JP2010052780A - 充填バルブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液バルブ5と、小径ピストン42と、小径ピストン42の移動を規制する大径ピストン41と、小径ピストン及び大径ピストンを移動させる圧気ポートと、シリンダ本体31の位置規制部に当接することにより大径ピストンの移動位置を規制するストッパ82と、前記位置規制部とストッパ82との間隔を調節する調節機構とを備えた充填バルブ1において、弁体ロッドの上端と小径ピストンと一体のロッド軸下端を連結し、ロッド軸に取付けられ前記位置規制部に当接することにより小径ピストンの移動を規制するストッパ81と、前記位置規制部と両ストッパとの間隔を調節する調節機構を備え、充填バルブ1の動作を全開用又は部分開用に変更し、夫々独立して調節可能である。
【選択図】図1
Description
即ち、当該バルブのケーシングには、下端部に吐出口が形成され、また下端部の側壁に液体の入口ポートが開口されている。前記吐出口には固定弁座が形成されており、この固定弁座に対し、前記小ピストンに固定されているピストンロッド及び、その先端に形成された可動弁体が上方から臨ませて配設されている。
前記大径ピストンには、上方に延びてケーシングの上端を貫通して外部に突出するピストンロッドが固定されており、該ピストンロッドの上端部に設けられたストッパと当該ケーシングに螺合された調整キャップにより、該大径ピストンの上下運動の下限が規定されるようになっている。
他方、大径ピストンが、大口径シリンダの上端部に当接して上限位置にある時には、小径ピストンも前記小口径シリンダの上端部に当接する上限の位置を占めることができ、前記可動弁体に最大限、即ち100%の開度を与えることとなる。
従って、特許文献1の発明では、充填ノズル全開による最大吐出流量は、前記小口径シリンダの長さ寸法によって決定されており変更できないが、前記大径ピストンを降下させた場合には、小径ピストンのストロークが規制され、前記可動弁体の開度が制限されるので、該充填ノズルの部分開、即ち小吐出流量の調節は有効に行なえる。
即ち、該ピストンロッド上端部に設けられた調整用ナット(ストッパ)と、当該筒状部材(ケーシング)に螺合されたカップ状部材(調整キャップ)により、充填バルブの開度に係る小吐出流量の調整に際し、前記密閉用のキャップを取付けたまま、該筒状部材(ケーシング)に螺合されたカップ状部材(調整キャップ)を、締め込み或いは緩める調整ができる、変形可能な密閉用のキャップにする発明である。
また、特許文献2に開示されている充填バルブは、前記密閉用のキャップを除いたバルブ本体が特許文献1のものと同一であり、最大吐出流量の調節ができないことは明らかである。
(1)第1の手段の充填バルブは、充填液通路を開閉する可動弁体と固定弁座からなる液バルブと、シリンダ本体内に上下方向に移動可能に配置され前記液バルブの弁体ロッドに連結された小径ピストンと、前記シリンダ本体内に上下方向に移動可能に配置され前記小径ピストンの移動を規制する大径ピストンと、前記小径ピストン及び大径ピストンを移動させる圧気ポートと、前記大径ピストンのシリンダ本体から突出した部分に取付けられシリンダ本体の位置規制部に当接することにより大径ピストンの移動位置を規制するストッパと、前記位置規制部と該ストッパとの間隔を調節する調節機構とを備えた充填バルブにおいて、前記弁体ロッドの上端と前記小径ピストンと一体のロッド軸下端を軸継手等による連結構造とし、前記ロッド軸のシリンダ本体から突出した部分に取付けられシリンダ本体の位置規制部に当接することにより小径ピストンの移動を規制するストッパと、前記位置規制部と該ストッパとの間隔を調節する調節機構を備え、充填バルブの動作を全開用及び部分開用の2段階に変えるとともに、夫々独立して調節可能なことを特徴とする。
