JP2010084843A - 地震信号処理装置および地震信号処理方法 - Google Patents

地震信号処理装置および地震信号処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010084843A
JP2010084843A JP2008254223A JP2008254223A JP2010084843A JP 2010084843 A JP2010084843 A JP 2010084843A JP 2008254223 A JP2008254223 A JP 2008254223A JP 2008254223 A JP2008254223 A JP 2008254223A JP 2010084843 A JP2010084843 A JP 2010084843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection signal
wave detection
valve
gas
input
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008254223A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5222085B2 (ja
Inventor
Takafumi Imai
尚文 今井
Kenichiro Inaba
健一郎 稲葉
Masaaki Onuki
正明 大貫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Taiyo Nippon Sanso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Nippon Sanso Corp filed Critical Taiyo Nippon Sanso Corp
Priority to JP2008254223A priority Critical patent/JP5222085B2/ja
Publication of JP2010084843A publication Critical patent/JP2010084843A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5222085B2 publication Critical patent/JP5222085B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】ガス供給に影響のある地震を検知した場合には速やかにガス流路を遮断しながらも、地震の検知が誤りであった場合の復帰を速やかに行うことを可能とする地震信号処理装置および地震信号処理方法を提供する。
【解決手段】ガスが充填されたボンベから配管を通ってガス供給先にガスが供給されるガス供給システムにおいて、配管からガス供給先へガスを供給または遮断する第1の遮断弁と、ボンベから配管へガスを供給または遮断する第2の遮断弁との開閉を制御する地震信号処理装置が、P波検知信号が入力されると、第1の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断し、S波検知信号が入力されると、第2の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断し、P波検知信号が入力されて第1の遮断弁を閉じた後にS波検知信号が入力されない場合、閉じられた第1の遮断弁を開けてガスの供給を復帰させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震の発生に応じてガスの供給を遮断する地震信号処理装置および地震信号処理方法に関する。
従来、例えば半導体工場などの工場では、色々な種類のガスが使用されており、地震の発生を検知すると、このようなガスが充填されたボンベの遮断弁を閉じて、ガス流路を遮断するよう制御する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、地震計装置が地震を検知すると、電気信号によりガス流路の遮断弁を閉め、残ガスを大気に放出するように制御する装置が提案されている。
特許文献2には、従来のガス供給システムでは地震計装置がS波(主要動)を検知した後に遮断弁を閉じているために、実際にガスの供給を遮断する前に大きな揺れが発生する危険があることに着目し、S波の前に到達するP波(初期微動)を検知することにより遮断弁を閉じる装置が提案されている。
特許文献3には、検知する地震の震度と、その時点でのガス流量とに応じて、ガス流路に設けられる遮断弁を閉じるか否かを判定し、判定結果に応じて遮断弁を動作させる装置が提案されている。
ところで、このようなボンベからのガス供給を利用する工場では、複数のボンベが収納された収納庫であるシリンダーキャビネットが利用されることが一般的である。このようなシリンダーキャビネットは、窒素ガスによるガスパージ、排気系、耐火構造などの機能を持つ。また、収納庫の外部に設置される操作部を操作することにより、収納されるそれぞれのボンベの遮断弁、ガス供給先への遮断弁、排気のための遮断弁などの開閉を行うことが可能となっている。
実用新案登録第3023274号公報 特開平6−160541号公報 特開平8−329369号公報
しかしながら、特許文献2に示される技術では、P波(初期微動)を検知してガス供給の遮断弁を閉じる構成としているが、地震計装置がP波として検知する振動は微動であるため、地震ではない振動を誤って検知したり、地震の震度の大きさを正確に予測することは困難であったりする場合がある。ここで、ガス流路を遮断した後、ガスの供給を再開してガス流路を復帰させるためには一定の時間が必要であり、また地震の検知が誤りであった場合には排気するガスや置換のための窒素ガスを必要以上に消費することから、P波を検知した時点で一律にガス流路の遮断弁を閉じ、完全に遮断してしまうのは必ずしも効率的とはいえない。そこで、ガス流路は、必要のある場合に、必要のある箇所のみを遮断し、P波の検知が誤りであった場合には速やかな復帰を可能とすることが望ましい。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、ガス供給に影響のある地震を検知した場合には速やかにガス流路を遮断しながらも、地震の検知が誤りであった場合の復帰を速やかに行うことを可能とする地震信号処理装置および地震信号処理方法を提供する。
