JP2010079176A - 光学レンズ - Google Patents

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正也 中井
Keiichi Kuramoto
慶一 蔵本
Mitsuharu Matsumoto
光晴 松本
Taizo Kobayashi
泰三 小林
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Abstract

【課題】光軸方向における厚みの厚い部分と厚みの薄い部分とで、透過率を均一にすることができる光学レンズを得る。
【解決手段】母相樹脂3中に無機フィラーを含有させた複合材料から形成された凸レンズ形状を有する光学レンズ10であって、平均粒径が相対的に大きい無機フィラー4を含む第1の領域1と、平均粒径が相対的に小さい無機フィラー5を含む第2の領域2とから構成され、第1の領域1及び第2の領域2が光軸方向Aにおける中心軸Bを軸とした軸対称の形状を有しており、光軸方向Aにおける中心軸Bを通る断面において、中央領域6における無機フィラー4の総断面積を中央領域6における無機フィラー4の個数で除して得られる無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積が、周辺領域7における無機フィラーの総断面積を周辺領域7における無機フィラー5の個数で除して得られる無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積よりも大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、母相樹脂中にガラスフィラーなどの無機フィラーを含有させた複合材料から形成された光学レンズに関するものである。
ガラスのような無機材料を用いたレンズは、熱膨張率は小さいという利点があるものの、重くて製造コストが高く、非球面などの自由な形状の作製が難しいという問題がある。
一方、樹脂材料のような有機材料は、軽くて製造コストが安いものの、熱膨張率が高いなどの問題点を有している。このような状況において、低熱膨張率でかつ軽量であるという性能を両立させたレンズ材料が求められており、有機材料中に無機材料のフィラーを含有した有機無機複合材料が注目を集めている。
異種材料を複合した複合材料において、透明性を高めるためには、フィラーのサイズを光の波長より小さいナノレベルにする方法、母相材料とフィラー材料の屈折率を合わせて界面反射を小さくする方法などが挙げられる。
特許文献1においては、異なる粒径の粒子を分散させたプラスチックレンズが開示されている。しかしながら、この従来技術においては、粒子の分散が制御されておらず、異なる粒径の粒子を均一に分散させているため、光軸方向における厚みの厚い部分において、母相樹脂とフィラーとの界面の数が多くなり、透明性が損なわれるという問題があった。
特開平05−93087号公報
本発明の目的は、光軸方向における厚みの厚い部分と、厚みの薄い部分とで透過率を均一にすることができる光学レンズを提供することにある。
本発明の第1の局面に従う光学レンズは、母相樹脂中に無機フィラーを含有させた複合材料から形成された凸レンズ形状を有する光学レンズであって、平均粒径が相対的に大きい無機フィラーを含む第1の領域と、平均粒径が相対的に小さい無機フィラーを含む第2の領域とから構成され、第1の領域及び第2の領域が光軸方向における中心軸を軸とした軸対称の形状を有しており、光軸方向における中心部の厚みと周縁部の厚みの平均値以上の厚みを有する領域を中央領域とし、平均値未満の厚みを有する領域を周辺領域としたとき、光軸方向における中心軸を通る断面において、中央領域における無機フィラーの総断面積を中央領域における無機フィラーの個数で除して得られる無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積が、周辺領域における無機フィラーの総断面積を周辺領域における無機フィラーの個数で除して得られる無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積よりも大きいことを特徴としている。
本発明の第1の局面においては、中央領域における無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積が、周辺領域における無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積よりも大きくなるようにしている。周辺領域におけるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積を相対的に大きくすることができるので、中央領域における母相樹脂と無機フィラーとの界面の数を減少させることができる。このため、中央領域における透過率を高めることかでき、光軸方向における厚みの厚い部分と厚みの薄い部分とで透過率を均一にすることができる。