(3)第3の手段の充填バルブは、上記第2の手段の充填バルブにおいて、バルブ本体の中間部には、充填液の吐出口を含めた弁体下部を無菌若しくは清浄な充填雰囲気内に露出できるように、弁軸に垂直な取り付け面を有するフランジを備え、該バルブ本体と前記シリンダ本体、小径ピストン、大径ピストン等からなる空気圧シリンダとの間には、両者を連結すると同時に、前記無菌雰囲気から隔離された開口部から人手或いは通常の工具を用いて、前記小径ピストンと一体のピストンロッドの貫通部ボスに螺合された調整キャップを上下に調節可能にするための開口結合構造体を有することを特徴とする。
(1)請求項1に係わる発明は、充填バルブの動作を制御する空気圧シリンダの小径ピストンロッドのストロークを、全開用及び部分開用の2段階に変えられるように構成するとともに、前記2段階のストロークのそれぞれを、独立に調節可能にすることにより、同一充填バルブで、異なる特性の液体を所定時間内に精度良く充填することを可能にする効果がある。充填バルブの最大吐出流量を独立に調節できるようにするための構造を組み込み、且つ前記調節を容易に行なうことを可能にする効果がある。
(2)請求項2に係わる発明は、充填バルブ本体と、動作を制御する空気圧シリンダ部分を区別することにより、清浄な雰囲気に露出される部分と、外部雰囲気に露出される部分とを区別して、該バルブの保全性を改善する効果がある。
充填バルブ1は、バルブ本体11の下部の弁吐出口11a、上部の弁軸ガイド11d、中間部の弁取付フランジ11b、並びに給液パイプ11c等から構成されており、内部には弁軸10、弁体ロッド13、絞り14、可動弁体15等が軸方向に移動可能に組み込まれている。なお、弁軸10の上端は、前記軸継手17により、空気圧シリンダ3の第2ロッド軸34と緊密に連結されている。
また、弁体ロッド13は、下端に可動弁体15が、また、上端部には絞り14を備えた軸状の部品であり、螺子によって弁軸10に、緊密に連結されている。
なお、弁軸ガイド11dと前記絞り14の間には、充填液の流路を外部雰囲気から隔離するベローズ16が備えられており、弁体ロッド13が上下動するたびに弁軸10と弁軸ガイド11dの隙間から外部雰囲気が漏れ入り、清浄な充填液を汚染することを防止している。
また、当該第2ロッド軸34の下端部には、ワッシャー43及びナット55から成るストッパ81が設けてある。該ストッパ81は、シリンダ本体31の下端部に固定された第2ロッド軸端面ボス33に螺合されている調整キャップ36に当接可能に対峙させられているので、前記調整キャップ36に備えられた螺子回転調整手段50を利用し、該調整キャップ36の上下位置を変更することにより、小径ピストン42の上限位置を規制することが可能になっている。
前記第1ロッド軸端面ボス32には調整キャップ36が螺合されているので、該調整キャップ36に備えられた螺子回転調整手段50の発するクリック感或いは音を計数しながら、当該調整キャップ36の回転数、即ち上下位置を調節し、前記大径ピストン41が圧気ポートCから供給される空気圧によって下降した場合に、前記ストッパ82の当接位置を調節するようにしておき、大径ピストン41の下限位置を規制することが可能になっている。
なお、第1ロッド軸側の調整キャップ及び第2ロッド軸側の調整キャップは、後述するように通常の手作業で容易に調整ができるように充填液並びに無菌雰囲気から隔離された空間内に設けられている。
図3は、充填バルブ1が全閉するように調節されて、待機中の空気圧シリンダ3の状態を示す断面図である。(稼働時は、当該シリンダの軸線は垂直になるが、説明の都合上シリンダ軸線を水平にして図示している。図4〜図7も全て同様である。)
図3において、前記第1ロッド軸35のストッパ82と調整キャップ36の隙間はd1であり、前記第2ロッド軸34のストッパ81と調整キャップ36の隙間はd2で、第2ロッド軸端面ボス33と調整キャップ36の間隔はb2である。空気圧力は、中央の圧気ポートBを経由してシリンダ内に作用し、大径ピストン41及び小径ピストン42を左右に押し離しており、小径ピストン42は右限に押し付けられ、第2ロッド軸34も右方向(稼動状態では下方向)に移動し、可動弁体15(図1参照)は固定弁座11eに密着するので、充填バルブ1は全閉状態である。