上述した課題を解決するために、本発明は、ガスが充填されたボンベから配管を通ってガス供給先にガスが供給されるガス供給システムにおいて、配管からガス供給先へガスを供給または遮断する第1の遮断弁と、ボンベから配管へガスを供給または遮断する第2の遮断弁との開閉を制御する地震信号処理装置であって、地震によるP波が検知されたことを示すP波検知信号と、地震によるS波が検知されたことを示すS波検知信号とが入力される入力部と、入力部からP波検知信号が入力されると、第1の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断する第1の遮断制御部と、入力部からS波検知信号が入力されると、第2の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断する第2の遮断制御部と、入力部にP波検知信号が入力され、第1の遮断制御部によって第1の遮断弁が閉じられた後に入力部にS波検知信号が入力されない場合、閉じられた第1の遮断弁を開けてガスの供給を復帰させる復帰制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上述の地震信号処理装置が、複数のボンベに対応する第1の遮断弁および第2の遮断弁に接続され、複数のボンベのそれぞれに充填されるガスの種類に対応付けて、P波検知信号が入力された後にガスの種類に対応する第1の遮断弁を閉じるまでの猶予秒数が記憶される記憶部と、をさらに備え、第1の遮断制御部は、入力部からP波検知信号が入力されると、ボンベに充填されたガスの種類に対応する猶予秒数を記憶部から読み出し、読み出した猶予秒数の時間が経過した後、第1の遮断弁を遮断することを特徴とする。
また、本発明は、上述の記憶部には、予め定められた設定震度が記憶され、第1の遮断制御部は、入力されるP波検知信号に基づく地震の予測震度と、記憶部に記憶された設定震度とを比較し、予測震度が設定震度を超える場合、第1の遮断弁を遮断することを特徴とする。
また、本発明は、上述の記憶部には、地震が到達する前に遮断弁を閉じる余裕時間を示す設定予想秒数が予め記憶され、第1の遮断制御部は、入力されるP波検知信号に応じた地震が到達するまでの到達予想秒数と、記憶部に記憶された設定予想秒数とを比較し、到達予想秒数が、設定予想秒数以下である場合、第1の遮断弁を遮断することを特徴とする。
また、本発明は、上述の地震信号処理装置が、P波またはS波を検知してP波検知信号またはS波検知信号を入力部に入力する複数台の地震計装置に接続されており、第1の遮断制御部は、入力部に、複数台の地震計装置のうち定められた台数以上の地震計装置からP波検知信号が入力された場合に、第1の遮断弁を閉じることを特徴とする。
また、本発明は、上述の入力部には、気象庁から配信されるP波検知信号と、P波検知信号が誤報であったことを示すキャンセル信号とが入力され、復帰制御部は、入力部にP波検知信号が入力され第1の遮断制御部によって第1の遮断弁が閉じられた後、入力部にキャンセル信号が入力された場合、閉じられた第1の遮断弁を開けてガスの供給を復帰させることを特徴とする。
また、本発明は、上述のガス供給システムは、ボンベの胴部と遮断弁とのうち少なくとも一方に取り付けられるエアーカバーを備え、前記入力部からP波検知信号が入力されると、エアーカバーにガスを封入して膨張させるエアーカバー制御部を備えることを特徴とする。
また、本発明は、ガスが充填されたボンベから配管を通ってガス供給先にガスが供給されるガス供給システムにおいて、配管からガス供給先へガスを供給または遮断する第1の遮断弁と、ボンベから配管へガスを供給または遮断する第2の遮断弁との開閉を制御する地震信号処理装置の、入力部に、地震によるP波が検知されたことを示すP波検知信号、または地震によるS波が検知されたことを示すS波検知信号が入力されるステップと、第1の遮断制御部が、入力部からP波検知信号が入力されると、第1の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断するステップと、第2の遮断制御部が、入力部からS波検知信号が入力されると、第2の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断するステップと、復帰制御部が、入力部にP波検知信号が入力され、第1の遮断制御部によって第1の遮断弁が閉じられた後に入力部にS波検知信号が入力されない場合、閉じられた第1の遮断弁を開けてガスの供給を復帰させるステップと、を備えることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、ガスが充填されたボンベから配管を通ってガス供給先にガスが供給されるガス供給システムにおいて、配管からガス供給先へガスを供給または遮断する第1の遮断弁と、ボンベから配管へガスを供給または遮断する第2の遮断弁との開閉を制御する地震信号処理装置が、P波検知信号が入力されると、第1の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断し、S波検知信号が入力されると、第2の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断し、P波検知信号が入力されて第1の遮断弁を閉じた後にS波検知信号が入力されない場合、閉じられた第1の遮断弁を開けてガスの供給を復帰させるようにした。これにより、P波検知信号を受信した段階では、第1の遮断弁を閉じてガス供給先へのガスの供給を遮断しつつも、第2の遮断弁は閉じずにボンベから配管へのガスの供給は遮断せず配管中のガスを保ち、P波検知信号を受信した後にS波検知信号を受信しない場合には、閉じられた第1の遮断弁を開けるようにしたので、P波検知信号を受信した後、第1の遮断弁が閉じられるのみでボンベから配管への第2の遮断弁は閉じられることがなく、S波検知信号を受信しなかった場合には第1の遮断弁が開けられて、速やかにガスの供給を復帰することが可能となる。
また、本発明によれば、複数のボンベのそれぞれに充填されるガスの種類に対応付けて、P波検知信号を受信してからそのボンベに対応する第1の遮断弁を閉じるまでの猶予秒数が記憶されており、P波検知信号を受信すると、複数のボンベのそれぞれのガスに対応する猶予秒数を読み出し、それぞれのガス毎に読み出した猶予秒数の時間が経過した後、第1の遮断弁を遮断するようにしたので、ガスの種類に応じて遮断弁の開閉を制御し、例えばガスの種類に応じて供給を早めに遮断し、または比較的遅く遮断するなどの制御を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、入力されるP波検知信号に基づく地震の予測震度と、予め記憶された設定震度とを比較し、予測震度が設定震度を超える場合、第1の遮断弁を遮断するようにしたので、予め定められた設定震度に応じて第1の遮断弁を遮断するように制御することができる。これにより、例えば、予め定められた設定震度を超えない場合には必要以上に遮断弁の制御処理を行わないように制御することができる。
また、本発明によれば、入力されるP波検知信号に応じた地震が到達するまでの到達予想秒数と、地震が到達する前に遮断弁を閉じる余裕時間を示す設定予想秒数とを比較し、到達予想秒数が設定予想秒数以下である場合、第1の遮断弁を遮断するようにしたので、予め定められた設定予想秒数に応じて第1の遮断弁を遮断するように制御することができる。これにより、例えば、到達予想秒数が予め定められた設定予想秒数を超える場合には必要以上に遮断弁の制御処理を行わないように制御することができる。
また、本発明によれば、P波またはS波を検知するとP波検知信号またはS波検知信号を出力する複数台の地震計装置のうち、定められた台数以上の地震計装置からP波検知信号が入力されると、第1の遮断弁を閉じる構成としたので、複数台のうち定められた台数に満たない台数の地震計装置にP波検知信号が入力された場合、誤ってP波を検知したものとして、不用意に第1の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断することがないように制御することが可能となる。
