JP2010074943A - 単独運転検出方法および単独運転検出装置 - Google Patents

単独運転検出方法および単独運転検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大容量の変圧器が投入されることに起因する単独運転の誤検出を、実際に単独運転が形成されたときの単独運転の検出に影響を与えることなく回避できる単独運転検出方法を提供する。
【解決手段】商用電力系統1と分散型電源3の連系点における電圧、電流を連続的に計測(6、7)し、電圧、電流の測定値に基づき所定の奇数次数の高調波アドミタンス値を算出(10)し、算出された高調波アドミタンス値の変化が所定の閾値Vtを超えたことに基づいて単独運転状態を検出する。連系点における第2次高調波成分の電圧レベルを判定し、第2次高調波成分の電圧レベルが所定の閾値を超えた場合には、その超えた時点から一定期間、単独運転状態の検出を停止することにより、誤検出を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、商用電力系統に分散型電源を連系した系統連系システムにおいて、分散型電源が単独運転状態に移行したことを検出する単独運転検出方法、および単独運転検出装置に関する。
需要系のコージェネレーション設備等の自家用発電設備を電力系統に連系するために、種々の系統連系システムが提案されている。この種の系統連系システムにおいて、電力系統の事故等により、電力会社の変電所の遮断器が開放され商用電力系統からの電力供給が停止(遮断)された場合、分散電源設備を系統に連系したまま運転すると、通常は停電状態となる電力系統に分散電源から電力の逆潮流が流れ込み、単独運転による感電事故等が発生して安全性を脅かすおそれがある。このため、分散電源設備の単独運転状態を確実に検出して、分散電源設備を商用電力系統から切り離す(解列する)機能、すなわち分散電源の単独運転を防止する機能が不可欠である。
そこで、系統停電等により分散電源が単独運転状態になったことを検出する種々の単独運転検出方法が提案されている。そのような検出方法としては、能動的な単独運転検出方法と、受動的な単独運転検出方法が知られている。
受動的な検出方法は、系統に与える影響が無く、商用電力系統に複数の単独運転検出装置が存在している場合であっても、相互干渉による単独運転検出の感度低下を回避できる。しかし、従来の受動的な検出方法では、並列運転中に負荷変動などによって単独運転移行時と同様の状態変化が生じたときに、誤検出が発生する可能性があった。また、基本波成分の電圧、位相、周波数の変化から単独運転を検出する方法では、分散電源設置場所において負荷と発電量が一致している場合には、単独運転移行時それらの変化が小さいため単独運転を精度良く検出するのは困難である。
そこで、単独運転への移行を明瞭に検出可能であるとともに、単独運転への移行以外の事象による誤検出の可能性が低減された単独運転検出方法が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された方法では、商用電力系統と分散型電源の連系点における電圧、電流を連続的に計測し、電圧、電流の測定値に基づき所定の奇数次数の高調波アドミタンス値を算出する。算出された高調波アドミタンス値の変化が所定の閾値を超えることにより、単独運転状態を検出する。単独運転への移行による高調波アドミタンス値の変化は、明瞭に検出可能であり、単独運転への移行以外の事象による誤検出の発生は起こり難い。
特開2006−204069号公報
特許文献1に開示された単独運転検出方法の場合、遮断されていた大容量の変圧器が遮断機投入により接続された際、その変圧器の充電に伴う励磁突入電流が発生する。それにより、単独運転状態でないにもかかわらず高調波アドミタンス値が変化して、単独運転状態として誤検出する可能性がある。
