JP2010077780A - 道路舗装用アスファルト混合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 廃石膏ボードをフィラーとして十分に有効利用することのできる道路舗装用アスファルト混合物を提供する。
【解決手段】 フィラーを含む道路舗装用アスファルト混合物において、フィラーとして、従来から使用されている石粉などの代替として、廃石膏ボードを粉砕し加熱して生成した、含水率が1%以下である非吸水性無水石膏であるII型無水石膏(CaSO)を使用すると、道路舗装用アスファルト混合物として充分使用できる。これにより、廃石膏ボードのさらなる有効利用を図り、リサイクル化に貢献する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、瀝青材料、骨材、フィラーなどを材料としたアスファルトの表層や基層に用いられる道路舗装用のアスファルト混合物に関するものである。
アスファルト舗装は、上側から表層、基層及び路盤からなり、表層は交通車両による流動、磨耗に抵抗し、平坦で滑りにくく、かつ快適な走行が可能な路面を確保するとともに、一般に雨水が下部に浸透するのを防ぐ機能をもち、基層は、表層と路盤の間に舗設され、路盤の不陸を整正し、表層に加わる荷重を路盤に均一に伝達する役割を担い、路盤は、交通荷重を路床の支持力の許容範囲内に抑えて伝える役割を担っている。
表層には密粒度アスファルト混合物や細粒度アスファルト混合物などが、また基層には粗粒度アスファルト混合物が使用されており、表層又は基層に使用される道路舗装用のアスファルト混合物4には、図1で示すように、舗装用石油アスファルトや改質アスファルトなどの瀝青材料1、砕石や砂利などの骨材2、フィラー3などが材料として用いられている。
フィラー3は、瀝青材料であるアスファルトと一体となって骨材2の間隙を充填し、道路舗装用のアスファルト混合物の安定性や耐久性を向上させる役割があり、そのため、材料そのものの品質と、アスファルト混合物に使用する場合の性能を満足することに着目して選定することが重要となる。
また、フィラー3として使用する材料には、石灰岩や火成岩を粉砕した石粉、消石灰、セメント、回収ダスト及びフライアッシュなどがあり、このうちフィラーとして最も多く用いられているのは石灰岩を粉砕した石粉である。
一方、従来から石膏ボードは、住宅建材などとしての需要が非常に高く、今後石膏ボードの使用量の増加が予測されており、それに伴って廃石膏ボードの排出量の増加が予測されるため、現在、廃石膏ボード粉砕処理物の殆どは産業廃棄物として、管理型処分場で埋め立て処分されているが、今後、管理型処分場の確保が今後困難になってくることが問題とされている。
近年、こうした状況に鑑み、廃石膏ボード粉砕処理物を道路舗装用アスファルト混合物に使用することが考えられている。例えば、廃石膏ボード粉砕処理物である廃石膏をフィラーとしての使用が開示され、骨材と、アスファルトと、加熱をしていない廃石膏すなわち二水石膏であって、水分0.28%と化合水17.4%を含む二水石膏とを混合したアスファルト混合物の安定度試験結果とフロー値試験結果が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、排水性アスファルト舗装道路などの表層に存する空隙部に保水材として廃石膏の粉体を充填する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2005−219965号公報 特開2006−214221号公報
水分を含んだフィラーは、団粒化しやすく均一な混合を行いにくくなり、団粒部分が欠陥となり舗装破損の原因となり、またロータリーフィーダーなどを流れにくくなり、プラントにおいて供給困難となるので、フィラーの材料として規格が設定されてあり、含水率は1.0%以下、粒度は通過質量百分率で、0.6mm篩で100%、0.15mm篩で90〜100%そして0.075mm篩で70〜100%と設定されている(舗装設計施工指針 社団法人日本道路協会 平成18年版 参照。)。