本発明の第2の局面に従う光学レンズは、母相樹脂中に無機フィラーを含有させた複合材料から形成された凹レンズ形状を有する光学レンズであって、平均粒径が相対的に大きい無機フィラーを含む第1の領域と、平均粒径が相対的に小さい無機フィラーを含む第2の領域とから構成され、第1の領域及び第2の領域が光軸方向における中心軸を軸とした軸対称の形状を有しており、光軸方向における中心部の厚みと周縁部の厚みの平均値以下の厚みを有する領域を中央領域とし、平均値より大きな厚みを有する領域を周辺領域としたとき、光軸方向における中心軸を通る断面において、中央領域における無機フィラーの総断面積を中央領域における無機フィラーの個数で除して得られる無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積が、周辺領域における無機フィラーの総断面積を周辺領域における無機フィラーの個数で除して得られる無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積よりも小さいことを特徴としている。
本発明の第2の局面においては、中央領域における無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積が、周辺領域における無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積よりも小さくなるようにしている。従って、周辺領域における無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積を中央領域よりも大きくすることができるので、周辺領域における母相樹脂と無機フィラーとの界面の数を減少させることができる。このため、相対的に厚みが厚い周辺領域における透過率を高めることができ、光軸方向における厚みの厚い部分と厚みの薄い部分とで透過率を均一にすることができる。
本発明の第1の局面及び第2の局面における「平均粒径が相対的に大きい無機フィラーを含む第1領域」は、第1の領域に含まれる無機フィラーの平均粒径が、第2の領域に含まれる無機フィラーの平均粒径よりも大きいことを意味している。また、同様に、「平均粒径が相対的に小さい無機フィラーを含む第2の領域」は、第2の領域に含まれる無機フィラーの平均粒径が第1の領域に含まれる無機フィラーの平均粒径よりも大きいことを意味している。
本発明の第3の局面に従う光学レンズは、母相樹脂中に無機フィラーを含有させた複合材料から形成された凸レンズ形状を有する光学レンズであって、無機フィラーの含有率が相対的に高い第1の領域と、無機フィラーの含有率が相対的に低い第2の領域とから構成され、第1の領域及び第2の領域が光軸方向における中心軸を軸とした軸対称の形状を有しており、光軸方向における中心部の厚みと周縁部の厚みの平均値以上の厚みを有する領域を中央領域とし、平均値未満の厚みを有する領域を周辺領域としたとき、光軸方向における中心軸を通る断面において、中央領域における無機フィラーの総断面積を中央領域全体の断面積で除して得られる平均フィラー断面積密度が、周辺領域における無機フィラーの総断面積を周辺領域全体の断面積で除して得られる平均フィラー断面積密度よりも小さいことを特徴としている。
本発明の第3の局面においては、中央領域における平均フィラー断面積密度が、周辺領域における平均フィラー断面積密度よりも小さくなっている。相対的に厚みの厚い中央領域における平均フィラー断面積密度が小さくなっているので、中央領域における母相樹脂と無機フィラーとの界面の数を減少させることができ、厚みの厚い領域における透過率を高めることができる。このため、光軸方向における厚みの厚い部分と、厚みの薄い部分とで透過率を均一にすることができる。
本発明の第4の局面に従う光学レンズは、母相樹脂中に無機フィラーを含有させた複合材料から形成された凹レンズ形状を有する光学レンズであって、無機フィラーの含有率が相対的に高い第1の領域と、無機フィラーの含有率が相対的に低い第2の領域とから構成され、前記第1の領域及び前記第2の領域が光軸方向における中心軸を軸とした軸対称の形状を有しており、光軸方向における中心部の厚みと周縁部の厚みの平均値以下の厚みを有する領域を中央領域とし、前記平均値より大きな厚みを有する領域を周辺領域としたとき、光軸方向における前記中心軸を通る断面において、前記中央領域における無機フィラーの総断面積を前記中央領域全体の断面積で除して得られる平均フィラー断面積密度が、前記周辺領域における無機フィラーの総断面積を前記周辺領域全体の断面積で除して得られる平均フィラー断面積密度よりも大きいことを特徴としている。
