次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。また、本明細書では、同じ構成要素が複数存在し、それぞれを区別する場合に、符号に接尾辞を付加して、複数の構成要素それぞれを区別するものとする。例えば、移動局200は、複数の移動局200a〜200cのいずれか一つまたは複数を示すものとし、移動局200a(あるいは、移動局200bのように接尾辞を付加した符号を用いる場合)は、複数の移動局のそれぞれを区別して示すものとする。
以下の説明では、無線通信システムを構成する基地局と移動局とを用いて説明するが、本発明は、上りデータの送信に用いる資源を割り当てる資源要求を通信端末装置から受信する通信制御装置と、上りデータの送信に用いる資源を割り当てる通信制御装置へ、前記資源の割り当てを要求する資源要求を行なう通信端末装置とから構成され、以下の各実施形態で説明する情報の送信手順のいずれかを行なう無線通信システムに適用することができる。
図1にサブフレームの構成の一例を示す。サブフレームは、無線フレームを時間概念によって分割したものであり、例えば図1では0.5msecで構成される例を示している。サブフレームは、周波数方向に複数のリソースユニットを配置することで構成される。リソースユニットの周波数帯域幅は、予め使用を許可され、基地局がサポートする帯域であり、例えば、1.25MHzや1.6MHzなどであり、図1では1.25MHzの例を示している。サブフレーム内のリソースユニットの数は、基地局がサポートする周波数帯域幅に依存する。
例えば、10MHzの帯域を使用する基地局でリソースユニットの周波数帯域幅が1.25MHzの場合、サブフレーム内のリソースユニットは、8個となる。リソースユニットは、6個のロングブロック(LB:Long Block)、2個のショートブロック(SB:Short Block)、および、それらの間と先頭に位置するサイクリックプレフィクス(CP:Cyclic Prefix)で構成される。また、図1中、データ送信用のLong Blockは、網掛けを施した部分、UL CQI測定用パイロットのShort Blockは黒塗りにした部分、データ復調用パイロットのShort
Blockは斜線を施した部分、サイクリックプレフィクスは白抜きにした部分で示している。
LBは、ULデータを送信するために使用される。SBは、リファレンスシグナル(参照信号)を送信するために利用され、特に、SB#1は、UL CQI測定用のパイロット信号を送信するために利用され、SB#2は、データ復調用パイロットを送信するために利用される。また、CPは、ガードインターバル(Guard Interval)とも呼ばれ、無線伝搬においてマルチパスによって生じる波形の歪み(マルチパスフェージング)の影響を除去するために使用される。
資源要求(UL Resource Request、以下、「UL RR」とも記す)は、移動局が現在使用しているUL資源に加えてさらに資源を要求する場合に行なわれ、例えば、UL用送信バッファにデータが到着した場合、新たな無線ベアラを要求する場合、DTX/DRXサイクルの変更、制御信号用リソースの要求、バッファステータス、トラフィック送信レートの変更、あるいは、UL資源の一時的開放などの場合に行なわれる。
例えば、VoIP(Voice over Internet Protocol)の場合、定期的なデータが継続的に発生するような種類のトラフィックであるが、コーデックによっては発話者が沈黙した場合などにデータが発生しないサイレントモードというモードをサポートしている。この場合、沈黙期間には、他のユーザに資源を割り当てることにより、効率的な資源利用が可能となる。このサイレントモードからの復帰時には、移動局から何らかの制御メッセージによって、基地局に復帰を知らせる必要があり、この場合に資源要求信号が必要となる。また、サイレントモードに入る際に、データ領域の制御信号で基地局に知らせない場合、この資源要求信号にて、サイレントモード開始要求をすることを含めても良い。
また、VoIPのようなサービスを受信中に、さらに新たなビデオストリーミングやWEBブラウジングのような異なるサービスを追加する場合には、新たな無線ベアラを要求する必要があり、この場合にも資源要求信号が必要となる。また、WEBブラウジングのような頻度が低く突発的なトラフィックにおいては、DTXモードにて間欠送信を行なうが、その突発的なトラフィックの発生時には、資源要求信号が必要となる。パイロット信号による資源要求によって割り当てられる資源は、制御信号送信用の資源またはULデータ送信用の資源である。
本発明においては、移動局から基地局へのUL送信する場合の多重化方式として、SC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)を使用することを想定している。この多重化方式では、図2と図3に示すような、Distributed送信とLocalized送信の2つの送信方法を用いる。ここで、図2は、Distributed送信の送信データの配置の一例を示す図であり、図3は、Localized送信の配置の送信データの一例を示す図である。Distributed送信は、周波数方向に一定間隔のサブキャリアを送信する方法である。Localized送信は、周波数方向に連続したサブキャリアを送信する方法である。共にシングルキャリア送信であるため、移動局は、Distributed送信とLocalized送信を同一時間に行なうことは不可能である。
図4は、基地局の概略構成を示すブロック図であり、図5は、移動局の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態の基地局は、上りリンクチャネル推定部104にパイロット信号検出部111を持ち、本実施形態の移動局は、制御データ挿入部208にパイロット信号制御部211を持つことを特徴とする。尚、パイロット信号検出部111の処理手順は、図6(右)に規定されるフローチャートを利用しても良い。また、パイロット信号制御部211の処理手順は、図6(左)に規定されるフローチャートを利用しても良い。
まず、基地局100について説明する。図4に示す基地局100は、アンテナ部101、無線部102、復調部103、チャネル推定部104、制御データ抽出部105、チャネルデコーディング部106、チャネルコーディング部107、制御データ挿入部108、OFDM変調部109、スケジューリング部110、並びにパイロット信号検出部111を備える。図4に従って基地局100の動作の流れに従って各構成要素について説明する。
基地局100では、まず、基地局100が上位ネットワークノードから移動局200宛てのパケットデータ(下りリンク送信データ)を受信した場合、受信したパケットデータを基地局内の送信データバッファ(図示せず)に保存する。上位ネットワークノードは、例えば、W−CDMA方式におけるSGSN(Serving GPRS Support Node)やRNC(Radio Network Control)などであり、図4では示していない。送信データバッファに保存された下りリンク送信データは、チャネルコーディング部107に入力される。またチャネルコーディング部107には、スケジューリング部110の出力信号である下りリンクAMC情報が入力される。下りリンクAMC情報は、下りリンクAMCモードと下りリンク移動局割り当て情報(下りリンクスケジューリング情報)など含む。
チャネルコーディング部107は、下りリンクAMC情報によって定義される下りリンクAMCモード(例えば、ターボ符号、符号化率2/3)を用いて、下りリンク送信データの符号化処理を行ない、符号化処理した下りリンク送信データを制御データ挿入部108に出力する。下りリンク制御データは、下りリンクパイロットチャネルDPCH、下りリンク共通制御チャネルCCCHおよび下りリンク同期チャネルSNCHの制御データを含む。下りリンク制御データは、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク共通制御チャネルCCCHの制御データマッピングが行なわれる。
一方、スケジューリング部110が決定した下りリンクAMC情報(AMCモード、下りリンクスケジューリング情報など)は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク共用制御シグナリングチャネルSCSCHの制御データマッピングが行なわれる。制御データ挿入部108は、下りリンク共通制御チャネルCCCH、下りリンク共用制御シグナリングチャネルSCSCHおよび下り共用データチャネルSDCHをマッピングした下りリンク送信データを、OFDM変調部109へ出力する。OFDM変調部109は、入力した、符号化処理や制御データのマッピングが行なわれた下りリンク送信データへ、データ変調、入力信号の直列/並列変換、拡散符号およびスクランブリングコードの乗算、IFFT(Inverse Discrete Fourier Transform)変換、CP(Cyclic Prefix)挿入、フィルタリングなどOFDM信号処理を行ない、OFDM信号を生成する。またOFDM変調部109は、スケジューリング部110からの下りリンクAMC情報を入力し、各サブキャリアのデータ変調(例えば、16QAM)を制御する。そして、無線フレームを生成し、無線部102の送信回路によりRF(Radio Frequency)周波数帯域に変換され、アンテナ部101から下りリンク信号が送信される。
一方、移動局200から送られてきた上りリンク信号は、アンテナ部101において受信され、無線部102の受信回路によりRF周波数からIF、または直接ベースバンド帯域に変換され、復調部103に入力される。
チャネル推定部104は、CQI測定用上りリンクパイロットチャネルUPCHを利用して、各移動局200の個別の上りリンクチャネルの伝搬路品質を推定し、上りリンク伝搬路品質情報(上りリンクCQI情報)を算出する。算出した上りリンクCQI情報を、スケジューリング部110へ出力する。また、データ復調用パイロットを利用して、上りリンクデータの伝搬路推定を行ない、推定した伝搬路推定結果を復調部103へ出力する。復調部103は、入力した伝搬路推定結果に基づいてデータを復調し、復調したデータを制御データ抽出部105へ出力する。また、チャネル推定部104は、パイロット信号検出部111を備える。パイロット信号検出部111は、チャネル推定部104が算出した上りリンクCQI情報に基づいて、UL RRを検出し、スケジューリング部110へ通知する。詳細については図6を用いて後述する。
スケジューリング部110が生成した上りリンクAMC情報(上りリンクAMCモードと上りリンクスケジューリング情報など)は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク共用制御シグナリングチャネルSCSCHにマッピングされて、該当移動局200に送信される。該当移動局200は、スケジューリング部110が生成した上りリンクAMC情報を通知され、通知された上りリンクAMC情報に従って、決められた上りリンクAMCモードと上りリンクスケジューリング情報によりパケットデータを基地局へ送信する。移動局が送信したパケットデータの上りリンク信号は、復調部103およびチャネルデコーディング部106に入力される。また、スケジューリング部110の出力である上りリンクAMC情報は、復調部103とチャネルデコーディング部106にも入力される。復調部103およびチャネルデコーディング部106は、スケジューリング部110から入力されたAMC情報に従って上りリンク信号の復調(例えば、QPSK)、復号処理(例えば、畳込み符号、符号化率2/3)を行なう。
制御データ抽出部105は、復調部103から入力したデータから上りリンクコンテンションベースチャネルUCBCHおよび上りリンク共用制御シグナリングチャネルUSCSCHの制御情報を抽出する。また制御データ抽出部105は、上りリンク共用制御シグナリングチャネルUSCSCHを通じて送られてきた移動局200の下りリンク伝搬路品質情報(下りリンクCQI情報)を抽出し、スケジューリング部110に出力する。
スケジューリング部110は、上りリンクチャネル推定部104から上りリンクCQI情報を入力し、制御データ抽出部105から下りリンクCQI情報を入力し、さらに基地局制御部(図示せず)から各移動局の下り/上りリンク送信データバッファ情報、上り/下りリンクQoS(Quality of Service)情報、各種サービスクラス情報、移動局クラス情報、移動局識別情報など(図4中ではこれらの情報を総称して「スケジューリング情報」と記載している)を入力する。スケジューリング部110は、入力したこれらの情報を用いて、指定または算出された中心周波数において、選択されたスケジューリングアルゴリズムに従って上り/下りリンクAMC情報を生成し、パケットデータの送受信スケジューリングを実現する。
次に、移動局200について説明する。図5に示す移動局200は、アンテナ部201、無線部202、OFDM復調部203、チャネル推定部204、制御データ抽出部205、チャネルデコーディング部206、チャネルコーディング部207、制御データ挿入部208、変調部209、制御部210、並びにパイロット信号制御部211を備える。また、ベースバンド信号処理部212は、上記各構成要素のうち、アンテナ部201と無線部202とを除く構成要素を含む部分を指す。図5に従って移動局200の動作の流れに従って各構成要素について説明する。
移動局200では、まずアンテナ部201において下りリンクOFDM信号(下りリンク信号)を受信し、無線部202のローカルRF(Radio Frequency)周波数発振回路(シンセサイザー)、ダウンコンバーター、フィルター、増幅器などにより、下りリンク受信信号をRF周波数からIF、または直接ベースバンド帯域に変換し、OFDM復調部203に入力する。
下りリンクチャネル推定部204は、下りリンク信号に含まれる下りリンクパイロットチャネルDPCHを利用して(下りリンク共通パイロットチャネルDCPCH、下りリンク個別パイロットチャネルDDPCH、または両者の組合せを利用して)、各移動局200の個別の下りリンクチャネルの伝搬路品質を推定し、下りリンク伝搬路品質情報(下りリンクCQI情報)を算出する。算出された下りリンクCQI情報は、制御データ挿入部208に入力され、上りリンク共用制御シグナリングチャネルUSCSCHにマッピングされて、基地局100に送信される。また、移動局のチャネル推定部204は、下りリンクパイロットチャネルDDPCHを定期的に測定し、下りリンク伝搬路品質情報(下りリンクCQI情報)を算出し、制御データ挿入部208を介して、基地局に対してフィードバックを行なう。
OFDM復調部203は、入力信号のCP(Cyclic Prefix)除去、FFT(Discrete Fourier Transform)変換、拡散符号およびスクランブリングコードを乗算し、並列/直列変換、データ復調、フィルタリングなどOFDM信号復調処理を行ない、復調データを生成し、制御データ抽出部205に入力する。
