JP2007285261A - 内燃機関におけるブローバイガス処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタで分離された潤滑油の油還流路の開閉を適正且つ容易に行えるようにする。
【解決手段】ブローバイガスフィルタ24より下流の流路232には油還流パイプ26Aが接続されており、油還流パイプ26Aには開閉弁27が接続されており、開閉弁27には油還流パイプ26Bが接続されている。オイルポンプ18とオイルフィルタ21との間の油路20内の油圧は、油圧パイプ34を介して開閉弁27の弁体29に作用する。油圧路33内の油圧は、弁体29を閉位置から開位置に向けて付勢する。閉状態にある開閉弁27は、油圧の増大に対して弁開度を小さくしてゆき、油圧が予め設定された基準圧力以上になると、開状態へ移行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関で発生するブローバイガスを吸気系に流して処理するブローバイガス処理装置に関するものである。
内燃機関では、燃焼中に、燃焼室内のガスの一部がピストンとシリンダ壁との間からブローバイガスとしてクランクケース側に漏れ出る。ブローバイガス中には、未燃状態の燃料成分等が混入しており、外部に排出することは好ましくないため、吸気系に還流し、再度燃焼室内にて燃焼させることで処理している。ところで、クランクケース内には潤滑油がミスト状になって飛散している。そのため、クランクケース内から吸気系へ流されるブローバイガス中にはミスト状の潤滑油が含まれている。ブローバイガス中に含まれる潤滑油が吸気系へ送られてしまうと、この潤滑油の成分が吸気バルブや吸気ポートの壁面に付着してデポジットとして堆積し、吸気バルブの作動や密閉性が悪影響を受ける。あるいは燃料に加え潤滑油が燃焼されるために、所望の出力以上の出力が発生する、又は、潤滑油の消費が早い、という不具合が生じる。
そこで、ブロ−バイガス中に含まれる潤滑油を吸気系へ送る前に分離し、潤滑系に戻すようにしたブローバイガス処理装置が例えば特許文献1,2,3に開示されている。
特許文献1に開示の装置では、シリンダケース内からシリンダヘッド内へ送られたブローバイガスを吸気通路へ流すガス還流管路上にフィルタが介在されている。ブローバイガス中の潤滑油は、フィルタで分離され、分離された潤滑油は、ドレン管路を経由してオイルパンへ戻される。ドレン管路上には逆止弁が介在されている。逆止弁は、前後のドレン管路の差圧により作動し、ドレン管路を経由したオイルパン側からの逆流を防止する。
特許文献2に開示の装置では、ブローバイガスを吸気通路へ流す還流通路上にオイルセパレータが介在されている。ブローバイガス中の潤滑油は、オイルセパレータで分離され、分離された潤滑油は、リターンパイプを経由してオイルパンへ戻される。リターンパイプ上には電磁開閉弁が介在されている。電磁開閉弁は、エンジン作動中は閉じ、逆流を防止する。エンジン停止中は吸気系が大気圧に戻っているので、電磁開閉弁を連通し、潤滑油をオイルパンに戻す。
特許文献3に開示の装置では、シリンダヘッドカバーに、オイル分離フィルタを収容したブリーザ室が内設されている。クランクケースよりシリンダヘッドに流入したブローバイガスは、ブリーザ室内にてオイルを分離された後、吸気管等に放出される。ブリーザ室にて分離されたオイルは、下端口が油溜まり容器内に開口するオイル回収管を介し、シリンダヘッド内に戻される。また、オイル回収管と油溜まり容器に溜まったオイルの作用により、オイル回収管からのオイル及びブローバイガスの逆流は防止される。
以上の如く、ブローバイガスより分離した潤滑油をエンジン内潤滑系に戻す場合に、吸気系の負圧の作用による逆流が生じないように配慮した構造が、従来より提案されていた。
特開2001−182520号公報 特開2003−278522号公報 特開平08−260936
特許文献1に開示のように、ブローバイガスから潤滑油を分離するためにフィルタを用いる場合、フィルタに付着したオイルの大半は、重力の作用にて下方に移動後フィルタより分離し、ドレン管路に流れ込むが、一部のオイルはフィルタ中に残る。そして、オイルの粘度は温度の影響を受けるため、エンジンの低温始動時では、オイルの高粘度化により、フィルタの圧損が増加する。
ドレン管路上に介在された逆止弁は、フィルタの圧損が増加し、ドレン管路に作用する負圧が増加した場合にも、正常に作動すればドレン管路内の逆流を防止することができる。しかし、この様に、差圧により受動的に開閉する逆止弁では、小さな力で弁が開閉される必要があるため、例えばオイルの汚れに起因し、固着を生じやすいという問題がある。