また、本発明によれば、気象庁から配信されるP波検知信号と、P波検知信号が誤報であったことを示すキャンセル信号とが入力され、P波検知信号が入力されて第1の遮断弁を閉じた後、キャンセル信号を受信した場合、閉じられた第1の遮断弁を開けてガスの供給を復帰させるようにしたので、P波検知信号が誤報であった場合に、不用意に第2の遮断弁を閉じずにガスの供給を復帰させるように制御することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるガス供給システム1の構成を示す図である。ガス供給システム1は、受信PC400と、地震計装置300(地震計装置301、地震計装置302、地震計装置303)と、地震信号処理装置100と、シリンダーキャビネット200とを備えている。
受信PC400は、ネットワークを介して、気象庁の気象業務支援センターから送信される緊急地震速報を受信する。緊急地震速報は、全国に配置された気象庁の地震計装置のいずれかの観測点において、P波またはS波に伴い100ガル以上の加速度の揺れが観測されたとき、または気象庁による解析の結果、震源・マグニチュード・各地の予測震度が求められ、そのマグニチュードが3.5以上、または最大予測震度が3以上のときに発せられる地震検知信号である。また、1点の観測点のみの処理結果によってP波検知信号が発せられた後、所定の時間が経過しても2観測点目の処理が行われなかった場合は、先の地震検知がノイズによるものと判断され、P波検知信号から数秒〜10数秒程度でキャンセル信号(キャンセル報)が送信される。また、P波検知信号は、P波を検知している間中、一定間隔で発信され続ける。受信PC400は、受信するP波検知信号に基づいて、地震の到達予想秒数、予測震度などを算出する。
地震計装置301と、地震計装置302と、地震計装置303とは、シリンダーキャビネット200が備えられる工場の敷地内に設置される地震計装置であり、例えば、加速度計・変位計・速度計などにより地震によるP波またはS波の揺れを検知し、地震検知信号を出力する。本実施形態では、3台の地震計装置300を例として説明するが、1台または複数台を適用して良い。以下、地震計装置301と、地震計装置302と、地震計装置303とを区別しない場合には、地震計装置300と表記して説明する。
シリンダーキャビネット200は、ガスが充填された1個または複数個のボンベが収納される収納庫であり、窒素ガスによるガスパージ、排気系、耐火構造などの機能を持つ。また、収納庫の外部に設置される操作部を操作することにより、収納されるそれぞれのボンベの遮断弁、ガス供給先への遮断弁、排気のための遮断弁などの開閉を行うことができる。本実施形態では、シリンダーキャビネット200には、ボンベ201と、ボンベ202とが収納されている。ボンベ201は、遮断弁210を介して配管に接続されている。遮断弁210が開けられた状態ではボンベ201に充填されたガスが配管に供給され、遮断弁210が閉じられた状態では配管へのガスの供給が遮断される。
ボンベ202は、遮断弁211を介して配管に接続されている。遮断弁211が開けられた状態ではボンベ202に充填されたガスが配管に供給され、遮断弁211が閉じられた状態では配管へのガスの供給が遮断される。ボンベ201とボンベ202とに充填されるガスは、異なる種類のガスとしても良い。ここで、遮断弁210と遮断弁211とに接続される配管は、窒素ガス供給元に接続される遮断弁213と、大気へガスを放出し排気を行う排気口に接続される遮断弁212と、ガス供給先に接続される遮断弁214との間にガス流路を構成する。
上述した遮断弁210と、遮断弁211と、遮断弁212と、遮断弁213と、遮断弁214との遮断弁は、制御機器220に接続されており、制御機器220から送信される制御信号に基づいて弁の開閉を行う。図1では、ガス流路を形成する配管が実線で、制御機器220から遮断弁への制御信号を伝送する線が破線で示されている。
制御機器220は、後述する地震信号処理装置100から送信される制御信号に基づいて、遮断弁210と、遮断弁211と、遮断弁212と、遮断弁213と、遮断弁214との遮断弁を開閉させることで、ガス流路の閉止(遮断弁閉)または開放(遮断弁開)を制御する。
地震信号処理装置100は、受信PC400および地震計装置300から受信するP波検知信号またはS波検知信号を受信し、受信した検知信号に基づいて制御機器220から遮断弁に制御信号を送信させ、シリンダーキャビネット200内の配管のガス流路の閉止または開放を制御する。図2は、地震信号処理装置100の外観の例を示す図である。地震信号処理装置100の外部の表面には、表示ランプ101が備えられている。表示ランプ101は、地震信号処理装置100の状態を示す文字列ごとに区画分けされた表示領域を備えており、地震信号処理装置100の動作状態に該当する区画が光るように構成されている。ユーザは表示ランプ101を目視確認することで、地震信号処理装置100の状態を把握することが可能である。
図3は、地震信号処理装置100の構成を示すブロック図である。地震信号処理装置100は、上述の表示ランプ101と、入力端子台102と、出力端子台103と、パワーサプライ104と、電源105と、メンテナンススイッチ106と、地震訓練用スイッチ107と、制御部110と、記憶部111とを備えている。
入力端子台102は、地震計装置301、地震計装置302、地震計装置303、受信PC400に接続されており、これらの装置から送信されるP波検知信号またはS波検知信号を受信する。
出力端子台103は、シリンダーキャビネット200に接続されており、シリンダーキャビネット200の制御機器220に、遮断弁を開閉させる制御信号を送信する。
電源105とパワーサプライ104とは、地震信号処理装置100が動作するための電源を供給する。メンテナンススイッチ106と、地震訓練用スイッチ107とは、メンテナンス中や訓練中などであることを設定するスイッチである。例えば、これらのスイッチがONである場合には、出力端子台103からシリンダーキャビネット200への制御信号の送信は行わないなどの設定を行うことが可能である。
記憶部111には、予め定められた設定震度が記憶されている。設定震度は、地震信号処理装置100に入力されるP波検知信号に基づく予測震度に応じて地震信号処理装置100が遮断弁の制御処理を行うか否か震度の閾値を示す情報である。例えば、地震信号処理装置100は、入力されるP波検知信号に基づく予測震度が、記憶部111に記憶されている設定震度を超えている場合には遮断弁の制御処理を行い、一方、設定震度を超えていない場合には遮断弁の制御処理を行わない。
また、記憶部111には、地震が到達する前に遮断弁を閉じる余裕時間を示す設定予想秒数が記憶されている。設定予想秒数とは、P波を検出してS波到達予想秒数が受信PCで求められたときに、地震信号処理装置側でその秒数と比較するための設定時間である。例えば、地震信号処理装置100に入力されたP波検知信号に応じた地震が到達するまでの到達予想秒数が充分大きい場合には、P波検知信号を受信した後にキャンセル報などの訂正信号が送信されることが考えられるために、P波検知信号を受信した後、即時に遮断弁の制御処理を行う必要がない場合があるからである。設定予想秒数は、P波検知信号に応じて制御機器220が遮断弁を閉じる制御信号を送信した後、遮断弁が閉止を完了するために必要な時間を考慮して定められるようにしても良い。
