JP2010077936A - 油中希釈燃料分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の潤滑オイルの劣化を抑制しつつ燃料成分の気化分離に必要なエネルギーを低減することができる簡易な構造の油中希釈燃料分離装置を提供する。
【解決手段】本油中希釈燃料分離装置20は、内燃機関(エンジン1)の潤滑オイルを貯留するオイル貯留部(オイルパン21)と、減圧室25を有し、且つ、該減圧室内に前記オイル貯留部内の潤滑オイルを吸い上げて該減圧室内を減圧する減圧ポンプ22と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、油中希釈燃料分離装置に関し、更に詳しくは、内燃機関の潤滑オイルの劣化を抑制しつつ燃料成分の気化分離に必要なエネルギーを低減することができる簡易な構造の油中希釈燃料分離装置に関する。
従来より、内燃機関の潤滑オイルの燃料成分の混入による希釈を抑制するため、その分離方法として、オイルを昇温させることにより燃料成分を気化させて分離する方法が知られている。(例えば、特許文献1及び2参照。)。
上記特許文献1には、内燃機関の潤滑回路内に設けられたオイルヒータにより、潤滑オイルの温度を上昇させて、潤滑オイルに混入した燃料や潤滑オイルに混入しようとする燃料のうち気化する燃料成分を増やすことが開示されている。
また、上記特許文献2には、オイルパン内の潤滑油を加熱するためのヒータをオイルパン底部に設けて潤滑油の温度調整を行い、燃料を気化させることが開示されている。
特開2004−190513号公報 特開2004−340056号公報
しかし、上記特許文献1及び2では、オイル中の燃料成分をヒータにて気化させているが、通常、内燃機関の運転時のオイル温度は最高でも130℃程度であり、この場合、オイル中の燃料成分の30%以上が残留してしまう。また、200℃程度まで昇温させればオイル中に含まれる燃料成分の略全量を気化させることができるが、この場合、オイル自体も劣化してしまうという問題が発生する。
しかも、いずれの場合も潤滑回路内のオイル全体を加熱するようにしているので、ヒータが大掛かりな構成になり、気化分離に必要なエネルギーも大きなものとなってしまう。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、内燃機関の潤滑オイルの劣化を抑制しつつ燃料成分の気化分離に必要なエネルギーを低減することができる簡易な構造の油中希釈燃料分離装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.内燃機関の潤滑オイルを貯留するオイル貯留部と、
減圧室を有し、且つ、該減圧室内に前記オイル貯留部内の潤滑オイルを吸い上げて該減圧室内を減圧する減圧ポンプと、を備えることを特徴とする油中希釈燃料分離装置。
2.前記減圧ポンプは、ピストンと、該ピストンを往復移動自在に支持し且つ該ピストンとの間で前記減圧室を形成するシリンダ本体と、を有しており、
前記シリンダ本体には、前記減圧室に連なり且つ前記オイル貯留部内の潤滑オイル中に開口するオイル出入口と、前記ピストンの移動により該オイル出入口を開閉する弁体と、前記ピストンの移動により前記減圧室に連なり且つ前記内燃機関の吸気系に連絡されるガス排出口と、が設けられている上記1.記載の油中希釈燃料分離装置。
3.前記シリンダ本体には、前記ピストンの移動により前記ガス排出口に連なり且つ前記内燃機関のクランク室内に開口するガス導入口が設けられている上記2.記載の油中希釈燃料分離装置。
4.前記ガス排出口には、前記内燃機関の吸気系を構成する吸気管に連なるブローバイガス通路の一端側が接続されている上記2.又は3.に記載の油中希釈燃料分離装置。
本発明の油中希釈燃料分離装置によると、減圧ポンプにより、オイル貯留部内の潤滑オイルが減圧室内に吸い上げられ減圧室内が減圧されて潤滑オイル中に含まれる燃料成分の沸点が下げられて燃料成分が気化分離される。これによって、潤滑オイル中の燃料成分の気化分離が促進され、潤滑オイルの劣化を抑制しつつ燃料成分の気化分離に必要なエネルギーを低減することができる。また、従来のようにヒータで燃料成分を気化分離させるものに比べ、構造を簡素化できる。
