JP2010071471A - 車両用無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動力伝達部材の耐久性を損なうことなく長期停止後車両の走行に際して油圧シリンダへ急速充満を行うことができる車両用無段変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】イグニションスイッチ操作判定手段90によりイグニションスイッチ69がオン側へ操作されたことが判定されると、それに基づいて、急速充満制御手段104により入力側油圧シリンダ42cに対して作動油の急速充満が行われることから、車速が所定値以下の状態や車両停止状態となる毎に一律に油圧シリンダへ急速充満する従来の場合に比較して、急速充満の頻度が大幅に低くなるので、伝動ベルト(動力伝達部材)48の耐久性を損なうことなく長期停止後の車両の走行に際して入力側油圧シリンダ42c急速充満を行うことができる。
【選択図】図6
【解決手段】イグニションスイッチ操作判定手段90によりイグニションスイッチ69がオン側へ操作されたことが判定されると、それに基づいて、急速充満制御手段104により入力側油圧シリンダ42cに対して作動油の急速充満が行われることから、車速が所定値以下の状態や車両停止状態となる毎に一律に油圧シリンダへ急速充満する従来の場合に比較して、急速充満の頻度が大幅に低くなるので、伝動ベルト(動力伝達部材)48の耐久性を損なうことなく長期停止後の車両の走行に際して入力側油圧シリンダ42c急速充満を行うことができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、車両用無段変速機の油圧制御装置の改良に関し、特に車両の走行開始に際して行われる油圧アクチュエータに対する急速充満に起因してその油圧アクチュエータや動力伝達部材の耐久性が低下することなどを防止する技術に関するものである。
油圧アクチュエータにより押圧される動力伝達部材を介して動力が伝達されるとともに、その油圧アクチュエータに対する作動油の供給排出を制御することにより無段階に変速を行う車両用無段変速機が知られている。たとえば、有効径が可変の1対の入力側可変プーリおよび出力側可変プーリと、それら入力側可変プーリおよび出力側可変プーリに巻き掛けられて動力を伝達する伝動ベルトと、それら入力側可変プーリおよび出力側可変プーリのV溝幅を変化させる入力側油圧シリンダおよび出力側油圧シリンダとを備えたベルト式無段変速機がそれである。通常、それら入力側油圧シリンダおよび出力側油圧シリンダのうちの一方内の作動油が変速制御弁装置によって供給され或いは排出されることにより変速比が制御され、他方内の作動油圧がベルト張力制御弁によって調圧されることにより伝動ベルトの張力が入力トルクおよび変速比に応じて必要かつ十分に制御されて伝動ベルトのすべりが発生しないようにされている。
ところで、車両のエンジンが比較的長期に停止させられる間に、上記油圧シリンダの作動油が抜けてその油圧シリンダ内に空気が入る場合がある。このような場合には、車両の走行に際して変速を開始しようとしても油圧シリンダ内に作動油が充満させられる間は変速できず所定時間後の充満後の急変速によって変速ショックが発生するだけでなく、その間に車両の発進操作などのために動力が伝達されると、その動力伝達のために十分な伝動ベルトの挟圧力が得られずその伝動ベルトがすべる可能性があった。
これに対し、車両が所定車速以下の低車速にある間、或いは車両が停止している間には入力側油圧シリンダ内へ作動油の充満を行うようにした装置が提案されている。たとえば、特許文献1に記載されたベルト式無段変速機の油圧制御装置がそれである。これによれば、車両が所定車速以下である状態或いは車両の停止状態においては入力側油圧シリンダへ作動油が供給されてその入力側油圧シリンダ内の作動油が充満状態とされるので、車両の走行に際して変速を開始しようとしたときには直ちに変速が行われて変速ショックが発生することがなく、また伝動ベルトの張力が適切に保持されてその伝動ベルトがすべることが解消される。
ところで、上記従来のベルト式無段変速機の油圧制御装置では、エンジンの始動操作と同時にそのエンジンにより回転駆動される油圧ポンプから出力される作動油が入力側油圧シリンダへ供給されてその油圧シリンダ内に作動油が急速に充満させられる。しかしながら、エンジン始動直後のクランキングを含む期間においてはクランク軸の回転が不安定であって油圧ポンプの吐出圧が大きく変動することから、その吐出圧の変動に起因する所謂油撃(オイルハンマー)現象が発生するので、作動油が充満されようとする一時側油圧シリンダのシール部材がその油撃によって損なわれたり或いは耐久性が低下する可能性があった。