JP2010065916A - 熱交換器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】アルミニウム製フィンと銅製の伝熱管からなる熱交換器において、伝熱管の内面溝を潰すことなく製造できる熱交換器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウムを主成分とする板状のフィンと、銅を主成分とするチューブとから構成される熱交換器であって、フィンは親水性及び半田濡れ性を備えた第1表面と、少なくとも親水性を備えた第2表面とを有し、チューブの外側表面と第1表面とは、Snを主成分とする接合材を介して接合される。
【選択図】図1

Description

本願発明は、熱交換器及び熱交換器の製造方法に関する。
エアコン等の空調機器や冷蔵・冷凍装置などに用いられる放熱部材として、内面溝を有する伝熱管の外側に複数のフィンを設けた熱交換器が使用されている。図9に、クロスフィン型の熱交換器を示す。伝熱管91の内部を相変化しながら流れる冷媒と、フィン92の間を流れる空気93とを間接的に熱交換するものである。
従来、伝熱管とフィンとの接合については、各種の方法が提案されている。例えば、図10は機械拡管方式による伝熱管とフィンとの接合を示す図である。伝熱管101には、内面溝102が形成され、伝熱管101の外側には、伝熱管101の外径よりも僅かに径の大きいフィンカラー部103を有する複数のフィン104を伝熱管101に設け、伝熱管101の中に拡管プラグ105を挿入し、伝熱管101を内部から拡管して、フィンカラー部103と伝熱管101の外側面106とを密着させる。(特許文献1、2参照)
機械拡管方式以外にも、伝熱管とフィンとを半田付けやろう付けにより接合する方式や、クラッド材を用いて接合する方式も検討されている。(特許文献3、4参照)
またフィンの表面には、通常、熱交換器の特性を維持するため、親水性処理が施されている。親水性を付与する方法としては、アクリル、ポリビニルアルコールなどの有機系樹脂系、または、無機系シリカを含有した樹脂、水ガラスなどがある。
特開平10−160374号公報 特開2006−90612号公報 特開2007−136490号公報 特開2007−185709号公報
しかし、機械拡管方式による伝熱管とフィンとの接合は、伝熱管の内面に形成された内面溝(リブ)が、拡管プラグにより押しつぶされ、変形する問題がある。内面溝の変形は、伝熱管の熱伝達効率の低下を引き起こす問題がある。機械拡管方式を用いても、内面溝が押しつぶされないよう、さまざまな検討が行われているが、伝熱管とフィンとの密着性が弱くなったり、接合の工程以外の工程が増えコスト増を引き起こす等の問題がある。
また機械拡管方式に対し、半田付けやろう付け、クラッド材による接合方法は、伝熱管やフィンの材質によっては、接合条件に大きな制約が加わる。
通常、アルミニウム材を半田により加熱接合する場合には、活性かつ腐食性の強いフラックス処理が必要となる。さらに、アルミニウム材の融点より十分低い温度、例えば300℃以下の接合は困難であり、また大気雰囲気炉での接合も極めて困難となる。
特許文献3には、アルミ材に半田濡れ性を向上させる表面処理することで、低温下におけるアルミフィンとアルミ伝熱管との接合を行うことが記載されている。しかし、表面処理を施したアルミ材であっても半田接合性は容易ではなく、例えばフィンと伝熱管との接合部に半田ペーストを精確に塗布する必要がある。そのため、熱交換器の製造コスト増加が避けられない問題となっていた。
本発明の目的は、上記課題を解決し、内面溝の変形を防ぐと共に、伝熱管とフィンとの良好な接合を備える熱交換器、及び熱交換器の製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明の熱交換器は、アルミニウムを主成分とする板状のフィンと、銅を主成分とするチューブとから構成される熱交換器であって、上記フィンは親水性及び半田濡れ性を備えた第1表面と、少なくとも親水性を備えた第2表面とを有し、上記チューブの外側表面と上記第1表面とは、Snを主成分とする接合材を介して接合されることを特徴とする。
