以下、この発明を実施するための最良の形態を例示的に説明する。以下に示す実施形態は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、本発明に係る情報処理装置(本実施形態では、ナビゲーション装置)が、レンタカー向けの車両に搭載される場合の実施の形態について説明する。但し、本発明に係る情報処理装置は、一般ユーザの所有する車両への搭載や、事業において用いられる業務用車両への搭載等、レンタカー以外の用途に用いられてもよい。
<構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置1の外観図である。なお、ナビゲーション装置としては、例えば富士通テン株式会社のAVN(登録商標。Audio Visual Navigation)等の車載用ナビゲーション装置がある。但し、本発明は、例えば携帯型のナビゲーション機能を有する電子機器等、車載して利用できるものであれば如何なる電子機器にも適用可能である。本実施形態に係るナビゲーション装置1は、2DIN(Deutsche Industrie Normen)の本体・モニタ一体型カーナビゲーション装置であり、車両の現在地や目的地までの経路の案内等を行うカーナビゲーション機能や、各種オーディオ/ビジュアル(以下、AVという)コンテンツの再生機能、放送波を受信する機能等を有している。ナビゲーション装置1は、運転席や助手席の乗員の手が届きやすいダッシュボードの中央付近に設置された状態で使用されるものであり、メインユニット2とディスプレイユニット3とで構成されている。
図2は、ナビゲーション装置1の構成図である。メインユニット2は、電子部品類で構成されており、ブレーキ検知部4、リバース検知部5、携帯式プレーヤインターフェース6、放送波受信部7、外部音声/映像入力部8、GPS情報受信部9、車速検知部10、カメラ映像入力部11、アンプ12、開閉制御部13A、角度制御部13B、角度センサ14、モータ15、CDドライブ16、カードメモリインターフェース17、リセットボタン18、ジャイロセンサ19、制御部20が内蔵されている。ディスプレイユニット3は、主に、車両の乗員に対して各種の情報を映像で表示するとともに、ユーザ操作を受け付ける役割を司るデバイス類で構成されており、タッチパネル21、表示処理部22、操作受付部23、操作ボタン24、赤外線受/発光部25を内蔵している。
以下、メインユニット2の構成について説明する。ブレーキ検知部4は、車両のパーキングブレーキがかけられているか否かを検知し、これを制御部20に通知する。ブレーキ検知部4は、パーキングブレーキレバー(あるいはペダル)の動きと連動してオンオフするスイッチの通電状態により、ブレーキの状態を検知する。ブレーキ検知部4は、このスイッチの通電状態を、端子26Aを介して電気的に検知する。
リバース検知部5は、車両の変速レバーがリバース(後進)になっているか否かを検知し、これを制御部20に通知する。リバース検知部5は、変速レバーと連動して動くスイッチのオンオフにより、変速レバーの状態を検知する。リバース検知部5は、このスイッチの通電状態を、端子26Bを介して電気的に検知する。
携帯式プレーヤインターフェース6は、音楽等を再生する携帯式のプレーヤ(例えば、iPod(登録商標))と双方向通信を行うためのインターフェースである。携帯式プレーヤインターフェース6は、このような携帯式のプレーヤが外部接続されると双方向通信を開始し、プレーヤから送られるオーディオ信号を制御部20へ送り、制御部20から送られる再生開始や曲送り等の制御信号をプレーヤへ送る。携帯式プレーヤインターフェース6は、端子26Cに接続されるコードを介してプレーヤと通信を行う。
放送波受信部7は、ワンセグチューナ(「ワンセグ」は商標登録出願中)、AMチューナ(AM:Amplitude Modulation)、及びFMチューナ(FM:Frequency Modulation)で構成される回路である。放送波受信部7は、制御部20からの制御信号に応じてチューナの受信状態を制御し、端子26Dに接続されるアンテナが受信した電波の信号を制御部20へ送る。
外部音声/映像入力部8は、端子26Eに接続されるビデオ/オーディオ機器からのコンポジット映像信号や音声信号を受け付け、これを制御部20へ送る回路である。
GPS情報受信部9(GPS:Global Positioning System)は、端子26Fに接続されるGPSアンテナが受信したGPS衛星からの電波の信号を受信し、受信した信号を制御部20へ送る。周知のように、GPSは、地球を周回する多数のGPS衛星のうち少なくとも3つ以上の衛星からの電波に基づいて車両の位置を測位するシステムである。GPS情報受信部9は、地球を周回するこれらGPS衛星の電波の信号を処理する。GPS情報受信部9によって受信されたGPS衛星からの信号は、カーナビゲーションに用いられる。
車速検知部10は、車軸の回転角に応じて発生する車速パルス信号を検知し、これを制御部20へ送る回路である。車速検知部10が検知する車速パルス信号は、車速センサまたは車両のエンジンやブレーキを制御する電子制御ユニットから出力されるステップ状の車速パルス信号であり、単位時間当たりのパルス数から車両速度を割り出す際に用いられ
る。単位時間当たりのパルス数が増えていれば車両が加速しており、減っていれば車両が減速していることになる。車両の速度と車速パルスとの相関関係は、車両を製造するメーカや車種、装着される車輪の大きさや空気圧等に応じて変化する。このため、制御部20では、GPSによる測位結果に基づいて算出される車両の移動距離とその間を走行する間に検知されたパルス数との相関から、車両の速度と車速パルスとの相関関係が適宜更新される。車速検知部10は、電子制御ユニットから出力される車速パルス信号を、端子26Gを介して電気的に検知する。
カメラ映像入力部11は、車両の後方を撮影するビデオカメラであるバックアイカメラからの映像信号を受け付け、制御部20へ送る回路である。すなわち、カメラ映像入力部11は、リバース検知部5が車両のリバースを検知した際、端子26Hに接続されているビデオカメラからの映像信号を制御部20へ送る。
アンプ12は、制御部20から車室内に設置されるスピーカへ送られる音声信号を増幅する回路である。アンプ12は、制御部20からの制御信号に応じて増幅率を任意に変更可能である。
開閉制御部13Aは、ディスプレイユニット3の開閉動作を行う回路である。開閉制御部13Aは、制御部20からの制御信号に応じてモータ15を制御したり、角度センサ14からの信号を処理したりすることにより、ディスプレイユニット3を開閉する。図3は、制御部20からの制御信号を受けた開閉制御部13Aがモータ15を制御することにより実現するディスプレイユニット3の開閉動作を示したものである。開閉制御部13Aは、図3に示すように、ディスプレイユニット3の姿勢を三段階に調整することが可能であり、CDドライブ16(CD:Compact Disc)の挿入口を閉じた「クローズ」状態、CDドライブ16のCD挿入口27を開いた「セミオープン」状態、及びカードメモリインターフェース17のカード挿入口28やリセットボタン18を開いた「フルオープン」状態を実現する。ディスプレイユニット3の姿勢が「クローズ」状態の場合、CD挿入口27やカード挿入口28、リセットボタン18はディスプレイユニット3に隠れた状態である。また、ディスプレイユニット3の姿勢が「セミオープン」状態の場合、カード挿入口28やリセットボタン18がディスプレイユニット3に隠れ、CD挿入口27がナビゲーション装置1の正面からアクセス可能な状態になる。また、ディスプレイユニット3の姿勢が「フルオープン」状態の場合、CD挿入口27、カード挿入口28、及びリセットボタン18がナビゲーション装置1の正面からアクセス可能な状態になる。
角度制御部13Bは、ディスプレイユニット3の角度調整を行う回路である。角度制御部13Bは、開閉制御部13Aと同様、制御部20からの制御信号に応じてモータ15を制御したり、角度センサ14からの信号を処理したりすることにより、ディスプレイユニット3の角度を調整する。なお、ディスプレイユニット3の角度とは、ナビゲーション装置1の左右方向に伸びる軸を中心とする、メインユニット2の正面とディスプレイユニット3の正面(すなわち、タッチパネル21の表面)との相対的な角度である。図4は、角度制御部13Bが実現するディスプレイユニット3の角度調整状態を示したものである。角度制御部13Bは、図4に示すように、ディスプレイユニット3の仰角を多段階に調整してチルトアップすることが可能である。
