JP2010073832A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の検査方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、マイクロ波透過部材の寿命を正確に検知することができるプラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の検査方法を提供する。
【解決手段】マイクロ波により励起させたプラズマを用いてプロセスガスからプラズマ生成物を生成し、被処理物の処理を行うプラズマ処理装置であって、前記プラズマが励起される領域にマイクロ波を導入するためのマイクロ波透過部材と、前記マイクロ波透過部材の厚み寸法を直接検出する厚み検出手段と、を備えることを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の検査方法に関する。
プラズマを利用したドライプロセスは、半導体装置の製造、金属部品の表面硬化、プラスチック部品の表面活性化、無薬剤殺菌など、幅広い技術分野において活用されている。例えば、半導体装置や液晶ディスプレイなどの製造に際しては、アッシング、ドライエッチング、薄膜堆積あるいは表面改質などの各種のプラズマ処理が用いられている。プラズマを利用したドライプロセスは、低コストで、高速であり、薬剤を用いないために環境汚染を低減できる点でも有利である。
プラズマ処理を行う装置の代表的なものとして、波長が数100MHz〜数10GHzのマイクロ波によりプラズマを励起する「マイクロ波励起型」のプラズマ処理装置がある。マイクロ波励起型のプラズマ源は、高周波プラズマ源などに比べてプラズマ電位が低いので、ダメージ無しのレジストアッシング(resist ashing)や、バイアス電圧を印加した異方性エッチングなどに広く用いられている。
このようなプラズマ処理装置には、プラズマが励起される領域にマイクロ波を導入するためのマイクロ波透過部材が設けられている。このマイクロ波透過部材は、通常、高純度の誘電体(例えば、石英など)で形成されている。ここで、高プラズマ密度、高温という条件のもとではマイクロ波透過部材の表面がエッチングされ、マイクロ波透過部材が消耗する。特に、フッ素原子を含むプロセスガスを使用した場合には、消耗が著しいものとなる。そのため、マイクロ波透過部材は、その消耗度に応じて適宜交換する必要がある。
この場合、予め定められた時間に基づいてマイクロ波透過部材を交換することもできる。しかしながら、マイクロ波透過部材のエッチング速度は、温度、マイクロ波パワー、処理時間などに応じて大きく変化する。そのため、時間管理によりマイクロ波透過部材を交換するものとすれば、寿命に達する前にマイクロ波透過部材の交換が行われたり、寿命に達したにもかかわらずさらに継続して使用されたりするおそれがある。
そこで、マイクロ波透過部材がエッチングされた際に発生するSiFの発光を検出することでマイクロ波透過部材の寿命を検知する技術が提案されている(特許文献1を参照)。この特許文献1に開示されている技術は、SiFの発光強度の変化よりマイクロ波透過部材のエッチング量を間接的に検出するものである。そのため、マイクロ波透過部材の寿命をより正確に検知するという点に改善の余地を残していた。
特開2001−358126号公報
本発明は、マイクロ波透過部材の寿命を正確に検知することができるプラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の検査方法を提供する。
本発明の一態様によれば、マイクロ波により励起させたプラズマを用いてプロセスガスからプラズマ生成物を生成し、被処理物の処理を行うプラズマ処理装置であって、前記プラズマが励起される領域にマイクロ波を導入するためのマイクロ波透過部材と、前記マイクロ波透過部材の厚み寸法を直接検出する厚み検出手段と、を備えることを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、マイクロ波により励起させたプラズマを用いてプロセスガスからプラズマ生成物を生成し、被処理物の処理を行うプラズマ処理装置の検査方法であって、前記プラズマが励起される領域にマイクロ波を導入するためのマイクロ波透過部材の厚み寸法を直接検出すること、を特徴とするプラズマ処理装置の検査方法が提供される。
