JP2010074086A - クリーム半田およびそれを用いた実装構造体の製造方法 - Google Patents

クリーム半田およびそれを用いた実装構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子部品のリペアを容易なものとするクリーム半田と、半田接合部分が選択的に被膜で保護された実装構造体を提供する。
【解決手段】半田とフラックスと揮発性溶剤とコーティング剤成分とを含むクリーム半田であって、揮発性溶剤には炭化水素系溶剤が、また、コーティング剤成分にはオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、およびエポキシ系樹脂のうちの一種またはこれら成分の混合物が使用される。このクリーム半田を使用して、プリント配線基板1上にBGA2や電子部品3を実装すると、半田溶融の際にコーティング剤成分が半田接合部分4とその基板上周辺部分を膜状に選択的に被覆し、揮発性溶剤が揮発して、保護膜5が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、クリーム半田およびそれを用いた実装構造体の製造方法に関する。
近年、家庭用をはじめ各種の電気機械器具や電子機器の長寿命化が進む中、信頼性向上の要求が一段と高まっている。また、車載用の機器や洗濯機などのように過酷な条件の環境で使用される機器においても、それに耐え得る信頼性が求められている。
これら機器において、プリント配線基板(以下、単に基板と称す)上に各種電子部品が実装された実装構造体が広く使用されている。その信頼性向上を目的として、付着する塵埃、水分や湿気、あるいは温度変化などによって実装構造体の半田接合部分や電極部分が劣化することを防ぐために、エポキシ樹脂などで注型封止したり、実装構造体をウレタン樹脂やシリコーン樹脂などで保護コーティングしたりすることが行われている。
実装構造体上の電子部品のピン部分や半田接合部分を樹脂注型して封止する方法は、電子部品の接合部分を保護するためには有効である。ところが、いったん注型封止されてしまうと、封止樹脂を取り除くことが困難となるため、この方法は電子部品のリペアには必ずしも適している方法とは言えない。また、注型封止をするためには、封止樹脂を供給する工程と硬化または乾燥させる工程とが必要であり、これらの工程にはそれぞれ専用の設備が必要となる。したがって、これら工程が生産タクトにおいて占める割合が非常に大きくなり、生産性向上を困難なものとしている。
保護膜で被覆する方法では、使用される材料の粘度が低く、一般にそれを噴霧式のディスペンサーまたは筆や刷毛などを使用して広範囲に均一に塗布することが多い。このことから、保護膜による被覆方法は、生産タクトにおいてその占める割合が樹脂注型による方法よりも小さいという利点を有する。ところが、実装構造体自体を実質的に被覆した構造であるため、実装後に電子部品の不良を発見したり、電子部品と基板との接合不良を発見したりしたとき、部品をリペアするのが非常にむずかしい。たとえば、電子部品をそのままリペアしようとすると、基板と電子部品とが連続した被膜で覆われているために、電子部品が取外しにくい。また、リペアの際に半田を溶融させるための加熱によって被膜が基板に焦げついてしまって、見栄えが悪くなるだけでなく、リペアによって信頼性を損なうというおそれがあり、実装構造体を廃棄せざるを得なくなることがあった。このため、リペアするときには、まず、リペアすべき電子部品の周辺の被膜部分と、基板裏面側の対応する部分とを取り除いてから、半田を加熱溶融させて再実装する必要がある。
このようなことから、電子部品の電極部分、さらにはそれと基板との半田接合部分の保護とリペア性を両立させることができる方法の実現が望まれる。
このような方法として、半田付けと同時に電子部品の電極や基板のランド、さらには半田による接続部分の側面を酸化膜で被覆し、さらにそれに半田接続用補助材料の残渣による被膜を積層して覆うという方法が考えられる(例:特許文献1)。
この方法によれば、基板と電子部品との接続部分を水分から保護するための被膜をきわめて容易に形成することができるという利点がある。そして、接続部分の保護材料が酸化膜を主体とすることから、リペア時の過熱で変質させることなくリペアを行えると考えられる。