このように、設定予想秒数は、地震計装置300または受信PC400によってP波検知信号が検知された後、地震信号処理装置100が遮断弁214の閉止処理に移行する秒数の閾値を示す秒数である。例えば、地震計装置300または受信PC400によってP波検知信号が検知され、地震信号処理装置100に入力されると、P波検知信号に応じた地震が到達するまでの到達予想秒数と、記憶部111に記憶された設定予想秒数とが比較される。地震信号処理装置100は、到達予想秒数が設定予想秒数を超える場合は、遮断弁214の閉止処理を行わない。すなわち、地震信号処理装置100に入力されるP波検知信号に応じた地震の到達予想秒数が充分に大きい場合、以降の遮断弁制御処理を必要以上に行うことを防止するために、また以降にそのP波検知信号が誤検知でありキャンセル報などの訂正信号が送信される可能性があるために、設定予想秒数を超えるまでは遮断弁の閉止処理に移行しないようにする。設定予想秒数は、例えば、「7」秒が設定される。
また、記憶部111には、シリンダーキャビネット200に収納されているボンベに充填されているガスの種類毎に、そのガスの危険度等に応じて、P波検知信号を受信してから遮断弁214を閉じるまでの猶予秒数(ディレー時間)が対応付けられて記憶されている。図4は、記憶部111に記憶されるデータ例を示す図である。記憶部111に記憶されるデータテーブルには、ガスの種類毎に、「ガス名」、「緊急地震速報のP波検知信号」、「地震計のP波検知信号」、「検出後弁開閉秒数」(猶予秒数)、「直近地震遮断弁強制閉フラグ」の項目に対応付けられた情報が記憶される。
「ガス名」は、シリンダーキャビネット200に収納されるボンベに充填されるガスの名前である。「緊急地震速報のP波検知信号」と「地震計のP波検知信号」とは、受信PC400と地震計装置300とのいずれからのP波検知信号を受信することにより遮断弁を制御するかを示す条件情報である。例えば、「緊急地震速報のP波検知信号」には、受信PC400が気象業務支援センターからP波が検出されたことを示す緊急地震速報を受信したことを条件として、対応するボンベの遮断弁を閉じる場合に、「○」のマークが示される。一方、地震計装置301、地震計装置302、地震計装置303のいずれかから、P波が検出されたことを示すP波検知信号を受信したことを条件として対応するボンベの遮断弁を閉じる場合には、「地震計のP波検知信号」に、「○」のマークが示される。「検出後弁開閉秒数」の項目には、P波検知信号を受信した後、対応する「ガス名」に示されるガスが充填されたボンベの遮断弁の閉止処理を行うまでの設定予想秒数経過後の猶予秒数が記憶されている。「直近地震遮断弁強制閉フラグ」の項目には、直近で地震が発生した場合に、弁開閉秒数の設定があっても強制的に遮断弁214を閉じるか否かのフラグ(0:強制閉しない、1:強制閉する)が記憶されている。
例えば、図4の1行目は、「ガス名」が「SiH」であり、「緊急地震速報のP波検知信号」が「○」であり、「検出後弁開閉秒数」が「1」である。この場合、受信PC400が受信したP波検知信号に基づいて算出した予測震度が、記憶部111に記憶された設定震度以上であると判定され、かつ、受信したP検知信号に基づいて算出される揺れの到達予想秒数が記憶部111に記憶された設定予想秒数以下である場合、検出後弁開閉秒数に示される「1」秒が経過した後に、ガス「SiH」が充填されたボンベが収納されるシリンダーキャビネット200の遮断弁214を閉じることを表している。また、震源地が直近である場合、すなわち緊急地震速報のP波を受信する前に地震計装置300がP波を検出した場合には、検出後弁開閉秒数に記憶された設定に関わらず、直ちにガス「SiH」が充填されたボンベが収納されるシリンダーキャビネット200の遮断弁214を閉じることを表している。また、例えば4行目のガス「B」では、危険度が高いために検出後弁開閉秒数として「0」が記憶されており、P波検出信号を受信し、到達予想秒数が設定予想秒数以下である場合、即座に遮断弁を閉じることを表している。また、例えば8行目のガス「N」は、危険度が低く、実際にS波が到達して地震による大きな揺れが発生した場合にも必ずしも供給を閉止する必要がないため、検出後弁開閉秒数として「60」が、「直近地震遮断弁強制閉フラグ」の項目として「0」がそれぞれ記憶されている。
図3に戻り、制御部110は、入力端子台102が受信するP波検知信号またはS波検知信号に応じて、記憶部111に記憶された情報を参照し、出力端子台103を介してシリンダーキャビネット200の制御機器220に制御信号を送信して、遮断弁の制御を行う。また、制御部110は、地震計装置301、地震計装置302、地震計装置303、または受信PC400から送信されるP波検知信号を受信すると、記憶部111に記憶された設定震度および設定予想秒数に応じた比較処理を行い、ボンベ201またはボンベ202に充填されているガスに対応する猶予秒数を記憶部111から読み出し、読み出した猶予秒数の間、待機した後、遮断弁214を閉じる制御信号をシリンダーキャビネット200に送信する。
また、制御部110は、地震計装置301、地震計装置302、地震計装置303、受信PC400のいずれかから送信されるS波検知信号を受信すると、遮断弁210および遮断弁211を閉じる制御信号をシリンダーキャビネット200に送信する。さらに、受信PC400からP波検知信号を受信して遮断弁214を閉じる制御信号をシリンダーキャビネット200に送信した後、受信PC400からP波のキャンセル信号を受信した場合には、閉じられた遮断弁214を開ける制御信号をシリンダーキャビネット200に送信する。
次に、図5を参照して、本実施形態による地震信号処理装置100の動作例を説明する。まず、地震計からのP波またはS波の検知信号によって動作する場合、地震計装置301、地震計装置302、地震計装置303のいずれかがP波を検知すると(ステップS2)、P波検知信号を地震信号処理装置100に送信する。地震信号処理装置100は、地震計装置300から送信されるP波検知信号を受信する(ステップS5)。ここで、地震信号処理装置100は、接続された複数台の地震計装置300のうち、定められた台数以上の地震計装置300から検知信号を受信するまでは、次のステップに進まないようにしても良い。この場合、複数台の地震計装置300のうち、何台の地震計装置300から検知信号を受信した場合に次のステップに進むかという台数の設定は、ユーザからの値の入力を受付けて、予め入力された値に応じて設定を変更できるようにしても良い。例えば、3台中2台(2 out of 3)から検知信号を受信した場合に、次のステップに進むようにして良い。
さらに、地震信号処理装置100は、予め定められた条件を満たす場合、次のステップに進むか否かを判定するようにしても良い(ステップS6)。予め定められた条件とは、例えば、受信PC400と地震計装置300とのいずれからもP波検知信号を受信した場合にいずれを優先するかなどの条件である。ステップS6で、定められた条件を満たし次のステップに進むと判定された場合、地震信号処理装置100は、予め受信したP波検知信号に基づく予測震度が、予め定められた設定震度以上であるか否かを判定する(ステップS8)。設定震度は、予め記憶部111に記憶される。ここで、P波検知信号に基づく予測震度が、予め定められた設定震度に満たない場合は(ステップS8:NO)、Aに進み、そのまま処理を終了する(EXIT)。
