JP2010071133A - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料ポンプ下流の燃料配管内の圧力が目標燃圧に近づくように前記燃料ポンプを制御するエンジンの燃料供給装置において、燃料ポンプの故障時に燃圧が過剰に上昇することを防止又は抑止できるようにする。
【解決手段】燃料ポンプの故障状態において、燃料配管内の圧力が目標燃圧よりも高くなると、前記燃料配管内の燃料を燃料タンクに戻すリリーフパイプを開閉する電磁リリーフ弁を開操作して、前記燃料配管内の燃料を燃料タンク内に戻す。これにより、燃料ポンプが故障しても、燃料配管内の燃料の圧力が過剰に高くなることを抑止でき、燃料噴射弁からの燃料漏れの発生等を未然に防止できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料ポンプによって燃料をエンジンの燃料噴射弁に向けて圧送する装置であって、前記燃料ポンプ下流の燃料配管内の圧力が目標燃圧に近づくように、前記燃料ポンプを制御するエンジンの燃料供給装置に関する。
特許文献1には、燃料ポンプから燃料噴射量に対応する量の燃料だけを燃料噴射弁に供給することで、燃料噴射弁から燃料タンクへの余剰燃料の戻し配管を不要とした、所謂リターンレス燃料供給システムが開示されている。
特開2003−184611号公報
ところで、リターンレス燃料供給システムでは、燃料ポンプの吐出量を制御することで燃圧を制御するので、燃料ポンプの吐出量を要求通りに制御することができない燃料ポンプの故障状態になると、燃圧が目標燃圧からずれてしまう。
特に、燃料ポンプが要求よりも高い吐出量を維持するために、燃圧が目標よりも高い値になってしまうと、燃料噴射弁からの燃料漏れが発生したり、燃料噴射弁における燃料の計量精度の低下や燃料噴霧の貫徹力の変化によって、混合気の形成精度が悪化したりするという問題が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、所謂リターンレス燃料供給システムにおいて、燃料ポンプが故障しても、過剰に高い燃圧に保持されてしまうことを回避できる、エンジンの燃料供給装置を提供とすることを目的とする。
そのため、本発明に係るエンジンの燃料供給装置では、燃料ポンプ下流の燃料配管内の圧力が目標燃圧に近づくように前記燃料ポンプを制御する一方、燃料ポンプの故障が判定された場合に、リリーフ手段を操作して前記燃料配管内の燃料の燃料タンク内への戻しを制御することで、前記燃料配管内を減圧するようにした。
上記発明によると、燃料ポンプが故障し、かつ、該故障状態における燃料の吐出量が過剰であったとしても、リリーフ手段によって燃料配管内の燃料を燃料タンク内へ戻すことで、燃料配管内を減圧させることが可能であり、過剰に高い燃圧に保持されてしまうことを防止又は抑制できる。
従って、燃料ポンプが故障しても、燃料噴射弁からの燃料漏れ等が発生することを未然に防止できる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態における車両用エンジンの燃料供給装置を示す図である。
図1において、燃料タンク1は、エンジン(内燃機関)10の燃料(例えばガソリン)を貯留するタンクである。
前記燃料タンク1には、給油キャップ2で閉塞される給油口3が開口されており、給油キャップ2を外して前記給油口3から燃料が補給される。
前記燃料タンク1内には、図示省略したブラケットによって電動式の燃料ポンプ4が設置されている。
前記燃料ポンプ4は、燃料タンク1内の燃料を吸い込み口から吸い込んで吐出口から吐き出す、例えばタービン式のポンプであり、前記吐出口には、燃料パイプ5aの一端が接続されている。
前記燃料パイプ5aの他端には、燃料ポンプ4から後述する燃料噴射弁9に向かう燃料の流れを通過させ、前記燃料噴射弁9側から燃料ポンプ4に向かう流れ(逆流)を阻止する機械式逆止弁7(一方向弁)の入り口側が接続される。
前記逆止弁7の出口には、燃料パイプ5bの一端が接続され、前記燃料パイプ5bの他端は、燃料ギャラリーパイプ8に接続される。
前記燃料パイプ5a,燃料パイプ5b及び燃料ギャラリーパイプ8によって、燃料ポンプ4から燃料噴射弁9に向けた圧送経路(燃料配管)が形成される。
前記燃料ギャラリーパイプ8には、その延設方向に沿って気筒数(本実施形態は4気筒)と同じ数の噴射弁接続部8aが設けられ、各噴射弁接続部8aそれぞれには、燃料噴射弁9の燃料取り入れ口がそれぞれ接続される。
前記燃料噴射弁9は、電磁コイルへの通電によって磁気吸引力が発生すると、スプリングによって閉弁方向に付勢されている弁体がリフトして開弁し、燃料を噴射する、電磁式噴射弁である。
前記燃料噴射弁9は、例えばエンジン10の各気筒の吸気ポート部にそれぞれ設置され、各気筒それぞれに燃料を噴射供給する。
また、前記燃料ギャラリーパイプ8内と燃料タンク1内とを連通させるリリーフパイプ12が設けられて、前記リリーフパイプ12の途中には、電磁リリーフ弁13が介装されている。
前記電磁リリーフ弁13が開弁すると、前記リリーフパイプ12を介して前記燃料ギャラリーパイプ8内の燃料が前記燃料タンク1内にリリーフされる(戻される)ことで、前記燃料ギャラリーパイプ8内の燃料圧力が降下(減圧)する。
