JP2010055725A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高SN比の信号再生が可能な磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】 磁気記録再生装置においては、磁性発振素子2を有する磁気情報再生ヘッド1及び磁気記録ディスク3を備え、磁性発振素子2が磁気記録ディスクからの磁場を検出して信号が再生される。磁性発振素子2から出力される再生信号が所望のSN比を満足するような、磁気記録ディスク3の回転数、磁気記録ディスク3からの磁場5による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさ、磁性発振素子2の特性である発振周波数及び発振スペクトルの半値全幅を定める判断基準を与え、この判断基準により磁気記録再生装置を構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高SN比かつ高速な記録情報読み出しが可能な磁気記録再生装置に関する。
以下では、背景技術として、CDR(Constant Density Recording)方式の磁気記録ディスクの1種であるビット・パターンド媒体と、磁性発振素子で検出を行う周波数変化検出方式の再生ヘッドと、を備えたハードディスク装置(HDD)という公知の技術的思想について述べる。まず、このようなHDDは、面記録密度が1Tbit/inch以上、再生速度が1Gbit/sec以上、といった高特性を有するHDDとして有望な技術概念であることを述べる。
HDDの容量は、2012年頃までに面記録密度で1Tbit/inchに達すると予想されている。その高密度化を牽引するのは、非特許文献1に開示されるように、磁気記録ディスクの各トラック間に非磁性層を埋め込むなどの加工を施し、隣接するトラックの磁気的な影響を減らしたディスクリート・トラック媒体であるとされる。ただし、面記録密度が1Tbit/inch以上になると、ディスクリート・トラック媒体においては、熱揺らぎの問題を抜本的に解決することは、不可能であると考えられている。この問題を解決する次世代の媒体技術として、ビット・パターンド媒体が注目されている。ビット・パターンド媒体は、ディスク表面に微小な磁性体ドットを規則的に並べ、一つの磁性体ドットに‘0’、或いは‘1’を記録する磁気記録媒体であり、熱揺らぎを抑えつつ高密度化が可能である。従って、ビット・パターンド媒体は、未だ技術的課題は多いが将来的に有望な記録媒体であると考えられている。高密度化技術として、媒体の内周部と外周部とで同じ線記録密度を有するCDR方式が古くから知られているが、ビット・パターンド媒体は、CDR方式の磁気記録ディスクの一種と見做すことができる。
面記録密度が1Tbit/inch以上に高密度化することに伴い、再生ヘッドの高感度化も欠かすことができない。再生ヘッドに用いられているCPP−GMR素子及びTMR素子の磁気抵抗(MR)比を高める素子構造の探求が盛んに行なわれている。近年注目されている素子構造に、トンネルバリアにMgOを導入したTMR素子がある。CPP−GMR素子、或いはTMR素子を用いた再生ヘッドにおいては、磁化自由層の磁化が、磁気記録媒体からの磁場に応じて回転し、磁化固着層の磁化の向きとの相対的な角度をなす。そして、MR効果により、磁化の相対角度に応じた素子抵抗変化が発現する。CPP−GMR素子、或いはTMR素子を用いた再生ヘッドでは、その抵抗変化、従って電圧変化を読み取ることで磁気情報を再生するという原理が用いられている。再生時の雑音源の一つは、磁化自由層の磁化の熱的ゆらぎに起因している。この熱揺らぎによるノイズは、素子のMR比を高めても根本的な解決にはならない。これは、MR比を大きくすると、その分ノイズレベルが上がってしまうためである。そのため、新規な再生ヘッド技術が求められている。特許文献1には、再生ヘッドにおける磁化自由層の磁化の熱的ゆらぎの問題を解決する手段として、従来の再生ヘッドのCPP−GMR素子部、或いはTMR素子部を磁性発振素子(スピントランスファオシレータ;Spin-Transfer Oscillator)に置き換えた再生ヘッドが開示されている。磁性発振素子の基本構造は、CPP−GMR素子、或いはTMR素子に類似しており、磁化自由層を少なくとも1層含む。このような磁性発振素子では、素子に電流密度で10A/cm程度の電流を通電した場合に、電流を通電している間、磁化自由層の磁化が定常的に振動する現象が発現する。そして、MR効果を介し、素子からは、磁化振動に応じた振動電圧が取り出される。磁性発振素子においては、熱的にゆらぐはずの磁化は、電流によって定常振動を強いられるため、ゆらぐ磁化成分が少なくなる。そのため、CPP−GMR素子、或いはTMR素子を用いた再生ヘッドにおける雑音源である磁化自由層の磁化の熱的ゆらぎは、磁性発振素子を用いた再生ヘッドにおいては大きく抑制される。
磁性発振素子を用いた再生ヘッドの再生原理は、大きく2つに分類することができる。振幅読み出し方式及び周波数読み出し方式に分類される。振幅読み出し方式では、磁性発振素子からの振動電圧の振幅が変化することを利用し、その振幅変化を検出して媒体の磁気情報を得る。一方、周波数読み出し方式では、磁性発振素子からの振動電圧の振動数、即ち、磁性発振素子の発振周波数が磁気記録媒体からの磁場に応じて変化することを利用し、その発振周波数変化を検出して媒体の磁気情報を得る。この分類に従えば、従来のCPP−GMR素子、或いはTMR素子を用いた再生ヘッドは振幅読み出し方式を用いていると分類できる。周波数読み出し方式は、磁性発振素子を用いた再生ヘッドに固有の再生方式である。
磁性発振素子を用いた再生ヘッドにおける振幅読み出し方式と周波数読み出し方式との比較では、平成19年9月26日に出願された特願2007−249650に提案されるように、前者より後者のほうが高速読み出しに向いている。振幅読み出し方式での読み出し速度は、磁化自由層の磁化の緩和時間によって物理的に制限される。自由層磁化の緩和時間の逆数は大雑把に次のように見積もることができる。
Figure 2010055725
ここで、Δθ[度]は、磁気記録媒体からの磁場による自由層磁化の回転角度、αは、ギルバート緩和定数、γは、磁気回転比、Heffは、自由層磁化が定常的に感じている有効磁場である。典型値としてΔθ=5°、α=0.01、γ=1.76×10[1/Oe・sec]、Heff=1000[Oe]を用いると、緩和時間の逆数は、1GHz程と見積もられる。即ち、振幅読み出しの読み出し速度の限界は、1Gbit/sec程である。一方、周波数読み出し方式においては、読み出し速度に関して磁化の緩和時間による制限はない。従って、磁性発振素子を用いた周波数読み出し方式の再生ヘッドは、読み出し速度に関して、既存の再生ヘッドの性能を上回るものと期待される。
以上述べたように、ビット・パターンド媒体、磁性発振素子を用いた周波数変化検出方式の再生ヘッドは、夫々、利点を有し、これらを組み合わせたHDDは、面記録密度が1Tbit/inch以上、再生速度が1Gbit/sec以上という高特性を有しえる。
