JP2010063031A - 信頼性情報生成装置、信頼性情報生成方法および受信装置 - Google Patents

信頼性情報生成装置、信頼性情報生成方法および受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】誤り訂正に用いられる信頼性情報の精度を向上させること。
【解決手段】補間フィルタ選択部が、抽出されたパイロット信号の分散に基づいて複数の補間フィルタの中から1つの補間フィルタを選択し、スライス閾値選択部が、信頼性情報の算出に用いる算出条件を選択された補間フィルタに応じて選択し、信頼性情報生成部が、選択された補間フィルタからの出力および選択された算出条件を対比することで信頼性情報を生成する等化部を含むように受信装置を構成する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、直交周波数分割多重信号の軟判定に用いられる信頼性情報を生成する信頼性情報生成装置および信頼性情報生成方法、直交周波数分割多重信号の歪みを補正する等化処理において生成した信頼性情報に基づいて直交周波数分割多重信号の誤り訂正を行う受信装置に関し、特に、軟判定に用いられる信頼性情報の精度を向上させることができる信頼性情報生成装置、信頼性情報生成方法および受信装置に関する。
近年、車載用DTV(デジタルテレビジョン)受信機が普及してきている。DTV放送波は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)方式に準拠しており、DTV放送波から情報を復調する際には、いわゆる、OFDM復調を行う必要がある。
ところで、上記した車載用DTV受信機の場合、車両の速度や向き、車両周辺の環境に応じて受信環境が絶えず変化するので、このような移動環境においても放送波を安定して受信することが求められている。このため、受信信号の歪みを補正する等化回路(等化部)や、受信信号の誤り訂正を行う誤り訂正回路(誤り訂正部)が用いられる。
具体的には、等化部は、伝送路の伝達特性を推定し(伝送路推定)、推定した伝達特性に基づく受信信号の補正を行う。ここで、受信信号の補正においては、あらかじめ用意された複数の補間フィルタを受信状況に応じて切り替える手法が一般的に用いられている。
また、等化部で補正された受信信号は誤り訂正部へ出力され、この誤り訂正部で受信信号の誤りが訂正される。ここで、誤り訂正には、ビタビ復号(Viterbi decoding)と呼ばれる誤り訂正復号方式が広く用いられている。ビタビ軟判定復号を行う場合には、信頼性情報などのビタビ軟判定重み付け情報の精度が重要となる。これは、信頼性情報の精度が低いと、復号精度も悪化してしまうためである。
たとえば、従来では、等化部で推定された伝送路応答のゲイン(利得)を、静的なスライス閾値を用いて複数の区間に区切り、周波数ごとのゲインがどの区間に属するかで、信頼性情報が決定されており、決定された信頼性情報を用いてビタビ軟判定復号が行われていた。
なお、特許文献1には、ビタビ軟判定復号による復号データと、復号前データとを比較することで、上記した信頼性情報を補正する技術が開示されている。
特開2005−167699号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、ビタビ軟判定復号による復号結果をフィードバックする必要があるため、回路が複雑化するという問題がある。また、静的なスライス閾値を用いて信頼性情報を決定する手法では、精度が異なる補間フィルタが用いられた場合であっても、同一のスライス閾値が用いられることになり、信頼性情報自体の精度が低いという問題がある。このため、信頼性情報に基づく復号精度も低いものとなってしまっていた。
これらのことから、誤り訂正における軟判定で用いられる信頼性情報の精度を向上させ、これによって、誤り訂正精度を高めることができる受信装置あるいは信頼性情報生成装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、軟判定に用いられる信頼性情報の精度を向上させ、これによって、誤り訂正精度を高めることができる受信装置、高精度な信頼性情報を生成することができる信頼性情報生成装置、信頼性情報生成方法および受信装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、直交周波数分割多重信号の軟判定に用いられる信頼性情報を生成する信頼性情報生成装