JP2010086122A - 専有対象物管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】過剰な専有対象物を用意する必要がなく専有対象物の効率的な利用を促進できる専有対象物管理システムを提供する。
【解決手段】本発明の専有対象物管理システムは、保管場所に保管されている専有対象物を利用者が専有状態にする間に所定の利用料を課金する専有対象物管理システムにおいて、前記保管場所における専有対象物の現在の保管数を検出する保管数検出手段と、前記専有対象物の前記保管場所からの出庫数の履歴を保存する履歴保存手段と、前記所定の利用料を算出する料金算出手段と、を有し、前記料金算出手段は、前記保管数検出手段によって検出された保管数及び前記履歴保存手段に保存された出庫数に基づいて前記所定の利用料を算出することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の利用者で一つの車両(専有対象物)を共用利用するカーシェアリングなどにおける管理、或いはレンタカーなどにおける貸し出しの管理を行う専有対象物管理システムに関する。
近年、自動車は社会において必要不可欠と言えるほどに普及している。しかし特に都市部では、駐車スペースの不足や、高額な駐車料金、または自動車を使用する機会が限られている等の理由で、自動車を購入し保有することをためらう人も多い。また自動車台数の増加による大気汚染等の環境への負荷や交通渋滞を削減するため、一台の車を複数の人で使用するカーシェアリングの概念が提唱されている。
カーシェアリング、或いはレンタカーといったサービスにおいては、貸し出し可能な車両が所定台数設けられているカーポートなどの営業所を複数点在させることが一般的である。営業所を複数箇所に点在させるとすると、車両を借りた場所から離れた場所で返却する、いわゆる“乗り捨て”の要望がだされる。このような乗り捨てを許容するようなサービスの形態では、返却場所がある特定のカーポートに集中したり、ある特定のカーポートの車の乗り捨てが頻繁に起こったりすることによって、各カーポートの車両の保有台数が均等にならないなどの場合が発生することとなる。
そこで、各カーポート間で保有台数を均等化するカーシェアリングのための管理システムがこれまで提案されている。このような管理システムとしては、例えば、特許文献1(特開平2002―245585号公報)には、車両を駐車する複数のポートを設け、ユーザに貸し出す車両を管理する車両貸出管理システムで用いられる車両貸出管理装置であって、前記ポート毎の前記車両の貸出状況を把握して、該ポートの車両の過不足判断を行う車両過不足判断手段と、前記車両過不足判断手段により前記車両が過剰状態にあると判断された前記ポートからの貸出を行う車両の利用と、前記車両過不足判断手段により前記車両が不足状態にあると判断された前記ポートへの返却を行う車両の利用には、通常のポート間における車両利用料金より低額な料金を設定する利用料金設定手段と、を設けたことを特徴とするが開示されている。
特開平2002―245585号公報
しかしながら、特許文献1に記載された管理システムおいては、車両が過剰状態にあると判断されたポートからの貸出を行う車両の利用と、車両が不足状態にあると判断されたポートへの返却を行う車両の利用には、低額な料金を設定することによって、各ポートにおける車両台数の均等化への誘導を図るものであるが、このようなシステムは、各ポートの過去の車両利用実績などのデータに基づくものではないので、例えば、各ポートには、期待利用台数を越える過剰な台数の車両を用意しなければならず、車両の効率的な利用を促進することができない、という問題があった。
一般的に、カーポートなどの各営業所毎で、それぞれ特徴的な車両利用パターンを有しており、このようなパターンに対応した車両台数を適時用意すれば、車両導入台数を減らした上で、各車両の利用効率を高めて、シェアリングの効率性を向上させることが可能であるが、従来の管理システムでは、そのようなことが考慮されておらずに問題となっていた。
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、保管場所に保管されている専有対象物を利用者が専有状態にする間に所定の利用料を課金する専有対象物管理システムにおいて、前記保管場所における専有対象物の現在の保管数を検出する保管数検出手段と、前記専有対象物の前記保管場所からの出庫数の履歴を保存する履歴保存手段と、前記所定の利用料を算出する料金算出手段と、を有し、前記料金算出手段は、前記保管数検出手段によって検出された保管数及び前記履歴保存手段に保存された出庫数に基づいて前記所定の利用料を算出することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の専有対象物管理システムにおいて、利用者が専有対象物を専有状態から共用利用可能状態にすることを確認する状態確認手段を有し、前記状態確認手段は、利用者が専有対象物を専有状態から共用利用可能状態にするタイミングを取得し、前記料金算出手段は、前記タイミングに対応する前記保管数検出手段によって検出された保管数及び前記タイミングに対応する前記履歴保存手段に保存された出庫数に基づいて前記所定の利用料を算出することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の専有対象物管理システムにおいて、前記料金算出手段は、前記タイミングに対応する前記保管数検出手段によって検出された保管数と前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に対応する前記履歴保存手段に保存された出庫数に基づいて前記所定の利用料を算出することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項2に記載の専有対象物管理システムにおいて、前記料金算出手段は、前記タイミングに対応する前記保管数検出手段によって検出された保管数から前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に対応する前記履歴保存手段に保存された出庫数を減算し、前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に対応する前記保管場所における専有対象物の保管数を演算するとともに、前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に専有対象物が前記保管場所に共用利用可能状態として存在する状態であれば、前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に専有対象物が前記保管場所に共用利用可能状態として存在しない状態に対して高くなるように前記所定の利用料を算出することを特徴とする。
