JP2010076739A - 自動車の車両姿勢制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤに発生するタイヤ横力を直接検出し、当該タイヤ横力情報を用いて、指令値の追従性能を向上させるための自動車の車両姿勢制御装置及び制御方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る車両姿勢制御装置は、自動車の前後輪に装着された2つのタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、そのハブユニットの軸受に作用する荷重から前後輪のタイヤ横力を検出する2つのタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、2つのタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットから検出された前後輪のタイヤ横力、自動車の車両重心から前後輪軸の距離、及び自動車の左右の駆動力差を用いたヨーモーメント間の所定の関係式を用いてヨーレートを制御するヨーレート制御手段とを備える。
【選択図】図13
【解決手段】本発明に係る車両姿勢制御装置は、自動車の前後輪に装着された2つのタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、そのハブユニットの軸受に作用する荷重から前後輪のタイヤ横力を検出する2つのタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、2つのタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットから検出された前後輪のタイヤ横力、自動車の車両重心から前後輪軸の距離、及び自動車の左右の駆動力差を用いたヨーモーメント間の所定の関係式を用いてヨーレートを制御するヨーレート制御手段とを備える。
【選択図】図13
Description
本発明は、自動車の車両姿勢制御装置及び制御方法に関する。より詳細には、本発明は、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いた、自動車の車両姿勢制御装置及び制御方法に関する。
電気自動車(EV)の有する最大の特徴は、モータを動力とする点であり、そのメリットは、高い制御性にある。この高い制御性には、モータの高速かつ正確なトルク応答、電流換算での正確なトルク値の把握が可能であること、及び小型であるため分散配置が可能であることが含まれる(非特許文献1参照)。これにより、EVならではの車両制御を実現できることが実証されている(非特許文献2参照)。
モータを用いたステアリング機構の電動パワーステアリング(EPS)も、モータ駆動の利点を活かして、正確かつ高速な制御が可能である。この利点を活かして、EPSを用いた、高齢者や高速走行時におけるドライバの扱いやすい操舵システムの研究がなされている(非特許文献3及び非特許文献4参照)。
更に、ステアリングシステムを前後輪ともに操舵可能な4WS化することにより、後輪舵角も制御入力として用いることができる。これにより、従来よりも車両運動の限界性能が向上することが報告されている(非特許文献5参照)。また、4WS車両では、制御系の設計自由度が拡大するため、2WS車両よりも安定性の高い車線自動追従制御を実現することができる(非特許文献6参照)。近年では、4輪アクティブステアを搭載した車両も市販化されており、今後は更に利用範囲が拡大していくものと考えられる(非特許文献7参照)。
これまで、本発明者らは、アクティブステアリングと、左右後輪のインホイールモータの駆動力差によるヨーモーメントとを用いた、EVの車両横すべり角及びヨーレートの非干渉制御法の有効性について研究してきた(非特許文献8及び非特許文献9参照)。しかしながら、この非干渉制御法には、プラント変動に対してロバスト性が低いという欠点があった。そこで、本発明者らは、車両横すべり角制御に対してラテラルフォースオブサーバ(LFO)を設計し(非特許文献10参照)、ヨーレート制御に対してヨーモーメントオブザーバ(YMO)(非特許文献11参照)を用いた車両姿勢制御法を提案した。当該車両姿勢制御法のシミュレーションでは、ロバスト性の向上が見込まれることが示されている。
また、車両姿勢制御に関して、車両のスリップを防止するために、グリップロス度を検出し、グリップが失われる前に補正操舵を自動で行い車両挙動を安定させることが提案されている(特許文献1参照)。この文献によれば、グリップロス度は、センサによって検出したタイヤ横力より推定した推定SAT(セルフアライニングトルク)と、ステアリング系の運動方程式より検出した検出SATとを比較することにより求められる。更に、このグリップロス度より車両状態を判定し、当該グリップロス度が所定値以上になった場合に補正操舵トルクを発生させることが記載されている。
また、車両姿勢制御に関して、ヨーレートや、Gセンサ等により計測される車両の状態量に対する、走行中のタイヤのスリップにより発生する単位時間当たりの熱損失である散逸パワーの比を考慮してフィードバック制御を行うことが提案されている(特許文献2参照)。
また、車両姿勢制御に関して、前輪横力が最大となる前輪すべり角に追従するように操舵を行うことで、危険回避性能を向上させることが提案されている(特許文献3参照)。この文献によれば、前輪横力及び輪荷重を計算によって求め、輪荷重及び横力が最大となるタイヤすべり角を導出することが記載されている。
Y. Hori: "Future Vehicle Driven by Electricity and Control-Research on Four-Wheel-Motered: UOT Electric March II", IEEE Trans. IE, Vol. 51, No. 5, 2004
H. Fujimoto, K. Fujii, N. Takahashi: "Road Condition Estimation and Motion Control of Electric Vehicle with in-wheel Motors", JSAE Annual Congress, No. 12-06, pp. 25-28, 2006 (in Japanese)
M. Udagawa, J. Ishino, Y. Knou, M. Abe: "Development of planetary gear system with power assist using torque split control of traction motors and it's application to aged drivers", JSAE Annual Congress, No. 11-07, pp. 23-28, 2007 (in Japanese)
M. Kubota, H. Mouri, N. Horiguchi: "An investigation on the effect of transient assistant torque input on steering effort", JSAE Annual Congress, No. 75-05, pp. 9-14, 2005 (in Japanese)
E. Ono, Y. Hattori, S. Monzaki: "Improvement in Safety and Comfort by Active Four Wheel Steering - Improvement in Critical Performance by Optimal Distribution of Four Wheel Tire Forces -", JSAE Annual Congress, No. 11-07, pp. 1-6, 2007 (in Japanese)