その一方で、この方法は、基板および電子部品の接続部分の酸化膜を半田の加熱溶融時に接続用補助材料を体積膨張させあるいは気化させることによって破壊するというメカニズムを利用しているため、クリーム半田を使用した半田付けには適していない。クリーム半田は粒子状の半田を接続用補助材料で混練したものであり、その半田付け時に接続用補助材料が気化すると半田材料が分散してしまい、半田ボールができてしまったり、接合部分の接続不良が発生したりしてしまうからである。
特開平8−330726号公報
本発明は、上述した従来における課題を解決し、電気的接合部分の保護が可能であって、さらにリペアが容易に行うことができ、また、樹脂供給工程または乾燥工程を必要としない、コーティング機能を持ったクリーム半田、およびそれを使用することによって保護膜形成可能とする実装構造体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のクリーム半田は、半田とフラックスと揮発性溶剤とコーティング剤成分とを含む。
このクリーム半田は、フラックスとコーティング剤成分とを含むことから、電子部品と基板を半田接合した際に電子部品の電極と基板のランドとの接合部分をコーティング剤で被覆し、さらにはその周辺部分のみを被覆することが可能となる。
半田には鉛フリー半田たとえばSnAgCu系、SnAg系、SnAgAl系、SnZnInAg系、SnAgInBi系、SnBi系およびSnBiIn系などの材料が望ましい。また、例示した半田以外にも、これまで広く使用されている低融点半田であって、クリーム半田に使用可能な材料でよい。
フラックス成分としては、有機酸系や樹脂系のフラックスが好ましい。具体的には、有機酸系ではステアリン酸、乳酸、オレイン酸およびグルタミン酸などを、ならびに、樹脂系ではロジンおよび活性ロジンなどを挙げることができ、これらのうちの一種、または複数種を混合して使用してもよい。フラックス成分を含有させることで、任意の温度で接合部分の酸化膜を除去することができる。
コーティング剤成分としては、官能基を有し、半田溶融時に皮膜状に接合部分を被覆し硬化する樹脂が望ましく、たとえばオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、およびエポキシ系樹脂などのうちの少なくとも一種、またはそれら成分の二種以上を混合して使用してもよい。また、揮発性溶剤に可溶であることが望ましい。
このようなコーティング剤成分によれば、半田接合部分の上に保護被膜がきわめて容易に形成される。さらに、基板や電子部品の樹脂封止体との接着性が強固であり、その接着部分から半田接合部分への水分の侵入を防止できることから、単層でこの接合部分の信頼性が高められる。
揮発性溶剤としては、炭化水素系溶剤であって、脂肪族炭化水素、脂肪族酸素化合物(酸素を含む脂肪族化合物)、および芳香族化合物のうちの一種、または二種以上の成分を混合して使用してもよい。肪族炭化水素としては、たとえば石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、およびオクタンなどを使用することができる。脂肪族酸素化合物としては、たとえばアセタール、アルコール類、アセトン、および酢酸エステルなどを、また、芳香族化合物としては、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、およびスチレンなどをそれぞれ使用することができる。
本発明のクリーム半田は、スクリーン印刷法で基板上に供給することが好ましく、また、ディスペンサーによる方法で供給してもよい。
本発明のクリーム半田を使用して、電子部品を基板上にリフロー法で半田付けをすると、リフロー中に半田粒子が溶融して基板のランドと電子部品の電極との接合を形成する際に、コーティング剤成分が接合部分を覆うとともに、揮発性溶剤が揮発して乾燥し、または硬化したコーティング剤が被膜となって接合部分の表面を被覆して保護する。
本発明のクリーム半田を使用した実装構造体のリペアは、半田接合した部分を半田の融点まで加熱した際、コーティング剤成分が半田接合部分およびその周辺部分にのみ存在するので、リペアすべき電子部品の取外しが容易となる。また、電子部品取外し後の基板上にコーティング剤が残渣として残ることがあっても、従来品に比べるとその量が非常に少ないので、必要に応じてこの残渣をきわめて容易に除去することができる。コーティング剤残渣の除去には、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール系の溶剤や炭化水素系の溶剤を使用するのが好ましい。
