JP2010054162A - 蓄熱装置及び車両用暖機システム - Google Patents

蓄熱装置及び車両用暖機システム Download PDF

Info

Publication number
JP2010054162A
JP2010054162A JP2008221937A JP2008221937A JP2010054162A JP 2010054162 A JP2010054162 A JP 2010054162A JP 2008221937 A JP2008221937 A JP 2008221937A JP 2008221937 A JP2008221937 A JP 2008221937A JP 2010054162 A JP2010054162 A JP 2010054162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
heat
storage device
chamber
heat exchange
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008221937A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohide Kudo
知英 工藤
Tatsuyuki Ohashi
達之 大橋
Ayako Omori
彩子 大森
Yoshiyuki Morita
善幸 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2008221937A priority Critical patent/JP2010054162A/ja
Publication of JP2010054162A publication Critical patent/JP2010054162A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D20/00Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
    • F28D20/02Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using latent heat
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D20/00Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
    • F28D20/02Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using latent heat
    • F28D20/028Control arrangements therefor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D20/00Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
    • F28D2020/0004Particular heat storage apparatus
    • F28D2020/0008Particular heat storage apparatus the heat storage material being enclosed in plate-like or laminated elements, e.g. in plates having internal compartments
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F2255/00Heat exchanger elements made of materials having special features or resulting from particular manufacturing processes
    • F28F2255/02Flexible elements
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】蓄熱装置の構成を簡単にしながらも、蓄熱材の蓄熱および放熱を短時間で効率良く行え、暖機対象の早期暖機を効果的に行えるようにする。
【解決手段】過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材20を封入した柔軟性材料からなる蓄熱カプセル21と、蓄熱カプセル21内に設置された金属板からなる発核部材22と、蓄熱カプセル21を複数収容し、かつエンジン30の冷却水と蓄熱カプセル21内の蓄熱材20との間で熱交換を行わせる熱交換室11と、熱交換室11内の蓄熱カプセル21を加圧して変形させることで、発核部材22の形状を変化させて蓄熱材20を発核させる加圧機構17とを備えた蓄熱装置20であって、加圧機構17は、熱交換室11に収容された複数の蓄熱カプセル21を一度に加圧して変形させる加圧板15と該加圧板15を駆動するアクチュエータ16とで構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載された内燃機関や変速機などの早期暖機あるいは車内の即効暖房を行うのに適した蓄熱装置、及び該蓄熱装置を備えた車両用暖機システムに関する。
従来、例えば特許文献1、2に示すように、蓄熱により内燃機関(エンジン)や自動変速機の暖機を行う蓄熱装置を備えた車両用暖機システムがある。特許文献1に記載の蓄熱装置(蓄熱タンク)は、内燃機関の冷却水を蓄熱媒体として用い、該蓄熱媒体を断熱性の高い容器に収容したものである。また、特許文献2に記載の蓄熱装置は、自動変速機の作動油が流通する流路をセラミックや酸化マグネシウムなどの高熱容量材からなる蓄熱材層で被覆した構造である。このような蓄熱装置を備えた暖機システムを利用すれば、車両の始動時における内燃機関や自動変速機の早期暖機、あるいは車内の即効暖房を効果的に行うことが可能となる。
上記のような蓄熱装置では、熱伝達媒体との熱交換による蓄熱・放熱を行う蓄熱材として、過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材(過冷却蓄熱材)を備えたものがある。このような過冷却蓄熱材は、熱伝達媒体からの熱供給により、熱を蓄熱して固相から液相へ相変化(融解)し、その後の温度低下により、液相の状態を保ったまま過冷却状態となる。一方、蓄熱材の過冷却状態を解除する手段(発核手段)による過冷却状態の解除で、蓄熱を放出して液相から固相へ相変化(固化)するようになっている。
ところで、上記のような蓄熱装置の暖機対象である内燃機関や駆動系機関あるいは車内暖房装置は、いずれもその熱容量が大きいため、それらの暖機には大きな熱エネルギーが必要である。そのため、蓄熱装置が備える蓄熱材の容量を大きくする必要がある。しかしながら、蓄熱材の容量を大きくすると、蓄熱材の容積に比して熱伝達媒体との接触面積が少なくなることなどにより、蓄熱材と熱伝達媒体との間の熱移動が効率良く行われないという問題がある。
この点に対処可能な技術として、特許文献3には、蓄熱材を複数のカプセル状の小容器に分割して封入した蓄熱装置が開示されている。これによれば、各容器に封入された蓄熱材ごとに蓄熱及び放熱が行われるようになる。したがって、蓄熱材と熱伝達媒体との間の熱移動を効率良く行わせることができる。
しかしながら、特許文献3のようなカプセル状の小容器を備えた蓄熱装置において、小容器に封入する蓄熱材を過冷却蓄熱材とする場合、小容器ごとに発核手段を設ける必要がある。この場合、蓄熱装置の小型化、軽量化、低コスト化を図るためには、各小容器に設ける発核手段や、発核手段に発核動作を行わせるための付随機構をできるだけ簡単な構造とすることが望ましい。その上で、各小容器に封入された蓄熱材を簡単な動作で一度に効率良く発核させるようにする必要がある。
また、特許文献3のような小容器を備えた蓄熱装置では、複数の小容器の取り扱いが煩雑であり、蓄熱装置から小容器を出し入れする作業に手間がかかるという問題がある。したがって、複数の小容器をまとめて簡単に取り扱えるようにすれば、蓄熱装置の製造工程の簡素化やメンテナンス作業の容易化を図ることができる。