本発明に係る専有対象物管理システムによれば、各保管場所の過去の専有対象物の利用状況―履歴情報―に基づいて料金算出を行うので、過剰な専有対象物を用意する必要がなく専有対象物の効率的な利用を促進することが可能となる。
また、本発明に係る専有対象物管理システムによれば、専用対象物の導入数を減らした上で、各専用対象物の利用効率を高めて、専用対象物を共用利用するときにおける効率性を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る専有対象物管理システム概要を示すブロック図である。このような専有対象物管理システムは、例えば、自動車車両10を複数の利用者で共用利用するカーシェアリングの管理に用いられるものである。なお、「専有対象物」は、所定時間にわたって顧客が自らの専有状態とし、その対価として顧客が所定の利用料を納めるもの―レンタル対象物―全般のことを言う。また、本実施形態においては「専有対象物」として、自動車車両10を例にとした場合について説明するが、本発明の専有対象物管理システムでは、「専有対象物」としてこれに限定されることなく、レンタルサイクル、レンタルビデオなどのレンタル
対象物も扱うことが可能である。また、本発明における「料金」とは、現金、電子マネー、ポイントなどの概念を含むものであり、専有対象物を専有した対価として支払われるものである。
また、利用者が専有対象物を、借り受けて専有状態とする前段に、専有対象物を保管すると共に、利用者が専有対象物を利用後、専有対象物を返却する場所を保管場所として定義する。このような保管場所においては、通常、自動車車両などの専有対象物を収容することが可能な数は限定されているものである。また、利用者が専有対象物を専有状態として保管場所から持ち出した時を「出庫」として定義し、利用者が専有対象物を専有状態から共用利用可能状態とするとき、すなわち保管場所に専有対象物を返却した時を「入庫」として定義する。本実施形態のように自動車車両を例とすれば、上記のような保管場所は、カーポートに相当するものであるといえる。
図1において、10は自動車車両、100はユーザー端末装置、200はカーポート管理端末装置、210はカーポート情報記憶部、220はカーポート情報更新部、230は課金料金計算部、240は通知部、250は履歴情報更新部をそれぞれ示している。
本実施形態に係る専有対象物管理システムは、カーシェアリングにおける自動車車両10(専有対象物)の管理を行うことが想定されている。また、カーシェアリングにおいては、所定のカーポート(保管場所)に自動車車両10が複数台数配され、適宜ユーザーが借り受けて利用できる体制が整えられる。ここで、ユーザーが自動車車両10を利用しようとしたときに、カーポートから全ての自動車車両10が出払っており、当該ユーザーが自動車車両10を利用できない、という事態を可能な限り発生させないようにすることが望ましいことは言うまでもない。このための所定の管理を行うのが、本実施形態に係る専有対象物管理システムである。
また、上記のように自動車車両10が複数台数配されたカーポートは、複数の場所に点在しており、例えば、カーポートA1で借り受けた自動車車両10を、カーポートA2に返却することができるような体制となっている。このような体制下で、カーシェアリングを行うときにおいては、多くの台数の利用が予想されるカーポートAnに対して、利用者が自動車車両10を返却するように誘導する仕組みを設けておく必要がある。このような利用者の誘導のために、本実施形態に係る専有対象物管理システムでは、料金設定を適宜行うようになっている。すなわち、多くの利用台数が見込まれるカーポートAnに対して、利用者が自動車車両10を返却した場合には、そうでないカーポートに対して自動車車両10を返却した場合に比べて、低い利用料金を課するような料金体系をとるシステムとなっている。また、多くの利用台数が見込まれるカーポートAnにおいて、利用者が自動車車両10を利用した場合には、そうでないカーポートで自動車車両10を利用した場合に比べて、高い利用料金を課するような料金体系をとるシステムとすることもできる。
以上のような料金の計算を行うために、本実施形態に係る専有対象物管理システムでは、各カーポート(Ai:i=1〜n)毎に、各カーポートで独立し、各カーポート毎に閉じた形で用いる管理用のカーポート管理端末装置200を設けるようにしている。ただ、各カーポートに設置されるカーポート管理端末装置200間をネットワーク接続することを妨げるものではない。また、このカーポート管理端末装置200との情報交信、ユーザーに対する情報提示等を行うために、自動車車両10側にはユーザー端末装置100が設けられる。
カーポート管理端末装置200は、パーソナルコンピュータなどの一般的な情報処理装置に所定プログラムを動作させ実現することができる。また、ユーザー端末装置100は、例えば携帯電話端末やカーナビゲーションシステムに所定プログラムを動作させ実現す
ることができる。カーポート管理端末装置200とユーザー端末装置100との間は、所定の通信プロトコルによって情報通信可能に構成する。このような情報通信によって、ユーザー端末装置100がカーポート管理端末装置200に対して、自動車車両10を返却(入庫)する旨報知したり、カーポート管理端末装置200がユーザー端末装置100に対して、自動車車両10側に利用料金を提示したりすることが可能となる。
カーポート管理端末装置200において、カーポート情報記憶部210は、管理対象となる自カーポートの状態情報と共に、当該カーポートから自動車車両10からどのタイミング(日時)で出庫したかに係る履歴情報とを記憶している。自カーポートの状態情報とは、現在のカーポートに駐車している自動車車両10の数などを挙げることができる。また、その他のカーポート情報―例えば、自動車車両10の予約状況など―を記憶しておくことも可能である。また、出庫履歴情報は、これまでの自動車車両10の出庫状況が累積された情報であり、例えば、出庫日時と出庫台数とが対応した情報である。
ここで、カーポート(保管場所)について説明する。図2は本発明の実施の形態に係る専有対象物管理システムにおけるカーポート(Ai)での自動車車両10の管理を説明する図である。あるカーポート(Ai)においては、自動車車両10が随時入庫したり、或いは、カーポート(Ai)から自動車車両10が随時出庫したりする。ここで、時刻tは1週間を1周期としてカウントするものとする。すなわち、日曜日の0:00から土曜日の24:00までを1周期として計時する。以下、このような定義の下、時刻tにおけるカーポート(Ai)における自動車車両10の駐車台数をNAi(t)として定義し、時刻t
