JP2010060044A - 真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫、並びに真空断熱材の製造方法 - Google Patents

真空断熱材及びそれを用いた冷蔵庫、並びに真空断熱材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】断熱性能とリサイクル性が高く、製造工程のエネルギーを低減することのできる積層した繊維集合体からなる真空断熱材、これを用いた冷蔵庫を提供すること。
【解決手段】繊維集合体からなる芯材51と、ガスバリヤ性を有する外被材53と、を備えた真空断熱材60において、芯材は、その中央層に配置した樹脂繊維集合体51cと、樹脂繊維集合体の両側の表面層に配置した繊維集合体51a,51bと、を有し、表面層の繊維集合体は、その軟化温度が中央層の樹脂繊維集合体の軟化温度よりも高い材料であるもの。表面層の繊維集合体51a,51bがシンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂であり、中央層51cの樹脂繊維集合体がアタクチック構造のポリスチレン樹脂であるもの。また、表面層の繊維集合体が無機系材料であり、中央層の樹脂繊維集合体がポリスチレン樹脂であるもの。外箱21と内箱22との間に形成される空間に発泡断熱材23ととともに配置される真空断熱材50を備えた冷蔵庫。
【選択図】図2

Description

本発明は、真空断熱材及び真空断熱材を適用した冷蔵庫、並びに真空断熱材の製造方法に関するものである。
地球温暖化防止に対する社会の取り組みとして、COの排出抑制を図るため、様々な分野で省エネ化が推進されている。近年の電気製品、特に冷熱関連の家電製品においては消費電力量低減の観点から、真空断熱材を採用して断熱性能を強化したものが主流になっている。また、各種原材料から製品の製造工程に至るまでのあらゆるエネルギー消費量を抑制するため、原材料についてはリサイクル化の推進、製造工程においては燃料代や電気代の抑制等、省エネ化が推進されている。
現在、市場に流通している省エネ製品に採用されている真空断熱材の従来例としては特許文献1に開示されたものがあるが、この真空断熱材は、ガラス繊維であるグラスウールを芯材とし、ガスバリヤ性の外被材で覆って、内部を減圧状態としたものである。芯材であるグラスウールは一定の厚みになるように、ガラス繊維が熱変形し始める高温で加圧プレスを実施して成形するものであり、芯材にバインダーを含まないため断熱性能が良好な真空断熱材が得られるものである。この真空断熱材の適用例として、冷蔵庫等ウレタン発泡断熱材と共に使用される例が示されている。
一方で、リサイクル性を考慮した真空断熱材の従来例として、特許文献2に開示されたものがあるが、この真空断熱材は繊維太さ1〜6デニールのポリエステル繊維を50重量%以上含有するシート状繊維集合体を芯材としたものである。この繊維径にすることによって、従来の連続気泡ウレタンフォームを上回る断熱性能を実現すると共に、使用後のリサイクル性が非常に優れるとしている。
また、特許文献3に示される真空断熱材は、融点の異なる2種類のポリエステル繊維を含む繊維集合体をシート状に加工してなる芯材を用いたものである。これにより、環境負荷が少ないだけでなく、シート状に加工しやすく、従来のウレタンフォーム板状芯材と遜色ないレベルの断熱性能を実現するものである。
特開2005−220954号公報 特開2006−29505号公報 特開2006−57213号公報
しかしながら、特許文献1〜3の真空断熱材は次のような課題を有している。すなわち、特許文献1の真空断熱材については、グラスウールを芯材としているため、ウレタン発泡時に上昇する温度に耐えられることは勿論、断熱性能も良好で機器の省エネルギーの一助となっているものの、真空断熱材を製造するまでの工程においては、ガラスを溶融して繊維化して得られるグラスウール製造工程や、高温で加圧プレスすることで得られる芯材の製造工程において、熱エネルギーの消費量が膨大となることから、総合的にコストパフォーマンス及び環境配慮性に課題がある。
ポリエステル繊維を芯材に用いた特許文献2の真空断熱材については、冷蔵庫等のウレタン発泡などで上昇する温度への耐熱性は有しており、芯材製造時のエネルギー消費量の面では特許文献1の発明よりも環境配慮はしているものの、ニードルパンチ法によってシート状加工を施しているため、ポリエステル繊維が部分的に束ねられることにより熱伝導しやすくなり、断熱性能面では特許文献1等のグラスウールを芯材とした真空断熱材に対して大幅に劣るものである。
また、特許文献3の真空断熱材についても、低融点繊維がバインダの役割を担うため、シート状に加工しやすい点はあるが、低融点繊維が潰れて繊維同士の接触が大きくなり熱伝導しやすく、断熱性能面で特許文献1等のグラスウールを芯材とした真空断熱材に対して大幅に劣るものである。以上説明したように、従来公知の真空断熱材は製造時のエネルギー消費量と断熱性能のバランスが悪く、一長一短を有していた。
