JP2010073615A - 電解質層の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質の電解質層を所望の厚みで形成できる電解質層の製造方法を提供する。
【解決手段】電解質に対して安定な粒子と、バインダーと、を混合して電解質層形成用ペーストを調製し、該電解質層形成用ペーストに電場をかけて粘度を所定粘度範囲に調整し、粘度調整された前記電解質層形成用ペーストを、前記燃料極及び/又は前記空気極に塗布して電解質層を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池の電解質を保持するために用いる電解質層の製造方法に関する。
燃料電池は、燃料極と空気極との間に電解質を配置した構成をなしている。そして、燃料極側に水素含有ガスを供給すると共に、空気極側に酸素含有ガスを供給し、両極間で起きる電気化学反応を利用して起電力を得ている。
ところで、りん酸形燃料電池では、電解質としてりん酸が用いられるが、りん酸は粘度が低いため、りん酸のみでは、燃料極と空気極との間に配置して燃料電池を形成することができない。このため、りん酸形燃料電池のように、粘度の低い電解質を用いる燃料電池では、電解質を電解質層に保持させ、電解質を保持した電解質層を、両電極間に配置して、燃料電池を形成している。
このような電解質層を用いた燃料電池では、燃料極側で生成したプロトンが電解質層を通って空気極側に移動しそこで酸素イオンと結合することによって、発電に必要な電気化学反応が実現される。そのため、燃料電池の発電能力を向上させるためには、燃料極と空気極の間の電解質層における電気抵抗(イオン移動抵抗)を低減して発電反応をより効率的に行わせることが重要になってくる。
電解質層の電気抵抗を低減する方法として、電解質層の厚さを薄くし、その気孔率を高くすることが挙げられる。しかしながら、電解質層が薄すぎたり、気孔率が高すぎたりすると、電解質層内部を電解液で満たした場合でも気密を保つことが難しくなり、電解質層を介して水素含有ガスと酸素含有ガスとが直接反応してしまい、燃料電池の発電能力が著しく低下する。また、そればかりか発熱や発火の危険性も出てくる。
このような点から、電解質層は、30μm〜80μm程度の厚さと、40%〜60%程度の気孔率を有していることが望ましい。また、より安定した発電能力を得るためには、電解質層表面が平滑でそこに凹部や欠損部が形成されていないことが望ましい。
電解質層の形成方法の一つとして、電解質層の前駆体となるペーストを電極面(触媒層表面)に塗布した後、乾燥・熱処理して、電解質層を形成する方法が知られている。
例えば、りん酸形燃料電池では、前記ペーストとして、主に炭化ケイ素(SiC)の微粒子とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のバインダーを含んだ混合物が用いられている。このようなバインダーは、通常、適当な溶剤の中にSiCを攪拌翼で混合したり、溶剤とSiCを乳鉢、ボールミル、ポットミル等を用いて混合したりしてから、出来たスラリーにPTFE等のバインダーを混合して調製される。
しかしながら、このように調製されたペーストは、常に均一な粘度のものが得られるとは限らず、調製を行う都度変化するものであった。
ペースト粘度が低すぎると、形成される電解質層の厚さが薄くなりやすく、30μm未満になってしまう可能性が高い。このため、反応ガスの気密性を確保することが難しくなる。また、電極面に塗布する際、触媒層に含まれるバインダーの影響でペーストがはじかれて塗布性が悪化したり、コーティングロールを用いたときにロールからの液ダレが発生したりすることがある。このようにペースト粘度が低すぎると、形成される電解質層が薄くなりすぎたり、電極面上の塗膜の厚さが不均一になる可能性が非常に高いため、そのまま乾燥・熱処理を行うのみでは厚さが不均一な電解質層が形成され易い。
一方、ペースト粘度が高すぎると、形成される電解質層が厚くなる傾向があり、電気抵抗低減に不利となる。また、コーティングロールでのせん断応力の上昇によってペーストに含まれているバインダーが固結し、ペーストの塗布時に電解質層の厚さを大きく超えてしまうような凝集粒子の生成や電極面へのペーストの転写欠損等が生じる場合がある。また、コーティングロールにはペーストを保持するためにピッチ1mm程度の溝が形成されていることが多いが、ペースト粘度が高いと、その流動性が比較的低いため、塗布後に溝ピッチとほぼ同ピッチの凹凸部が塗膜や電解質層に残ってしまい、その後に平滑化する等の工程が必要になる場合がある。厚さが薄くなる凹部は、例えば、3000mPa・sを上回る高粘度ペーストでは20μm以下まで薄くなる場合があり、時には欠損部となって、反応ガスの気密性を著しく低下させる一因となる。