制御データ抽出部205は、下りリンク共用データチャネルSDCH以外の下りリンクチャネル制御情報(下りアクセス情報、報知情報など)を抽出する。下りリンク共用制御シグナリングチャネルSCSCHにマッピングされている下りリンクAMC情報(下りリンクAMCモードと下りリンクスケジューリング情報など)を抽出し、OFDM復調部203およびチャネルデコーディング部206に出力する。また下りリンク共用制御シグナリングチャネルSCSCHにマッピングされている上りリンクAMC情報(上りリンクAMCモードと上りリンクスケジューリング情報など)を抽出し、変調部209およびチャネルコーディング部207に出力する。
OFDM復調部203は、下りリンクAMC情報により定義されたAMCモード(例えば、16QAM)を用いて、サブキャリアの復調を行なう。チャネルデコーディング部206では、下りリンクAMC情報により定義されたAMCモード(例えば、ターボ符号、符号化率2/3)を用いて、下りリンク共用データチャネルSDCHにマッピングされている自局宛てのパケットデータの復号を行なう。
チャネルコーディング部207は、移動局200の個別のパケットデータである上りリンク送信データが入力され、制御データ抽出部205から出力されている上りリンクAMC情報(例えば、畳込み符号、符号化率2/3)を用いて符号化を行ない、制御データ挿入部208に出力する。
制御データ挿入部208は、下りリンクチャネル推定部204からの下りリンクCQI情報を上りスケジューリングチャネルUSCHに含まれる上りリンク共用制御シグナリングチャネルUSCSCHにマッピングさせ、上りリンクコンテンションベースチャネルUCBCHと上りスケジューリングチャネルUSCHを上りリンク送信信号にマッピングする。また、制御データ挿入部208はパイロット信号制御部211を備える。パイロット信号制御部211は、制御部210からの指示に基づいて、資源要求(UL RR)する動作を制御する。詳細については図6を用いて後述する。
変調部209は、制御データ抽出部205から出力されている上りリンクAMC情報(例えば、QPSK)を用いてデータ変調を行ない、無線部202の送信回路に出力する。ここで、上りリンク信号の変調は、OFDM信号、MC−CDMA信号、またはPAPRを低減するためにシングルキャリアSC信号、VSCRF−CDMA信号を使用してもよい。
制御部210は、移動局クラス情報、固有周波数帯域幅情報、移動局識別情報を保有している。そして制御部210は、指定または算出された中心周波数にシフトする制御信号を無線部202に送ると、無線部202のローカルRF周波数発信回路(シンセサイザー)を使用して中心周波数シフトを行なう。さらに、制御部210は、移動局が現在使用しているUL資源に加えてさらに資源要求する場合の制御をつかさどる。資源要求する場合は、前述の通り、UL用送信バッファにデータが到着した場合、新たな無線ベアラを要求する場合、トラフィック送信レートの変更、あるいは、UL資源の一時的開放などの場合がある。制御部210は、現在移動局が使用している資源に加えてさらに資源が必要かを判断し、さらに資源が必要であると判断した場合に、パイロット信号制御部211へ資源要求することを指示する。
無線部202のローカルRF周波数発振回路(シンセサイザー)、アップコンバーター、フィルター、および増幅器などにより、ベースバンド信号はRF周波数帯域へ変換され、アンテナ部201から上りリンク信号が送信される。なお、各種チャネルについては、非特許文献4を参照のこと。
以下の各実施形態では図4に示した基地局と図5に示した移動局から構成される無線通信システムにおいて、資源要求(UL RR)を行なう場合の動作について説明する。図6は、資源要求の動作の一例を示すフローチャートであり、図面左側が移動局、右側が基地局の動作の一例を示す。また、図6に示す動作は一例であり、以下の各実施形態では図6を用いて資源要求並びに資源割当の動作を説明するが、各実施形態の動作は図6に示したものに限られるわけではない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、DTX/DRXモードにある移動局を例に挙げ、図7を用いて、詳細に説明を行なう。本実施形態では、パイロット信号の送信を停止して資源要求(UL
RR)を実施する一態様を説明する。図7は、第1の実施形態におけるUL資源要求に伴うパイロット信号の変動の一例を示すシーケンス図である。図7は、左側に移動局(UE)、右側に基地局(NB)のシーケンス図を示している。図7中、データ送信用のLong Blockは、網掛け部分、UL CQI測定用パイロットのShort Blockは黒塗り部分、データ復調用パイロットのShort Blockは斜線部分で示しており、以下の各実施形態で用いる同様の図においても同様である。以下、図6、図7を用いてUL RRの動作について説明する。
DTX/DRXモードにある移動局200は、図7に示すように、常時通信を行なっているわけではないが、同期を維持するために、ある時間周波数位置において、少なくともUL CQI測定用のパイロット信号(図7中上段の黒塗りのブロック)を、移動局200から基地局100へ、同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠送信している場合を想定する(図7のpilot signal transmission)。一方、基地局100においては、前記パイロット信号を同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠受信している場合を想定する。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置については、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。また、パイロット信号の定期送信とUL RRとは、それぞれ独立して行なうことを前提とする。
同期維持のためのパイロット信号は、上りリンク制御データの中に含まれている。制御データ挿入部208において、チャネルコーディングされた上りリンク送信データと上りリンク制御データのチャネルマッピングが行なわれ、変調部209において変調された後、無線部202においてRF周波数へアップコンバートされ、送信アンテナ201から基地局100へ送信されている。
移動局200では、制御部210は、UL RR(資源要求)する必要があるか否かを判断し(S11)、移動局200がUL資源を要求する場合(S11でYes)、制御部210は、パイロット信号制御部211へUL RRの実施を指示し、パイロット信号制御部211は、前記パイロット信号の送信を意図的に停止させる(S12)。図7では、UL Resource Request(T1)のタイミングでUL RRを実施したことを示している。点線で示した矩形がパイロット信号の送信を停止したタイミングを示している。
本実施形態では、パイロット信号の送信を意図的に停止(一時的に停止)させることによって、UL RRを移動局200から基地局100に通知するものであり、この動作が資源を要求することを示す。UL RRを必要としない場合は、ステップS11の判断に戻る。パイロット信号の送信を停止することが、UL RRを表すということについては、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。
基地局100においては、アンテナ部101において前記パイロット信号を受信し、無線部102においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされ、上りリンクチャネル推定部104内のパイロット信号検出部111へ入力される。基地局100では、通常はパイロット信号の定期送信を検出しているが、移動局200がUL RRした場合には、これまで移動局200から同期維持可能な期間内で定期的に送信されていた前記パイロット信号を受信しなくなる。このとき、基地局100のパイロット信号検出部111は、予め前記パイロット信号の送信停止が、UL RRを表すことを事前に知っているため、前記パイロット信号の変動を検出し(S21でYes)、UL RRであると判断する。そして、スケジューリング部110に対して、スケジューリングさせるためのトリガを出力する。また、上りリンクチャネル推定部104では、受信したパイロット信号から上りリンク伝送路品質情報CQIを算出し、スケジューリング部110に入力する。スケジューリング部110の出力である上りリンクAMC情報は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク制御データと結合されてチャネルマッピングされる。一方、UL RRであると検知しない場合は(S21でNo)、ステップS21に戻る。
次に、基地局100のスケジューリング部110は、UL CQI測定用パイロット信号を利用して当該移動局に割り当てる資源を増加させるスケジューリングを行なった後(S22)、移動局200に対してUL RAを送信する(S23)。図7では、基地局100は、Scheduling(T2)でスケジューリング部110がスケジューリングを行ない、UL Resource Allocation(T3)でUL RAを送信する。このとき、UL RAの中には、ULスケジューリンググラント、および、ULデータ送信用に使用する時間周波数資源の位置を指定する情報が含まれている。その後、OFDM変調部109においてOFDM変調が行なわれ、無線部102においてRF周波数へとアップコンバートされた後、アンテナ101から移動局200へ送信される。
一方、移動局200においては、アンテナ部201において前記UL RAを受信し、無線部202においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされた後、下りチャネル推定部204、OFDM復調部203を経由して、制御データ抽出部205において、UL RA情報を抽出する。移動局200は、このUL RA情報に基づいて、指定されたAMCモードならびに時間周波数位置でULデータを送信する。すなわち、移動局200は、UL RAの受信(S13)を一定期間待つ(S14)。その期間内に、UL RAを受信した場合は(S14でNoかつS13でYes)、指定された資源を利用して、ULデータを送信することが可能になる(S15)。図7のUL data transmission(T4)において、移動局200は、基地局100によって割り当てられたデータ送信用の領域(網掛け部分)を用いて、ULデータを基地局100へ送信する。逆に、一定の時間が経過してもUL RAを受信できない場合は(S14でYes)、ステップS11に戻る。
なお、(1)移動局200が基地局100に対して送信する前記パイロット信号、または、前記ULデータの送信間隔、(2)基地局100が移動局200から受信する前記パイロット信号、または、前記ULデータの受信間隔、はそれぞれ短いほど望ましい。この場合、例えば、1サブフレーム長程度(0.5msec程度)、または、2サブフレーム長程度(1msec程度)であっても良い。さらに、長い場合でも、同期維持が可能な時間の範囲内(例えば、500msec以内)であることが望ましい。
以上、本実施形態におけるUL RR方法として、前記パイロット信号の送信を意図的に停止する方法について説明した。これ以外のUL RR方法として、移動局200から基地局100へ前記パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源のうち、一部を送らないという手法を利用しても良い。図8は、パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源のうち、一部を送信しない場合の資源の利用状態の一例を示す図であり、(a)は2つの領域に分割した例であり、(b)は4つの領域に分割した例であり、(c)は(b)とは異なる4つの領域に分割した例を示す図である。図8の(a)から(c)のいずれかに示される方法を利用しても良い。
図8(a)は、前記パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源を周波数方向に2つの領域に分割した上で、低い周波数側のみを送信し、高い周波数側の方は送信しない場合を表しており、このときに送信するサブキャリア数、および、送信しないサブキャリア数は、1つでも良いし、複数でも良い。
図8(b)は、前記パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源を周波数方向に4つの領域に分割した上で、周波数の低い方から順に、送信する/送信しない/送信する/送信しない、という飛び飛びの構成にしている場合を表しており、このときに送信するサブキャリア数、および、送信しないサブキャリア数は、1つでも良いし、複数でも良い。
図8(c)は、前記パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源を周波数方向に4つの領域に分割した上で、周波数の低い方から順に、送信しない/送信する/送信しない/送信する、という飛び飛びの構成にしている場合を表しており、このときに送信するサブキャリア数、および、送信しないサブキャリア数は、1つでも良いし、複数でも良い。
さらに、UL RRの通知方法としては、(1)前記パイロット信号の送信方法に変動を加えることが、UL RRを表しているか、および、(2)パイロット信号の変動パターンとして何を使用するか、について基地局100と移動局200が共に、事前に共通の情報として保持すれば、上記手法に限ることはない。
このように、本実施形態によれば、資源要求するために専用に割り当てる資源(リソース)を利用することなく、パイロット信号の送信の手順を変更(本実施形態ではパイロット信号の送信停止)することによって、資源要求を移動局から基地局へ通知することができる。これにより、資源要求のために専用の資源を必要とすることが無くなり、資源を有効に利用することが可能となる。
なお、本実施形態においては、DTX/DRXモードにある移動局を例にとって説明を行なったが、同期が維持されている移動局(つまり、Activeモードにある移動局)であれば、本実施形態に記載のUL RR方法を使用することが可能である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として、DTX/DRXモードにある移動局を例に挙げ、図9を用いて、詳細に説明を行なう。本実施形態では、パイロット信号の送信を停止して所定の期間内に再開することによって資源要求(UL RR)を実施する一態様を説明する。図9は、第2の実施形態におけるUL資源要求に伴うパイロット信号の変動の一例を示すシーケンス図である。図9は、左側に移動局(UE)、右側に基地局(NB)のシーケンス図を示している。以下、図6、図9を用いてUL RRの動作について説明する。
