JP2010053742A - 内燃機関の排気系診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料添加弁を備えた排気系に対し、この排気系を構成する各機器の個別診断を可能にする内燃機関の排気系診断装置を提供する。
【解決手段】排気系7のメイン触媒装置4に対して並列にリファレンス触媒装置9を配設する。触媒上下流にそれぞれA/Fセンサ98,99を設ける。燃料添加弁26の診断時、リファレンス触媒装置9に排気ガスを流しながら燃料添加弁26から燃料添加を行い、各A/Fセンサ98,99の出力から実燃料添加量を求める。この実燃料添加量と燃料添加弁26への指示添加量との差に基づいて燃料添加弁26の作動不良診断を行う。その後、メイン触媒装置4に排気ガスを流しながら燃料添加弁26から燃料添加を行い、各A/Fセンサ98,99の出力からメイン触媒装置4の劣化診断を行い、現在のメイン触媒装置4の活性温度を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用エンジンに代表される内燃機関の排気系診断装置に係る。特に、本発明は、触媒の上流側に燃料等の添加剤を添加する添加手段(燃料添加弁)を備えた排気系において、添加手段や触媒の診断を行うための対策に関する。
一般に、ディーゼルエンジン等のように希薄燃焼を行うエンジンでは、高い空燃比(リーン雰囲気)の混合気を燃焼させる運転領域が全運転領域の大部分を占めている。このため、この種のエンジンの排気通路に、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(以下、NOxという)を吸蔵(吸収)するためのNOx吸蔵触媒を配置して、排気ガスを浄化するようにしている。NOx吸蔵触媒としては、例えばNSR(NOx Storage Reduction)触媒や、DPNR(Diesel Particulate−NOx Reduction system)触媒などが用いられている。
上記NOx吸蔵触媒は、排気空燃比(A/F)がリーンである場合、つまり周囲の雰囲気が高酸素濃度状態である場合には排気中のNOxを吸蔵する。一方、排気空燃比がリッチ側になった場合、詳しくは、周囲の雰囲気が低酸素濃度状態となり、かつ、排気中に炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などの未燃燃料成分を含む状態になった場合に、NOx吸蔵触媒は吸蔵しているNOxを放出および還元する。具体的には、酸素濃度の低下によってNOx吸蔵触媒に吸蔵されているNOxが放出され、放出されたNOxが排気に含まれる未燃燃料成分との反応によって還元浄化される。
このようなNOx吸蔵触媒においては、NOx吸蔵量が飽和状態に達する前に、NOxを還元させてNOx吸蔵能力を回復させる必要がある。NOxを還元させる方法としては、NOx吸蔵触媒の上流側に燃料添加弁を設けておき、この燃料添加弁からNOx吸蔵触媒上流側の排気通路にNOx還元剤(軽油等の燃料)を所定のNOx還元添加量・添加インターバルで間欠的に添加する。これにより、NOx吸蔵触媒内の酸素濃度を低下させ、余剰な炭化水素や一酸化炭素などを還元剤としてNOxの還元を促進させる処理(NOx還元処理)が行われている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)。
また、排気系に、PM(Paticulate Matter:微粒子)を捕集するための上記DPNRやDPF(Diesel Paticulate Filter)を備えたものにあっては、上記燃料添加弁から添加される燃料によって触媒内温度(フィルタ内温度)を高温化することで、堆積しているPMを酸化(燃焼)させて除去するフィルタ再生動作が行われる。
更に、排気系に酸化触媒を備えたものにあっては、上記燃料添加弁から添加される燃料によって触媒床温の上昇を図って触媒の早期活性化を図るようにしている。
特開2007−146825号公報 特開2005−163594号公報
ところで、上述の如く構成された排気系において、燃料添加弁の作動不良や、触媒の劣化が生じていると、上記NOx還元動作やフィルタ再生動作等の触媒制御が円滑に行えない可能性がある。
その一例として、燃料添加弁の作動不良によって燃料添加量が適正量よりも少なくなっていたり、触媒の劣化によって触媒内での化学反応が十分に行われていない場合には、触媒温度が、NOx還元動作やフィルタ再生動作を良好に行うために必要な温度にまで上昇せず、十分なNOx還元動作やフィルタ再生動作が行えなくなってしまう。
従来では、このように触媒温度(例えば排気温センサの出力値から推定)が十分に上昇しない状況では、上記燃料添加弁からの燃料添加量を増量する動作が行われ、排気系における燃料量を多くすることで触媒温度の上昇を試みるようにしていた。
ところが、燃料添加弁からの燃料添加量を増量したとしても、触媒の劣化が生じている状況では、触媒温度を上昇させることは難しく、この触媒温度の上昇に寄与しなかった燃料(特にHC成分)は、そのまま大気に放出されてしまう可能性がある。また、上述の如く燃料添加量を所定量だけ増量しても触媒温度が十分に上昇しない場合には、更に燃料添加量を増量することになるが、触媒の劣化が生じている状況では燃料添加量を追加増量したとしても触媒温度を上昇させることはできない。その結果、燃料添加量が過剰となり、排気に白煙が発生したり、燃料消費率を著しく悪化させてしまう可能性があった。
本発明の発明者らは、この点に鑑み、これまで、NOx還元動作やフィルタ再生動作が良好に行われているか否かの診断を排気系全体に対して行っている(上述の如く触媒温度のみを検出することで行っている)、つまり、燃料添加弁に作動不良が生じているのか触媒に劣化が生じているのかを判別できないまま行っていることが上記不具合の原因であることに着目した。
そして、触媒に劣化が生じておらず、燃料添加弁の作動不良が上記不具合の原因である場合には、燃料添加量を増量することで触媒温度を上昇させることが可能であるのものの、燃料添加弁の作動不良が生じておらず、触媒に劣化が生じている場合には、燃料添加量を増量することは無駄な動作(所謂、燃料添加の無駄射ち)となる。このため、排気系の診断として、燃料添加弁の作動不良診断と、触媒の劣化診断とを切り分けて(個別に)行うようにすれば、上述したような過剰な燃料添加を回避することができることを見出し、本発明に至った。
尚、上記特許文献1には、燃料添加弁の故障診断に関し、燃料噴射弁からのポスト噴射と燃料添加弁(この特許文献では還元剤添加弁と称している)からの添加とを異なるタイミングで且つ互いに同一供給量(同一供給指示量)で実施し、推定された実燃料噴射量と実還元剤添加量との差が所定量以上である場合には燃料添加弁が故障していると診断することが開示されている。