特開平10−71837号公報 特開2002−39335号公報 特開2006−46701号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、構成を簡単にしながらも、容量が大きい蓄熱要素の蓄熱および放熱を短時間で効率良く行える蓄熱装置、及び暖機対象の早期暖機が効果的に行える車両用暖機システムを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明にかかる蓄熱装置は、柔軟性材料からなる密閉容器(21)と、密閉容器(21)に封入された過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材からなる蓄熱要素(20)と、密閉容器(21)内に設置され、該密閉容器(21)の変形に伴いその形状が変化することで蓄熱要素(20)の過冷却状態を解除する過冷却解除用の部材(22)と、密閉容器(21)を複数収容し、かつ暖機対象(30,40)からの熱伝達媒体を流通させて該熱伝達媒体と密閉容器(21)内の蓄熱要素(20)との間で熱交換を行わせる熱交換室(11)と、熱交換室(11)に収容された複数の密閉容器(21)を一度に加圧して変形させる加圧機構(17又は17−4)と、を備えることを特徴とする。なお、ここでの括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる蓄熱装置によれば、蓄熱材を複数の密閉容器に分けて封入したので、密閉容器に封入された蓄熱材ごとに蓄熱及び放熱が行われるようになる。したがって、蓄熱材の全容量が大きい場合でも、蓄熱材と熱伝達媒体との間の熱移動を効率良く行わせることができる。それに加えて、柔軟性を有する密閉容器内に設置した過冷却解除用の部材と、該密閉容器を加圧して変形させる加圧機構とからなる簡単な構成により、各密閉容器に収容された蓄熱材の過冷却状態を一度に解除することを可能としている。したがって、蓄熱装置の構成を簡単にしながらも、容量が大きい蓄熱材の蓄熱および放熱を短時間で効率良く行えて、暖機対象の早期暖機が効果的に行えるようになる。
また、この蓄熱装置では、熱交換室(11)内の各密閉容器(21)は、該熱交換室(11)の内面または他のいずれかの密閉容器(21)と接した状態で収容されており、加圧機構(17)は、複数の密閉容器(21)の少なくともいずれかに当接してこれを押圧する押圧部材(15)と、該押圧部材(15)を移動させる移動機構(16)とで構成されていてよい。これによれば、押圧部材を移動させる簡単な構成でありながら、熱交換室内の複数の密閉容器を一度に加圧して変形させることができる。
あるいは、上記の加圧機構(17−4)は、熱交換室(11)の出口側を閉止する閉止手段(33)と、熱交換室(11)に熱伝達媒体を送り込む媒体輸送手段(32−4)とで構成され、出口側を閉止した熱交換室(11)に熱伝達媒体を送り込み、熱交換室(11)内の熱伝達媒体で複数の密閉容器(21)を加圧するものであってもよい。これによれば、圧力の上昇した熱伝達媒体で複数の密閉容器を一度に加圧できる。また、複数の密閉容器を均一に加圧することも可能となる。
加圧機構として上記いずれを用いても、蓄熱装置の構成を簡単にでき、かつ複数の密閉容器に封入された蓄熱材の過冷却状態を効率良く解除することができる。
また、密閉容器(21)内には、蓄熱要素(20)とともに気体(24)が封入されているとよい。これによれば、密閉容器が加圧される際に、封入された気体の圧縮により密閉容器の変形が起こり易くなる。したがって、蓄熱要素の過冷却解除を確実に行えるようになる。また、小さい圧力で密閉容器を変形させることができるので、加圧機構の構成の簡素化を図ることができる。なお、ここでいう気体には、例えば、空気や窒素が含まれる。また、封入する気体は、密閉容器の変形で圧縮されるようになっていれば、密閉容器内の蓄熱要素の隙間に直接封入するほか、該隙間に独泡スポンジなどの気体を含むことができる媒体を収容し、該媒体に含ませた状態で封入してもよい。
また、上記の蓄熱装置では、密閉容器(21)を複数並べて保持可能な保持部材(26)を備え、熱交換室(11)に収容される複数の密閉容器(21)は、保持部材(26)に保持された状態で熱交換室(11)への収容及び取り出しが可能であるとよい。これによれば、複数の密閉容器の取り扱いが簡単になり、熱交換室に対して密閉容器を出し入れする作業が簡単に行えて便利である。したがって、蓄熱装置の製造工程の簡素化やメンテナンス作業の容易化を図ることができる。
また、この場合、密閉容器(21)の外周に括れ部(21a)を形成し、保持部材(26)は、括れ部(21a)に嵌合する複数の嵌合部(26a)を有してなる平面状の部材とするとよい。これによれば、複数の密閉容器を平面状に並べて保持できるので、熱交換室内に収容する複数の密閉容器をコンパクトにできる。また、複数の密閉容器の取り扱いをさらに容易にできる。また、工具や他の部材を用いずに密閉容器を保持部材で保持することができる。
さらにこの場合、保持部材(26)により保持した密閉容器(21)を複数段積層して熱交換室(11)に収容するとよい。これによれば、熱交換室内に多数の密閉容器を効率良く収容することができる。したがって、熱交換室内の蓄熱要素の容量を大きくしながらも、蓄熱装置の外形の小型化を図ることができる。
また、上記の蓄熱装置では、密閉容器(21)は、球形状に形成されていることが望ましい。これによれば、熱交換室内に多数の密閉容器を効率良く収容できる上に、密閉容器と熱伝達媒体との接触面積を広くできるので、蓄熱要素と熱伝達媒体との熱交換をスムーズに行わせることが可能となる。
また、上記の蓄熱装置では、熱交換室(11)は、密閉容器(21)が収容された第一室(12)と、該第一室(12)に隣接する第二室(13)とを備えた二重構造であり、第一室(12)と第二室(13)とには、異なる種類の熱伝達媒体が流通し、第一室(12)に流通する熱伝達媒体と第二室(13)に流通する熱伝達媒体と蓄熱要素(20)との三者間で熱交換が行えるとよい。これによれば、複数の熱源から放出される熱を有効に活用したり、蓄熱材の熱を複数の暖機対象に効率良く供給したりできるので、暖機対象の暖機をさらに効果的に行うことができる。
また、本発明にかかる車両用暖機システムは、上記構成の蓄熱装置(10)と、暖機対象機関(30,40)と、蓄熱装置(10)と暖機対象機関(30,40)との間で熱伝達媒体を流通させる熱伝達媒体流路(31,41)と、を備え、蓄熱装置(10)における熱伝達媒体との熱交換による蓄熱要素(20)の蓄熱・放熱で暖機対象機関(30,40)の暖機を行うことを特徴とする。この車両用暖機システムによれば、本発明にかかる蓄熱装置を用いて、内燃機関や変速機の早期暖機を効果的に行えるようになる。また、車両構造の簡素化、低コスト化を図ることもできる。
また、この車両用暖機システムでは、暖機対象機関(30,40)は、内燃機関(30)または変速機(40)の少なくともいずれかであり、熱伝達媒体は、内燃機関(30)の冷却水または潤滑油、変速機(40)の作動油の少なくともいずれかであってよい。これらの熱伝達媒体を蓄熱装置へ流通させることにより、内燃機関や駆動系機関の早期暖機が効果的に行えるようになる。
本発明にかかる蓄熱装置及び車両用暖機システムによれば、蓄熱要素の容量が大きい場合でも蓄熱および放熱を短時間で効率良く行うことができ、暖機対象機関の早期暖機や車内の即効暖房を効果的に行えるようになる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態にかかる蓄熱装置を備えた車両用暖機システムの構成例を示す概略図である。車両用暖機システム1は、蓄熱装置10と、エンジン30の冷却水(LLC)を蓄熱装置10および車内暖房装置44のヒータコア45へ循環させる冷却水循環路31と、自動変速機(AT)40の作動油(ATF)を蓄熱装置10へ循環させる作動油循環路41とを備えている。冷却水循環路31は、エンジン30に形成された水ジャケット(図示せず)から導出され、蓄熱装置10に連通し、蓄熱装置10の下流側でヒータコア45を通り、エンジン30の水ジャケットに再度導入されている。エンジン30に導入される直前位置には、冷却水ポンプ32が介装されている。冷却水ポンプ32は、エンジン30のクランク軸(図示せず)の回転に連動して駆動するようになっている。また、作動油循環路41には、作動油を流通させる作動油ポンプ(電動ポンプ)42と、作動油の温度を検出する油温センサ43が設置されている。蓄熱装置10は、詳細な構成は後述するが、蓄熱材20が封入された密閉容器(以下、「蓄熱カプセル」という。)21を収容した熱交換室11を備えている。熱交換室11は、冷却水循環路31に連通する第一室12と、作動油循環路41に連通する第二室13の二重構造になっており、蓄熱カプセル21は、第一室12に収容されている。