したがって本発明は、上記問題点を解消し、大容量の変圧器の投入に起因する単独運転の誤検出を、実際に単独運転が形成されたときの単独運転の検出に影響を与えることなく回避できる単独運転検出方法を提供することを目的とする。
また、そのような単独運転検出方法を実施するための単独運転検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の単独運転検出方法は、商用電力系統と分散型電源の連系点における電圧、電流を連続的に計測し、前記電圧、電流の測定値に基づき所定の奇数次数の高調波アドミタンス値を算出し、算出された前記高調波アドミタンス値の変化が所定の閾値Ytを超えたことに基づいて単独運転状態を検出する方法であって、前記連系点における第2次高調波成分の電圧レベルV2を判定し、前記電圧レベルV2が所定の閾値Vtを超えた場合には、その超えた時点から一定期間、単独運転状態の検出を停止することにより、誤検出を防止することを特徴とする。
また、本発明の単独運転検出装置は、商用電力系統に接続された需要家負荷に、自家用発電装置による分散電源からの電力を供給可能とした系統連系システムに適用され、前記分散電源の連系点における電圧を連続的に測定する電圧測定部と、前記分散電源の連系点における電流を連続的に測定する電流測定部と、前記電圧測定部および前記電流測定部の各々の測定出力から、少なくとも一つの所定の次数の高調波成分を算出する高調波解析部と、前記高調波解析部で算出された前記各次数毎の高調波の電圧値および電流値から、前記各次高調波成分の各々に対するアドミタンス値を算出するアドミタンス値計算部と、前記アドミタンス値計算部により算出された少なくとも1つの次数の前記高調波に対するアドミタンス値の変化について、所定の閾値Ytを超える状態が所定時間持続したときに、前記分散電源が単独運転状態に移行したことを示す判定結果を出力する指標判定部とを備える。更に、前記連系点における第2次高調波成分の電圧レベルV2が所定の閾値Vtを超えているか否かを判定する第2次高調波判定部を備え、前記第2次高調波判定部により、前記電圧レベルV2が前記閾値Vtを超えたことが検出された場合には、その超えた時点から一定期間、単独運転状態の検出を停止することにより、誤検出を防止することを特徴とする。
本発明によれば、第2次高調波成分の電圧レベルを指標として単独運転の検出を停止することにより、大容量の変圧器の投入に起因する単独運転の誤検出を、実際に単独運転が形成されたときの単独運転の検出に影響を与えることなく回避可能である。
本発明は、上記構成を基本として、以下に記すような形態を採ることができる。
すなわち、本発明の単独運転検出方法または単独運転検出装置において、前記閾値Vtを、定常時の前記電圧レベルV2の2倍〜10倍に設定することが好ましい。
また、前記電圧レベルV2を所定時間間隔毎に繰り返して検出し、検出された前記電圧レベルV2に基づいて、当該電圧レベルV2の検出時点より後の検出時点で検出される前記電圧レベルV2に対する前記閾値Vtを生成することができる。
また、前記電圧レベルV2の検出を、基本波1サイクル期間毎に逐次実行することが好ましい。
また、第3次、第5次、第7次、第9次、第11次、および第13次のうちの少なくとも一つの次数の高調波成分についてアドミタンス値を算出し、算出した次数の高調波成分の各々についてのアドミタンス値の変化に基づき、単独運転状態を検出することができる。
また、複数の次数の高調波成分の各々についてアドミタンス値を算出し、算出した各次数の高調波成分の少なくとも1つについて、アドミタンス値の変化が前記閾値Ytを超える状態が所定時間持続したときに単独運転と判定することが好ましい。その場合、第5次および第7次の高調波成分の各々についてのアドミタンス値のみを用いることが好ましい。
(実施の形態)
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態における単独運転検出方法、および同方法を実施するための装置について、具体的に説明する。図1は、本実施の形態の方法が実施される系統連系システムを示すブロック図である。