さらに、道路舗装用アスファルト混合物としての基準も設定させており、道路舗装用アスファルト混合物の種類別に基準が設定され、例えば道路舗装用アスファルト混合物の種類が密粒度アスファルト混合物の場合、骨材とフィラーとの合成粒度範囲として篩通過質量百分率の基準が設定され、さらに道路舗装用アスファルト混合物に対するマーシャル安定度試験では、突固め回数50回において、安定度が4.9kN以上、フロー値が20〜40/100cm、空隙率が3〜7%、飽和度70〜85%、残留安定度75%以上という基準が設定されている(舗装設計施工指針 社団法人日本道路協会平成18年版参照。)。
特許文献1記載の発明は、廃石膏ボードとして二水石膏をフィラーとして使用しており、実施例には二水石膏の含水率が17.68%であるとの記載があるが、前記規格の含水率1.0%以下を満足していないという問題があった。
また、前記舗装設計施工指針(社団法人日本道路協会平成18年版)には、道路舗装用アスファルト混合物の骨材、フィラー、アスファルトなどの配合を設計するには、配合した道路舗装用アスファルト混合物の性能がマーシャル安定度試験の基準を満足するように配合設計することを要求されているが、マーシャル安定度試験項目のうち空隙率と飽和度の結果が開示されておらず、さらに、耐流動性の動的安定度を試験するホイールトラッキング試験結果も開示されていないので、道路舗装用アスファルト混合物としての使用が可能であるという効果が充分には開示されていない。
特許文献2記載の発明は、道路舗装用アスファルト混合物の保水性を目的としたものであり、フィラーとしての材料の規格に対する結果やマーシャル安定度試験などの道路舗装用のアスファルト混合物の試験に対する結果についての記載がなく、道路舗装用のアスファルト混合物のフィラーとしての機能を満足するという効果が開示されてない。
発明者らは、廃石膏ボードのリサイクルを実現し、管理型処分場の延命化や循環型社会の構築に貢献したいとの考えから、廃石膏ボードを粉砕した処理物を、道路舗装用のアスファルト混合物4のフィラー3として、現在使用されている石粉などに対し100%代替可能とするための研究を鋭意行い、本発明に至ったものである。
そこで、本発明は、廃棄物である廃石膏ボードのリサイクル化を図り、フィラー3として現在使用されている石粉から100%代替できる廃石膏ボード粉砕処理物を提供し、かつ前記廃石膏ボード粉砕処理物を使用した道路舗装用のアスファルト混合物を提供することを課題とする。
本発明で「非吸水性無水石膏」なる用語は、図2で表す、水和しにくく固化剤として安定度が高いII型無水石膏(CaSO)9又はI型無水石膏(CaSO)10を意味する。
石膏は、二水石膏、半水石膏、無水石膏に大きく分けられ、そのうち無水石膏の組織は硫酸カルシウム(CaSO)で、結晶系により3つに分類される。III型無水石膏は、二水石膏を160°Cから300°Cの加熱脱水により生成され、微量の残存結晶水を保持しており、可溶性無水石膏であるので、水を吸収して半水石膏に戻りやすく、接水すると瞬間的に半水石膏になる(セメント・セッコウ・石灰ハンドブック 無機マテリアル学会参照。)。
また、II型無水石膏は、III型無水石膏を650°Cで加熱処理により生成され、不溶性無水石膏で水和しにくい。また、I型無水石膏は、II型無水石膏をさらに高温加熱すると生成され、高温型無水石膏である。
本発明で、「廃石膏ボード」なる用語は、石膏を主成分とした素材を板状にしたものを2枚の厚い紙などの板状のもので挟んだ石膏ボードを廃棄したものに限らず、石膏を主成分とした素材を板状にした建材を廃棄したもの、例えば天井に使用する石膏を主成分とする天井板を廃棄したものも意味する。
本発明で、「最適アスファルト量」なる用語は、アスファルトの使用目的に応じて性状が最も優れるように決めたアスファルト量を意味し、最適アスファルト量は一般にマーシャル試験結果によって決定する。
