JP2010070462A - 核酸誘導体及びその中間体化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 L−チミジン等の核酸誘導体の製造に好適な中間体である2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンの、工業的により有利な製造方法を提供する。
【解決手段】 2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物を塩基で処理し、2,2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンに誘導する。
【選択図】 なし
【解決手段】 2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物を塩基で処理し、2,2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンに誘導する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、医薬品として有用な核酸誘導体及びその中間体化合物の製造方法に関する。本発明はまた、該核酸誘導体の合成に有用な中間体化合物にも関する。
近年、核酸誘導体、特にL−チミジンなどの非天然型であるL−核酸誘導体の医薬品としての有用性が注目されている。L−核酸誘導体の合成法としては、天然に存在するL型糖であるL−アラビノースを原料とする方法が一般に知られている。
特許文献1には、アラビノースよりアラビノアミノオキサゾリンを合成し、該アラビノアミノオキサゾリンとα−ブロモメチルアクリル酸エステルとから得られるアラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エステル付加体を閉環して、2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンを得る方法が開示されている。実施例では、原料としてD−アラビノースを用い、D−2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンを得ているが、L−アラビノースを用いれば同様にL−2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンを得ることができる。該L−2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンは、非特許文献1等に開示されている公知の方法により、L−チミジン等のL−核酸誘導体に導くことできる。
特許文献2には、上記方法の改良法が開示されている。すなわち、該文献には、L−アラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エステル付加体を閉環してL−2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンとする過程において、中間物質として生じるL−2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンのエキソ体を、水素雰囲気下、パラジウム触媒で異性化させることで、より効率的にL−2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンに誘導する方法が開示されている。本方法は、特許文献1の方法において、閉環反応に続いて起こる異性化反応に、パラジウム触媒を使用することで、L−2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンの加水分解化合物が副生物として生じる問題を改善する方法であるが、淘汰が比較的困難なL−2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンの水素化化合物(5、6−ジヒドロ体)が副生物として新たに生じるという問題がある。
特許文献3には、特許文献2の方法の上記問題点が指摘されており、触媒量や反応温度等を最適化することにより、5、6−ジヒドロ体の副生を抑制することが提案されている。しかしながら、L−2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンのエキソ体は比較的不安定な化合物であり、高温では水素化化合物の副生が低下するものの、加水分解化合物の副生が増大する傾向にあるなど、反応の制御が煩雑かつ困難である。また特許文献3の方法でも数%の5、6−ジヒドロ体の生成は避けられない。
本発明の目的は、前記記載の従来技術で課題とされている副反応の問題を解決する、核酸誘導体及びその中間体化合物の製造方法を提供することにある。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、式(1)で表される2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物を塩基で処理することにより、5,6−ジヒドロ体の副生といった問題を生じることなく、式(2)で表される2,2′−アンヒドロアラビノシルチミンが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の内容を含むものである。
[1] 式(1):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表される2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物を塩基で処理することを特徴とする、式(2):
で表される2,2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンの製造方法。
[2] 式(3):
(式中、R2はアルキル基を示す。)
で表される化合物又は式(4):