本発明の第4の局面においては、中央領域における平均フィラー断面積密度が、周辺領域における平均フィラー断面積密度よりも大きくなっている。相対的に厚みの薄い中央領域における平均フィラー断面積密度が、相対的に厚みの厚い周辺領域における平均フィラー断面積密度よりも大きくなっているので、周辺領域における母相樹脂と無機フィラーとの界面の数を相対的に少なくすることができ、光軸方向における厚みの厚い部分と厚みの薄い部分とで透過率を均一にすることができる。
本発明において、光軸方向の中心軸を通る断面における無機フィラーの総断面積は、光学レンズの光軸方向における中心軸を通る断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより求めることができる。同様に、光軸方向の中心軸を通る断面における無機フィラーの個数も、光学レンズの断面における無機フィラーの個数を測定することにより求めることができる。また、中央領域全体の断面積及び周辺領域全体の断面積も、光学ガラスの光軸方向における中心軸を通る断面をSEMで観察することにより求めることができる。
本発明において、母相樹脂中に含有させる無機フィラーとしては、例えば、ガラス、酸化スズ(SnO)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)などの材料からなるフィラーが挙げられる。これらの中でも、安価であり、良好な透明性を付与することができるので、特にガラスフィラーが好ましく用いられる。
本発明において用いる母相樹脂としては、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂及びフッ素化ポリエチレン樹脂などが用いられる。アクリル樹脂を用いる場合には、屈折率の異なる2種類以上の樹脂を混合し、混合割合を変化させることにより、屈折率を調整することができる。また、フッ素化ポリエチレン樹脂の場合、フッ素置換率を調整をすることにより、屈折率を調整することができる。
本発明において、母相樹脂と無機フィラーの屈折率の差は、0.01以下であることが好ましい。このような屈折率差とすることにより、光学レンズの透過率を高めることができる。
本発明の第1の局面において、中央領域における無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積は、周辺領域における無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積の2倍以上であることが好ましい。
本発明の第2の局面において、中央領域における無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積は、周辺領域における無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積の0.5倍以下であることが好ましい。
本発明の第3の局面において、中央領域における平均フィラー断面積密度は、周辺領域における平均フィラー断面積密度の0.8倍以下であることが好ましい。
本発明の第4の局面において、中央領域における平均フィラー断面積密度は、周辺領域における平均フィラー断面積密度の1.25倍以上であることが好ましい。
本発明によれば、光軸方向における厚みの厚い部分と厚みの薄い部分とで透過率を均一にすることができる。
以下、本発明を具体的な実施形態により説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
本実施形態は、本発明の第1の局面に従う実施形態である。
図1は、第1の実施形態の光学レンズを示す横方向断面図である。本実施形態の光学レンズ10は、凸レンズ形状を有している。図1に示す断面図は、凸レンズの曲面を上方からみたときの断面図である。
図2は、本実施形態の光学レンズ10を示す縦方向の断面図であり、光学レンズ10の光軸方向Aにおける中心軸Bを通る断面を示している。
図1は、図2に示すC−C線に沿う断面図であり、図2は、図1に示すD−D線に沿う断面図である。
本実施形態における光学レンズ10は、平均粒径が相対的に大きいガラスフィラー4を母相樹脂3中に含む第1の領域1と、平均粒径が相対的に小さいガラスフィラー5を母相樹脂3中に含む第2の領域2から構成されている。第1の領域1及び第2の領域2は、光軸方向Aにおける中心軸Bを軸とした軸対称の形状を有している。
本実施形態の光学レンズ10においては、第1の領域1が中心部に位置しており、第1の領域1の周辺を覆うように第2の領域2が形成されている。
図2を参照して、光軸方向Aにおける中心軸Bの部分(中心部)の厚みtと、周縁部の厚みtの平均値T以上の厚みを有する領域が、中央領域6となる。また、平均値T未満の厚みを有する領域が周辺領域7となる。