ヒータコア45は、詳細な図示は省略するが、車内に臨む空気導入ダクト内に設置されている。空気導入ダクト内には、ヒータコア45に風を送るための送風ファン46が組み込まれている。送風ファン46は、電子制御ユニット(以下、ECUという。)50によって作動を制御されるようになっている。ヒータコア45の送風下流側には、車内に連通する送風ダクトが設けられている。
また、車内のコントロールパネル(図示せず)には、車内暖房用の暖房スイッチ51、及びデフロスタ吹出口から温風を吹き出すためのデフロスタスイッチ55が設けられている。暖房スイッチ51およびデフロスタスイッチ55のオン/オフ信号は、ECU50に出力されるようになっている。したがって、送風ファン46は、暖房スイッチ51やデフロスタスイッチ55のオン信号に応じて作動し、空気導入ダクトを介して吸い込んだ車内の空気を、ヒータコア45を通して送風ダクトから再び車内に吹き込むようになっている。また、暖機システム1は、外気温を検出する外気温センサ54を備えている。外気温センサ54の検出信号は、ECU50に出力されるようになっている。また、イグニッションスイッチ(以下、IGスイッチという。)56の操作信号は、ECU50に送られるようになっている。
冷却水循環路31における蓄熱装置10とヒータコア45の間には、冷却水循環路31の開閉を切り替える切替バルブ(開閉弁)33が設置されている。切替バルブ33は、ECU50からの信号で開閉が制御されるようになっている。以下では、切替バルブ33がオフであるというときは、切替バルブ33が開かれて、蓄熱装置10及びヒータコア45の冷却水が流通する状態を示し、切替バルブ33がオンであるというときは、切替バルブ33が閉じられて、蓄熱装置10及びヒータコア45の冷却水が流通しない状態を示す。
また、エンジン30の冷却水をラジエター47へ循環させるラジエター用循環路35が設けられている。ラジエター用循環路35は、エンジン30の水ジャケットから出て、冷却水循環路31における冷却水ポンプ32の上流側に合流している。ラジエター用循環路35には、ラジエター47に連通する主流路35aとラジエター47をバイパスするバイパス流路35bが設けられている。ラジエター47の下流側におけるバイパス流路35bの合流部には、電子制御サーモスタット弁(三方弁)37が介装されている。電子制御サーモスタット弁37は、ECU50からの信号で開閉方向が制御されるようになっている。また、ラジエター用循環路35には、冷却水の水温を検出する水温センサ38が組み込まれている。水温センサ38の検出信号は、ECU50に出力されるようになっている。
図2は、電子制御サーモスタット弁37の構成例を示す図である。以下では、電子制御サーモスタット弁37がオフであるというときは、同図(a)に示す状態、すなわち、主流路35aを開いてバイパス流路35bを閉じた状態を示し、電子制御サーモスタット弁37がオンであるというときは、同図(b)に示す状態、すなわち、主流路35aを閉じてバイパス流路35bを開いた状態を示すものとする。
ECU50は、水温センサ38で検出した冷却水温が所定温度(例えば100℃)未満の場合、電子制御サーモスタット弁37をオンにすることで、冷却水がラジエター47へ流れないように制御する。一方、冷却水温が所定温度(例えば110℃)以上になった場合、電子制御サーモスタット弁37をオフにすることで、冷却水をラジエター47へ導くように制御する。
ECU50には、無線により外部機器と交信が可能な受信装置52が接続されている。これにより、ECU50は、エンジンスタートキー53に設けたウォームアップスイッチ53aのオン/オフ信号を遠隔受信できるようになっている。したがって、乗員が車外でエンジンスタートキー53のウォームアップスイッチ53aを操作した場合、ECU50でその信号が受信され、ECU50は暖機システム1にウォームアップ指令を発することができる。
図3は、蓄熱装置10の詳細構成を示す図で、(a)は、後述する加圧板15が非加圧位置にある状態、(b)は、加圧板15が加圧位置にある状態をそれぞれ示している。また、図4は、蓄熱カプセル21の詳細構造を示す図で、(a)は外観を示す図、(b)は、変形していない状態の断面図、(c)は、加圧されて変形した状態の断面図、(d)は、内部に設置した過冷却解除用の部材(以下、「発核部材」という。)22の詳細構成を示す図である。図4に示すように、蓄熱カプセル21は中空の球形状であり、内部に蓄熱材20が封入されている。蓄熱カプセル21は、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどの柔軟性を有する合成樹脂材料からなる。また、蓄熱カプセル21の外周には、楔状の括れ部21aが形成されている。括れ部21aは、蓄熱カプセル21の中心を通る面の周囲に直線帯状に形成されている。
蓄熱カプセル21の内部に設置した発核部材22は、弾性を有する金属材料からなり、短冊状に形成された板状部材で、その長手方向に向かう両側辺には、複数の切込部22aが交互に形成されている。切込部22aは、発核部材22の内側に向かって楔状に切り込まれている。発核部材22は、図4(b)に示すように、蓄熱カプセル21内の対向する括れ部21aの間に、断面の長手方向が略S字形状に撓められた状態で架け渡されている。また、蓄熱カプセル21内の底部には、重り23が取り付けられている。重り23は、蓄熱材20よりも比重の大きな材料からなる部材で、熱交換室11内に収容した蓄熱カプセル21の向きや配列を揃える働きをする。なお、後述するように、括れ部21aにも蓄熱カプセル21の向きや配列を揃える働きがあるので、蓄熱カプセル21を正確に揃える必要が無ければ、重り23は省略してよい。
蓄熱材20は、過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材であり、凝固点以下になっても液状のままで固化しない性質を有している。このような蓄熱材20として、例えば、酢酸ナトリウム水和物からなる蓄熱材が挙げられる。酢酸ナトリウム水和物は、発核部材22による過冷却状態の解除によって、平衡状態に戻って固化する際に発熱し、温度の低い他の媒体を加熱することができる。すなわち、蓄熱材20は、冷却水あるいは作動油など熱伝達媒体からの熱供給により、熱を蓄熱して固相から液相へ相変化(融解)し、その後の温度低下により、液相の状態を保ったまま過冷却状態となる。一方、発核部材22による過冷却状態の解除により、蓄熱を放出して液相から固相へ相変化(固化)する。なお、ここでは、過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材の代表例として酢酸ナトリウム水和物を挙げたが、他にも、水和塩化合物(化学式としてMx・nH2O(n:整数)で表わされるもの)を挙げることができ、Na2SO4・10H2O,CaCl2・6H2Oを例示することができる。
蓄熱装置10の熱交換室11は、図3に示すように、蓄熱カプセル21を複数収容した第一室12と、該第一室12の外側に隣接して配置した第二室13とを備えた二重構造になっている。第一室12には、冷却水循環路31が連通しておりエンジン30の冷却水が流通するようになっている。冷却水は、第一室12内の蓄熱カプセル21の周囲に充填される。第二室13には、作動油循環路41が連通しており、自動変速機40の作動油が流通するようになっている。したがって、熱交換室11では、第一室12に流通する冷却水と第一室12に収容された蓄熱カプセル21内の蓄熱材20との間で直接の熱交換が行われ、かつ、第一室12に流通する冷却水と第二室13に流通する作動油との間でも直接の熱交換が行われる。さらに、第二室13を流通する作動油と第一室12に収容された蓄熱カプセル21内の蓄熱材20との間でも、第一室12の冷却水を介して間接的に熱交換が行われるようになっている。