DTX/DRXモードにある移動局200は、図9に示すように、常時通信を行なっているわけではないが、同期を維持するために、ある時間周波数位置において、少なくともUL CQI測定用のパイロット信号を、移動局200から基地局100へ、同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠送信している場合を想定する(図9のpilot signal transmission)。一方、基地局100においては、前記パイロット信号を同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠受信している場合を想定する。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置については、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。また、パイロット信号の定期送信とUL RRとは、それぞれ独立して行なうことを前提とする。
同期維持のためのパイロット信号は、上りリンク制御データの中に含まれている。制御データ挿入部208において、チャネルコーディングされた上りリンク送信データと上りリンク制御データのチャネルマッピングが行なわれ、変調部209において変調された後、無線部202においてRF周波数へアップコンバートされ、送信アンテナ201から基地局100へ送信されている。
移動局200では、制御部210は、UL RR(資源要求)する必要があるか否か判断し(S11)、移動局200がUL資源を要求する場合(S11でYes)、制御部210は、パイロット信号制御部211へUL RRの実施を指示し、パイロット信号制御部211は、まず最初に、前記パイロット信号の送信の停止を行なう。次に、前記パイロット信号の送信を再開する(S12)。図9では、UL Resource Request(T1)のタイミングでUL RRを実施したことを示している。点線で示した矩形がパイロット信号の送信を停止したタイミングを示し、次の黒塗りの矩形がパイロット信号の送信を示し、UL RRとしては、点線で囲んだ二つの矩形が該当する。
本実施形態では、パイロット信号の送信を意図的に停止(一時的に停止)させ、次に所定の期間内にパイロット信号を送信することによって、UL RRを移動局200から基地局100に通知するものであり、この動作が資源を要求することを示す。UL RRを必要としない場合は、ステップS11の判断にもどる。パイロット信号の送信を停止した後に再びパイロット信号を送信するという組み合わせが、UL RRを表すということについては、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。この動作が、UL RRに該当している。図9は、前記パイロット信号の送信を停止した後に送信するという組み合わせによって、UL RRを表す場合を示している。
基地局100においては、アンテナ部101において前記パイロット信号を受信し、無線部102においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされ、上りリンクチャネル推定部104内のパイロット信号検出部111へ入力される。基地局100では、通常はパイロット信号の定期送信を検出しているが、移動局200がUL RRした場合には、これまで移動局200から同期維持可能な期間内で定期的に送信されていた前記パイロット信号を受信しなかった後、前記パイロット信号を受信する。このとき、基地局100のパイロット信号検出部111は、予めUL RRを表すパイロット信号の送信停止と再開の組み合わせを事前に知っているため、前記パイロット信号の変動を検出し(S21でYes)、UL RRであると判断する。そして、スケジューリング部110に対して、スケジューリングさせるためのトリガを出力する。また、上りリンクチャネル推定部104では、受信したパイロット信号から上りリンク伝送路品質情報CQIを算出し、スケジューリング部110に入力する。スケジューリング部110の出力である上りリンクAMC情報は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク制御データと結合されてチャネルマッピングされる。一方、UL RRであると検知しない場合は(S21でNo)、ステップS21に戻る。
次に、基地局100のスケジューリング部110は、UL CQI測定用パイロット信号を利用して当該移動局に割り当てる資源を増加させるスケジューリングを行なった後(S22)、移動局200に対してUL RAを送信する(S23)。図9では、基地局100は、Scheduling(T2)でスケジューリング部110がスケジューリングを行ない、UL Resource Allocation(T3)でUL RAを送信する。このとき、UL RAの中には、ULスケジューリンググラント、および、ULデータ送信用に使用する時間周波数資源の位置を指定する情報が含まれている。その後、OFDM変調部109においてOFDM変調が行なわれ、無線部102においてRF周波数へとアップコンバートされた後、アンテナ101から移動局200へ送信される。
一方、移動局200においては、アンテナ部201において前記UL RAを受信し、無線部202においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされた後、下りチャネル推定部204、OFDM復調部203を経由して、制御データ抽出部205において、UL RA情報を抽出する。移動局200は、このUL RA情報に基づいて、指定されたAMCモードならびに時間周波数位置でULデータを送信する。すなわち、移動局は、UL RAの受信(S13)を一定期間待つ(S14)。その期間内に、UL RAを受信した場合は(S14でNoかつS13でYes)、指定された資源を利用して、ULデータを送信することが可能になる(S15)。
図9のUL data transmission(T4)において、移動局200は、基地局100によって割り当てられたデータ送信用の領域(網掛け部分)を用いて、ULデータを基地局100へ送信する。逆に、一定の時間が経過してもUL RAを受信できない場合は(S14でYes)、ステップS11に戻る。なお、(1)移動局が基地局に対して送信する前記パイロット信号、または、ULデータの送信間隔、(2)基地局が移動局から受信する前記パイロット信号、または、ULデータの受信間隔、はそれぞれ短いほど望ましい。この場合、例えば、1サブフレーム長程度(0.5msec程度)、または、2サブフレーム長程度(1msec程度)であっても良い。さらに、長い場合でも、同期維持が可能な時間の範囲内(例えば、500msec以内)であることが望ましい。
以上、本実施形態におけるUL RR方法として、前記パイロット信号の送信を停止した後に送信するという組み合わせを使用した場合について説明した。これ以外のUL RR方法としては、移動局200から基地局100へ送信する前記パイロット信号として、図10(a)〜(d)に示される送信パターンを利用しても良い。図10は、パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源のうち、一部を送信しない場合の資源の利用状態の一例を示す図である。図10の(a)から(d)のいずれかに示される方法を利用しても良い。
図10(a)は、前記パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源のうち、前記パイロット信号の送信帯域幅は変更せず、時間方向に送信しない/送信する/送信しない/送信する、の順に送るパターンの場合を表している。
図10(b)は、前記パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源のうち、前記パイロット信号の送信帯域幅は変更せず、時間方向に送信しない/送信する/送信する、の順に送るパターンの場合を表している。
図10(c)は、前記パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源のうち、前記パイロット信号の送信帯域幅は変更せず、時間方向に送信しない/送信しない/送信する、の順に送るパターンの場合を表している。
図10(d)は、前記パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源の全帯域について、時間方向に送信しない/送信する、の順に送るパターンの場合を表しており、さらに、送信する場合は、前記パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源を周波数方向に4つの領域に分割した上で、周波数の低い方から順に、送信する/送信しない/送信する/送信しない、の順に送るパターンの場合を表している。
さらに、前記UL RRの表現方法としては、(1)前記パイロット信号の送信方法に変動を加えることが、UL RRを表しているか、および、(2)パイロット信号の変動パターンとして何を使用するか、を基地局100と移動局200が共に、事前に共通の情報として持っていれば、上記手法に限ることはない。
このように、本実施形態によれば、資源要求するために専用に割り当てる資源を利用することなく、パイロット信号の送信の手順を変更(本実施形態ではパイロット信号の送信停止と送信再開の組み合わせ)することによって、資源要求を移動局から基地局へ通知することができる。これにより、資源要求のために専用の資源を必要とすることが無くなり、資源を有効に利用することが可能となる。
なお、本実施形態においては、DTX/DRXモードにある移動局を例にとって説明を行なったが、同期が維持されている移動局(つまり、Activeモードにある移動局)であれば、本実施形態に記載のUL RR方法を使用することが可能である。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態として、DTX/DRXモードにある移動局を例に挙げ、図11を用いて、詳細に説明を行なう。本実施形態では、パイロット信号の送信帯域を時間と共に変えて送信する場合に、パイロット信号の送信を停止して資源要求(UL RR)を実施する一態様を説明する。図11は、第3の実施形態におけるUL資源要求に伴うパイロット信号の変動の一例を示すシーケンス図である。図11は、左側に移動局(UE)、右側に基地局(NB)のシーケンス図を示している。以下、図6、図11を用いてUL RRの動作について説明する。
DTX/DRXモードにある移動局200は、図11に示すように、常時通信を行なっているわけではないが、少なくとも同期を維持するために、時間周波数位置を時間とともに変えながら、UL CQI測定用のパイロット信号を、移動局200から基地局100へ、同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠送信している場合を想定する(図11のpilot signal transmission)。図11では、移動局200は、UL CQI測定用のパイロット信号を送信する度に、異なる所定の周波数領域を使用してUL CQI測定用のパイロット信号を送信する場合を示している。一方、基地局100においては、前記パイロット信号を同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠受信している。ここで、時間とともに変動する前記パイロット信号の時間周波数位置については、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。また、パイロット信号の定期送信とUL RRとは、それぞれ独立して行なうことを前提とする。
同期維持のためのパイロット信号は、上りリンク制御データの中に含まれている。制御データ挿入部208において、チャネルコーディングされた上りリンク送信データと上りリンク制御データのチャネルマッピングが行なわれ、変調部209において変調された後、無線部202においてRF周波数へアップコンバートされ、送信アンテナ201から基地局100へ送信されている。
移動局200では、制御部210は、UL RRする必要があるか否か判断し(S11)、移動局200がUL資源を要求する場合(S11でYes)、制御部210は、パイロット信号制御部211へUL RRの実施を指示し、パイロット信号制御部211は、上りリンク制御データから送られてきた前記パイロット信号であって、時間周波数位置を時間とともに変えながらではあるが、移動局から同期維持可能な期間内で定期的に送信されていた前記パイロット信号の送信を意図的に停止する。(S12)。図11では、UL
Resource Request(T1)のタイミングでUL RRを実施したことを示している。点線で示した矩形がパイロット信号の送信を停止したタイミングを示し、UL RRとしては、点線で囲んだ矩形が該当する。
本実施形態では、パイロット信号の送信を意図的に停止(一時的に停止)させることによって、UL RRを移動局200から基地局100に通知するものであり、この動作が資源を要求することを示す。UL RRを必要としない場合は、ステップS11の判断にもどる。パイロット信号の送信を停止することが、UL RRを表すということについては、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。
基地局100においては、アンテナ部101において前記パイロット信号を受信し、無線部102においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされ、上りリンクチャネル推定部104内のパイロット信号検出部111へ入力される。基地局100では、これまで時間周波数位置を時間とともに変えながらではあるが、移動局200がUL
RRした場合には、移動局200から同期維持可能な期間内で定期的に送信されていた前記パイロット信号を受信しなくなる。このとき、基地局100のパイロット信号検出部111は、予め前記パイロット信号の送信停止が、UL RRを表すことを事前に知っているため、前記パイロット信号の変動を検出し(S21でYes)、UL RRであると判断する。そして、スケジューリング部110に対して、スケジューリングさせるためのトリガを出力する。また、上りリンクチャネル推定部104では、受信したパイロット信号から上りリンク伝送路品質情報CQIを算出し、スケジューリング部110に入力する。スケジューリング部110の出力である上りリンクAMC情報は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク制御データと結合されてチャネルマッピングされる。一方、UL RRであると検知しない場合は(S21でNo)、ステップS21に戻る。
