以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)に係る経路誘導先データ管理システム(以下、単にデータ管理システムという)について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成には限定されない。
(システムの概要)
図1に、本データ管理システムの構成を例示する。本データ管理システムは、ナビゲーション装置1と、ナビゲーション装置1に提供するデータを作成するデータ処理装置100とを含む。なお、ナビゲーション装置としては、例えば富士通テン株式会社のAVN(登録商標。Audio Visual Navigation)等の車載用ナビゲーション装置がある。但し、本発明は、例えば携帯型のナビゲーション機能を有する電子機器等、車載して利用できるものであれば如何なる電子機器にも適用可能である。
ナビゲーション装置1は、2DIN(Deutsche Industrie Normen)の本体・モニタ一体型カーナビゲーション装置であり、車両の現在地や目的地までの経路の案内等を行うカーナビゲーション機能や、各種オーディオ/ビジュアル(以下、AVという)コンテンツの再生機能、放送波を受信する機能等を有している。ナビゲーション装置1は、運転席や助手席の乗員の手が届きやすいダッシュボードの中央付近に設置された状態で使用されるものであり、メインユニット2とディスプレイユニット3とで構成されている。
一方、データ処理装置100は、通常、企業の営業所等に設置され、その企業が、ナビゲーション装置1を使用するときに使用される独自のデータ作成に使用される。通常、ナビゲーション装置1には、ナビゲーション装置1の製造販売業者から、地図データ、地点(POI:Point Of Interestともいう)のデータ、地図上のアイコンのデータ、ナビゲーション装置1を起動したときに表示される各種画面データ等のデータが提供される。
作成されたデータは、メモリカードを介してナビゲーション装置1に読み込まれる。なお、本実施形態においては、作成されたデータを、メモリカードを介してナビゲーション装置1に読み込ませるが、メモリカードの代えて、ハードディスクドライブにデータを記憶させ、これを通信手段(例えば、インターネット網)を介してナビゲーション装置に転送するようにしてもよい。ナビゲーション装置1がインターネット網との接続機能を有していない場合、携帯端末によってデータを受信し、これを例えば、赤外線通信等の無線通信手段を利用してナビゲーション装置1に再転送すればよい。
しかしながら、企業がナビゲーション装置1を使用する場合に、製造販売業者から提供されるデータ以外に、独自のデータを追加したい場合がある。例えば、レンタカー会社のレンタカーにナビゲーション装置1を搭載する場合、ナビゲーション装置1が起動されたときに、そのレンタカー会社特有のオープニング画面を表示したいという要請がある。また、そのとき、そのレンタカー会社が、レンタカーのユーザに読ませたい利用規約、各種お知らせメッセージを表示したいという要請がある。さらに、そのレンタカー会社が営業している地域特有の観光スポットに関する情報をナビゲーション装置1にて、経路誘導時に表示したいという要請がある。その場合に、例えば、その観光スポットに対して、そのレンタカー会社特有のアイコン、あるいは、その地域特有のアイコンを表示して、レンタ
カーのユーザの便宜を図りたいとの要請もある。例えば、観光スポットがテーマパークのような広範囲に拡がりを持つものであって、標準的な地点情報では、テーマパークの中心位置に経路誘導されることになる。しかし、レンタカーのユーザについては、むしろテーマパークの駐車場に誘導する方が望ましい。さらに、そのレンタカーの返却先をナビゲーション装置1にて経路誘導の対象としたいという要請もある。その場合に、返却先の駐車場の地点を地図上で正確に設定したいという要請もある。
また、その企業が、多数の固定の訪問先を抱えている場合に、その訪問先の地点をナビゲーション装置1にて経路誘導の対象としたいという要請がある。特に、その訪問先が転居したような場合に、迅速に、その訪問先の地点に関する情報を更新したいという要請がある。
本データ管理システムは、以上のような要請に応える機能を提供する。データ処理装置100は、企業の営業所等に設置され、企業の担当者によって、上記独自のデータを作成するための使用される。作成されたデータは、メモリカードを介して、ナビゲーション装置1に、入力される。
ナビゲーション装置1は、メモリカードから入力されたデータを読み出し、その起動時、あるいは、経路誘導時に、使用する。ユーザが、住所検索機能によって、経路誘導先の地点を検索する場合に、データ処理装置100によって、追加された地点も、住所検索の対象とすることができる。また、ユーザが現在地周辺の観光スポット一覧、施設一覧を表示した場合に、データ処理装置100によって、追加された地点も、観光スポット一覧、施設一覧に表示できる。また、ユーザが、検索された住所、観光スポット、あるいは、施設への経路誘導等で、データ処理装置100によって設定されたデータによる地点を目的地に設定した場合も、ナビゲーション装置1は、メーカあるいはベンダから提供されたデータによる地点と同様、ユーザを誘導する。
したがって、本データ管理システムを用いることによって、企業は、ユーザ、例えば、レンタカーのユーザ、あるいは、企業の従業員に、きめ細かな地点情報、最新の地点情報を用いて、車両を利用させることができる。以下、車両に搭載されたナビゲーション装置1を使用して、車両を運転するナビゲーション装置1の利用者を単にユーザという。一方、ナビゲーション装置1をメーカから購入し、車両にナビゲーション装置1を搭載し、ユーザに利用させる企業、組織を利用者企業という。
(データ処理装置の例)
〔データ処理装置のハードウェア構成〕
次にデータ処理装置100について説明する。図2に、データ処理装置100のハードウェア構成を例示する。この情報処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータと、パーソナルコンピュータで実行されるコンピュータプログラムによって実現される。また、この情報処理装置100は、複数のパーソナルコンピュータにサービスを提供するサーバ上のプログラムとして実現してもよい。また、本情報処理装置100は、複数のコンピュータが連携して機能を提供するコンピュータシステムとして実現してもよい。例えば、1以上のデータベースサーバと、1以上のシミュレータと、1以上のウェブサーバとによって、情報処理装置100を実現してもよい。
図2のように、本情報処理装置100は、CPU101と、メモリ102と、各種インターフェース103、105、107、109、111、113と、これらのインターフェースを通じてCPU1に接続される周辺装置とを含む。図2では、周辺装置の例として、ハードディスク104,入力装置106、表示装置108、ネットワークインターフェース110、着脱可能記憶媒体駆動装置112、およびメモリカード・リーダ・ライタ1
17が示されている。
CPU101は、メモリ102に展開されたプログラムを実行し、情報処理装置100の機能を提供する。メモリ102は、CPU101が実行可能な形式でプログラムを保持する。また、メモリ102は、CPU101が処理するデータを保持する。メモリ102は、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)等である。ただし、メモリ102として、フラッシュメモリを用いてもよい。
ハードディスク駆動装置104は、ハードディスクにアクセスし、CPU101が処理したデータ、CPU101で実行されるプログラム等を記憶する。入力装置106は、例えば、キーボード等の文字入力装置、マウス等のポインティングデバイスなどである。表示装置108は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル等である。
ネットワークインターフェース110は、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)基板である。着脱可能媒体駆動装置112は、例えば、CD−ROM、DVD、フラッシュメモリカード等の駆動装置である。なお、CPU101で実行されるプログラムは、通常、ネットワークインターフェース110、あるいは、着脱可能記憶媒体駆動装置112を通じて、ハードディスクに保存され、メモリ102に展開される。メモリカード・リーダ・ライタ117は、CPU101の指令にしたがい、装着されたメモリカードとCPU101との間で、データを入出力する。
〔データ処理装置の画面例〕
図3および図4によって、データ処理装置100が、表示装置108に表示する画面例を説明する。図3は、メモリカードに書き込む地点情報を管理する地点情報管理画面200の表示例である。図3では、地点情報管理画面200に加えて、さらに、編集入力画面250が地点情報管理画面200の下方に表示されている。
地点情報管理画面200は、メニューバー202と、タブ表示部203と、リスト表示欄206と、リスト表示欄206を操作する操作ボタン列204とを含んでいる。リスト表示欄206には、データ処理装置100で管理されている地点情報の一覧が表示される。これらの地点情報は、入力装置106(例えば、キーボード)から、マニュアル操作で入力することができる。また、これらの地点情報は、ネットワークインターフェース110あるいは着脱可能記憶媒体駆動装置112を通じて、外部からcsv(Comma Separated Value format)ファイルの形式で入力データ処理装置100に入力することもできる。
