JP2010085320A - 光ファイバ振動センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】振動を検知するだけでなく、その振動がどこで発生しているのかという位置情報を得ることが可能なサニャック干渉型の光ファイバ振動センサを提供する。
【解決手段】振動を検出する構造体4に沿って配置される光ファイバループ2a,2bと、構造体4で発生した振動を光ファイバループ2a,2bを介して検出する振動センサ本体3とを備えたサニャック干渉型の光ファイバ振動センサにおいて、構造体4を長さ方向で2つの検査対象領域A,Bに区画すると共に、両検査対象領域A,Bに光ファイバループ2a,2bを構造体4に沿ってそれぞれ配置し、両光ファイバループ2a,2bで検出される振動の強度差、強度比、または位相差から、振動が発生した構造体4上の位置情報を検出するものである。
【選択図】図1
【解決手段】振動を検出する構造体4に沿って配置される光ファイバループ2a,2bと、構造体4で発生した振動を光ファイバループ2a,2bを介して検出する振動センサ本体3とを備えたサニャック干渉型の光ファイバ振動センサにおいて、構造体4を長さ方向で2つの検査対象領域A,Bに区画すると共に、両検査対象領域A,Bに光ファイバループ2a,2bを構造体4に沿ってそれぞれ配置し、両光ファイバループ2a,2bで検出される振動の強度差、強度比、または位相差から、振動が発生した構造体4上の位置情報を検出するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、侵入検知センサなどに用いられるサニャック干渉型の光ファイバ振動センサに関するものである。
侵入者による盗難や破壊、情報の流出を抑制するため、あるいは人身の安全を確保するため、フィジカルセキュリティ技術への関心が高まっている。特に、空港や港湾、発電所などの重要施設では、敷地境界にフェンスを設けて不法侵入を阻止する措置がとられているが、フェンスの物理的な高さや強度には限界があり、不法侵入行為を検知する侵入検知センサの併設が必要になっている。
このような侵入検知センサとして、フェンスなどの構造体に固定し、その構造体の振動を検知する振動センサが注目されており、低コスト化やフィールドでの耐久性が期待できることから、サニャック干渉系を用いたサニャック干渉型の光ファイバ振動センサが注目されている。
図5に示すように、従来のサニャック干渉型の光ファイバ振動センサ51では、光ファイバループ52の一部を振動検知用のセンサ検知部として用い、この光ファイバループ52をフェンスなどの構造体に沿って配置している。
この光ファイバ振動センサ51では、光源53から出射した光は、第1の光カプラ54を伝搬し、偏光子55で直線偏光にされ、第2の光カプラ56で2つに分岐されて、光ファイバループ52の異なる端にそれぞれ入射する。光ファイバループ52に入射した光のうち、一方を右回り光Lcw、他方を左回り光Lccwとする。
これら左右回り光Lcw,Lccwは、位相変調器57で光の位相を変調され、光ファイバループ52を一周して再び第2の光カプラ56に入射する。第2の光カプラ56に入射した左右回り光Lcw,Lccwは、第2の光カプラ56で干渉して干渉光となり、偏光子55を伝搬し、第1の光カプラ54で再び2つの光に分岐され、分岐された一方の光は受光器58で受光される。
光ファイバループ52が振動していないときは、受光器58は常に一定の光強度を検出しているが、光ファイバループ52が振動すると、左右回り光Lcw,Lccwに位相差が生じ、受光器58で検出する光強度が変化する。この光強度の変化を信号処理ユニット59により検出することで、光ファイバループ52の振動を検知する。
光ファイバ振動センサ51では、光ファイバループ52の振動を検知することにより、侵入者によって構造体に与えられた振動を検知することができる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、光ファイバ振動センサ51では、構造体の振動を光ファイバループ52の振動を介して検知することはできるものの、光ファイバループ52のどの位置で振動が発生したかを特定することができず、例えば、侵入者の位置(侵入位置情報)を特定することができなかった。
しかし、近年、サニャック干渉型の光ファイバ振動センサを利用して、例えば、侵入者を検知するだけでなく、どこから侵入者が侵入したのかという侵入位置情報を特定したいというニーズがある。
ところで、複数の光ファイバ振動センサ51を用いることで、侵入位置情報を得ることも考えられる。光ファイバ振動センサ51を複数用いる場合の使用例を図6に示す。図6では、フェンスなどの構造体61に対して2台の光ファイバ振動センサ51を設置した場合を示す。
