JP2010053837A - バイオ燃料機関の制御装置及びバイオ燃料の劣化判定方法 - Google Patents

バイオ燃料機関の制御装置及びバイオ燃料の劣化判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】格別なセンサを設けずとも、バイオ燃料の劣化度合を好適に判定することのできるバイオ燃料機関の制御装置及びバイオ燃量の劣化判定方法を提供する。
【解決手段】電子制御ユニット21は、排気酸素濃度のフィードバック制御におけるフィードバック積分項の値について、その直近における給油の直後からの変化に基づいて、バイオ燃料の劣化度合の判定を行う。こうしたフィードバック積分項の値の変化は、燃料の酸素含有率の変化を、ひいてはバイオ燃料の酸化劣化の度合を反映したものとなるため、格別なセンサを設けずとも、バイオ燃料の劣化度合を好適に判定することができるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオ燃料機関の制御装置及びバイオ燃料の劣化判定方法に関する。
近年、温室効果ガスの削減といった環境問題に関連して、脂肪酸メチルエステル(FAME:Fatty Acid Methyl Ester)、いわゆるバイオディーゼルなどのバイオ燃料が化石燃料の代替燃料として着目されている。バイオ燃料は、再生可能な自然エネルギーであることや、その燃焼によって大気中の二酸化炭素量を増やさないことから、次世代のエネルギー源として期待されている。そして車載等の内燃機関の燃料としても、こうしたバイオ燃料の利用が進められている。
なお車載用のバイオ燃料機関としては、純粋なバイオ燃料ではなく、バイオ燃料と化石燃料との混合燃料(バイオ混合燃料)を使用するものが主流となっている。こうしたバイオ混合燃料の理論空燃比点や発熱量等は、バイオ混合燃料のバイオ燃料の混合比率により変化するため、空燃比制御などにおいては、使用中のバイオ混合燃料のバイオ燃料の混合比率に応じてその制御内容を変更する必要がある。そして市場で販売されているバイオ混合燃料のバイオ燃料の混合比率は一定ではないため、使用中のバイオ混合燃料のバイオ燃料の混合比率を何らかの手法で推定することが必要となる。
そこで従来、使用中のバイオ混合燃料のバイオ燃料の混合比率を推定する手法についての技術として、例えば特許文献1及び2に記載のものが提案されている。特許文献1に記載の技術は、内燃機関の空燃比フィードバック制御のフィードバック補正量の安定値と基準値との比較により、バイオ混合燃料のバイオ燃料の混合比率の推定を行うものとなっている。また特許文献2に記載の技術は、排気へのバイオ混合燃料の添加に伴う排気酸素濃度の変化からバイオ混合燃料のバイオ燃料混合比を推定するものとなっている。
特開2006−77683号公報 特開2006−177312号公報
ところで、バイオ燃料は、長期に亘って空気に晒された状態で放置されると、酸化して劣化する。そして燃料の酸化劣化が進行すると、燃料に含有される酸素の分、混合気の空燃比がリーンとなるため、内燃機関の空燃比制御の制御性を悪化させることがある。またバイオ燃料の酸化劣化が進行すると、デポジットが生成され易くなり燃料の動粘度が増すため、インジェクタに詰りが発生するなど、燃料噴射系の作動に不具合を招く虞がある。そのため、バイオ燃料機関を採用する車両では、バイオ燃料の劣化を判定し、劣化時には燃料交換の必要を通知するなどの対処を行う必要がある。その点、上記従来の技術で行えるのは、バイオ燃料の混合比率の推定だけであり、その劣化度合の判定まではできないものとなっている。