前記電磁リリーフ弁13は、電磁コイルに通電されることで開弁して前記リリーフパイプ12を開放させ、非通電時には閉弁状態を保持して前記リリーフパイプ12を閉塞させる電磁バルブであり、一般的なバタフライバルブを用いることができる他、例えば、前記燃料噴射弁9を前記電磁リリーフ弁13として用いることが可能である。
上記のように、前記電磁リリーフ弁13は、電磁コイルへの通電を制御する操作信号(通電制御信号)に基づいて動作し、前記燃料ギャラリーパイプ8(燃料配管)内の燃料の前記燃料タンク1内への戻しを制御するリリーフ手段に相当する。
但し、リリーフ手段を、電磁バルブとしての電磁リリーフ弁13に限定するものではなく、油圧、空気圧、モータなどのアクチュエータで動作するバルブであっても良い。
また、前記電磁リリーフ弁13(リリーフ手段)は、後述するように、燃圧制御に用いられるから、開弁によって前記燃料ギャラリーパイプ8(燃料配管)内の圧力が直ぐに抜けてしまうことのないように、オリフィス部を開閉する構造のバルブとするか、前記リリーフパイプ12にオリフィスを設けるようにすることが好ましい。
マイクロコンピュータを内蔵する電子制御ユニット(ECU)11は、前記燃料噴射弁9それぞれに対して個別に開弁制御パルス信号を出力して、各燃料噴射弁9による燃料噴射量及び噴射時期を制御すると共に、前記燃料ポンプ4の吐出量及び前記電磁リリーフ弁13による燃料のリリーフを制御することで、前記燃料ギャラリーパイプ8内の燃圧(燃料供給圧)を制御する機能を有している。
前記電子制御ユニット11には、各種センサからの検出信号が入力される。
前記各種センサとしては、エンジン10の吸入空気流量Qaを検出するエアフローセンサ21、クランクシャフトの所定角度位置毎に検出信号POSを出力するクランク角センサ22、エンジン10の冷却水温度Twを検出する水温センサ23、前記燃料ギャラリーパイプ8内における燃料の圧力PFを検出する燃圧センサ24、前記燃料ギャラリーパイプ8内における燃料の温度TFを検出する燃温センサ25などが設けられている。
そして、前記電子制御ユニット11は、そのときのシリンダ吸入空気量に対して目標空燃比の混合気を形成させることができる燃料量を、前記エアフローセンサ21,クランク角センサ22,水温センサ23などからの検出信号に基づき演算し、前記燃料量に対応する噴射パルス幅の開弁制御パルス信号を、燃料噴射弁9に出力する。
また、前記電子制御ユニット11は、ポンプ制御手段としての機能を有し、前記燃圧センサ24で検出される実際の燃圧が目標燃圧に近づくように、例えば、実際の燃圧と目標燃圧との偏差に基づく比例・積分・微分制御によって前記燃料ポンプ4の通電制御信号のデューティ比(操作量)をフィードバック制御することで、燃料ポンプ4の駆動電流を変化させ、実際の燃圧が目標燃圧に近づくように燃料ポンプ4の吐出量(回転速度)を制御する。
尚、前記燃料ポンプ4のフィードバック制御における目標燃圧は、予め設定された固定値であっても良いし、エンジン10の運転条件(エンジン負荷・エンジン回転速度・エンジン温度・エンジン始動状態など)に基づいて可変に設定させることができる。
また、前記噴射パルス幅の演算においては、燃圧によって単位開弁時間当たりの噴射量が変化するので、目標燃圧(目標燃圧と吸気管内圧との差圧)の条件下で要求燃料量が噴射されるように、目標燃圧又は前記燃圧センサ24で検出される実際の燃圧に基づいて噴射パルス幅(噴射時間)が補正される。
更に、前記電子制御ユニット11は、前記燃料ポンプ4の故障の有無を診断する診断手段としての機能、及び、燃料ポンプ4の故障発生時に前記電磁リリーフ弁13(リリーフ手段)を制御する故障時減圧手段としての機能を有しており、以下では、前記診断手段及び故障時減圧手段の機能(ポンプ故障時制御機能)を詳細に説明する。
図2は、ポンプ故障時の燃圧制御の第1実施形態を示し、まず、ステップS101では、燃料ポンプ4が故障しているか否かを判断する。
前記燃料ポンプ4の故障には、燃料ポンプ4自体の機械的或いは電気的な故障の他、燃料ポンプ4(モータ)への通電をスイッチングする駆動回路(トランジスタ)の故障などが含まれ、操作量と吐出量との相関が初期状態から変化していると見なされる場合に故障を判定する。
尚、前記燃料ポンプ4の故障診断については、後で詳細に説明する。
燃料ポンプ4が正常であれば、ステップS102,ステップS103を迂回し、再度ステップS101の処理から繰り返されるようにする。
即ち、燃料ポンプ4が正常であれば、前記電磁リリーフ弁13を閉状態に保持し、燃料ポンプ4の吐出量(駆動電流)のフィードバック制御によって燃圧を目標燃圧に制御する。
一方、燃料ポンプ4が故障している場合には、ステップS102へ進み、前記燃圧センサ24で検出される実際の燃圧が目標燃圧よりも大きいか否かを判断する。
尚、前記ステップS102で実際の燃圧と比較する目標燃圧は、前記燃料ポンプ4のフィードバック制御における目標燃圧と同じとすることができ、また、前記燃料ポンプ4のフィードバック制御における目標燃圧を、燃料ポンプ4が正常状態であるか故障状態であるかによって切り替える構成とすることができる。
また、前記ステップS102で実際の燃圧と比較する目標燃圧を、燃料ポンプ4のフィードバック制御における目標燃圧とは個別に設定される、燃料ポンプ4の故障時専用の目標燃圧とすることができる。
更に、ステップS102で実際の燃圧と比較する目標燃圧を、燃料ポンプ4の故障状態で実際に生じた最大燃圧に基づいて設定させることができ、また、前記最大燃圧を上回る燃圧の要求をキャンセルすることができる。