図6に示すように、構造体61上の任意の位置Xで振動が発生すると、位置Xに近い光ファイバ振動センサ51で強い振動が検出され、位置Xから離れた光ファイバ振動センサ51で弱い振動が検出される。光ファイバ振動センサ51は、検出した振動レベル(振動の強度)に応じて、「警報」、あるいは「注意」のアラームを発報することにより、侵入があったことを監視者に通知する。
図6の例では、例えば、位置Xに近い光ファイバ振動センサ51(図示左側)が「警報」のアラームを発報し、位置Xから離れた光ファイバ振動センサ51(図示右側)が「注意」のアラームを発報する。これにより、監視者は「警報」のアラームを発報した図示左側の光ファイバ振動センサ51の近傍で侵入があったことを知ることができる。
しかし、このように複数の光ファイバ振動センサ51を設置した場合でも、ある程度の侵入位置情報を得ることはできるが、どの光ファイバ振動センサ51の近傍で侵入があったか(どの光ファイバ振動センサ51で検出した振動レベルが最も大きいか)を検知できるのみであり、精度よく侵入位置情報を得ることはできない。また、複数の光ファイバ振動センサ51を用いる場合、検出する侵入位置情報の分解能を向上させるには、光ファイバ振動センサ51を多数設置する必要があり、コストがかかるという問題もある。
本発明は、上記事情に鑑み為されたものであり、振動を検知するだけでなく、その振動がどこで発生しているのかという位置情報を得ることが可能なサニャック干渉型の光ファイバ振動センサを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、振動を検出する構造体に沿って配置される光ファイバループと、前記構造体で発生した振動を前記光ファイバループを介して検出する振動センサ本体とを備えたサニャック干渉型の光ファイバ振動センサにおいて、前記構造体を長さ方向で2つの検査対象領域に区画すると共に、両検査対象領域に光ファイバループを前記構造体に沿ってそれぞれ配置し、両光ファイバループで検出される振動の強度差、強度比、または位相差を基に、振動が発生した前記構造体上の位置情報を検出する光ファイバ振動センサである。
また、本発明は、振動を検出する構造体に沿って配置される光ファイバループと、前記構造体で発生した振動を前記光ファイバループを介して検出する振動センサ本体とを備えたサニャック干渉型の光ファイバ振動センサにおいて、前記構造体が縦横に拡がった面状の形状を有し、該構造体を縦方向で2つの検査対象領域に区画すると共に、横方向で2つの検査対象領域に区画し、各検査対象領域に光ファイバループを前記構造体に沿ってそれぞれ配置し、各光ファイバループで検出される振動の強度差、強度比、または位相差を基に、振動が発生した前記構造体上の位置情報を検出する光ファイバ振動センサである。
前記光ファイバループで検出される振動の強度差が0、あるいは強度比が1、あるいは位相差が0となる境界線を求め、その境界線からの距離と、振動の強度差、強度比、または位相差との関係を予め求めておき、その関係を用いて、測定した振動の強度差、強度比、または位相差から前記境界線からの距離を求めることで、振動が発生した前記構造体上の位置情報を検出してもよい。
音及び/又は光による警報手段を備え、前記振動センサ本体は、所定の強度以上の振動を検知したとき、前記警報手段を作動させてもよい。
前記警報手段は、前記各光ファイバループの近傍にそれぞれ配置されてもよい。
本発明によれば、振動を検知するだけでなく、その振動がどこで発生しているのかという位置情報を得ることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
本発明の光ファイバ振動センサは、サニャック干渉型の光ファイバ振動センサであり、例えば、侵入検知センサとして用いられるものである。
図1は、第1の実施形態に係る光ファイバ振動センサの概略図である。
図1に示すように、光ファイバ振動センサ1は、振動を検出する構造体4に沿って配置された2本の光ファイバループ2a,2bと、構造体4で発生した振動を光ファイバループ2a,2bを介して検出する振動センサ本体3とを備える。構造体4は、例えば、フェンスなどである。
光ファイバループ2aは、光ファイバをループ状にしたものであり、光ファイバループ2aを構成する光ファイバの長さは、光ファイバループ2aの長さの略2倍(往復分)となる。光ファイバループ2bについても同様である。両光ファイバループ2a,2bは、略同じ長さに形成され、振動センサ本体3にそれぞれ接続される。