熱交換室11の外壁11aは、冷却水に対する防錆性などの耐久性があり、且つ断熱性の良好な材料、例えば、銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属材料で構成されている。この外壁11aは、図示は省略するが、断熱性を高めるため、内部に真空の断熱層を形成してもよい。また、第一室12と第二室13の間に設置する仕切部材12aは、冷却水、作動油に対する耐久性があり、且つ比較的熱伝導性の高い材料、例えば、ステンレスなどの金属材料で構成するとよい。
熱交換室11の第一室12に収容された蓄熱カプセル21は、図3に示すように、互いが隣接した状態で第一室12の底面に沿って平面状に敷き詰めて配列され、さらに、該平面状に配列された複数の蓄熱カプセル21と同様の組が複数段積層されている。これにより、熱交換室11内の各蓄熱カプセル21は、第一室12の内面あるいは他のいずれかの蓄熱カプセル21と接した状態で収容されている。また、蓄熱カプセル21の外周に括れ部21aを形成したことにより、隣接する蓄熱カプセル21の中心を近づけて配列することが可能となる。また、隣接する蓄熱カプセル21の括れ部21aが接触していることで、蓄熱装置10に振動が加わった場合でも、蓄熱カプセル21が回転したり相互の位置がずれたりし難くなるので、蓄熱カプセル21の整列状態を維持し易くなる。なお、蓄熱カプセル21を球形状としたことで、熱交換室11内に多数の蓄熱カプセル21を効率良く収容できる上、蓄熱カプセル21と冷却水との接触面積を広くすることができるので、蓄熱材20と冷却水との熱交換をスムーズに行わせることが可能となる。
第一室12の最上段に収容された蓄熱カプセル21の上部には、加圧板(加圧部材)15が設置されている。加圧板15は、最上段の蓄熱カプセル21に当接する平板状の部材からなり、上面側には、アクチュエータ(移動機構)16により加圧板15の面と直交する方向へ進退移動するロッド16aが連結されている。アクチュエータ16は、ECU50の指令で動作するようになっている。したがって、加圧板15は、アクチュエータ16の駆動によるロッド16aの進退移動に伴い、図3(a)に示す非加圧位置と、図3(b)に示す加圧位置との間で上下動するようになっている。加圧位置において、熱交換室11に収容された蓄熱カプセル21が押圧されることで、互いに接した状態で配列された複数の蓄熱カプセル21が一度に加圧され、図3(b)及び図4(c)に示すように変形する。この蓄熱カプセル21の変形に伴い、蓄熱カプセル21内に設置した発核部材22の形状が変化し、蓄熱材20の過冷却状態が解除される。
すなわち、蓄熱材20が過冷却状態のとき、蓄熱カプセル21が変形すると、図4(c)に示すように、発核部材22はS字状の屈曲が強くなるように撓められる。すると、発核部材22に設けた切込部22aの形状が変化し、それまで蓄熱材20と接触していなかった切込部22aの先端の内面が蓄熱材20と新たに接触する。これにより、蓄熱材20中に核が生成(発核)され、蓄熱材20の過冷却状態が解除されて固化が始まる。固化は徐々に切込部22aの周辺の蓄熱材20へ進行し、やがて蓄熱カプセル21内の蓄熱材20の全体に伝播する。
ここで、図4に示すように、蓄熱カプセル21に封入された蓄熱材20は一杯には充填されておらず、蓄熱カプセル21内の蓄熱材20の隙間には、気体24が封入された空間が形成されている。蓄熱カプセル21内に気体24が封入されていることで、気体24の圧縮により蓄熱カプセル21が変形し易くなる。したがって、発核部材22の形状変化が起こり易くなり、蓄熱材20の過冷却解除が確実に行われるようになる。また、蓄熱カプセル21が小さい加圧力で容易に変形するようになるので、蓄熱カプセル21にかける荷重を小さくすることができ、アクチュエータ16の小型化、構成の簡素化を図ることができる。なお、気体24として、具体的には空気や窒素などを封入することができる。また、図示は省略するが、封入する気体24は、蓄熱カプセル21の変形で圧縮されるようになっていれば、蓄熱カプセル21内の蓄熱材20の隙間(空間)に直接封入してもよいし、該隙間に気体24を含むことが可能な独泡スポンジ(独泡スポンジゴム)などの部材を収容し、該部材に含ませた状態で封入してもよい。なお、気体24の体積変化は、蓄熱カプセル21の変形で気体24が圧縮されて起こるようにするほか、気体24として、加圧により相変化を生じる気体を封入しておけば、気体24の相変化により体積変化を生じさせることも可能である。
上記の加圧板15とアクチュエータ16とで、蓄熱カプセル21を加圧するための加圧機構17が構成されており、この加圧機構17と蓄熱カプセル21内に設置した発核部材22とで、蓄熱カプセル21に封入された蓄熱材20を発核させる発核装置25が構成されている。以下では、発核装置25がオンするというときは、アクチュエータ16の駆動により加圧板15が図3(a)の非加圧位置から同図(b)の加圧位置へ移動して、発核部材22が撓められることを示し、発核装置25がオフするというときは、加圧板15が図3(b)の加圧位置から同図(a)の非加圧位置へ移動して、発核部材22の撓みが解除されること、あるいは、加圧板15が初めから非加圧位置にあれば、その状態が維持されることを示す。
次に、車両用暖機システム1の運転手順について説明する。図5は、上記構成の暖機システム1における運転モードのタイムチャートを示すグラフである。同図に示すように、暖機システム1の運転モードは、モード0からモード3までの4段階に切り替わる。モード0は、エンジン30が停止している間のモードである。モード1は、IGスイッチ56がオンされてエンジン30が始動してから、冷却水温TWが所定温度に達するまでのモードであり、この間、自動変速機40の作動油が蓄熱材20によって加熱される。また、エンジン30は自己暖機する。モード2は、冷却水温TWが前記の所定温度に達した後、作動油温TATFが所定温度に達したことで自動変速機40の暖機が完了したと判断されるまでのモードであり、この間、自動変速機40の作動油がエンジン30の冷却水によって加熱される。また、エンジン30の冷却水は、電子制御サーモスタット弁37の開閉制御によって、所定の温度範囲を維持するように制御(DUTY制御)される。モード3は、自動変速機40の暖機が完了したと判断された後のモードであり、この間、自動変速機40の作動油がエンジン30の冷却水によって冷却される。また、エンジン30の冷却水は、モード2と同様、電子制御サーモスタット弁37の開閉制御によって、所定の温度範囲を維持するように制御される。
図6は、暖機システム1の制御手順を示すメインフローである。この制御手順では、まず、後述するモード切替のサブルーチンを実行する(ステップST1)。その結果に基づき、モード0であるか否かを判定する(ステップST2)。モード0であれば(Y)、モード0のサブルーチンを実行し(ステップST3)、モード0でなければ(N)、モード1か否かを判定する(ステップST4)。その結果、モード1であれば(Y)、モード1のサブルーチンを実行し(ステップST5)、モード1でなければ(N)、モード2か否かを判定する(ステップST6)。その結果、モード2であれば(Y)、モード2のサブルーチンを実行し(ステップST7)、モード2でなければ(N)、モード3のサブルーチンを実行する(ステップST8)。
