JP2010085020A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】還元水の生成、霧化、及び散布という一連の処理を行え、かつ、還元水を空間内の隅々まで散布することができる空気調和機を提供する。
【解決手段】還元水を生成するための水を取得する水取得部3と、水取得部3により取得された水から還元水を生成する還元水生成ユニットUと、還元水生成ユニットUにより生成された還元水を霧化させる還元水霧化部6と、還元水霧化部6により霧化された還元水を還元水ミストとして散布する散布部7と、からなる還元水ミスト散布装置1を内蔵する。
【選択図】図1

Description

本発明は、還元成分が溶解された還元水を散布できる空気調和機に関するものである。
従来より、アンチエイジングや食品の長期保存などを目的として、還元成分(例えば、水素分子やアスコルビン酸)が溶解された還元水(例えば、水素水やアスコルビン酸水溶液)を利用することが行われている。
特許文献1には、この種の還元水を製造できる水素水給水装置が提案されている。この種の水素水給水装置では、住戸へ給水されるべき水の一部が、戸外に設置された電気分解槽へ導入されて水素ガス及び酸素ガスを含んだ水とされる。その後、水素ガス及び酸素ガスを含んだ水が前記住戸へ給水されるべき水と混合された状態で住戸へ給水される。
特開2005−105289号公報
ところで、この種の水素水給水装置は、水素ガス及び酸素ガスを含んだ水が住戸へ給水されるべき水と混合された状態で住戸に供給される。しかしながら、アンチエイジングや食品の長期保存を目的とする際には、還元水を空間内の隅々まで散布することが望ましい。そのため、還元水を霧化し、還元水ミストとして散布することが所望される。また、還元水を空間内の隅々まで散布するためには、空気清浄機、加湿器、エアーコンディショナー等、空間内の空気の清浄、温度や湿度の調整を行う空気調和機に、還元水の生成、霧化、及び散布を行う装置を内蔵させることが望ましい。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、還元水の生成、霧化、及び散布という一連の処理を行え、かつ、還元水を空間内の隅々まで散布することができる空気調和機を提供することを目的とするものである。
本発明の一局面に係る空気調和機は、還元水を生成するための水を取得する水取得部と、前記水取得部により取得された前記水から前記還元水を生成する還元水生成ユニットと、前記還元水生成ユニットにより生成された前記還元水を霧化させる還元水霧化部と、前記還元水霧化部により霧化された前記還元水を還元水ミストとして散布する散布部と、からなる還元水ミスト散布装置を内蔵することを特徴とする(請求項1)。
この構成によれば、空気調和機が、水から還元水を生成し、生成した還元水を霧化し、霧化した還元水を散布する一連の処理を行うことができる。また、還元水を空間内の隅々まで散布することができるので、還元水を、皮膚、髪、食品等の対象物品の隅々にまで散布することができ、対象物品に対して効率的な抗酸化効果を与えることができる。
上記構成において、前記還元水生成ユニットは、アスコルビン酸が充填されたアスコルビン酸カートリッジを備えており、前記還元水が、前記アスコルビン酸カートリッジを通過して、アスコルビン酸が溶解された還元水とされる構成とすることができる(請求項2)。
この構成によれば、アスコルビン酸が溶解された還元水が散布されるので、人の免疫力が向上する。また、コラーゲンが生成される。また、風邪の予防や早期回復が図られる。また、ストレスに対する抵抗力が向上する。また、発がん性物質の発生が抑制される。
上記構成において、前記水取得部が、冷媒ガスを高温高圧に圧縮した後放熱させて冷媒液とする放熱部と、前記冷媒液を減圧した後気化させて前記冷媒ガスとする冷却部と、を備えており、前記冷却部による冷却により空気中の水分を結露させて前記水を取得する構成とすることができる(請求項3)。
この構成によれば、冷却部による冷却効果により空気中の水分を結露させて水を取得する。そのため、ユーザが還元水を生成するための水を装置へ補充する必要がない。
上記構成において、前記水取得部が、冷却面による冷却により、空気中の水分を結露させて前記水を取得するペルチェ素子を備える構成とすることができる(請求項4)。
この構成によれば、装置の体積が小さく、騒音や振動が生じないペルチェ素子で水を取得できるので、水取得部をコンパクトにすることができるとともに、水取得に騒音や振動が生じない。
上記構成において、前記水取得部が、空気中の水分を吸着する吸着剤と、前記吸着剤を加熱して前記吸着剤に吸着された前記水分を脱離させるヒーターと、を備える構成とすることができる(請求項5)。
この構成によれば、吸着剤が空気中の水分を吸着し、吸着剤に吸着された水分が、酸性水溶液の生成のために使用されるので、還元水を生成するための水を、装置に通電しなくても空気中から取得できるので、消費電力の抑制を図ることができる。
上記構成において、前記還元水生成ユニットは、水中で酸性成分を発生させ、前記水中で発生した前記酸性成分がイオン化して発生する陽イオン及び陰イオンを含む酸性水溶液を生成する酸性水溶液生成部と、前記酸性水溶液に含まれる前記陽イオンへ電子を与えて還元して還元成分を生成する還元成分生成部と、前記還元成分生成部により生成された前記還元成分を水中で溶解させて、前記還元成分が溶解された還元水を生成する還元水生成部と、を備えており、前記酸性水溶液生成部は、前記酸性水溶液を生成するための水又は前記酸性水溶液を貯留するとともに、外壁に貫通孔が形成された貯留部と、前記貯留部内に貯留された前記水又は前記酸性水溶液と接する第1の電極と、前記外壁の前記貫通孔と連通する貫通孔を有する絶縁スペーサと、前記第1の電極との間に前記絶縁スペーサを挟持する第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極へ高電圧を印加して、前記絶縁スペーサの前記貫通孔で沿面放電を行って、前記酸性成分の原料を生成するための高電圧印加部と、からなる放電部と、前記絶縁スペーサの前記貫通孔へ送風を導入して、前記沿面放電が行われている前記貫通孔で前記酸性成分の原料を生成させ、前記貫通孔で生成された前記酸性成分の原料を前記貯留部に貯留された前記水へ溶解させて前記酸性成分を発生させる送風部と、を備える構成とすることができる(請求項6)。
この構成によれば、酸性水溶液生成部が、水中で酸性成分を発生させ、前記水中で発生した前記酸性成分がイオン化して発生する陽イオン及び陰イオンを含む酸性水溶液を生成する。この酸性水溶液生成部では、放電部が、第1の電極及び第2の電極へ高電圧を印加して絶縁スペースの貫通孔で沿面放電を行う。また、送風部が絶縁スペースの貫通孔へ送風を導入して、貯留部外部から、絶縁スペーサの貫通孔を通過して貯留部内部の水へ行き渡る泡を大量に発生させる。これにより、絶縁スペーサの貫通孔において酸性成分の原料が大量に生成される。