また、前記従来のベルト式無段変速機の油圧制御装置では、車速が所定値以下の状態や車両停止状態においては、一律に入力側油圧シリンダへ作動油が優先的に供給されることから、入力側油圧シリンダへ作動油を充満させるための作動頻度が高くなるので、動力伝達部材として機能する伝動ベルトの押圧力が不要に高められる回数が多くなってその耐久性が低下するおそれがあった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両用無段変速機の油圧アクチュエータのシール部材や動力伝達部材の耐久性を損なうことなくその油圧アクチュエータへの作動油の急速充満を行うことができる車両用無段変速機の油圧制御装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、油圧アクチュエータにより押圧される動力伝達部材を介して動力が伝達されるとともに、その油圧アクチュエータに対する作動油の供給排出を制御することにより無段階に変速を行う車両用無段変速機の油圧制御装置であって、(a) 車両停止状態において前記無段変速機の変速比が最大値に到達しているか否かを判定する戻り不良判定手段と、(b) エンジンの始動が行われたか否かを判定するエンジン始動判定手段と、(c) 車両の非走行モードおよび走行モードのいずれが選択されているかを判定する車両走行モード判定手段と、(d) 前記戻り不良判定手段により前記無段変速機の変速比が最大値に到達していないと判定され、前記エンジン始動判定手段によりエンジンの始動が行われたと判定され、且つ前記車両走行モード判定手段により車両の非走行モードが判定されたことに基づいて、前記油圧アクチュエータに対して作動油を急速に充満させると共に、前記エンジン始動からの経過時間が第3の所定時間を超えたことに基づいて前記油圧アクチュエータに対する作動油の急速充満を終了させる急速充満制御手段とを、含むことにある。
このようにすれば、車両停止状態において無段変速機の変速比が最大値に到達していない場合、たとえば急制動により無段変速機の変速比が最大値に到達する前に車両が停止させられた場合には、油圧アクチュエータ内の作動油の急排出途中で車両が停止されるので、その後の再発進時においてはその油圧アクチュエータ内の作動油不足傾向にあるが、上記によれば、そのような状態においても好適に急速充満が行われる。また、前記急速充満制御手段は、車両停止状態において無段変速機の変速比が最大値に到達していないときにエンジンの始動が行われ且つシフトレバーが非走行位置に操作されているときに急速充満が開始された場合は、前記エンジン始動からの経過時間が第3の所定時間を超えたことに基づいて前記油圧アクチュエータに対する作動油の急速充満を終了させるものである。このようにすれば、無段変速機の変速比が最大値に到達していないときにエンジンの始動時に開始された急速充満が必要かつ十分に行われ、油圧アクチュエータに対する急速充満が過度に行われることにより不要に伝動ベルト等の動力伝達部材の押圧力が高められることが回避される。
ここで、好適には、前記無段変速機の変速比が最大値に到達していない状態を前記イグニションスイッチがオフ側へ操作されたにも拘らず記憶する記憶装置が備えられたものである。このようにすれば、イグニションスイッチがオフ側へ操作された後にそのイグニションスイッチがオン側へ操作された後においても、無段変速機の変速比が最大値に到達していない状態が判定される。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の制御装置が適用された車両用ベルト式無段変速機18を含む動力伝達装置10の骨子図である。この動力伝達装置10はたとえば横置き型FF(フロントエンジン・フロントドライブ)駆動車両に好適に採用されるものであり、走行用の動力源として用いられる内燃機関であるエンジン12を備えている。エンジン12の出力は、トルクコンバータ14から前後進切換装置16、ベルト式無段変速機(CVT)18、減速歯車20を介して差動歯車装置22に伝達され、左右の駆動輪24L、24Rへ分配されるようになっている。上記ベルト式無段変速機18は、エンジン12から左右の駆動輪(たとえば前輪)24L、24Rへ至る動力伝達経路に設けられている。
上記トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14p、およびタービン軸34を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tと、一方向クラッチを介して非回転部材に回転可能に支持された固定翼車14sとを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、それ等のポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間には、それ等を一体的に連結して相互に一体回転させることができるようにするためのロックアップクラッチ(直結クラッチ)26が設けられている。
上記前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに連結され、ベルト式無段変速機18の入力軸36はキャリア16cに連結されている。そして、キャリア16cとサンギヤ16sとの間に配設された前進クラッチ38が係合させられると、前後進切換装置16は一体回転させられてタービン軸34が入力軸36に直結され、前進方向の駆動力が駆動輪24R、24Lに伝達される。また、リングギヤ16rとハウジングとの間に配設された後進ブレーキ40が係合させられるとともに上記前進クラッチ38が開放されると、入力軸36はタービン軸34に対して逆回転させられ、後進方向の駆動力が駆動輪24R、24Lに伝達される。