次に、基地局100のスケジューリング部110は、UL CQI測定用パイロット信号を利用して当該移動局に割り当てる資源を増加させるスケジューリングを行なった後(S22)、移動局200に対してUL RAを送信する(S23)。図11では、基地局100は、Scheduling(T2)でスケジューリング部110がスケジューリングを行ない、UL Resource Allocation(T3)でUL RAを送信する。このとき、UL RAの中には、ULスケジューリンググラント、および、ULデータ送信用に使用する時間周波数資源の位置を指定する情報が含まれている。その後、OFDM変調部109においてOFDM変調が行なわれ、無線部102においてRF周波数へとアップコンバートされた後、アンテナ101から移動局200へ送信される。なお、基地局100が指定するULデータを送信するための時間周波数資源の位置としては、UL RRが行なわれる前の段階における、時間的に最も新しいUL CQI測定用パイロット信号を受信した周波数位置を指定することが望ましいが、その限りではない。図11では、望ましい周波数位置を指定した場合を示している。
一方、移動局200においては、アンテナ部201において前記UL RAを受信し、無線部202においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされた後、下りチャネル推定部204、OFDM復調部203を経由して、制御データ抽出部205において、UL RA情報を抽出する。移動局200は、このUL RA情報に基づいて、指定されたAMCモードならびに時間周波数位置でULデータを送信する。すなわち、移動局200は、UL RAの受信(S13)を一定期間待つ(S14)。その期間内に、UL RAを受信した場合は(S14でNoかつS13でYes)、指定された資源を利用して、ULデータを送信することが可能になる(S15)。
図11のUL data transmission(T4)において、移動局200は、基地局100によって割り当てられたデータ送信用の領域(網掛け部分)を用いて、ULデータを基地局100へ送信する。逆に、一定の時間が経過してもUL RAを受信できない場合は(S14でYes)、ステップS11に戻る。なお、(1)移動局が基地局に対して送信する前記パイロット信号、または、ULデータの送信間隔、(2)基地局が移動局から受信する前記パイロット信号、または、ULデータの受信間隔、はそれぞれ短いほど望ましい。この場合、例えば、1サブフレーム長程度(0.5msec程度)、または、2サブフレーム長程度(1msec程度)であっても良い。さらに、長い場合でも、同期維持が可能な時間の範囲内(例えば、500msec以内)であることが望ましい。
以上、本実施形態におけるUL RR方法として、前記パイロット信号の送信を意図的に停止する方法について説明した。これ以外のUL RR方法として、第1の実施形態と同様に、移動局200から基地局100へ前記パイロット信号を送信するために確保されている時間周波数資源のうち、一部を送らないという手法を利用しても良い。この場合、図8(a)乃至図8(c)に示される方法を利用しても良い。
さらに、前記UL RRの表現方法としては、(1)前記パイロット信号の送信方法に変動を加えることが、UL RRを表しているか、および、(2)パイロット信号の変動パターンとして何を使用するかを、基地局と移動局が共に、事前に共通の情報として持っていれば、上記手法に限ることはない。
このように、本実施形態によれば、資源要求するために専用に割り当てる資源を利用することなく、パイロット信号の送信の手順を変更(本実施形態ではパイロット信号の送信停止)することによって、資源要求を移動局から基地局へ通知することができる。これにより、資源要求のために専用の資源を必要とすることが無くなり、資源を有効に利用することが可能となる。
なお、本実施形態においては、DTX/DRXモードにある移動局を例にとって説明を行なったが、同期が維持されている移動局(つまり、Activeモードにある移動局)であれば、本実施形態に記載のUL RR方法を使用することが可能である。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態として、DTX/DRXモードにある移動局を例に挙げ、図12を用いて、詳細に説明を行なう。本実施形態では、パイロット信号の送信帯域を時間と共に変えて送信するとともに、各周波数帯域を複数の領域に分割し、分割した領域の中で間隔をあけてパイロット信号を配置する場合に、パイロット信号の送信を停止してUL RRを実施する一態様を説明する。図12は、第4の実施形態におけるUL資源要求に伴うパイロット信号の変動の一例を示すシーケンス図である。図12は、左側に移動局(UE)、右側に基地局(NB)のシーケンス図を示している。以下、図6、図12を用いてUL RRの動作について説明する。
DTX/DRXモードにある移動局200は、図12に示すように、常時通信を行なっているわけではないが、少なくとも同期を維持するために、時間周波数位置を時間とともに変えながら、かつ、図8(b)に示すように前記時間周波数資源を周波数方向に4つの領域に分割した上で、周波数の低い方から順に、送信する/送信しない/送信する/送信しない、という飛び飛びの配置(間隔をあけた配置)で構成されるUL CQI測定用のパイロット信号を、移動局200から基地局100へ、同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠送信している場合を想定する(図12のpilot signal transmission)。一方、基地局100においては、前記パイロット信号を同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠受信している。ここで、時間とともに変動する前記パイロット信号の時間周波数位置については、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。また、パイロット信号の定期送信とUL RRとは、それぞれ独立して行なうことを前提とする。
同期維持のためのパイロット信号は、上りリンク制御データの中に含まれている。制御データ挿入部208において、チャネルコーディングされた上りリンク送信データと上りリンク制御データのチャネルマッピングが行なわれ、変調部209において変調された後、無線部202においてRF周波数へアップコンバートされ、送信アンテナ201から基地局100へ送信されている。
移動局200では、制御部210は、UL RRする必要があるか否か判断し(S11)、移動局200がUL資源を要求する場合(S11でYes)、制御部210は、パイロット信号制御部211へUL RRの実施を指示し、パイロット信号制御部211は、前記パイロット信号の送信を意図的に停止する(S12)。すなわち、パイロット信号制御部211は、上りリンク制御データから送られてきた前記パイロット信号であって、時間周波数位置を時間とともに変えながら、かつ、前記時間周波数資源を周波数方向に4つの領域に分割した上で、周波数の低い方から順に、送信する/送信しない/送信する/送信しない、という飛び飛びの配置で構成されるUL CQI測定用のパイロット信号の送信を意図的に停止する。この動作が、UL RRに該当している。図12では、UL Resource Request(T1)のタイミングでUL RRを実施したことを示している。点線で示した矩形がパイロット信号の送信を停止したタイミングを示し、UL
RRとしては、点線で囲んだ矩形が該当する。
本実施形態では、パイロット信号の送信を意図的に停止(一時的に停止)させることによって、UL RRを移動局200から基地局100に通知するものであり、この動作が、UL RRに該当している。UL RRを必要としない場合は、S11の判断に戻る。前記パイロット信号の送信停止が、UL RRを表すことについては、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。
基地局100においては、アンテナ部101において前記パイロット信号を受信し、無線部102においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされ、上りリンクチャネル推定部104内のパイロット信号検出部111へ入力される。基地局100では、これまで時間周波数位置を時間とともに変えながらではあるが、移動局200から同期維持可能な期間内で定期的に送信されていた前記パイロット信号を受信しなくなる。このとき、基地局100のパイロット信号検出部111は、予め前記パイロット信号の送信停止が、UL RRを表すことを事前に知っているため、前記パイロット信号の変動を検出し(S21でYes)、UL RRであると判断する。そして、スケジューリング部110に対して、スケジューリングさせるためのトリガを出力する。また、上りリンクチャネル推定部104では、受信したパイロット信号から上りリンク伝送路品質情報CQIを算出し、スケジューリング部110に入力する。スケジューリング部110の出力である上りリンクAMC情報は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク制御データと結合されてチャネルマッピングされる。一方、UL RRであると検知しない場合は(S21でNo)、ステップS21に戻る。
次に、基地局100のスケジューリング部110は、UL CQI測定用パイロット信号を利用して当該移動局に割り当てる資源を増加させるスケジューリングを行なった後(S22)、移動局200に対してUL RAを送信する(S23)。図12では、基地局100は、Scheduling(T2)でスケジューリング部110がスケジューリングを行ない、UL Resource Allocation(T3)でUL RAを送信する。このとき、UL RAの中には、ULスケジューリンググラント、および、ULデータ送信用に使用する時間周波数資源の位置を指定する情報が含まれている。また、基地局100が指定するULデータを送信するための時間周波数資源の位置としては、UL
RRが行なわれる前の段階における、時間的に最も新しいUL CQI測定用パイロット信号を受信した周波数位置を指定することが望ましいが、その限りではない。図12では、望ましい周波数位置を指定した場合を示している。その後、OFDM変調部109においてOFDM変調が行なわれ、無線部102においてRF周波数へとアップコンバートされた後、アンテナ101から移動局200へ送信される。
一方、移動局200においては、アンテナ部201において前記UL RAを受信し、無線部202においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされた後、下りチャネル推定部204、OFDM復調部203を経由して、制御データ抽出部205において、UL RA情報を抽出する。移動局200は、このUL RA情報に基づいて、指定されたAMCモードならびに時間周波数位置でULデータを送信する。すなわち、移動局は、UL RAの受信(S13)を一定期間待つ(S14)。その期間内に、UL RAを受信した場合は(S14でNoかつS13でYes)、指定された資源を利用して、ULデータを送信することが可能になる(S15)。図12のUL data transmission(T4)において、移動局200は、基地局100によって割り当てられたデータ送信用の領域(網掛け部分)を用いて、ULデータを基地局100へ送信する。逆に、一定の時間が経過してもUL RAを受信できない場合は(S14でYes)、ステップS11に戻る。
なお、(1)移動局が基地局に対して送信する前記パイロット信号、または、ULデータの送信間隔、(2)基地局が移動局から受信する前記パイロット信号、または、ULデータの受信間隔、はそれぞれ短いほど望ましい。この場合、例えば、1サブフレーム長程度(0.5msec程度)、または、2サブフレーム長程度(1msec程度)であっても良い。さらに、長い場合でも、同期維持が可能な時間の範囲内(例えば、500msec以内)であることが望ましい。
以上、本実施形態におけるUL RR方法として、前記パイロット信号の送信を意図的に停止する方法について説明した。これ以外のUL RR方法として、前記パイロット信号の送信パターンを、図8(a)あるいは図8(c)に示される方法を利用して置き換えても良い。また、図12に記載の黒色の部分について、図8(a)乃至図8(c)に示されるように、2つの領域に分割したり(a)、4つの領域に分割したり(b)、さらに、異なる4つの領域に分割したり(b)しても良い。
さらに、前記UL RRの表現方法としては、(1)前記パイロット信号の送信方法に変動を加えることが、UL RRを表しているか、および、(2)パイロット信号の変動パターンとして何を使用するかを、基地局と移動局が共に、事前に共通の情報として持っていれば、上記手法に限ることはない。
このように、本実施形態によれば、資源要求するために専用に割り当てる資源を利用することなく、パイロット信号の送信の手順を変更(本実施形態ではパイロット信号の送信停止)することによって、資源要求を移動局から基地局へ通知することができる。これにより、資源要求のために専用の資源を必要とすることが無くなり、資源を有効に利用することが可能となる。
なお、本実施形態においては、DTX/DRXモードにある移動局を例にとって説明を行なったが、同期が維持されている移動局(つまり、Activeモードにある移動局)であれば、本実施形態に記載のUL RR方法を使用することが可能である。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態として、DTX/DRXモードにある移動局を例に挙げ、図13を用いて、詳細に説明を行なう。本実施形態では、distributedに配置され、複数の移動局が直交符号を利用して多重化されているパイロット信号を用いる場合に、資源要求(UL RR)を行なう移動局がパイロット信号の送信を一部分の領域において停止して資源要求を実施する一態様を説明する。図13は、第5の実施形態におけるUL資源要求に伴うパイロット信号の変動の一例を示すシーケンス図である。図13は、左側に移動局(UE)、右側に基地局(NB)のシーケンス図を示している。以下、図6、図13を用いてUL RRの動作について説明する。
DTX/DRXモードにある移動局200は、図13に示すように、常時通信を行なっているわけではないが、少なくとも同期を維持するために、UL CQI測定用のパイロット信号を、移動局200から基地局100へ、同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠送信している場合を想定する(図13のpilot signal transmission)。また、図13では、移動局200がUL CQI測定用パイロットとして、distributedに配置され、かつ、同一時間周波数位置において複数の移動局200毎に異なる直交符号を利用して多重化されているパイロット信号を基地局100へ送信する場合を示している。一方、基地局100においては、前記パイロット信号を同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠受信している。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置については、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。また、パイロット信号の定期送信とUL RRとは、それぞれ独立して行なうことを前提とする。