第1の実施形態では、構造体4をその長さ方向に区画して2つの検査対象領域A,Bを形成している。検査対象領域A,Bは概念的な領域であり、光ファイバ振動センサ1の設定値として画一的に定めるものではない。要するに、検知対象領域A,Bは、光ファイバループ2a,2bの配置状態(構造体4の形状)によって変化するものである。
検査対象領域A,Bの長さ(光ファイバループ2a,2bに沿った長さ)は、構造体4の長さや形状、要求される位置分解機能などに応じて任意に設定でき、例えば、数m〜数kmである。第1の実施形態では、光ファイバループ2a,2bが略同じ長さであるため、検査対象領域A,Bも略同じ長さとなる。
振動センサ本体3は、検査対象領域A,Bの境界C近傍に配置され、光ファイバループ2a,2bは、構造体4の長手方向に沿って、振動センサ本体3から互いに相反する方向(図1では左右方向)に向けて配置される。換言すれば、光ファイバループ2a,2bは、境界Cに対して対称に配置される。光ファイバループ2aは検査対象領域Aの全長にわたって配置され、光ファイバループ2bは検査対象領域Bの全長にわたって配置される。
第1の実施形態では、光ファイバループ2a,2bを検査対象領域A,Bの境界Cに対して対称に配置しているが、これに限定されず、本技術思想から逸脱していなければ、境界Cに対して対称でなくてもよく、例えば、光ファイバループ2aと光ファイバループ2bとを所定の角度をなすように配置してもよい。
光ファイバループ2a,2bとしては、偏波面保存光ファイバ(PMF:Polarization Maintaining Fiber)を用いるとよい。これは、光ファイバループ2a,2bとしてシングルモード光ファイバ(SMF:Single Mode Fiber)を用いた場合、SMFでは互いに直交した伝搬定数のわずかに異なる2つの固有偏光モードが伝搬するために、振動や温度変化などの外乱によりモード変換が発生し、このモード変換による干渉雑音が発生してしまうためである。
図2に示すように、振動センサ本体3は、各光ファイバループ2a,2bに対応した、光源21、フォトダイオードなどの受光器22、第1の光カプラ23、偏光子24、第2の光カプラ25、位相変調器26、およびこれらを光学的に接続する接続用光ファイバ27a,27b,27cを備え、さらに、各光ファイバループ2a,2b共用の信号処理ユニット28とこれらを収容する筐体29とを備える。
光源21としては、例えば、SLD(スーパールミネッセントダイオード)を用いるとよい。これにより、光ファイバループ2a,2bからの戻り光とレイリー散乱光とが干渉して発生する干渉ノイズを低減することができる。第1の実施形態では、各光ファイバループ2a,2bに対応した光源21をそれぞれ設けたが、各光ファイバループ2a,2b共用の1つの光源を設けるようにしてもよい。
光源21および受光器22にはそれぞれ接続用光ファイバ27a,27bが接続され、両接続用光ファイバ27a,27bは共に光分岐結合素子である第1の光カプラ23に接続される。光カプラ23,25は、1×2入出力ポートを有する光ファイバカプラである。第1の光カプラ23は接続用光ファイバ27cに接続され、接続用光ファイバ27cは第2の光カプラ25の1入出力ポートに接続される。第2の光カプラ25の2入出力ポートには、光ファイバループ2a(あるいは2b)の両端がそれぞれ接続される。
第1の光カプラ23と第2の光カプラ25間の接続用光ファイバ27cには、偏光子24が形成される。この偏光子24は、接続用光ファイバ27cの一部をコイル状に形成すると共に、コアの複屈折を大きくしたファイバ型の偏光子である。偏光子24は、光源21からの光を直線偏光にするためのものである。
光ファイバループ2a,2bの一端側には、位相変調器26が設けられる。この位相変調器26は、光ファイバループ2a,2bを互いに反対方向に伝搬する光に相対的に時間遅れのある位相変調をかけるものである。
受光器22で検出される光の強度は、光ファイバループ2a(あるいは2b)を互いに反対方向に伝搬する光の位相差の正弦に比例するため、零付近の位相差、すなわち微少な振動に対する感度が低い。よって、位相変調器26により位相変調を行って位相差を大きくすることにより、微少な振動に対する感度を向上させることができる。
第1の実施形態では、位相変調器26として、振動子とする円筒状のPZT(ピエゾセラミック)に光ファイバループ2a(あるいは2b)の一部を巻き付けたものを用いた。この位相変調器26では、PZTへ印加する電圧により、PZTに巻き付けた光ファイバループ2a,2bを伸縮させることで、光ファイバループ2a,2bを伝搬する光の位相を変調することができる。