さらに、本発明の実装構造体の製造方法は、上述のクリーム半田を使用してプリント配線基板のランドと電子部品の電極とを、クリーム半田に含まれている半田を加熱溶融させて接合するとともに、少なくとも半田による接合部分の表面をコーティング剤成分で覆って乾燥または硬化させて、半田接合部分を保護するものである。
この方法においては、上述のクリーム半田を使用しての半田付けにおいて、接合と並行して、少なくとも接合部分をコーティング剤成分で被覆し、それを乾燥または硬化させることによって保護被膜を形成することを可能とする。
さらにまた、この半田接合部分を形成する工程と、コーティング剤成分による半田接合部分を被覆保護する工程とを一括して行うことで、半田接合部分の信頼性を高く維持しながら、電子部品のリペアを容易なものとした実装構造体の量産性を向上させることが可能となる。
以上のように、本発明のクリーム半田および実装構造体の製造方法によれば、電子部品と基板との接合部分、さらにはその周辺部分のみがコーティング剤による被膜で選択的に覆われることから、電子部品のリペアをきわめて容易なものとすることができる。また、半田付けの際に保護被膜が形成されることから、膜製造工程を削減することができ、また保護のための材料がきわめて少なくて済むため、実装構造体の材料コストを低減することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
本発明のクリーム半田は、半田、フラックス、揮発性溶剤、およびコーティング剤成分を少なくとも含む。半田には組成がSnAgCu系、SnAg系、SnAgAl系、SnZnInAg系、SnAgInBi系、SnBi系、およびSnBiIn系などの、鉛フリーの半田を使用するのが望ましい。これらのうち、SnAgCu系の組成の半田が推奨される。
フラックス成分には、有機酸系や樹脂系のフラックスを使用する。その代表的なフラックスとして、たとえば有機酸系ではステアリン酸、乳酸、オレイン酸、およびグルタミン酸を、また、樹脂系ではロジン、および活性ロジンがある。これらのうちの一種、または二種以上を混合して使用してもよい。このようなフラックス成分を含ませておくことで、電子部品の電極や基板のランド、さらには半田接合部分に形成される酸化膜を化学的に除去することができる。
コーティング剤成分には、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、およびエポキシ系樹脂などのうちの一種、またはそれら成分の二種以上を混合して使用する。また、コーティング剤には、揮発性溶剤、たとえば脂肪族炭化水素、脂肪族酸素化合物、および芳香族化合物のうちの一種、またはそれらの二種以上の混合溶剤を使用する。これらコーティング剤による保護被膜は、半田接合部分の上および基板の表面に強固に接着し、長期間にわたって膜状の形態を維持し、接合部分の高信頼性を保持する。
このクリーム半田を基板上に付与する方法としては、スクリーン印刷法によるのが好ましい。無論、付与すべき領域のピッチが比較的大きい用途の場合にはディスペンサーによる方法で供給してもよい。
上述のクリーム半田を使用して、電子部品を基板上に実装する方法としては、リフロー法が実際的である。リフロー中に半田粒子が加熱されて溶融し、基板のランドと電子部品の電極との接合を形成する際に、コーティング剤成分が接合部分を覆う。それととともに揮発性溶剤が揮発し、コーティング剤成分の乾燥または硬化により保護被膜が形成されて接合部分を被覆する。このとき、接合部分近傍の基板表面に被膜が連続的に形成され、接合部分を外気から保護する。
このようにして得られた実装構造体での電子部品のリペアは、半田接合部分が薄い被膜で覆われていることから、対象部品とその近傍の領域とを赤外線加熱などの方法で半田の融点まで加熱することで、容易に取外しが行える。また、電子部品取外し後の基板上に未硬化状態のコーティング剤が残渣として残り、リペアを阻害するおそれがあるときには、アルコール系または炭化水素系の溶剤を使用して残渣を除去してから、リペア部品を取付ける。
(実施例)
本発明の実施例のクリーム半田を使用して、BGA(Ball Grid Array)2とチップ部品3とをプリント配線基板1に搭載した実装構造体の断面構造を図1に示す。