(式中、R2はアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物を、式(5):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表されるアルコール存在下、塩基で処理し、式(1)で表される2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物得る工程をさらに含む上記[1]記載の方法。
[3] 式(4):
(式中、R2はアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物を、塩基で中和し、式(3):
(式中、R2はアルキル基を示す。)
で表される化合物として単離した後、該化合物を、式(5):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表されるアルコール存在下、塩基で処理し、式(1)で表される2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物得る工程をさらに含む上記[1]記載の方法。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法に従って式(2)で表される2、2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンを得た後、該化合物の保護化及びハロゲン化を逐次又は同時に行なうことを特徴とする、式(8):
(式中、R3はヒドロキシ基の保護基を示し、X2はハロゲン原子を示す。)
で表される2′−ハロゲン−チミジン化合物の製造方法。
[5] 上記[4]記載の方法に従って、式(8)で表される2′−ハロゲン−チミジン化合物を得た後、該化合物を脱ハロゲン化することを特徴とする、式(9):
(式中、R3は前記と同義を示す。)
で表されるL−チミジン化合物の製造方法。
[6] 上記[5]記載の方法に従って、式(9)で表されるL−チミジン化合物を得た後、該化合物を脱保護化することを特徴とする、式(10):
で表されるL−チミジンの製造方法。
[7] 式(1′):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表されるL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物を塩基で処理することを特徴とする、式(2′):
で表されるL−2,2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンの製造方法。
[8] 式(3′):
(式中、R2はアルキル基を示す。)
で表される化合物又は式(4′):
(式中、R2はアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物を、式(5):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表されるアルコール存在下、塩基で処理し、式(1′)で表されるL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物得る工程をさらに含む上記[7]記載の方法。
[9] 式(4′):
(式中、R2はアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物を、塩基で中和し、式(3′):
(式中、R2はアルキル基を示す。)
で表される化合物として単離した後、該化合物を、式(5):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表されるアルコール存在下、塩基で処理し、式(1′)で表される2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物得る工程をさらに含む上記[7]記載の方法。
[10] 上記[7]〜[9]のいずれかに記載の方法に従って式(2′)で表されるL−2、2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンを得た後、該化合物の保護化及びハロゲン化を逐次又は同時に行なうことを特徴とする、式(8′):
(式中、R3はヒドロキシ基の保護基を示し、X2はハロゲン原子を示す。)
で表されるL−2′−ハロゲン−チミジン化合物の製造方法。
[11] 上記[10]記載の方法に従って、式(8′)で表されるL−2′−ハロゲン−チミジン化合物を得た後、該化合物を脱ハロゲン化することを特徴とする、式(9′):
(式中、R3は前記と同義を示す。)
で表されるL−チミジン化合物の製造方法。
[12] 上記[11]記載の方法に従って、式(9′)で表されるL−チミジン化合物を得た後、該化合物を脱保護化することを特徴とする、式(10′):
で表されるL−チミジンの製造方法。
[1] 式(1):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表される2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物を塩基で処理することを特徴とする、式(2):
で表される2,2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンの製造方法。
[2] 式(3):
(式中、R2はアルキル基を示す。)
で表される化合物又は式(4):
(式中、R2はアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物を、式(5):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表されるアルコール存在下、塩基で処理し、式(1)で表される2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物得る工程をさらに含む上記[1]記載の方法。
[3] 式(4):
(式中、R2はアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物を、塩基で中和し、式(3):
(式中、R2はアルキル基を示す。)