P. Raksincharoensak, H. Mouri, M. Nagai: "Investigation of Automatic Lane-Keeping Control of Four-Wheel-Steering Vehicle (Theoretical Discussion on Lateral and Yaw Dynamics)", Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers. C, vol. 69, No. 681, pp. 1254-1259, 2003 (in Japanese)
T. Katayama, Y. Yasuno, T. Oida, M. Sao, M.Imamura, N. Seki, Y. Sato: "Development of 4 Wheel Active Steer", JSAE Annual Congress, No. 11-07, pp. 7-12, 2007 (in Japanese)
Y. Yamauchi, H. Fujimoto: "Fundamental Research on Decoupling Control of Yaw-rate and Body Slip Angle with Active Front and Rear Steering for Electric Vehicle", VT-07-08, pp. 45-50, 2007 (in Japanese)
Y. Yamauchi, H. Fujimoto: "Fundamental Experiment on Yaw-rate and Body Slip Angle Control with Active Steering for Electric Vehicle", The 16th Transportation and Logistics Conference 2007, No. 07-51, pp. 139-142, 2007 (in Japanese)
Y. Yamauchi, H. Fujimoto: "Proposal of Lateral Force Observer with Active Steering for Electric Vehicle", IEE of Japan Technical Meeting Record, IIC-08-138, pp. 29-34, 2008 (in Japanese)
T. Saito, H. Fujimoto, T. Noguchi: "Traction and Steering Stabilization Control for Electric Vehicle Based on Slip and Yaw-Moment Observers", Proc. IEEE of Japan, Technical Meeting Record, IIC-03-52, pp. 41-46, 2003 (in Japanese)
安部正人:「自動車の運動と制御」、2003年
H. Nagase, T. Inoue, Y. Hori: "Decoupling Control of β and γ for high performance AFS and DYC of 4 Wheel Motered Electric Vehicle", in Proceedings of the International Symposium on Advanced Vehicle Control (AVEC), Hiroshima, Japan, 2002
N. Takahashi, H. Fujimoto: "Consideration on Yaw Rate Control for Electric Vehicle Based on Cornering Stiffness and Body Slip Angle Estimation", IEE of Japan Technical Meeting Record, IIC-06-04, pp. 17-22, 2006 (in Japanese)
しかしながら、上述した従来の技術では、車両制御を行うのに、タイヤ横力を直接用いることなく、計算によって求めていた。このような観点から、車両制御における指令値の追従性能という点において、更なる向上の余地が見込まれる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、タイヤに発生するタイヤ横力を直接検出し、当該タイヤ横力情報を用いて、指令値の追従性能を向上させるための自動車の車両姿勢制御装置及び制御方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の一態様は、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御装置に関する。本車両姿勢制御装置は、自動車の前輪に装着されている第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前輪のタイヤ横力を検出する第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、自動車の後輪に装着されている第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して後輪のタイヤ横力を検出する第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニット及び第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより検出された前輪のタイヤ横力及び後輪のタイヤ横力と、自動車の車両重心から前輪軸及び後輪軸までの距離と、自動車の左右の駆動力差を用いたヨーモーメントとに基づいて、以下の式を用いて、
自動車の車両重心点における鉛直軸周りの回転角速度であるヨーレートを制御するヨーレート制御手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、本車両姿勢制御装置は、第1のタイヤ横力と、車両速度と、前輪舵角と、ヨーレートと、前輪のコーナリングスティフネスとに基づいて、以下の式を用いて、
自動車の車両横すべり角を推定して制御する車両横すべり制御手段を更に備えることができる。
本発明の別の態様は、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御装置に関する。本車両姿勢制御装置は、自動車の前輪に装着されている第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前輪のタイヤ横力を検出する第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、自動車の後輪に装着されている第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して後輪のタイヤ横力を検出する第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、前輪のタイヤ横力と、車両速度と、前輪舵角と、ヨーレートと、前輪のコーナリングスティフネスとに基づいて、以下の式を用いて、
自動車の車両横すべり角を推定して制御する車両横すべり角制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の別の態様は、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御装置に関する。本車両姿勢制御装置は、自動車の前輪に装着されているタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前輪のタイヤ横力を検出するタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、自動車における所定のパラメータを用いて、自動車の後輪のタイヤ横力を推定する後輪タイヤ横力推定手段と、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより検出された前輪のタイヤ横力と、後輪タイヤ横力推定手段により推定された後輪のタイヤ横力と、自動車の車両重心から前輪軸及び後輪軸までの距離と、自動車の左右の駆動力差を用いたヨーモーメントとに基づいて、以下の式を用いて、