本発明は、真空断熱材製造時のエネルギー消費量を抑制し、環境負荷が小さく、断熱性能面でも高いレベルを実現でき、一定の耐熱温度を確保した真空断熱材を提供することを目的とする。また、本発明は、少なくとも芯材の一部に樹脂系材料を繊維化したものを含んだ真空断熱材を提供するものである。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
繊維集合体からなる芯材と、ガスバリヤ性を有する外被材と、を備えた真空断熱材において、前記芯材は、その中央層に配置した樹脂繊維集合体と、前記樹脂繊維集合体の両側の表面層に配置した繊維集合体と、を有し、前記表面層の繊維集合体は、その軟化温度が前記中央層の樹脂繊維集合体の軟化温度よりも高い材料である真空断熱材。
また、前記真空断熱材が、前記表面層の繊維集合体がシンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂であり、前記中央層の樹脂繊維集合体がアタクチック構造のポリスチレン樹脂であるもの。また、前記真空断熱材が、前記表面層の繊維集合体が無機系材料であり、前記中央層の樹脂繊維集合体がポリスチレン樹脂であるもの。
また、前記真空断熱材において、前記芯材は、バインダ成分を含まない平均繊維径2〜6μmのガラス繊維集合体が平均繊維径1〜30μmのポリスチレン樹脂繊維集合体を挟んだサンドイッチ構造であり、前記芯材に占めるポリスチレン樹脂繊維集合体の割合が50〜80%であるもの。
また、上記の真空断熱材が、外箱と内箱とによって形成される空間に発泡断熱材とともに設置される冷蔵庫、さらに、上記の真空断熱材が、圧縮機、制御又は電源基板、放熱パイプを含む発熱部品と対向する空間に発泡断熱材とともに設置される冷蔵庫、
また、樹脂材料を溶融して繊維化する繊維化工程、前記繊維化した樹脂繊維集合体を中央層に配置し、前記樹脂繊維集合体の両側の表面層に前記中央層の樹脂繊維集合体の軟化温度よりも高い材料である繊維化した繊維集合体を配置するように、前記樹脂繊維集合体と前記繊維集合体を積層する積層行程、積層したものを製品サイズに切断する切断工程、とからなる芯材製造工程と、前記芯材中又は芯材表面に付着した水分又はガス成分を離脱させる芯材乾燥工程と、乾燥した芯材を袋状の外被材に投入する袋詰め工程と、外被材内部を減圧状態として封止する真空パック工程と、からなる真空断熱材の製造方法。
本発明によれば、芯材の一部に樹脂繊維材料を採用することにより、真空断熱材及びその材料の製造工程で消費される電気・熱エネルギーを大幅に削減できる。また、従来、樹脂繊維材料を使用した真空断熱材は断熱性能でグラスウールのみを芯材としたものよりも劣っていたが、本発明によれば、グラスウールのみを芯材とした真空断熱材と同等の断熱性能を実現でき、一定の耐熱温度を確保できるものである。
さらに、樹脂材料としては、廃家電等から回収したリサイクル樹脂を使用できることから、リサイクル性の高い真空断熱材及び冷蔵庫を提供できるものである。
本発明の実施形態に係る真空断熱材における、構成例、使用例、適用例、及び比較例について、図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る真空断熱材の構成例を示す図である。図2は本実施形態に係る真空断熱材の使用例を示す図である。図3は本実施形態に係る真空断熱材を適用した冷蔵庫の正面図である。図4は本実施形態に係る真空断熱材を適用した冷蔵庫の断面図であり、図3のA−A線断面図である。図5は本実施形態に係る真空断熱材の構成を示す複数の実施例と比較例との対比を表す図である。
図面において、1は冷蔵庫、2は冷蔵室、3aは製氷室、3bは上段冷凍室、4は下段冷凍室、5は野菜室、6aは冷蔵室扉、6bは冷蔵室扉、7aは製氷室扉、7bは上段冷凍室扉、8は下段冷凍室扉、9は野菜室扉、10は扉用ヒンジ、11はパッキン、12,14は断熱仕切り、13は仕切り部材、20は箱体、21は外箱、21aは天板、21bは後板、22は内箱、23は断熱材、27は送風機、28は冷却器、30は圧縮機、31は凝縮機、33は発泡ポリスチレン、40は凹部、41は電気部品、42はカバー、45は庫内灯、45aはケース、50は真空断熱材、51は芯材、51a,51bは繊維集合体、52cは樹脂繊維集合体、53は外被材、54は内袋、をそれぞれ表す。
「実施例1」
図1に示す真空断熱材50の構成を示す実施例1は、外被材53、内袋54、芯材51、吸着剤(図示なし)で構成されている。外被材53はガスバリヤ性を有するものであれば特に限定することはないが、実施例1では表面層、防湿層、ガスバリヤ層、熱溶着層の4層で構成されたラミネートフィルムとした。
