JP2010065017A - 配管洗浄殺菌剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水系設備に隠れて生物膜・スライム等有機物に保護され殺菌剤から逃れ復活増殖を繰り返すレジオネラ属菌・細菌の生態系を崩し好ましい衛生環境を賦与する洗浄殺菌剤組成物を提供する事。
【解決手段】 上記課題を解決する洗浄殺菌剤組成物はポリオキシエチレンアルキルエーテルとアルキルアミンオキサイドとの化合物と第4級アンモニュウム塩と2−フェノキシエタノールを必須成分とする日常的に簡便な方法で使用できる洗浄殺菌剤。
【解決手段】 上記課題を解決する洗浄殺菌剤組成物はポリオキシエチレンアルキルエーテルとアルキルアミンオキサイドとの化合物と第4級アンモニュウム塩と2−フェノキシエタノールを必須成分とする日常的に簡便な方法で使用できる洗浄殺菌剤。
Description
本発明は洗浄力・防汚性に優れ、殺菌剤の良好な効力の持続性を高めその結果、冷却塔・温泉施設の配管設備、厨房設備のグリストラップに生ずる生物膜、スライムを除去・抑制に賦与する洗浄殺菌剤に関するものである。
従来より温泉設備の配管設備は、高濃度による塩素・過酸化水素による殺菌洗浄、近年は第4級アンモニュウム化合物を殺菌剤としてスケール防止剤、分散剤などの薬剤を配合したものが知られている。(例えば特許文献1,2)
特開平10−24426 特開平11−156366
これら殺菌剤組成物を用いた配管設備の洗浄では、配管に使用されている継ぎ手及びパッキン・ガスケット類、特にゴム製品に付着した細菌、レジオネラ属菌などは排除することはできない。グリストラップの継ぎ手には多くの細菌が残留し、厨房では栄養分が供給されるため、復活しバイオフィルムを生成してつまりを生じる。
本発明者は、上記問題に着目し、ゴムパッキン配管の継ぎ手に付着した細菌類、バイオフィルムを効果的に排除できる洗浄剤について鋭意研究・実験を重ねた結果、殺菌剤組成物にアルカリ洗浄剤を配合することにより、効果的にバイオフィルムを剥離し、好ましい洗浄効果を賦与できることを見出し、本発明を成すに至った。
即ち本発明は、アルキルアミンオキサイド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの化合物と一種または二種以上の第4級塩と2−フェノキシエタノール、水酸化物を配合することを特徴とする洗浄殺菌剤を提供するものである。
本発明洗浄殺菌剤は、バイオフィルム・スライムが固着してその中で増殖を続ける有害微生物を宿主ともに配管設備・グリストラップから効果的に剥離殺菌除去し好ましい衛生環境を賦与する。
以下本発明の構成について詳述する。本発明に於いて用いられる洗浄剤はポリオキシエチレンアルキルエーテルとアルキルアミンオキサイドで第4級アンモニュウム塩はアルカリに対して安定であるアルキルジメチルベンジルアンモニュウム塩、アルキルジメチルエチルアンモニュウム塩を単独あるいは混合して2−フェノキシエタノールとの殺菌剤組成物に水酸化ナトリウム又はカリウムを添加して用いる。
本発明洗浄殺菌剤には洗浄剤成分は全量の5〜90重量%で殺菌剤は90〜5重量%、水酸化物は0.5〜5重量%使用される。
本発明において用いられる洗浄剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルアミンオキザイドは洗浄力及び殺菌助剤として必須成分である。第4級塩は公知の殺菌剤で2−フェノキシエタノールは細菌・藻類の細胞壁に対する作用の機作の他、本発明において使用する洗浄剤とで加水分解され脂肪分とともに配管系統に付着したフミンとバイオフィルムを加速度的に分解し、微生物を除菌する。水酸化ナトリウム(カリウム)は、洗浄剤・殺菌剤組成物により不純物化したタンパク・脂肪分の配管・排水設備に再付着を防止するための必須成分である。
以下本発明を更に詳細に説明する。
有機物による一般的な汚れを配管設備より洗浄し、スライム化したバイオフィルムを剥離させるには洗浄力に優れ生分解性のよい非イオン系である界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いるが、単独では、アルカリ成分により本発明に用いる殺菌剤組成物を分離して組成不可となるため、アルキルアミンオキサイドを洗浄剤成分中に15〜30重量%を配合する。15重量%以下では分離を防止できない。また、30重量%を超えると洗浄力が低下する。