しかしながら、周波数読み出し方式を採用するHDDにおいては、既存の再生ヘッドでは見られない問題点が顕在化する。磁性発振素子による振動電圧の位相雑音によってSN比が低下する問題がある。磁性発振素子を用いた周波数変化検出方式の再生ヘッドでは、CPP−GMR素子、或いはTMR素子を用いた既存の再生ヘッドに比べて磁化の熱揺らぎは、大きく抑制される。しかし、わずかの磁化の揺らぎが残り、それが振動電圧の位相雑音として現れる。そして、この位相雑音によって再生信号出力が劣化するといった問題がある。ビット・パターンド媒体と、磁性発振素子を用いた周波数変化検出方式再生ヘッドと、を備えたHDDにおいて、位相雑音の存在下においても高SN比の再生信号出力を得られ、エラー少なく信号再生がなされることが要求される。
特開2006−286855号公報 NIKKEI ELECTRONICS 2007.11.19 pp.89-94
上述したように、磁性発振素子を用いた周波数変化検出方式再生ヘッドを備えた磁気記録再生装置においては、位相雑音のために、磁性発振素子からの再生信号出力が劣化するという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、高SN比の信号再生が可能な、磁性発振素子を用いた周波数変化検出方式再生ヘッドを備えた磁気記録再生装置を提供することにある。
本発明によれば、
複数のトラックを有し、記録された磁気情報に応じた磁場を発生させる記録ビットが前記各トラックに等間隔に配列され、回転される磁気記録ディスクと、
磁性発振素子を有し、前記磁気記録ディスクの回転に伴い前記記録ビットからの前記磁場により前記磁性発振素子の発振周波数が次々に変化され、前記磁気記録ディスクに記録された前記磁気情報を再生する為の再生出力信号を出力する磁気情報再生ヘッドと、
を備えた磁気記録再生装置であって、
下式を満たすことを特徴とする磁気記録再生装置が提供される。
Figure 2010055725
式(1)において、ωは、前記磁性発振素子の発振振動数、Δωshiftは、前記磁気記録ディスクからの前記磁場による前記磁性発振素子の周波数シフトの大きさ、Δfは、前記磁性発振素子の発振スペクトルの半値全幅、Tは、再生信号周期(1つの前記記録ビットを読み込む時間)、Round(X)は、任意の数Xに最も近い整数を表わす関数であって、上記式(1)においては、前記任意の数Xに最も近い整数で置き換えることを意味し、Gは、所望される前記磁性発振素子の再生出力信号のSN比より大きい定数を表わす。
本発明の磁気記録再生装置においては、磁性発振素子2を有する磁気情報再生ヘッド1及び磁気記録ディスク3を備え、再生信号が所望のSN比を満足するように、磁気記録ディスクの回転動作の速さ、磁気記録ディスクからの磁場による磁性発振素子の周波数シフトの大きさ、磁性発振素子の特性といった諸量を適切に定めるための判断基準を定め、高SN比、高速再生、及び高密度記録という特性を備える磁気記録再生装置を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る磁気記録再生装置を説明する。
図1には、本発明の一実施の形態に係る磁気記録再生装置の全体構成を概略的に示している。この磁気記録再生装置は、図1に示されるように、情報を記録する為の磁気記録ディスク3を備えている。磁気記録ディスク3は、スピンドル51に装着され、スピンドルモータにより矢印Aの方向に回転される。磁気記録ディスク3の近傍に設けられたピボット52には、アクチュエータアーム53が保持されている。このアクチュエータアーム53の先端には、サスペンション54が取り付けられている。このサスペンション54の下面には、ヘッドスライダ55が支持されている。このヘッドスライダ55には、後述されるように、磁気記録再生ヘッド1が搭載されている。アクチュエータアーム53の基端部には、アクチュエータアーム53を左右に動かして磁気記録再生ヘッド1を磁気記録ディスク3の直径方向の任意の位置に移動させる為のボイスコイルモータ56が設けられている。
磁気記録ディスク3を回転させ、ボイスコイルモータによりアクチュエータアーム53を回転させてヘッドスライダ55が磁気記録ディスク3上にロードされる。そして、磁気記録再生ヘッド1を搭載したヘッドスライダ55の媒体対向面が磁気記録ディスク3の表面から所定の浮上量を以って保持される。この状態で磁気記録ディスク3に記録された情報を読み出すことができる。
図2には、図1に示した磁気情報再生ヘッド1及び磁気記録ディスク3の構成が概略的に示されている。磁気記録ディスク3には、磁気記録ディスク3の中心Oから半径方向に沿って等間隔に複数の円環状のトラックが形成されている。各トラックには、記録ビット4が等間隔に規則的に配列されている。
尚、この記録ビット4の間隔は、同一トラック内で等間隔であれば良く、他のトラックと記録ビット4の間隔が異なってもよい。即ち、トラック毎に線記録密度が異なってもよい。特に、全てのトラックの線記録密度が同一である磁気記録ディスク3は、CDR方式の磁気記録ディスク3であり、ビット・パターンド媒体がこれに含まれる。
本実施の形態に係る磁気記録再生装置においては、磁気記録ディスク3内の記録ビット4からの磁場5が磁性発振素子2によって検出される。この磁性発振素子2は、高周波取り出し回路8に含まれる直流電源により磁性発振素子2のフィルム形状の磁化自由層の磁化Mが定常振動されるメカニズムにより発振される。この磁化Mの定常振動は、MR効果を介して電圧振動になる。この電圧振動には、直流成分も含まれているが、高周波取り出し回路8を通すことで、高周波電圧9が取り出される。この高周波電圧9の振動数ωは、磁化Mの発振振動数と等価である。また、この高周波電圧9の大きさは、磁性発振素子2の磁化自由層の磁化Mに作用している磁場及び磁化Mを振動させるための直流電流に依存する。さらに、この磁化Mに作用している磁場は、磁化自由層のサイズ及び膜厚、また、外部磁場環境に依存する。即ち、磁性発振素子2の発振周波数ω/2πは、磁化自由層のサイズ及び膜厚、磁化Mを定常振動させる為の直流電流、また、外部磁場の大きさ等に依存する。これらを適宜調節することで、磁性発振素子2の発振周波数ω/2πを約5〜50GHzの任意の値に設定することが可能である。
高周波電圧9の振動数は、外部磁場に依存するため、記録ビット4からの磁場5にも依存することになる。本実施の形態に係る磁気記録再生装置では、磁気記録ディスク3が矢印Aの方向に回転されるため、記録ビット4からの磁場5を受けて磁性発振素子2の発振周波数が時々刻々変化される。例えば、記録ビット4に‘0’が記録されていれば発振振動数ωは、(ω+δωshift/2)に変化され、‘1’が記録されていれば振動数ωは、(ω−δωshift/2)に変化される。ここで、δωshiftは、記録ビット4によって変化される発振振動数ωの振動数変化量を表わしている。磁気記録ディスク3の回転に伴い、記録ビット4から‘0’、或いは‘1’を示す磁場によって次々に磁性発振素子2の発振周波数ωが変化され、高周波取り出し回路8を介して高周波電圧9が出力される。高周波電圧9の振動数ωは、記録ビットの状態に応じて、瞬間的に、(ω+δωshift/2)、或いは、(ω−δωshift/2)に変化される。従って、高周波電圧9の発振周波数ωの変化を検出することにより、記録ビット4が有する情報‘0’或いは‘1’を検出することができる。本実施の形態に係る磁気記録再生装置では、高周波電圧9を復調回路7に入れて復調信号10を得るという方法で高周波電圧9の周波数の変化を検出して磁気情報再生がなされる。