ステップS102で、実際の燃圧が目標燃圧よりも高いと判断された場合には、ステップS103へ進み、前記電磁リリーフ弁13を開成させる操作信号を出力して(前記電磁リリーフ弁13に通電して)、前記燃料ギャラリーパイプ8内の燃料を燃料タンク1内にリリーフさせる。
一方、ステップS102で、実際の燃圧が目標燃圧以下であると判断された場合には、ステップS103を迂回して進むことで、前記電磁リリーフ弁13を閉状態に保持させ、前記燃料ギャラリーパイプ8内からの燃料のリリーフは行わない。
上記のように、燃料ポンプ4の故障が診断されている状態で、実際の燃圧が目標燃圧よりも高くなった場合に、電磁リリーフ弁13を開操作すれば、前記燃料ギャラリーパイプ8内が減圧されて、実際の燃圧が目標燃圧を上回る状態が解消され、目標燃圧の維持が図られる。
従って、燃料ポンプ4の故障によって、実際の燃圧を目標燃圧付近に制御することができずに目標燃圧よりも高くなって、燃料噴射弁9などから燃料漏れが発生したり、燃料噴射弁における燃料の計量精度の低下や燃料噴霧の貫徹力の変化などによって、混合気の形成精度が悪化したりすることを未然に防止できる。
即ち、燃料ポンプ4が故障して、例えば、最大吐出量付近に吐出量が固定されてしまうと、燃圧が目標燃圧を超えるようになってしまい、かつ、燃料ポンプ4の制御によっては燃圧を低下させることができなくなる。
係る状態で、前記電磁リリーフ弁13を開操作して、前記燃料ギャラリーパイプ8内の燃料を燃料タンク1内にリリーフさせれば、たとえ燃料ポンプ4が過剰な燃料を吐出している状態であっても、前記燃料ギャラリーパイプ8内の燃圧を目標燃圧に向けて低下(減圧)させることができる。
尚、目標燃圧と実際の燃圧との比較に基づく前記電磁リリーフ弁13の開閉制御においては、ヒステリシスを持たせ、例えば、目標燃圧よりも所定以上に高くなってから電磁リリーフ弁13を開き、目標燃圧付近にまで低下してから電磁リリーフ弁13を閉じるようにすることができる。
また、燃料ポンプ4の故障状態において、正常時と同様に、目標燃圧と実際の燃圧との偏差に基づいて燃料ポンプ4の操作量をフィードバック制御させても良いが、前記目標燃圧よりも低い許容最低燃圧と実際の燃圧との偏差に基づいてフィードバック制御させることができる。
更には、前記許容最低燃圧を実際の燃圧が下回っている場合に燃料ポンプ4を一定の操作量(例えば最大駆動電流)で作動させ、実際の燃圧が前記許容最低燃圧以上であるときに、電流供給を遮断して燃料ポンプ4の作動を停止させるか、燃圧を増大させないレベルの電流値にまで低下させることもできる。
また、燃料ポンプ4の故障として、燃料ポンプ4の駆動電流が、操作量に対応しない異常に高い値を示す場合に、操作量の可変範囲を制限して、駆動電流を低下させることが好ましい。
また、燃料ポンプ4の故障が、吐出量が初期状態よりも減少する故障である場合には、故障状態で可能な最大吐出量で動作させるべく、最大駆動電流の供給状態に固定させることができる。
また、燃料ポンプ4の故障状態であって、実際の燃圧が目標燃圧よりも高い場合に、目標燃圧と実際の燃圧との偏差が大きいほど、及び/又は、実際の燃圧の上昇速度が速いほど、前記燃料ギャラリーパイプ8からリリーフさせる燃料量が多くなるように、電磁リリーフ弁13を制御することができる。
更に、燃料タンク1内や燃料ギャラリーパイプ8内の燃料温度・エンジン温度などの燃料供給装置の温度条件が高いほど、前記燃料ギャラリーパイプ8からリリーフさせる燃料量が多くなるように、電磁リリーフ弁13を制御することができる。
温度条件が高いとそれだけ燃圧が上昇し易く、低温時と同じ量の燃料をリリーフしたのでは、燃圧を充分に降下させることができなくなる場合があるので、温度条件が高いほどリリーフ量を多くして、高温条件であっても燃圧を効果的に低下させることができるようにする。
前記リリーフ量の調整は、例えば、前記電磁リリーフ弁13の通電をデューティ制御するようにし、デューティ比を変化させることで行える。
図3のフローチャートは、ポンプ故障時の燃圧制御の第2実施形態を示す。
第2実施形態は、燃料ポンプ4の故障時における目標燃圧を、燃料ポンプ4の正常状態での目標燃圧とは個別に設定することを特徴とする。
図3のフローチャートにおいて、ステップS201では、燃料ポンプ4が故障しているか否かを判断する。
そして、燃料ポンプ4が故障している場合には、ステップS202へ進み、燃料ポンプ4の故障状態における目標燃圧を設定する。
具体的には、燃料噴射弁9などからの燃料漏れを抑止でき、また、ポンプ正常時よりも噴射量が過剰になって空燃比をオーバーリッチ化させることのない燃圧を、故障状態における目標燃圧とする。
また、燃料ポンプ4の故障によって、過渡運転時(加速のための高負荷運転時)に燃料不足となることが見込まれる場合には、目標燃圧を少し高めに設定することで、燃料ポンプ4の故障によって過渡運転時に燃料不足となってしまうことを抑止できる。
更に、燃料ポンプ4の故障時における目標燃圧を、前記燃料供給装置の温度条件に応じて補正することができる。
前記燃料供給装置の温度条件とは、燃料ギャラリーパイプ8又は燃料タンク1内の燃料温度、外気温度、水温TW(エンジン温度)などであって、燃料ギャラリーパイプ8の燃圧に影響を与える温度条件である。
前記温度条件が高い場合には、燃圧が上昇し易く、実際の燃圧が目標燃圧を超えたことに基づいて電磁リリーフ弁13を開制御しても、燃圧上昇を充分に抑制できなくなる場合があるので、予め目標燃圧を低めに設定して、燃圧上昇の抑制を図る。