本発明によれば、マイクロ波透過部材の寿命を正確に検知することができるプラズマ処理装置およびプラズマ処理装置の検査方法が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置を例示するための模式断面図である。
図1に例示をするプラズマ処理装置1は、一般に「CDE(Chemical Dry Etching;ケミカルドライエッチング)装置」と呼ばれるマイクロ波励起型のプラズマ処理装置である。すなわち、マイクロ波により励起させたプラズマを用いてプロセスガスからプラズマ生成物を生成し、被処理物の処理を行うプラズマ処理装置の一例である。
図1に示すように、プラズマ処理装置1は、プラズマ発生手段2、減圧手段3、ガス供給手段4、マイクロ波発生手段5、処理容器6、厚み検出手段7、制御手段8などを備えている。
プラズマ発生手段2には、放電管9、導入導波管10が設けられている。本実施の形態においては、放電管9がプラズマPが励起される領域にマイクロ波Mを導入するためのマイクロ波透過部材となる。放電管9は管状を呈し、マイクロ波Mに対する透過率が高くエッチングされにくい材料からなる。例えば、放電管9をアルミナや石英などの誘電体からなるものとすることができる。なお、放電管9の内壁の凹部9aは、エッチングされてしまった部分を表している。
放電管9の外周面を覆うようにして管状の遮蔽部18が設けられている。遮蔽部18の内周面と放電管9の外周面との間には所定の隙間が設けられ、遮蔽部18の内部を略同軸に放電管9が挿通するようになっている。なお、この隙間は、マイクロ波Mが漏洩しない程度の寸法とされている。そのため、遮蔽部18によりマイクロ波Mが漏洩することを抑制できるようになっている。
また、遮蔽部18には、放電管9と略直交するように導入導波管10が接続されている。導入導波管10の終端には終端整合器11aが設けられている。また、導入導波管10の入口側(マイクロ波Mの導入側)にはスタブチューナ11bが設けられている。導入導波管10は、後述するマイクロ波発生手段5から放射されたマイクロ波Mを放電管9に向けて導波する。
導入導波管10と遮蔽部18との接続部分には、環状のスロット12が設けられている。スロット12は、導入導波管10の内部を導波されてきたマイクロ波Mを放電管9に向けて放射するためのものである。後述するように、放電管9の内部にはプラズマPが励起されるが、スロット12に対向する部分がプラズマPが励起される領域の略中心となる。
放電管9(マイクロ波透過部材)の大気側(外側)には、プラズマPが励起される領域と対向させて厚み検出手段7が設けられている。また、厚み検出手段7は、放電管9(マイクロ波透過部材)の大気側(外側)に、プラズマ生成物により放電管9(マイクロ波透過部材)がエッチングされる領域と対向させて設けられることになる。
この厚み検出手段7は、放電管9(マイクロ波透過部材)の厚み寸法を直接検出するためのものである。そのため、遮蔽部18の厚み検出手段7に面する部分には検出用の孔部18aが設けられている。なお、放電管9が石英などで形成される場合には、検出対象である放電管9が透明体となる。
図2は、厚み検出手段を例示するための模式図である。
図2に示すように、厚み検出手段7には、光を出射する照射部7aと反射光を受光する受光部7bとが設けられている。照射部7aは、例えば、レーザ光を出射するレーザ発振器とすることができる。受光部7bは、例えば、入射する光の位置を検出可能なCCD(Charge Coupled Device)とすることができる。
なお、レーザ光を用いて厚み寸法を検出する場合には、波長の異なる2種類のレーザ光を重ねて使用するようにすることが好ましい。
