JP2010066531A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】潜像担持体とトナー担持ローラとをギャップを隔てて対向させた非接触現像方式の画像形成装置および画像形成方法において、十分な現像濃度を得るとともに、装置内外へのトナー飛散や地カブリ等を低く抑える。
【解決手段】現像ローラ上に1層を超えるトナー層を担持させ、感光体とトナー担持ローラとの間の現像ギャップにおける電界強度を以下のように設定する。感光体の露光部に対応する位置での電界(露光部電界)の電界強度を、現像ローラ表面に直接接触している接触トナーの飛翔開始電界強度よりも高くする。一方、感光体の非露光部に対応する位置での電界(非露光部電界)の電界強度については、接触トナーの飛翔開始電界強度より低く現像ローラ表面に直接接触していない非接触トナーの飛翔開始電界強度よりも高くする。露光部では接触トナー、非接触トナーの双方が飛翔するが、非露光部では非接触トナーのみが飛翔する。
【選択図】図10

Description

この発明は、静電潜像を担持する潜像担持体とトナーを担持するトナー担持ローラとを非接触に対向配置した状態で、静電潜像をトナーにより現像する画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
静電潜像をトナーにより現像する技術においては、静電潜像を担持する潜像担持体とトナーを担持するトナー担持ローラとをギャップを隔てて対向させ、該ギャップにトナーを飛翔させることにより静電潜像を現像する、いわゆる非接触現像方式のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の画像形成装置においては、これまでその体積平均粒径が8ないし10μm程度のトナーが主に用いられてきたが、画像の高精細化、プロセスの高速化および定着温度の低温化などの目的のために、トナーのさらなる小粒径化(例えば、体積平均粒径で5μm以下)が求められている。
特開2007−127800号公報
しかしながら、このような小粒径のトナーでは、より大きな粒径を有するトナーとは異なる振る舞いをすることが近年明らかになってきている。例えば、小粒径の帯電トナーに対しトナー担持ローラが及ぼす鏡像力やファンデルワールス力が大きくなるため、帯電トナーがトナー担持ローラから飛翔しにくくなる。このため、画像を十分な濃度で現像することが難しくなる。また、粒径が小さく質量の小さなトナーは飛散しやすいという性質があり、これが画像形成装置内部や外部に付着したり、いわゆる地カブリとなって形成される画像を汚してしまうことがある。
ここで、トナー担持ローラ上のトナー搬送量を多くしたり、潜像担持体とトナー担持ローラとのギャップに発生させる電界を強くしたりすることで上記した現像濃度の不足を補うことは可能であるが、このようにするとトナー飛散がさらに多くなったり、潜像担持体とトナー担持ローラとの間で放電が発生し画像を乱してしまうという問題がある。このように、十分な現像濃度を得るという課題と装置内外へのトナー飛散や地カブリ等を低く抑えるという課題とは相反するものであり、これらを両立させつつトナーの小粒径化を図るためには、従来の技術には改善の余地が残されていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、潜像担持体とトナー担持ローラとをギャップを隔てて対向させた非接触現像方式の画像形成装置および画像形成方法において、十分な現像濃度を得るとともに、装置内外へのトナー飛散や地カブリ等を低く抑えることのできる技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、トナーを付着させるべき画像部とトナーを付着させない非画像部との間で電位を異ならせた静電潜像を表面に担持可能な潜像担持体と、ローラ状に形成されて前記潜像担持体と所定のギャップを隔てて対向配置され、前記ローラ表面に直接接触する接触トナーおよび該接触トナーに接触し前記ローラ表面には接触しない非接触トナーの双方を含むトナー層を担持するトナー担持ローラと、前記非接触トナーが前記トナー担持ローラ表面から飛翔するために前記トナー担持ローラ表面において必要な電界強度を非接触トナー飛翔開始電界強度、前記接触トナーが前記トナー担持ローラ表面から飛翔するために前記トナー担持ローラ表面において必要な電界強度を接触トナー飛翔開始電界強度と定義したとき、前記潜像担持体表面のうち前記非画像部と前記トナー担持ローラ表面との間における電界強度が前記接触トナー飛翔開始電界強度よりも低くかつ前記非接触トナー飛翔開始電界強度よりも高くなる交番電界を、トナー飛翔電界として前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの間に形成する電界形成手段とを備えることを特徴としている。
このように構成された発明では、トナー担持ローラ表面に直接接触する接触トナーと、トナー担持ローラ表面には直接接触しない非接触トナーとの双方をトナー担持ローラに担持させる。これにより、潜像担持体とトナー担持ローラとの間で多くのトナーを飛翔させることができ、現像濃度を向上させることができる。その一方、トナー飛翔量を確保するためにトナー飛翔電界を強くするとトナー飛散が起こりやすい。特に、本来トナーを付着させる必要のない非画像部に対向するトナー担持ローラ表面から飛翔したトナーが問題となる。というのは、このようなトナーは最終的にはトナー担持ローラ表面に戻らなければならないが、交番電界の作用により往復飛翔する間に潜像担持体に付着して地カブリとなったり、電界の拘束を逃れて飛散したりするからである。
ここで、接触トナーはトナー担持ローラ表面から受けるクーロン力やファンデルワールス力によりトナー担持ローラへの拘束が強いのに対し、非接触トナーに対してはこの拘束が比較的弱い。このことから、トナー担持ローラ表面からトナーを飛翔させるために必要な電界強度は、接触トナーで高く、非接触トナーではより低い。つまり、接触トナー飛翔開始電界強度は非接触トナー飛翔開始電界強度よりも大きな値となる。本発明では、このような飛翔開始電界強度の差異を利用して、上記問題を解決するようにしている。
すなわち、本発明では、潜像担持体表面のうち非画像部とトナー担持ローラ表面との間に形成されるトナー飛翔電界が接触トナー飛翔開始電界強度よりも低くかつ非接触トナー飛翔開始電界強度よりも高くなるように、トナー飛翔電界を設定している。この条件下では、非画像部とトナー担持ローラ表面との間で非接触トナーの飛翔が許容されるのに対して接触トナーはトナー担持ローラ表面からほとんど飛翔しない。トナー担持ローラに直接接触している接触トナーは非接触トナーよりも高い帯電量を有している場合が多く、このようなトナーが飛翔し交番電界により往復移動する間に非画像部に付着して地カブリを生じさせたり、装置内部に飛散しやすい。この発明では潜像担持体表面の非画像部とトナー担持ローラ表面との間で接触トナーを飛翔させないので、地カブリやトナー飛散の発生が抑えられる。一方で、非接触トナーについては飛翔を許容し現像に寄与させることで、トナー飛翔量の減少に起因する現像濃度の低下を抑えることができる。
このように、本発明では、トナー担持ローラに接触トナーと非接触トナーとの双方を担持させることで、比較的低いトナー飛翔電界でも十分なトナー飛翔量を得て現像濃度を増大させることができる。また、このようにトナー飛翔電界を低く抑えることができることから、トナー飛散についても抑制することができる。さらに、潜像担持体表面のうち非画像部とトナー担持ローラ表面との間では接触トナーを飛翔させないようにしているので、トナー飛散をさらに抑えるとともに潜像担持体の非画像部にトナーが付着し地カブリを生じさせるのを抑制することができる。
この発明において、前記電界形成手段は、前記潜像担持体表面のうち前記画像部と前記トナー担持ローラ表面との間における電界強度が前記接触トナー飛翔開始電界強度よりも高くなるように、前記トナー飛翔電界を形成することが好ましい。このようにすると、画像部とトナー担持ローラ表面との間では接触トナーおよび非接触トナーのいずれもが飛翔する。このため、画像部を十分な現像濃度で現像することが可能である。
また、この発明にかかる画像形成装置の他の態様は、上記目的を達成するため、トナーを付着させるべき画像部とトナーを付着させない非画像部との間で電位を異ならせた静電潜像を担持可能な潜像担持体と、ローラ状に形成されて前記潜像担持体と所定のギャップを隔てて対向配置され、前記ローラ表面に直接接触する接触トナーおよび該接触トナーに接触し前記ローラ表面には接触しない非接触トナーの双方を含むトナー層を担持するトナー担持ローラと、前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの間に、前記トナー担持ローラ表面のトナーを飛翔させる交番電界をトナー飛翔電界として形成する電界形成手段と