接続用光ファイバ27a,27b,27cとしては、光ファイバループ2a,2bと同様に、偏波面保存光ファイバを用いるとよい。
信号処理ユニット28は、光源21の駆動、受信器22で検出された光信号が光電変換された電気信号の処理、位相変調器26の変調レベルの制御、処理結果(振動波形、振動の強度など)の出力などを行うためのものである。信号処理ユニット28は、光源21、受信器22、および位相変調器26と電気的に接続される。
信号処理ユニット28は、受信器22からの電気信号をもとに各光ファイバループ2a,2bの振動波形を検出すると共に、検出した両光ファイバループ2a,2bで検出される振動の強度差、強度比、または位相差により、構造体4上で振動が発生した位置情報を検出する位置情報検出手段を備える。
この位置情報検出手段は、光ファイバループ2a,2bで検出される振動の強度差が0、あるいは強度比が1、あるいは位相差が0となる境界線(第1の実施形態では境界C)からの距離と、振動の強度差、強度比、または位相差との関係を予め記憶しておき、その関係を用いて、測定した振動の強度差、強度比、または位相差から境界Cからの距離を求めることで、振動が発生した構造体4上の位置情報を検出する。
また、光ファイバ振動センサ1は、図示しない警報手段を備え、信号処理ユニット28は、所定の強度以上の振動を検知したとき、警報手段を作動させる警報作動手段を備える。
警報手段は、例えば、音及び/又は光を発することにより侵入者に対して威圧を与えるものであり、光ファイバループ2a,2bの近傍にそれぞれ配置される。
信号処理ユニット28の警報作動手段は、検出した振動レベル(振動の強度)に応じて、「警報」、あるいは「注意」のアラームを発報し、侵入があったことを監視者に通知すると共に、検出した振動レベルが所定の強度以上である場合に、警報手段を作動させるものである。
次に、第1の実施形態に係る光ファイバ振動センサ1の動作を説明する。
光源21から出射した光は、第1の光カプラ23を伝搬し、偏光子24で直線偏光にされ、第2の光カプラ25に入射する。第2の光カプラ25では、入射した光が2つに分岐され、分岐された光は光ファイバループ2a,2bの異なる端にそれぞれ入射する。
光ファイバループ2a,2bを伝搬する左右回り光は、位相変調器26で位相変調され、光ファイバループ2a,2bを一周して再び第2の光カプラ25に入射する。第2の光カプラ25に入射した左右回り光は、第2の光カプラ25で干渉して干渉光となる。この干渉光は、偏光子24を伝搬し、第1の光カプラ23で再び2つの光に分岐され、分岐された一方の光は受光器22で受光される。
光ファイバループ2a,2bが振動していないときは、受光器22は常に一定の光強度を検出しているが、光ファイバループ2a,2bが振動すると、光ファイバループ2a,2bを伝搬する左右回り光に位相差が生じ、受光器22で検出する光強度が変化する。受光器22で受光する光強度は左右回り光の位相差の正弦に比例するので、光ファイバループ2a,2bに与えられた振動が大きいほど、位相差が大きくなり、受光器22で受光する光強度の変化も大きくなる。
信号処理ユニット28は、受光器22からの電気信号に基づき、受光器22で受光する光強度の変化を検出することで、光ファイバループ2a,2bの振動を検知すると共に、光ファイバループ2a,2bに与えられた振動の強度を得ることができる。
ここで、検査対象領域Aの位置X(図1参照)で振動が発生した場合について具体的に説明する。
検査対象領域Aの位置Xで振動が発生すると、位置Xに近い検査対象領域Aに配置された光ファイバループ2aが振動し、その後、位置Xから離れた検査対象領域Bに配置された光ファイバループ2bが振動することになる。
このとき、信号処理ユニット28により両光ファイバループ2a,2bから検出される振動波形を図3に示す。図示上側が光ファイバループ2aで検出された振動波形31であり、図示下側が光ファイバループ2bで検出された振動波形32である。
位置Xで発生した振動は光ファイバループ2bに至るまでに減衰しているため、光ファイバループ2bで検出される振動波形32の振動の強度(振幅A2)は、光ファイバループ2aで検出される振動波形31の振動の強度(振幅A1)よりも小さくなる。
また、光ファイバループ2bは位置Xから離れているため、光ファイバループ2bでは、光ファイバループ2aで振動を検出した時間t1よりもΔtだけ遅れた時間t2に振動が検出される。つまり、両振動波形31,32間には、Δt(=t1−t2)の位相差が形成される。