図3は、光軸方向Aにおける中心軸Bを通る断面を示す断面図である。本発明に従う第1の局面においては、中央領域6におけるフィラーの総断面積Fを、中央領域6におけるフィラーの個数Nで除して得られるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積Sが、周辺領域7におけるフィラーの総断面積Fを周辺領域におけるフィラーの個数Nで除して得られるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積Sよりも大きくなるように設定されている。
上記の関係は、以下の式で示される。
中央領域におけるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積S=(中央領域におけるフィラーの断面積F)/(中央領域におけるフィラーの個数N
周辺領域におけるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積S=(周辺領域におけるフィラーの総断面積F)/(周辺領域におけるフィラーの個数N
中央領域におけるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積S>周辺領域におけるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積S
本発明の第1の局面において、SはSの2倍以上であることが好ましい。
上記の関係を満たすことにより、光軸方向Aにおける厚みの厚い部分と厚みの薄い部分とで透過率を均一にすることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、本発明の第2の局面に従う実施形態である。
図4は、本発明の第2の実施形態の光学レンズを示す横方向断面図である。図5は、本発明の第2の実施形態の光学レンズを示す縦方向断面図である。図4は、図5に示すC−C線に沿う断面図であり、図5は、図4に示すD−D線に沿う断面図である。
本実施形態において、光学レンズ20は、凹レンズ形状を有している。レンズ20は、第1の実施形態と同様に、平均粒径が相対的に大きいガラスフィラー4を母相樹脂3中に含む第1の領域1と、平均粒径が相対的に小さいガラスフィラー5を母相樹脂3中に含む第2の領域2とから構成されている。第1の領域1及び第2の領域2は、光軸方向Aにおける中心軸Bを軸とした軸対称の形状を有している。
図4及び図5に示すように、光学レンズ20の中心部分は、第2の領域2から形成されており、周辺部分において第1の領域が形成されている。
図5を参照して、本実施形態において、光軸方向Aにおける中心軸Bの部分(中心部)の厚みtと周縁部の厚みtの平均値T以下の厚みを有する領域を中央領域6とし、厚みの平均値Tより大きな厚みを有する領域を周辺領域7としている。
本発明の第2の局面においては、光軸方向Aにおける中心軸Bを通る断面において、中央領域6におけるフィラーの総断面積Fを中央領域6におけるフィラーの個数Nで除して得られるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積Sが、周辺領域7におけるフィラーの総断面積Fを周辺領域7におけるフィラーの個数Nで除して得られるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積Sよりも小さくなるように設定している。
上記の関係をまとめると、以下のようになる。
中央領域におけるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積S=(中央領域におけるフィラーの断面積F)/(中央領域におけるフィラーの個数N
周辺領域におけるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積S=(周辺領域におけるフィラーの総断面積F)/(周辺領域におけるフィラーの個数N
中央領域におけるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積S<周辺領域におけるフィラー1個あたりの平均フィラー断面積S
本発明の第2の局面において、Sは、Sの0.5倍以下であることが好ましい。
上記の関係を満たすことにより、光軸方向Aにおける厚みの厚い部分と厚みの薄い部分とで透過率を均一にすることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、本発明の第3の局面に従う実施形態である。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、光学レンズは凸レンズ形状を有している。
本実施形態に従う光学レンズとしては、図1及び図2に示す光学レンズ10において、第1の領域1を、ガラスフィラーの含有率が相対的に高い領域とし、第2の領域2を、ガラスフィラーの含有率が相対的に低い領域としたものが挙げられる。