照射部7aから出射したレーザ光の一部は放電管9の外表面で反射されて、受光部7bに入射する。また、照射部7aから出射したレーザ光の一部は放電管9の内壁面で反射されて、受光部7bに入射する。この際、放電管9の内壁面で反射されたレーザ光が受光部7bに入射する位置は放電管9の厚み寸法により異なる。そのため、外表面で反射されたレーザ光が入射した位置と、内壁面で反射されたレーザ光が入射した位置との間の寸法を計測すれば、放電管9の厚み寸法を幾何学的に演算することができる。また、放電管9の内壁面で反射したレーザ光が入射する位置は、放電管材料の屈折率により影響を受ける。そのため、演算された厚み寸法の値を屈折率に基づいて補正するようにすることもできる。
なお、厚み検出手段7の一例として反射光を利用するものを例示したがこれに限定されるわけではない。放電管9を挟んで照射部と受光部を設け、放電管9を透過する光量の変化を検出することで厚み寸法を検出することもできる。また、超音波を利用して厚み寸法を検出するようにしても良い。ただし、作業性、生産性などを考慮すれば非接触で放電管9の厚み寸法を検出することができるものとすることが好ましい。
また、図2に示すように、孔部18aの開閉を行うための開閉手段19を設けることもできる。すなわち、放電管9(マイクロ波透過部材)の大気側(外側)に設けられ、マイクロ波Mの漏洩を抑制する遮蔽部18と、遮蔽部18の厚み検出手段7に面する部分に設けられた孔部18aと、孔部18aの開閉を行う開閉手段19とを設けることもできる。
この開閉手段19には図示しない駆動手段が接続されている。そして、図示しない駆動手段により開閉手段19を遮蔽部18の軸方向に移動させることができるようになっている。そのため、開閉手段19を移動させることで孔部18aの開閉を行うことができる。
開閉手段19を設けるようにすれば、厚み検出を行わない時には孔部18aを塞ぐことができる。そのため、孔部18aからマイクロ波が漏洩することを抑制することができる。なお、遮蔽部18の内壁面側に開閉手段19を設ける場合を例示したが、外側に開閉手段19を設けるようにすることもできる。また、遮蔽部18の軸方向に開閉手段19を移動させる場合を例示したが、遮蔽部18の円周方向に沿うように開閉手段19を移動させることもできる。
導入導波管10の一端には、マイクロ波発生手段5が設けられている。このマイクロ波発生手段5は、所定周波数(例えば2.75GHz)のマイクロ波Mを発生させ、導入導波管10に向けて放射することができるようになっている。
放電管9の一端には流量制御弁(Mass Flow Controller:MFC)13を介してガス供給手段4が接続されている。そして、流量制御弁13を介して、ガス供給手段4から放電管9内にプロセスガスGを導入することができるようになっている。また、制御手段8により流量制御弁13を制御することで、プロセスガスGの導入量が調整できるようになっている。
放電管9の他端には輸送管14の一端が接続され、輸送管14の他端は処理容器6に接続されている。すなわち、放電管9と処理容器6とが輸送管14により接続されている。輸送管14は、中性活性種による腐蝕に耐え得る材料、例えば、石英、ステンレス鋼、セラミックス、フッ素樹脂などからなる。
処理容器6は、有底の略円筒形状を呈し、その上端が天板6aで塞がれている。処理容器6の内部には、図示しない静電チャックを内蔵した載置台15が設けられ、その上面に被処理物W(例えば、半導体ウェーハやガラス基板など)を載置、保持することができるようになっている。
処理容器6の底面には、圧力制御器(Auto Pressure Controller:APC)16を介してターボ分子ポンプ(TMP)などの減圧手段3が接続されている。圧力制御器16は、処理容器6の内圧を検出する図示しない真空計の出力に基づいて、処理容器6の内圧が所定の圧力となるように制御する。すなわち、処理容器6は、半導体ウェーハやガラス基板などの被処理物Wを収容し大気圧よりも減圧された雰囲気を維持できるようになっている。