光ファイバ振動センサ1では、光ファイバループ2a,2bで検出した振動波形31,32における振動の強度差、強度比、または位相差Δtから、振動が発生した位置情報(侵入位置情報)Xを特定する。ここで、振動の強度差とは、両振動波形31,32の振幅の差(A1−A2)を意味し、強度比とは、両振動波形31,32の振幅比(A1/A2)を意味する。
(1)振動の強度差から振動が発生した位置情報を特定する場合
検査対象領域A,Bの境界Cで振動が発生した場合、両光ファイバループ2a,2bで検出される振動波形31,32の振動の強度は等しくなるので、強度差(A1−A2)は0となる。また、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域A側に離れるほど、振動の強度差(A1−A2)は大きくなり、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域B側に離れるほど、振動の強度差(A1−A2)は小さくなる。すなわち、振動の強度差(A1−A2)は、検査対象領域A,Bの境界Cからの距離に応じて変化する。
検査対象領域A,Bの境界Cで振動が発生した場合、両光ファイバループ2a,2bで検出される振動波形31,32の振動の強度は等しくなるので、強度差(A1−A2)は0となる。また、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域A側に離れるほど、振動の強度差(A1−A2)は大きくなり、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域B側に離れるほど、振動の強度差(A1−A2)は小さくなる。すなわち、振動の強度差(A1−A2)は、検査対象領域A,Bの境界Cからの距離に応じて変化する。
よって、予め振動の強度差(A1−A2)と境界Cからの距離との関係を求めておけば、振動の強度差(A1−A2)から振動が発生した位置情報を特定することが可能となる。
信号処理ユニット28の位置情報検出手段は、予め求めた振動の強度差(A1−A2)と境界Cからの距離との関係に基づき、両光ファイバループ2a,2bで検出した振動の強度差(A1−A2)から、振動が発生した位置情報を特定する。
(2)振動の強度比から振動が発生した位置情報を特定する場合
検査対象領域A,Bの境界Cで振動が発生した場合、両振動波形31,32の振動の強度は等しくなるので、強度比(A1/A2)は1となる。また、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域A側に離れるほど、振動の強度比(A1/A2)は大きくなり、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域B側に離れるほど、振動の強度比(A1/A2)は小さくなる。すなわち、振動の強度比(A1/A2)は、検査対象領域A,Bの境界Cからの距離に応じて変化する。
検査対象領域A,Bの境界Cで振動が発生した場合、両振動波形31,32の振動の強度は等しくなるので、強度比(A1/A2)は1となる。また、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域A側に離れるほど、振動の強度比(A1/A2)は大きくなり、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域B側に離れるほど、振動の強度比(A1/A2)は小さくなる。すなわち、振動の強度比(A1/A2)は、検査対象領域A,Bの境界Cからの距離に応じて変化する。
よって、(1)の場合と同様に、予め振動の強度比(A1/A2)と境界Cからの距離との関係を求めておけば、振動の強度比(A1/A2)から振動が発生した位置(侵入位置情報)を特定することが可能となる。
信号処理ユニット28の位置情報検出手段は、予め求めた振動の強度比(A1/A2)と境界Cからの距離との関係に基づき、両光ファイバループ2a,2bで検出した振動の強度比(A1/A2)から、振動が発生した位置情報を特定する。
検査対象領域A,Bの長さを、例えば、10m以上と長くした場合、検査対象領域A(またはB)で発生した振動が検査対象領域B(またはA)に伝わるのに時間がかかり、光ファイバループ2b(または2a)での振動が遅れて検知される場合がある。よって、(1)または(2)の方法を用いる場合、最初に検知される光ファイバループ2a(または2b)の振動の強度と、光ファイバループ2a(または2b)の振動を検知した後に検知される光ファイバループ2b(または2a)での振動の強度とを比較するようにするとよい。
(3)位相差から振動が発生した位置を特定する場合