本発明の第3の局面に従う本実施形態においては、光軸方向Aにおける中心軸Bを通る断面において、中央領域におけるフィラーの総断面積Fを中央領域全体の断面積Rで除して得られる平均フィラー断面積密度Dが、周辺領域におけるフィラーの総断面積Fを周辺領域全体の断面積Rで除して得られる平均フィラー断面積密度Dよりも小さくなるように設定されている。
上記の関係をまとめると、以下のようになる。
中央領域における平均フィラー断面積密度D=(中央領域におけるフィラーの総断面積F)/(中央領域全体の断面積R
周辺領域における平均フィラー断面積密度D=(周辺領域におけるフィラーの総断面積F)/(周辺領域全体の断面積R
中央領域における平均フィラー断面積密度D<周辺領域における平均フィラー断面積密度D
本発明の第3の局面において、Dは、Dの0.8倍以下であることが好ましい。
上記の関係を満たすことにより、光軸方向Aにおける厚みの厚い部分と厚みの薄い部分とで透過率を均一にすることができる。
(第4の実施形態)
本実施形態は、本発明の第4の局面に従う実施形態である。
本実施形態は、図4及び図5に示す光学レンズ20において、第1の領域1を、ガラスフィラーの含有率が相対的に高い領域とし、第2の領域2を、ガラスフィラーの含有率が相対的に低い領域としている。
本発明の第4の局面においては、光軸方向Aにおける中心軸Bを通る断面において、中央領域6におけるフィラーの総断面積Fを中央領域6全体の断面積Rで除して得られる平均フィラー断面積密度Dが、周辺領域7におけるフィラーの総断面積Fを周辺領域7全体の断面積Rで除して得られる平均フィラー断面積密度Dよりも大きくなるように設定している。
上記の関係をまとめると、以下のようになる。
中央領域における平均フィラー断面積密度D=(中央領域におけるフィラーの総断面積F)/(中央領域全体の断面積R
周辺領域における平均フィラー断面積密度D=(周辺領域におけるフィラーの総断面積F)/(周辺領域全体の断面積R
中央領域における平均フィラー断面積密度D>周辺領域における平均フィラー断面積密度D
本発明の第4の局面において、Dは、Dの1.25倍以上であることが好ましい。
上記の関係を満たすことにより、光軸方向Aにおける厚みの厚い部分と厚みの薄い部分とで透過率を均一にすることができる。
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1及び図2に示す第1の実施形態の光学レンズ10を、以下のようにして作製した。
図6は、光学レンズ10を製造する工程を説明するための断面図である。
<第2の領域の半割部分の作製>
母相樹脂として、ウレタンアクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、商品名:MP202)を55重量%、イソボルニルアクリレートを45重量%混合した樹脂を用いた。この母相樹脂の屈折率は1.5200であった。
この母相樹脂中に、平均粒径100μmの球状のガラスフィラー(屈折率:1.5223)を4.0体積%となるように添加し、均一に攪拌混合し、複合材料を作製した。
図6(a)に示すように、この複合材料を、凹面形状の凹部を有した金型31の凹部内に入れ、その上から、凸面形状の凸部32aを有するガラス製の金型32を載せ、押圧した。
この状態で、金型32側から、照射強度60mW/cm、照射時間100秒で、紫外線光源(USHIO社製、SP−7)から紫外線を照射して、複合材料を硬化させた。 これにより、相対的に平均粒径の小さいガラスフィラー5を母相樹脂3中に分散させた第2の領域2の半割部分2aを作製した。
<第1の領域の半割部分の作製>
上記と同様の母相樹脂中に直径300μmの球状のガラスフィラー(屈折率:1.5223)を4.0体積%となるように添加し、均一に攪拌混合して、複合材料を作製した。
この複合材料を、図6(b)に示すように、凹面形状の凹部を有する金型33内に入れ、この状態で上記と同様にUV照射強度60mW/cm、照射時間100秒で紫外線を照射し、複合材料を硬化させた。これにより、相対的に平均粒径の大きいガラスフィラー4を母相樹脂3中に分散させた第1の領域1の半割部分1aを作製した。
<光学レンズ10の半割部分の作製>
図6(c)に示すように、金型31内に配置された第2の領域2の半割部分2aの凹部の上に、接着剤層35を塗布して形成し、その上に、上記のようにして作製した第1の領域1の半割部分1aを載せた。接着剤層35は、母相樹脂を用いて厚さが約20μmとなるように形成した。次に、上記と同様にして、紫外線を照射して接着剤層35を硬化させ、第1の領域1の半割部分1aと、第2の領域2の半割部分2aとを接着させた。
<光学レンズの作製>
上記の光学レンズ10の半割部分を、上記と同様にして2つ作製し、図6(d)に示すように、母相樹脂からなる接着剤層36を介して、光学レンズ10の半割部分を重ね合わせ、接着剤層36を上記と同様にして紫外線で硬化させ、光学レンズ10を作製した。なお、接着剤層36の厚みは約20μmとなるように形成した。
