JP2010056024A - スピン偏極電子源 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子顕微鏡や加速器に用いることができる、磁気特性の耐久性に優れて、且つ、室温動作可能なスピン偏極電子源を提供する。
【解決手段】スピン偏極電子源として、フェリ磁性体の酸化鉄ウィスカーを用いる。特には、当該フェリ磁性体の酸化鉄の種類が、マグネタイト又はマグヘマイトであり、ウィスカーの直径が、10nm〜2μmであることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、特定の方向のスピンを有する電子を放出するスピン偏極電子源に関するものである。
スピン偏極電子源から得られるスピンが偏った電子ビームは、物質の根源を探る科学の分野では高エネルギー加速器の電子源として使用されている。加速器において、スピン偏極電子ビームは弱い相互作用の対称性の破れを利用してバックグラウンドを低減させる効果があるために、ヒッグス粒子や超対称性粒子の探索を容易にさせる。さらにCP対称性(Cは荷電共役変換、Pはパリティ変換を意味し、CPはこれら2つの演算子の積)の破れの観測や、ハドロン内部のスピン構造を探ることのできる有力な手段となりうる。一方、低エネルギー領域の物性実験においては、スピン偏極電子ビームは磁気表面の観察、半導体のバンド構造の解明、生体分子のキラル性の起源の探究への活用が期待されている。 尚、CP対称性の破れとは、中間子の崩壊のような弱い相互作用による物理現象では、電磁気力や核力で成立する電荷を逆符号にした場合の荷電共役(Charge conjugation)対称性と、運動を鏡に映した場合のパリティー対称性の2つの演算子の積の対称性が、成り立たないことである。
従来のスピン偏極電子源としては、半導体中の価電子帯電子を円偏光によってスピン偏極させた状態で伝導帯へと励起させた後に、真空中へ放出させるGaAs型偏極電子源がある。GaAs型偏極電子源(特許文献1〜4等、参照)では価電子帯の底ぎりぎりのエネルギーレベルに励起された偏極電子を、偏極度を温存したまま真空中へ放出させるために、真空のエネルギーレベルを伝導帯の底よりも低くさせなければならず、そのために、GaAs単結晶表面にCs−O多重原子層を形成させて、表面を負の電子親和性にしている。しかしながらCs−O多重原子層は、真空中でも容易に酸化劣化するので、寿命が短いという欠点がある。
そのほかのスピン偏極電子源としては磁性体の性質を利用するものが知られている。例えば、強磁性体やフェリ磁性体をスピン偏極電子源として用いた場合は、GaAs型偏極電子源と異なり、伝導電子のスピンを偏らせるために外部刺激を与える必要がないことや、表面を負の電子親和性にする必要がないという長所がある。しかしながら、それらの磁性体はGaAsと異なって、良質の単結晶を作成することが容易でないという欠点がある。たとえば、タングステン針にEuSのような強磁性体を蒸着したもの(特許文献5、参照)がスピン偏極電子源として用いられているが、蒸着では単結晶薄膜が得られにくいために磁化特性が優れないという欠点があった。また強磁性体膜には表面耐酸化性はあるものの、キュリー温度が室温より低いために、低温でしか偏極特性が得られないものが多い。またキュリー温度が十分高く、室温以上で動作可能な磁性体においても、タングステンなどの異物質上へ磁性膜をヘテロエピタキシャル成長させるためにバッファー層を用いており、このバッファー層のクロム原子が、温度が上昇すると磁性体中に拡散し、これによって結晶性が劣化し偏極度が低下するという欠点があった。
一方で、マグネタイト(Fe34)とマグヘマイト(γ-Fe23)はフェリ磁性体であり、それらの薄膜からスピン偏極電子が放出されることは公知である。このような酸化鉄の薄膜の偏極電子源は、上述した蒸着磁性薄膜と同様にバッファー層原子の拡散による磁気特性の劣化という問題点があったため、スピン偏極電子源としては実用化されていない。