本発明において必須成分として用いる第4級塩は殺菌成分に洗浄力があり、アルカリに安定であるものが好ましく、アルキルジメチルアンモニュウム塩・アルキルベンジルアンモニュウム塩・アルキルトリメチルアンモニュウム塩等である。本発明の殺菌成分中の第4級塩は50〜90重量%で、好ましくは70〜80重量%で50%未満では実施濃度に於いて殺菌力が低下する。
本発明において、必須の殺菌成分として用いられる2−フェノキシエタノールは前記第4級塩とで成す殺菌剤成分中の配合は10〜50重量%で、好ましくは20〜30重量%で10重量%未満では第4級塩による殺菌作用の増大率が低下する。
本発明の洗浄殺菌剤組成物を調整を調整するにはまず洗浄剤成分を混合攪拌して洗浄成分を得、次いで得られた殺菌成分を前記含有割合となるように混合攪拌し、最後に水酸化ナトリウム(カリウム)を混合溶解する。
次に本発明を実施例を以て詳細に説明する。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
<洗浄殺菌効果評価法>
温泉設備は要点2又は3ヶ所、すなわち浴槽水・濾過器内濾材・配管継ぎ手のゴムパッキンの洗浄前・洗浄後のレジオネラの菌数を以て評価し、試験法は浴槽水は500mlで濾過濃縮法とし、濾材は下部の砂利を50g取り出して500mlの生理食塩水中で充分攪拌して100mlをレジオネラ症防止指針に基づきフィルター貼付法により試験をする。ゴムパッキンはSwabbing up method(SW法)による測定とした。
ついで厨房の排水配管は、SW法に基づいて一般細菌用培地による雑菌の測定とした。
温泉設備は要点2又は3ヶ所、すなわち浴槽水・濾過器内濾材・配管継ぎ手のゴムパッキンの洗浄前・洗浄後のレジオネラの菌数を以て評価し、試験法は浴槽水は500mlで濾過濃縮法とし、濾材は下部の砂利を50g取り出して500mlの生理食塩水中で充分攪拌して100mlをレジオネラ症防止指針に基づきフィルター貼付法により試験をする。ゴムパッキンはSwabbing up method(SW法)による測定とした。
ついで厨房の排水配管は、SW法に基づいて一般細菌用培地による雑菌の測定とした。
<実施例1>
次の配合組成より成る洗浄殺菌剤を常法により調整した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 28、アルキルアミンオキサイド 7、アルキルジメチルベンジルアンモニュウム塩 45、2−フェノキシエタノール 15水酸化ナトリウム 5
次の配合組成より成る洗浄殺菌剤を常法により調整した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 28、アルキルアミンオキサイド 7、アルキルジメチルベンジルアンモニュウム塩 45、2−フェノキシエタノール 15水酸化ナトリウム 5
浴槽水の検査により3.2×103CFU/100mlレジオネラ属菌が検出された水素イオンpH7.6の鉱泉井戸を源泉とする民宿設備で循環濾過器の糸巻き式濾材に使用されているゴムパッキン(ワッシャ)4枚のうち2枚をSW法で検査したところ0.1mlのリン酸緩衝食塩水から7個のレジオネラが検出され、前記調整した洗浄剤組成物を浴槽水1,000Lの中に300mlを入れ2時間37〜40℃で循環洗浄を行ったところ、結果、褐色に変化した浴槽水が大量にスライムと共に界面に結集した。次いですすぎを2回行い、新湯を入れ定法により検査したところ、浴槽水 10CFU未満/100ml、パッキン4枚 0/個となり、洗浄殺菌効果を示した。
<比較例1>
浴槽水の検査により5×102CFU/100mlのレジオネラが検出された10tの浴槽施設は常時残留塩素は0.5mg/Lを2時間置きに比色法で確認していた。さらに週1回の換水時には、塩化ベンゼルコニウムを100ppm、年1回の洗浄は過酸化水素による洗浄を行っていた。次亜塩素酸ナトリウムを自動注入していたにもかかわらず7日目毎の検査では大腸菌群は検出されないが、レジオネラは途絶えることなく50〜100CFUの単位で検出されていた。
