JP2010071110A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガスの水蒸気濃度を低下させることにより排ガス中の水蒸気が素子カバーにて凝縮し難くし、以って、空燃比検出素子の被水による破損を回避し且つ空燃比検出素子の加熱を早めて空燃比検出素子の温度を活性温度に早期に到達させ得る内燃機関の制御装置を提供すること。
【解決手段】制御装置は、素子カバー温度TCが第1温度(排ガスの水蒸気濃度が通常濃度である場合の露点温度)TCthHより低いとき、排気系構成部品を強制的に冷却する(図5の時刻t0〜t3)。これにより、排ガス中の水蒸気は排気通路にて結露水となるから、空燃比センサに到達する排ガスの水蒸気濃度が低下する。よって、素子カバーの露点温度も第2温度TCthLへと低下するので、素子カバー温度TCが第2温度TCthL以上となったとき、加熱用ヒータの発熱量を増大させる(時刻t1以降を参照。)。
【選択図】図5

Description

本発明は、空燃比検出素子、素子カバー及び加熱用ヒータを有するとともに内燃機関の排気通路に配設される空燃比センサと、その空燃比センサから出力される信号に基づいて前記機関に供給される混合気の空燃比を制御する空燃比フィードバック制御手段と、前記加熱用ヒータの発熱量(通電量)を制御する加熱用ヒータ制御手段と、を備える内燃機関の制御装置に関する。
従来から知られる内燃機関の制御装置は、機関の排気通路に空燃比センサを配設し、その空燃比センサによって検出される空燃比が目標空燃比と一致するように機関に供給される混合気の空燃比(燃料噴射量及び吸入空気量等)をフィードバック制御している。このような空燃比センサの代表例は、濃淡電池型の酸素センサ(O2センサ)及び限界電流式の酸素濃度センサである。酸素センサは、排ガスの酸素濃度に基づいて、排ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンであるのかリッチであるのかを示す値を出力するようになっている。限界電流式の酸素濃度センサは、排ガスの酸素濃度及び/又は排ガスの未燃物濃度に基づいて排ガスの空燃比に対して単調増加(又は単調減少)する値を出力するようになっている。
これらの空燃比センサは、空燃比検出素子(以下、「素子」とも言う。)として固体電解質を使用している。固体電解質は所定の温度(以下、「活性温度」とも言う。)以上であるときに、空燃比検出素子として期待される特性を発揮する。従って、空燃比センサによって検出される空燃比の検出精度を保証するためには、空燃比検出素子の温度を活性温度以上に維持することが不可欠である。換言すると、空燃比フィードバック制御を精度良く行うためには、空燃比センサの状態が活性状態でなければならない。従って、機関が始動されてから短時間内に空燃比フィードバック制御を開始するためには、空燃比検出素子の温度を短時間のうちに活性温度に到達せしめることが必要である。
かかる要請から、従来の制御装置は、空燃比センサに空燃比検出素子を加熱するための加熱用ヒータを内蔵させ、その加熱用ヒータを機関始動直後から通電することにより発熱させるようになっている。このような空燃比検出素子の加熱制御(加熱用ヒータ制御)は、空燃比検出素子が固体電解質から構成されていない場合であっても、その素子が活性温度以上であるときに所期の特性を発揮する素子である限り極めて有効である。
ところで、ガソリン等の燃料が燃焼されると水(HO)が不可避的に生成される。その水は水蒸気として排ガス中に含まれる。そして、この水蒸気が排気通路において凝縮して水(液体、水滴)へと変化し、その水が空燃比センサに付着する場合がある。このとき、加熱用ヒータの通電量(発熱量)が大きいと、空燃比検出素子に「高温の部分」と「付着した水によって低温となる部分」とが発生する。この結果、空燃比検出素子の内部に大きな熱応力が生じ、空燃比検出素子が破損する(素子割れが発生する)という問題がある。
この問題に対処するため、従来の制御装置の一つは、排気管温度を推定し、その排気管温度が所定温度(例えば、30℃)より低い場合、排気通路に水(水滴)が付着していると判定する。そして、その制御装置は、排気通路に水が付着していると判定される場合、空燃比検出素子の温度を通常よりも低い温度に維持すべく加熱用ヒータの通電量を小さい量に制御し、排気通路に水が付着していると判定されなくなった後、空燃比検出素子の温度を通常温度に維持すべく加熱用ヒータの通電量を増大している(例えば、特許文献1を参照。)。これによれば、排気通路に付着している水が排ガスとともに飛散することによって空燃比検出素子に付着しても、加熱用ヒータの発熱量(通電量)が比較的小さい量になっているので、空燃比検出素子が破損し難い。
特開2003―83152号公報
しかしながら、発明者は、排気通路に水が付着していない場合或いは排気通路の水が空燃比検出素子に付着しないような構造の機関であっても、空燃比検出素子に水が付着し、その水によって空燃比検出素子が破損する(素子割れが発生する)場合があることを見出した。これは、以下に述べる理由によると考えられる。
一般に、空燃比センサは、空燃比検出素子を覆う素子カバー(保護カバー)を備える。この素子カバーの温度が露点温度(結露が発生する温度)よりも低いと、排ガス中の水蒸気が素子カバー表面にて凝縮(結露)する。この結果、排気通路に水分が付着していない場合(排気通路に付着した水分が飛散しない場合)であっても、素子カバー表面にて結露した水(素子カバーに付着した水)が飛散して空燃比検出素子に付着し、上述した素子割れが発生する恐れがある。
従って、素子カバーの温度が露点温度以上の温度になるまでの期間、加熱用ヒータの通電量を大きくすることができないので、空燃比センサの活性化が遅れる。その結果、空燃比フィードバック制御の開始時点が遅れてエミッションが良好にならないという問題がある。
本発明は、上記課題に対処するためになされたものであり、その目的は、排ガスの水蒸気濃度を低下させることにより排ガス中の水蒸気が素子カバーにて凝縮し難くし、以って、空燃比検出素子の破損を回避しながら、空燃比検出素子の温度を活性温度に早期に到達させることができる(即ち、空燃比センサを早期に活性化させ得る)内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による内燃機関の制御装置は、空燃比センサと、空燃比フィードバック制御手段と、素子カバー温度取得手段と、水蒸気濃度制御手段と、加熱用ヒータ制御手段と、を備える。
前記空燃比センサは、前記機関の排気通路に配設される。この空燃比センサは、所定の活性温度以上になったとき排気通路を流れる排ガスの空燃比に対応した値を出力する空燃比検出素子と、その空燃比検出素子を覆う素子カバーと、その空燃比検出素子を加熱する(昇温させる)ための加熱用ヒータと、を有する。
空燃比フィードバック制御手段は、前記空燃比検出素子の温度が前記活性温度以上であるとき、その空燃比検出素子から出力された値に基づいて前記機関に供給される混合気の空燃比を目標空燃比に一致させるようにフィードバック制御する。機関に供給される混合気の空燃比は、例えば、燃料噴射量及び/又は吸入空気量を変更することにより調整され得る。
前記素子カバー温度取得手段は、前記素子カバーの温度を取得する。素子カバーの温度は、排ガス温度等の機関の運転状態を表す量に基づく推定により、或いは、素子カバーに配設された温度センサにより、取得され得る。
ところで、一般に、ガスに含まれる水分の濃度が低下するほど、結露が発生する露点温度も低下する。従って、排ガスの水分濃度を低下させれば、素子カバーに結露が発生しなくなる温度は低下する。
そこで、水蒸気濃度制御手段は、前記空燃比センサに到達する排ガスに含まれる水蒸気の濃度を減少させる。この水蒸気濃度の制御によって、素子カバーに結露が発生する露点温度が低下する。従って、素子カバーの温度が「この低下した露点温度」以上であれば、素子カバーに水が付着することはない。それ故、素子カバーの温度が「この低下した露点温度」以上であるときに「加熱用ヒータの発熱量(即ち、通電量)」を増大させたとしても、空燃比検出素子に水は付着しないので、前述した「素子割れ」は発生しない。
そこで、前記加熱用ヒータ制御手段は、
(1)前記取得された素子カバーの温度が、「前記水蒸気濃度制御手段により前記水蒸気の濃度が減少させられている状態において前記素子カバーに結露が生じることのない温度領域内の温度(露点温度以上の温度)」である「第2温度」よりも低い場合、前記空燃比検出素子の温度を前記活性温度に向けて穏やかに上昇させるように前記加熱用ヒータの発熱量を「0以上の第1の量」に制御するように構成され、
(2)前記取得された素子カバーの温度が、前記第2温度よりも高い場合、前記空燃比検出素子の温度を前記活性温度に向けて速やかに上昇させるように前記加熱用ヒータの発熱量を「前記第1の量よりも大きい第2の量」に制御するように構成されている。
この結果、加熱用ヒータの発熱量が第1の量に制限される時間(通電量抑制時間)を短縮することができるので、空燃比検出素子の温度が活性温度にまで上昇する時間(空燃比センサが活性化するまでの時間)を短縮することができる。従って、空燃比のフィードバック制御を早期に開始することができるので、エミッションをより良好にすることができる。
前記水蒸気濃度制御手段は、前記取得された素子カバーの温度が、第2温度よりも高い第1温度より低い場合には、同素子カバーの温度が第1温度より高い場合よりも前記空燃比センサに到達する排ガスに含まれる水蒸気の濃度を減少させるように構成される。この第1温度は、例えば、水蒸気濃度制御手段により水蒸気の濃度を減少させていない場合に素子カバーに結露が生じない温度(即ち、排ガスの水蒸気濃度が通常の濃度である場合における露点温度)であることが好ましい。但し、この第1温度は、上記の第2温度よりも高い温度であればよい。
前記水蒸気濃度制御手段は、
前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合、前記空燃比センサよりも上流の排気通路を構成する部材である「排気通路構成部材」を冷却することにより前記空燃比センサに到達する排ガスに含まれる水蒸気の濃度を減少させ、