前記ベルト式無段変速機18は、上記入力軸36に設けられた有効径が可変の入力側可変プーリ42と、出力軸44に設けられた有効径が可変の出力側可変プーリ46と、それ等の可変プーリ42、46のV溝に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、動力伝達部材として機能する伝動ベルト48と可変プーリ42、46のV溝の内壁面との間の摩擦力を介して動力伝達が行われるようになっている。可変プーリ42、46はそれぞれのV溝幅すなわち伝動ベルト48の掛かり径を変更するための入力側油圧シリンダ42cおよび出力側油圧シリンダ46cを備えて構成されており、入力側可変プーリ42の油圧シリンダ42cに供給或いはそれから排出される作動油の流量が油圧制御回路52内の変速制御弁装置50(図4参照)によって制御されることにより、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力側回転速度NIN/出力側回転速度NOUT )が連続的に変化させられるようになっている。
また、出力側可変プーリ46の油圧シリンダ46c内の油圧PB は、可変プーリ46の伝動ベルト48に対する挟圧力および伝動ベルト48の張力にそれぞれ対応するものであって、伝動ベルト48の張力すなわち伝動ベルト48の両可変プーリ42、46のV溝内壁面に対する押圧力に密接に関係しているので、ベルト張力制御圧、ベルト挟圧力制御圧、ベルト押圧力制御圧とも称され得るものであり、伝動ベルト48が滑りを生じないように、油圧制御回路52内の挟圧力制御弁60により調圧されるようになっている。
図2は、ベルト式無段変速機18の構成を説明するためにその一部を切り欠いて示している。入力側可変プーリ42は、入力軸36に固定された固定回転体42fと、その固定回転体42fとの間にV溝を形成する状態で入力軸36に軸方向の移動可能且つ軸まわりの相対回転不能に取付られた可動回転体42vと、入力軸36に固定されてその可動回転体42vと摺動可能に嵌合するシリンダボデー42bとから構成されており、ピストンとして機能する可動回転体42vおよびシリンダボデー42bにより前記油圧シリンダ42cが構成されている。また、出力側可変プーリ46は、出力軸44に固定された固定回転体46fと、その固定回転体46fとの間にV溝を形成する状態で出力軸44に軸方向の移動可能且つ軸まわりの相対回転不能に取付られた可動回転体46vと、出力軸44に固定されてその可動回転体46vと摺動可能に嵌合するシリンダボデー46bとから構成されており、ピストンとして機能する可動回転体46vおよびシリンダボデー46bにより前記油圧シリンダ46cが構成されている。これら油圧シリンダ42cおよび46cは、その摺動部分に作動油の漏出を防止するために合成ゴムのような弾性部材製のシール部材47が設けられている。
図3および図4は上記油圧制御回路52の一例を示す図であって、図3はベルト張力制御圧の調圧作動に関連する回路、図4は変速比制御に関連する回路をそれぞれ示している。図3において、オイルタンク56に還流した作動油は、エンジン12に直接的に連結されてそれにより回転駆動されるたとえばギヤ式の油圧ポンプ54により圧送され、図示しないライン圧調圧弁によりライン圧PL に調圧された後、リニアソレノイド弁58および挟圧力制御弁60に元圧として供給される。リニアソレノイド弁58は、電子制御装置66(図5参照)からの励磁電流が連続的に制御されることにより、油圧ポンプ54から供給された作動油の油圧から、その励磁電流に対応した大きさの制御圧PS を発生させて挟圧力制御弁60に供給する。挟圧力制御弁60は、制御圧PS が高くなるに従って上昇させられる油圧PB を発生させ、出力側可変プーリ46の油圧シリンダ46cに供給することにより、伝動ベルト48が滑りを生じない範囲で可及的にその伝動ベルト48に対する挟圧力すなわち伝動ベルト48の張力が小さくなるようにする。その油圧PB は、その上昇に伴ってベルト挟圧力すなわち可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間の摩擦力を増大させる。
リニアソレノイド弁58には、カットバック弁62のON時にそれから出力される制御圧PS が供給される油室58aが設けられる一方、カットバック弁62のOFF時には、その油室58aへの制御圧PS の供給が遮断されて油室58aが大気に開放されるようになっており、カットバック弁62のオン時にはオフ時よりも制御圧PS の特性が低圧側へ切り換えられるようになっている。上記カットバック弁62は、前記トルクコンバータ14のロックアップクラッチ26のON(係合)時に、図示しない電磁弁から信号圧PONが供給されることによりONに切り換えられるようになっている。
図4において、前記変速制御弁装置50は、前記ライン圧PL の作動油を専ら入力側可変プーリ42の油圧シリンダ42cへ供給し且つその作動油流量を制御することによりアップ方向の変速速度を制御するアップ変速制御弁50U 、およびその油圧シリンダ42cから排出される作動油の流量を制御することによりダウン方向の変速速度を制御するダウン変速制御弁50D から構成されている。このアップ変速制御弁50U は、ライン圧PL を導くライン油路Lと入力側油圧シリンダ42cとの間を開閉するスプール弁子50Uvと、そのスプール弁子50Uvを閉弁方向に付勢するスプリング50Usと、アップ側電磁弁64U から出力される制御圧を導く制御油室50Ucとを備えている。また、ダウン変速制御弁50D は、ドレン油路Dと入力側油圧シリンダ42cとの間を開閉するスプール弁子50Dvと、そのスプール弁子50Dvを閉弁方向に付勢するスプリング50Dsと、ダウン側電磁弁64D から出力される制御圧を導く制御油室50Dcとを備えている。上記アップ側電磁弁64U およびダウン側電磁弁64D は、電子制御装置66によってデューティ駆動されることにより連続的に変化する制御圧を制御油室50Ucおよび制御油室50Dcへ供給し、ベルト式無段変速機18の変速比γをアップ側およびダウン側へ連続的に変化させる。
