JP2010052057A - 数値制御工作機械 - Google Patents

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智彦 興津
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Abstract

【課題】移動体に加わる摩擦力を調整する手段を別途設けなくても、移動体の摩擦負荷を容易に調整することが可能な工作機械の提供を課題とする。
【解決手段】数値制御工作機械1に、案内方向D1へ向かうにつれて漸次変化した厚みを有して凹凸嵌合構造30において対向する支持体40と移動体50との間の空間CL1に挿入された隙間調整部材60と、移動体50を案内方向D1へ駆動する移動体駆動手段70と、隙間調整部材60を案内方向D1へ駆動する隙間調整部材駆動手段80と、ワークW1を加工するために用いられる加工プログラムP1を記録した記録媒体20と、移動体50を案内方向D1へ移動させるための移動体駆動手段70、及び、隙間調整部材60を案内方向D1へ移動させるための隙間調整部材駆動手段を加工プログラムP1に従って制御する制御手段10とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワーク(被加工物)を加工するために用いられる移動体を支持体に対して案内方向へ摺動可能に凹凸嵌合した凹凸嵌合構造を有する工作機械に関する。
この種の工作機械として、主軸台等の移動体に長尺なアリが形成され、主軸台テーブル等の支持体にアリ溝が形成され、アリがアリ溝に対して案内方向へ摺動可能に凹凸嵌合した数値制御旋盤が知られている。この旋盤は、モータ等の移動体駆動手段により移動体がアリ溝に沿って滑り案内される。移動体を駆動する際に支持体と移動体との摩擦により生じる負荷、すなわち、摩擦負荷を調整するため、アリとアリ溝との間の空間に長尺なギブが挿入される。
特許文献1には、サドルにアリ溝が設けられ、テーブルにアリが設けられた工作機械が記載されている。アリ・アリ溝の両摺動面間をガタのない滑りがあるように調整するため、長手方向に勾配を施した一対のギブがそれぞれアリ・アリ溝の長手方向両端から傾斜摺動面相互間の空間を閉じるように挿入されて装着される。
また、特許文献2には、案内レール及びスライダの転動溝に複数の転動体を挿入したリニアガイド装置が記載されている。このリニアガイド装置は、案内レールに案内されるスライダに凹所が形成され、該凹所内に案内レールの面に押圧力を付与する押圧機構が配置され、該押圧力を調整する押圧力調整手段が前記押圧機構に接続されている。
特開平6−126566号公報 特開昭63−169241号公報
特許文献1記載の工作機械は、ギブの装着が手動で行われるため、サドルに対してテーブルを固定するためには別途、テーブルを固定する手段が必要となる。テーブルを固定する手段が無ければ、ワークを加工する場合、テーブルの駆動機構で加工時の負荷が受け止められることとなり、駆動機構の負荷が大きくなってしまう。
特許文献2記載のリニアガイド装置は、案内レールの面に付与する押圧機構や、該押圧力を調整する押圧力調整手段が別途、必要であり、コストが高くなってしまう。
以上を鑑み、本発明は、移動体に加わる摩擦力を調整する手段を別途設けなくても、移動体の摩擦負荷を容易に調整することが可能な工作機械の提供を目的としている。
上記目的を達成するため、本発明は、ワークを加工するために用いられる移動体を支持体に対して案内方向へ摺動可能に凹凸嵌合した凹凸嵌合構造を有する数値制御工作機械であって、前記凹凸嵌合構造において対向する前記支持体と前記移動体との間に前記案内方向へ向かうにつれて幅が漸次変化した空間が設けられ、該空間に対応して前記案内方向へ向かうにつれて漸次変化した厚みを有し、前記空間に挿入された隙間調整部材と、前記移動体を前記案内方向へ駆動する移動体駆動手段と、前記隙間調整部材を前記案内方向へ駆動する隙間調整部材駆動手段と、前記ワークを加工するために用いられる加工プログラムを記録した記録媒体と、前記移動体を前記案内方向へ移動させるための前記移動体駆動手段、及び、前記隙間調整部材を前記案内方向へ移動させるための前記隙間調整部材駆動手段を前記加工プログラムに従って制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
すなわち、移動体が加工プログラムに応じて案内方向へ移動するとともに、隙間調整部材も加工プログラムに応じて案内方向へ移動する。ここで、凹凸嵌合構造において対向する支持体と移動体との間に案内方向へ向かうにつれて幅が漸次変化した空間が設けられ、隙間調整部材が該空間に対応して案内方向へ向かうにつれて漸次変化した厚みを有するので、隙間調整部材の移動に応じて移動体に加わる摩擦力が変わる。これにより、移動体の摩擦負荷を調整するために移動体に加わる摩擦力を調整する手段を別途設ける必要が無くなる。
ところで、上記移動体には、主軸台、刃物台、等が含まれる。上記支持体には、主軸台テーブル、刃物台テーブル、等が含まれる。
上記加工プログラムには、NC(Numerical Control)言語で書かれたNCプログラム、CPU(Central Processing Unit)により直接解釈実行される機械語で表現されたプログラム、中間言語で表現されたプログラム、等が含まれる。
請求項1に係る発明によれば、移動体に加わる摩擦力を調整する手段を別途設けなくても、移動体の摩擦負荷を容易に調整することができる。
請求項2に係る発明では、凹凸嵌合構造において隙間調整部材を挟んで対向する支持体と移動体との隙間を容易に調整することができる。
