JP2010060761A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電位センサの先端における異物の付着や摩耗を軽減して、感光体の表面に対する電極部の高さ位置の変化を抑制し、長期間に渡って電位センサを用いた制御が適正に行える画像形成装置を提供する。
【解決手段】電位センサ30が長手方向に10個配列された支持梁44は、案内レール41に支持されて昇降可能である。支持梁44の両端部に一対のカム溝42を形成して偏心カム43を保持させ、感光ドラム1の前回転が開始されると、駆動モータM2を作動させて支持梁44を下降させて、電位センサ30を感光ドラム1に当接させる。露光装置3を作動させて試験静電像を書き込んで電位センサ30の出力信号のピーク値を測定する。ピーク値が所定レベルに回復するのを待って支持梁44を上昇させ、感光ドラム1から電位センサ30を離間させた後に画像形成を許可する。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転する感光体に先端を当接させて、静電像の電位分布の変化を検出可能な電位センサを備えた画像形成装置、詳しくは電位センサの先端の汚れや摩耗を軽減する構造に関する。
静電像形成手段を用いて感光体に形成した静電像を、現像手段を用いてトナー像に現像して、記録材に転写する画像形成装置が広く用いられている。このような画像形成装置では、従来の非接触式の電位センサとは異なる、回転する感光体に先端を当接させて、静電像の電位分布の変化を検出可能な電位センサを装備して、種々の制御を行わせることが提案されている。
特許文献1には、回転する感光体の表面電位の変化を、静電像の走査線幅以上の解像度で検出可能な電位センサが示される。ここでは、感光体の回転方向に形成された静電像の電位分布のエッジを検出して、検出結果を画像形成条件にフィードバックしている。
特許文献2には、回転する感光体に先端を当接させて、感光体の表面に形成された静電像の電位分布を、走査線幅以上の解像度で検出可能な電位センサが示される。ここでは、感光体の主走査方向に電位センサを移動させて、主走査方向の複数の位置で、それぞれ感光体の全周に渡って静電像の電位分布のエッジを検知することにより、感光体の表面欠陥の有無を判定している。
特開平11−183542号公報 特開2004−77125号公報
特許文献1に示される電位センサは、表面電位の変化を検知するための電極部を感光体の表面から一定の高さ位置に維持するための複雑な機構や制御が必要である。
これに対して、特許文献2に示される電位センサは、感光体の表面に対して電極部を一定の高さ位置に維持するための機構や制御が不要である。何故なら、表面電位の変化を検知するための電極部の表面に所定厚さに形成した誘電体材料層を、感光体の表面に当接させることにより、電極部を感光体の表面から一定の高さ位置に位置決めているからである。
しかし、電位センサの先端を、感光体の表面に摺擦させている場合、電位センサの先端に異物が付着したり、電位センサの先端が摩耗したりして、感光体の表面に対する電極部の高さ位置が変化する場合がある。そして、感光体の表面と電極部との対向間隔が変化すると、同じ電位分布を検知した際の出力レベルが変化してしまい、電位センサを用いた制御が適正に行えなくなる。
例えば、近年の画像形成装置の高速化に伴って、電位センサの先端にトナーが融着し易する場合が出てきている。また、フルカラー機のような二成分現像剤を使用する画像形成装置では、シリカ系の外添剤が研磨剤として作用して電位センサの先端を摩耗させる場合がある。
本発明は、電位センサの先端における異物の付着や摩耗を軽減して、感光体の表面に対する電極部の高さ位置の変化を抑制して、長期間に渡って電位センサを用いた制御が適正に行える画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、感光体と、前記感光体に静電像を形成する静電像形成手段と、回転する前記感光体に先端を当接させて、前記静電像の電位分布の傾きを検出可能な電位センサとを備えたものである。そして、前記電位センサの先端を前記感光体から離間させる方向に移動させる移動機構と、前記電位センサの非検出時に、前記感光体に対する前記先端の摺擦を軽減するように前記移動機構を制御する制御手段とを備える。
本発明の画像形成装置では、電位センサの非検出時に移動機構を作動させて電位センサの先端を感光体から離間又は当接圧を軽減するため、電位センサの先端における異物の付着や摩耗が軽減される。従って、感光体の表面に対する電極部の高さ位置の変化を抑制して、長期間に渡って電位センサを用いた制御が適正に行える。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、電位センサをその非検出時に離間可能である限りにおいて、実施形態の構成の一部又は全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
本実施形態では、感光ドラムから記録材へ枚葉式に直接トナー像を転写する画像形成装置を説明するが、中間転写ベルトを用いた画像形成装置や記録材搬送ベルトを用いた画像形成装置でも実施できる。
なお、特許文献1、2に示される画像形成装置及び電位センサに関する一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。また、請求項で用いた構成名に括弧を付して示した参照記号は、発明の理解を助けるための例示であって、実施形態中の該当する部材等に構成を限定する趣旨のものではない。
<画像形成装置>
図1は電位センサを取り付けた画像形成装置の構成の説明図、図2は静電像センサの配置の説明図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、感光ドラム1にトナー像を形成して転写部T1へ給送された記録材Pに転写する。トナー像を転写されたシートPは、定着装置8へ送り込まれてトナー像を定着される。
回転する感光体ドラム1の周囲に、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び電位センサ30が配置される。
帯電装置2は、電源D3から電圧を印加されたワイヤ電極2bの周囲で、コロナ放電に伴って発生させた帯電粒子を感光ドラム1に照射して、感光ドラム1の表面を一様な負極性の暗部電位VDに帯電させる。
露光装置3は、帯電した感光ドラム1の表面にレーザービームを走査して、暗部電位VDを明部電位VLまで低下させることにより画像の静電像を書き込む。
現像手段の一例である現像装置4は、感光ドラム1に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する。現像装置4は、負極性に帯電したトナーを明部電位VLの部分へ選択的に付着させて静電像を反転現像する。
転写装置5は、電源D1から正極性の電圧を印加されたワイヤ電極5bの周囲で、コロナ放電に伴って発生させた正極性の帯電粒子を、転写部T1を通過する記録材Pの裏面に照射して記録材Pを正極性に帯電させる。これにより、負極性に帯電して感光ドラム1に担持されたトナー像が記録材Pへ転写される。
記録材Pは、カセット20から取り出されて分離ローラ21で1枚ずつに分離され、搬送ローラ22からレジストローラ23へ搬送されて待機する。レジストローラ23は、感光ドラム1に担持されたトナー像にタイミングを合わせて転写部T1に記録材Pを送り出す。
クリーニング装置6は、感光ドラム1にクリーニングブレード6bを摺擦させて転写部T1を通過した感光ドラム1の表面に付着した転写残トナーを除去する。トナー容器6aに回収された転写残トナーは、搬送スクリュー6cに搬送されて不図示の廃トナーボックスに集められる。
クリーニング装置6は、回転する感光ドラム1にクリーニングブレード6bを摺擦させて、摩擦加熱し、感光ドラム1の表面に付着した水分を蒸発させる。このとき、クリーニングブレード6bの先端に停滞したトナーに絡めて放電生成物の一部も除去される。このため、感光ドラム1を回転させ続けると、摺擦を通じた水分及び放電生成物の除去に伴って、感光ドラム1の表面抵抗が次第に回復して、画像流れが少しずつ起こり難くなる。
図2に示すように、電位センサ30は、感光ドラム1の回転方向に直角な幅方向に複数配置される。合計10個の電位センサ30が、感光ドラム1の円筒面の母線に沿って配列して、幅方向の10箇所の位置でそれぞれ感光ドラム1の表面電位を検出する。
図2を参照して図1に示すように、電位センサ30は、露光装置3による露光位置と現像装置4による現像位置との間で感光ドラム1の表面電位の変化を検出する。
制御部110は、画像形成装置100の前回転動作において、静電像形成手段の一例である帯電装置2及び露光装置3を制御して、走査線に沿った試験静電像1sを感光ドラム1の全周に形成する。画像形成の開始を待機させて、主走査方向の試験静電像1sを、所定ピッチで、感光ドラム1の全周に渡って書き込む。
制御部110は、電位センサ30を用いて試験静電像1sを検出することにより、試験静電像1sのエッジの電位分布の傾斜を評価する。その時点で画像を形成した場合の画像流れの発生し易さを見積もって、画像流れの発生がなくなったと判定できた時点で、画像形成を許可する。試験静電像1sのエッジの電位分布の傾斜が緩い場合には、画像流れが発生し易いので、感光ドラム1の回転を継続させて、感光ドラム1の表面抵抗をさらに回復させる。そして、試験静電像1sのエッジの電位分布の傾斜が所定レベルに回復した段階で、画像形成の待機を解除する。
<感光体>
図3は感光ドラムの感光層の構成の説明図である。
画像形成装置100は、電子線を照射して感光層1bの表面硬度を高めた感光ドラム1を採用している。高硬度の感光ドラム1の場合、感光層1bの摩耗速度が従来の1/4以下であるため、従来、普通紙3〜7万枚で寿命を迎えていた感光ドラム1が、12〜30万枚まで画像形成を継続できる。反面、高硬度の感光ドラム1では、表面の摩耗とともに除去されていた帯電生成物が感光ドラム1の表面により多く残留するようになって、帯電生成物に起因する画像流れが発生し易くなる。
図3に示すように、感光ドラム1は、直径30mm長さ360mmのアルミニウムシリンダの基層1aの表面に、導電層1c、中間層1d、電荷発生層1e、電荷輸送層1f、保護層1gからなる感光層1bを形成している。
導電層1cは以下の手順で形成した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(重量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、及びメタノール5部を調合した。そして、調合物にシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を加えて、φ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調整して導電層1c用の塗料を形成した。この塗料を基層1a上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚20μmの導電層1cを形成した。
中間層1dは以下の手順で形成した。N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解して、中間層1d用の塗料を調整した。この塗料を導電層1c上に浸漬コーティング法によって塗布した後、100℃で20分間乾燥して、0.6μmの中間層1dを形成した。
電荷発生層1eは以下の手順で形成した。CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニンを準備した。オキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製)3部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散した。その後、調合物に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層1e用の塗料を調製した。この塗料を中間層1dの上に浸漬塗布方法で塗布した後、50℃で10分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層1eを形成した。
電荷輸送層1fは以下の手順で形成した。構造式(4)のスチリル化合物を10部、および構造式(5)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解して、電荷輸送層1f用の塗布液を調整した。
Figure 2010060761
この塗布液を電荷発生層1e上に浸漬コーティングした後、120℃で一時間乾燥することによって膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
保護層1gは以下の手順で形成した。構造式(3)の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解して保護層1g用の塗料を調整した。保護層1g用の塗料には、フッ素原子含有樹脂粒子として4フッ化エチレン樹脂を保護層1gの全重量に対して30重量%を含有させた。
Figure 2010060761
この塗布液を電荷輸送層1f上にコーティングした後、酸素濃度10ppmの雰囲気下で加速電圧150KV、照射線量50KGyの条件で電子線を照射した。その後、引き続いて、同雰囲気下で感光ドラム1の温度が100℃になる条件で10分加熱処理をおこない、膜厚5μmの保護層1gを形成した。このようにして、電子線照射によって感光層1bの表面硬度を高めた電子写真感光体としての感光ドラム1を得た。
硬度試験用の感光ドラム1を25℃湿度50%の環境下に24時間放置した後、微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて、HU(ユニバーサル硬さ値)及び弾性変形率を求めた。結果、HUが190N/mm、We(弾性変形率)が46%であった。
実機搭載用の感光ドラム1を画像形成装置iR3045(キヤノン株式会社製)に搭載した。そして、通常環境下(20℃/50%RH)にて、トナー載り量0.025g/A4サイズの画像を1枚間欠で10万枚、通紙画像試験し、試験の前後における感光層1bの膜厚を、渦電流式膜厚計(Fisher社製)により測定した。初期の膜厚と比べていくら削れたかを計算し、その数字を試験中の感光ドラム1の回転数で割って、単位をμm/1万回転とする削れ量を算出した。結果、感光ドラム1における画像可能領域の削れ量は0.1μm/万回転となった。
<電位センサ>
図4は電位センサの構成の説明図、図5は電位センサの出力回路の説明図、図6は電位センサの製造方法の説明図、図7は電極パターンの説明図、図8は電位センサの先端形状の説明図である。
図4に示すように、薄板状の電位センサ30は、画像形成装置100から片持ち支持されて先端部を感光ドラム1に当接させている。電位センサ30は、薄板部分の曲げ反力によって、感光ドラム1に対する接触線圧が設定されている。円筒状に湾曲した電極面(32a)の表面を覆った高抵抗性材料(31)を感光ドラム1に当接させることで、電極面(32a)と感光ドラム1との対向間隔が設定されている。
基板フィルム層31は、感光ドラム1と電極面(32a)との対向間隔に位置するように所定の曲率で折り返している。薄膜電極層32は、基板フィルム層31の折り返し領域の内側面に、折り返し線に沿った検知電極部32aを薄膜パターンとして形成してある。中心層33は、基板フィルム層31に所定の曲率を付与するように、基板フィルム層31の内側面に密着して配置される。基板フィルム層31と中心層33との重なり部分は、基板フィルム層31の折り返し線に垂直な面内で曲げ可能な長さL3を有している。
薄膜電極層32は、基板フィルム層31の折り返し領域の反対側で配線可能となるように、検知電極部32aに連続させて基板フィルム層31の内側面に固定された接続配線部32bを含む。
なお、図4では、図示の都合上、斜めに傾けた電位センサ30の検知電極部32aの下側に接続配線部32bを接続して示したが、図5に示すように、検知電極部32aの上側から接続配線部32bを取り出してもよい。
電位センサ30が感光ドラム1に接触する接触線は、感光ドラム1の表面を軸方向に横断する直線(円筒面の母線)に対して平行に位置決められている。このため、感光ドラム1に形成された主走査方向の静電像1sのエッジは、電位センサ30の接触線をほぼ同時に通過する。
図5に示すように、感光ドラム1が矢印R1方向に回転すると、暗部電位VDに帯電された感光ドラム1の表面に形成された明部電位VLの試験静電像1sが電位センサ30を通過する。基板フィルム層31を介して検知電極部32aを感光ドラム1に対向させることで、感光ドラム1の表面電位の変化に応じた電圧信号が検知電極部32から取り出される。試験静電像1sが電位センサ30に近付いて差し掛かる過程では、検知電極部32aから誘導電流が流れ出して正極性の電圧信号が出力される。その後、静電像1sが電位センサ30を通過して遠ざかる過程では、検知電極部32aに誘導電流が流れ込んで負極性の電圧信号が出力される。このようにして、電位センサ30からは、試験静電像1sの電位分布の微分波形に相当する出力が取り出される。
信号処理回路120は、増幅回路121によって電位センサ30の電圧信号を増幅して、図中(a)に示すように、試験静電像1sの電位分布の微分波形に相当するアナログ電圧信号を出力する。アナログ処理回路122は、増幅されたアナログ電圧信号の正負のピーク電圧VP1、VP2を検出して、出力回路123、124でA/D変換(数値化)したデータを制御部110に送出する。制御部110は、正負のピーク電圧値VP1、VP2を取り込んで、試験静電像1sのエッジの電位分布の傾きを評価する。
積分回路125は、増幅回路121から出力された「電位分布の微分波形に相当するアナログ信号」を積分して、図中(b)に示すように、電位分布に相当するアナログ電圧信号を出力する。このアナログ電圧信号の振幅VP3は、試験静電像1sの静電像コントラスト(現像コントラスト+かぶり取り電圧)を反映した値になっている(図9参照)。
図6の(a)に示すように、柔軟な樹脂材料の基板フィルム層31の表面に、導電性ペーストを用いて検知電極部32aと接続配線部32bとをスクリーン印刷によってパターン形成することにより、薄膜電極層32が形成される。導電性ペーストは、銀粉等の金属粉末に有機溶剤等を混合してペースト状に加工したものである。
あるいは、検知電極部32aと接続配線部32bとに対応させた開口を形成したマスクを重ねた基板フィルム層31に金属薄膜を真空蒸着又はスパッタリング形成することにより、薄膜電極層32が形成される。
あるいは、基板フィルム層31の全面に貼り付け、真空蒸着、又はスパッタリング形成した金属薄膜にレジストパターンを形成してエッチングすることにより、検知電極部32aと接続配線部32bとをパターン形成する。例えば、フレキシブルプリント基板を作成する場合のように、回路パターンをレジスト層に投影露光してレジストパターンを形成して、エッチングによりレジスト層から露出した金属薄膜を除去する。
図6の(b)に示すように、薄膜電極層32の電極パターンが形成された基板フィルム層31の全面に第1接着層34が形成される。
図6の(c)に示すように、基板フィルム層31と同一材料のフィルム層35を、第1接着層34の上に重ねて、全体が均一な厚さになるようにローラ加圧することにより、基板フィルム層31とフィルム層35とが一体に接着される。
図6の(d)に示すように、第1接着層34と同一材料の第2接着層36が、フィルム層35の全面に形成される。
図6の(e)に示すように、第2接着層36を内側にして基板フィルム層31とフィルム層35との重なりを折り返して加圧することにより、フィルム層35の内側面同士が接着される。中心層33は、第1接着層34を介して基板フィルム層31及び薄膜電極層32を覆うように配置され、第2接着層36を挟んで背中合わせに折り返されたフィルム層35である。
図7の(a)に示すように、薄膜電極層32の絶縁性を確保するために、薄膜電極層32の電極パターンは、基板フィルム層31の縁よりも内側に寄せて形成される。検知電極部32aは、基板フィルム層31を折り返す内側面に折り返し線33sに沿った面状に形成される。接続配線部32bは、折り返し線33sの反対側でパッド32cが配線可能となるように、検知電極部32aに連続させて配置される。
なお、接続配線部32bは、図5の(b)に示すように、検知電極部32aの中央からT字状に分岐させてもよく、図5の(c)に示すように、検知電極部32aの任意の位置から分岐させてもよい。検知電極部32a及び接続配線部32bの形状は、様々な形状が可能であって、図4に示すパターン例の限りでない。しかし、基本的には、電位センサ30の先端の接触面に平行に検知電極部32aが配置され、検知電極部32aのある箇所から垂直に接続配線部32bが形成されてパッド32cに繋がっていることが好ましい。
図5に示すように、電位センサ30は、感光ドラム1の幅方向に垂直な面内で回転方向に向かって先端を突き出すように、感光ドラム1の表面に対して斜めに当接する。このように当接させることで、感光ドラム1に対する摩擦力が電位センサ30を浮き上げて当接圧を減らすので、感光ドラム1が偏心回転しても電位センサ30は、安定した小さな当接圧を維持して精密に表面を追従できる。感光ドラム1の垂線方向に対する電位センサ30の傾き角度αは、5〜80度が好ましい。
検知電極部32aと感光ドラム1の表面とを電極間距離dで対向するコンデンサとみなして、感光ドラム1側の電位が変化した場合を考える。このとき、検知電極部32aに誘導電流が出入りして出力される電圧Vは、電極間距離dに応じて変化するため、感光ドラム1の偏心回転や電位センサ30の振動によって電位センサ30の出力Vが変動する。
V=Q/C=k×Q×d/S (k:定数、d:電極間距離、S:電極面積)
従って、感光ドラム1の偏心回転等によって25μmの電極間距離dが2.5μm変動しただけで、電位センサ30の出力が10%変化してしまい、正常時のピーク値の90%をしきい値とするような画像流れの判断は不可能になる。
電位センサ30の先端が感光ドラム1に対して垂直に当接する場合、当接圧力が不安定になって、電位センサ30がいわゆるびびり振動を起こし易くなるので、電極間距離dの変動に伴うノイズが多くなる。垂直に近い5度未満の場合も、感光ドラム1の偏心回転に対する追従性が悪くなって、電極間距離dの変動に伴うノイズが多くなる。
一方、水平に近い80度を越える場合、電位センサ30が腹当たり気味になって、肝心の検知電極部32aと感光ドラム1とがうまく対向しなくなって出力が低下する。
電位センサ30に付与する線圧力は、0.01mg/mm〜10g/mmが好ましい。線圧力が0.01mg/mm未満の場合、ほとんど接触していない状態なので信号の安定性に欠ける。一方、線圧力が10g/mmを越える場合、電位センサ30が短期間で摩耗したり、感光ドラム1に摺擦キズが付いたりする。
電位センサ30は、先端が感光ドラム1に当接しているので、検知電極部32aと感光ドラム1との対向間隔を一定に保つための機構や制御が不要である。そして、電位センサ30が適正な角度範囲で当接しているので、感光ドラム1の偏心回転に追従して対向間隔を基板フィルム層31の厚みで一定に維持できる。
当接位置における対向間隔は、5μm〜100μm、好ましくは、15〜50μmが良い。5μm未満の場合、電位センサ30の信号強度が強くなり過ぎ、ノイズを拾い易くなる。50μmを越える場合、電位センサ30の信号強度が弱くなり過ぎ、表面電位の変化をうまく拾えなくなる。
図8の(a)に示すように、湾曲面が円筒面状に形成された検知電極部32aは、感光ドラム1に対して常に基板フィルム層31の一定した厚みL31で対向する。感光ドラム1が偏心回転して電位センサ30の先端が浮き沈みしても、電位センサ30は、常に一定の対向間隔と対向面積とを保って感光ドラム1に対向し続ける。浮き沈みに応じて当接角度が変化しても、電極面を形成する円筒面は中心33cを中心にして回転して、検知電極部32全体を通じた対向間隔及び対向面積をほぼ一定に維持する。このため、ノイズの少ない安定した出力が得られる。
図8の(b)に示すように、先端が平坦な電位センサ30を感光ドラム1に当接させた場合、感光ドラム1が偏心回転して電位センサ30の先端が浮き沈みすると、検知電極部32aが傾いて感光ドラム1との対向間隔が変化する。このため、感光ドラム1の偏心回転によって出力が大きく変動する。
図8の(c)に示すように、針金状の検知電極部32aと基板フィルム層31との間に隙間33sがある場合も、感光ドラム1の偏心回転に伴って検知電極部32aと感光ドラム1との対向間隔が変化する。このため、感光ドラム1の偏心回転によって出力が大きく変動する。
電位センサ30の先端は、一部半円状で湾曲していて、直径が10〜600μmであることが望ましい。直径が10μm未満ではあまりにも感度が良すぎて、ノイズをひろい易く信号が読みにくくなる。直径が600μmより大きいと厚みが増しすぎて、強度が上がり、感光ドラム1に摺擦傷をつける可能性がある。
電位センサ30は、試験静電像1sの移動による電位変化量を電位分布の微分値として検出するので、感光ドラム1の回転速度がある程度速い方が電位変化量としては大きくなり、出力が増大して感度が増す。具体的には、周速度(プロセススピード)が50〜1000mm/secは対応可能で、好ましくは100〜800mm/secが精度良く画像流れを検出できる。
<基板フィルム層、フィルム層>
図2に示すように、基板フィルム層31は、高抵抗性材料であって電気抵抗率で1×1012〜1×1018Ω・cmのものがよい。具体的な材料としては、高抵抗性材料としては、エポキシ系樹脂、イミド系耐熱樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ABS系樹脂がよい。ポリカーボネート樹脂、シリコーン系樹脂等、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、セロハン、セルロイド、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド系フィルムもよい。基板フィルム層31は、プラスチックフィルム及びシート化したものでも良いし、また、絶縁性のゴムをシート化しても良い。
基板フィルム層31は、ある程度の弾性変形量を持たせて電位センサ30の先端を感光ドラム1に直接に当接させるために、ヤング率が0.001〜10GPaである材料がよい。ヤング率は、JIS−Z 1702に基づき、試料幅10mm、試験長50mmの試験片を東洋ボ―ルドウィン社製テンシロンデ20mm/分の引張速度で測定し、同時に強度と伸度を算出して求めた。ヤング率が0.001GPaより小さいと、柔らかすぎて、先端が感光ドラム1にうまく接することができず、ヤング率が10GPaより大きいと、硬すぎて感光ドラム1に傷がつく。電気抵抗率とヤング率とを満たす材料としては、具体的には、ポリエステルフィルムや、ポリイミドが最適である。
電位センサ30の薄板状部分の幅L2は、1〜320mmが好ましく、更に好ましくは2〜10mmがよい。幅L2が1mmより小さいと強度的に折れ曲がる可能性があり、幅L2が320mmより長いと、長過ぎて変形が発生して、信号ムラの原因となる。
電位センサ30の薄板状部分の長さL3は1〜50mmが好ましい。長さL3が1mm未満では信号処理回路への接続が困難になり、感光ドラム1の偏心回転によって電位センサ30の根本部分が感光ドラム1に接触する可能性が出てくる。長さL3が50mmを越えると、全体的に大きいものになって取り付けスペースの確保が困難になり、画像形成装置100内での折れの原因にもなる。
基板フィルム層31、フィルム層35の厚さは、それぞれ5μm〜100μm、好ましくは、15〜50μmが良い。5μmより薄くなると、電位センサ30の薄板状部分の強度が不足して、折れたりして感度のムラがでてしまう。また、50μmより厚くなると電位センサ30の薄板状部分の強度が過剰になって、感光ドラム1に摺擦傷を付けてしまう。
<薄膜電極層>
薄膜電極層32の材料としては、感光ドラム1の誘導電流をみるために導電性のものが好ましく、電気抵抗率(JIS K−6911、温度20℃)で1×10−6〜2×10Ωcmが良い。更に好ましくは、1×10−6〜2×10−4Ωcmのものがよく、具体的には、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、鉄、スズ、鉛、チタン、白金などが良い。特に好ましいのは電気抵抗率が低い銀が良い。
電気抵抗率が1×10−6Ωcmより低い材料は、一般的に手に入れるのが難しく、導電性が良過ぎて他の電気ノイズを拾い易くなる。また、2×10Ωcmより高くなると信号感度が悪くなる。
薄膜電極層32の厚みとしては0.5〜50μmが良い。0.5μm未満では基板フィルム層31の厚みを薄くしなければならなかったり、また電位センサ30の感度が上がり過ぎて、余分なノイズを拾ったりする。一方、50μmを越えると、電位センサ30の感度が悪くなって画像流れを精度よく検知できなくなる。
薄膜電極層32の断面形状は、基板フィルム層31の内側にそって一部が円弧状あるいはR形状になっているのが良い。更に好ましくは、先端が一部半円状で湾曲された形状で形成されている。この場合、円が一部、半円状になっているのが特徴で、究極には、先端が完全に円状になってしまっても良いが、あまり余分な面積を感光ドラム1に対向させるとノイズ等の影響を受けや易くなって好ましくない。
薄膜電極層32が円筒面の一部である場合、感光ドラム1に対して、当接角度θが変化しても、感光ドラム1と薄膜電極層32との対向距離及び対向面積を一定に保てるので、同じ静電像から得られる信号強度が常に一定である。すなわち、感光ドラム1が偏心回転して当接角度(感光ドラム1の法線と薄板部分の交差角度)θが変化しても、複数の電位センサ30の当接角度θがばらついていても、同じ静電像から得られる信号強度が常に一定である。
薄膜電極層32の電極面は、基本的には、半円状に湾曲した円筒面で形成され、円筒面の直径が10μm〜600μmである。10μm未満の場合は、あまりにも感度が良過ぎてノイズを拾い易くピーク値が読み難くなる。また、600μmを越える場合は、電位センサ30の厚みが過剰になって曲げ抵抗が上がって、感光ドラム1に対する適正な接触圧を設定できなくなる。接触圧が高くなり過ぎて、基板フィルム層31の摩耗が急速に進行したり、感光ドラム1に摺擦傷を付けたりする。
これに対して、薄膜電極層32の電極面が平坦な場合、感光ドラム1に対する当接角度θが変化すると、電極面と感光ドラム1との対向距離及び対向面積が大きく変化する。このため、信号強度にムラができ、検出はできるが、ピーク高さの検出精度が低下して、画像流れの判別が難しいものになる。
薄膜電極層32は、基本的に、前述の導電性材料を導電性ペーストに加工して、一般的な印刷技術を用いてパターン形成される。一般的な印刷技術とは、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング等の枚葉印刷技術である。電極パターンの所望の形以外をマスキングし、その上から、全面印刷して、マスキング部を剥す方法、あるいは、全面印刷したあと、マスキングして、エッチング処理で所望の電極パターンを残す方法でも可能である。
導電性ペーストは、金属粉末がベースとなり、その他に熱硬化性樹脂、アルコキシ基含有変性シリコーン樹脂、キレート形成物質、ならびに、酸素酸またはその部分エステルあるいは部分アミドの主構成成分が加えられている。導電性ペーストには、必要に応じて、また、慣用の範囲内で、溶剤、消泡剤、沈降防止剤、分散剤、カップリング剤、抵抗調整剤などを適宜加えてもよい。
<第1接着層、第2接着層>
第1接着層34、第2接着層36に用いる接着剤としては、一般的な接着剤が好ましい。具体的な材料としては、塩化ビニル系接着剤、塩化ビニリデン系接着剤、天然ゴム系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、合成ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、アクリル/スチレン変性系接着剤が挙げられる。スチレン−ブタジエンゴム系接着剤、イソプレンゴム系接着剤、ネオプレンゴム系接着剤、ネオプレン・フェノール系接着剤、ブタジエンゴム系接着剤、硬化アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤等も挙げられる。これらを混合して使用することも可能である。第1接着層34、第2接着層36の厚さとしては、それぞれ5〜100μmが好ましい。5μm未満の場合、接着強度が落ちて隙間ができ易く出力ノイズの原因となる。一方、100μmを越える場合には、電位センサ30の薄板状部分の剛性が過剰になって、感光ドラム1に傷を付ける可能性が出てくる。
<画像流れ>
図9は画像流れが発生する静電像の説明図、図10は画像流れが発生していない画像の説明図、図11は画像流れが発生した画像の説明図である。図12は電位センサの出力と画像流れとの関係の説明図、図13は感光ドラムの空回転による電位センサの出力の回復の説明図である。
図1に示すように、帯電装置2及び転写装置5は、電源D3から電圧を印加されたワイヤ電極2b、5bの周囲で、コロナ放電に伴って多種類の窒素酸化物NOやオゾン化合物X−Oと言った放電生成物を発生する。画像形成時に帯電装置2及び転写装置5で発生した放電生成物の一部は、感光ドラム1の表面に一様に付着して堆積する。発生した放電生成物の別の一部は、常温で昇華する固体物質としてシールドケース2a、5aの内壁面に堆積している。その後、画像形成装置100が停止すると、シールドケース2a、5aの内壁面から昇華した放電生成物が感光ドラム1のそれぞれの対向面に集中的に凝固する。
放電生成物の感光ドラム1への堆積は、画像形成装置100の運転期間を通じても全体的に徐々に進行する。放電生成物が堆積すると、感光ドラム1の表面の親水性が高まって空気中の水分を吸着するため、画像形成装置100における画像形成時間の累積に伴って感光ドラム1の表面抵抗は低下し易くなる。また、停止中に帯電装置2及び転写装置5に対向していた感光ドラム1の領域では、起動直後における表面抵抗の低下が特に著しくなる。
また、堆積した放電生成物は、感光ドラム1の削れ量が従来程度ならば画像形成装置100が起動された際の通常の前回転動作でも即座に削り取られる傾向が強く、画像流れには至り難い。しかし、感光ドラム1のように、削れ量が従来の10分の1以下になると、クリーニングブレード6bの摺擦によって放電生成物が削り取られ難くなり、画像流れが発生し易くなる。
なお、帯電ローラを用いた帯電装置の場合、帯電ローラに高電圧の交流電圧が印加されて常時放電を伴った帯電が行われるため、画像形成期間を通じて感光ドラム1の表面に放電生成物が一様に堆積される。磁気ブラシ帯電器を用いた注入帯電方式の帯電装置でも、画像形成を通じて感光ドラム1の表面が放電に晒されて放電生成物を堆積させることが確認されている。このため、発明の実施形態における帯電方式はコロナ帯電器を用いる方式には限定されない。
図9に示すように、暗部電位VDに帯電した感光ドラム1を露光して試験静電像1sを書き込んだとき、露光された直後は、露光された部分だけ電位が明部電位VLに低下して電位分布のエッジの傾きは急峻である。しかし、感光ドラム1の表面抵抗が低下している場合、露光されてから現像までに感光ドラム1の表面で電荷が移動して、試験静電像1sの電位分布のエッジが崩れて傾きが緩くなり、電位のピーク値も低下する。その結果、現像装置で直流電圧Vdcを用いて現像された画像の線幅W2は、感光ドラム1の表面抵抗が低下していない場合の線幅W1よりも狭くなる。直流電圧Vdcと電位分布のピークとの電位差H2は、感光ドラム1の表面抵抗が低下していない場合の電位差H1よりも低くなり、トナーの付着量が減少して画像濃度が低下する。
感光ドラム1の表面が低温の起動時、又は高湿度環境下には、放電生成物が雰囲気中の水分を吸着して、感光ドラム1の表面抵抗を低下させる傾向が高まる。このため、試験静電像1sのエッジを挟んで明部電位VLと暗部電位VDとが漏電して所望のエッジの傾きを持った状態で試験静電像1sを現像できなくなる。
暗部電位VDと明部電位VLとが漏電して試験静電像1sのエッジが崩れると、試験静電像1sのエッジにおける電位分布の傾きが緩くなるので、電位センサ30が出力する正負のピーク電圧は低くなる。そして、試験静電像1sの電位分布が理想的な矩形に近い形状からガウス分布的な形状へと変化する。
この際、実際に感光ドラム1上にトナー像が現像されるのに重要である因子は、現像で用いる直流電圧Vdcの値から明部電位VL間のコントラスト電位Vcontの大きさと、直流電圧Vdcを横切っている静電像幅W1である。そして、コントラスト電位Vcontが小さいと静電像の深さが浅くなってしまうために画像濃度が低下し、静電像の幅W1が小さくなると出力される線幅が狭くなってしまう。この結果、感光ドラム1上及び出力画像上ではドットの再現性が悪化し易くなり、画像濃度の低下及び線幅の減少が発生して滲みやかすれの生じた画像流れが発生する。
図1に示すように、10万枚の通紙画像試験を行って画像流れを発生し易くした感光ドラム1を用いて、高温高湿環境(HH:30℃80%RH)下で画像流れを発生させる実験を行った。
図10に示すように、画像流れを発生し易くした感光ドラム1を用いて主走査方向の試験静電像(線幅2ドット80μm)1sの画像を40本、A4サイズ横送りの普通紙に1枚間欠で1万枚を連続画像形成した。この時点では、画像形成の停止期間を挟んでいないため、画像流れは発生しなかった。
この感光ドラム1を一晩放置して、翌朝一番で同様の画像の画像形成を行った。すると、画像流れが発生して、図11に示すように、線画像の一部が白く薄くなった。
図1に示すように、感光ドラム1に試験静電像1sを形成して画像出力をさせるとともに、電位センサ30を用いて試験静電像1sの電位分布を測定した。温度湿度、感光ドラム1、停止時間、停止環境等を異ならせて、程度の異なる画像流れを意図的に発生させ、帯電センサ30の出力信号のピーク値との相関を調べた。
図12に示すように、画像流れレベルの異なる各条件にて、試験静電像1sを電位センサ30で検知して出力信号を記録し、続けて線幅100μmの文字画像を画像形成した。これにより、レベルの異なる画像流れが文字画像に再現され、画像流れのレベルに応じた試験静電像1sの検出信号が採取された。図中の変化率は、予め測定しておいた新品の感光ドラム1での出力信号の信号レベル120mVを基準信号とし、それぞれの条件下で、基準信号から何%、ピーク電圧が変化したかを数値で示した。
その結果、形成された画像の画像流れの程度と採取した出力信号のピーク電圧との間には、高い相関性が確認された。また、目視状態で文字画像の画像流れが確認できる場合、予め測定しておいた新品の感光ドラム1での出力信号に対して、ピーク電圧が概ね15%低下していることが確認された。これにより、電位センサ30を用いて試験静電像1sの検出信号のピーク電圧を測定することで、画像流れの発生を十分に予測できることが確認された。
図12に示すように、ピーク電圧の大きさによって画像流れの状態が正確に見積もられ、実際の文字画像のボケ具合も判断される。ピーク電圧の大きさによって、画像形成した場合に画像流れが発生するか否かを正確に判断できる。
図5に示すように、制御部110は、信号処理回路120を通じて電位センサ30の出力を取り込む。電位センサ30が出力する正負のピーク電圧は、試験静電像1sの電位分布のエッジの傾きに対応している。制御部110は、感光ドラム1が新品状態のときに低温低湿(LL)環境で測定した基準値に対して、測定したピーク電圧を比較する。
このとき、試験静電像1sの線幅W1は、20〜2000μmが好ましく、40μm〜1000μmがさらに好ましい。この範囲であれば、画像流れの判断を静電像で精度良く判断できる。
図1に示すように、画像流れは、画像形成装置100の停止後に長時間放置された後に発生し易く、画像形成装置100の連続動作中は発生し難い。画像流れの原因の1つである放電生成物は、画像形成装置100の運転中においてはクリーニング装置6のクリーニングブレード6bの摺擦によって掻き取られ続けているからである。
また、画像流れの直接的原因である感光ドラム1への水分吸着に関しては、画像形成中は、定着装置8の放射熱やクリーニングブレード8bの摩擦熱が感光ドラム1の表面温度を高く維持している。画像形成中は、感光ドラム1の表面が温度差によって周囲よりも乾燥方向となり、水分の吸着が抑止されている。しかし、画像形成装置100の停止後、ある程度時間が経過すると、周囲と同一温度に低下するため、感光ドラム1の表面は、放電生成物が吸湿性、親水性を高めた分だけ、周囲よりも水分を吸着し易くなってしまう。
従って、画像形成を待機させて感光ドラム1を回転し続けていれば、クリーニングブレード6bの摩擦だけでも、画像流れが発生しないレベルまで感光ドラム1の表面抵抗を回復できる。このとき、定着装置8を作動させて感光ドラム1が加温されていれば、表面抵抗を回復させるために感光ドラム1を回転させる時間が短くて済む。
図13に示すように、高温高湿環境(HH:30℃80%RH)、常温常湿環境(MM:23℃50%RH)、常温低湿環境(ML:23℃5%RH)にて感光ドラム1を回転させて表面抵抗を回復させる実験を行った。
図1に示すように、定着装置8及び現像装置4をOFFし、帯電装置2及び転写装置5をONした状態で、放電生成物を堆積させた感光ドラム1を回転させ、10秒ごとに試験静電像1sを形成して電位センサ30でピーク出力を測定した。
図13に示すように、高温高湿環境(HH:30℃80%RH)の場合、70秒の空回転で試験静電像1sの検出信号のピーク電圧は、基準値の85%まで回復した。
常温常湿環境(MM:23℃50%RH)の場合、20秒の空回転で試験静電像1sの検出信号のピーク電圧は、基準値の85%まで回復した。
常温低湿環境(ML:23℃5%RH)の場合、感光ドラム1が吸着すべき水分が周囲に無いため、試験静電像1sの検出信号のピーク電圧は、最初から基準値の85%以上あった。
画像流れは、画像形成装置100の放置直後に発生し易く、画像形成装置100の連続動作中は発生しにくい。よって、画像流れ対策としては、画像形成装置100の起動時の起動時前回転や、スリープモード待機後の再始動における画像形成前・前回転において集中して実行する方法が効果的である。
<移動機構>
図2に示すように、移動機構40は、10個の電位センサ30を感光ドラム1の回転方向に直角な幅方向に配列させて取り付けた支持梁44を昇降させて、電位センサ30の先端を感光ドラム1から離間させる方向に移動させる。移動機構40は、当接過程では、複数の電位センサ30を共通に支持して、当接させる方向へ一体に移動させて、それぞれの先端を一斉に感光ドラム1に対する当接高さへ位置決める。
支持梁44の両端は、一対の案内レール41によって上下へ移動可能に保持され、それぞれ長円形のカム溝42が形成されている。それぞれのカム溝42の内側に、駆動モータM2によって駆動される一対の偏心カム43が保持され、駆動モータM2を作動させて偏心カム43を回転させることにより、支持梁44の両端が上下に駆動される。
制御部110は、移動機構40を制御して、電位センサ30の非検出時に、電位センサ30を感光ドラム1から離間させて電位センサ30の先端の摺擦を軽減する。
図2を参照して図1に示すように、電位センサ30は、露光装置3による露光位置と現像装置4による現像位置との間で感光ドラム1の表面電位の変化を検出する。
制御部110は、前回転を行うために感光ドラム1が回転を開始した後に、電位センサ30の薄板部分が曲げ反力を作用する位置まで支持梁44を下降させて、所定の当接圧力にて電位センサ30の先端を感光ドラム1に当接させる。
そして、感光ドラム1を回転させて表面抵抗を回復させ、電位センサ30の出力から表面抵抗が所定レベルに回復したことが確認されると、支持梁44を上昇させて、電位センサ30を感光ドラム1から離間させる。
なお、電位センサ30の先端の磨耗を軽減する目的であれば、電位センサ30の先端の当接圧を軽減する程度に、移動機構40を作動させてもよい。断続的に電位センサ30を用いた測定を行う場合、断続的な測定の間隔では当接状態を維持したまま当接圧力を軽減しておき、必要な測定が完了した後に完全に離間させる制御としてもよい。
<実施例1>
図14は実施例1の制御のフローチャートである。
図6に示すように、まず、以下の条件で電位センサ30を製作した。
基板フィルム層31、フィルム層35:東レ製のルミラー(商標):PETフィルム、厚み25μm、幅2.5mm、長さ45mm、ヤング率2.7GPa、抵抗率1×1015Ω・cm
薄膜電極層32:シントーケミトロン製の銀ペースト:K−3424、抵抗1.59×10−6Ωcm
検知電極部32a:幅212μm、長さ2mm、厚さ10μm
接続配線部32b:幅0.5mm
第1接着層34、第2接着層36:東洋インキ製造製のオリバイン(商標)、アクリル系粘着剤、厚さ20μm
図6の(a)に示すように、PETフィルムの基板フィルム層31に銀ペーストをスクリーン印刷して図7の(a)に示すL字パターンの検知電極部32a及び接続配線部32bを薄膜形成した。
図6の(b)に示すように、その上から第1接着層34の接着剤として、アクリル系粘着剤を厚み20μmとなるようにバーコーターで塗布、乾燥した。
図6の(c)に示すように、その上から上記PETフィルムを貼り付けた。
図6の(d)に示すように、さらにその上から、第2接着層36として上記接着剤を厚み20μmとなるようにバーコーターで塗布、乾燥した。
図6の(e)に示すように、それを長さ方向の一端側から20mmのところで先端に湾曲面を形成しつつ折り曲げて、背中合わせに完全に貼り付けた。
図5に示すように、このようにして製作した電位センサ30を、当接状態で、感光ドラム1に対して所定角度の当接角度15度(薄板部と感光ドラム1の法線との交差角度)、加圧力0.1g/mmとなるように取り付けた。電位センサ30に信号処理回路120を接続し、出力信号のピーク値をA/D変換して制御部110に取り込ませ、感光ドラム1における画像流れのレベルを判断させた。制御部110は、この判断結果により画像流れが回復したと判断したら、駆動モータ1Mを制御して、感光ドラム1の回転を停止させて画像形成を許可する。
実施例1では、上述したように、検出信号における基準値に比較して15%のピーク高さの低下が画像流れ対策を実行するか否かの閾値としている。
図2を参照して図14に示すように、制御部110は、画像形成装置100の起動時及び画像形成ジョブの受信時に、駆動モータ(1M:図5)を制御して感光ドラム1を前回転させる(S11)。
制御部110は、駆動モータM2を作動させて支持梁44を下降させることにより、前回の測定終了時に感光ドラム1から離間させた電位センサ30を、感光ドラム1に当接させる(S12)。
制御部110は、感光ドラム1の全周に等間隔で定めた10個の角度範囲に試験静電像1sを4本づつ合計40本書き込む(S13)。これと並行して、書き込んだ試験静電像1sを直ちに静電センサ30で検出させる(S13)。信号処理回路120から取り込んだピーク高さは、4本分ごとに平均され、感光ドラム1の10個の角度範囲と図2に示す10個の電位センサ30の番号とに対応させて制御部110の記録装置に保持される(S13)。
制御部110は、感光ドラム1の一周40本の試験静電像1sから、10個の電位センサ30を用いて、それぞれ軸方向の位置をずらせて10個のピーク高さデータを取り込む。そして、10本×10角度領域のピーク高さデータに基づいて、感光ドラム1全表面における試験静電像1sの検出信号のピーク高さマップを作成する。そして、全表面のピーク高さマップに基づいてピーク高さが最も低い領域のピーク高さを抽出する(S14)。
制御部110は、基準値の85%以上のピーク高さが検出された時点で(S15のYES)、画像流れ対策は必要ないと判断する。そして、駆動モータM2を作動させて支持梁44を上昇させることにより、電位センサ30を感光ドラム1から離間させる(S16)。
制御部110は、電位センサ30を感光ドラム1から離間させることによりトナーの付着や摩耗を回避させた状態で、前回転を停止させ(S17)、続いて、画像形成許可信号を出す(S18)。
図2に示すように、実施例1では、画像流れを定量化して確認するため、画像形成前に感光ドラム1が回転している間に、感光ドラム1の長手方向の試験画像1sを円周長さ1周分に40本書き込む。試験静電像1sは、書き込み解像度600dpi(ビームスポット径:42.3μm)の3倍程度であるおよそ127μmの幅を持つ。試験静電像1sは、円周長さ1周分を等しく分割した10個の角度領域において、副走査方向(感光ドラム周方向)に等間隔で4本ずつがそれぞれ書き込まれる。このときの試験静電像1sの深さは一定になるようにする。
感光ドラム1の長手方向に10ヶ所等間隔に設置した電荷センサ30でそれぞれの試験静電像1sに対応する電位分布の信号強度を読み取る。
ここで、便宜上、制御部110に送られた時系列及び各位置のデータを指定するために、感光ドラム1の起動或いは再起動(スリープ時)から何周目に描かれたかをxとする。感光ドラム1の一周における何個目の角度領域かをy(1、2、3、4、5、6、7、8、9、0)とする。感光ドラム1の長手方向のどの位置で電位分布を測定したかをzで表す。これにより、ピーク値の各データをLxyzと表現し、例えば、前回転中1周目の3個目の角度領域における感光ドラム1の長手方向の背面側から数えて5番目のピーク値のデータはL135と表現する。
また、基準値として、前もって制御部110に記憶させている初期状態(初期なので放電生成物の影響を受けておらず流れていない状態)の感光ドラムでのピーク値のレベルをLR0*zと定義する。ここで*は、初期状態の感光ドラム1における一周分のピーク値の平均値を使用する。流れていないため、レベル差ほとんど無いので、平均値を用いて代表値とする。zは、電位センサ30の特性差を補償するため各位置の初期データを使用する。
そして、LR0*zに対してLxyzを、下記の計算式を用いて比べる。
(1−Lxyz/LR0*z)×100%
この式は、初期状態からどのぐらい試験静電像1sの電位分布が崩れているかを示しており、現在の状態が初期状態と変わらなければ、Lxyz=LR0*zで0%となる。そして、試験静電像1sの電位分布が崩れるに従って値が増える。
次に、感光ドラム1の10回転毎に、すべてのピーク値Lxyzの中の最悪値を導出し、電位分布最悪値として処理する。そして、電位分布最悪値が、15%以上の信号強度変化が認められた場合(S15のNO)は画像流れが目視可能なレベルとして画像形成を許可しないで、感光ドラム1の回転を継続する(S20)。
一方、15%より小さくなったら、画像流れ対策は必要ないと判断して感光ドラム1の回転を停止させ、続いて、画像形成許可信号を出す。
実施例1の制御によれば、画像流れを静電像で信号化するので、安定的に精度よく検知でき、現像の要因や感光ドラム1の消耗劣化においても十分に対応できるため、画像流れを精度良く回避できる。さらには、ユーザーの起動時の待ち時間の短縮に関してその性能を向上させることができる。
以上説明したように、本実施例においいては、すくなくとも、画像流れを静電像で信号化して評価するプロセスをとるため、安定的に精度よく画像流れを回避できる。現像部の要因や感光体の耐久変化においても十分に対応でき、さらには、定着性などの画像形成における各種性能を補償しながら、ユーザーの起動時の待ち時間を必要最低限に抑制できる。
<実施例2>
図15は感光ドラムの回転に伴う表面抵抗の回復の説明図、図16は実施例2の制御のフローチャートである。
実施例1の制御では、感光ドラム1の表面抵抗を回復させるための前回転の開始から終了まで、電位センサ30を感光ドラム1に当接させ続けた。これに対して、実施例2の制御では、前回転の開始時に電位センサ30を感光ドラム1に当接させて試験静電像1sの検出信号のピーク値を測定すると直ちに離間させる。感光ドラム1の表面抵抗を回復させるための前回転の継続時間は、図15に示すように、測定結果に応じて設定される。
これにより、1回の前回転で電位センサ30が感光ドラム1に当接する時間は3秒以内となり、電位センサ30の先端に対するトナーの付着や摩耗は実施例1の制御よりもさらに抑制される。
図5を参照して図16に示すように、制御部110は、前回転が開始されると(S11)、電位センサ30を感光ドラム1に当接させる(S12)。そして、露光装置3により試験静電像1sを書き込み、電位センサ30の検出信号のピーク値を測定して(S13)、電位センサ30を感光ドラム1から離間させる(S24)。
制御部110は、図15に示すように、ピーク値の信号強度に応じた前回転時間を設定する(S25)。すなわち、電位分布が崩れて画像流れのレベルが高いほど、感光ドラム1を長時間前回転させて(S26、S27)、クリーニングブレード6bによる摺擦を長く継続させて停止する(S17)。これにより、前回転開始当初の画像流れのレベルの違いにかかわらず、ほぼ一定水準まで表面抵抗が回復するので、画像形成を許可しても(S18)、画像流れが目立たない画像を形成できる。
<実施例3>
電位センサ30を用いた試験静電像の測定は、感光ドラム1の前回転時間の制御には限定されない。実施例3では、画像流れのレベルに応じて露光量を調整することにより、画像流れの目立たない画像を形成する。
図5を参照して図9に示すように、感光ドラム1の表面抵抗が低下すると、反転現像される静電像の電位のピーク値が低下して、現像される画像の線幅W2が狭くなるとともに、トナーの付着量が減少して画像濃度が低下する。
そこで、実施例3では、画像流れのレベルが高いほど露光装置3のレーザービーム強度を高めて、静電像の明部電位VLを一段低下させて、現像コントラストVL−Vdcを表面抵抗が低下していない場合と同程度に確保させる。
これにより、画像流れが発生しても、少なくとも画像濃度については、画像流れが発生していない場合と同様に確保できる。
電位センサを取り付けた画像形成装置の構成の説明図である。 静電像センサの配置の説明図である。 感光ドラムの感光層の構成の説明図である。 電位センサの構成の説明図である。 電位センサの出力回路の説明図である。 電位センサの製造方法の説明図である。 電極パターンの説明図である。 電位センサの先端形状の説明図である。 画像流れが発生する静電像の説明図である。 画像流れが発生していない画像の説明図である。 画像流れが発生した画像の説明図である。 電位センサの出力と画像流れとの関係の説明図である。 感光ドラムの空回転による電位センサの出力の回復の説明図である。 実施例1の制御のフローチャートである。 感光ドラムの回転に伴う表面抵抗の回復の説明図である。 実施例2の制御のフローチャートである。
符号の説明
1 感光ドラム
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 定着装置
10 画像形成部
30 電位センサ
31 基板フィルム層
32 薄膜電極層
32a 検知電極部
32b 接続配線部
33 中心層
34 第1接着層
35 フィルム層
36 第2接着層
40 移動機構
41 案内構造(案内レール)
42 カム溝
43 偏心カム
44 支持梁
100 画像形成装置
110 制御部
120 信号処理回路

Claims (5)

  1. 感光体と、
    前記感光体に静電像を形成する静電像形成手段と、
    回転する前記感光体に先端を当接させて、前記静電像の電位分布の傾きを検出可能な電位センサと、を備えた画像形成装置において、
    前記電位センサの先端を前記感光体から離間させる方向に移動させる移動機構と、
    前記電位センサの非検出時に、前記感光体に対する前記先端の当接を離間させるように前記移動機構を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記電位センサは、前記感光体の回転方向に直角な幅方向に複数配置され、
    前記移動機構は、複数の前記電位センサを共通に支持して前記離間させる方向へ一体に移動させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記電位センサは、前記感光体と前記電極面との対向間隔に位置するように、所定の曲率で折り返された高抵抗性材料の基板フィルム層と、前記基板フィルム層の折り返し線に沿った湾曲面に前記電極面が位置するように、前記基板フィルム層の内側面に検知電極部を薄膜形成した薄膜電極層と、前記基板フィルム層に前記所定の曲率を付与するように、前記基板フィルム層及び前記薄膜電極層に密着して配置された中心層と、を備え、前記基板フィルム層の湾曲面を前記感光体に当接させて前記感光体の表面電位の変化を検出することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記電位センサは、前記基板フィルム層と前記中心層との重なり部分が前記折り返し線に垂直な面内で曲げ可能な長さを有して、前記感光体の幅方向に垂直な面内で前記感光体の回転方向に向かって先端を突き出すように前記感光体の法線から所定角度を傾けて配置され、前記重なり部分の曲げ反力によって、前記感光体に対する接触圧が設定されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 感光体と、
    前記感光体に静電像を形成する静電像形成手段と、
    回転する前記感光体に先端を当接させて、前記静電像の電位分布の傾きを検出可能な電位センサと、を備えた画像形成装置において、
    前記電位センサの先端を前記感光体から離間させる方向に移動させる移動機構と、
    前記電位センサの非検出時に、前記感光体に対する前記先端の当接状態を維持したまま当接圧力を軽減させるように前記移動機構を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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