を備え、前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの対向位置において、前記潜像担持体表面のうち前記非画像部と前記トナー担持ローラ表面との間では、前記非接触トナーを飛翔させる一方前記接触トナーを飛翔させないことを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成方法は、上記目的を達成するため、静電潜像を担持可能な潜像担持体とローラ状に形成したトナー担持ローラとを所定のギャップを隔てて対向配置し、トナーを付着させるべき画像部とトナーを付着させない非画像部との間で電位を異ならせた静電潜像を、前記潜像担持体表面に形成し、前記ローラ表面に直接接触する接触トナーおよび該接触トナーに接触し前記ローラ表面には接触しない非接触トナーの双方を含むトナー層を前記トナー担持ローラ表面に形成して前記潜像担持体との対向位置に搬送し、前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの間に、前記トナー担持ローラ表面のトナーを飛翔させる交番電界をトナー飛翔電界として形成することで前記静電潜像を前記トナーにより現像し、しかも、前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの対向位置において、前記潜像担持体表面のうち前記非画像部と前記トナー担持ローラ表面との間では、前記非接触トナーを飛翔させる一方、前記接触トナーを飛翔させないことを特徴としている。
このように構成された発明では、前述した画像形成装置と同様に、非画像部とトナー担持ローラ表面との間において接触トナーについては飛翔させないことで地カブリやトナー飛散を抑えつつ、非接触トナーについては飛翔を許容することで十分な現像濃度を得ることが可能となっている。
この発明において、前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの対向位置において、前記潜像担持体表面のうち前記画像部と前記トナー担持ローラ表面との間では、前記接触トナーおよび前記非接触トナーの双方を飛翔させることが好ましい。こうすることで、前述した画像形成装置と同様に画像部を十分な現像濃度で現像することができる。
上記各発明において、トナーを前記潜像担持体から前記トナー担持ローラに向かう方向に飛翔させる極性の電界が生じる期間がこれとは逆極性の電界が生じる期間よりも長くなる電界を形成するようにしてもよい。このようにすると、いったんトナー担持ローラ表面から飛翔したトナーであって画像部に付着しなかったものの回収を促進して、地カブリやトナー飛散をさらに抑えることができる。
また、前記トナー担持ローラは、トナーを担持する表面が導電性を有する材料により形成されていてもよい。このような構成では、導電性を有するトナー担持ローラとこれに接触するトナーとの間で鏡像力が強く作用するため、接触トナーが飛翔しにくいという性質が強く現れる。そのため、十分な現像濃度を得ることと地カブリやトナー飛散を抑えることとを両立させるのが難しい。このような装置に本発明を適用すると、特に優れた効果を得ることができる。
また、前記トナー担持ローラは、金属素管の表面に転造加工により凹部が形成されたものであってもよい。また、円筒形状の表面にトナーを収容するための凹部を形成されており、前記凹部の深さがトナーの体積平均粒径の2倍以上であってもよい。このようにすると、平均的には凹部に2層以上のトナーを担持することが可能である。したがって、トナー担持ローラ表面に直接接触する接触トナーの層と、この接触トナーの層に接するが直接にはトナー担持ローラ表面に接触しない非接触トナーの層とを担持することができる。
また、トナーを凹部に担持する構造とすることにより、より確実に非接触トナーを担持することができる。非接触トナーはトナー担持ローラへの拘束力が比較的弱いため、トナー担持ローラ表面から離脱して飛散しやすいが、トナーを凹部内に収容した状態で担持することによって、このような離脱を抑制することができる。
この場合において、前記トナー担持ローラ表面のうち前記凹部以外に形成されるトナー層をトナー1層以下に規制する規制部材を備えるようにしてもよく、また前記トナー担持ローラ表面のうち前記凹部以外へのトナー担持を規制する規制部材を備えるようにしてもよい。凹部以外に担持されたトナーはトナー担持ローラ表面に露出しているため飛散しやすいが、そのトナーをトナー1層以下に抑えてトナーがトナー担持ローラ表面に直接接触するようにすれば、トナー担持ローラ表面からの強い拘束力によって離脱を抑制することができる。特に、凹部以外でトナーを担持させないようにすればその効果はより高くなる。
また、本発明は、体積平均粒径が5μm以下であるトナーを用いる場合に特に有効である。このような小粒径のトナーでは、ファンデルワールス力やクーロン力の作用が強いためトナー担持ローラから飛翔しにくく、十分な現像濃度を得るためには強いトナー飛翔電界を必要とする。その一方で、いったん飛翔したトナーは帯電量や質量が小さいためトナー飛翔電界による拘束を逃れて飛散しやすい。このため、現像濃度と地カブリやトナー飛散の抑制とを両立させることが、大きな粒径のトナーを用いた場合よりもさらに困難である。このようなトナーを用いる場合に本発明を適用することにより、地カブリやトナー飛散の発生を抑えながら十分な現像濃度を得ることができる。すなわち、本発明はトナーの小粒径化を図る上で好適な技術を提供するものである。
図1はこの発明を適用した画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10に設けられたCPU101がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。クリーニング部25は一次転写後に感光体22の表面に残留付着したトナーを除去し、内部に設けられた廃トナータンクに回収する。これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2は一体として装置本体に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体22上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、図1紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、エンジンコントローラ10により制御されている。そして、このエンジンコントローラ10からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体22と所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ44が感光体22に対し対向配置され、その対向位置において現像ローラ44から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
図3は現像器の外観を示す図である。また、図4は現像器の構造および感光体の電位分布を示す図である。より詳しくは、図4(a)は現像器4Kの構造を示す断面図である。また、図4(b)は感光体22表面の電位分布の例を示す図である。各現像器4Y、4C、4M、4Kはいずれも同一構造を有している。したがって、ここでは、現像器4Kの構成について図3および図4(a)を参照しながらさらに詳しく説明するが、その他の現像器4Y、4C、4Mについてもその構造および機能は同じである。
この現像器4Kでは、その内部に一成分トナーTを収容するハウジング41に供給ローラ43および現像ローラ44が軸着されており、当該現像器4Kが上記現像位置に位置決めされると、現像ローラ44が感光体2と現像ギャップDGを隔てて対向位置決めされるとともに、これらのローラ43、44が本体側に設けられた回転駆動部(図示省略)と係合されて所定の方向に回転する。供給ローラ43は例えば発泡ウレタンゴム、シリコンゴムなどの弾性材料により円筒状に形成されている。また、現像ローラ44は、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属または合金などの導電性材料の金属素管により円筒状に形成されている。そして、2つのローラ43、44が接触しながら回転することでトナーが現像ローラ44の表面に擦り付けられて所定厚みのトナー層が現像ローラ44表面に形成される。この実施形態では負帯電トナーを用いるが、正帯電トナーであってもよく、その場合には以下に説明する各部の電位についてはその極性を反転して考えればよい。
ハウジング41の内部空間は隔壁41aによって第1室411および第2室412に仕切られている。供給ローラ43および現像ローラ44はともに第2室412に設けられており、これらのローラの回転に伴って第2室412内のトナーが流動し攪拌されながら現像ローラ44の表面に供給される。一方、第1室411に貯留されているトナーは、供給ローラ43および現像ローラ44とは隔離されているので、これらの回転によっては流動しない。このトナーは、現像ユニット4が現像器を保持したまま回転することによって、第2室412に貯留されたトナーと混合され攪拌される。
このように、この現像器では、ハウジング内部を2室に仕切り、供給ローラ43および現像ローラ44の周囲をハウジング41の側壁および隔壁41aで囲み比較的容積の小さい第2室412を設けることにより、トナー残量が少なくなった場合でも、トナーが効率よく現像ローラ44の近傍に供給されるようにしている。また、第1室411から第2室412へのトナー供給およびトナー全体の攪拌を現像ユニット4の回転によって行うようにすることで、現像器内部にトナー攪拌のための攪拌部材(オーガ)を省いたオーガレス構造を実現している。
また、この現像器4Kでは、現像ローラ44の表面に形成されるトナー層の厚みを所定厚みに規制するための規制ブレード46が配置されている。この規制ブレード46は、ステンレスやリン青銅などの弾性を有する板状部材461と、板状部材461の先端部に取り付けられたシリコンゴムやウレタンゴムなどの樹脂部材からなる弾性部材462とで構成されている。この板状部材461の後端部はハウジング41に固着されており、図4の矢印に示す現像ローラ44の回転方向D4において、板状部材461の先端部に取り付けられた弾性部材462が板状部材461の後端部よりも上流側に位置するように配設されている。そして、その弾性部材462が現像ローラ44表面に弾性的に当接することで規制ニップを形成し、現像ローラ44の表面に形成されるトナー層を最終的に所定の厚みに規制する。現像ローラ44の表面構造については、後に詳しく説明する。