一方、ステップS8で、P波検知信号に基づく予測震度が、予め定められた設定震度以上である場合は(ステップS8:YES)、地震信号処理装置100は、受信PC400から緊急地震速報のP波を受信済みか否かを判断する(ステップS9)。緊急地震速報のP波を受信している場合は(ステップS9:YES)、Cに進む。一方、緊急地震速報のP波を受信していない場合は(ステップS9:NO)、記憶部111に記憶されたデータテーブルから制御対象のガスごとに対応する直近地震遮断弁強制閉フラグを読み出す(ステップS10)。
ここで、読み出した直近地震遮断弁強制閉フラグが「1」の場合には(ステップS10:YES)、Dに進み、遮断弁214を閉める制御信号を直ちにシリンダーキャビネット200に送信する。一方、読み出した直近地震遮断弁強制閉フラグが「0」の場合には(ステップS10:NO)、記憶部111に記憶されたデータテーブルから読み出した猶予秒数の間、処理を待機する(ステップS14)。このとき、地震信号処理装置100の制御部110は、制御対象のガスごとに、待機処理を行う。例えば、地震信号処理装置100の制御部110は、ステップS10でNOと判定されると、自身が備えるタイマーにより秒数のカウントアップを開始する。そして、カウントした秒数と、制御対象のガスごとに対応する猶予秒数とが一致すると、ステップS16に進み、遮断弁214を閉める制御信号をシリンダーキャビネット200に送信する。
例えば、制御対象のボンベに充填されたガスが「SiH」であれば、出力端子台103のSiH用端子を介して、SiHボンベを収納したシリンダーキャビネットの遮断弁を閉じる。このように、シリンダーキャビネット200の制御機器220は、地震信号処理装置100から送信された制御信号を受信すると、遮断弁214を閉じ、配管からガス供給先へのガス流路を閉止し(ステップS16)、処理を終了する(EXIT)。
一方、受信PC400が、気象業務支援センターから送信される緊急地震速報を受信すると(ステップS3)、受信PC400は、受信した緊急地震速報に基づいて、予測地震度や、地震の揺れが到達するまでの秒数を算出する(ステップS4)。地震信号処理装置100の制御部110は、入力端子台102を介して接続された受信PC400から、P波検知信号を受信する。制御部110は、上述のステップS6と同様の判定を行い、ステップS4で算出したP波検知信号の予測震度が、予め定められた設定震度以上であるか否かを判定する(ステップS11)。
ここで、P波検知信号の予測震度が、予め定められた設定震度に満たない場合は(ステップS11:NO)、Aに進み、そのまま処理を終了する(EXIT)。一方、P波検知信号の予測震度が、予め定められた設定震度以上であり(ステップS11:YES)、受信PC400が、気象業務支援センターからP波のキャンセル信号を受信せず(ステップS12:NO)、ステップS4で算出した到達予想が、記憶部111に記憶された設定予想秒数に満たない場合は(ステップS13:NO)、Aに進み、そのまま処理を終了する(EXIT)。一方、ステップS13で、到達予想秒数が、予め定められた設定秒数を超えている場合は(ステップS13:YES)、地震信号処理装置100の制御部110は、記憶部111に記憶されたデータテーブルから読み出した猶予秒数の間、処理を待機した後(ステップS14)、遮断弁214を閉める制御信号をシリンダーキャビネット200に送信する。シリンダーキャビネット200の制御機器220は、地震信号処理装置100から送信された制御信号を受信すると、遮断弁214を閉じ、配管からガス供給先へのガス流路を閉止し(ステップS16)、処理を終了する(EXIT)。
また、ステップS3で受信PC400が気象業務支援センターから受信した検知信号がキャンセル信号である場合は、受信PC400は、キャンセル信号を地震信号処理装置100に送信し、ステップS12の判定にて、Bに進み、シリンダーキャビネット200に、遮断弁214を開ける制御信号を送信する(ステップS12:YES)。シリンダーキャビネット200の制御機器220は、地震信号処理装置100から送信された制御信号を受信すると、遮断弁214を開けて、配管からガス供給先へのガス流路を開放する(ステップS17)。遮断弁214を開けた後は、カウントアップしたタイマーをリセットし(ステップS18)、処理を終了する(EXIT)。
さらに、地震計装置301、地震計装置302、地震計装置303のいずれかがS波を検知すると(ステップS1)、S波検知信号を地震信号処理装置100に送信する。地震信号処理装置100は、地震信号処理装置100から送信されるS波検知信号を受信する(ステップS5)。ここで、地震信号処理装置100は、上述のステップS5と同様に、接続された複数台の地震計装置のうち、定められた台数以上の地震計装置から検知信号を受信するまでは、次のステップに進まないようにしても良い。
地震信号処理装置100は、受信PC400からもS波検知信号を受信していた場合などとの予め定められた条件に応じて、次のステップに進むか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6で、定められた条件を満たし、次のステップに進むと判定された場合、地震信号処理装置100は、予め受信したS波検知信号に基づく震度が、予め定められた設定震度以上であるか否かを判定する(ステップS7)。ここで、S波検知信号に基づく震度が、予め定められた設定震度に満たない場合は(ステップS7:NO)、Aに進み、そのまま処理を終了する(EXIT)。一方、ステップS7で、S波検知信号に基づく震度が、予め定められた設定震度以上である場合は(ステップS7:YES)、遮断弁210と遮断弁211とを閉める制御信号をシリンダーキャビネット200に送信する。シリンダーキャビネット200の制御機器220は、地震信号処理装置100から送信された制御信号を受信すると、遮断弁210と遮断弁211を閉じ、配管からガス供給先へのガス流路を閉止し(ステップS15)、処理を終了する(EXIT)。
次に、地震信号処理装置100の動作例を、タイムチャートを用いて説明する。図6は、受信PC400が、遠方で検知されたP波検知信号を受信した場合の動作例を示すタイムチャートである。ここで、以下の例では、上述の猶予秒数は考慮せずに説明する。
工場の遠方で地震が発生した場合、(a)時点で、受信PC400がP波検知信号を受信する。受信PC400は、受信したP波検知信号に基づいて到達予想秒数を算出する。ここで、設定予想秒数が7秒であったとすると、地震信号処理装置100は、到達予想秒数から7秒前を超える場合は断弁214の制御を行わない。(b)時点、(c)時点も同様に、地震信号処理装置100は遮断弁214の制御を行わない。(d)時点でP波検知信号を受信し、到達予想秒数が設定予想秒数(7秒)以下になると、地震信号処理装置100は、(e)時点で、遮断弁214を閉じる制御信号をシリンダーキャビネット200に送信する。シリンダーキャビネット200は、(f)時点で制御信号を受信すると、遮断弁214を閉じてガス流路を閉止する。さらに、(g)時点で地震信号処理装置100がS波を検知すると、地震信号処理装置100は、遮断弁210および遮断弁211を閉じる制御信号をシリンダーキャビネット200に送信する。シリンダーキャビネット200は、(h)時点で制御信号を受信すると、遮断弁210および遮断弁211を閉じてガス流路を閉止して、ガスの供給を遮断する。