ちなみに、例えば動粘度などのような、劣化に応じて変化するバイオ燃料の性状を直接検出可能な格別なセンサを内燃機関に設置すれば、そうした性状の変化からバイオ燃料の劣化度合の判定を行うことは可能である。しかしながら、そうした場合には、そのセンサの分の内燃機関の製造コストの増大は避けられないことになる。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、格別なセンサを設けずとも、バイオ燃料の劣化度合を好適に判定することのできるバイオ燃料機関の制御装置及びバイオ燃量の劣化判定方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、バイオ燃料を使用する内燃機関に適用されて、排気酸素濃度の検出値と目標値との偏差に応じた燃料噴射量の補正を通じての前記排気酸素濃度のフィードバック制御を行うバイオ燃料機関の制御装置において、前記フィードバック制御における前記燃料噴射量のフィードバック補正値に基づいて前記バイオ燃料の劣化度合を判定する判定手段を備えることをその要旨としている。
上記構成では、排気酸素濃度の検出値をその目標値との偏差に応じて燃料噴射量を補正しての排気酸素濃度のフィードバック制御を行うようにしている。ここでバイオ燃料の酸化劣化が進行すると、燃料の酸素含有率が増加し、燃料に含まれる酸素の分、燃焼される混合気の酸素量が増え、排気酸素濃度もその分増すことになる。そのため、排気酸素濃度を目標値するために必要な燃料噴射量のフィードバック補正値は、バイオ燃料の酸化劣化の進行に応じて変化することになる。よって、上記構成の如く、そうしたフィードバック制御でのフィードバック補正値に基づくことでバイオ燃料の劣化度合を判定することが可能となる。しかも、こうした態様での劣化度合の判定は、上記のようなフィードバック制御を行うバイオ燃料機関であれば、当然備える構成のみでその実現が可能である。したがって、上記構成によれば、格別なセンサを設けずとも、バイオ燃料の劣化度合を好適に判定することができるようになる。
なおここでのバイオ燃料機関には、純粋なバイオ燃料を使用する内燃機関に加え、バイオ燃料と化石燃料との混合燃料を使用する内燃機関も含むものとする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバイオ燃料機関の制御装置において、前記判定手段は、直近における給油の直後からの前記フィードバック補正値の変化に基づいて前記劣化度合の判定を行うことをその要旨としている。
上記のようなフィードバック制御での燃料噴射量のフィードバック補正値は、バイオ燃料の劣化度合に加え、吸気量を検出するエアフローメータの検出特性や燃料を噴射するインジェクタの噴射特性の個体差や経時劣化によるばらつき、燃料のバイオ燃料の混合比率によっても変化する。ここでエアフローメータの検出特性やインジェクタの噴射特性の個体差によるばらつきは、それらが交換されない限り不変である。またエアフローメータの検出特性やインジェクタの噴射特性の経時劣化は、比較的長いスパンで生じるものとなっている。更に燃料のバイオ燃料の混合比率は、給油や燃料交換が行われない限りは一定である。したがって、直近における燃料の給油直後からの前記フィードバック補正値の変化は主として、バイオ燃料の劣化により生じると見做すことができる。そのため、上記構成の如く、直近における給油の直後からのフィードバック補正値の変化に基づくことで、バイオ燃料の劣化度合の判定を好適に行うことができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のバイオ燃料機関の制御装置において、前記燃料の前記バイオ燃料の混合比率を推定する推定手段と、その推定手段による前記混合比率の推定結果に基づいて、前記燃料噴射量の補正を行う補正手段と、を備え、前記判定手段は、前記補正手段による補正が適用された状態での前記フィードバック制御における前記フィードバック補正値に基づいて前記バイオ燃料の劣化度合を判定することをその要旨としている。
通常、上記のようなフィードバック制御でのフィードバック補正値は、燃料のバイオ燃料の混合比率によっても変化するものとなっている。ここで上記構成では、燃料のバイオ燃料の混合比率を推定するとともに、その推定結果に基づいて燃料噴射量の補正を行うようにしている。こうした補正を適用した上での上記フィードバック制御では、燃料のバイオ燃料混合比率の影響分はその補正により既に吸収されているため、そのときのフィードバック補正値の変化は主にバイオ燃料の劣化により生じると見做すことができる。したがって、そうしたバイオ燃料混合比率の推定結果に基づく補正が適用された状態でのフィードバック制御のフィードバック補正値に基づくことで、バイオ燃料の劣化度合をより的確に判定することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバイオ燃料機関の制御装置において、前記判定手段は、前記フィードバック制御のフィードバック積分項を前記フィードバック補正値として用いて前記判定を行うことをその要旨としている。