前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より高い場合、前記排気通路構成部材を冷却しないか又は前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合よりも低い冷却効率にて前記排気通路構成部材を冷却するように構成されることが好適である。
これによれば、前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合、機関の燃焼室から排気通路へと排出された排ガスが冷却されるので、その排ガス中の水蒸気は排気通路にて凝縮(結露)し、排気通路構成部材の壁面に水となって付着する。その結果、空燃比センサに到達する排ガスの水蒸気濃度を容易に減少させることができる。
この場合、前記水蒸気濃度制御手段は、
前排気通路構成部材を冷却するために入口部から流入した冷却水を通流させた後に出口部から排出する冷却通路と、
導入部が前記冷却通路の出口部に連通されるとともに排出部が前記冷却通路の入口部に連通され同導入部から同排出部に向けて内部を流れる冷却水を大気との熱交換によって冷却する冷却水冷却手段と、
前記冷却水冷却手段をバイパスするように一端が前記冷却通路の出口部に連通されるとともに他端が前記冷却通路の入口部に連通されたバイパス通路と、
前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合には「前記冷却水が前記冷却水冷却手段及び前記冷却通路からなる第1循環路」を常に通過し、同取得された素子カバーの温度が同第1温度より高い場合には前記冷却水の一部が「前記バイパス通路及び前記冷却通路からなる第2循環路」を通過するように通路を切り換える冷却水通流経路切換手段と、
を備えることが好適である。
これによれば、前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合、「排気通路構成部材を冷却するための冷却通路」を通過する冷却水が「冷却水冷却手段」により常に冷却される。従って、前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合、排気通路構成部材が効率良く冷却されるので、排ガスの水蒸気濃度を効率よく低下させることができる。これに対し、前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より高い場合、「排気通路構成部材を冷却するための冷却通路を通過する冷却水の一部」が前記第2循環路を通過し、「排気通路構成部材を冷却するための冷却通路を通過する冷却水の他部」が前記第1循環路を通過する。従って、「排気通路構成部材を冷却するための冷却通路を通過する冷却水の一部」が「冷却水冷却手段により冷却されない場合が生じる。その結果、機関が必要以上に冷却されないので、機関の冷却損失を減少させることができる。
一方、前記水蒸気濃度制御手段は、
前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合の前記機関に供給される混合気の空燃比を、同素子カバーの温度が同第1温度より高い場合の前記機関に供給される混合気の空燃比よりも大きい値に設定することにより、「前記空燃比センサに到達する排ガスに含まれる水蒸気」の濃度を減少させるように構成された空燃比設定手段であってもよい。
機関に供給される混合気の空燃比が大きくなるほど(即ち、リーンであるほど)、燃焼室により生成される排ガスに含まれる水蒸気の濃度は低下する。従って、上記構成によれば、取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合、空燃比センサに到達する排ガスの水蒸気濃度を容易に減少させることができる。
以下、本発明による内燃機関の制御装置の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「第1制御装置」とも称呼する。)を内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。機関10は、ピストン往復動型・火花点火式・多気筒(4気筒)・4サイクル・機関である。なお、図1は、特定の気筒の断面のみを図示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20に「燃料と空気とを含む混合ガス」を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20から排出された排ガスを外部に放出するための排気系統50と、を含んでいる。
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これによりクランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21とピストン22の上面は、シリンダヘッド部30とともに燃焼室25を形成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を開閉駆動する吸気弁制御装置33、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、各気筒に備えられた点火プラグ37、各点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38及び各気筒の吸気ポート31内に指示信号に含まれる指示燃料供給量の燃料を噴射する燃料噴射弁(混合ガス供給手段、ポート噴射弁)39を備えている。
吸気弁制御装置33は、インテークカムシャフトとインテークカム(図示せず)との相対回転角度(位相角度)を油圧により調整・制御する周知の構成を備え、吸気弁32の開弁時期(吸気弁開弁時期)を変更することができるようになっている。
吸気系統40は、インテークマニホールド41、吸気管(吸気ダクト)42、エアフィルタ43、スロットル弁44及びスロットル弁アクチュエータ44aを備えている。
インテークマニホールド41は、各気筒の吸気ポート31に接続されている。より詳細には、インテークマニホールド41は各吸気ポート31に接続された複数の枝部41aと、それらの枝部が集合したサージタンク部41bと、を備えている。吸気管42はサージタンク部41bに接続されている。インテークマニホールド41及び吸気管42は吸気通路を構成している。エアフィルタ43は吸気管42の端部に設けられている。スロットル弁44は吸気管42に回動可能設けられ、回動することにより吸気管42が形成する吸気通路の開口断面積を変更するようになっている。スロットル弁アクチュエータ(スロットル弁駆動手段)44aは、DCモータからなり、指示信号に応答してスロットル弁44を回転駆動するようになっている。
排気系統50は、排気ポート34のそれぞれに連通した枝部を備えるエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51の枝部の集合部に接続された排気管52、上流側の三元触媒53及び下流側の三元触媒54を備えている。後述するように、エキゾーストマニホールド51には空燃比センサ66が配設されている。
上流側の三元触媒53は、排気管52(排気通路)に配設されている。下流側の三元触媒54は、上流側の三元触媒53の下流において排気管52に配設されている。排気ポート34、エキゾーストマニホールド51及び排気管52は、排気通路を構成している。
機関10は、図2に示したように、排気側冷却系統80、吸気側冷却系統90及びラジエータ100を更に備えている。
排気側冷却系統80は、第1通路81、第2通路82、第3通路83、第4通路84、第5通路85、排気側ウォーターポンプ86及び冷却経路切換装置(排気系統冷却経路切換装置)87を備えている。
第1通路81は、シリンダブロック部20及びシリンダヘッド部30の内部であって燃焼室25よりも排気ポート34及びエキゾーストマニホールド51側の部分を通過する冷却通路を形成している。即ち、第1通路81は、空燃比センサ66よりも上流側の排気通路を構成する部材(以下、「排気通路構成部材」とも称呼する。)を冷却するために、入口部P1から流入した冷却水を通流させた後に出口部P2から排出する冷却通路(排気通路構成部材冷却通路)を構成している。
第2通路82の一端は第1通路81の出口部P2に接続されている。第2通路82の他端は冷却経路切換装置87の入口部87aに接続されている。
第3通路83の一端は冷却経路切換装置87の第1出口部87bに接続されている。第3通路83の他端は第4通路84の入口部P3に接続されている。第3通路83はラジエータ100内を通過している。従って、第3通路83を通過する冷却水は、冷却水冷却装置としてのラジエータ100によって大気と熱交換されることにより冷却されるようになっている。
第4通路84の他端は第1通路81の入口部P1に接続されている。第4通路84には排気側ウォーターポンプ86が介装されている。
第5通路85の一端は冷却経路切換装置87の第2出口部87cに接続されている。第5通路85の他端は第4通路84の入口部P3に接続されている。即ち、第5通路85は、ラジエータ100をバイパスするバイパス通路を構成している。
冷却経路切換装置87は、図1に示した電気制御装置70からの指示信号に応答して、入口部87aと、第1出口部87b及び第2出口部87cのうちの何れか一方と、を選択的に連通させるようになっている。
このような構成を有する排気側冷却系統80において、冷却経路切換装置87が入口部87aと第1出口部87bとを連通するように切り換えられたとき、排気側ウォーターポンプ86によって圧送される冷却水は、第1通路81、第2通路82、第3通路83及び第4通路84を循環する。即ち、冷却水はラジエータ100によって冷却される。従って、第1通路81内を通過する冷却水の温度が低下するので、排気通路構成部材が効率的に冷却される。