検査対象領域A,Bの境界Cで振動が発生した場合、両光ファイバループ2a,2bに振動が到達する時間は等しくなるので、位相差Δt(=t1−t2)は0となる。また、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域A側に離れるほど、位相差Δtは大きくなり、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域B側に離れるほど、位相差Δtは小さくなる。すなわち、位相差Δtは、検査対象領域A,Bの境界Cからの距離に応じて変化する。
検査対象領域A,Bの境界Cで振動が発生した場合、両光ファイバループ2a,2bに振動が到達する時間は等しくなるので、位相差Δt(=t1−t2)は0となる。また、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域A側に離れるほど、位相差Δtは大きくなり、振動が発生した位置が境界Cから検査対象領域B側に離れるほど、位相差Δtは小さくなる。すなわち、位相差Δtは、検査対象領域A,Bの境界Cからの距離に応じて変化する。
よって、(1)や(2)の場合と同様に、予め振動の位相差Δtと境界Cからの距離との関係を求めておけば、位相差Δtから振動が発生した位置(侵入位置情報)を特定することが可能となる。
信号処理ユニット28の位置情報検出手段は、予め求めた位相差Δtと境界Cからの距離との関係に基づき、両光ファイバループ2a,2bで検出した振動波形31,32の位相差Δtから、振動が発生した位置情報を特定する。
信号処理ユニット28の位置情報検出手段は、(1)〜(3)いずれかの方法で振動が発生した位置を検出するが、(1)〜(3)のいずれか2つ、あるいは(1)〜(3)の全てを組み合わせて振動が発生した位置情報を検出するようにしてもよい。
信号処理ユニット28の警報作動手段は、光ファイバループ2a,2bで検出した振動レベル(振動の強度)に応じて、「警報」、あるいは「注意」のアラームを発報し、侵入があったことを監視者に通知する。
信号処理ユニット28の警報作動手段は、光ファイバループ2a,2bで検出した振動レベル(振動の強度)のいずれかが所定の強度以上である場合に、光ファイバループ2a,2bの近傍に配置された警報手段を作動させる。また、例えば、光ファイバループ2aで検出した振動レベルが所定の強度以上であり、光ファイバループ2bで検出した振動レベルが所定の強度未満である場合は、光ファイバループ2aの近傍に配置された警報手段のみを作動させるようにしてもよい。
また、信号処理ユニット28は、各光ファイバループ2a,2bより得られる振動波形をフーリエ変換し、周波数特性から振動の要因を分析するようにしてもよい。これにより、雨や風などの自然現象による振動であるか、あるいは人的な要因による振動であるかを推定することが可能となる。
以上説明したように、第1の実施形態に係る光ファイバ振動センサ1では、構造体4を長さ方向で2つの検査対象領域A,Bに区画すると共に、両検査対象領域A,Bにそれぞれ光ファイバループ2a,2bを配置し、両光ファイバループ2a,2bで検出される振動の強度差(A1−A2)、強度比(A1/A2)、または位相差Δtを基に、構造体4上で振動が発生した位置情報を検出している。
これにより、サニャック干渉型の光ファイバ振動センサ1において、構造体4のどの位置で振動が発生したかという位置情報を得ることができ、例えば、侵入者が侵入した侵入位置情報を得ることができる。
また、光ファイバ振動センサ1では、振動センサ本体3の警報作動手段が、所定の強度以上の振動を検知したとき、警報手段を作動させるので、光ファイバ振動センサ1を侵入検知センサとして用いた場合には、侵入者に対して威圧を与えることができる。
さらに、光ファイバ振動センサ1では、警報手段を各光ファイバループ2a,2bの近傍にそれぞれ配置しているので、光ファイバ振動センサ1を侵入検知センサとして用いた場合には、侵入者に対して、より近い位置で警報を発生させることができ、高い防犯性を達成することができる。
次に、第2の実施形態を説明する。
図4に示す光ファイバ振動センサ41は、構造体42として、縦横に拡がる面状の形状を有するものを用い、構造体42を縦方向で2つの検査対象領域D,Eに区画すると共に、横方向で2つの検査対象領域F,Gに区画し、各検査対象領域D,E,F,Gに、各検査対象領域D,E,F,Gに対応した光ファイバループ43〜46を構造体42に沿ってそれぞれ配置して構成される。光ファイバループ43〜46は、略同じ長さに形成され、振動センサ本体3を中心として略十字状に配置される。構造体42は、例えば、床などである。