図5の電子制御装置66には、シフトレバー67の操作位置を検出する操作位置検出センサ68からの操作位置PSHを表す信号、イグニションキーにより操作されるイグニションスイッチ69からのイグニションキーのオン操作を表す信号、スロットル弁70の開度を変化させるアクセルペダル71の開度θACC を検出するアクセル操作量センサ72からのアクセル開度θACC を表す信号、エンジン12の回転速度NE を検出するエンジン回転速度センサ73からの回転速度NE を表す信号、車速V(具体的には出力軸44の回転速度NOUT )を検出する車速センサ(出力側回転速度センサ)74からの車速Vを表す信号、入力軸36の入力軸回転速度NINを検出する入力側回転速度センサ76からの入力軸回転速度NINを表す信号、動力伝達装置10すなわちベルト式無段変速機18内の作動油温度TOIL を検出する油温センサ78からの作動油温度TOIL を表す信号、出力側可変プーリ46の油圧シリンダ46cの内圧PB すなわち実際のベルト挟圧力制御圧PB を検出する圧力センサ80からのその油圧PB を表す信号がそれぞれ供給されるようになっている。
上記電子制御装置66は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、上記無段変速機18の変速制御や挟圧力制御を行うものである。具体的には、変速制御では、たとえば図6に示す予め記憶された関係(マップ)から実際の運転者の要求出力量を表すアクセル操作量すなわちアクセル開度θACC (%)および車速V(出力側回転速度NOUT に対応)に基づいて目標回転速度NIN T を算出し、実際の入力側回転速度NINがその目標回転速度NIN T と一致するように変速制御弁装置50を作動させることにより、入力側可変プーリ42の油圧シリンダ42c内へ供給される作動油或いはその油圧シリンダ42c内から排出される作動油の流量を制御する。上記図6は、エンジン12をその出力および燃費が最適となる最適曲線に沿って作動させるために予め求められた関係であって、そのγmax は最大変速比で、γmin は最小変速比である。
また、上記電子制御装置66は、ベルト挟圧力制御では、必要かつ十分な必要油圧(理想的なベルト挟圧力に対応する目標油圧)を得るために予め定められた関係(マップ)からベルト式無段変速機18の実際の入力トルクTIN或いは伝達トルクに対応するアクセル操作量θACC および実際の変速比γに基づいてベルト挟圧力制御圧(目標値)を算出し、そのベルト挟圧力制御圧(目標値)が得られるように油圧制御回路52内の挟圧力制御弁60に調圧させる。
図7は、上記電子制御装置66の制御機能の要部すなわちベルト挟圧力制御を説明する機能ブロック線図である。図7において、変速制御手段88は、車両の走行中において、たとえば図6に示す予め記憶された関係(マップ)から実際のアクセル開度θACC (%)および車速V(出力側回転速度NOUT に対応)に基づいて目標回転速度NIN T を算出し、実際の入力側回転速度NINがその目標回転速度NIN T と一致するように変速制御弁装置50を作動させることにより、入力側可変プーリ42の油圧シリンダ42c内へ供給される作動油或いはその油圧シリンダ42c内から排出される作動油の流量を制御する。
イグニションスイッチ操作判定手段90は、車両のイグニションスイッチ69がオン側へ操作されたか否かすなわちエンジン12がイグニションスイッチ69のオン操作とともに始動操作されたか否かをそれから出力される信号に基づいて判定する。動力伝達指令判定手段92は、上記イグニションスイッチ操作判定手段90によりイグニションスイッチ69がオン側へ操作されたことが判定された後においてシフトレバー67が非走行位置(たとえばNレンジまたはPレンジ)から走行位置(たとえばDレンジまたはRレンジ)へ最初に操作されることにより動力伝達指令が出されたか否かをシフトレバー操作位置センサ68からの信号に基づいて判定する。このシフトレバー67が非走行位置から走行位置へ操作されると、前進クラッチ38或いは後進ブレーキ40が係合させられて動力伝達経路が成立させられて、動力伝達可能状態とされる。このようなシフトレバー67の操作は、エンジン12が始動させられ且つブレーキが操作されたときに許容されるよく知られた機構が設けられており、エンジン始動開始から少なくとも一定の時間たとえば1秒程度の時間が経過してから実行されるので、油圧ポンプ54から吐出される作動油量或いは吐出圧が安定状態に到達したことを判定するために用いられる。第1経過時間判定手段93は、同様に、エンジン12の始動後に油圧ポンプ54から吐出される作動油量或いは吐出圧が安定状態に到達したことを判定するために設けられたものであり、イグニションスイッチ69がオン側へ操作すなわちエンジン12の始動操作からの経過時間が予め設定された第1の所定時間たとえば1秒程度の時間を超えたか否かを判定する。