これに対し、排気側冷却系統80において、冷却経路切換装置87が入口部87aと第2出口部87cとを連通するように切り換えられたとき、排気側ウォーターポンプ86によって圧送される冷却水は、第1通路81、第2通路82、第5通路85及び第4通路84を循環する。即ち、冷却水はラジエータ100を通過しない。この結果、第1通路81内を通過する冷却水の温度がラジエータ100によって低下させられないので、排気通路構成部材は必要以上に冷却されない。
吸気側冷却系統90は、第6通路91、第7通路92、第8通路93、第9通路94、第10通路95、吸気側ウォーターポンプ96及び冷却経路切換装置(サーモスタット)97を備えている。
第6通路91は、シリンダブロック部20及びシリンダヘッド部30の内部であって燃焼室25よりも吸気ポート31側の部分を通過する冷却通路を形成している。即ち、第6通路91は、吸気通路を構成する部材(以下、「吸気通路構成部材」とも称呼する。)を冷却するために、入口部Q1から流入した冷却水を通流させた後に出口部Q2から排出する冷却通路を構成している。
第7通路92の一端は第6通路91の出口部Q2に接続されている。第7通路92の他端は冷却経路切換装置97の入口部97aに接続されている。
第8通路93の一端は冷却経路切換装置97の第1出口部97bに接続されている。第8通路93の他端は第9通路94の入口部Q3に接続されている。第8通路93はラジエータ100内を通過している。従って、第8通路93を通過する冷却水は、ラジエータ100によって大気と熱交換されることにより冷却されるようになっている。
第9通路94の他端は第6通路91の入口部Q1に接続されている。第9通路94には吸気側ウォーターポンプ96が介装されている。
第10通路95の一端は冷却経路切換装置97の第2出口部97cに接続されている。第10通路95の他端は第9通路94の入口部Q3に接続されている。即ち、第10通路95は、ラジエータ100をバイパスするバイパス通路を構成している。
冷却経路切換装置97は、サーモスタットを内蔵している。冷却経路切換装置97は、サーモスタットの温度が所定温度以上である場合に入口部97aと第1出口部97bとを連通させ、サーモスタットが所定温度より低い場合に入口部97aと第2出口部97cとを連通させるようになっている。
このような構成を有する吸気側冷却系統90において、冷却経路切換装置97が入口部97aと第1出口部97bとを連通するとき、吸気側ウォーターポンプ96によって圧送される冷却水は、第6通路91、第7通路92、第8通路93及び第9通路94を循環する。即ち、冷却水はラジエータ100によって冷却される。従って、第6通路91内を通過する冷却水の温度が低下するので、吸気通路構成部材が効率的に冷却される。
これに対し、吸気側冷却系統90において、冷却経路切換装置97が入口部97aと第2出口部97cとを連通するとき、吸気側ウォーターポンプ96によって圧送される冷却水は、第6通路91、第7路92、第10通路95及び第9通路94を循環する。即ち、冷却水はラジエータ100を通過しない。この結果、第6通路91内を通過する冷却水の温度がラジエータ100によって低下させられないので、吸気通路構成部材は必要以上に冷却されない。
再び図1を参照すると、このシステムは、熱線式エアフローメータ61、スロットルポジションセンサ62、カムポジションセンサ63、クランクポジションセンサ64、冷却水温度センサ65、第1触媒53の上流の排気通路に配設された空燃比センサ66、アクセル開度センサ67及び電気制御装置70を備えている。
熱線式エアフローメータ61は、吸気管42内を流れる吸入空気の単位時間あたりの質量流量を検出し、質量流量Gaを表す信号を出力するようになっている。
スロットルポジションセンサ62は、スロットル弁44の開度を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。
カムポジションセンサ63は、インテークカムシャフトが所定角度から90度、次いで90度、更に180度回転する毎に一つのパルスを出力するようになっている。
クランクポジションセンサ64は、クランク軸24が10度回転する毎にパルスを出力するようになっている。クランクポジションセンサ64から出力されるパルスは機関回転速度NEを表す信号に変換されるようになっている。更に、カムポジションセンサ63及びクランクポジションセンサ64からの信号に基いて、各気筒のクランク角θが求められるようになっている。
冷却水温度センサ65は、シリンダブロック部20の燃焼室25よりも排気ポート34側内を流れる冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを出力するようになっている。
空燃比センサ66は、例えば、特許第2866966号及び特開平5−240829号公報等に開示された「周知の加熱用ヒータ内蔵式空燃比センサ」である。空燃比センサ66は、機関10の排気通路内に突出するように、エキゾーストマニホールド51に配設されている。即ち、空燃比センサ66は、触媒53の上流の排ガスの空燃比に対応した値を出力することにより、その排ガスの空燃比を検出するようになっている。
図3は空燃比センサ66の部分概略縦断面図である。図3に示したように、空燃比センサ66は、空燃比検出素子66aと、加熱用ヒータ66bと、素子カバー66cと、を含んでいる。
空燃比検出素子66aは、酸素イオン導電性固体電解質からなる層(固体電解質層)66a1と、排ガス側電極層66a2と、大気側電極層66a3と、拡散抵抗層66a4と、を含んでいる。
固体電解質層66a1は安定化ジルコニアからなる焼結体であり、試験管状(断面カップ状)に形成されている。固体電解質層66a1は、その温度が活性温度以上であるとき、周知の「酸素電池特性」及び「酸素ポンプ特性」を発揮する。これらの特性は、空燃比検出素子66aが排ガスの空燃比に応じた値を出力する際に発揮されるべき特性である。酸素電池特性とは、酸素濃度の高い側から低い側へ酸素イオンを通過させ起電力を発生する特性のことである。酸素ポンプ特性とは、固体電解質層66a1の両端に電位差が与えられたとき、陰極から陽極へと電位差に応じた量の酸素イオンを移動させる特性のことである。
排ガス側電極層66a2は、固体電解質層66a1の外側表面を覆うように同外側表面に形成されている。排ガス側電極層66a2は、白金(Pt)等の触媒活性の高い貴金属からなる。大気側電極層66a3は、化学メッキ等により浸透性を十分に有するように(即ち、多孔質状に)形成されている。
大気側電極層66a3は、固体電解質層66a1の内側表面を覆うように同内側表面に形成されている。大気側電極層66a3は、白金(Pt)等の触媒活性の高い貴金属からなる。大気側電極層66a3は、化学メッキ等により浸透性を十分に有するように(即ち、多孔質状に)形成されている。
拡散抵抗層66a4は、多孔質セラミック(耐熱性無機物質)からなり、排ガス側電極層66a2の外側表面を覆うように形成されている。拡散抵抗層66a4は、例えば、プラズマ溶射法等により形成される。
加熱用ヒータ66bは、大気側電極層66a3内の内方に配設されている。加熱用ヒータ66bは、通電量(電流量、即ち、後述するデューティ)に応じた量の熱を発生し、空燃比検出素子66aを加熱(昇温)するようになっている。
素子カバー(保護カバー)66cは、空燃比検出素子66a(及び加熱用ヒータ66b)を取り囲むように円筒状に形成されている。素子カバー66cは空燃比検出素子66aと排ガスとが直接接触することによる空燃比検出素子66aの損傷等を防止するとともに、空燃比検出素子66aの温度を過度に低下させないようにするために設けられている。素子カバー66cは、素子カバー66cの内部と外部とを連通するように形成された多数の小穴66c1を備えている。従って、排ガスは小穴66c1を通して空燃比検出素子66aの外側面(拡散抵抗層66a4)に到達する。
以上に説明したように、空燃比センサ66は、空燃比検出素子66aの温度がその活性温度以上であるときに排気通路を流れる排ガスの空燃比に対応した値を出力する空燃比検出素子66a、空燃比検出素子66aを覆う素子カバー66c、及び、空燃比検出素子66aを加熱する加熱用ヒータ66bを有する。なお、空燃比検出素子66aは、例えば、特開2000−214131号公報に開示されているような「板状の空燃比検出素子」であってもよい。
再び図1を参照すると、アクセル開度センサ67は、運転者によって操作されるアクセルペダルAPの操作量を検出し、アクセルペダルAPの操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。
電気制御装置70は、互いにバスで接続された「CPU71、CPU71が実行するルーチン(プログラム)、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)及び定数等を予め記憶したROM72、CPU71が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM73、図示しないイグニッション・キー・スイッチがオン位置にあるときデータを書き込むことが可能であり且つイグニッション・キー・スイッチの位置に拘らず書き込まれたデータを保持するバックアップRAM74、並びに、ADコンバータを含むインターフェース75等」からなるマイクロコンピュータである。インターフェース75は、前記センサ61〜67と接続され、CPU71にセンサ61〜67からの信号を供給するようになっている。
インターフェース75は、更に、CPU71の指示に応じて、吸気弁制御装置33、各気筒の燃料噴射弁39及びスロットル弁アクチュエータ44aに指示信号(駆動信号)を送出するとともに、各気筒のイグナイタ38に点火信号を送出するようになっている。加えて、インターフェース75は、CPU71の指示に応じて、空燃比センサ66の加熱用ヒータ66bに電圧(デューティ信号)を印加することにより、加熱用ヒータ66bの通電状態(電流量、発熱量)を制御するようになっている。更に、インターフェース75は、CPU71の指示に応じて、冷却経路切換装置87に指示信号を送出するようになっている。
