JP2010070422A - 耐熱モルタル、及び耐火物の施工方法 - Google Patents

耐熱モルタル、及び耐火物の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コークス炉の炉床、擁壁等の築炉に際して作業性を大幅に向上することができ、かつ炉の長期耐熱性を実現することのできる耐熱モルタルを提供すること。
【解決手段】炉体用耐火物7を積み上げて形成される炉本体と、炉本体周囲に形成され、炉本体を保持するコンクリート1との間に設けられる耐火物3を施工する際に用いられる耐熱モルタルは、シリカ及びアルミナの少なくともいずれかを主成分とする骨材を55質量%以上、75質量%以下含有し、残部がアルミナセメント系結合材であり、骨材は、粒径0.6mm以上、粒径2mm未満の骨材粒を50質量%以上、かつ粒径0.2mm未満の骨材粒を20質量%以上38質量%以下含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱モルタル、及び耐火物の施工方法に関する。
コークス炉においては、珪石れんがからなる耐火レンガ層とコンクリート外殻との間に、赤レンガからなる断熱層があり、その赤れんがの目地モルタルとして、質量割合でポルトランドセメント1に対し砂3を加えて混練した混合体が従来使用されてきた。
しかし、長期稼動期間中、前記ポルトランドセメント混合体が200℃〜300℃に達し、熱のために損傷劣化し、その外側のコンクリート層まで損傷するケースが出てきた。詳細調査した結果、対策としては、赤レンガそのものは耐熱温度500℃なので問題ないものの、目地には耐熱性のあるアルミナセメントと珪砂等の耐火性骨材を使用する必要のあることが判明した。
ここで、赤レンガは非常に吸水力が高く、低水分のアルミナセメントを結合材とする耐熱モルタルを施工すると、急激な乾燥収縮のために、目地切れはもちろん、施工体のそりや浮き上がり現象が発生するという問題がある。
これを防止するためには、赤レンガの吸水力を抑制することが必要である。このため赤レンガには、事前に水中含浸しておく等の対策が必要であるが、コークス炉のような赤れんがのみで数百ton規模の大量施工を要求する工事では、プールのような水中含浸設備の事前準備が必要となり、その上、乾燥時にこの含浸した水分の蒸発に長期間を要することによる建設工期の点や、乾燥時のエネルギー使用量の点からも、実質上困難である。
一方、通常の赤レンガの施工では、特許文献1に記載されるような吸水力向上の試みが行われている。
特開2007−63104号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載されるように、赤レンガの吸水力を向上するような試みは行われているが、赤レンガの吸水抑制を図るような提案は具体的に提示されていない。
本発明の目的は、コークス炉の炉床、擁壁等の築炉に際して作業性を大幅に向上することができ、かつ炉の長期耐熱性を実現することのできる耐熱モルタル、及び耐火物の施工方法を提供することにある。
本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
(1)炉体用耐火物を積み上げて形成される炉本体と、前記炉本体周囲に形成され、前記炉本体を保持するコンクリートとの間に設けられる耐火物を施工する際に用いられる耐熱モルタルであって、
シリカ及びアルミナの少なくともいずれかを主成分とする骨材を55質量%以上、75質量%以下含有し、残部がアルミナセメント系結合材であり、
前記骨材は、粒径0.6mm以上、粒径2mm未満の骨材粒を50質量%以上、かつ粒径0.2mm未満の骨材粒を20質量%以上38質量%以下含んでいることを特徴とする耐熱モルタル。