逆止弁の代わりに、特許文献2に開示のように電磁開閉弁を用いることで、固着の問題を回避することはできる。しかし、特許文献2に開示された、エンジンの作動中と停止中にて閉弁と開弁を切替える制御は、全ての使用形態のエンジンにて好ましいものではない。例えば、空調目的のガスヒートポンプに使用されるエンジン等、長時間連続運転されるエンジンでは、電磁開閉弁の閉弁により、オイルセパレータよりリターンパイプに滞留するオイルが相対的に多量となり、一度分離したオイルが、再度ブローバイガスに混入しやすくなる。例えば、エンジンの運転状態等を検出し、エンジン運転中においても逆流が生じない条件下で、開弁制御を追加することが考えられるが、センサー及び専用の制御プログラム等の追加を必要とし、更に、オイルの粘度を的確に検出し電磁開閉弁の制御に反映させることが難しい、という問題がある。
特許文献3のように、油溜まり容器を用いる構造では、圧損の増大に対し、オイルリターンパイプの長さ、言い換えると、オイルリターンパイプの上端から油溜まり容器内の油面までの距離を長く取ることでオイルの吸い上げを防止できる。しかし、オイルリターンパイプの長さは、エンジンの大きさなどによって制約される。オイルリターンパイプが短く制限されるものでは、低温始動時などの高圧損時には油溜まり容器内のオイルを吸い上げ、吸気系にオイルが混入することになる。
本発明は、フィルタで分離された潤滑油の油還流路の開閉を適正且つ容易に行えるようにすることを目的とする。
本発明は、内燃機関で発生するブローバイガスを吸気系に流すためのブローバイガス流路と、前記ブローバイガス流路の途中に介在されたブローバイガスフィルタと、前記ブローバイガスフィルタよりも下流の前記ブローバイガス流路に通じる油還流路と、前記油還流路の出口が内部に開口する油溜まり容器と、を備えた内燃機関におけるブローバイガス処理装置を対象とし、請求項1の発明は、オイルポンプと、前記油還流路を開閉し、前記オイルポンプによって送り出される油の油圧によって制御される開閉弁とを備え、前記開閉弁が開状態から閉状態へ移行するのは、前記油圧の増大によって行われることを特徴とする。
ブローバイガスフィルタに捕捉されている油の粘度が高い場合には、オイルポンプから送り出される油の圧力(油圧)が通常の運転状態よりも高くなるため、開閉弁が閉状態となる。内燃機関の温度が低いときには油の粘度が高い(つまり、オイルポンプ18から送り出される潤滑油の油圧が高い)ことを利用して開閉弁の開閉制御を行なう構成は、油還流路の適正な開閉の容易化に寄与する。
好適な例では、前記開閉弁は、低温始動時のオイルの高粘度化に伴う油圧の増大により、開状態から閉状態へ移行する。
低温始動時のオイルの高粘度化に伴って油圧が通常の運転状態よりも高くなり、開閉弁が閉状態となる。
好適な例では、前記オイルポンプによって送り出される油の油路の途中にオイルフィルタが設けられており、前記開閉弁は、前記オイルポンプと前記オイルフィルタとの間の前記油路における油圧によって制御される。
オイルポンプと圧損の大きいオイルフィルタとの間の油路における油圧は、開閉弁を制御するための油圧として最適である。
本発明は、フィルタで分離された潤滑油の油還流路の開閉を適正且つ容易に行えるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1(a)は、図示しない空気調整装置(ガスヒートポンプ)の駆動源である内燃機関10を示す。図示しない複数のピストンを内蔵するシリンダブロック11に連結されたシリンダヘッド12にはヘッドカバー13が装着されている。シリンダヘッド12には吸気系としての吸気管に連なるインテークマニホールド15、排気系としてエキゾーストマニホールド16が接続されている。
シリンダブロック11の下部にはオイルパン14が装着されている。オイルパン14内の潤滑油は、オイルポンプ18の作動によってオイルストレーナ19を介して吸い上げられ、吸い上げられた潤滑油は、オイルポンプ18から油路20を介してオイルフィルタ21へ圧送される。オイルフィルタ21を通過した潤滑油は、図示しない油路を介して潤滑必要な箇所へ送られる。潤滑必要な箇所へ送られた潤滑油は、図示しない油路を経由してオイルパン14へ還流される。シリンダブロック11内の燃焼室に通じる吸気ポートを開閉する吸気弁を駆動する吸気カム機構、燃焼室に通じる排気ポートを開閉する排気弁を駆動する排気カム機構等は、潤滑必要な箇所である。オイルポンプ18は、図示しないクランクシャフトまたはクランクシャフトによって駆動されるカムシャフトなどに連結されることで駆動される。