図7は、モード切替手順を説明するためのフローチャートである。モード切替では、まず、IGスイッチ56がオンであるか否かを判定する(ステップST10)。その結果、IGスイッチ56がオンでなければ(N)、モード0をセットする(ステップST11)。IGスイッチ56がオンであれば(Y)、モード2以上か否かを判定し(ステップST12)、モード2以上でなければ(N)、冷却水温TWが♯TW1Lより低いか否かを判定し(ステップST13)、冷却水温TWが♯TW1Lより低ければ(Y)、モード1をセットする(ステップST14)。♯TW1Lの具体例は、100℃である。また、先のステップST12でモード2以上である場合(Y)は、続けてモード2か否かを判定し(ステップST15)、モード2である場合(Y)、あるいは先のステップST13で冷却水温TWが♯TW1L以上である場合(N)は、作動油温TATFが♯TATF1Lより低いか否かを判定する(ステップST16)。♯TATF1Lの具体例は、100℃である。その結果、作動油温TATFが♯TATF1Lより低ければ(Y)、モード2をセットし(ステップST17)、作動油温TATFが♯TATF1L以上であれば(N)、モード3をセットする(ステップST18)。また、先のステップST15でモード2でない場合(N)は、モード3をセットする(ステップST18)。
図8は、モード0の手順を説明するためのフローチャートである。モード0では、まず、ウォームアップ信号の入力の有無を判定する(ステップST0−1)。この結果、ウォームアップ信号の入力が無い場合(N)は、発核装置25をオフする(ステップST0−2)。一方、ウォームアップ信号の入力が有る場合(Y)は、冷却水温TWが♯TW3より低いか否かを判定する(ステップST0−3)。♯TW3の具体例は、60℃である。その結果、冷却水温TWが♯TW3以上であれば(N)、発核装置25をオフする(ステップST0−2)。つまり、始動時に冷却水温が十分に高い場合は、蓄熱装置10によるエンジン30や自動変速機40の暖機は不要であると判断して、蓄熱材20を発核させず、蓄熱装置10の自己暖機は行わない。一方、冷却水温TWが♯TW3より低ければ(Y)、発核装置25がオンであるか否かを判定する(ステップST0−4)。その結果、発核装置25がオフであれば(N)、発核装置25をオンする(ステップST0−5)。発核装置25がオンであれば(Y)、発核装置25がオンしてから所定時間以内か否かを判定する(ステップST0−6)。その結果、所定時間以内でなければ(N)、すなわち発核装置25がオンしてから所定時間以上が経過していれば、発核装置25をオフする(ステップST0−2)。また、このモード0では、切替バルブ33はオフにしておき(ステップST0−7)、電子制御サーモスタット弁37はオフにしておく(ステップST0−8)。その後、モード0の手順を終了してメインフローに戻る。
図9は、モード1の手順を説明するためのフローチャートである。モード1では、まず、冷却水温TWが♯TW3より低いか否かを判定する(ステップST1−1)。その結果、冷却水温TWが♯TW3以上であれば(N)、発核装置25をオフする(ステップST1−2)。つまり、始動時に冷却水温が十分に高い場合は、蓄熱装置10によるエンジン30や自動変速機40の暖機は不要であると判断し、蓄熱材20を発核させず、蓄熱材20による冷却水や作動油の加熱を行わない。一方、冷却水温TWが♯TW3より低ければ(Y)、発核装置25がオンであるか否かを判定する(ステップST1−3)。その結果、発核装置25がオンで無ければ(N)、発核装置25をオンする(ステップST1−4)。発核装置25がオンであれば(Y)、発核装置25がオンしてから所定時間以内か否かを判定する(ステップST1−5)。その結果、所定時間以内でなければ(N)、すなわち発核装置25がオンしてから所定時間以上が経過していれば、発核装置25をオフする(ステップST1−2)。続けて、外気温が所定温度以上であり、かつデフロスタスイッチ55がオフであるか否かを判定する(ステップST1−6)。その結果、外気温が所定温度以下、またはデフロスタスイッチ55がオンである場合(N)は、切替バルブ33をオフすることで(ステップST1−7)、蓄熱装置10から出た冷却水をヒータコア45に流通させる。つまりこの場合は、蓄熱装置10による自動変速機40の暖機を行いながら、蓄熱装置10による車内暖房も行う。一方、外気温が所定温度以上であり、かつデフロスタスイッチ55がオフである場合(Y)は、切替バルブ33をオンすることで(ステップST1−8)、蓄熱装置10から出た冷却水をヒータコア45には流通させない。つまりこの場合は、蓄熱装置10による自動変速機40の暖機を優先的に行い、車内暖房は行わない。また、モード1では、電子制御サーモスタット弁37をオンしておき(ステップST1−9)、ラジエター47には冷却水を流通させず、冷却水が早期に温まるようにする。その後、モード1の手順を終了してメインフローに戻る。
図10は、モード2の手順を説明するためのフローチャートである。モード2では、発核装置25をオフする(ステップST2−1)。さらに、切替バルブ33をオフすることで(ステップST2−2)、蓄熱装置10からの冷却水をヒータコア45に流通させる。そして、電子制御サーモスタット弁37がオンであるか否かを判定する(ステップST2−3)。その結果、オンであれば(Y)、冷却水温TWが♯TW1Hより低いか否かを判定する(ステップST2−4)。♯TW1Hの具体例は、105℃である。その結果、冷却水温TWが♯TW1H以上である場合(N)は、電子制御サーモスタット弁37をオフすることで(ステップST2−6)、ラジエターに冷却水を流通させる。一方、冷却水温TWが♯TW1Hより低い場合(Y)は、電子制御サーモスタット弁37をオンのままとし(ステップST2−7)、ラジエター47に冷却水を流通させない。また、先のステップST2−3で電子制御サーモスタット弁37がオフである場合(N)は、冷却水温TWが♯TW1Lより高いか否かを判定する(ステップST2−5)。その結果、冷却水温TWが♯TW1Lより高ければ(Y)、電子制御サーモスタット弁37をオフのままとし(ステップST2−6)、冷却水温TWが♯TW1L以下であれば(N)、電子制御サーモスタット弁37をオンする(ステップST2−7)。その後、スタートに戻り上記の手順を反復する。つまり、モード2では、冷却水温TWが♯TW1H以上に上昇した場合は、ラジエター47による冷却を行い、冷却水温TWが♯TW1L以下に低下した場合は、ラジエター47による冷却を停止する。これにより、図5に示すように、冷却水温TWが常に♯TW1Lと♯TW1Hの間の範囲内に収まるように制御する。
図11は、モード3の手順を説明するためのフローチャートである。モード3では、まず、発核装置25はオフである(ステップST3−1)。また、切替バルブ33はオフであり(ステップST3−2)、蓄熱装置10から出た冷却水がヒータコア45に流通している。そして、作動油温TATFが♯TATF1Hよりも低いか否かを判定する(ステップST3−3)。♯TATF1Hの具体例は、110℃である。その結果、作動油温TATFが♯TATF1Hよりも低ければ(Y)、電子制御サーモスタット弁37がオンであるか否かを判定する(ステップST3−4)。オンであれば(Y)、冷却水温TWが♯TW1Hより低いか否かを判定する(ステップST3−5)。冷却水温TWが♯TW1H以上であれば(N)、電子制御サーモスタット弁37をオフし(ステップST3−7)、冷却水温TWが♯TW1Lより低ければ(Y)、電子制御サーモスタット弁37をオンする(ステップST3−8)。一方、先のステップST3−4で電子制御サーモスタット弁37がオンでない場合(N)は、冷却水温TWが♯TW1Lより高いか否かを判定する(ステップST3−6)。その結果、冷却水温TWが♯TW1Lより高ければ(Y)、電子制御サーモスタット弁37をオフし(ステップST3−7)、冷却水温TWが♯TW1L以下であれば(N)、電子制御サーモスタット弁37をオンする(ステップST3−8)。つまり、自動変速機40の作動油温が狙い範囲(TATF<♯TATF1H:110℃)にある場合は、冷却水温をそれ以上低くする必要がないため、該冷却水温を燃費優先のいわゆる燃費狙い値(♯TW1L:100℃<TW<♯TW1H:105℃)になるように制御する。