また、本発明の熱交換器の製造方法は、アルミニウムを主成分とする板状のフィンと、銅を主成分とするチューブとを接合して構成される熱交換器の製造方法であって、上記熱交換器を仮組みする第1工程は、上記チューブの外側表面と接合される上記フィンの第1表面に半田濡れ性を付与する工程と、上記フィンの第1表面及び/又は第2表面に親水性を付与する工程と、上記チューブの外側表面に、上記フィンの第1表面を対向させて設ける工程と、上記チューブの外側表面及び/又は上記フィンの第1表面上にSnを主成分とする接合材を設ける工程とを含み、上記第1工程により仮組みされた熱交換器を構成する上記フィンと上記チューブを接合する第2工程は、上記仮組みされた熱交換器を所定の温度で加熱処理する工程を含むことを特徴とするものである。
本発明に拠れば、伝熱管の内面溝をつぶすことなく、伝熱管とフィンとの良好な接合を実現すると共に、コスト低減を可能とするものである
図1(a)は、本発明の熱交換器であって、第1の実施形態である加熱処理前の仮組み断面図を示す。
本実施の形態では、アルミ製のフィン(以下、Alフィン)と伝熱管である銅製のチューブ(以下、Cuチューブ)を用いてクロス型の熱交換器を構成した。
図1のAlフィン2は、Cuチューブ3と接合される側の面(フィンの第1表面)4aに、表面処理により半田濡れ性が付与されている。Cuチューブ3の外側表面には、Alフィン2とCuチューブ3との半田接合のための、Snを主成分とする接合材10が設けられる。接合材10は、例えば、Cuチューブ3の表面に接合層となる純Snを電気メッキにより所定の厚さに形成して設けられる。
図1のとおり、Alフィン2は、Cuチューブ3に接合される接合部7と、接合部7に対してフィン付け根部8において略90度の傾きが設けられた放熱部6とから形成される。
このように本実施の形態では、内面溝5を有するCuチューブ3に、Alフィン2の接合部7を、表面処理された第1表面4aがCuチューブ3に対向するように設けられることで、図9と同様のクロスフィン型の熱交換器1aを仮組みしている。Alフィンは、表面処理されたAl板材に、金型を用いたプレス成型、例えば、深絞り成型、伸びフランジ成型、張り出し成型、又はこれらの組合せ、により、Cuチューブが挿入される貫通穴が設けられて形成される。
本実施形態においては、Cuチューブ3に設けられる接合材10は、接合部7と対向する部分のみに設ける構成としてもよい。
図1(b)は、本発明の熱交換器であって、加熱処理後の熱交換器の断面図を示す。
仮組みした熱交換器1aを、所定の温度を有する炉中に設けて加熱処理すると、Cuチューブ3に形成された接合材10のSn成分と、Alフィン1のAl成分との間に半田接合の反応が起こり、図1(b)に示す、半田接合層15によりAlフィン2とCuチューブ3とが金属接合した熱交換器1bを得ることができる。
図2は、第2の実施形態の熱交換器の加熱処理前を示す断面図である。
本実施の形態の熱交換器20では、Alフィン2の第1表面4aにSnを主成分とする接合材12を形成している点で、第1の実施の形態と異なるものである。図2では、接合材12は、Alフィン2の第1表面4a前面に設けられているが、少なくとも接合部7とCuチューブ3との間に介在するように設けられればよい。
図3は、第3の実施形態の熱交換器の加熱処理前を示す断面図である。
本実施の形態の熱交換器30では、Cuチューブ3の外側表面に接合材10を設け、さらにAlフィン2の第1表面4a上に接合材12を設ける点で、第1又は第2の実施例と異なるものである。
図4は、第4の実施形態の熱交換器の加熱処理前を示す断面図である。
本実施の形態の熱交換器40では、第1の実施形態のようにCuチューブ3の外側表面に電気メッキにより接合層を形成する代わりに、Cuチューブ3の外側表面に、Snを主成分とする接合材をテープ状に形成した接合テープ11が設けられる。