(2)炉体用耐火物を積み上げて形成される炉本体と、前記炉本体周囲に形成され、前記炉本体を保持するコンクリートとの間に設けられる耐火物を施工する耐火物の施工方法であって、
前記コンクリートの表面に、耐熱モルタルを用いて前記耐火物を施工していく工程と、
施工された前記耐火物表面に遮水層を形成した後、耐熱モルタルを用いて前記炉体用耐火物を積層施工していく工程とを実施し、
前記耐熱モルタルは、シリカ及びアルミナの少なくともいずれかを主成分とする骨材を55質量%以上、75質量%以下含有し、残部がアルミナセメント系結合材であり、
前記骨材は、粒径0.6mm以上、粒径2mm未満の骨材粒を50質量%以上、かつ粒径0.2mm未満の骨材粒を20質量%以上38質量%以下含んでいることを特徴とする耐火物の施工方法。
本発明によれば、耐熱モルタルの骨材が前記のような粒度で構成されているので、施工時、鏝伸び、鏝離れがよく、作業性が良好で、しかもアルミナセメント系結合材を使用することにより、硬化後のモルタルの耐熱性が向上するので、目地切れ等を防止して、コークス炉の炉床、擁壁等の長期耐熱性を実現することができる。
本発明では、骨材は、シリカ及びアルミナの少なくともいずれかを主成分(80質量%以上)としているが、例えば、鋳物に用いられる砂を分級することにより得ることができ、例えば、次のような粒径分布を持つものを採用することができる。
粒径範囲 質量%範囲
1mm以上、2mm未満 :11質量%以上、16質量%以下
0.8mm以上、1mm未満 :21質量%以上、33質量%以下
0.6mm以上、0.8mm未満:9質量%以上、15質量%以下
0.4mm以上、0.6mm未満:11質量%以上、17質量%以下
0.2mm以上、0.4mm未満:1質量%以上、3質量%以下
0.1mm以上、0.2mm未満:20質量%以上、32質量%以下
0.1mm未満 :4質量%以上、6質量%以下
粒径0.2mm未満の微粒域の骨材粒の比率は、施工時の作業性を良好とするためには、20質量%以上が必要であるが、粒径0.2mm未満、(特に、粒径0.1mm未満)の骨材粒の比率が多くなると、水で混練したモルタルに粘りが出てしまい、鏝離れ等が悪くなるという作業性の問題が生じるので、粒径0.2mm未満の微粒域の骨材粒は、38質量%以下とする。また、粒径0.1mm未満の骨材は、止むを得ず入る以外は、意図的に混合しない方が上記鏝離れ等の作業性の点からよい。
一方、粒径0.6mm以上、粒径2mm未満の粗粒域の骨材粒の比率は、やはり、施工時の作業性を良好とするためには、50質量%以上が必要である。ちなみに、粒径1mm以上の粗粒域の骨材粒の比率が多くなると、鏝伸びや、耐火物との接着性が悪くなる場合が懸念されるので、16質量%以下とするのが好ましいが、乾燥収縮時の亀裂発生頻度を抑制するためには、11質量%以上が好ましい。
本発明で使用される骨材は、粒径0.6mm以上の粗粒域の骨材粒及び粒径0.2mm未満の微粒域の骨材粒の比率が高く、粒径0.2mm以上、粒径0.6mm未満の中粒域の骨材粒の比率が低い点に特徴があり、粒径0.6mm以上の骨材粒、および粒径0.2mm未満の骨材粒は、上記質量%の範囲内でそれぞれ調整し、結果として粒径0.6mm以上、粒径2mm未満の骨材粒が50質量%以上、かつ粒径0.2mm未満の骨材粒が20質量%以上38質量%以下となればよい。この様な粒度で構成することにより、施工時に、鏝伸び、鏝離れがよく、作業性を良好とすることができることがわかった。
また、骨材の由来は、鋳物に用いられる砂のみならず、川砂を用いてもよいが、川砂は粒径0.2mm以上、粒径0.6mm未満の中粒域の骨材粒が50質量%以上を占めることが多く、分級による粒径分布の調整や、最大粒径2mm未満の別骨材添加が必要となる。尚、海砂は、上記川砂の場合の問題点に加え、Na分の混入が予想され、アルミナセメント系結合材の硬化が促進され、施工体に亀裂が入る可能性があるため、十分に水洗してNa分を除去し、分級しなければ使用することはできない。