しかし、この特許文献1に開示されている技術は、燃料噴射弁からのポスト噴射量が適正に行われること、つまり、燃料噴射弁に作動不良が生じていないことを前提とするものであり、この燃料噴射弁に作動不良が生じている場合には燃料添加弁の故障診断の信頼性を得ることができないものである。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料添加弁を備えた排気系に対し、この排気系を構成する各機器の個別診断を可能にする内燃機関の排気系診断装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、排気ガス浄化のための触媒に対して並列に診断用触媒を設け、この診断用触媒に排気ガスを流した状態で添加手段からの添加を実行し、この診断用触媒の上下流の排気空燃比差から実際の添加量を求める。そして、この実際の添加量と添加手段に対する添加指示量との差から添加手段の作動不良を診断する。これにより、触媒の劣化状態に関わりなく添加手段の作動不良が診断できるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、内燃機関の排気通路に配設された排気浄化触媒と、この排気浄化触媒の上流側の排気通路に添加剤を添加する添加手段とを備えた排気浄化装置を前提とする。そして、上記添加手段による添加位置よりも下流側から分岐される分岐通路を介して上記排気浄化触媒と並列に配設された診断用触媒と、この診断用触媒よりも上流側の排気通路に配設されて、この排気通路内の空燃比を検出する上流側排気空燃比検出手段と、上記診断用触媒よりも下流側の排気通路に配設されて、この排気通路内の空燃比を検出する下流側排気空燃比検出手段とを備えさせる。また、上記内燃機関の排気ガスを診断用触媒のみに流通させた状態で添加手段から添加剤を添加し、上記上流側排気空燃比検出手段および上記下流側排気空燃比検出手段によってそれぞれ検出される排気空燃比の差に基づいて実添加量を求め、この実添加量が、添加手段に対する指示添加量に対して所定量以上乖離している場合に上記添加手段に作動不良が生じていると診断する添加手段診断動作を行う構成としている。
この特定事項により、添加手段に作動不良が生じているか否かを診断する際、先ず、排気ガスを診断用触媒にのみ流通させた状態として、添加手段から添加剤を添加する。この添加動作は、添加手段に対して所定の指示値(指示添加量)が付与されることで実施される。この添加剤の添加に伴い、上記上流側排気空燃比検出手段によって検出される排気空燃比と下流側排気空燃比検出手段によって検出される排気空燃比とに差が生じる。この排気空燃比の差は、上記添加剤の添加量(実際に添加された添加量)に相当する。このため、この排気空燃比の差から実際の添加量を求めることができる。添加手段に作動不良が生じていない場合には、この求められた実際の添加量と添加手段に与えられた指示添加量とは略一致する。一方、添加手段に作動不良が生じている場合には、この求められた実際の添加量と添加手段に与えられた指示添加量とは乖離(所定量以上乖離)することになる。この乖離量を認識することにより、添加手段の作動不良状態を認識することができる。
また、上記添加手段診断動作の実行条件の一つとして、内燃機関の排気ガス温度が、排気通路および分岐通路において添加剤と排気ガス中の酸素とが反応しない温度であることが挙げられる。
これは、添加剤と排気ガス中の酸素とを反応させることなしに、これら添加剤と排気ガスとを診断用触媒まで送り込むためである。つまり、診断用触媒の内部で添加剤と排気ガス中の酸素とを反応させるようにしている。これにより、診断用触媒の上流側における排気空燃比は、内燃機関から排出された排気ガス(添加剤と反応していない排気ガス)の空燃比となっており、この空燃比が上流側排気空燃比検出手段によって検出される。一方、診断用触媒の下流側における排気空燃比は、内燃機関から排出された排気ガスに対し、添加された添加剤分が加わった空燃比となっており、この空燃比が下流側排気空燃比検出手段によって検出されることになる。つまり、この下流側排気空燃比検出手段で検出される排気空燃比は、添加剤の添加量の分だけ上流側排気空燃比検出手段で検出される排気空燃比よりもリッチ側の値として認識されることになる。その結果、上流側排気空燃比検出手段で検出された排気空燃比と下流側排気空燃比検出手段で検出された排気空燃比との差が、実際に添加手段から添加された添加剤の量に相当することになり、この実添加剤量を正確に認識することが可能になる。
上記添加手段診断動作が行われた結果、上記実添加量が「0」または略「0」である場合、または、上記実添加量が指示添加量に対して所定量を超えて多い場合には、添加手段の交換を促す警告を発する。また、上記指示添加量に対して上記実添加量が乖離しており、その乖離量が所定範囲内である場合には添加手段に対してその作動不良を解消するための作動不良解消動作を実行するようにしている。
つまり、上記実添加量が「0」または略「0」である場合、または、上記実添加量が指示添加量に対して所定量を超えて多い場合には、添加手段の故障(全閉固着状態または全開固着状態)であると認識できるので、添加手段の交換を促すことになる。一方、添加手段の故障でない場合には作動不良解消動作を実施することで添加手段の作動不良の解消を試みる。例えば、添加手段を添加量最大とする作動状態にして、内部に堆積しているデポジットの除去などを試みるようにしている。
上記作動不良解消動作を実施した後の動作としては以下のものが挙げられる。つまり、作動不良解消動作を実行した後、再び添加手段から添加剤を添加して、上記上流側排気空燃比検出手段および上記下流側排気空燃比検出手段によってそれぞれ検出される排気空燃比の差に基づいて実添加量を求め、この実添加量が、添加手段に対する指示添加量に対して所定量以上乖離している場合には、その乖離量に応じて添加手段からの添加剤供給量を補正するよう指示添加量の学習動作を行うようにしている。
これにより、次回の添加動作にあっては適正な量の添加剤が排気系に供給されることになり、後述する触媒劣化診断動作や触媒再生動作を良好に行うことが可能になる。
上述した添加手段診断動作の実施後には触媒劣化診断動作が行われる。具体的には、上記添加手段診断動作の実施後、上記内燃機関の排気ガスを排気浄化触媒のみに流通させた状態で添加手段から添加剤を添加し、上記上流側排気空燃比検出手段および上記下流側排気空燃比検出手段によってそれぞれ検出される排気空燃比に基づいて排気浄化触媒の劣化状態を診断するようにしている。
この場合、触媒劣化診断動作によって排気浄化触媒の劣化度合いを診断した後、その劣化度合いから排気浄化触媒の活性温度を求める活性温度認識動作を行うようにしている。
このようにして触媒の活性温度を求めることができるので、次回の触媒再生動作(例えばPM再生動作やNOx還元動作)にあっては、上記求められたライトオフ温度に達するまでは添加手段からの添加を実行せず、このライトオフ温度に達した時点から添加剤を添加する。つまり、触媒の劣化度合いに見合った添加を実施することができ、添加剤の添加開始と同時に触媒再生動作が効果的に行われ、添加された添加剤の略全量を触媒再生に寄与させることが可能になる。その結果、無駄な添加剤の添加が無くなって、排気に白煙が発生したり、添加剤の消費量が著しく増加したりするといったことが回避できる。
本発明では、排気ガス浄化のための触媒に対して並列に診断用触媒を設け、この診断用触媒に排気ガスを流した状態で添加手段からの添加を実行し、この診断用触媒の上下流の空燃比差から求められる実際の添加量と添加手段に対する添加指示量との差から添加手段の作動不良を診断するようにしている。このため、触媒の劣化状態に関わりなく添加手段の作動不良が診断できる。その結果、添加手段の作動不良診断と触媒の劣化診断とを切り分けて実施することができ、無駄な燃料添加が行われてしまうことを回避して、排気に白煙が発生したり、添加剤の消費率が著しく悪化したりするといったことが回避できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
先ず、本実施形態に係るディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)の概略構成について説明する。図1は本実施形態に係るエンジン1およびその制御系統の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、燃料供給系2、燃焼室3、吸気系6、排気系7等を主要部とするディーゼルエンジンシステムとして構成されている。
燃料供給系2は、サプライポンプ21、コモンレール22、インジェクタ(燃料噴射弁)23、遮断弁24、燃料添加弁(添加手段)26、機関燃料通路27、および、添加燃料通路28などを備えている。