シリンダブロック11にはチェーンケース22が取り付けられている。チェーンケース22内には図示しないスプロケット及びスプロケットに巻き掛けられたチェーンが収容されている。チェーンケース22内のスプロケット及びチェーンは、内燃機関10のクランク軸(図示略)の回転駆動力を前記した吸気カム機構、排気カム機構、オイルポンプ18等へ伝達するものである。チェーンケース22内部も、潤滑必要な箇所として潤滑油が供給されており、スプロケット、チェーン等潤滑した潤滑油は滴下し、図示しない下方の連通部よりオイルパン14内部に戻る。
ヘッドカバー13内には保持ケース23が収容されており、保持ケース23にはブローバイガスフィルタ24が保持されている。ブローバイガスフィルタ24は、保持ケース23の底壁231から浮いた位置、且つヘッドカバー13の上壁131から離れた位置に保持されている。保持ケース23にはパイプ25が接続されている。パイプ25の一端は、保持ケース23内へ開口しており、パイプ25の他端は、吸気管又はインテークマニホールド15に接続されている。
シリンダブロック11内で発生するブローバイガスは、図示しない通路を経由してヘッドカバー13の内部132へ流入する。ヘッドカバー13の内部132のブローバイガスは、保持ケース23とヘッドカバー13の上壁131との間を経由してブローバイガスフィルタ24を上から下へと通過してゆく。ブローバイガスフィルタ24を通過したブローバイガスは、ブローバイガスフィルタ24と保持ケース23の底壁231との間の流路232、及びパイプ25を経由して吸気管又はインテークマニホールド15へ流入する。ヘッドカバー13の内部132、流路232及びパイプ25は、ブローバイガス流路を構成する。
保持ケース23の底壁231には油還流パイプ26Aの一端が接続されている。油還流パイプ26Aは、ブローバイガスフィルタ24より下流の保持ケース23内の流路232に連通している。油還流パイプ26Aの他端には開閉弁27が接続されている。
図1(b)及び図2に示すように、開閉弁27を構成するバルブハウジング28内には弁室283が形成されており、弁室283内にはピストン型の弁体29がスライド可能に収容されている。弁室283にねじ込まれたボルト形状のバネ座30と弁体29との間には圧縮バネ31が介在されている。圧縮バネ31は、弁室283の内端284に当接する位置に向けて弁体29を付勢する。
弁体29の周面には環状の溝291が弁体29の周面を1周するように形成されている。バルブハウジング28には流入ポート281及び流出ポート282が形成されている。弁体29は、流入ポート281及び流出ポート282と溝291とが連通する開位置と、流入ポート281及び流出ポート282と溝291とが連通しない閉位置とに切り換え配置可能である。流入ポート281には油還流パイプ26Aが接続されており、流出ポート282には油還流パイプ26Bが接続されている。油還流パイプ26A,26Bは、ブローバイガスフィルタ24よりも下流の流路232に通じる油還流路を構成する。
弁体29が開位置にあるときには、油還流パイプ26A,26Bが溝291を介して連通し、弁体29が閉位置にあるときには、油還流パイプ26A,26B間の連通が遮断される。図1(b)では、弁体29が弁室283の内端284に当接した開位置にあり、図2では、弁体29が閉位置にある。つまり、図1(b)では、開閉弁27は開状態にあり、図2では、開閉弁27は閉状態にある。
バルブハウジング28にはボルト形状の油圧路形成体32が螺合されており、油圧路形成体32及びバルブハウジング28には油圧路33が形成されている。油圧路33は、弁室283の内端284側から弁室283に連通している。油圧路33には油圧パイプ34の一端が接続されており、油圧パイプ34の他端は、油路20に接続されている。油路20内の油圧は、油圧パイプ34及び油圧路33を介して弁体29に作用する。弁体29に作用する油圧路33側からの油圧は、弁体29を介して圧縮バネ31のバネ力に対抗する。つまり、油圧路33内の油圧は、弁体29を開位置から閉位置に向けて付勢する。つまり、開状態にある開閉弁27は、油圧が予め設定された基準圧力以上になると、閉状態へ移行する。基準圧力としては、潤滑油の粘度が増大し、油路20の油圧が過度に増大する低温始動時のみ閉状態に移行するように、通常の内燃機関10の高回転運転状態における油圧の最大値より高い値が設定される。
なお、暖気後の通常運転時においては、内燃機関10の回転数が上がると、クランクシャフトに連結されたオイルポンプ18の回転数も上昇し、オイルポンプ18下流の油圧もある程度上昇する。しかし、オイルポンプ18下流には、一般に潤滑油をオイルパン14にリリーフし、最大油圧を制限する油圧制御弁が配置されており、潤滑油の粘度が十分に低い状態では、油圧制御弁の作用により、油路20内等の最大油圧は制限される。