図3を参照して、高周波電圧9の瞬間的な振動数変化量δωshiftについて説明する。図3は、磁気記録ディスク3が回転されるのに伴い、磁気記録ディスク3上のあるトラック24が磁性発振素子2の下面を相対的に移動する様子を模式的に示している。また、説明の便宜上、トラック24上に慣性座標系(xyz座標系)を定義する。この座標系では、トラック24の回転移動方向、即ち矢印Aの方向にx軸、磁気記録ディスク3の半径方向にy軸、磁気記録ディスク3の面直方向にz軸としている。磁性発振素子2の発振振動数ωは、次式で十分よく表わすことができる。
Figure 2010055725
ここで、γは、磁気回転比である。M effは、磁性発振素子2の磁化自由層の磁化Mの有効飽和磁化であり、サイズ効果などを含んでいる。そして、Heffは、磁化Mに作用する有効磁場であり、サイズ効果、外部磁場環境の効果、及び直流電流によるスピントルク効果が含まれている。この有効磁場Heffの向きは、説明の便宜上、z軸方向であるとする。磁性発振素子2には、更に、磁気記録ディスク3内のあるトラック24上に配置された記録ビット4の磁気情報‘0’、或いは、‘1’に応じた磁場5が作用する。この磁場5をHmedia(x)と表わす。この磁場5の作用を考慮すると、有効磁場Heffは、(Heff+Hmedia(x))に書き直される。説明の便宜上、磁気記録ディスク3からの磁場5は、トラック内でy座標には依存しないとし、また、その向きは、z軸方向であるとしている。時刻tに磁性発振素子2が座標をxにあるとすると、δωshift/2は、時刻tでは、次式で表わされる。
Figure 2010055725
ここで、x=x+v(t−t)である。また、vは、トラック24の回転速度を表わしている。このように、高周波電圧9の瞬間の振動数変化量δωshiftは、磁性発振素子2の構造及び材料、また、磁気記録ディスク3のビット・パターン形状に由来するHmedia(x)の空間依存性及び材料などに依存する量である。ここで、磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftという概念を導入する。これは、振動数変化量δωshiftを磁性発振素子2がある記録ビット4を読み込み始めてから次の記録ビットを読み込むまでの時間間隔(信号周期)Tで平均化した量である。この時間間隔Tは、ビット信号周期に他ならず、記録ビットピッチをbとすると、T=b/vと表される。即ち、時間間隔Tは、記録ビットピッチb及び磁気記録ディスク3の回転速度vの設計に依存する。磁性発振素子2がある記録ビット4を読み込み始める時刻をt=0とすると、周波数シフトの大きさΔωshiftは、次式で表わされる。
Figure 2010055725
図4には、この周波数シフトの大きさΔωshiftと、信号周期Tで次々に変化する磁気記録ディスク3からの磁場5に応じて磁性発振素子2が受け取る周期信号s(t)との関係が模式的に示されている。
上述したように、本実施の形態に係る磁気記録再生装置では、磁性発振素子2で検出された高周波電圧9の周波数変化を復調回路7で復調して磁気情報再生される。この周波数変化は、ディジタル変復調理論の見地で、位相連続FSK(Frequency Shift Keying)と捉えることができる。ディジタル変復調理論におけるFSK信号は、図2に示される磁気記録再生装置においては、記録ビット4からの磁場5に対応する。ディジタル変復調理論により、FSK信号の検波方法として、周波数を検出する周波数検波、位相差を検出する遅延検波、位相を検出する同期検波という3種の代表的な方法が知られている。本実施の形態に係る磁気記録再生装置においては、遅延検波方式を用いる。これは、高速で磁気情報再生される場合、この3種のFSK信号の検波方法のうち遅延検波方式が最もSN比が大きくなるためである。本実施の形態に係る磁気記録再生装置における磁気情報再生時の主要なノイズ源は、磁性発振素子2の位相ノイズ、即ち、高周波電圧9の位相ノイズである。そのため、周波数検波、或いは、同期検波といった周波数、或いは、位相の値を検出する方式では、基準となる値が大きく揺らぐことになる。一方、位相差を検出する方法では、ノイズは、位相のずれの速さと信号周期Tとの積で決定される。従って、信号周期Tが小さい高速再生においては、磁性発振素子2の発振状態の位相のずれによるノイズは、他の方法に比べ小さくなる。
図5には、高周波電圧9を復調信号10に変換する為の復調回路7が概略的に示されている。この復調回路7は、遅延検波回路12及び符号識別回路13から構成されている。この復調回路7においては、高周波電圧9が遅延検波回路12に入力されて遅延検波出力信号11が出力される。この遅延検波出力信号11は、符号識別回路13に入力されて復調信号10に変換される。
高周波電圧9は、遅延検波回路12に入力されると、二分され、一方は、信号周期Tの大きさの遅延時間を有する遅延線12A(delay T)を通り、もう一方は遅延なしで通過する。そして、これらの2つの信号が乗積され、低域フィルタ12B(LPF)を通過し、遅延検波出力信号11が出力される。
ここで、遅延線というディジタル変復調理論において現れる用語を持ち出して説明したが、図1に示される磁気記録再生装置における遅延検波方式と言う場合の要点は、以下の通りである。磁気情報の再生時には、ある記録ビット4を読み込んで周波数がシフトされ、続いてその次の記録ビット4を読み込んでさらに周波数がシフトされるという動作が繰り返される。初めの記録ビット4を読んでいるときの高周波電圧9の信号と、時間T後の次の記録ビット4を読んでいる時の高周波電圧9の信号とを乗積し、その低周波成分を取り出すことで、それらの信号の位相差を検出するというのが要点である。高周波電圧9の信号と、周期時間Tずれた高周波電圧9の信号とを乗積した信号、即ち、遅延検波出力信号11を出力する方法は、上述したような遅延線12Aを備えた遅延検波回路12による方法に限定されない。遅延線を用いずに遅延線と同一の効果を得られるように、磁気情報再生ヘッド1及び回路系を構成すればよい。一例として、図6には、そのような磁気情報再生ヘッドを概略的に示している。この磁気情報再生ヘッドは、あらゆる構成要素が同一の磁性発振素子2A及び磁性発振素子2Bが備えられている。磁性発振素子2A及び磁性発振素子2Bは、夫々1つの記録ビット4を同時に読み込む。また、図6では、磁性発振素子2Aで‘0’を、磁性発振素子2Bで‘1’を同時に読み込んでいるスナップショットを模式的に示している。磁性発振素子2A、2Bは、夫々高周波取り出し回路8A、8Bに接続されていて、各磁性発振素子2A、2Bから高周波電圧9A、9Bが取り出される。磁気記録ディスク内のトラック24の回転速度をvとし、記録ビットピッチをbとすると、信号周期Tは、b/vである。同時に、磁性発振素子2Aからの高周波電圧9Aと磁性発振素子2Bからの高周波電圧9Bとの時間差も、Tである。時間差Tを有する2つの信号が乗積され、低域フィルタ12Bを通過させることで、位相差信号である遅延検波出力信号11が得られる。