戻り不良判定手段94は、車両停止時において伝動ベルト48の最大変速比側への戻りが不良であるか否か、すなわち車両停止時において前記変速制御手段88の制御によりベルト式無段変速機18の変速比γがその最大値γmax に戻されているか否かを、SRAMなどの記憶装置の記憶内容に基づいて判定する。車両停止判定手段96は、車両が停止しているか否かをたとえば車速センサ74からの出力信号に基づいて判定する。車両走行モード判定手段に対応するシフトレバー非走行位置判定手段98は、シフトレバー67が非走行位置(たとえばNレンジまたはPレンジの非走行モード)にあるか否かをシフトレバー操作位置センサ68からの信号に基づいて判定する。エンジン始動判定手段100は、エンジン12が始動したか否かをたとえばエンジン回転速度センサ73から出力されるエンジン回転速度NE に基づいて判定する。経過時間判定値決定手段102は、たとえば図8に示す予め記憶された関係から実際の作動油温TOIL に基づいてたとえば2秒程度の第2の所定時間である経過時間判定値αおよび第3の所定時間である経過時間判定値βを決定する。この関係は、作動油の温度TOIL が高くなるほど経過時間判定値αおよびβを短くするように予め実験的に求められたものであり、後述の急速充満制御を作動油の温度TOIL に拘らず必要かつ十分に適切な期間を実行させるためにその急速充満制御を適切なタイミングで終了させるためのものである。
前記RAMなどの記憶装置は、イグニションスイッチ69がオフ側へ操作されたにも拘らずその記憶内容を維持するものであり、前回走行後の車両停止時においてベルト式無段変速機18の変速比γがその最大値γmax に到達していない状態を記憶する。変速制御手段88は車両の停止に先立つ車速低下に伴ってベルト式無段変速機18の変速比γをその最大値γmax に向かって変化させるものであるので、通常の車両停止時には変速比γが最大値γmax まで戻されるが、圧雪、凍結路などの路面摩擦係数μが小さい低摩擦路面における制動停止時、或いは急制動停止時には、変速比γが最大値γmax まで戻されない場合がある。その変速比γが最大値γmax まで戻されない状態は、たとえば停止直前の入力軸回転速度NINおよび出力軸回転速度NOUT からの算出値、或いは図示しないセンサにより検出された入力側可変プーリ42或いは出力側可変プーリ46のV溝の溝幅などに基づいて判定される。
急速充満制御手段104は、イグニションスイッチ69がオン側へ操作されたエンジン12の始動要求後において一次側油圧シリンダ42cへ供給するために油圧ポンプ54から出力される作動油の油量或いは油圧が安定した状態に到達したときに、急増速変速モードを選択することにより上記一次側油圧シリンダ42cに対して作動油を急速に充満させる。すなわち、急速充満制御手段104は、上記イグニションスイッチ操作判定手段90によりイグニションスイッチ69がオン側へ操作されたことが判定されたこと、或いは第1経過時間判定手段93により、イグニションスイッチ69がオン側へ操作すなわちエンジン12の始動操作からの経過時間が予め設定された第1の所定時間たとえば1秒程度の時間を超えたことが判定されたことに基づいて、所定期間だけアップ変速制御弁50U を全開状態とすることにより入力側油圧シリンダ42cに対して作動油を急速に充満させる。すなわち、急速充満制御手段104は急速充満開始判定手段106を備えており、その急速充満開始判定手段106は、イグニションスイッチ操作判定手段90によりイグニションスイッチ69がオン側へ操作されたことが判定され、且つ、その判定後において、動力伝達指令判定手段92によりシフトレバー67が非走行位置から走行位置へ最初に操作されたことが判定されたこと、或いは第1経過時間判定手段93によりイグニションスイッチ69がオン側へ操作すなわちエンジン12の始動操作からの経過時間が予め設定された第1の所定時間たとえば1秒程度の時間を超えたことに基づいて、油圧ポンプ54から吐出された作動油がエンジン12の始動後に安定した状態に到達したと判定された場合は、所定期間だけアップ変速制御弁50U を全開状態として急増速モードとすることにより、入力側油圧シリンダ42cに対する作動油の急速充満を実行(開始)させる。
そして、上記急速充満制御手段104は、経過時間判定手段108および急速充満終了判定手段110を備えている。その急速充満終了判定手段110は、動力伝達指令判定手段92によりシフトレバー67が非走行位置から走行位置へ最初に操作されることにより動力伝達指令が出されたと判定されてからの経過時間が第2の所定時間である予め求められた経過時間判定値αを超えたことが経過時間判定手段108により判定され、且つレンジ切換完了判定手段112によりシフトレバー67が非走行位置から走行位置へ操作されたことにより動力伝達装置10内で動力伝達経路を形成するために実行される油圧制御が完了したと判定されたことに基づいてアップ変速制御弁50Uを全閉状態とすることにより、入力側油圧シリンダ42cに対して行われていた急速充満を停止させる。上記レンジ切換完了判定手段112は、たとえばシフトレバー67のN→D操作のときには前進クラッチ38を緩やかに係合させるために作動油の供給を緩やかとして前進クラッチ38の係合圧を緩やかに上昇させる油圧制御が完了したことを、エンジン回転速度NEなどに基づいて判定する。