例えば、本実施形態のように、前記燃料ギャラリーパイプ8内における燃料の温度TFを検出する燃温センサ25を備えている場合には、この燃温センサ25で検出される燃料の温度TFが高いほど、目標燃圧をより低い値とする。
ステップS202で、燃料ポンプ4の故障状態における目標燃圧を設定すると、次のステップS203では、前記燃圧センサ24で検出される実際の燃圧が、ステップS202で設定した目標燃圧よりも高いか否かを判別する。
そして、ステップS203で実際の燃圧が目標燃圧よりも高いと判断された場合には、ステップS204へ進み、前記電磁リリーフ弁13を開操作して、前記燃料ギャラリーパイプ8の燃料を燃料タンク1内にリリーフさせる。
従って、燃料ポンプ4の故障状態において、故障時に最適な目標燃圧よりも実際の燃圧が高くなることを回避して、目標燃圧の維持が図られ、燃料噴射弁9などからの燃料漏れや空燃比のオーバーリッチ化を未然に防止できる。
尚、上記第2実施形態において、燃料ポンプ4の制御やリリーフ量の制御を、第1実施形態と同様にして行わせることができる。
即ち、燃料ポンプ4の故障状態において、故障時用の目標燃圧と実際の燃圧との偏差に基づいて燃料ポンプ4の操作量をフィードバック制御させることができる他、前記目標燃圧よりも低い許容最低燃圧と実際の燃圧との偏差に基づいてフィードバック制御させることができる。
更には、前記許容最低燃圧を実際の燃圧が下回っている場合に燃料ポンプ4を一定の操作量(例えば最大電流)で作動させ、実際の燃圧が前記許容最低燃圧以上であるときに、電流供給を遮断して燃料ポンプ4の作動を停止させるか、燃圧を増大させないレベルの電流値にまで低下させることもできる。
また、燃料ポンプ4の故障が、吐出量が初期状態よりも減少する故障である場合には、故障状態で可能な最大吐出量で動作させるべく、最大電流の供給状態に固定させることができる。
また、リリーフ量を温度条件に応じて可変に設定することができる。
図4のフローチャートは、ポンプ故障時の燃圧制御の第3実施形態を示す。
第3実施形態は、燃料ポンプ4に故障が発生した場合に、電磁リリーフ弁13による燃料配管内の減圧を制御すると共に、エンジン10の運転領域を制限することを特徴とする。
図4のフローチャートにおいて、ステップS301では、燃料ポンプ4が故障しているか否かを判断する。
そして、燃料ポンプ4が故障している場合には、ステップS302へ進み、エンジン10の運転領域を制限する処理を行う(運転領域制限手段)。
具体的には、予めエンジン負荷とエンジン回転速度とに応じて燃料カット領域を設定したマップ(図5参照)を参照し、現在のエンジン負荷及びエンジン回転速度が燃料カット領域に該当しているか否かを判断する。
そして、現在のエンジン負荷及びエンジン回転速度が燃料カット領域に該当している場合には、燃料噴射弁9による燃料噴射を継続して停止させる。
尚、エンジン負荷は、シリンダ吸入空気量、該シリンダ吸入空気量に基づき演算される基本燃料噴射量、スロットル開度(アクセル開度)、吸気管負圧などで代表させることができる。
燃料ポンプ4が故障し、例えば吐出量が正常時よりも少なくなると、高負荷・高回転域で燃料ポンプ4からの吐出量が不足して、燃料噴射弁9から目標空燃比に見合った量よりも少ない量の燃料しか噴射させることができなくなってしまう可能性がある。
この場合、空燃比がオーバーリーン化し、失火により未燃ガス(HC)が排出されてしまったり、失火せずに燃焼しても排気温が高くなって排気系部品(排気浄化触媒や空燃比センサなど)が損傷したりする。
そこで、上記のような吐出量不足による空燃比のオーバーリーン化を回避するために、ポンプ吐出量の要求(燃料消費)が多くなる高負荷域及び高回転域において燃料カットを実行して、高負荷域及び高回転域での運転を回避し、吐出量(燃料供給量)の不足が生じない低中負荷・低中回転域でエンジン10を運転させることで、空燃比のオーバーリーン化による未燃ガス(HC)の排出や排気系部品の損傷を抑制又は防止する。
尚、例えば電子制御スロットルを備えたエンジンでは、燃料ポンプ4の故障状態において、前記電子制御スロットルの最大開度を正常時よりも低く制限すること、即ち、最大吸入空気量を正常時よりも少なく量に制限することで、高負荷域でのエンジン10の運転を回避することが可能である。
また、燃料ポンプ4の故障状態で吐出可能な最大量に基づいて、エンジン10の運転を禁止する領域(エンジン10の運転領域)を可変に設定することができる。
即ち、燃料ポンプ4の故障状態で、吐出可能な最大量が正常時よりも少ないほど、エンジン10の運転領域を低負荷・低回転側の狭い領域に限定し、逆に、燃料ポンプ4の故障状態であっても吐出可能な最大量が比較的多ければ、より高負荷・高回転側まで運転域を拡大してエンジンを運転させることが可能である。
また、燃料ポンプ4の故障状態によっては、ポンプ吐出量を少なく絞ることができなくなる(例えば、最大吐出量状態に固定されてしまう)場合があり、このような場合は、高負荷・高回転域でエンジン10を運転させても、燃料不足になることがない。
そこで、故障によってポンプ吐出量が正常時よりも低下しているときに、エンジン10の高負荷・高回転域での運転を禁止して低中負荷・低中回転域で運転させ、故障状態であっても最大吐出量が正常時と略同等に確保されているときには、エンジン10の運転領域を制限しない設定とすることができる。