また、前記減圧ポンプが、ピストンとシリンダ本体とを有しており、前記シリンダ本体には、オイル出入口と、弁体と、ガス排出口と、が設けられている場合は、ピストンの一方向への移動によって、オイル貯留部内の潤滑オイルがオイル出入口を介してシリンダ本体の減圧室内に導入され、弁体がオイル出入口を閉鎖して減圧室内が減圧されて減圧室内の潤滑オイル中に含まれる燃料成分の沸点が下げられて燃料成分が気化分離される。そして、ピストンの更なる一方向への移動によりガス排出口が減圧室に連なって減圧室内で気化分離された燃料成分が吸気系に送られる。一方、ピストンの他方向への移動によって、弁体がオイル出入口を開放して減圧室内に導入され燃料成分の気化分離された潤滑オイルがオイル貯留部内に戻される。これによって、潤滑オイル中の燃料成分の気化分離が促進され、潤滑オイルの劣化を抑制しつつ燃料成分の気化分離に必要なエネルギーを低減することができる。
また、前記シリンダ本体には、前記ピストンの移動により前記ガス排出口に連なり且つ前記内燃機関のクランク室内に開口するガス導入口が設けられている場合は、ガス導入口を介してクランク室内のガスが導入されることによって、減圧室内で気化分離された燃料成分が吸気系に更に円滑に送られる。
さらに、前記ガス排出口には、前記内燃機関の吸気系を構成する吸気管に連なるブローバイガス通路の一端側が接続されている場合は、減圧室内で気化分離された燃料成分を既存のブローバイガス通路を利用して吸気管に送ることができる。その結果、装置全体の構造をより簡素化することができると共に、気化分離された燃料成分の潤滑オイルへの再混入をより確実に防止することができる。
1.油中希釈燃料分離装置
本実施形態1.に係る油中希釈燃料分離装置は、以下に述べるオイル貯留部及び減圧ポンプを備える。
上記「オイル貯留部」は、内燃機関の潤滑オイルを貯留する限り、その構造、大きさ、形状、材質、数量などは特に問わない。このオイル貯留部としては、例えば、内燃機関の本体の下部に設けられるオイルパン、内燃機関の本体とは別体に設けられるオイルタンク等を挙げることができる。
上記オイル貯留部には、例えば、その略中央部にオイル貯留部内の潤滑オイルを内燃機関の被潤滑部に供給するためのオイル供給路の一端側のオイルストレーナが配設されていることができる。これにより、内燃機関が傾斜状態となっても潤滑オイルを円滑に被潤滑部に供給することができる。
上記「減圧ポンプ」は、減圧室を有し且つこの減圧室内にオイル貯留部内の潤滑オイルを吸い上げて減圧室内を減圧する限り、その構造、大きさ、形状、材質、数量などは特に問わない。この減圧ポンプとしては、例えば、容積形ポンプ(例えば、往復ポンプ、回転ポンプ等)、ターボ形ポンプ(例えば、遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプ等)などを挙げることができる。これらのうち、簡易な構造であるといった観点から、ピストン式、プランジャ式、ダイヤフラム式等の往復ポンプであることが好ましい。
上記減圧ポンプは、例えば、上記内燃機関のクランク室内及び/又はオイル貯留部内に設けられていることができる。
上記減圧ポンプは、常時作動されていてもよいが、例えば、潤滑オイルの燃料希釈度、圧力、温度、粘度、潤滑オイルを冷却する冷却水の温度、内燃機関を構成する部位の温度、内燃機関の運転状態(例えば、回転数、パイロット噴射又はポスト噴射等の副噴射が実施されている時期等)のうちの1種又は2種以上の組み合わせに基づいて制御装置により作動・停止制御されることが好ましい。潤滑オイル中の燃料成分を更に効率よく気化分離することができるためである。