(第1制御装置の作動の概要)
次に、上記のように構成された第1制御装置の作動の概要について、図4及び図5を参照しながら説明する。第1制御装置は、素子カバー66cの温度が第1温度TCthHより低い場合には排気通路構成部材(空燃比センサ66よりも上流の排気通路を構成する部材)を強制的に冷却する。この理由について述べる。
図4の(A)及び(C)に示したように、機関が始動(冷間始動)された直後においては、排気ポート34及びエキゾーストマニホールド51(更には、排気管52)等からなる「上記排気通路構成部材」の温度は低い。従って、燃焼室25から排出された排ガス中に含まれる水蒸気が排気通路構成部材により冷却されて凝縮し、それらの壁面に水滴Wとなって付着する。即ち、排気通路構成部材の表面に結露水Wが発生する。
このような冷間始動後において、従来の機関は、冷却水がラジエータを通過しないように冷却水を循環させる。即ち、機関の温度を速やかに上昇させるために、冷却水はラジエータにより冷却されない。
その後、遅くとも数分が経過すると、排気通路構成部材の温度が上昇して露点温度を超える。ところが、空燃比センサ66は排気通路構成部材の最下流に配設されているので、空燃比センサ66の素子カバー66cの温度は排気通路構成部材の温度よりも遅れて上昇する。換言すると、排気通路構成部材の温度は露点温度を超えるが、素子カバー66cの温度は露点温度以下となる状態が発生する。この結果、図4の(B)に示したように、排ガス中の水蒸気は排気通路構成部材の表面にては結露しないが、素子カバー66cの表面にて冷却されて凝縮し、水滴Wとなって素子カバー66cに付着する。即ち、素子カバー66c表面にて結露が発生する。
このような水滴Wが排ガスの流れ等によって飛散すると、素子カバー66cと空燃比検出素子66aとの距離は極めて小さいことから、空燃比検出素子66aに水(液体)が付着する。このとき、空燃比センサ66の加熱用ヒータ66bの発熱量が大きく、空燃比検出素子66aの温度(特に、表面温度)が高くなっていると、空燃比検出素子66aに高温部分と低温部分とか生じ、それによる熱応力が発生する。その結果、空燃比検出素子66aが破損する。従って、素子カバー66cに結露が発生する場合(即ち、素子カバー66cの温度が露点温度TCthH以下である場合)、加熱用ヒータ66bの発熱量を大きくすることができない(図5の(C)における時刻t1〜t3の破線を参照。)。このため、図5の(D)における時刻t1〜t4の破線により示したように、空燃比センサ66の温度上昇率が小さく、空燃比検出素子温度TSが活性温度TSthに到達する時点(空燃比センサ66が活性化する時点)が遅れるので、空燃比フィードバック制御の開始時点も遅れる(図5の時刻t4を参照。)。
ところで、露点温度はガスに含まれる水蒸気濃度が小さいほど低くなる。従って、排ガスの水蒸気濃度が低ければ、素子カバー66cの温度が比較的低くても素子カバー66cに素子カバー66cに結露が発生しない。素子カバー66cに結露が発生しなければ、空燃比検出素子66aに水が付着しない。よって、空燃比検出素子66aが破損することがないから、加熱用ヒータ66bの発熱量を大きくすることができる。
そこで、第1制御装置は、素子カバー66cの温度TCを取得(推定)し、その素子カバー66cの温度TCが第1温度TCthHよりも低いとき、排気通路構成部材を強制冷却する(図5の時刻t0〜t3を参照。)。即ち、本来は冷却水をラジエータ100によって冷却する必要がない状態において、冷却水がラジエータ100を通過するように冷却水を循環させ、それにより温度の低い冷却水によって排気通路構成部材を冷却する。第1温度TCthHは、本例において、排ガスの水蒸気濃度が通常の濃度(排気通路構成部材が強制冷却されておらず、且つ、機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比であるときの水蒸気濃度)であるときに素子カバー66cにて結露が発生しない温度(例えば、水蒸気濃度が前記通常の濃度である場合の露点温度)に設定されている。
この強制冷却により、図4の(D)に示したように、始動後数分が経過した時点においても排気通路構成部材にて結露が発生する。その結果、空燃比センサ66に到達する排ガスの水蒸気濃度が低下するから、空燃比センサ66の配設部位における露点温度は、第1温度TCthHから第2温度TCthLへと低下する。従って、素子カバー66cの温度TCが第2温度TCthLを超えた時点(図5の時刻t1を参照。)以降において、素子カバー66cに結露は発生しないから、空燃比検出素子66aに水滴が付着しない。そこで、第1制御装置は、図5の時刻t1以降に示したように、素子カバー66cの温度TCが第2温度TCthLを超えた時点から、加熱用ヒータの発熱量(通電量に相当するデューディ)をそれ以前(時刻t1以前)の発熱量よりも大きくする(図5の(C)の時刻t1以降における実線を参照。)。
この結果、図5の(D)に実線により示したように、空燃比検出素子66aの温度TSは時刻t1以降において速やかに活性温度TSthに向けて上昇する。従って、始動時(図5の時刻t0)から空燃比センサ66が活性化する時点(空燃比検出素子温度TSが活性温度TSthに到達する時点である図5の時刻t2)までの時間(活性化必要時間T1)が、従来の機関よる活性化必要時間(T2)よりも短縮され、空燃比フィードバック制御を早期に開始することができる。以上が、第1制御装置の作動の概要である。
なお、本明細書において、排ガスの水蒸気濃度を低下させることにより空燃比センサ66の配設部位における露点温度を低下させ、それにより加熱用ヒータ66bの発熱量を早い時点から増大させる制御の全体を、「素子割れ防止制御」とも称呼する。
(第1制御装置の実際の作動)
次に、第1制御装置の実際の作動について、機関10が冷間始動された直後の時点からの時間経過に従って説明する。
電気制御装置70のCPU71は、各気筒のクランク角が吸気上死点前の所定クランク角(例えば、BTDC90°)に一致する毎に、図6に示した燃料噴射制御ルーチンを繰り返し実行するようになっている。以下、クランク角が吸気上死点前の前記所定クランク角度に一致した気筒を燃料噴射気筒とも称呼する。
従って、何れかの気筒のクランク角が前期所定クランク角に一致すると、CPU71は、図6のステップ600からステップ605に進み、目標空燃比Abfrefを理論空燃比Stoichに設定する。
次いで、CPU71は、ステップ610にて筒内吸入空気量Mcを取得する。筒内吸入空気量Mcは、燃料噴射気筒の今回の吸気行程において燃料噴射気筒に流入する空気量(重量)である。筒内吸入空気量Mcは、熱線式エアフローメータ61から取得される質量流量Gaと機関回転速度NEとに基づいて決定される。
次いで、CPU71は、ステップ615に進み、「筒内吸入空気量Mcを目標空燃比Abfrefにより除した値」に空燃比フィードバック補正係数FAFを乗じることによって燃料噴射量Fiを取得する。目標空燃比Abfrefは先のステップ605の処理により理論空燃比Stoichに設定されている。従って、燃料噴射量Fiは、燃料噴射気筒に供給される混合気の空燃比を理論空燃比Stoichに一致させるための燃料噴射量となる。
なお、CPU71は、図示しない空燃比フィードバック制御ルーチンにより、空燃比フィードバック補正係数FAFを次のように算出している。
(1)空燃比検出素子温度TSが活性温度TSthよりも低い場合(空燃比センサ66が活性化していない場合)
CPU71は、空燃比検出素子66aのインピーダンスを取得し、そのインピーダンスに基づいて空燃比検出素子温度TSを取得する。そして、CPU71は、空燃比検出素子温度TSが活性温度TSthよりも低い場合、空燃比フィードバック補正係数FAFの値を「1」に設定する。
(2)空燃比検出素子温度TSが活性温度TSth以上である場合(空燃比センサ66が活性化している場合)
CPU71は、空燃比検出素子温度TSが活性温度TSth以上である場合、空燃比検出素子66a(空燃比センサ66)から出力される値に基づいて得られる検出空燃比が目標空燃比Abfrefよりも大きい(リーンである)とき、空燃比フィードバック補正係数FAFの値を前回計算時点の空燃比フィードバック補正係数FAFから所定値ΔFAFだけ増大させる。
CPU71は、空燃比検出素子温度TSが活性温度TSth以上である場合、空燃比検出素子66aから出力される値に基づいて得られる検出空燃比が目標空燃比Abfrefよりも小さい(リッチである)とき、空燃比フィードバック補正係数FAFの値を前回計算時点の空燃比フィードバック補正係数FAFから所定値ΔFAFだけ減少させる。
このように、第1制御装置は、空燃比検出素子66aの温度が活性温度TSth以上であるとき「空燃比検出素子66aから出力される値」に基づいて機関10に供給される混合気の空燃比を目標空燃比である理論空燃比空燃比に一致させるためのフィードバック制御を実行する空燃比フィードバック制御手段を備えている。
次いで、CPU71は、ステップ620に進み、燃料噴射気筒に対して設けられている燃料噴射弁39から燃料噴射量Fiだけ燃料の噴射が行われるように、その燃料噴射弁39に開弁指示を送出する。次いで、CPU71は、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
ところで、CPU71は、図7に示した「素子カバー温度推定ルーチン」を所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ700から処理を開始し、ステップ705に進む。