角度センサ14は、ディスプレイユニット3の角度を検知するセンサであり、検知した角度を電気信号で開閉制御部13Aへ通知する。モータ15は、ディスプレイユニット3の角度を調整するモータであり、ディスプレイユニット3の上端を上下に動かしたり、ディスプレイユニット3の下端を前後に動かしたりする。開閉制御部13Aおよび角度制御部13Bは、制御部20からの制御信号を受けると、角度センサ14で検知されるディスプレイユニット3の角度と制御信号に基づいて決定される角度の目標値との差を割り出し
、角度センサ14で検知されるディスプレイユニット3の角度が制御目標値と一致するようにモータ15をフィードバック制御する。
CDドライブ16は、音楽等のオーディオコンテンツが記録されたCDを読み取って再生する光ディスク読取装置であり、光ピックアップレンズや発光素子、ディスク駆動モータ等で構成されている。
カードメモリインターフェース17は、記憶保持動作が不要な不揮発性の半導体メモリカードを読み書きするメモリカードリーダライタである。カードメモリインターフェース17に挿入されるメモリカードは、4GB程度の記憶容量を有しており、高速道路や一般道等の道路情報、テーマパーク、ガソリンスタンドといった各種施設に関する地点情報(以降、POI(Point Of Interest)データとも表記)等を含む地図データ、並びに電話番号や施設名称等のデータが記録されている。制御部20は、メモリカードに記録されている地図データにアクセスすることでカーナビゲーションのルート検索等の諸機能を実現する。
ジャイロセンサ19は、メインユニット2に内蔵される2軸ジャイロセンサである。ジャイロセンサ19は、GPS衛星からの電波をGPS情報受信部9が受信できない時でも車両の測位を可能にするためのものである。なお、GPS衛星からの電波を受信できない時の車両の位置は、制御部20により、車速検知部10が検知する車両速度とジャイロセンサ19が検知する車両の進行方向とに基づいて算出される。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等で構成されている。制御部20は、車両のアクセサリー電源がオンになると、ROMに記録されたコンピュータプログラムを実行し、カードメモリインターフェース17に挿入されたメモリカードのデータやRAMに格納されているデータ等を使って各種機能を実現する。制御部20が実現する各種機能の詳細については後述する。
次に、ディスプレイユニット3を構成する各構成要素について説明する。タッチパネル21は、カラー液晶ディスプレイとタッチセンサとを組み合わせたGUI(Graphical User Interface)であり、7.0インチのEGA(Enhanced Graphics Adapter)型液晶ディスプレイで画面を表示すると共に、画面に表示されたアイコン等が押されるとタッチセンサがこれを検知する。
表示処理部22は、タッチパネル21の液晶ディスプレイに表示する画面を描画処理する回路である。表示処理部22は、制御部20から送られる映像信号に基づき、液晶ディスプレイに格子状に均等配列された薄膜トランジスタを駆動することで、タッチパネル21の画面を描画する。
操作受付部23は、タッチパネル21へのタッチ操作をタッチセンサが感知すると、タッチされた画面上の位置を特定し、操作された位置の情報を制御部20へ送る。
操作ボタン24は、タッチパネル21にアイコン表示されるボタンではなく、機械的なボタンであり、図1等に示すように、タッチパネル21の下に配置される操作用の押しボタン式スイッチである。操作ボタン24は、ディスプレイユニット3の左側から順に、開閉ボタン、現在地ボタン、音量調整ボタンで構成されている。音量調整ボタンは、右側が押されると音量アップ、左側が押されると音量ダウンになるように設定されている。これらのボタンが押されると、押されたボタンの信号が制御部20へ送られる。
赤外線受/発光部25は、ナビゲーション装置1と携帯電話とが赤外線で双方向通信を行うためのインターフェースであり、電気で赤外線を発光する発光素子と、受光した赤外線を電気にする受光素子で構成されている。赤外線受/発光部25は、制御部20から送られる制御信号やデータを携帯電話へ送るとともに、携帯電話から送られる制御信号やデータを制御部20へ送る。
次に、メインユニット2の制御部が実現する各種諸機能について詳述する。図5は、制御部20が実現する各種機能部を図示した機能ブロック図である。車両のアクセサリー電源がオンになると、制御部20は、図5に示すように操作処理機能部51、測位機能部52、ルート案内機能部53、地図データ処理機能部54、ユーザデータ処理機能部55、音声処理機能部56、及び映像処理機能部57を実現するコンピュータプログラムを実行する。
操作処理機能部51は、各種機能部の動作を制御するための操作画面を、映像処理機能部57を介してタッチパネル21に表示したり、操作受付部23や操作ボタン24、リセットボタン18からの操作信号を処理し、各種機能部の動作を制御したりする。
ここで、操作処理機能部51には、ROMから読み出した画像データに基づいて、「返却場所」ボタンおよび「返却場所案内中」アイコンの画像を生成するボタン画像生成機能部51dと、タッチパネル21に表示された「返却場所」ボタンがユーザによってタッチ操作されたことを検知するユーザ操作検知機能部51bと、ユーザ操作検知機能部51bによって「返却場所」ボタンへの操作が検知されると、登録された地点情報に基づいて返却場所へのルート案内を開始してよいか否かをユーザに確認するための確認メッセージを出力する確認メッセージ出力機能部51cと、後述する初期化処理の完了後に、返却場所の登録を行うか否かの、ユーザによる選択の入力を受け付ける選択入力受付機能部51eと、が含まれる。
本実施形態に係るナビゲーション装置1は、レンタカー向けにカスタマイズされた機能を備えており、「返却場所」ボタンはその一例である。ここで、返却場所とはレンタカーを借りたユーザが、車両の利用後にレンタカー業者に車両を返却する場所であり、この返却場所は、車両を借りた場所と同一であることもあるが、車両を借りた場所と異なる場合もある。本実施形態では、ユーザは、レンタカーを運転して所用を達した後、車両を返却する場合に、「返却場所」ボタンをタッチ操作することで、煩雑な操作を行うことなく返却場所を目的地に設定して、ナビゲーション装置1に返却場所へのルート案内を開始させることが出来る。「返却場所」ボタンは、一般ユーザ向けのナビゲーション装置においては「自宅」ボタン、法人ユーザ向けのナビゲーション装置においては「帰社」ボタンまたは「自社」ボタン等であってよい。
測位機能部52は、車両のアクセサリー電源がオンになると、GPS情報受信部9から送られる衛星からの電波の情報、車速検知部10から通知される車両速度の情報、及びジャイロセンサ19から送られる角速度の情報に基づいて車両の位置(緯度と経度)を測位する。
ルート案内機能部53は、車両の現在地からユーザが設定した目的地までのルートを索出し、ルート案内を行う機能部である。ルート案内機能部53は、測位機能部52が測位した車両の位置から目的地までの走行ルートを、カードメモリインターフェース17に挿入されるメモリカードの地図データから索出する。そして、索出した走行ルートと車両の位置との関係から車両の進路を音声、及び映像で案内する。
地図データ処理機能部54は、カードメモリインターフェース17に挿入されたメモリカードの地図データやルート案内機能部53が索出した走行ルートのデータ、放送波受信部7を介してFM放送波から取得されるVICS(登録商標)の道路交通情報のデータ、測位機能部52が測位した車両の位置データ等に基づき、タッチパネル21に表示する地図のグラフィックデータを生成する。
ユーザデータ処理機能部55は、ユーザが登録しようとする地点情報(例えば、返却場所の位置情報等)やルート検索の履歴情報、アイコンの表示非表示等の設定情報をRAMに書き込んだり、RAMから読み出したりする。
ここで、ユーザデータ処理機能部55は、予めレンタカーの返却場所の地点情報を記憶装置に記憶させることで保持する所定地点情報保持機能部55aと、所定地点情報保持機能部55aによって保持されるレンタカーの返却場所の地点情報として、ユーザ操作によって指定された地点の地点情報を登録する所定地点情報登録機能部55bと、後述する初期化対象テーブルを参照することで、記憶装置に記録された情報のうち、初期化の対象となる情報を判別する初期化対象判別機能部55cと、初期化対象判別機能部55cによって判別された初期化対象情報を初期化する初期化機能部55dと、を含む。