リスト表示欄206に示されているように、本実施形態において地点情報は、書き込みフラグ、名前、よみ、都道府県、市町村1、市町村2、町域、丁目、戸番、電話番号、アイコン、ジャンル、タイプ、変換の各フィールドを有している。ここで、本実施形態では、リスト表示欄206の各フィールドに表示されるそれぞれの内容を要素、あるいは項目という。なお、データ処理装置100が、ハードディスク上に有する地点情報ファイルの構造も、リスト表示欄206に表示された地点情報の構成と同様である。リスト表示欄206の1つの行が、1つの地点情報を表示している。
書き込みフラグのフィールド(図3では、チェックボックスが表示されている)には、その地点情報が、メモリカードへの書き込み対象であるか否かを指定する。本データ管理装置では、メニューバー202のファイルメニューからプルダウンメニューを表示し、「メモリカードへ書き込む」というメニュー項目を実行すると、メモリカードへの書き込みが実行される。このとき、リスト表示欄206に表示された地点情報のうち、書き込みフラグにチェックマーク(書き込み指定)がされている地点情報が、メモリカードに書き込
まれる。
名前は、地点の名称である。名前は、ユーザが、地点を認識するための識別情報として用いられる。例えば、地点がユーザ個人の自宅の場合、あるいは、ユーザである営業担当者が巡回する個人の自宅の場合である。ただし、名前は、地点に位置する施設の名称ということもできる。例えば、「ラーメントン」というラーメン店、「O動物園」という名称の動物園、企業の営業所の名称等である。
よみは、名称の読みをひらかなで表した文字列である。都道府県は、その地点が位置する都道府県である。市町村1には、市町村名を設定する。市町村2には、区が存在する場合に、区の名称を設定する。町域は市町村内に、さらに町名あるいは地区名がある場合に、その名称を設定する。丁目および戸番には、丁目および番地等を設定する。電話番号には、その地点の施設に電話がある場合に、その電話番号を設定する。
アイコンは、その地点の位置を画面に表示する画像記号(グラフィックオブジェクトともいう)である。アイコンが表示される地図上の位置は、地点の緯度、および経度で指定される。地点情報が、ナビゲーション装置1に書き込まれ、その地点に経路誘導される場合に、アイコンが表示される地図上の位置が、経路誘導の目的地となる。リスト表示欄206のアイコンのフィールドには、その画像記号が縮小して表示される。このアイコンの画像は、データ処理装置100が提供するアイコンのリストから選択することができる。データ処理装置100が提供するアイコンには、本データ管理システムを提供する製造販売者から提供されるサンプルのアイコンと、ユーザが独自に作成するアイコンとが含まれる。ユーザは、例えば、ビットマップエディタ、あるいは画像作成ツールを使用して、所望のアイコンのビットマップ画像を作成し、ユーザ所望の格納場所、例えば、ハードディスク上のフォルダに格納できる。ビットマップエディタ、画像作成ツール等の構成およびオペレーション手順は、周知であるので、その説明を省略する。
ジャンルは、その地点情報が示す地点あるいは地点に位置する施設を分類する分類区分を示す情報である。ジャンルは、例えば、飲食店、動物園、水族館、テーマパーク、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、ゴルフ場等である。
タイプは、地点情報が、組織間で共通に利用されるデータか、組織個別に使用するデータかを示す。組織とは、例えば、1つの企業である。すなわち、「個別」の場合には、当該企業だけでプライベートに利用されるデータであることを示す。個別のデータには、例えば、企業の訪問先、営業所、レンタカーの返却先等を例示できる。
なお、タイプは、企業内の組織で使い分けるようにしてもよい。例えば、共通は、企業内の共通のデータを意味し、個別とは、企業内組織、例えば、営業所個別のデータを指定するようにしてもよい。変換は、住所、すなわち、都道府県、市町村1、市町村2、丁目、および戸番のデータから緯度、経度に変換を試みた結果、すなわち、変換の可否が示される。
タブ表示部203には、表示するデータを選択するためのタブが表示される。例えば、営業所データというラベルの付されたタブによって、営業所データをリスト表示欄206に表示することができる。また、施設データいうラベルの付されたタブによって、施設データをリスト表示欄206に表示することができる。また、オープニング画というタブによって、ナビゲーション装置1で表示させたいオープニング画面の編集画面が表示される。オープニング画面の編集画面では、オープニング画面上のグラフィックオブジェクト(図形パターン)の編集、文字列のレイアウトの設定、文字列の編集等の機能が提供される。さらに、利用規約というタブによって、ナビゲーション装置1で表示させたい利用規約
の文章を編集する編集画面が表示される。
操作ボタン列204には、リスト表示欄206に表示された地点情報に対する機能を実行する操作ボタンが定義されている。例えば、全選択ボタンを入力装置6のマウスで押下することによって、リスト表示欄206に表示されたすべての地点情報のチェックボックスにチェックマーク(メモリカードへの書き込み対象であることを示すマーク)が設定される。逆に、全解除ボタンを押下することによって、すべてのチェックマークが解除される。
また、新規登録ボタンを押下すると、リスト表示欄206の末尾に、空データの行が追加され、その追加された行が選択状態になる。そして、地点情報管理画面200の下方に編集入力画面250が表示され、新たな地点情報を入力することが可能な状態となる。このようにして、ユーザは、自在に、営業所の地点情報、施設の地点情報を追加、変更可能となる。
ただし、ユーザが、メニューバー202のファイルメニューから、「csvデータインポート」というメニュー項目を実行することで、外部のcsvファイルを地点情報管理画面200の管理対象として読み込むことができる。また、地点情報管理画面200で管理している地点情報をcsvファイルに出力するためには、ユーザは、メニューバー202のファイルメニューから、「csvデータエクスポート」というメニュー項目を実行すればよい。
編集メニュー表示というラベルが記載されたチェックボックスには、編集メニューを表示するか、否かの指定をする。このチェックボックスにチェック(表示指定)がされていると、地点情報管理画面200の下方に編集入力画面250が表示される。
ジャンル絞り込みというラベルの付されたリスト表示部(以下、ジャンル指定部)には、現在、地点情報に付与可能なジャンルが表示される。ユーザが、ジャンル指定部に、リスト項目から選択されたジャンルを設定することで、リスト表示欄206に表示するジャンルを絞りこむことができる。
次に、編集入力画面250について、説明する。編集入力画面250には、リスト表示欄206で指定された1つの行に対応する地点情報を構成する要素およびその地点の座標(緯度および経度)を含む地図が表示される。編集入力画面250の地点情報の要素を表示するフィールドは、それぞれキーボード等によって編集可能となっている。さらに、編集入力画面250には、様々な機能を起動するボタンが配置されている。
ジャンル追加というラベルが付されたボタンによって、ジャンル情報の編集画面が起動される。ジャンル情報の編集画面により、新たなジャンルを示す文字列を定義できる。
地図表示欄208には、現在編集中の地点の座標を含む地図が表示される。この地図上で、地点の座標の位置には、位置表示マーク210が表示される。地点情報がナビゲーション装置1に引き渡されると、この位置表示マーク210に、その地点のアイコンが表示される。また、拡大ボタン、縮小ボタン、あるいは拡大ボタンと縮小ボタンの間に設けられたスライダーを操作することで、表示する地図の縮尺を変更できる。
座標編集というラベルが付されたボタンによって、座標編集画面300が起動され、座標を変更することができるようになる(図4参照)。決定ボタンによって編集入力画面250の地点情報の内容が保存される。リセットボタンによって、現在編集中の編集入力画面250の地点情報がクリアされる。
図4に、座標編集画面300の表示例を示す。座標編集画面は、地点情報の住所に該当する位置の緯度と経度とを設定する画面である。データ処理装置100は、図示しない住所データベースをハードディスク上に有している。住所データベースには、住所と、その住所に対応する座標(緯度と経度)が定義されている。したがって、住所が確定すれば、住所データベースを検索し、その住所が定義されていれば、座標を確定できる。しかしながら、住所データベースに定義された座標は、標準的な位置を示すため、そのような標準的な座標以外の座標を経路誘導先としたい場合がある。例えば、テーマパークの住所に対して、座標として、そのテーマパークの駐車場入り口を設定したい場合である。
また、地点情報として、住所データベースに定義されていない地点を設定したい場合がある。住所データベースに定義されていない地点については、緯度と経度を確定できないので、データ処理装置100は、ユーザの入力によって、地図を表示すべき位置を確定する。ただし、情報処理装置100は、その住所と共通の文字列が最も多く含まれる住所で、住所データベースから最初に検索された住所の座標を住所データベースに定義されていない地点の座標として仮表示するようにしてもよい。これらの場合に、ユーザは、座標編集画面300で該当する地図上の位置を選択することで、その地点の座標を設定できる。