具体的には、表面層としては吸湿性が低いポリプロピレンフィルムを、防湿層としてポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミ蒸着層を設け、ガスバリヤ層はエチレンビニルアルコール共重合体フィルムにアルミ蒸着層を設けて、防湿層のアルミ蒸着層と向かい合うように貼り合わせた。熱溶着層には汎用性の高い直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを用いたが、特に限定するものではないので、高密度ポリエチレンやポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート等の熱溶着可能なフィルムであればよい。ここで、表面層には耐突き刺し強度に優れているポリアミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム等を用いても良い。
尚、外被材53のラミネート構成については、上述の特性を有していれば特に4層構成に限定するものではなく、5層、3層でも良い。各層は二液硬化型ウレタン接着剤を介してドライラミネート法によって貼り合わせられるが、接着剤や貼り合わせ方法については特にこれに限定するものではない。
内袋54については、実施例1では熱溶着可能なポリエチレンフィルムを、図示しない吸着剤については物理吸着タイプの合成ゼオライトを用いたが、いずれの材料もこれに限定するものではない。内袋54についてはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等、吸湿性が低く熱溶着でき、アウトガスが少ないものであれば良く、図示しない吸着剤については水分やガスを吸着するものであれば細孔径の異なる合成ゼオライトやシリカゲル等の物理吸着タイプや、酸化カルシウム、塩化カルシウム、酸化ストロンチウム等の化学反応型吸着タイプ等を用いることができる。
芯材51については、シンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂を繊維化した繊維集合体51a、無機繊維集合体であるバインダを含まないグラスウール51b、アタクチック構造のポリスチレン樹脂を繊維化した繊維集合体51cを適宜組み合わせて用いればよい。具体的に実施例1では、図5に示すように、シンジオタクチックポリスチレンの繊維集合体51aとアタクチックポリスチレンの繊維集合体51cを使用する。
ここで、シンジオタクチック構造とは立体化学構造が炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するもので、軟化温度としては110℃前後、融点が270℃前後である。また、アタクチック構造とは、通常一般的にポリスチレンと呼ばれるものはこの構造であり、立体化学構造が炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が不規則(ランダム)に位置する立体構造を有するもので、軟化温度は一般的に80℃前後である。尚、ここで言う軟化温度は荷重たわみ温度を表す。
繊維集合体51aはシンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂を290℃で溶融してメルトブローン法で平均10μmになるよう繊維化したものであり、繊維集合体51cについてはアタクチック構造のポリスチレン樹脂を270℃で溶融して同様にメルトブローン法で平均10μmに繊維化したものである。ポリスチレン樹脂についてはバージン材料を使用できることは勿論であるが、アタクチック構造のポリスチレン樹脂については、廃家電品やその他使用済製品から回収されたリサイクル材料についても使用することができる。
リサイクル材料について、好ましくは粗粉砕後に選別、洗浄したものをペレット状或いは5mm以下程度に細かく粉砕したものが良いが、特にこれに限定するものではない。シンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂についてはこれに限定せず、アイソタクチック構造のポリスチレンでも使用できる。尚、グラスウール51bについては平均繊維径4μmのものを使用した。実施例1では、図1(a)の構成となるように繊維集合体51aで繊維集合体51cを挟んで使用、その使用割合を4:6とした(図5に示す実施例1を参照)。
これらの材料構成で、芯材51を70〜90℃で十分乾燥し、内袋54で覆った後、一端圧縮して密封状態とし、これを外被材53に挿入後、内袋の密封を解除して、真空包装機にセットした。その後、大気圧から真空度2.2Paまで一気に減圧して、真空度2.2Pa以下で一定時間保持後、外被材53を封止した。尚、内袋の密封解除方法は、カッターや鋏み等で行うものであるが、特に指定するものでは無い。これにより得られた真空断熱材の熱伝導率を英弘精機社製熱伝導率測定機オートλHC−074で測定したところ、初期値で1.9〜2.1(mW/m・K)と良好な値が得られた。これを70℃雰囲気下での10年相当経過後の熱伝導率を検証した結果、10〜11(mW/m・K)という値となった。10年相当経過後もグラスウールや硬質ウレタンフォーム等よりも断熱性能が良い結果が得られた。
また、冷蔵庫への使用を想定し、図2に示すような鋼板製の外箱21に真空断熱材50を貼付け、冷蔵庫の内箱22との間に硬質ウレタンフォーム23を充填して真空断熱材50の断熱性能影響を検証した。硬質ウレタンフォーム23は充填時に自身の反応熱により70〜100℃の範囲で温度上昇するため、汎用的なポリスチレン樹脂の耐熱温度を超えてしまうことがある。このため、硬質ウレタンフォーム23の充填時に真空断熱材50が変形したり、繊維同士の融着等の発生によって断熱性能が悪化することが考えられる。