ここで、上記実施形態1.の油中希釈燃料分離装置としては、例えば、上記減圧ポンプは、ピストンと、このピストンを往復移動自在に支持し且つピストンとの間で前記減圧室を形成するシリンダ本体と、を有しており、このシリンダ本体には、減圧室に連なり且つオイル貯留部内の潤滑オイル中に開口するオイル出入口と、ピストンの移動によりオイル出入口を開閉する弁体と、ピストンの移動により減圧室に連なり且つ内燃機関の吸気系に連絡されるガス排出口と、が設けられている形態を挙げることができる。
この場合、上記減圧ポンプは、例えば、シリンダ本体の一端側から他端側に向かうピストンの一方向への移動によって、先ず、オイル貯留部内の潤滑オイルがオイル出入口を介してシリンダ本体の減圧室内に導入されると共に、弁体がオイル出入口を閉鎖して減圧室内が減圧され、次に、ピストンの更なる一方向への移動によりガス排出口が減圧室に連なり、シリンダ本体の他端側から一端側に向かうピストンの他方向への移動によって、ピストンでガス排出口が減圧室から隔離され、弁体がオイル出入口を開放すると共に、減圧室内の潤滑オイルがオイル出入口を介してオイル貯留部内に戻されるように構成されている形態を挙げることができる。
上記ピストンの構造、大きさ、形状、材質、数量などは特に問わない。このピストンは、例えば、内燃機関の駆動力により往復移動されたり、内燃機関とは別の専用の駆動源により往復移動されたりすることができる。
上記シリンダ本体の構造、大きさ、形状、材質、数量などは特に問わない。
上記シリンダ本体には、例えば、ピストンの移動によりガス排出口に連なり且つ内燃機関のクランク室内に開口するガス導入口が設けられていることができる。この場合、例えば、上記減圧ポンプにおいて、ピストンの更なる一方向への移動によりガス排出口が減圧室に連なると共に、ガス導入口がクランク室に連なることができる。これにより、気化分離された燃料成分を吸気系に更に円滑に送ることができる。
上記弁体としては、例えば、(1)オイル出入口内に往復移動自在に支持される支持部と、この支持部に連なりオイル出入口を開閉する弁部と、を有する形態、(2)オイル出入口内に揺動自在に支持される支持部と、この支持部に連なりオイル出入口を開閉する弁部と、を有する形態等を挙げることができる。
上記ガス排出口には、例えば、内燃機関の吸気系を構成する吸気管に連なるブローバイガス通路の一端側が接続されていることができる。このブローバイガス通路としては、例えば、配管、内燃機関の本体又は機構部に形成された通路、空間等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
なお、上記「内燃機関の被潤滑部」としては、例えば、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、カムシャフト、駆動系等を挙げることができる。これらのうち、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン等のピストン周りを循環してオイル貯留部に戻される潤滑オイル中には、ピストンの気筒内壁面の隙間から漏れる比較的多くの燃料が混入している。一方、カムシャフト、駆動系等のヘッド周りを循環してオイル貯留部に戻される潤滑オイル中には殆ど燃料が混入していない。また、ピストン周りを循環する潤滑オイルは、通常、ピストンと気筒との隙間を介してオイル貯留部内に戻される。一方、ヘッド周りを循環する潤滑オイルは、通常、エンジンのシリンダブロック及びシリンダヘッドに形成されクランク室とヘッドカバー内の空間とを連絡する連絡路を介してオイル貯留部内に戻されたり、エンジンのチェーンケース又はベルトケースを介してオイル貯留部内に戻されたりする。
上記「内燃機関」としては、例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、バイオ燃料エンジン等を挙げることができる。したがって、上記実施形態1.に係る油中希釈燃料分離装置により分離される燃料としては、例えば、ガソリン、ディーゼル燃料、バイオ燃料等を挙げることができる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、本実施例では、本発明に係る「内燃機関」として、主噴射の前後に副噴射を行う筒内噴射型エンジン(以下、単に「エンジン」とも記載する。)を例示する。