一方、先のステップST3−3において、作動油温TATFが♯TATF1H以上である場合(N)は、電子制御サーモスタット弁37が既にオンしているか否かを判定し(ステップST3−9)、オンしていれば(Y)、冷却水温TWが♯TW2Hより低いか否かを判定する(ステップST3−10)。♯TW2Hの具体例は、85℃である。冷却水温TWが♯TW2H以上である場合(N)は、電子制御サーモスタット弁37をオフし(ステップST3−12)、冷却水温TWが♯TW2Hより低い場合(Y)は、電子制御サーモスタット弁37をオンする(ステップST3−8)。一方、先のステップST3−9で電子制御サーモスタット弁37がオンでない場合(N)は、冷却水温TWが♯TW2Lより高いか否かを判定する(ステップST3−11)。♯TW2Lの具体例は、80℃である。その結果、冷却水温TWが♯TW2Lより高ければ(Y)、電子制御サーモスタット弁37をオフし(ステップST3−12)、冷却水温TWが♯TW2L以下であれば(N)、電子制御サーモスタット弁37をオンする(ステップST3−8)。つまり、自動変速機40の作動油温が狙い範囲(TATF<♯TATF1H:110℃)と比べて高すぎる場合は、エンジン30の冷却水温を低く抑える必要があるため、該冷却水温を作動油の冷却を優先する温度(♯TW2L:80℃<TW<♯TW2H:85℃)となるように制御する。
以上説明したように、本実施形態の蓄熱装置10によれば、蓄熱材20を複数の蓄熱カプセル21に分けて封入したので、各蓄熱カプセル21に封入された蓄熱材20ごとに蓄熱及び放熱が行われるようになる。したがって、蓄熱装置10が有する蓄熱材20の全容量が大きい場合でも、蓄熱材20と冷却水や作動油との間の熱移動の効率を向上させることができる。それとともに、柔軟性を有する蓄熱カプセル21内に設置した発核部材22と、蓄熱カプセル21を加圧して変形させる加圧板15及びアクチュエータ16とからなる発核装置25を設けた。これにより、複数の蓄熱カプセル21を一度に加圧して変形させて、熱交換室11内の蓄熱材20の過冷却状態を解除することを可能とした。したがって、蓄熱装置10の構成を簡単にしながらも、蓄熱材20の蓄熱および放熱を短時間で効率良く行えて、エンジン30や自動変速機40の早期暖機が効果的に行えるようになる。
なお、上記では、蓄熱装置10に流通させる熱伝達媒体として、エンジン30の冷却水及び自動変速機40の作動油を挙げたが、これらのいずれかに代えて、あるいはこれらに加えて、エンジン30の潤滑油を熱伝達媒体として蓄熱装置10に流通させて蓄熱材20との熱交換を行わせることも可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる蓄熱装置について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項、及び図示する以外の事項については、第1実施形態と同じである。この点は、他の実施形態においても同様とする。図12は、本発明の第2実施形態にかかる蓄熱装置10−2の構成を示す図で、(a)は、蓄熱カプセル21を収容した蓄熱装置10−2の全体構成を示す概略図、(b)は、後述する保持部材26で保持された蓄熱カプセル21を示す側面図、(c)は、保持部材26の平面図である。本実施形態の蓄熱装置10−2は、蓄熱カプセル21を複数並べて保持可能な保持部材(カートリッジ)26を備えている。保持部材26は、蓄熱カプセル21の括れ部21aに嵌合する複数の開口部(嵌合部)26aを有する平面状の部材からなる。保持部材26は、熱交換室11の第一室12の内形に沿う略矩形状に形成された平板部材である。開口部26aは、保持部材26の縦方向および横方向に沿って格子状に複数個が配列されている。各開口部26aは円形で、蓄熱カプセル21の括れ部21aの径とほぼ同一の径を有している。保持部材26は、図12(b)に示すように、蓄熱カプセル21の括れ部21aを開口部26aに嵌め込んで取り付けるようになっている。これにより、複数の蓄熱カプセル21を平面状に並べた状態で保持できる。さらに、図12(a)に示すように、保持部材26により平面状に保持された複数の蓄熱カプセル21が、さらに複数段積層された状態で第一室12に収容されるようになっている。
本実施形態の蓄熱装置10−2では、第一室12に収容される蓄熱カプセル21は、保持部材26により複数ずつ保持された状態で取り扱える。これにより、複数の蓄熱カプセル21の取り扱いが簡単になり、熱交換室11に対する蓄熱カプセル21の出し入れが簡単に行えて便利である。したがって、蓄熱装置10−2の製造工程の簡素化やメンテナンス作業の容易化を図ることができる。また、本実施形態では、保持部材26で平面状に保持した蓄熱カプセル21を複数段積層して第一室12に収容している。これにより、第一室12内に多数の蓄熱カプセル21を効率良く収容できる。したがって、第一室12内に収容する蓄熱材20の容量を多くしながらも、蓄熱装置10−2の外形の小型化を図ることができる。
また、柔軟性材料からなる蓄熱カプセル21に括れ部21aを形成し、この括れ部21aを保持部材26の開口部26aに嵌め込んで保持するようにしたので、工具や他の部材を用いずに蓄熱カプセル21を保持部材26で保持することができる。したがって、蓄熱カプセル21を保持部材26に取り付ける作業が簡単に行える。
なお、保持部材26は、複数の蓄熱カプセル21を保持可能なものであれば、本実施形態のような平板状以外の形状であってもよい。また、保持部材26の嵌合部は、蓄熱カプセル21の括れ部21aに嵌合するものであれば、本実施形態に示す円形の開口部26a以外にも、他の形状の開口部や、一部が切り欠かれた切欠状の部位などであってもよい。
〔第3実施形態〕
図13は、本発明の第3実施形態にかかる蓄熱装置10−3の構成を示す図で、(a),(b)は、蓄熱装置10−3の全体構成を示す概略図、(c)は、蓄熱カプセル21の外観を示す図、(d)は、(c)のA−A矢視断面図、(e),(f)は、(d)のB−B矢視断面図である。なお、同図(a),(e)では、蓄熱カプセル21が非加圧の状態を示しており、(b),(f)では、蓄熱カプセル21が加圧された状態を示している。第1実施形態の蓄熱装置10では、蓄熱カプセル21を球形状に形成していたが、本実施形態の蓄熱装置10−3は、図13(d)に示すように、円筒形状に形成された蓄熱カプセル21−3を備えている。蓄熱カプセル21−3では、円筒軸方向の中間の外周に括れ部21aが形成されている。また、発核部材22は、円筒軸方向の両端内面に架け渡されており、第1実施形態と同様、略S字形状に撓められた状態で設置されている。なお、保持部材26は、図12(c)に示すものと同様の形状である。
また、図13(a)に示すように、熱交換室11の第一室12に収容された蓄熱カプセル21−3は、円筒軸方向が横方向(水平方向)を向いて配列されている。したがって、保持部材26で保持された複数の蓄熱カプセル21−3は縦方向に並べられており、該複数の蓄熱カプセル21−3からなる組が、第一室12の横方向に沿って複数段積層されている。また、本実施形態では、加圧板15は、横方向に積層された蓄熱カプセル21の一端に当接するように、熱交換室11の側面に沿って設置されており、図13(b)に示すように、熱交換室11内を横方向へ移動するようになっている。したがって、加圧板15で加圧された蓄熱カプセル21−3は、図13(b),(f)に示すように、円筒軸方向が圧縮されて縮むように変形する。これにより、第1、第2実施形態と同様、発核部材22のS字状の屈曲が強くなるように撓められて、蓄熱材20の過冷却状態が解除される。
本実施形態の蓄熱装置10−3では、蓄熱カプセル21−3を円筒状に形成したことで、各蓄熱カプセル21の円筒軸方向の端面同士、及び該端面と第一室12の内面とが面接触した状態になっている。したがって、蓄熱装置10−3に振動が加わった場合でも、蓄熱カプセル21−3が移動し難くなり、蓄熱カプセル21−3の整列状態が維持され易くなる。また、球形状の蓄熱カプセル21よりも封入する蓄熱材20の容量を多くでき、かつ隣接する蓄熱カプセル21−3の隙間を小さくすることができる。したがって、本実施形態は、蓄熱装置10−3に収容する蓄熱材20の容量を多くする必要がある場合に好適である。なお、本実施形態では、蓄熱カプセル21−3を円筒状に形成した場合を示したが、蓄熱カプセル21−3は、円筒以外の筒形状であってもよく、例えば、断面が楕円や角型の筒状であってもよい。また、発核部材22は、蓄熱カプセル21−3内で円筒軸方向の両端内面に架け渡す以外にも、括れ部21aの対向する内面間に架け渡してもよい。