上記サプライポンプ21は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後、機関燃料通路27を介してコモンレール22に供給する。コモンレール22は、サプライポンプ21から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ23に分配する。インジェクタ23は、その内部に圧電素子(ピエゾ素子)を備え、適宜開弁して燃焼室3内に燃料を噴射供給するピエゾインジェクタにより構成されている。尚、ピエゾインジェクタに限らず他の形式のインジェクタ(例えば電磁駆動式燃料噴射弁(ソレノイド式インジェクタ ))であってもよい。
また、上記サプライポンプ21は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路28を介して燃料添加弁26に供給する。添加燃料通路28には、緊急時において添加燃料通路28を遮断して燃料添加を停止するための上記遮断弁24が備えられている。
また、上記燃料添加弁26は、後述するECU100による添加制御動作によって排気系7への燃料添加量が目標添加量(排気A/Fが目標A/Fとなるような添加量)となるように、また、燃料添加タイミングが所定タイミングとなるように開弁時期が制御される電子制御式の開閉弁により構成されている。つまり、この燃料添加弁26から適宜のタイミングで排気系7に(排気マニホールド72から後述する触媒装置4に向けて)燃料(添加剤)が噴射供給される構成となっている。尚、この燃料添加弁26の配設位置としてはこれに限らず、後述するターボチャージャ5の下流側から触媒装置4に向けて燃料(添加剤)を噴射供給するものであってもよい。
吸気系6は、シリンダヘッドに形成された吸気ポートに接続される吸気マニホールド63を備え、この吸気マニホールド63に、吸気通路を構成する吸気管64が接続されている。また、吸気通路には、上流側から順にエアクリーナ65、エアフローメータ33、スロットルバルブ62、吸気温センサ39、および、吸気圧センサ38が配設されている。
排気系7は、シリンダヘッドに形成された排気ポート71に接続される排気マニホールド72を備え、この排気マニホールド72に、排気通路を構成する排気管73,74が接続されている。また、この排気通路には、触媒装置(排気浄化触媒)4および後述する診断用触媒装置(診断用触媒)9が互いに並列状態で配設されている。
上記触媒装置4は、NOx吸蔵触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction触媒)41、DPNR触媒(Diesel Paticulate−NOx Reduction触媒)42、スイーパ(酸化触媒)43を備え、これらNSR触媒41、DPNR触媒42、スイーパ43が上流側から下流側に向けて順に直列配置されている。以下、これらNSR触媒41、DPNR触媒42、スイーパ43について説明する。
NSR触媒41は、吸蔵還元型NOx触媒であって、例えばアルミナ(Al23)を担体とし、この担体上に例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)のようなアルカリ土類、ランタン(La)、イットリウム(Y)のような希土類と、白金(Pt)のような貴金属とが担持された構成となっている。
このNSR触媒41は、排気中に多量の酸素が存在している状態においてはNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が低く、かつ還元成分(例えば燃料の未燃成分(HC))が多量に存在している状態においてはNOxをNO2若しくはNOに還元して放出する。NO2やNOとして放出されたNOxは、排気中のHCやCOと速やかに反応することによってさらに還元されてN2となる。また、HCやCOは、NO2やNOを還元することで、自身は酸化されてH2OやCO2となる。すなわち、NSR触媒41に導入される排気中の酸素濃度やHC成分を適宜調整することにより、排気中のHC、CO、NOxを浄化できるようになっている。本実施形態のものでは、この排気中の酸素濃度やHC成分の調整を上記燃料添加弁26からの燃料添加によって行うことが可能となっている。
一方、DPNR触媒42は、例えば多孔質セラミック構造体にNOx吸蔵還元型触媒を担持させたものであり、排気ガス中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。また、上記NSR触媒41と同様に、排気ガスの空燃比がリーンの場合、排気ガス中のNOxはNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵され、空燃比がリッチになると、吸蔵したNOxは還元・放出される。さらに、DPNR触媒42には、捕集したPMを酸化・燃焼する触媒(例えば白金等の貴金属を主成分とする酸化触媒)が担持されている。このDPNR触媒42においても、導入される排気中の酸素濃度やHC成分を適宜調整することにより、排気中のHC、CO、NOxを浄化できるようになっている。この排気中の酸素濃度やHC成分の調整は上記燃料添加弁26からの燃料添加動作によって行うことが可能である。
上記スイーパ43は酸化触媒であって、エンジン1から排出されるHCやCOを酸化することにより排気ガスを浄化する。
そして、本実施形態における排気系7の特徴として、上記触媒装置4に対して並列に診断用触媒装置9(以下、リファレンス触媒装置と呼ぶ)が配設されている。以下の説明では、上記触媒装置4を、リファレンス触媒装置9と区別するために、メイン触媒装置4と呼ぶこととする。以下、リファレンス触媒装置9について具体的に説明する。
上記メイン触媒装置4の上流側の排気管73には分岐通路を構成する上流側分岐管94が接続され、また、メイン触媒装置4の下流側の排気管74には下流側分岐管95が接続されている。そして、これら上流側分岐管94と下流側分岐管95との間に上記リファレンス触媒装置9が配設されている。つまり、このリファレンス触媒装置9は、上流側が上流側分岐管94を介してメイン触媒装置4の上流側の排気管73に連通可能となっており、下流側が下流側分岐管95を介してメイン触媒装置4の下流側の排気管74に連通可能となっている。
このリファレンス触媒装置9の構成は、上述したメイン触媒装置4と同様である。つまり、NSR触媒91、DPNR触媒92、スイーパ93が直列に配置されている。それぞれの機能は上述したものと同様である。尚、このリファレンス触媒装置9に必要な機能としては、エンジン1から排出された排気ガス中に含まれる酸素(O2)と燃料添加弁26から供給された添加燃料(特にHC成分)とを反応させて酸素を消費させることである。このため、このリファレンス触媒装置9としては、上述のものに限らず、DPNR触媒92のみやNSR触媒91のみで構成されたものであってもよい。また、酸化機能をもった触媒1個が配設されているのみであってもよい。
また、上記メイン触媒装置4の上流側の排気管73に対する上流側分岐管94の接続位置には、上流側排気切り換えバルブ96が設けられている。この上流側排気切り換えバルブ96は、図中実線で示す状態と仮想線で示す状態との間で切り換え可能となっている。図中実線で示す状態では上流側分岐管94を閉鎖して排気ガスをリファレンス触媒装置9に流すことなくメイン触媒装置4のみに流し、図中仮想線で示す状態ではメイン触媒装置4の上流側を閉鎖して排気ガスをメイン触媒装置4に流すことなくリファレンス触媒装置9のみに流すようになっている。