そして、この絶縁スペーサの貫通孔で生成された酸性成分の原料が、送風部による送風により、外壁の貫通孔を通じて貯留部へ導入され、貯留部に貯留された水へ溶解されて酸性成分とされる。水へ溶解された酸性成分は、水中でイオン化して陽イオン及び陰イオンとなり、その結果、貯留部に貯留されている水が陽イオンの濃度が高い酸性水溶液とされる。
また、この構成によれば、還元成分生成部は、酸性水溶液に含まれる陽イオンへ電子を与えて還元して還元成分を生成する。また、還元水生成部は、還元成分生成部により生成された還元成分を水に溶解させて、還元成分が溶解された還元水を生成する。
そのため、酸性水溶液を生成する処理、前記処理により生成された酸性水溶液に含まれる陽イオンへ電子を与えて還元して還元成分を生成する処理、前記処理により生成された還元成分を水に溶解させる処理を順次行えば、還元水が発生するので、還元水を簡便に発生させることができる。また、酸性水溶液生成部において、放電部が、絶縁スペーサが有する貫通孔が、貯留部に形成された外壁の貫通孔と連通した状態で配置されているので、放電部と貯留部とをコンパクトに一体形成できるので、装置全体をコンパクトにすることができる。
上記構成において、前記外壁が前記絶縁スペーサとして用いられており、前記外壁の貫通孔が前記絶縁スペーサの貫通孔として用いられている構成とすることができる(請求項7)。また、前記外壁が前記第1の電極として用いられている構成とすることもできる(請求項8)。これらの構成によれば、酸性水溶液生成部の部品点数が減少する。
上記構成において、前記陽イオンは水素イオンであり、前記還元成分生成部は、水素よりもイオン化傾向が大きな元素で構成され、前記酸性水溶液に含まれる前記水素イオンを還元して、前記還元成分として水素分子を生成する還元物質と、前記水素分子の生成量を調節する調節部と、を備える構成とすることができる(請求項9)。
この構成によれば、還元成分生成部において、水素よりもイオン化傾向が大きな元素で構成され、酸性水溶液に含まれる陽イオンを還元して、還元成分として水素分子を生成する還元物質が使用され、水素分子の生成量を還元量を調節する調節部を備える。
そのため、還元水ミスト散布装置は、酸性水溶液に高濃度で含まれる水素イオンを容易に還元して水素分子を生成することができる。また、高濃度で含まれる水素イオンを基に生成される水素分子の生成量を任意かつ容易に調節することができるので、還元水として、幅広い水素濃度を有する水素水を容易に発生させることができる。
上記構成において、前記還元物質は、前記調節部へ着脱可能にされている構成とすることができる(請求項10)。この構成によれば、還元物質が水素イオンを還元して、還元物質の体積が減少した際には、体積が減少した還元物質を調節部から取り外して、新たな還元物質を調節部へ取り付けることができる。
上記構成において、前記還元物質は、前記調節部により前記酸性水溶液に浸される範囲が調節可能にされている構成とすることができる(請求項11)。この構成によれば、還元物質が酸性水溶液に浸される範囲を調節して、水素分子の生成量を自在に調節できる。
上記構成において、前記還元水生成ユニットは、前記水取得部により取得された前記水を電気分解する陽極及び陰極を備えており、前記陰極において水素水を前記還元水として生成する構成とすることができる(請求項12)。
この構成によれば、陽極及び陰極に、酸性水溶液生成部、還元成分生成部、及び、還元水生成部の機能が集約されているので、還元水生成ユニットの構造が簡易となり、かつ、小型化を図ることができる。また、陽極及び陰極により水を電気分解することで、水素水が還元水として生成されるので、還元成分を生成するための還元物質が不要となるので、ユーザが還元物質を補充する必要がなくなる。
上記構成において、前記還元水霧化部が、前記還元水に超音波を放射して霧化させる超音波放射素子を備える構成とすることができる(請求項13)。この構成によれば、粒径がナノメートルサイズの液滴を散布することができる。
上記構成において、前記還元水霧化部が、表面弾性波を発生して、前記表面弾性波により前記還元水を霧化させる表面弾性波発生部を備える構成とすることができる(請求項14)。この構成によれば、表面弾性波が伝播する振動面を、還元水の水面と同じ高さに位置させることができるので、装置をコンパクトにすることができる。
上記構成において、前記還元水霧化部が、高電圧が印加されることで発生する高電界により前記還元水を霧化させる静電霧化部を備える構成とすることができる(請求項15)。この構成によれば、粒径がナノメートルサイズの液滴を大量に散布することができる。
上記構成において、前記還元水霧化部が、前記還元水を加圧する加圧部と、前記加圧部により加圧された前記還元水を射出するための小孔と、を備える構成とすることができる(請求項16)。この構成によれば、還元水を大量に霧化させることができる。
上記構成において、前記散布部は、空間内の全体に対して前記還元水を散布する構成とすることができる(請求項17)。この構成によれば、空間内の全体に対して還元水を拡散させて散布することができるので、空間内のあらゆる対象物品に対して抗酸化効果を与えることができる。
上記構成において、前記散布部は、空間内の一部に対して指向的に前記還元水を散布すること構成とすることができる(請求項18)。この構成によれば、還元水を散布する領域を一部に限定して散布することができるので、大量の還元水をピンポイントで対象物品へ散布することができる。
上記構成において、前記散布部は、人体の存在を検出する検出部を備えており、前記検出部が検出した前記人体の方向に対して指向的に前記還元水を散布する構成とすることができる(請求項19)。この構成によれば、人体の存在を自動的に検知し、人体の方向へピンポイントで還元水を散布することができる。
本発明によれば、空気調和機が、水から還元水を生成し、生成した還元水を霧化し、霧化した還元水を散布する一連の処理を行うことができる。また、還元水を空間内の隅々まで散布することができるので、還元水を、皮膚、髪、食品等の対象物品の隅々にまで散布することができ、対象物品に対して効率的な抗酸化効果を与えることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る空気調和機について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和機に内蔵される還元水ミスト散布装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図1に示す還元水ミスト散布装置1は、空気調和機Xに内蔵されており、還元水生成ユニットUと、水取得部3と、還元水霧化部6と、散布部7と、を備える。
還元水ミスト散布装置1において、水取得部3は、後述する酸性成分が水中でイオン化して発生した陽イオンを還元して得られた還元成分が溶解された還元水を生成するための水を取得する。そのため、ユーザが還元水を生成するための水を補充する必要がなくなる。また、還元水霧化部6が、還元水生成ユニットUにより生成された還元水を霧化させ、その後、散布部7が、還元水霧化部6により霧化された還元水を還元水ミストとして散布する。そのため、還元水を空間内に散布することができる。
また、還元水ミスト散布装置1において、還元水生成ユニットUは、水取得部3により取得された水から還元水を生成する。このような還元水生成ユニットUは、酸性水溶液生成部2、還元成分生成部4、及び、還元水生成部5を備える。
還元水生成ユニットUにおいて、酸性水溶液生成部2は、水中で酸性成分を発生させ、水中で発生した酸性成分がイオン化して発生する陽イオン及び陰イオンを含む酸性水溶液を生成する。ここに、酸性成分は、過酸化水素や硝酸が挙げられ、これら過酸化水素や硝酸が水に溶解すれば、少なくとも、陽イオンとして水素イオンが発生する。
また、還元成分生成部4は、酸性水溶液に含まれる陽イオンへ電子を与えて還元して還元成分を生成する。すなわち、酸性成分は酸性水溶液内においてはイオン化するため、酸性水溶液は少なくとも酸性成分から発生した陽イオンを含んでいる。ここに、酸性成分から発生した陽イオンは、酸性成分が過酸化水素や硝酸である際には水素イオンである。この場合、還元成分生成部4は、酸性水溶液に溶解されることによりイオン化した過酸化水素や硝酸から発生した水素イオンに電子を与えて還元し、還元成分として水素分子を生成する。
また、還元水生成部5は、還元成分生成部4により生成された還元成分を水に溶解させて、還元成分が溶解された還元水を生成する。ここに、還元水は、本実施形態では水素水である。
尚、このような還元水生成ユニットUは、アスコルビン酸が充填されたアスコルビン酸カートリッジを備えていてもよい。つまり、還元水生成ユニットUにおいて生成された還元水に、アスコルビン酸カートリッジに充填されたアスコルビン酸が溶解することで、還元水が、アスコルビン酸が溶解された還元水とされるのである。例えば、アスコルビン酸カートリッジが還元水生成部5の後段に取り付けられ、還元水生成部5により生成された還元水がアスコルビン酸が溶解された還元水とされて還元水霧化部6へと送られるようにすることができる。このように、還元水がアスコルビン酸が溶解された還元水とされるので、このような還元水が散布された人に対して、以下の効果を与えることができる。例えば、人の免疫力が向上する。また、コラーゲンが生成される。また、風邪の予防や早期回復が図られる。また、ストレスに対する抵抗力が向上する。また、発がん性物質の発生が抑制される。
図2は、還元水ミスト散布装置の具体的構成の一例を示す図である。以下、図2に示す還元水ミスト散布装置1は、本明細書において、「具体的構成例1」とされる。
尚、以下に示す具体的構成例1〜3は、主として水取得部3の種々の構成例を示している。また、以下に示す具体的構成例4は、主として酸性水溶液生成部2の構成例を示している。また、以下に示す具体的構成例5〜8は、主として還元水霧化部の種々の構成例を示している。
[具体的構成例1]
図2に示す還元水ミスト散布装置1において、水取得部3は、冷媒ガスを高温高圧に圧縮した後放熱させて冷媒液とする放熱部34と、冷媒液を減圧した後気化させて冷媒ガスとする冷却部37と、を備える。すなわち、水取得部3は、放熱部34及び冷却部37を有した熱交換器を備える。
このような水取得部3において、放熱部34及び冷却部37は、冷凍サイクル部Fに備えられている。そして、放熱部34は、冷媒ガスを高温高圧に圧縮する圧縮器35と、高温高圧とされた冷媒ガスを放熱することで冷却して冷媒液とする凝縮器36とを備える。
また、冷却部37は、乾燥器Dにより乾燥された冷媒液を減圧して気化しやすくする膨張弁30と、減圧された冷媒液を気化させて冷媒ガスとする蒸発器31と、蒸発器31に当接して設けられた熱伝導部材32と、熱伝導部材32に当接して設けられた結露水発生部33と、を備える。
このような冷却部37において、結露水発生部33、熱伝導部材32、及び、蒸発器31は、熱的に接続されており、蒸発器31による冷却の効果が、熱伝導部材32を通じて結露水発生部33に及ぶ。その結果、結露水発生部33が冷却され、結露水発生部33の周囲の空気が冷却されて結露水発生部33の表面に結露水(以下、単に「水」という)Wが付着する。尚、結露水発生部33と熱伝導部材32とは一体形成されていてよい。また、結露水発生部33に熱伝導部材32が固着されていてもよい。また、結露水発生部33に熱伝導部材32が接触していてもよい。いずれの場合も、結露水発生部33と熱伝導部材32とで熱を高効率でやり取りできる構成が好ましい。
このような冷却部37により結露水発生部33に発生した水Wは、水タンクTに流入し、酸性水溶液生成部2に吸い上げられる。酸性水溶液生成部2に吸い上げられた水Wは、還元水生成ユニットU、つまり、酸性水溶液生成部2、還元成分生成部4、及び、還元水生成部5により還元水M3とされる。そして、還元水M3は、還元水霧化部6により霧化され、散布部7として構成されている送風ファンによる送風により還元水ミストとして散布される。
このような水取得手段3によれば、冷却部37の冷却効果により空気中の水分を結露させて水を取得するため、ユーザが還元水M3を生成するための水を補充する必要がない。
図3は、還元水ミスト散布装置の具体的構成例2を示す図である。尚、図2に示す還元水ミスト散布装置1と同一の要素は、図2に示す符号と同一の符号が付される。また、説明が省略される。
[具体的構成例2]
図3に示す還元水ミスト散布装置1において、水取得部3は、冷却面40による冷却により、空気中の水分を結露させて水を取得するペルチェ素子38を備える。
ペルチェ素子38は、前記冷却面40及び放熱面42を備える。そして、冷却面40には結露水発生部33が取り付けられている。尚、冷却面40と結露水発生部33とは熱的に接続されていればよい。一方、放熱面42には放熱フィン43が取り付けられている。
このような水取得部3において、ペルチェ素子用電源41によりペルチェ素子38が通電された際には、ペルチェ素子38の冷却面40が冷却され、その冷却効果が結露水発生部33に及ぶ。そのため、結露水発生部33も冷却されて、結露水発生部33の周囲の空気が冷却されて結露水発生部33の表面に水Wが付着する。一方、ペルチェ素子38の放熱面42からは熱が発生するが、その熱は放熱フィン43により放熱される。
このようなペルチェ素子38により結露水発生部33に発生した水Wは、水タンクTに流入し、酸性水溶液発生部2に吸い上げられる。酸性水溶液生成部2に吸い上げられた水Wは、還元水生成ユニットU、つまり、酸性水溶液生成部2、還元成分生成部4、及び、還元水生成部5、により還元水M3とされる。還元水M3は還元水霧化部6により霧化される。還元水霧化部6により霧化された還元水M3は、散布部7として構成されている送風ファンによる送風により還元水ミストとして散布される。
このような水取得部3によれば、装置の体積が小さく、騒音や振動が生じないペルチェ素子38で水を取得できるので、水取得部3をコンパクトにすることができるとともに、水取得に騒音や振動が生じない。
図4は、還元水ミスト散布装置の具体的構成例3を示す図である。尚、図2に示す還元水ミスト散布装置1と同一の要素は、図2に示す符号と同一の符号が付される。また、説明が省略される。
[具体的構成例3]
図4に示す還元水ミスト散布装置1において、水取得部3は、空気中の水分を吸着する吸着剤45と、吸着剤45を加熱して吸着剤45に吸着された水分を脱離させるヒーター49と、を備える。ここに、吸着剤45は、例えば、ゼオライトが好適である。
このような水取得部3において、ハウジング51内の下部には、ポリプロピレン等の硬質素材からなる水タンクTが設けられており、この水タンクTの上開口Taを吸着体44で閉塞している。
吸着体44は、主体となる吸着材45と、吸着剤45の裏面側に配設された網等の通水性がある硬質の裏板46と、吸着剤45の表面側に配設された透湿性且つ非透水性のフィルム47とで構成されている。そして、裏板46は、水タンクTの上開口Taに設けられた受け部48に支持されており、裏板46上に吸着材45が充填され、上開口Taの上端がフィルム47でシールされている。また、吸着体44内には、ヒーター49が設けられている。
また、吸着体44には水搬送部50が嵌挿されており、水搬送部50の下端部が、水タンクTの下部に位置しており、水搬送部50の上端部がハウジング51の上部に位置している。
このような水搬送部50は、棒状の形状とされており、水タンクTに溜まった水を先端(上端)に毛細管現象で搬送するための細い孔を形成したもの又は多孔質の材料で形成されている。
このような水取得部3において、空気中の水分が破線矢印で示すように、フィルム47を介して吸着材45に吸着される。このように空気中の水分が吸着した吸着剤45から水分を脱離させるには、ヒーター49に通電する。そして、ヒーター49により熱せられた吸着剤45からは、水分が脱離する。吸着材45から脱離した水は裏板46から水タンクT内に流れて溜まる。一方、吸着剤45に水分を吸着させるには、ヒーター49への通電を停止する。
このようにして水タンクTに溜まった水Wは、水搬送部50における毛細管現象により、酸性水溶液生成部2へ送られる。酸性水溶液生成部2に送られた水Wは、還元水生成ユニットU、つまり、酸性水溶液生成部2、還元成分生成部4、及び、還元水生成部5により還元水M3とされる。還元水M3は還元水霧化部6により霧化される。還元水霧化部6により霧化された還元水M3は、散布部7として構成されている送風ファンによる送風により還元水ミストとして散布される。
この構成によれば、吸着剤45が空気中の水分を吸着し、吸着剤45に吸着された水分が、還元水M3の生成のために使用されるので、還元水M3を生成するための水を、装置に通電しなくても空気中から取得できるので、消費電力の抑制を図ることができる。
図5は、還元水ミスト散布装置の具体的構成例4を示す図である。尚、図2に示す還元水ミスト散布装置1と同一の要素は、図2に示す符号と同一の符号が付される。また、説明が省略される。
[具体的構成例4]
以下、「上流」、「下流」との記載は、送風部26から導入される送風に対する上流、下流をそれぞれ示すものとする。
図5に示す還元水ミスト散布装置1において、酸性水溶液生成部2は、貯留部20、放電部25、及び、送風部26を備える。このような酸性水溶液生成部2において、貯留部20は、図1に示す水取得部3としても設けられており、酸性水溶液M1の原料となる水、又は、酸性水溶液M1を貯留する。このような貯留部20は、放電部25の下流側に密着して配置されるタンクであり、その内部空間が、絶縁スペーサ21の貫通孔21aと連通している。
また、酸性水溶液生成部2において、放電部25は、貯留部20と一体形成されており、微小な貫通孔21aを有する絶縁スペーサ21と、絶縁スペーサ21の上流側に配置された上流側電極(第2の電極)22と、絶縁スペーサ21の下流側に配置された下流側電極(第1の電極)23と、上流側電極22及び下流側電極23へ高電圧を印加して、絶縁スペーサ21の貫通孔21aで沿面放電を行って、貫通孔21aで酸性成分の原料を生成するための高電圧印加部24と、を備える。尚、上流側電極22及び下流側電極23は、金属等の導体で構成されている。
また、放電部25において、絶縁スペーサ21が、貯留部20内に貯留されている水又は酸性水溶液M1と接しており、貯留部20と外部空間とを隔てる外壁とされている。そして、絶縁スペーサ21の貫通孔21aが、外壁における貫通孔とされている。
尚、放電部は、以下に示す構成であってもよい。つまり、下流側電極(第1の電極)23が、貯留部20内に貯留されている水又は酸性水溶液M1と接しており、貯留部20と外部空間とを隔てる外壁とされている。そして、下流側電極23には、外壁における図示しない貫通孔が形成されている。このような貫通孔には、絶縁スペーサ21の貫通孔21aが連通している。このような構成も、以下に示す効果を得ることができる。
このような放電部25において、絶縁スペーサ21はセラミックスボード等の不導体で構成されており、上流側電極22及び下流側電極23で挟持された構成とされている。尚、絶縁スペーサ21が有する貫通孔21aの孔径は、数十μm〜数mm程度、好ましくは、数100μmである。尚、前記貫通孔21aは、数100μm程度と非常に微小径に設けているため、空気の流通を確保しながらも、貯留部20に貯留されている水が貫通孔21aに侵入することを、表面張力により防止できる。
また、上流側電極22及び下流側電極23は、高電圧印加部24に接続されている。上流側電極22及び下流側電極23は、高電圧印加部24により、マイクロプラズマ放電用の高電圧が印加される。これにより、上流側電極22及び下流側電極23に挟持された絶縁スペーサ21が有する貫通孔21aで沿面放電が生じる。
また、酸性水溶液生成部2において、送風部26は、放電部25の上流側に位置して設けられており、絶縁スペーサ21の貫通孔21aへ送風を導入する。これにより、貯留部20の外部から、貫通孔21aを通過して貯留部20の内部に貯留されている水へ行き渡る泡Bを大量に発生させることができ、放電部25の放電により沿面放電が生じている貫通孔21aにおいて酸性成分の原料が大量に生成される。
そして、この貫通孔21aで大量に生成された酸性成分の原料が、送風部26による送風により、貫通部21aと連通して配置された貯留部20へ導入されて、貯留部20に貯留された水へ溶解される。
ここに、酸性成分の原料は、酸性成分が先述した過酸化水素や硝酸である場合には、スーパーオキサイドラジカル、ヒドロキシラジカル、窒素酸化物、硝酸イオンが挙げられる。このような酸性成分の原料が、貯留部20に貯留されている水の中に溶け込んで過酸化水素や硝酸が発生する。
つまり、スーパーオキサイドラジカル、ヒドロキシラジカルが水に溶け込んで過酸化水素が発生して、貯留部20に貯留されている水が、過酸化水素が溶解された水に変質する。また、窒素酸化物、硝酸イオンが水に溶け込んで硝酸が発生して、貯留部20に貯留されている水が、硝酸が溶解された水に変質する。そして、貯留部20に貯留されている水は、過酸化水素や硝酸が溶解された水に変質した際には、過酸化水素や硝酸が、陽イオン及び陰イオンにイオン化することにより、少なくとも陽イオンとして水素イオンが含まれた水となる。
このような酸性水溶液生成部2によれば、放電部25が、貯留部20の上流側において、絶縁スペーサ21が有する貫通孔21aが貯留部20と連通した状態で配置されているので、放電部25と貯留部20とをコンパクトに一体形成できるので、装置全体をコンパクトにすることができる。
また、酸性成分の原料が、放電部25及び送風部26により貯留部20内の水に高濃度で溶解されるため、陽イオンが高濃度に含まれた酸性水溶液M1を生成することができる。
尚、先述した酸性水溶液生成部2において、下流側電極23が、貯留部20と外部空間とを隔てる外壁とされている。また、絶縁スペーサ21が、貯留部20と外部空間とを隔てる外壁とされており、絶縁スペーサ21の貫通孔21aが、前記外壁の貫通孔とされている。
また、図5に示す還元水ミスト散布装置1において、還元成分生成部4は、水素よりもイオン化傾向が大きな元素で構成され、酸性水溶液M1に含まれる水素イオンを還元して、還元成分として水素分子を生成する還元物質4Aと、水素分子の生成量を調節する調節部4Bと、を備える。
このような還元成分生成部4において、還元物質4Aは、本実施形態では亜鉛である。尚、還元物質4Aは亜鉛以外にも、水素よりもイオン化傾向が大きい元素で構成された物質が挙げられる。また、調節部4Bは、還元物質4Aが着脱可能に取り付けられており、還元物質4Aが酸性水溶液M1に浸される範囲を調節する機能を有する。尚、調節部4Bは、本実施形態では、貯留部20の内部空間において上下に移動することが可能な調節棒である。しかしながら、調節部4Bは、貯留部20の内部空間において上下に移動する構成には限られない。
つまり、調節部4Bは、還元物質4Aが酸性水溶液M1に浸される範囲を調節できる機構が挙げられる。例えば、調節部4Bを回転させて還元物質4Aの酸性水溶液M1の液面に対する角度を調節することにより、還元物質4Aが酸性水溶液M1に浸される範囲が調節されてもよい。また、調節部4Bの回転が、手動ではなくモータの回転により行われてもよい。
このような還元成分生成部4において、還元物質(亜鉛)4Aは、調節部(調節棒)4Bが貯留部20の内部空間において上下に移動することに伴って、酸性水溶液M1に浸される範囲が大小する。
還元物質(亜鉛)40において、酸性水溶液M1に浸された範囲が、酸性水溶液M1に含まれる水素イオンを還元する。すなわち、還元物質(亜鉛)4Aにおいて、酸性水溶液M1に浸された範囲が、酸性成分が酸性水溶液M1においてイオン化して発生した水素イオンへ電子を与え、自らは亜鉛イオンとなる。その結果、水素イオンが電子を受け取って水素原子となり、水素原子が2つづつ結合して水素分子となる。
このような還元成分生成部4によれば、酸性水溶液M1に高濃度で含まれる水素イオンを容易に還元して、還元成分M2として水素分子を生成することができる。また、高濃度で含まれる水素イオンを基に生成される水素分子の生成量を任意かつ容易に調節することができるので、還元水M3として、幅広い水素濃度を有する水素水を容易に発生させることができる。
また、図5に示す還元水ミスト散布装置1において、貯留部20において還元物質4Aの略真上に相当する位置からは還元成分供給管Tが導出されており、この還元成分供給管Tを介して還元水生成部5が接続されている。ここに、還元成分M2である水素分子は空気よりも比重が非常に小さいので還元物質4Aの略真上に上昇するから、還元成分供給管Tが、先述したように、還元物質4Aの略真上から導出されている。
還元成分供給管Tにはポンプ8Aが設けられており、このポンプ8Aが還元成分M2を還元水生成部5へ送り出す。これにより、還元成分M2が還元水生成部5へ導入されて還元水M3が生成される。
また、図5に示す還元水ミスト散布装置1において、還元水生成部5からは還元水供給管9が導出されており、この還元水供給管9を介して還元水霧化部6が接続されている。還元水供給管9にはポンプ8Bが設けられており、このポンプ8Bが還元水M3を還元水霧化部6へ送り出す。還元水霧化部6は、ポンプ8Bにより還元水生成部5から送り出された還元水M3をミスト状に霧化する。還元水霧化部6により霧化された還元水M3は、散布部7により還元水ミストとして散布される。
このような還元水発生装置1によれば、酸性水溶液M1を生成する処理、前記処理により生成された酸性水溶液M1に含まれる陽イオンへ電子を与えて還元して還元成分を生成する処理、前記処理により生成された還元成分を水に溶解させる処理を順次行えば、還元水M3が発生するので、還元水M3を簡便に発生させることができる。
図6は、還元水ミスト散布装置の具体的構成例5を示す図である。尚、図2に示す還元水ミスト散布装置1と同一の要素は、図2に示す符号と同一の符号が付される。また、説明が省略される。
[具体的構成例5]
図6に示す還元水ミスト散布装置1において、還元水霧化部6は、表面弾性波を発生して、表面弾性波により還元水M3を霧化させる表面弾性波発生部64を備える。このような表面弾性波発生部64は、基板61の一表面の一端に設けられ、高周波電源が接続された振動子から構成されている。このような表面弾性波発生部64では、振動子が振動した際には、その振動波が基板61の前記一表面上を表面弾性波となって伝播する。
一方、基板61の前記一表面の他端には凹状の水溜め部20が設けられており、水溜め部20には、水溜め部20に水Wが溜まった状態で水Wに浸される陽極53及び陰極54が設けられている。この陽極53及び陰極54は、水溜め部20に溜まった水Wを電気分解して陰極54側に還元水(ここでは水素水)M3を生成する機能を有している。つまり、陽極53及び陰極54は、先述した、還元水生成ユニットU、つまり、酸性水溶液生成部2、還元成分生成部4、及び、還元水生成部5の機能を1つに集約したものである。
また、このような還元水発生装置1において、水取得部3は、ペルチェ素子38で構成されており、ペルチェ素子38へ通電した際には、ペルチェ素子38の冷却部40による冷却効果により空気中の水分を結露させて水Wを取得する。そして、取得された液体Wは毛細管52を毛細管現象により移動して、基板61上の水溜め部20へと送られる。
このような還元水発生装置1によれば、ペルチェ素子38への通電により取得された水Wは、陽極53及び陰極54により電気分解されて、陰極54側で還元水M3(ここでは水素水)となる。そして、還元水M3は、表面弾性波発生部64により発生され基板61上に伝播される表面弾性波によって霧化され還元水ミストとなり、散布部7として構成されている送風ファンによって還元水ミストとして散布される。
このような還元水ミスト散布装置1によれば、表面弾性波が伝播する振動面を、還元水M3の水面と同じ高さに位置させることができるので、装置1をコンパクトにすることができる。
尚、このような還元水ミスト散布装置1において、水取得部3は、ペルチェ素子38への通電により水Wを取得する構成には限定されない。例えば、具体的構成例1に例示する熱交換器の冷却部を使用する構成、及び、具体的構成例2に例示する吸着剤45による水分吸着効果を使用する構成が挙げられる。
図7は、還元水ミスト散布装置の具体的構成例6を示す図である。尚、図2に示す還元水ミスト散布装置1と同一の要素は、図2に示す符号と同一の符号が付される。また、説明が省略される。
[具体的構成例6]
図7に示す還元水ミスト散布装置1において、還元水霧化部6は、還元水M3に超音波を放射して霧化させる超音波放射素子60を備える。このような超音波放射素子60は、基板61、断熱層62、及び、発熱体63を備える。
超音波放射素子60において、基板61は例えばシリコン基板からなる。また、断熱層62は、基板61の厚み方向の一表面側に形成されており、基板61に比べて熱伝導率が十分に小さな多孔質シリコン層からなる。また、発熱層63は、断熱層62上に形成され、断熱層62よりも熱伝導率及び導電率が大きな金属薄膜(例えば、金薄膜) からなる。
このような超音波放射素子60において、発熱体63 への交流電流の通電に伴う発熱体63と媒体(例えば、空気)との熱交換により、超音波が発生する。
このような超音波放射素子60により、還元水生成部5により生成された還元水M3に対して、超音波が放射される。これにより、還元水M3の液面が順次霧化される。その結果、粒径がナノメートルサイズの液滴が大量に生じるので、このような大量の液滴を散布部7が還元水ミストとして散布することができる。
図8は、還元水ミスト散布装置の具体的構成例7を示す図である。尚、図2に示す還元水ミスト散布装置1と同一の要素は、図2に示す符号と同一の符号が付される。また、説明が省略される。
[具体的構成例7]
図8に示す還元水ミスト散布装置1において、還元水霧化部6は、放電電極65及び対向電極66と、放電電極65に還元水M3を供給する還元水供給管67と、放電電極65に高電圧を印加する高電圧印加部68と、を備える。
このような還元水霧化部6において、還元水送水管67に流入した還元水M3は、還元水供給管67を通り放電電極65の先端部65aまで送られる。
このように放電電極65に還元水M3が供給された状態で、高電圧印加部68により放電電極65と対向電極66との間に高電圧が印加された際には、放電電極65と対向電極66との間に電界が発生するとともに、放電電極65の先端部65aに供給された還元水M3に電荷が蓄えられる。
その結果、放電電極65の先端部65aに供給された還元水M3と対向電極66との間にクーロン力が働き、還元水M3の液面が局所的に錐状に盛り上がる。このように還元水M3の液面が局所的に錐状に盛り上がった箇所がテーラーコーンTである。
このようにテーラーコーンTが形成されると、該テーラーコーンTの先端に電荷が集中してテーラーコーンTの先端における電界強度が大きくなり、テーラーコーンTの先端に生じるクーロン力が大きくなる。すると、更にテーラーコーンTが成長する。
このようにテーラーコーンTが成長し該テーラーコーンTの先端に電荷が集中して電荷の密度が高密度となると、テーラーコーンTの先端部分の還元水M3が大きなエネルギー(高密度となった電荷の反発力)を受け、表面張力を超えて分裂・飛散(レイリー分裂)を繰り返す。その結果、ナノメートルサイズの粒径を有する還元水M3が大量に発生する。
このような還元水ミスト散布装置1によれば、粒径がナノメートルサイズの液滴を、散布部7により、還元水ミストとして大量に散布することができる。尚、図8に示す還元水ミスト散布装置1において、放電電極65及び対向電極66で静電霧化部が構成されているが、対向電極66が必ず設けられていなければならないことはなく、放電電極65のみで静電霧化部が構成されていてもよい。この場合でも、放電電極65において放電が生じて、静電霧化された還元水M3が、図示しない筐体方向などに向かって散布される。
図9及び図10は、還元水ミスト散布装置の具体的構成例8を示す図である。尚、図2に示す還元水ミスト散布装置1と同一の要素は、図2に示す符号と同一の符号が付される。また、説明が省略される。
[具体的構成例8]
図9は、還元水ミスト散布装置の具体的構成例8を示す図であり、図9(a)は還元水ミスト散布装置を上方視した場合を示す図、図9(b)は還元水ミスト散布装置の側面図である。
図9に示す還元水ミスト散布装置1において、還元水霧化部6は、還元水M3を加圧する加圧部(ポンプ)17と、ポンプ17により加圧された還元水M3を射出するための小孔18と、を備える。
図9に示す還元水ミスト散布装置1において、ペルチェ素子38に通電した際には、ペルチェ素子38の冷却面40による冷却効果により、冷却面40の周囲の空気中の水分が結露されて結露水(水W)とされる。このような水Wは、毛細管現象により、毛細管92を通じて基板61上の水溜め部20へと送られる。水溜め部20へ送られた水Wは、陽極53及び陰極54からなる電気分解手段90により電気分解されて、水素水が還元水M3として生成される。生成された還元水M3は、毛細管現象により、毛細管92を通じてポンプ17へと送られる。
ポンプ17へ送られた還元水M3は加圧され、加圧水管93を通じて小孔18へ達し、小孔18から還元水ミストとして散布される。つまり、図9に示す還元水ミスト散布装置1において、ポンプ17及び小孔18が、還元水霧化部6及び散布部7とされている。
このような還元水ミスト散布装置1によれば、還元水M3を大量に霧化させることができる。
図10は、ポンプ(加圧部)17の動作を説明するための図であり、図10(a)は還元水M3の吸入時の動作を説明するための図、図10(b)は還元水M3の排出時の動作を説明するための図、をそれぞれ示す。
図10に示すポンプ17において、圧電素子70の上下面に、電極76及び77が取り付けられており、電極76及び77には交流電源が接続されている。このような電極76及び77へ電圧が印加された際には、圧電素子70の厚み方向に電界が発生する。
このような電界の方向が、図10(b)に示すように、圧電素子70の分極の方向と同じ方向である場合には、圧電素子70がその厚み方向へ伸び、径方向へ縮む。その結果、駆動ダイヤフラム72のたわみが減少する。一方、電界の方向が、図10(a)に示すように、圧電素子70の分極の方向と逆の方向である場合には、圧電素子がその径方向へ伸び、厚み方向へ縮む。その結果、駆動ダイヤフラム72のたわみが増加する。
ここに、電界の方向を、圧電素子70の分極の方向と同じ方向、又は、逆の方向とするには、電極76及び77のプラス又はマイナスの極性を交互に入れ替える。尚、電極76及び77には交流電源が接続されているので、極性が自動的に入れ替わる。
このように、電界の方向を、圧電素子70の分極の方向と同じ方向、又は、逆の方向へ交互に入れ替えることで、駆動ダイヤフラム72が、その厚み方向へ振動する。この駆動ダイヤフラム72の振動が、図示しない被駆動ダイヤフラムに伝達される。その結果、空間73の体積が変動する。
空間73の体積が、図10(a)に示すように増加した際には、空間73の内部の圧力が低下するので、吸入管75内部の弁が開き、還元水M3を吸入する。一方、空間73の体積が、図10(b)に示すように減少した際には、空間73の内部の圧力が増加するので、排出管74内部の弁が開き、還元水M3を排出する。
このように、圧電素子70において生じる電界の方向を入れ替えることにより、吸入管75を通じて還元水M3を吸入すること、及び、排出管74を通じて還元水M3を排出すること、が繰り返されるので、図9に示す還元水ミスト散布装置1において、水溜め部20に溜まった水を電気分解することより生じた還元水Mを加圧して、加圧水管93へ排出することができる。
[空気調和機の具体的構成例]
図11は、本発明の一実施形態に係る空気調和機の具体的構成例を模式的に示す図である。図11に示す空気調和機Xは、エアーコンディショナーとして使用される空気調和機である。このような空気調和機Xにおいて、ハウジング82の前面上部には、空気吸い込み口81が設けられている。また、ハウジング82の前面下部には、ルーバ88を備えた空気吹き出し口87が設けられている。また、ハウジング82の内部には、熱交換機80、及び、横流ファンで形成されたファン83が配設されている。
また、ハウジング82の内部には、空気吸い込み口81からファン83を経て、空気吹き出し口87に至る送風経路85を形成するための隔壁84が配設されている。ここに、ハウジング82の内部において、下部後方部分は、隔壁84によって送風経路5から区画されている部分であるとともに、排水用のドレインパイプ89がハウジング82の右端ないし左端から外部に引き出される際に使用されるためのデッドスペースである。このようなデッドスペースには、還元水ミスト散布装置1が設置されている。そして、還元水ミスト散布装置1からは還元水ミスト送出管86が、空気吹き出し口87まで導出されている。ここに、還元水ミスト送出管86の一端は、空気吹き出し口87において、ルーバ88に添って開口していてもよい。空気吹き出し口87からは、還元水M3が還元水ミストとして散布される。
また、空気調和機Xは、人体の存在を検出する複数の人体検出センサ(検出部)100が、ハウジング82の外側の適所に設けられている。ここに、人体検出センサ100を設置するべき場所は、例えば、ハウジング82の前面、左側面、右側面の各々が挙げられる。人体が存在する方向へルーバ88を動かすためである。また、空気調和機Xは、ルーバ88を動かすモータ101、及び、モータ101等、空気調和機X全体を制御するマイコン102、を備える。そして、ルーバ88及びモータ101は、マイコン102の制御によって、ルーバ88が、ハウジング82の前面に対して、少なくとも左右に動くことが可能なように構成されている。
以下、このような空気調和機Xの動作について例示する。すなわち、人体検出センサ100が人体を検知していない際には、ルーバ88がハウジング82の前面に対して正面を向くように制御される。尚、ルーバ88はハウジング82の前面に対して上方向を向いていることが望ましい。空気吹き出し口87から散布される還元水M3が空間全体へと行き渡り易いからである。このように、還元水M3が空間全体へと行き渡り易くなるため、還元水M3が空間内の全体に対して拡散して散布されるので、空間内のあらゆる対象物品に対して抗酸化効果を与えることができる。
一方、人体検出センサ100が人体を検知すると、人体が存在する方向を向くように、ルーバ88が動かされる。その際には、還元水M3が、人体が存在する方向へ散布される。例えば、人体検知センサ100が、ハウジング82の前面、左側面、右側面の各々に設けられている際には、ルーバ88が、ハウジング82の前面に対して、正面、左側、右側の各々を向くように制御され、各々の方向へ還元水M3が散布される。このように、空気調和機Xは、人体の存在を自動的に検知し、人体が存在する方向へピンポイントで還元水M3を散布することができる。
また、還元水M3を、空間内の一部の領域に限定して散布することができるので、大量の還元水M3を、ピンポイントで対象物品へ散布することができる。尚、ルーバ88は、人の操作により動かされてもよい。この場合でも、同様の効果を得ることができる。
尚、空気調和機Xは、先述した具体的構成例5に示す還元水ミスト散布装置1(図6参照)、又は、先述した具体的構成例8に示す還元水ミスト散布装置1(図9参照)を内蔵することが好適である。このようなコンパクトな還元水ミスト散布装置1を内蔵することで、空気調和機Xの小型化及び軽量化が図られるからである。
空気調和機に内蔵される還元水ミスト散布装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 還元水ミスト散布装置の具体的構成例1を示す図である。 還元水ミスト散布装置の具体的構成例2を示す図である。 還元水ミスト散布装置の具体的構成例3を示す図である。 還元水ミスト散布装置の具体的構成例4を示す図である。 還元水ミスト散布装置の具体的構成例5を示す図である。 還元水ミスト散布装置の具体的構成例6を示す図である。 還元水ミスト散布装置の具体的構成例7を示す図である。 還元水ミスト散布装置の具体的構成例8を示す図である。 ポンプ(加圧部)の動作を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る空気調和機の具体的構成例を模式的に示す図である。
符号の説明
X 空気調和機
U 還元水生成ユニット
1 還元水ミスト散布装置
2 酸性水溶液生成部
3 水取得部
4 還元成分生成部
4A 還元物質
4B 調節部
5 還元水生成部
6 還元水霧化部
7 散布部
17 ポンプ
18 小孔
20 貯留部
25 放電部
21 絶縁スペーサ
21a 貫通孔
22 上流側電極
23 下流側電極
24 高電圧印加部
26 送風部
34 放熱部
37 冷却部
38 ペルチェ素子
40 冷却面
45 吸着剤
49 ヒーター
53 陽極
54 陰極
60 超音波放射素子
64 表面弾性波発生部
65 放電電極
66 対向電極
M1 酸性水溶液
M2 還元成分
M3 還元水

Claims (19)

  1. 還元水を生成するための水を取得する水取得部と、
    前記水取得部により取得された前記水から前記還元水を生成する還元水生成ユニットと、
    前記還元水生成ユニットにより生成された前記還元水を霧化させる還元水霧化部と、
    前記還元水霧化部により霧化された前記還元水を還元水ミストとして散布する散布部と、
    からなる還元水ミスト散布装置を内蔵することを特徴とする空気調和機。
  2. 前記還元水生成ユニットは、アスコルビン酸が充填されたアスコルビン酸カートリッジを備えており、前記還元水が、前記アスコルビン酸カートリッジを通過して、アスコルビン酸が溶解された還元水とされることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記水取得部が、冷媒ガスを高温高圧に圧縮した後放熱させて冷媒液とする放熱部と、前記冷媒液を減圧した後気化させて前記冷媒ガスとする冷却部と、を備えており、
    前記冷却部による冷却により空気中の水分を結露させて前記水を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記水取得部が、冷却面による冷却により、空気中の水分を結露させて前記水を取得するペルチェ素子を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和機。
  5. 前記水取得部が、空気中の水分を吸着する吸着剤と、前記吸着剤を加熱して前記吸着剤に吸着された前記水分を脱離させるヒーターと、を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和機。
  6. 前記還元水生成ユニットは、
    水中で酸性成分を発生させ、前記水中で発生した前記酸性成分がイオン化して発生する陽イオン及び陰イオンを含む酸性水溶液を生成する酸性水溶液生成部と、
    前記酸性水溶液に含まれる前記陽イオンへ電子を与えて還元して還元成分を生成する還元成分生成部と、
    前記還元成分生成部により生成された前記還元成分を水中で溶解させて、前記還元成分が溶解された還元水を生成する還元水生成部と、
    を備えており、
    前記酸性水溶液生成部は、
    前記酸性水溶液を生成するための水又は前記酸性水溶液を貯留するとともに、外壁に貫通孔が形成された貯留部と、
    前記貯留部内に貯留された前記水又は前記酸性水溶液と接する第1の電極と、前記外壁の前記貫通孔と連通する貫通孔を有する絶縁スペーサと、前記第1の電極との間に前記絶縁スペーサを挟持する第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極へ高電圧を印加して、前記絶縁スペーサの前記貫通孔で沿面放電を行って、前記酸性成分の原料を生成するための高電圧印加部と、からなる放電部と、
    前記絶縁スペーサの前記貫通孔へ送風を導入して、前記沿面放電が行われている前記貫通孔で前記酸性成分の原料を生成させ、前記貫通孔で生成された前記酸性成分の原料を前記貯留部に貯留された前記水へ溶解させて前記酸性成分を発生させる送風部と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の空気調和機。
  7. 前記外壁が前記絶縁スペーサとして用いられており、前記外壁の貫通孔が前記絶縁スペーサの貫通孔として用いられていることを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。
  8. 前記外壁が前記第1の電極として用いられていることを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。
  9. 前記陽イオンは水素イオンであり、
    前記還元成分生成部は、
    水素よりもイオン化傾向が大きな元素で構成され、前記酸性水溶液に含まれる前記水素イオンを還元して、前記還元成分として水素分子を生成する還元物質と、
    前記水素分子の生成量を調節する調節部と、
    を備えることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の空気調和機。
  10. 前記還元物質は、前記調節部へ着脱可能にされていることを特徴とする請求項9に記載の空気調和機。
  11. 前記還元物質は、前記調節部により前記酸性水溶液に浸される範囲が調節可能にされていることを特徴とする請求項9に記載の空気調和機。
  12. 前記還元水生成ユニットは、前記水取得部により取得された前記水を電気分解する陽極及び陰極を備えており、前記陰極において水素水を前記還元水として生成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の空気調和機。
  13. 前記還元水霧化部が、前記還元水に超音波を放射して霧化させる超音波放射素子を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の空気調和機。
  14. 前記還元水霧化部が、表面弾性波を発生して、前記表面弾性波により前記還元水を霧化させる表面弾性波発生部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の空気調和機。
  15. 前記還元水霧化部が、高電圧が印加されることで発生する高電界により前記還元水を霧化させる静電霧化部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の空気調和機。
  16. 前記還元水霧化部が、前記還元水を加圧する加圧部と、前記加圧部により加圧された前記還元水を射出するための小孔と、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の空気調和機。
  17. 前記散布部は、空間内の全体に対して前記還元水を散布することを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の空気調和機。
  18. 前記散布部は、空間内の一部に対して指向的に前記還元水を散布することを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の空気調和機。
  19. 前記散布部は、人体の存在を検出する検出部を備えており、
    前記検出部が検出した前記人体の方向に対して指向的に前記還元水を散布することを特徴とする請求項18に記載の空気調和機。
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