図4のように、座標編集画面300は、入力住所表示欄302、マップ表示住所指定欄304、「周辺住所へ」ボタン306、および地図表示欄308を有している。このうち、入力住所表示欄302には、編集入力画面250に表示されていた住所がそのまま表示される。
また、マップ表示住所指定欄304には、地図表示欄308に表示すべき住所を設定する。デフォルトでは、マップ表示住所指定欄304には、入力住所表示欄302と同一の住所が表示される。マップ表示住所指定欄304のフィールドは、編集可能である。
地図データ表示欄308には、マップ表示住所指定欄304に指定された住所の地図が表示される。「住所周辺へ」ボタン306を押下することで、マップ表示住所指定欄304に指定した住所周辺の地図が地図表示欄308に表示される。
また、ユーザは、地図上で、入力装置106のポインティングデバイスによって、位置表示マーク311を移動することによって、地点に該当する座標を変更することができる。また、地図データ表示欄308には、緯度経度表示欄310が設けられ、位置表示マーク311の位置での緯度と経度が表示される。さらに、拡大ボタン、縮小ボタン、およびスライダーの機能は、図3と同様である。さらに、確定ボタンの押下によって、編集した座標がマップ表示住所指定欄304に表示されている住所等の地点情報と対応付けて保存され、座標編集画面300が閉じられる。また、キャンセルボタンの押下によって座標編集画面300の内容が破棄され、座標編集画面300が閉じられる。
図5に、メモリカードに書き込まれる地点情報の例を示す。データ処理装置100で作成される地点情報は、本データ管理システムの製造販売業者がメモリカードで提供するメモリカードに追加書きされる、利用者企業独自のデータである。メモリカードには、本データ管理システムの製造販売業者が提供する地図データ、および地点情報(以下、標準POIデータ、標準地点情報ともいう)が格納されている。しかしながら、この地点情報は、本データ管理システムの供給先に共通な、いわば、標準の地点情報である。利用者企業は、データ処理装置100の機能を実行し、利用者企業独自の地点情報(以下、追加POIデータ、追加地点情報ともいう)を追加したり、標準POIデータであっても、地図上に表示する地点情報の位置を変更したりする。このような追加の地点情報には、例えば、営業所データ、企業の訪問先データ、レンタカーのための施設データ等が含まれる。 図
5のように、地点情報は、図3のリスト表示欄206と同様、名前、よみ、都道府県、市町村1、市町村2,町域、丁目、戸番、電話番号、ジャンル名、緯度、経度を有している。これらの各要素については、図3で説明済みである。ただし、追加の地点情報が営業所データの場合には、ジャンルは設定されず、空欄である。これらうち、緯度、経度をPOIデータともいい、緯度、経度以外をPOI詳細データともいう。
また、本データ管理システムでは、メモリカードの盗難による個人情報の漏洩防止のため、追加の地点情報は、暗号化して、メモリカードに格納される。一方、地図データや標準POIデータは暗号化されずに、メモリカードに格納されている。この追加POIデータは、ナビゲーション装置1に読み込まれたときに復号化され、ナビゲーション装置1の内蔵メモリ(図9の内蔵フラッシュROM26)に格納される。
すなわち、メモリカード内には、標準POIデータ格納領域と、追加POIデータ格納領域がそれぞれ設けられている。一方、データ処理装置100のハードディスク上には、標準POIデータを格納する標準POIデータフォルダと、追加POIデータを格納する追加POIフォルダが設けられている。なお、フォルダ(ディレクトリ)を分ける代わりに、標準POIデータと、追加POIデータとを、それぞれ異なるファイルに格納するようにしてもよい。また、標準POIデータと、追加POIデータとを同一ファイルに格納し、それらの区分を示すフラグを設けてもよい。
〔データ処理装置の処理フロー〕
図6に、データ処理装置100による、地点情報の追加修正処理の処理フローを例示する。この処理では、まず、データ処理装置100は、地点情報の新規の入力または地点情報の修正を受け付ける(S101)。すなわち、新規入力の場合、データ処理装置100は、地点情報管理画面200にて、新規登録ボタンの押下を検知すると、編集入力画面250を表示し、地点情報のうち文字列データ(名称、住所等)の入力を受け付ける。なお、地点情報の文字列データを構成する名称、住所等は、csvファイルの形式で複数一括して入力することもできる。csvファイルの形式で複数一括して入力された地点情報は、画面上にリスト表示される。ユーザが、リスト上の項目を選択することで、1つの地点情報が受け付けられる。また、標準POIデータ等、既存の地点情報を修正する場合は、リスト表示部206に表示されている地点情報から1つを選択することで、その地点情報の文字列データ(名称、住所等)が編集入力画面250に表示される。
次に、データ処理装置100は、入力または表示された地点情報(またはリストから選択された地点情報)の座標を含む地図を表示する(S102)。すなわち、入力または表示された地点情報の住所を基に、住所データベースから緯度と経度を検索できた場合には、その緯度と経度を含む地図が表示される。また、入力または表示された地点情報の住所を基に、住所データベースから緯度と経度を検索できない場合には、地図は表示されない。この場合には、データ処理装置100は、ユーザにマニュアル操作で、地図上の位置を指定するように促す。そして、データ処理装置100は、ユーザがマニュアル指定した地点を含む地図を表示する。ただし、その住所を表す文字列と最も多く文字列が一致する住所で、住所データベースにて最初に検索された住所の緯度と経度を基に、地図を表示してもよい。
次に、データ処理装置100は、ユーザの操作にしたがって、座標編集を行うか否かを判定する(S103)。編集入力画面250にて、ユーザが、座標編集ボタンを押下すると、座標編集を行うと判断される。座標編集(図7参照)が終了した後、あるいは、座標編集をしないと判断された場合、データ処理装置100は、その地点に表示すべきアイコンの指定を受け付ける(S105)。アイコンは、アイコンのリストから選択される。また、ユーザがビットマップエディタでアイコンを新規に追加することもできる。この処理
によって、地図上で座標編集前の初期状態の位置(緯度と経度)または、座標編集後の位置に表示されるべきアイコンが、地点情報と対応付けて設定される。
次に、データ処理装置100は、地点情報およびアイコンの画像をハードディスク上のファイルに出力する(S106)。このとき、地点情報の座標が座標編集処理によって追加、あるいは変更されている場合には、追加あるいは変更された座標がファイルに出力される。
図7に、座標編集処理(図6のS104)の詳細を例示する。この処理では、データ処理装置100は、図4に示すように、画面に、住所および該当する地図を表示する(S1041)。そして、データ処理装置100は、ユーザの操作を待つ(S1042)。ユーザの操作があると、データ処理装置100は、その操作が、マップの移動であるか否かを判定する(S1044)。ユーザによってマップの移動操作がなされた場合、データ処理装置100は、移動した位置での地図を表示する(S1045)。そして、データ処理装置100は、処理状態をS1042に戻す。
また、ユーザの操作がマップの移動でない場合、データ処理装置100は、ユーザの操作が、位置表示マーク311(図4)の移動であるか否かを判定する(S1046)。ユーザによって位置表示マーク311の移動操作がなされた場合、データ処理装置100は、位置表示マーク311を地図上で移動後の位置に移動するとともに、移動後の位置表示マーク311が示す緯度と経度を算出する(S1047)。そして、データ処理装置100は、処理状態をS1042に戻す。
また、ユーザの操作が位置表示マークの移動でない場合、データ処理装置100は、ユーザの操作が終了の指示であるか否か、すなわち、確定ボタン(図4)が操作されたか否かを判定する(S1048)。ユーザによって終了の指示操作がなされた場合、データ処理装置100は、S1047で算出された位置情報、すなわち、緯度と経度を表示されている住所の地点情報と対応付けて記憶し、処理を終了する。また、ユーザの操作が終了の指示でない場合、データ処理装置100は、他の処理(例えば、地図の拡大、縮小等)を実行し、処理状態をS1042に戻す。
図8に、メモリカードへの書き込み処理の処理フローを例示する。この処理は、地点情報管理画面200にて、メニューバー202のファイルメニューから「メモリカードへ書き込む」というメニュー項目を選択することによって実行される。この処理では、データ処理装置100は、まず、メモリカードへの書き込み対象とされた追加POIデータを暗号化する(S201)。そして、データ処理装置100は、標準POIデータ、暗号化した追加POIデータおよびアイコン、オープング画面、利用規約、お知らせ等のデータをメモリカードに書き込む(S202)。その後、データ処理装置100は、処理を終了する。なお、ここでは、標準POIデータは、データ処理装置100にて、修正されたものと修正されていないものを一括してメモリカードに書き込むものとする。ただし、標準POIデータのメモリカードへの書き込みは、そのような処理に限定されるわけではない。例えば、標準POIデータのうち、データ処理装置100で変更されたものを抽出して、メモリカードに書き込むようにしてもよい。また、標準POIデータをメモリカードに書き込むか否かの確認をユーザに促した後、書き込みの指示があったときに書き込むにようにしてもよい。すなわち、ユーザが標準POIデータの書き込みの指示を行わない場合には、データ処理装置100にて、標準POIデータが更新されても、メモリカードには反映しないようにしてもよい。