本実施例1の真空断熱材50においては、硬質ウレタンフォーム23の充填によって真空断熱材50の表面温度が一時的に約98℃まで上昇したが、芯材51を構成する繊維集合体51a,51cが変形することは無かった。また、発泡後に真空断熱材50を取り出して熱伝導率を測定したところ、初期性能と同じ値を示したことから、発泡熱の影響が無いことを確認した。
また、以上の説明は、図1の(a)に示す構造を基に説明したが、真空断熱材50の構造として、図1(b)に示すように、樹脂繊維集合体51cの片側、すなわちウレタンフォーム23側の表面層に繊維集合体51a又は51bを配置する構成例としてしてもよい。この真空断熱材50を図2に示す使用例と同様にすることで、樹脂繊維集合体51cは繊維集合体51aを介在させることなく外被材53を通して鋼板外箱21に取り付けられることになる。
「実施例2」
図1に示す真空断熱材50の構成を示す実施例2においては、実施例1の芯材51の繊維集合体51aを、バインダを含んでいない平均繊維径4μmのグラスウールとした繊維集合体51bとした以外は全て実施例1と同じとし、図1(a)の構成となるように繊維集合体51bで繊維集合体51cを挟んで使用、その使用割合を5:5とした(図5の「実施例2」を参照)。
これらの材料構成で、芯材51のうち繊維集合体51cを70〜90℃で十分乾燥し、繊維集合体51bについては180〜230℃で十分乾燥を行った。これらの繊維集合体51b,51cは積層して内袋54で覆った後、一端圧縮して密封状態とし、これを外被材53に挿入後、内袋54の密封を解除して、真空包装機にセットした。内袋54の密封を解除する理由は内袋54の内部を減圧するためである。
その後、大気圧から真空度2.2Paまで一気に減圧して、真空度2.2Pa以下で一定時間保持した後、外被材53を封止した。尚、内袋54の密封解除方法は、カッターや鋏み等で行うものであるが、特に指定するものでは無い。これにより得られた真空断熱材の熱伝導率を英弘精機社製熱伝導率測定機オートλHC−074で測定したところ、初期値で1.8〜2.0(mW/m・K)と良好な値が得られた。これを70℃雰囲気下での10年相当経過後の熱伝導率を検証した結果、9〜10(mW/m・K)という値となった。10年相当経過後もグラスウールや硬質ウレタンフォーム等よりも断熱性能が良い結果が得られた。
また、冷蔵庫への使用を想定し、図2に示すような鋼板製の外箱21に真空断熱材50を貼り付け、冷蔵庫の内箱22との間に硬質ウレタンフォーム23を充填して真空断熱材50の断熱性能影響を実施例1と同様に検証した。本実施例2の真空断熱材50においては、硬質ウレタンフォーム23充填によって真空断熱材50の表面温度が一時的に約97℃まで上昇したが、芯材51を構成する繊維集合体51b,51cは変形することは無かった。また、発泡後に真空断熱材50を取り出して熱伝導率を測定したところ、初期性能と同じ値を示したことから、発泡熱の影響が無いことを確認した。
「実施例3」
真空断熱材50の構成を示す実施例3においては、実施例2において繊維集合体51bと繊維集合体51cの使用割合を3:7とした以外は同じである(図5に示す「実施例3」を参照)。
実施例3で得られた真空断熱材の熱伝導率を英弘精機社製熱伝導率測定機オートλHC−074で測定したところ、初期値で1.9〜2.2(mW/m・K)と良好な値が得られた。これを70℃雰囲気下での10年相当経過後の熱伝導率を検証した結果、11〜12(mW/m・K)という値となった。10年相当経過後もグラスウールや硬質ウレタンフォーム等よりも断熱性能が良い結果が得られた。
また、冷蔵庫への使用を想定し、図2に示すような鋼板製の外箱21に真空断熱材50を貼り付け、冷蔵庫の内箱22との間に硬質ウレタンフォーム23を充填して真空断熱材50の断熱性能影響を実施例1と同様に検証した。本実施例2の真空断熱材50においては、硬質ウレタンフォーム23充填によって真空断熱材50の表面温度が一時的に約97℃まで上昇したが、芯材51を構成する繊維集合体51b,51cは変形することは無かった。また、発泡後に真空断熱材50を取り出して熱伝導率を測定したところ、初期性能と同じ値を示したことから、発泡熱の影響が無いことを確認した。
「実施例4」
実施例4においては、実施例2において繊維集合体51bと繊維集合体51cの使用割合を2:8とした以外は同じである(図5に示す「実施例4」を参照)。
実施例4で得られた真空断熱材の熱伝導率を英弘精機社製熱伝導率測定機オートλHC−074で測定したところ、初期値で2.0〜2.4(mW/m・K)と良好な値が得られた。これを70℃雰囲気下での10年相当経過後の熱伝導率を検証した結果、12〜13(mW/m・K)という値となった。10年相当経過後もグラスウールや硬質ウレタンフォーム等よりも断熱性能が良い結果が得られた。