結合材として用いられるアルミナセメント系結合材としては、例えば、アルミナセメントを80質量%以上含み、これに必要に応じて、粘土微粉、シリカ微粉、及び有機繊維を加えたものを採用することができる。
アルミナセメントは、例えば、粒径0.1mm以下のものが99質量%以上の粒径分布のものを採用することができ、化学成分的には、例えば、Alが50質量%以上、CaOが36質量%のものを採用することができる。
なお、低CaO濃度のアルミナセメントの場合、骨材混練時に初期強度を発現しにくいので、CaOは、20質量%以上のものを採用するのが好ましい。
本発明では、上述した耐熱モルタルは、骨材を55質量%以上、75質量%以下とし、残部をアルミナセメント系結合材としており、混練の際に用いる水の量は、外掛けで14質量%以上、18質量%以下とするのが好ましい。
骨材が55質量%未満だと、アルミナセメント系結合材の割合が高くなり、耐熱モルタルの粘ちょう性が高くなりすぎ、施工しにくくなってしまう。一方、骨材が75質量%を超えると、耐熱モルタル中の結合材の割合が少なくなるため、硬化後のモルタルに十分な強度を得られない。
また、本発明の耐熱モルタルには、ビニロン繊維等の作業性改質材、カーボンファイバ等の繊維補強材を外掛けで添加してもよい。
本発明では、炉体用耐火物としては、珪石レンガ、粘土質レンガ等の耐火レンガや、キャスタブル等の不定形耐火物を、プレキャストで成形したものを採用することができる。
また、炉本体とコンクリートとの間に設けられる耐火物としては、いわゆる建築構造物に用いられる赤レンガ、不定形耐火物をプレキャストで成形したものを採用することができるが、炉床等に使用する場合、炉本体を支持する圧縮強度を有するとともに、炉本体からの熱をコンクリートに伝熱しにくい材料を選択するのが好ましく、具体的には、次の表1に示されるような物性を有するものを採用するのが好ましい。
Figure 2010070422
本発明に係る耐火物施工方法では、耐火物表面に遮水層を形成した後、前記耐熱モルタルを施工する。
ここで、耐火物表面に遮水層を形成する材料としては、施工時及び200℃以上の温度下で有害ガスの発生の少ない樹脂材料を採用することができ、例えば、建材のプライマ処理に用いられるポリ酢酸ビニル系の処理材や、シリコーン樹脂系の処理材を採用することができる。
遮水層は、処理材をスプレーガン等で赤レンガ表面に吹き付けた後、刷毛塗り等で伸ばすことにより施工することが可能であり、処理材の塗布後、一定期間養生することにより、遮水層として機能させることができる。
この発明によれば、耐熱モルタルを施工するに際して、耐火物表面に遮水層を形成することにより、耐火物の吸水による耐熱モルタルの乾燥収縮を防止することができるため、目地切れや反りのない良好な施工体を形成することができる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1には、コークス炉の炉床部の構造が示されている。このコークス炉の炉床部は、コンクリート炉床1上に均しモルタル2が施工され、その上に赤レンガ3が耐熱モルタル4によって施工される。尚、均しモルタル2の厚さは、コンクリート炉床1の不陸をある程度なくすために、略40mm程度とするのが好ましい。また、赤レンガ3間の耐熱モルタル4による目地幅は、赤レンガ3の規格に従って、略10mm程度とされる。
一段目の赤レンガ3の施工表面、及び赤レンガ3の最上面には、遮水層5が形成されている。
また、仕上モルタル6によってレベル出しが行われた仕上面上には、コークス炉の炉本体を形成する耐火レンガ7が耐熱モルタル8によって施工される。