図1における商用電力系統1には、需要家の負荷2が接続されるとともに、負荷2に対しては、分散電源3からの電力を連系部4を介して供給可能であり、系統連系システムが構成されている。自家用発電装置が太陽電池や燃料電池等の直流電源装置である場合は、発電装置の出力はインバータにより、商用電力系統1と同一の大きさの電圧および同一周波数に制御されて供給される。商用電力系統1と分散電源3の連系点には単独運転検出装置5が接続され、分散電源3が単独運転状態に移行したことを検出する。単独運転検出装置5は、本実施の形態における単独運転検出方法を実施するための構成を有する。
単独運転検出装置5は、商用電力系統と分散型電源の連系点における所定の奇数次数の高調波アドミタンス値を算出し、算出された高調波アドミタンス値の変化が所定の閾値Ytを超えたことに基づいて単独運転状態を検出する構成を有する。単独運転状態の検出に用いる高調波の次数としては、第3次、第5次、第7次、第9次、第11次、および第13次のうちの少なくとも一つを用いることができる。特に、第5次または第7次の高調波成分を用いた場合は、単独運転検出に最も効果的である(特願2007−97732参照)。また、算出した各次数の高調波成分の少なくとも1つについて、アドミタンス値の変化が閾値Ytを超える状態が、所定時間持続したときに、単独運転と判定することが望ましい。
より確実な検出のためには、複数の次数の高調波成分の各々についてアドミタンス値を算出し、算出した各次数の高調波成分の少なくとも1つについて、アドミタンス値の変化が所定の閾値Ytを超えたか否かに基づいて、単独運転と判定することが望ましい。第5次および第7次の高調波成分に対するアドミタンス値を用いれば、最も精度の良い判定が可能である。
従って、第5次および第7次の高調波成分の各々に対するアドミタンス値のみを用いて単独運転の検出を行うことにより、高精度の検出を可能としながら、高調波分析のロジックが簡素化され、解析のためのCPU容量の削減、解析時間の短縮を図ることができる。そこで本実施の形態では、第5次および第7次の高調波成分の各々に対するアドミタンス値を用いた場合を例として説明する。
単独運転検出装置5は、分散電源3の連系点における電圧を連続的に測定する電圧測定部6、および分散電源3の連系点における電流を連続的に測定する電流測定部7を有する。電圧測定部6および電流測定部7の測定出力は、それぞれ、基本波成分除去部8a、8bを介して、高調波解析部9a、9bに供給される。高調波解析部9a、9bは各々、第5次および第7次の高調波成分を算出してアドミタンス値計算部10に供給する。高調波解析部9a、9bにおける高調波成分の解析には、例えば、電圧と電流の測定値をウェーブレット(Wavelet)変換して高調波成分を算出する方法を適用できる。アドミタンス値計算部10は、第5次および第7次の高調波の電圧値および電流値から、第5次および第7次の高調波に対するアドミタンス値を算出する。
アドミタンス値計算部10により算出された第5次および第7次の高調波に対するアドミタンス値は、アドミタンス指標判定部11に供給される。アドミタンス指標判定部11は、第5次および第7次の高調波のアドミタンス値の変化を閾値Ytと比較し、すくなくとも一方の高調波について閾値Ytを超えたときに、分散電源3が単独運転状態に移行したことを示す判定結果を出力する。
電圧測定部6の測定出力はまた、第2次高調波判定部12に供給される。第2次高調波判定部12では、電圧測定部6から供給される電圧測定値から、第2次高調波成分の電圧レベルV2を算出し、そのレベルが所定の閾値Vtを超えたか否かを判定する。
アドミタンス指標判定部11、および第2次高調波判定部12の判定結果は、総合判定部13に供給される。総合判定部13では、アドミタンス指標判定部11の判定結果に基づき、単独運転の検出結果を出力するが、第2次高調波判定部12の判定結果に応じて、その動作を変更する。