で表される化合物として単離した後、該化合物を、式(5):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表されるアルコール存在下、塩基で処理し、式(1)で表される2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物得る工程をさらに含む上記[1]記載の方法。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法に従って式(2)で表される2、2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンを得た後、該化合物の保護化及びハロゲン化を逐次又は同時に行なうことを特徴とする、式(8):
(式中、R3はヒドロキシ基の保護基を示し、X2はハロゲン原子を示す。)
で表される2′−ハロゲン−チミジン化合物の製造方法。
[5] 上記[4]記載の方法に従って、式(8)で表される2′−ハロゲン−チミジン化合物を得た後、該化合物を脱ハロゲン化することを特徴とする、式(9):
(式中、R3は前記と同義を示す。)
で表されるL−チミジン化合物の製造方法。
[6] 上記[5]記載の方法に従って、式(9)で表されるL−チミジン化合物を得た後、該化合物を脱保護化することを特徴とする、式(10):
で表されるL−チミジンの製造方法。
[7] 式(1′):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表されるL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物を塩基で処理することを特徴とする、式(2′):
で表されるL−2,2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンの製造方法。
[8] 式(3′):
(式中、R2はアルキル基を示す。)
で表される化合物又は式(4′):
(式中、R2はアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物を、式(5):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表されるアルコール存在下、塩基で処理し、式(1′)で表されるL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物得る工程をさらに含む上記[7]記載の方法。
[9] 式(4′):
(式中、R2はアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す。)
で表される化合物を、塩基で中和し、式(3′):
(式中、R2はアルキル基を示す。)
で表される化合物として単離した後、該化合物を、式(5):
(式中、R1はアルキル基を示す。)
で表されるアルコール存在下、塩基で処理し、式(1′)で表される2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物得る工程をさらに含む上記[7]記載の方法。
[10] 上記[7]〜[9]のいずれかに記載の方法に従って式(2′)で表されるL−2、2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンを得た後、該化合物の保護化及びハロゲン化を逐次又は同時に行なうことを特徴とする、式(8′):
(式中、R3はヒドロキシ基の保護基を示し、X2はハロゲン原子を示す。)
で表されるL−2′−ハロゲン−チミジン化合物の製造方法。
[11] 上記[10]記載の方法に従って、式(8′)で表されるL−2′−ハロゲン−チミジン化合物を得た後、該化合物を脱ハロゲン化することを特徴とする、式(9′):
(式中、R3は前記と同義を示す。)
で表されるL−チミジン化合物の製造方法。
[12] 上記[11]記載の方法に従って、式(9′)で表されるL−チミジン化合物を得た後、該化合物を脱保護化することを特徴とする、式(10′):
で表されるL−チミジンの製造方法。
本発明によれば、核酸誘導体の中間体として有用な一般式(2)で表される2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物を、5,6−ジヒドロ体を副生することなく製造することができ、L−チミジン等の核酸誘導体を工業的に有利なより方法で製造することが可能となる。
以下、L−核酸誘導体の製法を例にして、本発明を詳細に説明する。なお本発明はD−核酸誘導体、核酸誘導体のラセミ体にも同様に適用可能である。
式(7′)で表されるL−アラビノアミノオキサゾリンは、L−アラビノースとシアンアミドを反応させることにより得ることができる(ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol. ),47,531−543(1970);ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),38,593(1973)参照)。また、L−アラビノアミノオキサゾリンを式(6):
で表される、α−ハロメチルアクリル酸エステルと反応させることにより、式(4′)で表されるL−アラビノアミノオキサゾリン−α−メチルアクリル酸エステル付加体を得ることができる(特許文献1、2及び3参照)。
で表される、α−ハロメチルアクリル酸エステルと反応させることにより、式(4′)で表されるL−アラビノアミノオキサゾリン−α−メチルアクリル酸エステル付加体を得ることができる(特許文献1、2及び3参照)。
式中、R2はアルキル基を示し、X1は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、p−トルエンスルフォニルオキシ基又はメタンスルフォニルオキシ基を示す。R2で示されるアルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が好ましい。X1としては、特に塩素原子、臭素原子が好ましい。
次に、式(4′)で表されるL−アラビノアミノオキサゾリン−α−メチルアクリル酸エステル付加体を、式(5)で表されるアルコール存在下、塩基で処理し、式(1′)で表されるL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物に誘導する(特許文献1参照)。
