JP2010066382A - 被覆光ファイバ心線 - Google Patents

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Abstract

【課題】被覆光ファイバ心線としての所定の心線性能(耐熱性・難燃性・伝送特性)を維持しつつ、耐薬品性(特にアルコール浸漬時の心線曲げ歪による亀裂伝播への耐性)を向上させ、かつ押出成型され易い被覆光ファイバ心線を提供する。
【解決手段】光ファイバ心線13の外周面に、それぞれ熱可塑性樹脂からなる第一被覆層14と第二被覆層15とを前記光ファイバ心線から離れる方向で順に設けてなる被覆光ファイバ心線10であって、前記第二被覆層は、ポリアミド系樹脂20〜40重量部および酸変性したポリプロピレン樹脂60〜80重量部からなるベース樹脂100重量部と、難燃剤70〜200重量部と、を含んで構成されており、前記第一被覆層14は、ポリスチレン系エラストマーとエチレンプロピレンゴムとをベース樹脂とし、無機物および難燃性物質を含んで構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ心線の外周面に熱可塑性樹脂からなる外部被覆を設けてなる、被覆光ファイバ心線に関する。
光通信機器等の配線に使用される光コードには、石英ガラスを主成分とするガラスファイバの外側が紫外線硬化型樹脂層で被覆された、外径が245μm〜265μmの光ファイバ心線が用いられている。光ファイバ心線は、通常、その外周面に樹脂からなる外部被覆を設けた被覆光ファイバ心線の形態で使用されている。
近年、外部被覆を形成する材料としては、環境負荷の低減の要請から、被覆光ファイバ心線の燃焼時に有害ガスを発生する虞れがない材料を採用することが求められている。
例えば特許文献1には、外部被覆として非ハロゲン含有樹脂を用い、且つ、外部被覆層を弾性率(ヤング率)の異なる2層からなる構成とした被覆光ファイバ心線が記載されており、燃焼時に有毒ガスを発生せず、環境適応特性、機械特性および被覆除去性に優れるとされている。
特開2004−62117号公報
このような非ハロゲン含有樹脂の外部被覆形成材料として、ポリスチレン系熱可塑性樹脂をブレンドしたポリオレフィン系熱可塑性樹脂が主に使用されている。しかしながら、ポリプロピレン以外のポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、一般的に耐薬品性に乏しい。例えば、洗浄を目的として被覆ファイバ心線をアルコールに浸漬させて扱く等の処理を行なった場合、アルコール中で被覆ファイバ心線に一定歪を付与させると、その扱かれた部分を起点として亀裂(被覆光ファイバ心線上に白スジが発生する現象)が発生した。この要因としては、外部被覆の最外層を形成するポリマーが一定歪を付与されることで、ポリマー鎖中の分子が引き伸ばされ、この状態(一種の延伸状態)でアルコール等の有機溶剤に浸されると、引き伸ばされた部分における分子量が小さい部分がアルコール中に溶解し、その結果、前述のような亀裂が入ってしまうものと考えられる。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、被覆光ファイバ心線としての所定の心線性能(耐熱性・難燃性・伝送特性)を維持しつつ、耐薬品性(特にアルコール浸漬時の心線曲げ歪による亀裂伝播への耐性)を向上させ、かつ押出成型され易い被覆光ファイバ心線を提供することを目的とする。
本発明の発明者らの鋭意検討の結果、被覆光ファイバ心線の外部被覆を熱可塑性樹脂からなる2層構成(第一被覆層、第二被覆層)とすると共に、該外部被覆の各層を特定の組成および配合比からなる樹脂組成物で形成することにより、上記課題を解決できることを見出し、下記の本発明に至ったものである。
(1) 光ファイバ心線の外周面に、それぞれ熱可塑性樹脂からなる第一被覆層と第二被覆層とを前記光ファイバ心線から離れる方向で順に設けてなる被覆光ファイバ心線であって、
前記第二被覆層は、ポリアミド系樹脂20〜40重量部および酸変性したポリプロピレン樹脂60〜80重量部からなるベース樹脂100重量部と、難燃剤70〜200重量部と、を含んで構成されており、
前記第一被覆層は、ポリスチレン系エラストマーとエチレンプロピレンゴムとをベース樹脂とし、難燃剤を含んで構成されることを特徴とする被覆光ファイバ心線。
(2) 前記難燃剤が、難燃性無機物および窒素系難燃剤であることを特徴とする上記(1)記載の被覆光ファイバ心線。
(3) 前記難燃性無機物が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、マイカおよび錫酸亜鉛から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする上記(2)記載の被覆光ファイバ心線。