また、急速充満制御手段104の急速充満開始判定手段106は、上記とは別に、車両停止判定手段96により車両の停止状態が判定され、戻り不良判定手段94により変速比γの戻りが不良であると判定され、エンジン始動判定手段100によりエンジン12が始動されたことが判定され、且つシフトレバー非走行位置判定手段98によりシフトレバー67が非走行位置に操作されていると判定されたことに基づいてアップ変速制御弁50U を全開状態とすることにより、入力側油圧シリンダ42cに対する急速充満を実行(開始)させる。そして、このような急速充満、すなわち車両停止状態においてベルト式無段変速機18の変速比γが最大値γmax に到達していないときにエンジン12の始動が行われ且つシフトレバー67が非走行位置に操作されているときに急速充満が開始された急速充満に対して、急速充満終了判定手段110は、エンジン始動判定手段100によりエンジン始動が判定されてからの経過時間が第3の所定時間である予め求められた経過時間判定値βを超えたことに基づいてアップ変速制御弁50U を全閉状態とすることにより、入力側油圧シリンダ42cに対する作動油の急速充満を終了させる。
図9は、電子制御装置66の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、所定のサイクルタイムたとえば数十m秒の周期で繰り返し実行されるものである。図9において、前記戻り不良判定手段94に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SA1では、記憶装置の記憶に基づいてベルト式無段変速機18の変速比γがその最大値γmax に戻っているか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合は、前記動力伝達指令判定手段92に対応するSA2において、イグニショックスイッチ69がオン操作され且つその後にシフトレバー67がNレンジ位置からDまたはRレンジ位置へ最初に操作されたか否かが判断される。このSA2の判断が否定される場合は前記第1経過時間判定手段93に対応するSA13において、イグニションキーによるエンジン12の始動開始からの経過時間がたとえば1秒程度の第1の所定時間を超えたか否かが判断される。このSA13の判断が肯定される場合はSA3以下が実行されるが、否定される場合はSA4の判断も否定されるので本ルーチンが終了させられる。
しかし、上記SA2の判断が肯定された場合は、前記急速充満制御手段104に対応するSA3においてアップ変速制御弁50Uが全開状態とされて、入力側油圧シリンダ42cに対する作動油の急速充満が実行される。図10および図11のt1 時点はこの状態を示す。次いで、SA4において急速充満制御中であるか否かが判断される。SA2の判断が肯定された場合はこのSA4の判断も肯定されるので、SA5において、SA2により動力伝達指令が出されたと判定されてからの経過時間が図8の関係から予め求められた経過時間判定値αを超え、且つシフトレバー67がNレンジ位置からDまたはRレンジ位置へ操作されたことによる油圧制御が完了したか否かが判定される。このSA5の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合はSA6においてアップ変速制御弁50Uが全閉状態とされることにより、入力側油圧シリンダ42cに対して行われていた急速充満が停止させられる。図10および図11のt3 時点はこの状態を示す。本実施例では、上記SA2およびSA3が前記急速充満開始判定手段106に対応し、上記SA5およびSA6が前記急速充満終了判定手段110に対応している。
前記SA1の判断が肯定される場合は、SA7ではエンジンの始動が行われたか否かが判断される。このSA7の判断が肯定される場合は、前記車両停止判定手段96に対応するSA8において車両が停止しているか否かが車速Vに基づいて判断される。このSA8の判断が肯定された場合は、前記シフトレバー非走行位置判定手段98に対応するSA9においてシフトレバー67がNレンジ位置またはPレンジ位置に操作されている車両非走行モードであるか否かが判断される。上記SA7、SA8、SA9の判断が共に肯定される場合は、前記急速充満開始判定手段106に対応するSA10においてアップ変速制御弁50U が全開状態とされることにより、入力側油圧シリンダ42cに対して作動油の急速充満が行われる。図12のt3 時点はこの状態を示す。しかし、上記SA7、SA8、SA9の判断のいずれかが否定された場合は、上記SA10の急速充満が実行されず、その次のSA11以下が実行される。
SA11では急速充満制御中であるか否かが判断される。上記SA7、SA8、SA9の判断のいずれかが否定された場合はこのSA11の判断も否定されて本ルーチンが終了させられるが、そのSA7、SA8、SA9の判断が共に肯定された場合はこのSA11の判断も肯定されるので、SA12においてエンジン始動からの経過時間が図8の関係から予め求められた経過時間判定値(第3の所定時間)βを超えたか否かが判断される。このSA12の判断が否定された場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合は、SA6において急速充満制御が終了させられる。図12のt4 時点はこの状態を示す。本実施例では、上記SA12およびSA6が前記急速充満終了判定手段110に対応している。
上述のように、本実施例によれば、エンジン12の始動要求後において入力側油圧シリンダ42cへ供給するために油圧ポンプ54から出力される作動油が安定した状態に到達したときには、急速充満制御手段104(SA3)により入力側油圧シリンダ42cに対して作動油が急速に充満させられることから、安定した作動油が油圧ポンプ54から入力側油圧シリンダ42cへ急速に供給されるときに油撃が発生しないので、入力側油圧シリンダ42cのシール部材47やそれの耐久性が損なわれることがない。