CPU71は、ステップ705にて「現時点が機関10の始動操作直後の時点(始動直後)であるか否か」を判定する。前述の仮定に従えば現時点は機関10の始動操作直後である。従って、CPU71は、ステップ705にて「Yes」と判定してステップ710に進み、素子カバー66cの温度TC(以下、「素子カバー温度TC」とも称呼する。)を「素子カバー温度推定関数f(THW)」に基づいて推定する。素子カバー温度推定関数f(THW)は、機関始動時の冷却水温THWと素子カバー温度TCとの関係を規定する関数である。素子カバー温度推定関数f(THW)は、実験により予め定められている。素子カバー温度推定関数f(THW)によれば、素子カバー温度TCは機関始動時の冷却水温THWが低いほど低くなるように決定される。その後、CPU71はステップ795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPU71は、図8に示した「フラグ設定ルーチン」を所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ800から処理を開始し、ステップ805に進む。
CPU71は、ステップ805において、素子カバー温度TCが低側閾値温度TCthLよりも大きいか否かを判定する。低側閾値温度TCthLは、「機関10の排気通路構成部材が第1通路81及びラジエータ100を通る冷却水によって強制冷却され、且つ、排気通路構成部材において結露が発生させられることによって空燃比センサ66を通過する排ガスの水分濃度が減少させられた場合」における「空燃比センサ66の素子カバー66cの露点温度」である。換言すると、低側閾値温度TCthLは、「水蒸気の濃度が前述した強制冷却によって減少させられている状態において、素子カバー66cに結露が生じることのない温度領域内の温度であり、且つ、高側閾値温度TCthHよりも低い温度である。なお、高側閾値温度TCthHは便宜上「第1温度」とも称呼され、低側閾値温度TCthLは便宜上「第2温度」とも称呼される。
現時点は機関10の冷間始動直後であるから、素子カバー温度TCは低側閾値温度TCthLよりも小さい。従って、CPU71はステップ805にて「No」と判定し、ステップ825に進んで低側閾値温度到達判定フラグXSを「0」に設定する。
次いで、CPU71はステップ815に進み、素子カバー温度TCが高側閾値温度TCthHより小さいか否かを判定する。高側閾値温度TCthHは、強制冷却を実行していない場合(即ち、水蒸気の濃度を減少させておらず、排ガスの水蒸気濃度が通常の濃度である場合)において、素子カバー66cに結露が生じない温度である。より詳細には、高側閾値温度TCthHは、排ガスの水蒸気濃度が通常の濃度である場合における露点温度である。
現時点は機関10の冷間始動直後であるから、素子カバー温度TCは低側閾値温度TCthL以下であり、当然に高側閾値温度TCthHよりも小さい。従って、CPU71はステップ815にて「Yes」と判定してステップ820に進み、水蒸気濃度低減フラグXPを「1」に設定する。その後、CPU71はステップ895に進み、本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPU71は、図9に示した「加熱用ヒータ制御ルーチン」を所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ900から処理を開始し、ステップ905に進む。
CPU71は、ステップ905において低側閾値温度到達判定フラグXSが「0」であるか否か判定する。現時点において、低側閾値温度到達判定フラグXSは、図8のステップ825において「0」に設定されている。従って、CPU71はステップ905にて「Yes」と判定してステップ910に進み、加熱用ヒータ66bをA%デューティ(ここで、Aは0以上且つ50以下の任意の定数)で通電する。デューティとは、一定周期にて通電(ON)と非通電(OFF)を繰り返した場合における、その一定周期に対する通電時間の比である。従って、デューティが100%であるとき加熱用ヒータ66bは連続通電され、その発熱量は最大となる。なお、加熱用ヒータ66bが通電(ON)されるとは、加熱用ヒータ66bに一定電圧が印加されることを意味する。加熱用ヒータ66bが非通電である(OFF)とは、加熱用ヒータ66bに電圧が全く印加されないことを意味する。
現時点においては、素子カバー温度TCは低側閾値温度TCthLよりも小さい。従って、空燃比検出素子66aの温度TS(以下、「空燃比センサ温度TS」、「空燃比検出素子温度TS」又は「素子温度TS」とも称呼する。)は活性温度TSthよりも小さい。それ故、本来、加熱用ヒータ66bは100%デューティにて通電されるべきである。しかし、現時点においては素子カバー66cに結露が発生する可能性があるので、空燃比検出素子66aに水が付着しても空燃比検出素子66aに過大な熱応力が発生することがないように、加熱用ヒータ66bへの通電量が小さい値(A%デューティ)に設定される。即ち、空燃比検出素子66aの温度上昇が抑制されるように、加熱用ヒータ66bの発熱量は「0以上の第1の量(A%デューティ)」に制御される(図5の時刻t0〜t1を参照。)。
これによって、空燃比センサ66の素子カバー66cにおいて凝縮する水分が空燃比検出素子66aに接触しても、空燃比検出素子温度TSが「空燃比検出素子66aが割れる(破損する)ことのない温度以下の温度」に制御される。その後、CPU71は、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。
加えて、CPU71は、図10に示した「冷却通路切換制御ルーチン」を所定時間の経過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPU71はステップ1000から処理を開始してステップ1005に進み、水蒸気濃度低減フラグXPが「1」であるか否かを判定する。現時点において、水蒸気濃度低減フラグXPは、図8のステップ820にて「1」に設定されている。従って、CPU71はステップ1005にて「Yes」と判定し、ステップ1010に進む。
CPU71は、ステップ1010にて、排気側冷却系統80の冷却水がラジエータ100内を通過することにより冷却されるように、冷却経路切換装置87の入口部87aと第1出口部87bとを連通させる。これによって、機関10の排気通路構成部材が効率的に冷却される。即ち、機関10の排気通路が強制冷却される。
この結果、排気通路構成部材にて結露が発生し、それにより空燃比センサ66に到達する排ガスの水蒸気濃度が低下する。従って、空燃比センサの素子カバー66cにおける露点温度は低側閾値温度TCthLに低下する。次いで、CPU71は、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、機関始動直後においては加熱用ヒータ66bへの通電が抑制される。これにより、空燃比センサ66の素子割れの発生を回避することができる。
ところで、CPU71は図7に示したルーチンの処理を繰り返し行っている。従って、始動操作直後以降のタイミングにてCPU71がステップ700からステップ705に進んだとき、CPU71はそのステップ705にて「No」と判定し、ステップ715に進む。そして、CPU71はステップ715にて素子カバー温度TCを所定温度ΔTCだけ増大する。これにより、素子カバー66cの推定温度である素子カバー温度TCは、図7のルーチンの処理が実行される毎に所定温度ΔTCだけ増大して行く。なお、所定温度ΔTCは機関10の負荷が大きいほど大きくなるように変更される値であってもよい。このように図7のルーチンは、素子カバー66cの温度を取得する素子カバー温度取得手段を構成している。
従って、時間の経過に伴って素子カバー温度TCは「素子カバー66cの実際の温度」を表すように上昇し、図5の時刻t1にて低側閾値温度TCthLに到達する。このときCPU71が図8のステップ800から処理を開始してステップ805に進むと、CPU71はこのステップ805にて「Yes」と判定してステップ810に進み、低側閾値温度到達判定フラグXSを「1」に設定する。
この時点においては、素子カバー温度TCは高側閾値温度TCthHより小さい。従って、CPU71はステップ815にて「Yes」と判定し、ステップ820を経由してステップ895に進み、本ルーチンを一旦終了する。この結果、低側閾値温度到達判定フラグXSは「0」から「1」へと変更され、水蒸気濃度低減フラグXPは「1」に維持される。
この状態において、CPU71が図9のステップ900から処理を開始してステップ905に進むと、CPU71はステップ905にて「No」と判定してステップ915に進み、現時点が「水蒸気濃度低減フラグXPが「0」から「1」へと変更された直後」であるか否かを判定する
この場合、現時点は「水蒸気濃度低減フラグXPが「0」から「1」へと変更された直後」である。従って、CPU71はステップ915にて「Yes」と判定してステップ920へと進み、加熱用ヒータ66bを100%デューティにて通電する。即ち、CPU71は加熱用ヒータ66bの発熱量を最大にする。なお、この時点で設定されるデューティは、100%である必要はなく、「第1の量(A%デューティ)」よりも大きい「第2の量(B%デューティ、B>A)」であれば良い。
次いで、CPU71は、ステップ925に進んで発熱量最大フラグXMAXを「1」に設定する。発熱量最大フラグXMAXは、その値が「1」であるとき加熱用ヒータ66bの通電量が最大通電量(100%デューティ)であることを示し、その値が「0」であるとき加熱用ヒータ66bの通電量が最大通電量よりも小さい通電量であることを示す。その後、CPU71はステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
更に、CPU71が図10の処理をステップ1000から開始すると、水蒸気濃度低減フラグXPは「1」に維持されているから、CPU71はステップ1005及びステップ1010を経由した後、ステップ1095にて本ルーチンを一旦終了する。従って、機関10の排気通路は強制冷却され続ける。