輸送管14との接続部分よりは下方であって載置台15の上方には、載置台15の上面を覆うように整流板17が設けられている。整流板17は、輸送管14から導入される中性活性種を含んだガスの流れを整流し、被処理物Wの処理面上における中性活性種の量が略均一となるようにするためのものである。整流板17は、多数の孔部17aが設けられた略円形の板状体であり、処理容器6の内壁に固定されている。そして、整流板17と載置台15の上面(載置面)との間の領域が、プラズマ処理が行われる処理空間20となる。また、処理容器6の内壁面、整流板17の表面は、中性活性種と反応しにくい材料(例えば、四弗化樹脂(PTFE)またはアルミナ等のセラミック材料など)で覆われている。
制御手段8は、減圧手段3、ガス供給手段4、マイクロ波発生手段5、圧力制御器16、流量制御弁13などの制御を行う。また、厚み検出手段7からの検出信号(厚み寸法の検出値)に基づいて放電管9(マイクロ波透過部材)の寿命(交換時期)などを判断する。なお、制御手段8に電気的に接続された図示しない表示装置に厚み寸法などを表示し、この表示に基づいて作業者が寿命(交換時期)を判断することもできる。
この場合、放電管9(マイクロ波透過部材)の寿命(交換時期)の判断は、予め実験などで求められた閾値(厚みに関する使用限界寸法など)などに基づいて行うようにすることができる。
また、後述するように厚み検出手段7からの信号に基づいてプラズマ処理装置1を構成する他の要素の制御を行うようにすることができる。
次に、プラズマ処理装置1の作用について例示をする。
まず、図示しない搬送装置により被処理物W(例えば、半導体ウェーハ)が、処理容器6内に搬入され、載置台15上に載置、保持される。次に、処理容器6内が減圧手段3により所定圧力まで減圧される。この際、圧力制御器16により処理容器6内の圧力が調整される。また、処理容器6と連通する放電管9の内部も減圧される。
次に、プラズマ発生手段2により中性活性種を含むプラズマ生成物が生成される。すなわち、まず、ガス供給手段4から所定流量のプロセスガスG(例えば、CFなど)が、流量制御弁13を介して放電管9内に導入される。一方、マイクロ波発生手段5から所定のパワーのマイクロ波Mが導入導波管10内に放射される。放射されたマイクロ波Mは導入導波管10内を導波され、スロット12を介して放電管9に向けて放射される。
放電管9に向けて放射されたマイクロ波Mは、放電管9の表面を伝搬して、放電管9内に放射される。このようにして放電管9内に放射されたマイクロ波Mのエネルギーにより、プラズマPが発生する。そして、発生したプラズマP中の電子密度が、放電管9を介して供給されるマイクロ波Mを遮蔽できる密度(カットオフ密度)以上になると、マイクロ波Mは放電管9の内壁面から放電管9内の空間に向けて一定距離(スキンデプス)だけ入るまでの間に反射されるようになる。そのため、このマイクロ波Mの反射面とスロット12の下面との間にはマイクロ波Mの定在波が形成されることになる。その結果、マイクロ波Mの反射面がプラズマ励起面となって、このプラズマ励起面で安定なプラズマPが励起されるようになる。このプラズマ励起面で励起された安定なプラズマP中において、プロセスガスGが励起、活性化されて中性活性種、イオンなどのプラズマ生成物が生成される。
生成されたプラズマ生成物を含むガスは、輸送管14を介して処理容器6内に搬送される。この際、寿命の短いイオンなどは処理容器6にまで到達できず、寿命の長い中性活性種のみが処理容器6に到達することになる。導入された中性活性種を含むガスは、整流板17で整流されて被処理物Wの表面に到達し、エッチング処理などのプラズマ処理が行われる。本実施の形態においては、主に中性活性種による等方性処理(例えば、等方性エッチングなど)が行われることになる。処理が終了した被処理物Wは、図示しない搬送装置により処理容器6外に搬出される。この後、必要があれば、前述の処理が繰り返される。
ここで、厚み検出手段7による検出は、マイクロ波Mが放射されていないときに行うようにすることが好ましい。そのようにすれば、マイクロ波Mによるノイズを抑制することができる。また、厚み検出手段7が損傷することを抑制することもできる。例えば、図示しない搬送装置により被処理物Wが搬出される際に検出を行うことができる。また、生産ロットの合間やメンテナンス時期に検出を行うようにすることもできる。なお、厚み検出手段7の作用については前述したものと同様のため省略する。