この時の小口径の開孔31aの行程長さは、充填バルブ1の全開に相当するSmaxとなる。
なお、この状態において大径ピストン41は図3の状態を保っており、小径ピストン42の動作には何の制約も与えない。
図5は、図3の状態において、螺子回転調整手段50を操作して第2ロッド軸34側の調整キャップ36を回転させ、調節代a2だけ右方向(稼動状態では下方向)に移動させ、その後に圧気ポートAを経由して小径ピストン42に空気圧力を作用させた状態を示す。このときは、小径ピストン42並びに第2ロッド軸34のストロークは、調整キャップ36に制約されてSmax−a2となり、充填バルブ1の開度は1−(a2/Smax)となる。大径ピストン41及び第1ロッド軸35は、図4と同じである。
次に、通常の粘度の液体食品(例えば、緑茶・紅茶、清涼飲料、清酒等)については、Smaxのストロークでは過剰流量のために、充填中の気泡の巻き込み、或いは充填精度の制御が困難等の問題が生ずる。この問題を解決するためには、実液テストにより調節代a2の最適量を決定し、第2ロッド軸34側の調整キャップ36を回転させることにより、充填バルブ1の開度を調節すればよい。
図6において、前記第1ロッド軸35のストッパ82と調整キャップ36の隙間は無し(零)であり、前記第2ロッド軸34のストッパ81と調整キャップ36の隙間はd2、第1ロッド軸端面ボス32と調整キャップ36の間隔はb1である。空気圧力は、左右の圧気ポートC及びAを経由してシリンダ内に作用し、大径ピストン41及び小径ピストン42を中央部に押し付けているが、受圧面積の大きい大径ピストン41の力が勝り、前記ストップピン45,46を介して小径ピストン42を右限に押し付け、第2ロッド軸34も右方向(稼動状態では下方向)に移動し、可動弁体15(図1参照)は固定弁座11eに密着するので、充填バルブ1は全閉状態である。即ち、部分開の調節は、開度0%から始められることとなる。
大径ピストン41には、圧気ポートCを通じて空気圧がかかっており右方向(稼動状態では下方向)に移動しようとするが、第1ロッド軸35のストッパ82が調整キャップ36に当接して、大径ピストン41は右端部にa1の距離を置いて停止する。一方、小径ピストン42の右方には、圧気ポートAを通じて空気圧がかかっており、左方向(稼動状態では上方向)に移動しようとするが、該ピストン42から左方に突出するストップピン46が、大径ピストン41から右方に突出するストップピン45に当接して、移動量はa1だけに規制される。
従って、この時の小径ピストン42のストロークは、充填バルブ1の部分開に相当するa1となる。
従って、部分開のバルブ開度調節は、充填液の特性、前記補充量及び容時間等に対応して必要不可欠であり、且つ前記Smax或いはSmax−a2に影響を受けない独自の機能が必要である。
無菌充填装置60は、充填バルブ1等を取り付ける回転体61の周囲、上面及び下面を無菌チャンバ65で包囲した構造を持ち、当該チャンバ65と、回転体61の天蓋61c、側板61b、台盤61a、胴61d及び上部水封シール67、下部水封シール66等で密封する空間(図8において、ハッチングを施された空間)が無菌雰囲気に保たれている。
回転体61の下部を占める円筒形の胴61dの下端には、旋回台ベアリング63が備えられており、回転体61を水平面上で旋回自在に支持するとともに、該ベアリング外輪に設けられたリングギアに駆動装置70の出力ギア71が噛み合い駆動することによって、当該回転体61は水平面内で旋回する。64は給液管で、ロータリジョイント61eと給液パイプ11c間に接続されている。