音声処理機能部56は、アンプ12を介してスピーカから出力する音声の信号を処理する機能部である。すなわち、音声処理機能部56は、放送波受信部7が受信したラジオ放送、携帯式プレーヤインターフェース6がプレーヤから取得するオーディオ信号、CDドライブ16が再生するオーディオ信号をアンプ12へ送ったり、これらのオーディオ信号にルート案内機能部53からのルートガイダンスの音声信号を重畳し、アンプ12へ送ったりする。
映像処理機能部57は、タッチパネル21に表示させる映像データを生成する機能部である。すなわち、映像処理機能部57は、操作処理機能部51が生成する操作画面のデータと、地図データ処理機能部54が生成する表示用地図の画面のデータとを合成して表示処理部22へ送ったり、放送波受信部7が受信したテレビジョン放送の映像データを表示処理部22へ送ったり、或いはリバース検知部5による車両後退の検知に連動してカメラ映像入力部11からの映像信号を表示処理部22へ送ったりする。なお、映像処理機能部57は、テレビジョン放送の映像データを表示処理部22へ送っている際にブレーキ検知部4がパーキングブレーキの解除を検知すると、映像データの通知を止める。
<動作>
以下、ナビゲーション装置1の動作について説明する。図6はナビゲーション装置1のメイン画面の画面遷移図であり、図7はナビに関する画面遷移図である。また、図8は、AV画面の表示モードを示した図である。以下、図6〜8に基づいてナビゲーション装置1の動作について説明する。
(D101)オープニング画面(D101)について説明する。車両のアクセサリー電源がオンになり、ナビゲーション装置1に電力が供給されると、制御部20は、ROMに格納されているコンピュータプログラムを実行してナビゲーション装置1を初期化し、図5に示す各種機能部を実現する。ここで、映像処理機能部57は、ROMに格納されているオープニング画面のデータを参照し、タッチパネル21にオープニング画面を表示させる。なお、オープニング画面が表示されている間、制御部20の各機能部では、次のような処理が実行される。すなわち、操作処理機能部51は、操作受付部23や操作ボタン24、リセットボタン18からの信号を走査してユーザ操作を受け付ける。また、測位機能部52は、GPS情報受信部9で取得される測位情報や車速検知部10、ジャイロセンサ19の信号を処理し、車両の位置を測定する。また、地図データ処理機能部54は、カー
ドメモリインターフェース17に挿入されているカードメモリへアクセスし、測位機能部52が測位した自車位置の周辺の地図データを読み出す。
(D102)次に、マルチ画面(D102)について説明する。オープニング画面が表示されてから4秒経つと、映像処理機能部57は、ROMに格納されている操作ボタン類の画像データや地図データ処理機能部54が読み出した地図データを基に、AVの操作画面とナビの操作画面とを組み合わせたマルチ画面(D102)を生成し、タッチパネル21に表示する。図9は、マルチ画面の図である。映像処理機能部57は、図9に示すように、AV類の操作ボタン類を配置したAV領域の画面をタッチパネル21の左側に表示し、ナビの地図や操作ボタン類を配置したナビ領域の画面をタッチパネル21の右側に表示する。AV領域は、更に、ソースを選択するための操作ボタン類をまとめて表示するソース選択領域と、選択されたソースに関連するボタンや情報を表示するソース操作領域とに区分されている。
図9に示すように、映像処理機能部57は、AV領域の内のソース選択領域に、「ラジオ」、「CD」、「ワンセグ」、「iPod」、「外部入力」、「OFF」、及び「AV」ボタンを表示する。何れかのソースボタンがタッチされると、そのソースが選択される。図9の例では、「ラジオ」が選択されており、受信周波数やAM/FMの切り替えボタン、選局ボタン等の選択されたソースに関連する操作ボタンや情報がソース操作領域に表示されている状態を図示している。従って、このとき、音声処理機能部56は、放送波受信部7が受信したAM放送の音声信号を、アンプ12を介してスピーカから出力している。他方、映像処理機能部57は、ナビ領域に、地図データ処理機能部54が読み出した地図データに基づいて描画される地図の他、「メニュー」、「目的地」、「周辺」、「返却場所」、「ナビ」、「地図拡大」、及び「地図縮小」ボタンを表示する。なお、マルチ画面(D102)では、AV領域とナビ領域の2つが存在するため、AV領域がAV全画面(D104)の時よりも狭い。そこで、マルチ画面(D102)のソース操作領域には、そのソースに関わる操作ボタンや情報のうち基本的なものだけが表示されるようになっている。
この状態で「AV」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部57は、AV全画面(D104)の画面表示状態に遷移する。なお、その他のボタンが押された場合についてはナビ全画面(D103)、及びAV全画面(D104)の説明の後に詳述する。
(D103)次に、ナビ全画面(D103)について説明する。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)に表示されている「ナビ」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、AV領域を徐々に隠し、ナビ領域を全画面に表示する。図10は、ナビ全画面の図である。映像処理機能部57は、図10に示すように、AV領域を消し、ナビ領域をタッチパネル21に全画面表示する。
図10に示すように、ナビ領域には、マルチ画面(D102)と同様、地図や、「メニュー」、「目的地」等の操作ボタンが表示されている。ここで、映像処理機能部57は、ナビ全画面に表示される自車位置のアイコンが、ナビ領域の中心に位置するように画面を表示している。このため、タッチパネル21の表示画面がマルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)に遷移すると、自車位置のアイコンや地図の表示が、画面内で若干スクロールする。一方、映像処理機能部57は、「メニュー」や「目的地」等の操作ボタン類がタッチパネル21の表示画面上で同じ位置になるように画面を表示する。このため、タッチパネル21の表示画面がマルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)に遷移しても、ナビの操作ボタン類がタッチパネル21の画面上でスクロールせず、同じ位置に表示され続ける。但し、「ナビ」ボタンのみ「AV+ナビ」ボタンに表示が切換わる
。なお、「AV+ナビ」ボタンが押されると、映像処理機能部57は、ナビ全画面(D103)からマルチ画面(D102)へ表示を切り替える。
(D104)次に、AV全画面(D104)について説明する。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)に表示されている「AV」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、ナビ領域を徐々に隠し、AV領域を全画面に表示する。図11は、AV全画面の図である。映像処理機能部57は、図11に示すように、ナビ領域を消し、AV領域をタッチパネル21に全画面表示する。
図11に示すように、AV領域には、マルチ画面(D102)と同様、「ラジオ」、「CD」、「ワンセグ」、「iPod」、「外部入力」、及び「OFF」ボタンがソース選択領域に表示されている。また、AV領域には、ソース操作領域が拡大されて、マルチ画面(D102)で表示されていなかった放送局の名称やプリセットの選局ボタン、チャンネル設定ボタンや音設定ボタンが表示されている。また、CDドライブ16にCDが挿入されていることを示す「CDIN」が表示されている。ここで、AV領域には、マルチ画面(D102)で表示されていた「ラジオ」等の操作ボタン類が同じ位置に表示されている。但し、「ナビ」ボタンのみ「AV+ナビ」ボタンに表示が切換わる。以下、マルチ画面とAV全画面の両方で表示される領域を「AV通常領域」といい、AV全画面でのみ表示される領域を「AV拡張領域」という。なお、「AV+ナビ」ボタンが押されると、映像処理機能部57は、AV全画面(D104)からマルチ画面(D102)へ表示を切り替える。なお、AV全画面(D104)では、ナビ領域が存在しないので、AV領域がマルチ画面(D102)の時よりも広い。そこで、AV全画面(D104)のソース操作領域には、そのソースに関わる全ての操作ボタンや情報が表示されるようになっている。このように、AV全画面(D104)の場合にのみ表示されるソースの操作ボタンや情報類の表示領域が「AV拡張領域」であり、ソース操作領域の一部を構成している。一方、マルチ画面(D102)とAV全画面(D104)の何れにも表示されるソースの操作ボタンや情報類の表示領域が「AV通常領域」であり、ソース操作領域の一部とソース選択領域とを構成している。