また、冷蔵庫への使用を想定し、図2に示すような鋼板製の外箱21に真空断熱材50を貼り付け、冷蔵庫の内箱22との間に硬質ウレタンフォーム23を充填して真空断熱材50の断熱性能影響を実施例1と同様に検証した。本実施例2の真空断熱材50においては、硬質ウレタンフォーム23充填によって真空断熱材50の表面温度が一時的に約97℃まで上昇したが、芯材51を構成する繊維集合体51b,51cは変形することは無かった。また、発泡後に真空断熱材50を取り出して熱伝導率を測定したところ、初期性能と同じ値を示したことから、発泡熱の影響が無いことを確認した。
「比較例1」
本実施形態に係る真空断熱材の実施例と対比するための比較例1(図5の「比較例1」を参照)では、実施例1において、繊維集合体51aと繊維集合体51cの使用割合を0:10とした。つまり、アタクチックポリスチレン樹脂である繊維集合体51cのみとした以外は全て実施例1と同じとした(実施例1のシンジオタクチックポリスチレンの繊維集合体51aを使用しない例である)。
比較例1で得られた真空断熱材50の熱伝導率を英弘精機社製熱伝導率測定機オートλHC−074で測定したところ、初期値で2.0〜2.4(mW/m・K)と良好な値が得られた。これを70℃雰囲気下での10年相当経過後の熱伝導率を検証した結果、12〜13(mW/m・K)という値となった。10年相当経過後もグラスウールや硬質ウレタンフォーム等よりも断熱性能が良い結果が得られた。
また、冷蔵庫への使用を想定し、図2に示すような鋼板製の外箱21に真空断熱材50を貼り付け、冷蔵庫の内箱22との間に硬質ウレタンフォーム23を充填して真空断熱材50の断熱性能影響を実施例1と同様に検証した。
本比較例1の真空断熱材50においては、硬質ウレタンフォーム23充填によって真空断熱材50の表面温度が一時的に約97℃まで上昇し、芯材51を構成する繊維集合体51cが軟化して反りが発生した。真空断熱材50を取り出して熱伝導率を測定したところ、初期性能に対して約30%悪化しているのを確認した。尚、真空断熱材50に熱がかからない場合は良好な断熱性能を維持していた。
「比較例2」
比較例2では、実施例2において、繊維集合体51bと繊維集合体51cの使用割合を10:0とした(図5の「比較例2」を参照)。ここで用いた繊維集合体51bはグラスウールを450〜500℃で加熱プレスして、一定の厚みになるように成形したものとした以外は全て実施例2と同じとした。
比較例2で得られた真空断熱材50の熱伝導率を英弘精機社製熱伝導率測定機オートλHC−074で測定したところ、初期値で1.6〜1.9(mW/m・K)と良好な値が得られた。これを70℃雰囲気下での10年相当経過後の熱伝導率を検証した結果、7〜10(mW/m・K)という値であった。
また、冷蔵庫への使用を想定し、図2に示すような鋼板製の外箱21に真空断熱材50を貼り付け、冷蔵庫の内箱22との間に硬質ウレタンフォーム23を充填して真空断熱材50の断熱性能影響を実施例1と同様に検証した。
本比較例2の真空断熱材50においては、硬質ウレタンフォーム23充填によって真空断熱材50の表面温度が一時的に約98℃まで上昇し、芯材51を構成する繊維集合体51bは変形することは無かった。また、発泡後に真空断熱材50を取り出して熱伝導率を測定したところ、初期性能と同じ値を示したことから、発泡熱の影響が無いことを確認した。しかし、繊維集合体51bを加熱プレスすること、及びグラスウールの製造段階での熱エネルギー消費量が大きい構成である。
図5において、以上説明した実施例1〜4と比較例1,2とについて、芯材の使用割合と、真空断熱材の熱伝導率と、ウレタン発泡時の変形と、製造時エネルギー消費と、の数値又は性状を表している。これらの数値や性状は上述したとおりであり、図5では上述した内容を取り纏めて記載し説明している。
「適用例」
次に、本発明の実施形態に係る真空断熱材を、冷蔵庫に適用した適用例について説明する。図3は上述した本実施例を適用した冷蔵庫の正面図であり、図4は図3のA−A断面図を示している。
図3に示す冷蔵庫1は、図4に示すように、上から冷蔵室2、貯氷室3(と切替え室)、冷凍室4、野菜室5を有している。図3の符号は、上記各室の前面開口部を閉塞する扉であり、上からヒンジ10等を中心に回動する冷蔵室扉6a,6b、冷蔵室扉6a,6b以外は全て引き出し式の扉であり、貯氷室扉7aと上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9を配置する。これらの引き出し式扉6〜9は扉を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。各扉6〜9には冷蔵庫本体1とを密閉するためのパッキン11を備え、各扉6〜9の室内側外周縁に取り付けられている。