回転する胴61dには、前記弁吐出口11aに相応する位置に容器把持手段62が付設されており、容器Vは無菌充填装置60の入口(図示せず)を通過してから出口(図示せず)に至るまで、支持されて回転体61並びに台盤61aとともに旋回するので、この間に充填バルブ1は、全開若しくは調節開で効率よく充填し、充填精度を出すための部分開充填に切り換えれば、清浄な充填液を清浄な容器に無菌雰囲気で、良好な精度で充填することが可能である。
本無菌充填装置60は、複数の支柱68によって高床式の構造になっており、許可された運転若しくは保全作業員が、作業場の床上に設けられている充填装置の出入口(図示せず)から、回転体61の内側に入ることが可能になっている。回転体61の内側は、前記無菌雰囲気より隔離されているので、人手や工具の無菌化処理が不要となり、該作業員は所定の服装のまま、要すれば手工具を用いて支持台69の上に立って作業をすることができることから準備に手間取ることもなく、作業性を改善できる。
2…開口結合構造体、
3…空気圧シリンダ、
5…液バルブ、
10…弁軸、
11…バルブ本体、
11a…弁吐出口、
11b…弁取付フランジ、
11e…固定弁座、
13…弁体ロッド、
15…可動弁体、
17…軸継手、
31…シリンダ本体、
32…第1ロッド軸端面ボス、
33…第2ロッド軸端面ボス、
34…第2ロッド軸、
35…第1ロッド軸、
36…調整キャップ、
41…大径ピストン、
42…小径ピストン、
43…ワッシャー
50…螺子回転調整手段、
55…ナット、
56…キャップナット、
60…無菌充填装置、
81、82…ストッパ、
V…充填容器、
A…小径ピストン側圧気ポート、
B…中央圧気ポート、
C…大径ピストン側圧気ポート、
Smax…充填バルブ全開に相当する空気圧シリンダのストローク、
a1…充填バルブ部分開の開度調節代、
a2…充填バルブ全開の開度調節代、
b1…第1ロッド軸側調整キャップの調整前間隔、
b2…第2ロッド軸側調整キャップの調整前間隔、
d1…第1ロッド軸側調整キャップとワッシャーの作動前間隔、
d2…第2ロッド軸側調整キャップとワッシャーの作動前間隔
Claims (3)
- 充填液通路を開閉する可動弁体と固定弁座からなる液バルブと、シリンダ本体内に上下方向に移動可能に配置され前記液バルブの弁体ロッドに連結された小径ピストンと、前記シリンダ本体内に上下方向に移動可能に配置され前記小径ピストンの移動を規制する大径ピストンと、前記小径ピストン及び大径ピストンを移動させる圧気ポートと、前記大径ピストンのシリンダ本体から突出した部分に取付けられシリンダ本体の位置規制部に当接することにより大径ピストンの移動位置を規制するストッパと、前記位置規制部と該ストッパとの間隔を調節する調節機構とを備えた充填バルブにおいて、
前記弁体ロッドの上端と前記小径ピストンと一体のロッド軸下端を軸継手等による連結構造とし、前記ロッド軸のシリンダ本体から突出した部分に取付けられシリンダ本体の位置規制部に当接することにより小径ピストンの移動を規制するストッパと、前記位置規制部と該ストッパとの間隔を調節する調節機構を備え、充填バルブの動作を全開用及び部分開用の2段階に変えるとともに、夫々独立して調節可能なことを特徴とする充填バルブ。 - 請求項1の充填バルブにおいて、前記液バルブを収納するバルブ本体の下部のみが、無菌若しくは清浄な雰囲気内に露出されて、清浄な液体を清浄な容器に充填することが可能な構成を有することを特徴とする充填バルブ。
- 請求項2の充填バルブにおいて、バルブ本体の中間部には、充填液の吐出口を含めた弁体下部を無菌若しくは清浄な充填雰囲気内に露出できるように、弁軸に垂直な取り付け面を有するフランジを備え、該バルブ本体と前記シリンダ本体、小径ピストン、大径ピストン等からなる空気圧シリンダとの間には、両者を連結すると同時に、前記無菌雰囲気から隔離された開口部から人手或いは通常の工具を用いて、前記小径ピストンと一体のピストンロッドの貫通部ボスに螺合された調整キャップを上下に調節可能にするための開口結合構造体を有することを特徴とする充填バルブ。
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