自動車の車両重心点における鉛直軸周りの回転角速度であるヨーレートを制御するヨーレート制御手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、本車両姿勢制御装置において、後輪タイヤ横力推定手段は、自動車における所定のパラメータとして自動車の横加速度を用いて、以下の式により後輪タイヤ横力を推定することができる。
また、本車両姿勢制御装置は、前輪のタイヤ横力と、車両速度と、前輪舵角と、ヨーレートと、前輪のコーナリングスティフネスとに基づいて、以下の式を用いて、
自動車の車両横すべり角を推定して制御する車両横すべり制御手段を更に備えることができる。
また、本車両姿勢制御装置において、後輪タイヤ横力推定手段は、自動車における所定のパラメータとして自動車の車両横すべり角の推定値を用いて、以下の式により後輪タイヤ横力を推定することができる。
本発明の別の態様は、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御方法に関する。本車両姿勢制御方法は、自動車の前輪に装着されている第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより、第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前輪のタイヤ横力を検出する前輪タイヤ横力検出ステップと、自動車の後輪に装着されている第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより、第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して後輪のタイヤ横力を検出する後輪タイヤ横力検出ステップと、前輪タイヤ横力検出ステップ及び後輪タイヤ横力検出ステップにおいて検出された前輪のタイヤ横力及び後輪のタイヤ横力と、自動車の車両重心から前輪軸及び後輪軸までの距離と、自動車の左右の駆動力差を用いたヨーモーメントとに基づいて、以下の式を用いて、
自動車の車両重心点における鉛直軸周りの回転角速度であるヨーレートを制御するヨーレート制御ステップとを有することを特徴とする。
ここで、本車両姿勢制御方法は、前輪のタイヤ横力と、車両速度と、前輪舵角と、ヨーレートと、前輪のコーナリングスティフネスとに基づいて、以下の式を用いて、
自動車の車両横すべり角を推定して制御する車両横すべり制御ステップを更に有することができる。
本発明の別の態様は、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御方法に関する。本車両姿勢制御方法は、自動車の前輪に装着されている第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより、第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前輪のタイヤ横力を検出する前輪タイヤ横力検出ステップと、自動車の後輪に装着されている第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより、第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して後輪のタイヤ横力を検出する後輪タイヤ横力検出ステップと、前輪のタイヤ横力と、車両速度と、前輪舵角と、ヨーレートと、前輪のコーナリングスティフネスとに基づいて、以下の式を用いて、
自動車の車両横すべり角を推定して制御する車両横すべり角制御ステップとを有することを特徴とする。
本発明の別の態様は、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御方法に関する。本車両姿勢制御方法は、自動車の前輪に装着されているタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前輪のタイヤ横力を検出する前輪タイヤ横力検出ステップと、自動車における所定のパラメータを用いて、自動車の後輪のタイヤ横力を推定する後輪タイヤ横力推定ステップと、前輪タイヤ横力検出ステップにおいて検出された前輪のタイヤ横力と、後輪タイヤ横力推定ステップにおいて推定された後輪のタイヤ横力と、自動車の車両重心から前輪軸及び後輪軸までの距離と、自動車の左右の駆動力差を用いたヨーモーメントとに基づいて、以下の式を用いて、
自動車の車両重心点における鉛直軸周りの回転角速度であるヨーレートを制御するヨーレート制御ステップとを有することを特徴とする。
ここで、本車両姿勢制御方法では、後輪タイヤ横力推定ステップにおいて、自動車における所定のパラメータとして自動車の横加速度を用いて、以下の式により後輪タイヤ横力を推定することができる。
また、本車両姿勢制御方法は、前輪のタイヤ横力と、車両速度と、前輪舵角と、ヨーレートと、前輪のコーナリングスティフネスとに基づいて、以下の式を用いて、
自動車の車両横すべり角を推定して制御する車両横すべり制御ステップを更に有することができる。
また、本車両姿勢制御方法では、後輪タイヤ横力推定ステップにおいて、自動車における所定のパラメータとして自動車の車両横すべり角の推定値を用いて、以下の式により後輪タイヤ横力を推定することができる。
本発明によれば、タイヤに発生するタイヤ横力を直接検出し、当該タイヤ横力情報を用いることにより、指令値の追従性能を向上させる自動車の車両姿勢制御が可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<タイヤに働く力と車両運動方程式>
(コーナリングフォース)
図1は、二輪車両モデルを説明する模式図を示している。図示するように、この二輪車両モデルの座標系は、車両に固定されている。ここで、タイヤの向いている方向と進んでいる方向とのなす角度を車輪横すべり角と呼ぶ。この車輪横すべり角が生じることにより、横力が発生する。この横力の、車輪横すべり角に対する垂直方向の力をコーナリングフォースと呼ぶ。コーナリングフォースは、車輪横すべり角が小さい場合、車輪横すべり角に比例して大きくなり、車輪横すべり角が大きくなると飽和する、非線形特性を有している。車輪横すべり角が十分に小さいと仮定した場合、コーナリングフォースと車輪横すべり角との関係は、以下の式(1)及び(2)により表される。
(コーナリングフォース)
図1は、二輪車両モデルを説明する模式図を示している。図示するように、この二輪車両モデルの座標系は、車両に固定されている。ここで、タイヤの向いている方向と進んでいる方向とのなす角度を車輪横すべり角と呼ぶ。この車輪横すべり角が生じることにより、横力が発生する。この横力の、車輪横すべり角に対する垂直方向の力をコーナリングフォースと呼ぶ。コーナリングフォースは、車輪横すべり角が小さい場合、車輪横すべり角に比例して大きくなり、車輪横すべり角が大きくなると飽和する、非線形特性を有している。車輪横すべり角が十分に小さいと仮定した場合、コーナリングフォースと車輪横すべり角との関係は、以下の式(1)及び(2)により表される。
ここで、添え字f及びrはそれぞれ、前輪及び後輪を表しており、Yf及びYrはそれぞれ、前後輪のコーナリングフォースであり、Cf及びCrはそれぞれ、前後輪におけるコーナリングスティフネス(CS)と呼ばれる係数であって、路面状況により時間に応じて変化する変数である。また、βは、車両の向きと進行方向とのなす角度である車両横すべり角であり、γは、車両重心点における鉛直軸周りの回転角速度であるヨーレートである。更に、αf及びαrはそれぞれ、前後輪の車輪横すべり角であり、δfは前輪舵角であり、Vは車両速度であり、lf及びlrはそれぞれ、車両重心から前輪軸及び後輪軸までの距離である。
(車両の運動方程式)
図1に示した座標系において、車体のローリングを無視し、速度が一定であると仮定すると、この二輪車両モデルから、以下の式(3)及び(4)により表される車両の2つの運動方程式が求まる(非特許文献12参照)。
図1に示した座標系において、車体のローリングを無視し、速度が一定であると仮定すると、この二輪車両モデルから、以下の式(3)及び(4)により表される車両の2つの運動方程式が求まる(非特許文献12参照)。