更に、燃料ポンプ4の故障時におけるエンジン10の運転領域の制限として、例えば、最大車速を正常時よりも低く設定し、高車速側での運転を禁止し、低車速で運転させるようにすることができる。
ステップS303では、前記燃圧センサ24で検出される実際の燃圧が、目標燃圧よりも高いか否かを判別する。
そして、ステップS303で実際の燃圧が目標燃圧よりも高いと判断された場合には、ステップS304へ進み、前記電磁リリーフ弁13を開操作して、前記燃料ギャラリーパイプ8の燃料を燃料タンク1内にリリーフさせる。
従って、燃料ポンプ4の故障に伴って燃圧が過剰に高くなり、燃料噴射弁9などから燃料漏れが発生したり、燃料噴射弁9における燃料の計量精度の低下や燃料噴霧の貫徹力の変化によって、混合気の形成精度が悪化したりすることを未然に防止できる。
尚、第3実施形態において、燃料ポンプ4の制御やリリーフ量の制御を、第1実施形態と同様にして行わせることができ、更に、第2実施形態のようにして故障発生時の目標燃圧を設定させることができる。
図6のフローチャートは、ポンプ故障時制御の第4実施形態を示す。
この第4実施形態では、燃料ポンプ4の故障状態で、実際の燃圧が設定値を下回ったときに、エンジン10の運転を停止させることを特徴とする。
図6のフローチャートにおいて、ステップS401では、燃料ポンプ4が故障しているか否かを判断する。
そして、燃料ポンプ4が故障している場合には、ステップS402へ進み、前記燃圧センサ24で検出された実際の燃圧が、予め設定された下限圧(≦目標燃圧)よりも低いか否かを判別する。
実際の燃圧が下限圧(許容最低値)よりも低い場合には、ステップS403へ進み、エンジン10の運転(燃料噴射・点火)を停止させる(運転停止手段)。
即ち、燃料ポンプ4の故障によって実際の燃圧が目標燃圧を下回るようになっている場合には、エンジン10における燃料の消費量よりも燃料ポンプ4が吐出できる燃料量が少なくなっているものと推定され、このような状態でエンジン10の運転を継続させると、燃料不足によって空燃比がオーバーリーン化し、失火により未燃ガス(HC)が排出されてしまったり、失火せずに燃焼しても排気温が高くなって排気系部品(排気浄化触媒や空燃比センサなど)が損傷したりする。
そこで、失火や排気系部品(排気浄化触媒や空燃比センサなど)の損傷を回避すべく、実際の燃圧が下限圧(≦目標燃圧)を下回るようになると、エンジン10の運転を停止させ、空燃比のオーバーリーン状態で運転されることがないようにする。
尚、実際の燃圧が目標燃圧を僅かに下回る程度の場合には、燃料カットやスロットル開度の制限などによってエンジン10を低負荷域に限定して運転させ、実際の燃圧が目標燃圧よりも大きく低下した時点でエンジン10の運転を停止させることができる。
前記ステップS402で、実際の燃圧が前記下限圧(≦目標燃圧)以上であると判断された場合には、ステップS404へ進み、前記燃圧センサ24で検出される実際の燃圧が、目標燃圧よりも高いか否かを判別する。
そして、ステップS404で実際の燃圧が目標燃圧よりも高いと判断された場合には、ステップS405へ進み、前記電磁リリーフ弁13を開操作して、前記燃料ギャラリーパイプ8の燃料を燃料タンク1内にリリーフさせる。
従って、燃料ポンプ4の故障に伴って燃圧が過剰に高くなり、燃料噴射弁9などから燃料漏れが発生したり、燃料噴射弁における燃料の計量精度の低下や燃料噴霧の貫徹力の変化によって、混合気の形成精度が悪化したりすることを未然に防止できる。
尚、第4実施形態において、燃料ポンプ4の制御やリリーフ量の制御を、第1実施形態と同様にして行わせることができ、更に、第2実施形態のようにして故障発生時の目標燃圧を設定させることができる。
図7のフローチャートは、ポンプ故障時制御の第5実施形態を示す。
前記第1〜第4実施形態では、燃料ポンプ4の故障時においてのみ、前記電磁リリーフ弁13を開操作し、燃料ギャラリーパイプ8内の燃料を燃料タンク1に戻すようにしたが、第5実施形態では、燃料ポンプ4が正常に動作している状態においても、燃圧を低下させるための手段として前記電磁リリーフ弁13(リリーフ手段)を用いることを特徴とする。
図7のフローチャートにおいて、ステップS501では、燃料ポンプ4が故障しているか否かを判断する。
そして、燃料ポンプ4が故障している場合には、ステップS502へ進み、前記燃圧センサ24で検出される実際の燃圧が目標燃圧よりも高いか否かを判別する。
ステップS502で実際の燃圧が目標燃圧よりも高いと判断された場合には、ステップS504へ進み、前記電磁リリーフ弁13を開操作して、前記燃料ギャラリーパイプ8の燃料を燃料タンク1内にリリーフさせる。
これにより、燃料ポンプ4が故障し、実際の燃圧が目標燃圧を上回るようになったときに、実際の燃圧を速やかに低下させることができ、燃料噴射弁9などから燃料漏れが発生したりすることを未然に防止できる。
一方、ステップS501で、燃料ポンプ4が正常であると判断されると、ステップS503へ進む。
ステップS503では、実際の燃圧から目標燃圧(噴射時の目標燃圧)を減算した結果が、閾値以上であるか否か、換言すれば、実際の燃圧が目標燃圧よりも閾値(≧0)以上に(許容最大値よりも)高くなっているか否かを判断する。
前記閾値は、燃料噴射弁9からの燃料漏れが発生する値である。