〔第4実施形態〕
図14は、本発明の第4実施形態にかかる蓄熱装置10−4を備えた車両用暖機システム1−4の構成例を示す概略図である。本実施形態の蓄熱装置10−4の熱交換室11−4は、第1実施形態の熱交換室11が備えていた第二室13を省略し、第一室12のみを備えて構成されている。また、それに伴い、第二室13に連通していた作動油循環路41も省略している。したがって、本実施形態の蓄熱装置10−4は、エンジン30からの冷却水と蓄熱カプセル21に収容された蓄熱材20との間でのみ熱交換を行うように構成されている。
さらに、本実施形態の蓄熱装置10−4では、第1実施形態の蓄熱装置10が備えていた加圧板15及びアクチュエータ16からなる加圧機構17に代えて、冷却水循環路31の開閉を切り替える切替バルブ(閉止手段)33と冷却水を流通させるための冷却水ポンプ(媒体輸送手段)32−4とで構成された加圧機構17−4を備えている。なお、本実施形態の冷却水ポンプ32−4は電動ポンプであり、ECU50からの指令に応じて動作するようになっている。
すなわち、蓄熱装置10−4で蓄熱材20の過冷却状態の解除を行うには、切替バルブ33を閉じた(オンにした)状態で、冷却水ポンプ32−4を駆動して冷却水循環路31を介してエンジン30の冷却水を熱交換室11に送り込む。こうすると、切替バルブ33により熱交換室11の出口側の冷却水循環路31が閉止されているため、熱交換室11内の冷却水の圧力が上昇する。この圧力の上昇した冷却水で蓄熱カプセル21が加圧されて変形する。これにより、蓄熱カプセル21内の発核部材22が撓められて、蓄熱材20の過冷却状態が解除される。
本実施形態の蓄熱装置10−4によれば、圧力の上昇した冷却水で熱交換室11−4内の複数の蓄熱カプセル21を一度に加圧して変形させることが可能となる。したがって、複数の蓄熱カプセル21に封入された蓄熱材20の過冷却状態を効率良く解除できる。また、冷却水循環路31に従来から設けていた冷却水ポンプ32−4と切替バルブ33とを用いて蓄熱材20の過冷却状態を解除するように構成したので、車両用暖機システム1−4の部品点数を増加させずに済み、構成を簡素化することができる。
なお、本実施形態では、第1実施形態の第二室13及び第二室13に連通する作動油循環路41を省略しているが、これら第二室13と作動油循環路41とを設けて、熱交換室11−4を第1〜第3実施形態の蓄熱装置10〜10−3と同様の二重構造としてもよい。また、これとは逆に、第1〜第3実施形態の蓄熱装置10〜10−3において、本実施形態の蓄熱装置10−4のように第二室13及び作動油循環路41を省略して一重構造とすることも可能である。また、本実施形態においても、蓄熱カプセル21を保持する保持部材26を設けてもよい。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、蓄熱カプセル21を球形状あるいは円筒形状とした場合を示したが、蓄熱カプセル21はこれら以外の形状であってもよい。また、蓄熱カプセル21に設けた括れ部21aの具体的な形状、配置なども上記実施形態に示すものには限定されない。
本発明の第1実施形態にかかる車両用暖機システムの構成例を示す概略図である。 電子制御サーモスタット弁の構成例を示す図である。 蓄熱装置の構成例を示す図で、(a)は、加圧板が非加圧位置にある状態、(b)は、加圧板が加圧位置にある状態を示す。 蓄熱カプセルの詳細構造を示す図で、(a)は外観を示す図、(b),(c)は、断面図、(d)は、内部に設置した発核部材を示す図である。 暖機システムの運転モードのタイムチャートを示すグラフである。 暖機システムの制御手順を示すメインフローである。 運転モード切替手順を説明するためのフローチャートである。 モード0の手順を説明するためのフローチャートである。 モード1の手順を説明するためのフローチャートである。 モード2の手順を説明するためのフローチャートである。 モード3の手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態にかかる蓄熱装置を示す図で、(a)は、蓄熱装置の全体構成を示す概略図、(b)は、保持部材で保持された蓄熱カプセルの側面図、(c)は、保持部材の平面図である。 本発明の第3実施形態にかかる蓄熱装置を示す図で、(a),(b)は、蓄熱装置の全体構成を示す概略図、(c)は、蓄熱カプセルの外観を示す図、(d),(e),(f)は、蓄熱カプセルの断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる蓄熱装置を備えた車両用暖機システムの構成例を示す概略図である。
符号の説明
1 車両用暖機システム
10 蓄熱装置
11 熱交換室
12 第一室
13 第二室
15 加圧板(加圧部材)
16 アクチュエータ(移動機構)
17 加圧機構
17‐4 加圧機構
20 蓄熱材(蓄熱要素)
21 蓄熱カプセル(密閉容器)
21a 括れ部
22 発核部材(過冷却解除用の部材)
22a 切込部
24 気体
25 発核装置
26 保持部材
26a 開口部(嵌合部)
30 エンジン(内燃機関)
31 冷却水循環路(熱伝達媒体流路)
32 冷却水ポンプ
32−4 冷却水ポンプ(媒体輸送手段)
33 切替バルブ(閉止手段)
35 ラジエター用循環路
36 潤滑油循環路(熱伝達媒体流路)
37 電子制御サーモスタット弁
40 自動変速機
41 作動油循環路(熱伝達媒体流路)
44 車内暖房装置
47 ラジエター
50 電子制御ユニット(ECU)

Claims (11)

  1. 柔軟性材料からなる密閉容器と、
    前記密閉容器に封入された過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材からなる蓄熱要素と、
    前記密閉容器内に設置され、該密閉容器の変形に伴い形状が変化することで前記蓄熱要素の過冷却状態を解除する過冷却解除用の部材と、
    前記密閉容器を複数収容し、かつ暖機対象からの熱伝達媒体を流通させて該熱伝達媒体と前記密閉容器内の蓄熱要素との間で熱交換を行わせる熱交換室と、
    前記熱交換室に収容された複数の密閉容器を一度に加圧して変形させる加圧機構と、
    を備えることを特徴とする蓄熱装置。
  2. 前記熱交換室内の各密閉容器は、該熱交換室の内面または他のいずれかの密閉容器と接した状態で収容されており、
    前記加圧機構は、前記複数の密閉容器の少なくともいずれかに当接してこれを押圧する押圧部材と、該押圧部材を移動させる移動機構とで構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置。
  3. 前記加圧機構は、前記熱交換室の出口側を閉止する閉止手段と、前記熱交換室に前記熱伝達媒体を送り込む媒体輸送手段とで構成され、出口側を閉止した前記熱交換室に前記熱伝達媒体を送り込み、前記熱交換室内の熱伝達媒体で前記複数の密閉容器を加圧する
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置。
  4. 前記密閉容器内には、前記蓄熱要素とともに気体が封入されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蓄熱装置。
  5. 前記密閉容器を複数並べて保持可能な保持部材を備え、
    前記熱交換室に収容される複数の密閉容器は、前記保持部材に保持された状態で前記熱交換室への収容及び取り出しが可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の蓄熱装置。
  6. 前記密閉容器は、外周に括れ部が形成されており、
    前記保持部材は、前記括れ部に嵌合する複数の嵌合部を有する平面状の部材からなる
    ことを特徴とする請求項5に記載の蓄熱装置。
  7. 前記保持部材により保持された前記密閉容器が複数段積層されて前記熱交換室に収容されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の蓄熱装置。
  8. 前記密閉容器は、球形状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の蓄熱装置。