請求項1に記載の道路舗装用アスファルト混合物4の発明は、瀝青材料、骨材及びフィラーを含む道路舗装用アスファルト混合物であって、廃石膏ボードを粉砕及び加熱処理し生成した非吸水性無水石膏を、フィラーとして使用し、かつフィラーに対する前記非吸水性無水石膏の配合比率を1質量部から100質量部、好ましくは100質量部含有することを特徴とする。
請求項2に記載の道路舗装用アスファルト混合物4の発明は、瀝青材料、骨材及びフィラーを含む道路舗装用アスファルト混合物であって、廃石膏ボードを粉砕及び加熱処理し生成した非吸水性無水石膏を、フィラーとして使用し、かつフィラーに対する前記非吸水性無水石膏の配合比率を1質量部から100質量部、好ましくは100質量部含有し、前記非吸水性無水石膏の粒度が、0.6mm篩を全量通過し、0.3mm篩を80%以上通過し、0.15mm篩を70%以上通過し、0.075mm篩を65%以上通過するとともに、前記非吸水性無水石膏の含水率が1.0%以下であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、廃石膏ボード5を粉砕した廃石膏の粉粒物は、含水率の規定を満足しない二水石膏であるので、前記廃石膏の粉粒物を加熱処理し生成した無水石膏の粉粒体に変えれば、含水率の規定を満足するので、道路舗装用アスファルト混合物のフィラーの100%を廃石膏ボード粉砕処理物が占められるという効果があり、これにより廃石膏ボードのリサイクルに寄与し、管理型処分場の延命化や循環型社会の構築に貢献できるという効果がある。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明と同じ効果を有するとともに、粉粒体の粒度や含水率を定めているので、廃石膏の粉粒物を加熱処理し生成した無水石膏のフィラー3としての性質の安定化、及び廃石膏の粉粒物を加熱処理し生成した無水石膏をフィラー3として含有させた道路舗装用アスファルト混合物4の強度などの品質安定化に効果がある。
まず、フィラーとしての規格を満足させることができる廃石膏ボード粉砕処理物を造るが、前記規格のうち、含水率の規格についてはアスファルト舗装道路の舗装破損の原因やロータリーフィーダーなどを流れにくくする原因となるので満足させなければならないが、粒度規格については、骨材とフィラーとの混合物としての合成粒度を満足させることができれば、必ずしもフィラー単体の粒度規格は大部分が規格を満足しておれば部分的に規格を満足しない部分があっても実用上問題ない。
図2において、廃石膏ボード5である二水石膏(CaSO.2HO)6を粉砕し、100°Cから170°Cで加熱処理して含有水分を減じて半水石膏(CaSO.1/2HO)7を転位させて造り、さらに160°Cから300°Cで加熱処理して可溶性のIII型無水石膏(CaSO)8を転位させて造り、さらに450°C以上で加熱させて非吸水性のII型無水石膏(CaSO)9を造る。
さらに、II型無水石膏を高温で加熱すると非吸水性のI型無水石膏(CaSO)10を造ることができる。
非吸水性のII型無水石膏(CaSO)9をフィラー3が具備すべき材料としての規格を満足するかを試験すると、含水率は1.0%以下を満足し、篩による通過質量百分率は、0.075mm以下は規格70〜100%を満足し、0.15mm以下は規格90〜100%規格に対し79.6%と部分的に満足しなかったが、0.6mm以下は規格100%を満足した。
よって、非吸水性無水石膏をフィラー3として使用することによって、道路舗装用アスファルト混合物4の材料としてのフィラー3に要求される規格である含水率を満足し、粒度規格をほぼ満足することができる。
なお、本発明である道路舗装用アスファルト混合物4のフィラー3として使用される廃石膏ボード粉砕処理物の非吸水性無水石膏はII型無水石膏9を使用したが、I型無水石膏10でも使用することができる。
次に、石粉などの従来の材料に代えて、加熱処理により得た廃石膏ボード粉砕処理物である非吸水性無水石膏を100%配合としたフィラー3と、石油アスファルトや改質アスファルトなどの瀝青材料1と、砕石や砂利などの骨材2とを、道路舗装用アスファルト混合物としての基準を満足させるように試験を実施して、最適な配合比率を設定し、実用化可能な廃石膏ボード粉砕処理物をフィラーとする道路舗装用アスファルト混合物4を製造する。