図1に示される磁気記録再生装置においては、磁性発振素子2の発振状態に由来する高周波電圧9には、位相ノイズが含まれている。この位相ノイズが、遅延検波出力信号11のSN比を劣化させる原因となる。高周波電圧9は、次式でモデル化することが可能である。
Figure 2010055725
ここで、x(t)は、複素数であり、その実部q(t)は、高周波電圧9を表わす。
Figure 2010055725
また、ξ(t)は、ランダム周波数変調を表わし、平均値がゼロであり、次式に示すようにガウス分布を満たす。
Figure 2010055725
このモデルは、例えば、Physical Review Letters 100,017207(2008)に開示されるように、有限温度下での磁性発振素子のモデルをその定常状態で簡略化したモデルである。Dは、位相ノイズの大きさであり、図1に示される磁気記録再生装置が動作しているときの温度に比例する量である。また、このDには、磁性発振素子2の非線形性に由来する振幅雑音の効果も繰り込まれている。このモデルによれば、高周波電圧9のスペクトルI(ω)は、図7に示されるようなローレンチアン型になり、その半値全幅ΔωFWHMは、2Dとなる。即ち、磁性発振素子2の発振スペクトルの半値全幅Δfは、2D/2πと与えられる。この磁性発振素子2の発振スペクトルの半値全幅Δfは、スペクトラムアナライザを用いて測定することができる。このように、磁性発振素子2の発振スペクトルの半値全幅Δfは、温度、即ち、熱揺らぎに由来する位相ノイズの大きさを表しており、Δfが大きいほど符号識別回路13の入力信号11のSN比が劣化することになる。
なお、現在までのところ実験的に知られている、Δfの最小値は、3MHz程度である。この値は、磁性発振素子2の素子構造などを改善してさらに1MHz以下にまで抑えることができる。
上述したように、図1に示される磁気記録再生装置が採用する磁気情報の信号再生方式においては、磁性発振素子2での位相ノイズによって符号識別回路13に入力される遅延検波信号11が劣化される。磁気情報再生におけるエラーを少なくする為には、符号識別回路13で要求される遅延検波出力信号11のSN比を満たす必要がある。
磁気記録ディスク3の回転速度v、即ち、再生信号周期Tと、磁気記録ディスク3からの磁場5による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftと、磁性発振素子2の特性である発振振動数ω及び発振スペクトルの半値全幅Δfと、を適切に定めることにより、符号識別回路13で要求されるSN比より大きなSN比を有する遅延検波出力信号11が得られてエラーが少ない磁気情報再生が可能となる。
符号識別回路13で要求される入力信号11のSN比G[dB]は、符号識別回路13に用いられる符号識別技術及びエラー訂正技術等に依存する。さらに、この符号識別回路13の製造を容易にする為に構造を簡素化し妥協したSN比を定める場合もある。従って、入力信号11のSN比G[dB]を一概にある値を設定することは、できない。しかしながら、既存の再生ヘッドにおいては、エラー訂正前の信号のビット誤り率は、10−6以下程度であることが知られている。そのため、本発明の磁気記録再生装置における再生信号を既存のエラー訂正技術でビット誤り訂正するには、ビット誤り率は、10−6以下であることが好ましい。本実施の形態に係る磁気記録装置に採用される遅延検波方式に関して、例えば、2相遅延検波の場合には、符号誤り率Pは、次式で与えられることがディジタル変復調理論において知られている。
Figure 2010055725
ここで、SNRは、SN比を表わしている。そして、SNRが約11dBのときに、符号誤り率Pが約10−6となる。従って、符号識別回路13で要求される遅延検波出力信号11のSN比G[dB]は、11dBより大きいことが好ましい。本実施の形態に係る磁気記録再生装置においては、遅延検波出力信号11のSN比が11dBより大きくなるように設計されるため、再生信号のビット誤り率が10−6より小さくなる。
以下、本実施の形態に係る磁気記録再生装置において、再生信号周期Tと、磁気記録ディスク3からの磁場による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftと、磁性発振素子2の特性である発振周波数ω及び発振スペクトルの半値全幅Δfとがどのような関係を持って適切に定められているのかを詳しく説明する。そして、これらが適切に定められているがゆえに本実施の形態に係る磁気記録再生装置において、符号識別回路の入力信号11のSN比が、符号識別回路13で要求される検波信号のSN比G[dB]より大きくなることを示す。
まず、符号識別回路の入力信号11のSN比を表す式を導出する。位相ノイズξ(t)を伴う磁性発振素子2の高周波電圧9が磁気記録ディスク3からの磁場5による周期Tの周期信号s(t)で周波数変調を受けるという状況は、次式でモデル化できる。
Figure 2010055725
ここで、s(t)は、図4に示した周期信号である。この微分方程式を解くことにより、高周波電圧9を遅延時間Tで遅延検波する場合における遅延検波出力信号Voutput(t)が次式で与えられる。
Figure 2010055725
ただし、ψ(t)及びφ(t)は、次式で表わされる。
Figure 2010055725
また、qは、高周波電圧9のピーク値、<...>LPFは、信号が低域フィルタ12Bを通過したことを表す。なお、(14)式で表されるψ(t)は、時間Tの間に高周波電圧9が受ける位相シフト量を表わす。磁性発振素子2が記録ビット4の境界に位置する時刻をtとすれば、t−Tからtの間に高周波電圧9が受ける位相シフト量ψ(t)は、図4のような周期信号s(t)の場合、記録情報が‘0’のときψ(t)は、0となり、記録情報が‘1’のとき、ψ(t)は、ΔωshiftTとなる。
位相ノイズがない場合、即ち、その大きさを表すDがD=0の場合、符号識別回路13の入力信号11は、次式で表わされる。
Figure 2010055725
従って、Voutput(t)のノイズ成分Vnoise(t)は、次式のように表わされる。
Figure 2010055725
図8は、Vsignal(t)及びVoutput(t)の一例を概略的に示しているグラフである。図8では、q=1としている。雑音電圧は、次式のように、[Vnoise(t)]の時間平均で定義される。
Figure 2010055725