また、データ処理装置100には、変更前の標準POIデータを保存しておき、必要に応じて、メモリカードを初期状態に復旧するようにしてもよい。
(ナビゲーション装置の例)
次に、本データ処理装置100によって作成されるデータを利用し、経路誘導処理を実行するナビゲーション装置1の構成を説明する。
〔ナビゲーション装置の構成〕
図9は、ナビゲーション装置1の構成図である。メインユニット2は、電子部品類で構成されており、ブレーキ検知部4、リバース検知部5、携帯式プレーヤインターフェース6、放送波受信部7、外部音声/映像入力部8、GPS情報受信部9、車速検知部10、カメラ映像入力部11、アンプ12、開閉制御部13A、角度制御部13B、角度センサ14、モータ15、CDドライブ16、カードメモリインターフェース17、リセットボタン18、ジャイロセンサ19、制御部20が内蔵されている。ディスプレイユニット3は、主に、車両の乗員に対して各種の情報を映像で表示するとともに、ユーザ操作を受け付ける役割を司るデバイス類で構成されており、タッチパネル21、表示処理部22、操作受付部23、操作ボタン24、赤外線受/発光部25を内蔵している。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等で構成されている。制御部20は、車両のアクセサリー電源がオンになると、ROMに記録されたコンピュータプログラムを実行し、カードメモリインターフェース17に挿入されたメモリカードのデータやRAMに格納されているデータ等を使って各種機能を実現する。制御部20が実現する各種機能の詳細については後述する。
次に、ディスプレイユニット3を構成する各構成要素について説明する。タッチパネル21は、カラー液晶ディスプレイとタッチセンサとを組み合わせたGUI(Graphical User Interface)であり、7.0インチのEGA(Enhanced Graphics Adapter)型液晶ディスプレイで画面を表示すると共に、画面に表示されたアイコン等が押されるとタッチセンサがこれを検知する。
表示処理部22は、タッチパネル21の液晶ディスプレイに表示する画面を描画処理する回路である。表示処理部22は、制御部20から送られる映像信号に基づき、液晶ディスプレイに格子状に均等配列された薄膜トランジスタを駆動することで、タッチパネル21の画面を描画する。
操作受付部23は、タッチパネル21へのタッチ操作をタッチセンサが感知すると、タッチされた画面上の位置を特定し、操作された位置の情報を制御部20へ送る。
操作ボタン24は、タッチパネル21にアイコン表示されるボタンではなく、機械的なボタンであり、タッチパネル21の下に配置される操作用の押しボタン式スイッチである。操作ボタン24は、ディスプレイユニット3の左側から順に、開閉ボタン、現在地ボタン、音量調整ボタンで構成されている。音量調整ボタンは、右側が押されると音量アップ、左側が押されると音量ダウンになるように設定されている。これらのボタンが押されると、押されたボタンの信号が制御部20へ送られる。
赤外線受/発光部25は、ナビゲーション装置1と携帯電話とが赤外線で双方向通信を行うためのインターフェースであり、電気で赤外線を発光する発光素子と、受光した赤外線を電気にする受光素子で構成されている。赤外線受/発光部25は、制御部20から送られる制御信号やデータを携帯電話へ送るとともに、携帯電話から送られる制御信号やデータを制御部20へ送る。
次に、メインユニット2の制御部が実現する各種諸機能について詳述する。図10は、制御部20が実現する各種機能部を図示した機能ブロック図である。車両のアクセサリー電源がオンになると、制御部20は、図10に示すような、初期処理機能部50、操作処理機能部51、測位機能部52、ルート案内機能部53、地図データ処理機能部54、ユーザデータ処理機能部55、音声処理機能部56、及び映像処理機能部57等を実現するコンピュータプログラムを実行する。
初期処理機能部50は、ナビゲーション装置1の初期化処理を実行する。初期処理機能部50は、初期化処理として、例えば、ナビゲーション装置1のハードウェア異常をチェックする。初期処理機能部50は、ハードウェア異常を検知すると、この異常状態を示すコーション画面を表示するよう制御する。初期処理機能部50は、初期化処理を継続しながら、オープニング画面を表示するように制御する。初期処理機能部50は、初期化処理が完了すると、オープニング画面を閉じ、映像処理機能部57に所定の画面を表示するように指示する。
操作処理機能部51は、各種機能部の動作を制御するための操作画面を、映像処理機能部57を介してタッチパネル21に表示したり、操作受付部23や操作ボタン24、リセットボタン18からの操作信号を処理し、各種機能部の動作を制御したりする。
測位機能部52は、車両のアクセサリー電源がオンになると、GPS情報受信部9から送られる衛星からの電波の情報、車速検知部10から通知される車両速度の情報、及びジャイロセンサ19から送られる角速度の情報に基づいて車両の位置(緯度と経度)を測位する。
ルート案内機能部53は、車両の現在地からユーザが設定した目的地までのルートを索出し、ルート案内を行う機能部である。ルート案内機能部53は、測位機能部52が測位した車両の位置から目的地までの走行ルートを、カードメモリインターフェース17に挿入されるメモリカードの地図データから索出する。ルート案内機能部53は、索出した走行ルートと車両の位置との関係から車両の進路を決定し、この決定された進路に基づいてルートガイダンスのための音声データや地図画像データがメモリカードから読み出される。ルート案内機能部53は、このように読み出された音声データを音声処理機能部56に送り、地図画像データを映像処理機能部57に送ることにより、音声及び映像によりルート案内を行う。
地図データ処理機能部54は、メモリカードの標準記憶エリアから読み出される地図データやルート案内機能部53が索出した走行ルートのデータ、放送波受信部7を介してFM放送波から取得されるVICS(登録商標)の道路交通情報のデータ、測位機能部52が測位した車両の位置データ等に基づき、タッチパネル21に表示する地図のグラフィックデータを生成する。
ユーザデータ処理機能部55は、ユーザが登録しようとする地点情報(例えば、返却場所の位置情報等)やルート検索の履歴情報、アイコンの表示非表示等の設定情報をRAMで保持したり、RAMから読み出したりする。
音声処理機能部56は、アンプ12を介してスピーカから出力する音声の信号を処理する機能部である。すなわち、音声処理機能部56は、放送波受信部7が受信したラジオ放送、携帯式プレーヤインターフェース6がプレーヤから取得するオーディオ信号、CDドライブ16が再生するオーディオ信号をアンプ12へ送ったり、これらのオーディオ信号にルート案内機能部53からのルートガイダンスの音声信号を重畳し、アンプ12へ送っ
たりする。
映像処理機能部57は、タッチパネル21に表示させる映像データを生成する機能部である。すなわち、映像処理機能部57は、操作処理機能部51が生成する操作画面のデータと、地図データ処理機能部54が生成する表示用地図の画面のデータとを重畳して表示処理部22へ送ったり、放送波受信部7が受信したテレビジョン放送の映像データを表示処理部22へ送ったり、或いはリバース検知部5による車両後退の検知に連動してカメラ映像入力部11からの映像信号を表示処理部22へ送ったりする。なお、映像処理機能部57は、テレビジョン放送の映像データを表示処理部22へ送っている際にブレーキ検知部4がパーキングブレーキの解除を検知すると、映像データの通知を止める。
〔ナビゲーション装置の動作例〕
以下、ナビゲーション装置1の動作例について説明する。
〈起動時〉
まず、ナビゲーション装置1の起動時の動作について図11を用いて説明する。図11は、ナビゲーション装置1の起動時の処理を示すフローチャートである。車両のアクセサリー電源がオンになり、ナビゲーション装置1に電力が供給されると、制御部20は、ROMに格納されているコンピュータプログラムを実行する。このコンピュータプログラムが実行されることにより、図10に示す各機能部がそれぞれ実現される。各機能部のうち、まず、初期処理機能部50が動作する。
初期処理機能部50は、初期化処理の一部としてカードメモリインターフェース17が正常に動作していることを確認すると、そのカードメモリインターフェース17にメモリカードが挿入されているか否かを確認する(S61)。この確認は、例えば、メモリカード内の標準記憶エリアにアクセス可能か否かで判断される。初期処理機能部50は、メモリカードが挿入されていないと判断すると(S61;NO)、その旨を示すコーション(警告)画面を表示する(S63)。メモリカードには地図データ等が格納されているため、メモリカードが挿入されていない場合、ナビゲーション装置1はナビゲーション機能を実行することができない。初期処理機能部50は、このコーション画面によってメモリカードが挿入されていないことを注意喚起する。コーション画面は、予めROMに格納される画面データが初期処理機能部50により読み出され、その画面データが映像処理機能部57に送られることによりタッチパネル21に表示される。