(1)エンジンの構成
本実施例1に係るエンジン1は、図1に示すように、気筒2が形成されたシリンダブロック1aと、このシリンダブロック1aの上部に固定されたシリンダヘッド1bとを備えている。このシリンダブロック1aの気筒2内には、ピストン3が往復動自在に支持されている。また、シリンダブロック1aの下部には、クランクシャフト4を回転自在に支持してなるクランクケース1cが固定されている。このクランクシャフト4は、コネクティングロッド5を介してピストン3に連結されている。このピストン3の上方には、ピストン3の頂面とシリンダヘッド1bの壁面と気筒2の壁面とに囲まれた燃焼室6が形成されている。
上記シリンダヘッド1bには、その一端側が吸気管7a(本発明に係る「吸気系」として例示する。)に接続され且つその他端側が燃焼室6に接続される吸気ポート8aと、その一端側が排気管7bに接続され且つその他端側が燃焼室6に接続される排気ポート8bとが形成されている。また、シリンダヘッド1bには、吸気ポート8aを開閉する吸気弁9a及び排気ポート8bを開閉する排気弁9bが設けられると共に、これら吸気弁9a及び排気弁9bを駆動するカムシャフト10a,10bがそれぞれ回転自在に支持されている。さらに、シリンダヘッド1bの上部には、上記弁機構を覆うシリンダヘッドカバー1dが取り付けられている。上記吸気管7aの一端側は、エアクリーナボックス11に接続されている。この吸気管7aの途中には、吸気管7a内を流れる吸気量を調整するスロットルバルブ12が設けられている。また、シリンダヘッドカバー1d内の空間13には、その一端側が吸気管7aのスロットルバルブ12の上流側に接続された還元流路16の他端側が接続されている。
(2)油中希釈燃料分離装置の構成
本実施例1に係る油中希釈燃料分離装置20は、図1に示すように、オイルパン21(本発明に係る「オイル貯留部」として例示する。)、及び減圧ポンプ22を備えている。このオイルパン21とエンジン1の被潤滑部(例えば、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、カムシャフト、駆動系等)とは、図示しないオイル循環経路を介して連絡されている。また、上記減圧ポンプ22は、ピストン23と、このピストン23を上下方向に往復移動自在に支持し且つピストン23との間で減圧室25を形成するシリンダ本体24とを有している。この減圧室25の容積は、ピストン23の往復移動により増減される。このピストン23は、エンジン1のクランクシャフト4に適宜動力伝達機構を介して連繋されており、エンジン1の駆動力により常時往復移動されるようになっている。
上記シリンダ本体24の下端側には、図2(a)に示すように、減圧室25に連なり且つオイルパン21内のオイル中に開口するオイル出入口27が設けられている。このオイル出入口27には、ピストン23の移動によりオイル出入口27を開閉する弁体28が設けられている。この弁体28は、オイル出入口27の内周面に上下方向に移動自在に支持される軸状の支持部28aを有している。この支持部28aの外周面側には、上下方向に延びるオイル流通用の多数の溝29が形成されている。また、支持部28aの下端側には連結軸28bを介してオイル出入口27を開閉する弁部28cが設けられている。さらに、オイル出入口27の下端側には、支持部28aの底面と干渉してオイル出入口27に対する弁体28の抜け止めを図る抜止部材30が取り付けられている。
また、上記シリンダ本体24の外周側には、吸気管7aのスロットバルブ12の下流側に連なるブローバイガス通路32の一端側が接続されたガス排出口33が設けられている。このブローバイガス通路32のガス排出口33への接続端側には、流量制御バルブ34(「PCVバルブ」とも呼ばれる。)が設けられている。また、上記シリンダ本体24の外周側にはガス排出口33と略同じ高さ位置に、エンジン1のクランク室14内に開口するガス導入口35が設けられている。また、上記ガス排出口33及びガス導入口35は、ピストン23の往復移動によって、減圧室25に連通された状態{図2(c)参照}と、減圧室25から隔離された状態{図2(a)(b)(d)参照}とを繰り返すこととなる。さらに、上記オイルパン21の略中央部には、オイルパン21内のオイルをエンジン1の被潤滑部に供給するためのオイル供給路37の一端側のオイルストレーナ38が配設されている(図1参照)。