式中、R2びX1は前記と同義を示す。R1はアルキル基を示す。アルキル基としては炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましく、さらにメチル基、エチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
塩基処理において使用する塩基は、無機塩基及び有機塩基のいずれも使用することができる。具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、DMAP(ジメチルアミノピリジン)、アンモニア等が挙げられ、特に水酸化カリウム及びナトリウムメトキシドが好ましい。
塩基の使用量は、式(4′)で表されるL−アラビノアミノオキサゾリン−α−メチルアクリル酸エステル付加体に対して、通常1.0〜2.0モル当量、好ましくは1.1〜1.2モル当量である。塩基処理による反応は溶媒中で行うのが好ましい。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のプロトン性溶媒を単独で、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒を1種類以上混合して使用することができる。これらの中では、特にメタノールが好ましい。反応温度は通常−50℃〜150℃の範囲であり、0℃〜30℃の範囲で行うのが好ましい。反応時間は通常10分〜48時間の範囲であり、1時間〜24時間の範囲で行うのが好ましい。反応溶液を、抽出、晶析、クロマトグラフィー等の当業者に公知の精製手段で処理することにより、式(1′)で表されるL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物を精製及び単離することができる。引き続き式(2′)で表される化合物に誘導する場合は、任意に精製操作や単離操作を省略してもよい。
式(4′)で表されるL−アラビノアミノオキサゾリン−α−メチルアクリル酸エステル付加体は塩基により中和し、式(3′)で表されるフリー体として一旦単離した後、式(5)で表されるアルコール存在下、塩基で処理することにより式(1′)で表されるL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物に誘導することもできる。式中、R1、R2及びX1は前記と同義を示す。
式(4′)で表される化合物を、塩基で中和し、式(3′)で表されるフリー体とする際の中和処理に使用する塩基は、無機塩基及び有機塩基のいずれを使用してもよい。具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピリジン、DMAP(ジメチルアミノピリジン)、アンモニア等が挙げられ、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
塩基の使用量は、式(4′)で表されるL−アラビノアミノオキサゾリン−α−メチルアクリル酸エステル付加体に対して、通常0.9〜1.2モル当量、好ましくは1.0モル当量である。中和による処理は溶媒中で行うのが好ましい。溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のプロトン性溶媒を単独で、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒を1種類以上混合して使用することができる。これらの中では、特に水が好ましい。反応温度は通常−20℃〜50℃の範囲であり、0℃〜10℃の範囲で行うのが好ましい。反応時間は通常10分〜24時間の範囲であり、30分〜2時間の範囲で行うのが好ましい。反応溶液を、抽出、晶析、クロマトグラフィー等の当業者に公知の精製手段で処理することにより、式(3′)で表される化合物を精製及び単離することができる。例えば、水中で中和を行う場合は、式(3′)で表される化合物が析出するため、ろ過を行うのみで単離することができる。引き続き式(2′)で表される化合物に誘導する場合は、任意に精製操作や単離操作を省略してもよい。なお、式(4′)で表される化合物をこの段階で中和し、式(3′)で表される化合物を単離して次の工程に用いることで、後の工程における塩の副生及び反応系への混入を防ぐことができ、L−チミジン等の目的物の晶析による精製が容易になるなど、目的物の品質向上に有利となる。
次に、式(1′)で表されるL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−アルコキシメチレン化合物を、塩基で処理することにより、式(2′)で表されるL−2、2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンに誘導することができる。式中、R1は前記と同義を示す。
上記反応は、水素を使用しない非水素雰囲気下で行うことができるため、特許文献2及び3のように5,6−ジヒドロ体の副生といった問題を生じることなく、式(2′)で表されるL−2、2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンに誘導することが可能である。
使用する塩基は、無機塩基及び有機塩基のいずれも使用することができる。具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、DMAP(ジメチルアミノピリジン)、アンモニア等が挙げられ、特にカリウムtert−ブトキシド及びナトリウムメトキシドが好ましい。
反応は金属触媒存在下でも行うことができる。金属触媒としては、反応を促進させるものであれば特に限定されないが、遷移金属触媒が好ましい。遷移金属触媒としては、パラジウム触媒、ロジウム触媒、ルテニウム触媒、白金触媒等が挙げられる。遷移金属触媒は、遷移金属の酸化物または塩化物の形態や、遷移金属触媒に配位子が配位した形態のものを使用することができる。また遷移金属触媒は、活性炭、アルミナ、シリカ等の担体に担持させた形態のものを使用することができる。具体例としては、パラジウム炭素担持触媒、パラジウムアルミナ担持触媒、臭化パラジウム、塩化パラジウム、ヨウ化パラジウム、硝酸パラジウム、シアン化パラジウム、パラジウムアセテート、パラジウムアセチルアセトナート、パラジウムトリフルオロアセテートダイマー、酸化パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等のパラジウム触媒、ロジウム炭素担持触媒、ロジウムアルミナ担持触媒、ロジウムカルボニル、臭化ロジウム、塩化ロジウム、ヨウ化ロジウム、ロジウムアセテートダイマー、ロジウムアセチルアセトナート、ロジウムトリフルオロアセテートダイマー、酸化ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム触媒が挙げられる。