このように、ペーストを用いて電解質層を形成する方法では、ペースト粘度は、燃料電池特性に大きく影響してくるため、ペースト粘度の管理が重要である。
ペースト粘度を調整するにあたり、ペースト中のSiC等の固形分濃度を調整するなどしてペースト粘度を適当な範囲に調整する方法がある。
また、下記特許文献1には、電解質層の前駆体となるペーストの粘度は、pH値と相関があることが記されており、アルカリ性溶液や酸性溶液を添加することによって、ペーストのpH値を制御し、それによってペースト中の粒子の分散状態を変化させてペースト粘度を調整する方法が開示されている。
特開2005−294179号公報(段落番号0028〜0031、図3)
ペースト中の固形分濃度を変更して粘度調整した場合、電極面に塗布したときの塗膜の厚さが変化してくるため、塗布条件を同じにしても用いるペーストによって乾燥・熱処理後に得られる電解質層の厚さが異なってしまい、電解質層の膜厚管理が困難である。
また、上記特許文献1では、アルカリ性溶液や酸性溶液を添加してペーストのpH値を制御することで、ペースト粘度を設定範囲となるように調整している。特許文献1の方法であれば、ペースト中の固形分濃度が大きく変動することもないので、最終的に形成される電解質層の厚みにバラつきは生じにくい。しかしながら、電解質層中に、pH調整に用いた、アルカリ性溶液や酸性溶液などに含まれる化合物が残留することがある。これらの残留物は、電解質などと反応して、電極反応の阻害物質となるような塩などを形成することがあり、電池の特性に悪影響を与える可能性があった。例えば、上記特許文献1では、アンモニア水を用いてペーストのpH調整を行う実施例が開示されている(段落番号0029)が、電解質層中にアンモニアが残留すると、電解質であるりん酸とアンモニアとが反応し、電池特性に悪影響を及ぼす可能性のあるりん酸アンモニウムが形成される恐れがあった。
したがって、本発明の目的は、高品質の電解質層を所望の厚みで形成できる電解質層の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の電解質層の製造方法は、燃料電池の、燃料極と空気極との間に配置される電解質を保持する電解質層の製造方法において、前記電解質に対して安定な粒子と、バインダーと、を混合して電解質層形成用ペーストを調製し、前記電解質層形成用ペーストに電場をかけて該電解質層形成用ペーストの粘度を所定粘度範囲に調整し、粘度調整された前記電解質層形成用ペーストを、前記燃料極及び/又は前記空気極に塗布して電解質層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、電解質層形成用ペーストに電場をかけることで、陽極側にOHが集まり、陰極側にHが集まる。その結果、陽極側の電解質層形成用ペーストのpH値は高くなり、陰極側の電解質層形成用ペーストのpH値は低くなり、該ペースト中の粒子の分散状態が変化して、粘度勾配が生じる。このため、例えば、最適な粘度範囲の電解質層形成用ペーストを採取することで、ペースト中の固形分濃度をほとんど変化させることなく、所定粘度範囲の電解質層形成用ペーストを容易に調整できる。よって、電極面に凹凸部や欠損部のない均一な塗膜を所望の厚さで形成することができ、電解質層における電気抵抗の低減効果に優れる。また、電解質層中には、不純物が残留しにくく、更には、電解質などと反応して電極反応の阻害物質となるような塩などを形成することもないので、燃料電池の電池特性を損なうおそれが少なく、こうして形成された電解質層を用いた燃料電池は、安定した発電出力を長期にわたって得ることができる。
本発明の電解質層の製造方法は、電極が配置されて電気的に接続し、バイパスラインを介して接続した貯留槽及び塗布用ペースト槽に前記電解質層形成用ペーストを導入し、前記貯留槽及び前記塗布用ペースト槽に電場をかけて、前記塗布用ペースト槽内の電解質層形成用ペーストの粘度を所定粘度範囲に調整することが好ましい。また、この態様においては、前記塗布用ペースト槽内の電解質層形成用ペーストの粘度が設定値よりも高い場合、前記塗布用ペースト槽にマイナスの電圧を印加し、前記塗布用ペースト槽内の電解質層形成用ペーストの粘度が設定値よりも低い場合、前記塗布用ペースト槽にプラスの電圧を印加することが好ましい。このようにすることで、塗布用ペースト槽に、所定粘度範囲の電解質層形成用ペーストを貯留できる。