PI制御やPID制御により排気酸素濃度のフィードバック制御を行う場合、そのフィードバック積分項には、排気酸素濃度の定常偏差分が反映されることになる。こうしたフィードバック積分項には、外乱等の一時的な要因による排気酸素濃度の変化はほとんど反映されないため、これを用いることでバイオ燃料の劣化度合をより的確に判定することができるようになる。
上記課題を解決するため、バイオ燃料の劣化判定方法としての請求項5に記載の発明は、バイオ燃料を使用可能な内燃機関での使用中の前記バイオ燃料の劣化度合を判定する方法であって、排気酸素濃度の検出値と目標値との偏差に応じた燃料噴射量の補正を通じて前記内燃機関で実施される前記排気酸素濃度のフィードバック制御での前記燃料噴射量のフィードバック補正値に基づいてバイオ燃料の劣化度合を判定することをその要旨としている。
上記判定方法の適用される内燃機関では、排気酸素濃度の検出値とその目標値との偏差に基づく燃料噴射量の補正を通じた排気酸素濃度のフィードバック制御が行われている。ここでバイオ燃料の酸化劣化が進行すると、燃料の酸素含有率が増加し、燃料に含まれる酸素の分、燃焼される混合気の酸素量が増え、排気酸素濃度もその分増すことになる。そのため、排気酸素濃度を目標値するために必要な燃料噴射量のフィードバック補正値は、バイオ燃料の酸化劣化の進行に応じて変化することになる。よって、上記判定方法のように、そうしたフィードバック制御でのフィードバック補正値に基づくことでバイオ燃料の劣化度合を判定することが可能となる。しかも、こうした態様での劣化度合の判定は、上記のようなフィードバック制御を行うバイオ燃料機関であれば、当然備える構成のみでその実現が可能である。したがって、上記判定方法によれば、格別なセンサを設けずとも、バイオ燃料の劣化度合を好適に判定することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のバイオ燃料の劣化判定方法において、前記劣化度合の判定を、直近における給油の直後からの前記フィードバック補正値の変化に基づいて行うことをその要旨としている。
上記のようなフィードバック制御での燃料噴射量のフィードバック補正値は、バイオ燃料の劣化度合に加え、吸気量を検出するエアフローメータの検出特性や燃料を噴射するインジェクタの噴射特性の個体差や経時劣化によるばらつき、燃料のバイオ燃料の混合比率によっても変化する。ここでエアフローメータの検出特性やインジェクタの噴射特性の個体差によるばらつきは、それらが交換されない限り不変である。またエアフローメータの検出特性やインジェクタの噴射特性の経時劣化は、比較的長いスパンで生じるものとなっている。更に燃料のバイオ燃料の混合比率は、給油や燃料交換が行われない限りは一定である。したがって、直近における燃料の給油直後からの前記フィードバック補正値の変化は主として、バイオ燃料の劣化により生じると見做すことができる。そのため、上記判定方法の如く、直近における給油の直後からのフィードバック補正値の変化に基づくことで、バイオ燃料の劣化度合の判定を好適に行うことができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6にバイオ燃料の劣化判定方法において、前記内燃機関では、前記燃料の前記バイオ燃料の混合比率を推定するとともに、その推定結果に基づく前記燃料噴射量の補正が行われ、前記劣化度合の判定を、その混合比率の推定結果に基づく補正が適用された状態での前記フィードバック制御における前記フィードバック補正値に基づいて行うことをその要旨としている。