塩基量は式(1′)の化合物に対して通常0.01〜1.0モル当量、好ましくは0.1〜0.2モル当量である。反応は溶媒中で行うのが好ましい。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の単独もしくは混合物が好ましく、特にジメチルホルムアミドが好ましい。反応温度は−50〜300℃の範囲で行うのが好ましく、特に50〜150℃の範囲で行うのがより好ましい。反応時間は通常15分〜72時間の範囲であり、30分〜24時間の範囲で行うのが好ましい。反応終了後、反応溶液を抽出、晶析、クロマトグラフィー等の当業者に公知の単離精製手段で処理することにより、式(2′)で表されるL−2、2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンを単離精製することができる。
次に式(2′)で表されるL−2、2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンは3′位及び5′位のヒドロキシ基の保護化及び2′位のハロゲン化を逐次又は同時に行ない、式(8′)で表されるL−2′−ハロゲン−チミジン化合物へ誘導することができる。保護化及びハロゲン化は逐次に、すなわち、保護化に続いてハロゲン化を行うか、ハロゲン化に続いて保護化を行うかのいずれかで行うことができる。
式中、R3はヒドロキシ基の保護基を示し、X2はハロゲン原子を示す。
式中、R3はヒドロキシ基の保護基を示し、X2はハロゲン原子を示す。
R3で示されるヒドロキシの保護基としては、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキル基、アラルキル基、シリル基等が挙げられる。アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、イソブチロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−トルオイル基、4−クロロベンゾイル基等の炭素数1〜8のアシル基が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル基などが挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、4−モノメトキシベンジル基、トリチル基、4−モノメトキシトリチル基、4,4′−ジメトキシトリチル基等の炭素数7〜21のアラルキル基が挙げられる。シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の3置換シリル基が挙げられる。その他、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、メトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等のヒドロキシ基の保護基を使用することができる。ヒドロキシ基の保護基としては、塩基による加水分解により容易に脱保護が可能なアシル基が特に好ましく、アシル基の中ではアセチル基が特に好ましい。
X2で示されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子が挙げられる。これらの中では、塩素原子、臭素原子が好ましく、特に臭素原子が好ましい。
ヒドロキシ基の保護は、公知の方法に従って行うことができる。例えば、適当な溶媒中で、アシル化剤、アルコキシカルボニル化剤、アルキル化剤、アラルキル化剤、シリル化剤等のヒドロキシ基の保護化試薬を添加する。ヒドロキシ基の保護化試薬の例としては、無水酢酸、塩化アセチル、塩化ベンゾイル、無水トリフルオロ酢酸等のアシル化剤、塩化メトキシカルボニル、塩化tert−ブトキシカルボニル、塩化ベンジルオキシカルボニル、ジ−tert−ブチルジカルボネート等のアルコキシカルボニル化剤、臭化ベンジル等のアラルキル化剤、塩化トリメチルシリル、塩化トリエチルシリル、塩化tert−ブチルジメチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸tert−ブチルジメチルシリルエステル等のシリル化剤等を挙げることができる。
ヒドロキシ基の保護化は当業者によく知られた方法であり、例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(第3版、ジョン・ウィリー・アンド・ソンズ社、1999年(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd edition (John Wiley&Sons, Inc. 1999))に記載の方法に準じて行うことができる。
ハロゲン化剤としては、臭化水素酸、塩酸、ピリジン臭化水素酸塩、ピリジン塩酸塩、アルキルアンモニウムハライド、臭素化ナトリウム等のハロゲン化物が挙げられる。また、式(11):
(式中、R3及びX2は前記と同義を示す。)
で表されるハロゲン化試薬を作用させれば、保護化及びハロゲン化を同時に行なうことができる。この方法は、工程数を省略化できるので、より好ましい方法となる。
(式中、R3及びX2は前記と同義を示す。)
で表されるハロゲン化試薬を作用させれば、保護化及びハロゲン化を同時に行なうことができる。この方法は、工程数を省略化できるので、より好ましい方法となる。