本発明の被覆光ファイバ心線は、光ファイバ心線の外周面の外部被覆を特定の組成および配合比からなる樹脂組成物で形成されることにより、被覆光ファイバ心線としての所定の心線性能(耐熱性・難燃性・伝送特性)を維持しつつ耐薬品性(特にアルコール浸漬時の心線曲げ歪による亀裂伝播への耐性)にも優れ、更には押出成型性にも優れる。
以下、本発明の被覆光ファイバ心線の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る被覆光ファイバ心線10は、図1(A)の模式断面図に示すように、光ファイバ心線13の外周面に、さらに、熱可塑性樹脂から形成される第一被覆層14と第二被覆層15とからなる外部被覆16を、光ファイバ心線13から離れる方向で順に設けてなる。
第一被覆層14の25℃でのヤング率(以下、単に、ヤング率ともいう)は、5MPa〜100MPaであることが好ましく、5MPa〜50MPaがより好ましい。第一被覆層14の引張り強さは10MPa以下であることが好ましく、0.5MPa〜8MPaがより好ましい。
第二被覆層15の25℃でのヤング率(以下、単に、ヤング率ともいう)は500MPa〜2000MPaが好ましく、700MPa〜1500MPaがより好ましい。
ここで、ヤング率は、JIS K 7113に準じ、2号型試験片を使用して得られる値である。
上記の様に、内層である第一被覆層14を、外層である第二被覆層15よりも柔軟な層とすることで、被覆光ファイバ心線10の外周面から受ける外界からの圧力が第二被覆層15で完全に吸収できない程に大きな力であっても、内層である第一被覆層14によって該圧力を緩衝させることができる。よって、ガラスファイバ11が圧力を受けることによる光伝送損失を抑えることができる。
第一被覆層14及び第二被覆層15は、樹脂組成物によって構成されている。そして、第一被覆層14のヤング率及び引張り強さ、第二被覆層15のヤング率は、樹脂の架橋度や添加剤の種類及びその含有量を調整することにより、好適に前記範囲内に調整できる。
第一被覆層14及び第二被覆層15を構成する樹脂組成物の樹脂は、共に、ハロゲンを有さない樹脂(以下、ノンハロゲン樹脂という)であることが好ましい。これにより、燃焼時に有毒ガスを発生しない特性を有する。
第一被覆層14は、ポリスチレン系エラストマーおよびエチレンプロピレンゴムをベース樹脂とする。
ポリスチレン系エラストマーは、ポリスチレンをハードセグメントとし、ポリブタジエン,水添ポリブタジエン,ポリイソプレン等のジエンポリマーやエチレンプロピレンゴムをソフトセグメントとするブロック共重合体であり、ソフトセグメントがポリブタジエンとされたスチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、ソフトセグメントがイソプレンとされたスチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、SBSを水素添加したスチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、ソフトセグメントがエチレンプロピレンゴムとされたスチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)を例示できる。また、ポリスチレンと結晶性ポリオレフィンのブロック共重合体である、スチレンエチレンブチレンオレフィン結晶共重合体(SEBC)を例示できる。
エチレンプロピレンゴムとしては、エチレンとプロピレンの共重合体(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等を例示できる。
ベース樹脂100重量部中、ポリスチレン系エラストマーは60〜90重量部、好ましくは70〜85重量部含まれ、エチレンプロピレンゴムは10〜40重量部、好ましくは15〜30重量部含まれることが好ましい。
第二被覆層15は、ポリアミド系樹脂および酸変性ポリプロピレン樹脂との混合樹脂をベース樹脂とする。
本発明では、外部被覆16の耐薬品性を改良するため、第二被覆層15を形成する樹脂としてポリアミド系樹脂を用いる。ポリアミド系樹脂は、耐薬品性、曲げ剛性、耐熱性に優れる。また、押出成型性の確保のため、ベース樹脂として酸変性させたポリプロピレン樹脂を上記ポリアミド樹脂と共に使用する。ポリアミド系樹脂と酸変性ポリプロピレン樹脂は、ベース樹脂100重量部中、ポリアミド系樹脂が20〜40重量部、酸変性したポリプロピレン樹脂が60〜80重量部で配合する。より好ましくは、ベース樹脂100重量部中、ポリアミド系樹脂が30〜40重量部、酸変性したポリプロピレン樹脂が60〜70重量部である。