図1(a)に示すように、チェーンケース22内には油溜まり容器35が形成されている。油溜まり容器35の上部は、チェーンケース22内の空間に開放している。油還流パイプ26Bは、油溜まり容器35内にて、油溜まり容器35が潤滑油で満たされた場合には、油没する位置に通じている。つまり、油還流パイプ26Bの出口261は、油溜まり容器35の内部に開口している。
内燃機関10が作動状態にあるときには、ヘッドカバー13内にあるブローバイガスがブローバイガスフィルタ24の上側からブローバイガスフィルタ24を通過して流路232に至り、その後、パイプ25を経由してインテークマニホールド15へ流入する。ヘッドカバー13内にあるブローバイガス中に含まれる潤滑油は、ブローバイガスフィルタ24で濾過されて底壁231上に滴下する。開閉弁27が開状態にあるときには、底壁231上に滴下した潤滑油は、油還流パイプ26A、開閉弁27及び油還流パイプ26Bを経由して油溜まり容器35へ流出する。油溜まり容器35から溢れ出た潤滑油は、オイルパン14に還流する。なお、油溜まり容器35は、上部がチェーンケース22内に開放されていることで、チェーンケース22内部にてスプロケット及びチェーンの潤滑により飛散したオイルを取り込み、内燃機関10の始動直後も、速やかに必要な油量が得られる。
図3のグラフにおける曲線Pは、低温始動時におけるブローバイガスフィルタ24の上流と下流との間の圧力差を示し、曲線Tは、オイルパン14における潤滑油の温度(以下、メイン油温という)を示す。横軸は、内燃機関10の始動後の経過時間を示す。前記圧力差は、内燃機関10の始動後、急激に増大した後に低減してゆき、そして内燃機関10の暖機運転中の定常的な圧力差へ移行する。前記圧力差が大きい状態は、ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度が大きいことによるものである。ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度が大きい場合には、油路20内及び油圧パイプ34内の潤滑油の粘度も大きく、油路20内及び油圧パイプ34内の油圧は高い。一方、ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度が小さくなった後も、メイン油温が上昇するまでは、油路20内及び油圧パイプ34内の潤滑油の粘度は大きく、油路20内及び油圧パイプ34内の油圧は高い状態が継続する。
ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油は、微量であるために、内燃機関10の始動後ではメイン油温の上昇の前に昇温する。そのため、ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度が下がり、前記圧力差が低下する。前記圧力差が大きい期間(例えば図3にtで示す期間)は、約10〜20秒程度である。
ブローバイガスフィルタ24の上流と下流との間の圧力差は、ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度を反映する。ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度が大きい場合には、油路20内及び油圧パイプ34内の潤滑油の粘度も大きい。さらに、ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度が低下した後も暫くの間は、油路20内及び油圧パイプ34内の潤滑油の粘度は大きい。つまり、ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度が大きいときには、油路20内及び油圧パイプ34内の油圧も大きい。
油路20内及び油圧パイプ34内の油圧が前記基準圧力に達した場合には、開閉弁27が閉状態となり、油還流パイプ26A内及び保持ケース23の底壁231上にある潤滑油は、油溜まり容器35へ流出不能である。油路20内及び油圧パイプ34内の油圧が前記基準圧力に達しない場合には、開閉弁27が開状態となり、油還流パイプ26A内及び保持ケース23の底壁231上にある潤滑油は、油溜まり容器35へ流出可能である。前記基準圧力としては、前述した如く、低温始動時の粘度増大に起因する過大な油圧上昇と、通常の高回転運転による油圧上昇が判別可能な値が用いられる。
本実施形態では以下の効果が得られる。