すなわち、第2次高調波判定部12での判定結果により、第2次高調波の電圧レベルが所定の閾値Vtを超えたことが示されたときには、総合判定部13は、単独運転の検出を停止する。単独運転検出の停止は、第2次高調波判定部12での判定結果により、第2次高調波の電圧レベルが閾値Vtを超えたことが示された時点から一定期間継続させる。それにより、単独運転の誤検出を防止することができる。
総合判定部13による単独運転状態の判定結果を示す検出信号は、連系部4に供給される。総合判定部13からの検出信号が、分散電源3の単独運転状態を示したときには、連系部4は分散電源3を商用電力系統1から解列する。なお、総合判定部13は、第2次高調波判定部12での判定結果に応じて、上述のように単独運転検出を停止する動作に代えて、連系部4に対する検出結果の供給を停止する動作、すなわち、単独運転ではないことを示す状態に信号をロックしてもよい。
第2次高調波の電圧レベルが閾値Vtを超える状態は、大容量の変圧器が遮断機投入により接続された際、その変圧器の充電に伴う励磁突入電流に起因して大幅に発生する。しかし、単独運転時には、第2次高調波の電圧レベルが閾値Vtを超える状態は、極めて短い期間のみ発生するので、それによる単独運転検出の停止は、実質的には殆ど発生しない。第2次高調波の電圧レベルは、単独運転の誤検出防止のための指標としては有効である。
第2次高調波判定部12における、第2次高調波の電圧レベル判定の閾値Vtは、単独運転移行時の変化および常時の変化より大きく、事故等の擾乱時の変化より小さい値に設定する必要がある。
また、単独運転が形成されていないにもかかわらず変圧器の充電に伴い高調波アドミタンス値が大きく変化する場合に、高調波アドミタンス値の変動は一定期間持続するため、一定期間に亘って単独運転の検出を停止することが望ましい。
アドミタンス値計算部10およびアドミタンス指標判定部11により算出・判定されるアドミタンス値の変化(D)は、以下のように定義される。すなわち、ある時点t1でのアドミタンス値を(Y1)、時点t1から一定時間前の時点t0でのアドミタンス値を(Y0)として、次の式(1)により表される。
D=(Y1−Y0)/Y0 (1)
また、アドミタンス値の変化(D)を実際に計測する際には、時点t0、t1に対応させた各々の所定時間範囲でのアドミタンス値の平均値を測定して、その変化を算出することが望ましい。例えば、時点t0から0.01秒間、および時点t1から0.01秒間のアドミタンス値の平均値をそれぞれ測定する。すなわち、平均時間は50Hz系統において0.5サイクルに相当する。それらの平均値を用いて、アドミタンス値の変化を算出する。その際、アドミタンス値の変化は所定時間間隔で算出し、閾値Ytを所定時間に亘って超えたときに、単独運転状態と判定することが望ましい。
この定義に従い、連系点における電流と電圧の測定値の第5次および第7次の高調波成分について、各々求めたアドミタンス値からアドミタンス値の変化(D)を各々算出する。第5次または第7次のアドミタンス変化のいずれかが、設定された閾値Ytを所定期間に亘って超えれば単独運転と判定する。
単独運転をできるだけ速く判定できることが望ましいので、閾値Ytを超えたことを判定するために要する所定時間は短いほどよいが、瞬時のヒゲのように閾値Ytを超えた場合を単独運転と判定してしまうと、誤検出になる可能性が高い。したがって、一定期間の時間をかけて判定を行う。例えば、本実施の形態の一例としては、閾値Ytを超えた状態を検出する所定期間を、0.08秒(50Hz系統において4サイクルに相当)に設定することにより、良好な結果が得られる。ただし、高調波を高精度で解析するために、例えば、1秒間に2000点(0.0005秒サンプリング)の測定データを取り込む構成とする。