同様に、上記メイン触媒装置4の下流側の排気管74に対する下流側分岐管95の接続位置には、下流側排気切り換えバルブ97が設けられている。この下流側排気切り換えバルブ97も、図中実線で示す状態と仮想線で示す状態との間で切り換え可能となっている。図中実線で示す状態では下流側分岐管95を閉鎖し、メイン触媒装置4から流出した排気ガスがリファレンス触媒装置9に流れ込まないようにし、図中仮想線で示す状態ではメイン触媒装置4の下流側を閉鎖して、リファレンス触媒装置9から流出した排気ガスがメイン触媒装置4に流れ込まないようになっている。
上記各切り換えバルブ96,97にはそれぞれアクチュエータ(図示省略)が備えられ、図中の実線で示す状態と仮想線で示す状態とが同期して駆動されるようになっている。
上記リファレンス触媒装置9は、上述する排気系診断動作の実行時においてのみ排気ガスが流通する。つまり、排気系診断動作の非実行時には、各切り換えバルブ96,97は図中の実線で示す状態とされ、リファレンス触媒装置9に排気ガスを流通させないことで、このリファレンス触媒装置9おけるNOx捕集量やPM堆積量が多くなってしまうことを防止している。これにより、リファレンス触媒装置9は、長期間に亘って殆ど劣化していない状態が維持されることになり、後述する排気系診断動作時における添加燃料と排気ガス中の酸素との反応が良好に行えるようになっている。
そして、上記メイン触媒装置4の上流側の排気管73における上流側分岐管94の接続位置よりも上流側には、上流側A/Fセンサ(上流側排気空燃比検出手段)98が配設されている。また、上記メイン触媒装置4の下流側の排気管74における下流側分岐管95の接続位置よりも下流側には、下流側A/Fセンサ(下流側排気空燃比検出手段)99が配設されている。
これらA/Fセンサ98,99としては、例えば限界電流式の酸素濃度センサが適用されており、広い空燃比領域に亘って空燃比に対応した出力電圧を発生する構成となっている。つまり、図3に示すように、各A/Fセンサ98,99の配設位置における排気の空燃比(A/F)に応じた電圧信号vabyfsを出力するようになっている。この図3から明らかなように、このA/Fセンサ98,99によれば、広範囲にわたる空燃比を精度良く検出することができる。
以上のメイン触媒装置4、リファレンス触媒装置9、燃料添加弁26、添加燃料通路28、A/Fセンサ98,99、各切り換えバルブ96,97の開閉制御や燃料添加弁26の添加動作などを実行するECU(Electronic Control Unit)100等によって排気浄化装置および排気系診断装置が構成されている。
エンジン1には、ターボチャージャ(過給機)5が設けられている。このターボチャージャ5は、タービンシャフト51を介して連結されたタービンホイール52およびコンプレッサインペラ53を備えている。コンプレッサインペラ53は吸気管64内部に臨んで配置され、タービンホイール52は排気管73内部に臨んで配置されている。このようなターボチャージャ5は、タービンホイール52が受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサインペラ53を回転させることにより吸入空気を過給する。本実施形態におけるターボチャージャ5は、可変ノズル式ターボチャージャであって、タービンホイール52側に可変ノズルベーン機構(図示省略)が設けられており、この可変ノズルベーン機構の開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。
吸気系6の吸気管64には、ターボチャージャ5での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ61が設けられている。このインタークーラ61の下流側に上記スロットルバルブ62が設けられている。スロットルバルブ62は、その開度を無段階に調整することが可能な電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
また、エンジン1には、吸気系6と排気系7とを接続するEGR通路(排気還流通路)8が設けられている。EGR通路8は、排気の一部を適宜吸気系6に還流させて燃焼室3へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。また、EGR通路8には、EGRバルブ81と、EGR通路8を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ82とが設けられており、EGRバルブ81の開度を調整することにより、排気系7から吸気系6に導入されるEGR量(排気還流量)を調整することができる。
−センサ類−
エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、それぞれの部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
例えば、上記エアフローメータ33は、吸気系6のスロットルバルブ62の上流側に配置され、吸入空気量に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ39は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ38は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。上記メイン触媒装置4におけるNSR触媒41とDPNR触媒42との間に配設された排気温センサ35は、排気ガスの温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。この排気温度に基づいてメイン触媒装置4の温度を推定することが可能になっている。尚、この排気温センサ35の配設位置としてはメイン触媒装置4の上流側や下流側、または、DPNR触媒42とスイーパ43との間であってもよい。または、複数箇所に排気温センサを配設するようにしてもよい。レール圧センサ31はコモンレール22内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ32はスロットルバルブ62の開度を検出する。
−ECU−
ECU100は、図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103およびバックアップRAM104などを備えている。
ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU101、ROM102、RAM103およびバックアップRAM104は、バス107を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース105および出力インターフェース106と接続されている。
入力インターフェース105には、上記レール圧センサ31、スロットル開度センサ32、エアフローメータ33、排気温センサ35、吸気圧センサ38、吸気温センサ39、各A/Fセンサ98,99が接続されている。さらに、この入力インターフェース105には、エンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する水温センサ36、アクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサ37、および、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力するクランクポジションセンサ30などが接続されている。
一方、出力インターフェース106には、上記インジェクタ23、燃料添加弁26、スロットルバルブ62、EGRバルブ81、各排気切り換えバルブ96,97などが接続されている。