通常、上記のようなフィードバック制御でのフィードバック補正値は、燃料のバイオ燃料の混合比率によっても変化し得るものとなっている。ここで上記判定方法の適用される内燃機関では、燃料のバイオ燃料の混合比率を推定するとともに、その推定結果に基づいて燃料噴射量の補正が行われるようになっている。こうした補正を適用した上での上記フィードバック制御では、燃料のバイオ燃料混合比率の影響分はその補正により既に吸収されているため、そのときのフィードバック補正値の変化は主にバイオ燃料の劣化により生じると見做すことができる。したがって、そうしたバイオ燃料混合比率の推定結果に基づく補正が適用された状態でのフィードバック制御のフィードバック補正値に基づくことで、バイオ燃料の劣化度合をより的確に判定することができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7のいずれか1項に記載のバイオ燃料の劣化判定方法において、前記劣化度合の判定を、前記フィードバック制御のフィードバック積分項を前記フィードバック補正値として用いて行うことをその要旨としている。
PI制御やPID制御により排気酸素濃度のフィードバック制御を行う場合、そのフィードバック積分項には、排気酸素濃度の定常偏差分が反映されることになる。こうしたフィードバック積分項には、外乱等の一時的な要因による排気酸素濃度の変化はほとんど反映されないため、これを用いることでバイオ燃料の劣化度合をより的確に判定することができるようになる。
以下、本発明のバイオ燃料機関の制御装置及びバイオ燃料の劣化判定方法を具体化した一実施形態を、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
図1に、本実施の形態に係る制御装置及び劣化判定方法の適用される内燃機関及びその制御系の構成を模式的に示す。なおこの内燃機関は、バイオ燃料のみ、或いはバイオ燃料と化石燃料との混合燃料を使用可能なバイオ燃料機関として構成されている。
同図に示すように、このバイオ燃料機関は大きくは、吸気通路10、燃焼室11及び排気通路12を備えて構成されている。吸気通路10にはその上流側から順に、吸入した空気を浄化するエアクリーナ13、吸入空気量を検出するエアフローメータ14、吸入空気量を調整するスロットルバルブ15が配設されている。こうした吸気通路10の接続される燃焼室11には、その内部に燃料を噴射供給するインジェクタ16が配設されている。このインジェクタ16には、燃料タンク17から燃料ポンプ18により汲み上げられ、必要な圧力に加圧された高圧燃料が供給されるようになっている。なお燃料タンク17には、その内部の燃料残量を検出する残量センサ22が配設されている。一方、こうしたバイオ燃料機関の排気通路12には、排気を浄化する触媒装置20、及び排気酸素濃度を検出する酸素濃度センサ19が配設されている。
こうしたバイオ燃料機関は、電子制御ユニット21により制御されている。電子制御ユニット21は、機関制御に係る各種の演算処理を行う中央演算処理装置(CPU)、機関制御用のプログラムやデータを記憶した読込専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、及び外部との信号の授受を司る入出力ポート(I/O)を備えて構成されている。こうした電子制御ユニット21の入力ポートには、上記エアフローメータ14、酸素濃度センサ19を始め、機関運転状況を検出する種々のセンサが接続され、その出力ポートには、スロットルバルブ15やインジェクタ16等の駆動回路が接続されている。
さて本実施の形態では、電子制御ユニット21は、機関制御の一環として、排気酸素濃度のフィードバック制御を行っている。このフィードバック制御は、以下の態様で実施されている。