このようにして現像ローラ44の表面に形成されたトナー層は、現像ローラ44の回転によって順次、その表面に静電潜像が形成されている感光体2との対向位置に搬送される。そして、エンジンコントローラ10に制御されるバイアス用電源140からの現像バイアスが現像ローラ44に印加される。図4(b)に示すように、感光体22の表面電位Vsは、帯電ユニット23により均一に帯電された後露光ユニット6からの光ビームLの照射を受けた露光部の電位VLは感光体22の残留電位程度にまで低下し、光ビームLが照射されなかった非露光部ではほぼ均一の電位Voとなっている。一方、現像ローラ44に与えられる現像バイアスVbは矩形波交流電圧であり、このような現像バイアスVbが印加されることにより、現像ローラ44上に担持されたトナーは現像ギャップDGにおいて飛翔して感光体22の表面各部にその表面電位Vsに応じて部分的に付着し、こうして感光体22上の静電潜像が当該トナー色のトナー像として顕像化される。なおこの説明では一般的なネガ潜像型、つまり露光により電荷が除去された部分にトナーを付着させるタイプの画像形成装置を想定している。
さらに、ハウジング41には、現像ローラ44の回転方向において感光体22との対向位置よりも下流側で現像ローラ44表面に圧接されたシール部材47が設けられている。シール部材47は、ポリエチレン、ナイロンまたはフッ素樹脂などの柔軟性を有する材料により形成され、現像ローラ44の回転軸に平行な方向Xに沿って延びる帯状のフィルムであり、長手方向Xに直交する短手方向における一方端部がハウジング41に固着されるとともに、他方端部が現像ローラ44表面に当接されている。他方端部は現像ローラ44の回転方向D4における下流側に向かうように、いわゆるトレイル方向に現像ローラ44に当接されており、感光体22との対向位置を通過した現像ローラ44表面に残留しているトナーをハウジング41内に案内するともに、ハウジング内のトナーが外部へ漏れ出すのを防止している。
図1に戻って画像形成装置の説明を続ける。上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9によりトナー像を定着され、排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送経路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
また、図2に示すように、各現像器4Y,4C,4Mおよび4Kには該現像器の製造ロットや使用履歴、内蔵トナーの残量などに関するデータを記憶するメモリ91〜94がそれぞれ設けられている。さらに、各現像器4Y、4C、4M、4Kには無線通信器49Y、49C、49M、49Kがそれぞれ設けられている。そして、必要に応じて、これらが選択的に本体側に設けられた無線通信器109と非接触にてデータ通信を行い、インターフェース105を介してCPU101と各メモリ91〜94との間でデータの送受を行って該現像器に関する消耗品管理等の各種情報の管理を行っている。なお、この実施形態では、無線通信等の電磁的手段を用いて非接触にてデータ送受を行っているが、本体側および各現像器側にコネクタ等を設け、コネクタ等を機械的に嵌合させることで相互にデータ送受を行うようにしてもよい。
また、この装置では、図2に示すように、メインコントローラ11のCPU111により制御される表示部12を備えている。この表示部12は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、CPU111からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリである。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
また、ローラ75の近傍には、クリーナ76が配置されている。このクリーナ76は図示を省略する電磁クラッチによってローラ75に対して近接・離間移動可能となっている。そして、ローラ75側に移動した状態でクリーナ76のブレードがローラ75に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを除去する。
さらに、ローラ75の近傍には、濃度センサ60が配置されている。この濃度センサ60は、中間転写ベルト71の表面に対向して設けられており、必要に応じ、中間転写ベルト71の外周面に形成されるトナー像の画像濃度を測定する。そして、その測定結果に基づき、この装置では、画像品質に影響を与える装置各部の動作条件、例えば各現像器に与える現像バイアスや、露光ビームLの強度、さらには装置の階調補正特性などの調整を行っている。
この濃度センサ60は、例えば反射型フォトセンサを用いて、中間転写ベルト71上の所定面積の領域の濃淡に対応した信号を出力するように構成されている。そして、CPU101は、中間転写ベルト71を周回移動させながらこの濃度センサ60からの出力信号を定期的にサンプリングすることで、中間転写ベルト71上のトナー像各部の画像濃度を検出することができる。
次に、上記のように構成された画像形成装置、具体的には、感光体と現像ローラとを離隔対向配置し両者間のギャップに交番電界を発生させてトナーを飛翔させる、いわゆるACジャンピング現像方式の画像形成装置における感光体22の表面電位と現像バイアスVbとの好ましい関係について説明する。本願発明者らは、上記のような画像形成装置において、現像ローラ44表面に担持されるトナー層をトナー2層以上とし、しかも静電潜像の電位および現像バイアス電位を適切に設定することにより、特に小粒径トナーで顕著となる現像濃度の低下や地カブリおよびトナー飛散の増大の問題を効果的に解決できることを見出した。以下、その知見について説明する。
図5は図1の画像形成装置の主要部を示す模式図である。また、図6は図5の構成における各部の電位の例を示す図である。この画像形成装置では、図5に示すように、感光体22が帯電ユニット23により所定の表面電位に均一に帯電される。そして、画像信号に応じて露光ユニット6が感光体22表面を露光して感光体22表面に静電潜像が形成される。現像ギャップDGの近傍における感光体22の表面電位Vsは、前記したように露光部でVL、非露光部でVoである。
一方、感光体22と現像ギャップDGを隔てて対向配置された現像ローラ44の表面にはトナー層が担持されており、バイアス用電源140からの現像バイアスVbが印加されている。図5に示すように、現像バイアスVbは交流電圧Vacと直流電圧Vdcとが重畳されたものであり、図6に示すように、交流電圧Vacは矩形波電圧である。その振幅(ピーク間電圧)を符号Vppにより示す。したがって現像バイアスVbの瞬時値は直流電位Vdcを中心に±(Vpp/2)の間で変化する。現像バイアスVbの正側最大値および負側最大値をそれぞれ符号VmaxおよびVminにより示す。
現像バイアスVbの交流成分Vacの繰り返し周期Tcのうち、電位が正側に振れている期間を符号Tp、負側に振れている期間を符号Tnにより表すとともに、現像バイアスVbの波形デューティWDを次式:
WD=Tp/(Tp+Tn)=Tp/Tc
により定義する。後述するように、この実施形態ではTp>Tnとなるように、つまり波形デューティWDが50%より大きくなるように、バイアス波形が定められている。したがって、波形デューティも含めた現像バイアスVbの実効的な平均値、すなわち加重平均電圧Vaveは、現像バイアスVbの直流成分Vdcとは必ずしも一致せず、この実施形態では直流成分Vdcよりもゼロ電位に近い値となる。
現像バイアスVbの加重平均電圧Vaveと感光体22表面のうち露光部の電位VLとの電位差がいわゆる「現像コントラスト電圧」であり、現像濃度に大きく影響するパラメータである。また、現像ギャップDGにおいて対向する感光体22表面と現像ローラ44表面との電位差に起因して現像ローラ44表面近傍に形成される電界は、現像ローラ44表面に担持されたトナーを飛翔させる作用を有する。
すなわち、現像ローラ44表面に担持されたトナーは、現像ローラ44表面と感光体22表面との電位差に起因して現像ギャップDGに形成される電界の強度がある程度以上になると、図5に符号Tで示すように、トナーが電界から受けるクーロン力が現像ローラ44への付着力を上回って現像ローラ44表面から飛翔する。負帯電トナーが用いられている場合、現像ローラ44に印加された現像バイアスVbが負側の値Vminとなるときに、現像ギャップDGにはトナーを現像ローラ44表面から引き離す極性の電界が生じる。そして、交番電界の作用により、トナーは現像ギャップDG内を往復運動するようになる。この明細書では、トナーを飛翔させるために現像ギャップDG内に形成される電界を「トナー飛翔電界」と称する。
ここで、現像ローラ44からトナーを飛翔させるために必要な電界強度について検討する。なお、以下では現像ローラ44表面においてトナーを飛翔させるために最低限必要な電界強度を「飛翔開始電界強度」と称する。
図7はトナー粒子径と飛翔開始電界強度との関係を測定した結果を示す図である。より具体的には、図7(a)はトナー粒子径に対する飛翔開始電界強度の変化を示す図であり、図7(b)は飛翔開始電界強度の実測値の例を示す図である。なお、飛翔開始電界強度の具体的な測定方法については後に説明する。図7(a)において実線で示す曲線Aは、現像ローラ44表面にトナー1層以下のトナー層を担持させた場合の飛翔開始電界強度(以下、「単層トナー飛翔開始電界強度」という)の実測結果である。トナーの粒子径が小さいほど飛翔開始電界強度が高くなることが示されている。これは、トナー粒子径が小さいほど質量当たりの表面積や帯電量が大きくなるため、より現像ローラ44表面への付着力が大きくなるためと考えられる。