ただし、Mは車両重量であり、Iは車両慣性であり、Nzは左右の駆動力差モーメントである。
(車両運動の伝達関数)
上記の式(3)及び(4)の2つの車両運動方程式より、前輪舵角から車両横すべり角までの車両運動の伝達関数P1(s)は、以下の式(5)のようになる(非特許文献12参照)。
上記の式(3)及び(4)の2つの車両運動方程式より、前輪舵角から車両横すべり角までの車両運動の伝達関数P1(s)は、以下の式(5)のようになる(非特許文献12参照)。
また、Nzから車両横すべり角までの伝達関数P2(s)は、以下の式(6)のようになる(非特許文献12参照)。
ただし、ωnは、操舵に対する車両の固有振動数であり、ζは減衰比であり、lは、lf+lrである。また、Aはスタビリファクタと呼ばれ、車両の定常円旋回における速度変化の大きさを示す係数であって、以下の式(7)のように定義される(非特許文献12参照)。
同様にして、前輪舵角からヨーレートの伝達関数P3(s)及びNzからヨーレートの伝達関数P4(s)をそれぞれ求めると、以下の式(8)及び(9)のようになる(非特許文献12参照)。
これらの式より、Nzから車両横すべり角までの伝達関数P2(s)以外は、速度とCSとに依存する零点が存在していることが確認できる。
<車両姿勢の制御法>
1.非干渉制御(DECOUPLING CONTROL)法
本明細書において、ヨーレートをNz、車両横すべり角をアクティブ前輪操舵で制御するものとする。ここで、車両運動の上記伝達関数P1(s)〜P4(s)を用いると、車両横すべり角β及びヨーレートγは、以下の式(10)により表すことができる。
1.非干渉制御(DECOUPLING CONTROL)法
本明細書において、ヨーレートをNz、車両横すべり角をアクティブ前輪操舵で制御するものとする。ここで、車両運動の上記伝達関数P1(s)〜P4(s)を用いると、車両横すべり角β及びヨーレートγは、以下の式(10)により表すことができる。
上記の式(10)から、2つの制御入力が、車両横すべり角β及びヨーレートγのそれぞれに干渉してしまうことが分かり、この干渉分が、車両姿勢制御に影響を与えてしまうものと考えられる。
そこで、この干渉分を予め考慮に入れたコントローラを設計し、制御入力の非干渉化を実現するよう2つの制御入力をそれぞれ、以下の式(11)及び(12)のようにする。
これらの式(11)及び(12)を、上記の式(10)に代入すると、車両横すべり角β及びヨーレートγそれぞれは、以下の式(13)及び(14)のようになる。
以上から、
とすることにより、干渉による影響を消すことが可能となる。図2は、この非干渉化を施した制御系を示している。
2.ヨーモーメントオブザーバ(YMO)
車両に働く制御入力と外乱とを考慮すると、車両重心点における鉛直軸周りのヨーイング方程式は、以下の式(17)により表すことができる。
車両に働く制御入力と外乱とを考慮すると、車両重心点における鉛直軸周りのヨーイング方程式は、以下の式(17)により表すことができる。
ただし、Ndは、横風等による外乱ヨーモーメントである。上記の式(17)において、右辺第一項及び右辺第二項により表されるタイヤに発生するコーナリングフォースによるヨーモーメントと、右辺第三項により表される外乱モーメントとの和をNtdとする。すると、上記の式(17)は、以下の式(18)のように定式化することができる。
上記の式(18)についてヨーレート制御を行うためには、コーナリングフォースや外乱ヨーモーメントを知る必要がある。しかしながら、コーナリングフォースは非線形変数であるので、その測定や推定は困難である。そこで、コーナリングフォースや外乱ヨーモーメント等の影響を外乱としてとらえ、外乱オブザーバによって一括補償を行うのがYMOである(非特許文献11参照)。
ここで、Nz及びγの信号を検出して、上記の式(18)において図3に示す外乱オブザーバを構成すれば、外乱モーメントNtdは抑圧され、外乱オブザーバのカットオフ周波数ωc以下の帯域では、以下の式(19)のようにノミナル化される。
ここで、Ninは、上記の式(19)にノミナル化されたプラントに対する、駆動力差モーメントによる制御入力である。
2′.YMO+駆動力オブザーバ(DFO)
さらに本発明では、YMOで用いるNzに、駆動力オブザーバ(DFO)を用いて推定した駆動力より算出した値を用いる方法についても提案する。図23に、DFOとYMOとを用いたヨーレート制御系のブロック図を示す。ここでは、ヨーレート指令値は操舵角に応じてヨーレート指令値を生成するフィードフォワードモデルを用いて決定する。また、フィードバックコントローラはノミナルプラント
さらに本発明では、YMOで用いるNzに、駆動力オブザーバ(DFO)を用いて推定した駆動力より算出した値を用いる方法についても提案する。図23に、DFOとYMOとを用いたヨーレート制御系のブロック図を示す。ここでは、ヨーレート指令値は操舵角に応じてヨーレート指令値を生成するフィードフォワードモデルを用いて決定する。また、フィードバックコントローラはノミナルプラント
に対して重根となるように極配置法で設計を行う比例制御とする。左右インホイールモータの駆動力差モーメントNzと加速度から左右輪のトルク指令値Trl *、Trr *を算出し、Trl *、Trr *と左右輪の角速度ωrl、ωrrとからDFOにおいて左右輪のタイヤ横力推定値
を算出する。DFOの出力からヨーモーメント計算器において駆動力差モーメント推定値
を導出し、この駆動力差モーメント推定値に基づきYMOを用いる。DFOを用いることによりアンチワイドアップ効果が得られ、推定ヨーモーメント
の発散を防ぐことができる。
3.ラテラルフォースオブザーバ(LFO)
外乱を考慮に入れた車両横方向の運動方程式は、以下の式(20)により表される。
外乱を考慮に入れた車両横方向の運動方程式は、以下の式(20)により表される。
ただし、Ydは、横風等による外乱横力である。ここで、
として、上記の式(20)について、左辺はβの微分項のみの形に、右辺は前輪舵角項及びYtdの形に変形すると、以下の式(21)のように定式化することができる。
上記の式(21)において、β及びδfの信号が検出可能であると仮定すると、図3に示す外乱オブザーバを構成すれば、外乱は抑圧され、以下の式(22)のようにノミナル化することができる。
ここで、δinは、上記の式(22)にノミナル化されたプラントに対する、アクティブ操舵による制御入力である。上記の式(22)を構成するための外乱オブザーバを、LFOとする。
<シミュレーション>
図2に示した従来法である非干渉制御法(以下、従来法と呼ぶ)と、図4に示す本明細書で提案したLFOとYMOとを組み合わせた制御法(以下、提案法と呼ぶ)とをシミュレーションにより比較した。また、図23に示すブロック図で実現されるDFOとYMOとを組み合わせた制御法についてもシミュレーションを行った。
図2に示した従来法である非干渉制御法(以下、従来法と呼ぶ)と、図4に示す本明細書で提案したLFOとYMOとを組み合わせた制御法(以下、提案法と呼ぶ)とをシミュレーションにより比較した。また、図23に示すブロック図で実現されるDFOとYMOとを組み合わせた制御法についてもシミュレーションを行った。
本シミュレーションでは、コントローラは、従来法及び提案法ともに、極配置法で設計した。
提案法の車両横すべり角の制御系は、上記の式(22)のノミナルプラントに対して閉ループ極が−2.0[rad/s]、ヨーレートの制御系は、上記の式(19)に対して−1.0[rad/s]に配置した比例制御とした。また、オブザーバのカットオフ周波数は、LFO及びYMOともに、−10[rad/s]とした。
従来法の車両横すべり角は、伝達関数P1(s)に対して閉ループ極が−6.5[rad/s]、ヨーレートは、伝達関数P4(s)に対して−5.5[rad/s]に配置したPID制御とした。
更に、提案法及び従来法の両方について、車速を12[km/h]とし、車両横すべり角の指令値を0.035[rad]とし、ヨーレートの指令値を0.15[rad/s]とした。
(CSのノミナル値が真値である場合)
車両姿勢に影響を与える変数の1つであるCSは、路面状態に応じて変化する。提案法及び従来法の両方について、CSのノミナル値が真値である場合のプラントモデルのCSを、前輪2270とし、後輪6800として、これらを真値とした。これらのCSの真値をコントローラに与えた場合のシミュレーションを行った。