図4に示すとおり、Cuチューブ3に設けられた接合テープ11は、Alフィン2とCuチューブ3との間に介在させるよう形成される。また接合テープ11は、ヤニ入り・ヤニ無しのどちらでもよく、適宜、所定の厚さ、幅のものが選定される。一例として、テープサイズとして、テープ厚さ10μm、テープ幅5mmのものが使用され、Cuチューブ3にテープ巻きにより巻きまわして設けられる。
接合テープ11をCuチューブ3に設ける際に、ある周回の接合テープ11とその次の周回の接合テープ11とは、図4のように重なっていてもよく、テープ幅や、フィンピッチ等によっては、接合テープ11間に隙間があってもよい。
図5、図6は、それぞれ第5の実施形態、第6の実施形態の熱交換器50、60の加熱処理前を示す断面図である。第5、第6の実施形態では、加熱処理前の仮組みの際に、Alフィン2とCuチューブ3との間に、接合材を介在させない点で、これまでの実施形態と異なる。
まず、第5の実施形態では、Cuチューブ3の外径と略同じ内径又はわずかに内径の大きいリング状の接合材13を準備し、Cuチューブ3の所定の位置に接合材13を嵌めて、熱交換器50の仮組みを行った。
図5では、接合材13は各Alフィン2の間に設けられ、付け根部8に近接する位置に設けられている。これは、付け根部8に近接して設けることで、仮組みした熱交換器50を加熱処理して接合材13を溶融させた際に、溶融した接合材13がAlフィン2とCuチューブ3との間に、毛細管力により入り込む構造が好ましいからである。
第6の実施形態では、リング状の接合材13に代わり、ワッシャ型の接合材14を用いた点で、第5の実施形態と異なる。本実施の形態では、Cuチューブ3の外径よりもわずかに内径の大きいSnメッキ付ワッシャ型の接合材14を準備した。例えば、真鍮を主成分とするワッシャに厚さ10μmのSnメッキを施すことで、接合材14が形成される。
接合材14を、第5の実施形態と同様に、Cuチューブ3の所定の位置に嵌めて、熱交換器60の仮組みを行った。
図7は、第6の実施形態の変形例を示す。第6の実施形態の接合材14(Snメッキ付ワッシャ)に加えて、Cuチューブ3に接合材10を設ける点で、第6の実施形態と異なる。接合材10を設けることで、接合材14だけの場合と比較し、接合不良の低減を図ることができる。
以上の実施形態では、第1表面にのみ表面処理を施したAlフィンを用いて説明したが、第2表面にも表面処理を施してもよい。また、表面処理の方法としては、メッキによるものだけでなく、蒸着やスパッタにより行うことができる。通常、金属を最表面にこれらの表面処理により形成すると、その表面状態は親水性となる。また、スパッタによる表面処理では、半田濡れ性を向上させる表面処理だけでなく、親水性の付与も同時に制御する上で好ましい方法であり、工程削減・コスト低減が期待できる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明する。表1は、各実施形態に基づく実施例をまとめ、後述する評価方法により各実施例におけるAlフィンとCuチューブとの接合結果を評価したものである。
Figure 2010065916
以下の実施例では、基本構造として、Alフィン用板材として、厚さ0.1mmのものを用意した。このAlフィン用板材の一方の面及び他方の面には、Niメッキ処理が施されている。Niメッキ処理としては、アルミ板材を酸洗し、Zn置換メッキを下地層として形成し、さらにNiメッキを所定の厚さに形成するものである。本発明の実施例では、Niメッキを1μmとした。この場合、金属の最表面には圧延とは別途の製法により形成された金属層を有するため、アルミの表面状態は撥水でなく親水性となる。また、Ni層が形成されている半田濡れ性及び親水性の付与されたAlフィン用板材が用意できる。