ポリアミド系樹脂と酸変性ポリプロピレン樹脂は、押出成型時の最適温度に相違があり、ポリアミド系樹脂の配合量が増えると、最適な押出成型性を得るために加工温度を高めることが必要になる。一方で、酸変性されたポリプロピレン樹脂は、通常のポリプロピレン樹脂に比べて溶融温度が低下している。本発明は、ベース樹脂中におけるポリアミド系樹脂と酸変性ポリプロピレン樹脂の配合比を上記範囲とすることにより、押出成型時の最適温度がそれぞれ相違するにもかかわらず、良好な押出成型性を確保することが可能となる。
また、一般にポリアミド系樹脂とポリプロピレン樹脂等の他の熱可塑性樹脂は相溶性が悪いため、ポリアミド系樹脂とポリプロピレン樹脂とを併用した被覆光ファイバでは、外部被覆表面にポリプロピレン樹脂がブリードすることにより、フェルールと接合させる時にエポキシ系接着剤との接着性が低下してしまうことが考えられる。しかしながら、本発明では酸変性ポリプロピレン樹脂を使用することでポリアミド系樹脂との相溶性を向上させているため、上記の配合比の範囲であれば、エポキシ系接着剤との接着性が低下することはない。
本発明におけるポリアミド系熱可塑樹脂としては特に限定されないが、ナイロン11、ナイロン12を例示することができる。
また、本発明における酸変性ポリプロピレン樹脂としては、プロピレンのホモポリマー、プロピレンとエチレンプロピレンゴムとがブロック共重合してなるブロックポリプロピレン(ブロックPP)、プロピレンとエチレンとがランダム共重合したなるランダムポリプロピレン(ランダムPP)等を、マレイン酸等の酸によって変性したものを例示できる。ポリプロピレン樹脂分子構造中の酸変性量が増えると耐熱性が下がるため、ポリプロピレン樹脂1分子中の酸変性量は0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%とすることが好ましい。
また、第一被覆層14および第二被覆層15は難燃剤を含む。
本発明では外部被覆16形成材料として、難燃性の高いポリアミド系熱可塑樹脂を使用しているが、それだけでは難燃性が低いため、他の難燃材料と併用する必要がある。しかし、ポリアミド系樹脂と金属水酸化物のような含水の無機物との併用は高温での押出時(〜概ね300℃以上)に被覆材が発泡する虞があるため、酸化亜鉛等の水酸基を含まない難燃性無機物を使用することが好ましい。本発明における難燃性無機物としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、マイカまたは錫酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上が例示できる。
一方、これら難燃性無機物は、押出温度で安定した押出成型性を担保させる為にも、一定量を配合させる必要があり、難燃性の確保のために多量に使用すると安定な押出成型性が得られない。そこで本発明では、難燃剤として上記難燃性無機物と窒素系難燃剤とを併用することにより、適切な難燃性と押出成型性を調整することが望ましい。本発明では、第二被覆層15のベース樹脂にポリアミドを必ず含むため、かかるポリアミド系熱可塑樹脂と窒素系難燃剤との相乗効果により、窒素系難燃剤の配合量を極最小限に抑制することができる。本発明における上記窒素系難燃剤としては、メラミンシアヌレート、ヒドラゾンジカルボンアミドから選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、これらの窒素系難燃剤において粒状のものを選択した場合には、難燃性のフィラーとしても作用できる。
第二被覆層15中、難燃剤は、ベース樹脂100重量部に対して70〜200重量部、好ましくは100〜150重量部含まれる。難燃剤の含有量が上記範囲内であると押出成型性と難燃性の両立が良好である。
一方、第一被覆層14においても難燃剤を含み、第二被覆層15で挙げたものを使用できる。第一被覆層14中、難燃剤は、ベース樹脂100重量部に対して総量で40〜60重量部含まれることが好ましい。
また、第一被覆層14および第二被覆層15を形成する樹脂組成物は、それぞれ必要に応じて、光安定剤(HALS)、酸化防止剤(硫黄系酸化防止剤など)、滑剤、老化防止剤等の添加物を含有しても良い。光安定剤としては、LA−52(テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート:旭電化(株)製)などを、硫黄系酸化防止剤としては、シーノックス412S(ペンタエリスリトール・テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート))などを例示できる。光安定剤、硫黄系酸化防止剤を使用することにより、耐光性、耐湿熱性が増すので、好ましい。