式(11)中、R3で示されるヒドロキシ基の保護基としては、前記と同じものが挙げられる。式(11)で表されるハロゲン化試薬を使用した場合、特にアシル基が好ましい。アシル基としては前述したものが例示され、特にアセチル基が好ましい。X2で示されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子が好ましく、特に臭素原子が好ましい。すなわち、式(11)で表されるハロゲン化試薬の好ましい例としては、アシルクロリド、アシルブロミドが挙げられ、中でもベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、アセチルクロリド、アセチルブロミドが好ましく、特にアセチルブロミドが好ましい。
ハロゲン化試薬の使用量は、式(2′)で表されるL−2、2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンに対して、通常1.1〜15モル当量、好ましくは3〜7モル当量である。反応は溶媒中で行うのが好ましい。溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどの非プロトン性溶媒、あるいはこれら非プロトン性溶媒の2種以上を混合した混合溶媒が好ましく、特にジメチルホルムアミド、及びジメチルホルムアミドと酢酸エチルの混合溶媒が好ましい。反応温度は通常0〜150℃の範囲であり、40〜100℃の範囲で行うのが好ましい。 反応時間は通常5分〜24時間の範囲であり、15分〜6時間の範囲で行うのが好ましい。反応溶液を、抽出、晶析、クロマトグラフィー等の当業者に公知の精製手段で処理することにより、式(8′)で表されるL−2′−ハロゲン−チミジン化合物を精製及び単離することができる。引き続き式(9′)で表される化合物に誘導する場合は、任意に精製操作や単離操作を省略してもよい。
式(8′)で表されるL−2′−ハロゲン−チミジン化合物は、2′位を脱ハロゲン化することにより、式(9′)で表されるL−チミジン化合物に誘導することができる。
式中、R3はヒドロキシ基の保護基を示す。ヒドロキシ基の保護基については前述と同様である。
式中、R3はヒドロキシ基の保護基を示す。ヒドロキシ基の保護基については前述と同様である。
脱ハロゲン化は、水素化トリブチルスズ、水素化トリエチルシラン、亜リン酸エステル、次亜リン酸及び次亜リン酸塩を用いるラジカル還元、水素雰囲気下における遷移金属触媒による接触還元、ニッケル触媒による還元等、公知の方法により行うことができる。次亜リン酸塩としては、例えば、次亜リン酸N−エチルピペリジニウム、次亜リン酸トリエチルアンモニウム、次亜リン酸ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。脱ハロゲン化剤として水素化トリブチルスズや水素化トリエチルシランを用いる場合、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、トリエチルボラン等のラジカル反応開始剤を共存させる。
脱ハロゲン化は、水素雰囲気下で遷移金属触媒により接触還元する方法が好ましい。遷移金属触媒としては、前述したのと同様のものを用いることができる。特に、パラジウム触媒、ロジウム触媒が好ましい。具体例も前述と同様である。水素圧は、常圧〜50気圧、好ましくは1気圧〜10気圧の範囲で行われる。
反応は溶媒中で行うのが好ましい。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等が、単独もしくは混合物として挙げられ、特にメタノールと水の混合溶媒が好ましい。系中に必要により、トリエチルアミン、酢酸ナトリウム等の塩基や酢酸等の酸を添加してもよい。反応温度は−50℃〜200℃の範囲で行うのが好ましく、特に0℃〜50℃の範囲で行うのがより好ましい。 反応時間は通常10分〜72時間の範囲であり、30分〜24時間の範囲で行うのが好ましい。反応終了後、遷移金属触媒をろ過により除去する。反応溶液は、抽出、晶析、クロマトグラフィー等の当業者に公知の単離精製手段で処理することにより、式(9′)で表されるL−チミジン化合物を単離精製することができる。引き続き式(10′)で表される化合物に誘導する場合は、任意に単離精製操作を省略してもよい。
ヒドロキシ基の脱保護化は、当業者に公知の方法により行うことができる。例えば、ヒドロキシ基の保護基がアシル基の場合には、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキサイド、カリウムメトキサイド等のアルカリで処理することにより脱保護することができる。またヒドロキシ基の保護基がアラルキル基の場合には、塩酸もしくは酢酸等の酸で処理することにより、またはパラジウム炭素等を触媒とする接触水素分解等により、脱保護することができる。
以下、実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお以下の式中、Meはメチル基、Etはエチル基を意味する。
L−2,2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミンの合成(1)
L−アラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エチル付加体のフリー体(6.04g、純度99.3%、20.96mmol)のメタノール(120mL)溶液に28%ナトリウムメトキシドのメタノール(0.81g、4.0mmol)溶液を加え、室温で16時間攪拌した。HPLCで反応溶液中にL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−メトキシメチレン体が生成しているのを確認した。反応溶液をN,N−ジメチルホルムアミドに置換し100℃にて1時間反応させた。反応終了後、60%硫酸(0.27mL)を加えて、溶媒を減圧除去した。得られた残渣にエタノール(15mL)を加え、室温で終夜攪拌した。析出した結晶をろ別し、エタノール(3mL)で洗浄後、減圧乾燥することにより、L−2,2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミン(2.52g、収率50%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.79(3H,d,J=1.2Hz),3.14−3.20(1H,m),3.22−3.27(1H,m),4.04−4.07(1H,m),4.36−4.38(1H,m),4.95(1H,t,J=5.2 Hz),5.17(1H,d,J=5.7Hz),5.85(1H,d,J=4.8Hz),6.29(1H,d,J=5.7Hz),7.74(1H,d,J=1.2Hz)