ここで、上付きのバーは、時間平均をとることを意味する。従って、上式のVnoise(t)から[Vnoise(t)]の時間平均を計算することにより、雑音電圧を次式のように評価することができる。
Figure 2010055725
この時間平均の計算は、エルゴード性を仮定し、ランダム変数ξ(t)による平均化操作、及びランダム変数とみなせる磁気情報‘0’、‘1’による平均化操作を行なうことで行われる。符号識別回路13の入力信号11のSN比、特に、磁性発振素子2が記録ビット4の境界に位置する時刻tでのSN比は、次式で与えられることになる。
Figure 2010055725
次に、符号識別回路の入力信号のSN比が、符号識別回路13で要求されるSN比G[dB]より大きくなるために、再生信号周期Tと、磁気記録ディスク3からの磁場5による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftと、磁性発振素子2の特性である発振周波数ω及び発振スペクトルの半値全幅Δfとの間に課される条件について説明する。符号識別回路13の入力信号11のSN比が、符号識別回路13で要求されるSN比G[dB]より大きくなるためには、次式の不等式を満たさなければならない。
Figure 2010055725
まず、上式の絶対値の中の三角関数部分は、周期的であるから、少なくとも次式の条件が必要となる。
Figure 2010055725
この式(22)を変形すると、次式になる。
Figure 2010055725
この式(23)の下で、式(21)は、次式のように書き換えることができる。
Figure 2010055725
ここで、Round[X]は、Xに最も近い整数を表す。上述したように、ψ(t)=0又はΔωshiftTであるから、この条件は、次式と同値である。
Figure 2010055725
ここで、D=πΔfを用いた。なお、式(25)は、式(23)を含んでいる。これは、arccos(x)は、引数x(>0)に対し、x<1で定義されるからである。このように、符号識別回路13の入力信号のSN比が、符号識別回路13で要求されるSN比G[dB]より大きくなるためには、再生信号周期Tと、磁気記録ディスク3からの磁場5による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftと、磁性発振素子2の特性である発振周波数ω及び発振スペクトルの半値全幅Δfとの間に式(25)で表される条件が課される。
本実施の形態に係る磁気記録再生装置においては、磁気記録ディスク3の回転速度vに起因する再生信号周期Tと、磁気記録ディスク3からの磁場5による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftと、磁性発振素子2の特性である発振周波数ω及び発振スペクトルの半値全幅Δfとが式(25)を満たすように定められている。そのため、符号識別回路13で要求される信号のSN比G[dB]より大きいSN比の遅延検波出力信号11を符号識別回路13に提供することができ、エラーが少ない磁気情報再生を行うことが可能である。特に、磁気記録ディスク3の中心Oからの距離r及び記録ビットピッチbを有するトラックの磁気情報を再生する際には、信号周期Tが式(25)を満たし、次式で表わされる回転数Nで該トラックを回転動作させる。
Figure 2010055725
従って、符号識別回路13で要求される検波信号のSN比G[dB]より大きい信号の質を符号識別回路の入力信号11に提供することができ、エラーが少ない磁気情報再生を行うことが可能である。
以上のように、本実施の形態に係る磁気記録再生装置においては、磁気記録ディスク3の回転速度vに起因する信号周期Tと、磁気記録ディスク3からの磁場5による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftと、磁性発振素子2の特性である発振周波数ω及び発振スペクトルの半値全幅Δfとが式(25)を満たすように定められている。そして、既存のエラー訂正技術においてビット誤り率が10−6以下となるように望まれることから、符号識別回路13の入力信号11のSN比は、(G=)11[dB]より大きいことが要求されている。従って、式(25)においてG=11とした次式を満たすように各値が定められることで、11[dB]より大きなSN比を有する符号識別回路13の入力信号11を得ることができ、エラー少なく磁気情報を再生することが可能である。
Figure 2010055725
例えば、図1に示される磁気記録再生装置において、記録ビットピッチbが30nm、磁気記録ディスク3からの磁場による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshift/2πが20MHz、磁性発振素子2の特性がω/2πが10.1[GHz]、Δfが5[MHz]である場合には、磁気記録ディスク3を回転速度vが30[m/sec]となるように回転させればよい。
実際、記録ビットピッチbが30nm、回転速度vが30[m/sec]、即ち、信号周期Tが1[nsec]の場合には式(27)の右辺は、次式のような値になる。
Figure 2010055725
そして、Δωshift/2πが20MHz、磁性発振素子2の特性がω/2πが10.1[GHz]とすると、次式のように式(27)を満たす。
Figure 2010055725
従って、図1に示される磁気記録再生装置の各構成が上記に例示した値となるように設計されることで、11[dB]より大きなSN比を有する符号識別回路13の入力信号11を得ることができる。
更に、(25)式の条件に加えて、再生信号周期T及び磁気記録ディスク3からの磁場による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftが、次式を満たすように定められる。
Figure 2010055725
このように、磁気記録ディスク3の回転速度及びその他の磁気記録ディスク特性が定められると、高周波電圧9及び符号識別回路13の入力信号11などを伝送するための高周波伝送路における波形歪みが抑制され、伝送誤りが防がれる。
図4に示した周期Tの周期信号s(t)で周波数変調された磁性発振素子2から出力される高周波電圧9を表わすx(t)を、ξ(t)=0とした式(12)でモデル化し、信号の符号‘0’,‘1’をランダム変数とみなすことにより、周波数変調された磁性発振素子2のパワースペクトルI(ω)が次式で表わされる。
Figure 2010055725