ナビゲーション装置1のメイン画面の画面遷移(図6)については以上の通りである。以下、マルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)、或いはAV全画面(D104)へ画面が遷移する際の、ナビ領域、及びAV領域の画面上の動き方について詳述する。図12は、マルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)へ遷移する際の、AV領域の消え方を示す図である。また、図13は、マルチ画面(D103)からAV全画面(D104)へ遷移する際の、ナビ領域の消え方を示す図である。映像処理機能部57は、マルチ画面からナビ、或いはAV全画面へ表示を切り替えるに際し、ナビ領域やAV領域がスクロールして見えるように画面表示を行っている。すなわち、映像処理機能部57は、マルチ画面からナビ全画面へ表示を切り替える際、AV領域が徐々に左側に退出していくように、換言すれば、AV領域の表示面積が徐々に減少するようにスクロールすると共に、ナビ領域の表示面積が徐々に増加するようにスクロールしていくように、画面を表示する。また、映像処理機能部57は、マルチ画面からAV全画面へ表示を切り替える際、その反対にAV領域が徐々に右側に進入してくるように画面を表示する。これにより、ユーザは、ナビ画面上にAV画面が抜き差しされるように感じ取ることができる。従って、ナビの画面を見たければ、マルチ画面(D102)の右側に表示されている「ナビ」ボタンを押すことにより、ナビ全画面(D103)に遷移することを視覚的に容易に理解することができ、AVの画面を見たければ、マルチ画面(D102)の左側に表示されている「AV」ボタンを押すことにより、AV画面が抜き差しされることを容易に理解することができる。図14は、メイン画面の画面遷移の様子を示した概念図である。ユーザは、図14に示すように、表示窓から覗き込むと見える右側の面(本実施形態でいうナビ画面に相当する)の上に、左側の面(本実施形態でいうAV画面に相当する)が左側から抜き
差しされるようなイメージで、ナビゲーション装置1のメイン画面を操作できる。よって、今どこにいるのかが判りやすく、迷わずに操作することができる。
メニュー画面(D201)は、ナビゲーション装置1の設定などを行うためのメニュー選択機能を提供するためのポップアップ画像61aを含む画面であり、マルチ画面(D102)またはナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「メニュー」ボタンが押されたことをユーザ操作検知機能部51bが検知したことを契機として表示される。図15は、メニュー画面(D201)の図である。映像処理機能部57は、図15に示すように、ナビ領域の「メニュー」ボタンと、ユーザ操作に従って新たに表示されたメニュー選択機能用のポップアップ画像61aと、の関連性を示すための、吹き出し状の関連性表示画像62を含むポップアップ画像61aを表示する。ここで、映像処理機能部57は、ポップアップ画像61aが「メニュー」ボタンを起点として徐々に拡大しながら表示される視覚効果を持たせるためのアニメーション表示を行い、更に、マルチ画面(D102)がポップアップ画像61aの背景として、マルチ画面(D102)の周辺が見えるようにしている。図16は、マルチ画面(D102)からメニュー画面(D201)へ遷移する際のアニメーションを示した図である。従って、ユーザは、メニュー画面がマルチ画面から遷移して表示されていることを視覚で容易に把握することが可能であり、迷わずに操作することができる。なお、メニュー画面(D201)には、アイコンや施設表示等のユーザ設定用ボタン、およびお気に入り地点の編集用ボタンが表示される。ユーザが登録した地点情報等は、ユーザデータ処理機能部55により、制御部20内のRAMに記憶される。
また、目的地設定画面(D202)は、目的地設定機能を提供するためのポップアップ画像61bを含む画面であり、マルチ画面(D102)またはナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「目的地」ボタンが押されたことをユーザ操作検知機能部51bが検知したことを契機として表示される。図17は、目的地設定画面(D202)の図である。「目的地」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部57は、目的地設定画面(D202)をタッチパネル21に表示する。また、映像処理機能部57は、メニュー画面と同様、ナビ領域の「目的地」ボタンを起点として徐々に拡大しながら表示される視覚効果を持たせるためのアニメーション表示を伴わせて、関連性表示画像62を含むポップアップ画像61bを表示する。
ここで、目的地設定画面(D202)には、「50音で探す」ボタン、「住所で探す」ボタン、「携帯連携で探す」ボタン、「履歴で探す」ボタン、「お気に入りで探す」ボタン、「電話番号で探す」ボタン、「施設/ジャンルで探す」ボタン、「先程の地図で探す」ボタン、「マップコードで探す」ボタン、および「追加データで探す」ボタン等の目的地探索用ボタンが含まれる。これらの目的地探索用ボタンは、目的地設定画面(D202)のポップアップ画像61b内に、スクロール操作によって全てのボタンを閲覧可能なように表示される。
図18は、本実施形態において、図17に示したポップアップ画像61b内の目的地探索用ボタン表示領域が下方にスクロールされた状態を示す図である。目的地設定画面(D202)には、スクロールバーおよびスクロールボタンが表示され、ユーザのタッチ操作によるスクロール表示が可能となっている。操作処理機能部51によってスクロールバーまたはスクロールボタンに対するタッチ操作が検知されると、映像処理機能部57は、ポップアップ画像61b内の目的地探索用ボタン表示領域を下方にスクロールする。このようにして、ポップアップ画像61b内におけるスクロール表示を可能とすることで、タッチパネル21の限られた大きさの表示領域(本実施形態では、7.0インチ)において、各ボタンを大きく且つ見易く表示することが出来る。また、使用頻度の高いボタンについては、他のボタンに比べて更に大きく且つ上位に表示される。本実施形態では、「50音
で探す」ボタン、および「住所で探す」ボタンが、他の目的地探索用ボタンに比べてより大きく且つ最上位に表示される。
周辺施設検索画面(D203)は、周辺施設検索機能を提供するためのポップアップ画像61cを含む画面であり、マルチ画面(D102)またはナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「周辺」ボタンが押されたことをユーザ操作検知機能部51bが検知したことを契機として表示される。図19は、周辺施設検索画面(D203)の図である。「周辺」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部57は、周辺施設検索画面(D203)をタッチパネル21に表示する。映像処理機能部57は、ナビ領域の「周辺」ボタンを起点として徐々に拡大しながら表示される視覚効果を持たせるためのアニメーション表示を伴わせて、関連性表示画像62を含むポップアップ画像61cを表示する。そして、上述した目的地検索画面(D202)と同様、何れかのボタンが押されればこれに対応する画面を表示する。すなわち、映像処理機能部57は、「周辺」ボタンが押されると、検索対象とする施設のカテゴリをユーザに選択させるボタンを表示し、検索対象のカテゴリが指定されると、自車位置の周辺にあるガソリンスタンドやコンビニエンスストア等、指定されたカテゴリに対応する施設類を、自車に近い順に索出して表示する。
交差点拡大画面(D204)は、上述した目的地設定画面(D202)、或いは周辺検索画面(D203)で目的地が設定されるか、または、マルチ画面(D102)やナビ全画面(D103)に表示されている「返却場所」ボタンが押されて目的地が設定され、ルート案内機能部53によるルートガイドが開始されたことを契機として表示される。ルート案内機能部53は、測位機能部52が計測する自車位置と、地図データ処理機能部54がカードメモリから読み出す地図データとに基づいてルートの案内を行う。ルート案内機能部53は、右折あるいは左折等を行う交差点に車両が接近したら、交差点拡大画面(D204)を表示すると共に、音声処理機能部56に経路案内用の音声データを渡す。図20は、交差点拡大画面(D204)を示す図である。図20に示すように、ナビ領域には交差点の拡大図が表示され、車両の進むべき進路が矢印で図示される。なお、このとき、AV領域には、オーディオ/ビジュアル用の操作ボタン類が表示されている。