そして、実際の燃圧が目標燃圧よりも閾値以上に高くなっている場合(実際の燃圧が許容最大値よりも高くなっている場合)には、ステップS504へ進み、前記電磁リリーフ弁13を開操作して、前記燃料ギャラリーパイプ8の燃料を燃料タンク1内にリリーフさせる(最大燃圧制御手段)。
即ち、実際の燃圧が目標燃圧よりも高い場合には、燃料ポンプ4の吐出量を減少させることで、燃料噴射弁9から噴射される燃料量(燃料消費量)よりも燃料ポンプ4の吐出量を少なくし、燃圧を低下させるように制御されるが、燃料噴射弁9からの噴射量が少ない運転条件では、燃圧がなかなか低下せず、実際の燃圧が目標燃圧よりも高い状態が長引くことがある。
そこで、燃料ポンプ4の正常状態であっても、実際の燃圧が目標燃圧よりも閾値以上に高くなっている場合には、前記電磁リリーフ弁13を開操作して、前記燃料ギャラリーパイプ8の燃料を燃料タンク1内にリリーフさせることで、燃圧を応答良く低下させる。
従って、例えば目標燃圧が低下した場合などにおいて、実際の燃圧を速やかに低下させて、目標燃圧の変化に応答良く追従変化させることができ、燃料ポンプ4の正常状態において、安定的に目標燃圧付近で燃料噴射を行わせることができる。
尚、上記第5実施形態において、燃料ポンプ4の故障時における処理を、第2〜第4実施形態と同様に行わせることができる。
図8のフローチャートは、ポンプ故障時制御の第6実施形態を示す。
この第6実施形態では、燃料ポンプ4の故障状態において、前記電磁リリーフ弁13の開操作によって実際の燃圧を下げることができない場合に、減速燃料カット等(燃料噴射の一時的停止)を禁止し、燃圧の低下を図ることを特徴とする。
前記減速燃料カットは、例えば、前記エンジン10のスロットルバルブ又はアクセルペダルの全閉時であって、エンジン回転速度が所定の燃料カット開始回転速度よりも高い場合に、前記燃料噴射弁9による燃料噴射を停止し、前記スロットルバルブ又はアクセルペダルが開くか、エンジン回転速度が所定のリカバ回転速度を下回ったときに、前記燃料噴射弁9による燃料噴射を再開させる制御である。
また、第6実施形態で禁止する燃料カットには、車速又はエンジン回転速度が許容最大値を超えたときに前記燃料噴射弁9による燃料噴射を停止させる制御や、渋滞や信号待ちなどの停車時に燃料噴射弁9による燃料噴射を停止させてエンジンを停止させるアイドルストップ制御などを含めることができる。
図8のフローチャートにおいて、ステップS601では、燃料ポンプ4が故障しているか否かを判断する。
そして、燃料ポンプ4が故障している場合には、ステップS602へ進み、前記燃圧センサ24で検出された実際の燃圧が、目標燃圧よりも高いか否かを判別する。
実際の燃圧が目標燃圧よりも高い場合には、ステップS603へ進み、前記電磁リリーフ弁13を開操作する。
前記電磁リリーフ弁13を開操作している状態で、更に、ステップS604へ進み、実際の燃圧が目標燃圧よりも閾値(>0)以上に高いか否かを判別する。
そして、電磁リリーフ弁13を開操作している状態で、実際の燃圧が目標燃圧よりも閾値以上に高い場合には、ステップS605へ進み、減速燃料カット等の燃料噴射の一時的な停止制御を禁止する。
前記電磁リリーフ弁13を介してリリーフされる燃料量が過大であると、燃圧が急激に下がり過ぎてしまい、燃圧を目標燃圧付近に制御することが困難になるので、リリーフ量をある程度抑制させる必要があるが、リリーフ量を抑制すると、燃圧を充分な応答で下げることができなくなる場合がある。
一方、燃料噴射弁9による燃料噴射を一時的に停止させる減速燃料カットなどが実行されると、燃料噴射弁9と電磁リリーフ弁13との双方によって燃料ギャラリーパイプ8内の燃料をリリーフさせていた状態から、電磁リリーフ弁13のみで燃料ギャラリーパイプ8内の燃料をリリーフさせる状態に切り替わることになり、電磁リリーフ弁13の開制御による燃圧降下が妨げられることになる。
そこで、電磁リリーフ弁13を開操作しても、実際の燃圧が目標燃圧よりも所定以上に高い場合には、減速燃料カットなどの燃料噴射の一時的な停止制御を禁止して、燃料ギャラリーパイプ8内の燃料が消費される状態(燃料ギャラリーパイプ8の燃料を燃料噴射弁9から噴射させる状態)を継続させることで、電磁リリーフ弁13の開制御による燃圧降下の実効が表れるようにする。
従って、第6実施形態では、電磁リリーフ弁13による燃料のリリーフによる燃圧の制御性を確保しつつ、燃圧が過剰に高い状態を確実に解消することができ、燃料ポンプ4が故障しても燃圧が過大になって燃料漏れ等が発生することを防止できる。
尚、第6実施形態において、燃料ポンプ4の制御やリリーフ量の制御を、第1実施形態と同様にして行わせることができ、更に、第2実施形態のようにして故障発生時の目標燃圧を設定させることができる。
図9のフローチャートは、電子制御ユニット11によって行われる、燃料ポンプ4の故障診断を示す。
ステップS1001では、エンジン10の要求燃料量の最新値と所定時間前の値との偏差の絶対値が設定値(1)以下であるか否か、換言すれば、エンジン10の要求燃料量が略一定しているか否かを判別する。
前記エンジン10の要求燃料量とは、単位時間当たりに噴射された燃料の総量であり、エンジン10の定常運転状態では、前記要求燃料量は略一定であるから、ステップS1001で、エンジン10が定常運転状態であるか否かを判断させることができる。