初期処理機能部50は、メモリカードが挿入されていると判断すると(S61;YES)、メモリカードのカスタマイズ記憶エリアに更新オープニング画面データが格納されているか否かを確認する(S62)。初期処理機能部50は、メモリカードに更新オープニング画面データが格納されていると判断すると(S62;YES)、その更新オープニング画面データをメモリカードから読み出す(S64)。一方、初期処理機能部50は、メモリカードに更新オープニング画面データが格納されていないと判断すると(S62;NO)、予めROMに格納されている既存のオープニング画面データを取得する(S65)。初期処理機能部50は、取得された更新オープニング画面データ又は既存のオープニング画面データを映像処理機能部57に送ることにより、オープニング画面をタッチパネル21に表示させる。すなわち、初期処理機能部50は、メモリカードから更新オープニング画像データを取得することができた場合には、この更新オープニング画像データに基づいてオープニング画面を表示させ、更新オープニング画像データを取得することができなかった場合には、既存のオープニング画像データに基づいてオープニング画面を表示させる。
図12は、既存オープニング画面が更新オープニング画面に変更される概念を示す図で
ある。D100(1)が既存オープニング画面データに基づいて表示される既存オープニング画面であり、例えば、ナビゲーション装置1の製品名称が表示される。D100(2)は、更新オープニング画面データに基づいて表示される更新オープニング画面である。図12の例のように、ナビゲーション装置1を搭載するレンタカー会社は、D100(2)のような自社名を強調するオープニング画面に変更したいと望む。このような場合、レンタカー会社の担当者は、D100(2)のための更新オープニング画面データをデータ処理装置100上で生成し、この生成されたデータをメモリカードに格納することで、所望のオープニング画面に変更することができる。ナビゲーション装置1が個人所有車や営業車輌に搭載される場合にも、同様に、好みの更新オープニング画面データを表示させるようにしてもよい。
ここで、更新オープニング画面データの構成について説明する。例えば、更新オープニング画面データは、図12に示すように、中央部に表示される画像データ(D100(2)−1)と、その周辺に表示される背景データ(D100(2)−2)とから構成される。画像データ(100(2)−1)は、ビットマップファイルとして生成され、背景データ(D100(2)−2)は、RGB色モデルのR値、G値、B値をそれぞれ格納するバイナリファイルとして生成される。画像データ(100(2)−1)は、ビットマップ形式に限られず、PNG(Portable Network Graphics)形式、GIF(Graphic Interchange Format)形式、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等で生成されて
もよい。背景データ(D100(2)−2)は、RGB色モデルに限られず、CMYK色モデルが利用されてもよい。このように、更新オープニング画面データは、全表示サイズよりも小さい画像を格納する画像データ(D100(2)−1)と、その周辺の背景の色指定データ(D100(2)−2)とで構成される。これにより、更新オープニング画面データのトータルデータサイズを小さくすることができ、データ容量が制限されるメモリカードにも格納可能となる。なお、データ容量の大きいメモリカードを利用することができる場合には、画像データD100(2)−1のみで更新オープニング画面データを構成するようにしてもよい。
続いて、初期処理機能部50は、メモリカード内のカスタマイズ記憶エリアに格納される他のアプリケーションデータを読み出す(S67)。読み出されるアプリケーションデータには、利用規約データ、お知らせデータ、追加POIデータ等が含まれる。これら読み出されるデータは、レンタカー会社等のユーザにより生成されたデータであるため、個人情報保護の観点から暗号化されていてもよい。上記更新オープニング画面データも同様に暗号化されていてもよい。初期処理機能部50は、読み出されたデータが暗号化されている場合には、そのデータを所定の手法により復号する(S68)。暗号化手法及び復号手法は公知の技術が利用されればよいため、ここでは説明を省略する。初期処理機能部50は、メモリカードから読み出され、必要に応じて復号処理されたアプリケーションデータをRAMに保持しておく。
初期処理機能部50は、オープニング画面を表示しながら上述のような処理を含む所定の初期化処理を実行する。オープニング画面が表示されている間、制御部20の他の各機能部では、次のような処理が実行される。操作処理機能部51は、操作受付部23や操作ボタン24、リセットボタン18からの信号を走査してユーザ操作を受け付ける。測位機能部52は、GPS情報受信部9で取得される測位情報や車速検知部10、ジャイロセンサ19の信号を処理し、車両の位置を測定する。地図データ処理機能部54は、カードメモリインターフェース17に挿入されているメモリカードへアクセスし、測位機能部52が測位した自車位置の周辺の地図データを読み出す。初期処理機能部50は、所定の初期化処理を完了するか又はオープニング画面を表示させてから所定の時間が経過するとオープニング画面を閉じるように映像処理機能部57に指示する。これにより、オープニング画面は、ナビゲーション装置1が起動されてから数秒間表示される。
続いて、初期処理機能部50は、メモリカードに格納されるアプリケーションデータに利用規約データが含まれているか否かを確認する(S69)。初期処理機能部50は、利用規約データが含まれていると判断すると(S69;YES)、この利用規約データを映像処理機能部57に送ることによりオープニング画面の次に利用規約画面を表示させる(S70)。初期処理機能部50は、アプリケーションデータに利用規約データが含まれていない場合には(S69;NO)、利用規約画面を表示させない。
図13は、利用規約画面の例を示す図である。このような画面を表示させることにより、ナビゲーション装置1を搭載するレンタカー会社は、レンタカー利用者にナビゲーション装置1の利用前にこの利用規約を再認識させることができる。利用規約画面(D101)において同意操作が行われると、この利用規約画面(D101)は閉じられる。利用規約画面(D101)は、初期処理機能部50によりメモリカードから取得され保持されている利用規約データに基づいて生成される。利用規約データは、利用規約画面に表示される文字列情報を含むテキストファイルとして生成される。レンタカー会社の担当者は、利用規約画面に表示させたい文字列を含む利用規約データをデータ処理装置100により生成し、この生成されたデータをメモリカードに格納することで、所望の利用規約画面を表示させることができる。逆に、利用規約画面を表示させる必要のない場合には、利用規約データをメモリカードに格納しなければよい。
初期処理機能部50は、利用規約画面(D101)が閉じられると、映像処理機能部57にAVの操作画面とナビの操作画面とを組み合わせたマルチ画面をタッチパネル21に表示するように指示する(S71)。
〈ナビゲーションメイン画面表示時〉
上述のような初期処理機能部50による起動時処理(初期処理)が完了すると、以下に示すナビゲーション機能を実現する各メイン画面が表示される。図14は、ナビゲーション装置1のメイン画面の画面遷移図である。マルチ画面(D102)、ナビ全画面(D103)、オーディオ全画面(D104)がナビゲーション装置1のナビゲーション機能を実現するメイン画面である。以降、図14から16を用いて、これらメイン画面に関連するナビゲーション装置1の動作について説明する。図15はナビに関する画面遷移図である。図16はAV画面の表示モードを示した図である。
映像処理機能部57は、初期処理機能部50からマルチ画面の表示指示を受けると、ROMに格納されている操作ボタン類の画像データや地図データ処理機能部54が読み出した地図データを基に、AVの操作画面とナビの操作画面とを組み合わせたマルチ画面(D102)を生成し、このマルチ画面をタッチパネル21に表示させる。図17は、マルチ画面の例を示す図である。映像処理機能部57は、図17に示すように、AV類の操作ボタン類を配置したAV領域の画面をタッチパネル21の左側に表示し、ナビの地図や操作ボタン類を配置したナビ領域の画面をタッチパネル21の右側に表示させる。AV領域は、更に、ソースを選択するための操作ボタン類をまとめて表示するソース選択領域と、選択されたソースに関連するボタンや情報を表示するソース操作領域とに区分されている。
図17に示すように、映像処理機能部57は、AV領域に、「ラジオ」、「CD」、「iPod」、「外部入力」、「OFF」、及び「AV」ボタンを表示させる。図17の例では、「ラジオ」が選択されており、受信周波数やAM/FMの切り替えボタン、選局ボタン等が表示されている状態を図示している。従って、このとき、音声処理機能部56は、放送波受信部7が受信したAM放送の音声信号を、アンプ12を介してスピーカから出力させている。なお、放送波受信部7にワンセグチューナが含まれている場合には、AV領域に、「ワンセグ」ボタンを表示するようにしてもよい。他方、映像処理機能部57は
、ナビ領域に、地図データ処理機能部54が読み出した地図データに基づいて描画される地図の他、「メニュー」、「目的地」、「周辺」、「返却場所」、「ナビ」、「地図拡大」、及び「地図縮小」ボタンを表示させる。
図18は、ナビ全画面の例を示す図である。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)に表示されている「ナビ」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、AV領域を徐々に隠し、ナビ領域を全画面に表示させる。映像処理機能部57は、図18に示すように、AV領域を消し、ナビ領域をタッチパネル21に全画面表示させる。