映像処理機能部57は、ユーザ操作検知機能部51bが目的地設定用の何れかのボタンが押されたことを検知すると、これに対応する画面を表示する。映像処理機能部57は、例えば、「50音で探す」ボタンが押されれば文字入力用の画面を表示し、「住所で探す」ボタンが押されれば都道府県等を選択する画面を表示し、「携帯連携で探す」ボタンが押されれば赤外線受/発光部25に携帯電話を近づけるようユーザに促す画面を表示し、「履歴で探す」ボタンが押されれば過去に検索したことのある目的地を表示し、「お気に入りで探す」ボタンが押されれば以前のユーザ操作によって登録されたお気に入りの目的地のリストを含む画面を表示し、「電話番号で探す」ボタンが押されれば電話番号入力用の画面を表示し、「施設/ジャンルで探す」ボタンが押されればジャンルを選択させるための画面を表示し、「先程の地図で探す」ボタンが押されれば最後に表示された地図を含む画面を表示し、「マップコードで探す」ボタンが押されればマップコード入力用の画面を表示し、および「追加データで探す」ボタンが押されれば追加データから目的地を選択させるための画面を表示する。赤外線受/発光部25によって携帯電話から供される通信データには、目的地の緯度や経度、或いは住所や電話番号といった位置情報が含まれている。「50音検索」、「住所で探す」、「携帯連携で探す」、「お気に入りで探す」、「電話番号で探す」、「施設/ジャンルで探す」、「先程の地図で探す」、「マップコードで探す」、「追加データで探す」或いは「履歴で探す」ボタンを押すと表示される画面により目的地が設定されると、ルート案内機能部53は、測位機能部52が計測する自車位置と目的地までの最短ルートを索出し、ルートガイドを開始する。
図21は、本実施形態において、目的地設定画面(D202)に表示された「50音で探す」ボタンが操作されたことを受けて表示される、50音検索画面(D205)の表示イメージを示す図である。50音検索画面(D205)には、検索用の文字列を入力するためのボタンが配置されている。本実施形態では、各子音列の先頭文字が夫々記載されたボタンを1回から複数回操作することで、ボタンに割り当てられた子音列に含まれる文字を選択可能な形式の文字列入力インターフェースが採用されている。例えば、文字「く」を入力したい場合、ユーザは、「か」ボタンを3回タッチ操作することで、「く」を選択することが出来る。また、濁点/半濁点ボタン、長音ボタンも表示されている。入力された文字列は、ポップアップ画像61d上部の入力文字列表示領域に表示され、ユーザは、このインターフェースを利用して所望の文字列を入力し、「検索」ボタンをタッチ操作することで、目的地の検索を行うことが出来る。
ここで、50音検索画面(D205)に含まれるポップアップ画像61dは、目的地設定画面(D202)と同様、「目的地」ボタンとポップアップ画像61dとの関連性を示す吹き出し状の関連性表示画像62を含む。この関連性表示画像62は、この後検索が行われ、検索結果が更新されたポップアップ画像(図示は省略する)内に表示される場合にも、継続して「目的地」ボタンとの関連性を指し示す。このように、ポップアップ画像の表示内容が更新された場合にも、ポップアップ画像が呼び出される契機となったボタンとの関連性が継続して表示されることで、ユーザは、現在表示されている画面が、初めにどのような操作を行うことで表示された画面であるかを容易に把握することが出来る。例えば、上記説明した例によれば、ユーザは、目的地設定画面(D202)から50音検索画面(D205)へ進み、更に検索結果画面(図示は省略する)へ進んだ場合にも、吹き出し状の関連性表示画像62の表示が維持されていることで、現在行っているオペレーションが「目的地」ボタンを操作したことによって開始されたオペレーションであることを直感的に把握できる。また、このことは、ユーザに対して、ナビゲーション装置1のインターフェースに対する安心感を与える。
次に、ナビゲーション装置1のAV画面の表示モードについて説明する。図8で示したように、ナビゲーション装置1のAV画面には、ラジオモード、CDモード、ワンセグモード、iPodモード、外部入力モード、及びオフモードの6つの画面が用意されている。映像処理機能部57は、AV領域の左側に用意されている何れかのソース選択ボタン或いは「OFF」ボタンが押されると、これに対応するモードのAV操作画面を表示する。映像処理機能部57は、例えば、「ラジオ」ボタンが押されれば、図9に示すようなラジオの周波数や選局ボタンを表示する。CDやiPodボタンについても同様である。また、映像処理機能部57は、「ワンセグ」ボタンや「外部入力」ボタンが押されれば、AV領域に選局ボタン等を表示すると共に、ナビ領域の表示を放送波受信部7からの映像や外部音声/映像入力部8の映像に切り替える。但し、映像処理機能部57は、ブレーキ検知部4がパーキングブレーキ信号の解除を検知した場合、放送波受信部7や外部音声/映像入力部8からの映像表示を止める。
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1による返却場所案内処理の流れ、即ち、マルチ画面(D102)またはナビ全画面(D103)(以降、「基本画面」と称する)のナビ領域に表示されている「返却場所」ボタンが操作されて、予め地点情報が登録されている返却場所へのルート検索(ルート探索)およびルート案内が行われる処理の流れを説明する。なお、先述の通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、レンタカーに搭載されており、ユーザは、レンタカーを返却する場合に、「返却場所」ボタンをタッチ操作することで、返却場所を目的地に設定して、ナビゲーション装置1に返却場所へのルート案内を開始させることが出来る。
図22は、本実施形態において、基本画面に表示されている「返却場所」ボタンが操作
されることで開始される返却場所案内処理の流れを示すフローチャートである。なお、本フローチャートに示された処理順序は一例であり、返却場所案内処理の具体的な処理順序は、実施の形態に応じて適宜その他の処理順序を採用することも可能である。特に、後述する「返却場所」ボタンの画像を「返却場所案内中」アイコンに変更する処理は、ルート探索およびルート案内の開始と前後してもよい。また、本フローチャートに示された処理は、ボタン画像生成機能部51dによって生成された「返却場所」ボタンを含む基本画面が、映像処理機能部57によってタッチパネル21に出力され、表示されている状態(図9および図10を参照)から開始される。なお、ここで基本画面に表示されている「返却場所」ボタンは、「返却場所」の文字列を含む。また、「返却場所」ボタンは、基本画面内で他のボタンに比べて大きく表示され、且つ、「返却場所」ボタンが表示される位置は、マルチ画面(D102)とナビ全画面(D103)との切替があっても変化することがないため、ユーザに見つけ易く、且つ操作し易いものとなっている。また、「返却場所」ボタンは、ユーザに返却場所を想起させる形状(レンタカーの営業所等を想起させる形状)を有してもよい。
ステップS101およびステップS102では、基本画面内に表示された「返却場所」ボタンに対する操作が検知され、ユーザ(通常はレンタカー営業所のメンテナンス担当者)による返却場所の地点情報の登録の有無が確認される。本実施形態では、「返却場所」ボタンには、「返却場所」の文字が重ねられ、且つ白系統の色が配された画像が用いられる。このような「返却場所」ボタン基本画面中に表示されていることで、ユーザ(レンタカーを借りた運転者)は返却場所へのルート案内を所望する場合に、この「返却場所」ボタンを操作すればよいことを容易に把握することが出来る。ユーザ操作検知機能部51bが、タッチパネル21に表示された基本画面のナビ領域に表示されている「返却場所」ボタンがタッチ操作されたことを検知すると(ステップS101)、ユーザデータ処理機能部55は、所定地点情報保持機能部55aによって、返却場所の地点情報が既に登録されているか否かを判定する(ステップS102)。