車両姿勢に影響を与える変数の1つであるCSは、路面状態に応じて変化する。提案法及び従来法の両方について、CSのノミナル値が真値である場合のプラントモデルのCSを、前輪2270とし、後輪6800として、これらを真値とした。これらのCSの真値をコントローラに与えた場合のシミュレーションを行った。
図5は、CSのノミナル値が真値である場合の、シミュレーション結果のグラフを示している。図5(a)は、ヨーレートの経時変化を示し、図5(b)は、車両横すべり角の経時変化を示し、図5(c)は、左右の駆動力差を用いたヨーモーメントの経時変化を示し、図5(d)は、舵角の経時変化を示している。図示するように、オブザーバを用いた提案法では、ヨーレート及び車両横すべり角がともに、指令値に対して一次遅れ系で追従していることが確認できる。
一方、従来法でも、図示するように、ヨーレートの立ち上がり時間の遅れや車両横すべり角に若干の歪みが見られるが、最終的には指令値に追従していることが確認できる。従って、コントローラのCSが真値である場合には、提案法及び従来法ともに、ほぼ同様の効果が得られると言える。
(CSがパラメータ誤差を持つ場合)
上述したとおり、CSは路面状態に応じて変化するため、実際にはプラントとコントローラのCSが一致することはほとんどないと考えられる。そこで、コントローラとプラントのCSに誤差を持たせ、その影響を考察した。通常このような場合、プラントパラメータを変動させるが、このシミュレーションでは、後述する実験条件に合わせるために、コントローラのCSに誤差を持たせた。このときのコントローラのCSは、前輪を1890とし、後輪を4760とした。
上述したとおり、CSは路面状態に応じて変化するため、実際にはプラントとコントローラのCSが一致することはほとんどないと考えられる。そこで、コントローラとプラントのCSに誤差を持たせ、その影響を考察した。通常このような場合、プラントパラメータを変動させるが、このシミュレーションでは、後述する実験条件に合わせるために、コントローラのCSに誤差を持たせた。このときのコントローラのCSは、前輪を1890とし、後輪を4760とした。
図6は、CSがパラメータ誤差を持つ場合の、シミュレーション結果のグラフを示している。図6(a)は、ヨーレートの経時変化を示し、図6(b)は、車両横すべり角の経時変化を示し、図6(c)は、左右の駆動力差を用いたヨーモーメントの経時変化を示し、図6(d)は、舵角の経時変化を示している。図示するように、コントローラにCSの項を多く含む従来法では、CSが真値であった場合に比べて大きく振動している。これより、従来法では、CSの変動に対して大きく影響を受けることが分かる。
一方、提案法では、図示するように、CSの値を変化させても大きな変動はなく、CSが真値である場合と同様の結果が得られることが確認できる。
以上から、LFOとYMOとを用いることにより、CSの変動に対してロバスト性の向上が可能であると考えられる。
次に、DFOとYMOを用いたヨーレート制御に関するシミュレーションについて説明する。車速を20km/hとし、0.1radのステップ操舵を行うものとした。図24に、理想条件下でのDFOとYMOを用いたヨーレート制御のシミュレーション結果を示す。この結果から、指令値に対して追従していることが分かる。このとき、フィードバックコントローラの極は−5rad/secとし、YMOのカットオフ周波数は10rad/secとした。
<実験>
(実験条件)
実験車両には、本発明者らが製作した電気自動車「FPEV2−Kanon」を用いた。本実験車両は、駆動源に最大トルクが±340[N・m]である東洋電機製造株式会社製のアウターロータ型インホイールを後二輪に搭載している。
(実験条件)
実験車両には、本発明者らが製作した電気自動車「FPEV2−Kanon」を用いた。本実験車両は、駆動源に最大トルクが±340[N・m]である東洋電機製造株式会社製のアウターロータ型インホイールを後二輪に搭載している。
ステアリング機構は、ステアバイワイヤシステム(SbW)及び4WS方式を採用した。EPS用モータとしてmaxon社製の250Wモータを2基搭載し、アクティブ4WSが実現可能なシステムとなっている。また、前輪ステアリング機構は、SbWとEPSとの切り替えができるよう、ステアリングシャフトを取り外し可能な構造となっている。なお、図7は、実験車両のシステム構成図を示している。
また、本実験では、アスファルト路面よりもグリップ力の低い非舗装路を、車両速度V=12[km/h]で走行した。
(実験結果)
指令値は、シミュレーションと同様の値を用い、車両横すべり角は、CORRYSYS−DATRON社製の光学式センサCORREVIT S−400で測定した。
指令値は、シミュレーションと同様の値を用い、車両横すべり角は、CORRYSYS−DATRON社製の光学式センサCORREVIT S−400で測定した。
図8は、コントローラに用いたCSのノミナル値とプラントの真値との間に誤差がある場合の実験結果を示すグラフであり、図9は、CSがパラメータ誤差を持つ場合の事件結果を示すグラフである。図8(a)及び図9(a)は、提案法によるヨーレートの経時変化を示し、図8(b)及び図9(b)は、提案法による車両横すべり角の経時変化を示している。一方、図8(c)及び図9(c)は、従来法によるヨーレートの経時変化を示し、図8(d)及び図9(d)は、従来法による車両横すべり角の経時変化を示している。図8に示すように、CSのノミナル値が真値であれば、提案法及び従来法ともに、指令値に追従することが確認できる。しかしながら、図9に示すように、コントローラのCSがパラメータ誤差を持った場合には、提案法では追従性に大きな変化はないが、従来法では振動的になることが確認できる。
以上から、本実験においても、シミュレーションと同様に、提案法では、CSの変動に対してロバスト性が向上することが確認できた。
<タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いた車両横すべり角推定法>
次に、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いた車両横すべり角推定法について説明する。上述したように、これまでの実験等においては、光学式センサを用いて車両横すべり角を測定していた。しかしながら、光学式センサは、高価であることや、水しぶき・雪等により測定異常が発生する可能性があった。そこで、光学式センサに代わる車両横すべり角の測定に、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットによる推定法を用いることにした。
次に、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いた車両横すべり角推定法について説明する。上述したように、これまでの実験等においては、光学式センサを用いて車両横すべり角を測定していた。しかしながら、光学式センサは、高価であることや、水しぶき・雪等により測定異常が発生する可能性があった。そこで、光学式センサに代わる車両横すべり角の測定に、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットによる推定法を用いることにした。
タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットとは、ハブユニット軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定してタイヤ横力を検出するものである。このハブユニットは、以下の<車両横すべり角の推定試験>において、上述した実験車両の前輪に装着させて、車両横すべり角を推定している。
ここで、上記の式(1)を変形すると、以下の式(23)が導出される。
前輪のタイヤ横力、車両速度、前輪舵角、及びヨーレートは全て測定可能であり、従って、上記の式(23)の右辺は既知となるので、これにより車両横すべり角の測定が可能となる。また、Cfは、非特許文献14において提案された推定法を用いて求めることができる。