ナビ領域には、マルチ画面(D102)と同様、地図や、「メニュー」、「目的地」等の操作ボタンが表示されている。ここで、映像処理機能部57は、ナビ全画面に表示される自車位置のアイコンが、ナビ領域の中心に位置するように画面を表示している。このため、タッチパネル21の表示画面がマルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)に遷移すると、自車位置のアイコンや地図の表示が、画面内で若干スクロールする。一方、映像処理機能部57は、「メニュー」や「目的地」等の操作ボタン類がタッチパネル21の表示画面上で同じ位置になるように画面を表示させる。このため、タッチパネル21の表示画面がマルチ画面(D102)からナビ全画面(D103)に遷移しても、ナビの操作ボタン類がタッチパネル21の画面上でスクロールせず、同じ位置に表示され続ける。但し、「ナビ」ボタンのみ「AV+ナビ」ボタンに表示が変更される。「AV+ナビ」ボタンが押されると、映像処理機能部57は、ナビ全画面(D103)からマルチ画面(D102)へ表示を切り替える。
図19は、AV全画面の例を示す図である。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)に表示されている「AV」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、ナビ領域を徐々に隠し、AV領域を全画面に表示させる。映像処理機能部57は、図19に示すように、ナビ領域を消し、AV領域をタッチパネル21に全画面表示させる。
AV領域には、マルチ画面(D102)と同様、「ラジオ」、「CD」、「iPod」、「外部入力」、及び「OFF」ボタンがソース選択領域に表示されている。また、AV領域には、ソース操作領域が拡大されて、マルチ画面(D102)で表示されていなかった放送局の名称やプリセットの選局ボタン、チャンネル設定ボタンや音設定ボタンが表示されている。また、CDドライブ16にCDが挿入されていることを示す「CDIN」が表示されている。ここで、AV領域には、マルチ画面(D102)で表示されていた「ラジオ」等の操作ボタン類が同じ位置に表示されている。但し、「AV」ボタンのみ「AV+ナビ」ボタンに表示が切り換わる。以下、マルチ画面(D102)とAV全画面(D104)の両方で表示される領域を「AV通常領域」といい、AV全画面(D104)でのみ表示される領域を「AV拡張領域」という。「AV+ナビ」ボタンが押されると、映像処理機能部57は、AV全画面(D104)からマルチ画面(D102)へ表示を切り替える。なお、AV全画面(D104)では、ナビ領域が存在しないので、AV領域がマルチ画面(D102)の時よりも広い。そこで、AV全画面(D104)のソース操作領域には、そのソースに関わる全ての操作ボタンや情報が表示されるようになっている。このように、AV全画面(D104)の場合にのみ表示されるソースの操作ボタンや情報類の表示領域が「AV拡張領域」であり、ソース操作領域の一部を構成している。一方、マルチ画面(D102)とAV全画面(D104)の何れにも表示されるソースの操作ボタンや情報類の表示領域が「AV通常領域」であり、ソース操作領域の一部とソース選択領域とを構成している。
図20は、メイン画面の画面遷移の様子を示した概念図である。ユーザは、図20に示すように、表示窓から覗き込むと見える右側の面(本実施形態でいうナビ画面に相当する)の上に、左側の面(本実施形態でいうAV画面に相当する)が左側から抜き差しされる
ようなイメージで、ナビゲーション装置1のメイン画面を操作できる。よって、今どこにいるのかが判りやすく、安心して操作することができる。
次に、ナビゲーション装置1のAV画面の表示モードについて説明する。図16で示したように、ナビゲーション装置1のAV画面には、ラジオモード、CDモード、iPodモード、外部入力モード、及びオフモードの6つの画面が用意されている。映像処理機能部57は、AV領域の左側に用意されている何れかのソース選択ボタン或いは「OFF」ボタンが押されると、これに対応するモードのAV操作画面を表示させる。映像処理機能部57は、例えば、「ラジオ」ボタンが押されれば、図17に示すようなラジオの周波数や選局ボタンを表示させる。CDやiPodボタンについても同様である。また、映像処理機能部57は、「外部入力」ボタンが押されれば、AV領域に選局ボタン等を表示させると共に、ナビ領域の表示を外部音声/映像入力部8の映像に切り替える。但し、映像処理機能部57は、ブレーキ検知部4がパーキングブレーキ信号の解除を検知した場合、放送波受信部7や外部音声/映像入力部8からの映像表示を止める。なお、放送波受信部7にワンセグチューナが含まれている場合には、AV画面にはワンセグモードが設けられ、「ワンセグ」ボタンが押されれば、AV領域に選局ボタン等を表示すると共に、ナビ領域の表示を放送波受信部7からの映像に切り替えるようにすればよい。
図17に示されるマルチ画面(D102)及び図19に示されるAV全画面(D104)は、既存状態の画面である。ナビゲーション装置1を搭載するレンタカー会社は、メモリカードのカスタマイズ記憶エリアにお知らせデータを格納することにより、お知らせ画面を表示するための「お知らせ」ボタンをAV通常領域に付加することができる。図21は、「お知らせ」ボタンが付加されたマルチ画面(D102)の例を示す図である。図21の例では、AV通常領域の「OFF」ボタンの下の空き領域に「お知らせ」ボタンが表示されている。この場合、AV全画面(D104)においても同様の位置に「お知らせ」ボタンが表示される。
図22は、マルチ画面及びAV全画面の表示処理を示すフローチャートである。映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)又はAV全画面(D104)を表示させる際には、初期処理機能部50によりメモリカードから読み出され保持されたお知らせデータの存在を確認する(S171)。映像処理機能部57は、お知らせデータが存在する場合には(S171;YES)、マルチ画面(D102)及びAV全画面(D104)のAV通常領域に「お知らせ」ボタンを表示させる(S172)。一方で、映像処理機能部57は、お知らせデータが存在しない場合には(S171;NO)、「お知らせ」ボタンを表示させない、即ち、各画面を既存状態で表示させる(S173)。
図23は、お知らせ画面の例を示す図である。マルチ画面(D102)及びAV全画面(D104)のAV通常領域に表示されている「お知らせ」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部57は、図23に示すようなお知らせ画面(D301)をタッチパネル21に表示させる。映像処理機能部57は、図23に示すように、AV領域の「お知らせ」ボタンから立ち上がるように、お知らせ画面(D301)をポップアップ表示する。なお、ポップアップ表示とは、画面に表示されるボタンを押すと、そのボタンから立ち上がるように表示されることを示す。お知らせ画面(D301)は、初期処理機能部50によりメモリカードから読み出され保持されているお知らせデータに基づいて生成される。お知らせデータは、お知らせ画面に表示される文字列情報を含むテキストファイルとして生成される。レンタカー会社の担当者は、お知らせ画面に表示させたい文字列を含むお知らせデータをパーソナルコンピュータ等により生成し、この生成されたデータをメモリカードに格納することで、所望のお知らせ画面を表示させることができる。逆に、お知らせ画面を表示させる必要のない場合には、お知らせデータをメモリカードに格納しなければよい。例えば、レンタカー会社は、レンタカー利用者から頻繁
に問い合わせのある事項をこのお知らせ画面に表示させるようにすれば、利用者からの問い合わせを減らすことができる。
次に、ナビゲーション装置1のナビに関する画面について説明する。マルチ画面(D102)またはナビ全画面(D103)のナビ領域に表示されている「メニュー」ボタン、「目的地」ボタン、「周辺」ボタンがタッチパネル21上で選択されたことを操作処理機能部51が検知すると、映像処理機能部57は、その選択されたボタンに対応する画面をタッチパネル21上に表示させる。
図24は、メニュー画面(D201)の例を示す図である。操作処理機能部51により「メニュー」ボタンが押されたことが検知されると、映像処理機能部57は、図24に示すメニュー画面(D201)をタッチパネル21に表示させる。映像処理機能部57は、図24に示すように、ナビ領域の「メニュー」ボタンから立ち上がるようにメニュー画面(D201)をポップアップ表示する。ここで、映像処理機能部57は、メニュー画面(D201)が「メニュー」ボタンから徐々に立ち上がるようにアニメーション表示し、更に、マルチ画面(D102)がメニュー画面(D201)の下側に見えるようにしている。このようなポップアップ表示とすることにより、ユーザは、メニュー画面がマルチ画面から遷移して表示されていることを視覚で容易に理解することが可能であり、安心して操作することができる。なお、メニュー画面(D201)には、アイコンや施設表示等のユーザ設定用ボタンや、お気に入り地点の編集用ボタンが表示される。ユーザが登録した地点情報は、ユーザデータ処理機能部55により、制御部20内のRAMに記憶される。
