JP2010067714A - Lc複合部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電体である電極箔を円筒形状に巻回して構成してある電解キャパシタ又は電気二重層キャパシタを使用して大容量を有し、インダクタンスを発生させることができるLC複合部品の提供。
【解決手段】2枚の電極箔1,3の間に電解紙2を挟んで積層し巻回して形成された素子9と、素子9を電解液に含浸させて収納した有底円筒形のケースとを備えたLC複合部品。電極箔1,3の一方の巻回中心部に接続された第1リード線Aと、電極箔1,3の一方の外周部に接続された第2リード線Cと、電極箔1,3の他方の任意の部位に接続された第3リード線Bと、ケースの開口部を封止し、第1リード線A、第2リード線C及び第3リード線Bをケースの外部へ導出する封止部材とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、2枚の電極箔の間に電解紙を挟んで積層し巻回して形成された素子と、この素子を電解液に含浸させて収納した有底円筒形のケースとを備えるLC複合部品に関するものである。
2枚の電極箔の間に電解紙を挟んで積層し巻回して形成された素子を、電解液に含浸させて有底円筒形のケースに収納したキャパシタには、電解キャパシタ(電解コンデンサ)及び電気二重層キャパシタ(電気二重層コンデンサ)を挙げることができる。
電解キャパシタは、例えば、アルミニウム箔の表面に酸化皮膜を誘電体として形成したものを正極とし、負極であるアルミニウム箔との間に、電解液を含ませた電解紙を挟み込んで積層し、円筒形状に巻回して構成してある。正極のアルミニウム箔の表面は、酸化皮膜を形成する前に、エッチングにより粗面化して表面積を大きくしてある。
電気二重層キャパシタは、電極−電解液界面で電解液中のイオンと電極中の電荷担体(電子又はホール)とが互いに引合う状態で整列する現象である電気二重層を利用して蓄電するものであり、電解キャパシタに比べて単位体積当たり1000倍以上の容量を得ることができる。イオン及び電荷担体を互いに隔てる部分(ナノオーダー間隔)が誘電体に相当する。正極及び負極として、例えば、電極箔の表面に表面積が大きい活性炭を塗布したものを使用し、正極及び負極の間に、電解液を含ませた電解紙を挟み込んで積層し、円筒形状に巻回して構成されている。電極箔の表面は、活性炭を塗布する前に、エッチングにより粗面化して表面積を大きくしてある。
特許文献1には、コンデンサ電極に対してインダクタ導体が垂直に配置されているLC共振器を少なくとも3個備え、そのLC共振器が部品の厚み方向に少なくとも2段重ねられているLC複合部品が開示されている。絶縁体シート上に印刷等により形成されたインダクタ導体、コンデンサ電極に、絶縁シートを重ね合わせて焼成することにより、インダクタ、コンデンサが形成され、LCが内蔵されたLC複合部品として提供される。
特開平9−214274号公報
上述したように、電解キャパシタ及び電気二重層キャパシタは、導電体である電極箔を円筒形状に巻回して構成してあるので、リード線の接続箇所によっては、インダクタンスを発生させることができる筈である。また、特許文献1に開示されたLC複合部品は、印刷等によるコンデンサでは容量が小さく、適用範囲は限られるという問題がある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、導電体である電極箔を円筒形状に巻回して構成してある電解キャパシタ又は電気二重層キャパシタを使用して大容量を有し、インダクタンスを発生させることができるLC複合部品を提供することを目的とする。
第1発明に係るLC複合部品は、2枚の電極箔の間に電解紙を挟んで積層し巻回して形成された素子と、該素子を電解液に含浸させて収納した有底円筒形のケースとを備えたLC複合部品であって、前記電極箔の一方の巻回中心部に接続された第1リード線と、前記電極箔の一方の外周部に接続された第2リード線と、前記電極箔の他方の任意の部位に接続された第3リード線と、前記ケースの開口部を封止し、前記第1リード線、第2リード線及び第3リード線を前記ケースの外部へ導出する封止部材とを備えることを特徴とする。
このLC複合部品では、素子が、2枚の電極箔の間に電解紙を挟んで積層し巻回して形成され、有底円筒形のケースが、素子を電解液に含浸させて収納してある。第1リード線が、電極箔の一方の巻回中心部に接続され、第2リード線が、電極箔の一方の外周部に接続されている。第3リード線が、電極箔の他方の任意の部位に接続され、封止部材が、ケースの開口部を封止し、第1リード線、第2リード線及び第3リード線をケースの外部へ導出する。
第2発明に係るLC複合部品は、前記素子、第1リード線及び第3リード線は、電気二重層キャパシタを形成してあることを特徴とする。
第3発明に係るLC複合部品は、前記素子は、前記2枚の電極箔及び電解紙の3層の外側に積層され巻回された磁性体の箔を更に備えることを特徴とする。
第4発明に係るLC複合部品は、前記第3リード線は、前記電極箔の他方の巻回中心部、又は前記電極箔の他方の外周部に接続されていることを特徴とする。
本発明に係るLC複合部品によれば、導電体である電極箔を円筒形状に巻回して構成してある電解キャパシタ又は電気二重層キャパシタを使用して大容量を有し、インダクタンスを発生させるLC複合部品を小型化して実現することができる。
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るLC複合部品の実施の形態のケース内の要部構成を模式的に示す斜視図である。
このLC複合部品のケース内に収納される部分は、素子9と呼ばれる部分であり、帯状の正極箔1、電解紙2、負極箔3及び軟磁性シート(磁性体の箔)4を外側からこの順に積層し、円筒形状に巻回してある。