基板1の基材として厚さ0.8mmのガラス基材エポキシ基板を使用し、その一方の主面上にBGA接続のためのランド(図示せず)を0.8mmピッチに、1005サイズの抵抗チップ部品3を接続するための一対のランドとを形成した基板1を、一般に実施されている方法で作製した。
また、クリーム半田には、半田としてSnAgCu、フラックスとしてステアリン酸およびロジン、コーティング剤成分としてブチルゴム、また揮発剤成分としてアルコール系揮発性溶剤を使用した。そして、まず半田18重量部とフラックス2重量部とを混合してから、それを、コーティング剤成分4重量部を揮発性溶剤16重量部に溶かし込んだものに混ぜ合わせて混練して、150Pa・sの粘度となるように調整することによって、クリーム半田を作製した。粘度は、スパイラル粘度計を使用し、回転速度10rpmで測定した。なお、アルコール系揮発性溶剤にはたとえばメタノール、エタノール、およびイソプロピルアルコールのいずれかを使用することができ、いずれについても同等の結果が得られた。
このクリーム半田をスクリーン印刷法で基板1のランド上に選択的に印刷してから、ボールピッチ0.8mm、寸法23mm角のBGA2と、1005サイズのチップ抵抗器3を所定位置にマウントして、リフロー炉で半田接合を行った。ここで、半田の印刷厚さを0.5〜0.3mmとした。また、半田付け条件は、加熱温度を使用半田の融点以上とし、最高温度を250℃、加熱時間を15〜60秒とした。
このようにして作製した実装構造体をその基板表面と直角方向に切断して、半田接合部分4の断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製SU8000)で観察したところ、BGA2およびチップ抵抗器3と基板1のランドとの接合部分4上、ならびに基板1表面における接合部分4それぞれの周辺領域に、連続した保護被膜5が選択的に形成されていることが認められた。その厚みは約100μmであった。
この実施例の半田接合状態、および絶縁抵抗を表1に示す。
Figure 2010074086
半田接合状態については、溶融時に半田粒子が集合して良好な接合が形成されており、実使用に適した状態であることが確認された。また、絶縁抵抗については、初期値および1000時間経過後の値がいずれも実使用上適した値であった。
さらに、このBGA2を、リペア装置(デンオン機器株式会社製RD−500SIII)にて接合部分が230℃以上の温度になるように加熱すると、容易に取外すことができた。BGAを取外した後の基板上には半田とコーティング剤残渣が存在するので、エタノールでコーティング剤残渣を取り除いた後、半田鏝を使用して半田残渣を取り除いた。その後、新しいBGAのランド部に実施例のクリーム半田を供給し、前記リペア装置にて再実装したところ、再実装前と同様にBGAが作動した。
(比較例)
比較のために、半田としてSnAgCuを使用し、表1に示した組成のクリーム半田を作製し、それを使用して実装構造体を作製して、同条件下で評価した。その結果を表1に示す。
クリーム半田成分の配合比については、コーティング剤成分が重量百分率で10%未満であると、半田接合部分を保護被膜で被覆することができない(比較例1)。また、コーティング剤成分が重量百分率で30%より多くなると、半田クリーム中に分散していた半田粒子が、半田溶融時に凝集するのが困難となり、または凝集することができなくなって、いわゆる半田ボールができてしまい、接合を十分に確保することがむずかしい(比較例2)。
さらに、比較例3として、コーティング剤成分および揮発性溶剤を含まないクリーム半田を使用して作製した実装構造体の断面構造を図2に示す。
この構造体は次のようにして製作される。比較例3のクリーム半田を用いて、実施例と同じ手順で基板21上にBGA22とチップ抵抗器23とを半田付けする。図2において、24は半田部である。それから、市販のコーティング剤(チェイス(Chase)社製 商品名「HumiSeal 1B51」 主成分:ポリオレフィン)をディスペンサー(ノードソンアシムテック社製 C−740)で噴霧して、温度70℃で30分間保持して硬化させた。この方法によると、コーティング剤からなる被膜25がBGA22上およびチップ抵抗器23上を含め、基板21表面上を覆うだけでなく、BGA22と基板21との間も埋めていた。なお、このときの被膜25の厚みは約200μmであった。