本発明の電解質層の製造方法は、前記電解質層形成用ペーストの粘度が1,500〜3,000mPa・sとなるように調整することが好ましい。この態様によれば、表面が平滑で、凹部や欠損部がなく、適度な厚さや気孔率を有する電解質層を形成できる。
本発明によれば、電解質層形成用ペーストの粘度調整を容易に行えるので、電極面に凹凸部や欠損部のない均一な塗膜を所望の厚さで形成することができる。また、形成される電解質層には、不純物が残留しにくいので、電解質などと反応して、電極反応の阻害物質となるような塩などが形成されることもなく、安定した発電出力を長期にわたって得ることができる。
本発明の電解質層の製造方法は、電解質形成用ペーストの調製工程と、得られた電解質形成用ペーストの粘度を調整する粘度調整工程と、粘度調整した電解質形成用ペーストを、燃料電池の燃料極又は空気極に塗布し、加熱・乾燥して電解質層を形成する電解質層形成工程とで主に構成されている。
(電解質形成用ペーストの調製工程)
電解質形成用ペーストの調製工程では、電解質に対して安定な粒子と、バインダーと、を混合して電解質形成用ペーストを調製する。
電解質形成用ペーストの調製に用いる上記粒子は、電解質によって分解などされず、電解質と接触してもその化学的構造を維持しうるものであれば特に限定はなく、SiC微粒子、などが好ましく挙げられる。例えば、りん酸を電解質として用いる場合においては、耐熱性と耐酸性に優れるという理由からSiC微粒子が好ましく用いられる。また、上記粒子の粒径は、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。粒子の粒径が0.1μm未満であると、電解質を保持するための気孔率が下がり、粒子の粒径が20μmを超えると粒子自体により電池の他の構成部材を損傷する可能性がある。
また、上記粒子は、溶媒中に分散させて用いることが好ましい。分散溶媒としては、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、ベンジルアルコールなどの溶剤が挙げられる。また、これらの溶剤は水と混合して、水溶液として用いてもよい。また、粒子の溶媒への分散方法としては、超音波分散などが挙げられる。
電解質形成用ペーストの調製に用いる上記バインダーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PFAなどが好ましく挙げられる。例えば、りん酸を電解質として用いる場合においては、耐熱性と耐酸性に優れるという理由からPTFEが好ましく用いられる。
電解質形成用ペーストは、例えば、次のようにして調製することができる。すなわち、SiC微粒子をエチレングリコール水溶液等の溶剤と混合し、超音波などを印加しながら攪拌して、SiC微粒子を溶剤中に分散させ、スラリー状物を調製する。続いて、このようにしてできたスラリー状物に、PTFE等のバインダーを混合して電解質形成用ペーストを調製する。
(粘度調整工程)
次に、このようにして調製された電解質形成用ペーストの粘度を所定の粘度となるように調整するが、本発明では、電解質層形成用ペーストに電場をかけて該電解質層形成用ペーストの粘度を所定粘度範囲に調整して、ペースト粘度が設定範囲となるように調整する。
電解質層形成用ペーストに電場をかけると、陽極側にはOHが集まり、陰極側にHが集まる。その結果、陽極側の電解質層形成用ペーストは、pH値が高くなり、陰極側の電解質層形成用ペーストは、pH値は低くなる。このように、電解質層形成用ペーストに電場をかけることで、陰極側から陽極側にかけて、電解質層形成用ペーストのpH値に勾配が生じる。
図1に示すように、電解質形成用ペーストは、pH値が増加すると、それに伴って粘度が低下していく傾向が認められる。これは、電解質形成用ペーストのpH値を変化させることで、ペースト中での粒子のゼータ電位が変化して粒子の凝集度が変化し、それがペースト粘度に現れてくるためであると思われる。なお、図1のような特性は、ペースト組成によらず同様の傾向が見られた。
このため、電解質層形成用ペーストに電場をかけることで、陰極側から陽極側にかけて濃度勾配が生じるので、例えば、印加電圧を調整したり、最適な粘度範囲の電解質層形成用ペーストを採取することで、ペースト中の固形分濃度をほとんど変化させることなく、所定粘度範囲の電解質層形成用ペーストを容易に調整できる。