置であって、抽出されたパイロット信号の分散に基づいて複数の補間フィルタの中から1つの補間フィルタを選択する補間フィルタ選択手段と、前記信頼性情報の算出に用いる算出条件を前記補間フィルタ選択手段によって選択された前記補間フィルタに応じて選択する算出条件選択手段と、前記補間フィルタ選択手段によって選択された前記補間フィルタからの出力および前記算出条件選択手段によって選択された前記算出条件を対比することで前記信頼性情報を生成する信頼性情報生成手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、直交周波数分割多重信号の歪みを補正する等化処理において生成した信頼性情報に基づいて前記直交周波数分割多重信号の誤り訂正を行う受信装置であって、抽出されたパイロット信号の分散に基づいて複数の補間フィルタの中から1つの補間フィルタを選択する補間フィルタ選択手段と、前記信頼性情報の算出に用いる算出条件を前記補間フィルタ選択手段によって選択された前記補間フィルタに応じて選択する算出条件選択手段と、前記補間フィルタ選択手段によって選択された前記補間フィルタからの出力および前記算出条件選択手段によって選択された前記算出条件を対比することで前記信頼性情報を生成する信頼性情報生成手段と、前記信頼性情報生成手段によって生成された前記信頼性情報に基づいて前記誤り訂正を行う誤り訂正手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、直交周波数分割多重信号の軟判定に用いられる信頼性情報を生成する信頼性情報生成方法であって、抽出されたパイロット信号の分散に基づいて複数の補間フィルタの中から1つの補間フィルタを選択する補間フィルタ選択工程と、前記信頼性情報の算出に用いる算出条件を前記補間フィルタ選択工程によって選択された前記補間フィルタに応じて選択する算出条件選択工程と、前記補間フィルタ選択工程によって選択された前記補間フィルタからの出力および前記算出条件選択工程によって選択された前記算出条件を対比することで前記信頼性情報を生成する信頼性情報生成工程とを含んだことを特徴とする。
本発明によれば、抽出されたパイロット信号の分散に基づいて複数の補間フィルタの中から1つの補間フィルタを選択し、信頼性情報の算出に用いる算出条件を選択された補間フィルタに応じて選択し、選択された補間フィルタからの出力および選択された算出条件を対比することで信頼性情報を生成することとしたので、補間フィルタの伝送路推定精度に応じて算出条件を切り替えることで、信頼性情報の生成精度を向上させることができるという効果を奏する。これによって、たとえば、信頼性情報を用いた誤り訂正精度を向上させることができる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る信頼性情報生成装置および信頼性情報生成方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る信頼性情報生成手法の概要を説明した後に、本発明に係る信頼性情報生成手法を適用した受信装置についての実施例を説明することとする。
まず、本発明に係る信頼性情報生成手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る信頼性情報生成手法の概要を示す図である。なお、同図の(A)には、従来技術に係る信頼性情報生成手法について、同図の(B)には、本発明に係る信頼性情報生成手法について、それぞれ示している。
同図の(A)に示すように、従来は、信頼性情報を算出する際に、伝送路推定の精度が良い補間フィルタAが用いられている場合にも、伝送路推定の精度が悪い補間フィルタBが用いられている場合にも、共通の信頼性情報算出条件が用いられていた。ここで、信頼性情報算出条件とは、推定した伝送路応答のゲインを複数の区間に区切るスライス閾値の組のことを指す。また、信頼性情報とは、たとえば、2ビットの符号であらわされる0〜3の値であり、値が大きいほど信頼性が高いことをあらわす。
すなわち、従来は、伝送路推定用フィルタの切替が行われたならば(同図の(A−1)参照)、各フィルタ共通の算出条件(信頼性情報算出条件)を用いて信頼性情報を生成していた(同図の(A−2)参照)。そして、生成された信頼性情報に基づく誤り訂正を行っていた(同図の(A−3)参照)。