ステップS1001で、要求燃料量が略一定している(エンジン10の定常運転状態である)と判断されると、ステップS1002へ進み、燃圧センサ24で検出された実際の燃圧と目標燃圧との偏差の絶対値が所定値(2)未満であるか否か、換言すれば、実際の燃圧が目標燃圧付近に収束している状態であるか否かを判別する。
そして、実際の燃圧が目標燃圧付近に収束している状態であれば、ステップS1003へ進み、燃料ポンプ4の吐出量が所定値(3)以上に制御されているか否かを、例えば、燃料ポンプ4の通電制御のオンデューティ(駆動電流)が閾値以上であるか否かに基づいて判断する。
ステップS1003で、燃料ポンプ4の吐出量が所定値(3)以上に制御されていると判断されると、ステップS1004へ進む。
ステップS1004では、エンジン10の要求燃料量が略一定していて、かつ、実際の燃圧が目標燃圧付近に収束していて、かつ、燃料ポンプ4の吐出量が所定値(3)以上に制御されている状態が、所定時間t1以上継続しているか否かを判断する。
そして、所定時間t1以上の継続を判断すると、ステップS1005へ進み、燃料ポンプ4の故障を判定する。
尚、ステップS1005に進まなかった場合に、燃料ポンプ4が正常であると判定させることもできるが、図9のフローチャートでは、正常判定を行うことなくそのまま処理を終了させている。
前記燃料ポンプ4の最大吐出量(最大電圧印加時の吐出量)は、エンジン10の最大要求燃料量よりも大きな量に設定されており、燃圧を上昇させる場合には、最大吐出量付近に制御される場合があるが、実際の燃圧が目標燃圧付近に収束すれば、たとえエンジン10の高負荷・高回転域であっても最大量付近の吐出量は不要である。
従って、実際の燃圧が目標燃圧付近に収束しているのに、燃料ポンプ4の吐出量が通常よりも大きな量に所定時間t1以上制御されている場合には、例えば燃料ポンプ4における燃料経路の詰まりや回転抵抗の増大などによって、駆動電流に対する実際の吐出量が設計値よりも低下している故障(劣化)状態であると判断できる。
前記所定値(1)〜(3)及び所定時間t1は、上記のような故障状態の検出に適切な値として実験或いはシミュレーションに基づき予め適合される。
ここで、前記所定値(3)は、固定値として与えることができる他、そのときのエンジン10の要求燃料量(燃料消費量)に応じて可変に設定させることができ、具体的には、要求燃料量(燃料消費量)が少ないほど、前記所定値(3)をより低い値に設定することができる。
即ち、目標燃圧付近に収束した後は、エンジン10に供給された分(消費分)を補給することで目標燃圧を維持でき、そのときに必要とされる吐出量はエンジン10の要求燃料量に略一致するから、例えば低負荷・低回転域であれば必要吐出量は少なくなり、前記所定値(3)を比較的小さく設定することができ、また、前記所定値(3)を比較的小さく設定することで、燃料ポンプ4の故障を高精度に診断できる。
燃料ポンプ4の故障診断としては、図9のフローチャートに示した処理の他、図10のフローチャートに示すようにして診断を行わせることができる。
図10のフローチャートにおいて、ステップS2001では、前記ステップS1001と同様に、要求燃料量が略一定しているか否か(エンジン10の定常運転状態であるか否か)を判別する。
そして、要求燃料量が略一定している(エンジン10の定常運転状態である)と判断されると、ステップS2002へ進み、燃圧センサ24で検出された実際の燃圧と目標燃圧との偏差の絶対値が所定値(4)を超えているか否か、換言すれば、実際の燃圧が目標燃圧付近に収束していない状態であるか否かを判別する。
実際の燃圧と目標燃圧との偏差の絶対値が所定値(4)を超えている場合には、ステップS2003へ進み、要求燃料量が略一定していて、かつ、実際の燃圧と目標燃圧との偏差の絶対値が所定値(4)を超えている状態が、所定時間t2以上継続しているか否かを判断する。
そして、所定時間t2以上の継続を判断すると、ステップS2004へ進み、燃料ポンプ4の故障を判定する。
例えば、燃料ポンプ4への通電をスイッチングする回路の故障によって、燃料ポンプ4に最大駆動電流が流れる状態に固着した場合、実際の燃圧が目標燃圧よりも高いことに基づいて、燃料ポンプ4のオンデューティの指示値を減少させても、実際の吐出量(駆動電流)が減らずに、実際の燃圧を目標燃圧に向けて減少させることができず、前記図10のフローチャートに従って故障判定がなされることになる。
また、前述のように、燃料ポンプ4における燃料経路の詰まりや回転抵抗の増大などによって、駆動電流に対する実際の吐出量が設計値よりも低下している場合には、燃圧を目標燃圧まで増大させることができず、又は、目標燃圧までに圧力上昇させるのに時間を要することで、前記図10のフローチャートに従って故障判定がなされることになる。
但し、燃料ポンプ4の故障診断を、前記図9,図10のフローチャートに示した診断に限定するものではなく、その他公知の診断方法を適宜採用することができる。
例えば、燃料ポンプ4のモータに印加されている電圧の異常を判定したり、駆動電流・ポンプ回転速度を検出し、そのときのポンプ操作量(オンデューティ)に見合った駆動電流・回転速度でない場合に、燃料ポンプ4の故障を判定したりすることができる。
尚、燃料ポンプ4への電源供給ラインにリレーが介装されている場合、前記リレーのオフ状態では、燃料ポンプ4の故障を誤判定することになってしまうので、前記リレーのオフ状態では、故障診断をキャンセルすることが好ましい。
また、燃料ポンプ4の故障を判定した場合には、故障発生を、音声・ブザー・ランプ・文字表示などの警告手段によって車両の運転者に告知することが好ましい。