対象とする高調波アドミタンスを第5次および第7次の2種類のみに限定するのが好ましいことは、実系統での実証試験の結果に基づく。すなわち実証試験により、電力系統で単独運転が発生すれば、第5次または第7次高調波アドミタンス値は、必ず減少することが判明した。単独運転と判定するためのアドミタンス値の変化(D)の値の閾値Ytについては、実系統での実証試験の結果から、−0.1から−0.9の限定された範囲内に設定すれば、実用的に適切な判定結果が得られることが判った。すなわち、単独運転の発生により、第5次または第7次のアドミタンス値は減少する方向に変化するので、アドミタンス値の変化(D)を定義した式(1)によれば、−0.1から−0.9の範囲で変化の十分な範囲を包含する。
次に、本発明の特徴である、第2次高調波判定部12により第2次高調波の電圧レベルを判定し、所定の閾値Vtを超えたときに単独運転の検出を停止するための構成および動作について説明する。第2次高調波判定部12において、第2次高調波の電圧レベルが所定の閾値Vtを超えたことを検出するための構成例を、図2に示す。
図2における線間電圧測定部20a〜20cから、それぞれ3相の線間電圧VAB、VBC、VCAが出力される。線間電圧VAB、VBC、VCAは、減算器21a〜21cに入力された相電圧に変換され、増幅器22a〜22cにより増幅された後、離散フーリエ変換部23a〜23cに入力される。
離散フーリエ変換部23a〜23cでは、クロック発生器24から供給されるクロック信号を用いて離散フーリエ変換を行う。サンプリング間隔は、例えば50Hz×48サンプリングとする。相電圧データの離散フーリエ変換は、基本波1サイクル期間について逐次実行する。離散フーリエ変換部23a〜23cからは、基本波1サイクル期間の第2次高調波のフーリエ変換が出力される。
離散フーリエ変換部23a〜23cの出力は、対称分算出部25に入力され、第2次高調波の対称分(正相、逆相)のレベルが算出される。なお、各相について算出する構成としてもよい。対称分抽出部25の出力は絶対値演算部26a、26bに入力され、正相側および逆相側のそれぞれについて、第2次高調波成分の絶対値レベルが算出される。
絶対値演算部26a、26bの出力は一方で、平滑器27a、27b、遅延器28a、28b、および増幅器29a、29bをそれぞれ通った後、比較器30a、30bの一方の入力として供給される。絶対値演算部26a、26bの出力は他方で直接、それぞれ、比較器30a、30bの他方の入力として供給される。比較器30a、30bの出力は、OR判定器31に入力される。このように、正相側および逆相側のそれぞれについて同様の処理を行い、検出結果をOR判定とすることにより、単独運転の誤検出をより確実に防止することができる。
上記構成により、平滑器27a、27bで平滑された信号は、所定時間の遅延の後、増幅器29a、29bで3倍に増幅されて、第2次高調波の電圧レベル判定のための閾値Vtとして供給される。すなわち、連系点における電圧が定常状態であれば、平滑器27a、27bからは定常値信号の平均レベルを示す信号が出力される。この信号を所定時間遅延させ、3倍に増幅することにより、閾値Vtとして定常値の3倍のレベルが供給されることになる。
このように、第2次高調波の電圧レベルの上昇を検出する判定のための閾値Vtとして定常値の3倍のレベルを使用すれば、適切な判定結果を安定して得ることができる。遅延器28a、28bを介在させるのは、所定時間遅延させることにより、第2次高調波の電圧レベルが上昇する際の過渡時において、増幅器29a、29bから出力される閾値Vtが直ちに上昇することを回避するためである。
絶対値演算部26a、26bから直接、比較器30a、30bへ入力される信号は、第2次高調波の電圧レベルを判定すべき対象の信号(第2次高調波レベル信号)である。比較器30a、30bでは、第2次高調波レベル信号を、増幅器29a、29bから出力される閾値Vtと比較して、第2次高調波レベル信号が閾値Vtを超えた場合に、レベル超過を示す信号を出力する。比較器30a、30bの出力を受けたOR判定器31の出力信号は、図1における総合判定部13に供給され、単独運転の検出が一時停止される。