特開昭60-185145号公報 特開2007−258119号公報 特開平10−106465号公報 特開平05−047326号公報 特開平2-199756号公報 特開2005-306727号公報 特開2007-122883号公報 M. Okada et al. ,Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 45, No. 6B, pp.5624-5625, 2006 鈴木健太 ほか、"酸化鉄ウィスカーの成長とエミッション特性"第54回応用物理学関係連合講演会予稿集、29a-ZV-9、No.2、p. 808, 2007 O.Knacke, O.Kobaschewski著 Thermochemical Properties of Inorganic Substances、 Springer-Verlag 1991
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、耐久性に優れた室温動作可能なスピン偏極電子源を提供することにある。
本発明者等は、酸化鉄単結晶ウィスカー(直径は数nmから数μm)を、鉄基板上に多数本作成する技術を開発しているが(特許文献6、7、非特許文献1、2)、これらの鉄基板上に生成した多数本の酸化鉄単結晶ウィスカーは、画像表示装置や照明の蛍光体を発光させる電子源として使用できることが知られている。ここでウィスカーとして報告されている酸化鉄はウスタイト、マグネタイト、ヘマタイト、マグヘマイトなどである。
これらのウィスカーを上記電子源として使用した場合、電子は各ウィスカー先端から放出されるが、本発明者らが鋭意研究した結果、電子が放出される先端を含む箇所が単結晶のマグネタイトあるいはマグヘマイトである場合に、放出される電子のスピンが高い割合で偏っていることを見出した。そして、上記鉄基板上に成長させた単結晶のマグネタイトまたはマグヘマイトウィスカー1本を取り出して電子源に用いることで、不純物の拡散が無く磁気特性に優れ、かつ酸化劣化することがないために耐久性があり、大気中取り扱い可能な、スピン偏極電子源となることを見出して、発明を為すに至った。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
(1) フェリ磁性体の酸化鉄ウイスカーを電子源とすることを特徴とするスピン偏極電子源。
(2) 前記フェリ磁性体の酸化鉄が、マグネタイト又はマグヘマイトであることを特徴とする(1)に記載のスピン偏極電子源。
(3) 前記酸化鉄ウイスカーの直径が、10nmから2μmであることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載のスピン偏極電子源。
本発明によれば、良質の針状単結晶、すなわちウィスカー形状のフェリ磁性の酸化鉄を電子源に供することで、磁気特性の耐久性に優れた、スピン偏極度の高いスピン偏極電子源を提供できる。
以下に本発明の内容について具体的に説明する。
本発明で言うフェリ磁性体の酸化鉄とは、マグネタイト(Fe3O4)、及び、マグヘマイト(γ−Fe2O3)を指すが、それ以外に、マグネタイト又はマグヘマイトに鉄と酸素以外の原子を高だか10at%含む酸化鉄も本願発明に使用することができる。鉄と酸素以外の不純物原子を10at%以上含むと、結晶内の相当量の欠陥により、ウィスカーの強度が低下する弊害が起こるため、好ましくない。また、鉄と酸素以外の原子を含む場合は、望ましくは8at%以下、理想的には0.5at%以下のものが、強度保持の面でより好ましい。
また、本発明でいう酸化鉄ウィスカーとは、鉄と酸素とから成る化合物結晶が線状に伸びた単結晶のことであり、鉄系材料を酸化雰囲気中で熱酸化させることによって得られる。
酸化鉄の結晶の単位格子の寸法は、正方晶系のマグヘマイト(γ−Fe23)のc軸方向が最も長く、2.5nmある。ここにおいて、酸化鉄のウィスカーの直径が小さくなると、直径約5nmを境にして指数関数的に強度が低下することがわかった。その物理的な理由は、球形のマイクロクラスターにおいて明らかにされている以下に述べる理由と同様であると本発明者は考えている。