しかし、伝送路推定制度が悪い補間フィルタBが用いられている場合に、伝送路推定制度が良い補間フィルタAと同一の算出条件(信頼性情報算出条件)を用いて信頼性情報を算出しても、信頼性情報の精度は確保されない。むしろ、生成された信頼性情報は、後段の誤り訂正処理における誤り訂正精度を悪化させてしまっていた。
そこで、本発明に係る信頼性情報生成手法では、各補間フィルタに応じて信頼性情報算出条件を切り替えることとした。具体的には、同図の(B)に示すように、伝送路推定の精度が良い補間フィルタAが用いられている場合には信頼性情報算出条件Aを、伝送路推定の精度が悪い補間フィルタBが用いられている場合には信頼性情報算出条件Bを、それぞれ切り替えて用いることとした。
具体的には、伝送路推定用フィルタの切替が行われたならば(同図の(B−1)参照)、各フィルタに対応する算出条件(信頼性情報算出条件)へ切り替えたうえで信頼性情報を生成する(同図の(B−2)参照)。そして、生成された信頼性情報に基づく誤り訂正を行うこととした(同図の(B−3)参照)。
このように、伝送路推定用フィルタの伝送路推定精度に応じて信頼性情報算出条件を切り替えることで、より適切な信頼性情報を生成することが可能となる。また、生成された信頼性情報を用いる誤り訂正処理における誤り訂正精度を向上させることができる。以下では、本発明に係る信頼性情報生成手法を適用した受信装置についての実施例を説明する。
図2は、本実施例に係る受信装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、受信装置10は、アンテナ1に接続されるRF(Radio Frequency)/IF(Intermediate Frequency)部11と、A(Analog)/D(Digital)変換部12と、AGC(Auto Gain Control)部13と、同期部14と、FFT(Fast Fourier Transform)部15と、等化部16と、誤り訂正部17とを備えている。
また、等化部16は、データシンボル複素除算部16aと、SP(Scattered Pilot)抽出部16bと、SP(Scattered Pilot)シンボル方向分散値取得部16cと、補間フィルタ選択部16dと、マルチパス遅延時間取得部16eと、スライス閾値選択部16fと、補間フィルタ16gと、信頼性情報生成部16hとをさらに備えている。
RF/IF部11は、アンテナ1からの信号を検波・増幅する処理部であり、検波・増幅後の信号をA/D変換部12へ出力する。また、A/D変換部12は、RF/IF部11からのアナログ信号をデジタル信号へ変換して出力する。
AGC部13は、自動利得調整を行う処理部であり、入力された信号の強弱に応じて出力信号が一定になるように調整し、出力信号をA/D変換部12へフィードバックする。また、同期部14は、FFTウィンドウのタイミング決定を行う処理部である。
FFT部15は、搬送波に重畳されたデータをFFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)によって取得し、取得したデータを等化部16へ出力する処理を行う。また、等化部16は、伝送路の伝達特性を推定し(伝送路推定)、推定した伝達特性に基づく受信信号の補正を行うとともに、誤り訂正部17における誤り訂正処理において用いられる信頼性情報を生成する処理を行う処理部である。以下では、この等化部16の構成についてさらに詳細に説明する。
データシンボル複素除算部16aは、FFT部15から受け取ったデータを、補間フィルタ16gから受け取った補間信号で補正する処理を行う処理部である。このデータシンボル複素除算部16aによって、ゲインおよび周波数の2軸であらわしたデータは、周波数変化に対してゲイン変化が0に近づくように補正される。
SP(Scattered Pilot)抽出部16bは、FFT部15から受け取った信号から、送信側および受信側の双方で既知の信号であるSP(Scattered Pilot)信号を抽出する処理を行う処理部である。なお、抽出されたSP信号は、伝送路を推定する際の振幅位相基準として用いられる。
SPシンボル方向分散値取得部16cは、シンボル方向およびキャリア方向に展開された受信データについて、受信データに含まれるSP信号のシンボル方向における分散値を取得する処理を行う処理部である。なお、このSPシンボル方向分散値取得部16cによって取得された分散値は、補間フィルタ選択部16dにおける補間フィルタ選択の選択条件として用いられる。