におけるカーポート(Ai)から出庫される可能性のある自動車車両10の台数をHAi(t)で定義する。また、MAiは当該カーポート(Ai)における駐車可能台数の上限である。
Ai(t)はカーポート情報記憶部210に記憶されている自カーポート状態情報に相当
するものであり、現状で当該カーポートの駐車スペースに待機している自動車車両10の情報である。また、HAi(t)はこれまでの当該カーポートからの出庫状況を累積することによって求められる、出庫数の履歴情報であり、カーポート情報記憶部210に記憶されている履歴情報に相当するものである。
次に、時刻tにおける出庫数の履歴情報であるHAi(t)のパターンについて例示的に説明する。図3はカーポートに依る出庫数履歴情報HAi(t)の例を示す図である。先にも説明したとおり、時刻tは1週間を1周期として周期的にカウントしており、日曜日の0:00から土曜日の24:00までを繰り返し周期的に計時しつつ、自動車車両10出庫数のカウントをとることによって、出庫数履歴情報HAi(t)が求められている。このような時刻の計時に求められた出庫数履歴情報HAi(t)によれば、例えば、日曜日の10:00における自動車車両10の出庫数の傾向を把握することが可能となる。図3は、カーポートA1乃至A4における出庫数履歴情報HA1(t)乃至HA4(t)のヒストグラムを示している。このような出庫数履歴情報のヒストグラムによれば、例えば、カーポートA1では週末における出庫数(利用数)が多い傾向であり、カーポートA2では平日における出庫数(利用数)が多い傾向であり、カーポートA3では夕刻における出庫数(利用数)が多い傾向であり、カーポートA4では週末における出庫数(利用数)が多い傾向である、などを把握することが可能となる。なお、ここでは周期を1週間としているが、例えば、1ヶ月、1年間、1日というようなシステムに合わせて適切な周期を設定すれば良く、この例に限定される
ものではない。さらに、個々のヒストグラムの幅に相当する時間単位tは幅を持たせて設定しても良く、例えば、1時間毎の単位であっても良い。
図1のブロック図に戻り説明する。カーポート管理端末装置200において、カーポート情報更新部220は、自動車車両10が入庫したり、出庫したりすることによって、当該カーポートの駐車台数が増減するが、その情報を把握し更新するものである。なお、カ
ーポート情報更新部220が自動車車両10の入庫・出庫を把握するためには、例えばユーザー端末装置100から入庫・出庫の通知を受け付けて、これをカウントするようにしてもよいし、当該カーポートの駐車スペースを撮影する撮像装置を設けて画像解析処理によって駐車台数をカウントするようにしてもよいし、また、駐車スペース毎に自動車車両10の存否を検出するセンサを設けて、このセンサからの出力によって駐車台数をカウントするようにしてもよい。なお、カーポート情報更新部220が、自動車車両10の入庫・出庫を把握することを、広く捉える概念として、特許請求の範囲においては「状態確認手段」という語を用いている。また、特許請求の範囲における「利用者が専有対象物を専有状態から共用利用可能状態にすること」は、自動車車両10がカーポートに入庫されるという概念を広く表現したものである。
課金料金計算部230は、自動車車両10の利用料金を計算するものである。課金料金計算部230における料金計算方法としては、多くの利用台数が見込まれるカーポートAiに対して、利用者が自動車車両10を返却した場合には、そうでないカーポートに対して自動車車両10を返却した場合に比べて、低い利用料金を課するように計算する方法(第1の方法)によることができる。
また、課金料金計算部230における料金計算方法としては、多くの利用台数が見込まれるカーポートAiにおいて、利用者が自動車車両10を利用した場合には、そうでないカーポートで自動車車両10を利用した場合に比べて、高い利用料金を課するように計算する方法(第2の方法)によることができる。
以上のような利用料金算出方法をより一般的に示すと、次式(1)のように示すことが可能である。
total=Y0+Y1(t)+Y2(t)+・・・・ (1)
ただし、
total:自動車車両利用料金総額
0:自動車車両利用時間に応じた課金の項
1(t):返却タイミング(入庫タイミング)に応じた課金の補正項
2(t):利用タイミング(出庫タイミング)に応じた課金の補正項
とする。
なお、利用料金を計算する上では、Y0、Y1(t)、Y2(t)の全ての項が必要という分け
ではなく、任意の項の組み合わせによって計算することが可能である。例えば、自動車車両利用料金総額はYtotal=Y0+Y1(t)によって計算してもよいし、或いはYtotal=Y0+Y2(t)などによって計算しても良い。また、Y0、Y1(t)、Y2(t)以外の項を適宜加え
るようにしてもよい。そのような項が式中「・・・・」として示されている。
次に、Y1(t)の算出法例及びY2(t)の算出法例について説明する。ここで、Y1(t)及びY2(t)の算出方法はこれに限定されるものではなく、種々の方法が考えられ、ここで示すものはあくまで一例である。
例えば、Y1(t)の項及びY2(t)の項は、それぞれ次に表す(2)式及び(3)式にて求めることができる。
1(t)=S11×[NAi(t)−HAi(t+T) ] (2)
2(t)=S21×[NAi(t)+HAi(t+T) ] (3)
ここで、S11、S21、Tは正の値の定数である。S11、S21は[円/台数]のディメンジョンを有する係数であり、Tは例えば5分から30分程度の所定の時間であり、予め設定された所定の時間であるが、過去の出庫数履歴に基づいて任意に経験的に決めた時間であってもよい。時刻(t+T)は、時刻tに対して5分から30分程度将来の時刻であり、HAi(
t+T)は5分から30分程度後の出庫数履歴ということになる。時間Tは自動車車両10
が入庫してから、出庫するまでに要する程度を想定している。
入庫タイミングに対する料金の補正項であるY1(t)を求める上では、HAi(t+T)におけ
る需要を満たせるように自動車車両10を返却してくれたもの、つまり、カーシェアリングを運営する上で有利となるようにユーザーが自動車車両10を返却してくれたものと考えることができるので、HAi(t+T)分を減算するようにして、料金を安く設定するように
している。
一方、出庫タイミングに対する料金の補正項であるY2(t)を求める上では、近い将来の時刻(t+T)においてHAi(t+T)の需要が存在するにも関わらず、ユーザーが自動車車両1
0を借用してしまうもの、つまり、カーシェアリングを運営する上でマイナスとなるようにユーザーが自動車車両10を利用するものと考えることができるので、HAi(t+T)分を
加算するようにして、需要が料金を高く設定するようにしている。料金の算出をまとめると、課金料金計算部230は、タイミング時刻tに対応する前記保管数検出手段よって検出された保管数NAi(t)から前記タイミング(t)に対応する所定の時間だけ進んだ将来