すなわち、少数の原子が結晶構造をとっている球状のマイクロクラスターは直径50nm程度の大きさになると、結晶表面にある結合手が切れた原子の割合が結晶全体の原子数に対して増加することにより不安定になり、原子同士の結合力が弱くなる。ウィスカーのような一次元的(線状)物質では上記の効果が、一次元的に連なる長手方向の結合によってある程度緩和されるので、結合力の低下が現れる直径の値が小さくなる。
酸化鉄ウィスカーでは実用強度上許容される直径の下限が直径約5nmであるが、本発明におけるスピン偏極電子源のフェリ磁性体の酸化鉄ウィスカーには、電子を引き出すために数百ボルトから約10kボルトまでの外部電圧が負荷されることから、このとき生じる静電力に耐えるために、ウィスカーの直径は、10nm以上が望ましい。
強度上およびスピン偏極性能上、ウィスカーの直径に上限は無いが、鉄系材料を酸化雰囲気中で熱酸化させることによって得られるウィスカーにおいては、その直径が太くても2μm程度であることから、製造上、ウィスカーの直径の上限は2μmに制約される。
鉄系材料を酸化雰囲気中で熱酸化させることによって得られるウィスカーにおいては、その長さは、長いもので数百μmとなるが、この長さは合成時間にほぼ比例し、上限値は酸化鉄の種類に依存する。すなわち合成時間がある上限を超えると、基板の鉄と雰囲気の酸素の相互拡散によるウィスカーの成長が極端に遅くなってしまう。具体的な時間は製造方法と設備への依存性があり、各々の装置に適した条件だしをする必要がある。スピン偏極電子源としてのウィスカーの長さは0.1μmから200μmが実用的な範囲である。
スピン偏極電子源の性能は、主にウィスカーの電子放出箇所の結晶性に左右される。一方、ウィスカーの直径と長さは、ウィスカー先端に集中する引き出し電圧の電界分布に影響を与えるのみで、放出される電子のスピン偏極度の良し悪しを左右するものではない。したがって、ウィスカーの寸法諸元はもっぱらそのウィスカーの成長させやすさ、電子源としての加工しやすさに従って良い。
本発明のスピン偏極電子源は、フェリ磁性体の酸化鉄ウィスカーであるマグネタイト又はマグヘマイトを用いることで、電子源としたときにスピン偏極率の高い電子を引き出すことができる。その理由は次に述べるとおりである。
物質中の電子のエネルギーバンド構造を電子のスピン上下方向別に表したとき、フェルミ順位で、片方(たとえば上向き)のスピンの電子の状態密度が、もう一方(たとえば下向き)の状態密度よりも高いとき、その物質から放出される電子のスピン方向は、上向きに偏極したものが多くなる。さらに、進んでフェルミ順位で片方のスピンの状態密度がゼロで、もう片方のスピンの状態密度のみが存在するとき、その物質から放出される電子のスピン偏極度は100%となる。
マグネタイトとマグヘマイトはフェリ磁性体であり、フェリ磁性体の結晶中には異なる2つのグループの磁性原子が存在し、この2つのグループの原子の磁気モーメントは互いに打ち消しあっているが、片方の磁気モーメントが優勢なので、その分が自発磁化となる。
マグネタイトとマグヘマイトの場合は、結晶がスピネル構造をとっている。マグネタイトのスピネル構造を例にとると、スピネル構造の格子内で酸素は近似的に面心立方格子を成しており、酸素によって正四面体状に取り囲まれている8個の隙間と、正八面体状に取り囲まれている16個の隙間に鉄原子がそれぞれ一個づつおさまっている。この8個の隙間がA位置、16個の隙間がB位置と定義されていて、このA位置とB位置の原子が前述した異なる2つのグループに相当する。フェリ磁性体であれば、フェルミ順位での片方のスピンの電子の状態密度が高くなるので、100%には届かないけれども放出される電子にスピン偏極が生じる。マグヘマイトの場合がこれに相当する。反強磁性体のウスタイトと寄生強磁性体のヘマタイトはそのバンド構造から、マグヘマイトよりも高いスピン偏極度は望めない。
マグネタイトにはさらに上に述べたフェリ磁性という性質に加えて、ハーフメタルという性質が加わり、以下の理由によって理論的にはスピン偏極度100%の電子を引き出すことができる。ハーフメタルとは、電子のエネルギーバンドの構造を上下方向の電子スピン状態別に見た場合、一方のスピン状態に対してはフェルミ順位がバンド内にあって金属的であるのに対し、他方のスピン状態ではフェルミ順位が禁止体に位置して半導体的である材料のことである。このために、ハーフメタルに適当な条件で電界を印加すると、3d軌道内の片方のスピンを持った電子のみが電気伝導を担い、そこから一方向にスピン偏極した電子のみを引き出すことができるのでる。