請求項3に係る発明では、単位時間当たりのワークの加工量を増加させることができる。
(1)数値制御工作機械の説明:
図1は本発明の一実施形態に係るNC(Numerical Control;数値制御)旋盤1の構成の概略を示す平面図、図2は旋盤1の電気回路の概略を示すブロック図、図3は旋盤1の要部を示す斜視図、図4(a)は要部の左側面図、図4(b)は要部の正面図、図4(c)は要部を同図(b)のA1−A1の位置で断面視して示す垂直断面図、図5は要部の平面図、図6はギブ60の機能を説明するため移動体を外した状態の要部を示す平面図、図7(a)は加工プログラムを構成する各指示を例示する図、図7(b)は加工プログラムの例を示す図、図8は原点調整処理の一例を示すフローチャート、図9は旋盤1の処理の一例を示すフローチャートである。
図1に示すNC旋盤(数値制御工作機械)1は、正面主軸台50A、ガイドブッシュ91、背面主軸台50B、刃物台50C、NC装置10、等を備えている。正面主軸台50Aは、回転軸AX1を中心としてワークW1を回転させる正面主軸51Aを備え、正面主軸台テーブル40Aに対してZ1方向へ案内される。ガイドブッシュ91は、正面主軸51Aを貫通したワークW1をZ1方向に摺動可能に支持し、例えば図示しないガイドブッシュ用モータにより正面主軸51Aと同期して回転駆動される。背面主軸台50Bは、回転軸AX1を中心として突っ切り後のワークを回転させる背面主軸51Bを備え、背面主軸台テーブル40Bに対してZ2方向及びX2方向へ案内される。刃物台50Cは、工具51Cを備え、刃物台テーブル40Cに対してX3方向及びY3方向及びZ3方向へ案内される。刃物台50Cには、正面加工用のバイト、突切バイト、背面加工用のバイト、といった複数の工具が同時に取り付けられてもよいし、これらの工具が交換可能に取り付けられてもよい。
なお、X2,X3方向は図1の上下方向、Y3方向は図1の紙面に対して直交する方向、Z1,Z2,Z3方向は図1の左右方向である。
ここで、主軸台50A,50Bや刃物台50CはワークW1を加工するために用いられる移動体となり、テーブル40A,40B,40Cは移動体を案内方向へ摺動可能に凹凸嵌合した支持体となり得る。特に、刃物台は、ワークを加工する際に負荷がかかるうえ、加工効率向上のため素早く移動する必要があるため、本発明を適用すると好適である。
図2に示すように、NC装置10は、内部のバス10gに、CPU10a、半導体メモリ10b〜10d、タイマ回路10e、記録媒体20、I/F(インターフェイス)回路、I/O(入出力)回路、等が接続されたコンピュータとされている。ROM(Read Only Memory)10bには、加工プログラムの各指令を解釈して実行する解釈実行プログラム(Interpretive Program)PG3が書き込まれている。この解釈実行プログラムPG3は、記録媒体20から加工プログラムを読み出し、加工プログラムを構成する指令毎に対応する処理を実行する機能をコンピュータに実現させる。RAM(Random Access Memory)10cは、記録媒体20から読み出された加工プログラムPG2を一時的に格納したり、各種データを一時的に格納したりする。不揮発性半導体メモリ10dは、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等が用いられ、ギブ60の原点位置P0等、各種データが書き換え可能に記録される。記録媒体20は、ハードディスク(磁気記録媒体)、不揮発性半導体メモリ、光ディスク、等が用いられ、ワークW1を加工するために用いられる加工プログラムPG1をコンピュータで読み取り可能に記録している。記録媒体20は、I/F回路を介してNC装置10の外部に設けられてもよく、NC装置10に設けられたドライブに対して着脱されるコンピュータで読み取り可能な媒体でもよい。CPU10aは、RAM10cをワークエリアとして利用しながら、加工プログラムPG2の各指令に従って解釈実行プログラムPG3を実行し各種サーボアンプや各種アクチュエータ等を数値制御する。
操作パネル11は、操作部11aや表示部11bを有し、NC装置10のI/F回路に接続されている。操作部11aは、例えば、利用者から操作入力を受け付けるためのボタンやタッチパネルから構成される。表示部11bは、例えば、利用者から操作入力を受け付けた各種設定の内容や旋盤1に関する各種情報を表示するディスプレイで構成される。
以上より、操作パネル11は、NC装置10のユーザインターフェイスとして機能する。
NC装置10のI/O回路には、主軸回転制御回路12a、主軸移動制御回路12b、工具移動制御回路12c、ギブ移動制御回路12d、等が接続されている。主軸回転制御回路12aは、エンコーダ(モータ位置検出回路)14aから入力される信号に基づいて、NC装置10から入力される指令量となるように主軸の回転を制御する。主軸回転制御回路12aは、正面主軸51Aの回転制御用の回路でもよいし、背面主軸51Bの回転制御用の回路でもよい。主軸移動制御回路12bは、エンコーダ14bから入力される信号に基づいて、NC装置10から入力される指令量となるように主軸台テーブルに対する主軸の移動を制御する。主軸移動制御回路12bは、正面主軸51AをZ1方向へ移動させるための回路でもよいし、背面主軸51BをZ2方向やX2方向へ移動させるための回路でもよい。工具移動制御回路12cは、エンコーダ14cから入力される信号に基づいて、NC装置10から入力される指令量となるように刃物台テーブル40Cに対する刃物台50CのX3方向及びY3方向及びZ3方向への移動を制御する。ギブ移動制御回路12dは、エンコーダ14cから入力される信号に基づいて、NC装置10から入力される指令量となるようにギブ60の案内方向D1への移動を制御する。