本発明では、電解質形成用ペーストの粘度が1500mPa・s〜3000mPa・sとなるように、電解質層形成用ペーストに電場をかけることが好ましい。例えば、図1においては、電解質形成用ペーストの粘度を1500mPa・s〜3000mPa・s(粘度調整範囲A)にするには、pH値を5.2〜5.8(pH制御範囲B)に調整すればよいので、pH値が5.2〜5.8の電解質層形成用ペーストを採取することで1500mPa・s〜3000mPa・sの粘度範囲の電解質形成用ペーストを得ることができる。粘度が1500mPa・s以上であれば、形成される電解質層の薄層化や、電極面でのはじきや液ダレの発生を抑えることができる。また、粘度が3000mPa・s以下であれば、形成される電解質層が厚膜になりにくく、高電気抵抗化、凝集粒子の生成やペースト転写欠損等の発生、コーティングロールの溝に起因する凹凸部や欠損部の発生を抑えることができる。ペーストの粘度が上記範囲内であれば、ナチュラルロールコーターなどを用いて電極面へ塗布することで、30μm〜80μm程度の厚さで、40%〜60%程度の気孔率の電解質層を形成し易くなる。なお、図1の関係式は、電解質形成用ペーストの組成により異なるので、組成毎にあらかじめ図1の関係式を求めておくことが好ましい。
本発明において、電場をかけて電解質層形成用ペーストの粘度を調整する方法としては、例えば、図2に示すように、一対の電極2a,2bが配置された粘度調整槽1内に、電解質層形成用ペースト3を入れ、該電極2a,2bに電圧を印加して、粘度調整槽1から、最適粘度の電解質層形成用ペーストを採取する方法がある。
また、別の態様としては、例えば、図3に示すように、バイパスライン12を介して接続した、電極13bが配置された貯留槽11と、電極13aが配置された塗布用ペースト槽10のそれぞれに電解質層形成用ペースト14を導入する。そして、電極13a,13bを電気的に接続し、貯留槽11及び塗布用ペースト槽10に電場をかける。この状態で、塗布用ペースト槽10内の電解質層形成用ペーストの粘度を粘度計15で測定しつつ、所定粘度範囲になるように印加電圧を制御して粘度調整する方法がある。この態様によれば、塗布用ペースト槽10に、所定粘度に調整された電解質層形成用ペーストを貯留できるので、塗布用ペースト槽10から、例えば、塗布ローラ16を用いて直接電極面17に電解質層形成用ペーストを塗布することができる。このため、最適粘度の電解質層形成用ペーストを採取する手間などを省くことができ、製造工程をより簡略化できる。
図3の態様において、粘度計15の測定値を印加電圧制御装置18に出力し、粘度計15の測定値が所定範囲となるように、印加電圧を調整することが好ましい。また、例えば、塗布用ペースト槽10内の電解質層形成用ペーストの粘度が設定値よりも高い場合は、電極13aにマイナスの電圧を印加し、塗布用ペースト槽10内の電解質層形成用ペーストの粘度が設定値よりも低い場合は、電極13aにプラスの電圧を印加して粘度調整することが好ましい。
なお、図3の態様においては、粘度計15の代わりにpH計を用いて、pH値に応じて印加電圧を調整するようにしてもよい。
(電解質層形成工程)
電解質形成用ペーストの粘度を所定粘度に調整した後、燃料電池の燃料極又は空気極に塗布し、加熱・乾燥処理して電解質層を形成する。
電解質形成用ペーストの塗付方法としては、特に限定はなく、ナチュラルロールコーターを用いた塗布、スクリーン印刷、スプレー塗布、リバースロールコーターによる塗布等が好ましく挙げられる。
(燃料電池の製造)
そして、一方の電極面に形成された電解質層にりん酸などの電解質を含浸させ、この一方の電極を他方の電極と電解質層を挟んで接合して一体化することで、燃料電池の単セル形成することができ、こうして得られた電池単セルをセパレータを介して複数積層することで、燃料電池を製造することができる。
このように、本発明によれば、電解質層形成用ペーストに電場をかけることで、該ペーストの固形分濃度をほとんど変化させることなく所定粘度範囲の電解質層形成用ペーストを容易に調整でき、コーティングロールなどを用いた電極面への塗布において、塗布後の流動性に優れ、電極面全体にわたって平滑で厚さの均一な塗膜を得ることができる。また、電解質層中には不純物が残留しにくく、更には、電解質などと反応して電極反応の阻害物質となるような塩などを形成することもないので、燃料電池の電池特性を損なうおそれが少ない。したがって、本発明によれば、高品質で所望の厚さの電解質層を容易に安定して製造することが可能になり、燃料電池の発電能力を向上させるとともに、信頼性の高い燃料電池を製造することが可能になる。
(実施例1)