また、生産の過程において放電管9(マイクロ波透過部材)の交換が必要と判断された場合には、この判断に基づく報知を行うようにすることができる。例えば、当該ロットの終了後に放電管9の交換を促すような警報を発したり、プラズマ処理装置1の稼働を禁止したりすることができる。
本実施の形態によれば、放電管9(マイクロ波透過部材)の厚み寸法を直接検出することができるので、放電管9(マイクロ波透過部材)の寿命(交換時期)をより正確に検知することができる。そのため、無駄な交換作業が行われることを抑制することができるので、プラズマ処理装置1の停止時間を少なくすることができる。また、放電管9(マイクロ波透過部材)の寿命(交換時期)に達したにもかかわらずプラズマ処理装置1が継続使用されることを抑制することができる。その結果、生産性や品質などの向上を図ることができる。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置を例示するための模式断面図である。
また、図4は、図3におけるA−A矢視断面図である。
なお、図1において例示をしたものと同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図3に例示をするプラズマ処理装置30は、一般に「SWP(Surface Wave Plasma:表面波プラズマ)装置」と呼ばれるマイクロ波励起型のプラズマ処理装置である。すなわち、マイクロ波により励起させたプラズマを用いてプロセスガスからプラズマ生成物を生成し、被処理物の処理を行うプラズマ処理装置の一例である。
図3に示すように、プラズマ処理装置30は、プラズマ発生手段31、減圧手段3、ガス供給手段4、マイクロ波発生手段5、処理容器32、厚み検出手段7、制御手段33などを備えている。
プラズマ発生手段31には、透過窓34、導入導波管35が設けられている。本実施の形態においては、透過窓34がプラズマPが励起される領域にマイクロ波Mを導入するためのマイクロ波透過部材となる。透過窓34は平板状を呈し、マイクロ波Mに対する透過率が高くエッチングされにくい材料からなる。例えば、透過窓34をアルミナや石英などの誘電体からなるものとすることができる。透過窓34は、処理容器32の上端に気密となるようにして設けられている。なお、透過窓34の処理容器32内に面する側の凹部34aは、エッチングされた部分を表している。
処理容器32の外側であって、透過窓34の上面には導入導波管35が設けられている。なお、図示は省略したが終端整合器やスタブチューナを適宜設けるようにすることもできる。導入導波管35は、マイクロ波発生手段5から放射されたマイクロ波Mを透過窓34に向けて導波する。
導入導波管35と透過窓34との接続部分には、スロット36が設けられている。スロット36は、導入導波管35の内部を導波されてきたマイクロ波Mを透過窓34に向けて放射するためのものである。
図3、図4に示すように、導入導波管35の側方には、プラズマPが励起される領域と対向するように厚み検出手段7が設けられている。すなわち、透過窓34(マイクロ波透過部材)の大気側(外側)には、プラズマPが励起される領域と対向させて厚み検出手段7が設けられている。また、厚み検出手段7は、透過窓34(マイクロ波透過部材)の大気側(外側)に、プラズマ生成物により透過窓34(マイクロ波透過部材)がエッチングされる領域と対向させて設けられることになる。
この厚み検出手段7は、透過窓34(マイクロ波透過部材)の厚み寸法を直接検出するためのものである。
また、図1に例示をしたものと同様に、透過窓34(マイクロ波透過部材)の大気側(外側)に設けられ、マイクロ波Mの漏洩を抑制する遮蔽部28と、遮蔽部28の厚み検出手段7に面する部分に設けられた孔部28aと、孔部28aの開閉を行う開閉手段29とを設けることもできる。
導入導波管35の一端には、マイクロ波発生手段5が設けられている。このマイクロ波発生手段5は、所定周波数(例えば2.75GHz)のマイクロ波Mを発生させ、導入導波管35に向けて放射することができるようになっている。