通常の仕上げの圧延加工の施された無垢の金属板材の厚さ数10ナノメートルの最表面層は、非晶質層(アモルフォスなど)を層となっており、このような表面層は金属表面を親水性でなく撥水性の表面状態となる。しかし、金属の再表面に圧延とは別途手法である、めっきなどにより金属層を形成すればその表面は、通常、親水性とすることができる。
また、Cuチューブは、内面に溝リブを有するエアコン用の銅製伝熱管である。外径はφ9.52のものを使用した。
上記Alフィン用板材から形成されるAlフィン(サイズ:50mm×50mm)を10枚、Cuチューブ(長さ:100mm)を用いて、各実施形態に基づく熱交換器(実施例1〜47)を作製した。Alフィンは、予め半田濡れ性と親水性のための表面処理を施したAl板材に、金型工具を用いたプレス成型、すなわち、貫通孔を開け、及び、曲げと折り曲げ変形による伸びフランジ成型により、Alフィン用板材にCuチューブ挿通用の穴を形成することで、接合部と放熱部とが形成される。
図8に各実施例における熱交換器の評価方法を説明するための概要図を示す。熱交換器の仮組みにおいては、各フィンのピッチは5.5mm、Cuチューブ3の一端側(図中X側)から、第1番目のフィンまでの距離を25mmとなるように仮組みした。このときの一端側のフィンと他端側のフィンの距離は略50mmである。
また、以下の実施例では、加熱処理のために、組み立て後にフラックス処理を施している。具体的には、千住金属のフラックス、型式ESR−250を用いた。このフラックスはRMA(弱活性)仕様であり、塩素含有濃度0.015%相当の、腐食性、活性ともに弱いタイプのものである。
加熱処理の条件を、最大温度を180℃〜300℃とし、最大温度までを5分で上昇させ、最大温度を1分保持するような温度プロファイルに設定した炉中加熱により、Alフィン2とCuチューブ3との接合を実施した。加熱処理を実施した炉は、両端が開放された連続炉である。炉中雰囲気は窒素を主成分とする雰囲気下に設定するが、炉の構造上、試料の加熱部は、大気成分よりもやや低い濃度の酸素を含む環境になっているものと考える。
実施例1−16は、第1の実施形態に基づく熱交換器である。
実施例1−5では、接合材10として純Snを用いた。具体的には、Cuチューブ3の表面に、純Snを電気メッキにより形成した。厚さは、1μm、3μm、10μm、30μm、60μmの5種類を準備した。各実施例による熱交換器1を仮組みし、フラックス処理後、最大温度250℃の炉中加熱処理を行い、Alフィン2とCuチューブ3とを接合した。
第1の実施形態に基づく各実施例では、Cuチューブに形成されたSn成分とAlフィンのアルミニウム成分との間に半田接合の反応が起こり、図1bに示すようなSn半田接合層15が形成され、AlフィンとCuチューブとが金属接合した構造の熱交換器が形成される。
実施例6−10では、接合材10としてSn−0.3wt%Agを用いた。具体的には、Cuチューブ3の表面に、Sn−0.3wt%Agを電気メッキにより形成し、実施例1−5と同様に5種類のメッキ厚のものを準備した。各実施例による熱交換器1を仮組みし、フラックス処理の後、最大温度250℃の炉中加熱処理を行い、Alフィン2とCuチューブ3とを接合した。
実施例11−16では、接合材として純Sn、Sn−0.7wt%Cuを用いた。具体的には、Cuチューブ3の表面に、純Sn、Sn−0.7wt%CuのSn合金を溶融法、浸漬メッキにより形成し、実施例1−10と同様に5種類のメッキ厚のものを準備し、仮組み、フラックス処理の後、最大温度250℃の炉中加熱処理を行い、Alフィン2とCuチューブ3とを接合した。
実施例17−26は、第2の実施形態に基づく熱交換器である。
上記表面処理をしたAlフィン用板材の表面には、Snを主成分とする接合材を形成することができる。実施例17−21では、Alフィンの表面処理された第1表面に、電気メッキにより純Snからなる接合層を形成した。また、実施例22−26では、同様にSn−0.3wt%Agからなる接合層を形成した。メッキ厚さは、それぞれ1μm、3μm、10μm、30μm、60μmの5種類をそれぞれ用意した。