(1)ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度が高い場合(内燃機関10の温度が低いとき)には、油路20内及び油圧パイプ34内の油圧が、通常の運転状態よりも高くなるため、開閉弁27が閉状態となる。従って、ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度が高くても、油溜まり容器35内にある潤滑油が流路232側へ吸い上げられてしまうことはない。内燃機関10の温度が低いときにはオイルポンプ18から送り出される潤滑油の油圧が高いことを利用して開閉弁27の開閉制御を行なう構成によれば、ブローバイガスフィルタ24で分離された潤滑油の油還流路の開閉が適正且つ容易に行われる。なお、ブローバイガスフィルタ24に捕捉されている潤滑油の粘度が低下した後は、油還流パイプ26Aに作用する負圧も低下するため、油還流パイプ26B及び油溜まり容器35内の潤滑油の作用のみで、油還流パイプ26A及び26B内の逆流は防止できる。
(2)オイルフィルタ21における圧損は大きいため、オイルフィルタ21よりも下流の油路における油圧は、潤滑油の粘度を正しく反映した圧力になっているとは限らない。しかし、オイルポンプ18と圧損の大きいオイルフィルタ21との間の油路20における油圧は、潤滑油の粘度を正しく反映した圧力になっている。従って、オイルポンプ18と圧損の大きいオイルフィルタ21との間の油路20における油圧は、開閉弁27の開閉を制御するための油圧として最適である。
(3)内燃機関10の始動から暫くすると、図3の曲線Tで示すように、オイルポンプ18から送り出される潤滑油の温度が上昇してゆき、オイルポンプ18から送り出される潤滑油の粘度が低下してゆく。従って、油路20における油圧が低下してゆき、開閉弁27が閉状態から開状態へ移行する。つまり、内燃機関10の作動中において、開閉弁27が常に閉状態になってしまうことはなく、内燃機関10の作動中においても、ブローバイガスフィルタ24で分離された潤滑油を油溜まり容器35へ回収することができる。
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○前記の実施形態においては、油溜まり容器35をチェーンケース22に形成したが、油溜まり容器の配置はこれに限定されるものではない。本発明は、油還流パイプ26A及び26Bが上下方向の高さを十分に確保できない時により有効であるため、例えば、油還流パイプ及び油溜まり容器をヘッドカバー13内に配置したもの、特許文献1に記載の構造に適用してもよい。また、油還流パイプの先端をU字状に屈曲し、油還流パイプにて油溜まり容器35の機能も兼用した構造にも、適用することができる。
○ブローバイガスフィルタ24をヘッドカバー13外に設けてもよい。
○開閉弁27をヘッドカバー13内に設けてもよい。
前記した実施形態から把握できる技術思想について以下に記載する。
〔1〕前記油圧が予め設定された基準圧力以上になると、前記開閉弁が開状態から閉状態へ移行する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関におけるブローバイガス処理装置。
一実施形態を示し、(a)は、一部破断側面図。(b)は、開閉弁27の断面図。 開閉弁27の断面図。 ブローバイガスフィルタ24の上流と下流との間の圧力差と、メイン油温とを示すグラフ。
符号の説明
10…内燃機関。15…吸気系としてのインテークパイプ。18…オイルポンプ。20…油路。21…オイルフィルタ。232…ブローバイガスフィルタより下流のブローバイガス流路となる流路。24…ブローバイガスフィルタ。26A,26B…油還流路を構成する油還流パイプ。261…出口。27…開閉弁。35…油溜まり容器。

Claims (3)

  1. 内燃機関で発生するブローバイガスを吸気系に流すためのブローバイガス流路と、前記ブローバイガス流路の途中に介在されたブローバイガスフィルタと、前記ブローバイガスフィルタよりも下流の前記ブローバイガス流路に通じる油還流路と、前記油還流路の出口が内部に開口する油溜まり容器と、を備えた内燃機関におけるブローバイガス処理装置において、
    オイルポンプと、
    前記油還流路を開閉し、前記オイルポンプによって送り出される油の油圧によって制御される開閉弁とを備え、
    前記開閉弁が開状態から閉状態へ移行するのは、前記油圧の増大によって行われる内燃機関におけるブローバイガス処理装置。
  2. 前記開閉弁は、低温始動時のオイルの高粘度化に伴う油圧の増大により、開状態から閉状態へ移行する請求項1に記載の内燃機関におけるブローバイガス処理装置。
  3. 前記オイルポンプによって送り出される油の油路の途中にオイルフィルタが設けられており、前記開閉弁は、前記オイルポンプと前記オイルフィルタとの間の前記油路における油圧によって制御される請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の内燃機関におけるブローバイガス処理装置。
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