尚、本実施形態では、コークス炉の炉床部のコンクリート炉床1及び炉本体を形成する耐火レンガ7の間に赤レンガ3を施工しているが、これに限られず、コークス炉の炉壁と、コンクリート製の擁壁の間に、赤レンガを積み上げる際に、耐熱モルタル4を用いた施工を行ってもよい。
本実施形態の耐熱モルタル4及び仕上モルタル6における骨材は、鋳物用珪砂を所定の粒径分布に分級したものを使用することができ、例えば、以下のような粒径分布を有するものを使用することができる。
粒径範囲 質量%
1mm以上、2mm未満 :14質量%
0.8mm以上、1mm未満 :27質量%
0.6mm以上、0.8mm未満:12質量%
0.4mm以上、0.6mm未満:14質量%
0.2mm以上、0.4mm未満:2質量%
0.1mm以上、0.2mm未満:26質量%
0.1mm未満 :5質量%
また、本実施形態では、耐熱モルタル4及び仕上モルタル6に配合されるアルミナセメントの化学成分は以下の通りである。このアルミナセメントは、0.090mm篩上の粉粒が0.1質量%の粉末度である。
SiO:4.0質量%
Al:55.0質量%
Fe:1.0質量%
TiO:2.7質量%
CaO:36.0質量%
MgO:0.6質量%
さらに、本実施形態では、耐熱モルタル4によってコンクリート炉床1と炉本体を構成する耐火レンガ7の間に施工される赤レンガ3は、例えば、次の表2に示される物性値を有するものを使用することができる。
Figure 2010070422
次に、前述したコークス炉の炉床部における耐火物の施工方法について、図2を参照しながら説明する。
まず、コンクリート炉床1上のレベル出しのために均しモルタル2を施工する(工程S1)。尚、均しモルタル2の施工に際しては、吸水防止のために、コンクリート炉床1表面にプライマ処理を行ってもよい。
均しモルタル2がある程度硬化したら、前述した耐熱モルタル4を、例えば、外掛けで16質量%の水で混練し、赤レンガ3の施工を行う(工程S2)。
1段目の赤レンガ3の施工が終了したら、赤レンガ3の表面にポリ酢酸ビニル系の処理材や、シリコーン樹脂系の処理材をスプレーガンで塗布し、刷毛で伸ばし、一定期間養生して、遮水層5を形成した後、1段目の場合と同様の手順で2段目の赤レンガ3を施工する(工程S3)。
2段目の赤レンガ3の積み上げ施工が終了したら、赤レンガ3の表面全体に、ポリ酢酸ビニル系の処理材や、シリコーン樹脂系の処理材をスプレーガンで塗布し、必要に応じて刷毛で伸ばして遮水層5を形成する(工程S4)。処理材は、塗布後、処理材が硬化して吸水がなくなるまで、一定期間養生する。
赤レンガ3の表面上に、遮水層5が形成されたら、遮水層5の上に耐熱モルタル4と同様の配合割合の仕上モルタル6を施工し、耐火レンガ7の施工面のレベル出しを行う(工程S5)。
最後に、一定期間養生した後、仕上モルタル6が硬化したら、仕上モルタル6上に炉本体を構成する耐火レンガ7を耐熱モルタル8を用いて施工する(工程S6)。尚、耐熱モルタル8は、前述した耐熱モルタル4、仕上モルタル6よりも耐熱性の高いモルタルを使用する。
本実施形態によれば、耐熱モルタル4及び仕上モルタル6が前述した配合で構成されているので、施工時、鏝伸び、鏝離れ等の作業性がよく、築炉に要する時間を短縮することができる。
また、赤レンガ3の表面に遮水層5を形成した後、仕上モルタル6を施工しているので、耐熱モルタル4や仕上モルタル6の水分が赤レンガ3に吸収されることがなく、吸水に伴って耐熱モルタル4、仕上モルタル6の施工面に反りや目地切れが生じることを防止できる。
次に、本発明の実施例について説明する。尚、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(1)耐熱モルタルの配合
(実施例1)