これまでの実施例と同様に、熱交換器を仮組みし、フラックス処理の後、最大温度250℃の炉中加熱処理を行い、AlフィンとCuチューブとを接合した。
第2の実施形態に基づく各実施例では、Alフィン上に形成されるSn成分と、Alフィンのアルミニウム成分、Cuチューブの銅成分の3元素間にて半田接合の反応(3元共晶合金)が起こり、AlフィンとCuチューブが金属接合した構造の熱交換器が形成される。
実施例27−42は、第3の実施形態に基づく熱交換器である。
実施例1−16で作製したSnを主成分とする接合材を被覆したCuチューブ、及び実施例17−26で作製したSnを主成分とする接合材がメッキされたAlフィンを用い、図3に示す構造に仮組みした。その後、最大温度250℃の炉中加熱処理により、AlフィンとCuチューブとを接合した。
第3の実施形態に基づく各実施例では、Alフィン上に形成された接合材及びCuチューブ表面に形成された接合材のSn成分と、Alフィンのアルミニウム成分、Cuチューブの銅成分の3元素間において半田接合の反応(3元共晶合金)が起こり、AlフィンとCuチューブが金属接合した構造の熱交換器が形成される。
実施例43−44は、第4の実施形態に基づく熱交換器である。
実施例43では、ヤニ無しの半田テープを用いた。具体的には、Snを主成分とする、Sn−0.7wt%Cu合金からなる厚さ20μmの半田テープを準備し、Cuチューブ3に巻きまわすことにより、接合材をCuチューブの外側表面に形成した。本実施例では、接合テープ11間に隙間が生じないようにテープ巻きを施した。本実施例においても、最大温度250℃の炉中加熱処理を行い、AlフィンとCuチューブとを接合した構造の熱交換器が形成される。
また、実施例44では、ヤニ入りの半田テープを用いた。具体的には、Snを主成分とする、Sn−0.7wt%Cu合金(ホーザン:HS−372)を用いて、厚さ40μmの半田テープを準備し、Cuチューブ3に巻きまわすことにより、接合材をCuチューブ3の外側表面に形成した。
半田のヤニ成分は、塩素含有量が0.1wt%以下であり、かつ弱活性である。本実施例の場合、半田内にフラックス成分を含むため、加熱処理前にフラックス処理は不要となる。熱交換器の仮組み後は、最大温度250℃の炉中加熱処理を行うことにより、AlフィンとCuチューブとを接合した熱交換器が形成される。
実施例45は、第5の実施形態に基づく熱交換器である。
接合材13として、Cuチューブの外径(φ9.52)より内径の大きい半田リングを準備した。半田リングの形状は、内径:φ10、外径:φ13、リング太さ:φ1.5である。半田リングを構成する半田材は、Sn−0.7wt%Cuのヤニ無しタイプを用いた。図5に示すように、接合材(半田リング)13をCuチューブ3の外側で、AlフィンとAlフィンとの間に挿入するよう(フィン付け根部8に位置するよう)熱交換器を仮組みし、その後、フラックス処理をし、同様に最大温度250℃の炉中加熱処理を行いAlフィンとCuチューブとを接合し、熱交換器を形成した。
炉中加熱処理により、接合材(半田リング)13が溶融し、毛細管力によりフィン付け根部8から、接合材がAlフィン2とCuチューブ3との間に入り込むことで、Alフィン2とCuチューブ3とは、熱交換器として十分な接合面積を得ることができる。
実施例46は、第6の実施形態に基づく熱交換器である。
接合材14として、Cuチューブの外径(φ9.52)より内径の大きい半田メッキのワッシャを準備した。半田メッキ前のワッシャの形状は、内径φ10mm、外径φ15、厚さ0.2mmであって、材質が真鍮のものを用いた。この真鍮のワッシャの両面に、接合材の厚さが10μmの厚さとなるよう、Snを全面にメッキすることで、接合材(半田メッキワッシャ)14を形成した。図6に示すように、接合材(半田メッキワッシャ)14をCuチューブ2の外側で、AlフィンとAlフィンとの間に挿入するよう(Alフィン2の第1表面の放熱部近傍に位置するよう)熱交換器を仮組みし、その後、フラックス処理をし、同様に最大温度250℃の炉中加熱処理により、AlフィンとCuチューブとを接合し、熱交換器を形成した。