そして、ECU100は、上記した各種センサの出力に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU100は、インジェクタ23の燃料噴射制御として、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射(主噴射)、アフタ噴射、ポスト噴射を実行する。
−触媒制御−
ECU100は、上記DPNR触媒42に堆積したPMを酸化させるPM再生(フィルタ再生)制御、NSR触媒41およびDPNR触媒42のNOx吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOxを還元するNOx還元制御などを実行する。以下、これらPM再生、NOx還元の基本動作について説明する。
(PM再生)
ECU100は、DPNR触媒42のPM堆積量を推定している。このPM堆積量の推定方法としては、エンジン回転数と燃料噴射量に応じたエンジン排出PM量を予め実験等により求めてマップ化しておき、このマップにより求められるエンジン排出PM量を積算してPMの堆積量を算出するという方法が挙げられる。
また、他の推定方法として、吸入空気量の積算値に基づいてPM堆積量を推定する方法や、DPNR触媒42の上流側と下流側との差圧を検知する差圧センサを備えさせ、DPNR触媒42の前後差圧に基づいてPM堆積量を推定する方法が挙げられる。
そして、ECU100は、推定したPM堆積量が所定の判定値(限界堆積量)を超えたときにDPNR触媒42の再生時期であると判定してPM再生を実施する。
PM再生が開始されると、排気温センサ35の出力信号からDPNR触媒42の触媒床温(以下、単に触媒温度と呼ぶ場合もある)を推定し、その床温推定値がPM再生に必要な温度(例えば350℃程度)となっているか否かを判定する。この触媒床温が十分に高い場合には、燃料添加弁26から所定量の燃料添加を行う。
一方、DPNR触媒42の触媒床温がPM再生に必要な温度にまで達していない場合には、触媒床温の昇温を目的として、エンジン1の燃焼状態の切替え(PM再生燃焼モードへの切替え)を行う。例えば、スロットルバルブ62にて吸入空気量を絞って空燃比(A/F)を低く(リッチ側に移行)する方法が挙げられる。また、このような方法に組み合わせて、EGR量の増量や燃料噴射時期の遅角を実施する。そして、DPNR触媒42の触媒床温が十分に高くなった後に、燃料添加弁26から所定量の燃料添加を行う。
このような燃料添加により、添加された燃料によって触媒温度(フィルタ内温度)を高温化(例えば650℃まで昇温)して、堆積しているPMを酸化(燃焼)させて除去するPM再生が行われる。
尚、このPM再生と同時にS(硫黄分)再生も行われ、DPNR触媒42に堆積した硫黄分が除去されることになる。
(NOx還元)
ディーゼルエンジン1においては、大部分の運転領域で排気の空燃比はリーン空燃比となっているため、通常の運転状態では、NSR触媒41およびDPNR触媒42の周囲雰囲気は高酸素濃度状態となっている。このため、排気ガス中のNOxは、NSR触媒41およびDPNR触媒42のNOx吸蔵還元触媒に吸蔵されるが、周囲雰囲気が低酸素濃度となる状況は非常に少ないため、吸蔵されたNOxが還元されにくく、NSR触媒41およびDPNR触媒42のNOx吸蔵能力が飽和しやすい。
そこで、NSR触媒41およびDPNR触媒42に燃料(添加燃料)を供給することにより、排気の空燃比を制御して触媒の周囲雰囲気を高温化し且つ還元雰囲気にすることで、NSR触媒41およびDPNR触媒42に吸蔵されたNOxを、N2、CO2およびH2Oに還元して放出する。具体的には、NSR触媒41およびDPNR触媒42のNOx吸蔵量を推定し、その推定したNOx吸蔵量が所定の判定値(限界推定量)を超えたときにNOxを還元する時期であると判定するといった方法を採用する。尚、NOx吸蔵量の推定は、エンジン回転数と燃料噴射量とに応じたNOx吸蔵量を予め実験等により求めてマップ化しておき、このマップにより求められるNOx吸蔵量を積算するという方法が挙げられる。
上記推定されたNOx吸蔵量が所定量に達すると、燃料添加弁26の開閉制御によって、メイン触媒装置4の上流側の排気通路(排気管73)に燃料を所定のNOx還元添加量・添加インターバルで間欠的に添加することにより、排気の空燃比を制御してNSR触媒41およびDPNR触媒42の周囲雰囲気を高温化し且つ還元雰囲気にすることで、NSR触媒41およびDPNR触媒42に吸蔵されたNOxを、N2、CO2およびH2Oに還元して放出する。
−排気系診断動作−
次に、本実施形態の特徴とする動作である排気系診断動作について説明する。この排気系診断動作では、上記燃料添加弁26の作動不良の診断およびメイン触媒装置4の劣化診断が行われる。以下、これら診断動作について具体的に説明する。
(燃料添加弁26の作動不良診断)
先ず、燃料添加弁26の作動不良診断について説明する。この燃料添加弁26の作動不良診断は、エンジン1の運転中において、上記リファレンス触媒装置9に排気ガスを流通させながら、燃料添加弁26からの燃料添加を行うことにより実施される。
具体的には、リファレンス触媒装置9に排気ガスを流通させた状態で、所定の指示燃料添加量を得るための指示信号(燃料添加弁26の開弁期間等を指示する信号)を燃料添加弁26に与えて燃料添加を行う。そして、この際に上流側A/Fセンサ98により検出された排気A/F(排気空燃比)と下流側A/Fセンサ99により検出された排気A/Fとの差に基づいて燃料添加弁26の作動不良診断を行う。つまり、これら検出された排気A/F同士の差から、実際に燃料添加弁26から供給された燃料添加量(実添加量)を求め、この実燃料添加量と上記指示燃料添加量との乖離量から燃料添加弁26の作動不良診断を行うようにしている。
以下、この燃料添加弁26の作動不良診断の手順について図4のフローチャートに沿って説明する。この図4に示すルーチンは、例えば、所定時間毎に繰り返して実行される。
先ず、ステップST1において、燃料添加弁26の作動不良診断の実行条件が成立したか否かを判定する。この作動不良診断の実行条件としては、例えば、前回の作動不良診断が完了してからの車両の走行距離が1万kmに達しており、且つ上記排気温センサ35によって検出される現在の排気ガス温度が所定値α以下になっている場合に成立する。この実行条件の成立を判断する排気ガス温度の閾値αとしては、燃料添加弁26からの燃料添加を行った場合に、この燃料(特にHC成分)が排気管73において排気ガス中の酸素と反応しない温度として設定され、例えば200℃に設定される。例えば、エンジン1の軽負荷運転時やアイドリング運転時には排気ガス温度が上記所定値α以下となる。また、この所定値αは吸入空気量に応じて変更するようにしてもよい。尚、上記実行条件の一つである車両の走行距離も上述した値には限定されない。
上記作動不良診断の実行条件が成立していない場合(ステップST1でNO判定された場合)には本ルーチンを一旦終了する。
作動不良診断の実行条件が成立し、ステップST1でYES判定されると、ステップST2に移り、後述するデポジット吹き飛ばし制御が実行された場合に「1」に設定される「デポジット吹き飛ばし制御実行フラグ」を「0」にリセットする。
その後、ステップST3に移り、それまでメイン触媒装置4側とされていた排気ガスの流通経路をリファレンス触媒装置9側に切り換える。つまり、上記各排気切り換えバルブ96,97を図1における実線の状態から仮想線の状態に切り換えて、リファレンス触媒装置9に排気ガスを流通させる。
そして、ステップST4において、燃料添加弁26に、指示燃料添加量を供給するための所定の指示値(指示信号)を与えて燃料添加を実行させる。これにより、燃料添加弁26は上記指示値に従って燃料添加を実行する。ここでの指示燃料添加量としては、上記PM再生時やNOx還元時における燃料添加量と同等の添加量であってもよいし、これら添加量に比べて大幅に少ない添加量であってもよい。つまり、後述するように、燃料添加弁26に作動不良が生じている場合と生じていない場合とで、下流側A/Fセンサ99において検出される排気空燃比に変化が現れる量であればよい。