補間フィルタ選択部16dは、SPシンボル方向分散値取得部16cから受け取った分散値に基づき、4シンボル補間フィルタおよび毎シンボル補間フィルタの2つの補間フィルタの中から、補間フィルタ16gに設定(セット)する補間フィルタを選択する処理を行う処理部である。
具体的には、伝送路応答の時間変動が緩やかな場合(たとえば、移動速度が遅い場合)には、SPシンボル方向分散値取得部16cによって取得された分散値が小さな値をとるので(シンボル方向に相関あり)、補間フィルタ選択部16dは、キャリア方向のみならずシンボル方向についても補間を行う4シンボル補間フィルタを選択する。
一方、伝送路応答の時間変動が激しい場合(たとえば、移動速度が速い場合)には、SPシンボル方向分散値取得部16cによって取得された分散値が大きな値をとるので(シンボル方向に相関なし)、補間フィルタ選択部16dは、キャリア方向についてのみ補間を行う毎シンボル補間フィルタを選択する。なお、補間フィルタ選択部16dは、選択した補間フィルタの種別をスライス閾値選択部16fへ通知する処理を併せて行う。
ここで、4シンボル補間フィルタによって行われる4シンボル補間処理および毎シンボル補間フィルタによって行われる毎シンボル補間処理について、図3〜図5を用いて説明しておく。
図3は、4シンボル補間処理の概要を示す図である。なお、同図に示す「黒丸」はSP信号を示しており、「白丸」はデータ信号を示している。また、同図に示す各データは、シンボル方向(同図における縦軸)およびキャリア方向(同図における横軸)に展開されているものとする。
同図の(1)に示すように、シンボル方向についてみた場合、SP信号は、4シンボルごとにあらわれる。ここで、同図の31に示すSP信号と、同図の32に示すSP信号で挟まれるデータ信号(同図の33参照)は、SP信号31およびSP信号32を用いた補間処理の対象となる。
シンボル方向補間によって補正されたデータ信号を同図の(2)に「四角」で示す。たとえば、SP信号31およびSP信号32で挟まれた2つのデータ信号33(同図の(1)参照)は、シンボル方向補間によって補正されることで、擬似的なSP信号として用いることが可能な疑似SP信号となる(同図の34参照)。同様に、キャリア方向について4シンボルごとにシンボル方向補間処理が行われ(同図の「シンボル方向補間」参照)、同図の(2)に示したように、すべての疑似SP信号が生成される。
そして、同図の(3)に示すように、キャリア方向補間を行う際には、SP信号が4シンボルごとに存在するとみなせるので、各SP信号(擬似SP信号を含む)に挟まれる2つのデータ信号が、各SP信号を用いて補正されていくことになる(同図の「キャリア方向補間」参照)。このように、4シンボル補間フィルタでは、シンボル方向補間によってSP信号を擬似的に増加させることができるので、補正精度が高いといえる。
図4は、毎シンボル補間処理の概要を示す図である。なお、同図に示す「黒丸」がSP信号を示しており、「白丸」がデータ信号を示している点は、図3と同様である。同図に示すように、毎シンボル補間処理では、シンボル方向補間処理が行われず、キャリア方向補間処理のみが行われるので(同図の「キャリア方向補間」参照)、たとえば、SP信号41と、SP信号42で挟まれた11個のデータ信号43が、キャリア方向補間処理の対象となる。このように、毎シンボル補間フィルタでは、キャリア方向補間のみが行われるので、補正精度が低いといえる。
図5は、4シンボル補間フィルタおよび毎シンボル補間フィルタによる伝送路推定精度を示す図である。なお、同図の(1)には、理想的な伝送路応答の周波数ごとのゲイン変化をあらわす理想伝送路応答51を示している。また、同図の(2)には、4シンボル補間フィルタによる伝送路推定結果(同図の(2)の実線参照)を、同図の(3)には、毎シンボル補間フィルタによる伝送路推定結果(同図の(3)の実線参照)を、それぞれ示している。
なお、同図の(2)および(3)に示した「黒丸」はSP信号を、同図の(2)に示した「白丸」は擬似SP信号を(図3の(2)あるいは(3)の「四角」に対応)、それぞれ示している。
同図の(3)をみると、毎シンボル補間フィルタによって推定された伝送路応答は、理想伝送路応答51から大きく乖離している。そして、同図の(2)と(3)とを比較すれば明らかなように、4シンボル補間フィルタの伝送路推定精度は、毎シンボル補間フィルタの伝送路推定精度に比べて良好である。