マグネタイトとマグヘマイトはキュリー点がそれぞれ578℃、645℃と、いずれも室温以上であるので、室温で動作するスピン偏極電子源となる。
前述したようなバンド構造から予測されるスピン偏極度は、理想的な完全結晶について言えることである。これを実現させるためには、電子放出箇所ができるだけ欠陥の少ない単結晶であるようなマグネタイト、またはマグヘマイトを作成しなくてはならない。このため欠陥が少ないという点でウィスカーは好適な結晶である。さらにウィスカーは線状の単結晶であるので、電子源として起立させて使用した場合、先端に引き出し電界が集中して、必ず結晶方位の明らかな先端から電子が放出されるので、従来法の薄膜と比較して、良好なスピン偏極電子源となりえる。このような長所を生かせる、マグネタイトもしくはマグヘマイトウィスカーは以下のようにして作成できる。
本発明で用いるマグネタイトウィスカーとマグヘマイトウィスカーは、市販のステンレス板や鉄板を基板に用いて、それら基板を大気中などの有酸素雰囲気下で5分〜60分間熱酸化することで、得ることができる。熱酸化時に酸素不足にするとマグネタイトウィスカーが生成し、酸素豊富にするとマグヘマイトウィスカーが生成する傾向がある。どの程度の酸素濃度まで上げると、マグネタイトウィスカーが生じるかは、基板の種類や加熱温度条件によっても左右されるため、作り分ける際は適宜調整する。
図1に示す具体的な製造装置の一例を用いて、製造方法を説明する。加熱源には火口径1mmのトーチ19を使用し、これに化学量論比で混合させたプロパンガスと酸素とを、総計毎分5リットルで燃焼ガスとして供給した。こうして燃焼している予混合火炎18で厚み1mmのステンレス鋼基板10を大気中で700℃であぶって20分間熱酸化させる。 このとき蓋13をして新たな空気の供給を制限すると、直径100nmから2μm、長さ高々300μmのマグネタイトウィスカーが、炎の当たっているのとは反対の側の基板表面11に多数本成長する。
また、燃焼炎と基板は同じ条件で、炎と基板との距離を調節してステンレス鋼基板10を大気中で980℃であぶる。その際に蓋の穴14に酸素ガスもしくは水蒸気を供給しながら20分間熱酸化すると、直径10nmから100nm、長さ略10μmのマグヘマイトウィスカーが、炎の当たっているのとは反対の基板表面11に多数本成長する。
加熱時間は同じでも、基板の厚み、蓋の密閉性、炎の直径、基板固定ジグの寸法などの装置の構造、および大気の温度、湿度等の雰囲気の変動によって、生成するウィスカーの寸法が変化するので、所望の寸法のウィスカーを得たい場合は、条件を適宜変更して調整すれば良い。
そして、生成した多数本のマグネタイトウィスカー又はマグヘマイトウィスカーの中から、1本を取り出して、スピン偏極電子源として使用する。
多数本のウィスカーから一本を選択する方法としては、機械的に一本のウィスカーを抽出移植する方法と、偏極電子放出時に、絞りによって放出サイトを選択する方法とがある。具体的には、前者の場合収束イオンビーム加工装置内で、拡大像を観察しながら一本のウィスカーを切断、抽出し、他の電極の先端に移植、接着する。後者の場合ではスピン偏極測定装置内で、陰極にセットされた複数のウィスカーから放出される電子の分布像を観察しながら、一箇所の放出サイトにプローブホールを合わせて、絞り込めば良い。
発明者らの研究で、ウイスカーの直径の範囲10nmから2μmの範囲において、マグネタイトウィスカーは比較的太いものができやすく、マグヘマイトウィスカーは比較的細いものができやすい。スピン偏極電子源としては、ウィスカーが単結晶であるということが必要十分条件である。したがってウィスカーの寸法は成長する寸法に従う。
以上のべた方法によって作成されるウィスカーは、透過型電子顕微鏡による元素分析と電子線回折によって、いずれも特定の結晶方位が成長した単結晶であることが判っている(非特許文献1、2)。