このように、機関10の排気通路が強制冷却され続けるので、排気通路構成部材にて結露が発生し、それにより空燃比センサ66に到達する排ガスの水蒸気濃度は低い濃度に維持され続ける。これにより、空燃比センサの素子カバー66cにおける露点温度は低側閾値温度TCthLであり続ける。従って、素子カバー温度TCが低側閾値温度TCthL以上になった場合、素子カバー66cに結露が発生しないので、空燃比検出素子66aに水が付着しない。その結果、加熱用ヒータ66bの発熱量を最大にしても空燃比検出素子66aの素子割れは発生しない。よって、第1制御装置は、空燃比検出素子66aの素子割れを回避しながら、空燃比検出素子66aの温度TSを活性温度TSthに向けて速やかに上昇させることができる。従って、空燃比センサ66が活性化するまでの時間を短縮することができる。
その後、更に時間が経過すると、図5の(D)に示したように、空燃比検出素子温度TSは時刻t2にて活性温度TSthに到達する。このとき、CPU71が図9のステップ900から処理を開始すると、CPU71はステップ905及びステップ915の両ステップにて「No」と判定し、ステップ930に進んで発熱量最大フラグXMAXが「1」であるか否かを判定する。
この場合、発熱量最大フラグXMAXは「1」であるから、CPU71はステップ930にて「Yes」と判定してステップ935に進み、空燃比検出素子温度TSが活性温度TSth以上であるか否かを判定する。この場合、空燃比検出素子温度TSは活性温度TSth以上である。従って、CPU71はそのステップ935にて「Yes」と判定し、ステップ940に進んで発熱量最大フラグXMAXを「0」に設定する。そして、CPU71はステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。
これにより、次にCPU71が図9のルーチンの処理をステップ900から開始すると、CPU71はステップ905、ステップ915及びステップ930の総てのステップにおいて「No」と判定し、ステップ945に進む。そして、CPU71はステップ945にて、空燃比検出素子温度TSが目標温度TStgtに一致するように「加熱用ヒータ66bの通電量(デューティ)」を制御する。その後、CPU71はステップ995に進み、本ルーチンを一旦終了する。これにより、図5の時刻t2以降に示したように、加熱用ヒータ66bの通電量(デューティ)がフィードバック制御される。なお、目標温度TStgtは活性温度TSthよりも高い温度に設定されている。
なお、CPU71が図9のステップ935に進んだとき、空燃比検出素子温度TSが活性温度TSth以上でなければ、CPU71はステップ935にて「No」と判定し、ステップ995に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。この結果、加熱用ヒータ66bの通電量は最大通電量(100%デューティ)に維持される(図5の(C)の時刻t1〜t2における実線を参照。)。
その後、所定の時間が経過すると、図5の(A)の時刻t3に示したように、素子カバー温度TCが上昇して高側閾値温度TCthHに到達する。この時点以降において、CPU71が図8のルーチンの処理をステップ800から開始すると、CPU71はステップ805及びステップ810に続くステップ815にて「No」と判定し、ステップ830に進んで水蒸気濃度低減フラグXPを「0」に設定する。
この結果、次にCPU71が図10のルーチンの処理をステップ1000から開始すると、CPU71はステップ1005にて「No」と判定してステップ1015に進み、現時点での冷却水温THWが所定冷却水温THWth以下であるか否かを判定する。所定冷却水温THWthは機関10が十分に暖機された後、冷却水の温度が高くなりすぎ、よって、冷却水の温度を低下させる必要があると判断される温度である。
そして、CPU71は、現時点での冷却水温THWが所定冷却水温THWth以下であるとき、ステップ1020に進み、排気側冷却系統80の冷却水がラジエータ100内を通過しないように(冷却水が第3通路83を通過するように)、冷却経路切換装置87の入口部87aと第2出口部87cとを連通させる。これによって、機関10の排気通路構成部材は実質的に冷却されない。
これに対し、CPU71は、現時点での冷却水温THWが所定冷却水温THWthよりも高いとき、ステップ1015にて「No」と判定してステップ1025に進み、排気側冷却系統80の冷却水がラジエータ100内を通過するように、冷却経路切換装置87の入口部87aと第1出口部87bとを連通させる。これによって、機関10の排気通路構成部材は冷却される。
このように、第1制御装置は、素子カバーの温度TCが第1温度TCthHより高い場合、(1)排気通路構成部材を冷却しないか、又は、(2)取得された素子カバーの温度TCが第1温度TCthHより低い場合よりも「低い冷却効率」にて排気通路構成部材を冷却するように構成されている。
以上、説明したように、第1制御装置は、機関10の冷間始動後に機関10の排気通路を強制冷却することによって排ガス中の水分を排気通路にて結露させる。これによって、空燃比センサ66を通過する排ガス中の水分濃度を低下させることができるので、空燃比センサ66の素子カバー66cにおける露点温度を低側閾値温度TCthLまで低下させることができる。この結果、加熱用ヒータ66bを早い時点から100%デューティで通電することができる。従って、空燃比検出素子温度TSは活性温度TSthに早期に到達し、CPU71による空燃比のフィードバック制御の開始時間を早めることができる。よって、エミッションをより良好にすることができる。
なお、第1制御装置において、図8のステップ815乃至ステップ830、図10のステップ1005及びステップ1010、並びに、排気側冷却系統80は、水蒸気濃度制御手段を構成している。また、図8のステップ805、ステップ810及びステップ825、並びに、図9のルーチンは、加熱用ヒータ制御手段を構成している。
また、冷却経路切換装置87はCPU71からの信号のみによって流路を切り換えるように構成されていた。これに代え、冷却経路切換装置87は、サーモスタットと電磁弁を備えていてもよい。この場合、サーモスタットは、冷却水温THWが所定冷却水温THWth以下であるとき、排気側冷却系統80の冷却水がラジエータ100内を通過しないように(冷却水が第3通路83を通過するように)、冷却経路切換装置87の入口部87aと第2出口部87cとを連通させる。更に、このサーモスタットは、現時点での冷却水温THWが所定冷却水温THWthよりも高いとき、排気側冷却系統80の冷却水がラジエータ100内を通過するように、冷却経路切換装置87の入口部87aと第1出口部87bとを連通させる。加えて、電磁弁は、水蒸気濃度低減フラグXPが「1」に設定されているときに送出されるCPU71からの指示信号に応答して、冷却水温THWに関わらず(即ち、サーモスタットの作動に依らず)、排気側冷却系統80の冷却水がラジエータ100内を通過するように、冷却経路切換装置87の入口部87aと第1出口部87bとを強制的に連通させる。
更に、第1制御装置は、排気通路構成部材を強制冷却する際、排気側冷却系統80を循環する冷却水がラジエータ100を常に通過するように制御していたが、冷却水が間欠的にラジエータ100を通過するように構成されてもよい。
また、第1制御装置は、取得された素子カバーの温度が同第1温度より高い場合、現時点での冷却水温THWが所定冷却水温THWth以下であるとき排気側冷却系統80の冷却水がラジエータ100内を通過しないようにするとともに、現時点での冷却水温THWが所定冷却水温THWthよりも高いとき排気側冷却系統80の冷却水がラジエータ100内を通過するように冷却水通路を制御していた。
即ち、第1制御装置は、前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合には前記冷却水が前記冷却水冷却手段及び前記冷却通路からなる第1循環路を常に通過し、同取得された素子カバーの温度が同第1温度より高い場合には前記冷却水が前記バイパス通路及び前記冷却通路からなる第2循環路と前記第1循環路とを時間的に交互に通過するように、前記冷却水が通過する通路を切り換える冷却水通流経路切換手段を備えていた。
換言すると、この冷却水経路切換手段は、
前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合には「前記冷却水が前記冷却水冷却手段及び前記冷却通路からなる第1循環路」を常に通過し、同取得された素子カバーの温度が同第1温度より高い場合には前記冷却水の一部が「前記バイパス通路及び前記冷却通路からなる第2循環路」を通過するように通路を切り換える手段であるということもできる。
この意味において、第1制御装置は、取得された素子カバーの温度が第1温度より高い場合、前記冷却水を「第2循環路と第1循環路」とを時間的に交互に通過させることに代え、前記冷却水の一部を第2循環路を通過させ、同時に、前記冷却水の他部(残り冷却水)を第1循環路を通過させるように構成されてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、「第2制御装置」とも称呼する。)について説明する。第2制御装置は、第1制御装置が備える「排気側冷却系統80及び吸気側冷却系統90」に代わる「一つの冷却系統」を有する点、ポート噴射弁39に代わる筒内噴射弁を有する点、及び、「排気通路構成部材の強制冷却」に代わる「リーン燃焼制御」によって排ガス中の水蒸気濃度を減少させる点において、第1制御装置と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明を加える。
図11は、第2制御装置の冷却系統110の概略構成を示している。この冷却系統110は、第1制御装置の吸気側冷却系統90の第6通路91を、吸気側冷却通路111a及び排気側冷却通路111bに置換した点のみにおいて、吸気側冷却系統90と相違している。
吸気側冷却通路111aは、シリンダブロック部20及びシリンダヘッド部30の内部であって燃焼室25よりも吸気ポート31側の部分を通過する冷却通路を形成している。即ち、吸気側冷却通路111aは、吸気通路構成部材を冷却するために、入口部Q1から流入した冷却水を通流させた後に出口部Q2から排出する冷却通路を構成している。