また、添加物として、既知の可塑剤、軟化剤、ゴム軟化剤、プロセス油、エクステンダ油、架橋剤等の配合剤を添加する方法によって、第一被覆層14のヤング率及び引張り強さ、第二被覆層15のヤング率を前記した範囲内に調整してもよい。ゴム軟化剤としては、パラフィン系オイル、非芳香族系ゴム軟化剤等を挙げることができる。
第一被覆層14および第二被覆層15を形成する樹脂組成物は、それぞれ、各樹脂組成物を構成する成分が混合されてなるのが好ましく、バンバリーミキサー、加圧型ニーダー、二軸混合機等の既知の溶融混合装置を用いて混合できる。
本発明の実施形態に係る被覆光ファイバ心線10に使用される光ファイバ心線13は、図1(A)、(B)に示すように、ガラスファイバ11の外周面に紫外線硬化型樹脂層12を設けてなる。具体的には、外径0.125mmのガラスファイバ11を紫外線硬化型樹脂層12で被覆した外径(Di)0.250mm〜0.260mmの公知の光ファイバ心線13を好適に例示できる。ガラスファイバ11は、石英ガラスを主成分としたもの、また、紫外線硬化型樹脂層12の樹脂としては、ウレタンアクリレート樹脂等が広く知られており、これらを制限なく使用できる。また、紫外線硬化型樹脂層12としては、物性値が異なる内層(第一紫外線硬化型樹脂層)と外層(第二紫外線硬化型樹脂層)とから構成されたもの(2層構造)や、さらに最外層に着色層を有するものなども知られており、これらも制限なく使用できる。図1に示す被覆光ファイバ心線10は、紫外線硬化型樹脂層12として、第一紫外線硬化型樹脂層12A、第二紫外線硬化型樹脂層12B、着色層12Cを、光ファイバ心線13側から離れる方向に設けてなる。
第一紫外線硬化型樹脂層12Aの引張割線弾性率(ヤング率ともいう)は0.5MPa〜2MPa、第二紫外線硬化型樹脂層12Bの引張割線弾性率は5MPa〜1500MPa、着色層12Cの引張割線弾性率は500MPa〜1500MPaとされるのが好ましい。
このようなヤング率を発現させるために、下記オリゴマーの分子量、架橋密度、水素結合濃度等を調整する。第一紫外線硬化型樹脂層12Aの樹脂の製造においては、オリゴマーとしてポリエーテルジオールとイソホロンジイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレートとを反応させて得られるウレタンアクリレート、重合性不飽和モノマーとしてN−ビニルカプロラクタム,イソボニルアクリレート,ノナンジオールアクリレート,ノニルフェノールアクリレート、光重合性開始剤としてルシリンTPO(BASF社製)、及び、その他の添加剤としてテトラキス{メチレン−3−(3−5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロシキフェニル)プロピオネート}メタン,γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランや2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアルコールを混合し、これに紫外線を照射して製造する形態が好ましい。
第二紫外線硬化型樹脂層12Bの樹脂の製造においては、ポリプロピレンオキシドグリコールとトルエンジイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレートとを反応させて得られるウレタンアクリレート、重合性不飽和モノマーとしてN−ビニルカプロラクタム,トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、光重合性開始剤としてルシリンTPO(BASF社製)及びイルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、並びに、その他の添加剤としてテトラキス{メチレン−3−(3−5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロシキフェニル)プロピオネート}メタンを混合し、これに紫外線を照射して製造する形態が好ましい。
さらに、着色層12Cも、通常、紫外線硬化型樹脂層の形態とされており、着色層12Cの樹脂の製造においては、ビスフェノールAと2ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとを反応させて得られるエポキシアクリレートおよび/またはポリプロピレンオキシドグリコールとトルエンジイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレートとを反応させて得られるウレタンアクリレート、重合性不飽和モノマーとしてビスフェノールAエチレンオキサイド変性アクリレート,トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート,シリコンアクリレート、光重合性開始剤としてベンゾフェノン,ベンゾインエーテル、及び、その他の添加剤としてテトラキス{メチレン−3−(3−5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロシキフェニル)プロピオネート}メタンを混合し、これに紫外線を照射して製造する形態が好ましい。
