JP2010053369A - インジウムの回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シュウ酸エッチング廃液から、インジウムを有利に且つ効率的に回収する方法を提供すること。
【解決手段】インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液を、官能基としてポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂に接触処理せしめて、かかるキレート樹脂の官能基に対して、シュウ酸エッチング廃液中のインジウムを、キレート結合させることにより、インジウムをキレート樹脂に吸着させて、シュウ酸エッチング廃液中から回収するようにした。
【選択図】なし

Description

本発明は、インジウムの回収方法に係り、特に、ITO電極やIZO電極等の製造工程において、酸化インジウム−酸化錫合金膜や酸化インジウム−酸化亜鉛合金膜等の被エッチング材をシュウ酸エッチング液にてエッチングした際に発生する、インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液から、インジウムを効率的に回収することの出来る方法に関するものである。
近年、急速に普及が広まっている液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイには、一般に、酸化インジウム−酸化錫合金(所謂、ITO)や酸化インジウム−酸化亜鉛合金(所謂、IZO)からなる透明電極が、用いられている。それは、かかるインジウムが、軟らかく、可鍛性や展延性に優れ、また融点が154.6℃と低く、ガラスやセラミックスの表面との接合性に優れると共に、酸化錫や酸化亜鉛の添加により、可視光の透過率が90%以上の透明な導電体とすることが出来るからである。
しかしながら、インジウムは、産出量が少なく、また産出地域に偏りがあり、希少な金属であることに加えて、近年のフラットパネルディスプレイの普及・大型化に伴ない、価格が急騰し、また資源の枯渇が問題となっている。そのため、フラットパネルディスプレイのITO電極やIZO電極から、インジウムを回収・再利用することが試みられて来ている。
例えば、特開2008−70534号公報(特許文献1)には、液晶パネルから透明導電膜中のインジウムを回収する方法として、液晶パネルを破砕し、そしてその破砕された液晶パネルを、1〜7%のシュウ酸水溶液に浸漬することによって、液晶パネル中の酸化インジウム−酸化錫合金を溶解させ、次いで、疎水性の有機溶媒との接触により、液晶を有機溶媒相に溶解させて分離した後、インジウム及び錫を含有する液を強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させて、インジウムをイオン交換樹脂に吸着させることにより、インジウムを分離・回収する方法が、明らかにされている。
また、国際公開第06/006497号公報(特許文献2)には、FPD(フラットパネルディスプレイ)パネルを裁断若しくは粉砕し、次いで、そのFPDパネル裁断/粉砕物中のITO導電膜を、塩酸を主成分とする酸に溶出させ、不溶物をろ過した後、ITOを含有する酸溶液を、4級アンモニウム基及び3級アンモニウム基のうちの少なくともいずれか一方を有する陰イオン交換樹脂を充填したカラムに通して、インジウムをイオン交換樹脂に吸着せしめることにより、インジウムを分離・回収する方法が、明らかにされている。
一方、そのような最終製品であるフラットパネルディスプレイからではなく、かかるフラットパネルディスプレイの製造工程で消費されるインジウムを回収・再利用するようにした技術も、種々開発されて来ている。
具体的には、ITO電極やIZO電極の製造工程の一つであるエッチング工程の際に発生するシュウ酸エッチング廃液から、インジウムを回収する方法として、特開2008−13795号公報(特許文献3)には、インジウム成分を含有するシュウ酸エッチング廃液を、交換基として4級アンモニウム基を有する強塩基性陰イオン交換樹脂に接触させて、インジウム成分を、かかる強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着させる工程と、そのインジウム成分を吸着させた強塩基性陰イオン交換樹脂を酸性水溶液に接触させ、かかるインジウム成分を酸性水溶液に移行して、回収する工程とを有する、シュウ酸エッチング廃液からのインジウム成分の回収方法が、明らかにされている。