排気側冷却通路111bは、シリンダブロック部20及びシリンダヘッド部30の内部であって燃焼室25よりも排気ポート34側の部分を通過する冷却通路を形成している。即ち、排気側冷却通路111bは、排気通路構成部材を冷却するために、入口部Q1から流入した冷却水を通流させた後に出口部Q2から排出する冷却通路を構成している。
このように、第2制御装置における冷却系統110においては、吸気側冷却通路111a及び排気側冷却通路111bに同一の冷却水が循環するようになっている。更に、冷却水がラジエータ100を通過するか否かは、冷却経路切換装置97のサーモスタットのみによって決定される。従って、第2制御装置は、第1制御装置のように強制冷却を実行しない。
第2制御装置の燃料噴射弁は、上述したように周知の筒内噴射弁である。筒内噴射弁は、燃焼室25内に噴孔が露呈するように配設され、燃焼室25内に燃料を直接噴射するようになっている。
(第2制御装置の作動の概要)
次に、上記のように構成された第2制御装置の作動の概要について、図12及び図13を参照しながら説明する。第2制御装置は、素子カバー66cの温度TCが第1温度TCthHより低い場合、機関に供給される混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側の空燃比(以下、単に「リーン空燃比」とも称呼する。)に設定する。第2制御装置は、素子カバー66cの温度TCが第1温度TCthH以上である場合、機関に供給される混合気の空燃比を理論空燃比に設定する。この理由について述べる。
図12は、機関に供給される混合気の空燃比と排ガスの水分濃度との関係を示したグラフである。このグラフに示したように、空燃比が大きくなるのに伴って排ガスの水分濃度が小さくなる。また、前述したように、水分濃度が小さいほど露点温度は低下する。
第2制御装置は係る知見に基づき、素子カバー66cの温度TCが第1温度TCthHよりも高い場合には機関に供給される混合気の空燃比を理論空燃比Stoichに設定し、素子カバー66cの温度TCが第1温度TCthHよりも低い場合には機関に供給される混合気の空燃比をリーン空燃比ALに設定する。換言すると、第2制御装置は、素子カバー66cの温度TCが第1温度TCthHよりも低い場合、素子カバー66cの温度TCが第1温度TCthHよりも高い場合よりも、機関に供給される混合気の空燃比をリーン側の空燃比に設定する(図13の(F)の時刻t0〜t3を参照。)。このような空燃比の制御を「リーン燃焼制御」又は「強制リーン制御」と称呼する。
このリーン燃焼制御により、空燃比センサ66に到達する排ガスの水蒸気濃度が低下するから、空燃比センサ66の配設部位における露点温度は、第1温度TCthHから第2温度TCthLへと低下する。従って、素子カバー66cの温度TCが第2温度TCthLを超えた時点(図13の時刻t1を参照。)以降において、素子カバー66cに結露は発生しないから、空燃比検出素子66aに水滴が付着しない。そこで、第2制御装置は、図13の時刻t1以降に示したように、素子カバー66cの温度TCが第2温度TCthLを超えた時点から、加熱用ヒータの発熱量をそれ以前(時刻t1以前)の発熱量よりも大きくする(図13の(C)の時刻t1以降における実線を参照。)。
この結果、図13の(D)に実線により示したように、空燃比検出素子66aの温度TSは時刻t1以降において速やかに活性温度TSthに向けて上昇する。従って、始動時(時刻t0)から空燃比センサ66が活性化する時点(時刻t2)までの時間(活性化必要時間T1)が、従来の機関よる活性化必要時間(T2)よりも短縮され、空燃比フィードバック制御を早期に開始することができる。以上が、第2制御装置の作動の概要である。
(第2制御装置の実際の作動)
次に、第2制御装置の実際の作動について、機関10が冷間始動された直後の時点からの時間経過に従って説明する。第2制御装置のCPU71は、図6に代わる図14、図7、図8及び図9に示されたルーチンを実行する。図7乃至図9に示されたルーチンについては説明済みである。従って、以下、図14に示されたルーチンに焦点を当てて説明する。なお、図14に示したステップのうち図6に示したステップと同じ処理を行うステップには、図6のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。
CPU71は、各気筒のクランク角が圧縮上死点前の所定クランク角(例えばBTDC90°)に一致する毎に、図14に示した燃料噴射制御ルーチンを繰り返し実行するようになっている。以下、クランク角が圧縮上死点前の前記所定クランク角度に一致した気筒を燃料噴射気筒とも称呼する。
従って、何れかの気筒のクランク角が前期所定クランク角に一致すると、CPU71は、ステップ1400からステップ1410に進み、水蒸気濃度低減フラグXPが「1」であるか否か(即ち、素子カバー温度TCが高側閾値温度TCthHより低い温度であるか否か)を判定する。
機関10の冷間始動後においては、一般に、素子カバー温度TCは高側閾値温度TCthHより低い。従って、水蒸気濃度低減フラグXPは図8のステップ820にて「1」に設定されている。このため、CPU71はステップ1410にて「Yes」と判定してステップ1420に進み、目標空燃比Abfrefを「理論空燃比Stoichよりも大きいリーン空燃比AL」に設定する。
次いで、CPU71は、ステップ610にて筒内吸入空気量Mcを取得し、ステップ615にて燃料噴射量Fiを決定し、ステップ620にて燃料噴射気筒に対して設けられている燃料噴射弁に対し開弁指示を行う。その後、CPU71は、ステップ1495に進んで本ルーチンを一旦終了する。この結果、機関に供給される混合気の空燃比はリーン空燃比ALに制御される。なお、CPU71は、燃焼室25内に燃料濃度の高い混合気層(可燃混合気)が生じるように燃料噴射時期を調整するとともに、点火時期を最適なタイミングに設定することにより、機関冷間時においても安定したリーン燃焼を発生させる。
この結果、素子カバー温度TCが高側閾値温度TCthHより低い期間(図13の時刻t0〜t3)、機関に供給される混合気の空燃比がリーン空燃比ALに制御されるから、空燃比センサ66に到達する排ガスの水蒸気濃度が低下する。従って、空燃比センサ66の配設部位における露点温度は、第1温度TCthHから第2温度TCthLへと低下する。換言すると、素子カバー66cの温度TCが第2温度TCthLを超えると、素子カバー66cに結露は発生しないから、空燃比検出素子66aに水滴が付着しない。
このため、CPU71は、素子カバー66cの温度TCが第2温度TCthLを超えた時点(図13の時刻t1を参照。)にて、図8のステップ805及びステップ810の処理によって低側閾値温度到達判定フラグXSを「1」に設定する。これにより、CPU71は、図9のステップ905に続くステップ915にて「Yes」と判定し、ステップ920の処理によって加熱用ヒータ66bを100%デューティにて通電する。即ち、CPU71は加熱用ヒータ66bの発熱量を最大にする。
その後、所定の時間が経過すると、図13の(A)の時刻t3に示したように、素子カバー温度TCが上昇して高側閾値温度TCthHに到達する。この時点以降において、CPU71が図8のルーチンの処理をステップ800から開始すると、CPU71はステップ805及びステップ810に続くステップ815にて「No」と判定し、ステップ830に進んで水蒸気濃度低減フラグXPを「0」に設定する。
これにより、CPU71が図14のステップ1400からステップ1410に進んだとき、CPU71は、そのステップ1410にて「No」と判定してステップ1430に進み、目標空燃比Abfrefを理論空燃比Stoichに設定する。
次いで、CPU71は、ステップ610にて筒内吸入空気量Mcを取得し、ステップ615にて燃料噴射量Fiを決定し、ステップ620にて燃料噴射気筒に対して設けられている燃料噴射弁に対し開弁指示を行う。その後、CPU71は、ステップ1495に進んで本ルーチンを一旦終了する。この結果、機関に供給される混合気の空燃比は理論空燃比に制御される。その他の作動については、第1制御装置と同様である。
以上、説明したように、第2制御装置は、取得された素子カバー66cの温度TCが前記第1温度(TCthH)より低い場合には、素子カバー66cの温度TCが第1温度TCthHより高い場合よりも「機関に供給される混合気の空燃比」を大きい値に設定する空燃比設定手段を、水蒸気濃度制御手段として備える。
従って、第2制御装置は、機関10の冷間始動後に機関に供給される混合気の空燃比をリーン空燃比ALに設定することによって、空燃比センサ66を通過する排ガスの水分濃度を低下させる。これによって、空燃比センサ66の素子カバー66cにおける結露温度を低側閾値温度TCthLまで低下させることができる。この結果、加熱用ヒータ66bを早い時点から100%デューティで通電することができる。従って、空燃比検出素子温度TSは活性温度TSthに早期に到達し、CPU71による空燃比のフィードバック制御の開始時間を早めることができる。よって、エミッションをより良好にすることができる。
なお、第2制御装置は、空燃比をリーン空燃比ALに設定するために燃料噴射量を変更していたが、スロットル弁44を駆動して吸入空気量を増大することにより、空燃比をリーン空燃比ALに設定してもよい。
このように本発明の各実施形態に係る制御装置は、空燃比センサ66の素子割れを回避しながら、空燃比検出素子66aの温度を活性温度にまで早期に上昇させることができる。
本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、第1制御装置及び第2制御装置は、図7に示した素子カバー温度推定ルーチンに代え、図15に示した素子カバー温度推定ルーチンを採用してもよい。図15に示したステップのうち図7に示したステップと同じ処理を行うステップには、図7のそのようなステップに付された符号と同一の符号が付されている。