なお、閾値Vtを定常値信号の平均レベルの3倍としたのは一例であり、仕様に応じて適宜設定することができる。動作の安定性を考慮すると、定常値の2倍〜10倍のレベルとすることが望ましい。
図3および図4に、第2次高調波の電圧レベル(V2)の変動と、第5次高調波に対するアドミタンス値(Y5)の変化の状態に関し、単独運転が形成された場合と、変圧器の充電が発生した場合の相違について示す。図3および図4において、(a)は第2次高調波の電圧レベルの変動、(b)は第5次高調波に対するアドミタンス値の変化率の変動を示す。
図3は、単独運転が形成された場合の状態を示す。(b)におけるY5の値が急激に降下している箇所が、単独運転の形成を示す。このように単独運転が発生したときに、同時に(a)に示すように、V2が閾値Vtを超えるが、極めて短時間である。従って、V2の増大に基づいて単独運転の検出を停止させても、停止期間はほとんど発生せず、単独運転の検出に対する影響は実質的にない。なお、V2が図の右側で徐々に上昇しているのは、信号処理上の問題に基づくものであり、本来の動作とは無関係である。
一方、図4は、変圧器の充電が発生した場合の状態を示す。この場合は、(a)に示すように、変圧器の充電が発生するのに伴い、V2は急激に上昇し、過渡現象発生期間に近い長さの時間、閾値Vtを超えた状態が継続する。また、(b)におけるY5の値も降下し、単独運転の場合と同様な状態となる。この場合は、矢印で示された、V2が閾値Vtを超える時間が十分長いので、その期間、単独運転の検出を停止させることにより、Y5の値の降下により単独運転が誤検出される時間が十分に減少する。
以上のように、遮断機投入時の変圧器の充電に伴い、単独運転移行時と同様のアドミタンス値変化が生じたときでも、単独運転の検出を適切に停止し、誤検出の発生を回避することができる。
本発明によれば、大容量の変圧器の投入に伴う単独運転状態の誤検出を回避でき、商用電力系統に分散型電源を連系した系統連系システムの制御に有用である。
本発明の実施の形態における単独運転検出装置が設置された系統連系システムを示すブロック図 同単独運転検出装置における第2次高調波の電圧レベルを判定するための構成例を示すブロック図 単独運転が形成された場合における、(a)は第2次高調波の電圧レベルの変動を示す図、(b)は第5次高調波に対するアドミタンス値の変化率の変動を示す図 変圧器の充電が発生した場合における、(a)は第2次高調波の電圧レベルの変動を示す図、(b)は第5次高調波に対するアドミタンス値の変化率の変動を示す図
符号の説明
1 商用電力系統
2 負荷
3 分散電源
4 連系部
5 単独運転検出装置
6 電圧測定部
7 電流測定部
8a、8b 基本波成分除去部
9a、9b 高調波解析部
10 アドミタンス値計算部
11 アドミタンス指標判定部
12 第2次高調波判定部
13 総合判定部
20a〜20c 線間電圧測定部
21a〜21c 減算器
22a〜22c 増幅器
23a〜23c 離散フーリエ変換部
24 クロック発生器
25 対称分算出部
26a、26b 絶対値演算部
27a、27b 平滑器
28a、28b 遅延器
29a、29b 増幅器
30a、30b 比較器
31 OR判定器

Claims (14)

  1. 商用電力系統と分散型電源の連系点における電圧、電流を連続的に計測し、
    前記電圧、電流の測定値に基づき所定の奇数次数の高調波アドミタンス値を算出し、
    算出された前記高調波アドミタンス値の変化が所定の閾値Ytを超えたことに基づいて単独運転状態を検出する単独運転検出方法において、
    前記連系点における第2次高調波成分の電圧レベルV2を判定し、前記電圧レベルV2が所定の閾値Vtを超えた場合には、その超えた時点から一定期間、単独運転状態の検出を停止することにより、誤検出を防止することを特徴とする単独運転検出方法。
  2. 前記閾値Vtを、定常時の前記電圧レベルV2の2倍〜10倍に設定する請求項1に記載の単独運転検出方法。