そのスペクトル形状は、ΔωshiftTの大きさに依存する。ここで、j(u)は、0次の球Bessel関数である。図9には、ΔωshiftTの幾つかの値に対する(31)に示される周波数変調された磁性発振素子2のパワースペクトルを例示している。(a)の線は、ΔωshiftT=π/2の場合、(b)の線は、ΔωshiftT=πの場合、(c)の線は、ΔωshiftT=3π/2の場合、(d)の線は、ΔωshiftT=3πの場合を表している。式(30)の範囲の値を持つΔωshiftTの場合には、スペクトル成分は、磁性発振素子2の発振振動数ω付近に集中する。しかし、この範囲よりも大きなΔωshiftTの場合、例えば、図9に示される線(d)のように、高周波信号9の周波数帯域が広がり、そのスペクトル成分は、広い帯域へ拡散することになる。高周波伝送路は伝送周波数特性を有しており、信号の周波数帯域が広いと波形歪みが大きくなり伝送誤りが生じやすくなってしまう。しかしながら、再生信号周期T及び磁気記録ディスク3からの磁場による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftが、(30)式を満たすように、磁気記録ディスクの回転速度及びその他の磁気記録ディスク特性が定められる。従って、高周波電圧9や符号識別回路の入力信号11などを伝送するための高周波伝送路における波形歪みが抑制される。
尚、高周波電圧9や符号識別回路13の入力信号11などを伝送するための高周波伝送路は磁性発振素子2の発振振動数ω付近の周波数を有する高周波を良く伝送するように設計されていることが好ましい。
また、(21)式において周期関数である三角関数が含まれているため、符号識別回路13の入力信号11のSN比は、mを正整数として次式を満たす場合に大きくなる。
Figure 2010055725
ψ(t)は、0又はΔωshiftTであるから、(32)式は、l、nを正整数として、次式と等価である。
Figure 2010055725
(34)式を(33)式で割り算することにより次式が得られる。
Figure 2010055725
従って、図1に示される磁気記録再生装置においては、(25)式の条件に加えて、磁性発振素子2の発振振動数ω及び磁気記録ディスク3からの磁場5による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftが(35)式を満たす場合に、SN比の大きな遅延検波出力信号11が得られ、エラー少なく信号再生することが可能である。
また、磁性発振素子2の発振振動数ω及び磁気記録ディスク3からの磁場5による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftが(35)式で関係付けられている場合、(25)式は、次式と同値である。
Figure 2010055725
この不等式(36)は、式(35)を満たすように磁性発振素子2の発振周波数ω及び周波数シフトの大きさΔωshiftを定めた下での符号識別回路13で要求されるSN比G[dB]より大きいSN比を有する符号識別回路13の入力信号11を得る為に許容される信号周期Tの範囲を定める不等式である。
図1に示される磁気記録再生装置においては、磁性発振素子2の発振振動数ω及び磁気記録ディスク3からの磁場による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftが、式(25)に加え、式(35)の関係を満たすように、磁性発振素子2の発振振動数ω及び磁気記録ディスク3が設計されている。即ち、信号周期Tが式(36)を満たすように、磁気記録ディスク3内の記録ビットピッチbを有するトラックが回転速度v=b/Tで回転動作されることになる。これにより、符号識別回路13で要求されるSN比G[dB]より大きいSN比を有する遅延検波出力信号11が得られ、エラー少なく信号再生することが可能になる。
また、磁性発振素子2の発振振動数ω及び磁気記録ディスク3からの磁場による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftが式(35)で関係付けられている場合に得られる式(36)と、高周波伝送路における波形歪みが抑制される条件式として得られる式(30)と、の包含関係から次式が得られる。
Figure 2010055725
この不等式(37)は、式(35)を満たすように磁性発振素子2の発振周波数ω及び周波数シフトの大きさΔωshiftを定めた下での、符号識別回路13で要求されるSN比G[dB]より大きいSN比を有する遅延検波出力信号11を得るための不等式及び高周波伝送路における波形歪みが抑制される信号周期Tの範囲を定める不等式を含む。
従って、本実施の形態に係る磁気記録再生装置においては、磁性発振素子2の発振振動数ω及び磁気記録ディスク3からの磁場による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshiftが式(35)の関係を満たすように、磁性発振素子2の発振振動数ω及び磁気記録ディスク3が設計されている。そして、信号周期Tが式(37)を満たすように、磁気記録ディスク3内の記録ビットピッチbを有するトラックが回転速度v=b/Tで回転動作させることで、符号識別回路13で要求されるSN比G[dB]より大きいSN比を有する遅延検波出力信号11が得られ、エラー少なく信号再生することが可能である。
トラックの動作速度vは、磁気記録ディスク3の回転数と磁気記録ディスク3の中心Oからトラックまでの距離により定まる。そのため、式(25)が満たされるような信号周期Tの値としてある一つの値を定めた場合、全てのトラックで動作速度がv=b/Tとなるには、磁気記録ディスク3の回転数をトラック毎に変更する必要がある。このような場合には、磁気記録ディスク3を回転動作させるスピンドルモータのサーボ技術として高度なものが要求されることになる。しかしながら、符号識別回路13で要求されるSN比G[dB]より大きいSN比を有する符号識別回路13の入力信号11を得るのに許容される信号周期Tの範囲を定める不等式とみなせる式(25)、或いは、それを強めた式(36)、或いは、式(37)が満たされるように、磁気記録ディスク3と磁性発振素子2とを設計し、トラック毎に信号周期Tに可変範囲を与える。これにより、磁気記録ディスク3の中心Oからの距離に応じてトラックの集合からなるゾーンを設定し、磁気記録ディスク3の回転数をこのゾーン毎に設定することが可能である。従って、磁気記録ディスクを回転動作させるモータの回転数をトラック毎に変更する必要がなく、回転数の設定数が大幅に減らすことが可能となる。
次に、図10〜図13を参照して、本発明の実施の形態に係る磁気記録再生装置の構成例について説明する。図10は、本発明の実施の形態に係る磁気記録再生装置の構成例における磁気記録ディスク3Aを概略的に示している。この磁気記録ディスク3Aは、CDR方式の磁気記録ディスク3Aであり、記録ビットのピッチbが30nm、トラック幅dが20nm(記録密度が約1.075Tbit/inch)に形成されている。また、内径r0が0.4inch、外径Rが1.25inchに形成されている。磁性発振素子2は、発振周波数ω/2πが約12GHz、発振スペクトルの半値全幅Δfが3MHzという特性を有する。以上のようなCDR方式の磁気記録ディスク3Aと磁性発振素子2とから構成される磁気記録再生装置において、再生信号出力のSN比として最低20[dB]が要求されているとする。上述したように、本発明の実施の形態に係る磁気記録再生装置では、この要求に応えるCDR方式の磁気記録ディスク3Aが満たすべき性質及びトラックの回転速度が規定され、SN比が20[dB]よりも大きな再生信号出力を有する磁気記録再生装置を提供することができる。以下、CDR方式の磁気記録ディスク3が満たすべき性質および回転動作が規定される一例を詳細に示す。