また、本実施例によれば、エンジン12の始動要求からの経過時間が予め設定された第1の所定時間を超えたか否かを判定する第1経過時間判定手段93(SA13)を含み、急速充満制御手段104(SA3)は、その第1経過時間判定手段93によりエンジンの始動要求からの経過時間が予め設定された第1の所定時間を超えたと判定された場合に、入力側油圧シリンダ42cに対して作動油を急速に充満させるものであるので、エンジンの始動要求からの経過時間を計時するためのタイマなどを用いることにより、容易に油圧ポンプ54から出力される作動油が安定した状態に到達したことが判定される。
また、本実施例によれば、急速充満制御手段104(SA3)は、イグニションスイッチ操作判定手段90によりイグニションスイッチ69がオン側へ操作されたことが判定され、且つ動力伝達指令判定手段92(SA2)によりシフトレバー67が非走行位置(N、P)から走行位置(D、R)へ最初に操作されたことに基づいて最初に動力伝達指令が出されたことが判定された場合に、入力側油圧シリンダ42cに対して作動油を急速に充満させるものであることから、シフトレバー67が非走行位置から走行位置へ最初に操作されたことに応答して作動油の急速充満が行われるので、適切なタイミングで急速充満が開始される。また、エンジン始動後にシフトレバー67が非走行位置から走行位置へ操作されたことを検出するスイッチからの信号によって上記動力伝達指令判定手段92の判定が行われ得るので、簡単な構成で油圧ポンプ54から出力される作動油が安定した状態に到達したことが判定される。
また、本実施例によれば、急速充満制御手段(SA5、SA6)は、シフトレバー67が非走行位置から走行位置へ最初に操作されてからの経過時間が予め求められた経過時間判定値(第2の所定時間)αを経過し、且つそのシフトレバー67が非走行位置から走行位置へ操作されたことにより動力伝達経路を形成するために実行される油圧制御たとえば前進クラッチ38を係合させるN→D制御が完了したことに基づいて入力側油圧シリンダ42cに対して作動油の急速充満を停止させるものであることから、シフトレバー67が非走行位置から走行位置へ最初に操作されてから第2の所定時間αを経過した時点およびシフトレバー67が非走行位置から走行位置へ操作されたことにより動力伝達経路を形成するために実行される油圧制御が完了した時点のいずれか遅い方の時点において急速充満が終了させられるので、必要かつ十分に急速充満が行われる利点がある。
また、本実施例によれば、上記第2の所定時間αすなわち経過時間判定値αは、前記作動油の温度が高くなるほど短くなるように予め求められた図8の関係から実際の作動油の温度TOIL に基づいて決定されたものであるので、作動油の温度TOIL に拘らず必要かつ十分に急速充満が行われるようになる。
また、本実施例によれば、イグニションスイッチ操作判定手段90によりイグニションスイッチ69がオン側へ操作されたことが判定されると、それに基づいて、急速充満制御手段104(SA2、SA3)により入力側油圧シリンダ42cに対して作動油の急速充満が行われることから、車速が所定値以下の状態や車両停止状態となる毎に一律に油圧シリンダへ急速充満する従来の場合に比較して、急速充満の頻度が大幅に低くなるので、伝動ベルト(動力伝達部材)48の耐久性を損なうことなく長期停止後の車両の走行に際して入力側油圧シリンダ42cの急速充満を行うことができる。
また、本実施例によれば、車両停止状態においてベルト式無段変速機18の変速比γが最大値γmax に到達しているか否かを判定する戻り不良判定手段94と、エンジンの始動が行われたか否かを判定するエンジン始動判定手段100と、シフトレバー67が非走行位置に操作されていることを判定するシフトレバー非走行位置判定手段98とが設けられ、急速充満制御手段104(SA10)は、戻り不良判定手段94によりベルト式無段変速機18の変速比γが最大値γmax に到達していないと判定され、エンジン始動判定手段100によりエンジン12の始動が行われたと判定され、且つシフトレバー非走行位置判定手段98によりシフトレバー67が非走行位置に操作されていると判定されたことに基づいて、入力側油圧シリンダ42cに対して作動油を急速に充満させるものである。車両停止状態においてベルト式無段変速機18の変速比γが最大値γmax に到達していない場合、たとえば低μ路での制動や急制動によりベルト式無段変速機18の変速比γが最大値γmax に到達させられる前に車両が停止させられた場合には、入力側油圧シリンダ42c内の作動油の急排出途中で車両が停止されて、その後の再発進時においてはその油圧シリンダ内の作動油不足傾向にあるが、上記によれば、そのような状態においても好適に急速充満が行われる。
また、本実施例によれば、好適には、ベルト式無段変速機18の変速比γが最大値γmax に到達していない状態は、イグニションスイッチ69がオフ側へ操作されたにも拘らず記憶する記憶装置が備えられているので、イグニションスイッチがオフ側へ一旦操作された後にそのイグニションスイッチ69がオン側へ操作された後においても、ベルト式無段変速機18の変速比γが最大値γmax に到達していない状態が判定される。