の時間(t+T)に対応する履歴保存手段によって保存された出庫数HAi(t+T)を減算し、前
記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間(t+T)に対応する前記保管場所における専有対象物の保管数NAi(t)+HAi(t+T)を演算するとともに、前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間(t+T)に専有対象物が前記保管場所に共用利用可能状態として存在する状態であれば、前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に専有対象物が前記保管場所に共用利用可能状態として存在しない状態に対して高くなるように前記所定の利用料を算出する。
ところで、本実施例では、このように料金を算出しているが、例えば、所定の料金を基本料金として、それに対して上記算出方法を適用してその需要の有無で料金を高くしたり低くしたり設定しても良い。
なお、料金補正項における上記のようなHAi(t+T)分の加減算においては、HAi(t+T)分そのまま加減算してもよいし、或いは二乗をとった上で加減算してもよいし、対数をとった上で加減算してもよい。いずれにしても、本実施形態では、上記のような出庫状況に係る履歴情報に基づいて料金の計算を行うところに特徴点を有するものである。
例えば、課金料金計算部230が次式(4)によって料金を算出する場合が特許請求の範囲に示されている。
total=Y0+Y1(t)
=Y0+S11×[NAi(t)−HAi(t+T) ] (4)
特許請求の範囲における「保管数検出手段によって検出された保管数」はNAi(t)を広
く表現したものであり、同「履歴保存手段に保存された出庫数」はHAi(t)やHAi(t+T) を広く表現したものである。また、特許請求の範囲における料金算出手段は、課金料金計算部230を上位概念で示したものである。
以上のような構成の専有対象物管理システムによれば、各カーポート(保管場所)の過去の自動車車両10(専有対象物)の利用状況―履歴情報―に基づいて料金算出を行うので、過剰な自動車車両10(専有対象物)を用意する必要がなく自動車車両10(専有対象物)の効率的な利用を促進することが可能となる。
また、以上のような構成の専有対象物管理システムによれば、自動車車両10(専有対象物)の導入数を減らした上で、各自動車車両10(専有対象物)の利用効率を高めて、自動車車両10(専有対象物)を共用利用するときにおける効率性を向上させることが可
能となる。
再びブロック図に戻って説明する。通知部240は、ユーザー端末装置100との間で、所定の通信プロトコルによって情報の送受信を行う構成であり、これによって課金料金計算部230で計算された利用料金を、ユーザー端末装置100に送信したりする。また、通知部240によりユーザー端末装置100から、出庫・入庫情報などを受信する。
履歴情報更新部250は、カーポート情報更新部220からの駐車台数の増減情報に応じて、カーポート情報記憶部210に蓄積されているこれまでの履歴情報を更新する。このような履歴情報更新部250の機能によれば、自動車車両10の利用プロフィールが推移しても、このような推移に応じた利用料金の算出を行うことが可能となる。
以上のように構成される専有対象物管理システムにおける制御の流れについて説明する。図4は本発明の実施の形態に係る専有対象物管理システムにおける制御フローの一例を示す図である。図4においては、ユーザー端末装置100とカーポート管理端末装置200との間におけるやり取りの概要、それぞれの端末装置内での処理の一例が示されるものであって、本実施形態に係る専有対象物管理システムの全ての処理がこれと同じである必要はない。また、図4は処理の流れの概略を示すフローであって、厳密なものではない。
ステップS100においては、ユーザー端末装置100がカーポート管理端末装置200に対して、カーポート管理端末装置200が管理するカーポートに入庫した旨の情報を送信する。
ステップS200では、カーポート管理端末装置200側で入庫情報を受信する。すると、続くステップS201において、カーポート管理端末装置200の課金料金計算部230にて、式(4)によって料金を算出する。ここで、算出された料金はステップS101でユーザー端末装置100側に送信されて、ユーザー端末装置100側で提示される。また、ステップS202では、カーポート情報更新部220が現在駐車スペースに駐車された台数NAi(t)を1加算し、ステップS203において履歴情報更新部250が、出庫
数履歴情報HAi(t)の更新を行う。
以上のように、本実施形態に係る専有対象物管理システムの制御フローによれば、式(4)に示すような履歴情報が加味された式によって、自動車車両10の利用料金算出を行うので、自動車車両10の導入数を減らした上で、各自動車車両10の利用効率を高めて、自動車車両10を共用利用するときにおける効率性を向上させることが可能となる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図5は本発明の実施の形態に係る専有対象物管理システムで用いられるユーザー端末装置の概要を示すブロック図であり、図6は本発明の実施の形態に係る専有対象物管理システム概要を示すブロック図である。図5及び図6において、10、10’、10’’は自動車車両、100はユーザー端末装置、110は目的地設定部、120は位置情報取得部、130は情報表示部、140は通信部、300はカーポート管理サーバー、310はカーポート情報記憶部、320はカーポート情報取得部、330はカーポート(予約)情報更新部、340は課金料金計算部、350はカーポート検索部、360は通知部、370は履歴情報更新部、380は所要時間計算部、400、400’、400’’、400’’’はカーポート端末装置をそれぞれ示している。
本実施形態に係る専有対象物管理システムにおいても、カーシェアリングにおける自動車車両10(専有対象物)の管理を行うことが想定されている。また、カーシェアリングにおいては、所定のカーポート(保管場所)に自動車車両10が複数台数配され、適宜ユ
ーザーが借り受けて利用できる体制が整えられる。専有対象物や保管場所については、先に説明したものと同様である。
ユーザーが自動車車両10を利用しようとしたときに、カーポートから全ての自動車車両10が出払っており、当該ユーザーが自動車車両10を利用できない、という事態を可能な限り発生させないようにすることが望ましい。このための所定の管理を行うのは、先の実施形態に係る専有対象物管理システムと同様である。