本実施の形態に係る磁気記録再生装置では、CDR方式の磁気記録ディスク3Aの回転動作による再生信号周期T及びCDR方式の磁気記録ディスク3Aからの磁場による磁性発振素子2の周波数シフト量Δωshiftが式(35)及び式(37)を満たすように、CDR方式の磁気記録ディスク3が満たすべき性質及び回転動作が規定される。要求されるSN比G[dB]より大きいSN比を有する再生信号出力が得られ、また、高周波伝送路における波形歪みを抑制することができる。ここでの例では、要求されるSN比が20[dB]であるとする。このとき(37)式は、次式になる。
Figure 2010055725
また、(35)式を変形すると、次式が得られる。
Figure 2010055725
先ず、式(38)及び式(39)を満たす信号周期T及び磁性発振素子2の周波数シフト量Δωshiftを決定する。式(39)において、n=3、l=1とすると、Δωshift/2πは、0.6366[GHz]程度である。式(38)式を満たすような信号周期Tは、次式を満たす。
Figure 2010055725
従って、Tを0.7854[nsec]程度にすればよいことになる。この判断基準から、Δωshift/2π=0.64[GHz]、T=0.79[nsec]と設定する。Δωshift/2π=0.64[GHz]の場合には、ω/2π=12.0637[GHz]である必要があるが、磁性発振素子2の発振振動数ωは、励振の為の直流電流の大きさを変えることで容易に調節ができる。いま、Δf=3[MHz]であるから、T=0.79[nsec]の場合、式(38)の右辺は、次式のような値になる。
Figure 2010055725
一方、式(38)の左辺は、次式のような値になる。
Figure 2010055725
よって、Δωshift/2π=0.64[GHz]、T=0.79[nsec]は、式(38)かつ式(39)を満たす。この信号周期Tが0.79[nsec]であることは、再生速度が約1.26Gbit/secになることに相当する。従って、CDR方式の磁気記録ディスク3Aの回転動作による信号周期T及びCDR方式の磁気記録ディスク3Aからの磁場による磁性発振素子2の周波数シフト量Δωshiftが、一例として、Δωshift/2π=0.64[GHz]、T=0.79[nsec]に規定される。これにより、20[dB]より大きな再生信号出力のSN比を有する磁性発振素子2の発振周波数変化が検出されて磁気情報再生が行われる。
また、Δωshift/2π=0.64[GHz]という要請から、CDR方式の磁気記録ディスク3Aからの磁場の大きさHmediaが規定される。その要求される磁場の大きさは、式(6)を空間依存性を平均化して簡略化した次式で大雑把に見積もられる。
Figure 2010055725
ここで、Hmediaは、Heff及び4πM effに比べて小さいとしている。Heffは、磁性発振素子2の発振を励起する為の直流電流の効果(スピントルク効果)も含んだ有効磁場であって、次式から求められる。
Figure 2010055725
いま、γ=1.76×10[1/Oe・sec]、M eff=800[emu/cm]という値を有する磁性発振素子2が用いられているとすると、Heffは、1592.7[GHz]程度である。よって、(43)式より、Δωshift/2π=0.64[GHz]に対応するCDR方式の磁気記録ディスク3Aからの磁場の大きさHmediaは、74[Oe]程度となる。
T=0.79[nsec]という要請から、CDR方式の磁気記録ディスク3Aのトラックの回転動作の速度は、v=37.97[m/sec]である。従って、CDR方式の磁気記録ディスク3Aがどのような回転数で回転動作させるべきかが規定される。いま、CDR方式の磁気記録ディスク3Aに関し、トラック幅dが20[nm]、内径rが0.4[inch]、外径Rが1.25[inch]であるから、全トラック数Kは、次式のような値になる。
Figure 2010055725
図10に示したようにディスク中心からk番目(1≦k≦K)のトラックまでの距離は、次式のようになる。
Figure 2010055725
そして、k番目のトラックを再生しているときには、k番目のトラックを次式で表わされる回転数で動作させる。
Figure 2010055725
図11は、横軸にトラックの位置番号、縦軸にトラックの回転数をとり、この式(47)を示している。このように、CDR方式の磁気記録ディスク3からの磁場の大きさの平均値が74[Oe]、各トラックの回転数が式(47)で定まる。
以上のように、高密度、高速再生、及び高SN比という特性を有する磁気記録再生装置を構成することができる。この磁気記録再生装置では、再生速度が約1.26Gbit/secであり、CDR方式の磁気記録ディスク3Aの記録密度が約1.075Tbit/inch、内径rが0.4inch、外径Rが1.25inchとなっている。また、磁性発振素子2の発振周波数ω/2πが約12GHz、発振スペクトルの半値全幅Δfが3MHzとなっている。そして、磁性発振素子2の再生信号出力のSN比が20[dB]より大きい。
尚、このように定めた、CDR方式の磁気記録ディスク3Aの回転動作の速さvに起因する再生信号周期T、CDR方式の磁気記録ディスク3Aからの磁場による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさΔωshift、磁性発振素子2の特性である発振周波数ω及び発振スペクトルの半値全幅Δfは、(25)式を満たす。
また、上記の磁気記録再生装置では、CDR方式の磁気記録ディスク3の回転数をゾーンごとに定めることも可能である。以上の例では、Δωshift/2π=0.64[GHz]、T=0.79[nsec]というように規定している。しかし、Δωshift/2π=0.64[GHz]と固定した下で、Tとして(38)式が満たされるTmin<T<Tmaxという範囲の値を適当に許容することにより、CDR方式の磁気記録ディスク3の回転数のゾーン分割が可能になる。例えば、以下のように、ゾーン分割できる。式(38)の右辺は、Tに関して単調減少であることを考慮して、(38)式を少し強めて次式のようにする。
Figure 2010055725
この式(48)より、Tmaxは、次式を満たす。
Figure 2010055725