また、特開2005−325082号公報(引用文献4)には、シュウ酸エッチング廃液を、イオン交換基として4級アンモニウム基を有する強塩基性陰イオン交換樹脂と接触させることにより、インジウムを強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着させ、高純度シュウ酸水溶液を回収する一方、その吸着が飽和状態となった強塩基性陰イオン交換樹脂を焼成して、インジウムを分離することからなる、シュウ酸エッチング廃液からのインジウムの回収方法が、明らかにされている。
しかしながら、上述せる如き強塩基性陰イオン交換樹脂を用いたインジウムの回収方法にあっては、何れも、インジウムの回収率が充分ではなく、未だ改善の余地を有するものであった。
なお、インジウムは、原料鉱石がほとんど存在しないため、従来より、亜鉛製錬の浸出残渣を酸溶液に溶かし、かかる溶液をキレート樹脂に通液し、亜鉛残渣中に含まれるインジウムをキレート樹脂に吸着させて、回収することにより、生産されているのであるが(特開昭63−89635号公報(特許文献5)参照)、それを、そのまま、フラットパネルディスプレイの製造工程で消費されるインジウムの回収に適用し得るものではなかったのである。
特開2008−70534号公報 国際公開第06/006497号公報 特開2008−13795号公報 特開2005−325082号公報 特開昭63−89635号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、シュウ酸エッチング廃液から、インジウムを有利に且つ効率的に回収することの出来る方法を提供することにある。
そして、本発明は、かくの如き課題の解決のために、インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液を、官能基としてポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂に接触せしめ、インジウムを該キレート樹脂に吸着させて、回収することを特徴とするインジウムの回収方法を、その要旨とするものである。
なお、このような本発明に従うインジウムの回収方法の望ましい態様の一つによれば、前記キレート樹脂は、アクリル系樹脂乃至はメタクリル系樹脂を母体として、これにポリアミン基又はアミドオキシム基を導入せしめたものである。
また、本発明にあっては、インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液から、上記せる如きインジウムの回収方法に従って、インジウムを吸着除去した後、得られた処理廃液を、再び、インジウム含有被エッチング材のエッチング液として用いることを特徴とするインジウム含有シュウ酸エッチング廃液の再利用方法をも、その要旨とするものである。
このように、本発明に従うインジウムの回収方法にあっては、インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液を、官能基としてポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂に接触せしめるようにしたところに、大きな特徴を有しているのであって、このような特定のキレート樹脂に対するインジウムの効果的な吸着作用を利用することにより、シュウ酸エッチング廃液中に含有されているインジウムを、効率的に回収せしめ得たのである。
ところで、本発明において用いられるシュウ酸エッチング廃液としては、少なくともインジウムを溶解、含有しているものであれば、その取得の工程は、特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム−酸化錫(ITO)電極の製造工程において発生する、少なくともインジウム及び錫を含むシュウ酸エッチング廃液や、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)電極の製造工程において発生する、少なくともインジウム及び亜鉛を含むシュウ酸エッチング廃液等の種々のシュウ酸エッチング廃液が、何れも、その対象とされることとなる。
また、そのようなシュウ酸エッチング廃液中のシュウ酸濃度も、特に限定されるものではないが、一般に、9重量%以下、特に3〜4重量%程度に調整されているものが、好ましく採用されることとなる。なお、かかるシュウ酸エッチング廃液のシュウ酸濃度が高過ぎる場合には、特に、シュウ酸濃度が9重量%を超えるようになると、錫や亜鉛等のキレート樹脂への吸着が阻害される恐れが生じるようになるために、望ましくないのである。
さらに、前記シュウ酸エッチング廃液中に溶存しているインジウムの濃度にあっても、特に限定されるものではないが、一般に、インジウムが、30〜500ppmの濃度において、特に、50〜300ppmの濃度において含有されているものが、有利に、その対象とされることとなる。