このようにして燃料添加弁26からの燃料添加を実行することで、この添加された燃料は、エンジン1から排出される排気ガスと共に、排気管73および上流側分岐管94を経てリファレンス触媒装置9に向かって流れることになる。
上述した如く、この作動不良診断は、添加燃料が排気管73において排気ガス中の酸素と反応しない温度環境下(例えば200℃以下)で実施されるため、添加燃料は、上記排気管73や上流側分岐管94において排気ガス中の酸素と反応することなしにリファレンス触媒装置9に達し、このリファレンス触媒装置9の内部で排気ガス中の酸素と反応することになる。この場合、リファレンス触媒装置9の温度は、添加燃料と排気ガス中の酸素とが反応できる温度(例えば200℃)に達している必要がある。リファレンス触媒装置9がこの必要温度に達していない状態で排気ガスが流通することを防止するために、例えば、このリファレンス触媒装置9に電気ヒータを設けておき、この電気ヒータへの通電によってリファレンス触媒装置9を加熱して、上記添加燃料と排気ガス中の酸素とが反応できる温度まで上昇させておくことが好ましい。もしくは、各切り換えバルブ96,97を切り換えてから触媒温度(上記排気温センサ35の出力信号から推定)が十分に上昇するまでは燃料添加を実行せず、この触媒温度が十分に上昇して上記反応が可能な温度になった時点で燃料添加を実行するようにしてもよい。
上記反応後の排気ガスはリファレンス触媒装置9から下流側分岐管95を経て排気管74に向けて排出される。
このような動作が行われるため、リファレンス触媒装置9の上流側における排気空燃比は、エンジン1から排出された排気ガス(添加燃料と反応していない排気ガス)の空燃比となっており、この空燃比が上流側A/Fセンサ98によって検出される。つまり、吸気系6から吸入された空気量とインジェクタ23から噴射された燃料量とによって決定される排気空燃比を上流側A/Fセンサ98が検出することになる。
一方、リファレンス触媒装置9の下流側における排気空燃比は、エンジン1から排出された排気ガスに対し、添加された燃料分(燃料添加弁26から添加された燃料分)が加わった空燃比となっており、この空燃比が下流側A/Fセンサ99によって検出される。つまり、吸気系6から吸入された空気量とインジェクタ23から噴射された燃料量と燃料添加弁26から添加された燃料量とによって決定される排気空燃比を下流側A/Fセンサ99が検出することになる。即ち、この下流側A/Fセンサ99で検出される排気空燃比は、燃料添加弁26から添加された燃料量の分だけ、上流側A/Fセンサ98で検出される排気空燃比よりもリッチ側の値として認識されることになる。
このように、上流側A/Fセンサ98で検出された排気空燃比と下流側A/Fセンサ99で検出された排気空燃比との差が、実際に燃料添加弁26から添加された実燃料添加量に相当することになる。このため、各A/Fセンサ98,99で検出された排気空燃比の差に基づいて実燃料添加量を算出することができる(ステップST5)。
このようにして燃料添加弁26からの実燃料添加量を算出した後、ステップST6において、この実燃料添加量と、上記燃料添加動作において燃料添加弁26に与えられた指示燃料添加量との差を求めることで燃料添加弁26の作動不良状態を認識する。
図5は、燃料添加実行フラグと、各A/Fセンサ98,99の出力信号との変化を示している。図中のタイミングT1からタイミングT2の期間で燃料添加弁26から燃料添加が実行され、上流側A/Fセンサ98のセンサ出力は、燃料添加に伴う排気空燃比の変化は生じていないのに対し、下流側A/Fセンサ99のセンサ出力は、燃料添加に伴う排気空燃比の変化(リッチ側への変化)が生じている。上述した如く、この排気空燃比の変化量が実燃料添加量に相当する。
実燃料添加量と指示燃料添加量との差を求め、これら実燃料添加量と指示燃料添加量とが略一致しており、これらに差が殆どない場合には、燃料添加弁26に作動不良は生じていないと認識できる(ステップST7でYES判定)。
一方、上記算出された実燃料添加量が「0」または略「0」である場合には、燃料添加弁26に全閉固着状態(燃料添加弁26の内部が閉塞しており燃料供給が不能な状態)の作動不良が生じていると認識できる。また、指示燃料添加量に対して実燃料添加量が極端に多くなっており、且つ燃料添加を停止しても下流側A/Fセンサ99のセンサ出力がリッチ側に維持される場合には、燃料添加弁26に全開固着状態(燃料添加弁26が開放状態で固着しており燃料供給量の調整が不能な状態)の作動不良が生じていると認識できる。これら全閉固着状態または全開固着状態の場合には、ステップST7でNO判定されると共にステップST8でYES判定される。この場合、ステップST9に移って、運転者に燃料添加弁26の交換を促す警告を発する。例えば運転席前方のメータパネル上に設けられたエンジンチェックランプを点灯する。
また、指示燃料添加量に対して実燃料添加量が少ない場合(実燃料添加量が「0」ではない場合)には、燃料添加弁26に作動不良が生じており、例えば燃料添加弁26の燃料供給通路にデポジットが堆積しており、所定量の燃料添加量が得られていないと認識できる。逆に、指示燃料添加量に対して実燃料添加量が多くなっており、その範囲が所定範囲内である場合(上記全開固着状態ではない場合)で、且つ燃料添加の停止に伴って下流側A/Fセンサ99のセンサ出力が元の値(上流側A/Fセンサ98のセンサ出力に略一致する値)に戻った場合には、燃料添加弁26に作動不良が生じており、燃料添加弁26からの燃料添加量が過剰になっていると認識できる。
上述した如くデポジットの堆積によって所定量の燃料添加量が得られていないと認識できた場合には、燃料添加弁26の燃料添加量を一時的に最大にして、内部のデポジット等を除去するための「デポジット吹き飛ばし制御(作動不良解消動作)」を実施することになる(ステップST11)。この「デポジット吹き飛ばし制御」は、上記「デポジット吹き飛ばし制御実行フラグ」が「0」となっている(ステップST10でNO判定された)ことを条件として実施される。つまり、この「デポジット吹き飛ばし制御実行フラグ」は「デポジット吹き飛ばし制御」が実施されると、ステップST12において「1」に設定されるため、1回の作動不良診断において最大で1回のみ実施されるようになっている。
この「デポジット吹き飛ばし制御」を実施して「デポジット吹き飛ばし制御実行フラグ」を「1」に設定した後、再び上記ステップST4に戻り、燃料添加弁26に、指示燃料添加量を供給するための所定の指示値を与えて燃料添加を行う。そして、上記「デポジット吹き飛ばし制御」によってデポジット等を除去され、作動不良状態が解消された場合には、ステップST5で算出される実燃料添加量と、上記燃料添加動作において燃料添加弁26に与えられた指示燃料添加量とが略一致し、ステップST7でYES判定されることになる。
一方、上記「デポジット吹き飛ばし制御」を実施しても依然として作動不良状態が解消しない場合には、ステップST7およびステップST8でNO判定された後、ステップST10でYES判定(前回のルーチンで既に「デポジット吹き飛ばし制御実行フラグ」は「1」に設定されているのでステップST10ではYES判定)され、ステップST13に移って燃料添加弁26からの燃料添加量の学習動作(添加量学習)を実施する。つまり、上記作動不良による添加燃料の不足分を考慮して、燃料添加弁26に対する指示値を学習値として求めて上記RAM103に格納し、上記添加燃料の不足分を生じさせないような指示値が与えられるようにしておく。尚、上述した如く、指示燃料添加量に対して実燃料添加量が多くなっており、その範囲が所定範囲内である場合にも上述した燃料添加量の学習動作(添加量学習)が実施される。つまり、上記作動不良による添加燃料の過剰分を考慮して、燃料添加弁26に対する指示値を学習値として求めて上記RAM103に格納し、上記添加燃料の過剰分を生じさせないような指示値が与えられるようにしておく。