また、破線で示す曲線Bおよび一点鎖線で示す曲線Cは、現像ローラ44表面にトナー2層からなるトナー層を担持させた場合の実測結果である。現像ローラ44の表面に2層、より厳密には1層を超えるトナー層を担持させた場合には、全てのトナーが現像ローラ44表面に接触するのではなく、一部のトナーは現像ローラ44表面に接触するトナーに接触することによって間接的に現像ローラ44に担持されることとなる。本願発明者らの知見によればこれら2種類のトナーの振る舞いの差異が現像動作の特性に大きく寄与することがわかっている。以下ではこれらを区別するため、トナー層を構成するトナーのうち現像ローラ44に直接接しているものを「接触トナー(符号T1)」、現像ローラ44には接触せず上記接触トナーに接触することで現像ローラ44に担持されているトナーを「非接触トナー(符号T2)」と称する。
図7(a)に示す曲線Bは、接触トナーについての飛翔開始電界強度(以下、「接触トナー飛翔開始電界強度」という)を示している。また、曲線Cは、非接触トナーについての飛翔開始電界強度(以下、「非接触トナー飛翔開始電界強度」という)を示している。これらは個別に測定することが可能であり、その測定方法についても後に詳述する。
図7(a)の曲線BおよびCに示すように、トナー層が2層の場合でもトナー粒子径が小さいほど飛翔開始電界強度が高くなっている。そして、接触トナー飛翔開始電界強度(曲線B)は単層トナー飛翔開始電界強度(曲線A)よりも小さく、また非接触トナー飛翔開始電界強度(曲線C)は接触トナー飛翔開始電界強度(曲線B)よりもさらに小さい。なお、以下では、体積平均粒径がある値Dtであるトナーにおける単層トナー飛翔開始電界強度、接触トナー飛翔開始電界強度および非接触トナー飛翔開始電界強度の値を、それぞれ符号E0、E1およびE2により表す。
実測数値例として、体積平均粒径Dtが4.5μmであるトナーを用いて測定したときの、単層トナー飛翔開始電界強度E0、接触トナー飛翔開始電界強度E1および非接触トナー飛翔開始電界強度E2の実測結果を図7(b)に示す。このような結果となる理由については、次のように説明することができる。
図8は電界が印加されたときの現像ローラ表面での挙動を示す図である。現像ローラ44表面に担持されたトナー層がトナー1層であるとき、前記したように、トナーは現像ローラ44表面に直接接触しているため強く拘束されている。したがって、図8(a)に示すように、強い電界E0を加えなければトナーは飛翔しない。
これに対して、現像ローラ44表面に担持されたトナー層がトナー1層分を超えているとき、図8(b)に示すように、現像ローラ44表面に直接接触している接触トナーT1(白丸印により示す)の他に、このような接触トナーに接触しているものの現像ローラ44表面には直接接触しない非接触トナーT2(ハッチングを付した丸印により示す)が存在する。このような非接触トナーT2に対しては現像ローラ44表面からの拘束力が弱い。したがって、非接触トナーT2が現像ローラ44から飛翔するために必要な電界強度(非接触トナー飛翔開始電界強度)E2は、トナー層がトナー1層であるときの飛翔開始電界強度E0より大幅に低くて済む。
一方、現像ローラ44表面に担持されたトナー層がトナー1層分を超えている場合であっても現像ローラ44表面に直接接触しているトナー(接触トナー)T1は、トナー層がトナー1層であるときのトナーと同様の拘束力を現像ローラ44から受けている。したがって、単純には単層トナー飛翔開始電界強度E0と同等の電界を加えなければトナーT1は飛翔しないと考えられる。
しかしながらこの場合、もともとトナー層が1層である場合と異なり、図8(c)に示すように、現像ローラ44表面近傍にはより弱い電界で飛翔する非接触トナーT2が存在している。こうして飛翔するトナーが交番電界により往復移動しながら加速された結果十分な運動エネルギーを得て、図8(d)に示すように現像ローラ44上の接触トナーT1に衝突してこれをはじき出し、結果として接触トナーT1を飛翔させることがある。つまり、非接触トナーT2がより弱い電界で飛翔開始することに起因して、単層トナー飛翔開始電界強度E0よりも弱い電界でも接触トナーT1が飛翔しうる。このため、接触トナー飛翔開始電界強度E1が、単層トナー飛翔開始電界強度E0よりも小さくなるものと考えられる。
このように、現像ローラ44表面に1層を超えるトナーを担持させた場合、トナー層がトナー1層以下の場合よりも弱い電界でもトナーを飛翔させることが可能である。言い換えれば、現像ローラ44表面に1層を超えるトナーを担持させることによって、現像ギャップDGにおいて必要なトナー飛翔量を確保するために必要な電界強度が低くて済む。なお、ここでは「現像ローラ44表面に1層を超えるトナーを担持させる」と表現しているが、より厳密に原理に沿って言えば、トナー層の厚みの問題ではなく「現像ローラ44表面に、接触トナー、非接触トナーの双方を含むトナー層を担持させる」点がより重要である。
なお、本願発明者らの研究によれば、接触トナーとなるトナーは一般的に帯電量が高く、非接触トナーとなるトナーは相対的に帯電量が低い傾向にある。これは、高い帯電量を有するトナーの方が現像ローラへより強い力で引き寄せられる反面、このようなトナーによって帯電量の低いトナーは現像ローラ表面近傍から遠い位置へ押しやられるためと考えられる。実際に、現像ローラ表面が金属など導電性材料で形成されている場合には接触トナーと非接触トナーとの挙動の差が顕著であることが確認されている。これは、導電性の高い材料と帯電量の高いトナーとの間で強い鏡像力が作用するためと考えられる。
また、次に説明するように、接触トナーと非接触トナーとで飛翔性に差があることをより積極的に利用して、現像濃度の向上と、地カブリやトナー飛散の抑制とを両立させることが可能である。まず、比較のためにトナー層が1層以下である場合のトナーの挙動について説明する。
図9はトナー層を1層以下としたときの電界強度分布を示す図である。図9のグラフにおける横軸は、現像ローラ44の回転軸方向から現像ギャップDGを見たときの現像ローラ44の表面位置を表している。すなわち、互いに略円筒形状をなす感光体22と現像ローラ44とが対向配置されてなる現像ギャップDGにおいて両者が最も接近している位置を原点Oとして、現像ローラ44の周面上の各位置を該原点Oからの距離により表している。また縦軸は各位置における電界(トナー飛翔電界)の極性が現像ローラ44表面からトナーを飛翔させる極性となるときの当該電界の電界強度を示している。これらは後出の図10および11においても同様である。
感光体22と現像ローラ44との電位差を各位置におけるギャップの大きさで除した値がその位置における電界強度であるが、前述のように感光体22表面では露光部と非露光部とで表面電位が異なるため、現像ローラ44表面各位置における電界強度は、当該位置が感光体2上の露光部と対向しているのか、非露光部と対向しているのかによって異なってくる。図6から明らかなように、感光体22上の露光部と対向する現像ローラ44表面における電界強度は、感光体表面電位VLと現像バイアス電位Vminとの差をギャップの大きさで除した値である。また、感光体22上の非露光部と対向する現像ローラ44表面における電界強度は、感光体表面電位Voと現像バイアス電位Vminとの差をギャップの大きさで除した値である。
図6の関係からわかるように、現像ローラ44表面のうち感光体22の露光部と対向する位置では、非露光部と対向する位置よりも電界強度が高い。また、感光体22と現像ローラ44とが最近接する位置で電界強度は最高となり、この最近接位置から離れるにつれて電界強度は低下する。図9において実線で示す曲線Aは、感光体22上の露光部と対向する位置における電界(以下、「露光部電界」という)の電界強度を示している。また、破線で示す曲線Bは、感光体22上の非露光部と対向する位置における電界(以下、「非露光部電界」という)の電界強度を示している。
現像ギャップDGにおいてトナーを飛翔させるためには、最近接ギャップ位置においてトナー飛翔電界の電界強度が単層トナー飛翔開始電界強度E0を越えていなければならない。より詳しくは、非露光部電界の電界強度が単層トナー飛翔開始電界強度E0を越えていなければならない。そうでなければ非露光部と対向する現像ローラ44表面からトナーが飛翔せず、十分なトナー飛翔量を得られないからである。
ここで、電界強度が単層トナー飛翔開始電界強度以上である範囲がトナーが飛翔する領域であり、その幅が実効的な現像ギャップ幅であると言える。図9からわかるように、感光体22の非露光部に対向する位置における現像ギャップ幅L01と、露光部に対向する位置における現像ギャップ幅L02は異なっており、非露光部に対向する位置における現像ギャップ幅L01は、露光部に対向する位置における現像ギャップ幅L02よりもかなり狭い。このことは、感光体22の非露光部の近傍で飛翔するトナーの往復回数が、露光部の近傍で飛翔するトナーの往復回数よりも大幅に少ないことを意味している。
ACジャンピング現像方式では、トナーが現像ギャップにおいて多数回往復飛翔することで十分な現像濃度と良好な画像コントラストを得ているが、特に非露光部でトナーの往復回数が少なく電界強度も低いということは、本来トナーが付着すべき領域ではない非露光部に付着してしまったトナーが現像ローラ44に引き戻されなくなる可能性が高いことを意味している。こうして非露光部に付着してしまったトナーは現像されたトナー像に残留して地カブリを生じさせる。