また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために仕切断熱壁12を配置している。この仕切断熱壁12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため区画断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。下段冷凍室4と野菜室5の間には区画断熱するための仕切断熱壁14を設けており、仕切断熱壁12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、これまたスチロフォーム、或いは発泡断熱材(ウレタンフォーム)、真空断熱材等で作られている。基本的に冷蔵、冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには仕切断熱壁を設置している。
尚、箱体20内には上から冷蔵室2、製氷室3a及び上段冷凍室3b、下段冷凍室4、野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a、6b、製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9に関しても回転による開閉、引出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21側または前記内箱22側のいずれかに真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。
また、冷蔵庫の冷蔵室2、冷凍室3a,4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a,4の背側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機30a、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
また、冷蔵庫の冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3b、冷凍室4と野菜室5を区画する断熱材として、それぞれ断熱仕切り12,14を配置し、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50で構成されている。この断熱仕切り12,14については硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50に限定するものではない。
また、内箱22の天面の一部に、断熱材23側に突き出したケース45aを有する庫内灯45を配置し、冷蔵庫の扉を開けたときの庫内を明るく、見えやすくしたものである。庫内灯45については、電球、蛍光灯、キセノンランプ等、特に限定するものではない。庫内灯45の配置により、ケース45aと外箱21との間の断熱材23の厚さが薄くなってしまうため、真空断熱材50を配置して断熱性能を確保している。この庫内灯45については特に図示位置に配置することを規定したものではない。
さらに、図4には不図示であるが、箱体20の天面側にある外箱21下面には放熱パイプが取り付けられている。そうすると、上述した庫内灯ケース45aによる占有スペースと天面側外箱21下面に設置される放熱パイプによる占有スペース及び熱放出影響とを考慮して、ケース45aと外箱21天面側との間に真空断熱材を配置して断熱性能を確保する。
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されており、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するため必然的に内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の断熱材23の厚さが薄くなってしまう。このため、凹部40の断熱材23側の面に真空断熱材50を配置して断熱性能を確保、強化している。
図4に示す適用例では、真空断熱材50を前述の庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材50とした。尚、カバー42は外部からのもらい火や何らかの原因で発火した場合等を考慮し鋼板製としている。
また、箱体20の背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に真空断熱材50を配置している。
本適用例における真空断熱材50については、先に述べた実施例2の真空断熱材50を用いた。本適用例では、上述した不図示の放熱パイプや電気部品41を配置した凹部40等の高温部側とウレタン断熱側に繊維集合体51bが配置されるようにして、熱影響を受けないようにした。
配置部位については特にこれに限定するものではなく、圧縮機30や凝縮機31から発生する熱が庫内に侵入するのを抑制するため、圧縮機30や凝縮機31の内箱22側への投影面に真空断熱材50を配置することもできる。真空断熱材50の被覆面積を大きくするため、内箱21の底面から圧縮機30と冷却器28の間まで一体に成形した立体形状にすることも可能である。尚、圧縮機30と冷却器28の間に位置する真空断熱材50の形状については図示しないドレンパイプを逃げるための切欠きを設けたものとした。切欠きの有無、或いはその形状については特に限定するものではない。