そして、本発明に従うインジウムの回収方法にあっては、上述せる如きインジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液が、キレート樹脂に接触処理せしめられて、インジウムが回収されることとなるのであるが、そこにおいて用いられるキレート樹脂は、官能基として、ポリアミン基又はアミドオキシム基を有するものであれば、何等限定されるものではなく、従来から公知のポリアミン基又はアミドオキシム基を有する各種のキレート樹脂が、何れも、適宜に採用され得るものである。
具体的には、そのようなポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂においては、従来から公知の樹脂母体が、何れも、適宜に採用され得るものであって、例えば、スチレン系樹脂(スチレン−ジビニルベンゼン共重合体)からなるものや、アクリル系樹脂(アクリル酸/その誘導体−ジビニルベンゼン共重合体)からなるもの、更にはメタクリル系樹脂(メタクリル酸/その誘導体−ジビニルベンゼン共重合体)からなるもの等の中から、目的に応じて適宜に選択され得ることとなるのであるが、その中でも、特に、アクリル系樹脂乃至はメタクリル系樹脂を母体とする、ポリアミン基又はアミドオキシム基が官能基として導入されたキレート樹脂は、親水性に優れ、シュウ酸エッチング廃液中に含有されるインジウムが効果的に吸着せしめられることから、好ましく採用される。
また、かかるキレート樹脂の樹脂母体の性状としては、一般に、ミクロポアのみを有するゲル型の樹脂母体と、ミクロポア及びマクロポアを有するマクロポーラス型の樹脂母体とが知られているが、本発明においては、そのような樹脂母体の性状は、特に限定されるものではなく、ゲル型及びマクロポーラス型の何れもが、採用可能である。なお、マクロポーラス型の樹脂は、表面積(接触面積)が大きいため、反応速度(交換速度)が速く、またマクロポア内を分子が拡散し、大きな分子でも、効率良く反応が行なわれる等の特徴を有するため、本発明にあっては好ましく用いられ、その中でも、100〜1000Åの細孔を有するものが、より好ましく用いられる。なお、かかる細孔が100Åよりも小さい場合には、インジウムとキレート樹脂との接触面積が小さくなり、交換速度が遅くなるため望ましくなく、また1000Åよりも大きい場合には、容積当たりの交換容量が減少するため望ましくない。
さらに、そのようなキレート樹脂の官能基としては、ポリアミン基[−CH2 NH(CH2 CH2 NH)n H]又はアミドオキシム基[−C(=NOH)NH2 ]であれば、何等限定されるものではなく、例えば、ポリアミン基の場合にあっては、エチルアミンの繰返し単位(n)が、一般に、2〜5、好ましくは、2〜3のポリアミン基が、樹脂母体に導入せしめられたものが、適宜に採用されることとなる。
そして、本発明にあっては、インジウムが吸着せしめられるキレート樹脂として、上述せる如きポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂が用いられるものであるところから、後述するように、インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液をキレート樹脂に接触せしめた際に、インジウムが、キレート樹脂のポリアミン基又はアミドオキシム基に対して、キレート結合を形成することによって、キレート樹脂に吸着し、以て、従来の強塩基性陰イオン交換樹脂によるインジウムの回収方法に比して、インジウムの回収率を効果的に高めることが出来るのである。
なお、そのようなキレート樹脂としては、ポリアミン基を有するものとして、例えば、ピュロライトS−985(マクロポーラス型、アクリル系、Purolite International Ltd. 製)、ダイヤイオンCR20(スチレン系、三菱化学株式会社製)があり、また、アミドオキシム基を有するものとして、ピュロライトS−910(マクロポーラス型、アクリル系、Purolite International Ltd. 製)等の商品名にて市販されているものを、容易に入手することが可能であり、そのような市販のものが、何れも、適宜に採用可能であるが、本発明にあっては、その中でも、インジウムをより一層効率的に吸着・回収し得ることから、ピュロライトS−985、ピュロライトS−910が好ましく用いられることとなる。
そして、本発明に従って、シュウ酸エッチング廃液中のインジウムを回収するに当たっては、かかるポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂に対して、前述したようなインジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液を接触せしめることにより、廃液中のインジウムを、樹脂に吸着せしめるようにするのである。