炉中加熱処理の際に、接合材(半田メッキワッシャ)14は溶融し、毛細管力によりフィン付け根部8から、Alフィン2とCuチューブ3との間に入り込むことで、Alフィン2とCuチューブ3とは、熱交換器として十分な接合面積を得ることができる。
実施例47は、第6の実施形態の変形例に基づく熱交換器である。
本実施例では、実施例7で作製した厚さ3μmのSnメッキを施したCuチューブ及び実施例46で準備した半田メッキのワッシャを用いた。図7に示すように、接合材14をSnメッキが施されたCuチューブ3の外側に、Alフィン2とAlフィン2との間に挿入されるよう熱交換器を仮組みする。その後、フラックス処理をし、同様に最大温度250℃の炉中加熱処理により、AlフィンとCuチューブとを接合し、熱交換器を形成した。
加熱接合後の熱交換器におけるAlフィンとCuチューブの接合の評価方法を、図8を用いて説明する。
図8に示すように、Cuチューブの一端側Xと、所定のAlフィンの端部Yとの間の電気抵抗値を測定し、仮組みした際の電気抵抗値と熱処理後の電気抵抗値とを比較することで、AlフィンとCuチューブ3との接合を評価した。本発明における実施例では、一端側のAlフィンから6枚目のAlフィンを評価点に用いているが、他のAlフィンとしても同様の比較はできることは言うまでもない。
各実施例の評価結果を検討すると、以下のことが言えると考える。
まず、第1の実施形態あるいは第2の実施形態(図1あるいは図2に示す構造)では、接合材10の厚さが10μm以上の場合に、加熱処理後の電気抵抗値が低減しており、良好な接合が得られていると考えられる。
第3の実施形態のように、Alフィン2とCuチューブ3の両方に接合材を設けた構造では、それぞれの接合層の厚さが3μm以上であれば、加熱処理後の電気抵抗値が低減しており、良好な接合が得られていると考えられる。
また、第4〜第6の実施形態に基づき作製された実施例43〜47では、いずれも加熱後は電気抵抗値が低減しており、良好な接合が得られていると考えられる。
各実施形態において、接合材の厚さが小さい(接合材の量が少ない)実施例では、加熱処理後の電気抵抗値が微増する結果になった。本発明者らは、実施例1、6、17、22、27、32の接合状態と、これら実施例の熱交換器の熱交換性能について確認をしたところ、実用に耐えうる十分な接合性、熱交換性能を有しているものであった。
電気抵抗値にほとんど変化のなかった実施例2、7、18、23については、接合性、熱交換性能の確認を省略したが、電気抵抗値が微増であった実施例で問題がなかったため、同様に熱交換器としての特性に問題がないものと考えられる。
尚、上記実施例においては、半田濡れ性を付与したアルミ板材として、Niメッキしたアルミ板材を用いた例で説明したが、半田濡れ性を有する状態であれば、Niメッキでなくてもよい。また、フィン厚さについても特に限定されるものではない。さらに、半田濡れ性を付与する表面処理を両面に施してもよい。特に、スパッタによる表面処理では、Alフィン又はAlフィン用板材に半田濡れ性と、親水性を同時に付与することができるので、工程削減・コスト低減が可能となる。
また、本発明構造が完成した後の工程にて、親水性付与をさらに強固にするために、追加として、従来手法である塗料系の材料をアルミフィンに塗布してもよい。
(a)第1の実施形態における加熱処理前の熱交換器の断面図である。(b)第1の実施形態における加熱処理後の熱交換器の断面図である。 第2の実施形態における加熱処理前の熱交換器の断面図である。 第3の実施形態における加熱処理前の熱交換器の断面図である。 第4の実施形態における加熱処理前の熱交換器の断面図である。 第5の実施形態における加熱処理前の熱交換器の断面図である。 第6の実施形態における加熱処理前の熱交換器の断面図である。 第6の実施形態の変形例における加熱処理前の熱交換器の断面図である。 各実施例における熱交換器の評価方法を説明するための概要図である。 熱交換器(クロスフィン型)の基本構造を示す図である。 従来の熱交換器におけるフィンと伝熱管との接合方法を示す図である。