主軸回転駆動回路13aは、主軸回転制御回路12aに接続されたサーボアンプであり、主軸回転駆動モータ92を回転駆動する。この主軸回転駆動モータ92は、エンコーダ14aが取り付けられ、主軸(正面主軸51A又は背面主軸51B)を回転させる。主軸送り駆動回路13bは、主軸移動制御回路12bに接続されたサーボアンプであり、主軸台送りモータ(移動体送りモータ)72Aを駆動する。この主軸台送りモータ72Aは、エンコーダ14bが取り付けられ、主軸を所定方向へ駆動する。図1に示す例では、正面主軸51AはZ1方向へ駆動され、背面主軸51BはZ2方向やX2方向へ駆動される。工具送り駆動回路13cは、工具移動制御回路12cに接続されたサーボアンプであり、刃物台送りモータ(移動体送りモータ)72Bを駆動する。この刃物台送りモータ72Bは、エンコーダ14cが取り付けられ、刃物台50CをX3方向及びY3方向及びZ3方向へ駆動する。ギブ送り駆動回路13dは、ギブ移動制御回路12dに接続されたサーボアンプであり、ギブ送りモータ82を駆動する。このギブ送りモータ82は、エンコーダ14dが取り付けられ、ギブ60を案内方向D1へ駆動する。
なお、制御回路12a〜12dは、エンコーダ14a〜14dからの入力と駆動回路13a〜13dへの出力信号とに基づいてモータ92,72A,72B,82のトルクを検出し、その検出トルクを表すデータをNC装置10へ出力可能である。
本NC旋盤1は、上記記録媒体20、支持体40、移動体50、ギブ(隙間調整部材)60、移動体駆動手段70、隙間調整部材駆動手段80、制御手段、等を備える。
図3〜図5に示すように、NC旋盤1は、支持体40に対して移動体50を案内方向D1へ摺動可能に凹凸嵌合した凹凸嵌合構造30を有している。この凹凸嵌合構造30は、ダブテール形の摺動面とされ、支持体40の上面40aから断面台形状に凹んだ長尺なアリ溝42と、移動体50の下面50aから断面台形状に凸とされた長尺なアリ52とが滑り案内可能に嵌合して構成されている。アリ溝42は、水平な底面の幅方向両側に上側が狭まった傾斜面43と傾斜対向面44を配置した形状とされている。アリ52は、幅方向両側に傾斜面53と傾斜対向面54が設けられている。
以上により、移動体の下面50aが支持体の上面40aと摺動し、移動体50がアリ溝42に沿って水平方向へ案内される。
移動体50は、移動体送りモータ72に対向する部位に雌ねじ56が凹設されている。この雌ねじ56と螺合した雄ねじ74が回転すると、支持体40に対して移動体50が案内方向D1へ摺動する。
凹凸嵌合構造30において対向する支持体40と移動体50との間には、ギブ60を挿入するための空間CL1が設けられている。この空間CL1を挟んだ支持体40の傾斜対向面44と移動体50の傾斜対向面54との間隔は、ギブ60の厚みに対応して案内方向D1へ向かうにつれて漸次変化している。図3〜図5に示される空間CL1は、左側となるほど漸減し、右側となるほど漸増する幅とされている。図6に示すように、アリ溝42の内側面を構成する傾斜面43は厳密な案内方向D1に合わせられているが、同じくアリ溝42の内側面を構成する傾斜対向面44は厳密な案内方向D1に対して所定の勾配が設けられている。一方、アリ52の外側面を構成する傾斜面53及び傾斜対向面54は、厳密な案内方向D1に合わせられている。従って、空間CL1は、アリ溝の傾斜対向面44の勾配に応じて変化する間隔となる。
なお、図3〜図6では分かりやすく示すため空間CL1の変化率を実際よりも大きく示しているが、実際の空間CL1の変化率、すなわち、傾斜対向面44の勾配は、5〜10μm/m程度である。
ギブ60は、カミソリとも呼ばれ、上記空間CL1に挿入される。ギブ60は、断面が平行四辺形とされ、空間CL1に対応して案内方向D1へ向かうにつれて漸次変化した厚みを有している。図3〜図5に示されるギブ60は、ギブ送りモータ82に対向する基部61に向かって漸増し、先端部62に向かって漸減する厚みとされている。
なお、本明細書では、アリ溝42の傾斜対向面44とアリ52の傾斜対向面54との間を空間CL1と呼び、この空間CL1にギブ60が挿入されたときのアリ52の傾斜対向面54とギブ60の傾斜面63との間を隙間と呼ぶことにする。アリ52が厳密にアリ溝の傾斜面43に沿って移動するのであれば、アリ52とギブ60との隙間の幅方向D4の間隔は、空間CL1の幅からギブ60の幅を差し引いた距離となる。
本実施形態のギブ60は、長手方向の先端部62から空間CL1に差し込まれて支持体の傾斜対向面44と移動体の傾斜対向面54との間に装着される。図4(b)等において、ギブ60の差し込み方向D2はギブ60が案内方向D1の先端部62側へ移動する方向であり、ギブ60の後退方向D3はギブ60が案内方向D1の基部61側へ移動する方向である。また、ギブ60は、基部61に雌ねじ66が凹設されている。この雌ねじ66と螺合した雄ねじ84が回転すると、アリ溝42に対してギブ60が案内方向D1へ摺動する。
図6に示すように、ギブ60の側面を構成する傾斜面63は厳密な案内方向D1に合わせられているが、同じくギブ60の側面を構成する傾斜面64は厳密な案内方向D1に対して所定の勾配が設けられている。この勾配は、アリ溝の傾斜対向面44の勾配に合わせられている。そして、ギブ60は、アリ溝の傾斜対向面44に沿って移動する。従って、ギブ60が後退方向D3へ移動するとギブの傾斜面63がアリ溝の傾斜面43から少し離れ、ギブ60が差し込み方向D2へ移動するとギブの傾斜面63がアリ溝の傾斜面43に少し近づく。図示の例では、原点位置P0におけるギブの傾斜面63とアリ溝の傾斜面43との最短距離をL1とし、該原点位置P0よりも基部61側の後退位置P1となったときのギブの傾斜面63とアリ溝の傾斜面43との最短距離の増加分を距離L2として、後退位置P1におけるギブの傾斜面63とアリ溝の傾斜面43との最短距離がL1+L2になることが示されている。