以上が、燃料添加弁26の作動不良診断である。この作動不良診断により、メイン触媒装置4の劣化の有無に関わりなく燃料添加弁26の作動不良の状態を良好に診断することができる。つまり、燃料添加弁26の作動不良診断をメイン触媒装置4の劣化診断と切り分けて実施することが可能であり、燃料添加弁26の作動不良の有無を正確に診断することができる。
(メイン触媒装置4の劣化診断)
次に、メイン触媒装置4の劣化診断について説明する。このメイン触媒装置4の劣化診断は、上述した燃料添加弁26の作動不良診断において、燃料添加弁26に全閉固着または全開固着が生じていると診断されなかった場合(燃料添加弁26に作動不良なしと診断された場合、または、燃料添加弁26の燃料添加量の学習動作が実施された場合)に実行される。つまり、燃料添加弁26に全閉固着または全開固着が生じていると診断された場合には、適正な燃料添加が実行できないので、メイン触媒装置4の劣化診断を実行しないようにしている。
このメイン触媒装置4の劣化診断は、エンジン1の運転中において、上記メイン触媒装置4に排気ガスを流通させながら、燃料添加弁26からの燃料添加を行うことにより実施される。
具体的には、メイン触媒装置4に排気ガスを流通させた状態で、所定の指示燃料添加量を得るための指示信号を燃料添加弁26に与えて燃料添加を行う。そして、この際に上流側A/Fセンサ98により検出された排気A/Fと下流側A/Fセンサ99により検出された排気A/Fとの差に基づいてメイン触媒装置4でのHC浄化率等を求め、これによりメイン触媒装置4の劣化状態を認識する。更に、この劣化状態に基づきメイン触媒装置4の活性温度(以下、ライトオフ温度と呼ぶ)を求め、この新たに求めたライトオフ温度を、以降のPM再生やNOx還元の実行条件に使用するようにしている。
以下、このメイン触媒装置4の劣化診断の手順について図6のフローチャートに沿って説明する。
先ず、ステップST21において、上記リファレンス触媒装置9側とされていた排気ガスの流通経路をメイン触媒装置4側に切り換える。つまり、上記各排気切り換えバルブ96,97を図1における仮想線の状態から実線の状態に切り換えて、メイン触媒装置4に排気ガスを流通させる。
そして、ステップST22において、燃料添加弁26に、指示燃料添加量を供給するための所定の指示値を与えて燃料添加を実行させる。これにより、燃料添加弁26は上記指示値に従って燃料添加を実行する。ここでの指示燃料添加量としては、上記PM再生動作やNOx還元動作における燃料添加量と同等の添加量であってもよいし、これら添加量に比べて大幅に少ない添加量であってもよい。また、上述した燃料添加弁26の作動不良診断において燃料添加弁26の作動不良の有無は既に認識されており、作動不良に対しては上述した学習動作によって燃料添加量が適正に得られるようになっているので、ここでは、指示燃料添加量に略一致した燃料添加量が燃料添加弁26から供給されることになる。つまり、メイン触媒装置4に向けて供給される燃料添加量(燃料添加によって排気系7に追加されるHCの量)が正確に把握された状態で燃料添加が実施される。
このようにして燃料添加弁26からの燃料添加を実行することで、この添加された燃料は、エンジン1から排出される排気ガスと共に、排気管73を経てメイン触媒装置4に向かって流れることになる。
この場合にも、上述した如く、添加燃料が排気管73において排気ガス中の酸素と反応しない温度環境となっているため、添加燃料は、上記排気管73において排気ガス中の酸素と反応することなしにメイン触媒装置4に達し、このメイン触媒装置4の内部で排気ガス中の酸素と反応することになる。この反応後の排気ガスはメイン触媒装置4から排気管74に向けて排出される。
このような動作が行われるため、メイン触媒装置4の上流側における排気空燃比は、エンジン1から排出された排気ガス(添加燃料と反応していない排気ガス)の空燃比となっており、この空燃比が上流側A/Fセンサ98によって検出される。つまり、吸気系6から吸入された空気量とインジェクタ23から噴射された燃料量とによって決定される排気空燃比を上流側A/Fセンサ98が検出することになる。
一方、メイン触媒装置4の下流側における排気空燃比は、添加された燃料(燃料添加弁26から添加された燃料)に含まれるHC成分が、エンジン1から排出された排気ガスに含まれる酸素と反応した量、つまり酸素の消費量、更に言い換えるとHC浄化率に応じて変化することになる。
このため、メイン触媒装置4に殆ど劣化が生じていない場合には、添加された燃料中のHC成分と排気ガス中に含まれる酸素との反応量が多くなり(HC浄化率が高くなり)、酸素の消費量が多くなってメイン触媒装置4の下流側における排気空燃比はリッチ側となる。逆に、メイン触媒装置4に劣化が生じている場合には、添加された燃料中のHC成分と排気ガス中に含まれる酸素との反応量が少なく(HC浄化率が低く)、酸素の消費量が少なくなってメイン触媒装置4の下流側における排気空燃比はリーン側となる。
図7は、燃料添加実行フラグと、下流側A/Fセンサ99の出力信号との変化を示している。図中に破線で示す下流側A/Fセンサ99の出力信号は、メイン触媒装置4に殆ど劣化が生じていない状態で、上記メイン触媒装置4の劣化診断を実施した場合の波形である。また、図中に実線で示す下流側A/Fセンサ99の出力信号は、メイン触媒装置4に劣化が生じている状態で、上記メイン触媒装置4の劣化診断を実施した場合の波形である。このように、メイン触媒装置4に劣化が生じている状態では、上記HC浄化率の低下に伴ってメイン触媒装置4の下流側における排気空燃比はリーン側の値となる。また、このメイン触媒装置4の下流側における排気空燃比は、メイン触媒装置4に劣化度合いが大きいほどリーン側の値となる(排気空燃比が大きくなる)。
また、このメイン触媒装置4の劣化診断にあっては、上記排気温センサ35によって検出される排気ガス温度に基づいてメイン触媒装置4の温度が推定されている。つまり、上述の如く求められたHC浄化率は、現時点でのメイン触媒装置4の温度状態において得られているHC浄化率ということになる。同一劣化状態であっても触媒温度が低いほどHC浄化率は低くなる。
このようにして、現時点でのメイン触媒装置4の温度およびHC浄化率が求められ、これによってメイン触媒装置4の劣化度合いを認識することができる(図6におけるステップST23)。
図8は、メイン触媒装置4の劣化度合いに応じた排気ガス温度(メイン触媒装置4の温度を推定するための値)とHC浄化率との関係を示している。図中の実線はメイン触媒装置4に殆ど劣化が生じていない場合での排気ガス温度とHC浄化率との関係を示している。また、図中の破線はメイン触媒装置4にある程度の劣化が生じた場合での排気ガス温度とHC浄化率との関係を示している。更に、図中の一点鎖線はメイン触媒装置4の劣化度合いが大きくなった場合での排気ガス温度とHC浄化率との関係を示している。
この図8に従えば、現在の排気ガス温度と、上記下流側A/Fセンサ99の出力信号から求められたHC浄化率とから、現時点でのメイン触媒装置4の劣化度合いを認識することができる。
そして、メイン触媒装置4の劣化度合いが大きくなるに従ってライトオフ温度も上昇していくため、上記ステップST23において認識されたメイン触媒装置4の劣化度合いから、現時点でのメイン触媒装置4のライトオフ温度が認識できる(ステップST24)。
以上がメイン触媒装置4の劣化診断である。この劣化診断によってメイン触媒装置4のライトオフ温度が認識できるので、このライトオフ温度の情報を上記RAM103に書き込むことにより、以降のPM再生やNOx還元の実行条件に、この新たなライトオフ温度を使用する。