前述した実施形態で用いた鋳物用珪砂を分級した骨材と、前記アルミナセメントを使用し、骨材/結合材の質量比を、70/30として耐熱モルタルを製造した。また、作業性改質材としてビニロン繊維を外掛けで0.1質量%添加した。
(実施例2)
実施例1の鋳物用珪砂由来の骨材に替えて、ハイアルミナシャモットを骨材として使用し、アルミナ系結合材として前記アルミナセメントに替えて耐酸アルミナセメントを使用し、骨材/結合材の質量比を、70/30として耐熱モルタルを製造した。また、実施例1と同様にビニロン繊維を外掛けで0.1質量%添加した。
(比較例1)
実施例2と同様の骨材及びアルミナセメント系結合材を使用し、骨材/結合材の質量比を、50/50として耐熱モルタルを製造した。
(比較例2)
骨材として分級を行っていない川砂を使用し、結合材としてポルトランドセメントを使用し、骨材/結合材の質量比を、75/25として耐熱モルタルを製造した。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の配合詳細、耐熱モルタル中の化学成分割合、添加水量等を表3に示す。
(2)評価方法
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2で得られた耐熱モルタルについて、耐熱性、施工性の点から評価を行った。
(2-1)耐熱性評価
(a)接着曲げ強度
供試レンガとなる赤レンガの長さを100mmとし、1辺40mm角に切り出す。長さの中央を切断して3対の供試レンガを作製し、温度110℃±5℃の雰囲気下で8時間以上乾燥させる。
各実施例及び比較例のモルタルを、鏝又は混練装置で所定時間混練し、所定のちょう度に調整した後、30分間放置する。
混練した耐熱モルタルを切断面に塗布し、供試レンガの切断面同士を、目地面とレンガ面が平行となるように、耐熱モルタルにより接着して試験片を形成する。この際、目地幅は10mmとなるように調整する。
接着後、24時間自然乾燥する。
自然乾燥後、試験片を温度110℃±5℃の雰囲気下で12時間以上乾燥する。
乾燥後、試験片の接着面の厚さ及び幅を測定する。
3つの試験片を加熱炉に入れて試験片の焼成を行う。3つの試験片のうち、1つの試験片は、支点間距離100mmの支持台上に設置し、他の試験片は、炉床上に試験片と反応しない材質の粉末を敷き、その上に設置して焼成を行う。
加熱に際しては、酸化雰囲気に保ち、加熱速度は5℃/分とし、200℃で24時間保持する。
乾燥終了後及び加熱終了後のそれぞれの試験片について、冷却後、JIS R2619「耐火モルタルの冷間接着曲げ試験方法」に規定する加圧機を用いて、試験片の三点式曲げ試験を行う。試験は、加圧棒の中心が試験片の目地の中心に合致するようにセットする。加圧速度は49〜68.6N/s(5〜7kg/sを換算した値)を原則として均一に加圧し、破断に至る最大荷重を測定する。
測定された最大荷重、試験片の目地部の幅、支点間距離、試験片の目地部の厚さから曲げ強度を算出する。
(b)圧縮強度
各実施例及び比較例の耐熱モルタルを接着曲げ強度の場合と同様の方法で混練し、50mm×50mm×50mmの立方体形状に成形して試験片を形成し、接着曲げ強度の場合と同様に、110℃±5℃の雰囲気で乾燥し、さらに、200℃で24時間保持して加熱する。
乾燥した試験片及び加熱した試験片のそれぞれについて、JIS R 2615「耐火断熱れんがの圧縮強さ試験方法」に準拠して、圧縮強度試験を行う。
(2-2)作業性の評価
(a)混練後の耐火モルタルのフロー値の測定
JIS R 2521「耐火物用アルミナセメントの物理試験方法」に準拠して、混練後の耐熱モルタルのタップフロー値、及びフリーフロー値を測定する。
(b)混練後の耐火モルタルのちょう度測定
JIS R 2506「耐火モルタルのちょう度試験方法」に準拠して混練後の耐火モルタルのちょう度を測定する。