以上により、アリ溝42とアリ52とが凹凸嵌合して空間CL1にギブ60が挿入されたとき、アリ溝の傾斜面43及び傾斜対向面44とアリの傾斜面53及び傾斜対向面54とのギブ60を挟んだ残りの隙間が若干変わり、移動体50に加わる摩擦力が調整される。むろん、ギブ60が差し込み方向D2へ移動すると隙間が狭くなって移動体50に加わる摩擦力が大きくなり、ギブ60が後退方向D3へ移動すると隙間が広くなって移動体50に加わる摩擦力が小さくなる。
なお、ギブ60は、案内方向D1への移動に伴ってアリ溝42の幅方向D4へ若干位置が変わる。しかし、幅方向D4への位置の変化は、数ミクロン程度であり、ギブの雌ねじ66と雄ねじ84とを組み付ける際のガタや、雄ねじ84とギヤ83とを組み付ける際のガタ等により、吸収される。むろん、ギブ60の幅方向D4への位置変化に追従するカップリング機構をギヤ83に設けてもよいし、ギブ60を案内方向D1へ移動させる機構として、雄ねじ84と雌ねじ66の組み合わせに代えて、ラックとピニオンを組み合わせた機構を用いることによりギブ60の幅方向D4への位置変化に追従するようにしてもよい。
移動体駆動手段70は、移動体50を案内方向D1へ駆動する。本実施形態の移動体駆動手段70は、移動体送りモータ72とギヤ73と雄ねじ74とを有している。移動体送りモータ72は、NC装置10から出力される指令量に応じてギヤ73を介して雄ねじ74を回転駆動し、移動体50を案内方向D1へ移動させる。ここで、案内方向D1は、移動体が正面主軸台50AであればZ1方向となり、移動体が背面主軸台50BであればZ2方向又はX2方向となり、移動体が刃物台50CであればX3方向又はY3方向又はZ3方向となる。
隙間調整部材駆動手段80は、ギブ60を案内方向D1へ駆動する。本実施形態の隙間調整部材駆動手段80は、ギブ送りモータ82とギヤ83と雄ねじ84とを有している。ギブ送りモータ82は、NC装置10から出力される指令量に応じてギヤ83を介して雄ねじ84を回転駆動し、ギブ60を案内方向D1へ移動させる。
制御手段は、加工プログラムPG1に従って、移動体50を案内方向D1へ移動させるための移動体駆動手段70の制御、及び、ギブ60を案内方向D1へ移動させるための隙間調整部材駆動手段80の制御を行う。本実施形態の制御手段は、NC装置10、各種制御回路12b〜12d、各種駆動回路13b〜13d、エンコーダ14b〜14d、から構成されている。解釈実行プログラムPG3は、NC装置10を制御手段として機能させる。
図7(a)に示すように、加工プログラムを構成する各指令Cnには、解釈実行プログラムPG3の各処理が対応付けられている。各指令Cnは、NC旋盤1を動作させるための各機能をコンピュータに実現させる。解釈実行プログラムPG3を実行しているNC装置10は、例えば、加工プログラムから指令「C0」を読み取ると、移動体50の早送り処理を実行する。複数の指令Cnには、移動体50を案内方向D1へ移動させる送り指令C0,C1が含まれる。各指令Cnには、適宜、旋盤の動作条件を設定するための引数が設けられる。
加工プログラムPG1は、インタプリタにより解釈実行される解釈実行プログラム指示文の一種であり、図7(b)に示すように、複数の指令Cnの中から選ばれる指令を組み合わせて構成される。加工プログラムPG1は、ブロックBn毎に指令を選択して記述される。ここで、同じブロックに複数の指令が記述される場合、これらの指令が同時に並行処理される。ただし、旋盤の機種や指令によっては優先順位に従って順番に処理されることもある。
以上の構成を有するNC旋盤1の機構部分は、支持体のアリ溝42に移動体のアリ52を挿入し、空間CL1にギブ60を適量差し込み、移動体50に移動体駆動手段70を組み付け、ギブ60に隙間調整部材駆動手段80を組み付けることにより、形成される。そして、形成された機構部分に上述した電気回路を接続し、記録媒体20に加工プログラムPG1を記録することにより、NC旋盤1はワークを加工可能となる。このNC旋盤1は、NC装置10が図8と図9に示すフローチャートに従った処理を行うことにより、ワークW1を加工する。以下、旋盤1の動作、作用、効果を説明する。
(2)数値制御工作機械の動作、作用、効果:
ワークW1を加工する前に、ギブ60の原点位置P0を調整しておくのが好ましい。原点位置P0の調整は、NC旋盤の出荷前や数年毎のメンテナンス時に行われる。
図8は、NC装置10が行う原点調整処理をフローチャートにより示している。この原点調整処理は、例えば、NC旋盤1のユーザに公開されていない原点調整指令に対応付けられた解釈実行プログラムPG3により実行される。
NC装置10は、例えば、操作部11aから原点調整指令の操作入力を受け付けると、図8に示す処理を開始する。ここで、ギブ60は、後退方向D3側へ最も後退した位置としておく。最初のステップS102(以下、「ステップ」の記載を省略)では、ギブ60を差し込み方向D2へ移動開始させる指示をギブ移動制御回路12dに対して出力する。すると、ギブ送りモータ82がギブ60を差し込み方向D2へ移動させる回転駆動を開始する。すなわち、ギブの傾斜面63がアリ溝の傾斜面43へ近づき、ギブ60の傾斜面63,64と傾斜対向面44,54との摩擦力が大きくなって、ギブ60の摩擦負荷が上昇していく。