平均粒径約1μmのSiC微粒子粉末を、70%ジエチレングリコール水溶液に投入し、これを28kHz、1200Wの超音波を印加しながら攪拌翼を使って1時間攪拌して分散させてスラリーを得た。そして、このようにしてできたスラリーに、PTFEのディスパージョンを加えて5分間攪拌し電解質層形成用ペーストを調製した。得られた電解質層形成用ペーストのpH値6、粘度1000mPa・sであった。また、この電解質ペーストのpH値と粘度との関係は、図1に示すような関係を有するものであった。そして、該電解質層形成用ペーストを、図2の粘度調整槽1に導入し、電場をかけて、pH値5.2〜5.8の電解質層形成用ペーストを採取して、粘度を1,500〜3,000mPa・sに調整した。
このようにして粘度調整した電解質層形成用ペーストを、ナチュラルロールコーターを用いて電極面に塗布し、温度約45℃に制御された乾燥炉内で15時間乾燥し、その後、窒素雰囲気で温度約270℃、20分間の熱処理を施して厚さ40μmの電解質層を形成した。この電解質層は、全体にわたって平滑で凹凸がなく、また、均一な厚みであった。また、電極面にペーストを塗布する際、液ダレなどがなく、塗布作業性が良好であった。
そして、このようにして一方の電極面に形成された電解質層にリン酸を含浸させ、この一方の電極を他方の電極と電解質層を挟んで接合して一体化し、りん酸形燃料電池の単セルを形成し、セパレータを介して30個積層してりん酸形燃料電池を製造した。
このようにして製造したりん酸形燃料電池の評価を行ったところ全セルとも950mV以上の開回路電圧を得た。
(実施例2)
実施例1の電解質層形成用ペーストを、図3に示す貯留槽11及び塗布用ペースト槽10に導入した。そして、電極13a,13bを電気的に接続し、貯留槽11及び塗布用ペースト槽10に電場をかけて、塗布用ペースト槽10内の電解質層形成用ペーストの粘度を粘度計15で測定しつつ、所定粘度範囲になるように印加電圧を制御して粘度調整して、塗布用ペースト槽10内の電解質層形成用ペーストの粘度を1,500〜3,000mPa・sに調整した。そして、塗布用ペースト槽10から電極面17に粘度調整された電解質層形成用ペーストを供給し、塗付ローラ16を用いて電極面17に塗布し、温度約45℃に制御された乾燥炉内で15時間乾燥し、その後、窒素雰囲気で温度約270℃、20分間の熱処理を施して厚さ40μmの電解質層を形成した。この電解質層は、全体にわたって平滑で凹凸がなく、また、均一な厚みであった。
そして、このようにして一方の電極面に形成された電解質層にリン酸を含浸させ、この一方の電極を他方の電極と電解質層を挟んで接合して一体化し、りん酸形燃料電池の単セルを形成し、セパレータを介して30個積層してりん酸形燃料電池を製造した。
このようにして製造したりん酸形燃料電池の評価を行ったところ全セルとも950mV以上の開回路電圧を得た。
ペーストのpH値と粘度との関係図である。 電解質層形成用ペーストの粘度調整方法の一例を示す概略図である。 電解質層形成用ペーストの粘度調整方法の他の一例を示す概略図である。
符号の説明
1:粘度調整槽
2a,2b,13a,13b:電極
3,14:電解質層形成用ペースト
10:塗布用ペースト槽
11:貯留槽
12:バイパスライン
15:粘度計
16:塗布ローラ
17:電極面
18:印加電圧制御装置

Claims (4)

  1. 燃料電池の、燃料極と空気極との間に配置される電解質を保持する電解質層の製造方法において、
    前記電解質に対して安定な粒子と、バインダーと、を混合して電解質層形成用ペーストを調製し、
    前記電解質層形成用ペーストに電場をかけて該電解質層形成用ペーストの粘度を所定粘度範囲に調整し、
    粘度調整された前記電解質層形成用ペーストを、前記燃料極及び/又は前記空気極に塗布して電解質層を形成する
    ことを特徴とする電解質層の製造方法。
  2. 電極が配置されて電気的に接続し、バイパスラインを介して接続した貯留槽及び塗布用ペースト槽に前記電解質層形成用ペーストを導入し、
    前記貯留槽及び前記塗布用ペースト槽に電場をかけて、前記塗布用ペースト槽内の電解質層形成用ペーストの粘度を所定粘度範囲に調整する、請求項1に記載の電解質層の製造方法。
  3. 前記塗布用ペースト槽内の電解質層形成用ペーストの粘度が設定値よりも高い場合、前記塗布用ペースト槽にマイナスの電圧を印加し、前記塗布用ペースト槽内の電解質層形成用ペーストの粘度が設定値よりも低い場合、前記塗布用ペースト槽にプラスの電圧を印加する、請求項2に記載の電解質層の製造方法。
  4. 前記電解質層形成用ペーストの粘度が1,500〜3,000mPa・sとなるように調整する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解質層の製造方法。
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