処理容器32の側壁上部には、流量制御弁(Mass Flow Controller:MFC)13を介してガス供給手段4が接続されている。そして、ガス供給手段4から流量制御弁13を介して処理容器32内のプラズマPが励起される領域にプロセスガスGを導入することができるようになっている。また、制御手段33により流量制御弁13を制御することで、プロセスガスGの導入量が調整できるようになっている。
処理容器32は、有底の略円筒形状を呈し、その内部には、図示しない静電チャックを内蔵した載置台15が設けられている。そして、載置台15の上面に被処理物W(例えば、半導体ウェーハやガラス基板など)を載置、保持することができるようになっている。
処理容器32の底面には、圧力制御器(Auto Pressure Controller:APC)16を介してターボ分子ポンプ(TMP)などの減圧手段3が接続されている。圧力制御器16は、処理容器32の内圧を検出する図示しない真空計の出力に基づいて、処理容器32の内圧が所定の圧力となるように制御する。すなわち、処理容器32は、半導体ウェーハやガラス基板などの被処理物Wを収容し大気圧よりも減圧された雰囲気を維持できるようになっている。
ガス供給手段4との接続部分よりは下方であって載置台15の上方には、載置台15の上面を覆うように整流板17が設けられている。整流板17は、プラズマPにより生成されたプラズマ生成物を含んだガスの流れを整流し、被処理物Wの処理面上におけるプラズマ生成物の量が略均一となるようにするためのものである。
また、整流板17は、多数の孔部17aが設けられた略円形の板状体であり、処理容器32の内壁に固定されている。そして、整流板17と載置台15の上面(載置面)との間の領域が、プラズマ処理が行われる処理空間20となる。また、処理容器32の内壁面、整流板17の表面は、中性活性種と反応しにくい材料(例えば、四弗化樹脂(PTFE)またはアルミナ等のセラミック材料など)で覆われている。
制御手段33は、減圧手段3、ガス供給手段4、マイクロ波発生手段5、圧力制御器16、流量制御弁13などの制御を行う。また、厚み検出手段7からの検出信号(厚み寸法の検出値)に基づいて透過窓34(マイクロ波透過部材)の寿命(交換時期)などを判断する。なお、制御手段33に電気的に接続された図示しない表示装置に厚み寸法などを表示し、この表示に基づいて作業者が寿命(交換時期)を判断することもできる。
この場合、透過窓34(マイクロ波透過部材)の寿命(交換時期)の判断は、予め実験などで求められた閾値(厚みに関する使用限界寸法など)などに基づいて行うようにすることができる。
また、後述するように厚み検出手段7からの信号に基づいてプラズマ処理装置30を構成する他の要素の制御を行うようにすることができる。
次に、プラズマ処理装置30の作用について例示をする。
まず、図示しない搬送装置により被処理物W(例えば、半導体ウェーハ)が、処理容器32内に搬入され、載置台15上に載置、保持される。次に、処理容器32内が減圧手段3により所定圧力まで減圧される。この際、圧力制御器16により処理容器32内の圧力が調整される。
次に、プラズマ発生手段31により中性活性種を含むプラズマ生成物が生成される。すなわち、まず、ガス供給手段4から所定量のプロセスガスG(例えば、CFなど)が、流量制御弁13を介して処理容器32内のプラズマPが励起される領域に導入される。一方、マイクロ波発生手段5から所定のパワーのマイクロ波Mが導入導波管35内に放射される。放射されたマイクロ波Mは、導入導波管35内を導波され、スロット36を介して透過窓34に向けて放射される。
透過窓34に向けて放射されたマイクロ波Mは、透過窓34の表面を伝搬して、処理容器32内に放射される。このようにして処理容器32内に放射されたマイクロ波Mのエネルギーにより、プラズマPが発生する。そして、発生したプラズマP中の電子密度が、透過窓34を介して供給されるマイクロ波Mを遮蔽できる密度(カットオフ密度)以上になると、マイクロ波Mは透過窓34の下面から処理容器32内の空間に向けて一定距離(スキンデプス)だけ入るまでの間に反射されるようになる。そのため、このマイクロ波Mの反射面とスロット36の下面との間にはマイクロ波Mの定在波が形成されることになる。その結果、マイクロ波Mの反射面がプラズマ励起面となって、このプラズマ励起面で安定なプラズマPが励起されるようになる。