次のS104では、ギブ移動制御回路12dからギブ送りモータ82の回転トルク値を取得し、該トルク値が所定のトルク値以上となったか否かを判断する。取得トルク値が所定のトルク値に到達していなければS104の処理を繰り返し、取得トルク値が所定のトルク値に到達するとS106へ進む。
次のS106では、ギブ60の移動を停止させる指示をギブ移動制御回路12dに対して出力する。すると、ギブ送りモータ82はギブ60の駆動を停止する。そして、NC装置10は、S108でギブ60の停止位置を原点位置P0として不揮発性半導体メモリ10dに書き込み、原点調整処理を終了する。本実施形態では、移動体50を固定するためのギブ60の位置を原点位置P0とする。むろん、移動体50を固定するためのギブ60の位置は、原点位置P0からずれていてもよい。
図9は、NC装置10が行う制御処理をフローチャートにより示している。この制御処理は、例えば、ユーザから加工開始指示の操作入力を受け付けたときに加工プログラムPG1に従って解釈実行プログラムPG3を実行することにより処理される。図示の処理は、移動体50の移動軸毎に行われる。例えば、移動体が刃物台50Cである場合、X3軸、Y3軸、Z3軸のそれぞれについて、時分割処理等により制御処理が並列して行われる。
本実施形態のNC装置10は、加工プログラムPG1を構成する送り指令C0,C1に応じてギブ60を案内方向D1へ移動させるための隙間調整部材駆動手段80の制御を行う。
NC装置10は、図9に示す処理を開始すると、記録媒体20から加工プログラムPG1をRAM10cへ読み出し、RAM10cに格納された加工プログラムPG2を構成するブロックの中から順次実行ブロックを設定する(S202)。実行ブロックの設定は、例えば、各ブロックBnを識別する番号をRAM10c内のカウンタに格納することにより行うことができる。
次のS204では、実行ブロックに移動体固定指令があるか否かを判断する。図7に示す例では、指令C3に相当する。実行ブロックに移動体固定指令があれば、ギブ60を差し込み位置、すなわち、原点位置P0へ移動させる指示をギブ移動制御回路12dに対して出力する(S206)。すると、ギブ送りモータ82の回転駆動によりギブ60が差し込み位置へ移動し、移動体50を固定する摩擦力が移動体50に加わり、支持体40に対して移動体50が固定される。
一方、実行ブロックに移動体固定指令がなければ、S208で実行ブロックに早送り指令があるか否かを判断する。図7に示す例では、指令C0に相当する。実行ブロックに早送り指令がなければ、S212へ進む。実行ブロックに早送り指令があれば、ギブ60を所定の後退位置P1へ移動させる指示をギブ移動制御回路12dに対して出力する(S210)。すると、ギブ送りモータ82の回転駆動によりギブ60が後退位置P1へ移動し、ギブ60の摩擦負荷が最も少なくなる。これにより、移動体50を速く動かす時にギブ60を駆動する際の摩擦負荷が最も少なくなる。
次のS212では、実行ブロックに加工送り指令があるか否かを判断する。図7に示す例では、指令C1に相当する。実行ブロックに加工送り指令がなければ、S216へ進む。実行ブロックに加工送り指令があれば、ギブ60を原点位置P0と後退位置P1との間となる所定の中間位置P2へ移動させる指示をギブ移動制御回路12dに対して出力する(S214)。すると、ギブ送りモータ82の回転駆動によりギブ60が中間位置P2へ移動し、ギブ60の摩擦負荷が原点位置P0のときよりも少なく後退位置P1のときよりも多くなる。これにより、ワークW1の加工時に適度な摩擦負荷がギブ60に加わり、また、ギブ60とアリ52との隙間が狭くなってワークW1が精度よく加工される。
次のS216では、実行ブロックに動作停止指令があるか否かを判断する。図7に示す例では、指令C8に相当する。実行ブロックに動作停止指令があれば、制御処理を終了する。一方、実行ブロックに動作停止指令がなければ、実行ブロックの指令に対応する解釈実行プログラムPG3の処理を行い(S218)、S202に戻る。例えば、刃物台50CのX3軸に対する実行ブロックに早送り指令があれば、刃物台50CをX3方向へ早送りする指示を工具移動制御回路12cに対して出力する。すると、刃物台送りモータ72Bが刃物台50CをX3方向へ移動させる回転駆動を行う。また、正面主軸台50AのZ1軸に対する実行ブロックに加工送り指令があれば、正面主軸台50AをZ1方向へ加工送りする指示を主軸移動制御回路12bに対して出力する。すると、主軸台送りモータ72Aが正面主軸台50AをZ1方向へ移動させる回転駆動を行う。さらに、実行ブロックに給油指令があれば、ギブ60は移動せず、給油処理が行われる。なお、実行ブロックに移動体固定指令しかなければ、S218では何もしないでS202に戻る。
S202に戻ると、今まで実行ブロックであったブロックの次のブロックが実行ブロックとして設定され、該実行ブロックの指令に対応する処理が行われる。
以上説明したようにして、NC装置10は、加工プログラムPG1に従って、移動体50を案内方向D1へ移動させるための移動体駆動手段70の制御、及び、ギブ60を案内方向D1へ移動させるための隙間調整部材駆動手段80の制御を行う。
以上より、本実施形態のNC旋盤1は、移動体50が加工プログラムPG1に応じて案内方向D1へ移動するとともに、ギブ60も加工プログラムPG1に応じて案内方向D1へ移動する。ここで、凹凸嵌合構造30の空間CL1及びギブ60の厚みが案内方向D1へ漸次変化しているので、ギブ60の移動に応じて移動体50に加わる摩擦力と隙間が変わる。これにより、移動体の移動負荷の選択と移動体の固定とが簡単な構成で実現され、移動体に加わる摩擦力を調整する手段を別途設けなくても移動体の摩擦負荷を容易に調整することができる効果が得られる。これにより、旋盤をコストダウンすることができる。また、加工プログラムPG1を構成する送り指令C0,C1に応じてギブ60が自動的に案内方向D1へ移動するので、凹凸嵌合構造30において対向するギブ60と移動体50との隙間、つまり、ギブ60を介した支持体40と移動体50との隙間を容易に調整することができる。これにより、移動体のガタを無くし、精度の良い加工が出来る。