光ファイバ振動センサ41では、図1の光ファイバ振動センサ1と同様に、振動センサ本体3の位置検出手段が、各光ファイバループ43〜46で検出される振動の強度差、強度比、または位相差から、構造体42上で振動が発生した位置情報を検出する。
より具体的には、検査対象領域D,Eに配置された光ファイバループ43,44から検出した振動の強度差、強度比、または位相差に基づき、構造体42の縦方向での振動が発生した位置情報(検査対象領域D,Eの境界からの距離)を特定し、さらに、検査対象領域F,Gに配置された光ファイバループ45,46から検出した振動の強度差、強度比、または位相差に基づき、構造体42の横方向での振動が発生した位置情報(検査対象領域F,Gの境界からの距離)を特定する。これにより、構造体42上で振動が発生した位置情報を特定することができる。
光ファイバ振動センサ41では、4本の光ファイバループ43〜46を略十字状に配置しているため、360°の広範囲にわたって振動を検知することが可能となる。
上記実施形態では、光ファイバループの本数を検査対象領域の数と同じとしたが、光ファイバループの本数は検査対象領域の数以上であればよく、例えば、検査対象領域ごとに2本ずつの光ファイバループを配置するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、光ファイバループの長さを略同じとしたが、これに限定されず、検出に遅れ等が生じない範囲であれば、光ファイバループの長さを異ならせてもよい。
1 光ファイバ振動センサ
2a,2b 光ファイバループ
3 振動センサ本体
4 構造体
A,B 検査対象領域
2a,2b 光ファイバループ
3 振動センサ本体
4 構造体
A,B 検査対象領域
Claims (5)
- 振動を検出する構造体に沿って配置される光ファイバループと、前記構造体で発生した振動を前記光ファイバループを介して検出する振動センサ本体とを備えたサニャック干渉型の光ファイバ振動センサにおいて、
前記構造体を長さ方向で2つの検査対象領域に区画すると共に、両検査対象領域に光ファイバループを前記構造体に沿ってそれぞれ配置し、両光ファイバループで検出される振動の強度差、強度比、または位相差を基に、振動が発生した前記構造体上の位置情報を検出することを特徴とする光ファイバ振動センサ。 - 振動を検出する構造体に沿って配置される光ファイバループと、前記構造体で発生した振動を前記光ファイバループを介して検出する振動センサ本体とを備えたサニャック干渉型の光ファイバ振動センサにおいて、
前記構造体が縦横に拡がった面状の形状を有し、該構造体を縦方向で2つの検査対象領域に区画すると共に、横方向で2つの検査対象領域に区画し、各検査対象領域に光ファイバループを前記構造体に沿ってそれぞれ配置し、各光ファイバループで検出される振動の強度差、強度比、または位相差を基に、振動が発生した前記構造体上の位置情報を検出することを特徴とする光ファイバ振動センサ。 - 前記光ファイバループで検出される振動の強度差が0、あるいは強度比が1、あるいは位相差が0となる境界線を求め、その境界線からの距離と、振動の強度差、強度比、または位相差との関係を予め求めておき、その関係を用いて、測定した振動の強度差、強度比、または位相差から前記境界線からの距離を求めることで、振動が発生した前記構造体上の位置情報を検出する請求項1または2記載の光ファイバ振動センサ。
- 音及び/又は光による警報手段を備え、前記振動センサ本体は、所定の強度以上の振動を検知したとき、前記警報手段を作動させる請求項1〜3いずれかに記載の光ファイバ振動センサ。
- 前記警報手段は、前記各光ファイバループの近傍にそれぞれ配置される請求項4記載の光ファイバ振動センサ。
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WO2023157312A1 (ja) * | 2022-02-21 | 2023-08-24 | 日本電気株式会社 | 信号処理装置、システム、方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体 |
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2008
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US9983293B2 (en) | 2011-06-06 | 2018-05-29 | Silixa Ltd. | Method and system for locating an acoustic source |
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