このBGA22をリペアするために、リペア装置にて取外すことを試みたところ、それと基板21との間にコーティング剤成分が入り込んでいるため、取外すことができなかった。そこで、取外しに先立ってエタノールを使用してBGA22を中心にして30mm平方の範囲内にある被膜を1時間要して洗浄し除去した。これにより、リペア装置でBGA22を基板21から取外すことができたものの、洗浄していなかった領域にある被膜が熱により炭化してしまい、周辺部品の信頼性に悪影響を及ぼすおそれがあるだけでなく、製品として見栄えという印象も非常に悪くなり、商品として不適格であった。
また、実施例と比較例1〜3のクリーム半田をJIS2型のくし型基板上に印刷した後リフローした。比較例1に関してはその後コーティング剤を塗布・硬化した。それぞれのくし型基板を恒温恒湿槽内で温度85℃、相対湿度85%に保持し、電圧50Vを1000時間印加した後の絶縁抵抗値を比較した。初期の絶縁抵抗値は実施例、比較例1〜3ともに1011Ω台であったのに対して、1000時間後の絶縁抵抗値は実施例、比較例1、3ともに1010Ω台であった。これに対して、比較例1のクリーム半田では107Ω台と、その絶縁抵抗がいちじるしく低下していることが認められた。この比較例2による絶縁抵抗が低下したのは、クリーム半田中のコーティング剤成分が少なく、それのため半田接合部分全体が被覆されていなかったためではないかと考えられる。このことから、実施例におけるようにコーティング剤成分の量を適切に選ぶことによって、クリーム半田のみでも十分なコーティング効果が現れることが明らかとなった。さらに、コーティング剤成分をゴム系樹脂に代えてオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂またはエポキシ系樹脂を使用し、もしくはこれら成分を複数種含む混合樹脂を使用しても、上述と同等の結果が得られた。
なお、コーティング剤成分は、その種類によってガラス転移点が異なることから、半田付けすべきデバイスに応じて、被膜状態に劣化を生じるおそれのないものを適宜選択し使用することが望ましい。すなわち、使用時に発熱し、かなり高い温度になるデバイス、たとえばマイクロプロセッサのような半導体デバイスなどの半田付けに適用する場合には、ガラス転移点がその使用時の温度と同等またはそれより高いコーティング剤成分を使用するのが望ましい。また、発熱が少ないデバイスたとえば抵抗素子や容量素子などについては、使用環境の温度より高いガラス転移点のコーティング剤成分を使用する。
本発明は、電子機器や電気機器に広く使用される実装構造体に適用することが可能である。
本発明の実施例のクリーム半田でBGAとチップ抵抗器とを半田付けしてなる実装構造体の断面図である。 比較例3のクリーム半田でBGAとチップ抵抗器とを半田付けしてなる実装構造体の断面図である。
符号の説明
1 プリント配線基板
2 BGA
3 チップ部品
4 半田接合部分
5 被膜

Claims (9)

  1. 半田とフラックスと揮発性溶剤とコーティング剤成分とを含むクリーム半田。
  2. 前記揮発性溶剤が炭化水素系溶剤である請求項1に記載のクリーム半田。
  3. 前記揮発性溶剤が炭化水素系溶剤であって、前記コーティング剤成分が前記炭化水素系溶剤に可溶である請求項1に記載のクリーム半田。
  4. 前記コーティング剤成分が官能基を有する樹脂である請求項1に記載のクリーム半田。
  5. 前記コーティング剤成分がオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、およびエポキシ系樹脂のうちの少なくとも一種である請求項1、3または4に記載のクリーム半田。
  6. 前記コーティング剤成分を10〜30重量%含む請求項1、3、4または5に記載のクリーム半田。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のクリーム半田を加熱溶融させてプリント配線基板のランドと電子部品の電極とを接合するとともに、少なくとも前記半田による接合部分の表面をコーティング剤成分で覆って乾燥させまたは硬化させて、前記半田接合部分を保護することを特徴とする実装構造体の製造方法。
  8. 前記半田接合部分の形成と、前記コーティング剤成分による前記半田接合部分の被覆とが同じ工程で並行して行われることを特徴とする請求項7に記載の実装構造体の製造方法。
  9. 前記半田接合部分を被覆保護する被膜が実質的に単層である請求項7または8に記載の実装構造体の製造方法。
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