  9. 前記熱交換室は、前記密閉容器が収容された第一室と、該第一室に隣接する第二室とを備えた二重構造であり、
    前記第一室と前記第二室とには、異なる種類の熱伝達媒体が流通し、
    前記第一室に流通する熱伝達媒体と前記第二室に流通する熱伝達媒体と前記蓄熱要素との三者間で熱交換が行える
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の蓄熱装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の蓄熱装置と、
    暖機対象機関と、
    前記蓄熱装置と前記暖機対象機関との間で熱伝達媒体を流通させる熱伝達媒体流路と、を備え、
    前記蓄熱装置における前記熱伝達媒体との熱交換による前記蓄熱要素の蓄熱・放熱で前記暖機対象機関の暖機を行う
    ことを特徴とする車両用暖機システム。
  11. 前記暖機対象機関は、内燃機関または変速機の少なくともいずれかであり、
    前記熱伝達媒体は、前記内燃機関の冷却水または潤滑油、前記変速機の作動油の少なくともいずれかである
    ことを特徴とする請求項10に記載の車両用暖機システム。
JP2008221937A 2008-08-29 2008-08-29 蓄熱装置及び車両用暖機システム Pending JP2010054162A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008221937A JP2010054162A (ja) 2008-08-29 2008-08-29 蓄熱装置及び車両用暖機システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008221937A JP2010054162A (ja) 2008-08-29 2008-08-29 蓄熱装置及び車両用暖機システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010054162A true JP2010054162A (ja) 2010-03-11

Family

ID=42070280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008221937A Pending JP2010054162A (ja) 2008-08-29 2008-08-29 蓄熱装置及び車両用暖機システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010054162A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102012204988A1 (de) 2012-03-28 2013-10-02 Ford Global Technologies, Llc Wärmespeicher für ein Kühlmittel eines Fahrzeugmotors
JP2015200469A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 三菱電機株式会社 過冷却解除素子および過冷却解除装置
JP2017166794A (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 パナソニック株式会社 蓄熱装置及び蓄熱材の結晶化を完了させる方法
JP2017218971A (ja) * 2016-06-07 2017-12-14 トヨタ自動車株式会社 車両の蓄熱放熱システム
RU2706899C2 (ru) * 2017-12-05 2019-11-21 Марсель Альмирович Абраров Система питания двигателя внутреннего сгорания сжиженным газом

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102012204988A1 (de) 2012-03-28 2013-10-02 Ford Global Technologies, Llc Wärmespeicher für ein Kühlmittel eines Fahrzeugmotors
US9074826B2 (en) 2012-03-28 2015-07-07 Ford Global Technologies, Llc Flexible heat accumulator for engine coolant
JP2015200469A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 三菱電機株式会社 過冷却解除素子および過冷却解除装置
JP2017166794A (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 パナソニック株式会社 蓄熱装置及び蓄熱材の結晶化を完了させる方法
CN107202513A (zh) * 2016-03-18 2017-09-26 松下电器产业株式会社 蓄热装置以及使蓄热材料的结晶化完成的方法
CN107202513B (zh) * 2016-03-18 2021-01-26 松下电器产业株式会社 蓄热装置以及使蓄热材料的结晶化完成的方法
JP2017218971A (ja) * 2016-06-07 2017-12-14 トヨタ自動車株式会社 車両の蓄熱放熱システム
US10544996B2 (en) 2016-06-07 2020-01-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine
RU2706899C2 (ru) * 2017-12-05 2019-11-21 Марсель Альмирович Абраров Система питания двигателя внутреннего сгорания сжиженным газом

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5102667B2 (ja) 車両用暖機システム
US8020524B2 (en) Exhaust heat recovery apparatus
US9771853B2 (en) Waste heat accumulator/distributor system
WO2013186983A1 (ja) 蓄冷熱交換器
JP6593266B2 (ja) 車両の暖機装置
JP2010054162A (ja) 蓄熱装置及び車両用暖機システム
EP2085584A1 (en) Heat storage system for vehicle
JP2011027246A (ja) 電気自動車用変速機の暖機装置
JP5724302B2 (ja) 化学蓄熱器および化学蓄熱装置
JP2012505105A (ja) 乗員室の加熱ラジエータに接続された電源回路用冷却回路を有する電気モータ自動車
KR20140101379A (ko) 축열기
JP2009257254A (ja) 車両用化学蓄熱システム
JP2010053830A (ja) 車両用暖機システム
JP2009057933A (ja) 車両用化学蓄熱システム
JP2015017780A5 (ja)
EP2239158A1 (en) Vehicle air conditioner
JP2009275518A (ja) 車両用暖機システム
JP2010105570A (ja) 車両用暖機システム
JP2011058586A (ja) 電気自動車用変速機の暖機装置
KR20170048421A (ko) 재생성 능력을 갖는 열 교환기 및 저장 디바이스와 저온 차량 시동
CN106460613A (zh) 加热用于机动车内水成操作液体的存储容器的系统以及加热存储容器的方法
JP6627245B2 (ja) 蓄熱システム
JP2008175189A (ja) 蓄熱装置
JP2009228430A (ja) 車両用暖機システム
JP2013108748A (ja) 車両用化学蓄熱システム