また、本実施例によれば、急速充満制御手段104(SA12、SA6)は、車両停止状態においてベルト式無段変速機18の変速比γが最大値γmax に到達していないときにエンジンの始動が行われ且つシフトレバー67が非走行位置に操作されているときに急速充満が開始された場合は、エンジン始動からの経過時間が第3の所定時間βを超えたことに基づいて入力側油圧シリンダ42cに対する作動油の急速充満を終了させるものであるので、ベルト式無段変速機18の変速比γが最大値γmax に到達していないときにエンジン12の始動時に開始された急速充満期間が必要かつ十分に行われる。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例においては、伝動ベルト48が巻きかけられた1対の可変プーリ42、46を備えた所謂ベルト式無段変速機18が用いられていたが、トロイダル型無段変速機などの他の無段変速機にも本発明は適用され得る。要するに、入力側回転体および出力側回転体の間に挟圧状態で介在させられた動力伝達部材のその入力側回転体および出力側回転体に対する接触位置が変更されることにより変速比が無段階に変化させられる無段変速機であればよいのである。
また、前述の実施例において、作動油の急速充満は入力側油圧シリンダ42cに対して実行されていたが、出力側油圧シリンダ46cに対して実行されてもよい。
また、前述の実施例において、経過時間判定値αおよびβは、経過時間判定値決定手段102より図8の関係から実際の作動油の温度TOIL に基づいて決定されていたが、それ程精度が要求されない場合には一定値が用いられてもよい。
また、前述の実施例において、経過時間判定値決定手段102より決定される経過時間判定値αおよびβは、相互に異なる値であってもよいし、同じ値であってもよい。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
12:エンジン
18:ベルト式無段変速機(無段変速機)
42c:入力側油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
48:伝動ベルト(動力伝達部材)
54:油圧ポンプ
90:イグニションスイッチ操作判定手段
92:動力伝達指令判定手段
93:第1経過時間判定手段
94:戻り不良判定手段
98:シフトレバー非走行位置判定手段(車両走行モード判定手段)
100:エンジン始動判定手段
104:急速充満制御手段
108:経過時間判定手段(第2経過時間判定手段、第3経過時間判定手段)
18:ベルト式無段変速機(無段変速機)
42c:入力側油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
48:伝動ベルト(動力伝達部材)
54:油圧ポンプ
90:イグニションスイッチ操作判定手段
92:動力伝達指令判定手段
93:第1経過時間判定手段
94:戻り不良判定手段
98:シフトレバー非走行位置判定手段(車両走行モード判定手段)
100:エンジン始動判定手段
104:急速充満制御手段
108:経過時間判定手段(第2経過時間判定手段、第3経過時間判定手段)
Claims (2)
- 油圧アクチュエータにより押圧される動力伝達部材を介して動力が伝達されるとともに、該油圧アクチュエータに対する作動油の供給排出を制御することにより無段階に変速を行う車両用無段変速機の油圧制御装置であって、
車両停止状態において前記無段変速機の変速比が最大値に到達しているか否かを判定する戻り不良判定手段と、
エンジンの始動が行われたか否かを判定するエンジン始動判定手段と、
車両の非走行モードおよび走行モードのいずれが選択されているかを判定する車両走行モード判定手段と、
前記戻り不良判定手段により前記無段変速機の変速比が最大値に到達していないと判定され、前記エンジン始動判定手段によりエンジンの始動が行われたと判定され、且つ前記車両走行モード判定手段により車両の非走行モードが判定されたことに基づいて、前記油圧アクチュエータに対して作動油を急速に充満させると共に、前記エンジン始動からの経過時間が第3の所定時間を超えたことに基づいて前記油圧アクチュエータに対する作動油の急速充満を終了させる急速充満制御手段と
を、含むことを特徴とする車両用無段変速機の油圧制御装置。 - 前記無段変速機の変速比が最大値に到達していない状態を車両のイグニションスイッチがオフ側へ操作されたにも拘らず記憶する記憶手段が備えられたものである請求項1の車両用無段変速機の油圧制御装置。
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Citations (3)
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JPH06264999A (ja) * | 1993-03-08 | 1994-09-20 | Mazda Motor Corp | 無段変速機の油圧制御装置 |
JPH08178036A (ja) * | 1994-12-28 | 1996-07-12 | Aisin Seiki Co Ltd | 変速機制御装置 |
JP2000055176A (ja) * | 1998-07-14 | 2000-02-22 | Zahnradfab Friedrichshafen Ag | 絶対位置発生器を有していない距離及び又は角度調整機構を制御する方法及び調整機構 |
-
2009
- 2009-12-28 JP JP2009298938A patent/JP2010071471A/ja active Pending
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