図2の説明に戻り、マルチパス遅延時間取得部16eについて説明する。マルチパス遅延時間取得部16eは、建物や地形などの影響によって放送波が反射したり回折したりすることで複数の経路から同一の電波を受信するマルチパス(multipath)が発生した場合における、直接波/遅延波間の遅れ時間を示すマルチパス遅延時間を取得する処理を行う処理部である。
なお、マルチパス遅延時間は、たとえば、送信信号に挿入されたガード・インターバルの遅れ時間に基づいて算出することができる。また、本実施例では、マルチパス遅延時間に基づいてスライス閾値を変更する場合について示したが、車両速度が変化することによって発生するドップラーシフトの量に基づいてスライス閾値を変更することとしてもよい。また、マルチパス以外のフェージング(fading)に対して本発明を適用することとしてもよい。
スライス閾値選択部16fは、補間フィルタ選択部16dから受け取った補間フィルタの種別(4シンボル補間フィルタを選択した旨または毎シンボル補間フィルタを選択した旨)およびマルチパス遅延時間取得部16eから受け取った遅延時間に基づいてスライス閾値を選択する処理を行う処理部である。なお、このスライス閾値選択部16fは、SPシンボル方向分散値取得部16cから受け取ったシンボル方向の分散値に基づいてスライス閾値を変更することも可能である。
ここで、スライス閾値選択部16fが行うスライス閾値選択処理について図6〜図8を用いて説明しておく。図6は、従来技術に係るスライス閾値の例を示す図である。なお、図6の(1)に示したのは、4シンボル補間フィルタによる伝送路推定結果(図5の(2)に対応)であり、図6の(2)に示したのは、毎シンボル補間フィルタによる伝送路推定結果(図5の(3)に対応)である。
同図に示すように、従来は、異なる補間フィルタが用いられた場合であっても、同一のスライス閾値の組が用いられていた。すなわち、同図に示すスライス閾値61a(同図の(1)参照)およびスライス閾値62a(同図の(2)参照)は同一であり、同様に61bおよび62bは同一であり、61cおよび62cも同一であった。
そして、伝送路推定結果におけるゲインが各スライス閾値で区切られた区間のいずれの区間に属するかで、信頼性情報が生成されていた。たとえば、信頼性情報が、0〜3の4段階の数値であらわされる場合、スライス閾値61a以上であれば信頼性情報は「3」、スライス閾値61a未満であってスライス閾値61b以上であれば信頼性情報は「2」、スライス閾値61b未満であってスライス閾値61c以上であれば信頼性情報は「1」、スライス閾値61c未満であれば信頼性情報は「0」というように、信頼性情報が生成されていた。
ここで、同図の(1)と(2)とを比較すれば明らかなように、同図の(2)に示した毎シンボル補間フィルタによる伝送路推定結果は、精度が低いものである。しかし、従来は、低精度な伝送路推定結果に用いるスライス閾値の組(62a、62bおよび62c)と、高精度な伝送路推定結果に用いるスライス閾値の組(61a、61bおよび61c)とを同一のものとしていたため、信頼性情報自体の精度が低いものとなっていた。
図7は、スライス閾値選択部16fによって選択されるスライス閾値の例を示す図である。なお、同図の(1)に示したのは、4シンボル補間フィルタに用いられるスライス閾値の組であり、同図の(2)に示したのは、毎シンボル補間フィルタに用いられるスライス閾値の組である。
同図に示すように、スライス閾値選択部16fは、4シンボル補間フィルタが補間フィルタ選択部16dによって選択された場合と、毎シンボル補間フィルタが補間フィルタ選択部16dによって選択された場合とで、異なるスライス閾値の組を選択する。
たとえば、同図の(1)に示したように、4シンボル補間フィルタが選択された場合には、71a、71bおよび71cからなるスライス閾値の組を選択する。一方、毎シンボル補間フィルタが選択された場合には、同図の(1)の場合よりも間隔が狭い72a、72bおよび72cからなるスライス閾値の組を選択する。なお、各スライス閾値の組を、ゲイン方向における正方向または負方向にずらすことも可能である。
このように、スライス閾値の組を切り替えることで、特に、伝送路推定結果の精度が低い場合に、信頼性情報(0〜3の値)を全体的に高めに判定してしまったり、全体的に低めに判定してしまったりすることを防止することができる。すなわち、伝送路推定結果の精度が低い場合であっても、生成される信頼性情報の値をより妥当なものとすることができる。
図8は、マルチパス遅延時間に伴うスライス閾値の変更を示す図である。なお、同図の(1A)は図7の(1)に、同図の(2A)は図7の(2)に、それぞれ対応している。また、同図の(1B)は同図の(1A)よりもマルチパス遅延時間が大きい場合を、同図の(2B)は同図の(2A)よりもマルチパス遅延時間が大きい場合を、それぞれ示している。