(3)変形例:
本発明を適用可能な数値制御工作機械は、上述したNC旋盤以外のNC工作機械でもよい。
支持体と移動体との凹凸嵌合構造は、支持体に凹形状を形成し移動体に凸形状を形成した構造以外にも、支持体に凸形状を形成し移動体に凹形状を形成した構造でもよいし、支持体と移動体の双方にそれぞれ凹凸形状を形成した構造でもよい。また、凹凸嵌合構造は、アリ溝とアリとの嵌合構造以外にも、角形ガイド形式の構造等でもよい。
解釈実行プログラムは、ROM10bに記録される以外にも、記憶媒体20等に記録されてもよい。
上述した実施形態ではギブ60のみを移動させる専用のギブ移動指令を設けていないが、このギブ移動指令を設けてギブ60を案内方向D1へ移動させるようにしてもよい。
また、ワークの加工をより高精度に行う場合、通常の加工時よりも移動体のガタを少なくさせるため、ギブ60を中間位置P2よりも原点位置P0側の所定の前進位置P3へ移動させてもよい。この場合、移動体50の摩擦負荷が通常加工時よりも少し大きくなるが、ワークの加工精度が向上する。
図10は、変形例においてNC装置10が行う制御処理をフローチャートにより示している。図示の処理は、移動体50の移動軸毎に行われる。本変形例の指令には、図7に示す高精度加工指令C2が含まれる。
NC装置10は、図10に示す処理を開始すると、記録媒体20から加工プログラムPG1をRAM10cへ読み出し、RAM10cに格納された加工プログラムPG2を構成するブロックの中から順次実行ブロックを設定する(S302)。次のS304では実行ブロックに移動体固定指令があるか否かを判断し、実行ブロックに移動体固定指令があれば、ギブ60を差し込み位置(原点位置P0)へ移動させる(S306)。すると、支持体40に対して移動体50が固定される。
次のS308では、実行ブロックに高精度加工指令(C2)であるか否かを判断する。実行ブロックに高精度加工指令があれば、ギブ60を前進位置P3へ移動させる指示をギブ移動制御回路12dに対して出力する(S310)。すると、ギブ送りモータ82の回転駆動によりギブ60が前進位置P3へ移動し、ギブ60の摩擦負荷が通常加工時よりも増加する一方で移動体50のガタが少なくなる。これにより、ワークW1が高精度で加工される。
次のS312では、高精度加工が終了したか否かを判断する。NC装置10は、例えば、図示しないフローチャートに従って現在高精度加工を行っているか否かを表すフラグをセットし、このフラグが高精度加工中であることを表す情報であれば条件不成立と判断し、同フラグが高精度加工中でないことを表す情報であれば条件成立と判断する。フラグは、高精度加工終了指令(C3)によりセット解除される。条件不成立時には、S316に進む。条件成立時には、ギブ60を中間位置P2へ移動させる(S314)。すると、ギブ60の摩擦負荷が高精度加工時よりも少なくなる。
次のS316では、実行ブロックに動作停止指令があるか否かを判断する。実行ブロックに動作停止指令があれば、制御処理を終了する。一方、実行ブロックに動作停止指令がなければ、実行ブロックの指令に対応する解釈実行プログラムPG3の処理を行い(S318)、S302に戻る。
本変形例では、通常加工時には移動体を素早く移動させて効率良くワークを加工し、高精度加工時には移動体のガタを少なくさせてワークを高精度で加工するので、NC工作機械の利便性が向上する。
なお、本変形例では高精度加工時にギブ60のみを移動させる専用の隙間減少指令を設けていないが、この隙間減少指令を設けてギブ60を前進位置P3へ移動させるようにしてもよい。また、本変形例では高精度加工終了時にギブ60を中間位置P2へ戻す専用の中間位置戻り指令を設けていないが、この中間位置戻り指令を設けてギブ60を中間位置P2へ移動させるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では実行ブロックの処理が終了した後に次のブロックの指令を読み取っていたが、実行ブロックの処理が終了する前に次回以上のブロックの指令を先に読み取り、可能な場合にギブ60を先に移動させてもよい。
図11は、変形例においてNC装置10が行う制御処理をフローチャートにより示している。図示の処理は、移動体50の移動軸毎に行われる。本変形例のNC装置10は、加工プログラムPG1を構成する各指令を読み取る際に前の指令に対応する機能の動作が終了していなくても次回以降の指令を先に読み取る。そして、読み取った指令にギブ60が案内方向D1へ移動する特定の指令があり、かつ、該特定の指令よりも前に移動体50を案内方向D1へ移動させる動作が含まれている場合、前記特定の指令の直前の移動体50の移動動作が完了した時に前記特定の指令に対応する隙間調整部材駆動手段80の動作を開始させる。
NC装置10は、図11に示す処理を開始すると、記録媒体20から加工プログラムPG1をRAM10cへ読み出し、加工プログラムPG2の最初のブロックのみについて、図9で示したフローチャートに従って処理を開始する(S402)。ただし、S212でNOの場合、又は、S214の処理を実行した後は、続いて図11のS404からの処理が実行される。