  3. 前記電圧レベルV2を所定時間間隔毎に繰り返して検出し、検出された前記電圧レベルV2に基づいて、当該電圧レベルV2の検出時点より後の検出時点で検出される前記電圧レベルV2に対する前記閾値Vtを生成する請求項2に記載の単独運転検出方法。
  4. 前記電圧レベルV2の検出を、基本波1サイクル期間毎に逐次実行する請求項3に記載の単独運転検出方法。
  5. 第3次、第5次、第7次、第9次、第11次、および第13次のうちの少なくとも一つの次数の高調波成分についてアドミタンス値を算出し、算出した次数の高調波成分の各々についてのアドミタンス値の変化に基づき、単独運転状態を検出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の単独運転検出方法。
  6. 複数の次数の高調波成分の各々についてアドミタンス値を算出し、算出した各次数の高調波成分の少なくとも1つについて、アドミタンス値の変化が前記閾値Ytを超える状態が所定時間持続したときに単独運転と判定する請求項5に記載の単独運転検出方法。
  7. 第5次および第7次の高調波成分の各々についてのアドミタンス値のみを用いる請求項6に記載の単独運転検出方法。
  8. 商用電力系統に接続された需要家負荷に、自家用発電装置による分散電源からの電力を供給可能とした系統連系システムに適用され、
    前記分散電源の連系点における電圧を連続的に測定する電圧測定部と、
    前記分散電源の連系点における電流を連続的に測定する電流測定部と、
    前記電圧測定部および前記電流測定部の各々の測定出力から、少なくとも一つの所定の次数の高調波成分を算出する高調波解析部と、
    前記高調波解析部で算出された前記各次数毎の高調波の電圧値および電流値から、前記各次高調波成分の各々に対するアドミタンス値を算出するアドミタンス値計算部と、
    前記アドミタンス値計算部により算出された少なくとも1つの次数の前記高調波に対するアドミタンス値の変化について、所定の閾値Ytを超える状態が所定時間持続したときに、前記分散電源が単独運転状態に移行したことを示す判定結果を出力する指標判定部とを備えた単独運転検出装置において、
    前記連系点における第2次高調波成分の電圧レベルV2が所定の閾値Vtを超えているか否かを判定する第2次高調波判定部を備え、
    前記第2次高調波判定部により、前記電圧レベルV2が前記閾値Vtを超えたことが検出された場合には、その超えた時点から一定期間、単独運転状態の検出を停止することにより、誤検出を防止することを特徴とする単独運転検出装置。
  9. 前記閾値Vtが、定常時の前記電圧レベルV2の2倍〜10倍に設定された請求項8に記載の単独運転検出装置。
  10. 前記第2次高調波判定部は、前記電圧レベルV2を所定時間間隔毎に繰り返して検出し、検出された前記電圧レベルV2に基づいて、当該電圧レベルV2の検出時点より後の検出時点で検出される前記電圧レベルV2に対する前記閾値Vtを生成する請求項9に記載の単独運転検出装置。
  11. 前記第2次高調波判定部は、前記電圧レベルV2の検出を、基本波1サイクル期間毎に逐次実行する請求項10に記載の単独運転検出装置。
  12. 第3次、第5次、第7次、第9次、第11次、および第13次のうちの少なくとも一つの次数の高調波成分についてアドミタンス値を算出し、算出した次数の高調波成分の各々についてのアドミタンス値の変化に基づき、単独運転状態を検出する請求項8〜11のいずれか1項に記載の単独運転検出装置。
  13. 複数の次数の高調波成分の各々についてアドミタンス値を算出し、算出した各次数の高調波成分の少なくとも1つについて、アドミタンス値の変化が前記閾値Ytを超える状態が所定時間持続したときに単独運転と判定する請求項12に記載の単独運転検出装置。
  14. 第5次および第7次の高調波成分の各々についてのアドミタンス値のみを用いる請求項13に記載の単独運転検出装置。
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