すなわち、電子制御ユニット21は、上記酸素濃度センサ19による排気酸素濃度の検出値とその目標値との偏差に応じ、その偏差が縮小されるようにインジェクタ16からの燃料噴射量を補正する。ここでは、この排気酸素濃度のフィードバック制御は、PI制御を用いて行われており、より具体的には、電子制御ユニット21は、下式(1)に基づき燃料噴射量eqfを算出する。下式(1)において「eqc」は基本噴射量であり、その値は、燃料のバイオ燃料混合比率が「0%」の状態で排気酸素濃度を目標値とするために必要な燃料噴射量の理論値として、エアフローメータ14による吸入空気量の検出結果等に基づき算出されている。また「KG」は、空燃比学習値であり、その値は、エアフローメータ14の検出特性やインジェクタ16の噴射特性のばらつきを吸収するものとなっている。更に「EG」は、バイオ混合補正係数であり、その値は、後述する燃料のバイオ燃料混合比率の推定結果に基づいて算出されている。また「eqp」、「eqi」はそれぞれフィードバック比例項、フィードバック積分項であり、フィードバック比例項eqpは、排気酸素濃度の検出値と目標値との偏差に比例ゲインGpを積算した値として、フィードバック積分項eqiはその偏差の積分値に積分ゲインGiを積算した値としてそれぞれ算出されている。なお下式(1)の右辺第1項(eqc×KG×EG)は、フィードフォワード項となっている。

eqf=eqc×KG×EG+eqp+eqi …(1)

次に、本実施の形態での燃料のバイオ燃料混合比率の推定態様を説明する。ここでは、給油前後における上記排気酸素濃度のフィードバック制御のフィードバック補正値の変化に基づいてバイオ燃料混合比率の推定を行うようにしている。具体的には、上記残量センサ22により検出される燃料タンク17の燃料残量の増加から、給油の実施が確認されると、電子制御ユニット21は、上記燃料噴射量eqfへのバイオ混合補正係数EGの反映を停止した上で、すなわちバイオ混合補正係数EGの値を「1」にリセットした上で上記排気酸素濃度のフィードバック制御を実施する。ここで上式(1)の燃料噴射量eqfの算出式におけるフィードフォワード項(eqc×KG×EG)は、バイオ燃料混合比率が「0%」の状態における、排気酸素濃度を目標値とするために必要な燃料噴射量に相当するものとなっている。そのため、空燃比学習値KGの学習さえ十分になされているのであれば、このときのフィードバック制御でのフィードバック補正値(eqp+eqi)は、給油後の燃料のバイオ燃料混合比率を反映したものとなる。そこで電子制御ユニット21は、給油後のフィードバック制御が十分安定したときのフィードバック積分項eqiの値から燃料のバイオ燃料混合比率を推定し、その結果に応じてバイオ混合補正係数EGを再設定するようにしている。なお図2に示すように、このときのバイオ混合補正係数EGは、バイオ燃料混合比率が「0%」と推定されたときにその値が「1」に設定されるとともに、バイオ燃料混合比率が高まるにつれ、その値が大きくなるように設定される。
さて、本実施の形態では、電子制御ユニット21は、こうした排気酸素濃度のフィードバック制御の結果から燃料中のバイオ燃料の酸化劣化の度合を判定するようにしている。以下、こうした本実施の形態におけるバイオ燃料の劣化度合の判定態様の詳細を説明する。
バイオ燃料の酸化劣化が進行すると、燃料の酸素含有率が増すことから、燃料中の酸素の分、燃焼される混合気の酸素量が増大することになる。そのため、バイオ燃料の酸化劣化の進行によっては、燃焼される混合気の空燃比がリーン寄りとなり、排気酸素濃度のフィードバック制御におけるフィードバック補正値(eqp+eqi)はその分増大することになる。ここでフィードバック補正値(eqp+eqi)の値に影響を与える因子としては、こうしたバイオ燃料の酸化劣化の他、エアフローメータ14の検出特性やインジェクタ16の噴射特性のばらつき、燃料のバイオ燃料混合比率などがある。ただし、本実施の形態では、フィードバック補正値への燃料のバイオ燃料混合比率の影響については、バイオ混合補正係数EGにより吸収されるようになっている。また経時劣化によるエアフローメータ14の検出特性やインジェクタ16の噴射特性の変化は、比較的長いスパンでしか生じないものとなっている。したがって、給油間隔程度の期間におけるフィードバック補正値の変化は、主としてバイオ燃料の酸化劣化によるものと判断することができる。そこで本実施の形態では、直近における給油の直後からのフィードバック補正値、より具体的にはフィードバック積分項eqiに基づいてバイオ燃料の劣化度合の判定を行うようにしている。