このように、第一紫外線硬化型樹脂層12Aを柔軟な層とし、第二紫外線硬化型樹脂層12Bを堅固な層とすることによって、光ファイバ心線13が受ける側圧(光ファイバ心線13の外周面から受ける外界からの圧力)に対して、第二紫外線硬化型樹脂層12Bで該圧力を吸収させ、また、該圧力が、第二紫外線硬化型樹脂層12Bで完全に吸収できない程に大きな力であっても第一紫外線硬化型樹脂層12Aで該圧力を緩衝させることにより、ガラスファイバ11が圧力を受けることによる光伝送損失を低減できる。
より好ましくは、第二紫外線硬化型樹脂層12Bの引張割線弾性率は、5MPa〜600MPaとなっている。前記引張割線弾性率が5MPa未満であると、外界からの圧力を吸収しにくく、ガラスファイバを損傷しやすくなる。一方、前記引張割線弾性率が600MPaを超えると、被覆除去具の刃が第二紫外線硬化型樹脂層12Bに入りにくく、紫外線硬化型樹脂層12を外部被覆から分離しにくくなる。
光ファイバ心線13を構成する各層の好ましい寸法を以下に示す。
ガラスファイバ11の外径(Dg):125μm
第一紫外線硬化型樹脂層12Aまでの外径(Du1):200μm
第二紫外線硬化型樹脂層12Bまでの外径(Du2):245μm
着色層12Cまでの外径(Di):255μm
本発明の実施形態に係る被覆光ファイバ心線10においては、第一被覆層14までの直径(Dp)が0.3mm〜0.8mm、第二被覆層15までの直径(Ds)が0.85mm〜0.95mmとされた形態を好適に例示できる。
特に、Dpが0.3mm〜0.8mmであることによって、特に、機械特性(側圧特性)とハンドリング性(取り扱い性)とを良好にできる。
本発明の実施形態に係る被覆光ファイバ心線10は、以下のように、光ファイバ心線13の外部被覆16を構成する樹脂組成物を塗布することによって、好適に製造される。
すなわち、図2に示すように、供給リール31から光ファイバ心線13を繰り出し、張力制御装置32を通して押し出し機33に供給する。ここで、押し出し機33は、第一被覆層14を形成する樹脂組成物が収容された第一収容部33Aと、第二被覆層15を形成する樹脂組成物が収容された第二収容部33Bと、第一被覆層14を形成する樹脂組成物と第二被覆層15を形成する樹脂組成物をほぼ同時に押し出すことによって光ファイバ心線13の外周に外部被覆16を塗布できるクロスヘッド33Cとを備えている。第一被覆層14および第二被覆層15を形成する樹脂組成物は、溶融状態で光ファイバ心線13の外周に塗布されるのが好ましく、通常、押し出し機33は、所定位置に加熱器(図示せず)を備える。
次いで、押し出し機33から押し出されたものを冷却水槽34に導いて冷却して外部被覆16を硬化させて、被覆光ファイバ心線10とし、これを張力制御装置35を通して巻き取りリール36に巻き取られる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
[第一被覆層、第二被覆層を形成する樹脂組成物の製造]
第一被覆層、第二被覆層を形成する樹脂組成物は、樹脂100重量部に、窒素系難燃剤(日産化学製 MC6000:メラミンシアヌレート)および錫酸亜鉛を下記表1の割合で配合することにより調整する。尚、表1中、「マレイン化ポリプロピレン樹脂」は、1分子中の酸変性率=10重量%のものを使用した。
第一被覆層、第二被覆層を形成する樹脂組成物の製造は、二軸式混合機(スクリュー外径:45mmφ,L/D=32)を用い、吐出ストランドを切断してペレット化する方法により行う。
[被覆光ファイバ心線の作製]
光ファイバ心線は、石英ガラスを主成分とするガラスファイバ(外径125μm)の外周に紫外線硬化型樹脂層(ウレタンアクリレート樹脂層)を設けてなる光ファイバ心線(外径250μm)を使用する。紫外線硬化型樹脂層は、第一紫外線硬化型樹脂層と第二紫外線硬化型樹脂層と着色層とからなる三層構造であり、第一紫外線硬化型樹脂層までの外径は200μm、第二紫外線硬化型樹脂層までの外径は245μm、着色層までの外径は255μm、第一紫外線硬化型樹脂層のヤング率は1MPa(25℃)、第二紫外線硬化型樹脂層のヤング率は400MPa(25℃)、着色層のヤング率は1100MPa(25℃)である。この光ファイバ心線の外周に、第一被覆層と第二被覆層とからなる外部被覆を前記した方法に準じて設けることによって、実施例1〜4,比較例1〜4の被覆光ファイバ心線を作製する。ここで、第一被覆層と第二被覆層を被覆するための押し出し機としては、それぞれ、単軸式押し出し機(スクリュー外径:45mmφ,L/D=24)を使用し、各押し出し機が、クロスヘッド(前記クロスヘッド33Cに相当)に連結されている。