(比較例1)
第1の領域1及び第2の領域2に含有させるガラスフィラーを、いずれも、実施例1において第2の領域に含有させたガラスフィラー(平均粒径100μm)とする以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1の光学レンズを作製した。
(比較例2)
第1の領域1及び第2の領域2に含有させるガラスフィラーを、いずれも、実施例1において第1の領域に含有させたガラスフィラー(平均粒径300μm)とする以外は、実施例1と同様にして光学レンズを作製した。
(実施例2)
第1の領域1及び第2の領域2に含有させるガラスフィラーとして、平均粒径200μm(屈折率:1.5223)を用い、第1の領域1におけるフィラー含有率を2.5体積%とし、第2の領域2に含有させるフィラー含有率を7.5体積%とする以外は、上記実施例1と同様にして光学レンズを作製した。
(比較例3)
第1の領域1におけるフィラー含有率及び第2の領域2におけるフィラー含有率を、いずれも7.5体積%とする以外は、上記実施例2と同様にして光学レンズを作製した。
(比較例4)
第1の領域1におけるフィラー含有率及び第2の領域2におけるフィラー含有率を、いずれも2.5体積%とする以外は、上記実施例2と同様にして光学レンズを作製した。
実施例1〜2及び比較例1〜4において、光学レンズの光軸方向における中心部の厚みtは8mmであり、周縁部の厚みtは2mmであり、これらの厚みの平均値Tは、5mmである。また、光軸方向Aと垂直な方向における光学レンズの直径は30mmであり、半径は15mmである。第1の領域1における光軸A方向の中心部の厚みは7.2mmであり、光軸方向Aに垂直な方向における第1の領域1の直径は、28.0mmであり、半径は14.0mmである。
次に、実施例1〜2及び比較例1〜4における第1の領域の平均粒径(μm)、第2の領域の平均粒径(μm)、第1の領域のフィラー含有率(体積%)、第2の領域のフィラー含有率(体積%)、中央領域のフィラー総断面積F(mm)、周辺領域のフィラー総断面積F(mm)、中央領域のフィラー個数N、周辺領域のフィラー個数N、中央領域の1個あたりの平均フィラー断面積S(mm)、周辺領域の1個あたりの平均フィラー断面積S(mm)、中央領域の平均フィラー断面積密度D、及び周辺領域の平均フィラー断面積密度Dを表1に示す。なお、中央領域全体の断面積Rは、178.9mmであり、周辺領域全体の断面積Rは、22.7mmである。
〔透過率分布の測定〕
実施例1〜2及び比較例1〜4について、中心軸Bからの距離を0mm、4mm、8mm、及び12mmに変えて、それぞれの箇所における透過率を測定した。距離0mmの箇所は、中心軸Bが通る箇所である。
透過率は、分光光度計(日立社製U4100)を使用し、直径2mmのアパーチャーを用いてスポット径2mmの光をレンズの測定対象部分に当て、受光側には積分球を用い、レンズの測定対象部分を透過した 光を積分球で全て捕獲し、透過率(%)=(透過光/入射光)×100の式から求めた。
距離0mm、4mm、8mm、及び12mmにおける透過率を透過率分布として表1に示した。
また、上記各測定箇所における最大値(MAX)及び最小値(MIN)の差を算出し、透過率差(%)として表1に示した。
また、透過率差を、最大透過率(MAX)で除した値を、透過率均一性として表1に示した。
Figure 2010079176
表1に示すように、実施例1においては、中央領域の1個あたりの平均フィラー断面積Sが、周辺領域の1個あたりの平均フィラー断面積Sよりも大きくなっており、約2.96倍になっている。
また、実施例2における中央領域における平均フィラー断面積密度Dは、周辺領域の平均フィラー断面積密度Dよりも小さくなっており、約0.67倍になっている。
表1に示すように、実施例1及び実施例2は、ともに比較例1〜4に比べ、透過率均一性が高くなっている。
従って、本発明によれば、光軸方向Aにおける厚みの厚い部分と厚みの薄い部分とで透過率を均一にできることがわかる。
上記実施例においては、光学レンズが凸レンズ形状を有する第1の局面及び第3の局面について説明したが、光学レンズが凹レンズ形状を有する第2の局面及び第4の局面においても、上記と同様の効果が得られることを確認している。
本発明の第1の局面に従う第1の実施形態の光学レンズを示す横方向断面図。 本発明の第1の局面に従う第1の実施形態の光学レンズを示す縦方向断面図。 図1及び図2に示す実施形態における中央領域及び周辺領域を示す縦方向断面図。 本発明の第2の局面に従う第2の実施形態の光学レンズを示す横方向断面図。 本発明の第2の局面に従う第2の実施形態の光学レンズを示す縦方向断面図。 図1及び図2に示す実施形態の光学レンズを製造する工程を説明するための断面図。
符号の説明