図3は、こうした本実施の形態に採用される劣化判定ルーチンのフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、電子制御ユニット21により、適宜な間隔、例えば機関始動の度に、繰り返し実行されるものとなっている。
さて本ルーチンが開始されると、電子制御ユニット21はまずステップS10において、給油の直後であるか否かを確認する。なお、この確認は、上記残量センサ22により検出される燃料タンク17の燃料残量が増加したか否かをもって行なわれる。ここで給油直後であれば(S10:YES)、電子制御ユニット21はステップS20において、上記バイオ混合補正係数EGの再設定がなされ、更に排気酸素濃度のフィードバック制御が十分安定するのを待ってそのときのフィードバック積分項eqiの値を劣化判定ベース値eqibとして記憶した上で、今回の本ルーチンの処理を終了する。
一方、給油の直後でなければ(S10:NO)、電子制御ユニット21はステップS30において、排気酸素濃度のフィードバック制御が十分安定するのを待ってそのときのフィードバック積分項eqiの値の読み込みを行う。そして電子制御ユニット21は、続くステップS40において、給油直後に記憶したフィードバック積分項eqiの値(劣化判定ベース値eqib)と現在のフィードバック積分項eqiの値とを比較し、その結果からバイオ燃料の劣化判定を行う。具体的には、フィードバック積分項eqiの現在値と劣化判定ベース値eqibとの差(eqi(現在値)−eqib)が大きいほど、バイオ燃料の劣化が進行していると判定される。そして電子制御ユニット21は、差(eqi(現在値)−eqib)が規定の劣化判定値α以上であれば(S40:YES)、バイオ燃料の劣化が無視し得ない程度に進行したとして、ステップS50において、燃料交換が必要であることを運転者に通知するための表示灯(MIL)を点灯させる。
なおバイオ燃料の劣化時には、上記のような表示灯の点灯に加え、劣化による燃料性状の変化への対応が図られる。こうした対応としては、例えば次のようなものが考えられる。
機関制御の一つとして、触媒制御がある。触媒制御は、排気通路12に配設された燃料添加弁からの排気中に燃料を添加することで、触媒雰囲気をリッチ化して触媒に吸蔵されたNOxの還元浄化や触媒の硫黄被毒の解消等を図る目的で行われる。一方、バイオ燃料の劣化が進行すると、燃料の揮発性が悪化して、排気への燃料添加から触媒雰囲気が十分リッチ化するまでに要する時間が長くなるようになる。そこでバイオ燃料の劣化の進行が確認されたときには、そうした触媒制御での排気燃料添加タイミングを早めることで、劣化による燃料の揮発性の悪化に対応することができる。
以上の本実施の形態では、フィードバック制御での燃料噴射量のフィードバック補正値に基づいてバイオ燃料の劣化度合を判定する上記判定手段としての処理を電子制御ユニット21が担っている。また燃料のバイオ燃料混合比率を推定する上記推定手段としての処理、及び混合比率の推定結果に基づいて燃料噴射量の補正を行う上記補正手段としての処理も、電子制御ユニット21により行われるものとなっている。
以上説明した本実施形態のバイオ燃料機関の制御装置及びバイオ燃料の劣化判定方法によれば、次の効果を奏することができる。
(1)本実施の形態では、電子制御ユニット21は、排気酸素濃度のフィードバック制御における燃料噴射量のフィードバック補正値(フィードバック積分項eqi)に基づいてバイオ燃料の劣化度合を判定するようにしている。バイオ燃料の酸化劣化が進行すると、燃料の酸素含有率が増加し、燃料に含まれる酸素の分、燃焼される混合気の酸素量が増え、排気酸素濃度もその分増すことになる。そのため、排気酸素濃度を目標値するために必要な燃料噴射量のフィードバック補正値は、バイオ燃料の酸化劣化の進行に応じて変化することになる。よって、そうしたフィードバック制御でのフィードバック補正値に基づくことでバイオ燃料の劣化度合を判定することが可能となる。しかも、こうした態様での劣化度合の判定は、上記のようなフィードバック制御を行うバイオ燃料機関であれば、当然備える構成のみでその実現が可能である。したがって、本実施の形態によれば、格別なセンサを設けずとも、バイオ燃料の劣化度合を好適に判定することができるようになる。