符号の説明
1a 加熱処理前の第1の実施形態の熱交換器
1b 加熱処理後の第2の実施形態の熱交換器
2 Alフィン
3 Cuチューブ
4a フィンの第1表面
4b フィンの第2表面
5 内面溝
6 放熱部
7 接合部
8 フィン付け根部
10 接合材

Claims (8)

  1. アルミニウムを主成分とする板状のフィンと、銅を主成分とするチューブとから構成される熱交換器において、
    上記フィンは親水性及び半田濡れ性を備えた第1表面と、親水性を備えた第2表面とを有し、
    上記チューブの外側表面と上記第1表面とは、Snを主成分とする接合材を介して接合されることを特徴とする熱交換器。
  2. アルミニウムを主成分とする板状のフィンと、銅を主成分とするチューブとを接合して構成される熱交換器の製造方法において、
    上記熱交換器を仮組みする第1工程は、
    上記チューブの外側表面と接合される上記フィンの第1表面に半田濡れ性を付与する工程と、
    上記フィンの第1表面及び/又は第2表面に親水性を付与する工程と、
    上記チューブの外側表面に、上記フィンの第1表面を対向させて設ける工程と、
    上記チューブの外側表面及び/又は上記フィンの第1表面上にSnを主成分とする接合材を設ける工程とを含み、
    上記第1工程により仮組みされた熱交換器を構成する上記フィンと上記チューブを接合する第2工程は、
    上記仮組みされた熱交換器を所定の温度で加熱処理する工程を含む、
    ことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  3. アルミニウムを主成分とする板状のフィンと、銅を主成分とするチューブとを接合して構成される熱交換器の製造方法において、
    上記熱交換器を仮組みする第1工程は、
    上記チューブの外側表面と接合する上記フィンの第1表面に半田濡れ性を付与する工程と、
    上記フィンの第1表面及び/又は第2表面に親水性を付与する工程と、
    上記チューブの外側表面に、上記フィンの第1表面を対向させて設ける工程と、
    上記チューブの外側にSnを主成分とする環状の接合材を設ける工程とを含み、
    上記第1工程により仮組みされた熱交換器を構成する上記フィンと上記チューブを接合する第2工程は、
    上記仮組みされた熱交換器を所定の温度で加熱処理する工程を含む、
    ことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  4. 請求項2に記載の熱交換器の製造方法において、上記接合材はフラックス成分又はヤニ成分を含有したテープ半田である熱交換器の製造方法。
  5. 請求項2に記載の熱交換器の製造方法において、上記接合材は半田濡れ性が付与された上記第1表面上に表面コートされて設けられる熱交換器の製造方法。
  6. 請求項2又は請求項5に記載の熱交換器の製造方法において、上記接合材は上記チューブの外側表面に表面コートされて設けられる熱交換器の製造方法。
  7. 請求項3に記載の熱交換器の製造方法において、上記フィンは上記チューブの外側に複数形成されるものであって、上記環状の接合材は上記チューブに嵌められ、上記複数のフィンの間に設けられる熱交換器の製造方法。
  8. 請求項2〜7に記載の熱交換器の製造方法において、上記加熱処理は上記仮組みした熱交換器を180℃から300℃の温度に加熱する熱交換器の製造方法。
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