(3)油中希釈燃料分離装置の作用
次に、上記構成の油中希釈燃料分離装置20の作用について説明する。
上記減圧ポンプ22において、図2(a)に示すように、シリンダ本体24の下端側に位置するピストン23が上昇すると、オイルパン21内のオイルがオイル出入口27及び弁体28の溝29を介して減圧室25内に流入される。そして、図2(b)に示すように、ピストン23が更に上昇すると、弁体28が上昇して弁部28cでオイル出入口27が閉鎖され減圧室25内の圧力が低下して減圧(例えば、−50kPa)される。このとき、減圧室25内に吸い上げられたオイル中に含まれる燃料成分は、その沸点が下げられて気化分離される。
次いで、図2(c)に示すように、ピストン23が更に上昇すると、ガス排出口33及びガス導入口35が減圧室25に連通された状態となり、ガス導入口35を介してクランク室14内のブローバイガスが減圧室25内に流入されると共に、その流入されたブローバイガスと共に減圧室25内で気化分離された燃料成分は、ガス排出口33及びブローバイガス通路32を介して吸気管7aに送られる。
その後、図2(d)に示すように、シリンダ本体24の上端側に位置するピストン23が下降すると、ピストン23によりガス排出口33及びガス導入口35が減圧室25から隔離され、弁体28が下降してオイル出入口27を開放すると共に、減圧室25内の潤滑オイルがオイル出入口27を介してオイルパン21内に勢いよく戻されることとなる。
(4)実施例の効果
以上より、本実施例の油中希釈燃料分離装置20では、減圧ポンプ22により、オイルパン21内のオイルを減圧室25内に吸い上げて減圧室25内を減圧するようにしたので、オイル中に含まれる燃料成分の沸点が下げられて燃料成分が気化分離される。これによって、オイル中の燃料成分の気化分離が促進され、オイルの劣化を抑制しつつ燃料成分の気化分離に必要なエネルギーを低減することができる。
また、本実施例では、減圧ポンプ22を、ピストン23とシリンダ本体24とを有して構成し、シリンダ本体24に、オイル出入口27と、弁体28と、ガス排出口33と、を設けたので、ピストン23の上昇によって、オイルパン21内のオイルがオイル出入口27を介してシリンダ本体24の減圧室25内に導入され、弁体28がオイル出入口27を閉鎖して減圧室25内が減圧されてオイル中に含まれる燃料成分の沸点が下げられて燃料成分が気化分離される。そして、ピストン23の更なる上昇によりガス排出口33が減圧室25に連なって減圧室25内で気化分離された燃料成分が吸気系7aに送られる。一方、ピストン23の下降によって、弁体28がオイル出入口27を開放して減圧室25内に導入され燃料成分の気化分離されたオイルがオイルパン21内に戻される。これによって、オイル中の燃料成分の気化分離が促進され、オイルの劣化を抑制しつつ燃料成分の気化分離に必要なエネルギーを低減することができる。
また、本実施例では、ピストン23の下降によって、減圧室25内の燃料成分が分離された潤滑オイルをオイルパン21内のオイル中に勢いよく排出させるようにしたので、そ排出オイルによりオイルパン21内のオイル全体が攪拌され、減圧室25内とオイルパン21内との間でオイルを円滑に流通させることができる。
また、本実施例では、シリンダ本体24に、ピストン23の上昇によりガス排出口33(減圧室25)に連なり且つエンジン1のクランク室14内に開口するガス導入口35を設けたので、ガス導入口35を介してクランク室14内のガスが減圧室25内に導入されることによって、減圧室25内で気化分離された燃料成分が吸気管7aに更に円滑に送られる。