同図の(1B)に示したように、マルチパス遅延時間が大きい場合には、4シンボル補間処理を行った場合であっても、伝送路推定結果の精度は悪化する。このため、スライス閾値選択部16fは、同図の(1A)の場合よりも間隔が狭い81a、81bおよび81cからなるスライス閾値の組を選択する。なお、各スライス閾値のゲイン方向の位置を同図の(1A)の場合よりもゲインが小さい向きへそれぞれ移動させたり、ゲインが大きい向きへそれぞれ移動させたりすることとしてもよい。
また、同図の(2B)に示したように、マルチパス遅延時間が大きい場合には、ただでさえ4シンボル補間処理よりも伝送路推定結果の精度が悪い毎シンボル補間処理は、さらに伝送路推定結果の精度が悪化する。このため、スライス閾値選択部16fは、同図の(2A)の場合よりも間隔が狭い82a、82bおよび82cからなるスライス閾値の組を選択する。なお、各スライス閾値のゲイン方向の位置を同図の(2A)の場合よりもゲインが小さい向きへそれぞれ移動させたり、ゲインが大きい向きへそれぞれ移動させたりすることとしてもよい。
図2の説明に戻り、補間フィルタ16gについて説明する。補間フィルタ16gは、補間フィルタ選択部16dによって選択された補間フィルタであり、4シンボル補間フィルタまたは毎シンボル補間フィルタのいずれかである。なお、本実施例では、2つの補間フィルタを例として示したが、3つ以上の補間フィルタから1つの補間フィルタを選択することとしてもよい。
信頼性情報生成部16hは、補間フィルタ16gによってフィルタリングされたデータをスライス閾値選択部16fで選択されたスライス閾値で区切ることによって、たとえば、0、1、2または3の値をとる信頼性情報を生成する処理を行う処理部である(図7参照)。また、この信頼性情報生成部16hは、生成した信頼性情報を誤り訂正部17へ向けて出力する処理を併せて行う。
誤り訂正部17は、等化部16の信頼性情報生成部16hが生成した信頼性情報を受け取り、受け取った信頼性情報を、ビタビ軟判定重み付け情報の1つとして使用することで誤り訂正を行う処理部である。なお、ビタビ軟判定重み付け情報は、硬判定結果(ビタビ硬判定結果)、軟判定結果(ビタビ軟判定結果)および信頼性情報から構成される情報である。ここで、誤り訂正部17が前段の処理部から受け取るビタビ軟判定重み付け情報は信頼性情報のみである。したがって、信頼性情報の精度がビタビ軟判定の精度を大きく左右する。
次に、図2に示した受信装置10の変形例について図9を用いて説明する。図9は、変形例に係る受信装置10aの構成を示すブロック図である。なお、同図に示したのは、複数のアンテナ1にそれぞれ対応するブランチを有する場合に、各等化部16が生成した信頼性情報を最大比合成部18で合成する受信装置10aである。
また、同図では、各ブランチに該当するアンテナ1をアンテナ1−1、RF/IF部11をRF/IF部11−1のように、枝番付きの符号であらわしている。また、同図では、図2に示したAGC部13の記載を省略している。
同図に示すように、受信装置10aは、アンテナ1−1と、RF/IF部11−1と、A/D変換部12−1と、同期部14−1と、FFT部15−1と、等化部16−1とからなる第1のブランチを備えており、以下、同様に第2のブランチ、第3のブランチおよび第4のブランチを備えている。
各等化部16(等化部16−1〜等化部16−4)は、生成した信頼性情報を最大比合成部18へ出力する。最大比合成部18は、各ブランチからの受信信号を最大比合成する処理を行う処理部である。具体的には、各ブランチの等化部16(等化部16−1〜等化部16−4)が生成した信頼性情報を受け取り、受け取った信頼性情報を最大比合成する。そして、最大比合成の結果として1つの信頼性情報を生成し、生成した信頼性情報を誤り訂正部17へ出力する。
なお、最大比合成部18は、各ブランチのゲインの大小に基づいて信頼性情報を合成することとしてもよいし、ゲインが大きい方から所定数のブランチを選択したうえで、選択されたブランチに係る信頼性情報を合成することとしてもよい。さらに、最も受信状況が良いブランチに係る信頼性情報をそのまま用いることとしてもよい。なお、誤り訂正部17は、最大比合成部18から受け取った信頼性情報を用い、同じく最大比合成部18から受け取った各ブランチ経由の受信データについて誤り訂正を行う。