S404では、実行ブロックに動作停止指令があるか否かを判断する。実行ブロックに動作停止指令があれば、制御処理を終了する。一方、実行ブロックに動作停止指令がなければ、S406に進み、実行ブロックの指令に対応する処理を開始する。この処理は、移動体50が移動する処理とギブ60が移動する処理を除いた処理となる。図7の例では、指令C0〜C2に対応する処理が移動体50を移動させる処理であり、指令C0〜C4に対応する処理がギブ60を移動させる処理である。従って、指令C5〜C7に対応する処理がS406で開始対象の処理となる。
次のS408では、実行ブロックの次のブロック(先読みブロックとする)の指令を読み取り開始する。すなわち、NC装置10は、前の指令に対応する機能の動作が終了していなくても次回以降の指令を先に読み取る。
次のS410では、実行ブロックに移動体の移動指令があるか否かを判断する。この移動指令は、移動体50を案内方向D1へ移動させる指令であり、例えば、図7に示す早送り指令C0や加工送り指令C1に相当する。実行ブロックに移動体の移動指令がなければ、S418に進む。実行ブロックに移動体の移動指令があれば、S412でギブ60が停止しているか否かを判断する。この判断処理は、例えば、NC装置10がギブ移動制御回路12dからギブ送りモータ82の駆動の有無を表すデータを取得し、該データがギブ送りモータ82の駆動無しを表すデータであるか否かを判断することにより行うことができる。ギブ60が移動していれば、NC装置10はギブ60が停止するまでS412の処理を繰り返す。S412の処理を行うのは、移動体50の駆動負荷が設計された負荷となっていないうちに移動体50が移動してしまう不都合を回避するためである。
S412で条件成立となると、S414で移動体50の移動を開始する。
次のS416では、移動体50の移動が完了したか否かを判断する。この判断処理は、例えば、NC装置10が移動制御回路12b,12cから送りモータ72A,72Bの駆動の有無を表すデータを取得し、該データが送りモータ72A,72Bの駆動無しを表すデータであるか否かを判断することにより行うことができる。移動体50が移動していれば、NC装置10は移動体50が停止するまでS416の処理を繰り返す。S416の処理を行うのは、移動体50が移動している間に移動体50の駆動負荷が設計された負荷から変わってしまう不都合を回避するためである。
S416で条件成立となると、S418で指令の先読みを完了したか否かを判断する。先読みブロックに読み取っていない指令が残っている場合、S418の処理を繰り返す。先読みブロックの指令を全て読み取ると、S420で先読みブロックに加工送り指令があるか否かを判断する。先読みブロックに加工送り指令がある場合、S422でギブ60を中間位置P2へ移動させる指示をギブ移動制御回路12dに対して出力する。すると、ギブ送りモータ82の回転駆動によりギブ60が中間位置P2への移動を開始する。
次のS424では、先読みブロックに早送り指令があるか否かを判断する。先読みブロックに早送り指令がある場合、S426でギブ60を後退位置P1へ移動させる指示をギブ移動制御回路12dに対して出力する。すると、ギブ送りモータ82の回転駆動によりギブ60が後退位置P1への移動を開始する。
次のS428では、先読みブロックに移動体固定指令があるか否かを判断する。先読みブロックに移動体固定指令がある場合、S430でギブ60を差し込み位置(原点位置P0)へ移動させる指示をギブ移動制御回路12dに対して出力する。すると、ギブ送りモータ82の回転駆動によりギブ60が差し込み位置への移動を開始する。
なお、上述した加工送り指令や早送り指令や移動体固定指令は、ギブ60が案内方向D1へ移動する特定の指令である。S410〜S416の処理を行うことにより、移動体50を案内方向D1へ移動させる動作とギブ60の移動動作とが重ならないようにしている。そして、S416で特定の指令の直前にある移動体50の移動動作が完了した時、S420〜S430で特定の指令に対応する隙間調整部材駆動手段80の動作が開始する。すなわち、S420〜S432の処理を行うことにより、読み取った指令にギブ60が案内方向D1へ移動する特定の指令がある場合に、実行ブロックの処理と並行して隙間調整部材駆動手段80の制御が行われる。
次のS432では、実行ブロックの指令に対応する機能の処理が完了したか否かを判断する。実行ブロックに動作が完了していない処理が残っていれば、S432の処理を繰り返す。実行ブロックの指令に対応する機能の処理が完了すると、実行ブロックを次のブロック、すなわち、先読みブロックに更新し(S434)、S404に戻る。
本変形例では、先読みした指令にギブ60が案内方向D1へ移動する特定の指令がある場合、実行ブロックの未処理の動作に移動体50を案内方向D1へ移動させる動作が含まれていなければ、前記特定の指令に対応する隙間調整部材駆動手段80の制御が行われる。従って、ワークの加工のサイクルタイムが短縮し、単位時間当たりのワークの加工量が増加する。
なお、本変形例では1ブロックのみ先読みしているが、複数のブロックを先読みしてもよい。また、加工プログラムから変換した電子カムデータを用いる電子カム制御の場合も、加工プログラムを構成する指令を実行前に読み取って解析し、図11で示したフローチャートと同様の考え方で移動体50の移動タイミングとギブ60の移動タイミングとを設定した電子カムデータを作成すればよい。これにより、ギブ60の移動を先に行うことができる。むろん、加工プログラムから電子カムデータを生成し、この電子カムデータに従って移動体駆動手段70及び隙間調整部材駆動手段80を制御することは、移動体駆動手段70及び隙間調整部材駆動手段80を加工プログラムに従って制御することに含まれる。