図15に示したルーチンによれば、始動操作直後において「冷却水温THW及び素子カバー温度推定関数f(THW)」に基づき素子カバー温度TCの初期値が決定される(ステップ710を参照。)。更に、始動操作直後以降において、CPU71はステップ1510にて排気温Texを推定する。排気温Texは、機関10の負荷(例えば、筒内吸入空気量Mc及びアクセルペダル操作量Accp等)に基づいて推定される。次いで、CPU71は、ステップ1520にて、現時点での素子カバー温度TCを、α・TC(前回のルーチンにおける素子カバー温度TCに定数αを掛けたもの)に(1−α)・Texを加えた値(αは0以上で1以下の所定の定数)として推定する。これによって、現時点の素子カバー温度TCは、前回のルーチンにおける素子カバー温度TCと排気温Texとから算出されるので、より正確な素子カバー温度TCを推定することができる。また、素子カバー温度TCは、素子カバーに配設された温度センサにより直接的に取得されてもよい。
更に、空燃比センサ66は、素子カバーを二重に備えるものであってもよい。この場合、どちらの素子カバー温度を上記制御に使用してもよいが、内側の素子カバーを上記制御に使用することが好ましい。
また、低側閾値温度TCthLは、排ガスの水蒸気濃度が低下された場合における素子カバー66cの露点温度以上の温度であって、排ガスの水蒸気濃度が低下されていない場合における素子カバー66cの露点温度以下の温度であればよい。更に、高側閾値温度TCthHは、低側閾値温度TCthLよりも高い温度であればよい。このとき、高側閾値温度TCthHが「排ガスの水蒸気濃度が低下されていない場合における素子カバー66cの露点温度TH」以下の温度に設定されるならば、素子カバー温度TCが高側閾値温度TCthHを越えてから露点温度THに至るまでの間、加熱用ヒータ66bの発熱量を低下させればよい。更に、本発明による制御装置は、第1制御装置による強制冷却と第2制御によるリーン制御とを併用してもよい。
更に、「図8のステップ815乃至ステップ830、図10のステップ1005及びステップ1010、並びに、排気側冷却系統80」又は「図8のステップ815乃至ステップ830、図14のステップ1410乃至ステップ1430等」により構成される水蒸気濃度制御手段は、「取得された素子カバーの温度が第1温度より低い場合には同素子カバーの温度が第1温度より高い場合よりも空燃比センサに到達する排ガスに含まれる水蒸気の濃度を減少させる水蒸気濃度制御手段」であると言うこともできる。
加えて、図8のステップ805、ステップ810及びステップ825、並びに、図9のルーチンにより構成される加熱用ヒータ制御手段は、取得された素子カバーの温度が、前記水蒸気濃度制御手段により前記水蒸気の濃度が減少させられている状態において前記素子カバーに結露が生じることのない温度領域内の温度であって前記第1温度よりも低い温度である第2温度よりも低い場合には前記空燃比検出素子の温度を前記活性温度に向けて穏やかに上昇させるように前記加熱用ヒータの発熱量を0以上の第1の量に制御し、同素子カバーの温度が同第2温度よりも高い場合には前記空燃比検出素子の温度を同活性温度に向けて速やかに上昇させるように同加熱用ヒータの発熱量を同第1の量よりも大きい第2の量に制御する加熱用ヒータ制御手段であると言うこともできる。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関の制御装置(第1制御装置)が適用された内燃機関の概略図である。 図1に示した内燃機関の冷却系統の概略図である。 図1に示した空燃比センサの部分概略縦断面図である。 第1制御装置による効果を説明するための排気通路の概略図である。 第1制御装置における、素子カバー温度、加熱用ヒータディーティ及び空燃比検出素子温度等の時間的な変化を表すタイムチャートである。 第1制御装置のCPUが実行する燃料噴射制御ルーチンを示したフローチャートである。 第1制御装置のCPUが実行する素子カバー温度推定ルーチンを示したフローチャートである。 第1制御装置のCPUが実行するフラグ設定ルーチンを示したフローチャートである。 第1制御装置のCPUが実行する加熱用ヒータ制御ルーチンを示したフローチャートである。 第1制御装置のCPUが実行する冷却通路切換ルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る内燃機関の制御装置(第2制御装置)が適用された内燃機関の冷却系統の概略図である。 機関に供給される混合気の空燃比と排ガスの水分濃度との関係を示したグラフである。 第2制御装置における、素子カバー温度、加熱用ヒータディーティ及び空燃比検出素子温度等の時間的な変化を表すタイムチャートである。 第2制御装置のCPUが実行する燃料噴射制御ルーチンを示したフローチャートである。 本発明の他の実施形態におけるCPUが実行する素子カバー温度推定ルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
10…内燃機関、20…シリンダブロック部、25…燃焼室、30…シリンダヘッド部、34…排気ポート、35…排気弁、40…吸気系統、50…排気系統、51…エキゾーストマニホールド、52…排気管、53…三元触媒、65…冷却水温度センサ、66…空燃比センサ、66a…空燃比検出素子、66a1…固体電解質層、66a2…排ガス側電極層、66a3…大気側電極層、66a4…拡散抵抗層、66b…加熱用ヒータ、66c…素子カバー、66c1…小穴、70…電気制御装置、71…CPU、80…排気側冷却系統、81…第1通路(排気通路構成部材冷却通路)、87…冷却経路切換装置、90…吸気側冷却系統、100…ラジエータ。

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に配設された空燃比センサであって、所定の活性温度以上になったとき同排気通路を流れる排ガスの空燃比に対応した値を出力する空燃比検出素子、同空燃比検出素子を覆う素子カバー及び同空燃比検出素子を加熱する加熱用ヒータを有する空燃比センサと、
    前記空燃比検出素子の温度が前記活性温度以上であるとき前記空燃比検出素子から出力される値に基づいて前記機関に供給される混合気の空燃比をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と、
    を備える内燃機関の制御装置であって、
    前記素子カバーの温度を取得する素子カバー温度取得手段と、
    前記空燃比センサに到達する排ガスに含まれる水蒸気の濃度を減少させる水蒸気濃度制御手段と、
    前記取得された素子カバーの温度が、前記水蒸気濃度制御手段により前記水蒸気の濃度が減少させられている状態において前記素子カバーに結露が生じることのない温度領域内の温度である第2温度以下である場合には前記空燃比検出素子の温度を前記活性温度に向けて穏やかに上昇させるように前記加熱用ヒータの発熱量を0以上の第1の量に制御し、同素子カバーの温度が同第2温度よりも高い場合には前記空燃比検出素子の温度を同活性温度に向けて速やかに上昇させるように同加熱用ヒータの発熱量を同第1の量よりも大きい第2の量に制御する加熱用ヒータ制御手段と、
    を備える制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記水蒸気濃度制御手段は、
    前記取得された素子カバーの温度が、第2温度よりも高い第1温度より低い場合には、同素子カバーの温度が第1温度より高い場合よりも前記空燃比センサに到達する排ガスに含まれる水蒸気の濃度を減少させるように構成された制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記水蒸気濃度制御手段は、
    前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合、前記空燃比センサよりも上流の排気通路を構成する部材である排気通路構成部材を冷却することにより前記空燃比センサに到達する排ガスに含まれる水蒸気の濃度を減少させ、
    前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より高い場合、前記排気通路構成部材を冷却しないか又は前記素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合よりも低い冷却効率にて前記排気通路構成部材を冷却するように構成された制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記水蒸気濃度制御手段は、
    前排気通路構成部材を冷却するために入口部から流入した冷却水を通流させた後に出口部から排出する冷却通路と、
    導入部が前記冷却通路の出口部に連通されるとともに排出部が前記冷却通路の入口部に連通され同導入部から同排出部に向けて内部を流れる冷却水を大気との熱交換によって冷却する冷却水冷却手段と、
    前記冷却水冷却手段をバイパスするように一端が前記冷却通路の出口部に連通されるとともに他端が前記冷却通路の入口部に連通されたバイパス通路と、
    前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合には前記冷却水が前記冷却水冷却手段及び前記冷却通路からなる第1循環路を常に通過し、同取得された素子カバーの温度が同第1温度より高い場合には前記冷却水の一部が前記バイパス通路及び前記冷却通路からなる第2循環路を通過するように通路を切り換える冷却水通流経路切換手段と、
    を備える内燃機関の制御装置。
  5. 請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記水蒸気濃度制御手段は、
    前記取得された素子カバーの温度が前記第1温度より低い場合の前記機関に供給される混合気の空燃比を、同素子カバーの温度が同第1温度より高い場合の前記機関に供給される混合気の空燃比よりも大きい値に設定することにより前記空燃比センサに到達する排ガスに含まれる水蒸気の濃度を減少させるように構成された空燃比設定手段である制御装置。
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