図25及び26は、目的地設定画面の例を示す図である。映像処理機能部57は、「目的地」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、目的地設定画面(D202)をタッチパネル21に表示させる。目的地設定画面(D202)の表示手法は、上述のメニュー画面(D201)と同様である。目的地設定画面(D202)には、図25及び26に示されるように、複数の目的地選択方法に対応した複数のボタンが表示される。図25及び26は、目的地設定画面(D202)の右側に表示されるスクロールバー等を選択することにより切り替えられる。目的地選択方法としては、各ボタンに対応して、50音、電話番号、住所、履歴、お気に入り、携帯連携、施設/ジャンル、先程の地図、マップコードを用いた選択方法が提供される。これら選択方法のうち、50音、電話番号、住所、施設/ジャンル、マップコードを用いた選択方法では、メモリカード内の標準記憶エリアに格納されるPOIデータ及びPOI詳細データが利用される。
映像処理機能部57は、操作処理機能部51が目的地設定用の何れかのボタンが押されたことを検知すると、これに対応する画面を表示させる。映像処理機能部57は、例えば、「50音で探す」ボタンが押されれば文字入力用の画面を表示し、「住所で探す」ボタンが押されれば都道府県等を選択する画面を表示し、「携帯連携で探す」ボタンが押されれば赤外線受/発光部25に携帯電話を近づけるようユーザに促す画面を表示し、「履歴で探す」ボタンが押されれば過去に検索したことのある目的地を表示する。赤外線受/発光部25によって携帯電話から供される通信データには、目的地の緯度や経度、或いは住所や電話番号といった位置情報が含まれている。これらいずれかの設定方法により目的地が設定されると、ルート案内機能部53は、測位機能部52が計測する自車位置と目的地までの最短ルートを索出し、ルートガイドを開始する。
図27及び28は、周辺施設検索画面の例を示す図である。映像処理機能部57は、「周辺」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、周辺施設検索画面(D203)をタッチパネル21に表示させる。この表示方法は、上記目的地設定画面(D202)と同様のポップアップ表示である。周辺施設検索画面(D203)には、図27及び28に示されるように、検索対象の各カテゴリに対応した複数のボタンが表示される。
図27及び28は、周辺施設検索画面(D203)の右側に表示されるスクロールバー等を選択することにより切り替えられる。検索対象のカテゴリとしては、各ボタンに対応して、ガソリンスタンド、コンビニ(コンビニエンスストア)、駐車場、ファミレス(ファミリーレストラン)、銀行、ファーストフード、その他施設が提供される。これら検索される各施設は、メモリカード内の標準記憶エリアに格納されるPOIデータ及びPOI詳細データが利用される。映像処理機能部57は、操作処理機能部51が検索対象のカテゴリに対応するボタンが押されたことを検知すると、そのカテゴリに属する施設(POI)を自車位置に近い施設から順に索出してリスト表示させる。
上述したような目的地設定画面(D202)や周辺検索画面(D203)等で目的地が設定されると、ルート案内機能部53によるルートガイドが開始される。ルート案内機能部53は、測位機能部52が計測する自車位置と、地図データ処理機能部54がメモリカードから読み出す地図データとに基づいてルートの案内を行う。ルート案内機能部53は、右折あるいは左折等を行う交差点に車両が接近したら、図29に示すような交差点拡大画面(D204)を表示すると共に、音声処理機能部56に経路案内用の音声データを渡す。図29は、交差点拡大画面(D204)の例を示す図である。図29に示すように、ナビ領域には交差点の拡大図が表示され、車両の進むべき進路が矢印で図示される。なお、このとき、AV領域には、オーディオ/ビジュアル用の操作ボタン類が表示されている。
〈目的地設定時〉
次に、ナビゲーション装置1の目的地設定時の動作について説明する。ナビゲーション装置1は、目的地の設定方法として、上述したような目的地設定画面(D202)や周辺施設検索画面(D203)により設定する方法(以降、第1設定方法と表記する)と、マルチ画面(D102)やナビ全画面(D103)に表示されている「返却場所」ボタンが押されることにより予めレンタカーの返却先として登録されているレンタカー会社の営業所を目的地に設定する方法と、マルチ画面(D102)やナビ全画面(D103)のナビ領域に表示される地点アイコンを選択することによりその地点アイコンの示す地点を目的地に設定する方法(以降、第2設定方法と表記する)と、を提供する。これら方法により設定される目的地は、通常時には、メモリカードの標準記憶エリアに格納されるPOIデータに含まれる1地点であり、ユーザデータ処理機能部55により管理される。
本実施形態におけるナビゲーション装置1は、目的地として設定可能な地点をレンタカー会社等のユーザにより追加し、あるいは既存の地点を修正することを可能としている。レンタカー会社の担当者は、データ処理装置100により追加したい地点情報(追加POIデータ)を生成し、メモリカードのカスタマイズ記憶エリアに格納することで、ナビゲーション装置1上でこの追加した地点を目的地として選択可能とさせることができる。追加POIデータは、追加される各地点について、緯度情報及び経度情報のPOIデータと、施設名称、住所、電場番号、ジャンル名等のPOI詳細データとをそれぞれ含むように生成される。以下、メモリカードの標準記憶エリアに格納されるPOIデータ及びPOI詳細データを標準POIデータとも表記する。一般的には、標準POIデータには、コンビニエンスストアやガソリンスタンド等のような一般ユーザが立ち寄り易い施設や、人気スポット等のような有名な施設や大規模な施設が地点情報として含まれる。よって、ユーザは、新設された施設やスポット、自社の営業所等のように標準POIデータに含まれておらず、目的地として設定したい地点情報を追加POIデータに含める。ただし、標準POIデータについても、地図上に表示される緯度経度情報は、前述の通りユーザにより修正可能である。
以下、追加POIデータがユーザから提供された場合のナビゲーション装置1の目的地設定時の動作例について、上記第1設定方法を用いる場面と第2設定方法を用いる場面と
に分けてそれぞれ詳述する。
《第1設定方法》
図30は、追加POIデータが提供された場合の目的地設定画面の例を示す図である。図31は、追加POIデータが提供された場合の周辺施設検索画面を示す図である。図30及び31に示すように、追加POIデータが提供されている場合の目的地設定画面及び周辺施設検索画面には、「追加データで探す」ボタンがそれぞれ追加される。具体的には、映像処理機能部57は、目的地設定画面及び周辺施設検索画面を表示する際に、初期処理機能部50によりメモリカードから読み出され保持されている追加POIデータが存在するか否かを確認し、追加POIデータが存在する場合に「追加データで探す」ボタンを表示させる。なお、追加POIデータが提供されていない場合の目的地設定画面及び周辺施設検索画面は、図26及び28に示したとおりである。
映像処理機能部57は、操作処理機能部51が「追加データで探す」ボタンが押されたことを検知すると、文字入力用の画面を表示する。映像処理機能部57は、この文字入力用の画面において入力された文字列を操作処理機能部51から取得し、この文字列を施設名称に含む地点を追加POIデータから抽出する。図32は、追加データ検索結果を表示する追加データ検索画面の例を示す図である。図32は、追加POIデータとして、標準POIデータに含まれていない自社の営業所が設定されている例を示している。この追加データ検索画面(D401)では、ユーザによって追加された地点情報のみの中から所定条件で抽出された地点情報のリストが表示される。
一方で、目的地設定画面及び周辺施設検索画面の「追加データで探す」ボタン以外のボタンが選択された場合には、標準POIデータ及び追加POIデータの両データの中から所望の地点が検索される。図33は、追加POIデータが提供されている場合の目的地設定画面及び周辺施設検索画面での検索処理を示すフローチャートである。ここでは、目的地設定画面の「50音で探す」ボタンが押された場合を例に挙げる。
映像処理機能部57は、操作処理機能部51が「50音で探す」ボタンが押されたことを検知すると、文字入力用の画面を表示する。映像処理機能部57は、この文字入力用の画面において入力された文字列を操作処理機能部51から取得する(S281)。映像処理機能部57は、メモリカードの標準記憶エリアに格納されるPOI詳細データからこの文字列を施設名称に含む地点(既存POI)を検索する(S282)。当該POI詳細データとPOIデータとは各地点について関連付けられている。よって、このとき、映像処理機能部57は、抽出された各地点についてPOIデータとPOI詳細データ(施設名称、住所等)とをそれぞれ取得する。
次に、映像処理機能部57は、初期処理機能部50によりメモリカードから読み出され保持されている追加POIデータの存在を確認する(S283)。映像処理機能部57は、追加POIデータが存在する場合には(S283;YES)、追加POIデータから入力された文字列を施設名称として含む地点(追加POI)を検索する(S284)。映像処理機能部57は、その検索の結果、少なくとも1つの追加POIが抽出された場合には(S285;YES)、検索結果を表示する画面に、抽出された追加POIを上記取得されている既存POIよりも優先的に表示する(S286)。具体的には、検索結果を表示する画面がリスト画面である場合には、追加POIがリストの上部に表示され、既存POIが追加POIよりもリストの下部に表示される。検索結果を表示する画面がリスト画面でない場合には、例えば、追加POIが既存POIよりも見え易い態様で表示される。なお、追加POIデータが存在しない場合(S283;NO)及び追加POIデータは存在するが抽出された追加POIが存在しない場合には、抽出された既存POIのみが表示される(S287)。