本適用例における真空断熱材50は、芯材51の厚みを10mm、繊維集合体51bと51cを組み合わせた芯材51の密度を約250(kg/m)に設定したものを使用した。天面部の真空断熱材50の配置により、電気部品41及び放熱パイプによる庫内への熱侵入を低減でき、更には放熱パイプの放熱特性を向上でき、また、底面の真空断熱材50の配置により、圧縮機30及び凝縮機31から発生する熱の庫内への侵入を抑制できるため、壁厚を増やすことなく断熱性能を改善することができた。
本発明の概要について取り纏めると、従来、グラスウール等の無機繊維をバインダや加熱プレスにより成形した芯材を用いた真空断熱材は、断熱性能面では優れており、機器の省エネルギーに貢献しているが、真空断熱材及びこれを構成する材料の製造工程において消費されるエネルギーが膨大であり、製造面においては環境配慮性が不足しているという課題があった。一方、芯材をポリエステル繊維化した真空断熱材においては、上記課題はある程度解決できるが、断熱性能面で大幅に劣っており、断熱性能と環境配慮の両面を併せ持つ真空断熱材の開発が課題となっていた。
この課題を解決すべく、本発明では、断熱性能を改善するために、曲げ弾性率の大きいポリスチレン樹脂を繊維化した芯材を採用することで、製造時のエネルギー消費量を抑制し、断熱性能が良好である真空断熱材を提供できる。また、ポリスチレン樹脂は耐熱温度が低いことから、ウレタン発泡時の熱影響を受けないように軟化温度の異なる(高い)繊維材料を組み合わせることで断熱性能と環境配慮性を併せ持つ真空断熱材とすることができるものである。
そこで、本発明の実施形態に係る真空断熱材は、次のような具体的な構成を備えて機能ないし作用を奏するものであることを特徴としている。すなわち、少なくとも繊維集合体からなる芯材と、ガスバリヤ性を有する外被材とで構成される真空断熱材において、前記芯材の片側或いは両側の表面層に配置した繊維集合体の軟化温度が、表面層以外の部分に配置した樹脂繊維集合体の軟化温度よりも高いことを特徴とする。芯材の一部に樹脂繊維集合体を使用することで、従来のグラスウールを加熱プレス成形したものに対して総合的に製造時の消費エネルギーを減らすことができる。また、前記繊維集合体がシンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂、前記樹脂繊維集合体がアタクチック構造のポリスチレン樹脂であることを特徴とするものである。
また、前記繊維集合体として無機系材料、前記樹脂繊維集合体をポリスチレン樹脂としたことを特徴とする。無機系材料としては、ガラス繊維、セラミック繊維、グラスウール、ロックウール等であるが、特にこれらに限定するものではないが、断熱性能面からバインダを含まないグラスウールを用いるのが好ましい。樹脂繊維集合体としてのポリスチレン樹脂については繊維化できるものであれば特に限定しないが、廃家電品等から回収したリサイクル材等も使用することができる。
また、外箱と内箱とによって形成される空間に発泡断熱材と真空断熱材を配置し、圧縮機、制御基板及び放熱パイプ等の発熱部品を備えた冷蔵庫において、前記真空断熱材は少なくとも軟化温度が異なる繊維集合体を積層したものを、ガスバリヤ性を有する外被材で覆い、その内部を減圧して封止したものとし、前記芯材は軟化温度の高い方を発泡断熱材との接触側や発熱部品側になるように配置したことを特徴とする。軟化温度の異なる繊維集合体としては、同じ種類で構造違いの樹脂繊維集合体の組み合わせや、無機繊維集合体と樹脂繊維集合体の組み合わせ等、特に材料を限定するものではないが、断熱性能の面からグラスウールとポリスチレン繊維集合体の組み合わせが好ましい。
また、本発明の実施例2,3,4を統合すると、真空断熱材の芯材が、バインダ成分を含まない平均繊維径2〜6μmのガラス繊維集合体で、平均繊維径1〜30μmのポリスチレン樹脂繊維集合体をサンドイッチ構造とし、芯材に占めるポリスチレン繊維の割合が50〜80%であることを特徴とするものである。断熱性能面を考慮した場合、グラスウールの使用割合が多い方が良いが、製造にかかるエネルギー抑制の観点からはポリスチレン繊維の使用割合が多い方が良く、用途や使用部位に応じて使用割合を調整することが好ましい。
また、少なくとも樹脂材料を溶融して繊維化する繊維化工程、繊維化したものを積層する積層工程(図1に示す樹脂繊維集合体51cを中央層として形成し、その両側に繊維集合体51b,51cを表面層として形成する積層行程)、積層したものを製品サイズに切断する切断工程とからなる芯材製造工程と、前記芯材中や表面に付着した水分やガス成分を離脱させる芯材乾燥工程と、乾燥した芯材を袋状の外被材に投入する袋詰め工程と、外被材内部を減圧状態として封止する真空パック工程と、を有することを特徴とする。
このように、本発明の実施形態に係る真空断熱材については、従来、耐熱温度が問題で冷蔵庫等のウレタン発泡断熱材内及び高温になる部分への配置が共に困難だったポリスチレン樹脂を繊維化して、軟化温度の高い材料と組み合わせることで、ポリスチレン樹脂の軟化温度を超えた温度帯でも使用できる真空断熱材を可能とし、また、製造工程におけるエネルギー消費量を抑制した環境配慮型の真空断熱材を提供することができる。また、本実施形態に使用するポリスチレン樹脂については、リサイクル材の使用も可能であるため、原材料の製造工程においても省エネルギー化できるだけでなく、省資源化にも大きく貢献でき、環境負荷を大幅に軽減できるものである。