このプラズマ励起面で励起された安定なプラズマP中において、プロセスガスGが励起、活性化されて中性活性種、イオンなどのプラズマ生成物が生成される。生成されたプラズマ生成物を含むガスは、整流板17で整流されて被処理物Wの表面に到達し、エッチング処理などのプラズマ処理が行われる。
本実施の形態においては、プラズマ生成物を含むガスが整流板17を通過する際に、イオンや荷電粒子が除去される。そのため、主に中性活性種による等方性処理(例えば、等方性エッチングなど)が行われることになる。なお、バイアス電圧を付加してイオンが整流板17を通過できるようにすることで、異方性処理(例えば、異方性エッチングなど)を行うようにすることもできる。処理が終了した被処理物Wは、図示しない搬送装置により処理容器32外に搬出される。この後、必要があれば、前述の処理が繰り返される。
ここで、厚み検出手段7による検出は、マイクロ波Mが放射されていないときに行うようにすることが好ましい。そのようにすれば、マイクロ波Mによるノイズを抑制することができる。また、厚み検出手段7が損傷することを抑制することができる。例えば、図示しない搬送装置により被処理物Wが搬出される際に検出を行うことができる。また、生産ロットの合間やメンテナンス時期に検出を行うようにすることもできる。なお、厚み検出手段7の作用については前述したものと同様のため省略する。
また、生産の過程において透過窓34(マイクロ波透過部材)の交換が必要と判断された場合には、この判断に基づく報知を行うようにすることができる。例えば、当該ロットの終了後に透過窓34の交換を促すような警報を発したり、プラズマ処理装置30の稼働を禁止したりすることができる。
本実施の形態によれば、透過窓34(マイクロ波透過部材)の厚み寸法を直接検出することができるので、透過窓34(マイクロ波透過部材)の寿命(交換時期)をより正確に検知することができる。そのため、無駄な交換作業が行われることを抑制することができるので、プラズマ処理装置30の停止時間を少なくすることができる。また、透過窓34(マイクロ波透過部材)の寿命(交換時期)に達したにもかかわらずプラズマ処理装置30が継続使用されることを抑制することができる。その結果、生産性や品質などの向上を図ることができる。
次に、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の検査方法について例示をする。
本実施の形態に係るプラズマ処理装置の検査方法は、マイクロ波Mにより励起させたプラズマPを用いてプロセスガスGからプラズマ生成物を生成し、被処理物Wの処理を行うプラズマ処理装置の検査方法である。また、プラズマPが励起される領域にマイクロ波Mを導入するためのマイクロ波透過部材の厚み寸法を厚み検出手段7を用いて直接検出する。
この場合、マイクロ波透過部材の厚み寸法の検出は、マイクロ波Mを放射するマイクロ波発生手段5からマイクロ波Mが放射されていないときに実行することが好ましい。そのようにすれば、測定ノイズの低減や厚み検出手段7の損傷の抑制を図ることができる。
そして、厚み寸法の検出値に基づいて、マイクロ波透過部材の交換が必要と判断された場合には、この判断に基づく報知が行われるようにすることができる。例えば、当該ロットの終了後にマイクロ波透過部材の交換を促すような警報を発したり、プラズマ処理装置の稼働を禁止したりすることができる。なお、マイクロ波透過部材の寿命(交換時期)の判断は、予め実験などで求められた閾値(厚みに関する使用限界寸法など)などに基づいて行うようにすることができる。