まず、骨材とフィラーとを混合させた合成粒度を、道路舗装用アスファルト混合物としての基準を満足させるように配合比率を設定する。
骨材とフィラーとを混合させた合成粒度の基準は、例えば密粒度アスファルト混合物(20)の場合の各篩の通過質量百分率は、0.075mm篩が4〜8%、0.15mm篩が6〜16%、0.3mm篩が10〜21%、0.6mm篩が18〜30%、2.36mm篩が35〜50%、4.75mm篩が45〜65%、13.2mm篩が75〜90%、19mm篩が95〜100%、26.6mm篩が100%と定められている(舗装設計施工指針 社団法人日本道路協会平成18年度版参照。)。
篩試験をすると、フィラーとして非吸水性無水石膏を使用し、骨材とフィラーとの混合物としての篩試験基準を満足させるには、骨材とフィラーの混合物に対する非吸水性無水石膏の配合比率を、石灰石粉のときの配合比率より1〜2質量部多く設定するとよいことがわかった。
非吸水性無水石膏からなるフィラーの配合比率の設定をするには、砕石、砕砂及び粗目砂などからなる骨材の0.075mm篩を通過する質量百分率が、骨材とフィラーとの合成粒度の0.075mm篩を通過する質量百分率の基準値より少ないため、0.075mm篩を通過する質量百分率が前記基準値より大きい非吸水性無水石膏の配合比率を増やすことによって、合成粒度の0.075mm篩を通過する質量百分率の基準値を満足させるよう配合を調整している。
そして、非吸水性無水石膏の配合比率が石灰石粉のときの配合比率より多くなるのは、非吸水性無水石膏の0.075mm篩を通過する質量百分率が、石灰石粉の0.075mm篩を通過する質量百分率より小さいため、非吸水性無水石膏の配合比率を石灰石粉の配合比率よりも大きくして、合成粒度の0.075mm篩を通過する質量百分率の基準値を満足させるよう配合調整を行うからである。
すなわち、フィラーとしての粒度規格を満足していない範囲が部分的であっても、フィラーと骨材との配合調整を実施して骨材とフィラーとの合成粒度の基準を満足させることによって、最終的に道路舗装用アスファルト混合物としての基準を満足させられることができる。
次に、合成粒度を満足させた骨材とフィラーの混合物にアスファルトを混合させて、道路舗装用アスファルト混合物としての基準を満足させるように、最大荷重などを試験するマーシャル安定度試験、耐水性を試験する残留安定度試験や耐流動性を試験する動的安定度試験を実施して、最適なアスファルト量などの配合比率を設定する。
マーシャル安定度試験、残留安定度試験及び動的安定度試験の結果から、道路舗装用アスファルト混合物としての基準を満足させるには、フィラーとして非吸水性無水石膏を使用する場合は、道路舗装用アスファルト混合物に対する最適アスファルト量は、石灰石粉を使用する場合の最適アスファルト量に比較して0.1〜1.0質量部増加させるとよい。
前記の各試験を実施して道路舗装用アスファルト混合物の基準を満足させられるように配合などを設定した結果により、非吸水性無水石膏を100%配合としたフィラー3と瀝青材料1と骨材2との道路舗装用アスファルト混合物4が、粒度範囲の基準値やマーシャル安定度試験の安定度基準値、残留安定度や動的安定度の基準を満足させ、石粉の試験結果と略同一の値にすることができる。
よって、フィラー3として非吸水性無水石膏のみを使用した道路舗装用アスファルト混合物4は、フィラーとしての規格をほぼ満足させ、道路舗装用アスファルト混合物としての基準を満足させ、そして従来から使用されている石粉の試験結果との差がないので、アスファルト舗装道路に使用できるという効果がある。
また、前記道路舗装用アスファルト混合物4は、フィラー3として非吸水性無水石膏のみを使用しているので、フィラーとして非吸水性無水石膏と石粉などとを混ぜて使用する場合と比較してより多くの廃石膏ボード粉砕処理物を使用することができるという効果がある。