次に、本実施例に係る受信装置10(図2参照)が実行する処理手順について図10を用いて説明する。図10は、本実施例に係る受信装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、FFT部15がFFT処理を行い(ステップS101)、SP抽出部16bがSP信号を抽出したならば(ステップS102)、SPシンボル方向分散値取得部16cは、シンボル方向の分散(分散値)を算出する(ステップS103)。
そして、補間フィルタ選択部16dは、SPシンボル方向分散値取得部16cが取得した分散値に基づき、適切な補間フィルタへ切り替える処理を行う(ステップS104)。つづいて、スライス閾値選択部16fは、信頼性情報生成用のスライス閾値を切り替える処理を行う(ステップS105)。
つづいて、補間フィルタ16gを用いたフィルタ処理が実行される(ステップS106)。そして、フィルタ処理の結果は、図示しないIFFT部(Inverse Fast Fourier Transform;逆高速フーリエ変換)に対して出力され、IFFT処理が実行される(ステップS107)。そして、マルチパス遅延時間取得部16eが、マルチパス遅延時間を算出する(ステップS108)。
また、補間フィルタ16gによるフィルタ処理の結果は、信頼性情報生成部16hに対しても出力され、この信頼性情報生成部16hが信頼性情報を生成する(ステップS109)。なお、ステップS109では、FFT処理(ステップS101)の出力を用いたデータシンボルの複素除算処理がデータシンボル複素除算部16aによって行われる。
そして、誤り訂正部17は、ステップS109において生成された信頼性情報等に基づいて軟判定重み付け係数を生成し(ステップS110)、ステップS110において生成された軟判定重み付け係数に基づいて誤り訂正を実行し(ステップS111)、処理を終了する。
なお、図10では、選択された補間フィルタに応じて信頼性情報生成用スライス閾値を切り替える場合について示したが(図10のステップS105)、さらに、マルチパス遅延時間およびシンボル方向分散値に基づいて信頼性情報生成用スライス閾値を切り替えることとしてもよい。
図11は、パイロット信号の分散値およびマルチパス遅延時間を用いてスライス閾値を決定する場合の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、ステップS205は、シンボル方向分散算出(ステップS203)による処理結果およびマルチパス遅延時間算出(ステップS208)による処理結果を入力データとして受け取る点で、図10に示したステップS105とは異なる。なお、その他の手順については、図10と同様であるので説明を省略する。
上述してきたように、本実施例では、補間フィルタ選択部が、抽出されたパイロット信号の分散に基づいて複数の補間フィルタの中から1つの補間フィルタを選択し、スライス閾値選択部が、信頼性情報の算出に用いる算出条件を選択された補間フィルタに応じて選択し、信頼性情報生成部が、選択された補間フィルタからの出力および選択された算出条件を対比することで信頼性情報を生成する等化部を含んだ受信装置を構成した。
したがって、補間フィルタの伝送路推定精度に応じて算出条件を切り替えることで、信頼性情報の生成精度を向上させることができる。また、信頼性情報の精度を向上させることで誤り訂正精度を向上させることができるため、受信精度を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る信頼性情報生成装置、信頼性情報生成方法および受信装置は、誤り訂正の精度を向上させたい場合に有用であり、特に、自動車などのように受信状況が変化しやすい環境においても受信状態を安定させたい場合に適している。
本発明に係る信頼性情報生成手法の概要を示す図である。 本実施例に係る受信装置の構成を示すブロック図である。 4シンボル補間処理の概要を示す図である。 毎シンボル補間処理の概要を示す図である。 4シンボル補間フィルタおよび毎シンボル補間フィルタによる伝送路推定精度を示す図である。 従来技術に係るスライス閾値の例を示す図である。 スライス閾値選択部によって選択されるスライス閾値の例を示す図である。 マルチパス遅延時間に伴うスライス閾値の変更を示す図である。 変形例に係る受信装置の構成を示すブロック図である。 本実施例に係る受信装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。 パイロット信号の分散値およびマルチパス遅延時間を用いてスライス閾値を決定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 アンテナ