浴槽水の検査により5×102CFU/100mlのレジオネラが検出された10tの浴槽施設は常時残留塩素は0.5mg/Lを2時間置きに比色法で確認していた。さらに週1回の換水時には、塩化ベンゼルコニウムを100ppm、年1回の洗浄は過酸化水素による洗浄を行っていた。次亜塩素酸ナトリウムを自動注入していたにもかかわらず7日目毎の検査では大腸菌群は検出されないが、レジオネラは途絶えることなく50〜100CFUの単位で検出されていた。
<実施例2>
前記浴槽の配管継ぎ手2ヶ所及び濾過器側継ぎ手2ヶ所のパッキンの内、配管継ぎ手1ヶのパッキンを検査したところ90以上の菌が継ぎ手及びパッキン部より確認した。
実施例1で製造した洗浄殺菌剤を浴槽水10tに対して配管等の体積を勘案して600ml/t、合計6Lを集毛器に入れ2時間常温で循環洗浄を行い、逆洗して排出、全量を入れ替えすすぎを行ったが、汚れは目立つほどは出なかった。配管継ぎ手の別のパッキンを検査したが、レジオネラは検出されなかった。
週1回の換水時の検査では未検出となり、その後塩化ベンザルコニウムは50ppmに調整して3回連続して毎週換水時に検査したが未検出となった。
前記浴槽の配管継ぎ手2ヶ所及び濾過器側継ぎ手2ヶ所のパッキンの内、配管継ぎ手1ヶのパッキンを検査したところ90以上の菌が継ぎ手及びパッキン部より確認した。
実施例1で製造した洗浄殺菌剤を浴槽水10tに対して配管等の体積を勘案して600ml/t、合計6Lを集毛器に入れ2時間常温で循環洗浄を行い、逆洗して排出、全量を入れ替えすすぎを行ったが、汚れは目立つほどは出なかった。配管継ぎ手の別のパッキンを検査したが、レジオネラは検出されなかった。
週1回の換水時の検査では未検出となり、その後塩化ベンザルコニウムは50ppmに調整して3回連続して毎週換水時に検査したが未検出となった。
<比較例2>
源泉貯湯槽(2t)より浴槽に至る配管は継ぎ手にはゴムパッキンは使用せず300mあった。浴槽水より300CFU/100mlのレジオネラが検出され貯湯槽を検査したが陰性であったが貯湯槽に2Lの次亜塩素酸ナトリウム(12%)すなわち120ppmを入れ、浴槽水に送る配管洗浄を2回行ったが、2週間後に浴槽水吐出口で50CFU/100mlに復活した。
源泉貯湯槽(2t)より浴槽に至る配管は継ぎ手にはゴムパッキンは使用せず300mあった。浴槽水より300CFU/100mlのレジオネラが検出され貯湯槽を検査したが陰性であったが貯湯槽に2Lの次亜塩素酸ナトリウム(12%)すなわち120ppmを入れ、浴槽水に送る配管洗浄を2回行ったが、2週間後に浴槽水吐出口で50CFU/100mlに復活した。
<実施例3>
次の配合組成より成る洗浄殺菌組成物を常法により調整した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 10、アルキルアミンオキサイド 2、アルキルジメチルベンジルアンモニュウム 40、2−フェノキシエタノール 10、残余 水。
次の配合組成より成る洗浄殺菌組成物を常法により調整した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 10、アルキルアミンオキサイド 2、アルキルジメチルベンジルアンモニュウム 40、2−フェノキシエタノール 10、残余 水。
比較例2の貯湯槽水2tに対して、実施例3で製造した組成物を1L入れて浴槽に2回送水して配管を洗浄した。2週間後浴槽水吐出口は陰性であった。
<比較例3>
日400食のラーメン店はグリストラップの洗浄を月1回、水酸化ナトリウム60%溶液(業務用劇物)を注入、さらに6ヶ月毎に分解清掃を繰り返していた。排水口10cm下の雑菌数は2×1012/SWで水酸化ナトリウム60%液で清掃直後の菌数は3.5×109/SW
日400食のラーメン店はグリストラップの洗浄を月1回、水酸化ナトリウム60%溶液(業務用劇物)を注入、さらに6ヶ月毎に分解清掃を繰り返していた。排水口10cm下の雑菌数は2×1012/SWで水酸化ナトリウム60%液で清掃直後の菌数は3.5×109/SW