同期維持のためのパイロット信号は、上りリンク制御データの中に含まれている。制御データ挿入部208において、チャネルコーディングされた上りリンク送信データと上りリンク制御データのチャネルマッピングが行なわれ、変調部209において変調された後、無線部202においてRF周波数へアップコンバートされ、送信アンテナ201から基地局100へ送信されている。
本実施形態では、distributedに配置され、直交符号を利用して多重化されているパイロット信号を用いるが、具体的には次のような場合を一例として用いて説明する。distributed配置とは、周波数領域において、使用する周波数帯域の間に一定の間隔がある状態(くし状に配置した状態)のことであり、図2にその一例を示している。図2において、斜線を施した領域は、使用する周波数帯域を示している。また、各移動局200が用いる前記パイロット信号を多重化する直交符号として、CAZAC(Constant Amplitude Zero Auto−Correlation)符号を使用した場合について説明を行なう。CAZAC符号は、自己相関特性に優れている符号である。
本実施形態では、基地局100は、移動局200に対してそれぞれ異なるシーケンス(系列)のCAZAC符号を割り当てることによって、各移動局200を識別することを想定する。また、各移動局200は、割り当てられたCAZAC符号を使用してUL送信する場合を説明する。さらに、CAZAC符号を使用することで、distributed配置された各周波数領域において、複数移動局200の多重化が可能になる。その例を図14の上段に示す。図14は、本実施形態のパイロット信号を送信する資源の周波数方向の状態の一例を示す図であり、上段に通常のパイロット信号送信時、下段に資源要求(UL Resource Request)時の状態の一例を示している。図14上段において、「#1」は移動局200aが使用するCAZAC符号を、「#2」は移動局200bが使用するCAZAC符号を、「#3」は移動局200cが使用するCAZAC符号を示しており、同一周波数領域において3つの移動局が多重化されている(3つの移動局200が同一周波数領域を同一時刻に利用している)状態を表している。
また、図13では、移動局200a、200b、200cそれぞれが異なるCAZAC符号#1、#2、#3を使用することによって、同一の時間周波数領域において前記パイロット信号を、同期維持可能な期間内に間欠送信している状態を表している。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置、並びに、各移動局200にどのCAZAC符号が割り当てられているかについては、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。
移動局200では、制御部210は、UL RRする必要があるか否か判断し(S11)、移動局200がUL資源を要求する場合(S11でYes)、制御部210は、パイロット信号制御部211へUL RRの実施を指示し、パイロット信号制御部211は、distributedに配置されている時間周波数領域の一部について、前記パイロット信号の送信を意図的に停止する(S12)。すなわち、パイロット信号制御部211は、上りリンク制御データから送られてきた前記パイロット信号であって、distributedに配置され、かつ、同一時間周波数位置において移動局が異なる直交符号(例えばCAZAC符号)を利用して多重化されているUL CQI測定用のパイロット信号の一部の送信を意図的に停止する。この動作が、UL RRに該当している。ここでは、移動局200aがUL RRを実施する場合を一例として説明する。
図13では、UL Resource Request(T1)のタイミングでUL RRを実施したことを示し(点線で囲んだ矩形が該当する)、UL RRにおいて、右上がりの斜線を施された領域が、前記パイロット信号の送信停止位置を表している。この動作が、UL RRに該当している。UL RRを必要としない場合は(S11でNo)、S11の判断に戻る。前記パイロット信号の送信停止がUL RRを表していること、および、その停止位置がどこであるかを、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。
基地局100においては、アンテナ部101において前記パイロット信号を受信し、無線部102においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされ、上りリンクチャネル推定部104内のパイロット信号検出部111へ入力される。基地局100では、これまで移動局200から同期維持可能な期間内で定期的に送信されていた前記パイロット信号の一部を受信しなくなる。このとき、基地局100のパイロット信号検出部111は、予め前記パイロット信号の送信停止がUL RRを表すこと、および、その停止位置がどこであるかを事前に知っているため、前記パイロット信号の変動を検出し(S21でYes)、UL RRであると判断する。そして、スケジューリング部110に対して、スケジューリングさせるためのトリガを出力する。また、上りリンクチャネル推定部104では、受信したパイロット信号から上りリンク伝送路品質情報CQIを算出し、スケジューリング部110に入力される。スケジューリング部110の出力である上りリンクAMC情報は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク制御データと結合されてチャネルマッピングされる。一方、UL RRであると検知しない場合は(S21でNo)、ステップS21に戻る。
次に、基地局100のスケジューリング部110は、UL CQI測定用パイロット信号を利用して当該移動局に割り当てる資源を増加させるスケジューリングを行なった後(S22)、移動局200に対してUL RAを送信する(S23)。図13では、基地局100は、Scheduling(T2)でスケジューリング部110がスケジューリングを行ない、UL Resource Allocation(T3)でUL RAを送信する。このとき、UL RAの中には、ULスケジューリンググラント、および、ULデータ送信用に使用する時間周波数資源の位置を指定する情報が含まれている。また、基地局100が指定するULデータを送信するための時間周波数資源の位置としては、UL
RRが行なわれる前の段階における、時間的に最も新しいUL CQI測定用パイロット信号を受信した周波数位置を指定することが望ましいが、その限りではない。図13では、当該移動局200がパイロット信号の送信を停止した領域(右上がりの斜線を施した領域)においても、ULデータを送信するための時間周波数資源の位置として指定された例を示している。その後、OFDM変調部109においてOFDM変調が行なわれ、無線部102においてRF周波数へとアップコンバートされた後、アンテナ101から移動局200へ送信される。
一方、移動局200においては、アンテナ部201において前記UL RAを受信し、無線部202においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされた後、下りチャネル推定部204、OFDM復調部203を経由して、制御データ抽出部205において、UL RA情報を抽出する。移動局200は、このUL RA情報に基づいて、指定されたAMCモードならびに時間周波数位置でULデータを送信する。すなわち、移動局200は、UL RAの受信(S13)を一定期間待つ(S14)。その期間内に、UL RAを受信した場合は(S14でNoかつS13でYes)、指定された資源を利用して、ULデータを送信することが可能になる(S15)。図13のUL data transmission(T4)において、移動局200(図13では、移動局200a)は、基地局100によって割り当てられたデータ送信用の領域(網掛け部分)を用いて、ULデータを基地局100へ送信する。逆に、一定の時間が経過してもUL RAを受信できない場合は(S14でYes)、ステップS11に戻る。
以上について、図14を用いて説明を加える。UL RR以外の段階において前記パイロット信号を送信するための資源について、ある時刻における周波数方向の状態を図14上段に示す。また、UL RR時における前記パイロット信号を送信するための資源について、ある時刻における周波数方向の状態を図14下段に示す。UL RR時以外を表す図14上段を見ると、周波数1、4、7の領域において、移動局200a、200b、200cはそれぞれCAZAC#1、#2、#3を使用することで前記パイロット信号を送信している。UL RR時を表す図14下段を見ると、周波数1、4、7の領域において、移動局200bおよび200cは、それぞれCAZAC#2、#3を使用することで前記パイロット信号を送信しているが、周波数4の領域において移動局200aのみ前記パイロット信号を送信していないことがわかる。
基地局100では、パイロット信号検出部111がCAZAC#1による前記パイロット信号の送信停止を行なった移動局200aがUL RRを行なっていることを検知して、スケジューリング部110がスケジューリングを行ない、移動局200aに対してUL
RAを送信する。
なお、(1)移動局が基地局に対して送信する前記パイロット信号、または、ULデータの送信間隔、(2)基地局が移動局から受信する前記パイロット信号、または、ULデータの受信間隔、はそれぞれ短いほど望ましい。この場合、例えば、1サブフレーム長程度(0.5msec程度)、または、2サブフレーム長程度(1msec程度)であっても良い。さらに、長い場合でも、同期維持が可能な時間の範囲内(例えば、500msec以内)であることが望ましい。
以上、本実施形態におけるUL RR方法としては、前記パイロット信号の送信を意図的に停止する方法について記述を行なったが、(1)前記パイロット信号の送信方法に変動を加えることが、UL RRを表しているか、および、(2)前記パイロット信号の変動パターンとして何を使用するかを、基地局と移動局が共に、事前に共通の情報として持っていれば、上記手法に限ることはない。例えば、図14の下段において、周波数1、4、7の領域における全てのパイロット信号の送信を停止しても良い。
また、本実施形態では、基地局100が各移動局200を識別するために、移動局200に対してそれぞれ異なるシーケンス(系列)のCAZAC符号を割り当てることを一例として説明したが、基地局100が移動局200を識別できれば上記手段に限られることはない。
このように、本実施形態によれば、資源要求するために専用に割り当てる資源を利用することなく、パイロット信号の送信の手順を変更(本実施形態ではUL RRを実施する移動局のパイロット信号の送信停止)することによって、資源要求を移動局から基地局へ通知することができる。これにより、資源要求のために専用の資源を必要とすることが無くなり、資源を有効に利用することが可能となる。
なお、本実施形態においては、DTX/DRXモードにある移動局を例にとって説明を行なったが、同期が維持されている移動局(つまり、Activeモードにある移動局)であれば、本実施形態に記載のUL RR方法を使用することが可能である。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態として、DTX/DRXモードにある移動局を例に挙げ、図15を用いて、詳細に説明を行なう。本実施形態では、distributedに配置され、複数の移動局が直交符号を利用して多重化されているパイロット信号を用いる場合に、資源要求を行なう移動局が通常とは異なる直交符号を用いて多重化することによって資源要求を実施する一態様を説明する。図15は、第6の実施形態におけるUL資源要求に伴うパイロット信号の変動の一例を示すシーケンス図である。図15は、左側に移動局(UE)、右側に基地局(NB)のシーケンス図を示している。以下、図6、図15を用いてUL RRの動作について説明する。
DTX/DRXモードにある移動局200は、図15に示すように、常時通信を行なっているわけではないが、少なくとも同期を維持するために、UL CQI測定用のパイロット信号を、移動局200から基地局100へ、同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠送信している場合を想定する(図15のpilot signal transmission)。また、図15では、移動局200がUL CQI測定用パイロットとして、distributedに配置され、かつ、同一時間周波数位置において複数の移動局200毎に異なる直交符号を利用して多重化されているパイロット信号を基地局100へ送信する場合を示している。一方、基地局100においては、前記パイロット信号を同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠受信している。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置については、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。また、パイロット信号の定期送信とUL RRとは、それぞれ独立して行なうことを前提とする。
同期維持のためのパイロット信号は、上りリンク制御データの中に含まれている。制御データ挿入部208において、チャネルコーディングされた上りリンク送信データと上りリンク制御データのチャネルマッピングが行なわれ、変調部209において変調された後、無線部202においてRF周波数へアップコンバートされ、送信アンテナ201から基地局100へ送信されている。
本実施形態では、distributedに配置され、各移動局200による前記パイロット信号の多重化方法として、CAZAC符号を使用した場合について説明を行なう。具体的には、基地局100が移動局200に対してそれぞれ異なる複数個のシーケンス(系列)のCAZAC符号を割り当てることで、各移動局200を識別することを想定しており、移動局200aに対してはCAZAC#1と#4が、移動局200bに対してはCAZAC#2と#5が、移動局200cに対してはCAZAC#3と#6が割り当てられているものとする。そして、各移動局200は、割り当てられた前記CAZAC符号を使用してUL送信する場合を考える。