本発明者らは、本発明に係る道路舗装用アスファルト混合物(フィラーとして非吸水性無水石膏のみを使用)と従来例に係る道路舗装用アスファルト混合物(フィラーとして石粉のみを使用)の性状が略同一性を有するように、試験を実施して試験結果から配合割合を変えて試験を繰り返すという作業を試行錯誤しながら実施して、フィラーとして非吸水性無水石膏のみを使用した道路舗装用アスファルト混合物の最適な配合比率を設定した。
本試験に使用した非吸水性無水石膏、石粉、半水石膏および二水石膏の性状、並びにフィラーとしての規格を表1に示す。
Figure 2010077780











表1における粒度は、例えば0.6mmの篩で廃石膏ボード粉砕処理物の石膏を篩にかけたときに、篩を通過するものの質量百分率を示している。表1からわかることは、廃石膏ボード粉砕処理物の非吸水性無水石膏の場合、0.6mm篩を全量通過し、0.3mm篩を90%以上通過し、0.15mm篩を75%以上通過し、0.075mm篩を70%以上通過していることがわかる。
0.075mm篩試験と0.6mm篩試験は規格を満足しているが、0.15mm篩試験では部分的に満足していないので、0.15mm篩を通過した廃石膏ボード粉砕処理物の粉体の質量部が90%になるように通過しなかった残りの粉体の質量を減じて調整してもよい。
また、表1における含水率は、1.0%以下の規格に対して、非吸水性無水石膏と石粉の含水率は共に0.05%であり、同一の含水率で規格を満足している。なお、二水石膏の含水率は23.4%であり、半水石膏の含水率は2.6%であり、ともに含水率の規格を満足していない。
また、半水石膏は、吸水性があり二水石膏に変化しやすいため、含水率が2.6%であるが、フィラーの材料として適さない。
以上より、道路舗装用アスファルト混合物のフィラーとしての試験結果から、廃石膏ボード粉砕処理物の二水石膏や半水石膏は、材料としての含水率の規格、粒度の規格を満足していないが、非吸水性無水石膏は材料としての規格を粒度で一部満足していない部分があるが他の粒度及び含水率を満足しているので、道路舗装用アスファルト混合物のフィラーの材料としては、二水石膏と半水石膏より非吸水性無水石膏が適している。
アスファルトと骨材とフィラーとを混合して道路舗装用アスファルト混合物となるので、実験に供した骨材及びアスファルトの性状を記載する。まず、道路舗装用アスファルト混合物に使用した材料である骨材の性状は、表2に示すとおりである。骨材として、5号砕石、6号砕石、7号砕石、砕砂および粗目砂を使用した。
Figure 2010077780












また、道路舗装用アスファルト混合物に使用したアスファルトの性状は、表3に示すとおりである。
Figure 2010077780










なお、本試験におけるアスファルト混合物として、実路における試験施工を考慮し、車道における表層用の一般的な混合物である密粒度アスファルト混合物(20)を選択した。混合物の種類によりマーシャル試験に対する基準値が決定されるので、本試験では密粒度アスファルト混合物(20)の基準値を引用する。
本試験の試験項目は、骨材とフィラーとの合成粒度、道路舗装用アスファルト混合物としての安定度、残留安定度及び動的安定度などを、舗装試験法便覧(社団法人日本道路協会1988年11月発行版)又は舗装調査・試験法便覧(社団法人日本道路協会平成19年6月発行版)による試験方法により実施し、又試験項目に対する基準値は舗装設計施工指針(社団法人日本道路協会平成18年度版)により引用した。
非吸水性無水石膏が100%を占めるフィラーと骨材との混合物の合成粒度の篩試験を実施し、前記合成粒度の篩試験結果から試行錯誤して、前記合成粒度の篩試験基準値を満足できる配合比率を設定した。前記配合比率と試験結果、及び従来から使用している石灰石粉をフィラーとして使用したときの配合比率と試験結果を表4に示す。
Figure 2010077780