ステップS102において、返却場所の地点情報が既に登録されていると判定された場合、処理はステップS104へ進む。例えば、既にメンテナンス担当者や利用者によって一度「返却場所」ボタンが操作されて返却場所の地点情報が登録されている場合や、後述する初期化処理に伴ってメンテナンス担当者によって返却場所の地点情報が登録されている場合には、処理は返却場所の地点情報を登録する処理(ステップS103)をスキップして、ステップS102からステップS104へ進む。これに対して、返却場所の地点情報が未登録であると判定された場合、処理はステップS103に進み、返却場所登録モードに遷移し、返却場所の地点情報の登録処理が行われる。
ステップS103では、返却場所の地点情報の登録処理が行われる。このように、「返却場所」ボタンが操作されたが返却場所の地点情報の登録が無い場合に登録処理が実行されることで、レンタカー営業所のメンテナンス担当者は、レンタカーの貸し出し前に簡易な操作で返却場所の登録を行うこと、および返却場所の登録が既にされていることの確認を行うことが出来る。なお、返却場所の地点情報の登録は、地点情報が未登録の状態で「返却場所」ボタンが操作された場合以外にも、メニュー画面(D201)に表示された「設定/情報」ボタン等からも行うことが出来る。
所定地点情報登録機能部55bは、従来用いられている通常の目的地検索処理と同様、ユーザが住所や電話番号等を入力して検索することで索出された地点情報を登録する方法や、地図を参照して地図上でタッチ操作によって指定された位置の地点情報を登録する方法等を用いて、返却場所の地点情報の登録を行う。索出された地点情報を登録する場合、ユーザデータ処理機能部55は、目的地設定画面(D202)や50音検索画面(D205)等の地点検索用インターフェースを介して受け付けたユーザ操作に基づいて地点の検
索を行い、操作処理機能部51は、地点の検索によって索出された索出結果のリスト等を映像処理機能部57によってタッチパネル21に出力させることで、検索結果のリストをユーザに提供する。地図上で指定された地点情報を登録する場合、地図データ処理機能部54は、拠点表示付きの地図を生成し、映像処理機能部57によってタッチパネル21に出力させることで、拠点が表示された地図をユーザに提供する。操作処理機能部51は、タッチパネル21に検索結果のリストとして出力された地点、または拠点表示付きの地図として出力された地点のうち、ユーザ操作によって特定された地点を受け付ける。また、所定地点情報登録機能部55bは、予め登録されている複数の返却場所の地点情報をリスト表示して、そのリストからユーザ操作によって指定された地点情報を登録する方法を用いて、返却場所の地点情報の登録を行ってもよい。ユーザ操作によってリストまたは地図から地点が特定されると、所定地点情報登録機能部55bは、特定された地点の地点情報を、返却場所の地点情報として登録する。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS104およびステップS105では、返却場所案内の開始可否のユーザへの問い合わせが行われる。確認メッセージ出力機能部51cは、現在地から返却場所へのルート検索およびルート案内を開始してよいか否かを確認するメッセージをROMから読み出して、映像処理機能部57に出力させる(ステップS104)。また、この確認メッセージには、現在ルート案内中の目的地が設定されている場合、現在案内中のルート案内が終了する旨をユーザに通知するメッセージが含まれる。
確認メッセージ出力機能部51cによって確認メッセージが出力されると、ユーザ操作検知機能部51bは、確認メッセージと同時に出力された確認ボタンを介したユーザによる選択操作を検知し、ユーザによる選択内容を判定する(ステップS105)。ステップS104では、例えば、「返却場所へのルート案内を開始しますか?この場合、案内中のルート案内が終了されます」等の確認メッセージとともに、「返却場所案内開始」および「キャンセル」ボタン等の確認ボタンが表示されており、ユーザは、これらのボタンのうち所望のボタンを操作することで、ナビゲーション装置1に、返却場所へのルート案内の開始またはキャンセルを指示することが出来る。ここで、返却場所へのルート案内を開始することがユーザによって選択された場合、処理はステップS106へ進む。返却場所へのルート案内を開始しないことがユーザによって選択された場合、本フローチャートに示された処理は終了し、現在案内中のルート案内がある場合には、このルート案内が継続される。
ステップS106では、「返却場所」ボタンに代えて、「返却場所案内中」アイコンの表示が開始される。ボタン画像生成機能部51dは、ROMから読み出された画像データに基づいて、「返却場所案内中」アイコンの画像を生成する。そして、映像処理機能部57は、ボタン画像生成機能部51dによって生成された「返却場所案内中」アイコンの画像を、これまで表示されていた「返却場所」ボタンに代えてタッチパネル21に表示されるように、映像信号を生成してタッチパネル21へ出力する。図23は、本実施形態において、返却場所へのルート案内中のマルチ画面(D102b)を示す図である。なお、「返却場所」ボタンが「返却場所案内中」アイコンへ変化することは、タッチパネル21に表示されている画面がナビ全画面であった場合についても同様である(図24を参照。図24は、本実施形態において、返却場所へのルート案内中のナビ全画面(D103b)を示す図である。)。ここで、「返却場所案内中」アイコンには、「返却場所案内中」の文字が重ねられ、且つ赤系統の色が配された画像が用いられる。このようにして、「返却場所」ボタンが、形状や色等の外観が異なる「返却場所案内中」アイコンへ変化することで、ユーザは返却場所へのルート案内中であることを容易に把握することが出来る。その後、処理はステップS107へ進む。
ステップS107では、返却場所へのルート検索およびルート案内が行われる。ルート
案内機能部53は、車両の現在地から、所定地点情報保持機能部55aから読み出された地点情報が示す目的地(即ち、レンタカーの返却場所)までのルートを索出し、ルート案内を行う(ステップS107)。ルート検索およびルート案内の処理の詳細は、上記各機能部の説明のうち、特にルート案内機能部53、地図データ処理機能部54、および音声処理機能部56の説明において説明した通りであるため、説明を省略する。ルート案内は、ユーザ操作によって中断されるか、返却場所近辺へ到着すると終了する。ルート案内が終了すると、処理はステップS108へ進む。
ステップS108では、「返却場所案内中」アイコンが、「返却場所」ボタンに表示変更される。ボタン画像生成機能部51dは、返却場所へのルート案内が終了したことを受けて、ROMから読み出された画像データに基づいて、「返却場所」ボタンの画像を生成する。そして、映像処理機能部57は、ボタン画像生成機能部51dによって生成された「返却場所」ボタンの画像を、返却場所へのルート案内中に表示されていた「返却場所案内中」アイコンに代えてタッチパネル21に表示されるように、映像信号を生成してタッチパネル21へ出力する。本実施形態によれば、ユーザは、ボタンのデザインの変化によって返却場所へのルート案内が終了したことを把握することが出来る。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1による初期化処理の流れ、即ち、設定/情報画面(D207)に表示される「設定初期化」ボタンが操作されて、返却場所に返却されたレンタカーに搭載されたナビゲーション装置1に記録された情報のうち、次のユーザにレンタカーを貸し出す前に消去しておくべき情報を初期化する処理の流れを説明する。
図25は、本実施形態において、メニュー画面(D201)に表示された「設定/情報」ボタンを操作することで表示される設定/情報画面(D207)の表示イメージを示す図である。ユーザ操作検知機能部51bによって「設定/情報」ボタンに対するタッチ操作が検知されると、映像処理機能部57は、設定/情報画面(D207)をタッチパネル21に表示する。設定/情報画面(D207)には、ナビゲーション装置1に関する設定およびナビゲーション装置1に関する情報の閲覧を行うための各種ボタンが配置されている。本実施形態では、設定/情報画面(D207)には、ナビゲーション装置1の設定用のボタンとして、音声ナビゲーションの音量を設定するための「案内音量」ボタン、ナビゲーション画面上の自車位置を示すアイコンのデザインを設定するための「自車位置マーク」ボタン、目的地への到着予想時刻の表示設定を行うための「到着予想時刻」ボタン、その他ナビゲーション機能に関する詳細設定を行うための「ナビ詳細設定」ボタン、VICS関連の設定を行うための「VICS設定」ボタン、および走行軌跡の表示解除を行うための「走行軌跡解除」ボタンが表示され、ナビゲーション装置1の情報閲覧用のボタンとして、各種ネットワークへの接続状態を閲覧するための「接続状態」ボタン、およびナビゲーション装置1にインストールされた各種ソフトウェアや地図データのバージョンを閲覧するための「バージョン」ボタンが表示され、更に、初期化処理の実行を開始させるための「設定初期化」ボタンが表示される。