<実施例4>
前記排水口に蓄圧式洗浄ポンプに実施例1の組成物1に対して水4の割合で1L入れ、圧力が漏れぬようゴムパッキンをスペーサーにして1L注入洗浄を行ったところ雑菌数は1.5×102/SWに減少した。
前記排水口に蓄圧式洗浄ポンプに実施例1の組成物1に対して水4の割合で1L入れ、圧力が漏れぬようゴムパッキンをスペーサーにして1L注入洗浄を行ったところ雑菌数は1.5×102/SWに減少した。
<実施例1〜3、比較例1〜2>
生物膜、有機物を発生し易い継ぎ手の多い設備は机上の試験では解決できない。実施例、比較例で原因除去に優れた効果を示した。
<実施例4〜5、比較例3>
実施例1の組成物を日常的に使用することで、表1のごとく劇物等を使用することなく好ましい環境に洗浄効果を賦与できることを示した。
生物膜、有機物を発生し易い継ぎ手の多い設備は机上の試験では解決できない。実施例、比較例で原因除去に優れた効果を示した。
<実施例4〜5、比較例3>
実施例1の組成物を日常的に使用することで、表1のごとく劇物等を使用することなく好ましい環境に洗浄効果を賦与できることを示した。
Claims (2)
- 水系設備に付着したバイオフィルム・スライム等有機物に保護され、共存関係にある、レジオネラ属菌等細菌類のライフシステムの原因を取り除く洗浄用界面活性剤を5重量%以上を、除菌を目的とした第4級アンモニュウム塩と2−フェノキシエタノールの化合物に配合することを特徴とした洗浄殺菌剤組成物。
- 排水用配管設備の有機物分解・除菌に請求項1に加え水酸化物を0.5〜5重量%配合することを特徴とする洗浄殺菌剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008262243A JP2010065017A (ja) | 2008-09-10 | 2008-09-10 | 配管洗浄殺菌剤組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008262243A JP2010065017A (ja) | 2008-09-10 | 2008-09-10 | 配管洗浄殺菌剤組成物 |
Publications (1)
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JP2008262243A Withdrawn JP2010065017A (ja) | 2008-09-10 | 2008-09-10 | 配管洗浄殺菌剤組成物 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012056874A (ja) * | 2010-09-08 | 2012-03-22 | Swing Corp | 冷却水系の処理方法及びそれに用いる処理剤セット |
WO2021005897A1 (ja) * | 2019-07-08 | 2021-01-14 | 星光Pmc株式会社 | バイオフィルム処理剤及びバイオフィルム処理方法 |
-
2008
- 2008-09-10 JP JP2008262243A patent/JP2010065017A/ja not_active Withdrawn
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JPWO2021005897A1 (ja) * | 2019-07-08 | 2021-10-28 | 星光Pmc株式会社 | バイオフィルム処理剤及びバイオフィルム処理方法 |
CN114025870A (zh) * | 2019-07-08 | 2022-02-08 | 星光Pmc株式会社 | 生物膜处理剂及生物膜处理方法 |
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CN114025870B (zh) * | 2019-07-08 | 2024-06-21 | 星光Pmc株式会社 | 生物膜处理剂及生物膜处理方法 |
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