<車両横すべり角の推定試験>
車両横すべり角の本推定試験では、CORRYSYS−DATRON社製の光学式センサCORREVIT S−400と、日本精工株式会社製のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであるマルチセンシングハブユニットとを用いて、車両横すべり角を測定した。測定条件として、舗装路面を時速23km/hで走行し、サイン波状に操舵した。
車両横すべり角の本推定試験では、CORRYSYS−DATRON社製の光学式センサCORREVIT S−400と、日本精工株式会社製のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであるマルチセンシングハブユニットとを用いて、車両横すべり角を測定した。測定条件として、舗装路面を時速23km/hで走行し、サイン波状に操舵した。
図10〜図12は、本推定試験の結果のグラフを示している。図10は、光学式センサを用いた場合の、車両横すべり角の経時変化を示し、図11は、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットによる推定法を用いた場合の、車両横すべり角の経時変化を示している。また、図12は、光学式センサとタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットとを比較するための、車両横すべり角の経時変化を示している。図11及び図12のグラフから、光学式センサを用いた測定よりも、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットによる推定法の方が、ノイズ成分が少ないことが確認できる。
図12に示すように、光学式センサを用いた測定では、振幅の頂点で測定値に歪みが生じている。これに対して、図12に示すようにタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットによる推定では、シミュレーションに近い結果が得られたことが確認できる。
従って、ノイズ成分が少ないこと、及びシミュレーションにより近い値を測定できることから、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いた車両横すべり角の推定は、車両姿勢制御の観点において有効なものであると考えられる。
<タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いた自動車の車両姿勢制御>
以下では、本発明の実施形態に係る、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いた自動車の車両姿勢制御について説明する。
以下では、本発明の実施形態に係る、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いた自動車の車両姿勢制御について説明する。
[第1の実施形態]
(前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法)
まず、前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法について説明する。この手法では、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットは、上述した実験車両の前後輪の両方に装着させている。ここで、線形二輪モデルにおける車両のヨーイング方程式は、以下の式(24)のように記述することができる。
(前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法)
まず、前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法について説明する。この手法では、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットは、上述した実験車両の前後輪の両方に装着させている。ここで、線形二輪モデルにおける車両のヨーイング方程式は、以下の式(24)のように記述することができる。
ただし、添え字f及びrはそれぞれ、前輪及び後輪を表しており、Iは車両のヨー慣性モーメントであり、γは、車両重心点における鉛直軸周りの回転角速度であるヨーレートである。また、lf及びlrはそれぞれ、車両重心から前輪軸及び後輪軸までの距離であり、Yf及びYrはそれぞれ、前後輪の横力であって、これらYf及びYrは、非線形係数である。更に、Nzは、左右の駆動力差を用いたヨーモーメントであって、制御入力である。
上述したYMOを用いた方法では、上記の式(24)の右辺第一項及び右辺第二項をまとめて、外乱オブザーバにより一括推定していたが、Yf及びYrが計測できれば、上記の式(24)の右辺は全て既知となる。従って、この場合、外乱オブザーバのローパスフィルタの影響を受けない直接ヨーレート制御(DYC)が実現可能となる。図13は、本発明の第1の実施形態に係る、前後輪の横力情報が得られるとした場合の、制御系のブロック図を示している。
[第2の実施形態]
(前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法)
次に、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法について説明する。この手法では、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットは、上述した実験車両の前輪に装着させて、車両横すべり角を推定する。ここで、前輪のタイヤ横力情報が得られれば、車両横すべり角は、以下の式(25)のように推定できる。
(前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法)
次に、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法について説明する。この手法では、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットは、上述した実験車両の前輪に装着させて、車両横すべり角を推定する。ここで、前輪のタイヤ横力情報が得られれば、車両横すべり角は、以下の式(25)のように推定できる。
また、後輪のタイヤ横力は、以下の式(26)のようになる。
以上から車両横すべり角の推定値を用いることにより、後輪タイヤ横力
は、以下の式(27)のように推定することができる。
上記の式(27)により推定した後輪タイヤ横力を、上記の式(24)におけるYrの代わりに用いることにより、本実施形態では、自動車の車両姿勢を制御しようというものである。
図14は、本発明の第2の実施形態に係る、前輪の横力情報が得られるとした場合の、制御系のブロック図を示している。
[第3の実施形態]
次に、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた、車両横すべり角を推定せずに後輪タイヤ横力を推定する手法について説明する。この手法では、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットは、上述した実験車両の前輪に装着させるが、車両横すべり角の推定は行わない。ここで、車両の横方向の運動方程式は、以下の式(28)によって表される。
次に、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた、車両横すべり角を推定せずに後輪タイヤ横力を推定する手法について説明する。この手法では、タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットは、上述した実験車両の前輪に装着させるが、車両横すべり角の推定は行わない。ここで、車両の横方向の運動方程式は、以下の式(28)によって表される。
横加速度ayは測定可能であるので、後輪タイヤ横力は、以下の式(29)のように推定することができる。