カブリ現象については、本来の帯電極性(この実施形態では負極性)とは反対の極性に帯電したトナーや帯電量のごく小さいトナーが非露光部に付着することによって生じるものと一般には認識されているが、このようなトナーについては、感光体22上で現像されたトナー像を他の転写媒体(中間転写体や記録材)に転写する際の転写バイアス等の工夫によって転写媒体に転写させないようにすることが可能である。しかしながら、本願発明者らの研究によれば、上記のように往復回数が少ないことに起因して非露光部にトナーが残留する現象はトナーの帯電極性と関係なく起こり、本来の帯電極性に帯電したトナーであっても非露光部に付着残留することがある。このようなトナーによって生じる地カブリについては転写時に防ぐことができない。
なお、非露光部に不要なトナーが付着するのを防ぐ、あるいは付着してしまったトナーを引き離すために、本実施形態でも行っているように現像バイアスの波形デューティを調整することが知られているが、このようにしても、十分な現像濃度を得ることと両立させながら地カブリを抑制することは容易でない。
また、前記したように単層トナー飛翔開始電界強度E0が比較的高いことから、現像ギャップDGにおいて十分なトナー飛翔量を得るためには、現像ギャップDGに比較的強いトナー飛翔電界を発生させる必要がある。そのような強い電界は飛翔トナーに大きな運動エネルギーを与えるため、装置内外へのトナー飛散が生じやすい。
このように、現像ローラ表面に1層以下のトナーを担持するように構成された装置においては、十分な現像濃度と地カブリやトナー飛散の抑制とを両立させることが難しい。特にトナーの粒子径を小さくしようとすると、図7(a)に示すように、トナー粒子径が小さいほどトナー飛翔開始電界強度が上昇するため、この問題はさらに顕著となる。
次に、現像ローラ表面に1層を超えるトナーを担持させた場合のトナーの挙動について検討する。この場合、現像ローラ表面には接触トナーと非接触トナーとが担持されているので、トナーの飛翔開始電界強度としては接触トナー飛翔開始電界強度E1、非接触トナー飛翔開始電界強度E2の2つが存在する(E1>E2)。したがって、これら2種類の飛翔開始電界強度と、露光部電界および非露光部電界の電界強度との関係によってトナーの挙動が決まる。
図10はこの実施形態における現像ギャップの電界強度分布を示す図である。また、図11はトナー層が1層を超える場合の電界強度分布の種々の比較例を示す図である。この実施形態では、図10に曲線Aで示す露光部電界の最近接ギャップ位置における電界強度が接触トナー飛翔開始電界強度E1よりも高くなるようにする。また、曲線Bで示す非露光部電界の最近接ギャップ位置における電界強度が、接触トナー飛翔開始電界強度E1よりも低く、かつ非接触トナー飛翔開始電界強度E2よりも高くなるように、各部の電位を設定する。このようにする理由は以下の通りである。
露光部電界と非露光部電界とをどのように設定するかについては種々の組み合わせが考えられるが、まず、これらのいずれもが非接触トナー飛翔開始電界強度E2を超えないケースは考えなくてよい。というのは、このようにすると現像ギャップにおいてトナーが飛翔せず、現像動作が成立しないからである。また、これらのいずれもが接触トナー飛翔開始電界強度E1を超えるケースでは、露光部、非露光部いずれに対向する現像ローラ表面からも接触トナー、非接触トナーの区別なく飛翔するので、トナーの挙動としては図9に示すトナー層が1層以下の場合と大差ない。したがって地カブリやトナー飛散の問題は依然として残るが、単層トナー飛翔開始電界強度E0に満たない電界でもトナーが飛翔するという利点はある。
次に、図11(a)および(b)に示すように、曲線Bで示す非露光部電界の最近接ギャップ位置における電界強度は非接触トナー飛翔開始電界強度E2よりも低いが、曲線Aで示す露光部電界の最近接ギャップ位置における電界強度が非接触トナー飛翔開始電界強度E2よりも高いケースを考える。この場合、露光部に対向する現像ローラ表面からはトナーが飛翔するが、非露光部に対向する現像ローラ表面からは飛翔しない。ここで、図11(a)に示すように露光部電界(曲線A)の電界強度が接触トナー飛翔開始電界強度E1を超えていない場合には、飛翔するトナーは非接触トナーのみである。一方、図11(b)に示すように露光部電界(曲線A)の電界強度が接触トナー飛翔開始電界強度E1を超えている場合には、非接触トナー、接触トナーのいずれもが飛翔する。いずれにせよ、感光体の非露光部と対向する現像ローラ表面からのトナー飛翔がないため、トナー飛翔量が少なく十分な現像濃度が得られない。
また、図11(c)に示すように、露光部電界(曲線A)、非露光部電界(曲線B)のいずれもが接触トナー飛翔開始電界強度E1と非接触トナー飛翔開始電界強度E2との間に位置しているケースでは、露光部、非露光部いずれに対向する現像ローラ表面からも非接触トナーのみが飛翔する。そのため、現像ギャップにおけるトナー飛翔量が少なく、また前記したように非接触トナーは帯電量の低いものが多いので、感光体表面の電位プロファイルに対する再現性が低い。つまり、感光体の表面電位の変化が忠実にトナー密度の変化として現れない。その結果、得られる画像は濃度が低くまた十分な画像コントラストが得られない場合がある。
これらの比較例に対し、図10に示す本実施形態の電界分布では、非露光部に対向する現像ローラ表面からは非接触トナーのみが飛翔する一方、露光部に対向する現像ローラ表面からは非接触トナー、接触トナーのいずれもが飛翔する。このようにすれば、以下のような利点がある。
まず、非露光部で接触トナーを飛翔させないことで、非露光部への地カブリを減少させることができる。前記したように、接触トナーは帯電量の高いものが多い。このようなトナーが感光体の非露光部に付着した場合、これを再飛翔させて現像ローラに引き戻すには強い電界が必要である。しかしながら、非露光部電界は露光部電界よりも弱いのでこのような効果をあまり期待できず、接触トナーを飛翔させないことが地カブリ防止に最も効果的である。
また、非接触トナーであっても最近接ギャップ位置近傍の最も電界が強い位置で飛翔開始したものは比較的高い帯電量を持っていると考えられる。このようなトナーは最近接ギャップ位置を通り越して電界の弱い領域で感光体22に付着してしまうとそれ以上往復運動しない。この実施形態では、感光体22の非露光部に対向する位置においてトナーが飛翔する領域の幅、つまり実効的な現像ギャップ幅は、非露光部電界が非接触トナー飛翔開始電界強度E2を上回る領域の幅L11であり、図9に示すトナー層が1層以下の場合よりも広くすることができる。このため、非露光部においても十分なトナーの往復回数を確保することができるので、飛翔した非接触トナーが感光体に付着残留する可能性が低くなっている。このことも、非露光部への地カブリを抑制する効果を有する。特に、この実施形態では、図6に示すように現像バイアスVbの波形デューティを調節してトナーを現像ローラ44に引き戻す極性の電界が生じる期間がその反対極性の電界が生じる期間より長くなるようにしているので、感光体22の非露光部に移行したトナーをより効果的に現像ローラ44へ引き戻すことができる。
一方、露光部について見ると、露光部電界が非接触トナー飛翔開始電界強度E2を上回る領域が実効的な現像ギャップであり、その幅L12についても図9に示すトナー層が1層以下の場合よりも広くすることができる。このため、現像ギャップにおいて多くのトナーを飛翔させることができ、かつトナーの往復回数も増大するため、画像濃度および画像コントラストを向上させることができる。
これに加えて、露光部電界が接触トナー飛翔開始電界強度E1を上回るようにすると、露光部では非接触トナー、接触トナーの双方が飛翔するため、十分な現像濃度を得ることができる。また、前記したように非接触トナーは感光体上の電位プロファイルに対する再現性が低く、逆に帯電量の高い接触トナーは電位プロファイルに対する再現性が高いため小さな電位の変動が濃度変動として現れることがあるが、両トナーが混在した状態で現像を行わせることにより、このような欠点が相互に補完されて優れた画像品質を得ることができる。すなわち、細線画像については高い画像コントラストを得られ、また広い面積を有する画像については濃度ムラの少ない画像を得ることができる。
この場合において、接触トナーを飛翔させるために必要な電界強度E1は単層トナー飛翔開始電界強度E0よりも低いので、現像ギャップに発生させる電界の強度も低く抑えることができる。これによって、装置内外へのトナー飛散を抑制することができ、さらに現像ギャップにおける放電の発生をも防止することができる。
図12はこの実施形態における各パラメータの設定方法の一例を示す図である。上記のような関係を実現するためのパラメータには、接触トナー飛翔開始電界強度(E1)、非接触トナー飛翔開始電界強度(E2)、露光部電界および非露光部電界がある。ただし、このうち接触トナー飛翔開始電界強度E1および非接触トナー飛翔開始電界強度E2は、トナーに固有の属性であって使用するトナーが決まれば自動的に決まるものである。これらの値は、使用するトナーについて以下のような測定を行うことにより実験的に求めることができる。
図13は飛翔開始電界強度の測定方法の第1の例を示す図である。この測定方法では、図13(a)に示すように、感光体22および現像ローラ44を静止状態でギャップを隔てて対向させる。感光体22表面については所定の表面電位に均一に帯電させる。一方、現像ローラ44には2層以上のトナーを担持させるとともに、ギャップで放電が生じない程度の振幅を有する矩形波交流電圧を印加する。なお、この測定においては現像ローラ44から飛翔したトナーは感光体22側に移行することが望ましい。この点から感光体22に与える表面電位が大きな負電位とならないようにすることが望ましい。