なお、目的地設定画面(D202)から50音検索画面(D205)へ進んだ場合にポップアップ画像と「目的地」ボタンとの関連性を示す吹き出し状の関連性表示画像62の表示が維持されることと同様、メニュー画面(D201)から設定/情報画面(D207)へ遷移した場合にも、ポップアップ画像61eと基本画面の「メニュー」ボタンとの関連性を示す関連性表示画像62の表示が維持される。本実施形態では、上記説明した設定/情報画面(D207)に表示された「設定初期化」ボタンがユーザによってタッチ操作されることで、初期化処理が開始される。
図26は、本実施形態において、「設定初期化」ボタンが操作されることで開始される初期化処理の流れを示すフローチャートである。なお、本フローチャートに示された処理順序は一例であり、初期化処理の具体的な処理順序は、実施の形態に応じて適宜その他の処理順序を採用することも可能である。
ステップS201からステップS203では、ユーザ操作が検知され、初期化の可否がユーザに確認される。ユーザ操作検知機能部51bによって、「設定初期化」ボタンへのタッチ操作が検知されると(ステップS201)、操作処理機能部51は、例えば、「設定された内容および履歴が消去されます。よろしいですか?」等の、初期化処理の実行の可否をユーザに確認するためのメッセージ、およびユーザに初期化処理の実行可否を選択させるためのボタン等をROMから読み出し、映像処理機能部57によってタッチパネル21に表示させる(ステップS202)。そして、操作処理機能部51は、ユーザによって操作されたボタン等を介した入力に基づいて初期化処理の実行可否を判定する(ステップS203)。ここで、ユーザによって初期化処理の実行が許可されなかった場合、本フローチャートに示された処理は終了する。ユーザによって初期化処理の実行が許可された場合、処理はステップS204へ進む。
ステップS204では、初期化の対象となる初期化対象情報が特定される。初期化対象判別機能部55cは、予めROMに保持されている初期化対象テーブルを参照することで、ナビゲーション装置1に接続された記憶装置に記録されている設定内容や履歴等の情報のうち、初期化の対象となる情報を特定する。
図27は、本実施形態において初期化対象判別機能部55cによって参照される初期化対象テーブルを示す図である。初期化対象テーブルには、記録されている設定内容や履歴等の情報を識別可能な識別情報と、この識別情報に関連付けられた、該情報を初期化の対象とするか否かを判別するための情報と、が蓄積されている。初期化対象判別機能部55cは、初期化対象テーブルにおいて、初期化の対象であることを示す情報と関連付けられた識別情報を取得することで、初期化の対象となる情報を特定する。ここで、初期化の対象となるか否かは、所定のルールに従って予め決定されている。
本実施形態に係るナビゲーション装置1はレンタカーに搭載されているため、本実施形態では、ナビゲーション装置が搭載された車両の運転者、即ちレンタカーを借りる顧客に関連する情報が初期化の対象として特定される。このような情報としては、例えば、レンタカー利用中に設定された目的地や、使用の履歴、登録された地点情報、ナビゲーション装置1の設定のうちユーザの嗜好に関する内容(例えば、地図の表示向きやVICS設定、走行軌跡等)、サウンド設定、画質設定、等が挙げられる。また、ナビゲーション装置が搭載された車両自体に関連する情報は、初期化の対象とされないことが好ましい。初期化されない情報としては、例えば、車両後方に搭載されたバックカメラによって撮影された映像をタッチパネル21に表示する際に重ねて表示されるガイド線の表示位置設定や、車両のナンバー情報が挙げられる。なお、本実施形態では、レンタカーの返却先として登録された返却場所の地点情報についても、初期化の対象となる。なお、本実施形態では返却場所を初期化の対象としているが、返却場所の地点情報は、初期化の対象としなくてもよい。その後、処理はステップS205へ進む。
ステップS205では、特定された情報の初期化が実行される。初期化機能部55dは、ステップS204で特定された初期化対象情報を、情報の種類に応じて、初期値で上書きする、ランダムな値で上書きする、ファイル管理テーブルから消去する、等の方法を用いて初期化する。全ての初期化対象情報についての初期化が終了すると、処理はステップS206へ進む。
ステップS206およびステップS207では、ユーザに対して、返却場所の登録を実行するか否かの確認が行われる。ステップS205における初期化対象情報の初期化が終了すると、操作処理機能部51は、例えば、「引き続きレンタカーの返却場所の登録を行いますか?」等の、返却場所の登録の要否をユーザに確認するためのメッセージ、およびユーザに返却場所の登録の要否を選択させるためのボタン等(図示は省略する)をROMから読出し、映像処理機能部57によってタッチパネル21に表示させる(ステップS206)。そして、選択入力受付機能部51eは、ユーザによって操作されたボタン等を介した入力に基づいて返却場所の登録の要否を判定する(ステップS207)。ここで、ユーザによって返却場所の登録が許可されなかった場合、本フローチャートに示された処理は終了する。ユーザによって返却場所の登録が許可された場合、処理はステップS208へ進む。なお、レンタカー営業所のメンテナンス担当者は、この時点で返却場所の登録を行うことを選択して返却場所の地点情報の登録を行ってもよいし、この時点では返却場所の登録を行わず、後に「返却場所」ボタンを操作することで、上述した返却場所案内処理を実行し(図22を参照)、ステップS103に示された処理において、返却場所の地点情報の登録を行ってもよい。
ステップS208では、図22と同様に返却場所登録モードとなり、ナビゲーション装置1が搭載されたレンタカーの返却場所の地点情報の登録処理が実行される。所定地点情報登録機能部55bは、従来用いられている通常の目的地検索処理と同様、ユーザが住所や電話番号等を入力して検索することで索出された地点情報を登録する方法や、地図を参照して地図上でタッチ操作によって指定された位置の地点情報を登録する方法等を用いて、返却場所の地点情報の登録を行う。登録処理のより詳細な内容については、図22を用いて説明した返却場所案内処理のステップS103と概略同様であるため、説明を省略する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
本実施形態に係るナビゲーション装置1によれば、簡易な操作で、個々のユーザに関連する情報を抽出して初期化することが可能である。また、本実施形態に係るナビゲーション装置1によれば、レンタカー等の、複数地点間で移動しながら利用される車両について、簡易な操作で次に移動されるべき地点(本実施形態では、返却場所)の設定およびルート案内を実行することが可能である。なお、本実施形態では、基本画面に配置される、所定地点へのルート案内開始指示用のボタンは、「返却場所」ボタンであったが、実施の形態に応じて、このボタンは「自宅」ボタンや「帰社」ボタン、「自社」ボタン等、高頻度でまたは繰り返し目的地とされる可能性がある目的地をユーザに想起させるボタンとしてよい。このようにして、返却場所以外へのルート案内ボタンとする場合にも、ボタンは、ユーザに目的地を想起させる形状を有することが好ましい。例えば、「自宅」ボタンとする場合、ボタンの形状を、ユーザの自宅を想起させる形状としてもよいし、「帰社」ボタンや「自社」ボタン等とする場合、ボタンの形状を、オフィスビルを想起させる形状としてもよい。
<その他の実施形態>
上記説明した実施形態では、初期化対象情報の初期化に際して、特に条件を設けずに、「設定初期化」ボタンに対する操作が検知され、ユーザによる同意があった場合に、初期化が行われることとしている。ここで、上記実施形態において説明した構成に加えて、更に初期化処理の実行可否を判定するための構成を備えることで、レンタカーを借りたユーザ(運転者)による誤操作等、レンタカー営業所のメンテナンス担当者以外による意図しない初期化を防止することとしてもよい。
以下、その他の実施形態に係るナビゲーション装置(装置全体の構成については、図2に示した構成と概略同様であるため、図示を省略する。)について説明する。なお、ナビゲーション装置は、以下に特に説明する構成および処理を除いて、上記説明した実施形態