より具体的には、そのような接触処理(吸着処理)は、インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液と前記ポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂とが接触せしめられることとなるのであれば、従来から公知の接触処理が、何れも、適宜に採用され得、例えば、インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液を、ポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂と共に、適当な処理容器中で撹拌することにより、インジウムを樹脂に接触せしめて、吸着を行なう方法(バッチ方式)や、ポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂をカラムに充填し、そこにインジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液を通液することにより、インジウムを樹脂に接触せしめて、吸着を行なう方法(カラム方式)等によって、有利に実施されることとなるのであるが、本発明にあっては、特に、吸着率が高い点や大型化・工業化に有利である等の点から、カラム方式がより有利に採用される。
なお、本発明にあっては、かかる接触処理は、一般に、常温下において行なわれ、特に好ましくは、室温〜45℃にて実施されることとなるが、これに限定されるものではないことは言うまでもないところである。
また、上述のようにして、インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液が、ポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂に対して接触せしめられると、かかるシュウ酸エッチング廃液中に含まれるインジウムが、キレート樹脂のポリアミン基又はアミドオキシム基と、キレート結合を形成し、以て、キレート樹脂に効果的に吸着せしめられ得ることとなるのである。このように、本発明に従うインジウムの回収方法にあっては、インジウムが、キレート樹脂に対して、キレート結合を介して吸着せしめられるものであるところから、従来の強塩基性陰イオン交換樹脂によるイオン的な吸着に比して、インジウムが、有利に且つ効果的に吸着せしめられ得、以て、インジウムを高効率にて回収することが可能となるのである。
そして、上述の如くしてキレート樹脂に吸着されて、シュウ酸エッチング廃液中から分離・回収されたインジウムは、更に、かかる樹脂から分離されることによって、種々の用途において再利用が可能なものとなる。なお、かかる樹脂に吸着されたインジウムを、更に樹脂から分離せしめるための方法としては、特に限定されるものではなく、従来から公知の手法の中から、目的に応じて適宜に選択されることとなるのであるが、好ましくは、以下のようにして、行なわれることとなる。
すなわち、先ず、前述のようにしてインジウムを吸着せしめてなるキレート樹脂を、電気炉内にて、800〜900℃にて焼却(焙焼)し、そしてその得られた焼却物に対して、硝酸水溶液等の酸溶液を加え、インジウムを溶解する。次いで、かかるインジウムが溶解した酸溶液に対して、NaOHを添加して、pHを2〜4に調整することにより、酸溶液中に含まれるインジウム以外の不純物金属(例えば、錫、亜鉛等)を沈殿させた後、沈殿した不純物金属をろ過により取り除く。その後、インジウムを含有する酸溶液を電解槽に入れ、陽極と陰極(SUS板等)との間に電圧を印加して、電解処理を行なうことにより、陰極表面に析出するインジウムを回収するようにするのである。
以上のようにして、キレート樹脂から分離・回収されたインジウムは、種々の用途において再利用が可能なものであり、例えば、ITO電極用材料やIZO電極用材料として、有利に再利用され得るものである。
一方、上記のようにしてインジウムが回収されたシュウ酸エッチング廃液は、インジウム及びその他の金属(錫、亜鉛等)が、有利に除去せしめられているところから、ITO合金膜やIZO合金膜等の被エッチング材をエッチングするためのシュウ酸エッチング液として、有利に、再利用され得ることとなるのである。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
−実施例1−