これを解くと、Tmaxは、0.886[nsec]程度である。よって、Tmaxを0.886[nsec]と定めることができる。このTmax及び(48)式より、Tminは、0.674[nsec]程度なる。よって、Tminを0.68[nsec]と定めることができる。こうして適当に定めたTの範囲0.68<T<0.88内のTは(38)式を満たし、従って、0.68<T<0.88を満たす動作速度v=b/TでCDR方式の磁気記録ディスク3Aを動作させれば、再生信号出力のSN比は、20[dB]より大きくなる。不等式0.68<T<0.88及び式(47)に従って、ゾーン分割を具体的に定めることができる。CDR方式の磁気記録ディスク3の回転数のゾーン分割及び各ゾーンに対応する回転数の一例を図12、図13に示している。図13に示すように、各トラックの磁気情報を読み出すのに必要な回転数は、式(47)においてT=0.68及びT=0.88とした場合に得られる破線で囲まれた領域の値となる。この例では、図12に示されるように、5つのゾーンに分割することができ、一番外側のゾーン番号を0として外側から順にゾーン0〜ゾーン4を設定している。図13に示すように、ゾーン0に含まれるトラックを再生するときは、トラックを約12000[rpm]、ゾーン1に含まれるトラックを再生するときは、トラックを約15000[rpm]、ゾーン2に含まれるトラックを再生するときは、トラックを約19000[rpm]、ゾーン3に含まれるトラックを再生するときは、トラックを約24500[rpm]、ゾーン4に含まれるトラックを再生するときは、トラックを約32000[rpm]といった回転数で回転動作させればよい。
このように本発明の実施の形態に係る磁気記録再生装置において、磁気記録ディスク3Aをゾーン分割して回転数を定めることが可能で、各々のトラックごとに回転数を定めるという煩雑さを軽減できる。
以上のように、本発明は、磁性発振素子2と磁気記録ディスク3からなる磁気記録再生装置における再生信号が所望のSN比を満足するために、磁気記録ディスクの回転動作の速さ、従って、再生信号周期T、磁気記録ディスク3からの磁場による磁性発振素子2の周波数シフトの大きさ、磁性発振素子2の特性といった諸量を適切に定めるための判断基準を与える。本発明に従った磁性発振素子と磁気記録ディスクからなる磁気記録再生装置は、高SN比高速再生、高密度記録といった特性を備える磁気記録装置を構成することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る磁気記録再生装置を概略的に示す斜視図である。 図1に示した磁気情報再生ヘッド及び磁気記録ディスクを概略的に示す斜視図である。 図2に示した磁性発振素子及びトラックの動作を示す概略図である。 図2に示した磁性発振素子が検出する記録ディスクからの磁場による信号を模式的に示すグラフである。 図2に示した復調回路を概略的に示すブロック図である。 図5に示した遅延検波回路と同様の機能を有するような磁気情報再生ヘッドの一例を概略的に示す斜視図である。 図2に示した磁性発振素子の発振スペクトルを概略的に示すグラフである。 図2に示した符号識別回路に入力される遅延検波出力信号を模式的に示すグラフである。 図2に示した磁性発振素子のパワースペクトルの一例を概略的に示すグラフである。 図1に示される磁気記録再生装置においてCDR方式の磁気記録ディスクを採用した例を概略的に示す平面図である。 図10に示したCDR方式の磁気記録ディスクの回転数の一例を示すグラフである。 図10に示したCDR方式の磁気記録ディスクのゾーン分割の一例を概略的に示す平面図である。 図12に示したCDR方式の磁気記録ディスクのゾーン分割及びゾーン毎の回転数を概略的に示すグラフである。
符号の説明
1…磁気情報再生ヘッド、2,2A,2B…磁性発振素子、3,3A…磁気記録ディスク、4…記録ビット、5…記録ビットからの磁場、7…復調回路、8,8A,8B…高周波取り出し回路、9,9A,9B…高周波電圧、10…復調信号、11…遅延検波出力信号、12A…遅延線、12B…低域フィルタ、13…符号識別回路、51…スピンドル、52…ピボット、53…アクチュエータアーム、54…サスペンション、55…ヘッドスライダ、56…ボイスコイルモータ、24…トラック

Claims (7)

  1. 複数のトラックを有し、記録された磁気情報に応じた磁場を発生させる記録ビットが前記各トラックに等間隔に配列され、回転される磁気記録ディスクと、
    磁性発振素子を有し、前記磁気記録ディスクの回転に伴い前記記録ビットからの前記磁場により前記磁性発振素子の発振周波数が次々に変化され、前記磁気記録ディスクに記録された前記磁気情報を再生する為の再生出力信号を出力する磁気情報再生ヘッドと、
    を備えた磁気記録再生装置であって、
    下式を満たすことを特徴とする磁気記録再生装置。
    Figure 2010055725
    式(1)において、ωは、前記磁性発振素子の発振振動数、Δωshiftは、前記磁気記録ディスクからの前記磁場による前記磁性発振素子の周波数シフトの大きさ、Δfは、前記磁性発振素子の発振スペクトルの半値全幅、Tは、再生信号周期(1つの前記記録ビットを読み込む時間)、Round(X)は、任意の数Xに最も近い整数を表わす関数であって、上記式(1)においては、前記任意の数Xに最も近い整数で置き換えることを意味し、Gは、所望される前記磁性発振素子の再生出力信号のSN比より大きい定数を表わす。
  2. 前記磁気記録ディスクは、全ての前記トラックの前記記録ビットの間隔が同一であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録再生装置。
  3. 前記磁気記録ディスクは、前記情報の再生時に前記磁性発振素子が読み込む前記トラックの前記磁気記録ディスクの中心からの距離r及び前記トラックにおける前記記録ビットの間隔bを有し、次式を満たす回転数で回転されることを特徴とする請求項1、或いは、請求項2に記載の磁気記録再生装置。
    Figure 2010055725
    式(2)において、Nは、前記磁気記録ディスクの回転数を表す。
  4. 所望される前記再生出力信号のSN比が11[dB]より大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の磁気記録再生装置。
  5. 前記再生信号周期T及び前記磁気記録ディスクからの前記磁場による前記磁性発振素子の周波数シフトの大きさΔωshiftは、更に、次式を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の磁気記録再生装置。
    Figure 2010055725
  6. 前記磁性発振素子の発振振動数ω及び前記磁気記録ディスクからの前記磁場による前記磁性発振素子の周波数シフトの大きさΔωshiftは、更に、次式を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の磁気記録再生装置。
    Figure 2010055725
  7. 前記磁気記録ディスクは、前記トラックの集合からなる複数のゾーンを有し、前記トラックがゾーンに区分けされて前記ゾーン毎に回転数が定められることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の磁気記録再生装置。
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