集して前記収集した解答データを正解データに基づいて点数で評価するステップと、
    前記複数の実例保守問題データの間の類似性を表す類似性データを生成しその類似性データに従って前記複数の実例保守問題データの中から相互間の類似性の高い複数の保守問題データを選択してクラスタを生成して、前記生成されたクラスタの識別情報をクラスタ・データベースに格納するステップと、
    前記生成されたクラスタの複数の保守問題データの解答データに対して或る閾値以上の評価を獲得した保守員の保守員識別情報を抽出して前記生成されたクラスタの識別情報に対応づけてクラスタ・データベースに格納するステップと、
    を前記情報処理装置に実行させるためのプログラム。
  7. 保守用端末と遠隔の機械とに接続され、前記遠隔の機械を保守するための情報処理装置において、機械を保守するための保守問題のクラスタを生成する方法であって、
    保守情報データベースに格納されている前記遠隔の機械の識別情報、前記遠隔の機械の複数項目の状態情報および前記遠隔の機械の保守の記録情報に基づいて、時間に対する前記遠隔の機械の複数項目の状態情報を含む複数の実例保守問題データを生成して前記保守用端末に送信し、前記保守員による前記複数の実例保守問題データに対する解答データを収集して前記収集した解答データを正解データに基づいて点数で評価する工程と、
    前記複数の実例保守問題データの間の類似性を表す類似性データを生成しその類似性データに従って前記複数の実例保守問題データの中から相互間の類似性の高い複数の保守問題データを選択してクラスタを生成して、前記生成されたクラスタの識別情報をクラスタ・データベースに格納する工程と、
    前記生成されたクラスタの複数の保守問題データの解答データに対して或る閾値以上の評価を獲得した保守員の保守員識別情報を抽出して前記生成されたクラスタの識別情報に対応づけてクラスタ・データベースに格納する工程と、
    を含む方法。
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