ギャップにおける電界強度は感光体22と現像ローラ44との最近接位置で最も高く、これから離れるにつれて低下してゆく。感光体22の表面電位、現像ローラ44に印加する交流電圧およびギャップの大きさから、図13(b)に示すような現像ローラ44の周面上の位置Pに対するおける電界強度分布を求めることが可能である。
現像ローラ44に交流電圧を所定時間印加した後、現像ローラ44表面では、図13(a)に示すように、ほとんどのトナーが飛翔して存在しなくなる領域R1、1層分のみトナーが残る領域R2およびトナーがほとんど飛翔しない領域R3が現れる。これは目視または顕微鏡を用いて観察することができる。また、工程が複雑になるが、現像ローラにある色のトナーを1層分担持させた後、異なる色のトナーをさらに担持させた状態でこの実験を行えば、より容易に各領域間の識別を行うことができる。
領域R1は接触トナーも飛翔する領域である一方、領域R2は非接触トナーは飛翔するが接触トナーは飛翔しない領域である。したがって、図13(b)に示すように、領域R1と領域R2との境界に当たる位置における電界強度が、接触トナー飛翔開始電界強度E1である。同様に、領域R3は非接触トナーも飛翔しない領域であるから、領域R2と領域R3との境界に当たる位置における電界強度が、非接触トナー飛翔開始電界強度E2である。
このようにして接触および非接触トナー飛翔開始電界強度E1およびE2を求めることができる。なお、上記実験については、同一条件で複数回行ったり、ギャップの大きさや交流電圧の振幅等の条件を変更して測定し結果を平均するなど統計的に処理することにより、数値の精度を向上させることができる。また、単層トナー飛翔開始電界強度E0を求める場合には、現像ローラ44にトナーを1層のみ担持させた状態で上記と同様の実験を行い、現像ローラ44表面からトナーがなくなる領域と層でない領域との境界における電界強度を求めてその値を単層トナー飛翔開始電界強度E0とすればよい。
図14は飛翔開始電界強度の測定方法の第2の例を示す図である。この測定方法では、図14(a)に示すように、上記方法と同様に感光体22を帯電させ現像ローラ44にトナーを担持させた状態で、現像ローラ44を回転させながら矩形波交流電圧を印加する。この実験を、ギャップにおける電界Eを種々に変化させながら行い、電界強度と現像ローラ44上のトナー残存量との関係を測定により求める。
なお、電界強度を変化させるためには感光体22の表面電位、ギャップの大きさ、現像ローラ44に与える交流電圧の振幅の組み合わせを変えればよいが、感光体22の表面電位および交流電圧の振幅のいずれか一方を変化させるのが最も簡便である。また、現像ローラ44へのトナー残存量を測定するのに代えて、感光体22へのトナー付着量や、感光体22に付着したトナーにより生じるトナー像の濃度を検出するようにしてもよい。
このようにすると、図14(b)に実線で示すように、電界強度が低いときにはトナーはほとんど減らないが、電界強度がある値に達すると急激に減少する。非接触トナーの飛翔が始まったからであると考えられ、このときの電界強度が非接触トナー飛翔開始電界強度E2である。さらに電界強度を高めるとトナー残存量の変化は小さくなる。ほとんどの非接触トナーは飛翔するが、接触トナーが飛翔するには至っていないと考えられる。さらに電界強度を高めるとある値で再びトナー残存量が急激に減少する。接触トナーの飛翔が始まったと考えられ、このときの電界強度が接触トナー飛翔開始電界強度E1である。
なお、現像ローラ44上のトナー層が1層であるときには、図14(b)に破線で示すように、トナー残存量の急激な変化は1回だけであり、この変化に対応する電界強度が単層トナー飛翔開始電界強度E0である。
図12に戻って、この実施形態における各パラメータの設定方法の説明を続ける。図12に示すように、現像バイアスの振幅Vppを横軸、電界強度を縦軸として、露光部電界および非露光部電界の電界強度をプロットする。ここで、現像ギャップDGの最近接位置におけるギャップの大きさをGとすると、当該位置における露光部電界の電界強度ELについては、図6より次式:
EL =(VL−Vmin)/G={VL−(Vdc−Vpp/2)}/G
={Vpp+2(VL−Vdc)}/2G
により表すことができる。同様に、現像ギャップDGの最近接位置における非露光部電界の電界強度Eoについては次式:
Eo =(Vo−Vmin)/G={Vpp+2(Vo−Vdc)}/2G
により表すことができる。このように、露光部電界および非露光部電界の電界強度は現像バイアスの振幅Vppに比例しギャップの大きさGに反比例する。3種類の異なるギャップの大きさG1、G2およびG3(ただし、G1<G2<G3)について露光部電界および非露光部電界の電界強度をプロットしたのが図12のグラフである。
このグラフにおいて、
(1)露光部電界の電界強度ELが接触トナー飛翔開始電界E1よりも大きい、
(2)非露光部電界の電界強度Eoが非接触トナー飛翔開始電界E2よりも大きく接触トナー飛翔開始電界E1よりも小さい、
という2つの条件をともに満足するような現像バイアスの振幅Vppとギャップの大きさGとの組み合わせが好ましい組み合わせである。例えば、ギャップの大きさGをG1としたときには、現像バイアスの振幅Vppについては図12の値V1からV2までの間の値にすればよい。
なお、もしこのような組み合わせが見つからなかった場合には、感光体の表面電位Voを加減することができる。感光体22の露光部電位VLは感光体材料の特性に依存する値であって自由に設定することはできない。また画像濃度にも影響を及ぼす。また、現像バイアスの直流成分Vdcも画像濃度に大きな影響を及ぼすパラメータである。これに対し感光体22の非露光部電位Voは帯電ユニット23に与える帯電バイアスの大きさによって制御可能であり、また画像濃度に及ぼす影響も小さい。これを加減することにより、上式からわかるように、非露光部電界の電界強度Eoのみを変化させることが可能である。
次に、上記のような現像動作を実現するために好適な現像ローラの表面構造について説明する。これまで述べてきたように、この実施形態は、現像ローラ表面に1層を超えるトナーを担持させる、厳密には接触トナーおよび非接触トナーの双方を担持させるとともに、現像ギャップに発生させる電界を適切に制御することにより、現像濃度の向上と、地カブリおよびトナー飛散の抑制とを両立させようとするものである。しかしながら、非接触トナーに作用する現像ローラへの拘束力が弱いことから、現像ローラの回転に起因して現像ローラ表面から離脱し装置内外へ飛散してしまうおそれがある。
特に、従来から広く用いられている、表面をブラスト加工して表面積を増大させたタイプのローラ(ブラストローラ)のように現像ローラ表面の全面にトナーを担持する構造のものでこの問題が顕著であり、このような構造の現像ローラに1層を超えるトナーを担持させてもトナー飛散が多く実用にならない。また、プロセス速度向上の要請に応えるために現像ローラの回転数を高くした場合にも、現像ローラ表面から離脱したトナーの飛散が増大する。
現像ローラ表面からのトナーの離脱はこれまで主に回転によってトナーに作用する遠心力に起因するものと考えられているが、本願発明者らの研究によれば、現像ローラの回転に伴って生じる現像ローラ表面近傍の気流の影響が大きいことが明らかになった。特に粒子径の小さなトナーでは、質量が小さいため遠心力が小さいにもかかわらず現像ローラ表面からの離脱は大粒径のトナーの場合よりも甚だしいという事実が確認されており、これは現像ローラ表面の回転による風圧をトナーが受けることによって引き起こされていると考えられる。そこで、この実施形態では、現像ローラの表面構造を次のようなものとすることでこの問題を解決している。
図15は現像ローラおよびその表面の部分拡大図を示す図である。現像ローラ44はその表面が導電性材料の金属素管で形成される略円筒形のローラ状に形成されており、その長手方向の両端にはローラと同軸にシャフト440が設けられており、該シャフト440が現像器本体により軸支されて現像ローラ44全体が回転自在となっている。現像ローラ44表面のうちその中央部44aには、図5の部分拡大図(点線円内)に示すように、規則的に配置された複数の凸部441と、それらの凸部441を取り囲む凹部442とが設けられている。
複数の凸部441のそれぞれは、図15紙面の手前側に向けて突出しており、各凸部441の頂面は、現像ローラ44の回転軸と同軸である単一の円筒面(包絡円筒面)の一部をそれぞれ成している。また、凹部442は凸部441の周りを網目状に取り囲む連続した溝となっており、凹部442全体も現像ローラ44の回転軸と同軸かつ凸部の成す円筒面とは異なる1つの円筒面を成している。そして、凸部441とそれを取り囲む凹部442との間は緩やかな斜面443によって繋がれている。すなわち、該斜面443は現像ローラ44の半径方向外向き(図16において上方)、つまり現像ローラ44の回転軸から遠ざかる方向の成分を有する。このような構造の現像ローラ44については、例えば特開2007−140080号公報に記載のいわゆる転造加工を用いた製造方法により製造することができる。これにより、現像ローラ44の円筒面に規則的かつ均一な凹凸部を形成することができる。そのため、得られる現像ローラ44は、その円筒面に均一かつ最適な量のトナーを担持させることができ、また、現像ローラ44の円筒面でのトナーの転動性(転がりやすさ)も均一なものとすることができる。その結果、トナーの局所的な帯電不良や搬送不良を防止して、優れた現像特性を発揮させることができる。また、型を用いて凹凸部を形成するため、ブラスト加工により得られた一般的な現像ローラと異なり、得られる凹凸部はその凸部の先端の幅を比較的大きくすることができる。このような凹凸部は優れた機械的強度を有する。特に、型により押圧された部位は機械的強度が向上するので、得られる凹凸部は、切削加工のような処理で得られたものと比しても優れた機械的強度を有する。このような凹凸部を有する現像ローラ44は、優れた耐久性を発揮することができる。また、凹凸部の凸部の先端の幅が比較的大きいと、磨耗しても形状変化が少ないので、現像特性が急激に低下することも防止して、長期にわたり優れた現像特性を発揮することができる。