先ず、ガラス製の円筒カラム(内径:10mm×高さ:410mm)に、ポリアミン基を有するキレート樹脂として、ピュロライトS−985(Purolite International Ltd. 製)を5ml充填し、次いで、シュウ酸濃度:3.4重量%、インジウム濃度:200mg/L、錫濃度:31mg/Lのシュウ酸エッチング廃液を、室温にて、10ml/hの流速にて通液した。そして、カラムからの流出液を定期的に採取し、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分析装置)にてインジウム濃度を計測し、吸着が飽和となった時点(カラムからの流出液のインジウム濃度が飽和となった時点)で、通液を終了した。
その後、通液を終了した樹脂をカラムから取り出して、磁製ルツボに入れ、電気炉内で900℃にて3時間焼成し、灰化させた。そして、その得られた灰化焼成物の0.5gを硝酸水溶液(濃度:4N)の5mLにて溶解し、硝酸水溶液中のインジウム濃度をICP−AESで測定することにより、キレート樹脂へのインジウムの吸着量を求めた。下記表1に、樹脂1L当たりのインジウム吸着量を示す。
−実施例2−
シュウ酸エッチング廃液中のシュウ酸濃度を1.7重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、シュウ酸エッチング廃液をキレート樹脂に接触せしめ、インジウムの吸着量を求めた。得られた結果を、下記表1に併せて示す。
−実施例3−
シュウ酸エッチング廃液中のシュウ酸濃度を8.6重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、シュウ酸エッチング廃液をキレート樹脂に接触せしめ、インジウムの吸着量を求めた。得られた結果を、下記表1に併せて示す。
−実施例4−
ポリアミン基を有するキレート樹脂に代えて、アミドオキシム基を有するキレート樹脂(ピュロライトS−910、Purolite International Ltd. 製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シュウ酸エッチング廃液をキレート樹脂に接触せしめ、インジウムの吸着量を求めた。得られた結果を、下記表1に併せて示す。
−比較例1−
上記の実施例で用いられたキレート樹脂に代えて、イオン交換基として、4級アミノ基(トリメチルアミノ基)を有する強塩基性陰イオン交換樹脂であるSA10A(ゲル型、三菱化学株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シュウ酸エッチング廃液のイオン交換樹脂への接触処理を行ない、インジウムの吸着量を求めた。得られた結果を、下記表1に併せて示す。
−比較例2−
上記のキレート樹脂に代えて、イオン交換基として、4級アミノ基(トリメチルアミノ基)を有する強塩基性陰イオン交換樹脂であるSANUP(ゲル型、三菱化学株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シュウ酸エッチング廃液のイオン交換樹脂への接触処理を行ない、インジウムの吸着量を求めた。得られた結果を、下記表1に併せて示す。
Figure 2010053369
かかる表1の結果から明らかなように、ポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂を用いた場合においては、官能基として、4級アミノ基が導入されてなる強塩基性陰イオン交換樹脂を用いた場合に比して、インジウムを多く吸着することが認められ、特に、ポリアミン基を有するキレート樹脂を用いた場合には、約1.5倍も多く、インジウムを吸着することが出来ることが認められるのである。

Claims (3)

  1. インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液を、官能基としてポリアミン基又はアミドオキシム基を有するキレート樹脂に接触せしめ、インジウムを該キレート樹脂に吸着させて、回収することを特徴とするインジウムの回収方法。
  2. 前記キレート樹脂が、アクリル系樹脂乃至はメタクリル系樹脂を母体として、これにポリアミン基又はアミドオキシム基を導入せしめたものであることを特徴とする請求項1に記載のインジウムの回収方法。
  3. インジウムを含有するシュウ酸エッチング廃液から、請求項1又は請求項2に記載の方法に従って、インジウムを吸着除去した後、得られた処理廃液を、再び、インジウム含有被エッチング材のエッチング液として用いることを特徴とするインジウム含有シュウ酸エッチング廃液の再利用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104129831A (zh) * 2014-07-29 2014-11-05 南京大学 一种利用螯合树脂同时去除和回收重金属离子和有机酸的方法

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