本実施の形態によれば、マイクロ波透過部材の厚み寸法を直接検出することができるので、マイクロ波透過部材の寿命(交換時期)をより正確に検知することができる。そのため、無駄な交換作業が行われることを抑制することができるので、プラズマ処理装置の停止時間を少なくすることができる。また、マイクロ波透過部材の寿命(交換時期)に達したにもかかわらずプラズマ処理装置が継続使用されることを抑制することができる。その結果、生産性や品質などの向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、プラズマ処理装置1、プラズマ処理装置30などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、プラズマの発生方式も例示したものに限定されるわけではない。マイクロ波透過部材を介して導入されたマイクロ波によりプラズマが励起される「マイクロ波励起型」のプラズマ処理装置に広く適用させることができる。また、プラズマ処理装置の用途に関しても例示したものに限定されるわけではなく、アッシングやドライエッチングの他にも薄膜堆積や表面改質などの各種のプラズマ処理に用いることができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置を例示するための模式断面図である。 厚み検出手段を例示するための模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置を例示するための模式断面図である。 図3におけるA−A矢視断面図である。
符号の説明
1 プラズマ処理装置、2 プラズマ発生手段、3 減圧手段、4 ガス供給手段、5 マイクロ波発生手段、6 処理容器、7 厚み検出手段、7a 照射部、7b 受光部、8 制御手段、9 放電管、9a 凹部、10 導入導波管、12 スロット、14 輸送管、15 載置台、18 遮蔽部、18a 孔部、19 開閉手段、28 遮蔽部、28a 孔部、29 開閉手段、30 プラズマ処理装置、31 プラズマ発生手段、32 処理容器、33 制御手段、34 透過窓、35 導入導波管、36 スロット、G プロセスガス、M マイクロ波、P プラズマ、W 被処理物

Claims (7)

  1. マイクロ波により励起させたプラズマを用いてプロセスガスからプラズマ生成物を生成し、被処理物の処理を行うプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマが励起される領域にマイクロ波を導入するためのマイクロ波透過部材と、
    前記マイクロ波透過部材の厚み寸法を直接検出する厚み検出手段と、を備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記厚み検出手段は、マイクロ波透過部材の大気側に、プラズマが励起される領域と対向させて設けられること、を特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記厚み検出手段は、マイクロ波透過部材の大気側に、前記プラズマ生成物により前記マイクロ波透過部材がエッチングされる領域と対向させて設けられること、を特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記マイクロ波透過部材の大気側に設けられ、前記マイクロ波の漏洩を抑制する遮蔽部と、
    前記遮蔽部の前記厚み検出手段に面する部分に設けられた孔部と、
    前記孔部の開閉を行う開閉手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  5. マイクロ波により励起させたプラズマを用いてプロセスガスからプラズマ生成物を生成し、被処理物の処理を行うプラズマ処理装置の検査方法であって、
    前記プラズマが励起される領域にマイクロ波を導入するためのマイクロ波透過部材の厚み寸法を直接検出すること、を特徴とするプラズマ処理装置の検査方法。
  6. 前記マイクロ波透過部材の厚み寸法の検出は、前記マイクロ波を放射するマイクロ波発生手段から前記マイクロ波が放射されていないときに実行されること、を特徴とする請求項5記載のプラズマ処理装置の検査方法。
  7. 前記厚み寸法の検出値に基づいて、前記マイクロ波透過部材の交換が必要と判断された場合には、前記判断に基づく報知が行われること、を特徴とする請求項5または6に記載のプラズマ処理装置の検査方法。
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