1…第1の領域
1a…第1の領域の半割部分
2…第2の領域
2a…第2の領域の半割部分
3…母相樹脂
4…平均粒径が相対的に大きいガラスフィラー
5…平均粒径が相対的に小さいガラスフィラー
6…中央領域
7…周辺領域
10…光学レンズ(凸レンズ形状)
20…光学レンズ(凹レンズ形状)
31,32,33…金型
35,36…接着剤層
A…光軸方向
B…光軸方向における中心軸
…光軸方向における中心部の厚み
…周縁部の厚み
T…中心部の厚みと周縁部の厚みの平均値

Claims (5)

  1. 母相樹脂中に無機フィラーを含有させた複合材料から形成された凸レンズ形状を有する光学レンズであって、
    平均粒径が相対的に大きい無機フィラーを含む第1の領域と、平均粒径が相対的に小さい無機フィラーを含む第2の領域とから構成され、前記第1の領域及び前記第2の領域が光軸方向における中心軸を軸とした軸対称の形状を有しており、
    光軸方向における中心部の厚みと周縁部の厚みの平均値以上の厚みを有する領域を中央領域とし、前記平均値未満の厚みを有する領域を周辺領域としたとき、
    光軸方向における前記中心軸を通る断面において、前記中央領域における無機フィラーの総断面積を前記中央領域における無機フィラーの個数で除して得られる無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積が、前記周辺領域における無機フィラーの総断面積を前記周辺領域における無機フィラーの個数で除して得られる無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積よりも大きいことを特徴とする光学レンズ。
  2. 母相樹脂中に無機フィラーを含有させた複合材料から形成された凹レンズ形状を有する光学レンズであって、
    平均粒径が相対的に大きい無機フィラーを含む第1の領域と、平均粒径が相対的に小さい無機フィラーを含む第2の領域とから構成され、前記第1の領域及び前記第2の領域が光軸方向における中心軸を軸とした軸対称の形状を有しており、
    光軸方向における中心部の厚みと周縁部の厚みの平均値以下の厚みを有する領域を中央領域とし、前記平均値より大きな厚みを有する領域を周辺領域としたとき、
    光軸方向における前記中心軸を通る断面において、前記中央領域における無機フィラーの総断面積を前記中央領域における無機フィラーの個数で除して得られる無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積が、前記周辺領域における無機フィラーの総断面積を前記周辺領域における無機フィラーの個数で除して得られる無機フィラー1個あたりの平均フィラー断面積よりも小さいことを特徴とする光学レンズ。
  3. 母相樹脂中に無機フィラーを含有させた複合材料から形成された凸レンズ形状を有する光学レンズであって、
    無機フィラーの含有率が相対的に高い第1の領域と、無機フィラーの含有率が相対的に低い第2の領域とから構成され、前記第1の領域及び前記第2の領域が光軸方向における中心軸を軸とした軸対称の形状を有しており、
    光軸方向における中心部の厚みと周縁部の厚みの平均値以上の厚みを有する領域を中央領域とし、前記平均値未満の厚みを有する領域を周辺領域としたとき、
    光軸方向における前記中心軸を通る断面において、前記中央領域における無機フィラーの総断面積を前記中央領域全体の断面積で除して得られる平均フィラー断面積密度が、前記周辺領域における無機フィラーの総断面積を前記周辺領域全体の断面積で除して得られる平均フィラー断面積密度よりも小さいことを特徴とする光学レンズ。
  4. 母相樹脂中に無機フィラーを含有させた複合材料から形成された凹レンズ形状を有する光学レンズであって、
    無機フィラーの含有率が相対的に高い第1の領域と、無機フィラーの含有率が相対的に低い第2の領域とから構成され、前記第1の領域及び前記第2の領域が光軸方向における中心軸を軸とした軸対称の形状を有しており、
    光軸方向における中心部の厚みと周縁部の厚みの平均値以下の厚みを有する領域を中央領域とし、前記平均値より大きな厚みを有する領域を周辺領域としたとき、
    光軸方向における前記中心軸を通る断面において、前記中央領域における無機フィラーの総断面積を前記中央領域全体の断面積で除して得られる平均フィラー断面積密度が、前記周辺領域における無機フィラーの総断面積を前記周辺領域全体の断面積で除して得られる平均フィラー断面積密度よりも大きいことを特徴とする光学レンズ。
  5. 前記無機フィラーがガラスフィラーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学レンズ。
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