図16は現像ローラ表面の構造の詳細を示す断面図である。図16(a)に示すように、現像ローラ44表面を断面方向から見ると、周方向外側に向けて突出した凸部441と、これに比べると後退した凹部442とが交互に配列されている。また凸部441と凹部442とが斜面443により繋がれている。凸部441頂面の寸法および凹部442の幅は例えば100μm程度とすることができるがこれに限定されない。一方、凸部441と凹部442との高低差、言い換えれば凸部441を取り囲む溝状の凹部442の深さについては、使用トナーの体積平均粒径Daveの2倍またはそれより大きな値とする。
こうすることで、図16(b)に示すように、凸部442頂面を結ぶ線(破線で示す)よりも外部に突出することなく凹部442に2層以上のトナーを担持させることが可能となる。図16(b)において、白丸印は現像ローラ44表面に直接接触している接触トナーT1を示している。また、ハッチングを付した丸印は現像ローラ44表面には直接接触せずに凹部442に担持されている非接触トナーT2を示している。
また、図16(b)において破線で示した凸部442頂面を結ぶ線は、各凸部441の頂面を1つの円筒面の一部と考えたときの包絡円筒面上の曲線である。凹部442に担持されるトナーがこの線を越えないということは、現像ローラ44表面においてこの包絡円筒面よりも外側にトナーが露出することがないということを意味する。したがって、現像ローラ44の回転に起因して現像ローラ44表面に強い気流が発生したとしても、現像ローラ44表面から後退した位置に担持されているトナーにはその影響が及ばず、現像ローラへの拘束力の弱い非接触トナーであっても離脱、飛翔することは防止されている。
現像ローラ44表面に図16(b)に示すようにトナーを担持させるためには、図16(c)に示すように、現像ローラ回転方向D4における規制ブレード46の弾性部材462の上流側エッジ462aを現像ローラ44の凸部441に当接させる、いわゆるエッジ規制によって凸部441へのトナー付着を規制する。これとともに、弾性部材462として適度な弾性を有する材料を選ぶことによって、凹部442との対向位置で弾性部材462が凹部442に向けてわずかにせり出すようにすればよい。こうすることで、凸部441へのトナー付着を規制するとともに、包絡円筒面を越えてトナーが凹部442に担持されることが防止される。
なお、前記したように、接触トナーに対しては現像ローラ44への強い拘束力が作用する。したがって、接触トナーについては気流への耐性が比較的高く包絡円筒面の外部に露出するようにしてもトナーの離脱は起こりにくいと考えられる。この観点からは、図16(d)に示すように、凸部441に1層以下のトナー付着を許容するように、規制ブレード46の当接角度や当接圧等を調節してもよい。
ただし、凹部442のみにトナーを担持させることによって、次のような効果も得られる。まず、凸部441に均一なトナー層を形成するためには規制ブレード46と凸部441とのギャップの精密な管理が必要となるが、凹部442のみにトナーを担持させるためには規制ブレード46と凸部441とを当接させて凸部441のトナーを全て除去すればよいので実現が比較的容易である。また、搬送されるトナーの量は規制ブレード46と凹部442との隙間に生じる空間の容積によって決まるので、トナー搬送量を安定させることができる。
また、搬送されるトナー層の良好さという点においても利点がある。すなわち、凸部441にトナーを担持させると規制ブレード46との摺擦に起因するトナーの劣化が起こりやすい。具体的には、トナーの流動性や帯電性が低下したり、トナーが圧粉状態となり凝集したり現像ローラ44に固着してフィルミングを生じさせるなどの問題がある。これに対し、規制ブレード46からの押圧をあまり受けない凹部442にトナーを担持させるとこのような問題が起こりにくい。また、凸部441に担持されるトナーと凹部442に担持されるトナーとでは規制ブレード46との摺接のされ方が大きく異なるため、トナーの帯電量のばらつきが大きくなることが予想されるが、凹部442のみにトナーを担持させることでこのようなばらつきも抑えられる。
特に近年では、画像の高精細化やトナー消費量および消費電力の削減を実現するためにトナーの小粒径化や定着温度の低温化が求められているが、本実施形態の構成はこのような要求にも対応することが可能なものである。小粒径トナーにおいては帯電の立ち上がりが鈍いにもかかわらず飽和帯電量が高いため、凸部441に担持されたトナーは凹部442に担持されたトナーよりも帯電量が著しく高く(過帯電)なる傾向にある。このような帯電量の差はいわゆる現像履歴として画像に現れる。また、低融点トナーでは摺擦によるトナー同士または現像ローラ44等への固着が起きやすい。しかしながら、凹部442のみにトナーを担持する本実施形態の構成ではこのような問題は生じにくい。
なお、この実施形態において、使用するトナーの粒子径は特に限定されないが、体積平均粒径Daveが5μm以下であるトナーを使用する場合に特に顕著な効果を発揮する。このような小粒径トナーは、その粒子径の小ささゆえにファンデルワールス力が強く作用し現像ローラ44からの飛翔が難しい。また、導電性材料からなる現像ローラ44に強く働く鏡像力により現像ローラ44からの飛翔が難しい。このため、1層を越えるトナーを現像ローラ44に担持させ、接触トナー、非接触トナーのいずれをも飛翔させて現像動作に寄与させる本実施形態の現像方式が、特に優れた効果を奏する。
また、5μm程度を境にして、これ以下の体積平均粒径を有するトナーは粉体としての性質が強まり、より粒径の大きなトナーとは挙動が異なってくる。例えば、粒子径の小さなトナーは質量が小さいため、いったん飛散すると長い時間空中を漂うことになり、装置内ばかりか装置外部へも漏れ出してしまうことがある。本実施形態の装置はトナー飛散を効果的に抑制しているため、粒子径の小さなトナーを使用する場合でもこのような問題が生じることはない。
実施例として、この実施形態の画像形成装置において体積平均粒径が4.5μmであるトナーを使用した場合の各パラメータの設定値の一例を示す:
現像ギャップの大きさG=100μm;
現像バイアスの振幅Vpp=1200V(デューティWD=60%);
現像バイアスの加重平均電圧Vave=−200V;
非露光部電位(感光体帯電電位)Vo=−450V;
露光部電位VL=−150V。
このような条件では、
非露光部電界の電界強度Eo=4.7×106 V/m
露光部電界の電界強度EL=7.7×106 V/m
となり、図7(b)に示す接触トナー飛翔開始電界強度E1および非接触トナー飛翔開始電界強度E2の実測値(それぞれ7.1×106 V/m、3.9×106 V/m)に対して前記した条件(1)、(2)が満足されている。
以上のように、この実施形態では、現像ローラ44の表面に1層を超えるトナー層、より厳密には現像ローラ表面に直接接触している接触トナーおよび現像ローラ表面には直接接触しない非接触トナーの双方を含むトナー層を担持させる。こうすることによって、現像ギャップDGに十分な量のトナーを搬送することができ、高い現像濃度を得ることができる。
また、接触トナーおよび非接触トナーの双方を現像ローラに担持させることにより、より低い電界強度で飛翔開始する非接触トナーによって接触トナーをはじき出す効果を期待できるので、現像ギャップDGに発生させる電界の電界強度が低くて済む。このことは、現像ギャップDGに飛翔したトナーがギャップ外へ飛散するのを抑制するとともに、ギャップでの放電の発生を抑制するという効果をもたらす。
また、接触トナーと非接触トナーとで飛翔開始電界強度が相違することに鑑み、感光体の非露光部と対向する現像ローラ表面におけるトナー飛翔電界の電界強度を非接触トナー飛翔開始電界強度E2よりは高く、かつ接触トナー飛翔開始電界強度E1よりは低くなるように設定することで、非露光部と対向する現像ローラ表面からは非接触トナーのみを飛翔させて接触トナーが飛翔するのを抑制している。そのため、広い現像ギャップ幅を確保しながらも非露光部への不要なトナー付着を抑制して地カブリの発生を抑えることができる。
また、感光体の露光部と対向する現像ローラ表面においてはトナー飛翔電界の電界強度が接触トナー飛翔開始電界強度E1より高くなるようにしているので、接触トナー、非接触トナーのいずれをも飛翔させて現像に寄与させることができ、高い現像濃度を得ることができる。また接触トナー、非接触トナーの双方を用いて現像を行うことで、細線画像、広い面積を有する画像のいずれにおいても良好な画像品質で画像を形成することができる。
また、現像ローラ表面を規則的な凹凸を設けた構造とするとともに、その高低差をトナーの体積平均粒径の2倍以上となるようにして凹部のみにトナーを担持させるようにしているので、2層以上のトナーを確実に現像ローラ44に担持させることが可能である。また凹部にトナーを収容した状態で現像ローラ44を回転させるので、回転に起因する現像ローラ表面からのトナーの離脱を防止することができる。