また、自動車車両10が複数台数配されたカーポートは、複数の場所に点在しており、例えば、カーポートA1で借り受けた自動車車両10を、カーポートA2に返却することができるような体制を本実施形態でも想定している。このような体制下で、カーシェアリングを行うときにおいては、多くの台数の利用が予想されるカーポートAnに対して、利用者が自動車車両10を返却するように誘導する仕組みを設けておく必要がある。このような利用者の誘導のために、本実施形態に係る専有対象物管理システムでは、料金設定を適宜行うようになっている。すなわち、多くの利用台数が見込まれるカーポートAnに対して、利用者が自動車車両10を返却した場合には、そうでないカーポートに対して自動車車両10を返却した場合に比べて、低い利用料金を課するような料金体系をとるシステムとなっている。また、多くの利用台数が見込まれるカーポートAnにおいて、利用者が自動車車両10を利用した場合には、そうでないカーポートで自動車車両10を利用した場合に比べて、高い利用料金を課するような料金体系をとるシステムとすることもできる。
以上のような料金の計算を行うために、本実施形態に係る専有対象物管理システムでは、各カーポート(Ai:i=1〜n)毎に、各カーポート毎の管理を行うカーポート端末装置400、400’、400’’、400’’’と、これらのカーポート端末装置を総括的に管理するカーポート管理サーバー300を設けるようにしている。このようなカーポート端末装置400及びカーポート管理サーバー300は、一般的なクライアントサーバーシステムを用いることによって構築することが可能である。
また、このカーポート管理端末装置200との情報交信、ユーザーに対する情報提示等を行うために、自動車車両10側にはユーザー端末装置100が設けられる。
このようなユーザー端末装置100には、少なくとも目的地設定部110、位置情報取得部120、情報表示部130が設けられていることが要求される。
目的地設定部110は、自動車車両10を返却(入庫)する予定であるカーポートを設定し、予約の実行を行うものである。前述の通りカーポートは複数存在し、そのうちの一つを、ユーザーは目的地設定部110によって選択する。ここで選択されたカーポート情報については、通信部140によってカーポート管理サーバー300側に送信される。
また、位置情報取得部120は、GPS衛星(不図示)からのGPS信号を受信して自らの位置を計算するGPS測位で自動車車両10の位置情報を取得するものである。この自動車車両10の位置情報についても、通信部140を介してカーポート管理サーバー300側に送信される。
情報表示部130は、カーポート管理サーバー300側から送信された情報をユーザーに表示することによって報知するものであり、通信部140は、カーポート管理サーバー300側との無線通信を可能とする構成である。
カーポート端末装置400及びカーポート管理サーバー300は、パーソナルコンピュータなどの一般的な情報処理装置に所定プログラムを動作させ実現することができる。ま
た、ユーザー端末装置100は、例えばGPS機能付きの携帯電話端末やカーナビゲーションシステムに所定プログラムを動作させ実現することができる。
カーポート管理サーバー300とユーザー端末装置100との間は、所定の通信プロトコルによって情報通信可能に構成される。このような情報通信によって、ユーザー端末装置100がカーポート管理サーバー300に対して、自動車車両10を返却(入庫)する予定を報知したり、カーポート管理サーバー300がユーザー端末装置100に対して、自動車車両10側に利用料金を提示したりすることが可能となる。
カーポート管理端末装置200において、カーポート情報記憶部310には、管理対象となる各カーポートの位置情報があらかじめ設定登録されている。また、カーポート情報記憶部210には、各カーポートの状態情報が記憶されている。このような各カーポートの状態情報は、各ユーザー端末装置100や各カーポート端末装置400からカーポート管理サーバー300に収集されるようになっている。
上記のような各カーポートの状態情報としては、(1)各カーポートの駐車スペースに存在する自動車車両10の台数情報、(2)各カーポートの駐車スペースに対する予約状況情報、(3)各カーポートから自動車車両10からどのタイミング(日時)で入庫し、どのタイミング(日時)で出庫したかに係る履歴情報、などの諸情報を挙げることができる。
上記(1)の台数情報は、例えば、各カーポート端末装置400から収集することができる。各カーポート端末装置400は、適当な方法によって、カーポート端末装置400が管理するカーポートの駐車スペースに存在する自動車車両10の情報を取得する。
上記(2)の予約状況情報は、現在出払っている自動車車両10が、どのカーポートに入庫するか、また、入庫する時間などはいつか、などに係る情報である。入庫予約については、各自動車車両10のユーザー端末装置100における目的地設定部110で設定される。
上記(3)の履歴情報には、入庫履歴情報と出庫履歴情報の2種類の情報からなっている。
入庫履歴情報は、過去、自動車車両10が各カーポートにどのようなタイミングで入庫してきたかに履歴に係る情報であり、出庫履歴情報は、過去、自動車車両10が各カーポートからどのようなタイミングで出庫してきたかに履歴に係る情報である。入庫履歴情報及び出庫履歴情報のいずれも、これまでの自動車車両10の、入庫状況、出庫状況が累積された情報である。入庫履歴情報は、入庫情報と入庫台数とが組となった情報であり、出庫履歴情報は出庫日時と出庫台数とが組となった情報である。
ここで、カーポート(保管場所)について説明する。図7は本発明の他の実施の形態に係る専有対象物管理システムにおけるカーポート(Ai)での自動車車両10の管理を説明する図である。あるカーポート(Ai)においては、自動車車両10が随時入庫したり、或いは、カーポート(Ai)から自動車車両10が随時出庫したりする。ここで、時刻tは1週間を1周期としてカウントするものとする。すなわち、日曜日の0:00から土曜日の24:00までを1周期として計時する。以下、このような定義の下、時刻tにおけるカーポート(Ai)における自動車車両10の駐車台数をNAi(t)として定義し、時
刻tにおけるカーポート(Ai)に入庫される可能性のある自動車車両10の台数をKAi(t)で定義し、時刻tにおけるカーポート(Ai)から出庫される可能性のある自動車車
両10の台数をHAi(t)で定義する。また、MAiは当該カーポート(Ai)における駐車可能台数の上限である。
Ai(t)はカーポート情報記憶部310に記憶されている各カーポート状態情報に相当
するものであり、現状でそれぞれのカーポートの駐車スペースに待機している自動車車両10の情報である。また、KAi(t)及びHAi(t)はこれまでの当該カーポートからの入庫状