マグネタイトウィスカーまたはマグヘマイトウィスカーを成長させるための条件は、次に述べる事柄によって決まる。本明細書で述べている酸化鉄ウィスカー生成過程は平衡反応過程であるので、基板表面での鉄の酸化挙動は酸化物の平衡解離圧po2[atm]で整理できる。この平衡解離圧po2は雰囲気の酸素分圧に置きかえられ、酸素分圧がこれよりも大きいと原子は酸化され、酸素分圧がそれよりも小さければ酸化されない。平衡解離圧po2は以下の式で表される。
o2=exp(ΔG0/RT) ・・・・・・(1)式
ΔG0(J/mol)は酸化物質の酸化前と酸化後のギブスの自由エネルギーの変化分で、酸素分子の係数を1とする鉄の酸化反応式を
aFe+O2=bFexy ・・・・・・(2)式
と表すと(a,bは反応係数、x,yは鉄酸化物の組成比)、ΔG0
ΔG0=bμFexOy―aμFe―μO2 ・・・・・・(3)式
と表される。右辺のμ[J/mol]はそれぞれの物質の化学ポテンシャルである。
図5に酸化物の平衡解離圧の温度依存性の模式図を示す。横軸が温度、縦軸が平衡解離圧=平衡酸素分圧である。ちなみに空気は酸素を20.9vol%含むので、1気圧の大気中の酸素分圧は0.209atmである。例えばここで大気中に曝された200℃の材料が酸化されるか否かを知るには、構成原子の酸化物の平衡解離圧曲線が図5の200℃で、縦軸目盛の0.209より下にあれば酸化され、上にあれば酸化されないと読み取ることで知ることができる。図5中酸化物MOの平衡解離圧曲線は酸化鉄よりも上にある。これは原子Mが鉄と比較して、図示する温度範囲で酸素と化合しにくいことを意味し、雰囲気酸素は優先的に鉄を酸化する。このような原子にコバルト、ニッケル、銅、パラジウムなどが挙げられる。逆に酸化物LOの平衡解離圧曲線はどの酸化鉄よりも下にあり、酸素を鉄原子よりも先に奪ってしまうので酸化鉄ウィスカー生成の障害となる。この様な原子にはチタン、クロム、ニオブなどが挙げられる。
図5が示すようにマグヘマイトの平行酸素分圧はマグネタイトよりも高い。
したがってマグネタイトウィスカーとマグヘマイトウィスカーとを作り分けるためには、図1の製造工程の所定の温度において、図5から読み取れるマグヘマイトの平行酸素分圧曲線よりも、酸素の分圧を高く設定すれば、マグヘマイトウィスカーが生成する。もしその際マグネタイトが存在していたら、酸化が進行してマグヘマイトに改質される。マグヘマイト平行酸素分圧曲線とマグネタイトの平行酸素分圧曲線との間の値に、酸素の分圧を設定すれば、マグネタイトウィスカーを得ることができる。平衡解離圧力po2の詳細な値を算出するための各温度での化学ポテンシャルμFexOy、μFe、μO2は、文献等に記載されている値を使用すればよい(例えば、非特許文献3等、参照)。
スピン偏極度は、FEM(電界放射顕微鏡)を併設した、Mott散乱型スピン検出器にて以下のようにして測定した。電子源から800Vで電子を引き出し、それを加速して20keVで金薄膜に衝突させて反跳される電子数を直交して配置した4台のチャンネルトロンで計測し、計数値の方向依存性から偏極度を求めた。電子電流は0.5nAにした。スピン偏極度は100%に近いほど望ましいが、偏極率がどの程度あればよいかは、使用する機器がどの程度電子のスピンを選別する能力があるかによって異なる。偏極の方向は、外部磁場の印加により陰極材料の磁化方向を換えることで選択できる。これにより,測定試料の磁化の向きに応じた偏極方向の電子線が得られ,スピン偏極トンネル顕微鏡等の磁性研究に供する電子顕微鏡の電子源として使用することが可能である。
上述したバンド構造から予測されるスピン偏極度は、理想的な完全結晶について言えることであり、実際の電子源の製造では、材料の製造中の意図しない不純物や欠陥の導入、加工工程中での冶具や接着剤や雰囲気からの吸着や拡散、ハンドリング時に加わる応力ひずみなどが生じるため、スピン偏極度は予想よりも少し低下する。