本実施形態に係る真空断熱材については、冷蔵庫以外にも高温槽、恒温槽等、冷熱機器全般、その他、冷暖房効率の向上が期待できる住宅・建物、自動車や電車等の車両分野等にも広く応用展開することができる。また、本実施形態に係る真空断熱材を適用した冷蔵庫については、製品のライフサイクルにおける省エネルギーだけでなく、製品の製造段階から省エネルギー化できる真空断熱材を用いることにより環境負荷の軽減を実現できるものである。
本発明の実施形態に係る真空断熱材の構成例を示す図である。 本実施形態に係る真空断熱材の使用例を示す図である。 本実施形態に係る真空断熱材を適用した冷蔵庫の正面図である。 本実施形態に係る真空断熱材を適用した冷蔵庫の断面図であり、図3のA−A線断面図である。 本実施形態に係る真空断熱材の構成を示す複数の実施例と比較例との対比を表す図である。
符号の説明
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
3a 製氷室
3b 上段冷凍室
4 下段冷凍室
5 野菜室
6a 冷蔵室扉
6b 冷蔵室扉
7a 製氷室扉
7b 上段冷凍室扉
8 下段冷凍室扉
9 野菜室扉
10 扉用ヒンジ
11 パッキン
12,14 断熱仕切り
13 仕切り部材
20 箱体
21 外箱
21a 天板
21b 後板
22 内箱
23 断熱材
27 送風機
28 冷却器
30 圧縮機
31 凝縮機
33 発泡ポリスチレン
40 凹部
41 電気部品
42 カバー
45 庫内灯
45a ケース
50 真空断熱材
51 芯材
51a,51b 繊維集合体
52c 樹脂繊維集合体
53 外被材
54 内袋

Claims (9)

  1. 繊維集合体からなる芯材と、ガスバリヤ性を有する外被材と、を備えた真空断熱材において、
    前記芯材は、その中央層に配置した樹脂繊維集合体と、前記樹脂繊維集合体の両側の表面層に配置した繊維集合体と、を有し、
    前記表面層の繊維集合体は、その軟化温度が前記中央層の樹脂繊維集合体の軟化温度よりも高い材料である
    ことを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1において、
    前記表面層の繊維集合体がシンジオタクチック構造のポリスチレン樹脂であり、前記中央層の樹脂繊維集合体がアタクチック構造のポリスチレン樹脂である
    ことを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項1において、
    前記表面層の繊維集合体が無機系材料であり、前記中央層の樹脂繊維集合体がポリスチレン樹脂である
    ことを特徴とする真空断熱材。
  4. 請求項1、2または3において、
    前記樹脂繊維集合体の両側の表面層に配置した繊維集合体に代えて、前記樹脂繊維集合体の片側の表面層に配置した繊維集合体である
    ことを特徴とする真空断熱材。
  5. 請求項3において、
    前記芯材は、バインダ成分を含まない平均繊維径2〜6μmのガラス繊維集合体が平均繊維径1〜30μmのポリスチレン樹脂繊維集合体を挟んだサンドイッチ構造であり、前記芯材に占めるポリスチレン樹脂繊維集合体の割合が50〜80%である
    ことを特徴とする真空断熱材。
  6. 請求項1、2または3に記載の真空断熱材が、外箱と内箱とによって形成される空間に発泡断熱材とともに設置されることを特徴とする冷蔵庫。
  7. 請求項1、2または3に記載の真空断熱材が、圧縮機、制御又は電源基板、放熱パイプを含む発熱部品と対向する空間に発泡断熱材とともに設置されることを特徴とする冷蔵庫。
  8. 請求項4に記載の真空断熱材が、外箱と内箱とによって形成される空間に発泡断熱材とともに設置され、前記片側の表面層に配置した繊維集合体が前記発泡断熱材と当接するように設置される
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  9. 樹脂材料を溶融して繊維化する繊維化工程、前記繊維化した樹脂繊維集合体を中央層に配置し、前記樹脂繊維集合体の両側の表面層に前記中央層の樹脂繊維集合体の軟化温度よりも高い材料である繊維化した繊維集合体を配置するように、前記樹脂繊維集合体と前記繊維集合体を積層する積層行程、積層したものを製品サイズに切断する切断工程、とからなる芯材製造工程と、
    前記芯材中又は芯材表面に付着した水分又はガス成分を離脱させる芯材乾燥工程と、
    乾燥した芯材を袋状の外被材に投入する袋詰め工程と、
    外被材内部を減圧状態として封止する真空パック工程と、からなる
    ことを特徴とする真空断熱材の製造方法。
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