10、10a 受信装置
11 RF/IF部
12 A/D変換部
13 AGC部
14 同期部
15 FFT部
16 等化部
16a データシンボル複素除算部
16b SP抽出部
16c SPシンボル方向分散値取得部
16d 補間フィルタ選択部
16e マルチパス遅延時間取得部
16f スライス閾値選択部
16g 補間フィルタ
16h 信頼性情報生成部
17 誤り訂正部
18 最大比合成部

Claims (7)

  1. 直交周波数分割多重信号の軟判定に用いられる信頼性情報を生成する信頼性情報生成装置であって、
    抽出されたパイロット信号の分散に基づいて複数の補間フィルタの中から1つの補間フィルタを選択する補間フィルタ選択手段と、
    前記信頼性情報の算出に用いる算出条件を前記補間フィルタ選択手段によって選択された前記補間フィルタに応じて選択する算出条件選択手段と、
    前記補間フィルタ選択手段によって選択された前記補間フィルタからの出力および前記算出条件選択手段によって選択された前記算出条件を対比することで前記信頼性情報を生成する信頼性情報生成手段と
    を備えたことを特徴とする信頼性情報生成装置。
  2. 前記算出条件選択手段は、
    推定されたマルチパス遅延時間に基づいて前記算出条件を選択することを特徴とする請求項1に記載の信頼性情報生成装置。
  3. 前記算出条件選択手段によって選択される前記算出条件は、
    ゲインを複数の区間に区切るスライス閾値の組み合わせであることを特徴とする請求項1または2に記載の信頼性情報生成装置。
  4. 各アンテナ系統を示すブランチごとに設けられた前記信頼性情報生成手段によってそれぞれ生成された前記信頼性情報を所定の合成比率に基づいて合成する合成手段
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の信頼性情報生成装置。
  5. 直交周波数分割多重信号の伝送路応答の歪みを補正する等化処理において生成した信頼性情報に基づいて前記直交周波数分割多重信号の誤り訂正を行う受信装置であって、
    抽出されたパイロット信号の分散に基づいて複数の補間フィルタの中から1つの補間フィルタを選択する補間フィルタ選択手段と、
    前記信頼性情報の算出に用いる算出条件を前記補間フィルタ選択手段によって選択された前記補間フィルタに応じて選択する算出条件選択手段と、
    前記補間フィルタ選択手段によって選択された前記補間フィルタからの出力および前記算出条件選択手段によって選択された前記算出条件を対比することで前記信頼性情報を生成する信頼性情報生成手段と、
    前記信頼性情報生成手段によって生成された前記信頼性情報に基づいて前記誤り訂正を行う誤り訂正手段と
    を備えたことを特徴とする受信装置。
  6. 前記誤り訂正手段は、
    前記信頼性情報生成手段によって生成された前記信頼性情報をビタビ軟判定重み付け係数の一つとして用いることを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
  7. 直交周波数分割多重信号の軟判定に用いられる信頼性情報を生成する信頼性情報生成方法であって、
    抽出されたパイロット信号の分散に基づいて複数の補間フィルタの中から1つの補間フィルタを選択する補間フィルタ選択工程と、
    前記信頼性情報の算出に用いる算出条件を前記補間フィルタ選択工程によって選択された前記補間フィルタに応じて選択する算出条件選択工程と、
    前記補間フィルタ選択工程によって選択された前記補間フィルタからの出力および前記算出条件選択工程によって選択された前記算出条件を対比することで前記信頼性情報を生成する信頼性情報生成工程と
    を含んだことを特徴とする信頼性情報生成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013172423A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 Mitsubishi Electric Corp 受信装置

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