次に、本発明のスピン偏極電子源を、透過型電子顕微鏡(TEM)へ適用した場合の構成例について説明する。図7は装置構成図であり、スピン偏極電子源21と、スピン偏極電子の照射により被測定試料22を透過した二次電子を検出する不図示のスピン検出器とを備えている。また、スピン偏極電子源21から被測定試料22に至る電子の行程の途中に、電子源21から放出された電子の方向の調整と選択をするための磁場を発生するコイル23を備えている。この透過型電子顕微鏡(TEM)では、電子が被測定試料22を透過する際、吸収や回折によって生じるコントラストを記録するものであり、電子線回折においてスピン偏極電子及び二次電子のスピンの方向が保存されるとして、被測定試料22の磁区に由来するTEM像を得ることができる。
尚、上ではTEMでの構成例を示したが、本発明のスピン偏極電子源は、走査型電子顕微鏡(SEM)や、加速器電子源としても使用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳述する。
(実施例1)
大気開放中で図1に示す装置でウィスカーの成長を行った。穴14とテーパー穴17の直径を20mmとし、0.1mm厚のSUS304箔を基板10とし、プロパン―酸素予混合炎18でテーパー穴17より該基板を加熱し、該基板中心部が700℃の状態で15分間熱酸化した。その結果、炎の当たっているのとは反対の基板表面の、直径1cmの円状の範囲に図2に示すように直径約50nm〜2マイクロメートル、長さ約0.2mmのウイスカーが多数本観測された。これらのウイスカーを、透過型電子顕微鏡で構造解析したところ、<110>方位に成長したマグネタイト単結晶であることがわかった。
また、上記ウィスカーを、透過型電子顕微鏡に搭載されている空間分解能が一桁ナノメートルのエネルギー分散型エックス線分光器を用いて元素分析したところ、鉄と酸素以外の原子は検出されなかった。該エックス線分光器の最小検出限界は、比重が鉄に近い7から9の原子(クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブなど)で、0.5at%である。
そのうちの一本のウイスカーを図3の(a)〜(f)の連続写真に示すように、収束イオンビーム装置内でマイクロサンプリングを行い、図4の(A)に示すようにタングステン電極(逆U字形の電極に直線状電極を溶接)の先端にウイスカーが一本載った電子源を作成した。図4の(B)は、直線状電極の先端部にウイスカーが載った部分の拡大写真である。なお、タングステン電極が逆U字形をしているのは、通電加熱してフラッシングするためである。
作成した電子源のウイスカーは、直径260nm長さ4マイクロメートルで、真空中でタングステン電極への通電によって970℃で30秒間アニールし、マイクロサンプリング時のダメージを取り除いた。そしてこの電子源から800Vで引き出された0.5nAの電子線の偏極度をMott散乱スピン検出器で測定したところ、室温において15%の偏極度が測定された。この測定後、この電子源を室温かつ湿度20%の大気デシケータ内に6ヶ月間保管した。6ヶ月後にこの電子源を取り出して、上記と同様の測定を行ったところ、15%の偏極度が測定され、磁気特性の耐久性に優れていることが確認できた。
(実施例2)
直径0.2mm長さ5mmのSUS304線を基板とし、電気炉中の石英管(内径4cm、長さ70cm)内でウィスカーを以下の条件で生成させた。アルゴン、酸素ガスと水蒸気の混合気体を標準状態で毎分15ml流し、排気流量を調整し気体の圧力を500Paに保ち、酸素分圧を150Pa、水蒸気分圧を100Paとした状態で、5分間で室温から750℃に昇温し、30分間その温度に保った。その後ガスを止め、石英管内を真空にして自然放冷させた。その結果、直径10nm〜100nm, 長さ約200nm〜1マイクロメートルの酸化鉄ウィスカーが、SUS線全体に多数本成長した。これらのウィスカーを透過電子顕微鏡で構造解析したところ、それぞれが<110>方位に成長したマグヘマイト単結晶であることがわかった。
この直線状のSUS線に実施例1で使用したものと同じ図4に示すような逆U字形のタングステン電極を溶接して電子源を作成した。この電子源から引き出される0.5nAの電子線のスピン偏極度を、Mott散乱スピン検出器を搭載したFEM複合装置にて次のように測定した。