つまり、PM堆積推定量が所定の限界堆積量を超えてDPNR触媒42の再生時期であると判定されたり、または、上記推定されたNOx吸蔵量が所定量に達してNOx還元が必要であると判断された場合、上記推定されるメイン触媒装置4の温度が上記ライトオフ温度(更新されたライトオフ温度)に達するまでは燃料添加弁26からの燃料添加を実行せず、上記PM再生燃焼モードへの切替え等によってメイン触媒装置4の温度が上記ライトオフ温度に達した時点から燃料添加を開始する。このようにして、メイン触媒装置4の劣化度合いに見合った燃料添加を実施することができる。これにより、燃料添加の開始と同時にPM再生やNOx還元が効果的に行われ、添加された燃料の略全量をPM再生やNOx還元に寄与させることができる。その結果、無駄な燃料添加が無くなって、排気に白煙が発生したり、燃料消費率を著しく悪化したりするといったことが回避できる。従来では、触媒の劣化度合いに関わりなく触媒温度がある一定値に達した時点で燃料添加を実行していたため、触媒の劣化度合いによっては、無駄な燃料添加が行われてしまう可能性があった。本発明は、上述した如くメイン触媒装置4の劣化度合いに見合った燃料添加を実施することができるので、無駄な燃料添加が行われてしまうことを回避できる。
また、上述した如く上流側A/Fセンサ98は、エンジン1から排出された排気ガス(添加燃料と反応していない排気ガス)の空燃比を検出している。つまり、吸気系6から吸入された空気量とインジェクタ23から噴射された燃料量とによって決定される排気空燃比を検出している。
このため、この上流側A/Fセンサ98によって検出される排気空燃比から、インジェクタ23からの燃料噴射量のずれ、エアフローメータ33によって検出される吸入空気量のずれ、EGR量のずれ等を認識することも可能である。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型4気筒ディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限られることなく、例えば筒内直噴型6気筒ディーゼルエンジンなど他の任意の気筒数のディーゼルエンジンにも適用できる。また、筒内直噴型ディーゼルエンジンに限られることなく、他のタイプのディーゼルエンジンにも本発明を適用することは可能である。また、車両用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。
以上の例では、DPNR触媒42を備えた触媒装置4を排気系7に設けているが、このDPNR触媒42に代えてDPFを備えた触媒装置4を排気系7に設けたものに対しても本発明は適用可能である。また、NSR触媒41やDPNR触媒42以外の他のNOx吸蔵触媒を備えた触媒装置を排気通路に設けたものに対しても本発明は適用可能である。
実施形態に係るエンジンおよびその制御系統の概略構成を示す図である。 エンジンの制御ブロックの概略を示す図である。 空燃比センサの出力電圧と空燃比との関係を示す図である。 燃料添加弁の作動不良診断の手順を示すフローチャート図である。 燃料添加弁の作動不良診断時における燃料添加実行フラグおよび各A/Fセンサの出力信号の変化を示す図である。 メイン触媒装置の劣化診断の手順を示すフローチャート図である。 メイン触媒装置の劣化診断時における燃料添加実行フラグおよび下流側A/Fセンサの出力信号の変化を示す図である。 メイン触媒装置の劣化度合いに応じた排気ガス温度とHC浄化率との関係を示す図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
4 メイン触媒装置(排気浄化触媒)
26 燃料添加弁(添加手段)
73,74 排気管(排気通路)
9 リファレンス触媒装置(診断用触媒)
94、95 分岐管(分岐通路)
98 上流側A/Fセンサ(上流側排気空燃比検出手段)
99 下流側A/Fセンサ(下流側排気空燃比検出手段)

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気通路に配設された排気浄化触媒と、この排気浄化触媒の上流側の排気通路に添加剤を添加する添加手段とを備えた排気浄化装置において、
    上記添加手段による添加位置よりも下流側から分岐される分岐通路を介して上記排気浄化触媒と並列に配設された診断用触媒と、
    上記診断用触媒よりも上流側の排気通路に配設されて、この排気通路内の空燃比を検出する上流側排気空燃比検出手段と、
    上記診断用触媒よりも下流側の排気通路に配設されて、この排気通路内の空燃比を検出する下流側排気空燃比検出手段とを備え、
    上記内燃機関の排気ガスを診断用触媒のみに流通させた状態で添加手段から添加剤を添加し、上記上流側排気空燃比検出手段および上記下流側排気空燃比検出手段によってそれぞれ検出される排気空燃比の差に基づいて実添加量を求め、この実添加量が、添加手段に対する指示添加量に対して所定量以上乖離している場合に上記添加手段に作動不良が生じていると診断する添加手段診断動作を行うよう構成されていることを特徴とする内燃機関の排気系診断装置。
  2. 上記請求項1記載の内燃機関の排気系診断装置において、
    上記添加手段診断動作は、内燃機関の排気ガス温度が、排気通路および分岐通路において添加剤と排気ガス中の酸素とが反応しない温度であることを条件として実行されることを特徴とする内燃機関の排気系診断装置。
  3. 上記請求項1または2記載の内燃機関の排気系診断装置において、
    上記実添加量が「0」または略「0」である場合、または、上記実添加量が指示添加量に対して所定量を超えて多い場合には、添加手段の交換を促す警告を発するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の排気系診断装置。
  4. 上記請求項1、2または3記載の内燃機関の排気系診断装置において、
    上記指示添加量に対して上記実添加量が乖離しており、その乖離量が所定範囲内である場合には添加手段に対してその作動不良を解消するための作動不良解消動作を実行する構成とされていることを特徴とする内燃機関の排気系診断装置。
  5. 上記請求項4記載の内燃機関の排気系診断装置において、
    上記作動不良解消動作を実行した後、再び添加手段から添加剤を添加して、上記上流側排気空燃比検出手段および上記下流側排気空燃比検出手段によってそれぞれ検出される排気空燃比の差に基づいて実添加量を求め、この実添加量が、添加手段に対する指示添加量に対して所定量以上乖離している場合には、その乖離量に応じて添加手段からの添加剤供給量を補正するよう指示添加量の学習動作を行うよう構成されていることを特徴とする内燃機関の排気系診断装置。
  6. 上記請求項1〜5のうち何れか一つに記載の内燃機関の排気系診断装置において、
    上記添加手段診断動作の実施後、上記内燃機関の排気ガスを排気浄化触媒のみに流通させた状態で添加手段から添加剤を添加し、上記上流側排気空燃比検出手段および上記下流側排気空燃比検出手段によってそれぞれ検出される排気空燃比に基づいて排気浄化触媒の劣化状態を診断する触媒劣化診断動作を行うよう構成されていることを特徴とする内燃機関の排気系診断装置。
  7. 上記請求項6記載の内燃機関の排気系診断装置において、
    上記触媒劣化診断動作によって排気浄化触媒の劣化度合いを診断した後、その劣化度合いから排気浄化触媒の活性温度を求める活性温度認識動作を行う構成とされていることを特徴とする内燃機関の排気系診断装置。
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