Figure 2010066382
被覆光ファイバ心線に対する評価は以下のようにして行う。
[押出成型性評価]
被覆ファイバ心線の外観を、目視と手触りにより判定した。押出成型性の基準は以下の通りである。
○: 被覆光ファイバ心線の長手方向に手触り・質感共に良好
×: 被覆光ファイバ心線の表面が鮫肌・ぶつぶつ感有・光沢低下、または製造工程で断芯が発生
[耐熱特性(熱変形への耐性)評価]
被覆光ファイバ心線(1km)束を、温度85℃の環境下に30日間放置し、外部被覆の扁平の有無を目視により判断した。被覆の扁平が無ければ○、被覆の扁平が有れば×として評価した。尚、扁平率(心線外被の非円率)が5%を超えると×と定めた。
[難燃性評価]
難燃性の基準:VW−1(UL1581)を満足する場合には○、それ以外は×として評価した。
[耐アルコール性評価]
被覆光ファイバ心線をφ15mmの巻付け棒に巻き付け、アルコールに数分間浸漬させた後、その心線を手で扱いた(強めに連続して数回程度同じ箇所を扱いた)。被覆光ファイバ心線の外部被覆状態を目視にて評価した。何も発生しない場合を○、亀裂破壊が生じる場合を×として、表1に示す。
[伝送特性(温度の変動によっても、光伝送特性を高次元で維持する特性)評価]
被覆光ファイバ心線に対して、−20℃(2時間以上保持)〜60℃(2時間以上保持)を繰り返すヒートサイクル曝露試験(30回)を実施し、その試験中、連続モニター(波長:1.55μm)にて伝送損失量(dB)を測定し、最大伝送損失量と最小伝送損失量との差分を「温度変化ロス(dB/km)]として表1に示す。Δα<0.1(dB/km)の場合は○、Δα≧0.1(dB/km)の場合は×とした。尚、表1において括弧内の数値は損失増加度合い(単位:dB/km)を表す。
(実施例1〜4)
実施例の被覆光ファイバ心線は押出成形性、耐熱性(熱変形への耐性)、難燃性、耐アルコール性、耐温度伝送特性に優れる。
(比較例1)
比較例1は、ポリアミド系樹脂であるナイロン12の配合量が少ないために耐熱性が×であるとともに、ポリアミド系樹脂の配合量が少ないことに起因して難燃性も×となる結果である。
(比較例2、比較例3)
押出成型性評価において、比較例2ではポリアミド系樹脂であるナイロン12の配合量が多いために押出し時に心線断芯する製造上の問題が発生し×であり、比較例3では窒素系難燃剤の配合量が多いために押出し時にブツ(外被)が発生し×であった。
(比較例4)
難燃剤はフィラーとしても作用する。比較例4は難燃剤が少ないためやや熱収縮が大きく、ヒートサイクル後の伝送特性がやや悪くなる。尚、本実施例では窒素系難燃剤として、平均粒形状<0.5μmとなるメラミンシアヌレートを使用している。
本発明の実施形態に係る被覆光ファイバ心線の模式断面図である。 本発明の実施形態に係る被覆光ファイバ心線の製造を説明する図である。
符号の説明
10 被覆光ファイバ心線
11 ガラスファイバ
12 紫外線硬化型樹脂層
13 光ファイバ心線
14 第一被覆層
15 第二被覆層
16 外部被覆

Claims (3)

  1. 光ファイバ心線の外周面に、それぞれ熱可塑性樹脂からなる第一被覆層と第二被覆層とを前記光ファイバ心線から離れる方向で順に設けてなる被覆光ファイバ心線であって、
    前記第二被覆層は、ポリアミド系樹脂20〜40重量部および酸変性したポリプロピレン樹脂60〜80重量部からなるベース樹脂100重量部と、難燃剤70〜200重量部と、を含んで構成されており、
    前記第一被覆層は、ポリスチレン系エラストマーとエチレンプロピレンゴムとをベース樹脂とし、難燃剤を含んで構成されることを特徴とする被覆光ファイバ心線。
  2. 前記難燃剤が、難燃性無機物および窒素系難燃剤であることを特徴とする請求項1記載の被覆光ファイバ心線。
  3. 前記難燃性無機物が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、マイカおよび錫酸亜鉛から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項2記載の被覆光ファイバ心線。
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WO2014148609A1 (ja) * 2013-03-22 2014-09-25 三菱レイヨン株式会社 光ファイバケーブル及び移動媒体

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