ところで、図12に示すNC旋盤101のように、案内方向D1の両側から一対のギブ60A,60Bを凹凸嵌合構造における支持体40のアリ溝42と移動体50のアリとの間の空間に挿入してもよい。図12では、移動体50を二点鎖線により示している。
本変形例の隙間調整部材駆動手段80は、ギブ送りモータ82、歯車82a,85a,85b,85c,86a,86b、シャフト85、雄ねじ84A,84B、等を備えている。歯車82aは、ギブ送りモータ82の軸に固定され、ギブ送りモータ82により直接回転駆動される。シャフト85は、中間部分に歯車85aが固定され、左端部に歯車85bが固定され、右端部に歯車85cが固定されている。歯車85aは歯車82aと噛合し、歯車85bは歯車86aと噛合し、歯車85cは歯車86bと噛合している。歯車86aは、左側のギブ60Aに繋がった雄ねじ84Aの軸に固定されている。歯車86bは、右側のギブ60Bに繋がった雄ねじ84Bの軸に固定されている。
左側のギブ60Aは、歯車86aに対向する左側に向かって漸増し、右側に向かって漸減する厚みとされている。凹凸嵌合構造における支持体40の傾斜対向面と移動体50の傾斜対向面との間の空間は、ギブ60Aの厚みに合わせた間隔とされている。右側のギブ60Bは、歯車86bに対向する右側に向かって漸増し、左側に向かって漸減する厚みとされている。凹凸嵌合構造における支持体40の傾斜対向面と移動体50の傾斜対向面との間の空間は、ギブ60Bの厚みに合わせた間隔とされている。
また、ギブ60A,60Bは、雄ねじ84A,84Bが回転するときに互いに近接するか互いに離間するかするように、それぞれ雄ねじ84A,84Bと連結されている。
以上の構成により、ギブ送りモータ82が歯車82aを回転駆動すると、シャフト85が回転し、雄ねじ84A,84Bが同時に回転して、ギブ60A,60Bが同時に案内方向D1へ摺動する。従って、本変形例では、ギブ送りモータを増やすことなく、凹凸嵌合構造における支持体と移動体との間の空間に複数のギブを設けることが可能となる。また、ギブを複数にすることにより、ギブの長さを短くすることができ、ギブの加工が容易となる。
なお、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
数値制御旋盤の構成の概略を例示する平面図。 数値制御旋盤の電気回路の概略を例示するブロック図。 数値制御旋盤の要部を例示する斜視図。 数値制御旋盤の要部を例示する図。 数値制御旋盤の要部を例示する平面図。 ギブの機能を例示する平面図。 指令及び加工プログラムの例を示す図。 原点調整処理の一例を示すフローチャート。 数値制御旋盤の処理の一例を示すフローチャート。 変形例に係る数値制御旋盤の処理の一例を示すフローチャート。 変形例に係る数値制御旋盤の処理の一例を示すフローチャート。 変形例に係る数値制御旋盤の外観を例示する平面図。
符号の説明
1,101…数値制御旋盤(数値制御工作機械)、
10…数値制御装置(制御手段の一部)、
20…記録媒体、
30…凹凸嵌合構造、
40…支持体、42…アリ溝、43…傾斜面、44…傾斜対向面、
50…移動体、52…アリ、53…傾斜面、54…傾斜対向面、
60…ギブ(隙間調整部材)、61…基部、62…先端部、63,64…傾斜面、
70…移動体駆動手段、72,72A,72B…移動体送りモータ、
80…隙間調整部材駆動手段、82…ギブ送りモータ、
CL1…空間、D1…案内方向、D2…差し込み方向、D3…後退方向、
P0…原点位置、P1…後退位置、P2…中間位置、P3…前進位置、
PG1,PG2…加工プログラム、W1…ワーク、

Claims (3)

  1. ワークを加工するために用いられる移動体を支持体に対して案内方向へ摺動可能に凹凸嵌合した凹凸嵌合構造を有する数値制御工作機械であって、
    前記凹凸嵌合構造において対向する前記支持体と前記移動体との間に前記案内方向へ向かうにつれて幅が漸次変化した空間が設けられ、
    該空間に対応して前記案内方向へ向かうにつれて漸次変化した厚みを有し、前記空間に挿入された隙間調整部材と、
    前記移動体を前記案内方向へ駆動する移動体駆動手段と、
    前記隙間調整部材を前記案内方向へ駆動する隙間調整部材駆動手段と、
    前記ワークを加工するために用いられる加工プログラムを記録した記録媒体と、
    前記移動体を前記案内方向へ移動させるための前記移動体駆動手段、及び、前記隙間調整部材を前記案内方向へ移動させるための前記隙間調整部材駆動手段を前記加工プログラムに従って制御する制御手段とを備えることを特徴とする数値制御工作機械。
  2. 前記加工プログラムには前記移動体を前記案内方向へ移動させる送り指令が含まれ、
    前記制御手段は、前記加工プログラムを構成する前記送り指令に応じて前記隙間調整部材を前記案内方向へ移動させるための前記隙間調整部材駆動手段の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の数値制御工作機械。
  3. 前記加工プログラムには前記移動体を前記案内方向へ移動させる送り指令が含まれ、
    前記制御手段は、前記加工プログラムを構成する指令を読み取り、読み取った指令に前記隙間調整部材が前記案内方向へ移動する特定の指令があり、かつ、該特定の指令よりも前に前記移動体を前記案内方向へ移動させる動作が含まれている場合、前記特定の指令の直前の移動体の移動動作が完了した時に前記特定の指令に対応する前記隙間調整部材駆動手段の動作を開始させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の数値制御工作機械。
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