に係るナビゲーション装置1と概略同様である。このため、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図28は、ナビゲーション装置の制御部20bが実現する各種機能部を図示した機能ブロック図である。車両のアクセサリー電源がオンになると、制御部20bは、図5を用いて説明した制御部20と同様、操作処理機能部51、測位機能部52、ルート案内機能部53、地図データ処理機能部54、ユーザデータ処理機能部55、音声処理機能部56、及び映像処理機能部57を実現するコンピュータプログラムを実行する。
ここで、制御部20bが実現する機能部には、GPS情報受信部9から送られる衛星からの電波の情報、車速検知部10から通知される車両速度の情報、及びジャイロセンサ19から送られる角速度の情報に基づいて車両の現在位置を取得する現在位置取得機能部52aと、車両がレンタカー営業所を中心とした所定の範囲にいること、という初期化条件を満たすか否かを判定する初期化条件判定機能部55eと、が更に含まれる。なお、現在位置取得機能部52aは、測位機能部52に含まれ、初期化条件判定機能部55eは、ユーザデータ処理機能部55に含まれる。
図29は、ナビゲーション装置において、「設定初期化」ボタンが操作されることで開始される初期化処理の流れを示すフローチャートである。なお、本フローチャートに示された処理順序は一例であり、初期化処理の具体的な処理順序は、実施の形態に応じて適宜その他の処理順序を採用することも可能である。
ステップS301からステップS303では、ユーザ操作が検知され、ナビゲーション装置が搭載されたレンタカーの現在位置が、レンタカー営業所を中心とした所定の範囲内であるか否かが判定される。ユーザ操作検知機能部51bによって、「設定初期化」ボタンへのタッチ操作が検知されると(ステップS301)、現在位置取得機能部52aは、GPS情報受信部9から送られる衛星からの電波の情報、車速検知部10から通知される車両速度の情報、及びジャイロセンサ19から送られる角速度の情報に基づいて車両の位置を測位することで、車両の現在位置を取得する(ステップS302)。
そして、初期化条件判定機能部55eは、カードメモリインターフェース17に挿入されるメモリカードの地図データに含まれるレンタカー営業所のPOI(地点情報)と、ステップS302で取得された現在位置とを比較することで、ナビゲーション装置を搭載したレンタカーが何れかのレンタカー営業所を中心とした所定の範囲(例えば、半径100m以内)にいるか否かを判定する(ステップS303)。より具体的には、例えば、営業所のPOIと現在位置との差分が所定値以下に収まっているか否かを判定する方法等を用いて、レンタカーが何れかのレンタカー営業所を中心とした所定の範囲にいるか否かを判定することが出来る。但し、具体的な判定手法には、その他の手法が採用されてよい。なお、本実施形態では、ナビゲーション装置を搭載した車両を管理するレンタカー事業者の営業所が複数存在する場合、ステップS302で取得された現在位置は、複数の営業所のうち何れかを中心とした所定の範囲内であればよい。即ち、ユーザは、現在車両のある営業所が複数ある営業所のうちの何れであるかを特に意識することなく、初期化を行うことが出来る。その後、処理はステップS304へ進む。
ステップS304以降の処理の内容は、図26を用いて説明した初期化処理の、ステップS202以降の処理の内容と概略同様であるため、説明を省略する。
本フローチャートに示した処理によれば、初期化の実行前に、ナビゲーション装置を搭載した車両の現在位置が初期化対象情報の初期化が許可される範囲内にあるか否かを判定することで、ステップS304以降の処理の実行を、車両を管理するレンタカー事業者の
営業所近辺でのみ可能とし、レンタカーの使用者による意図しない初期化を防止することができる。なお、本実施形態では、現在位置が複数の営業所のうち何れかの近傍である場合に、初期化対象情報の初期化が許可されることとしているが、複数の営業所のうち、予め設定された特定の営業所の近傍である場合にのみ、初期化対象情報の初期化が許可されることとしてもよい。また、レンタカーの返却時にのみ初期化を可能とするために、自車の現在位置が、返却場所として設定された地点情報を中心とした所定の範囲内にある場合にのみ、初期化対象情報の初期化を許可することとしてもよい。
また、図28および図29を用いて説明した実施形態では、車両の現在位置が所定の範囲にあることが初期化条件であったが、これに代えて、初期化操作を行うユーザが認証されたユーザであることを初期化条件としてもよい。以下、その他の実施形態に係るナビゲーション装置について説明する。なお、ナビゲーション装置は、以下に特に説明する構成および処理を除いて、上記説明した実施形態に係るナビゲーション装置1と概略同様である。このため、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図30は、ナビゲーション装置の制御部20cが実現する各種機能部を図示した機能ブロック図である。車両のアクセサリー電源がオンになると、制御部20cは、図5を用いて説明した制御部20と同様、操作処理機能部51、測位機能部52、ルート案内機能部53、地図データ処理機能部54、ユーザデータ処理機能部55、音声処理機能部56、及び映像処理機能部57を実現するコンピュータプログラムを実行する。
ここで、制御部20cが実現する機能部には、ユーザによって入力されたパスワードを受け付ける認証情報入力受付機能部51fと、入力されたパスワードが正しいパスワードである、という初期化条件を満たすか否かを判定する初期化条件判定機能部55eと、が更に含まれる。なお、認証情報入力受付機能部51fは、操作処理機能部51に含まれ、初期化条件判定機能部55eは、ユーザデータ処理機能部55に含まれる。
図31は、ナビゲーション装置において、「設定初期化」ボタンが操作されることで開始される初期化処理の流れを示すフローチャートである。なお、本フローチャートに示された処理順序は一例であり、初期化処理の具体的な処理順序は、実施の形態に応じて適宜その他の処理順序を採用することも可能である。
ステップS401からステップS403では、ユーザ操作が検知され、ユーザによって入力されたパスワードが正しいパスワードであるか否かが判定される。ユーザ操作検知機能部51bによって、「設定初期化」ボタンへのタッチ操作が検知されると(ステップS401)、操作処理機能部51は、パスワードを要求する画面(図示は省略する)を生成し、映像処理機能部57によってタッチパネル21に表示させる。ここでは、パスワードの入力を促すメッセージと共に、パスワードを入力するための数字や文字のボタンについても、タッチパネル21に表示される。認証情報入力受付機能部51fは、レンタカー営業所のメンテナンス担当者等のユーザが、タッチパネル21に表示されたボタン等を操作することで入力したパスワードを受け付ける(ステップS402)。
パスワードの入力が受け付けられると、初期化条件判定機能部55eは、入力されたパスワードが予め設定された正しいパスワードであるか否かを判定するための処理を実行する(ステップS403)。ここで、パスワードの判定処理は、予め記憶されたパスワードと入力されたパスワードとを比較する方法であってもよいし、パスワードが記憶装置から読み出される等して漏洩することを防止するために、より高度なパスワード管理・判定方法が採用されてもよい。例えば、記憶装置には予め決定されたパスワードのハッシュ値のみを記憶し、入力されたパスワードに基づいて演算されたハッシュ値と比較する方法等が
採用されてもよい。その後、処理はステップS404へ進む。
ステップS404以降の処理の内容は、図26を用いて説明した初期化処理の、ステップS202以降の処理の内容と概略同様であるため、説明を省略する。
本フローチャートに示した処理によれば、初期化の実行前に、初期化操作を行うユーザが初期化を行う権限を有するユーザであることを認証することで、ステップS404以降の処理の実行を、レンタカーのメンテナンス担当者のみに限ることが可能となり、レンタカーの使用者による意図しない初期化を防止することができる。なお、本実施形態では、ユーザを認証するためにパスワードを用いたが、これに代えて、例えば、物理的な鍵を用いる方法や、認証用のRFID(Radio Frequency IDentification)装置等を用いる方法、生体認証等、その他の認証手段が採用されてもよい。