況、出庫状況を累積することによって求められる、入庫数、出庫数の履歴情報であり、カーポート情報記憶部310に記憶されている履歴情報に相当するものである。入庫数の履歴情報、出庫数の履歴情報のヒストグラムについては、図3において説明したものと同様のものを用いることができる。
図1のブロック図に戻り説明する。カーポート管理サーバー300において、カーポート情報取得更新部320は、自動車車両10が入庫したり、出庫したりすることによって、それぞれのカーポートの駐車台数が増減するが、その情報を把握し更新するものである。なお、カーポート情報取得更新部320が自動車車両10の入庫・出庫を把握するためには、例えばユーザー端末装置100から入庫・出庫の通知を受け付けて、これをカウントするようにしてもよいし、カーポート端末装置400において当該端末装置が管理するカーポートの駐車スペースを撮影する撮像装置を設けて画像解析処理によって駐車台数をカウントし、これをカーポート管理サーバー300に報告するようにしてもよいし、また、駐車スペース毎に自動車車両10の存否を検出するセンサを設けて、このセンサからの出力によって駐車台数をカウントするようにしてもよい。なお、カーポート情報取得更新部320が、自動車車両10の入庫・出庫を把握することを、広く捉える概念として、特許請求の範囲においては「状態確認手段」という語を用いている。また、特許請求の範囲における「利用者が専有対象物を専有状態から共用利用可能状態にすること」は、自動車車両10がカーポートに入庫されるという概念を広く表現したものである。
カーポート(予約)情報更新部330は、カーポート情報記憶部310における予約状況情報の更新を随時行うものである。各自動車車両10のユーザー端末装置100における目的地設定部110で、入庫予約がされると、予約状況情報が参照されて、指定されたカーポートの駐車スペースが予約、駐車などでいっぱいとなっていないかが判断される。そして、当該判断で予約、駐車などでいっぱいとなっていない場合には、入庫の予約を受け付けて、カーポート(予約)情報更新部330によって、カーポート情報記憶部310の予約状況情報の更新を行う。カーポート情報更新部330が、自動車車両10の入庫・出庫によりカーポートの駐車台数に対して入庫する自動車車両10が同じかそれ以上になるか否かを判断することを、広く捉える概念として、特許請求の範囲においては、「充足判断手段」という語を用いている。また、カーポート情報更新部330が、自動車車両10の入庫・出庫によりカーポートの駐車台数に対する予約情報を更新することを、広く捉える概念として、特許請求の範囲においては、「予約情報更新手段」という語を用いている。
課金料金計算部340は、自動車車両10の利用料金を計算するものである。課金料金計算部340における料金計算方法としては、多くの利用台数が見込まれるカーポートAiに対して、利用者が自動車車両10を返却した場合には、そうでないカーポートに対して自動車車両10を返却した場合に比べて、低い利用料金を課するように計算する方法(第1の方法)によることができる。
また、課金料金計算部340における料金計算方法としては、多くの利用台数が見込まれるカーポートAiにおいて、利用者が自動車車両10を利用した場合には、そうでないカーポートで自動車車両10を利用した場合に比べて、高い利用料金を課するように計算する方法(第2の方法)によることができる。
以上のような利用料金算出方法をより一般的に示すと、次式(1)のように示すことが
可能である。
total=Y0+Y1(t)+Y2(t)+・・・・ (1)
ただし、
total:自動車車両利用料金総額
0:自動車車両利用時間に応じた課金の項
1(t):返却タイミング(入庫タイミング)に応じた課金の補正項
2(t):利用タイミング(出庫タイミング)に応じた課金の補正項
とする。
なお、利用料金を計算する上では、Y0、Y1(t)、Y2(t)の全ての項が必要という分け
ではなく、任意の項の組み合わせによって計算することが可能である。例えば、自動車車両利用料金総額はYtotal=Y0+Y1(t)によって計算してもよいし、或いはYtotal=Y0+Y2(t)などによって計算しても良い。また、Y0、Y1(t)、Y2(t)以外の項を適宜加え
るようにしてもよい。そのような項が式中「・・・・」として示されている。
次に、Y1(t)の算出法例及びY2(t)の算出法例について説明する。ここで、Y1(t)及びY2(t)の算出方法はこれに限定されるものではなく、種々の方法が考えられ、ここで示すものはあくまで一例である。
例えば、Y1(t)の項及びY2(t)の項は、それぞれ次に表す(5)式及び(6)式にて求めることができる。
1(t)=S12×[NAi(t)+HAi(t)−KAi(t) ] (5)
2(t)=S22×[NAi(t)+HAi(t)−KAi(t) ] (6)
ここで、S12、S22は正の値の定数である。S11、S21は[円/台数]のディメンジョンを有する係数である。
HAi(t)からKAi(t)を減算した値は、駐車スペースに入庫出庫の相殺をした値であり、[ HAi(t)−KAi(t) ]は、時刻tにおいて存在が予想される自動車車両10の台数である。
例えば、入庫タイミングに対する料金の補正項であるY1(t)を求める上では、例えば、この[HAi(t)−KAi(t)]に比例するようにして料金が設定する。[HAi(t)−KAi(t)]の数が低くなるにつれ、すなわち、駐車スペースで利用可能な自動車車両10の数の低減が予想されるときに、入庫されることは運営上有利に働くので、その分ユーザーに課す料金を低く設定する。
一方、出庫タイミングに対する料金の補正項であるY2(t)を求める上でも、例えば、[HAi(t)−KAi(t) ]に比例するようにして料金が設定する。[HAi(t)−KAi(t)]の数が負にな
るような場合には、すなわち、駐車スペースへの入庫する自動車車両10の数の増加が予想されるときに、出庫されることは運営上有利に働くので、その分ユーザーに課す料金を低く設定する。また、S12、S22の定数を適当に設定することによって、料金の補正の程度を適切に設定することができる。
なお、料金補正項における上記のような[HAi(t)−KAi(t)]の差分をとるときにおいては、[HAi(t)−KAi(t)]のようにそのまま差分をとってもよいし、或いは二乗をとった上で差分をとってもよいし、対数をとった上で差分をとってもよい。いずれにしても、本実施形態では、上記のような出庫状況に係る履歴情報に基づいて料金の計算を行うところに特徴点を有するものである。
例えば、課金料金計算部340が次式(7)によって料金を算出する場合が特許請求の範囲に示されている。
total=Y0+Y1(t) +Y2(t)
=Y0+S12×[NAi(t)+HAi(t)−KAi(t) ]+S22×[NAi(t)+HAi(t)−KAi(t) ]
(7)