L−アラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エチル付加体のフリー体(6.04g、純度99.3%、20.96mmol)のメタノール(120mL)溶液に28%ナトリウムメトキシドのメタノール(0.81g、4.0mmol)溶液を加え、室温で16時間攪拌した。HPLCで反応溶液中にL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−メトキシメチレン体が生成しているのを確認した。反応溶液をN,N−ジメチルホルムアミドに置換し100℃にて1時間反応させた。反応終了後、60%硫酸(0.27mL)を加えて、溶媒を減圧除去した。得られた残渣にエタノール(15mL)を加え、室温で終夜攪拌した。析出した結晶をろ別し、エタノール(3mL)で洗浄後、減圧乾燥することにより、L−2,2′−アンヒドロ−1−(β−アラビノフラノシル)チミン(2.52g、収率50%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6):1.79(3H,d,J=1.2Hz),3.14−3.20(1H,m),3.22−3.27(1H,m),4.04−4.07(1H,m),4.36−4.38(1H,m),4.95(1H,t,J=5.2 Hz),5.17(1H,d,J=5.7Hz),5.85(1H,d,J=4.8Hz),6.29(1H,d,J=5.7Hz),7.74(1H,d,J=1.2Hz)
L−アラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エチル付加体のフリー体の合成
L−アラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エチル付加体(218.16g、純度91.7%、0.545mol)を水(388mL)に溶解し、氷冷した。2M水酸化ナトリウム水溶液(272mL、0.545mol)を30分かけて加え、さらに同温度で5分攪拌した。析出した結晶をろ別し、水(200mL)で洗浄後、室温で一晩減圧乾燥することにより、L−アラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エチル付加体のフリー体(128.02g、収率82%)を得た。
L−アラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エチル付加体(218.16g、純度91.7%、0.545mol)を水(388mL)に溶解し、氷冷した。2M水酸化ナトリウム水溶液(272mL、0.545mol)を30分かけて加え、さらに同温度で5分攪拌した。析出した結晶をろ別し、水(200mL)で洗浄後、室温で一晩減圧乾燥することにより、L−アラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エチル付加体のフリー体(128.02g、収率82%)を得た。
<参考例1>
L−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−メトキシメチレン化合物の合成
L−アラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エチル付加体のフリー体(10.64g、純度93.9%、34.92mmol)のメタノール(200mL)溶液に28%ナトリウムメトキシドのメタノール(1.34g、6.98mmol)溶液を加え、40℃で5時間攪拌した。HPLCで反応溶液中にL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−メトキシメチレン化合物が生成しているのを確認した後、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ジクロロメタン/メタノール)で精製し、L−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−メトキシメチレン化合物(2.42g、25.5%)を結晶として得た。
L−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−メトキシメチレン化合物の合成
L−アラビノアミノオキサゾリン−α−ブロモメチルアクリル酸エチル付加体のフリー体(10.64g、純度93.9%、34.92mmol)のメタノール(200mL)溶液に28%ナトリウムメトキシドのメタノール(1.34g、6.98mmol)溶液を加え、40℃で5時間攪拌した。HPLCで反応溶液中にL−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−メトキシメチレン化合物が生成しているのを確認した後、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ジクロロメタン/メタノール)で精製し、L−2,2′−アンヒドロ−5,6−ジヒドロウリジン−5−メトキシメチレン化合物(2.42g、25.5%)を結晶として得た。
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JP2011207957A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 重合体の製造方法 |
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2008
- 2008-09-16 JP JP2008236680A patent/JP2010070462A/ja active Pending
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