上記の式(29)により推定した後輪タイヤ横力を、上記の式(24)におけるYrの代わりに用いることにより、本実施形態では、自動車の車両姿勢を制御しようというものである。
図16は、本発明の第3の実施形態に係る、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた、車両横すべり角を推定せずに後輪タイヤ横力を推定する手法による、制御系のブロック図を示している。
なお、本発明に係る諸実施形態との比較のために、図15に、YMOを使用した手法による、制御系のブロック図を示している。
<シミュレーション>
本発明の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、及びYMOを使用した手法のそれぞれについて、シミュレーションモデルを線形モデルとし、ヨーレート制御を行った。
本発明の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、及びYMOを使用した手法のそれぞれについて、シミュレーションモデルを線形モデルとし、ヨーレート制御を行った。
ここで、YMOのカットオフ周波数は、10[rad/s]とし、DYC制御器は、ノミナル化されたプラント
に対して−5[rad/s]に極配置した比例制御とした。
前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法(第1の実施形態)、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法(第2の実施形態)、及び前輪のみのタイヤ横力情報を用いた、車両横すべり角を推定せずに後輪タイヤ横力を推定する手法(第3の実施形態)では、ノミナル化されたプラント
に対して、入力から出力までの伝達関数が1となるようなフィードフォワード制御器
を適用している。
また、本発明の第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、及びYMOを使用した手法のそれぞれについて、車両速度は、12[km/s]とした。
<シミュレーション結果>
図17は、コントローラとプラントモデルのCSを同一にした場合のシミュレーション結果を示すグラフである。図17(a)は、前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法(第1の実施形態)による、ヨーレートの経時変化を示し、図17(b)は、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法(第2の実施形態)による、ヨーレートの経時変化を示し、図17(c)は、YMOを用いた手法による、ヨーレートの経時変化を示している。図示するように、何れの手法も概ね、ヨーレートの出力値は、ヨーレートの指令値に追従していることが確認できる。一方、図18に示すように、ヨーレートの応答誤差についてみると、タイヤ横力情報を用いた手法の方が、小さいことが確認できる。
図17は、コントローラとプラントモデルのCSを同一にした場合のシミュレーション結果を示すグラフである。図17(a)は、前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法(第1の実施形態)による、ヨーレートの経時変化を示し、図17(b)は、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法(第2の実施形態)による、ヨーレートの経時変化を示し、図17(c)は、YMOを用いた手法による、ヨーレートの経時変化を示している。図示するように、何れの手法も概ね、ヨーレートの出力値は、ヨーレートの指令値に追従していることが確認できる。一方、図18に示すように、ヨーレートの応答誤差についてみると、タイヤ横力情報を用いた手法の方が、小さいことが確認できる。
以上から、ヨーレート制御に関して、タイヤ横力情報を用いた手法の方が、より効果的なものであると考えられる。
図19は、コントローラとプラントモデルのCSに誤差を持たせた場合のシミュレーション結果を示すグラフである。図19(a)は、前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法(第1の実施形態)による、ヨーレートの経時変化を示し、図19(b)は、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法(第2の実施形態)による、ヨーレートの経時変化を示し、図19(c)は、YMOを用いた手法による、ヨーレートの経時変化を示している。また、図20は、本シミュレーションにおける、前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法(第1の実施形態)、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法(第2の実施形態)、及びYMOを用いた手法での応答誤差を示している。図17及び図18に示したシミュレーション結果と同様、図19及び図20から、タイヤ横力情報を用いた手法の方が、より効果的なものであることが確認できる。前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法(第2の実施形態)においては、上述した非特許文献14において提案されたCS推定法を用いれば、CSの変動に対する性能劣化を改善できることが、当業者には理解されよう。
次に、図21は、コントローラとプラントモデルのCSを同一にした場合のシミュレーション結果を示すグラフである。図21(a)は、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた、車両横すべり角を推定せずに後輪タイヤ横力を推定する手法(第3の実施形態)によるヨーレートの経時変化を示している。また、図21(b)は、本シミュレーションにおける、前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法(第1の実施形態)、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた、車両横すべり角を推定せずに後輪タイヤ横力を推定する手法(第3の実施形態)、及びYMOを用いた手法におけるヨーレートの応答誤差を示している。図21(a)に示されるように、ヨーレートの出力値は、ヨーレートの指令値に追従していることが確認できる。一方、図21(b)に示されるように、応答誤差についてみると、図18と同様、タイヤ横力情報を用いた手法の方が、小さいことが確認できる。
図22は、コントローラとプラントモデルのCSに誤差を持たせた場合のシミュレーション結果を示すグラフである。図22(a)は、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた、車両横すべり角を推定せずに後輪タイヤ横力を推定する手法(第3の実施形態)によるヨーレートの経時変化を示している。また、図22(b)は、本シミュレーションにおける、前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法(第1の実施形態)、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた、車両横すべり角を推定せずに後輪タイヤ横力を推定する手法(第3の実施形態)、及びYMOを用いた手法におけるヨーレートの応答誤差を示している。図17〜図21に示したシミュレーション結果と同様、タイヤ横力情報を用いた手法の方が、より効果的なものであることが確認できる。更に、図21及び図22から、横加速度を用いる第3の実施形態では、CSが制御系に関係していないため、CS変動の影響をまったく受けていないことが確認できる。
以上、電気自動車を対象として、本発明を適用可能な実施形態について説明してきたが、本発明の適用は、電気自動車だけに限定されるものではない。本発明は、各車輪へのトルク分配の機構がある(すなわち、Nzを発生できる)、現在のガソリン車やスポーツカーにも適用可能である。
以上説明したように、前後輪のタイヤ横力情報を用いた手法による自動車の車両姿勢制御(第1の実施形態)に関して、CSに誤差を持たせた場合でも指令値に追従させることが可能である。