表4より、合成粒度の篩試験基準値を満足できるようにするには、骨材とフィラーとの混合物に対するフィラーの配合比率が、非吸水性無水石膏が100%配合の場合が7.4質量部で、石灰石粉100%配合の場合が6.0質量部なので、フィラーとして非吸水性無水石膏が100%配合の場合には、従来の石灰石粉100%配合の場合に比較して、非吸水性無水石膏の配合比を0.5〜2.5質量部多く設定する。
ここで、例えば、フィラーである非吸水性無水石膏の粒度で0.075mm篩を通過する質量百分率が65%である場合ならば、フィラーと骨材の合成粒度の基準は4〜8%であるから、非吸水性無水石膏の配合比率は、骨材のうち0.075mm篩を通過した材料との計算上の配合比率を設定することができる。
骨材である粗砂の0.075mm篩を通過する質量百分率である6.3%と粗砂の仮設定した配合比率とを乗じた数字と、砕砂の0.075mm篩を通過する質量百分率である1.7%と砕砂の仮設定した配合比率とを乗じた数字と、非吸水性無水石膏の0.075mm篩を通過する質量百分率である65%と非吸水性無水石膏の配合比率とを乗じた数字との3つの材料別に乗じて算出した数字の合計が、フィラーと骨材の合成粒度の基準である4〜8%になるように、非吸水性無水石膏の配合比率を計算すれば計算上の配合比率は決定される。
次に、フィラーとして非吸水性無水石膏100%を使用した道路舗装用アスファルト混合物が、密粒度アスファルト混合物(20)の基準値を満足するときの最適アスファルト量を試行錯誤して設定し、前記設定した最適アスファルト量と試験結果、及び石灰石粉100%使用の場合の最適アスファルト量と試験結果を表5に示す。
Figure 2010077780









表5より、空隙率、飽和度、安定度やフロー値の基準値を満足させる場合の最適アスファルト量は、フィラーとして非吸水性無水石膏のみを使用した場合は5.9質量部、石粉(石灰石粉)のみを使用した場合は5.4質量部となっており、非吸水性無水石膏のみを使用した場合は石粉(石灰石粉)のみを使用した場合に比較し、最適アスファルト量を0.1〜1.0質量部多く設定する。
安定度試験は、アスファルト混合物の供試体に加えることができる最大荷重を求める試験であり、標準マーシャル安定度試験によって試験した。表5より、フィラーとして非吸水性無水石膏のみを使用したアスファルト混合物は8.43kNで、石粉(石灰石粉)のみを使用した場合と同様に、基準値4.9kN以上を満足した。
残留安定度試験は、48時間水浸後のアスファルト混合物の供試体に加えることができる最大荷重を求める試験であり、安定度に対する比率で表し、耐水性の確認試験である。表5より、フィラーとして非吸水性無水石膏のみを使用したアスファルト混合物は86.2%で、石粉(石灰石粉)のみを使用した場合の87.7%と差がなく、基準値75%以上を満足しており、道路舗装用アスファルト混合物として実用上問題が生じないことを確認した。
動的安定度は、アスファルト混合物の供試体が1mm沈下するのに要する試験車両の往復回数であり、耐流動性を確認する試験である。表5より、フィラーとして非吸水性無水石膏のみを使用したアスファルト混合物は1500回/mmで、石粉(石灰石粉)のみを使用した場合の1540回/mmと差がなく、基準値500回以上/mmを満足しており、道路舗装用アスファルト混合物として実用上問題が生じないことを確認した。
表5の試験結果に示すように、他の試験項目の試験結果も含めて、フィラーとして非吸水性無水石膏のみを使用したアスファルト混合物の性状は、石粉(石灰石粉)のみを使用した場合と同様に、各項目における基準値を十分に満足するものであることが分かる。従って、フィラーとして非吸水性無水石膏を使用したアスファルト混合物を道路舗装用として使用できる。
また、本発明者らは、二水石膏および半水石膏についての安定度、残留安定度および動的安定度についても試験を行った。その結果を、基準値、石粉のみを使用した混合物、および非吸水性無水石膏のみを使用した混合物と比較して、表6に示す。
Figure 2010077780










この試験結果から、フィラー材として二水石膏のみ、半水石膏のみ、及び半水石膏と石粉とが50:50を使用した場合には、「×」で示したように、それぞれ残留安定度が基準値より下回ることが分かる(前者が73.4であり、後者が29.2である)。これに対し、非吸水性無水石膏のみを使用した場合には残留安定度を含めて全ての項目において基準値を上回っている。
このことから、フィラーとして、廃石膏ボード粉砕処理物である二水石膏のみ、あるいは加熱処理した半水石膏のみを使用した道路舗装用アスファルト混合物よりも、さらに加熱処理した非吸水性無水石膏のみを使用した本発明に係る道路舗装用アスファルト混合物の方が実際の使用に適しているという有利な効果がある。
また、道路舗装用アスファルト混合物のフィラーとして、廃石膏ボード粉砕処理物である二水石膏又は加熱処理した半水石膏の場合は、石粉などの現在使用されているフィラーの材料に代替できないが、さらに加熱処理した非吸水性無水石膏の場合は、石粉などの現在使用されているフィラーの材料に100%代替できるという有利な効果がある。
実施例は、密粒度アスファルト混合物(20)の実施例であるが、前記実施例に限定されるものでなく、基層や表層に使用される道路舗装用アスファルト混合物である密粒度アスファルト混合物(13)、細粒度アスファルト混合物(13)、粗粒度アスファルト混合物(20)、密粒度アスファルト混合物(20F)、密粒度アスファルト混合物(13F)、細粒度アスファルト混合物(13F)など他のアスファルト混合物についても、密粒度アスファルト混合物(20)と同様にフィラーとして廃石膏ボード粉砕処理物を使用できる。
前記道路舗装用アスファルト混合物の種類の表示に使用されている数字とFであるが、例えば、密粒度アスファルト混合物(20F)に記載された「20」は該混合物の最大粒径を表し、「F」はフィラーを多く使用していることを示している。
フィラーとして、これまで使用された石粉などの材料に代替して、非吸水性無水石膏のみを使用することのできる本発明に係る道路舗装用アスファルト混合物が使用可能となったことによって、これまで以上に廃石膏ボードの有効利用を図ることができ、リサイクル化にも貢献することができる。
道路舗装用アスファルト混合物の材料を示すブロック図である。 廃石膏ボードから無水石膏を生成する工程を示すブロック図である。
符号の説明
1 瀝青材料
2 骨材
3 フィラー
4 道路舗装用アスファルト混合材
5 廃石膏ボード
6 二水石膏
7 半水石膏
8 III型無水石膏
9 II型無水石膏
10 I型無水石膏

Claims (2)

  1. 瀝青材料、骨材及びフィラーを含む道路舗装用アスファルト混合物であって、廃石膏ボードを粉砕及び加熱処理し生成した非吸水性無水石膏を、フィラーとして使用し、かつフィラーに対する前記非吸水性無水石膏の配合比率を1質量部から100質量部、好ましくは100質量部含有することを特徴とする道路舗装用アスファルト混合物。
  2. 瀝青材料、骨材及びフィラーを含む道路舗装用アスファルト混合物であって、廃石膏ボードを粉砕及び加熱処理し生成した非吸水性無水石膏を、フィラーとして使用し、かつフィラーに対する前記非吸水性無水石膏の配合比率を1質量部から100質量部、好ましくは100質量部含有し、前記非吸水性無水石膏の粒度が、0.6mm篩を全量通過し、0.3mm篩を80%以上通過し、0.15mm篩を70%以上通過し、0.075mm篩を65%以上通過するとともに、前記非吸水性無水石膏の含水率が1.0%以下であることを特徴とする道路舗装用アスファルト混合物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015034396A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 独立行政法人土木研究所 舗装路面の凍結抑制用撥水材組成物、凍結抑制舗装体及び舗装路面の凍結抑制方法
WO2024021713A1 (zh) * 2022-07-29 2024-02-01 华南理工大学 一种电磁感应增强型纳米改性高自愈合性能沥青混合料及其制备方法与应用

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