図7は、工場に設置される地震計装置300が、P波検知信号を受信した場合の動作例を示すタイムチャートである。
(a)時点で、工場内の地震計装置300がP波を検知し、P波検知信号を地震信号処理装置100に送信すると、地震信号処理装置100は、遮断弁214を閉じる制御信号を遮断弁214に送信する。(b)時点で、シリンダーキャビネット200が制御信号を受信し、遮断弁214を閉じる。また、(c)時点で地震計装置300がS波を検知して、地震信号処理装置100にS波検知信号を送信する。地震信号処理装置100は、地震計装置300から送信されるS波検知信号を受信すると、遮断弁210および遮断弁211を閉じる制御信号を、シリンダーキャビネット200に送信する。シリンダーキャビネット200は、遮断弁210および遮断弁211を閉じて、ガス流路を閉止してガスの供給を遮断する。
図8は、受信PC400が、遠方で検知されたP波検知信号を受信したが、のちにキャンセル報を受信した場合の動作例を示すタイムチャートである。
(a)時点で、受信PC400がP波検知信号を受信する。受信PC400は、受信したP波検知信号に基づいて到達予想秒数を算出する。地震信号処理装置100は、到達予想秒数が設定予想秒数(例えば、7秒)以下となるまでは遮断弁214の制御を行わない。(b)時点で、受信PC400がP波検知信号を受信した場合も、同様に、地震信号処理装置100は、遮断弁214の制御を行わない。(c)時点で、受信PC400がキャンセル報を受信すると、地震信号処理装置100は、そのまま遮断弁214の制御を行わない。
図9は、震源地を遠方とする検知信号が送信されたが、後にキャンセル報が送信された場合の動作例を示すタイムチャートである。
(a)時点で、受信PC400が、遠方で地震が発生したことを示すP波検知信号を受信する。受信PC400は、受信したP波検知信号に基づいて到達予想秒数を算出する。地震信号処理装置100は、到達予想秒数が設定予想秒数(例えば、7秒)以下となるまでは遮断弁214の制御を行わない。(b)時点、(c)時点も同様に、地震信号処理装置100は遮断弁214の制御を行わない。(d)時点でP波検知信号を受信し、到達予想秒数が設定予想秒数(7秒)以下になると、地震信号処理装置100は、(e)時点で、遮断弁214を閉じる制御信号をシリンダーキャビネット200に送信する。シリンダーキャビネット200は、(f)時点で制御信号を受信すると、遮断弁214を閉じてガス流路を閉止する。その後、(g)時点で受信PC400がキャンセル報を受信すると、地震信号処理装置100は、遮断弁214を開けてガス流路を開放させる制御信号をシリンダーキャビネット200に送信する。(h)時点で、シリンダーキャビネット200は制御信号を受信し、遮断弁214を開けてガス流路を開放して、ガスの供給を復帰させる。
以上説明したように、本実施形態によれば、受信するP波検知信号が誤報であり、キャンセル信号を受信した場合には、配管中のガスの置換を行わずに済み、早急に復帰することを可能とすることが可能となる。
また、地震発生時に受信PC400や地震計装置300から受信する地震検知信号が示す震度に応じて、また複数の地震検知信号を受信した場合にもそれらの組み合わせに応じた条件設定を予め記憶させることにより、個別に最適な遮断弁の制御を行うことが可能となる。
なお、シリンダーキャビネット200に収納されるボンベ201と、ボンベ202とには、浮き輪のようなエアーカバーを取り付けて、地震信号処理装置100からの制御信号により空気を封入させて膨らませ、地震時の衝撃から保護するようにしても良い。
図10は、ボンベ201の遮断弁210の箇所に取り付けるエアーカバーの例を示す図である。平常時には、(a)に示されるように縮ませておき、地震発生時には、空気を封入して(b)に示されるように膨らませる。図11は、ボンベ201の胴体部に取り付けるエアーカバーの例を示す図である。平常時には、(a)に示されるように縮ませておき、地震発生時には、空気を封入して(b)に示されるように膨らませる。図12は、図10と図11とに示したエアーカバーをボンベ201に取り付けた際の外観の例を示す図である。
エアーカバーは、ボンベ201の転倒防止チェーンやバンドに取り付けるようにしても良い。エアーカバーは、空気や窒素などを封入することで、ボンベ201の曲面に合わせてチューブのような形をしたものが膨らみ、ボンベ201をカバーする。エアーカバーには、図10と図11とに示したように、2種類の形があり、1つはボンベの曲面に合わせて手のように水平に伸び、もう1つは容器上部に取り付けてある容器弁(附属品)の周りを取り囲むように広がりカバーする。このようにすれば、転倒防止チェーンやバンドなどの耐性を超える想定以上の揺れがあった場合にも、シリンダーキャビネット200に収納されているボンベ201と、周辺の機器とが地震の振動により接触することを防止し、ボンベおよび周辺機器の損傷を最小限に抑えることができる。
また、S波の到達前にエアーカバーを膨張させれば、ボンベ201、ボンベ202の胴部やバルブ近傍がエアーカバーで固定されるため、S波の揺れによるボンベ201、ボンベ202の暴れが抑えられ、遮断弁210、遮断弁211を閉じる動作を円滑に行うことができる。S波の到達前にエアーカバーを膨張させるには、例えば、受信PC400から送信される緊急地震速報のP波検知信号または地震計装置300から送信されるP波検知信号を、地震信号処理装置100が受信した後直ちに、或いは、所定の条件が成立して地震信号処理装置100が遮断弁214を閉じる制御信号をシリンダーキャビネット200に送信するのと同時に、エアーカバーを膨張させる制御信号をシリンダーキャビネット200に送信すれば良い。このように、エアーカバーは、P波が検出された時点で空気等の封入を開始することが望ましい。これは、エアーカバーの膨張には時間が掛かるため、遮断弁を閉じる制御と同じタイミングで空気等の封入を開始するとS波が到達するまでに膨張が間に合わない恐れがあるためである。
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより地震信号の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
本発明の一実施形態によるガス供給システムのシステム構成を示す図である。 本発明の一実施形態による地震信号処理装置の外観を示す図である。 本発明の一実施形態による地震信号処理装置の端末構成を示す図である。 本発明の一実施形態による地震信号処理装置の記憶部に記憶されるデータ例を示す図である。 本発明の一実施形態によるガス供給システムの動作例を示すシーケンス図である。 本発明の一実施形態によるガス供給システムの動作例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態によるガス供給システムの動作例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態によるガス供給システムの動作例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態によるガス供給システムの動作例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態によるエアーカバーの例を示す外観図である。 本発明の一実施形態によるエアーカバーの例を示す外観図である。 本発明の一実施形態によるエアーカバーの例を示す外観図である。