以上説明したように、この実施形態では、感光体22および現像ローラ44がそれぞれ本発明の「潜像担持体」および「トナー担持ローラ」として機能している。また、感光体22表面のうち露光部が本発明の「画像部」、非露光部が本発明の「非画像部」にそれぞれ対応している。また、本実施形態においては、バイアス用電源140および規制ブレード46がそれぞれ本発明の「電界形成手段」および「規制部材」としてそれぞれ機能している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態の説明において示した各数値は一例にすぎず、本発明がこれらに限定されるものではない。
また、上記実施形態は帯電させた感光体22表面のうち露光により電荷が除去された領域にトナーを付着させる、いわゆるネガ潜像タイプの画像形成装置であり、感光体22上においては露光された領域(露光部)がトナーを付着させるべき本発明における「画像部」である一方、露光されなかった領域(非露光部)が本発明における「非画像部」となっている。しかしながら、本発明は露光により電荷の発生した領域にトナーを付着させる、いわゆるポジ潜像タイプの画像形成装置にも本発明を適用することが可能である。この場合には、感光体上の露光された領域が「画像部」、露光されなかった領域が「非画像部」となる。また、本実施形態では負帯電トナーを使用しているが、正帯電トナーを使用する画像形成装置に対しても本発明を適用することが可能である。
また、本実施形態における現像ローラ44の表面構造は、略菱形の頂面を有する凸部441とこれを取り囲むように設けられた凹部442とを規則的に配してなるものであるが、凸部の形状や現像ローラの表面構造はこれに限定されるものではない。これ以外にも例えば、ほぼ平滑な包絡円筒面上に多数のディンプルを設けた構造のものや、螺旋状の溝を設けたものも利用可能である。この場合においても、ディンプルや溝の深さをトナーの体積平均粒径の2倍以上とすることにより、2層以上のトナーを搬送することが可能となる。なお、現像ローラ表面でのトナー流動を許容し凹部へのトナー固着等を防止するという観点からは、トナーを担持する凹部については互いに連通していることが好ましい。
また、上記実施形態の画像形成装置は、ロータリー現像ユニット4に現像器4K等を装着したカラー画像形成装置であるとともに、現像器4K等を回転させることにより現像器内のトナーを混合させる装置であるが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。例えば、現像器を1個だけ備えてモノクロ画像を形成するモノクロ画像形成装置や、複数の現像器を中間転写体の周囲に配置した、いわゆるタンデム型の画像形成装置に対しても本発明を好適に適用することが可能である。
この発明を適用した画像形成装置の一実施形態を示す図。 図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。 現像器の外観を示す図。 現像器の構造および感光体の電位分布を示す図。 図1の画像形成装置の主要部を示す模式図。 図5の構成における各部の電位の例を示す図。 トナー粒子径と飛翔開始電界強度との関係を測定した結果を示す図。 電界が印加されたときの現像ローラ表面での挙動を示す図。 トナー層を1層以下としたときの電界強度分布を示す図。 この実施形態における現像ギャップの電界強度分布を示す図。 トナー層が1層を超える場合の電界強度分布の種々の比較例を示す図。 この実施形態における各パラメータの設定方法の一例を示す図。 飛翔開始電界強度の測定方法の第1の例を示す図。 飛翔開始電界強度の測定方法の第2の例を示す図。 現像ローラおよびその表面の部分拡大図を示す図。 現像ローラ表面の構造の詳細を示す断面図。
符号の説明
22…感光体(潜像担持体)、 44…現像ローラ(トナー担持ローラ)、 140…バイアス用電源(電界形成手段)、 46…規制ブレード(規制部材)、 E1…接触トナー飛翔開始電界強度、 E2…非接触トナー飛翔開始電界強度、 T1…接触トナー、 T2…非接触トナー

Claims (12)

  1. トナーを付着させるべき画像部とトナーを付着させない非画像部との間で電位を異ならせた静電潜像を表面に担持可能な潜像担持体と、
    ローラ状に形成されて前記潜像担持体と所定のギャップを隔てて対向配置され、前記ローラ表面に直接接触する接触トナーおよび該接触トナーに接触し前記ローラ表面には接触しない非接触トナーの双方を含むトナー層を担持するトナー担持ローラと、
    前記非接触トナーが前記トナー担持ローラ表面から飛翔するために前記トナー担持ローラ表面において必要な電界強度を非接触トナー飛翔開始電界強度、前記接触トナーが前記トナー担持ローラ表面から飛翔するために前記トナー担持ローラ表面において必要な電界強度を接触トナー飛翔開始電界強度と定義したとき、前記潜像担持体表面のうち前記非画像部と前記トナー担持ローラ表面との間における電界強度が前記接触トナー飛翔開始電界強度よりも低くかつ前記非接触トナー飛翔開始電界強度よりも高くなる交番電界を、トナー飛翔電界として前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの間に形成する電界形成手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記電界形成手段は、前記潜像担持体表面のうち前記画像部と前記トナー担持ローラ表面との間における電界強度が前記接触トナー飛翔開始電界強度よりも高くなる前記トナー飛翔電界を形成する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. トナーを付着させるべき画像部とトナーを付着させない非画像部との間で電位を異ならせた静電潜像を担持可能な潜像担持体と、
    ローラ状に形成されて前記潜像担持体と所定のギャップを隔てて対向配置され、前記ローラ表面に直接接触する接触トナーおよび該接触トナーに接触し前記ローラ表面には接触しない非接触トナーの双方を含むトナー層を担持するトナー担持ローラと、
    前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの間に、前記トナー担持ローラ表面のトナーを飛翔させる交番電界をトナー飛翔電界として形成する電界形成手段と
    を備え、
    前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの対向位置において、前記潜像担持体表面のうち前記非画像部と前記トナー担持ローラ表面との間では、前記非接触トナーを飛翔させる一方、前記接触トナーを飛翔させないことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの対向位置において、前記潜像担持体表面のうち前記画像部と前記トナー担持ローラ表面との間では、前記接触トナーおよび前記非接触トナーの双方を飛翔させる請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記電界形成手段は、トナーを前記潜像担持体から前記トナー担持ローラに向かう方向に飛翔させる極性の電界が生じる期間がこれとは逆極性の電界が生じる期間よりも長くなる電界を形成する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記トナー担持ローラは、トナーを担持する表面が導電性を有する材料により形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記トナー担持ローラは、金属素管の表面に転造加工により前記凹部が形成されたものである請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記トナー担持ローラは、円筒形状の表面にトナーを収容するための凹部を形成されており、前記凹部の深さがトナーの体積平均粒径の2倍以上である請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記トナー担持ローラ表面のうち前記凹部以外に形成されるトナー層をトナー1層以下に規制する規制部材を備える請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記トナー担持ローラ表面のうち前記凹部以外へのトナー担持を規制する規制部材を備える請求項8に記載の画像形成装置。
  11. トナーの体積平均粒径が5μm以下である請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 静電潜像を担持可能な潜像担持体とローラ状に形成したトナー担持ローラとを所定のギャップを隔てて対向配置し、
    トナーを付着させるべき画像部とトナーを付着させない非画像部との間で電位を異ならせた静電潜像を、前記潜像担持体表面に形成し、
    前記ローラ表面に直接接触する接触トナーおよび該接触トナーに接触し前記ローラ表面には接触しない非接触トナーの双方を含むトナー層を前記トナー担持ローラ表面に形成して前記潜像担持体との対向位置に搬送し、
    前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの間に、前記トナー担持ローラ表面のトナーを飛翔させる交番電界をトナー飛翔電界として形成することで前記静電潜像を前記トナーにより現像し、しかも、
    前記潜像担持体と前記トナー担持ローラとの対向位置において、前記潜像担持体表面のうち前記非画像部と前記トナー担持ローラ表面との間では、前記非接触トナーを飛翔させる一方、前記接触トナーを飛翔させない
    ことを特徴とする画像形成方法。
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