《第2設定方法》
次に、第2設定方法を用いる場面のナビゲーション装置1の目的地設定時の動作例を説明する。まず、追加POIデータが提供されていない場合のナビゲーション装置1の動作を説明する。初期状態のナビゲーション装置1では、マルチ画面(D102)やナビ全画面(D103)のナビ領域には地点アイコンが表示されていない。ナビゲーション装置1は、図34及び35に示すような施設表示画面(D501)により選択されたカテゴリに属する施設を当該ナビ領域においてアイコン表示する。図34及び35は、施設表示画面の例を示す図である。
映像処理機能部57は、メニュー画面(D201)内の「施設表示」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、施設表示画面(D501)をタッチパネル21に表示させる。施設表示画面(D501)には、図34及び35に示されるように、各ジャンルに対応した複数のボタンが表示される。なお、図34及び35は、施設表示画面(D501)の右側に表示されるスクロールバー等を選択することにより切り替えられる。施設ジャンルとしては、各ボタンに対応して、ガソリンスタンド、コンビニ(コンビニエンスストア)、駐車場、ファミレス(ファミリーレストラン)、銀行、ファーストフード、その他施設が提供される。
映像処理機能部57は、施設表示画面(D501)においていずれかのボタンが選択され「表示」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、この選択されたボタンに対応するジャンルに属する施設(POI)に関し、当該ナビ領域にアイコン表示させる。この各POIのアイコンは、メモリカード内の標準記憶エリアに格納されるPOI詳細データに含まれる。図36は、地点アイコンが表示されたマルチ画面の例を示す図である。図36によれば、マルチ画面のナビ領域にガソリンスタンドのアイコン「GS」(C301)が表示されている。施設表示画面(D501)で「ガソリンスタンドを表示」ボタンが選択された場合にこのようなマルチ画面が表示される。なお、標準POIデータに対して、図4で説明した通り、地図上に表示する位置(即ち、緯度、経度)が変更されている場合は、変更されていた位置にアイコンが表示される。
映像処理機能部57は、マルチ画面(D102)又はナビ全画面(D103)のナビ領域においていずれかの地点アイコンが選択されたことを操作処理機能部51が検知すると、図37に示されるように、当該ナビ領域に表示されていた「目的地」ボタン及び「周辺」ボタンを「ここに行く」ボタン及び「お気に入り」ボタンに変更する。図37は、地点アイコンが選択された場合のマルチ画面の表示例を示す図である。映像処理機能部57は、地点アイコンが選択された状態で「ここに行く」ボタンが押されたことを操作処理機能部51が検知すると、その地点アイコンにより示される地点(POI)を目的地として設定するようにユーザデータ処理機能部55に指示する。なお、地点アイコンが選択された状態で「お気に入り」ボタンが押された場合には、その地点アイコンにより示される地点をお気に入り情報として保持するようにユーザデータ処理機能部55に指示する。
次に、追加POIデータが提供されている場合のナビゲーション装置1の動作を説明する。図38は、ナビ画面の表示処理を示すフローチャートである。ナビ画面とは、ナビ領域に表示される画面を意味する。映像処理機能部57は、ナビ画面を表示すると(S331)、初期処理機能部50によりメモリカードから読み出され保持されている追加POIデータの存在を確認する(S332)。映像処理機能部57は、追加POIデータが存在する場合には(S332;YES)、その追加POIデータに含まれる地点(追加POI)をその追加POIデータに含まれるアイコンデータを用いてアイコン表示する(S333)。なお、映像処理機能部57は、追加POIデータが存在しない場合には(S332;NO)、そのまま次の処理へ進む。次に、映像処理機能部57は、上述した施設表示画
面(D501)によりアイコン表示すべき施設が選択されているか否かを確認する(S334)。映像処理機能部57は、施設表示設定されている場合には(S334;YES)、その設定されている施設(既存POI)をアイコン表示する(S335)。映像処理機能部57は、施設表示設定されていない場合には(S334;NO)、アイコン表示しない。
つまり、ナビゲーション装置1は、追加POIデータが提供されている場合には、施設表示画面(D501)で施設表示設定されていなくとも、常に、ナビ画面に追加POIデータに含まれる地点(追加POI)をアイコン表示する。また、ナビゲーション装置1は、追加POIデータが提供されており施設表示設定されている場合には、追加POIデータに含まれる追加POIと施設表示設定されている既存POIとを共にアイコン表示する。図39は、追加POIと既存POIとが共にアイコン表示されている場合のマルチ画面の例を示す図である。この場合には、図39に示されるように、既存か追加か区別されることなく、ナビ画面には、既存POI(C341)と追加POI(C345及びC346)とが共に表示される。なお、ナビ画面に表示されている地点アイコンを選択して目的地設定する手法については上述したとおりである。
なお、追加POIデータが提供されている場合には、図40に示されるように、施設表示画面(D501)に「追加データを表示」ボタンが表示される。図40は、追加POIデータが提供されている場合の施設表示画面の例を示す図である。施設表示画面(D501)の「追加データを表示」ボタンが選択され「表示」ボタン又は「解除」ボタンが押されると、当該ナビ領域に表示される追加POIデータに基づく地点アイコンの表示、非表示を切り替えることができる。
〔その他の動作例〕
追加POIデータは、例えば、レンタカー会社が、レンタカーを返却する返却先を示す地点情報としても、利用できる。例えば、一般利用者向けの自宅を表示する自宅アイコンに代えて、返却先アイコンを用意し、画面に表示すればよい。また、メニュー画面上に、返却先を示すボタン等を用意すればよい。そして、返却先アイコンまたは返却先ボタンによって、返却先の地点を画面上に表示し、さらに、ユーザのルート案内の開始指示にしたがって、返却先への経路誘導処理を起動するようにすればよい。
その他、追加POIデータは、営業担当者、保守点検作業、保守作業担当等の巡回先を含むようにしてもよい。そして、ユーザによる「追加データを表示」ボタンにしたがって、追加POIデータに定義された巡回先を画面に表示し、ユーザのルート案内の開始指示にしたがって、巡回先への経路誘導処理を起動するようにすればよい。
〔効果〕
以上述べたように、本実施形態のデータ管理装置によれば、ナビゲーション装置を導入して車両に搭載し、社員あるいはユーザ利用させる利用者企業が、独自の地点情報を追加し、目的地への経路誘導に提供することができる。また、利用者企業は、ナビゲーション装置の製造販売業者が提供する標準的な地点情報の位置情報を変更して、独自の地点情報を作成できる。例えば、観光地で営業するレンタカー会社が、その地域特有の観光地の地点情報を追加することができる。また、レンタカー会社が、車両の返却先を指定する地点情報を追加できる。また、営業担当者が利用する車両に対して、営業先、あるいは、巡回先の地点情報を追加し、または、地点情報の示す位置を変更できる。また、例えば、自動販売機のような保守点検作業、保守作業を要する設備の保守担当者が利用する車両に対して、巡回先の地点情報を追加でき、あるいは、標準的に配布される地点情報が示す位置をきめ細かく修正できる。また、地点情報あるいは地点情報を格納した媒体のリリース時期に拘束されることなく、営業所、巡回先の変更に応じて、即座に地点情報を変更することができる。
さらに、これらの地点情報については、目的地の位置を示す座標として利用者企業所望の位置を座標編集画面300によって設定できる。したがって、利用者企業の意向にしたがって、本来経路誘導すべき位置を設定できる。例えば、テーマパークへ行く場合の駐車場への示す地点情報を設定できる。したがって、利用者企業は、ユーザに対して、よりきめ細かく経路誘導を実施するシステムを提供できる。
この場合に、利用者企業は、目的地として、独自のアイコンを編集し、その地点の位置に表示できる。したがって、追加の地点情報、利用者企業独自のアイコン、オープニング画面等により、きめ細かいサービス、利用者企業特有のきめ細かい機能をユーザに提供できる。例えば、利用者企業がレンタカー会社の場合、ユーザに提供するサービスを向上できる。また、利用者企業が営業担当者、保守担当者に、地域に分散する地点を巡回させる業務を実施する場合に、巡回効率を高めることができる。
さらに、利用者企業によって追加された地点情報は、暗号化されてメモリカードに格納され、ナビゲーション装置1にて復号化されて内蔵フラッシュROM26に格納される。したがって、メモリカードが盗難あるいは紛失等にて不明となった場合でも、利用者企業によって追加された地点情報の漏洩を防止し、個人情報の保護を図ることができる。
なお、以上の実施形態では車載用として説明したが、本発明は、車載用に利用できるものであれば如何なるものにも適用可能である。例えば、携帯型のナビゲーション機能を有する電子機器にも適用できる。