符号の説明
1 ガス供給システム
100 地震信号処理装置
101 表示ランプ
102 入力端子台
103 出力端子台
104 パワーサプライ
105 電源
106 メンテナンススイッチ
107 地震訓練用スイッチ
110 制御部
111 記憶部
200 シリンダーキャビネット
201 ボンベ
202 ボンベ
210 遮断弁
211 遮断弁
212 遮断弁
213 遮断弁
214 遮断弁
220 制御機器
301 地震計装置
302 地震計装置
303 地震計装置
400 受信PC
300 地震計装置

Claims (8)

  1. ガスが充填されたボンベから配管を通ってガス供給先に前記ガスが供給されるガス供給システムにおいて、前記配管から前記ガス供給先へ前記ガスを供給または遮断する第1の遮断弁と、前記ボンベから前記配管へ前記ガスを供給または遮断する第2の遮断弁との開閉を制御する地震信号処理装置であって、
    地震によるP波が検知されたことを示すP波検知信号と、地震によるS波が検知されたことを示すS波検知信号とが入力される入力部と、
    前記入力部から前記P波検知信号が入力されると、前記第1の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断する第1の遮断制御部と、
    前記入力部から前記S波検知信号が入力されると、前記第2の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断する第2の遮断制御部と、
    前記入力部に前記P波検知信号が入力され、前記第1の遮断制御部によって前記第1の遮断弁が閉じられた後に前記入力部に前記S波検知信号が入力されない場合、閉じられた前記第1の遮断弁を開けてガスの供給を復帰させる復帰制御部と、
    を備えることを特徴とする地震信号処理装置。
  2. 前記地震信号処理装置は、複数の前記ボンベに対応する前記第1の遮断弁および前記第2の遮断弁に接続され、
    複数の前記ボンベのそれぞれに充填されるガスの種類に対応付けて、前記P波検知信号が入力された後に前記ガスの種類に対応する前記第1の遮断弁を閉じるまでの猶予秒数が記憶される記憶部と、をさらに備え、
    前記第1の遮断制御部は、前記入力部から前記P波検知信号が入力されると、前記ボンベに充填されたガスの種類に対応する前記猶予秒数を前記記憶部から読み出し、読み出した前記猶予秒数の時間が経過した後、前記第1の遮断弁を遮断する
    ことを特徴とする請求項1に記載の地震信号処理装置。
  3. 前記記憶部には、予め定められた設定震度が記憶され、
    前記第1の遮断制御部は、入力される前記P波検知信号に基づく前記地震の予測震度と、前記記憶部に記憶された前記設定震度とを比較し、前記予測震度が前記設定震度を超える場合、前記第1の遮断弁を遮断する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の地震信号処理装置。
  4. 前記記憶部には、地震が到達する前に遮断弁を閉じる余裕時間を示す設定予想秒数が予め記憶され、
    前記第1の遮断制御部は、入力される前記P波検知信号に応じた地震が到達するまでの到達予想秒数と、前記記憶部に記憶された前記設定予想秒数とを比較し、前記到達予想秒数が、前記設定予想秒数以下である場合、前記第1の遮断弁を遮断する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の地震信号処理装置。
  5. 前記地震信号処理装置は、P波またはS波を検知してP波検知信号またはS波検知信号を前記入力部に入力する複数台の地震計装置に接続されており、
    前記第1の遮断制御部は、前記入力部に、前記複数台の地震計装置のうち定められた台数以上の前記地震計装置から前記P波検知信号が入力された場合に、前記第1の遮断弁を閉じる
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の地震信号処理装置。
  6. 前記入力部には、気象庁から配信されるP波検知信号と、当該P波検知信号が誤報であったことを示すキャンセル信号とが入力され、
    前記復帰制御部は、前記入力部に前記P波検知信号が入力され前記第1の遮断制御部によって前記第1の遮断弁が閉じられた後、前記入力部に前記キャンセル信号が入力された場合、閉じられた前記第1の遮断弁を開けてガスの供給を復帰させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の地震信号処理装置。
  7. 前記ガス供給システムは、前記ボンベの胴部と前記遮断弁とのうち少なくとも一方に取り付けられるエアーカバーを備え、
    前記入力部から前記P波検知信号が入力されると、前記エアーカバーにガスを封入して膨張させるエアーカバー制御部を備える
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6までのいずれか1項に記載の地震信号処理装置。
  8. ガスが充填されたボンベから配管を通ってガス供給先に前記ガスが供給されるガス供給システムにおいて、前記配管から前記ガス供給先へ前記ガスを供給または遮断する第1の遮断弁と、前記ボンベから前記配管へ前記ガスを供給または遮断する第2の遮断弁との開閉を制御する地震信号処理装置の、
    入力部に、地震によるP波が検知されたことを示すP波検知信号、または地震によるS波が検知されたことを示すS波検知信号が入力されるステップと、
    第1の遮断制御部が、前記入力部から前記P波検知信号が入力されると、前記第1の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断するステップと、
    第2の遮断制御部が、前記入力部から前記S波検知信号が入力されると、前記第2の遮断弁を閉じてガスの供給を遮断するステップと、
    復帰制御部が、前記入力部に前記P波検知信号が入力され、前記第1の遮断制御部によって前記第1の遮断弁が閉じられた後に前記入力部に前記S波検知信号が入力されない場合、閉じられた前記第1の遮断弁を開けてガスの供給を復帰させるステップと、
    を備えることを特徴とする地震信号処理方法。
JP2008254223A 2008-09-30 2008-09-30 地震信号処理装置および地震信号処理方法 Expired - Fee Related JP5222085B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008254223A JP5222085B2 (ja) 2008-09-30 2008-09-30 地震信号処理装置および地震信号処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008254223A JP5222085B2 (ja) 2008-09-30 2008-09-30 地震信号処理装置および地震信号処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010084843A true JP2010084843A (ja) 2010-04-15