ところで、前記電磁リリーフ弁13は、燃料ギャラリーパイプ8内の燃圧が許容最大圧を超えた場合に、機械的に開弁する構造のものとすることが好ましい。
例えば、弁体を閉弁方向に付勢するスプリングのセット荷重を、燃圧が許容最大圧を超えたときに弁体が開弁するように設定する一方、前記弁体を前記スプリングの付勢力に抗して開弁させる磁力を発生させる電磁コイルを備えるバルブ構造とすることで、操作信号に応じた任意の開閉制御機能と共に、燃圧が許容最大圧(配管の耐圧値)を超えたときに、操作信号とは無関係に自動的に開動作させる機能を備えることができる。
また、上記各実施形態では、燃圧センサ24を備えたが、燃料ギャラリーパイプ8内の燃圧を、前記燃料ギャラリーパイプ8における燃料の給排量及び温度などに応じて推定させることができ、更に、圧力スイッチを用いて一定圧に制御させることもできる。
更に、電磁リリーフ弁13の開操作に対して、実際の燃圧が低下しなかった場合に、前記電磁リリーフ弁13の故障を判定させることができ、この場合、減速燃料カットを禁止するなどのフェイルセーフを行わせることができる。
また、燃料ポンプ4及び電磁リリーフ弁13を制御する第1コントロールユニットと、燃料噴射弁9(エンジン本体)を制御する第2コントロールユニットとを個別に備える構成とすることができる。
更に、上記第1〜第6実施形態に示した各処理を適宜組み合わせてポンプ制御、リリーフ制御及び燃料カット制御を行わせることができる。
本発明の実施形態における燃料供給装置のシステム図。 本発明に係るポンプ故障時の燃圧制御の第1実施形態を示すフローチャート。 本発明に係るポンプ故障時の燃圧制御の第2実施形態を示すフローチャート。 本発明に係るポンプ故障時の燃圧制御の第3実施形態を示すフローチャート。 上記第3実施形態における燃料カット域(運転停止域)を示す線図。 本発明に係るポンプ故障時の燃圧制御の第4実施形態を示すフローチャート。 本発明に係るポンプ故障時の燃圧制御の第5実施形態を示すフローチャート。 本発明に係るポンプ故障時の燃圧制御の第6実施形態を示すフローチャート。 本発明の実施形態における燃料ポンプの故障診断を示すフローチャート。 本発明の実施形態における燃料ポンプの故障診断の別の例を示すフローチャート。
符号の説明
1…燃料タンク、4…燃料ポンプ、5a,5b…燃料パイプ、7…逆止弁、8…燃料ギャラリーパイプ、9…燃料噴射弁、10…エンジン、11…電子制御ユニット、12…リリーフパイプ、13…電磁リリーフ弁、24…燃圧センサ、25…燃温センサ

Claims (8)

  1. 燃料タンク内の燃料を燃料ポンプによってエンジンの燃料噴射弁に向けて圧送するエンジンの燃料供給装置であって、
    前記燃料ポンプ下流の燃料配管内の圧力が目標燃圧に近づくように前記燃料ポンプを制御するポンプ制御手段と、
    前記燃料配管内の燃料の前記燃料タンク内への戻しを制御するリリーフ手段と、
    前記燃料ポンプの故障の有無を判定する診断手段と、
    前記燃料ポンプの故障が判定された場合に、前記リリーフ手段を操作して前記燃料配管内の燃料の前記燃料タンク内への戻しを制御することで、前記燃料配管内を減圧する故障時減圧手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  2. 前記故障時減圧手段が、前記燃料配管内の圧力が目標燃圧を維持するように、前記リリーフ手段を変化させることを特徴とする請求項1記載のエンジンの燃料供給装置。
  3. 前記故障時減圧手段が、前記燃料ポンプの故障時用の目標燃圧を設定し、該目標燃圧を維持するように前記リリーフ手段を変化させることを特徴とする請求項2記載のエンジンの燃料供給装置。
  4. 前記故障時減圧手段が、前記燃料ポンプの故障時用の目標燃圧を、前記燃料供給装置の温度条件に応じて変化させることを特徴とする請求項3記載のエンジンの燃料供給装置。
  5. 前記燃料ポンプの故障が判定された場合に、前記エンジンを運転させる領域を制限する運転領域制限手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のエンジンの燃料供給装置。
  6. 前記燃料ポンプの故障が判定されていて、かつ、前記燃料配管内の圧力が許容最低値を下回った場合に、前記エンジンの運転を停止させる運転停止手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のエンジンの燃料供給装置。
  7. 前記故障時減圧手段が、前記リリーフ手段によって前記燃料配管内の燃料を前記燃料タンク内に戻している状態で、前記燃料配管内の圧力が許容最大値を超えた場合に、前記燃料噴射弁の一時的な噴射停止を禁止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のエンジンの燃料供給装置。
  8. 前記燃料ポンプが正常であると判定されている状態で、前記燃料配管内の圧力が許容最大値よりも高くなった場合に、前記リリーフ手段を操作して前記燃料配管内の燃料を前記燃料タンク内に戻す最大燃圧制御手段を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のエンジンの燃料供給装置。
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