図15では、移動局200a、200b、200cはそれぞれ異なるCAZAC符号#1、#2、#3を使用することによって、同一の時間周波数領域において前記パイロット信号を、同期維持可能な期間内に間欠送信するとともに、前記パイロット信号が多重化されている状態を表している。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置、ならびに、各移動局200にどのCAZAC符号が割り当てられているかについては、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。
移動局200では、制御部210は、UL RRする必要があるか否か判断し(S11)、移動局200がUL資源を要求する場合(S11でYes)、制御部210は、パイロット信号制御部211へUL RRの実施を指示し、パイロット信号制御部211は、distributedに配置されている時間周波数領域において、それまで使用していたCAZAC符号とは異なるCAZAC符号を用いて前記パイロット信号を送信する(S12)。すなわち、パイロット信号制御部211は、上りリンク制御データから送られてきた前記パイロット信号であって、distributedに配置されている時間周波数領域において、それまで使用していたCAZAC符号とは異なるCAZAC符号を用いて前記パイロット信号を送信することとする。この動作が、UL RRに該当している。ここでは、移動局200aがUL RRを実施する場合を一例として説明する。
図15では、UL Resource Request(T1)のタイミングでUL RRを実施したことを示し(点線で囲んだ矩形が該当する)、UL RRにおいて、右上がりの斜線が施された箇所が、それまで使用していたCAZAC符号とは異なるCAZAC符号を利用して前記パイロット信号を送信する領域を表している。この動作が、UL RRに該当している。UL RRを必要としない場合は(S11でNo)、ステップS11の判断に戻る。それまで使用していたCAZAC符号とは異なるCAZAC符号を使用して前記パイロット信号を送信することが、UL RRを表していることを、基地局と移動局が共に、事前に知っているものとする。
基地局100においては、アンテナ部101において前記パイロット信号を受信し、無線部102においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされ、上りリンクチャネル推定部104内のパイロット信号検出部111へ入力される。基地局100では、これまで移動局200から同期維持可能な期間内で定期的に送信されていた前記パイロット信号に異なるCAZAC符号が使用されていることを検出する。このとき、基地局100のパイロット信号検出部111は、予めそれまで使用していたCAZAC符号とは異なるCAZAC符号を使用して前記パイロット信号を送信することが、UL RRを表していることを事前に知っているため、前記パイロット信号の変動をUL RRであることと判断する(S21でYes)。そして、スケジューリング部110に対して、スケジューリングさせるためのトリガを出力する。また、上りリンクチャネル推定部104では、受信したパイロット信号から上りリンク伝送路品質情報CQIを算出し、スケジューリング部110に入力される。スケジューリング部110の出力である上りリンクAMC情報は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク制御データと結合されてチャネルマッピングされる。一方、UL RRであると検知しない場合は(S21でNo)、ステップS21に戻る。
次に、基地局100のスケジューリング部110は、UL CQI測定用パイロット信号を利用して当該移動局に割り当てる資源を増加させるスケジューリングを行なった後(S22)、移動局200に対してUL RAを送信する(S23)。図15では、基地局100は、Scheduling(T2)でスケジューリング部110がスケジューリングを行ない、UL Resource Allocation(T3)でUL RAを送信する。このとき、UL RAの中には、ULスケジューリンググラント、および、ULデータ送信用に使用する時間周波数資源の位置を指定する情報が含まれている。また、基地局100が指定するULデータを送信するための時間周波数資源の位置としては、UL
RRが行なわれる前の段階における、時間的に最も新しいUL CQI測定用パイロット信号を受信した周波数位置を指定することが望ましいが、その限りではない。図15では、当該移動局200がパイロット信号の送信を変更した領域(右上がりの斜線を施した領域)において、ULデータを送信するための時間周波数資源の位置として指定された例を示している。その後、OFDM変調部109においてOFDM変調が行なわれ、無線部102においてRF周波数へとアップコンバートされた後、アンテナ101から移動局200へ送信される。
一方、移動局200においては、アンテナ部201において前記UL RAを受信し、無線部202においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされた後、下りチャネル推定部204、OFDM復調部203を経由して、制御データ抽出部205において、UL RA情報を抽出する。移動局200は、このUL RA情報に基づいて、指定されたAMCモードならびに時間周波数位置でULデータを送信する。すなわち、移動局200は、UL RAの受信(S13)を一定期間待つ(S14)。その期間内に、UL RAを受信した場合は(S14でNoかつS13でYes)、指定された資源を利用して、ULデータを送信することが可能になる(S15)。図15のUL data transmission(T4)において、移動局200(図15では、移動局200a)は、基地局100によって割り当てられたデータ送信用の領域(網掛け部分)を用いて、ULデータを基地局100へ送信する。逆に、一定の時間が経過してもUL RAを受信できない場合は(S14でYes)、ステップS11に戻る。
以上について、図16を用いて説明を加える。図16は、本実施形態のパイロット信号を送信する資源の周波数方向の状態の一例を示す図である。UL RR以外の段階において前記パイロット信号を送信するための資源について、ある時刻における周波数方向の状態を図16上段に示す。また、UL RR時における前記パイロット信号を送信するための資源について、ある時刻における周波数方向の状態を図16下段に示す。UL RR時以外を表す図16上段を見ると、周波数1、4、7の領域において、移動局200a、200b、200cはそれぞれCAZAC#1、#2、#3を使用することで前記パイロット信号を送信している。UL RR時を表す図16下段を見ると、周波数1、4、7の領域において、移動局200bおよび200cは、それぞれCAZAC#2、#3を使用して前記パイロット信号を送信しているが、移動局200aはCAZAC#4を使用して前記パイロット信号を送信していることがわかる。
基地局100では、パイロット信号検出部111が、CAZAC#1ではなくCAZAC#4によって前記パイロット信号の送信を行なった移動局200aがUL RRを行なっていることを検知して、スケジューリング部110がスケジューリングを行ない、移動局200aに対してUL RAを送信する。
なお、(1)移動局が基地局に対して送信する前記パイロット信号、または、ULデータの送信間隔、(2)基地局が移動局から受信する前記パイロット信号、または、ULデータの受信間隔、はそれぞれ短いほど望ましい。この場合、例えば、1サブフレーム長程度(0.5msec程度)、または、2サブフレーム長程度(1msec程度)であっても良い。さらに、長い場合でも、同期維持が可能な時間の範囲内(例えば、500msec以内)であることが望ましい。
以上、本実施形態におけるUL RR方法としては、前記パイロット信号を送信するために使用する直交符号を意図的に変更する方法について記述を行なったが、(1)前記パイロット信号の送信方法に変動を加えることが、UL RRを表しているか、および、(2)前記パイロット信号の変動パターンとして何を使用するかを、基地局と移動局が共に、事前に共通の情報として持っていれば、上記手法に限ることはない。
また、本実施形態では、基地局100が各移動局200を識別するために、移動局200に対してそれぞれ異なるシーケンス(系列)の前記CAZAC符号を割り当てることを例にとって説明を行なったが、基地局100が移動局200を識別できれば上記手段に限らない。
このように、本実施形態によれば、資源要求するために専用に割り当てる資源を利用することなく、パイロット信号の送信の手順を変更(本実施形態ではUL RRを実施する移動局が使用する符号の変更)することによって、資源要求を移動局から基地局へ通知することができる。これにより、資源要求のために専用の資源を必要とすることが無くなり、資源を有効に利用することが可能となる。
なお、本実施形態においては、DTX/DRXモードにある移動局を例にとって説明を行なったが、同期が維持されている移動局(つまり、Activeモードにある移動局)であれば、本実施形態に記載のUL RR方法を使用することが可能である。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態として、DTX/DRXモードにある移動局を例に挙げ、図17を用いて、詳細に説明を行なう。本実施形態では、localizedに配置され、複数の移動局が直交符号を利用して多重化されているパイロット信号を用いる場合に、資源要求を行なう移動局がパイロット信号の送信を一部分の領域において停止して資源要求を実施する一態様を説明する。図17は、第7の実施形態におけるUL資源要求に伴うパイロット信号の変動の一例を示すシーケンス図である。図17は、左側に移動局(UE)、右側に基地局(NB)のシーケンス図を示している。以下、図6、図17を用いてUL RRの動作について説明する。
DTX/DRXモードにある移動局200は、図17に示すように、常時通信を行なっているわけではないが、少なくとも同期を維持するために、UL CQI測定用のパイロット信号を、移動局200から基地局100へ、同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠送信している場合を想定する(図17のpilot signal transmission)。また、図17では、移動局200がUL CQI測定用パイロットとして、localizedに配置され、かつ、同一時間周波数位置において複数の移動局200が異なる直交符号を利用して多重化されているパイロット信号を基地局100へ送信する場合を示している。一方、基地局100においては、前記パイロット信号を同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠受信している。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置については、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。また、パイロット信号の定期送信とUL RRとは、それぞれ独立して行なうことを前提とする。
同期維持のためのパイロット信号は、上りリンク制御データの中に含まれている。制御データ挿入部208において、チャネルコーディングされた上りリンク送信データと上りリンク制御データのチャネルマッピングが行なわれ、変調部209において変調された後、無線部202においてRF周波数へアップコンバートされ、送信アンテナ201から基地局100へ送信されている。
本実施形態では、localizedに配置され、直交符号を利用して多重化されているパイロット信号を用いるが、具体的には次のような場合を一例として用いて説明する。localized配置とは、周波数領域において、連続的にスペクトル配置した状態のことであり、図3にその一例を示している。図3において、斜線を施した領域は、使用する周波数帯域を示している。
本実施形態では、基地局100は、移動局200に対してそれぞれ異なるシーケンス(系列)のCAZAC符号を割り当てることで、各移動局200を識別することを想定する。また、各移動局200は、割り当てられたCAZAC符号を使用してUL送信する場合を説明する。さらに、CAZAC符号を使用することによって、localized配置された周波数領域において、複数移動局200の多重化が可能になる。その例を図18の上段に示す。図18は、本実施形態のパイロット信号を送信する資源の周波数方向の状態の一例を示す図であり、上段に通常のパイロット信号送信時、下段に資源要求時の状態の一例を示している。図18上段において、「#1」は移動局200aが使用するCAZAC符号を、「#2」は移動局200bが使用するCAZAC符号を、「#3」は移動局200cが使用するCAZAC符号を示しており、同一周波数領域において3つの移動局200が多重化されている(3つの移動局200が同一周波数領域を同一時刻に利用している)状態を表している。
また、図17では、移動局200a、200b、200cそれぞれが異なるCAZAC符号#1、#2、#3を使用することによって、同一の時間周波数領域において前記パイロット信号を、同期維持可能な期間内に間欠送信している状態を表している。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置、ならびに、各移動局200にどのCAZAC符号が割り当てられているかについては、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。
移動局200では、制御部210は、UL RRする必要があるか否か判断し(S11)、移動局がUL資源を要求する場合(S11でYes)、制御部210は、パイロット信号制御部211へUL RRの実施を指示し、パイロット信号制御部211は、localisedに配置されている時間周波数領域の一部について、前記パイロット信号の送信を意図的に停止する(S12)。すなわち、パイロット信号制御部211は、前記UL
RRトリガを受信することで、図6(左)に示される処理手順が起動する。前記パイロット信号制御部211は、上りリンク制御データから送られてきた前記パイロット信号であって、localizedに配置されている時間周波数領域の一部について、前記パイロット信号の送信を意図的に停止する。この動作が、UL RRに該当している。ここでは、移動局200aがUL RRを実施する場合を一例として説明する。
図17では、UL Resource Request(T1)のタイミングでUL RRを実施したことを示し(点線で囲んだ矩形が該当する)、UL RRにおいて、右上がりの斜線が施された領域が、前記パイロット信号の送信停止位置を表している。この動作が、UL RRに該当している。UL RRを必要としない場合は(S11でNo)、ステップS11の判断に戻る。前記パイロット信号の送信停止がUL RRを表していること、および、その停止位置がどこであるかを、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。
基地局100においては、アンテナ部101において前記パイロット信号を受信し、無線部102においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされ、上りリンクチャネル推定部104内のパイロット信号検出部111へ入力される。基地局200では、これまで移動局200から同期維持可能な期間内で定期的に送信されていた前記パイロット信号の一部を受信しなくなる。このとき、基地局100のパイロット信号検出部111は、予め前記パイロット信号の送信停止が、UL RRを表すこと、および、その停止位置がどこであるかを事前に知っているため、前記パイロット信号の変動を検出し(S21でYes)、UL RRであると判断する。そして、スケジューリング部110に対して、スケジューリングさせるためのトリガを出力する。また、上りリンクチャネル推定部104では、受信したパイロット信号から上りリンク伝送路品質情報CQIを算出し、スケジューリング部110に入力される。スケジューリング部110の出力である上りリンクAMC情報は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク制御データと結合されてチャネルマッピングされる。一方、UL RRであると検知しない場合は(S21でNo)、ステップS21に戻る。
次に、基地局100のスケジューリング部110は、UL CQI測定用パイロット信号を利用して当該移動局に割り当てる資源を増加させるスケジューリングを行なった後(S22)、移動局200に対してUL RAを送信する(S23)。図17では、基地局100は、Scheduling(T2)でスケジューリング部110がスケジューリングを行ない、UL Resource Allocation(T3)でUL RAを送信する。このとき、UL RAの中には、ULスケジューリンググラント、および、ULデータ送信用に使用する時間周波数資源の位置を指定する情報が含まれている。また、基地局100が指定するULデータを送信するための時間周波数資源の位置としては、UL
RRが行なわれる前の段階における、時間的に最も新しいUL CQI測定用パイロット信号を受信した周波数位置を指定することが望ましいが、その限りではない。図17では、当該移動局200がパイロット信号の送信を停止した領域(右上がりの斜線を施した領域)においても、ULデータを送信するための時間周波数資源の位置として指定された例を示している。その後、OFDM変調部109においてOFDM変調が行なわれ、無線部102においてRF周波数へとアップコンバートされた後、アンテナ101から移動局200へ送信される。
一方、移動局200においては、アンテナ部201において前記UL RAを受信し、無線部202においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされた後、下りチャネル推定部204、OFDM復調部203を経由して、制御データ抽出部205において、UL RA情報を抽出する。移動局200は、このUL RA情報に基づいて、指定されたAMCモードならびに時間周波数位置でULデータを送信する。移動局200は、UL RAの受信(S13)を一定期間待つ(S14)。その期間内に、UL RAを受信した場合は(S14でNoかつS13でYes)、指定された資源を利用して、ULデータを送信することが可能になる(S15)。図17のUL data transmission(T4)において、移動局200(図17では、移動局200a)は、基地局100によって割り当てられたデータ送信用の領域(網掛け部分)を用いて、ULデータを基地局100へ送信する。逆に、一定の時間が経過してもUL RAを受信できない場合は(S14でYes)、ステップS11に戻る。
以上について、図18を用いて説明を加える。UL RR以外の段階において前記パイロット信号を送信するための資源について、ある時刻における周波数方向の状態を図18上段に示す。また、UL RR時における前記パイロット信号を送信するための資源について、ある時刻における周波数方向の状態を図18下段に示す。
UL RR時以外を表す図18上段を見ると、周波数1、2、3、4の領域において、移動局200a、200b、200cはそれぞれCAZAC#1、#2、#3を使用することで前記パイロット信号を送信している。UL RR時を表す図18下段を見ると、周波数1、2、3、4の領域において、移動局200bおよび200cは、それぞれCAZAC#2、#3を使用することで前記パイロット信号を送信しているが、移動局200aは、周波数1、2の領域においてはCAZAC#1を使用することで前記パイロット信号を送信しているが、周波数3、4の領域においては前記パイロット信号を送信していないことがわかる。
基地局100では、パイロット信号検出部111が周波数3、4の領域おけるCAZAC#1による前記パイロット信号の送信停止を行なった移動局200aがUL RRを行なっていることを検知して、スケジューリング部110がスケジューリングを行ない、移動局200aに対してUL RAを送信する。
なお、(1)移動局が基地局に対して送信する前記パイロット信号、または、ULデータの送信間隔、(2)基地局が移動局から受信する前記パイロット信号、または、ULデータの受信間隔、はそれぞれ短いほど望ましい。この場合、例えば、1サブフレーム長程度、つまり、0.5msec程度であっても良い。また、最悪でも、同期維持が可能な時間の範囲内(例えば、500msec以内)であることが望ましい。
以上、本実施形態におけるUL RR方法としては、前記パイロット信号の送信を意図的に停止する方法について記述を行なったが、(1)前記パイロット信号の送信方法に変動を加えることが、UL RRを表しているか、および、(2)前記パイロット信号の変動パターンとして何を使用するかを、基地局と移動局が共に、事前に共通の情報として持っていれば、上記手法に限ることはない。
また、本実施形態では、基地局が各移動局を識別するために、移動局に対してそれぞれ異なるシーケンス(系列)の前記CAZAC符号を割り当てることを例にとって説明を行なったが、基地局が移動局を識別できれば上記手段に限らない。
このように、本実施形態によれば、資源要求するために専用に割り当てる資源を利用することなく、パイロット信号の送信の手順を変更(本実施形態ではUL RRを実施する移動局のパイロット信号の送信停止)することによって、資源要求を移動局から基地局へ通知することができる。これにより、資源要求のために専用の資源を必要とすることが無くなり、資源を有効に利用することが可能となる。
なお、本実施形態においては、DTX/DRXモードにある移動局を例にとって説明を行なったが、同期が維持されている移動局(つまり、Activeモードにある移動局)であれば、本実施形態に記載のUL RR方法を使用することが可能である。
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態として、DTX/DRXモードにある移動局を例に挙げ、図19を用いて、詳細に説明を行なう。本実施形態では、localizedに配置され、複数の移動局が直交符号を利用して多重化されているパイロット信号を用いる場合に、資源要求を行なう移動局が通常とは異なる符号を用いて多重化することによって資源要求を実施する一態様を説明する。図19は、第8の実施形態におけるUL資源要求に伴うパイロット信号の変動の一例を示すシーケンス図である。図19は、左側に移動局(UE)、右側に基地局(NB)のシーケンス図を示している。以下、図6、図19を用いてUL RRの動作について説明する。
DTX/DRXモードにある移動局200は、図19に示すように、常時通信を行なっているわけではないが、少なくとも同期を維持するために、UL CQI測定用のパイロット信号を、移動局200から基地局100へ、同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠送信している場合を想定する(図19のpilot signal transmission)。また、図19では、移動局200がUL CQI測定用パイロットとして、localizedに配置され、かつ、同一時間周波数位置において移動局が異なる直交符号を利用して多重化されているパイロット信号を基地局100へ送信する場合を示している。一方、基地局100においては、前記パイロット信号を同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠受信している。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置については、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。また、パイロット信号の定期送信とUL
RRとは、それぞれ独立して行なうことを前提とする。
同期維持のためのパイロット信号は、上りリンク制御データの中に含まれている。制御データ挿入部208において、チャネルコーディングされた上りリンク送信データと上りリンク制御データのチャネルマッピングが行なわれ、変調部209において変調された後、無線部202においてRF周波数へアップコンバートされ、送信アンテナ201から基地局100へ送信されている。
本実施形態では、localizedに配置され、各移動局200による前記パイロット信号の多重化方法として、CAZAC符号を使用した場合について説明を行なう。具体的には、基地局100が移動局200に対してそれぞれ異なる複数個のシーケンス(系列)のCAZAC符号を割り当てることで、各移動局200を識別することを想定しており、移動局200aに対してはCAZAC#1と#4が、移動局200bに対してはCAZAC#2と#5が、移動局200cに対してはCAZAC#3と#6が割り当てられているものとする。そして、各移動局200は、割り当てられた前記CAZAC符号を使用してUL送信する場合を考える。
図19では、移動局200a、200b、200cはそれぞれ異なるCAZAC符号#1、#2、#3を使用することによって、同一の時間周波数領域において前記パイロット信号を、同期維持可能な期間内に間欠送信するとともに、前記パイロット信号が多重化されている状態を表している。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置、ならびに、各移動局にどのCAZAC符号が割り当てられているかについては、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。
移動局200では、制御部210は、UL RRする必要があるか否か判断し(S11)、移動局200がUL資源を要求する場合(S11でYes)、制御部210は、パイロット信号制御部211へUL RRの実施を指示し、パイロット信号制御部211は、localizedに配置されている時間周波数領域において、それまで使用していたCAZAC符号とは異なるCAZAC符号を用いて前記パイロット信号を送信する(S12)。すなわち、パイロット信号制御部211は、上りリンク制御データから送られてきた前記パイロット信号であって、localizedに配置されている時間周波数領域において、それまで使用していたCAZAC符号とは異なるCAZAC符号を用いて前記パイロット信号を送信することとする。この動作が、UL RRに該当している。ここでは、移動局200aがUL RRを実施する場合を一例として説明する。
図19では、UL Resource Request(T1)のタイミングでUL RRを実施したことを示し(点線で囲んだ矩形が該当する)、UL RRにおいて、右上がりの斜線が施された箇所が、異なるCAZAC符号を利用して前記パイロット信号を送信する領域を表している。この動作が、UL RRに該当している。UL RRを必要としない場合は(S11でNo)、ステップS11の判断に戻る。それまで使用していたCAZAC符号とは異なるCAZAC符号を使用して前記パイロット信号を送信することが、UL RRを表していることを、基地局と移動局が共に、事前に知っているものとする。
基地局100においては、アンテナ部101において前記パイロット信号を受信し、無線部102においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされ、上りリンクチャネル推定部104内のパイロット信号検出部111へ入力される。基地局100では、これまで移動局200から同期維持可能な期間内で定期的に送信されていた前記パイロット信号に異なるCAZAC符号が使用されていることを検出する。このとき、基地局100のパイロット信号検出部111は、予めそれまで使用していたCAZAC符号とは異なるCAZAC符号を使用して前記パイロット信号を送信することが、UL RRを表していることを事前に知っているため、前記パイロット信号の変動をUL RRであると判断する(S21でYes)。そして、スケジューリング部110に対して、スケジューリングさせるためのトリガを出力する。また、上りリンクチャネル推定部104では、受信したパイロット信号から上りリンク伝送路品質情報CQIを算出し、スケジューリング部110に入力される。スケジューリング部110の出力である上りリンクAMC情報は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク制御データと結合されてチャネルマッピングされる。一方、UL RRであると検知しない場合は(S21でNo)、ステップS21に戻る。
次に、基地局100のスケジューリング部110は、UL CQI測定用パイロット信号を利用して当該移動局に割り当てる資源を増加させるスケジューリングを行なった後(S22)、移動局200に対してUL RAを送信する(S23)。図19では、基地局100は、Scheduling(T2)でスケジューリング部110がスケジューリングを行ない、UL Resource Allocation(T3)でUL RAを送信する。このとき、UL RAの中には、ULスケジューリンググラント、および、ULデータ送信用に使用する時間周波数資源の位置を指定する情報が含まれている。また、基地局100が指定するULデータを送信するための時間周波数資源の位置としては、UL
RRが行なわれる前の段階における、時間的に最も新しいUL CQI測定用パイロット信号を受信した周波数位置を指定することが望ましいが、その限りではない。図19では、当該移動局200がパイロット信号の送信を変更した領域(右上がりの斜線を施した領域)において、ULデータを送信するための時間周波数資源の位置として指定された例を示している。その後、OFDM変調部109においてOFDM変調が行なわれ、無線部102においてRF周波数へとアップコンバートされた後、アンテナ101から移動局200へ送信される。
一方、移動局200においては、アンテナ部201において前記UL RAを受信し、無線部202においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされた後、下りチャネル推定部204、OFDM復調部203を経由して、制御データ抽出部205において、UL RA情報を抽出する。移動局200は、このUL RA情報に基づいて、指定されたAMCモードならびに時間周波数位置でULデータを送信する。すなわち、移動局200は、UL RAの受信(S13)を一定期間待つ(S14)。その期間内に、UL RAを受信した場合は(S14でNoかつS13でYes)、指定された資源を利用して、ULデータを送信する(S15)。図19のUL data transmission(T4)において、移動局200(図19では、移動局200a)は、基地局100によって割り当てられたデータ送信用の領域(網掛け部分)を用いて、ULデータを基地局100へ送信する。逆に、一定の時間が経過してもUL RAを受信できない場合は(S14でYes)、ステップS11に戻る。
以上について、図20を用いて説明を加える。図20は、本実施形態のパイロット信号を送信する資源の周波数方向の状態の一例を示す図である。UL RR以外の段階において前記パイロット信号を送信するための資源について、ある時刻における周波数方向の状態を図20上段に示す。また、UL RR時における前記パイロット信号を送信するための資源について、ある時刻における周波数方向の状態を図20下段に示す。UL RR時以外を表す図20上段を見ると、周波数1、2、3、4の領域において、移動局200a、200b、200cはそれぞれCAZAC#1、#2、#3を使用することで前記パイロット信号を送信している。UL RR時を表す図20下段を見ると、周波数1、2、3、4の領域において、移動局200bおよび200cは、それぞれCAZAC#2、#3を使用して前記パイロット信号を送信しているが、移動局200aはCAZAC#4を使用して前記パイロット信号を送信していることがわかる。
基地局100では、パイロット信号検出部111が、CAZAC#1ではなくCAZAC#4によって前記パイロット信号の送信を行なった移動局200aがUL RRを行なっていることを検知して、スケジューリング部110がスケジューリングを行ない、移動局200aに対してUL RAを送信する。
なお、(1)移動局が基地局に対して送信する前記パイロット信号、または、ULデータの送信間隔、(2)基地局が移動局から受信する前記パイロット信号、または、ULデータの受信間隔、はそれぞれ短いほど望ましい。この場合、例えば、1サブフレーム長程度(0.5msec程度)、または、2サブフレーム長程度(1msec程度)であっても良い。さらに、長い場合でも、同期維持が可能な時間の範囲内(例えば、500msec以内)であることが望ましい。
以上、本実施形態におけるUL RR方法としては、前記パイロット信号を送信するために使用する直交符号を意図的に変更する方法について記述を行なったが、(1)前記パイロット信号の送信方法に変動を加えることが、UL RRを表しているか、および、(2)前記パイロット信号の変動パターンとして何を使用するかを、基地局と移動局が共に、事前に共通の情報として持っていれば、上記手法に限ることはない。
また、本実施形態では、基地局100が各移動局200を識別するために、移動局200に対してそれぞれ異なるシーケンス(系列)の前記CAZAC符号を割り当てることを例にとって説明を行なったが、基地局100が移動局200を識別できれば上記手段に限らない。
このように、本実施形態によれば、資源要求するために専用に割り当てる資源を利用することなく、パイロット信号の送信の手順を変更(本実施形態ではUL RRを実施する移動局が使用する符号の変更)することによって、資源要求を移動局から基地局へ通知することができる。これにより、資源要求のために専用の資源を必要とすることが無くなり、資源を有効に利用することが可能となる。
なお、本実施形態においては、DTX/DRXモードにある移動局を例にとって説明を行なったが、同期が維持されている移動局(つまり、Activeモードにある移動局)であれば、本実施形態に記載のUL RR方法を使用することが可能である。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、DTX/DRXモードにある移動局を例に挙げ、図21乃至図26を用いて、詳細に説明を行なう。本実施形態では、パイロット信号の送信を停止して資源要求(UL RR)を実施する一態様を説明する。図21は、第9の実施形態におけるUL資源要求に伴うパイロット信号の変動の一例を示すシーケンス図である。図21は、左側に移動局(UE)、右側に基地局(NB)のシーケンス図を示している。図22は、UL RR以外の段階において送信するパイロット信号の位相(図21におけるpilot signal transmission時に送信されるパイロット信号の位相)の一例を示している。図22では前記パイロット信号用に確保された全ての帯域(全てのサブキャリアあるいは全てのリソースユニット)における位相が全てI相成分(0度)である場合を示している。図23は、UL RR時に送信するパイロット信号の位相(図21のt=t1時に送信されるパイロット信号の位相)の例を示している。図23では、前記パイロット信号用に確保された全帯域に渡り、位相を反転させる(つまり180度回転させる)場合を示している。以下、図6、図21乃至図23を用いてUL RRの動作について説明する。
また、DTX/DRXモードにある移動局が基地局に対してUL RRを行なう際の一連の処理手順は、図6(左)に示されるフローチャートに従うものとする。また、この際の基地局側の処理手順は、図6(右)に示されるフローチャートに従うものとして説明を行なう。
本実施例では、DTX/DRXモードにある移動局は、図21に示されるように、常時通信を行なっているわけではないが、同期を維持するために、ある時間周波数位置において、少なくともUL CQI測定用のパイロット信号を、移動局から基地局へ、同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠送信している場合を想定する。一方、基地局においては、前記パイロット信号を同期維持可能な期間内に(例えば、最大でも500msecごとに)、間欠受信している。ここで、前記パイロット信号の時間周波数位置については、基地局と移動局が共に、事前に知っているものとする。また、パイロット信号の定期送信とUL RRとは、それぞれ独立して行なうことを前提とする。
同期維持のためのパイロット信号は、上りリンク制御データの中に含まれている。制御データ挿入部208において、チャネルコーディングされた上りリンク送信データと上りリンク制御データのチャネルマッピングが行なわれ、変調部209において変調された後、無線部202においてRF周波数へアップコンバートされ、送信アンテナ201から基地局100へ送信されている。
移動局200では、制御部210は、UL RR(資源要求)する必要があるか否か判断し(S11)、移動局200がUL資源を要求する場合(S11でYes)、制御部210は、パイロット信号制御部211へUL RRの実施を指示し、パイロット信号制御部211は、前記パイロット信号の位相を意図的に変更する(S12)。図21では、UL Resource Request(t=t1)のタイミングでUL RRを実施したことを示している。点線で囲んだ矩形が送信するパイロット信号の変更したタイミングを示している。例えば、図21に示すように、t=t0時点において、通常の同期維持のために送信するパイロット信号の位相成分は、図22に示すようにI相成分のみ持っていたとする。次に、UL RRを行なうときには(t=t1時点においては)、図23に示すようにパイロット信号の全てのサブキャリアあるいは全てのリソースユニットの位相を180度回転させるとする。この動作が、UL RRに該当している。
ここで、前記パイロット信号の位相を、前記同期維持のために送信していた場合の位相と180度回転させる変更させることが、暗にUL RRを表すことについては、基地局100と移動局200が共に、事前に知っているものとする。
基地局100においては、アンテナ部101において前記パイロット信号を受信し、無線部102においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされ、上りリンクチャネル推定部104内のパイロット信号検出部111へ入力される。基地局100のパイロット信号検出部111では、常時パイロット信号の位相変動を監視しているものとする。今、基地局100のパイロット信号検出部111は、予め前記パイロット信号の位相を180度回転することが、暗にUL RRを表すことを事前に知っているとする。のパイロット信号検出部111は、これまで移動局200から同期維持可能な期間内で定期的に送信されていた前記パイロット信号の位相が回転したことを検知すると(S21でYes)、UL RRであると判断する。UL RRであることを検知した場合は、自身のスケジューリング部110に対して、スケジューリングを行なわせるようトリガを出力する。また、上りリンクチャネル推定部104では、受信したパイロット信号から上りリンク伝送路品質情報CQIを算出し、スケジューリング部110に入力する。スケジューリング部110の出力である上りリンクAMC情報は、制御データ挿入部108に入力され、下りリンク制御データと結合されてチャネルマッピングされる。一方、UL RRであると検知しない場合は(S21でNo)、ステップS21に戻る。
次に、基地局100のスケジューリング部110は、UL CQI測定用パイロット信号を利用して当該移動局に割り当てる資源を増加させるスケジューリングを行なった後(S22)、移動局に対してUL RAを送信する(S23)。図21では、基地局100は、「Scheduling」の時点においてスケジューリング部110がスケジューリングを行ない、「UL Resource Allocation」の時点においてUL
RAを送信する。このとき、UL RAの中には、ULスケジューリンググラント、および、ULデータ送信用に使用する時間周波数資源の位置を指定する情報が含まれている。その後、OFDM変調部109においてOFDM変調が行なわれ、無線部102においてRF周波数へとアップコンバートされた後、アンテナ101から移動局200へ送信される。
一方、移動局200においては、アンテナ部201において前記UL RAを受信し、無線部202においてRF周波数からベースバンド帯域へダウンコンバートされた後、下りチャネル推定部204、OFDM復調部203を経由して、制御データ抽出部205において、UL RA情報を抽出する。移動局200は、このUL RA情報に基づいて、指定されたAMCモードならびに時間周波数位置でULデータを送信する。すなわち、移動局200は、UL RAの受信(S13)を一定期間待つ(S14)。その期間内に、UL RAを受信した場合は(S14でNoかつS13でYes)、指定された資源を利用して、ULデータを送信することが可能になる(S15)。図21の「UL data
transmission」の時点において、移動局200は、基地局100によって割り当てられたデータ送信用の領域(網掛け部分)を用いて、ULデータを基地局100へ送信する。逆に、一定の時間が経過してもUL RAを受信できない場合は(S14でYes)、ステップS11に戻る。
なお、(1)移動局が基地局に対して送信する前記パイロット信号、または、前記ULデータの送信間隔、(2)基地局が移動局から受信する前記パイロット信号、または、前記ULデータの受信間隔、はそれぞれ短いほど望ましい。この場合、例えば、1サブフレーム長程度(0.5msec程度)、または、2サブフレーム長程度(1msec程度)であっても良い。さらに、長い場合でも、同期維持が可能な時間の範囲内(例えば、500msec以内)であることが望ましい。
以上、本実施形態におけるUL RR方法として、送信される前記パイロット信号の位相を意図的に180度回転させる方法について説明した。これ以外のUL RR方法として、移動局200から基地局100へ送信する前記パイロット信号の位相の変更方法としては、図24乃至図26に記載されるものを利用しても良い。すなわち、図24に示すように、パイロット信号の全帯域のうち、複数の連続したサブキャリアあるいは複数の連続したリソースユニットを180度回転させても良い。また、図25に示すように、パイロット信号の全帯域のうち、1つあるいは数個おきにサブキャリアあるいはリソースユニットの位相を180度回転させても良い。また、図26に示すように、パイロット信号の全帯域のうち、1つのサブキャリアあるいは1つのリソースユニットのみ位相を180度回転させても良い。
なお、位相回転量については、上記数値に限るものではなく、例えば、90度や270度でも良い。
さらに、前記UL RRの表現方法としては、(1)前記パイロット信号の送信方法に変動を加えることが、暗にUL RRを表しているか、および、(2)パイロット信号の変動パターンとして何を使用するかを、基地局と移動局が共に、事前に共通の知識として持っていれば、上記手法に限ることはない。このように、本実施形態によれば、資源要求するために専用に割り当てる資源(リソース)を利用することなく、パイロット信号の送信の手順を変更(本実施形態ではパイロット信号の位相の変更)することによって、資源要求を移動局から基地局へ通知することができる。これにより、資源要求のために専用の資源を必要とすることが無くなり、資源を有効に利用することが可能となる。
なお、本実施例においては、DTX/DRXモードにある移動局を例にとって説明を行なったが、同期が維持されている移動局(つまり、Activeモードにある移動局)であれば、本実施例に記載のUL RR方法を使用することが可能である。
また、以上の説明において、UL RRを行なう前に、最後にパイロット信号を送った時刻と、UL RR用にパイロット信号を送っていない場合は、ULデータを送信した時刻の差分は、同期維持可能な時間であることが望ましい。また、UL RRを行なう前に、最後にパイロット信号を送った時刻と、UL RR用にパイロット信号を送る場合は、UL RR用にパイロット信号を送った時刻の差分は、同期維持可能な時間であることが望ましい。例えば、図21において、UL RR用にパイロット信号を送った場合は、UL RRを行なう前に送った最後のパイロット信号の時刻(t=t0)から、UL RR用にパイロット信号を送った時刻(t=t1)までの時間は、同期維持可能な時間であることが望ましい。また、UL RR用にパイロット信号を送っていない場合は、UL RRを行なう前に送った最後のパイロット信号の時刻(t=t0)から、ULデータを送信する時刻(t=t2)との時間は、同期維持可能な時間であることが望ましい。