さらに、本実施例では、ガス排出口33に、吸気管7aに連なるブローバイガス通路32の一端側を接続したので、減圧室25内で気化分離された燃料成分を既存のブローバイガス通路32を利用して吸気管7aに送ることができる。その結果、装置全体の構造をより簡素化することができると共に、気化分離された燃料成分の潤滑オイルへの再混入をより確実に防止することができる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、減圧ポンプ22のシリンダ本体24にガス排出口33及びガス導入口35を設け、このガス排出口33に接続されるブローバイガス通路32を介して減圧室25内で気化分離された燃料成分及びクランク室14内のブローバイガスを吸気管7aに送るようにしたが、これに限定されず、例えば、図3に示すように、減圧ポンプ22のシリンダ本体24にガス排出口33を設け、このガス排出口33にその一端側が吸気管7aに接続される連絡路40の他端側を接続して、この連絡路40を介して減圧室25内で気化分離された燃料成分を吸気管7aに送るようにしてもよい。この場合、クランク室14内のブローバイガスは、連絡路41を介してクランク室14からシリンダヘッドカバー1d内の空間13に送られ、エンジン1の低回転域ではブローバイガス通路15を介して吸気管7aに還流され、エンジン1の高回転域ではブローバイガス通路15に加えて還元流路16を介して吸気管7aに還流されることとなる。
さらに、本実施例では、シリンダ本体24の外周側にガス導入口35を設け、ピストン23の上昇の途中でガス導入口35を減圧室25に連通させるようにしたが、これに限定されず、例えば、図3に示すように、シリンダ本体24の上端側にガス導入口43を設け、ピストン23の下降の途中でガス導入口43を減圧室25を介さずにガス排出口33に連通させるようにしてもよい。
内燃機関の潤滑オイルに混入した燃料成分を分離する技術として広く利用される。特に、直噴式エンジン等のオイルに燃料成分が混入しやすい方式のエンジンで使用されるオイルから燃料成分を分離する技術として好適に利用される。
本実施例に係る油中希釈燃料分離装置を備えるエンジンの縦断面図である。 本実施例に係る減圧ポンプの作用を説明するための説明図であり、(a)はピストンが下端に位置する状態を示し、(b)は減圧室が減圧されている状態を示し、(c)は気化分離された燃料成分が排出されている状態を示し、(d)は減圧室内のオイルがオイルパンに戻されている状態を示す。 その他の形態の油中希釈燃料分離装置を備えるエンジンの縦断面図である。
符号の説明
1;エンジン、7a;吸気管、14;クランク室、20;油中希釈燃料分離装置、21;オイルパン、22;減圧ポンプ、23;ピストン、24;シリンダ本体、25;減圧室、27;オイル出入口、28;弁体、32;ブローバイガス通路、33;ガス排出口、35;ガス導入口。

Claims (4)

  1. 内燃機関の潤滑オイルを貯留するオイル貯留部と、
    減圧室を有し、且つ、該減圧室内に前記オイル貯留部内の潤滑オイルを吸い上げて該減圧室内を減圧する減圧ポンプと、を備えることを特徴とする油中希釈燃料分離装置。
  2. 前記減圧ポンプは、ピストンと、該ピストンを往復移動自在に支持し且つ該ピストンとの間で前記減圧室を形成するシリンダ本体と、を有しており、
    前記シリンダ本体には、前記減圧室に連なり且つ前記オイル貯留部内の潤滑オイル中に開口するオイル出入口と、前記ピストンの移動により該オイル出入口を開閉する弁体と、前記ピストンの移動により前記減圧室に連なり且つ前記内燃機関の吸気系に連絡されるガス排出口と、が設けられている請求項1記載の油中希釈燃料分離装置。
  3. 前記シリンダ本体には、前記ピストンの移動により前記ガス排出口に連なり且つ前記内燃機関のクランク室内に開口するガス導入口が設けられている請求項2記載の油中希釈燃料分離装置。
  4. 前記ガス排出口には、前記内燃機関の吸気系を構成する吸気管に連なるブローバイガス通路の一端側が接続されている請求項2又は3に記載の油中希釈燃料分離装置。
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