SUS線から生えている多数のマグヘマイトウィスカー先端の電子放出箇所のFEM像を観察しながら、直径約30nm、長さ約1マイクロメートルの一本のウィスカー先端箇所にプローブホールを合わせて、そこから800Vで引き出された電子の偏極度を測定した。その結果室温において20%のスピン偏極度が測定された。
この測定後、この電子源を室温かつ湿度20%の大気デシケータ内に6ヶ月間保管した。6ヶ月後にこの電子源を取り出して、上記と同様の測定を行ったところ、20%の偏極度が測定され、磁気特性の耐久性に優れていることが確認できた。
(比較例1)
厚さ1μmのGaAs単結晶の片面にCs -O多重層を形成し、電気陰性度を負(NEA)とした。この電子源を図6に示すビューポート106付き真空容器107装置のスピン偏極電子源用素子108に取り付ける。101は励起用光源で、半導体レーザー102と1/4波長板104とからなる。電子源を108に取り付ける際は、該光源と反対側の表面にCs -O多重層面がくるように配置する。さらに収束レンズ111および90度静電偏向電極112を縦スピン偏極 電子線113の出射側に取り付けてある。このような構成によれば、半導体レーザー102から放射された光103は1/4波長板104で円偏光105となり、ビューポート106から真空容器107内に入射し、ガラス板109を通してGa As単結晶110に当たる。この光によって厚さ1μmのGa As単結晶110内部に励起されたスピン偏極 電子は、その平均自由行程がおよそ1μmであることにより、NEA化された表面から容易に真空中へ放出され、それによって励起用光源101の反対側に縦スピン偏極電子線113が得られ、収束レンズ111および90度静電偏向電極112を通過後、横スピン偏極電子線114が得られた。このとき、この電子源のスピン偏極度は50%であった。次に、この電子源を室温かつ湿度20%の大気デシケータ内に6ヶ月間保管した後、上記と同様にして偏極電子線を取り出そうとしたところ、電子源のCs -O多重層が、デシケータ内で保管中に、大気中の酸素に侵食されて、NEA表面でなくなったために、偏極電子線を得ることができなかった。
本発明に係る酸化鉄ウィスカー生成装置の一例を示す模式図である。 実施例1で生成した本発明のマグネタイトウイスカーの走査電子顕微鏡写真である。 実施例1で生成した本発明のマグネタイトウイスカーのうちの1本をマイクロサンプリングした際の連続写真((a)〜(f))である。 実施例1で作成した本発明のスピン偏極電子源であるマグネタイトウイスカーを示す図であり、(A)は実物大写真、(B)は先端部拡大電顕写真である。 各種酸化物の平衡解離圧を示す模式図である。 比較例のスピン偏極 電子源の基本構成図である。 スピン偏極電子源を備えた透過電子顕微鏡の基本構成例を示した図である。
符号の説明
10 基板
11 ウィスカー発生面
12 加熱面
13 蓋円盤
14 穴
15 台
16 ドーナツ状円盤
17 テーパー穴
18 炎
19 バーナー
101 励起用光源
102 半導体レーザー
103 レーザー光
104 1/4波長板
105 円偏光ビーム
106 ヴューポート
107 真空容器
108 スピン偏極 電子源用素子
109 ガラス板
110 Ga As単結晶
111 収束レンズ
112 90度静電偏向光電極
113 縦スピン偏極 電子線
114 横スピン偏極 電子線
115 Ga As単結晶
21 スピン偏極電子源
22 被測定試料
23 コイル

Claims (3)

  1. フェリ磁性体の酸化鉄ウィスカーを電子源とすることを特徴とするスピン偏極電子源。
  2. 前記フェリ磁性体の酸化鉄の種類が、マグネタイト又はマグヘマイトであることを特徴とする請求項1に記載のスピン偏極電子源。
  3. 前記酸化鉄ウィスカーの直径が、10nm〜2μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピン偏極電子源。
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