特許請求の範囲における「保管数検出手段によって検出された保管数」はNAi(t)を広
く表現したものであり、同「出庫履歴保存手段に保存された出庫数」はHAi(t)を広く表現したものであり、
同「入庫履歴保存手段に保存された入庫数」はKAi(t)を広く表現したものである。また、特許請求の範囲における料金算出手段は、課金料金計算部340を上位概念で示したものである。
以上のような構成の専有対象物管理システムによれば、各カーポート(保管場所)の過去の自動車車両10(専有対象物)の利用状況―履歴情報―に基づいて料金算出を行うので、過剰な自動車車両10(専有対象物)を用意する必要がなく自動車車両10(専有対象物)の効率的な利用を促進することが可能となる。
また、以上のような構成の専有対象物管理システムによれば、自動車車両10(専有対象物)の導入数を減らした上で、各自動車車両10(専有対象物)の利用効率を高めて、自動車車両10(専有対象物)を共用利用するときにおける効率性を向上させることが可能となる。
再びブロック図に戻って説明する。通知部360は、ユーザー端末装置100の通信部140との間で、所定の通信プロトコルによって情報の送受信を行う構成であり、これによって課金料金計算部340で計算された予想される利用料金を、ユーザー端末装置100に送信したりする。また、通知部360によりユーザー端末装置100から、予約カーポート情報、出庫・入庫情報などを受信する。
履歴情報更新部370は、カーポート(予約)情報更新部330からの駐車台数の増減情報に応じて、カーポート情報記憶部310に蓄積されているこれまでの履歴情報を更新する。このような履歴情報更新部370の機能によれば、自動車車両10の利用プロフィールが推移しても、このような推移に応じた利用料金の算出を行うことが可能となる。
所要時間計算部380は、ユーザー端末装置100から送信されてくる当該車両の位置情報に基づいて、当該車両が目的地とするカーポートに到着する時間を計算するものである。この所要時間計算部380は、自動車車両10がたどるであろうルートを予想したり、さらに当該ルートにおける混雑状況を不図示のVICSなどから得て、計算の確度を高めるようにすることができる。なお、ルートを予想する代わりに、所要時間計算部380が、ユーザー端末装置100側で指定したルートなどの情報を得て、これを所要時間計算に利用するようにしてもよい。
次に、以上のように構成される専有対象物管理システムにおける制御の流れについて説明する。図8は本発明の他の実施の形態に係る専有対象物管理システムにおける制御フローの一例を示す図である。図8においては、ユーザー端末装置100とカーポート管理サーバー300との間におけるやり取りの概要、それぞれの端末装置内での処理の一例が示されるものであって、本実施形態に係る専有対象物管理システムの全ての処理がこれと同じである必要はない。また、図8は処理の流れの概略を示すフローであって、厳密なものではない。
ステップS300において、ユーザー端末装置100の目的地設定部110から目的地カーポート入力がなされ、また、位置情報取得部120によって車両10の現在位置情報が取得されると、通信部140によってこれらがカーポート管理サーバー300に送信さ
れる。このステップS300は、特許請求の範囲における、利用者によって指定された専
有対象物の保管場所を受付ける保管場所受付手段である。
ステップS400では、ユーザー端末装置100から目的地カーポート情報を受信し、さらに自動車車両10の位置情報を受信すると。すると続く、ステップS401においては、所要時間計算部380が、ユーザー端末装置100から送信された当該車両の位置情報に基づいて、当該車両が目的地としたカーポートに到着する時間を計算する。そして、自動車車両10の到着時刻を予想する。
次のステップS402では、カーポート情報記憶部310に記憶されている、目的地とされたカーポート(Ai)における台数情報と予約状況情報の和が参照され、この和がMAiを越えていないかどうかが判定される。
ステップS402における判定結果がYESであるとき―すなわち、予約分も加味して駐車スペースに空きがあるとき―にはステップS403に進み、ステップS403で、課金料金計算部340によって、目的地カーポートの履歴情報などから、例えば式(7)を利用して料金計算がされる。このときに、この計算を行う上での、時間の基準は先に求められている到着予想時刻が用いられる。
ステップS301では、計算された料金がユーザー端末装置100側に送信されて、情報表示部130で到着予想時間に対する課金料金の表示が行われる。
ステップS302では、ユーザー端末装置100側から出発する旨の通知を行い、これを受信したカーポート管理サーバー300では、ステップS404にてカーポート(予約)情報更新部330が予約状況情報をアップデートする。ステップS303にて処理が終了となる。
ステップS402における判定結果がNOであるとき―すなわち、予約分も加味して駐車スペースに空きがないとき―にはステップS405に進み、代替となるカーポートを検索する処理を行うこととなる。より具体的には、ステップS405では、予約分含めて駐車スペースが有るカーポートの検索を行う。このとき、検索結果は目的地に近い順で順次ユーザー端末装置100側に提示するようにする。目的地に近いとは、走行する距離が近いことを表しているが、例えば、広い道路の利用が多い等の利便性が高いという概念等に基づいてカーポートの検索を行っても良い。
ステップS304では、ユーザー端末装置100は検索結果を受信し、情報表示部130にて表示する。そして、ステップS305においては、検索結果(目的地)が選択されたか否かが判定される。当該判定でNOとなれば再び検索を行うためにステップS405に進み、YESであるときには、選択がなされた旨カーポート管理サーバー300側に送信される。

ステップS406においては、所要時間計算部380が、自動車車両10が新たな目的地としたカーポートに到着する時間を計算し、自動車車両10の到着時刻を予想する。
次のステップS407では、カーポート情報記憶部310に記憶されている、目的地とされたカーポート(Ai)における台数情報と予約状況情報の和が参照され、この和がMAiを越えていないかどうかが判定される。
ステップS407における判定結果がNOであるときにはステップS405に戻り、再検索が実行される。判定結果がYESでるときにはステップS408に進む。
ステップS408で、課金料金計算部340によって、新たな目的地カーポートの履歴情報などから、例えば式(7)を利用して料金計算がされる。このときに、この計算を行う上での、時間の基準はステップS406で求められた到着予想時刻が用いられる。
ステップS306では、計算された料金がユーザー端末装置100側に送信されて、情報表示部130で到着予想時間に対する課金料金の表示が行われる。