(2)本実施の形態では、直近における給油の直後からのフィードバック補正値(フィードバック積分項eqi)の変化に基づいてバイオ燃料の劣化度合の判定を行うようにしている。排気酸素濃度のフィードバック制御での燃料噴射量のフィードバック補正値は、バイオ燃料の劣化度合に加え、エアフローメータ14の検出特性やインジェクタ16の噴射特性のばらつき、燃料のバイオ燃料の混合比率等によっても変化する。ここでエアフローメータ14の検出特性やインジェクタ16のばらつきは、比較的長いスパンでしか生じないものとなっている。更に燃料のバイオ燃料の混合比率は、給油や燃料交換が行われない限りは一定である。したがって、直近における燃料の給油直後からのフィードバック補正値(フィードバック積分項eqi)の変化は主として、バイオ燃料の劣化により生じると見做すことができる。そのため、直近における給油の直後からのフィードバック補正値(フィードバック積分項eqi)の変化に基づくことで、バイオ燃料の劣化度合の判定を好適に行うことができるようになる。
(3)本実施の形態では、燃料のバイオ燃料混合比率を推定するとともに、その推定結果に基づいて燃料噴射量の補正を行うようにしている。そしてそうしたバイオ燃料混合比率の推定結果に基づく補正が適用された状態での排気酸素濃度のフィードバック制御におけるフィードバック補正値(フィードバック積分項eqi)に基づいてバイオ燃料の劣化度合を判定するようにしている。排気酸素濃度のフィードバック制御でのフィードバック補正値は、燃料のバイオ燃料の混合比率によっても変化し得るものである。ただし、本実施の形態では、燃料のバイオ燃料混合比率に基づくことで、バイオ燃料の劣化度合をより的確に判定することができるようになる。
(4)本実施の形態では、排気酸素濃度のフィードバック制御におけるフィードバック積分項eqiを用いてバイオ燃料の劣化判定を行うようにしている。PI制御やPID制御により排気酸素濃度のフィードバック制御を行う場合、そのフィードバック積分項eqiには、排気酸素濃度の定常偏差分が反映されることになる。こうしたフィードバック積分項eqiには、外乱等の一時的な要因による排気酸素濃度の変化はほとんど反映されないため、これを用いることでバイオ燃料の劣化度合をより的確に判定することができるようになる。
なお上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、排気酸素濃度のフィードバック制御におけるフィードバック積分項eqiを指標値としてバイオ燃料の劣化判定を行うこととしたが、PI制御、PID制御を用いない場合などには、フィードバック補正値の平均値や徐変値などを指標値として劣化判定を行うようにすることもできる。
・上記実施の形態では、燃料のバイオ燃料混合比率を推定するとともに、その推定結果に基づき燃料噴射量の補正を、すなわちバイオ混合補正係数EGによる補正を行うようにしていた。そしてそのバイオ混合補正係数EGによる補正が適用された状態での排気酸素濃度のフィードバック制御におけるフィードバック補正値に基づいてバイオ燃料の劣化度合を判定するようにしていた。もっとも、給油や燃料交換がなされない限り、燃料のバイオ燃料混合比率は一定であるため、直近における給油の直後からのフィードバック補正値の変化は、バイオ燃料の劣化によるものと見做すことができる。したがって、バイオ混合補正係数EGによる補正が適用されていなくても、直近における給油の直後からのフィードバック補正値の変化に基づくことで、バイオ燃料の劣化度合を判定することは可能である。
・上記実施の形態では、直近における給油の直後からのフィードバック補正値の変化に基づいてバイオ燃料の劣化度合を判定するようにしていた。もっとも、そうしたフィードバック補正値の変化ではなく、その時々のフィードバック補正値の値からバイオ燃料の劣化度合を判定することも可能である。すなわち、エアフローメータ14の検出特性やインジェクタ16の噴射特性のばらつき、燃料のバイオ燃料混合比率の影響分を除いたフィードバック補正値の値は、バイオ燃料の劣化度合を反映したものとなる。そのため、例えば、エアフローメータ14の検出特性やインジェクタ16の噴射特性のばらつき、及び燃料のバイオ燃料混合比率以外の影響でフィードバック補正値が極端に大きい値を取ったときには、バイオ燃料の劣化が進行したと判定することができる。