正極箔1は、例えば、アルミニウム箔であり、電解紙2に対向する面をエッチングにより粗面化して表面積を大きくした後、表面積が大きい活性炭を塗布したものであり、図2(a)に示すように、巻回した中心部又は中心部付近にリード(第1リード線)Aを、外周部にリード(第2リード線)Cをそれぞれ接続してある。
電解紙2は、電解液を正極箔1及び負極箔3間で均一に保持し、正極箔1及び負極箔3の機械的接触を防止しており、素子9内では図2(b)に示すように巻回され、電解液が含浸される。
負極箔3は、例えば、アルミニウム箔であり、正極箔1同様に、電解紙2に対向する面をエッチングにより粗面化して表面積を大きくした後、表面積が大きい活性炭を塗布したものであり、図2(c)に示すように、任意の部位にリード(第3リード線)Bを接続してある。尚、リードBは、負極箔3の巻回した中心部、中心部付近又は外周部に接続するようにしておけば、作業がし易い。
軟磁性シート4は、素子9のインダクタンスを増加させており、素子9内では、正極箔1及び負極箔3間の外側で積層され、図2(d)に示すように巻回されている。
図3は、本発明に係るLC複合部品の実施の形態のケース内の断面を模式的に示す縦断面図である。
このLC複合部品は、有底円筒形状のケース10に上述した素子9を収納しており、素子9は電解液11中に浸されている。ケース10の開口部は、封口ゴム(封止部材)8により封止されている。素子9の3つのリードA,B,Cにそれぞれ接続されたリード線端子5,6,7が、封口ゴム8を貫通して外部へ突出している。リード線端子5,6,7の電解液11に接触する表面には、酸化皮膜が形成されているので、リード線端子5,6,7と電解液11とは絶縁されている。
図4は、本発明に係るLC複合部品の実施の形態の等価回路を示す回路図である。
このLC複合部品は、正極箔1の巻回した中心部又は中心部に接続されたリードAと、正極箔1の外周部に接続されたリードCとの間には、インダクタL1が形成されている。リードAと、負極箔3の任意の部位に接続されたリードBとの間には、キャパシタC1が形成されており、上述した正極箔1及び負極箔3により、電気二重層キャパシタが形成されている。
上述したような構成で、直径18mm、長さ50mmのLC複合部品を製作した場合、L1=0.65μH、C1=70Fの特性を得た。但し、軟磁性シート4は、比透磁率(at1MHz);60、厚さ;0.05mmであった。
ここで、LC複合部品に対して軟磁性シート4は必ずしも必要ではない。軟磁性シート4を含まないで同様のLC複合部品を製作した場合、L1=0.12μH、C1=70Fの特性を得た。
尚、上述した実施の形態では、LC複合部品は、電気二重層キャパシタを含んでいるが、電気二重層キャパシタに代えて電解キャパシタを含むように構成することも可能であり、ローパスフィルタ等に使用されるインダクタンス、キャパシタンスを小型化して実現できる。この場合、正極箔1には、例えば、エッチングにより粗面化して表面積を大きくしたアルミニウム箔の表面に、酸化皮膜を誘電体として形成したものを使用する。負極箔3には、例えば、エッチングにより粗面化して表面積を大きくしたアルミニウム箔を使用する。
また、上述した実施の形態では、正極箔1に2つのリードA,Cを接続して、インダクタL1を形成し、負極箔3に接続したリードBとリードAとの間にキャパシタC1を形成したが、このような構成で、正極箔1と負極箔3とを置き換えることも可能である。
本発明に係るLC複合部品の実施の形態のケース内の要部構成を模式的に示す斜視図である。 本発明に係るLC複合部品の素子を分解して各部毎に示す斜視図である。 本発明に係るLC複合部品の実施の形態のケース内の断面を模式的に示す縦断面図である。 本発明に係るLC複合部品の実施の形態の等価回路を示す回路図である。
符号の説明
1 正極箔
2 電解紙
3 負極箔
4 軟磁性シート(磁性体の箔)
5,6,7 リード線端子
8 封口ゴム(封止部材)
9 素子
10 ケース
11 電解液
A リード(第1リード線)
B リード(第3リード線)
C リード(第2リード線)
C1 キャパシタ
L1 インダクタ

Claims (4)

  1. 2枚の電極箔の間に電解紙を挟んで積層し巻回して形成された素子と、該素子を電解液に含浸させて収納した有底円筒形のケースとを備えたLC複合部品であって、
    前記電極箔の一方の巻回中心部に接続された第1リード線と、前記電極箔の一方の外周部に接続された第2リード線と、前記電極箔の他方の任意の部位に接続された第3リード線と、前記ケースの開口部を封止し、前記第1リード線、第2リード線及び第3リード線を前記ケースの外部へ導出する封止部材とを備えることを特徴とするLC複合部品。
  2. 前記素子、第1リード線及び第3リード線は、電気二重層キャパシタを形成してある請求項1記載のLC複合部品。
  3. 前記素子は、前記2枚の電極箔及び電解紙の3層の外側に積層され巻回された磁性体の箔を更に備える請求項1又は2記載のLC複合部品。
  4. 前記第3リード線は、前記電極箔の他方の巻回中心部、又は前記電極箔の他方の外周部に接続されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のLC複合部品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103745831A (zh) * 2014-01-09 2014-04-23 益阳市和天电子有限公司 一种双极铝电解电容器

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