また、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた、車両横すべり角を推定せずに後輪タイヤ横力を推定する手法による自動車の車両姿勢制御(第3の実施形態)に関しても、測定可能な横加速度を用いることにより、CSに誤差を持たせた場合でも指令値に追従させることが可能である。
更に、前輪のみのタイヤ横力情報を用いた手法による自動車の車両姿勢制御(第2の実施形態)に関しても、CS推定法を用いて、CSの変動に対する性能劣化を改善することが可能である。
Claims (14)
- タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御装置であって、
前記自動車の前輪に装着されている第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、該第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前記前輪のタイヤ横力を検出する第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、
前記自動車の後輪に装着されている第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、該第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前記後輪のタイヤ横力を検出する第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、
前記第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニット及び前記第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより検出された前記前輪のタイヤ横力及び前記後輪のタイヤ横力と、前記自動車の車両重心から前輪軸及び後輪軸までの距離と、前記自動車の左右の駆動力差を用いたヨーモーメントとに基づいて、以下の式を用いて、
を備えたことを特徴とする車両姿勢制御装置。 - タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御装置であって、
前記自動車の前輪に装着されている第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、該第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前記前輪のタイヤ横力を検出する第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、
前記自動車の後輪に装着されている第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、該第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前記後輪のタイヤ横力を検出する第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、
前記前輪のタイヤ横力と、車両速度と、前輪舵角と、ヨーレートと、前記前輪のコーナリングスティフネスとに基づいて、以下の式を用いて、
を備えたことを特徴とする車両姿勢制御装置。 - タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御装置であって、
前記自動車の前輪に装着されているタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットであって、該タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前記前輪のタイヤ横力を検出するタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットと、
前記自動車における所定のパラメータを用いて、前記自動車の後輪のタイヤ横力を推定する後輪タイヤ横力推定手段と、
前記タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより検出された前記前輪のタイヤ横力と、前記後輪タイヤ横力推定手段により推定された前記後輪のタイヤ横力と、前記自動車の車両重心から前輪軸及び後輪軸までの距離と、前記自動車の左右の駆動力差を用いたヨーモーメントとに基づいて、以下の式を用いて、
を備えたことを特徴とする車両姿勢制御装置。 - タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御方法であって、
前記自動車の前輪に装着されている第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより、該第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前記前輪のタイヤ横力を検出する前輪タイヤ横力検出ステップと、
前記自動車の後輪に装着されている第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより、該第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前記後輪のタイヤ横力を検出する後輪タイヤ横力検出ステップと、
前記前輪タイヤ横力検出ステップ及び前記後輪タイヤ横力検出ステップにおいて検出された前記前輪のタイヤ横力及び前記後輪のタイヤ横力と、前記自動車の車両重心から前輪軸及び後輪軸までの距離と、前記自動車の左右の駆動力差を用いたヨーモーメントとに基づいて、以下の式を用いて、
を有することを特徴とする車両姿勢制御方法。 - タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御方法であって、
前記自動車の前輪に装着されている第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより、該第1のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前記前輪のタイヤ横力を検出する前輪タイヤ横力検出ステップと、
前記自動車の後輪に装着されている第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより、該第2のタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前記後輪のタイヤ横力を検出する後輪タイヤ横力検出ステップと、
前記前輪のタイヤ横力と、車両速度と、前輪舵角と、ヨーレートと、前記前輪のコーナリングスティフネスとに基づいて、以下の式を用いて、
を有することを特徴とする車両姿勢制御方法。 - タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットを用いて自動車の車両姿勢を制御する車両姿勢制御方法であって、
前記自動車の前輪に装着されているタイヤ横力センサ内蔵ハブユニットにより、該タイヤ横力センサ内蔵ハブユニットの軸受に作用する荷重によって変化する車輪回転のパルス信号波形を測定して前記前輪のタイヤ横力を検出する前輪タイヤ横力検出ステップと、
前記自動車における所定のパラメータを用いて、前記自動車の後輪のタイヤ横力を推定する後輪タイヤ横力推定ステップと、
前記前輪タイヤ横力検出ステップにおいて検出された前記前輪のタイヤ横力と、前記後輪タイヤ横力推定ステップにおいて推定された前記後輪のタイヤ横力と、前記自動車の車両重心から前輪軸及び後輪軸までの距離と、前記自動車の左右の駆動力差を用いたヨーモーメントとに基づいて、以下の式を用いて、
を有することを特徴とする車両姿勢制御方法。
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2009
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