本発明の一実施形態についてその適用対象となるバイオ燃料機関及びその制御系の構成を模式的に示す略図。 同実施形態でのバイオ燃料混合比率に応じたバイオ混合補正係数の設定態様の一例を示すグラフ。 同実施形態に採用される劣化判定ルーチンの処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
10…吸気通路、11…燃焼室、12…排気通路、13…エアクリーナ、14…エアフローメータ、15…スロットルバルブ、16…インジェクタ、17…燃料タンク、18…燃料ポンプ、19…酸素濃度センサ、20…触媒装置、21…電子制御ユニット(判定手段、推定手段、補正手段)、22…残量センサ。

Claims (8)

  1. バイオ燃料を使用する内燃機関に適用されて、排気酸素濃度の検出値と目標値との偏差に応じた燃料噴射量の補正を通じての前記排気酸素濃度のフィードバック制御を行うバイオ燃料機関の制御装置において、
    前記フィードバック制御での前記燃料噴射量のフィードバック補正値に基づいて前記バイオ燃料の劣化度合を判定する判定手段を備える
    ことを特徴とするバイオ燃料機関の制御装置。
  2. 前記判定手段は、直近における給油の直後からの前記フィードバック補正値の変化に基づいて前記劣化度合の判定を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のバイオ燃料機関の制御装置。
  3. 前記燃料の前記バイオ燃料の混合比率を推定する推定手段と、
    その推定手段による前記混合比率の推定結果に基づいて、前記燃料噴射量の補正を行う補正手段と、
    を備え、前記判定手段は、前記補正手段による補正が適用された状態での前記フィードバック制御における前記フィードバック補正値に基づいて前記バイオ燃料の劣化度合を判定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオ燃料機関の制御装置。
  4. 前記判定手段は、前記フィードバック制御のフィードバック積分項を前記フィードバック補正値として用いて前記判定を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバイオ燃料機関の制御装置。
  5. バイオ燃料を使用可能な内燃機関での使用中の前記バイオ燃料の劣化度合を判定する方法であって、
    排気酸素濃度の検出値と目標値との偏差に応じた燃料噴射量の補正を通じて前記内燃機関で実施される前記排気酸素濃度のフィードバック制御での前記燃料噴射量のフィードバック補正値に基づいてバイオ燃料の劣化度合を判定する
    ことを特徴とするバイオ燃料の劣化判定方法。
  6. 前記劣化度合の判定を、直近における給油の直後からの前記フィードバック補正値の変化に基づいて行う
    ことを特徴とする請求項5に記載のバイオ燃料の劣化判定方法。
  7. 前記内燃機関では、前記燃料の前記バイオ燃料の混合比率を推定するとともに、その推定結果に基づく前記燃料噴射量の補正が行われ、
    前記劣化度合の判定を、その混合比率の推定結果に基づく補正が適用された状態での前記フィードバック制御における前記フィードバック補正値に基づいて行う
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載のバイオ燃料の劣化判定方法。
  8. 前記劣化度合の判定を、前記フィードバック制御のフィードバック積分項を前記フィードバック補正値として用いて行う
    ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のバイオ燃料の劣化判定方法。
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