(c)施工性
各実施例及び比較例の耐熱モルタルを前述した表3の添加水分で混練し、赤レンガ間に形成された目地(目地幅4mm及び目地幅10mm)に目地詰めを行い、施工性良好なものを○、施工性不良のものを×として評価する。
(3)評価結果
各実施例及び比較例の評価結果を表3に示す。尚、耐熱性および作業性の評価は、よかったものを○、悪かったものを×として評価した。
Figure 2010070422
(4)考察
実施例1及び実施例2と、従来から用いられている川砂を骨材とし、ポルトランドセメントを結合材とした比較例2とを対比すると、実施例1及び実施例2の方が200℃×24Hr保持後における接着曲げ強度が大きいことが判る。また、200℃×24Hr保持後の圧縮強度においても、実施例1及び実施例2の方が圧縮強度が大きく、実施例1及び実施例2に係る耐熱モルタルは、従来、使用されてきた比較例2に係るモルタルよりも耐熱性が大幅に向上していることが確認された。
一方、骨材の配合割合が本発明と異なる比較例1と、実施例1及び実施例2を対比すると、実施例1及び実施例2のタップフロー値が比較例1のタップフロー値よりも大きくなっており、実施例1及び実施例2に係る耐熱モルタルは、施工時に施工面に拡がりやすく、作業性が良好であることが確認された。
また、各実施例及び比較例のちょう度を比較すると、実施例1及び実施例2のちょう度は、比較例1及び比較例2のちょう度よりも小さく、耐熱モルタルの粘ちょう度が高く、作業性も良好であることが確認された。
各実施例及び比較例の施工性を対比しても、実施例1及び実施例2では、4mm目地、10mm目地のいずれの場合でも、鏝伸びが良好で鏝離れがよく、施工性が良好であることが確認できた。
以上のことから、本発明の配合割合の耐熱モルタルによれば、耐熱強度を向上させることができ、かつ施工性も良好であることが確認された。
本発明の実施形態にかかるコークス炉の炉床部の構造を表す断面図。 前記実施形態における炉床部における耐火物の施工方法の手順を表す模式図。
符号の説明
1…コンクリート炉床、2…均しモルタル、3…赤レンガ、4…耐熱モルタル、5…遮水層、6…仕上モルタル、7…耐火レンガ、8…耐熱モルタル

Claims (2)

  1. 炉体用耐火物を積み上げて形成される炉本体と、前記炉本体周囲に形成され、前記炉本体を保持するコンクリートとの間に設けられる耐火物を施工する際に用いられる耐熱モルタルであって、
    シリカ及びアルミナの少なくともいずれかを主成分とする骨材を55質量%以上、75質量%以下含有し、残部がアルミナセメント系結合材であり、
    前記骨材は、粒径0.6mm以上、粒径2mm未満の骨材粒を50質量%以上、かつ粒径0.2mm未満の骨材粒を20質量%以上38質量%以下含んでいることを特徴とする耐熱モルタル。
  2. 炉体用耐火物を積み上げて形成される炉本体と、前記炉本体周囲に形成され、前記炉本体を保持するコンクリートとの間に設けられる耐火物を施工する耐火物の施工方法であって、
    前記コンクリートの表面に、耐熱モルタルを用いて前記耐火物を施工していく工程と、
    施工された前記耐火物表面に遮水層を形成した後、耐熱モルタルを用いて前記炉体用耐火物を積層施工していく工程とを実施し、
    前記耐熱モルタルは、シリカ及びアルミナの少なくともいずれかを主成分とする骨材を55質量%以上、75質量%以下含有し、残部がアルミナセメント系結合材であり、
    前記骨材は、粒径0.6mm以上、粒径2mm未満の骨材粒を50質量%以上、かつ粒径0.2mm未満の骨材粒を20質量%以上38質量%以下含んでいることを特徴とする耐火物の施工方法。
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