JP5222085B2 JP5222085B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=42249003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008254223A Expired - Fee Related JP5222085B2 (ja) 2008-09-30 2008-09-30 地震信号処理装置および地震信号処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5222085B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014215208A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 大成建設株式会社 地震の主要動強さの予測方法および予測システム
JP2017011542A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 東芝ライテック株式会社 制御システム、制御方法、及びプログラム
KR20180128134A (ko) * 2017-05-23 2018-12-03 (주)진솔루션 지진 감지센서를 구비한 가스 서플라이 시스템
JP2019108896A (ja) * 2017-12-15 2019-07-04 旭有機材株式会社 配管部材の遮断開放システム及び、配管部材の遮断開放方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09152901A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd ガス遮断装置
JP2005301542A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Hochiki Corp 防災システム
JP2007108012A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Oki Electric Ind Co Ltd 地震防災システム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09152901A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd ガス遮断装置
JP2005301542A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Hochiki Corp 防災システム
JP2007108012A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Oki Electric Ind Co Ltd 地震防災システム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014215208A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 大成建設株式会社 地震の主要動強さの予測方法および予測システム
JP2017011542A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 東芝ライテック株式会社 制御システム、制御方法、及びプログラム
KR20180128134A (ko) * 2017-05-23 2018-12-03 (주)진솔루션 지진 감지센서를 구비한 가스 서플라이 시스템
KR101995361B1 (ko) * 2017-05-23 2019-07-02 (주)진솔루션 지진 감지센서를 구비한 가스 서플라이 시스템
JP2019108896A (ja) * 2017-12-15 2019-07-04 旭有機材株式会社 配管部材の遮断開放システム及び、配管部材の遮断開放方法
JP7123553B2 (ja) 2017-12-15 2022-08-23 旭有機材株式会社 配管部材の遮断開放システム及び、配管部材の遮断開放方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5222085B2 (ja) 2013-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5222085B2 (ja) 地震信号処理装置および地震信号処理方法
JP4491399B2 (ja) 地震防災システム
KR101219176B1 (ko) 재난 방지용 통합관리 제어 시스템
WO2006111958A3 (en) Remote data mirroring system
WO2006086196A3 (en) Method and system for detecting a predetermined sound event
Dewi et al. Wireless sensor network on LPG gas leak detection and automatic gas regulator system using Arduino
JP2006025600A (ja) 電力遮断システム
JP5187880B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3929058B2 (ja) 防災システム
KR101872958B1 (ko) 수배전반용 지진감지 시스템
JP6426036B2 (ja) ガス供給制御装置及び制御方法
WO2016196881A1 (en) Gas detection and fire suppression system for hydrogen salt cavern
KR20160055607A (ko) 가스 누출 사고 방지장치 및 그의 제어방법
JP2007004452A (ja) 災害避難支援システム
JP2009174979A (ja) 地震防災システム
JP6340592B2 (ja) ガス遮断装置
JP2007164255A (ja) 警報器
JP2007066218A (ja) クリーンルームの防災設備
KR101995361B1 (ko) 지진 감지센서를 구비한 가스 서플라이 시스템
JPH0650535A (ja) ガス遮断システム
JP2008269439A (ja) ガスメータ、ガス漏れ警報器、及びガスセキュリティシステム
JP2006274341A (ja) 高炉への還元性ガス吹込制御方法と装置
JPH05126960A (ja) 排気管脱落検知装置
JP2006105759A (ja) 感震ユニット
KR102229474B1 (ko) 가스 공급 조절 박스

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130308

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5222085

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees