JP2010060114A - 高負荷伝動用vベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも補強部材のベルト幅方向両端部が樹脂部材によって覆われたブロックを有する高負荷伝動用Vベルトにおいて、上記ブロックの内ビーム内の補強部材の構成に工夫を凝らして、ブロックがプーリから推力を受ける際のせん断力に起因する上記樹脂部材のチッピングを抑制できるような構成を得る。
【解決手段】高負荷伝動用VベルトBは、環状に形成された張力帯10と、該張力帯10と嵌合する嵌合部24が側面に形成された複数のブロック20とを備えている。このブロック20は、上記嵌合部24のベルト内外周側に形成されるビーム部21,22を構成する補強部材27と、該補強部材27の少なくともベルト幅方向両端部を覆う樹脂部材28とを備えている。内ビーム部22内の補強部材27には、該内ビーム部22がプーリと接触する幅方向両端側で断面積が拡大する拡大断面部27aを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、高負荷伝動用Vベルトに関するものである。
従来より、自動車の走行用変速装置として、ベルト式無段変速装置の開発が進められている。このベルト式無段変速装置は、駆動軸及び従動軸上に設けられた、溝間隔が可変の変速プーリーに、Vベルトが巻き掛けられることにより構成されている。すなわち、上記ベルト式無段変速装置は、上記変速プーリーの溝間隔を変化させることにより、無段階で変速を行えるように構成されている。
上記ベルト式無段変速装置に巻き掛けられる上記Vベルトとしては、例えば特許文献1に開示されるように、環状に形成された張力帯に、複数のブロックがベルト長さ方向に所定ピッチで係止固定されてなる高負荷伝動用Vベルトが知られている。
詳しくは、上記高負荷伝動用Vベルトでは、ベルト幅方向の両側面に嵌合溝が形成された各ブロックに対し、該嵌合溝内に上記張力帯を嵌合させることによって、該張力帯にブロックが係止固定されている。すなわち、上記張力帯には、ベルト外周面側及びベルト内周面側のそれぞれにベルト長さ方向に並ぶ複数の被噛合部が設けられているとともに、上記各ブロックの嵌合溝には、上記張力帯の被噛合部に対応して該被噛合部に噛合する噛合部が設けられている。
上記ブロックは、樹脂部材の内部に補強部材が埋設されてなるもので、上述のようにベルト幅方向の両側面に上記嵌合溝が設けられることにより、正面視で略工の字状に形成されている。すなわち、上記ブロック内の補強部材も、正面視で略工の字状に形成されていて、その外表面を樹脂部材によって覆われている。
上述のような構成を有する高負荷伝動用Vベルトは、プーリからの推力を、上記ブロックを介して張力帯に伝えて、該張力帯によって伝動を行うように構成されている。すなわち、上記ブロックは、上記補強部材のベルト幅方向を覆うように設けられた樹脂部材で上記プーリと接触し、該プーリの推力を樹脂部材及び補強部材を介して上記張力帯に伝えるように構成されている。
特開2004−239432号公報
ところで、上述のような構成を有する高負荷伝動用Vベルトでは、各ブロックがプーリから推力を受ける際に、該ブロックのベルト幅方向端部は圧縮方向の力を受ける。上述のとおり、上記ブロックは、その内部に補強部材を有しているため、ベルト幅方向端部でプーリから圧縮力を受けると、該補強部材が存在する部分と存在しない部分とで樹脂部材のベルト方向の変形量が異なる。そうすると、上記ブロックの樹脂部材において、上記補強部材が存在する部分と存在しない部分との変形量の違いによって、それらの間にせん断方向の力が作用し、該せん断力によって樹脂部材が欠けてしまう(チッピングを生じる)場合がある。
特に、上記特許文献1に開示されている構成のように、上記ブロックのベルト内周側を構成する内ビームにおいて、その内部の補強部材の断面がベルト幅方向にほぼ一定である場合には、プーリと接触するベルト幅方向両端部では、該補強部材の存在しない部分が多くなり、せん断力が発生しやすくなるため、樹脂部材のチッピングが生じやすい。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少なくとも補強部材のベルト幅方向両端部が樹脂部材によって覆われたブロックを有する高負荷伝動用Vベルトにおいて、上記ブロックの内ビーム内の補強部材の構成に工夫を凝らして、ブロックがプーリから推力を受ける際のせん断力に起因する上記樹脂部材のチッピングを抑制できるような構成を得ることにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る高負荷伝動用Vベルトでは、ブロックの内ビーム内の補強部材に、ベルト幅方向両端部で断面積が拡大する拡大断面部を設けて、プーリが推力を受ける際に樹脂部材に発生するせん断力を低減するようにした。
具体的には、第1の発明では、環状に形成された張力帯と、該張力帯に所定ピッチで係止固定されるように、該張力帯と嵌合する嵌合溝が側面に形成された複数のブロックとを備えている高負荷伝動用Vベルトを対象とする。
そして、上記ブロックは、上記嵌合溝のベルト外周側に形成される外ビーム及び該嵌合溝のベルト内周側に形成される内ビームを構成する補強部材と、該補強部材の少なくともベルト幅方向両端部を覆う樹脂部材とを備えていて、上記内ビームの補強部材は、該内ビームがプーリと接触するベルト幅方向両端側で断面積が拡大する拡大断面部を有しているものとする。
以上の構成により、プーリの推力を受けるブロックの内ビームにおいて、該プーリとの接触部分をより広い範囲で補強することができ、該推力に起因してブロックの内ビームの樹脂部材に発生するせん断力を低減することができる。すなわち、上記ブロックの内ビーム内の補強部材において、プーリと接触するベルト幅方向両端側の断面積を拡大させることによって、該補強部材のベルト幅方向両端部を覆う樹脂部材をより広い範囲で補強することができ、該樹脂部材の補強部材が存在しない部分を小さくすることができる。したがって、上記ブロックがプーリから推力を受ける際に、該ブロックにおいて、補強部材の存在する部分と存在しない部分との間で発生するせん断力を低減することができ、該せん断力に起因する上記樹脂部材のチッピングの発生を抑制することができる。
上述の構成において、上記拡大断面部は、上記外ビームに向かって断面が拡がるように構成されているものとする(第2の発明)。一般的に、Vベルトがプーリから推力を受けると、該Vベルトの内ビームではベルト幅方向中央部分が下方に撓んで、ブロック側面同士の角度であるベルト角度が小さくなり、該内ビームのベルト幅方向両端部の下側部分がプーリに強く押し付けられる。そうすると、上記内ビームのベルト幅方向両端部の下側部分では、樹脂部材が押しつぶされる一方、該内ビームの上側部分では、樹脂部材があまり押しつぶされることなく、プーリとの接触によって弾性変形を繰り返すことになる。したがって、上記内ビームのベルト幅方向両端部の上側部分では、補強部材の存在する部分と存在しない部分との間で発生するせん断力が繰り返し発生することになり、該せん断力に起因して上記樹脂部材のチッピングが発生する。これに対し、上述のように、内ビーム内の補強部材のベルト幅方向両端部を外ビームに向かって、断面を拡大させることにより、該補強部材の存在する部分と存在しない部分との間で発生するせん断力を確実に低減することができ、該せん断力に起因する上記樹脂部材のチッピングの発生を確実に抑制することができる。
また、上記拡大断面部は、ベルト長さ方向に向かって断面が拡がるように構成されているのが好ましい(第3の発明)。こうすることで、ブロック内のベルトの厚み方向にあまり寸法の余裕がない構成であっても、該ブロックの補強部材のベルト幅方向両端側にできるだけ断面積の大きい拡大断面部を形成することができ、該ブロックがプーリの推力を受ける際に樹脂部材に発生するせん断力をより確実に低減することができる。
以上より、本発明によれば、高負荷伝動用Vベルトのブロックにおける内ビームの補強部材に、そのベルト幅方向両端側で断面積が拡大する拡大断面部を設けたため、該ブロックがプーリから推力を受ける際に上記補強部材の有無によって樹脂部材に発生するせん断力を低減することができ、該樹脂部材のチッピングの発生を抑えることができる。特に、上記拡大断面部を外ビームの方向に向かって断面を拡げるように構成することで、プーリから推力を受けるVベルトの接触状態に応じて該Vベルトを補強することができ、樹脂部材のチッピングの発生を確実に抑制することができる。さらに、上記拡大断面部をベルト長さ方向に断面を拡げるように構成することで、該拡大断面部の断面積をより大きくすることができ、上記せん断力をより確実に低減でき、上記樹脂部材のチッピングをより確実に抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
《実施形態1》
図1に、本発明の実施形態1に係る高負荷伝動用VベルトBの構成を示す。この高負荷伝動用VベルトB(以下、単にVベルトともいう)は、高負荷の伝動が可能に構成されていて、例えば自動車用の無段変速機などに用いられている。具体的には、上記高負荷伝動用VベルトBは、それぞれ環状に形成された一対の張力帯10,10と、該一対の張力帯10,10をベルト幅方向に並べた状態で、該一対の張力帯10,10のベルト長さ方向に所定ピッチで係止固定された複数のブロック20,20,…とを備えている。
上記張力帯10は、ベルト外側に配置された外ゴム層10aと、ベルト内側に配置された内ゴム層10bと、これら外ゴム層10aと内ゴム層10bとの間に配置された複数の心線11,11,…とをそれぞれ有している。
上記外ゴム層10aには、ベルト外側の表面に外帆布層(図示省略)が一体に設けられている。一方、上記内ゴム層10bには、ベルト内側の表面に内帆布層(図示省略)が該内ゴム層10bと一体に設けられている。上記外ゴム層10a及び内ゴム層10bは、例えばメタクリル酸亜鉛を混合した水素化ニトリルゴム(H−NBR)にアラミド繊維又はナイロン繊維等の短繊維を含む硬質ゴム材料等によって形成されている。
上記心線11は、ベルト長さ方向に延びるとともにベルト幅方向に所定の間隔で配置されている。各心線11は、例えばアラミド繊維等によって形成されていて、比較的高い強度及び弾性率を有している。
上記張力帯10のベルト外側の表面には、外側被噛合部として、ベルト長さ方向に所定の間隔で並ぶと共に、それぞれベルト幅方向に延びて断面凹字状をなす複数の外溝12,12,…が形成されている。一方、上記張力帯10のベルト内側の表面には、内側被噛合部として、それぞれベルト幅方向に延びて断面円弧状をなす複数の内溝13,13,…が形成されている。なお、これらの内溝13,13,…は、それぞれ、ベルト厚み方向に上記外溝12,12,…と対向する位置に、所定の間隔で形成されている。
上記ブロック20は、図2に示すように、それぞれ、隣接するブロック20との対向面(正面)から視て略工字状に形成されている。すなわち、上記各ブロック20は、ベルト外面を構成する外ビーム部(外ビーム)21と、ベルト内面を構成する内ビーム部(内ビーム)22と、これら外ビーム部21と内ビーム部22との間に配置されて外ビーム部21と内ビーム部22とを連結するセンターピラー部23とにより構成されている。
つまり、上記外ビーム部21及び内ビーム部22は、それぞれ、ベルト幅方向の寸法が上記センターピラー部23のベルト幅方向の寸法よりも大きくなるように形成されている。上記センターピラー部23は、上記外ビーム部21におけるベルト幅方向の中央部と、上記内ビーム部22におけるベルト幅方向の中央部とを連結するように設けられている。
そして、上記センターピラー部23におけるベルト幅方向の両側には、それぞれ、ベルト幅方向外方に向かって開口し、上記外ビーム部21及び内ビーム部22により区画形成されたスリット状の一対の嵌合部24,24(嵌合溝)が設けられている。この一対の嵌合部24,24には、それぞれ上記張力帯10,10が圧入されていて、これにより、張力帯10,10がブロック20と嵌合している。
上記嵌合部24には、外側噛合部として、外ビーム部21側の壁面に張力帯10の上記外溝12に噛合する突条の外突条部25が形成されている一方、内側噛合部として、内ビーム部22側の壁面に張力帯10の上記内溝13に噛合する突条の内突条部26が形成されている。これらの外突条部25及び内突条部26は、ベルト厚み方向に対向する位置に設けられている。そうして、上記外突条部25が外溝12に噛合するとともに上記内突条部26が内溝13に噛合することにより、複数のブロック20,20,…が張力帯10のベルト長さ方向に並んで係止固定される。
上記各ブロック20は、図2に示すように、金属製の補強部材27と、該補強部材27の全体を覆う樹脂部材28とを有している。具体的には、上記各ブロック20は、例えばインサート成形により、樹脂部材28の内部に補強部材27がブロック20の略中央に位置するように埋め込まれてなる。つまり、上記各ブロック20は、例えばフェノール系樹脂等により形成された樹脂部材28と、この樹脂部材28の中に埋設された補強部材27とにより構成されている。この補強部材27は、例えばアルミニウム合金等からなるもので、上記ブロック20と略同じ輪郭形状である略工字状に形成されている。
なお、上記フェノール系樹脂は、例えばノボラック、レゾール又はベンジリックエーテル型のフェノール系樹脂等であり、これらのフェノール系樹脂は変性又は未変性のいずれでもよい。変性フェノール系樹脂としては、例えばアルキル変性フェノール系樹脂、トールオイル変性フェノール系樹脂等が挙げられる。さらに好ましくは、カルドール等、すなわち、カシューオイル、カシューオイルに含まれているカルドール、アナカルド酸及びカルダノールの少なくとも1つで変性されたフェノール系樹脂等が挙げられる。また、上記フェノール系樹脂は、単独又は複数混合して使用することができる。特に、未変性フェノール系樹脂とカルドール等による変性フェノール系樹脂とを併用する場合には、両者の混合比率を適宜選択するとよい。
上述の構成により、上記ブロック20の外ビーム部21及び内ビーム部22は、それぞれ、上記補強部材27におけるベルト幅方向の両側の表面全体が樹脂部材28によって覆われてなる。換言すると、上記各ブロック20は、プーリと接触するベルト幅方向の両側端部が樹脂部材28によって構成されている。なお、この実施形態では、上記補強部材27の全体を樹脂部材28で覆うようにしているが、この限りではなく、該補強部材27の幅方向両端部で且つプーリとの接触する部分を樹脂部材28で覆っていれば、全面を覆わなくてもよい。
また、上記各ブロック20は、ベルト長さ方向の一方の表面に突出して形成された凸部29と、ベルト長さ方向の他方の表面に形成され、隣接するブロック20の凸部29に係合する凹部(図示省略)とを有している。これらの凹部及び凸部29は、センターピラー部23のピッチライン上に形成されている。
上記凹部は、断面円弧状等に形成され、内径が底面側に向かうに連れて徐々に小さくなるテーパ状に形成されている。一方、上記凸部29は、断面円弧状に形成され、外径が先端側に向かうに連れて徐々に小さくなるテーパ状に形成されている。
VベルトBは、ベルト長さ方向に隣り合うブロック20の間において、一方のブロック20の凹部に他方のブロック20の凸部29が係合することにより、各ブロック20のベルト厚み方向及びベルト幅方向への揺動が規制されるようになっている。こうして、高負荷伝動用VベルトBは、プーリの回転力をブロック20が接触面で受けて推力として張力帯10に伝えることにより伝動を行う。
ところで、上述のような構成のVベルトにおいて、ブロックの側面でプーリから推力を受ける場合、該プーリとの接触部分では、補強部材を覆う樹脂部材に弾性変形が生じるため、該補強部材が存在する部分と存在しない部分とでは、樹脂部材の変形量に差が生じ、該樹脂部材にせん断力が生じることになる。このせん断力が繰り返し作用すると、上記樹脂部材が欠けてしまう、いわゆるチッピングが生じることになり、ベルトの耐久性を低下させる要因となる。
これに対し、本発明では、上記ブロック20の補強部材27の断面形状に工夫を凝らして、樹脂部材28に生じるせん断力を低減することによって、該せん断力に起因する該樹脂部材28のチッピングを抑制する。具体的には、図2(a)に示すように、内ビーム部22内の補強部材27の幅方向両端部に、断面が拡大する拡大断面部27a,27aを設ける。この拡大断面部27aは、上記補強部材27の内ビーム部22に対応する部分の幅方向両端部に、外ビーム部21側(図2では上方)に向かって突出するように設けられている。すなわち、図2(b)に示すように、ベルト幅方向で断面がほとんど変化しない従来の補強部材に対して、拡大断面部27aでは、外ビーム部21側(図2では上方)に向かって断面が拡大するように構成されている。
このように、上記ブロック20の内ビーム部22内に埋設された補強部材27の幅方向両端部に、拡大断面部27a,27aを設けることで、VベルトBがプーリから推力を受ける場合に、該VベルトBのブロック20におけるプーリとの接触部分の樹脂部材28を補強部材27の拡大断面部27aによって広い範囲で力を受けることができ(図2(b)の右図参照)、これにより、従来(図中の一点鎖線部)に比べて面圧を低下させることができ(図中の実線参照)、上記補強部材27が存在する部分と存在しない部分との間で上記樹脂部材28に生じるせん断力を低減することができる。したがって、上記せん断力に起因する上記樹脂部材28のチッピングの発生を抑制することができ、VベルトBの耐久性の向上を図れる。
しかも、上記拡大断面部27aを、外ビーム部21側(図2では上方)に向かって断面が拡大するように形成することで、VベルトBとプーリとの接触状態に応じた補強を行うことができ、上記せん断力をより確実に低減することができる。すなわち、一般的に、Vベルトがプーリから推力を受けると、該Vベルトの内ビーム部では幅方向中央部分が下方に撓んで、ベルト角度が小さくなり、該内ビーム部の幅方向両端部の下側部分がプーリに強く押し付けられる。そうすると、上記内ビーム部の幅方向両端部の下側部分では、樹脂部材が押しつぶされる一方、該内ビーム部の幅方向両端部の上側部分では、樹脂部材があまり押しつぶされることなく、プーリとの接触によって弾性変形を繰り返すことになる。したがって、上記内ビーム部の幅方向両端部の上側部分では、補強部材が存在する部分と存在しない部分との間でせん断力が繰り返し発生することになり、該せん断力に起因して上記樹脂部材のチッピングが発生しやすくなる。これに対し、上述のように、上記内ビーム部22の幅方向両端部の上側部分、すなわち外ビーム部21側に向かって、補強部材27の断面を拡大させることにより、該補強部材27が存在する部分と存在しない部分との間で発生するせん断力をより確実に低減することができ、該せん断力に起因する上記樹脂部材28のチッピングの発生をより確実に抑制することができる。
《実施形態2》
次に、本発明の実施形態2に係る高負荷伝動用VベルトBについて以下で説明する。この実施形態2に係る高負荷伝動用VベルトBは、図3に示すように、ブロックの補強部材における拡大断面部の形状が上記実施形態1とは異なるだけなので、同一の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ以下で説明する。
具体的には、図3(a)に示すように、ブロック40内の補強部材47のうち、内ビーム部42の内部に埋設される部分の幅方向両端部に、拡大断面部47aを設ける。この拡大断面部47aは、図3(b)に示すように、上記内ビーム部42の内部の補強部材47を厚み方向(図の上下方向)及びベルト長さ方向(図の左右方向)に拡大するように形成されている。詳しくは、上記拡大断面部47aは、上記内ビーム部42の断面形状よりも小さい相似形状になるように形成されていて、プーリから推力を受ける際に該内ビーム部42のほぼ全面に作用する力を受け止めることができる。なお、上記図3において、符号42は外ビーム部を、符号44は嵌合部を、符号48は樹脂部材を、それぞれ示す。
以上の構成により、上記VベルトBのブロック40の内ビーム部22は、プーリから推力を受ける際に、その幅方向両端部の広い範囲で上記補強部材47の拡大断面部47aによって力を受けることができる(図3(b)の右図参照)ため、従来(図中の一点鎖線部)に比べて面圧を低下させることができ(図中の実線参照)、該補強部材47が存在する部分と存在しない部分とで樹脂部材48に発生するせん断力をより確実に低減することができる。したがって、上記せん断力に起因する樹脂部材48のチッピングの発生をより確実に抑制することができる。
しかも、上述のように、上記拡大断面部47aを、断面が補強部材47の厚み方向だけでなく、ベルト長さ方向にも拡大するように設けることで、該拡大断面部47aの断面積をより大きくすることができるとともに、構造上の制約等によって、上記補強部材47の厚み方向に断面を拡大することができない場合にも、断面を確実に拡大させることができる。したがって、上述の構成により、上記樹脂部材48に発生するせん断力を確実に低減することができ、該せん断力に起因する該樹脂部材48のチッピングの発生を確実に抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、高負荷伝動用VベルトBは一対の張力帯10を備えているが、この限りではなく、少なくとも1つの張力帯10を備えていればよい。
また、上記各実施形態では、ブロック20,40内に埋設される補強部材27,47の拡大断面部27a,47aを、外ビーム部21,41側(図2、3では上方)に向かって断面が拡大するように設けているが、この限りではなく、ベルト内方側(図2、3の下方)に向かって断面が拡大するように設けてもよい。
また、上記各実施形態では、補強部材27,47と一体に拡大断面部27a,47aを設けているが、この限りではなく、補強部材とは別の部材によって拡大断面部を構成して、該補強部材に取り付けるようにしてもよい。
高負荷伝動用VベルトBについて行った試験及びその評価結果について以下で説明する。
(試験評価用ベルト)
試験評価用のVベルトとして、ベルト角度(ブロックの側面がなす角度)が26度、ブロックの幅寸法が25mm、ブロックのベルト長さ方向の寸法が3mm、ブロックの厚みが2.95mm(補強部材は、厚み2mmで軽量高強度アルミ合金製)、ベルトの長さが612mmのベルトを製作した。そして、ブロック内の内ビーム部に対応する補強部材の幅方向両端部に拡大断面部を有していないもの(断面積5.57mm)を従来例、上記実施形態1の形状の拡大断面部を有するもの(断面積6.62mm)を実施例1、上記実施形態2の形状の拡大断面部を有するもの(断面積8.82mm)を実施例2として、それぞれ製作した。なお、上記内ビーム部に対応する補強部材の幅方向両端部を樹脂部材によって覆うことにより形成される接触部分の面積は、いずれのベルトでも9.94mmである。
(試験評価方法)
<耐衝撃性試験>
図4に示す耐衝撃性試験機を用いて、実施例1、2及び従来例のVベルトにおけるブロックの耐衝撃性をそれぞれ測定した。上記耐衝撃性試験機は、ロードセル50と、該ロードセル50に連結部材51を介して接続された略逆コ字状の第1受圧部材52と、該第1受圧部材52に係合する略コ字状の第2受圧部材53と、この第2受圧部材53のロードセル50とは反対側に接続された柱状のガイド部材54と、該ガイド部材54に沿って落下可能に構成された重錘55とを備えている。上記ガイド部材54の先端には、上記重錘55を受け止めるためのストッパ部54aが設けられている。
上記第1受圧部材52及び第2受圧部材53は、両者間にVベルトのブロック20,40を隙間なく狭持できるように構成されている。これにより、上記ストッパ部54a上に重錘55が落下すると、その衝撃は、上記ガイド部材54を介して上記第2受圧部材53に伝わるため、該第2受圧部材53と第1受圧部材52との間に配置されたブロック20,40に対して衝撃を与えることができる。なお、上記図4において、矢印は上記重錘55の落下方向を示している。
この試験では、上記試験機を用いて、上記ブロック20,40のプーリとの接触部分の樹脂部材28,48が欠けるまでの重錘55の落下回数を測定し、その重錘55の落下回数をブロック20,40の耐衝撃性として評価した。
なお、上記耐衝撃性試験では、1.5kgの重錘55をストッパ部54aよりも15mm上方から20回/分の落下周期で落下させた。このときの雰囲気温度は130℃である。
<高速耐久性試験>
図5に示すように、駆動プーリ60及び従動プーリ61に実施例1、2及び従来例の各VベルトBをそれぞれ巻き掛けて500時間走行させ、各VベルトBの走行可能時間を測定し、高速耐久性として評価した。
この高速耐久性試験での駆動プーリ60のプーリ径は133.6mmであり、従動プーリ61のプーリ径は、61.4mmである。駆動プーリ60の回転数を5016±60rpmとし、駆動プーリ60のトルクを63.7N・mとした。また、上記駆動プーリ60及び従動プーリ61の収容されたケース62内に120度の空気を供給した状態で走行試験を行った。
<摩耗量の測定>
上記高速耐久性試験と同様の条件で各Vベルトをそれぞれ400時間走行させた後に、各Vベルトのプーリとの接触部分の厚みを測定して、ベルト走行前に予め測定した各Vベルトの接触部分の厚みと比較することにより、各Vベルトの接触部分の摩耗量をそれぞれ求めた。
(試験評価結果)
上述の耐衝撃性試験及び高速耐久性試験の試験結果を図6に示す。
従来例のVベルトでは、800回の落下回数で樹脂部材が欠けるのに対し、ブロック20,40内の補強部材27,47に拡大断面部27a,47aを設けた実施例1、2の各Vベルトでは、それぞれ、6000回、8000回の落下回数で樹脂部材が欠けている。したがって、上記拡大断面部27a,47aを設けることで、樹脂部材28,48のチッピングを抑制することができ、ベルトの耐久性の向上を図ることができる。特に、上記拡大断面部47aの面積が大きい実施例2のVベルトBの方が、より多くの落下回数(8000回)で樹脂欠けを生じていることから、耐衝撃性がより高いことが分かる。
また、400時間走行後のVベルトのプーリとの接触部分の摩耗量も、従来例のVベルトに比べて実施例1、2のVベルトの方が小さいことから、上記拡大断面部27a,47aを設けることで、耐摩耗性の向上も図れる。
なお、高速耐久性については、実施例1、2及び従来例のいずれのVベルトも、500時間が経過しても特に異常は見当たらなかった。
以上の試験結果より、実施例1、2のVベルトは、従来例のVベルトに比べて、樹脂部材28,48の耐衝撃性が高く、且つプーリとの接触部分の耐摩耗性も高いことが分かった。
以上説明したように、本発明は、補強部材の形状に工夫を凝らすことによって、プーリとの接触部分における樹脂部材のチッピングを抑制することができるので、高負荷伝動用Vベルトの耐久性を向上させる場合に特に有用である。
本発明の実施形態1に係る高負荷伝動用Vベルトの一部を概略的に示す斜視図である。 高負荷伝動用Vベルトのブロックにおける、(a)正面図、(b)内ビーム部の側面図及び面圧分布である。 実施形態2に係る高負荷伝動用Vベルトのブロックにおける図2相当図である。 耐衝撃性試験の試験装置の構成を概略的に示す正面図である。 高速耐久性試験の試験装置の構成を模式的に示す図である。 各種試験の測定結果を示す図である。
符号の説明
B 高負荷伝動用Vベルト
10 張力帯
20、40 ブロック
21、41 外ビーム部(外ビーム)
22、42 内ビーム部(内ビーム)
24、44 嵌合部(嵌合溝)
27、47 補強部材
27a、47a 拡大断面部
28、48 樹脂部材

Claims (3)

  1. 環状に形成された張力帯と、該張力帯に所定ピッチで係止固定されるように、該張力帯と嵌合する嵌合溝が側面に形成された複数のブロックとを備えている高負荷伝動用Vベルトであって、
    上記ブロックは、上記嵌合溝のベルト外周側に形成される外ビーム及び該嵌合溝のベルト内周側に形成される内ビームを構成する補強部材と、該補強部材の少なくともベルト幅方向両端部を覆う樹脂部材とを備えていて、
    上記内ビームの補強部材は、該内ビームがプーリと接触するベルト幅方向両端側で断面積が拡大する拡大断面部を有していることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
  2. 請求項1において、
    上記拡大断面部は、上記外ビームに向かって断面が拡がるように構成されていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
  3. 請求項1または2において、
    上記拡大断面部は、ベルト長さ方向に向かって断面が拡がるように構成されていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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