ステップS307では、ユーザー端末装置100側から出発する旨の通知を行い、これを受信したカーポート管理サーバー300では、ステップS409にてカーポート(予約)情報更新部330が予約状況情報をアップデートする。
ステップS410では、ユーザー端末装置100側で最初に入力された目的地カーポートに係る台数情報と予約状況情報とが参照される。ステップS411では、台数情報と予約状況情報と和がMAiを下回り、空きができたか否かが判定される。この判定の結果が
YESであるときにはステップS412に進み、ステップS412で、課金料金計算部340によって、新たな目的地カーポートの履歴情報などから、例えば式(7)を利用して料金計算がされる。このときに、この計算を行う上では、時間の基準は例えばステップS401で求められた到着予想時刻が用いられる。なお、時間の基準については、目的地カーポートを変更し直したときの到着予想時刻を新たに計算し直したものを用いてもよい。
ステップS308では、カーポート管理サーバー300からユーザー端末装置100側に、当初の目的地カーポートの予約が可能な旨及びそのときの利用料金が連絡され、情報表示部130で予約可の表示が行われる。
次のステップS309では、ユーザー端末装置100側に送信された利用料金が、情報表示部130で表示される。
ステップS310では、ユーザー端末装置100側から目的先を当初のカーポートに変更する旨の通知を行い、これを受信したカーポート管理サーバー300では、ステップS413にてカーポート(予約)情報更新部330が予約状況情報をアップデートする。ステップS311にて処理が終了となる。
以上のように、本実施形態に係る専有対象物管理システムの制御フローによれば、式(7)に示すような履歴情報が加味された式によって、自動車車両10の利用料金算出を行うので、自動車車両10の導入数を減らした上で、各自動車車両10の利用効率を高めて、自動車車両10を共用利用するときにおける効率性を向上させることが可能となる。
なお、以上明細書において、種々の実施形態について説明したが、それぞれの実施形態の構成要素等を任意に組み合わせて構成した実施形態についても本発明の範疇に入るものである。
本発明の実施の形態に係る専有対象物管理システム概要を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る専有対象物管理システムにおける保管場所での専有対象物の管理を説明する図である。 カーポートに依る出庫数履歴情報HAi(t)の例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る専有対象物管理システムにおける制御フローの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る専有対象物管理システムで用いられるユーザー端末装置の概要を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る専有対象物管理システム概要を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態に係る専有対象物管理システムにおける保管場所での専有対象物の管理を説明する図である。 本発明の他の実施の形態に係る専有対象物管理システムにおける制御フローの一例を示す図である。
符号の説明
10、10’、10’’・・・自動車車両、100・・・ユーザー端末装置、110・・・目的地設定部、120・・・位置情報取得部、130・・・情報表示部、140・・・通信部、200・・・カーポート管理端末装置、210・・・カーポート情報記憶部、220・・・カーポート情報更新部、230・・・課金料金計算部、240・・・通知部、250・・・履歴情報更新部、300・・・カーポート管理サーバー、310・・・カーポート情報記憶部、320・・・カーポート情報取得更新部、330・・・カーポート(予約)情報更新部、340・・・課金料金計算部、350・・・カーポート検索部、360・・・通知部、370・・・履歴情報更新部、380・・・所要時間計算部、400、400’、400’’、400’’’・・・カーポート端末装置

Claims (4)

  1. 保管場所に保管されている専有対象物を利用者が専有状態にする間に所定の利用料を課金する専有対象物管理システムにおいて、
    前記保管場所における専有対象物の現在の保管数を検出する保管数検出手段と、
    前記専有対象物の前記保管場所からの出庫数の履歴を保存する履歴保存手段と、
    前記所定の利用料を算出する料金算出手段と、を有し、
    前記料金算出手段は、前記保管数検出手段によって検出された保管数及び前記履歴保存手段に保存された出庫数に基づいて前記所定の利用料を算出することを特徴とする専有対象物管理システム。
  2. 利用者が専有対象物を専有状態から共用利用可能状態にすることを確認する状態確認手段を有し、
    前記状態確認手段は、利用者が専有対象物を専有状態から共用利用可能状態にするタイミングを取得し、
    前記料金算出手段は、前記タイミングに対応する前記保管数検出手段によって検出された保管数及び前記タイミングに対応する前記履歴保存手段に保存された出庫数に基づいて前記所定の利用料を算出することを特徴とする請求項1に記載の専有対象物管理システム。
  3. 前記料金算出手段は、前記タイミングに対応する前記保管数検出手段によって検出された保管数と前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に対応する前記履歴保存手段に保存された出庫数に基づいて前記所定の利用料を算出することを特徴とする請求項2に記載の専有対象物管理システム。
  4. 前記料金算出手段は、前記タイミングに対応する前記保管数検出手段によって検出された保管数から前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に対応する前記履歴保存手段に保存された出庫数を減算し、前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に対応する前記保管場所における専有対象物の保管数を演算するとともに、前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に専有対象物が前記保管場所に共用利用可能状態として存在する状態であれば、前記タイミングに対応する所定の時間だけ進んだ将来の時間に専有対象物が前記保管場所に共用利用可能状態として存在しない状態に対して高くなるように前記所定の利用料を算出することを特徴とする請求項2に記載の専有対象物管理システム。
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